JP6744029B2 - 振動伝達抑制機構及び情報記録再生装置 - Google Patents

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本発明は、駆動時の振動を抑制する振動伝達抑制機構、及び振動伝達抑制機構を備えた情報記録再生装置に関する。
磁気テープカートリッジに収容された磁気テープに対して、情報の記録及び再生を行うための磁気テープ装置が知られている。
この磁気テープ装置は、磁気テープが収容されるテープカートリッジをベース部材上で搬送するローダ機構と、ベース部材に設けられかつテープカートリッジ内の磁気テープが巻装されているテープリールを駆動するモータ装置と、テープカートリッジ内から磁気テープを引き出して磁気記録再生を行なうスレッダ機構と、を有する。
モータ装置の出力軸先端には、ベース部材の表面上から突出するように、テープカートリッジ内のテープリールとモータ装置とを接続するクラッチが設けられている。
ところで、上記のような磁気テープでは、記憶容量を増大させるために、トラック幅を狭くして、記録密度を高めるというアプローチが取られる。
このため、磁気テープ装置においても、磁気テープに対する情報の読み書きを確実に行なわせるために、テープ巻き取りのためのテープリール、テープをガイドするローラ等を精密に調整し、磁気ヘッドに対してより正確な位置へ磁気テープを送り出し、かつ位置合わせする必要がある。
一方、上記磁気テープでは、トラック幅を狭くするに従い、磁気ヘッドによるデータ追従の難易度が増しており、僅かな振動でもデータの読み書きに影響が及ぶという問題が生じ、このための十分な対策が必要となっている。
このため、上記磁気テープでは、振動により読み書きに不具合が生じることを防止するために、例えば、特許文献1及び2に示されるような振動伝達を抑制する機構を設けることが考えられる。
具体的には、特許文献1に示されるモータ取付構造では、モータとモータ取付部材との間に、モータ外周に被嵌される筒状部と、該筒状部の一側に一体形成される底面部とからなり、全体がゴム材により形成される防振部材が被嵌されている。
また、特許文献2に示される駆動装置では、モータの出力軸に連結される入力側接手と、被動側の回転軸に連結される出力側接手の間に位置する回転軸継手に、ニトリルゴム,ブチルゴム,シリコーンゴム等の素材により形成される弾性体層を介在させた例が示されている。
実開平7−1438号公報 特開2000−304061号公報 実開平02−123735号公報 特開平7−110929号公報
しかしながら、特許文献1及び2に示される振動伝達抑制機構では、磁気テープ装置内のモータで生じた振動伝達を部分的に抑制できるものの、装置全体として十分な振動抑制効果が得られていない。
また、特許文献2は、モータの出力軸に連結される入力側接手と、被動側の回転軸継手との間に層状の弾性体層が設けられる構成であるので、モータの出力軸で生じた振動が、弾性体層を経由して被動側に直接的に伝達されることがあり、この点においても問題の解決が期待されていた。
また、特許文献3は、磁気テープのリールを駆動するリール爪とその駆動軸との間の振動を吸収するに過ぎないため、駆動軸自身の振動抑制効果を期待することができない。
また、特許文献4は、回転体の振れ止めを目的とする調整ねじに関する構成が開示されているが、振れ止めにより抑制し得ない振動の伝達をいかにして抑制するかの解決手段を開示するものではない。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、モータ起因の振動が、情報の読み書きに係る他の機構に伝達されることを有効に防止して、振動伝達を抑制することができる振動伝達抑制機構及び情報記録再生装置を提供する。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明では、ベース部材に固定されたモータ装置と、前記ベース部材に設けられた軸受に軸支されかつ前記モータ装置の出力軸に接続される駆動シャフトと、を有し、前記モータ装置の出力軸と、前記軸受に軸支された駆動シャフトとの間には、柔軟性を有する弾性体からなる防振軸継手が配置され、前記モータ装置は防振部材を介して前記ベース部材に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、防振軸継手と防振部材とにより、モータから、情報の読み書きに係る他の機構に伝達される振動の伝達を抑制することができる。
本発明に係る振動伝達抑制機構を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る振動伝達抑制機構が組み込まれた情報記録再生装置を示す分解斜視図である。 図2の全体を示す斜視図である。 磁気テープデッキのデッキベース部分を示す分解斜視図である。 図4のシャフトベース部分を示す正断面図である。
本発明に係る振動伝達抑制機構10の最少構成にかかる実施形態について、図1を参照して説明する。
図1に符号1で示されるものは基台となるベース部材である。
ベース部材1には駆動源となるモータ装置2が設置されている。
また、このベース部材1には、モータ装置2の出力軸2Aに接続可能な駆動シャフト3を軸支するための軸受4が設けられている。
この駆動シャフト3は、例えば、磁気テープカートリッジ内にて磁気テープが巻回される、被駆動体となるテープリール(図示略)に対して脱着自在に接続される。
モータ装置2の出力軸2Aと、軸受4に軸支された駆動シャフト3との間には、柔軟性を有する軸状(例えば、筒状、柱状、板状、塊状)の弾性体からなる防振軸継手5が配置されている。また、ベース部材1には、防振部材6を介して前述のモータ装置2が設置されている。
以上のように構成された振動伝達抑制機構10によれば、モータ装置2の出力軸2Aと軸受4に軸支された駆動シャフト3との間に防振軸継手5が配置されるとともに、モータ装置2と該モータ装置2を支持するベース部材1との間に防振部材6が配置されている。
そして、上記振動伝達抑制機構10では、これら防振軸継手5と防振部材6とにより、モータ起因の振動が、情報の読み書きに係る他の機構(磁気ヘッドやテープリール)に伝達されることを有効に防止して、高い振動伝達の抑制効果を生じさせることができる。
さらに、上記振動伝達抑制機構10では、モータ装置2の出力軸2Aと駆動シャフト3とが別部材に設けられ、かつこれらを接続する防振軸継手5が、柔軟性を有する軸状(例えば、筒状、板状、塊状)の弾性体で形成されているので、該弾性体が軸線と交差する方向に随時変形することで、モータ起因の振動が、駆動シャフト3に伝達されることを効果的に抑制できる。
(実施形態)
次に、図2〜図5を参照して、振動伝達抑制機構10が適用される情報記録再生装置Aの一実施形態について説明する。
情報記録再生装置Aは、図2及び図3に示されるように、磁気テープ(図示略)を装置内へ取り込み、磁気テープの巻き取り動作を行う磁気テープデッキ100と、データの読み書きを行う磁気ヘッド101と、外部機器との接続及び磁気テープデッキ100及び磁気ヘッド101の制御を行う制御基板102と、を主な構成要素とする。
なお、この情報記録再生装置Aは、磁気テープが巻回されるテープリールR1を内部に有する磁気テープカートリッジCを対象とした情報の記録及び再生装置である(図3参照)。
図3及び図4には磁気テープデッキ100の例が示されている。
磁気テープデッキ100は、ローダ機構20、スレッダ機構21、デッキベース22、第1リールモータ23、第2リールモータ24等を有している。
なお、モータの中で、第1リールモータ23は磁気テープカートリッジC内のテープリールR1を駆動するためのモータ装置、第2リールモータ24はスレッダ機構21内のテープリールR2(後述する)を駆動するためのモータ装置である。
ローダ機構20は、磁気テープカートリッジCを装置内部に収容するためのカートリッジトレー20Aと、該カートリッジトレー20Aを介してマウント位置に磁気テープカートリッジCを案内するカートリッジ案内機構20Bと、を有する。
また、スレッダ機構21は、カートリッジトレー20Aに装着された磁気テープカートリッジCから磁気テープを引き出し、磁気ヘッド101に案内するテープ案内機構21Aを有している。
さらに、このスレッダ機構21のテープ案内機構21Aには、磁気テープカートリッジCから引き出された磁気テープを巻き取るためのテープリールR2(図4参照)が設けられている。
デッキベース22は、磁気テープデッキ100のベース部材となるものであって、上部位置にローダ機構20及びスレッダ機構21が設置され、下部位置に第1リールモータ23及び第2リールモータ24が設置されている。
図4及び図5を参照して、第1リールモータ23、第2リールモータ24の取付構造について詳細に説明する。
これら第1リールモータ23、第2リールモータ24の取付構造は、基本構成が同じであるので、共通する部材に同一符号を付し、重複した説明を省略する。
図4及び図5に示されるように、第1リールモータ23及び第2リールモータ24は、防振部材30を介在させて3本のモータねじ31によりデッキベース22に螺合されている。
防振部材30はゴム材などの柔軟性を有する弾性材により形成された筒状体であって、その筒状体の内部を貫通するように、かつ防振軸継手46(後述する)に対してその軸線L1が平行となるように各モータねじ31が配置されている。
そして、このような防振部材30では、構成部材となる弾性体が軸線L1と交差する方向に随時変形することで、モータ起因の振動が、情報の読み書きに係る他の機構(磁気ヘッド101やテープリールR1,R2)に伝達されることを防止する。
第1リールモータ23及び第2リールモータ24の出力軸23A,24Aは、図5に示されるように、シャフトベース40にそれぞれ設けられた駆動シャフト41を介して、テープリールR1,R2に連結される。
シャフトベース40は、デッキベース22の貫通孔42の周囲に固定された軸受ベース43と、該軸受ベース43の貫通孔内に設置された軸受44と、該軸受44により軸線L2を中心として回転自在に支持される駆動シャフト41と、を有している。また、シャフトベース40は、3本のベースねじ45によりデッキベース22上に螺合されている。
各駆動シャフト41は、第1リールモータ23の出力軸23A又は第2リールモータ24の出力軸24Aとそれぞれ軸線L2を同じくして配置されている。
各駆動シャフト41と、第1リールモータ23の出力軸23A又は第2リールモータ24の出力軸24Aの間には、ゴム材からなる、柔軟性を有する筒状の弾性体からなる防振軸継手46が配置されている。
防振軸継手46は、各駆動シャフト41の下端部と、第1リールモータ23の出力軸23A又は第2リールモータ24の出力軸24Aの上端部とに、各端部が外装される筒状の弾性材により構成されている。
そして、各防振軸継手46では、構成部材となる弾性体が軸線L2と交差する方向に随時変形することで、モータ起因の振動が、駆動シャフト41に伝達されることを効果的に抑制する。
第1リールモータ23側の駆動シャフト41の上端部には、クラッチねじ50を介してクラッチ51が螺合されている。
このクラッチ51は、ローダ機構20により磁気テープカートリッジCが磁気テープデッキ100内に取り込まれた場合に、該磁気テープカートリッジCのテープリールR1に対して同軸に接続され、かつ該テープリールR1に第1リールモータ23の駆動力を伝達するものである。
また、第2リールモータ24側の駆動シャフト41の上端部には、リールねじ52を介してスレッダ機構21のテープリールR2が螺合されている。
デッキベース22と軸受44を支持する軸受ベース43との間には、軸受44の傾きを調整するためのスペーサSが設けられている。そして、このようなスペーサSでは、適宜厚さを調整することにより、軸受ベース43を水平に維持することができる。
なお、上記構成要素の中で、防振部材30及び防振軸継手46により、情報記録再生装置Aの振動伝達抑制機構60が構成されている。
以上のように構成された情報記録再生装置Aの振動伝達抑制機構60によれば、リールモータ23,24の出力軸23A,24Aと、軸受44に軸支された駆動シャフト41との間に防振軸継手46が配置されるとともに、リールモータ23,24と該リールモータ23,24を支持するデッキベース22との間に防振部材30が配置されている。
そして、上記情報記録再生装置Aでは、防振軸継手46と防振部材30とにより、モータ起因の振動が、情報の読み書きに係る他の機構(磁気ヘッド101やテープリールR1,R2)に伝達されることを有効に防止して、高い振動伝達の抑制効果を生じさせることができる。
さらに、上記情報記録再生装置Aでは、リールモータ23,24の出力軸23A,24Aと駆動シャフト41とが別部材に設けられ、かつこれらを接続する防振軸継手46が、柔軟性を有する筒状の弾性体で形成されているので、該弾性体が軸線L2と交差する方向に随時変形することで、モータ起因の振動が、駆動シャフト41に伝達されることを効果的に抑制できる。
また、上記情報記録再生装置Aでは、柔軟性を有する筒状の弾性体からなる防振軸継手46の各端部が、リールモータ23,24の出力軸23A,24A及び駆動シャフト41に外装される構成であるので、筒状の弾性体を経由して、モータ起因の振動が駆動シャフト41に伝達されることを効果的に抑制できる。
また、上記情報記録再生装置Aでは、リールモータ23,24と該リールモータ23,24を支持するデッキベース22との間の防振部材30が、少なくも3つの弾性材から構成されているので、安定した状態で、デッキベース22上にリールモータ23,24を支持することができる。
また、上記情報記録再生装置Aでは、防振部材30を構成する筒状の弾性材の軸線L1が、リールモータ23,24の出力軸23A,24Aの軸線L2と平行な位置関係に配置されている。これにより、防振部材30が、防振軸継手46と同様に、軸線L1と交差する方向に変形することで、モータ起因の振動が、情報の読み書きに係る他の機構(磁気ヘッド101やテープリールR1,R2)に伝達されることを有効に防止できる。
さらに、上記情報記録再生装置Aでは、デッキベース22と軸受44を支持する軸受ベース43との間に該軸受44の傾きを調整するためのスペーサSが設けられているので、該スペーサSの厚さ調整により、リールモータ23,24の出力軸23A,24Aと、駆動シャフト41との位置関係を精密に調整することができる。
なお、上記実施形態では、防振部材30及び防振軸継手46に筒状の弾性体を用いたが、軸状体であれば、その形状は筒状に限定されず、柱状、板状又は塊状といった形状であっても良い。また、防振部材30及び防振軸継手46に用いられる弾性体は、ゴム材料の他、板ばね、コイルスプリング、その他材料の防振パッドであっても良い。
また、上記実施形態では、第1リールモータ23及び第2リールモータ24と、デッキベース22との各間に3つの防振部材30を設置したが、その数については限定されるものではない。
また、上記実施形態では、振動伝達抑制機構60が組み込まれた磁気テープによる情報記録再生装置Aについて説明したが、磁気テープに限定されず、光学ディスクドライブの回転機構に、上記振動伝達抑制機構60を組み込んでも良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、駆動時の振動を抑制する振動伝達抑制機構及び振動伝達抑制機構を備えた情報記録再生装置に関する。
1 ベース部材
2 モータ装置
2A 出力軸
3 駆動シャフト
4 軸受
5 防振軸継手
6 防振部材
10 振動伝達抑制機構
20 ローダ機構
20A カートリッジトレー
20B カートリッジ案内機構
21 スレッダ機構
21A テープ案内機構
22 デッキベース
23 第1リールモータ
23A 出力軸
24 第2リールモータ
24A 出力軸
30 防振部材
31 モータねじ
40 シャフトベース
41 駆動シャフト
42 貫通孔
43 軸受ベース
44 軸受
45 ベースねじ
46 防振軸継手
50 クラッチねじ
51 クラッチ
52 リールねじ
60 振動伝達抑制機構
100 磁気テープデッキ
101 磁気ヘッド
102 制御基板
A 情報記録再生装置
C 磁気テープカートリッジC
L1 軸線
L2 軸線
R1 テープリール
R2 テープリール
S スペーサ

Claims (6)

  1. ベース部材に固定されたモータ装置と、
    前記ベース部材に設けられた軸受に軸支されかつ前記モータ装置の出力軸に接続される駆動シャフトと、を有し、
    前記モータ装置の出力軸と、前記軸受に軸支された駆動シャフトとの間には、柔軟性を有する 軸状の弾性体からなる防振軸継手が配置され、
    前記モータ装置は防振部材を介して前記ベース部材に固定され、
    前記軸状の防振軸継手は、弾性体が筒状に形成され、
    前記防振部材は、前記モータ装置と前記ベース部材との間に配置された少なくとも3つの弾性材からなるとともに、
    前記モータ装置の出力軸と平行となる軸線を有する筒状体からなることを特徴とする振動伝達抑制機構。
  2. 前記防振軸継手は、前記モータ装置の出力軸及び前記駆動シャフトに、各端部が外装される筒状体であることを特徴とする請求項1に記載の振動伝達抑制機構。
  3. 前記ベース部材と前記軸受を支持する軸受ベースとの間に該軸受の傾きを調整するためのスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の振動伝達抑制機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された振動伝達抑制機構と、
    磁気テープがテープリールに巻回された状態で収容された磁気テープカートリッジをデッキベース上に取り込むローダ機構と、
    前記デッキベース上に取り込まれた前記磁気テープカートリッジ内のテープリールから磁気テープを引き出すスレッダ機構と、
    前記スレッダ機構により引き出された前記磁気テープに対する情報記録再生を行なう磁気ヘッド機構と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
  5. 前記モータ装置は少なくとも第1リールモータと第2リールモータとを有し、
    前記第1リールモータの出力軸に接続される駆動シャフトの上端には、前記ローダ機構により取り込まれた前記磁気テープカートリッジ内の第1テープリールに脱着されるクラッチが設置される特徴とする請求項に記載の情報記録再生装置。
  6. 前記第2リールモータの出力軸に接続される駆動シャフトの上端には、前記スレッダ機構により取り込まれた磁気テープカートリッジからの磁気テープを巻き取るための第2テープリールが設置される特徴とする請求項に記載の情報記録再生装置。
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