JP6743218B2 - アシストスーツ - Google Patents
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Description
作業者は、アシストスーツを背面に装着していることを認識して動くものの、アシストスーツを装着していない時の背面側の状況と、アシストスーツを装着した時の背面側の状況とが、大きく相異しているため、背面側への突出状況を誤認してしまう虞がある。
その結果、当該アシストスーツを装着した状態で歩行したり移動するような場合に、アシストスーツの背面突出箇所を、他物にぶつけてしまい易く、動き難い問題点があった。
尚、説明中における「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」の表記は、特に説明の無い限り、当該アシストスーツSを背中に装着した作業者にとっての方向に基づいた『アシストスーツSの方向』を意味するものである。
また、図には示さないが、アシストスーツSの適宜部分には、合成樹脂や金属のカバー部材が設けられ、可動部分や、保護の必要な部分を覆うように構成されている。
作業者へアシストスーツSを装着した状態では、一対の縦フレーム6と、一対の横フレーム7とで構成される矩形を含む仮想の扁平面Fが、作業者の背面に沿うようになる(図1参照)。
縦フレーム本体6Aは、左右の各パイプが略平行に配置してあるのに対して、アーム部6Bは、双方の上端が前方左右上方側に延びて拡がる傾斜状態に形成してある。即ち、縦フレーム6は、全長では『く』の字形状の線形に形成されている(図1〜3参照)。
平面視における上端部の前後位置は、作業者の肩の位置よりも前方に延出した位置(例えば、作業者のつま先ライン直上)に設定してある(図1参照)。
プーリー部Pは、プーリー本体Paと、プーリー本体Paをプーリー軸芯Px周りに回転自在に支持するプーリー支持体Pbとを設けて構成してあり、プーリー支持体Pbが、アーム部6Bに固定されている。
このプーリー部Pを介して垂下された操作ワイヤーWの下端に荷物作用部3がそれぞれ設けられている。
プーリー本体Paは、プーリー軸芯Pxが、アーム部6Bの上端側での筒軸芯6x方向に対して、上面視で直交(又はほぼ直交)し、且つ、正面視で水平(又はほぼ水平)となるように、アーム部6Bに固定されている(図4参照)。
電動ウインチM1は、モータや伝動部の軸芯が本体部1の扁平面Fに沿うように形成してあることで薄型設計が可能となり、本体部1から後方への突出寸法を可能な限り減少させてある。
つまり、電動ウインチM1によって操作ワイヤーWを巻取駆動(又は繰出駆動)させるに伴って、先端部に取り付けられた荷物作用部3が上昇(又は下降)する。
第2横フレーム7Bには、左右方向に間隔をあけた複数のボルト取付孔8が、上下の2段に形成されている。これら複数のボルト取付孔8の中から、脚作用部2を取り付けるためのボルト取付孔8を任意に選択することができ、左右の脚作用部2どうしの間隔を調整して、例えば、使用する作業者の腰幅や足間隔に合わせて、左右の脚作用部2を適切に配置することができる。
更には、当該アシストスーツSの中枢となるコントロールユニットCは、上方を電動ウインチM1で、下方をバッテリーVでそれぞれガードされているから、他物との衝突による破損を防御し易く、正常な機器制御を維持できる。
コントロールユニットCは、荷物作用部3のスイッチ22や、センサー類からの信号を受けて、それぞれに対応する駆動手段Mの駆動制御を行えるように構成されている。
そして、電動モータM2の回転力は、ギヤボックス12を経由することで、横軸芯X周りの回転力として変換されて揺動アーム部2Bに減速状態で伝達される。
尚、当該実施形態のアシストスーツSにおいては、腰部フレーム2Aを、上下に間隔をあけて並設した二つのフレーム部材で構成し、それらフレーム部材間の空間を窓部13として構成してある。
従って、出力側末端の平歯車12cに一体連結された揺動アーム部2Bも、横軸芯X周りに約半回転のみの回転が許容される。
その結果、ギヤに対する軽量化と機能の兼用化とを図ることができる。
コイルスプリングKの弾性付勢力は、作業者の動きを阻害しない程度の小さな値に設定されている。
作用状態においては、アーム先端部2Bbの先端に取り付けた当接部2Cが、当該アシストスーツSを装着した作業者の太腿に当接できる状態にあり、作業者の立ち上がり動作をアシストすることが可能となる。
非作用状態においては、当接部2Cが、作用者の太腿の横外方に退避する状態にあり、アシストスーツSの脱着時に、スムーズに行えるようになる。
取付部16は、アーム先端部2Bbの長手方向に間隔をあけて形成した二つのボルト挿通孔16A,16Bで構成してある。
当該実施形態においては、先端側のボルト挿通孔16Aは、丸孔で構成してあり、他方のボルト挿通孔16Bは、16Aのボルト挿通孔を中心とした円弧形状の長穴で構成してある。
被取付部17には、アーム先端部2Bbの二つのボルト挿通孔16A,16Bのピッチに合わせて長手方向に間隔をあけて4つのボルト挿通孔(位置変更機構の一例)17Aが形成してある。
従って、作業者の体形に合わせて当接部2Cをアジャストすることができる。
アウターチューブWbは、インナーワイヤーWaの全長の内、電動ウインチM1とアーム部6B先端のプーリー部Pとの間の範囲にのみ設けられている。
インナーワイヤーWaは、基端部が電動ウインチM1に連結され、中間部をプーリー本体Paで支持された状態で垂下し、先端部が荷物作用部3に連結されている。
当該実施形態のアシストスーツSにおいては、右のグリップ部21のスイッチ22は、上昇操作用として構成され、左のグリップ部21のスイッチ22は、下降操作用として構成されている。
尚、スイッチ22は、図には示さないケーブルによって、コントロールユニットCに電気的に接続されており、各スイッチ22の操作信号を送信できるように構成されている。
具体的には、腰ベルト4は、腰部分の後面部分から左右両側面部分に至る後周部4Aと、腰部分の左側面部分から全面部分に至る左周部4Bと、腰部分の右側面部分から全面部分に至る右周部4Cと、左周部4Bの前端と右周部4Cの前端とを着脱自在なバックル部4Dとを備えて構成してあり、バックル部4Dに備えたベルト長さ調整機構(不図示)によって、作業者の腰回りに合わせてベルトの長さを調整できるように構成されている。
そして、後周部4Aと左周部4Bとの連結部、及び、後周部4Aと右周部4Cとの連結部には、それぞれバックル方式でベルトの長さを調整できるベルト長さ調整機構(位置変更機構の一例)24が備えられている。
このベルト長さ調整機構24を設けてあることで、左周部4Bと右周部4Cとにそれぞれ設けてあるパッド23を、装着対象の作業者の体格に合わせて、作業者の両脇腹部の最適な個所に位置させることができる。
アシストスーツS、及び、荷物Nの重量は、腰ベルト4を介して主に作業者の腰部に作用し、この腰部によって安定的に支持される。
また、肩ベルト5は、主に本体部1が作業者の背中部から後方に離れようとする状態を止める機能を発揮する。
その際、揺動アーム部2Bの先端側に取り付けられている当接部2Cは、作業者の太腿によって押し上げられているから、図6に示すように、揺動アーム部2Bの全体が、横軸芯X周りで後側から前上方側に揺動した状態となっている。
因みに、コントロールユニットCには、図には示さないセンサーから、揺動アーム部2Bの揺動状態を示す信号が送信されている。
その際、コントローラユニットCは、電動ウインチM1に巻上指令を出す前に、電動モータM2に回転指令を出し、揺動アーム部2Bを元通りの縦姿勢となるように揺動制御する。それに伴って、当接部2Cが作業者の太腿に押し当たり、その当接力を反力としながら、電動モータM2の回転力は、アシストスーツSを持ち上げる方向に作用する。従って、腰ベルト4を介して作業者の腰に持ち上げ力が作用し、作業者の立ち上がりをアシストすることができる(図6参照)。
その結果、非力な作業者でも、荷物の上げ下ろし作業を楽に実施することが可能となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
即ち、先の実施形態においては、プーリー本体Paは、プーリー軸芯Pxが、アーム部6Bの上端側での筒軸芯6x方向に対して、上面視で直交(又はほぼ直交)し、且つ、正面視で水平(又はほぼ水平)となるように、アーム部6Bに固定されていたが、例えば、図7に示すように、プーリー軸芯Pxが、アシストスーツSの横外方側ほど低くなる傾斜状態としてアーム部6Bに固定してあってもよい。
即ち、傾斜するインナーワイヤーWaに対してプーリー軸芯Pxが直交(又はほぼ直交)することになり、プーリー本体Paの外周溝の側面がインナーワイヤーWaと擦れ難くなり、摩耗防止の効果が期待できる。
尚、この場合も、プーリー軸芯Pxが、正面視で水平(又はほぼ水平)となるようにプーリー部Pを構成したり、又は、プーリー軸芯Pxが、正面視で、アシストスーツSの横外方側ほど低くなる傾斜状態となるようにプーリー部Pを構成したり、又は、アーム部6Bの前記筒軸芯6x周りにプーリー部Pが回転できる機構を設けてあってもよい。
例えば、上下一列に並設することに替えて、背面視で、「く」字配列となるように並設してあったり、一部の装置どうしが左右方向に並ぶ配置であってもよい。
要するに、昇降装置M1と、制御装置Cと、電源装置Vとが、本体部1の扁平面Fに沿って並設してあればよく、その並設方向は、適宜、変更が可能である。
3 荷物作用部
C コントロールユニット(制御装置に相当)
F 扁平面
M1 電動ウインチ(昇降装置に相当)
V バッテリー(電源装置に相当)
Claims (4)
- 作業者の腰部に取り付けられる腰部フレームと、
前記腰部フレームに対して揺動可能に設けられ、前記作業者の立ち上がり動作のアシストが可能な脚作用部と、
前記脚作用部を駆動する駆動装置と、が備えられ、
前記脚作用部は、前記腰部フレームに対して横軸芯周りで前後方向に揺動自在に支持された揺動アーム部と、
前記揺動アーム部の先端側部分に設けられて前記作業者の太腿の前部分に当接自在な当接部と、
前記腰部フレームから前記揺動アーム部を取り外すことなく、前記当接部を、前記作業者の太腿に当接する作用状態と、前記作業者の太腿の横外方に退避する非作用状態とに切替自在な脚作用部切替機構と、を備えているアシストスーツ。 - 前記揺動アーム部の先端側部分を前記作業者の太腿部側に付勢する付勢機構を備える請求項1に記載のアシストスーツ。
- 前記揺動アーム部の先端側部分を揺動可能に支持する枢支軸を備え、
前記付勢機構として、前記枢支軸に外嵌状態に設置されるコイルスプリングを備える請求項2に記載のアシストスーツ。 - 前記揺動アーム部の先端側部分に、前記作業者の太腿部に当接可能な当接部が設けられ、
前記駆動装置から前記脚作用部に駆動力を付与し、前記脚作用部が下向きに揺動されることにより、前記当接部が前記作業者の太腿部に下方向きの補助力を付与して、前記作業者の立ち上がりを補助する請求項1から3のいずれか1項に記載のアシストスーツ。
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