JP6745110B2 - ガラスパネルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、建築物の壁材等に用いられ、凹凸模様を有するガラスパネル及びその製造方法に関する。
建築物の壁や窓に用いられるガラスパネルに複数の細かな凹凸模様を付することにより、ある程度の採光を確保しつつ、建築物の外から内部を透視しにくくする効果を有することができる。このようなガラスパネルとして擦りガラスや型板ガラス等がある。
特許文献1には、半透明で平滑な板ガラスの製造方法として、透明で平坦なフロートガラスの一方の表面を砂などの研磨剤を用いて研削することにより、5.0μm以下のRaを有する表面に形成することが記載されている。
また、特許文献2には、ロールアウト成形により、片面が型板模様を有し、他面が平滑である型板ガラスの製造方法が開示されており、溶融ガラスを下側の型ロールと上側の平滑ロールから成る一対の成形ロールで成形し、得られたガラスリボンの型模様を有する面をデリバリープレートの波形形状の接触面上を滑らせることが記載されている。
特開2000−317786号公報 特開2009−51698号公報
特許文献1記載の板ガラスでは、ガラス表面全体を研削して得た凹凸面であるので、その凹凸面により光が屈折され、ガラスの向こう側の物質を視認できない。特許文献2記載の型板ガラスにおいても、ガラス表面全体が型ロールに押圧されて得た凹凸面であるので、型ロールの外形による凹凸とともに、そのロール表面に押圧されたことによる微細な凹凸が生じる。このため、この特許文献2記載の型板ガラスでも、型ロールによる凹凸面での光の屈折とともに、表面の微細な凹凸により光が屈折されガラスの向こう側の物質を視認できない。
このような表面凹凸を付けたガラスパネルでは、可視光透過率はほとんど変化がないが、視認性が大きく低下し、ガラスパネルを通して見る像がほとんど認識できず、意匠性にも劣る。また、特許文献1のような擦りガラスの場合は、凹凸面に水が付着すると、付着部分のみ透明度が変化し、意匠性が損なわれるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高い可視光透過率を保持したまま、視認性を制御し、意匠性に優れるガラスパネルを提供することを目的とする。
本発明のガラスパネルは、一様の板厚を有しており、一方の面に複数の凹部及び凸部を有するとともに、他方の面に、前記一方の面の前記凹部に対応する凸部及び前記一方の面の前記凸部に対応する凹部を有しており、表面及び裏面は、そのいずれかの面の前記凹部の最深部を除き平滑面である。
このガラスパネルは、表裏面のほぼ全体が平滑面であるので、平坦なフロートガラスと同じ可視光透過率を持ち、採光性に優れているとともに、一様の板厚で凹部及び凸部が形成されているので、光の屈折方向が部位により異なることから、ガラスパネルの反対側の
物体が歪んで見え、かつ凹部及び凸部が複数形成されていることから、全体がゆらいでいるような独特の模様で視認でき、意匠性に優れるものである。後述するように、その平滑面は、成形時の成形型の突起部に接触していない部分であり、火づくりの平滑面である。
このガラスパネルは、通常、板厚が2mm以上26mm以下で、その公差は±0.2mm以上±1.2mm以下である。この場合、板厚が薄いほど公差は小さくなり、厚くなると公差が大きくなる。
この場合、一方の面の凹部と他方の面の凸部とは、その曲率半径が板厚分の差で対応する曲面となるが、一方の面の凹部と凸部、あるいは他方の面の凸部と凹部とは、その曲率半径は必ずしも同一ではない。
本発明のガラスパネルにおいて、前記一方の面の前記凸部間のピッチが30mm以上800mm以下であり、前記一方の面における前記凹部の深さが前記ピッチの1/150以上1/5以下であるとよい。
凸部間のピッチ及び凹部の深さをこの範囲に設定することにより、壁材としてこのガラスパネルを用いると、ガラスパネルの反対側の物体やその背景等が適切な歪みで視認でき、意匠効果を十分に高めることができる。
本発明のガラスパネルにおいて、表面及び裏面に圧縮応力層が形成されているとよい。
いわゆる化学強化ガラスであり、高い耐風圧強度を有し、建築物の壁材等に適している。
また、本発明は、前述のガラスパネルが複数枚、一のガラスパネルの前記凹部に他のガラスパネルの前記凸部を係合した状態に貼り合わせられている合わせガラスパネルとすることができる。
ガラスパネルを複数枚貼り合わせた構造とすることにより、耐衝撃性が向上し、割れた際の飛散も生じにくく安全性が高められる。各ガラスパネルの間には接着剤層とが介在するが、この接着剤層をガラスとほぼ同じ屈折率、光透過率のものを用いることにより、採光性、視認性を損なうことなく耐衝撃性を高めることができる。
さらに、本発明は、前述のガラスパネルが複数枚、相互に間隔をおいて対向し、これらガラスパネルの周縁部が密閉されている複層ガラスパネルとすることができる。
複層ガラスパネルとすることにより、各ガラスパネルの間の密閉された中間層によって断熱性能が高められる。ガラスパネルの間の中間層は空気層としてもよいし、真空層としてもよく、アルゴン等の不活性ガスを封入してもよい。また、中間層の周縁部に吸湿剤を封入してもよい。
また、本発明のガラスパネルの製造方法は、複数の点状又は線状の頂部を有する突起部を相互に間隔をおいて立設した成形型を用意しておき、該成形型の前記突起部の上に平板状の板ガラスを載置する準備工程と、前記突起部上の前記板ガラスを軟化温度以上まで加熱することにより、前記突起部の頂部間に架け渡されている部分を撓ませた後に、冷却する変形工程とを有する。
このようにしてガラスパネルを製造すると、板ガラスに接触している部分が突起部の先端のごく一部だけとなるので、表面及び裏面のほぼ全面がフロートガラスと同様の火づくりの平滑面に形成することができ、また、突起部の頂部間に架け渡されている部分を撓ませて形成しているので、複数の凹部及び凸部を有する厚さが一様なガラスパネルを得ることができる。
本発明のガラスパネルの製造方法では、前記準備工程において、前記板ガラスに離型剤
を介してさらに板ガラスを重ね合わせた状態で前記突起部の上に載置することにより、複数枚のガラスパネルを同時に製造することができる。
そして、このようにして製造されたガラスパネルは、重ね合わせられていた面が両ガラスパネルでほぼ反転した表面形状に形成されるので、合わせガラスパネルや複層ガラスパネルに容易に加工することができる。
本発明のガラスパネルは、成形型の突起部に接触していない部分のガラスの表裏面が火づくりの平滑面であり、平坦なフロートガラスとほぼ同様に採光性に優れているとともに、一様の板厚で複数の凹部及び凸部が形成されているので、ガラスパネルの反対側の物体が歪んで見え、全体がゆらいでいるような独特の模様で視認でき、意匠性に優れている。
本発明の第1実施形態のガラスパネルの斜視図である。 図1のガラスパネルをその成形型と対比して示す斜視図である。 第1実施形態のガラスパネルの製造方法を(a)(b)の順に示す断面図である。 図2の成形型の全体斜視図である。 (a)が第1実施形態のガラスパネル越しに反対側を視認した状態を示す模式図、(b)が平坦なガラス越しに視認した状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態のガラスパネル及びその成形型を示す斜視図である。 第2実施形態のガラスパネルの製造方法を(a)(b)の順に示す断面図である。 図6の成形型の全体斜視図である。 本発明の第3実施形態の合わせガラスパネルを示す断面図である。 図9の要部の拡大図である。 2枚のガラスパネルを製造する途中の状態を示す断面図である。 図11の要部の拡大図である。 本発明の第4実施形態の複層ガラスパネルを示す断面図である。 図13の要部の拡大図である。 図4に示す成形型に対して突起部の形状を正面視六角形とした変形例を示す斜視図である。 図8に示す成形型に対して突起部の形状を正面視六角形とした変形例を示す斜視図である。
以下、本発明に係るガラスパネルの実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1〜図4は第1実施形態のガラスパネル1及びその製造の際に用いられる成形型11を示している。このガラスパネル1は、図1及び図2に示すように、全体としては矩形の板状に形成されるが、一方の面1aの全面に複数の凹部2及び凸部3が形成されるとともに、他方の面1bに、その一方の面1aの凹部2に対応する凸部4及び一方の面1aの凸部3に対応する凹部5を有し、全体として一様の板厚に形成されている。このガラスパネルの組成は特に限定されるものではないが、JIS R3106に準じて測定する可視光透過率が75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは84%以上であり、そのようなガラスパネルとしては、ソーダライムガラスパネル、及びソーダライムガラスから鉄の含有量を低下させた高透過ガラスパネルが挙げられる。
一方の面1aに形成される凹部2は、ほぼ球殻凹面の一部をなす形状とされ、この凹部2が縦横に整列して形成されていることにより、凸部3は、これら凹部2の間を直線状に連なって形成されている。つまり、個々の凹部2は凸部3により分離されて形成され、凸
部3は、ガラスパネル1の矩形の四辺において若干波打って形成される場合もあるが、全体としては分離されずに連続して形成されている。
この一方の面1aに対して、他方の面1bに形成される凸部4は、ほぼ球殻凸面の一部をなす形状で、縦横に整列し、凹部5により分離して形成されており、凹部5は、凸部4の間を直線状に連なって形成される。
また、このガラスパネル1の板厚tは2mm以上26mm以下で、その公差は±0.2mm以上±1.2mm以下とされる。この場合、板厚tが薄いほど公差は小さくなり、厚くなると公差が大きくなる。具体的には、板厚2mmのとき公差±0.2mm、板厚26mmのとき公差±1.2mmで、その間は漸次変化する。また、その一方の面(図1の上面)1aにおいて、凸部3間のピッチpは30mm以上800mm以下であり、凹部2の深さdは、ピッチpの1/150以上1/5以下で、2mm以上160mm以下とされている。好ましくは、ピッチpが150mm以上600mm以下、深さdがピッチpの1/80以上1/6以下で、5mm以上100mm以下の深さであり、さらに好ましくは、ピッチpが300mm以上400mm以下、深さdがピッチpの1/40以上1/10以下で、7.5mm以上90mm以下の深さである。
他方の面(図1の下面)1bにおいては、凹部5間のピッチが、一方の面1aの凸部3間のピッチpと同一に形成され、凸部4の高さが一方の面1aの凹部2の深さdとほぼ同一に形成される。
板厚がほぼ一様であるので、一方の面1aの凹部2と他方の面1bの凸部4とは、その曲率半径が板厚分の差で対応する曲面となる。ただし、一方の面1aの凹部2と凸部3、あるいは他方の面1bの凸部4と凹部5とは、その曲率半径は必ずしも同一ではない。
この一方の面1aの凹部2は、後述するように、平滑な平板状の板ガラス(フロート板ガラス)の裏面を成形型11に部分的に支持した状態でその支持点間を撓ませて形成された形状であり、このため、この一方の面1aは、凹部2及び凸部3とも、成形型11に全く接触させていないので、通常のフロート板ガラスと同じ平滑な表面形状を有している。また、他方の面(裏面)1bも、その凹部5において成形時に支持されていた線状の局部(最深部)を除き、一方の面1aの凹部2に対応する凸部4及び一方の面の凸部3に対応する凹部5の大部分の表面形状は、成形型11に接触せずに形成されるので、フロート板ガラスと同じ平滑な表面形状である。その平滑な表面の面粗さは、Raで0.2nm以上3nm以下とされる。
次に、このガラスパネル1の製造方法について説明する。
ガラス原料は一般的なフロートガラスに用いられるものと同じであり、ソーダライムガラス、またはソーダライムガラスから鉄の含有量を低下させた高透過ガラスを溶融炉内で溶解された後に融解すずを満たしたフロートバスの表面に送り出され、融解すずの上を帯状となって浮きながら送られ、ロールにより取り出されて徐冷されることにより、平板状の板ガラス(フロート板ガラス)10となる。
この板ガラス10を図2〜図4に示す成形型11の上に載置する。
この成形型11は、例えばステンレス鋼等からなる金属製であり、図示例では、複数の帯状の板材からなる突起部12が上下方向に沿って形成され、これら突起部12が相互に間隔をおいて縦横に整列され、その縦列の突起部12と横列の突起部12とが直交することにより、正面視で全体として矩形の格子形状となるように組み合わせられて枠体を構成している。各突起部12は、高さがすべて同一とされ、その上端の頂部13が、横断面半円弧状に丸められて、後述するように板ガラス10を支持する支持部とされており、その頂部13の円弧の頂点の高さが揃えられている。また、突起部12の間は横断面矩形状の空間部14が形成される。
そして、これら突起部12の頂部13における頂点により形成される面が板ガラス載置
面15とされる。
ガラスパネル1を製造するには、まず、図3(a)に示すように、この成形型11の板ガラス載置面15上に前述した平板状の板ガラス10を載置する(準備工程)。この板ガラス載置面15では、板ガラス10は突起部12の頂部13により格子形状をなす線状に支持され、これら頂部13の間の部分が空間部14の上方に架け渡された状態に配置される。
そして、この成形型11に載置した状態で板ガラス10をガラスの軟化温度(例えば、ソーダライムガラスで730±10℃)以上に加熱する。成形型11の上で板ガラス10が軟化すると、突起部12の線状の頂部13の間が空間部14とされているので、板ガラス10は、図3(b)に示すように、突起部12の頂部13の間に架け渡された部分が自重により空間部14内に垂れ下がり、頂部13の間で凹状に撓んだ状態となる。そして、板ガラス10への加熱を停止して冷却すると、その上面に複数の部分的な凹部2と凸部3とを有するガラスパネル1が成形される(変形工程)。
成形型11の上での板ガラス10への加熱温度及び時間を制御することにより、凹部2を任意の深さとすることができ、所望の形状のガラスパネル1を成形することができる。また、板ガラス10の成形型11への接触は、板ガラス10の裏面において、突起部12の頂部13における横断面半円弧状の頂点付近に限定され、上面の全体及び裏面の大部分は、成形型11や他の部材に接触することなく成形される。したがって、成形された後のガラスパネル1は、表裏面ともフロートガラスとほぼ同じ平滑面に形成される。
なお、板ガラス10を載置する前に、頂部13の表面に離型剤等を塗布しておいてもよい。
このようにして製造されたガラスパネル1は、例えば建築物の壁材として用いられる。前述したように、成形型11の突起部12に接触していない部分のガラスは表裏面ともフロートガラスとほぼ同じ火づくりの平滑面に形成されているので、フロートガラスの可視光透過率を保持でき、採光性に優れ、外部から十分な量の光を取り入れることができる。また、一様の板厚で表裏面に凹部2,5と凸部3,4が形成されているので、光の屈折方向が部位により異なることになり、このガラスパネル1を介して反対側を視認すると、反対側にある物体及び背景が歪んで見える。また、その凹部2,5及び凸部3,4が複数形成されていることから、全体がゆらいでいるような独特の模様で視認でき、意匠性に優れるものである。
(採光性の説明)
採光性は、JIS R3106の可視光透過率測定に準じて、評価することができ、可視光透過率が高いほど、採光性が高い。
(視認性の説明)
視認性は、JIS R3202の透視ひずみ試験に準じて、白地に斜め45°幅20mmの黒線を20mm間隔で複数本並べた900mm角のゼブラ板を、試験体となるガラスパネルから1〜5mの距離に設置して、試験体越しにゼブラ板を観察して、黒線のひずみの度合いを測定することにより評価できる。
図5は、このガラスパネル1を建築物の壁材に用いて、内部に配置した複数の椅子を反対側から視認したときの見え方を表したものであり、(a)が実施形態のガラスパネル越しに見える風景を示し、(b)が平滑なガラス越しに見える風景を示している。このように、実施形態のガラスパネル越しの場合は、椅子が存在することは認識できるものの、全体がゆらいでおり、独特の意匠を呈している。
図6〜図8は第2実施形態のガラスパネル21及びその製造の際に用いられる成形型31を示している。これらの図において、第1実施形態と同様の部分には同一符号を付して説明を簡略化する。
このガラスパネル21は、図6及び図7に示すように、矩形状の一方の面21aの半分に、第1実施形態と同様に、複数の凹部2及び凸部3が形成されるとともに、他方の面21bにも、その一方の面21aの半分の位置に対応して、一方の面21aの凹部2に対応する凸部4及び一方の面21aの凸部3に対応する凹部5を有しているが、残りの半分は平板状に形成され、この平板部22及び凹部2,5、凸部3,4が設けられた部分の全体が一様の板厚に形成されている。以下では、凹部2,5及び凸部3,4が設けられた部分を平板部22に対して装飾部23と称する。
このガラスパネル21の板厚t、一方の面21aの凸部3のピッチp、凹部2の深さd、他方の面21bの凹部5間のピッチ、凸部4の高さは、第1実施形態のものと同様に設定される。
このガラスパネル21を製造するための成形型31は、その半分が第1実施形態の成形型11と同様に、帯状の板材を格子状に組み合わせてなる枠体により、上下方向に沿う突起部12が、その頂部13における頂点の高さを揃えた状態に形成され、残りの半分が、突起部12の頂部13における頂点と同じ高さ位置に表面を配置した板状部32に形成されている。
この成形型31に、第1実施形態と同様に、平板状の板ガラス10を載置して軟化温度以上に加熱すると、成形型31の板状部32では板ガラス10の変形はないが、突起部12の頂部13により支持されている部分で第1実施形態の場合と同様に、板ガラス10が頂部13の間で凹状に撓んだ状態となり、その状態で冷却することにより、矩形状の半分が平板部22で、残る半分が複数の凹部2,5と凸部3,4とを有する装飾部23とされたガラスパネル21が製造される。
このガラスパネル21は、明瞭な視認性を有したい箇所には平板部22を、直接視認させたくない箇所には装飾部23を配置するように、装飾部23と平板部22とを上下に、あるいは左右に配置して、所望の装飾効果を発揮させることができる。このガラスパネル21においても、装飾部23は成形型31への接触が突起部12の頂部13における頂点付近(凹部5の最深部)に限定され、大部分が成形型31に接触することなく成形され、また、平板部22においても成形型31の板状部32に載置されていただけであり、特に加圧等はされていないので、表面のみならず裏面も平滑に形成され、採光性にも優れている。
図9〜図12は本発明の第3実施形態のガラスパネル41及びその製造方法を示している。
このガラスパネル41は、図9及び図10に示すように、合わせガラスパネルであり、2枚のガラスパネル42,43が、一方のガラスパネル42の裏面(他方の面)42bの凸部4と他方のガラスパネル43の表面(一方の面)43aの凹部2とを対向させ、これらを係合させた状態で有機樹脂フィルムからなる接着剤層44を介して貼り合わせられている。後述するように一方のガラスパネル42の凹部、凸部と、他方のガラスパネル43の凹部、凸部とは、その曲率半径は異なるが、便宜上、第1実施形態のものと同一の符号を付して説明する。
接着剤層44は、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等からなる層であり、ガラスとほぼ同じ屈折率、光透過率としたものが用いられ、厚さが0.3mm〜3.2mmに形成される。
この合わせガラスパネル41を製造する場合、図11及び図12に示すように、まず2枚のガラスパネル42,43を同時に成形する。具体的には、図2〜図4に示した第1実施形態の成形型11の上に、2枚の平板状の板ガラス10を、カーボン紙、ボロンナイトライド等の離型剤45を介在して重ね合わせた状態で載置し(準備工程)、その載置状態で両板ガラス10を加熱して同時に成形する(変形工程)。
2枚の板ガラス10を成形すると、その下層のガラスパネル43の上面(一方の面)43aの凹部2と上層のガラスパネル42の下面(他方の面)42bの凸部4の形状、及び下層のガラスパネル43の上面43aの凸部3と上層のガラスパネル42の下面42bの凹部5の形状は、それぞれほぼ反転した表面形状に形成され、下層のガラスパネル43の上面43aの凹部2と上層のガラスパネル42の下面42bの凸部4とはほぼ同じ曲率半径に形成され、下層のガラスパネル43の上面43aの凸部3と上層のガラスパネル42の下面42bの凹部5ともほぼ同じ曲率半径に形成される。
ただし、上層のガラスパネル42の上面(一方の面)42aの凹部2、凸部3のそれぞれの曲率半径は、重ね合わせ面における曲率半径より板厚tの分、小さく、下層のガラスパネル43の下面(他方の面)43bの凸部4、凹部5のそれぞれの曲率半径は、重ね合わせ面における曲率半径より板厚tの分、大きく形成される。
また、上層のガラスパネル42の上面42aの凹部2の深さd、凸部3間のピッチpと、下層のガラスパネル43の上面43aの凹部2の深さd、凸部3間のピッチpとは同一に形成される。
そして、これら2枚のガラスパネル42,43を成形時の重ね合わせ面どうしを対向させるようにして、その間に有機樹脂フィルムからなる接着剤層44を介して重ね合わせ、常法にしたがい加熱圧着することにより、合わせガラスパネル41を製造する。前述したように、2枚を重ね合わせて成形しているので、合わせガラスパネル41としても、その対向面が隙間なく合わせられ、内部に気泡等を生じさせることなく、正確な合わせガラスパネル41を得ることができる。
この合わせガラスパネル41は、両ガラスパネル42,43の間に接着剤層44が設けられているので、耐衝撃性が向上し、割れた際の飛散も生じにくく安全性が高められる。また、採光性及び視認性も、第1実施形態のガラスパネル1と比べると、2枚のガラスパネル42,43が重ねられることにより、その分の若干の低下はあるが、ほぼ良好な特性を有している。
なお、3枚以上のガラスパネルを接着剤層を介して重ね合わせた形態とすることも可能である。また、複数枚のガラスパネルとして厚さの異なるものを重ね合わせて構成してもよい。
図13及び図14は本発明の第3実施形態のガラスパネル51を示している。
このガラスパネル51は、複層ガラスパネルである。第2実施形態では2枚のガラスパネル42,43を接着剤層44を介して密接させたが、この第3実施形態の複層ガラスパネル51は、第2実施形態で図11及び図12で示した方法と同様にして製作した2枚のガラスパネル42,43が相互に間隔をおいて対向し、その周縁部にスペーサー52及び封着シール部53が設けられており、両ガラスパネル42,43の間の中間層54は空気層、真空層あるいは、アルゴン等の不活性ガス層とされている。この場合、両ガラスパネル42,43は、一方のガラスパネル42の裏面(他方の面)42bの凸部4と他方のガラスパネル43の表面(一方の面)43aの凹部2とを対向させるようにして配置されている。つまり、前述したほぼ同じ曲率半径の一方のガラスパネル42の凸部4と、他方のガラスパネル43の凹部2とを対向させている。
スペーサー52は、アルミニウム板により、ガラスパネル42,43の周縁部に配置される環状の筒体55を有しており、その筒体55が両ガラスパネル42,43の間に接着されている。また、筒体55は、内部に吸湿剤56が充填され、両ガラスパネル42,43の中間層54に面する部分に、複数の孔57が形成されている。封着シール部53は、ポリイソブチレン等の樹脂により形成され、スペーサー52の外側で両ガラスパネル42,43の周縁部を密封している。
この複層ガラスパネル51も、前述した第2実施形態の合わせガラスパネル41と同様に、2枚のガラスパネル42,43を同時に成形した後、両ガラスパネル41,42の周縁部間にスペーサー52を介在させて封着シール部53で密封することにより製造することができる。また、両ガラスパネル42,43の間の中間層54を所望のガス層又は真空層にする場合は、そのガス雰囲気又は真空雰囲気中で両ガラスパネル42,43の間を密封するか、両ガラスパネル42,43の間を密封した後に注射針等を挿入して、中間層54に所望のガスを注入又は真空引きすることにより、行われる。
このように製造された複層ガラスパネル51においても、両ガラスパネル42,43による優れた採光性を有しており、その間に密閉された中間層54により断熱性にも優れている。また、このスペーサー52に吸湿剤56を充填したので、中間層54を空気層とする場合でも、結露等を防止することができる。なお、視認性については、両ガラスパネル42,43が離間して中間層54を有しているため、第1実施形態及び第2実施形態のものより若干低下する傾向にある。
なお、この複層ガラスパネル51においては、前述したように2枚の板ガラスを同時に変形させて形成したガラスパネルを用いる場合以外にも、個々に1枚ずつ作製したガラスパネルを組み合わせて構成してもよい。その場合は、一方のガラスパネルの凹部及び凸部と、他方のガラスパネルの凹部及び凸部とが同じ形状、配置のものでなくとも、異なる形状、配置のものを組み合わせることも可能である。
また、特に図示はしないが、前述の各実施形態で形成したガラスパネルを化学強化してもよい。化学強化は、一般的な処理方法のものを適用することができ、例えば、380℃程度に加熱した硝酸カリウムを含む溶融塩(硝酸カリウム溶融塩)にガラスパネルを浸漬し、その溶融塩の中でガラス中に含まれるNaイオンとKイオンとを置換することにより、ガラス表面に圧縮応力層を生じさせてガラスの強度を向上させる。第2実施形態の合わせガラスパネルや第3実施形態の複層ガラスパネルの場合は、個々のガラスパネル単体で化学強化処理をして、合わせガラスパネル又は複層ガラスパネルに組み立てられる。
本発明のガラスパネルは、建築物の壁材としての利用が期待されており、化学強化することにより、壁材として高い耐風圧強度を有することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、平板状の板ガラスを支持する突起部を帯状の板材により形成したが、柱状に形成してもよい。柱状の突起部を縦横に整列して配置することにより、ガラスパネルとしては、その一方の面には、凹部の周囲の四か所に、先端が丸いほぼ錐状の凸部が形成され、これら凸部の間も若干窪んだ形状の表面形状となる。他方の面は、その逆で、一つの凸部の周囲の四か所に、先端が丸いほぼ錐状の凹部が形成される。
また、上記実施形態では、突起部を矩形の格子状に形成したが、矩形以外の三角形や五角形等の各辺を構成するように形成してもよい。図15に示す成形型61は、突起部12を正面視で六角形状に組み合わせて支持部13が六角形状となるように配置したものであり、図16に示す成形型65は、半分を平坦な板状部66に形成し、装飾部を成形するための残りの半分について、突起部12による支持部13を正面視で六角形状に配置したものである。いずれも空間部14は六角形に形成される。
突起部を柱状に形成する場合も同様であり、縦横に整列させる場合以外にも、三角形や六角形等の頂点上に配置する、千鳥状に配置するなど、種々の配置とすることができる。
本発明の効果確認のために実験を行った。
(実施例1)
ガラスパネルとして、ソーダライムガラス組成の、厚さ10mmのフロート板ガラス(可視光透過率 88.3%)で、その全体が900mm×1500mmの矩形状とし、第1実施形態と同様の方法により、板厚、一方の面の凸部間のピッチ、凹部の深さを表1に示すように変えた複数の試料を作製した。
これら試料について、採光度、視認性を以下のようにして測定した。
採光度は、凸部頂点部分を30mm×30mmの大きさで切りだし、JIS R3106に準じて可視光透過率を測定した。
視認性は、凸部の頂点が中心となるように、200mm角で試験片を切り出し、凸部の頂点に合うように、カメラを設置した。試験片を挟んでカメラとは反対側に2000mm角のゼブラ板を設置した。カメラと試験片、試験片とゼブラ板の距離は4.5mとした。カメラにより試験片を通して歪んだゼブラ板を観察することができ、ひずみの度合いは、凸部の頂点部分を通して、観察できるゼブラ板の一本の黒線のひずみの大きさを何本分歪んだかを測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 0006745110
(実施例2)
ガラスパネルとして、ソーダライムガラス組成の、厚さ5mmのフロート板ガラス(可視光透過率 87.6%)で、その全体が900mm×1500mmの矩形状とし、第1実施形態と同様の方法により、板厚、一方の面の凸部間のピッチ、凹部の深さを表1に示すように変えた複数の試料を複数作製した。同じ凸部間のピッチ及び凹部の深さを有する2枚のガラスパネルを厚さ1.5mmのポリビニルブチラールフィルムを介在させて合わせガラスを作成し、実施例1と同様の評価を行った。
その結果を表2に示す。
Figure 0006745110
これらの試験結果より、実施例のガラスパネルは、平坦なフロートガラスと同程度の可視光透過率を有し、かつ、視認性に関して、全体がゆらいでいるような独特の模様で視認できることがわかる。
1 ガラスパネル
1a 一方の面
1b 他方の面
2 凹部
3 凸部
4 凸部
5 凹部
10 板ガラス
11 成形型
12 突起部
13 支持部(頂部)
14 空間部
15 ガラス載置面
21 ガラスパネル
21a 一方の面
21b 他方の面
22 平板部
23 装飾部
31 成形型
32 板状部
41 合わせガラスパネル
42,43 ガラスパネル
42a,43a 一方の面
42b、43b 他方の面
44 離型剤
45 接着剤層
51 複層ガラスパネル
52 スペーサー
53 封着シール部
54 中間層
55 筒体
56 吸湿剤
57 孔
61,65 ガラスパネル
66 板状部

Claims (2)

  1. 複数の点状又は線状の頂部を有する突起部を相互に間隔をおいて立設した成形型を用意しておき、該成形型の前記突起部の上に平板状の板ガラスを載置する準備工程と、前記突起部上の前記板ガラスを軟化温度以上まで加熱することにより、前記突起部の頂部間に架け渡されている部分を撓ませた後に、冷却する変形工程とを有し、
    前記成形型は、前記突起部の頂部における頂点と同じ高さ位置に表面を配置した板状部を有し、
    前記準備工程にて、前記板ガラスを前記突起部及び前記板状部の上に載置し、
    前記変形工程にて、前記板状部上の前記板ガラスを加圧せずに加熱することを特徴とするガラスパネルの製造方法。
  2. 前記準備工程において、前記板ガラスに離型剤を介してさらに板ガラスを重ね合わせた状態で前記突起部の上に載置することを特徴とする請求項記載のガラスパネルの製造方法。
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