JP6743764B2 - 樹脂成形体および水まわり部材 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形体および水まわり部材に関する。
水まわりで用いられる部材(以下、水まわり部材と言う)として、樹脂で構成された樹脂成形体を用いることが知られている。樹脂成形体は、防汚性を有することが求められている。特に、水の存在下において用いられる場合において、水および汚れが付着しにくいことが求められている。
樹脂成形体は、さらに、抗菌剤や防カビ剤を含むことにより、樹脂成形体の表面に細菌やカビなどの菌類の繁殖を抑えることが知られている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂に、担体であるシリカゲルに孟宗竹エキスを吸着させた抗菌抗黴組成物を配合させることにより、防汚性を有する樹脂が得られることが記載されている。
特開2002−322367号公報
樹脂と、抗菌剤や防カビ剤とを混合して樹脂成形体を作製する場合、樹脂成形体に含まれる樹脂の割合が低くなるため、場合によって、樹脂成形体としての成形性やその強度が低下したりすることがある。特に、加熱成形して樹脂成形体を作製する際、加熱により抗菌剤や防カビ剤に含まれる成分のガスが発生すると、樹脂成形体に不具合が発生し、樹脂成形体を成形できないおそれがある。また、樹脂に添加する抗菌剤や防カビ剤の種類によっては、水まわりにおける菌やカビの増殖抑制の効果が十分期待でないことがある。
従って、本発明は、加熱成形時の成形性が良好であり、かつ菌やカビの増殖を抑制する、特に長期にわたり抑制することが可能な樹脂成形体を得ることを目的としている。
本発明による樹脂成形体は、樹脂と、有機系抗菌防カビ剤と、無機系抗菌剤と、を含む樹脂成形体であって、有機系抗菌防カビ剤は、無機化合物に担持されたものである。
さらに、本発明の水まわり部材は、上述の樹脂成形体によって構成されたものとすることができる。
樹脂成形体の表面に菌およびカビが発生するメカニズムを示す模式図である。 参考試験の結果を示す図である。
樹脂成形体
本発明による樹脂成形体は、樹脂と、有機系抗菌防カビ剤と、無機系抗菌剤と、を含む樹脂成形体であって、有機系抗菌防カビ剤は、無機化合物に担持されたものである。これにより、樹脂成形体を製造する加熱成形時において、ガスの発生を抑制でき良好な成形性が得られる。さらに、長期にわたり菌やカビの増殖を抑制することが可能な樹脂成形体が得られる。
菌・カビの増殖メカニズム
図1を用いて、樹脂成形体の表面における菌類及びカビ(真菌)の増殖メカニズムを説明するが、以下の説明はあくまで一つの説であり、本発明は以下の説明に拘束されるものではない。
図1は、樹脂成形体の表面に菌類およびカビが発生するメカニズムを示す模式図である。
汚れ付着過程
汚れ付着過程を図1(a)に示す。一般に、樹脂成形体1を水まわりで用いる場合、手洗い、洗顔、入浴等の行為により、人体から排出される皮脂や角質(ケラチンタンパク)などの汚れ成分が、石鹸やボディーソープなどに含まれる界面活性剤と共に水で洗い流される。そして、この汚れ成分が樹脂成形体1の表面に付着する。付着した汚れ成分の大部分は、流水とともに洗い流される。しかし、図1(a)に示すように、汚れ成分の一部は、汚れ成分を含んだ汚水として樹脂成形体1の表面に残存(残水)し、樹脂成形体1の表面に汚れ2が付着する。
菌の増殖過程
菌の増殖過程を図1(b)および(c)に示す。樹脂成形体1の表面に付着した汚れ2や残水を栄養源として、樹脂成形体1の表面に菌類3が増殖する(図1(b))。水まわりに存在する菌類3として、増殖とともに細胞外多糖(EPS)を排出しながら増殖するものがある。例えば、Mycrobacterium.sp,、Methylobacterium.sp.、Pseudomonas.sp.などである。上記EPSを主体にした成分はバイオフィルムと呼ばれる。菌類3の増殖に伴い、樹脂成形体1の表面にバイオフィルム4が形成される(図1(c))。バイオフィルム4は、菌類3の外からの刺激(流水、酸、アルカリ、熱など)に対する防御機構として作用する。また、バイオフィルム4はヌメリとも呼ばれ、樹脂成形体1の表面の粘性が高まる。これにより、樹脂成形体1の表面に汚れ2の付着や菌類3およびカビ5の成長が促進されると考えられる。
カビの増殖過程
カビ5の増殖過程を図1(d)および(e)に示す。カビ5の増殖は一般に菌類3よりも遅いため、通常の水まわり環境下では、菌類3の増殖とそれに伴うバイオフィルム4の生成後にカビ5の増殖が進むと考えられる。カビ胞子は、樹脂成形体1の表面やバイオフィルム4の表面に付着した後、樹脂成形体1の表面に付着した汚れ2を栄養に成長する。一部のカビは成長に伴い発色する。具体的なカビとして、例えば、Cladosporium sp.などが挙げられる。
本発明の樹脂成形体は、有機系抗菌防カビ剤と、無機系抗菌剤とを含む。有機系抗菌防カビ剤および無機系抗菌剤は樹脂成形体表面に溶出するため、樹脂成形体表面に汚れが付着していたとしても、菌の成長をしにくくすることができる。よって、バイオフィルムの生成やカビの発生を抑制することが可能となる。さらに、本発明の樹脂成形体は、有機系抗菌防カビ剤が無機化合物に担持されている。これにより、樹脂成形体を成形する際に加熱したとしても、有機系抗菌防カビ剤の抗菌性および防カビ性を損なうことを防止することができる。また、樹脂成形体から溶出する有機系抗菌防カビ剤の速度をコントロールすることができるため、長期的に菌やカビの増殖を抑制できると考えられる。
樹脂
本発明において、樹脂は、主成分として樹脂成形体に含まれている。ここで、主成分とは、樹脂成形体において、50質量%以上含むことが好ましく、さらに好ましくは60質量%以上である。これにより、良好な成形性と外観を得ることが可能となる。
本発明において、樹脂として、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれかを用いることが可能である。樹脂成形体が大きく、高い強度や耐熱性が求められる場合は、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。一方、樹脂成形体が小さく複雑形状の場合は、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
本発明において、熱硬化性樹脂として、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
本発明において、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリテトラフルオロエチレン−4フッ化エチレン樹脂(PTFE)から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
本発明において、樹脂として、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、樹脂として、PP、PE、POM、PBT、PVC、ABS、PPS、PET、PMMA、PA、PCから選ばれる一種以上を用いることがより好ましい。これらのうち更により好ましいのは、PP、POM、PEから選ばれる一種以上である。
有機系抗菌防カビ剤
本発明において、有機系抗菌防カビ剤とは、防菌防黴剤辞典−原体編−(日本防菌防黴学会誌,1998,Vol.26)に記載されている、細菌および真菌に対してMIC(最小発育阻止濃度)を有している有機系薬剤を意味する。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、例えば、アルコール系抗菌防カビ剤、アルデヒド系抗菌防カビ剤、チアゾリン系抗菌防カビ剤、イミダゾール系抗菌防カビ剤、エステル系抗菌防カビ剤、塩素系抗菌防カビ剤、過酸化物系抗菌防カビ剤、カルボン酸系抗菌防カビ剤、カーバメイト系抗菌防カビ剤、スルファミド系抗菌防カビ剤、第四アンモニウム塩系抗菌防カビ剤、ビグアナイド系抗菌防カビ剤、ピリジン系抗菌防カビ剤、フェノール系抗菌防カビ剤、ヨウ素系抗菌防カビ剤、トリアゾール系抗菌防カビ剤から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、具体的には以下のようなものを用いることができる。
アルコール系抗菌防カビ剤としては、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、トリスニトロ(トリスヒドロキシメチルニトロメタン)、クロロブタノール(1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール)、ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)から選択される一種以上を用いることができる。
アルデヒド系抗菌防カビ剤としては、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、BCA(α−ブロモシンナムアルデヒド)から選択される一種以上を用いることができる。
チアゾリン系抗菌防カビ剤としては、OIT(2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、MIT(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、CMI(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、BIT(1,2−ベンゾイソチアゾロン)、n−ブチルBIT(N−n−ブチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン)から選択される一種以上を用いることができる。
OITの構造式を式1に示す。
Figure 0006743764
MITの構造式を式2に示す。
Figure 0006743764
CMIの構造式を式3に示す。
Figure 0006743764
BITの構造式を式4に示す。
Figure 0006743764
イミダゾール系抗菌防カビ剤としては、TBZ(2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾール)、BCM(メチル−2−ベンツイミダゾールカルバメート)から選択される一種以上を用いることができる。
エステル系抗菌防カビ剤としては、ラウリシジン(グリセロールラウレート)などを用いることができる。
塩素系抗菌防カビ剤としては、トリクロカルバン(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)、ハロカルバン(4,4−ジクロロ−3−(3−フルオロメチル)−カルバニリド)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸から選択される一種以上を用いることができる。
過酸化物系抗菌防カビ剤としては、過酸化水素、二酸化塩素、過酢酸から選択される一種以上を用いることができる。
カルボン酸系抗菌防カビ剤としては、安息香酸、ソルビン酸、カプリル酸、プロピオン酸、10−ウンデシレン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、マグネシウム2水素ビスモノペルオキシフタラート、ウンデシレン酸亜鉛から選択される一種以上を用いることができる。
カーバメイト系抗菌防カビ剤としては、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどを用いることができる。
スルファミド系抗菌防カビ剤としては、ジクロフルアニド、トリフルアニドから選択される一種以上を用いることができる。
第四アンモニウム塩系抗菌防カビ剤としては、4,4’−(テトラメチレンジカルボニルジアミノ)ビス(1−デシルピリジニウムボロミド)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、臭化アセチルアンモニウム、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルボニル−1−デシルピリジニウムブロミド)、セチルピリジニウムクロライドから選択される一種以上を用いることができる。
ビグアナイド系抗菌防カビ剤としては、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、ポリピグアナイド塩酸塩、ポリヘキサメチレンピグアナイドから選択される一種以上を用いることができる。
ピリジン系抗菌防カビ剤としては、ピリチオンナトリウム、ジンクピリチオン(ZPT:ビス(2−ピリジチオ−1−オキシド)亜鉛)、デンシル(2,3,5,6,−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン)、カッパーピリチオン(ビス(2−ピリジチオ−1−オキシド)銅)から選択される一種以上を用いることができる。
ZPTの構造式を式5に示す。
Figure 0006743764
フェノール系抗菌防カビ剤としては、チモール(2−イソプロピル−5−メチルフェノール)、ビオゾール(3−メチル−4−イソプロピルフェノール)、OPP(オルトフェニルフェノール)、フェノール、ブチルパラベン(ブチル−p−ヒドロキシベンゾエート)、エチルパラベン(エチル−p−ヒドロキシベンゾエート)、メチルパラベン(メチル−p−ヒドロキシベンゾエート)、プロピルパラベン(プロピル−p−ヒドロキシベンゾエート)、メタクレゾール、オルトクレゾール、パラクレゾール、オルトフェニルフェノールナトリウム、クロロフェン(2−ベンジル−4−クロロフェノール)、クロロクレゾール(2−メチル−3−クロロフェノール)から選択される一種以上を用いることができる。
ヨウ素系抗菌防カビ剤としては、アミカル48ヨウ素(ジヨードメチル−p−トリル−スルフォン)、ポリビニルピロリドンヨード、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルフォーマル、3−ブロモ−2,3−ジヨード−プロペニルエチルカーボネート、3−ヨード−2−プロピニルブチルーカーボネートから選択される一種以上を用いることができる。
トリアゾール系抗菌防カビ剤としては、テブコナゾール((±)−α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール)などを用いることができる。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤を二種以上用いることが可能である。これにより、菌やカビの増殖をより抑制することが可能である。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、溶出速度の異なる少なくとも二種以上の有機系抗菌防カビ剤を用いることが可能である。これにより、さらに長期間において菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤を二種用いる場合、樹脂成形体は、第一の有機系抗菌防カビ剤と、第二の有機系抗菌防カビ剤とを含む。第一の有機系抗菌防カビ剤は、溶出速度が10−9g/cm/h以上であることが好ましく、10−8g/cm/h以上であることが更に好ましい。第二の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度は、第一の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度に対して5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが更に好ましい。これにより、樹脂成形体表面に第二の有機系抗菌防カビ剤が迅速に溶出するため、樹脂成形体の使い始めにおいて、菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。また、第一の有機系抗菌防カビ剤が第二の有機系抗菌防カビ剤よりも遅い速度で溶出するため、長期間にわたって菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
なお、本発明において、抗菌防カビ剤の溶出速度は、以下の方法を用いて求めることができる。
面積がSである樹脂成形体と体積がLである超純水とを容器に入れ、樹脂成形体全体が水に浸漬した状態で、40℃で、一定時間(T)静置する。その後、容器から樹脂成形体を取り出し、一定時間(T)に、樹脂成形体から溶出した抗菌防カビ剤の濃度(M)を分析装置を用いて算出する。分析装置としては、樹脂成形体に含まれる抗菌防カビ剤の量や種類に応じて選択することができるが、例えば、GC/MSやICP−MSなどを用いることができる。この際、コンタミなどの影響を考慮して抗菌防カビ剤の濃度(M)を求める。下記の式のように、樹脂成形体から溶出した抗菌防カビ剤の濃度(M)と、樹脂成形体の面積(S)と、溶出時間(T)から抗菌防カビ剤の溶出速度(V)を求める。

抗菌防カビ剤の溶出速度V(g/cm/h)=樹脂成形体から溶出した抗菌防カビ剤の濃度M(g/ml)×溶媒量L(ml)/(樹脂成形体の面積S(cm2)/溶出時間T(h))
本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、チアゾリン系抗菌防カビ剤およびピリジン系抗菌防カビ剤から選択される一種以上を用いることが好ましい。これにより、水まわりにおいて、菌やカビの増殖を更に抑制することが可能となる。有機系抗菌防カビ剤として、チアゾリン系抗菌防カビ剤およびピリジン系抗菌防カビ剤を用いることがさらに好ましい。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤は、無機化合物に担持されている。これにより、有機系抗菌防カビ剤の耐熱性が向上することができ、加熱成形時にガスが発生することを抑制することが可能となる。また、樹脂成形体から有機系抗菌防カビ剤が溶出する速度を制御することができるため、長期的に菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
無機化合物として、ゼオライト、ガラス、タルク、シリカゲル、ケイ酸塩、マイカ、セピオライトから選ばれる一種以上を用いることが可能である。これらのうち、ゼオライト、タルク、ガラスから選ばれる一種以上を用いるのが好ましい。
本発明において、有機系抗菌防カビ剤は、樹脂成形体において、1質量%以上10質量%以下、好ましくは1質量%以上5質量%以下、より好ましくは1質量%以上3質量%以下、さらにより好ましくは、0.03質量%以上0.7質量%以下、さらにより好ましくは、0.1質量%以上0.7質量%以下含む。これにより、樹脂成形体に抗菌防カビ性の付与が可能となる。これにより、長期的な抗菌防カビ性を得ることが可能となる。
本発明による樹脂成形体は、表面に有機系抗菌防カビ剤を0.1質量%以上含むことが好ましく、さらに好ましくは0.3質量%以上である。
無機系抗菌剤
本発明において、抗菌剤は、防菌防黴剤辞典−原体編−(日本防菌防黴学会誌,1998,Vol.26)に記載されている、少なくとも細菌に対してMIC(最小発育阻止濃度)を有している無機系薬剤を意味する。
本発明において、無機系抗菌剤は銀系抗菌剤、亜鉛系抗菌剤、銅系抗菌剤から選ばれる一種以上を用いることが可能である。これにより、幅広い種類の細菌類への抗菌効果を付与することができるため、細菌類の増殖により産生されるバイオフィルムの生成を抑制することが可能になる。よって、バイオフィルムを足場として付着するカビの増殖も抑制することができる。
本発明において、無機系抗菌剤として、銀イオン、亜鉛イオンおよび銅イオンから選択される一種以上が無機化合物に担持されたものを用いることが可能である。無機化合物としては、ゼオライト、ガラス、タルク、シリカゲル、ケイ酸塩、マイカ、セピオライトから選ばれる一種以上を用いることが可能である。複数のイオン種を用いる場合は、各イオンが同じ無機化合物に担持されていても良い。具体的には、銀イオンと亜鉛イオンがガラスに担持された無機系抗菌剤を用いることが可能である。また、複数のイオン種を用いる場合、各イオンが異なる無機化合物に担持されていても良い。具体的には、銀イオンがガラスに担持された無機系抗菌剤と、亜鉛イオンがゼオライトに担持された無機系抗菌剤とを用いることが可能である。
本発明において、銀系抗菌剤として、銀と銀以外の無機酸化物との複合体を用いることが好ましい。具体的には、銀−リン酸ジルコニウム(AgNaZr(PO))(x+y+z=1)、塩化銀−酸化チタン(AgCl/TiO)、銀−リン酸亜鉛カルシウム(Ag−CaZnAl(PO)(x+y+z=10)、銀亜鉛アルミのケイ酸塩(混合物)M2/n・NaO・2SiO・xHO(M:Ag,Zn,NH))から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
本発明において、亜鉛系抗菌剤として、酸化亜鉛・銀/リン酸ジルコニウム(ZnO,AgNaZr(PO))などを用いることが可能である。
本発明において、銅系抗菌剤として、N−ステアロリル−L−グラタミ酸AgCu塩などを用いることが可能である。
本発明において、無機系抗菌剤として銀系抗菌剤を用いることが好ましい。さらに好ましくは、銀と銀以外の無機酸化物との複合体を用いることが好ましい。これにより、樹脂成形体の表面に銀の過剰な溶出を抑制することができるため、長期にわたり菌の増殖を抑制することが可能となる。
本発明による樹脂成形体は、無機系抗菌剤を0.1質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下含むことがより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下含むことがさらにより好ましく、さらにより好ましくは1.0×10 −4 質量%以上3.6×10 −3 質量%以下、さらにより好ましくは、1.0×10 −3 質量%以上3.6×10 −3 質量%以下含む。これにより、長期間にわたり菌の増殖抑制やバイオフィルムの生成抑制が可能となる。
本発明による樹脂成形体は、表面に無機系抗菌剤を0.01質量%以上含むことが好ましく、さらに好ましくは0.03質量%以上である。これにより、幅広い種類の細菌類への抗菌効果付与が可能となる。
本発明の樹脂成形体において、無機系抗菌剤の溶出速度は、第一の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度に対して、5分の1以下であることが好ましく、10分の1以下であることがさらに好ましい。つまり、第一の有機系抗菌防カビ剤の溶出速度に対して、5倍以上遅いことが好ましく、10倍以上遅いことがさらに好ましい。これにより、第一および第二の有機系抗菌防カビ剤に対して溶出速度が遅いため、樹脂成形体の表面に第一及び第二の有機系抗菌防カビ剤の溶出が進んだ後においても、無機系抗菌剤の溶出が継続する。これにより、長期にわたり菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。なお、無機系抗菌剤の溶出速度も上記に準じて測定することができる。
樹脂成形体および樹脂成形体の表面に含まれる無機系抗菌剤及び有機系抗菌防カビ剤の量は、下記に示す方法にて得ることができる。
樹脂成形体に含まれる抗菌防カビ剤の量を得る分析手法としては、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、高速液体クロマトグラフ質量分析法(LC/MS)、高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法(LC/MS/MS)などが挙げられ、抗菌防カビ剤の種類に応じて適宜選択することができる。
樹脂成形体の表面に含まれる抗菌防カビ剤の量を得る分析手法としては、X線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、グロー放電発光分析装置(GD−OES)、グロー放電質量分析装置(GD−MS)、全反射型赤外吸収法(ATR−IR)などが挙げられ、抗菌防カビ剤の種類に応じて適宜選択することができる。
分析手法により求めた樹脂成形体に含まれる抗菌防カビ剤の量を用いて、樹脂成形体の表面に含まれる抗菌防カビ剤の量を得ることも可能である。すなわち、樹脂成形体から抗菌防カビ剤が溶出する速度を測定し、この抗菌防カビ剤の溶出速度と溶出時間から、樹脂成形体に表面に含まれる抗菌防カビ剤の量を求めることができる。
抗菌防カビ剤の表面濃度N(g/cm)=抗菌防カビ剤の溶出速度V(g/cm/h)×溶出時間T(h))
本発明において、有機系抗菌防カビ剤と無機系抗菌剤は、作用機序が異なるものを選択することが好ましい。例えば、本発明の一つの好ましい態様によれば、有機系抗菌防カビ剤としては細菌やカビの代謝阻害をするものを用いることが好ましく、無機系抗菌剤としては細菌の細胞膜阻害するものを用いることが好ましい。このような組み合わせとすることで、無機系抗菌剤が細菌やカビの細胞膜を破壊し、有機系抗菌防カビ剤が細胞内に侵入しやすくなり、その結果、菌やカビの成長をより効果的に抑制することができるとの利点が得られる。
また、本発明の好ましい態様によれば、有機系抗菌防カビ剤として、イソチアゾリン系の有機系抗菌防カビ剤を用いる。イソチアゾリン系の有機系抗菌防カビ剤は、細菌やカビの細胞膜内に侵入し、TCAサイクルのデヒドロゲナーゼ阻害によりATP合成を阻害し、細菌やカビの増殖を抑制することが可能となる。
また、別の態様によれば、本発明において、有機系抗菌防カビ剤として、ピリジン系の有機系抗菌防カビ剤を用いることが好ましい。さらに好ましくはピリチオン骨格を有するものである。これにより、細菌やカビの細胞膜内に侵入し、プロトンポンプの阻害により膜輸送を制限することでATP合成を阻害し、細菌やカビの増殖を抑制することができる。
さらに本発明の別の態様によれば、無機系抗菌剤として、銀系抗菌剤を用いることが好ましい。これにより、銀イオンが細菌の細胞膜タンパク中の−SH基やジスルフィド結合と結合し、膜タンパクを変性させることで細胞膜を破壊することができる。
シリコーン化合物
本発明において、樹脂成形体は、シリコーン化合物を含むことが可能である。これにより、樹脂成形体表面の撥水性を向上させることができ、残水や汚れの付着を防止することが可能となる。
本発明において、樹脂成形体は、シリコーン化合物を0.1質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下含むことがより好ましく、2質量%以上4質量%以下含むことがさらにより好ましい。これにより、樹脂成形体の表面にシリコーンと共に有機系抗菌防カビ剤や無機系抗菌剤が留まりやすくなるため、長期的に菌やカビの増殖を抑制できる。
反応性シリコーン
本発明において、シリコーン化合物として、反応性シリコーンを用いることが可能である。反応性シリコーンとしては、分子鎖の片末端をジメチルビニルシロキサン基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択される一種で封鎖したシリコーン樹脂を用いることができる。具体的には、片末端変性アクリルシリコーン、片末端変性メタクリルシリコーンなどが挙げられる。
本発明において、反応性シリコーンは、反応性シリコーンを樹脂にグラフト重合させたシリコーングラフト樹脂として用いることが好ましい。これにより、反応性シリコーンを樹脂に固定化させることが可能となるため、長期的に撥水性を維持することが可能である。
本発明において、シリコーングラフト樹脂は、樹脂の主鎖に、例えば分子鎖の片末端をジメチルビニルシロキサン基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択される一種で封鎖したシリコーン樹脂を結合させることで得ることが出来る。具体的な製造方法等は公知であり、例えば特開平8−127660号公報の記載に準じて得ることが出来る。
例えば、シリコーングラフト樹脂としてシリコーングラフトポリプロピレンを用いる場合、シリコーングラフトポリプロピレンは市販されており、これを本発明において用いることも可能である。市販されているシリコーングラフトポリプロピレンの例としては、X−22−2101(信越化学工業株式会社)、BY27−201(東レ・ダウコーニング株式会社)などが挙げられる。
本発明において、反応性シリコーンは、樹脂成形体に0質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0質量%以上4質量%以下含むことがさらに好ましく、2質量%以上4質量%以下含むことがさらにより好ましい。
非反応性シリコーンオイル
本発明において、樹脂成形体は、シリコーン化合物として、非反応性シリコーンオイルを含むことが可能である。非反応性シリコーンオイルは、一般式RSiO−(RSiO)n―SiR(ここで、Rは同一または異なっていてもよいアルキル基、好ましくはC1−6アルキル基を表す)で表される化合物であることが好ましい。
非反応性シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、および脂肪酸エステル変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる一種以上を用いることが可能である。またシリコーンオイルの粘性は一般的に0.5cSt〜1,000,000cStのものが存在するが、本発明においては、非反応性シリコーンのブリードを考慮して10〜1,000cStのものが好ましい。これにより、非反応性シリコーンオイルが樹脂成形体の表面にブリードしやすくなり、樹脂成形体の表面を撥水性とすることが可能となる。
本発明において、非反応性シリコーンオイルは、樹脂成形体において、0質量%以上5質量%以下含むことが好ましく、0質量%以上4質量%以下含むことが更に好ましく、0.2質量%以上2質量%以下含むことがさらにより好ましい。
本発明において、シリコーン化合物として、反応性シリコーンまたは非反応性シリコーンを用いても良く、両方を用いても良い。
水まわり部材
本発明の樹脂成形体は、水まわり部材として用いることが可能である。樹脂成形体を所望の構造に加工し、水まわり部材とすることができる。水まわり部材とは、水まわりで用いられる部材であり、水まわりとしては、トイレ、洗面所、浴室、キッチンが挙げられる。
本発明において、具体的な水まわり部材として、以下のような部材が挙げられる。
トイレで用いられる部材として、便器、便座、便蓋、局部洗浄装置のケース、脱臭ユニット、リモコン、洗浄ノズル、手洗い器、紙巻き器、洗面器、手すり、小便器用の目皿、福祉機器、手乾燥装置などが挙げられる。
浴室で用いられる部材として、浴槽、浴室床、浴室壁、浴室天井、手すり、風呂椅子、排水ピット、カウンター、棚、トラップ、ヘアキャッチャー、排水フランジ、封水筒、浴室乾燥装置などが挙げられる。
洗面所で用いられる部材として、洗面ボウル、カウンター、トラップ、ヘアキャッチャー、排水フランジ、封水筒、排水口蓋、目皿、排水栓、棚などが挙げられる。
キッチンで用いられる部材として、網かご、シンク、排水口、トラップ、排水フランジ、封水筒、排水口蓋、目皿、排水栓、カウンターなどが挙げられる。
製造方法
本発明において、樹脂成形体を作製する製造方法は、下記の方法を用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
まず、樹脂成形体を構成するのに必要な原料を準備する。樹脂原料、有機系抗菌防カビ剤および無機系抗菌剤を所望の量となるように秤量し、混合する。樹脂原料と、有機系抗菌防カビ剤および無機系抗菌剤の混合方法としては、コンパウンドまたはマスターバッチを用いることが可能である。
コンパウンドは、樹脂原料を加熱溶融した状態で、有機系抗菌防カビ剤と無機系抗菌剤を所定量添加および混合し、例えば、ペレット状に成形して用いることができる。
マスターバッチは、樹脂と、有機系抗菌防カビ剤、無機系抗菌剤および添加剤などを濃縮し、例えばペレット状にしたものである。あらかじめ作製したマスターバッチを成形時に樹脂原料に適量混合して用いることができる。
本発明において、目的に応じて、原料にタルク、ガラスファイバー、カーボンファイバー、セルロースファイバー、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤などの添加剤を含んでいても良い。
意匠性を考慮する場合は、着色剤として、無機顔料や有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、酸化チタン、タルク、シリカなどを用いることができる。有機顔料としては、Pigment Yellow 83、Pigment Red 48:2、Pigment Red 48:3、Pigment Violet 23、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Green 7、Pigment Green 36などを用いることができる。
混合した原料を、所望の形状に成形する。成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、トランスファ成形、カレンダー成形、真空成形、ブロー成形などが挙げられる。本発明において、射出成形を用いるのが好ましい。
射出成形時の加熱温度は、樹脂の種類に応じて選択できる。例えば、樹脂としてポリプロピレン樹脂やポリアセタール樹脂を用いる場合、160℃以上220℃以下が好ましく、180℃以上210℃以下が更に好ましい。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
原料として、以下を用いた。
抗菌防カビ剤A:チアゾリン系抗菌防カビ剤であるOIT(2‐n‐オクチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン)をタルクに1:9の割合で担持させたもの
抗菌防カビ剤B:ピリジン系抗菌防カビ剤であるZPT(ジンクピリチオン)をゼオライトに1:4の割合で担持させたもの
抗菌剤A:銀系抗菌剤(銀イオンをガラスに担持させたものであり、銀イオンを0.48質量%含むもの)
抗菌剤B:亜鉛系抗菌剤(酸化亜鉛)
反応性シリコーン:PPグラフトシリコーン
非反応性シリコーンオイル:ジメチルシリコーン
実施例1
表1に示す量のポリアセタール樹脂を200℃に加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、抗菌剤A とをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、プレートを作製した。
実施例2
表1に示す量のタルクとポリプロピレン樹脂とを180℃に加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと抗菌防カビ剤Bと抗菌剤Aと反応性シリコーンと、非反応性シリコーンオイルとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、プレートを作製した。
実施例3
表1に示す量のポリプロピレン樹脂を180℃にて加熱溶融した。これに表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、抗菌剤Aと、反応性シリコーンと、非反応性シリコーンオイルをコンパウンドしペレットを作製した。この作製したペレットを、200℃にて射出成形し、プレートを作製した。
参考例
ポリプロピレン樹脂1000gを180℃に加熱溶融した。これに、抗菌防カビ剤A600gと、抗菌防カビ剤B200gと、抗菌剤A120gを添加し、混合した。その後、ペレット状のマスターバッチを作製した。次に、表1に示すような割合となるように、マスターバッチとポリプロピレン樹脂と反応性シリコーンと非反応性シリコーンオイルと充填剤としてガラスファイバーとをタンブラーミキサーで混合後、射出成形機により200℃で成形し、プレートを作製した。
実施例5
表1に示す量のポリエチレン樹脂を180℃に加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと抗菌防カビ剤Bと抗菌剤Aをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、プレートを作製した。
実施例6
表1に示す量のタルクとポリプロピレン樹脂とを180℃に加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと抗菌防カビ剤Bと抗菌剤Aと反応性シリコーンと、非反応性シリコーンオイルとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、プレートを作製した。
実施例7
表1に示す量のタルクとポリプロピレン樹脂とを180℃に加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと抗菌防カビ剤Bと抗菌剤Aとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、プレートを作製した。
実施例8〜9、比較例10〜13、実施例14
表1または2に示す量のポリプロピレン樹脂を180℃にて加熱溶融した。これに表1または2に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、抗菌剤Aとをコンパウンドしペレットを作製した。この作製したペレットを、200℃にて射出成形し、プレートを作製した。
比較例1
に示す量のポリプロピレン樹脂を180℃に加熱溶融し作製したペレットを、200℃で射出成形しプレートを作製した。
比較例2
に示す量のポリプロピレン樹脂を180℃にて加熱溶融した。これに表に示す量の抗菌防カビ剤Bをコンパウンドしペレットを作製した。この作製したペレットを、200℃にて射出成形しプレートを作製した。
比較例3
に示すポリプロピレン樹脂を180℃にて加熱溶融した。これに表に示す量の抗菌剤Aをコンパウンドしペレットを作製した。この作製したペレットを、200℃にて射出成形し、プレートを作製した。
比較例4
に示す量のタルクとポリプロピレン樹脂とを180℃に加熱溶融した。これに、表に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、反応性シリコーンと、非反応性シリコーンとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、プレートを作製した。
比較例5
に示す量のポリプロピレン樹脂を180℃にて加熱溶融した。これに表に示す量の抗菌防カビ剤Cをコンパウンドしペレットを作製した。この作製したペレットを、200℃にて射出成形し、プレートを作製した。
Figure 0006743764
Figure 0006743764
得られたプレートを下記の方法により評価した。
試験前準備
試験に用いるプレート、備品、試薬はすべて滅菌済みのものを使用した。
劣化プレートの作製
耐久性を評価するために、作製したプレートを90℃で19時間超純水に浸漬することにより劣化させた劣化プレート(プレートB)を作製した。このプレートBと、何も処理をしていない初期プレート(プレートA)について、下記の全ての試験を行った。なお、下記の試験方法の説明において、「プレート」とは、「プレートA」および「プレートB」を指す。
参考試験:カビ抵抗性試験
比較例1のプレートAを用いて、バイオフィルムの厚みと、バイオフィルム上に付着する胞子数の関係について、考察した。
胞子懸濁液の調整
一般家庭の洗面所の排水口から採取したCladosporium sp. の元株から、白金耳を用いて、ポテトデキストロース寒天培地の斜面培地に植次ぎ、7日間培養した。培養したスラントに0.005%のノニオン系界面活性剤を10ml添加した。さらに、スポイトを用いてスラントに空気を吹き込むことによって胞子を懸濁させ、1×106cfu/mL濃度の胞子懸濁液を調整した。この時、血球計算板を用いて、胞子が規定濃度になっていることを確認した。
試験菌液
調整した胞子懸濁液と、精製水を用いて5分の1濃度に希釈したツァペック-ドッグス液体培地を1:1で混合し、試験菌液とした。
擬似バイオフィルム
水まわりで生成するバイオフィルムを想定し、水まわりで生成するバイオフィルムの粘性に近い3%キサンタンガム水溶液を用いた。
試験方法
50mm角に切断したプレート上に特定の厚さの擬似バイオフィルムを乗せ、スパチュラを用いて均一に塗り広げた。その後、試験菌液200μLをプレートの全面計16滴となるように滴下した。なお、擬似バイオフィルムは、0.2mm、0.4mm、0.8mmおよび1.0mmの厚さのものを用いた。
次に、プレート全面を、電動ピペッターを用いて、精製水10mlにて洗浄した。90φのシャーレ内に入れた洗浄後のプレートを、湿度99%に調整したバット内に入れ、インキュベーターで28℃1週間培養した。
培養後のサンプルをストマッカー袋内にいれ、さらにピペットにより、0.005%ノニオン系界面活性剤を5mL加えた。これを手で十分にもみ、試験菌を洗い出した。この液を洗い出し液とした。洗い出し液を全量試験管に入れた。
試験管に入れた洗い出し液0.5mLをピペットにより採取し、0.005%ノニオン系界面活性剤4.5mlの入った試験管に加え、ボルテックスを用いて混合した。さらに、この試験管から0.5mlをピペットでとり、0.005%ノニオン系界面活性剤4.5mlの入った別の試験管に入れ、ボルテックスを用いて混合した。この操作を順次繰り返して、10倍希釈系列希釈液を作製した。
洗い出し液及び各希釈液から1mlをピペットにより採取した。採取した液をそれぞれ90φのシャーレにピペットにより添加した。48℃に保温した標準寒天培地20mlを各シャーレに加え、混合した。その後、各シャーレにふたをして室温で放置した。培地が固まった後、各シャーレを倒置し、温度28±1℃で1週間培養した。
評価
培養後、30〜300個の集落が現れた希釈系列のシャーレの集落数を測定した。なお、シャーレの集落数は目視で数えることにより求めた。測定結果から、プレート上に繁殖した真菌数を下記式により算出した。結果を図2に示す。
真菌数(cfu/cm2)=シャーレの集落数×5ml/16cm2
図2の横軸は付着させた擬似バイオフィルムの厚さ、縦軸は擬似バイオフィルム厚さごとの真菌数をそれぞれ示す。図2に示すように、菌が生成するバイオフィルムを模擬した擬似バイオフィルムの厚さが増加すると、付着するカビ胞子数が増加していることが分かった。このことから、カビの増殖を抑制する要因としてバイオフィルムの厚さを抑制することが重要であることがわかる。
試験1:菌増殖抑制試験
菌液の調整
35℃で約16時間培養したMicrobacterium sp,と、1/500NB(NB:普通ブイヨン培地)とを菌濃度が1.25×108cfu/mLになるように混合し、菌液を調製した。
試験方法
JIS Z 2801(2010)抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果に基づき試験を行った。90%エタノールで清浄化した2.5×2.5cm2のプレートに、培養液を50μL滴下した。これにポリエチレンフィルム1.5×1.5cm2を被せてシャーレに入れ、温度35±1℃、相対湿度90%以上で24時間培養した。培養後、ストマッカー袋内に入れ、SCDLP培地10mLを加えて十分にもみ、試験菌を洗い出した。この洗い出し液を生理食塩水で適宜希釈した。希釈液1mLをSMA(標準寒天培地)にて培養し、プレート上の生菌数(N)を求めた。
2.5×2.5cm2のポリエチレンフィルムについて、上記と同様の試験を行い、フィルム上の生菌数(N)を求めた。
得られたNおよびNを下記の式に代入し、抗菌活性値(R)を求めた。抗菌活性値(R)について、下記の評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
R=log(N/N
評価基準
下記の評価基準にて評価した。
2以上:A
1以上:B
1未満:C
試験2:バイオフィルム生成試験
培養液の調製
精製水を用いて10分の1に希釈したツァペック-ドッグス培地と、洗面所から採取し、単離して16時間培養したMicrobacterium sp,、Methylobacterium.sp.およびPseudomonas.sp.とを菌液濃度がそれぞれ約1.0×104cfu/mLになるように混合し、培養液を調製した。
試験方法
フローセルの内壁に、2.3×2.3cmのプレートを貼り付けた。このフローセルに、ポンプを用いて培養液を流速0.9ml/Lで通水し、30℃で2日間もしくは3日間放置して、プレート上にバイオフィルムを形成させた。
評価
プレート上に形成したバイオフィルムの厚みを、レーザー顕微鏡で測定した。得られた厚みについて、下記の評価基準を用いて評価した。結果を表2に示す。
評価基準
・35μm未満:A
・45μm未満:B
・45μm以上:C
試験3:カビ抵抗性試験
胞子懸濁液の調整
Aspergillus niger (NBRC105649)、Penicillium pinophilum (NBRC33285)、Paecilomycesvariotii (NBRC33284)、Trichoderma virens (NBRC6355)、Chaetomium globosum (NBRC6347) を用いて、上述と同様の方法により、胞子懸濁液を調整した。
試験方法
JIS 2911プラスチック製品の試験方法Bに基づいて試験を実施した。φ90のシャーレ内にグルコース/無機塩寒天培地を添加し、常温で静置することで、培地を固化させた。培地上にプレートを貼付し、胞子懸濁液を噴霧した。シャーレを湿度99%に調整したバット内に入れ、29±1℃のインキュベーターで28℃4週間培養した。
評価
1週間ごとにプレート上のカビの生育状態を顕微鏡及び目視で判定し、4週間後の判定結果を最終判定結果とした。結果を表2に示す。
評価基準
・以下をAとした
0:肉眼及び顕微鏡下でカビの生育は認められない
1:かびの生育は肉眼では認められないが、顕微鏡下では認められる
・以下をBとした
2:かびの生育はプレート面積の25%以内
・以下をCとした
3:カビの生育はプレート面積の25〜50%
・以下をDとした
4:カビの生育はプレート面積の50〜100%
5:菌糸の発育は激しく、試料全体を覆っている
試験4:バイオフィルム生成試験(振とう試験)
培養液の調製
ツァペック-ドッグス培地と、洗面所から採取し、単離して16時間培養したMicrobacterium sp,、Methylobacterium.sp.およびPseudomonas.sp.とを菌液濃度がそれぞれ約3.0×104cfu/mLになるように混合し、培養液を調製した。
試験方法
プラスチック製チューブに、1.1×2.3cmのプレートを入れた。このチューブに培養液を入れ、プレート全体が培養液に浸かった状態にし、振とう速度120r/minで30℃で3週間振とうして、プレート上にバイオフィルムを形成させた。
評価
プレートを精製水で洗浄した後、室温放置して乾燥させた。これを0.2%クリスタルバイオレット溶液に30分浸漬し、プレート上に形成したバイオフィルムを染色した。このプレートを精製水で洗浄した後、室温放置して乾燥させた。1mLの99%エタノールでもみ洗いした後、5000rpmで1分間遠心し、上澄みと沈殿に分離した。上澄みのエタノールを、分光光度計を用いて波長590nmの吸収を測定した。得られた値について、下記の評価基準を用いて評価した。結果を表2に示す。
評価基準
・0.09以下:A
・0.09より大きく0.1未満:B
・0.1以上:C
Figure 0006743764
1:樹脂成形体
2:汚れ
3:菌類
4:バイオフィルム
5:カビ

Claims (6)

  1. 樹脂と、
    有機系抗菌防カビ剤と、
    無機系抗菌剤と、を含む樹脂成形体であって、
    前記有機系抗菌防カビ剤は、無機化合物に担持された2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)および無機化合物に担持されたジンクピリチオン(ZPT)であり、
    前記有機系抗菌防カビ剤は、前記樹脂成形体において、1質量%以上10質量%以下含まれてなり、
    前記無機系抗菌剤は、銀イオンが無機化合物に担持されてなる銀系抗菌剤であり、
    前記銀系抗菌剤は、前記樹脂成形体において、0.1質量%以上10質量%以下含まれてなり、
    トイレ、洗面所、浴室、またはキッチンのいずれかで用いられることを特徴とする、樹脂成形体。
  2. 前記樹脂は、熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記無機化合物は、ゼオライト、ガラス、タルク、シリカゲル、ケイ酸塩、マイカ、およびセピオライトからなる群から選ばれる一種以上である、請求項1または2に記載の樹脂成形体。
  4. 前記OITを担持してなる前記無機化合物がタルクである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  5. 前記ZPTを担持してなる前記無機化合物がゼオライトである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂成形体により構成された、水まわり部材。
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