JP3224647B2 - 加工食品の品質保存法 - Google Patents
加工食品の品質保存法Info
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Description
り、詳しくは加工食品のの保存中における風味の劣化を
防止する方法に関する。
加工食品、レトルト畜肉、めん類、そう菜、漬物、半生
菓子、佃煮、水煮、たれ類、みそ又はしょう油等は経時
的に、光照射、熱、空気酸化を受けることにより香味変
化、変色、退色等を受け著しく商品価値を低下させる。
これらの現象を防止する為に、ビタミンE、アスコルビ
ン酸、エリソルビン酸及びその誘導体、カテキン類、ク
ロロゲン酸、フラボノイド、金属封鎖剤等を添加する方
法が知られているが、いずれも効果が充分でなく、満足
できるものではない。
かつ広い範囲の品質劣化、香味変化、変色、退色を防止
することができる改良法の開発が重要な課題となってい
る。従来の技術では加工食品の香味変化、変色、退色防
止効果は弱いか、または防止できる加工食品が限定され
ていた。例えば、エチレンジアミン四酢酸(以下EDT
Aという)2ナトリウム、フィチン酸又はエリソルビン
酸等をフルーツゼリー等への添加による方法では、短期
間では品質劣化、香味変化に効果があるが、長期保存
(6ケ月以上)では効果が少ない。またアスコルビン酸
を半生菓子等に添加すると、逆に品質劣化を促進するこ
ともあるという問題点がある。またクエン酸やEDTA
2ナトリウム等の金属封鎖剤を用いて、生めんの品質劣
化防止の目的に用いられることがあるが、香味変化の防
止には効果を殆ど示さない。又、レトルト畜肉食品にお
いては、赤変防止効果等の目的にクエン酸、フィチン酸
等が使用されるが、香味変化の劣化防止には致っていな
い。そのため効力が強くかつ広い範囲の加工食品に使用
することができる品質劣化防止法の開発が要望されてい
る。
諸問題を解決すべく鋭意に研究した結果、金属封鎖剤と
トレハロースを併用することにより広範囲の加工食品で
香味変化、変色、退色防止において優れた効力があり、
かつ、従来の問題点が大幅に改善されることを見出し、
本発明を完成するに至った。この発明に使用される金属
封鎖剤は、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酒石酸、クエ
ン酸、コハク酸、フマル酸とこれら酸のアルカリ金属
塩、及びEDTAカルシウム2ナトリウム、EDTA2
ナトリウム等が挙げられ、これらの群から選ばれる1種
または2種以上の混合物が採用される。またこの発明で
いうトレハロースとはD−グルコースが1,1結合した
ものを指し結合様式からは、α,α−体以外にα,β体
及び、β,β−体も含まれこれらの中から選ばれる1種
もしくは2種以上の混合物として使用される。
体のトレハロースであり、別名としてミコース、ミコシ
ド、マッシュルーム糖ともいわれ、2分子のD−グルコ
ースが1,1結合した非還元性2糖類の一種で、カビ、
酵母、紅藻、地衣及び多くの昆虫等に広く分布し、特に
昆虫類では、血リンパ中にあって主要血糖として存在す
るばかりでなく、不凍剤として効果をもち、季節により
その濃度を調節するといわれており、生命維持に重要な
役割をはたしている。食品への応用例としては、新規食
品素材として低う蝕、抗う蝕、かつビフィズス菌増殖促
進効果を有する甘味剤(特開昭63ー240758)、
また水分を含有する食品原料や飲料に所定量のトレハロ
ースを添加すると、食品原料や飲料の蛋白質の変性が抑
制できること(特表平2−503864)が知られてい
る。
みを有する2糖類で、甘味度がショ糖に較べて約1/3
〜1/5と少なく、また非還性の2糖類であり、従って
アミノ酸とのメイラード反応による褐変を生じることな
く、加工食品の製造工程中での加熱工程での変色を生じ
ないといった特徴を有している。一方、金属封鎖剤は、
金属をキレートすることにより光や熱による酸化の防止
や、微生物の栄養源である微量元素を不活化させる目的
で使用されることが知られている。本発明らは、長い年
月にわたり広範な実験と研究を続けてきた結果、トレハ
ロースと金属封鎖剤を併用することにより、加工食品の
製造工程上及び保存中での香味変化、変色、退色といっ
た諸問題点が従来から知られている方法に比べて大幅に
改善されることを見出した。
により香味変化防止が大幅に改善される理由は、金属封
鎖剤と金属とのキレート後の安定性をトレハロースが高
めていることと、特に水産ねり製品及び食肉加工食品、
レトルト畜肉等では、トレハロースを併用させることに
よって畜肉、魚肉等への金属封鎖剤の浸透が表面だけで
なく、肉内部に深く浸透し筋肉部、特に、筋小胞体に存
在するCa2+、Mg2+などの金属イオンを封鎖して
いることで香味変化防止効果が大幅に改善されていると
思われる。本発明の加工食品への金属封鎖剤とトレハロ
ースの添加量は食品により変るがおおむね加工食品原料
100部(重量部、以下同じ)に対し、金属封鎖剤は
0.1〜1.0部でよくトレハロースは0.02〜10
部でよい。
による品質劣化防止効果は,各種加工食品に使用するこ
とができる。たとえば、おかき、せんべい、おこし、ま
んじゅう、飴などの和菓子、クッキー、ビスケット、ク
ラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ドーナッ
ツ、ワッフル、プリン、バタークリーム、カスタードク
リーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート
菓子、キャラメル、キャンデー、チューイングガム、ゼ
リー、ホットケーキ、パン、などの各種洋菓子、ポテト
チップ等のスナック菓子、アイスクリーム、アイスキャ
ンデー、シャーベットなどの氷菓、乳酸飲料、乳酸菌飲
料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、
機能性飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着
色炭酸飲料などの清涼飲料水等の嗜好飲料、ワイン、ワ
インソーダー、リキュール、カクテル等のアルコール飲
料、フルーツヨーグルト、チーズ、バター等の乳製品、
豆乳などの大豆加工食品、マーマレード、ジャム、コン
サーブ、果実のシロップ漬、フラワーペースト、ピーナ
ッツペースト、フルーツペースト等のペースト類、漬
物、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、
ビーフジャキーなどの畜肉製品類またはレトルト畜肉
類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、は
んぺん、てんぷら等の水産練り製品またはその干物、う
に、いかの塩辛、貝の干物等の各種珍味類、のり、小
魚、貝類、するめ、野菜、山菜、茸、昆布等で作られる
佃煮類、即席カレー、レトルトカレー等のカレー類、ケ
チャップ、マヨネーズなどの各種調味量、各種レンジ食
品または冷凍食品などの品質劣化、香味変化防止の目的
に使用することができる。
発明にかかる品質劣化防止の為に添加するトレハロース
と金属封鎖剤の添加する時期は、特に限定されるもので
はなく、製造工程の任意の時期が選ばれる。
る。 実施例1 豚モモ肉をリテーナに充填して、熱湯中で1時間ボイル
した後、冷却し、約5m/mの厚さにスライスしてレト
ルト包剤に充填する。肉100部に対し、この中にED
TA2ナトリウム0.1部とトレハロース10部を溶解
せしめた調味液を注入する。調味液としては、醤油を2
0%以上含むものがのぞましい。次に包剤をシールした
後、レトルト釜にて130℃、15分間殺菌し、所定の
レトルト畜肉を得た。このレトルト畜肉を室温において
6ケ月間保存した後、対照品(肉100部に対しEDT
A2ナトリウム0.1部のみ添加、肉100部に対しト
レハロース10部のみ添加、EDTA2ナトリウムおよ
びトレハロース無添加)と比較したところ、対照品には
特有の肉内部が、加熱不十分のような桃色変色が生じて
おり香味も肉本来の香味が減じていたが、本発明品に
は、色変化が見られず、製造直後の色と変りがなくかつ
製造直後の肉本来の香味を保っていた。
分間殺菌後、香料を添加し、充填し冷却することにより
ストロベリーゼリーを調製した。対照としてトレハロー
ス及びフィチン酸を除いた無添加品を調製し、6ケ月冷
蔵保存後、10名のパネラーより官能評価を行った。官
能評価結果を表2に示した。表2から明らかなように、
トレハロースとフィチン酸の両方を添加したものは単独
添加品及び無添加品に比べて果汁感が強く、香味変化も
非常に少なく色素残存率も最も高かった。
ラーにより評価を行い、非常に強く感じる(+++)、
強く感じる(++)、ほとんど感じない(−)、とし
て、10人の平均値を示した。色素残存率の測定方法
は、赤キャベツ色素0.1%液の1/10、2/10、
3/10、4/10、5/10、6/10、7/10、
8/10、9/10、10/10量を添加したゼリーを
作製し、6ケ月保存後のゼリーとを目視で比較し色素残
存率を求めた。
り、この生うどん麺を真空にして包装し、35℃に1週
間貯蔵し外観及び官能による香味変化を調べた。その結
果、トレハロースとEDTAカルシウム2ナトリウムを
添加した生めんは1週間たっても外観上は変質が見られ
ず、生うどんの香味に変化がなかったが、単独添加及び
無添加の対照品は観上変質しており、異臭がして香味を
評価できなかった。
Claims (1)
- 【請求項1】加工食品原料100重量部に対し、トレハ
ロース0.02〜10重量部及び金属封鎖剤0.1〜
1.0重量部を添加することを特徴とする加工食品の品
質保存法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP24978093A JP3224647B2 (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 加工食品の品質保存法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24978093A JP3224647B2 (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 加工食品の品質保存法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0779739A JPH0779739A (ja) | 1995-03-28 |
JP3224647B2 true JP3224647B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=17198122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24978093A Expired - Fee Related JP3224647B2 (ja) | 1993-09-10 | 1993-09-10 | 加工食品の品質保存法 |
Country Status (1)
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---|---|
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Families Citing this family (3)
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EP0868916A3 (en) * | 1997-03-04 | 2004-09-15 | Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo | Reduction inhibitory agent for active-oxygen eliminating activity |
DK1629731T3 (da) | 2003-03-28 | 2011-01-03 | Uno Shoyu Co Ltd | Modifikationsmiddel til kød, fremgangsmåde til fremstilling af et kødprodukt, og kødprodukt |
JP2005013227A (ja) * | 2003-06-06 | 2005-01-20 | Hayashibara Biochem Lab Inc | 加工品の品質保持方法 |
-
1993
- 1993-09-10 JP JP24978093A patent/JP3224647B2/ja not_active Expired - Fee Related
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