JP6742851B2 - 成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法 - Google Patents

成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法に関し、より詳細には、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を光学的に測定する成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法に関する。
湿式蛍光磁粉探傷試験は、例えばビレット等の鋼材や自動車のシャフト等の被検査物の表面の探傷検査に適用され、JIS−Z−2320に規格化されている。湿式蛍光磁粉探傷試験では、被検査物の表面に蛍光磁粉を含有する磁粉溶液(検査液)を塗布するとともに、被検査物に磁場を印加する等して被検査物を磁化する。被検査物の表面のクラック等の欠陥には磁束が集中するため、この磁束に蛍光磁粉が引き寄せられて蛍光磁粉による指示模様が形成される。そして、この蛍光磁粉指示模様を観測することで欠陥を検査する。
湿式蛍光磁粉探傷試験に用いる検査液は、水や白灯油等の溶媒に、数μm〜数十μmの蛍光磁粉、分散剤、防錆剤等を混合させた溶液である。そして、検査液の蛍光磁粉の含有量は欠陥の視認性や検出限界等を左右する重要な要素であり、検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定装置が種々検討されている。
特許文献1には、被検査体の磁化した金属の表面に、少なくとも蛍光磁粉と、分散剤とを混合してなる検査液を接触させ、前記金属表面の傷部に前記蛍光磁粉を集合および付着させることによって、前記傷部を探傷する湿式蛍光磁粉探傷試験に用いる前記検査液の成分濃度測定装置であって、該成分濃度測定装置は、前記検査液を導入する測定具と、該測定具内の前記検査液に紫外線を照射する光源の1個だけからなる紫外線LEDランプと、前記紫外線照射により前記検査液から得られた透過光を検出する紫外線検出器と、前記紫外線照射により前記検査液から得られた励起して発光した可視光を検出する蛍光輝度検出器と、前記紫外線検出器および前記蛍光輝度検出器の各検出値に基づいて、それぞれ前記分散剤の濃度と同時に前記蛍光磁粉の濃度を算出する情報処理部とを備える成分濃度測定装置が開示されている。
特許第4871404号公報
また、特許文献1には、検査液タンクとポンプとを配管によって循環接続して検査液が循環する循環回路を形成し、この循環回路の配管内を通過する検査液の成分濃度を成分濃度測定装置によって測定する構成が開示されている。
このような構成にすることで、検査液の成分濃度を、蛍光磁粉探傷試験の一環としてオンラインで瞬時に測定することができる。そして、成分濃度測定装置は、検査液の散布回路とは別の循環回路に設置されるため、散布回路に不都合等が生じた場合であっても、常時検査液の成分濃度を測定することができる。
ここで、検査液は循環回路を循環されるため、時間の経過とともに配管の内面及び成分濃度測定装置の測定具の内面に検査液に含有される蛍光磁粉、分散剤、防錆剤等が付着する。また、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられた余剰の検査液は、回収されて再利用されるので、試験を継続して行うことで検査液には被検査物の表面に付着していたスケールやゴミ等の異物が混入する。そして、このような異物も配管の内面及び成分濃度測定装置の測定具の内面に付着する。測定具の内面に検査液の含有物や異物が付着すると、紫外線検出器や蛍光輝度検出器の検出値に影響が生じて成分濃度測定装置の測定確度が低下する。そこで、定期的に成分濃度測定装置から測定具を取り外し、測定具の内面の清掃を行う必要がある。また、測定具の内面の付着物を除去しきれない場合には、測定具の交換や成分濃度測定装置の校正を行う必要がある。したがって、成分濃度測定装置を継続して使用する場合には、これらの保守点検作業を高い頻度、例えば1週間毎に定期的に行う必要があり、メンテナンス性の点において改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、メンテナンス性が良好な成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の成分濃度測定装置は、
湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定装置において、
タンクとポンプとが配管によって循環接続され、前記検査液が循環する循環回路と、
前記配管内を通過する前記検査液の成分濃度を光学的に測定する測定部とを備え、
前記循環回路の前記測定部の上流側に接続され、前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する気体供給装置を更に備えることを特徴とする。
更に、前記気体供給装置は、前記気体供給装置の下流側の前記配管内の流れをプラグ流にするように構成されることを特徴とする。
更に、前記ポンプは、往復ポンプであり、
前記気体供給装置は、コンプレッサと電磁弁とを有し、前記往復ポンプの往復動作に同調して前記電磁弁を開閉するように構成されることを特徴とする。
更に、本発明の成分濃度測定方法は、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定方法において、
前記検査液をタンクとポンプとが配管によって循環接続された循環回路において循環させる工程と、
測定部によって前記配管内を通過する前記検査液の成分濃度を光学的に測定する工程と、
前記循環回路の前記測定部の上流側に接続される気体供給装置によって前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する工程とを備えることを特徴とする。
更に、前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する工程によって前記気体供給装置の下流側の前記配管内の流れをプラグ流にすることを特徴とする。
本発明によれば、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定装置において、タンクとポンプとが配管によって循環接続され、前記検査液が循環する循環回路と、前記配管内を通過する前記検査液の成分濃度を光学的に測定する測定部とを備え、前記循環回路の前記測定部の上流側に接続され、前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する気体供給装置を更に備えるので、メンテナンス性が良好な成分濃度測定装置を提供することができる。
更に、前記気体供給装置は、前記気体供給装置の下流側の前記配管内の流れをプラグ流にするように構成されるので、配管の内面の付着物をより良好に除去でき、メンテナンス性がより良好な成分濃度測定装置を提供することができる。
更に、前記ポンプは、往復ポンプであり、前記気体供給装置は、コンプレッサと電磁弁とを有し、前記往復ポンプの往復動作に同調して前記電磁弁を開閉するように構成されるので、気体供給時のポンプへの負荷を低減することができる。
更に、本発明の成分濃度測定方法は、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定方法において、前記検査液をタンクとポンプとが配管によって循環接続された循環回路において循環させる工程と、測定部によって前記配管内を通過する前記検査液の成分濃度を光学的に測定する工程と、前記循環回路の前記測定部の上流側に接続される気体供給装置によって前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する工程とを備えるので、メンテナンス性が良好な成分濃度測定方法を提供することができる。
前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する工程によって前記気体供給装置の下流側の前記配管内の流れをプラグ流にするので、配管の内面の付着物をより良好に除去でき、メンテナンス性がより良好な成分濃度測定方法を提供することができる。
本実施形態に係る成分濃度測定装置の一例が示された概略構成図である。 測定部の概略正面図である。 測定部の概略平面図である。 測定部の概略側面図である。 測定管に対する紫外線LEDランプと紫外線検出器及び蛍光輝度検出器の配置関係を示す模式図である。 測定管に対する赤外線LEDランプと赤外線検出器の配置関係を示す模式図である。 測定部の変形例が示された概略平面図である。 配管内の気液二相流の一例が示された模式図である。 成分濃度測定装置の制御系統のブロック図である。 本実施形態に係る成分濃度測定方法の概要が示された流れ図である。 成分濃度測定の詳細な工程が示された流れ図である。 ポンプと電磁弁の動作を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本実施形態に係る成分濃度測定装置1の一例が示された概略構成図である。なお、図1には、検査液12の循環方向が矢印d1によって示され、被検査物53の搬送方向が矢印d2によって示されている。成分濃度測定装置1は、湿式蛍光磁粉探傷試験を行う湿式蛍光磁粉探傷装置50に用いられる検査液12の成分濃度を測定する装置である。成分濃度測定装置1は、タンク10と、ポンプ11と、測定部20と、気体供給装置30と、ここでは図示せぬ制御部等を備える。
湿式蛍光磁粉探傷装置50に用いられる検査液12はタンク10に貯留される。タンク10とポンプ11は、配管13によって循環接続される。そして、タンク10に貯留された検査液12が循環する循環回路14が形成されている。また、タンク10には湿式蛍光磁粉探傷装置50の散布装置51がポンプ52を介して接続されている。そして、タンク10に貯留された検査液12は散布装置51に供給され、湿式蛍光磁粉探傷装置50による湿式蛍光磁粉探傷試験に使用される。
検査液12を圧送するポンプ11は、往復ポンプのダイアフラムポンプである。ポンプ11の配管15は、後述する気体供給装置30の電磁弁32とコンプレッサ31とをフィルタレギュレータ33を介して接続する配管34aに接続される。そして、ポンプ11は、コンプレッサ31から供給される圧縮空気によって駆動する。ポンプ11は、後述する制御部によって制御される。
なお、ポンプ11は、検査液12を循環させることができれば良く、その構成は特に限定されるものではない。例えば、ポンプ11は、コンプレッサ31とは別のコンプレッサから供給される圧縮空気によって駆動する構成であっても良い。また、ポンプ11の形態は特に限定されるものではなく、例えば、ピストンポンプや、回転ポンプのベーンポンプ等であっても構わない。なお、ポンプ11は、気体供給装置30のコンプレッサ31から供給される圧縮空気によって駆動する構成であることが好ましい。このような構成にすることで、成分濃度測定装置1の構成が簡略化され、生産性やメンテナンス性等が向上する。また、詳細につては後述するが、気体供給装置30によるポンプ11への負荷の低減等の観点から、ポンプ11はダイアフラムポンプやピストンポンプ等の往復ポンプであることが好ましい。
検査液12は、水や白灯油等の溶媒に、蛍光磁粉、分散剤、防錆剤等を混合させた溶液である。蛍光磁粉は、表面が蛍光体で被覆された磁粉であり、そのメジアン径は3μm〜70μm程度である。分散剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル型非イオン系界面活性剤および陰イオン活性剤を用いることができる。防錆剤としては、例えば亜硝酸ナトリウム等を用いることができる。なお、検査液12は、蛍光磁粉を含有するものであれば良く、分散剤や防錆剤の成分は特に限定されるものでなく、蛍光磁粉、分散剤及び防錆剤等の濃度は適宜設定できる。また、検査液12は分散剤や防錆剤を含有しない構成であっても構わない。
測定部20は、循環回路14の配管13内を通過する検査液12の成分濃度を光学的に測定するように構成される。より詳細には、測定部20は、吸光光度分析法を用いて検査液12の成分濃度を測定するように構成される。
ここで、溶液に光を照射した際、溶液に入射する光は溶媒や溶質に吸収され、溶液を透過する光のエネルギは低下する。入射光に対する透過光の比は透過率として表され、この透過率の逆数の常用対数が吸光度である。吸光度は、溶液中を光が透過する長さ(光路長)と溶質の濃度に比例することが知られており、吸光光度分析法は、この吸光度を測定することによって、溶質の濃度を定量的に分析する手法である。また、蛍光磁粉の蛍光体が紫外線によって励起して発光する可視光のエネルギは、検査液12の蛍光磁粉の濃度に比例することも知られている。そして、測定部20は、このような吸光光度分析法や蛍光磁粉の発光する可視光のエネルギと蛍光磁粉の濃度の関係等を応用して、検査液12の成分濃度を測定するように構成される。
測定部20は、循環回路14のポンプ11の下流側の配管13に配設される。測定部20は、図2〜図4に示すように、暗箱体21と、測定管22と、紫外線を照射する紫外線LED(Light Emitting Diode)ランプ23と、赤外線を照射する赤外線LEDランプ24と、紫外線の強度を検出する紫外線検出器25と、赤外線の強度を検出する赤外線検出器26と、蛍光磁粉の蛍光体が励起して発光する可視光の輝度を検出する蛍光輝度検出器27と、測定した成分濃度を表示する表示部28と、ここでは図示せぬ温度センサ等を備える。測定部20は、後述する制御部によって制御される。ここで、図2は測定部20の概略正面図であり、図3は測定部20の概略平面図であり、図4は測定定部20の概略側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図3において、紫外線LEDランプ23と赤外線LEDランプ24の側を前とし、紫外線検出器25と赤外線検出器26の側を後とし、配管13cの側を右とし、配管13bの側を左とする。また、図4において、配管13cの記載は省略されている。
暗箱体21は、略直方体状の中空の筐体であり、上壁21aと前壁21bとの間には、後方へ向かって上方へ傾斜する傾斜壁21cが形成される。暗箱体21の内部は、外からの光が遮断された暗室とされる。暗箱体21は、例えば合成樹脂、アルミニウム、ステンレス等の遮光性を有する材料で形成されるが、材料は特に限定されるものではない。また、暗箱体21は、暗室とされた内部に、測定管22、紫外線LEDランプ23、赤外線LEDランプ24、紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27を収容する構成であれば良く、例えば、中空円柱状の筐体であっても構わない。
測定管22は、円筒状に形成され、暗箱体21の内部に配置される。測定管22は、紫外線領域から可視光領域、赤外線領域までの光の透過性に優れる材料、例えばフッ素樹脂、シリコン樹脂、石英ガラス等で形成される。なお、測定管22の材料は、測定管22の内面の摩擦係数を小さくできるものが好ましいものの、特に限定されるものではない。
測定管22は、左右方向に延びており、一端はポンプ11から延びる配管13bに接続し、他端はタンク10から延びる配管13cに接続する。そして、タンク10に貯留される検査液12は、タンク10から配管13a、ポンプ11、配管13b、測定管22、及び配管13cを順次通過して循環する。測定管22と配管13bの接続部は、暗箱体21の左壁21dに位置しており、測定管22と配管13cの接続部は、暗箱体21の右壁21eに位置している。なお、配管13は、合成樹脂やステンレス等の遮光性を有する材料で形成されるのが好ましく、例えばフレキシブルなゴムホース等であっても構わない。測定部20は、配管13b、配管13c、測定管22と配管13bの接続部、及び測定管22と配管13cの接続部等から暗箱体21の内部に光が入り込まないように構成されている。そして、暗箱体21の内部である暗室に配置された測定管22内を検査液12が通過するように構成されている。
紫外線LEDランプ23と赤外線LEDランプ24は、左右方向に所定の間隔を有して、暗箱体21の前壁21bに配設される。紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24の照射方向は、暗箱体21の内向きであって、前壁21b側から後壁21fへ向かう方向である。そして、照射される紫外線及び赤外線は測定管22を透過する。なお、紫外線LEDランプ23は、測定管22を横断するように紫外線を照射するものであれば良く、その構成は特に限定されるものではない。また、赤外線LEDランプ24は、測定管22を横断するように赤外線を照射するものであれば良く、その構成は特に限定されるものではない。
紫外線検出器25、赤外線検出器26及び蛍光輝度検出器27は、図5及び図6に示されるように、測定管22等と所定の位置関係を有して、暗箱体21の内部に配置される。ここで、図5は、測定管22に対する紫外線LEDランプ23と紫外線検出器25及び蛍光輝度検出器27の配置関係を示す模式図であり、図6は、測定管22に対する赤外線LEDランプ24と赤外線検出器26の配置関係を示す模式図である。なお、図5及び図6は、測定部20を右側方から見た模式図であり、測定管22は紙面に対して垂直方向に延びている。
紫外線検出器25は、図5に示されるように、測定管22を挟んで紫外線LEDランプ23と対向するように配置され、暗箱体21の後壁21fの内面に取り付けられている。紫外線LEDランプ23の照射方向を示す一点鎖線の直線L1は、測定管22の軸心と紫外線検出器25の中央を通る。紫外線LEDランプ23は、少なくとも測定管22の鉛直断面の外形が照射領域内に含まれる照射角θ1を有する。そして、紫外線検出器25は、紫外線LEDランプ23から照射されて測定管22を透過した紫外線の強度を検出する。なお、紫外線検出器25の構成は特に限定されるものではない。また、紫外線検出器25の配置は、測定管22に対する紫外線LEDランプ23の配置に応じて適宜変更できる。
赤外線検出器26は、図6に示されるように、測定管22を挟んで赤外線LEDランプ24と対向するように配置され、暗箱体21の後壁21fの内面に取り付けられている。赤外線LEDランプ24の照射方向を示す一点鎖線の直線L2は、測定管22の軸心と赤外線検出器26の中央を通る。赤外線LEDランプ24は、少なくとも測定管22の鉛直断面の外形が照射領域内に含まれる照射角θ2を有する。そして、赤外線検出器26は、赤外線LEDランプ24から照射されて測定管22を透過した赤外線の強度を検出する。なお、赤外線検出器26の構成は特に限定されるものではない。また、赤外線検出器26の配置は、測定管22に対する赤外線LEDランプ24の配置に応じて適宜変更できる。
蛍光輝度検出器27は、図5に示されるように、測定管22を基準に紫外線LEDランプ23の側であって、紫外線LEDランプ23の上方かつ後方に配置され、暗箱体21の傾斜壁21cの内面に取り付けられている。そして、蛍光輝度検出器27は、測定管22内の検査液12中の蛍光磁粉の蛍光体が紫外線LEDランプ23から照射される紫外線によって励起して発光する可視光の輝度を検出する。なお、蛍光輝度検出器27の構成は特に限定されるものではない。また、蛍光輝度検出器27の配置は、測定管22に対する紫外線LEDランプ23の配置に応じて適宜変更できる。
なお、図5において、蛍光輝度検出器27は、紫外線LEDランプ23の照射方向を示す一点鎖線の直線L1と、測定管22の軸心と蛍光輝度検出器27の中心とを結ぶ一点鎖線の直線L3とのなす角度θ3が30°〜60°となるように配置されることが好ましく、45°となるように配置されることがより好ましい。このような構成にすることで、蛍光輝度検出器27は、蛍光磁粉の濃度が広範な検査液12に対してより正確に蛍光磁粉の蛍光体の励起による可視光の輝度を検出することができる。
温度センサは、暗箱体21の内部の温度を測定するものであり、暗箱体21の内部に収容される。ここで、検査液12の温度は周囲温度よりも高いため、暗箱体21に収容される紫外線LEDランプ23、赤外線LEDランプ24、紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27等は、測定管22を通過する検査液12によって温められる。なお、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24の出力特性や、紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出特性は、温度の影響を受ける。また、検査液12の後述する光学的特性(紫外線や赤外線の吸光度等)も温度の影響を受ける。そこで、これらの特性の温度による影響を考慮するために、暗箱体21の内部の温度を温度センサによって測定する。なお、温度センサの配置や構成は特に限定されるものではない。例えば、複数の温度センサを暗箱体21の内部に配置しても良い。また、紫外線LEDランプ23、赤外線LEDランプ24、紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27に対応する温度センサをそれぞれ配置しても良い。また、直接検査液12の温度を測定する温度センサを測定管22や配管13に配置しても良い。温度センサとしては、例えば、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対等を用いることができる。
詳細については後述するが、成分濃度測定装置1のここでは図示せぬ制御部が、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24を点灯させて紫外線及び赤外線を測定管22内の検査液12に照射した際の紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出値等に基づいて、検査液12の成分濃度を演算する。なお、演算には、検査液12が循環回路14を循環して測定管22内を流れている状態(攪拌状態)における検出値と、検査液12の循環が停止されて所定時間が経過し、検査液12の流れが止まっている状態(静止状態)における検出値との2つの値が用いられる。
演算された検査液12の成分濃度は表示部28に表示される。表示部28は、液晶パネルであり、暗箱体21の上壁21aの外面に配設される。なお、表示部28は、検査液12の成分濃度を表示することができれば良く、配置や構成等は特に限定されない。例えば、表示部28は、測定部20とは別体として構成されても構わない。また、表示部28は、成分濃度から算出される検査液12の検出力をグラフ等で表示する構成であっても良い。このような構成の場合には、制御部が、演算された検査液12の成分濃度に基づいて検出力を演算する。このような構成にすることで、使用者は、検査液12の交換時期を容易に識別することができ、使い勝手が良い。なお、検出力は、適宜定義することができ、蛍光磁粉濃度の減少にともなって低くなり、また、スケール濃度の増加にともなって低くなる。
なお、測定部20は、循環回路14において、気体供給装置30の下流側に位置していれば良い。また、測定部20は、例えば、図7に示すように、暗箱体21に替わって、紫外線LEDランプ23、紫外線検出器25、及び蛍光輝度検出器27に対応した第1の暗箱体121aと、赤外線LEDランプ24、及び赤外線検出器26に対応した第2の暗箱体121bとを備える構成であっても良い。ここで、図7は、測定部20の変形例が示された概略平面図である。変形例である測定部120は、測定管22に替わって、第1の暗箱体121aに対応した第1の測定管122aと第2の暗箱体121bに対応した第2の測定管122bを備える。第1の測定管122aと第2の測定管122bは、配管113で接続される。なお、第1の測定管122aと、紫外線LEDランプ23、紫外線検出器25、及び蛍光輝度検出器27の位置関係は、上述の測定管22と、紫外線LEDランプ23、紫外線検出器25、及び蛍光輝度検出器27の位置関係と同様である。また、第2の測定管122bと、赤外線LEDランプ24及び赤外線検出器26の位置関係は、上述の測定管22と、赤外線LEDランプ24及び赤外線検出器26の位置関係と同様である。このような第1の暗箱体121aと第2の暗箱体121bの2つの暗箱体を備える構成であっても構わない。
気体供給装置30は、図1に示されるように、コンプレッサ31と電磁弁32等を有する。気体供給装置30は、後述する制御部によって制御される。気体供給装置30は、循環回路14の測定部20の上流側に接続される。より詳細には、電磁弁32の入力ポートには、一端がフィルタレギュレータ33を介してコンプレッサ31に接続される配管34aの他端が接続される。コンプレッサ31から電磁弁32へ供給される圧縮空気は、フィルタレギュレータ33によって所定の圧力に保たれるとともに、ドレン水や固形異物が除去される。一方、電磁弁32の出力ポートには、配管34bの一端が接続される。配管34bの他端は、循環回路14の測定部20の上流側であって、ポンプ11と測定部20とを接続する配管13bに接続される。そして、気体供給装置30は、所定の間隔で電磁弁32を開閉することによって、循環回路14の配管13内を通過する検査液12に気体としての空気を供給するように構成されている。なお、気体供給装置30が配管13内を通過する検査液12に供給する気体は、空気に限定されるものではなく、例えば窒素ガス等であっても構わない。
ここで、気体供給装置30は、検査液12に空気が供給された配管13内の気液二相流が、図8に示されるように、プラグ流となるように構成される。したがって、気体供給装置30より下流側に位置する配管13b、測定部20の測定管22、及び配管13c内は、気体供給装置30によって検査液12に空気が供給された際、検査液12と空気35による気液二相流がプラグ流となって流れる。ここで、図8は、配管13内の気液二相流の一例が示された模式図であり、気液二相流の流れの方向が矢印d3によって示されている。
なお、配管13内の気液二相流は、検査液12に供給される空気の圧力や量等に応じて、プラグ流となる。気体供給装置30は、コンプレッサ31が供給する圧縮空気の圧力や電磁弁32の開閉間隔を調節することで、検査液12に供給される空気の圧力や量を調節することができる。そして、気体供給装置30は、配管13内を気液二相流にするとともに、この気液二相流をプラグ流にすることができるように構成されている。
ここで、検査液12は、上述したように、蛍光磁粉、分散剤、防錆剤等を含有する。また、湿式蛍光磁粉探傷装置50で使用された余剰の検査液12は、タンク10に回収されて再利用されるので、被検査物53の表面に付着していたスケール及びゴミ等の異物が検査液12に混入する。そして、検査液12に含有された蛍光磁粉、分散剤、及び防錆剤等や、検査液12に混入されたスケール及びゴミ等の異物は、時間の経過とともに測定管22及び配管13の内面に付着する。そして、測定管22内の検査液12に入射される紫外線及び赤外線や、紫外線によって励起して発光する可視光は、測定管22の内面の付着物によっても吸収されてしまう。したがって、測定部20の紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出値に影響が生じて成分濃度測定装置1の測定確度が低下するので、測定管22の内面の清掃や、成分濃度測定装置1の校正等を定期的に行う必要がある。
成分濃度測定装置1は、気体供給装置30によって測定部20の測定管22及び配管13内の流れを検査液12と空気35のプラグ流とすることで、このような付着物を良好に除去することができる。そして、成分濃度測定装置1は、付着物を除去する際に、循環回路14から分離したり、測定管22を取り外したりする必要がなく、メンテナンス性が良好である。また、気体供給装置30は、簡易な構成である。更に、付着物を除去する際の動作は電磁弁32の開閉だけであり、簡易な制御で付着物を除去でき、生産性が良好である。
なお、流れをプラグ流とすることで付着物が除去される明確な理由は明らかではないが、プラグ流における検査液12の塊が影響していると考えられる。流れをプラグ流にすることで、検査液12の塊が測定管22及び配管13内を流れることなる。検査液12の密度は空気35の密度よりも非常に大きく、測定管22及び配管13内を流れる検査液12の塊はある程度の質量を有する。また、検査液12は空気35よりも粘性が高いので、付着物はこの検査液12の塊によってそぎ落されるように除去されると考えられる。更に、この検査液12の塊が反復して流れることで、付着物の除去がより進行される。なお、循環している検査液12に空気35を供給することで、配管13内を流れる流体の量が空気35の分だけ増加するため、配管13内を流れる流体(検査液12と空気35)の流速は、検査液12のみが流れる場合よりも速くなる。つまり、検査液12の塊の流速が増加する。そして、検査液12の塊の流速の増加等も付着物の除去に影響していると考えられる。
なお、ポンプ11への負荷を低減する観点から、気体供給装置30は、ポンプ11の往復動作に同調して電磁弁32を開閉するように構成されることが好ましい。ポンプ11は、往復ポンプのダイアフラムポンプであり、検査液12の吸入と吐出を交互に繰り返している。気体供給装置30は、例えば、ポンプ11が検査液12を吸入している際に電磁弁32を開いて検査液12に空気35を供給し、ポンプ11が検査液12を吐出している際に電磁弁32を閉じるように構成されることが好ましい。つまり、気体供給装置30は、ポンプ11の往復動作による脈動に応じて検査液12に空気35を供給するように構成されることが好ましい。このような構成にすることで、配管13内を流れる流体(検査液と空気35)のポンプ11による脈動を低減できるとともに、気体供給装置30の検査液12への空気35の供給によるポンプ11への負荷を低減することができる。また、配管13を通過する検査液12に空気35を効率よく供給することができる。なお、このような構成の場合、空気35の塊の体積は、ポンプ11の一往復動作によって吐出される検査液12の体積と同程度であることが好ましい。このような構成にすることで、配管13を通過する検査液12により効率良く空気35を供給できる。
また、測定管22の内面の付着物の除去効果の観点から、測定管22の内径は、2mm〜6mmであることが好ましく、配管13の内径は、2〜10mmであることが好ましい。このような構成にすることで、検査液12に供給する空気35の量がさほど多くなくても検査液12の塊の流速を増加させることができ、測定管22の内面の付着物を効果的に除去することができる。また、検査液12の塊が自重の影響を受けにくくなり、測定管22の内面の全周における付着物を効果的に除去することができる。また、検査液12の表面張力によって、測定管22及び配管13内の流れが層状流や波状流となることがなく、静止状態であっても図8に示されるようなプラグ流とすることができ、測定管22の内面の全周における付着物を効果的に除去することができる。
また、測定管22の内面の付着物の除去効果の観点から、測定管22の内径は配管13の内径以下であることが好ましく、配管13の内径の2/3以下であることがより好ましい。このような構成にすることで、測定管22における流速を容易に速くすることができる。詳細には、測定管22の断面積は配管13の半分以下となるため、測定管22における流速は配管13における流速の2倍以上となり、測定管22の内面の付着物が減少するとともに、付着物に働く流体抵抗が大きくなって付着物の剥離が発生しやすくなり、より効果的に付着物を除去することができる。
また、測定管22の内面の付着物の除去効果の観点から、気体供給装置30が作動している際の測定管22における検査液12の平均流速は、0.8m/s以上であることが好ましく、1.0m/s以上であることがより好ましい。このような構成にすることで、より効果的に付着物を除去することができる。
また、測定管22の内面の付着物の除去効果の観点から、プラグ流における検査液12の塊の体積に対する空気35の塊の体積の比は、1以上であることが好ましい。このような構成にすることで、空気供給時の流速が空気供給前の2倍以上となり、より効果的に付着物を除去することができる。
ここで、図1に示すように、タンク10には湿式蛍光磁粉探傷装置50の散布装置51がポンプ52を介して接続されている。そして、タンク10に貯留された検査液12が散布装置51に供給される。湿式蛍光磁粉探傷装置50は、例えば長尺な角柱状の鋼材等の被検査物53の表面におけるクラック等の欠陥を、蛍光磁粉を用いて自動制御によって検出するように構成される。湿式蛍光磁粉探傷装置50は、搬送装置54と、磁化装置55と、エアーブロー装置56と、紫外線照射装置57と、撮像装置58と、検出装置59と、マーキング装置60と、図示せぬ検査液回収機構と、図示せぬコントローラ等を備える。
搬送装置54は、複数のローラ等から構成されるローラコンベアであり、被検査物53を所望の速度で搬送するように構成されている。そして、被検査物53は、図1において、散布装置51が位置する側からマーキング装置60が位置する側へ搬送される。なお、搬送装置54は、被検査物53の搬送距離を計測する図示せぬ搬送距離計測装置を備える。
散布装置51は、搬送方向における上流側に配置され、検査液12を被検査物53の表面に散布するように構成される。散布装置51は、ポンプ52によってタンク10から圧送された検査液12を被検査物53に上方から噴出する。なお、散布装置51とポンプ52との間には方向切換弁61が配設されている。そして、検査液12を散布装置51から散布しない場合に、ポンプ52よって圧送される検査液12をタンク10に戻すような循環回路が形成されている。なお、方向切換弁61は、空気圧で作動するエアオペレートバルブであり、検査液12に含有された蛍光磁粉の影響を受けないように構成されている。
磁化装置55は、被検査物53に磁場を印加するように構成され、散布装置51の下流側に隣接して配置される。磁化装置55は、円環状の2つの貫通コイルやU字状の2つの極間コイル等を有し、一様な回転磁界を発生させるように構成される。
エアーブロー装置56は、被検査物53に向けて重力に逆らう方向にエアーを吹き付けるものであり、磁化装置55の内部に複数配置される。このエアーブロー装置56によって、磁化装置55を通過する被検査物53の表面を流れる検査液12の流速を調節することができる。
紫外線照射装置57は、磁化装置55の上方に配置される。紫外線照射装置57は、磁化装置55によって磁界が発生している領域において、被検査物53の表面の検査液12に上方から紫外線を照射するよう構成される。
撮像装置58は、磁化装置55の上方に配置される。撮像装置58は、紫外線照射装置57によって紫外線が照射された被検査物53の表面を上方から撮像するように構成され、例えばエリアカメラやラインカメラを用いることができる。
検出装置59は、撮像装置58によって撮像された画像信号(原画像)を読み込むとともに、原画像に所定の処理を行うことによって、被検査物53の表面の欠陥を検出するように構成される。検出装置59としては、演算処理及び制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)、データが格納される主記憶装置、タイマ、入力回路、出力回路、並びに電源回路等を有するマイクロコンピュータが例示される。主記憶装置には、原画像から欠陥を検出するためのプログラムや、各種データなどが格納される。
マーキング装置60は、検出装置59によって検出された被検査物53の表面における欠陥に、目視可能なマーキングをするように構成され、磁化装置55の下流側に配置される。マーキング装置60としては、例えば、空気圧を用いてインクを噴射することでマーキングを行うマーキングガンを用いることができる。
図示せぬ検査液回収機構は、湿式蛍光磁粉探傷装置50で使用された余剰の検査液12を回収してタンク10に戻すように構成される。検査液回収機構としては、余剰の検査液12を回収する受け皿と、受け皿によって回収した検査液12を圧送するポンプ等を有する構成が例示される。
図示せぬコントローラは、種々の設定値や、各種センサによる検出値などの入力信号を読み込むとともに、制御信号を出力することで、湿式蛍光磁粉探傷装置50が備える各種装置の動作を制御するように構成されている。コントローラとしては、検出装置59と同様に、演算処理及び制御処理を行うCPU、データが格納される主記憶装置、タイマ、入力回路、出力回路、並びに電源回路等を有するマイクロコンピュータが例示される。主記憶装置には、各種装置の動作を制御するための制御プログラムや、各種データが格納されている。
以上のような構成の湿式蛍光磁粉探傷装置50は、搬送装置54によって被検査物53を順次各装置へ搬送して被検査物53の表面の欠陥を検出する。被検査物53は、散布装置51に搬送されて表面に検査液12が散布される。表面に検査液12が散布された被検査物53は、磁化装置55によって形成された回転磁界領域内に搬送される。この際、被検査物53の表面に欠陥が存在する場合、その欠陥に起因する漏洩磁界が生じて、検査液12に含まれる蛍光磁粉が、その漏洩磁界に引き寄せられる。蛍光磁粉が欠陥に集合することで、欠陥に起因する蛍光磁粉指示模様が被検査物53の表面に形成される。
このようにして形成された蛍光磁粉指示模様は、紫外線照射装置57から照射される紫外線によって、蛍光磁粉の表面を被覆する蛍光体を励起させ、撮像装置58によって撮像される。検出装置59は、撮像装置58によって撮像された原画像に所定の処理を行い、原画像内における欠陥を検出し、その位置データをコントローラに送る。そして、コントローラは、この欠陥の位置データと搬送装置54の搬送距離計測装置の計測データに基づいて、マーキング装置60の動作を制御し、被検査物53の表面の欠陥にマーキングを行う。
なお、湿式蛍光磁粉探傷装置50は、検査液12を用いて被検査物53の表面の欠陥を検出することができれば良く、上述の構成に限定されるものではない。例えば、コントローラと検出装置59とが一体に構成されても良い。このような構成にすることで、湿式蛍光磁粉探傷装置50が簡素化され、小型化が図れる。
次に、本実施形態に係る成分濃度測定装置1の制御系統について説明する。図9は、成分濃度測定装置1の制御系統のブロック図である。成分濃度測定装置1は、制御部40を備え、この制御部40によって、ポンプ11と、測定部20と、気体供給装置30等が制御されるように構成されている。
制御部40は、種々の設定値や、各種センサによる検出値などの入力信号を読み込むとともに、制御信号を出力することで、成分濃度測定装置1が備える各種装置の動作を制御するように構成されている。制御部40としては、演算処理及び制御処理を行うCPU、データが格納される主記憶装置、タイマ、入力回路、出力回路、並びに電源回路等の含まれたマイクロコンピュータが例示される。ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)に例示される主記憶装置には、本実施形態に係る動作を実行するための制御プログラムや、各種データが格納されている。なお、これらの各種プログラムやデータ等は、外部の記憶装置に格納され、制御部40が読み出す形態とされても良い。
制御部40には、ポンプ11、紫外線LEDランプ23、赤外線LEDランプ24、紫外線検出器25、赤外線検出器26、蛍光輝度検出器27、表示部28、温度センサ29、電磁弁32等が電気的に接続されている。なお、制御部40には、図9に示された構成以外の各種センサなどが電気的に接続されている。
制御部40は、濃度演算部41を有している。濃度演算部41は、例えばプログラムによって構成される。濃度演算部41は、紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27から入力される検出値や、予め主記憶装置に格納されるデータ等に基づいて、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度を演算するように構成されている。予め主記憶装置に格納されるデータとしては、紫外線LEDランプ23が照射する紫外線の強度や、赤外線LEDランプ24が照射する赤外線の強度や、後述する検量線データや、補正データ等である。
ここで、検査液12が循環回路14を循環して測定管22内を流れている状態(攪拌状態)における紫外線検出器25の検出値から演算される紫外線の吸光度は、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度との間に、それぞれ略一次直線によって規定される相関関係があることが分かっている。同様に、攪拌状態の赤外線検出器26の検出値から演算される赤外線の吸光度は、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度との間に、それぞれ略一次直線によって規定される相関関係があることが分かっている。また、攪拌状態の蛍光輝度検出器27の検出値は、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度との間に、それぞれ略一次直線を有する相関関係があることが分かっている。
更に、攪拌状態における紫外線検出器25の検出値から演算される紫外線の吸光度から、検査液12の循環が停止されて所定時間が経過し、検査液12の流れが止まっている状態(静止状態)における紫外線検出器25の検出値から演算される紫外線の吸光度を差し引いた値(差分値)は、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度との間に、それぞれ略一次直線によって規定される相関関係があることが分かっている。同様に、攪拌状態における赤外線検出器26の検出値から演算される赤外線の吸光度から、静止状態における赤外線検出器26の検出値から演算される赤外線の吸光度を差し引いた差分値は、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度との間に、それぞれ略一次直線によって規定される相関関係があることが分かっている。また、攪拌状態における蛍光輝度検出器27の検出値から静止状態における蛍光輝度検出器27の検出値を差し引いた差分値は、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度との間に、それぞれ略一次直線によって規定される相関関係があることが分かっている。これらの相関関係を示す検量線データは、予め主記憶装置に格納されている。なお、これらの相関関係を示す検量線データは、検査液12の温度によって変化するので、検査液12の温度に応じて検量線データを補正するための補正データも予め主記憶装置に格納されている。ここで、この補正データは、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24の出力特性の温度による影響や、紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出特性の温度による影響等も考慮されたものである。
そして、濃度演算部41は、攪拌状態で検出された紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27から入力される検出値と、静止状態で検出された紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27から入力される検出値と、温度センサ29から入力される検出値と、主記憶装置に格納された検量線データや補正データ等に基づいて、検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度を演算する。濃度演算部41によって演算された検査液12の蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度は、表示部28に表示される。
なお、成分濃度測定装置1は、上述の構成に限定されるものではない。例えば、成分濃度測定装置1は、検査液12の蛍光磁粉濃度及び分散剤濃度のみを測定する構成であっても構わない。このような構成の場合には、測定部20は、赤外線LEDランプ24及び赤外線検出器26を備える必要はなく、構成が簡略化されるとともに制御部40の演算負荷が低減され、生産性が向上される。また、成分濃度測定装置1の制御部40と湿式蛍光磁粉探傷装置50のコントローラとが一体に構成されても良い。また、成分濃度測定装置1は、循環回路14内にリリーフ弁、圧力調節弁、流量調節弁、圧力計、流量計等を備える構成であっても良い。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る成分濃度測定装置1は、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液12の成分濃度を測定する成分濃度測定装置であって、タンク10とポンプ11とが配管13によって循環接続され、検査液12が循環する循環回路14と、配管13内を通過する検査液12の成分濃度を光学的に測定する測定部20とを備え、循環回路14の測定部20の上流側に接続され、配管13内を通過する検査液12に気体を供給する気体供給装置30を更に備える構成である。
そして、本実施形態によれば、メンテナンス性が良好な成分濃度測定装置1を提供することができる。
次に、本実施形態に係る成分濃度測定装置1による検査液12の成分濃度を測定する成分濃度測定方法の概要について説明する。図10は、本実施形態に係る成分濃度測定方法の概要が示された流れ図であり、図11は、成分濃度測定の詳細な工程が示された流れ図である。本実施形態は、検査液12をタンク10とポンプ11とが配管13によって循環接続された循環回路14において循環させる工程と、測定部20によって配管13内を通過する検査液12の成分濃度を光学的に測定する工程と、循環回路14の測定部20の上流側に接続される気体供給装置30によって配管13内を通過する検査液12に気体を供給する工程とを備えることを特徴とする。以下では、各工程を更に詳細に説明する。
まず、タンク10に貯留された検査液12のポンプ11による循環回路14の循環が行われる(ステップS1)。検査液12は、タンク10から配管13a、ポンプ11、配管13b、測定部20の測定管22、及び配管13cを順次通過して循環する。なお、循環する検査液12の流量は、ポンプ11を制御することで適宜設定できる。
次に、循環回路14の測定部20の上流側に接続される気体供給装置30による配管13内を通過する検査液12への空気の供給が行われる(ステップS2)。この際、循環回路14において、気体供給装置30より下流側に位置する配管13b、測定部20の測定管22、及び配管13c内の流れを、図8に示されるように、検査液12と空気35による気液二相流のプラグ流とする。そして、気体供給装置30よりも下流側の流れを検査液12と空気35のプラグ流とすることで、測定管22及び配管13の内面の付着物、例えば検査液12に含有される蛍光磁粉、分散剤、及び防錆剤や、検査液12に混入されるスケール及びゴミ等を除去する。
ここで、気体供給装置30は、ポンプ11の往復動作に同調して電磁弁32を開閉して検査液12中に空気35を供給する。詳細には、気体供給装置30は、ダイアフラムポンプであるポンプ11が検査液12を吸入している際に電磁弁32を開いて検査液12に空気35を供給し、ポンプ11が検査液12を吐出している際に電磁弁32を閉じる。つまり、気体供給装置30は、ポンプ11の往復動作による脈動に応じて検査液12に空気35を供給する。したがって、ポンプ11による脈動が低減され、気体供給装置30の検査液12への空気35の供給によるポンプ11への負荷も低減される。また、配管13を通過する検査液12に空気35を効率よく供給することができる。
なお、気体供給装置30は、ポンプ11の往復動作に同調せずに電磁弁32を開閉して検査液12中に空気35を供給するように構成することもできる。しかしながら、気体供給装置30は、ポンプ11の往復動作に同調するように構成されることが好ましい。また、気体供給装置30の作動時間、つまり、気体供給装置30よりも下流側の流れを検査液12と空気35のプラグ流とする時間は、適宜設定できる。なお、気体供給装置30がポンプ11の往復動作に同調する場合には、気体供給装置30の動作は、ポンプ11の往復動作の回数で規定される。つまり、気体供給装置30がポンプ11の往復動作に同調して電磁弁32を開閉する回数で規定される。この電磁弁32を開閉する回数は、1回〜60回程度とすることが好ましい。また、ポンプ11の往復動作の速さは、適宜設定でき、例えば、1秒で1往復するように設定できる。
次に、気体供給装置30による検査液12への空気の供給が停止される(ステップS3)。ここで、ポンプ11による検査液12の循環回路14の循環は継続されており、循環回路14は検査液12のみの流れとなる。なお、気体供給装置30によって供給された空気が循環回路14から排出されるまで、検査液12を所定の時間循環させる。
次に、測定部20による配管13内を通過する検査液12の成分濃度の測定が行われる(ステップS4)。より詳細には、検査液12が循環回路14を循環して測定管22内を流れている状態(攪拌状態)において、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24を点灯させ、紫外線及び赤外線の測定管22内の検査液12への照射が行われる(ステップS41)。
次に、攪拌状態で紫外線及び赤外線の照射が行われている状態で、制御部40による紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出値の取り込みが行われる(ステップS42)。つまり、制御部40は、攪拌状態での、検査液12を透過する紫外線の強度の検出値、検査液12を透過する赤外線の強度の検出値、及び蛍光磁粉の蛍光体が励起して発光する可視光の輝度の検出値を取り込む。なお、制御部40は、温度センサ29の検出値も取り込む。また、制御部40の検出値の取り込み後に、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24は消灯される。
次に、ポンプ11による検査液12の循環回路14の循環が停止される(ステップS43)。検査液12の循環を停止して所定の時間、例えば2分間経過させ、検査液12の流れが止まっている状態(静止状態)とする。
次に、静止状態において、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24を点灯させ、紫外線及び赤外線の測定管22内の検査液12への照射が行われる(ステップS44)。
次に、静止状態で紫外線及び赤外線の照射が行われている状態で、制御部40による紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出値の取り込みが行われる(ステップS45)。つまり、制御部40は、静止状態での、検査液12を透過する紫外線の強度の検出値、検査液12を透過する赤外線の強度の検出値、及び蛍光磁粉の蛍光体が励起して発光する可視光の輝度の検出値を取り込む。なお、制御部40の検出値の取り込み後に、紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24は消灯される。
次に、制御部40の濃度演算部41による検査液12の成分濃度の演算が行われる(ステップS46)。なお、濃度演算部41は、ステップS42において取り込まれた攪拌状態での紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出値と、ステップS45において取り込まれた静止状態での紫外線検出器25、赤外線検出器26、及び蛍光輝度検出器27の検出値と、主記憶装置に格納された検量線データ等に基づいて、検査液12の成分濃度を演算する。なお、濃度演算部41は、検査液12の成分濃度を演算する前に、必要に応じて温度センサ29の検出値と主記憶装置に格納された補正データによって検量線データの補正を行い、補正された検量線データを検査液12の成分濃度の演算に用いる。濃度演算部41によって演算される検査液12の成分濃度は、蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度である。
次に、表示部28による検査液12の成分濃度の表示が行われる(ステップS47)。表示部28によって表示される検査液12の成分濃度は、蛍光磁粉濃度、分散剤濃度、防錆剤濃度、及びスケール濃度である。
以上のような成分濃度測定方法によれば、検査液12の成分濃度を測定する前に、測定部20の測定管22の内面の付着物を除去するので、成分濃度測定装置1による測定確度が低下しにくい。また、測定管22の内面の付着物を除去する際に、循環回路14から成分濃度測定装置1を分離したり、測定管22を取り外したりする必要がなく、メンテナンス性が良好である。また、気体供給装置30によって測定部20の測定管22及び配管13内の流れを検査液12と空気35のプラグ流にするため、測定管22の内面の付着物を良好に除去することができる。
なお、成分濃度測定方法は上述の方法に限定されるものではない。例えば、ステップS1及びステップS2をステップS4の後に行っても良い。つまり、成分濃度の測定をした後、検査液12の循環回路14の循環と検査液12への空気の供給を行っても良い。また、ステップS4の後に、更に、ステップS1及びステップS2を行っても良い。つまり、成分濃度の測定をする前後で、検査液12の循環回路14の循環と検査液12への空気の供給を行っても良い。このような方法にすることで、成分濃度の測定の前後に測定部20の測定管22の内面の付着物を除去するので、測定管22の内面をより長期間に亘って綺麗な状態に保つことができる。また、次回の測定時の値の確度が維持され、速やかに測定を再開することができる。
また、ステップS41にて点灯させた紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24は、ステップS45まで消灯させずに点灯した状態に保たれても構わない。このような方法にすることでステップS44を省略することができ、測定方法が簡略化される。また、ステップS44における紫外線LEDランプ23及び赤外線LEDランプ24の紫外線及び赤外線の照射が安定するまでの待ち時間がなくなり、測定時間の短縮が図れる。
また、制御部40は、ステップS46の前に温度センサ29の検出値を取り込めば良く、例えば、ステップS45で取り込んでも良く、ステップS42及びステップS45の両方で取り込んでも良い。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液12の成分濃度を測定する成分濃度測定方法は、検査液12をタンク10とポンプ11とが配管13によって循環接続された循環回路14において循環させる工程と、測定部20によって配管13内を通過する検査液12の成分濃度を光学的に測定する工程と、循環回路14の測定部20の上流側に接続される気体供給装置30によって配管13内を通過する検査液12に気体を供給する工程とを備えることを特徴とする。
そして、本実施形態によれば、メンテナンス性が良好な成分濃度測定方法を提供することができる。
以下に実施例を示して、本開示を更に詳細、且つ具体的に説明する。しかしながら、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料、及び測定方法>
[実施例1]
図1〜図6に示される本実施形態に係る成分濃度測定装置1が用いられた。すなわち、成分濃度測定装置1は、タンク10とポンプ11とが配管13によって循環接続され、検査液12が循環する循環回路14と、配管13内を通過する検査液12の成分濃度を光学的に測定する測定部20とを備え、循環回路14の測定部20の上流側に接続され、配管13内を通過する検査液12に空気35を供給する気体供給装置30を更に備えるといった特徴を有していた。
水に蛍光磁粉(マークテック株式会社製:スーパーマグナ蛍光磁粉、LY−20)、及び防錆剤(マークテック株式会社製:スーパーキープ防錆剤、AR−100K)を含有させて検査液12が作製された。検査液12は、蛍光磁粉濃度が0.6g/Lで、防錆剤濃度が1%となるように作製された。ポンプ11(電磁弁内蔵型ダイアフラムポンプ)、配管13(内径4mmのナイロンホース)を用いて循環回路14が形成された。気体供給装置30は、コンプレッサ31、電磁弁32(直動式2ポート電磁弁)等から構成された。測定部20の測定管22は、フッ素樹脂製であり、内径が4mmであった。
そして、検査液12を1週間連続して循環回路14を循環させた後に、図10及び図11に示される成分濃度の測定方法によって検査液12の成分濃度の測定が行われた。この際、循環回路14を循環する検査液12の平均流量は0.5L/minであり、コンプレッサ31から供給される空気35の圧力は0.2MPaであった。また、気体供給装置30は、作動時間が3秒間であり、図12に示されるように、ポンプ11に同調して電磁弁32を開閉させた。ここで、図12は、ポンプ11と電磁弁32の動作を示すタイムチャートである。詳細には、気体供給装置30は、ポンプ11が検査液12を吸入している際に電磁弁32を開き、ポンプ11が検査液12を吐出している際に電磁弁32を閉じた。ポンプ11の1サイクル(吸入と吐出)T1は1.0秒であり、吸込時間T2は0.5秒であり、吐出時間T3は0.5秒であった。電磁弁32は、ポンプ11が吸入を開始すると同時に開いた。電磁弁32が開いている時間T4は0.1秒であり、閉じている時間T5は0.9秒であった。そして、気体供給装置30が作動している際、気体供給装置30よりも下流側の測定部20の測定管22及び配管13内の流れが検査液12と空気35のプラグ流とされた。
したがって、実施例1に係る方法は、検査液12をタンク10とポンプ11とが配管13によって循環接続された循環回路14において循環させる工程と、測定部20によって配管13内を通過する検査液12の成分濃度を光学的に測定する工程と、循環回路14の測定部20の上流側に接続される気体供給装置30によって配管13内を通過する検査液12に気体を供給する工程とを備える等といった本実施形態に係る特徴を有していた。
[比較例1]
比較例1では、図10に示される成分濃度の測定方法において、ステップS2及びステップS3が省略された以外は、実施例1と同様であった。比較例1は、成分濃度の測定方法において、循環回路14の測定部20の上流側に接続される気体供給装置30によって配管13内を通過する検査液12に気体を供給する工程を有していなかった。したがって、比較例1に係る方法は、本実施形態に係る特徴を有していなかった。
[比較例2]
比較例2では、図10に示される成分濃度の測定方法において、ステップS2及びステップS3に替わって、測定管22を測定部20から取り外して内面を水とパイプ洗浄ブラシによって清掃する工程が追加された以外は、実施例1と同様であった。比較例2は、成分濃度の測定方法において、循環回路14の測定部20の上流側に接続される気体供給装置30によって配管13内を通過する検査液12に気体を供給する工程を有していなかった。したがって、比較例2に係る方法は、本実施形態に係る特徴を有していなかった。なお、比較例2では、測定管22を測定部20から取り外して内面を水とパイプ洗浄ブラシによって清掃する工程に約10分の時間を要した。
<評価方法>
(付着物除去性能)
実施例1、比較例1、及び比較例2について、検査液12の成分濃度の測定後の測定管22の内面の付着物の有無を目視で確認した。実施例1は、測定管22の内面に付着物がなかった。比較例1は、測定管22の内面に付着物が有った。比較例2は、測定管22の内面に付着物がなかった。
(成分濃度の測定確度)
実施例1、比較例1、及び比較例2の測定された成分濃度について、誤差率を算出した。誤差率は、実際の成分濃度から測定された成分濃度を差し引いた値の絶対値を100倍した値とした。実施例1で測定された検査液12の蛍光磁粉濃度は0.6g/Lであった。比較例1で測定された検査液12の蛍光磁粉濃度は1.2g/Lであった。比較例2で測定された検査液12の蛍光磁粉濃度は0.6g/Lであった。
上述された実施例から以下の点が導き出された。実施例1では、成分濃度を測定するステップS4の前に測定部20の測定管22の内面の付着物が除去された。また、実施例1では、測定管22を測定部20から取り外すといった作業を要することなく、測定部20の内面の付着を除去でき、メンテナンス性が良好であった。また、実施例1では、測定管22の内面の付着物の影響を受けることなく成分濃度を測定することができ、測定値は一定に保たれた。一方で、比較例1では、成分濃度を測定するステップS4の前に測定部20の測定管22の内面の付着物が除去されず、測定管22の内面の付着物の影響を受け、測定値は一定に保たれず、測定確度が低下した。なお、誤差率(実際の濃度から測定された濃度を差し引いた値の絶対値を実際の濃度で除して100倍した値)は、100%であった。また、比較例2では、成分濃度を測定するステップS4の前に測定管22を測定部20から取り外して内面を試験管ブラシによって清掃する工程によって、測定管22の内面の付着物が除去され、測定値は一定に保たれた。しかし、測定管22を清掃する工程には、多くの時間を要した。また、比較例2では、測定管22の清掃中は検査液12の管理ができないため、探傷作業を止める必要がある。
以上の実施例の結果から、本実施形態に係る成分濃度測定装置1、及び成分濃度測定方法では、循環回路14を長期に亘って検査液12が循環された後であっても、測定管22の内面の付着物を容易に除去することができ、メンテナンス性が良好であり、測定値の確度を長期において維持できることが示された。したがって、本実施形態では、メンテナンス性が良好な成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法を提供することができることが示された。
本開示は、湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法に好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態、及び実施例に限定されるものではない。本開示の成分濃度測定装置、及び濃度測定方法は、吸光光度分析法を用いて溶液に含有される溶質の濃度を測定するあらゆる成分濃度測定装置、及び成分濃度測定方法に適用することができる。
1 成分濃度測定装置
10 タンク
11 ポンプ
12 検査液
13 配管
14 循環回路
20、120 測定部
30 気体供給装置
31 コンプレッサ
32 電磁弁
35 空気(気体)

Claims (5)

  1. 湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定装置において、
    タンクとポンプとが配管によって循環接続され、前記検査液が循環する循環回路と、
    前記配管内を通過する前記検査液の成分濃度を光学的に測定する測定部とを備え、
    前記循環回路の前記測定部の上流側に接続され、前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する気体供給装置を更に備えることを特徴とする、成分濃度測定装置。
  2. 前記気体供給装置は、前記気体供給装置の下流側の前記配管内の流れをプラグ流にするように構成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の成分濃度測定装置。
  3. 前記ポンプは、往復ポンプであり、
    前記気体供給装置は、コンプレッサと電磁弁とを有し、前記往復ポンプの往復動作に同調して前記電磁弁を開閉するように構成されることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の成分濃度測定装置。
  4. 湿式蛍光磁粉探傷試験に用いられる検査液の成分濃度を測定する成分濃度測定方法において、
    前記検査液をタンクとポンプとが配管によって循環接続された循環回路において循環させる工程と、
    測定部によって前記配管内を通過する前記検査液の成分濃度を光学的に測定する工程と、
    前記循環回路の前記測定部の上流側に接続される気体供給装置によって前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する工程とを備えることを特徴とする、成分濃度測定方法。
  5. 前記配管内を通過する前記検査液に気体を供給する工程によって前記気体供給装置の下流側の前記配管内の流れをプラグ流にすることを特徴とする、
    請求項4に記載の成分濃度測定方法。
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