JP2018072072A - 磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法 - Google Patents

磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法を提供する。【解決手段】磁粉探傷装置1は、磁粉を含有する検査液を貯留する検査液タンク11と、被検査物10を磁化する磁化部12と、被検査物10に検査液を散布する散布部13と、被検査物10に検査液を散布する洗浄部14と、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻す検査液回収部15とを備え、検査液タンク11は、タンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有し、タンク本体22の内部を攪拌状態の検査液を貯留する攪拌槽20と静止状態の検査液を貯留する沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを有し、散布部13は攪拌槽20に接続され、洗浄部14は沈殿槽21の上部に接続される。【選択図】図2

Description

本発明は、探傷装置、及び探傷方法に関し、より詳細には、磁粉を用いて探傷を行う磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法に関する。
磁粉探傷試験は、例えばビレット等の鋼材や自動車のシャフト等の被検査物の表面の探傷検査に適用され、JIS−Z−2320に規格化されている。磁粉探傷試験では、被検査物の表面に磁粉を含有する磁粉液を散布するとともに、被検査物に磁場を印加する等して被検査物を磁化する。磁化された被検査物の表面にクラック等の傷がある場合には、この傷から磁束が漏洩するため、この漏洩磁束に磁粉が引き付けられて磁粉による指示模様が形成される。そして、この磁粉指示模様を観測することで傷を検査する。このような磁粉探傷試験は、検出確度を向上させるために種々の形態が提案されており、例えば、磁粉の表面が蛍光体で被覆された蛍光磁粉を用いる蛍光磁粉探傷試験が知られている。
また、特許文献1には、金属材料の磁粉探傷方法において、被検査材を磁化しながら磁粉液を散布した後、磁粉液の散布時より磁化力を上げた状態で被検査材の表面に散水して被検査材の表面疵部の磁粉模様を除いた余剰磁粉液を洗い流すことを特徴とする磁粉探傷における磁粉模様形成方法が開示されている。
また、特許文献2には、被探傷材にスプレーノズルより磁粉液を散布したのち、被探傷材の欠陥部分に凝集吸着した磁粉を検出して被探傷材の欠陥を検知する磁粉探傷試験を行うに際し、スプレーノズルより被探傷材に向けて磁粉液を散布したのち、同じスプレーノズルより水を散布することを特徴とする磁粉探傷試験方法が開示されている。
また、特許文献3には、SUS製タンクとポンプとを備え、パイプを通じて磁粉液を循環させるテスト装置を用いた磁粉液の長期分散性テストが開示されている。
特開平5−288718号公報 特開平7−333196号公報 特許第2775401号公報
特許文献1の磁粉模様形成方法や特許文献2の磁粉探傷試験方法によれば、磁粉液を散布した後に水を散布することによって被検査物の表面に余分に付着している磁粉を除去でき、傷部の誤検出を防止できるとされている。
ここで、磁粉探傷試験では多量の磁粉液を使用することが多く、環境への負荷の低減や廃棄処理費用の低減等の観点から、被検査物に散布された磁粉液を回収して再利用することが好ましい。そして、磁粉液を循環利用する際の磁粉液の物性試験として、特許文献3の磁粉液の長期分散性テスト等が知られている。しかしながら、特許文献1の磁粉模様形成方法や特許文献2の磁粉探傷試験方法のように、磁粉液を散布した後に水を散布する場合、回収される磁粉液には散布された水が混入されて磁粉濃度が下がるため、回収液をそのまま再利用すると傷部の検出確度が低下するという問題がある。そして、特許文献1及び特許文献2では、磁粉液の回収や再利用については何ら考慮がなされていない。
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の磁粉探傷装置は、
磁粉を含有する検査液を貯留する検査液タンクと、
被検査物を磁化する磁化部と、
前記被検査物に前記検査液を散布する散布部と、
前記被検査物に前記検査液を散布する洗浄部と、
前記散布部及び前記洗浄部によって散布された前記検査液を回収して前記検査液タンクに戻す検査液回収部とを備え、
前記検査液タンクは、
有底筒状のタンク本体と、
前記タンク本体の底壁との間に間隙を有し、前記タンク本体の内部を攪拌状態の前記検査液を貯留する攪拌槽と静止状態の前記検査液を貯留する沈殿槽とに仕切る隔壁とを有し、
前記散布部は前記攪拌槽に接続され、前記洗浄部は前記沈殿槽の上部に接続されることを特徴とする。
更に、前記沈殿槽の底面は、前記攪拌槽に向かって下方へ傾斜することを特徴とする。
更に、前記散布部は、前記攪拌槽と、散布ポンプと、散布ノズルが分岐接続される切換弁とが配管によって循環接続される循環回路を有し、
前記配管は、前記攪拌槽へ吐出される前記検査液によって前記攪拌槽の前記検査液が渦状に流動するように、前記攪拌槽に接続することを特徴とする。
更に、前記検査液回収部は、
前記被検査物の下方に配置される回収受けと、
一端が前記回収受けに接続し、他端が前記検査液タンクに接続する回収配管とを有し、
前記回収配管の他端は、前記沈殿槽の下部に前記攪拌槽と対向して接続することを特徴とする。
更に、前記回収配管内に磁界を印加する回収磁粉磁化部を備えることを特徴とする。
更に、前記沈殿槽内に磁界を印加する沈殿槽磁粉磁化部を備えることを特徴とする。
更に、前記検査液タンクの前記検査液の液面高さを測定するレベルセンサと、
前記攪拌槽の前記検査液の磁粉濃度を測定する磁粉濃度測定装置と、
前記攪拌槽の前記検査液の磁粉濃度よりも濃度が高い濃縮磁粉液を前記攪拌槽に供給する濃縮磁粉液供給装置と、
前記検査液の溶媒のみを前記沈殿槽に供給する液体供給装置とを備えることを特徴とする。
更に、前記タンク本体は、前記隔壁で前記攪拌槽と前記沈殿槽とに分断されて構成され、前記攪拌槽の底部を前記沈殿槽の底部に連通させる連通管を更に有することを特徴とする。
更に、本発明は、検査液タンクに貯留される磁粉を含有する検査液を用いて被検査物の探傷を行う磁粉探傷方法において、
前記検査液タンクは、
有底筒状のタンク本体と、
前記タンク本体の底壁との間に間隙を有し、前記タンク本体の内部を攪拌状態の前記検査液を貯留する攪拌槽と静止状態の前記検査液を貯留する沈殿槽とに仕切る隔壁とを有し、
前記被検査物を磁化する工程と、
前記攪拌槽の前記検査液を前記被検査物に散布する工程と、
前記沈殿槽の上部の前記検査液を前記被検査物に散布する工程と、
前記被検査物に散布された前記検査液を回収して前記検査液タンクに戻す工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、磁粉を含有する検査液を貯留する検査液タンクと、被検査物を磁化する磁化部と、前記被検査物に前記検査液を散布する散布部と、前記被検査物に前記検査液を散布する洗浄部と、前記散布部及び前記洗浄部によって散布された前記検査液を回収して前記検査液タンクに戻す検査液回収部とを備え、前記検査液タンクは、有底筒状のタンク本体と、前記タンク本体の底壁との間に間隙を有し、前記タンク本体の内部を攪拌状態の前記検査液を貯留する攪拌槽と静止状態の前記検査液を貯留する沈殿槽とに仕切る隔壁とを有し、前記散布部は前記攪拌槽に接続され、前記洗浄部は前記沈殿槽の上部に接続されるので、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷装置を提供することができる。
更に、前記沈殿槽の底面は、前記攪拌槽に向かって下方へ傾斜するので、沈殿槽で沈殿する磁粉が攪拌槽へ移動し、攪拌槽の検査液の磁粉濃度が低下しにくく、傷部の検出確度をより確実に一定水準以上に維持することができる。
更に、前記散布部は、前記攪拌槽と、散布ポンプと、散布ノズルが分岐接続される切換弁とが配管によって循環接続される循環回路を有し、前記配管は、前記攪拌槽へ吐出される前記検査液によって前記攪拌槽の前記検査液が渦状に流動するように、前記攪拌槽に接続するので、別途攪拌器等を用いることなく簡易な構成で攪拌槽の検査液を攪拌することができ、生産性が向上される。また、散布部は、磁粉が分散された検査液を瞬時に散布することができ、探傷時間の短縮が図れる。
更に、前記検査液回収部は、前記被検査物の下方に配置される回収受けと、一端が前記回収受けに接続し、他端が前記検査液タンクに接続する回収配管とを有し、前記回収配管の他端は、前記沈殿槽の下部に前記攪拌槽と対向して接続するので、回収された磁粉濃度の低い検査液が沈殿槽へ戻されるとともに、磁粉濃度の高い検査液が攪拌槽へと押し出され、攪拌槽内の検査液の磁粉濃度が低下しにくく、傷部の検出確度をより確実に一定水準以上に維持することができる。
更に、前記回収配管内に磁界を印加する回収磁粉磁化部を備えるので、磁粉を結合させて磁粉の沈降速度を速めることができ、磁粉の粒子径が小さい場合や沈殿槽の容量が小さい場合であっても、傷部の検出確度を高くすることができる。
更に、前記沈殿槽内に磁界を印加する沈殿槽磁粉磁化部を備えるので、磁粉を結合させて磁粉の沈降速度を速めることができ、磁粉の粒子径が小さい場合や沈殿槽の容量が小さい場合であっても、傷部の検出確度を高くすることができる。
更に、前記検査液タンクの前記検査液の液面高さを測定するレベルセンサと、前記攪拌槽の前記検査液の磁粉濃度を測定する磁粉濃度測定装置と、前記攪拌槽の前記検査液の磁粉濃度よりも濃度が高い濃縮磁粉液を前記攪拌槽に供給する濃縮磁粉液供給装置と、前記検査液の溶媒のみを前記沈殿槽に供給する液体供給装置とを備えるので、攪拌槽の検査液の磁粉濃度と液量を一定に保つことができ、傷部の検出確度をより確実に一定水準以上に維持することができる。
更に、前記薬液タンク本体は、前記隔壁で前記攪拌槽と前記沈殿槽とに分断されて構成され、前記攪拌槽の底部を前記沈殿槽の底部に連通させる連通管を更に有するので、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷装置を提供することができる。
更に、本発明によれば、検査液タンクに貯留される磁粉を含有する検査液を用いて被検査物の探傷を行う磁粉探傷方法において、前記検査液タンクは、有底筒状のタンク本体と、前記タンク本体の底壁との間に間隙を有し、前記タンク本体の内部を攪拌状態の前記検査液を貯留する攪拌槽と静止状態の前記検査液を貯留する沈殿槽とに仕切る隔壁とを有し、前記被検査物を磁化する工程と、前記攪拌槽の前記検査液を前記被検査物に散布する工程と、前記沈殿槽の上部の前記検査液を前記被検査物に散布する工程と、前記被検査物に散布された前記検査液を回収して前記検査液タンクに戻す工程と、を備えるので、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ一定に維持する磁粉探傷方法を提供することができる。
本実施形態に係る磁粉探傷装置の一例が示された概略構成図である。 散布部、洗浄部、及び検査液回収部が示された概略構成図である。 検査液タンクが示された模式図である。 磁粉探傷装置の制御系統のブロック図である。 別の実施形態に係る散布部、洗浄部、及び検査液回収部が示された概略構成図である。 別の実施形態に係る磁粉探傷装置が示された概略構成図である。 本実施形態に係る磁粉探傷方法の概要が示された流れ図である。 磁粉濃度調整工程の概要が示された流れ図である。 磁化部と散布部と洗浄部との動作を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本実施形態に係る磁粉探傷装置1の一例が示された概略構成図であり、図2は散布部13、洗浄部14、及び検査液回収部15が示された概略構成図であり、図3は検査液タンク11が示された模式図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1において、後述する撮像部17の側を上とし、後述する検査液回収部15の側を下とする。また、図1において、検査液タンク11等の記載は省略されている。また、図2において、検査液の流れ方向が矢印d1によって示され、後述する磁化部12、後述する紫外線照射部16、撮像部17等の記載は省略されている。また、図3は検査液タンク11を上方から見た模式図であり、検査液の流れ方向が矢印d2によって示されている。
図1〜図3に示されるように、磁粉探傷装置1は、例えば円柱状のシャフトである被検査物10の表面(外周面)における欠陥としての傷部を、磁粉を用いて検出するように構成される。磁粉探傷装置1は、検査液タンク11と、磁化部12と、散布部13と、洗浄部14と、検査液回収部15と、紫外線照射部16と、撮像部17と、図示せぬ制御部と、図示せぬ検出部等を備える。そして、磁粉探傷装置1は、磁化部12によって被検査物10を磁化し、散布部13によって被検査物10に磁粉を含有する検査液を散布して傷部に磁粉指示模様を形成し、被検査物10が磁化された状態を保ったままで洗浄部14によって被検査物10に検査液を散布して被検査物10の表面に付着した余分な磁粉を除去し、撮像部17によって被検査物10を撮像し、検出部によって撮像された画像に基づいて傷部を検出するように構成される。更に、磁粉探傷装置1は、散布部13及び洗浄部14によって被検査物10に散布された検査液を検査液回収部15によって回収して再利用するように構成される。なお、磁粉探傷装置1は、被検査物10を支持する図示せぬ支持部等も備える。
図2、図3に示されるように、磁粉探傷装置1に用いられる検査液を貯留する検査液タンク11は、攪拌槽20と沈殿槽21とを有する。沈殿槽21の底部は、攪拌槽20の底部に連通している。より詳細には、検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、鉛直方向に延びる平板状の隔壁23とを有する。タンク本体22は、円筒状の側壁24と、上方が側壁24の下方に連なる底壁25とを有する。底壁25は、上方が側壁24の下方に連なり、上方から下方に向かって縮径する略逆円錐台の筒状の縮径部25aと、縮径部25aの下方に連なる平坦な底端部25bとを有する。隔壁23は、タンク本体22の側壁24の内周面の一側から他側に延び、タンク本体22の内部を攪拌槽20と沈殿槽21とに仕切っている。隔壁23の下端は底壁25に接続することなく、隔壁23と底壁25との間には間隙が形成されている。そして、沈殿槽21の底部は、この間隙を介して攪拌槽20の底部に連通している。したがって、攪拌槽20に貯留された検査液は底部から沈殿槽21へ移動でき、沈殿槽21に貯留された検査液は底部から攪拌槽20へ移動できる。
隔壁23は、攪拌槽20の容積が沈殿槽21の容積よりも大となるように、側壁24の軸心からずれて配置されており、平面視で底壁25の底端部25bを横切らないように配置されている。そして、沈殿槽21の底面は、底壁25の縮径部25aであって、攪拌槽20に向かって下方へ傾斜している。なお、隔壁23は、攪拌槽20と沈殿槽21との間における検査液の移動を阻止するものである。
検査液タンク11に貯留される検査液は、溶媒としての水に磁粉を混合させた溶液である。磁粉は、酸化鉄等の磁性体の粉体であって、表面は蛍光体で被覆されており、メジアン径は3μm〜70μm程度である。なお、検査液が含有するする磁粉は、その表面が蛍光体で被覆されていない構成であっても良い。また、検査液の溶媒は、白灯油であっても良い。また、検査液は、分散剤、防錆剤等を更に含有する構成であっても良い。分散剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル型非イオン系界面活性剤および陰イオン活性剤を用いることができる。防錆剤としては、例えば亜硝酸ナトリウム等を用いることができる。また、検査液における、磁粉、分散剤、防錆剤等の濃度は適宜設定できる。
詳細については後述するが、攪拌槽20には、磁粉が分散された攪拌状態で検査液が貯留される。一方で、沈殿槽21には、磁粉が沈降する静止状態で検査液が貯留される。したがって、沈殿槽21の上部における検査液、つまり上澄みには殆ど磁粉が含まれていない状態である。ここで、殆ど磁粉が含まれていない状態の検査液とは、磁粉濃度が攪拌槽20の検査液の磁粉濃度の50%以下である検査液であり、より好ましくは20%以下である検査液である。
検査液タンク11は、貯留する検査液の物性に影響与えることがない材料で形成される。検査液タンク11の材料としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅、合成樹脂等を用いることができる。なお、検査液タンク11の材料としては、強磁性でない材料であることが好ましい。また、タンク本体22と隔壁23は、異なる材料で形成されても良く、防錆処理としてのメッキ等の表面処理が施されても良い。
なお、検査液タンク11は、上述の構成に限定されるものではない。検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有し、タンク本体22の内部を攪拌状態の検査液を貯留する攪拌槽20と静止状態の検査液を貯留する沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを有する構成であれば良い。例えば、隔壁23は、下端の一部が底壁25と接続しても良い。また、隔壁23は、平面視で沈殿槽21の側へ湾曲しても良い。また、検査液タンク11は、タンク本体22の開口を閉塞する蓋部を更に備える構成であっても良い。このような構成にすることで、埃や塵等の異物が検査液に混入することを防止できる。また、タンク本体22は、有底多角筒状や有底楕円筒状に形成されていても良い。また、タンク本体22の底壁25は、縮径部25aを有することなく、平坦に形成されても良い。しかしながら、底壁25は、上述のように縮径部25aを有し、沈殿槽21の底面が攪拌槽20に向かって下方へ傾斜するように形成されることが好ましい。このような構成にすることで、沈殿槽21において沈殿した磁粉を重力によって攪拌槽20へ移動させることができ、攪拌槽20における検査液の磁粉濃度の低下を容易に防止できる。なお、攪拌槽20の底面が沈殿槽21の底面よりも下方に位置する構成であれば同様の効果が得られ、例えば、沈殿槽21の底面と攪拌槽20の底面とが段を形成するように接続されも良い。
なお、隔壁23は、攪拌槽20と沈殿槽21との間における検査液の移動を阻止するものであれば良く、上述の1つの板状部材に限定されるものではない。例えば、隔壁23は、タンク本体22を攪拌槽20と沈殿槽21とに分断する構成であっても良い。この際、タンク本体22は、攪拌槽20の底部を沈殿槽21の底部に連通させる連通管を更に有する。このような構成の検査液タンク11としては、攪拌槽20としての有底筒状のタンクと、沈殿槽21としての有底筒状の別のタンクと、2つのタンクの底部を連通させる連通管を有する構成が例示できる。なお、連通管は、沈殿槽21としての別のタンクから攪拌槽20としてのタンクへ向かって下方に傾斜するとともに、その長さが短くなるように構成されることが好ましい。
なお、検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有してタンク本体22の内部を攪拌槽20と沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを備える構成である。したがって、簡易な構成で攪拌槽20と沈殿槽21を形成することができ、生産性が良い。また、検査液タンク11は、攪拌槽20としての既存の有底筒状のタンクがある場合には、沈殿槽21としての新たな別のタンクの底部を連通管によって攪拌槽20としての既存の有底筒状のタンクの底部に連通させる構成とすることもでき、生産性が良い。
磁化部12は、被検査物10に磁界を印加し、少なくとも被検査物10の表層部を磁化するように構成される。より詳細には、磁化部12は、通電法及びコイル法を用いて被検査物10の表層部を磁化するように構成される。磁化部12は、図1に示すように、被検査物10の両端に接触して被検査物10に電流を流す電極26,27と、被検査物10の両端近傍に配置される励磁コイル28,29等を備える。励磁コイル28,29には、被検査物10が挿通される。
磁化部12は、電極26,27によって被検査物10に電流を流すことで、被検査物10の軸方向と直交する方向(周方向)に磁場を形成する。また、磁化部12は、励磁コイル28,29に電流が流れることで、被検査物10の軸方向に磁場を形成する。そして、電極26,27と励磁コイル28,29に流れる電流の位相を変えることで、被検査物10に回転磁界を印加することができ、被検査物10の表面でいずれの方向に延びる傷部からも漏洩磁束を発生させることができる。
なお、磁化部12の構成は特に限定されるものではなく、被検査物10に磁界を印加し、少なくとも被検査物10の表層部を磁化するように構成されていれば良い。磁化部12は、電磁石または永久磁石の磁極間に被検査物10を配置して被検査物10を磁化する極間法等、上述とは異なる磁化方法によって被検査物10を磁化する構成であっても良く、被検査物10の形態に応じて磁化方法を適宜選択できる。
散布部13は、磁化部12によって磁化された状態の被検査物10に検査液を散布するように構成される。より詳細には、散布部13は、検査液タンク11の攪拌槽20に接続され、攪拌槽20に貯留される検査液であって磁粉が分散された攪拌状態の検査液を被検査物10に散布するように構成される。散布部13は、検査液を圧送する散布ポンプ30と、散布ポンプ30によって圧送された検査液を吐出する散布ノズル31と、切換弁32等を有する。
散布ポンプ30の吸入側は、配管33aによって検査液タンク11の攪拌槽20に接続される。配管33aは、タンク本体22の底壁25の略中心であって、底端部25bに接続される。散布ポンプ30の吐出側は、配管33bによって切換弁32に接続される。散布ノズル31は、被検査物10の上方に配置されており、配管33cによって切換弁32に接続される。切換弁32には、配管33b,33cの他に、一端が検査液タンク11の攪拌槽20に接続される配管33dの他端が接続される。
切換弁32は、散布ポンプ30によって圧送される検査液を、散布ノズル31が接続される配管33c、または攪拌槽20に接続される配管33dに流すことができるように構成される。切換弁32は、空気圧で作動する3ポートエアオペレートバルブであり、検査液に含有される磁粉の影響を受けないように構成されている。そして、攪拌槽20と、散布ポンプ30と、散布ノズル31が分岐接続される切換弁32とが配管33a,33b,33dによって循環接続される循環回路34が形成されている。
検査液は、常時循環回路34を循環し、循環回路34を循環する検査液は磁粉が分散された攪拌状態に維持される。そして、散布ノズル31から検査液を散布する際には、切換弁32から散布ノズル31に検査液が送られる。ここで、検査液が循環回路34を循環している際の配管33c内の検査液は、流動しないため、磁粉が分散せずに沈降した状態である。しかし、配管33cは散布ノズル31と切換弁32とを接続するだけであり、配管33c内の検査液はごくわずかである。したがって、散布部13は、磁粉が分散された検査液を瞬時に散布することができ、磁粉が分散された検査液が散布されるまでの待ち時間が少なく、探傷時間の短縮が図れる。
散布ノズル31は、多数の吐出口から検査液を吐出させ、検査液を散布するように構成されている。なお、散布される検査液の吐出状態は適宜選択することができ、散布ノズル31の吐出口の数、形状、開口面積、検査液の流速等を変えることで変更することができる。例えば、散布ノズル31は、吐出口の開口面積を調節可能な絞り機構を備える構成としても良い。検査液の流速は、散布ポンプ30の吐出量を変更することで調節することができる。なお、配管33bや配管33cに流量調節弁等を設けて散布ノズル31から散布される検査液の流量を調節する構成としても良い。
ここで、図3に示すように、循環回路34を構成する配管33dは、配管33dから攪拌槽20へ吐出される検査液によって攪拌槽20の検査液が渦状に流動されるように、攪拌槽20に接続される。そして、攪拌槽20の検査液が渦状に流動されることで、攪拌槽20の検査液は磁粉が分散された攪拌状態に維持される。したがって、磁粉探傷装置1は、攪拌槽20の検査液を攪拌する装置、例えば攪拌槽20の検査液中に配置される攪拌子と撹拌子を回転させる回動装置を備える攪拌器等を用いることなく簡易な構成で攪拌槽20の検査液を攪拌することができ、生産性が向上される。
なお、図3では、検査液が左回り(反時計回り)に渦状に流動するように配管33dが攪拌槽20に接続されているが、右回り(時計回り)に渦状に流動するように配管33dが攪拌槽20に接続されても構わない。
また、攪拌槽20の検査液を好適に攪拌する観点において、配管33dから攪拌槽20へ突出される検査液の吐出方向は、略水平方向であり、かつ平面視(図3)で側壁24の内周面の接線を示す一点鎖線の直線L2とのなす角θが45°以下となることが好ましい。ここで、図3における一点鎖線の直線L1は、検査液の攪拌槽20への吐出方向を示している。なお、配管33dは、攪拌槽20へ突出される検査液の吐出方向が隔壁23に沿うように攪拌槽20に接続されても良く、このような構成でも攪拌槽20の検査液を好適に攪拌することができる。
また、配管33dと攪拌槽20との接続部は、隔壁23の下端よりも上方に位置することが好ましく、隔壁23の下端から100mm以上上方に位置することがより好ましい。このような構成にすることで、沈殿槽21の検査液の静止状態を大きく乱すことなく、攪拌槽20の検査液を攪拌状態に維持することができる。
また、配管33dから攪拌槽20へ吐出される検査液の流速は、攪拌槽20の大きさに応じて適宜設定され、例えば500mm/s〜1000mm/sであることが好ましい。このような構成にすることで、攪拌槽20の検査液を効果的に攪拌することができる。なお、検査液の流速が500mm/sより小であると、検査液を攪拌状態に維持しにくくなる。検査液の流速が1000mm/sより大であると、沈殿槽21の検査液を静止状態に維持しにくくなる。検査液の流速は、散布ポンプ30の吐出量を変更したり、攪拌槽20との接続部における配管33dの径を変更したりすることで調節することができる。なお、循環回路34内、例えば配管33dと攪拌槽20との接続部に絞り弁等を設けて配管33dから攪拌槽20へ吐出される検査液の流速を調節する構成としても良い。
ここで、配管33aは、タンク本体22の底壁25の略中心であって、底端部25bに接続される。一方で、タンク本体22の内部は隔壁23によって攪拌槽20と沈殿槽21とに仕切られているため、渦状の流動の中心は、平面視(図3)においてタンク本体22の底壁25の中心から攪拌槽20の側(右側)へずれる。したがって、散布ポンプ30に接続する配管33aとタンク本体22との接続部は、平面視で検査液の渦状の流動の中心からずれた位置に配置されている。このような構成にすることで、散布ノズル31から散布される検査液への空気の混入を抑制して傷部の検出確度の低下を防止できる。
より詳細には、検査液の渦状の流動の中心では、空気を吸い込みやすい。検査液の渦状の流動の中心の近傍に配管33aとタンク本体22との接続部が位置していると、吸い込まれた空気が検査液とともに散布ノズル31に送られ、空気が多く混入された検査液が被検査物10に散布されてしまう場合がある。そして、検査液に空気が多く混入されると検査液の散布にムラが生じやすくなり、検査液の散布が不均一となり、傷部の検出確度の低下につながる。したがって、配管33aとタンク本体22との接続部を、平面視で検査液の渦状の流動の中心からずれた位置に配置することで、傷部の検出確度の低下を防止できる。
散布部13は、被検査物10に上方から検査液を散布する。散布される検査液は、攪拌槽20に貯留される攪拌状態の検査液である。散布された検査液は、散布ノズル31から吐出される際の勢いと重力によって被検査物10の表面を流れる。被検査物10は、磁化部12によって少なくとも表層部が磁化されているので、被検査物10の表面に欠陥としての傷部が存在する場合、その傷部に起因する漏洩磁界が生じている。検査液に含有される磁粉が傷部の上を通過すると、この漏洩磁界によって傷部に引き付けられる。そして、この漏洩磁界によって磁粉が傷部に集合することで、傷部に起因する磁粉指示模様が形成される。
磁粉指示模様を好適に形成する観点において、被検査物10の表面を流れる検査液の流速は、約20mm/s〜100mm/sであることが好ましく、このような流速となるように散布ノズル31から吐出される検査液の吐出速さや吐出量等を適宜調節する。検査液の流速が100mm/sより大であると、磁粉が漏洩磁束に引き付けられずに流されてしまい、磁粉指示模様が形成されにくくなる。そして、傷部の検出漏れが生じて、傷部の検出確度が低下しやすくなる。一方、検査液の流速が20mm/sより小であると、磁粉指示模様が形成されるまでに多くの時間を要する。また、傷部とは異なる部位に磁粉が残留しやすくなって傷部の誤検出が増加し、傷部の検出確度が低下しやすくなる。
散布部13によって被検査物10に散布された余剰の検査液は、重力によって下方へ落下し、検査液回収部15によって回収される。
なお、散布部13は上述の構成に限定されるものではなく、検査液タンク11の攪拌槽20に接続され、攪拌状態の検査液を被検査物10に散布するような構成であれば良い。例えば、配管33aは、攪拌槽20であって、タンク本体22の側壁24に接続される構成であっても良い。また、散布部13は、切換弁32及び配管33dを備えない構成、つまり循環回路34を備えない構成であっても良く、散布ポンプ30と散布ノズル31が配管33bで接続される構成とすることもできる。しかしながら、上述した生産性や好適な検査液の散布等といった観点から、循環回路34を備える構成とすることが好ましい。
また、散布ノズル31の配置は特に限定されるものではない。散布部13は、攪拌槽20の検査液を被検査物10の下方または側方から被検査物10に散布する構成であっても良い。なお、このような構成の場合には、磁粉探傷装置1は、被検査物10を支持する図示せぬ支持部が被検査物10を所望の速度で回転させるように構成されることが好ましい。このような構成にすることで、被検査物10の表面を流れる検査液の流速(被検査物10の表面に対する検査液の相対的な流速)を被検査物10の回転速度を変更することで調節することができ、使い勝手が良い。
洗浄部14は、磁化部12によって磁化された状態の被検査物10であって、散布部13によって検査液が散布された後の被検査物10に、検査液を散布するように構成される。より詳細には、洗浄部14は、検査液タンク11の沈殿槽21の上部に接続され、沈殿槽21に貯留される磁粉が沈降する静止状態の検査液であって、沈殿槽21の上部における検査液を被検査物10に散布するように構成される。洗浄部14は、検査液を圧送する洗浄ポンプ35と、洗浄ポンプ35によって圧送された検査液を吐出する洗浄ノズル36等を有する。
洗浄ポンプ35の吸入側は、配管37aによって検査液タンク11の沈殿槽21の上部に接続される。洗浄ノズル36は、散布ノズル31と同様に、被検査物10の上方に配置されており、配管37bによって散布ポンプ30の吐出側に接続される。
洗浄部14が接続される沈殿槽21には、磁粉が沈降する静止状態で検査液が貯留されている。そして、沈殿槽21の上部における検査液、つまり上澄みは殆ど磁粉を含んでいない状態である。洗浄部14は、検査液タンク11の沈殿槽21の上部に接続されることで、殆ど磁粉が含まれていない状態の上澄みを被検査物10に散布する。
洗浄ノズル36は、散布ノズル31と同様の構成であり、多数の吐出口から検査液を吐出させ、検査液を散布するように構成されている。なお、散布される検査液の吐出状態は適宜選択することができ、洗浄ノズル36の吐出口の数、形状、開口面積、検査液の流速等を変えることで変更することができる。例えば、洗浄ノズル36は、吐出口の開口面積を調節可能な絞り機構を備える構成としても良い。検査液の流速は、洗浄ポンプ35の吐出量を変更することで調節することができる。なお、配管37bに流量調節弁等を設けて洗浄ノズル31から散布される検査液の流量を調節する構成としても良い。
洗浄部14は、被検査物10に上方から検査液を散布する。散布される検査液は、沈殿槽21に貯留される静止状態の検査液の上澄みであり、殆ど磁粉を含有しない検査液である。散布された検査液は、洗浄ノズル36から吐出される際の勢いと重力によって被検査物10の表面を流れる。ここで、被検査物10は、磁化部12によって磁化された状態であり、洗浄部14によって散布される検査液は磁粉を殆ど含有しない。したがって、洗浄部14によって散布される検査液によって被検査物10の表面に付着した余分な磁粉を除去することができ、傷部の誤検出(過検出)が防止され、傷部の検出確度が向上される。なお、余分な磁粉とは、欠陥としての傷部に起因する漏洩磁界によって傷部に引き寄せられて指示模様を形成する磁粉ではなく、被検査物10の表面に残留する磁粉である。
効果的に余分な磁粉を除去する観点において、洗浄部14によって散布されて被検査物10の表面を流れる検査液の流速は、約5mm/s〜20mm/sであることが好ましく、このような流速となるように洗浄ノズル36から吐出される検査液の吐出速さや吐出量等を適宜調節する。検査液の流速が20mm/sより大であると、漏洩磁束に引き付けられた磁粉が検査液によって流されて磁粉指示模様が消され、傷部の検出漏れが生じやすくなり、傷部の検出確度が低下しやすくなる。一方、検査液の流速が5mm/sより小であると、被検査物10の表面に残留する磁粉の除去効果が得られない。
洗浄部14によって散布された検査液は、重力によって下方へ落下し、検査液回収部15によって回収される。したがって、検査液回収部15では、洗浄部14によって散布された検査液とともに、上述の散布部13によって散布された検査液が回収される。
なお、洗浄部14は、上述の構成に限定されるものではなく、検査液タンク11の沈殿槽21の上部に接続され、沈殿槽21に貯留される検査液を被検査物10に散布し、被検査物10の表面に付着した余分な磁粉を除去するように構成されていれば良い。例えば、洗浄部14は、散布部13の散布ノズル31から沈殿槽21に貯留される検査液を散布するように構成されても良い。このような構成としては、一端が洗浄ポンプ35の吐出側に接続される配管37bの他端を、散布部13の散布ノズル31と切換弁32とを接続する配管33cに別の切換弁を介して接続する構成が例示できる。このような構成にすることで、検査液を散布するノズルを散布部13と洗浄部14とで共用することができ、省スペース化が図れる。
また、洗浄ノズル36の配置は特に限定されるものではない。洗浄部14は、沈殿槽21の検査液の上澄みを被検査物10の下方または側方から被検査物10に散布する構成であっても良い。なお、このような構成の場合には、磁粉探傷装置1は、被検査物10を支持する図示せぬ支持部が被検査物10を所望の速度で回転させるように構成されることが好ましい。このような構成にすることで、被検査物10の表面を流れる検査液の流速(被検査物10の表面に対する検査液の相対的な流速)を被検査物10の回転速度を変更することで調節することができ、使い勝手が良い。
検査液回収部15は、散布部13及び洗浄部14によって被検査物10に散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻すように構成される。検査液回収部15は、回収受け38と、回収配管39とを有する。回収受け38は、鉛直断面形状が略U字状の受け皿であり、被検査物10の下方に配置される。回収受け38の底部は、検査液タンク11の検査液の液面よりも上方に位置している。回収配管39は、一端が回収受け38の底部に接続し、他端が検査液タンク11に接続する。
そして、検査液回収部15は、散布部13及び洗浄部14によって被検査物10に散布された検査液を回収受け38によって回収し、回収した検査液を検査液タンク11に戻す。したがって、検査液回収部15によって回収された検査液は、散布部13及び洗浄部14によって散布される検査液として再利用され、環境への負荷の低減と検査液の廃棄処理費用の低減が図れる。
ここで、検査液回収部15によって回収される検査液は、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液であって、いずれも検査液タンク11に貯留されていた検査液である。つまり、磁粉探傷装置1で用いられる検査液は、被検査物10の表面に付着する分は減少するものの、洗浄部14による余分な磁粉の除去の際に溶媒としての水が新たに混入されることはない。そして、回収した検査液をそのまま再利用することで検査液が含有する磁粉の総量と検査液の溶媒としての水の総量は殆ど変化しない。したがって、磁粉探傷装置1は、回収した検査液の磁粉濃度を調整する装置等を有することなく、簡易な構成で回収した検査液を再利用できるとともに、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度を所定の範囲内に維持することができる。そして、検査液の磁粉濃度の低下による傷部の検出確度の低下が生じることがなく、傷部の検出確度を一定水準以上に維持することができる。
なお、傷部の検出確度を一定水準以上に維持する観点において、回収配管39の他端は、検査液タンク11であって、沈殿槽21に接続されることが好ましい。検査液回収部15によって回収される検査液は、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液である。散布部13によって散布される検査液は、攪拌槽20に貯留される攪拌状態の検査液である。一方で、洗浄部14によって散布される検査液は、沈殿槽21に貯留される静止状態の検査液であって、殆ど磁粉が含まれていない状態の上澄みである。つまり、検査液回収部15によって回収される検査液の磁粉濃度は、攪拌槽20に貯留される検査液の磁粉濃度よりも小であり、沈殿槽21に貯留される検査液の上澄みにおける磁粉濃度よりも大である。
このような検査液回収部15によって回収される検査液を攪拌槽20に戻す場合、一時的に攪拌槽20の検査液の磁粉濃度が多少低下し、散布部13によって散布される検査液に含有される磁粉の量が低下して磁粉指示模様を形成しにくくなる場合がある。一方、検査液回収部15によって回収される検査液を沈殿槽21に戻す場合、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度は殆ど変化せず、磁粉指示模様を形成しにくくなることはない。したがって、検査液回収部15によって回収される検査液を沈殿槽21に戻すように、回収配管39の他端を沈殿槽21に接続することが好ましい。
また、傷部の検出確度を高くする観点において、回収配管39の他端は、沈殿槽21の下部に接続されることが好ましく、図3に示されるように、沈殿槽21の下部に攪拌槽20と対向して接続されることが好ましい。上述したように、検査液回収部15によって回収される検査液の磁粉濃度は、攪拌槽20に貯留される検査液の磁粉濃度よりも小であり、沈殿槽21に貯留される検査液の上澄みにおける磁粉濃度よりも大である。
このような検査液回収部15によって回収される検査液を沈殿槽21の上部に戻す場合、上澄みである沈殿槽21の上部の検査液の磁粉濃度が高くなる。そして、洗浄部14は、磁粉濃度が高くされた検査液(上澄み)を被検査物10に散布することになるため、散布した検査液の磁粉が被検査物10に残留する等して余分な磁粉を効果的に除去しにくくなり、傷部の検出確度が低下する場合がある。したがって、検査液回収部15によって回収される検査液を沈殿槽21の下部に戻すように、回収配管39の他端を沈殿槽21に接続させることが好ましい。
また、回収配管39の他端が、沈殿槽21の下部に攪拌槽20と対向して接続されることで、回収配管39から沈殿槽21に吐出される検査液によって、沈殿槽21の底部に沈殿する磁粉を攪拌槽20へ移動させることができる。したがって、磁粉濃度の高い検査液が攪拌槽20へと押し出されることになり、攪拌槽20における検査液の磁粉濃度の低下を更に防止できる。
なお、回収配管39から沈殿槽21に吐出される検査液が沈殿槽21の底面に沿って流れるように、沈殿槽21の底面であってタンク本体22の底壁25の縮径部25aの傾斜に対応させて、回収配管39を沈殿槽21に接続することがより好ましい。このような構成にすることで、沈殿槽21の底部に沈殿する磁粉をより効果的に攪拌槽20へ移動させることができ、攪拌槽20における検査液の磁粉濃度の低下を更に防止できる。
ここで、検査液回収部15は、回収配管39内に磁界を印加する回収磁粉磁化部としての励磁コイル40を更に備える。回収配管39は、励磁コイル40を貫通している。励磁コイル40は、電流が流れることで回収配管39内に磁界を印加することができる。励磁コイル40によって形成される磁場を通過する検査液の磁粉は、磁化され、磁力によって寄り集まって結合される。そして、この結合された磁粉を含む検査液が沈殿槽21へ送られる。
磁粉の沈降速度は、粒子径の二乗に比例するので、磁粉を磁力によって寄り集めて結合させることで磁粉の沈降速度を速めることができる。したがって、検査液回収部15が励磁コイル40を備えることで、磁粉の粒子径が例えば5μm以下で比較的小さい場合であっても、磁粉を結合させて磁粉の沈降速度を速めることができ、沈殿槽21における磁粉が殆ど含まれない上澄みを確実に形成することができる。そして、洗浄部14によって散布される検査液に含有される磁粉の量が増加して余分な磁粉を除去する効果が低減することを防止でき、傷部の検出確度を高くすることができる。また、沈殿槽21の容量が小さい場合であっても、磁粉の沈降速度を速めて磁粉が殆ど含まれない上澄みを確実に形成することができ、傷部の検出確度を高くすることができる。
なお、励磁コイル40によって結合された磁粉は、攪拌槽20へ移動した際、攪拌槽20における検査液の流動によって生じる応力によって分離される。したがって、散布される磁粉の粒子径は変化せず、傷部の検出確度は変化しない。
励磁コイル40によって回収配管39内に印加される磁界の強さは、磁粉が磁力によって励磁コイル40の近傍に滞留することなく、磁粉を結合でき、結合された磁粉が攪拌槽20における検査液の流動によって生じる応力によって分離されるように、例えば、50エルステッド〜300エルステッドであることが好ましく、200エルステッド程度であることがより好ましい。磁界の強さは、励磁コイル40の半径、長さ、巻き数、電流等によって調節することがでる。例えば、回収配管39の直径が35mm程度である場合、励磁コイル40は、半径を50mm〜100mm、長さを50mm〜150mm、巻き数を5〜20巻、流れる電流を100A〜500Aとすることが好ましい。励磁コイル40に流れる電流の波形は、特に限定されるものではなく、50Hzまたは60Hzの交流波であっても良く、整流波であっても良い。
また、回収配管39は、励磁コイル40が配置される回収配管39の部位が、非磁性、かつ非導体の材料、例えば樹脂等で形成されることが好ましい。このような構成にすることで、励磁コイル40によって磁化された磁粉が、回収配管39に付着することを防止できる。なお、回収配管39は、励磁コイル40の両端からそれぞれ50mm以上外方側へ離れた位置までの範囲が、非磁性、かつ非導体の材料で形成されることが好ましい。
また、励磁コイル40が配置される位置は特に限定されるものではない。しかしながら、励磁コイル40は、回収配管39と検査液タンク11との接続部から50mm以上離れた位置に配置されることが好ましい。このような構成にすることで、励磁コイル40よって形成される磁場の影響が検査液タンク11と検査液タンク11の検査液に及ぶことを防止できる。例えば、回収配管39と検査液タンク11との接続部の近傍に磁粉が付着したり、滞留したりすることを防止できる。
また、回収磁粉磁化部は、上述の励磁コイル40に限定されるものではなく、回収配管39内に磁界を印加することができるものであれば良く、例えば、電磁石等であっても良い。
また、磁粉の沈降速度を速める観点において、沈殿槽21内に磁界を印加する沈殿槽磁粉磁化部を配設しても良い。沈殿槽磁粉磁化部としては、例えば、上述の回収磁粉磁化部と同様に、励磁コイルを用いることができる。沈殿槽磁粉磁化部としての励磁コイルは、漏電処理がなされ、軸方向が鉛直方向と平行となる向きで、沈殿槽21内の下部に配置される。沈殿槽磁粉磁化部としての励磁コイルは、電流が流れることで沈殿槽21内の下部に磁界を印加することができる。沈殿槽磁粉磁化部としての励磁コイルによって沈殿槽21内の下部に磁界が印加されることで、上部に位置する磁粉は励磁コイルに引き寄せられ、励磁コイルの近傍に位置する磁粉は結合する。そして、磁粉の沈降速度を速めることができ、上述の回収磁粉磁化部と同様の効果が得られる。
沈殿槽磁粉磁化部としての励磁コイルは、常時沈殿槽21内に磁界を印加するのではなく、所定の時間間隔で沈殿槽21内に磁界を印加するように構成されることが好ましい。このような構成にすることで、沈殿槽磁粉磁化部としての励磁コイルに磁粉が付着したり、励磁コイルの近傍に磁粉が滞留したりすることを防止できる。
また、沈殿槽磁粉磁化部は、上述の励磁コイルに限定されるものではなく、沈殿槽21内の下部に磁界を印加することができるものであれば良い。
なお、検査液回収部15は、上述の構成に限定されるものではなく、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻すように構成されていれば良い。例えば、回収磁粉磁化部としての励磁コイル40を備えない構成とすることもできる。また、検査液回収部15は、回収受け38によって回収された検査液を検査液タンク11へ圧送するポンプを備える構成としても良い。このような構成にすることで、回収受け38を、検査液タンク11の検査液の液面よりも下方に配置することができ、設計の自由度が増加される。また、回収受け38によって回収された検査液を確実に検査液タンク11に戻すことができ、回収受け38における検査液のオーバーフロー等を防止できる。また、回収配管39から沈殿槽21に吐出される検査液の吐出速さを調節することができ、沈殿槽21において沈殿した磁粉をより効果的に攪拌槽20へ移動させることができ、攪拌槽20における検査液の磁粉濃度の低下を更に防止できる。また、回収受け38は、被検査物10の側方を覆うような構成であっても良い。このような構成にすることで、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液をより確実に回収することができる。
紫外線照射部16は、後述する撮像部17が撮像する被検査物10の表面(外周面)に紫外線を照射するように構成される。紫外線照射部16は、光源としての図示せぬ紫外線LED(Light Emitting Diode)または紫外線ランプと冷却装置としての図示せぬファン等を有する。紫外線照射部16は、被検査物10の上方に配置される。そして、紫外線照射部16は、磁化部12によって磁化され、散布部13によって検査液が散布され、洗浄部14によって検査液が散布されて余分な磁粉が除去され、撮像部17によって撮像される被検査物10の表面に上方から紫外線を照射する。そして、紫外線照射部16によって紫外線が照射されている領域に磁粉指示模様がある場合、磁粉指示模様を形成する磁粉の蛍光体が励起して発光する。
なお、紫外線照射部16の構成は特に限定されるものではない。例えば、紫外線照射部16は、磁化部12によって生成される磁界の影響を避けるために、磁気シールドが施される構成であっても良い。また、紫外線照射部16は、紫外線をパルス照射するような構成であっても良い。このような構成にすることで、紫外線照射部16を高強度の紫外線を常時照射可能な構成とする必要がなく、安価な構成にすることができるとともに、紫外線の光源の長寿命化が期待できる。
撮像部17は、磁化部12によって磁化され、散布部13によって検査液が散布され、洗浄部14によって検査液が散布されて余分な磁粉が除去された被検査物10の表面(外周面)を撮像するように構成される。撮像部17は、被検査物10の上方に配置され、被検査物10の表面を上方から撮像する。
撮像部17としては、エリアカメラまたはラインカメラを用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いることができる。撮像部17のシャッタースピードと撮像される画像の分解能は、紫外線照射部16が照射する紫外線の強度等に応じて適宜設定される。
なお、撮像部17は、上述の構成に限定されるものではない。例えば、撮像部17は、磁化部12によって生成される磁界の影響を避けるために、磁気シールドが施される構成であっても良い。また、紫外線照射部16が紫外線をパルス照射する場合には、撮像部17は紫外線照射部16のパルス照射に同期して撮像するように構成される。
ここでは図示せぬ検出部は、撮像部17によって撮像された画像信号(原画像)を読み込むとともに、原画像に所定の処理を行うことによって、被検査物10の表面の欠陥を検出するものであり、その構成については後述する。
次に、本実施形態に係る磁粉探傷装置1の制御系統について説明する。図4は、磁粉探傷装置1の制御系統のブロック図である。磁粉探傷装置1は、制御部19を備え、この制御部19によって、磁化部12、散布部13、洗浄部14、紫外線照射部16、撮像部17、検出部18等が制御され、自動制御によって被検査物10の表面の欠陥としての傷部を検出することができるように構成されている。
制御部19は、種々の設定値や、各種センサによる検出値等の入力信号を読み込むとともに、制御信号を出力することで、磁粉探傷装置1の動作を制御するように構成されている。制御部19としては、演算処理及び制御処理を行うCPU(Central Processing Unit)、データが格納される主記憶装置、タイマ、入力回路、出力回路、並びに電源回路等の含まれたマイクロコンピュータが例示される。ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)に例示される主記憶装置には、本実施形態に係る動作を実行するための制御プログラムと、各種データが格納されている。なお、これらの各種プログラムとデータ等は、外部の記憶装置に格納され、制御部19が読み出す形態とされても良い。
制御部19には、磁化部12、散布部13、洗浄部14、紫外線照射部16、撮像部17、検出部18等が電気的に接続されている。なお、制御部19には、図4に示された構成以外の各種センサ等が電気的に接続されている。
検出部18は、制御部19と同様に、演算処理及び制御処理を行う処理装置、データが格納される主記憶装置等を有し、例えば、CPU、主記憶装置、タイマ、入力回路、出力回路、電源回路等を有するマイクロコンピュータである。主記憶装置には、原画像から欠陥としての傷部を検出するためのプログラムと、各種データ等が格納される。なお、検出部18の構成は特に限定されるものではない。例えば、主記憶装置に格納されるプログラムとデータ等は、外部の記憶装置に格納され、検出部18が読み出す形態とされても良い。
検出部18は、上述したように、撮像部17によって撮像された原画像を読み込み、この読み込んだ原画像に所定の画像処理を行う。画像処理としては、LUT(Look Up Table)変換処理、拡大・収縮処理、シェーディング処理、及び二値化処理等が例示される。そして、検出部18は、画像処理がなされた画像内の傷部の有無の判定を行い、傷部を検出する。
なお、検出部18は、撮像部17によって撮像された原画像から傷部を検出できる構成であれば良く、特に限定されるものではない。例えば、検出部18は、複数の画像処理をパイプライン処理によって平行して処理する構成であっても良い。このような構成にすることで、傷部の有無の判定までに要する時間を短縮することができる。
検出部18は、撮像部17による撮像と連動するリアルタイム処理によって傷部を検出する。しかしながら、検出部18は、撮像部17による撮像と連動せず、撮像部17によって撮像された複数の原画像を蓄積してから処理を行うバッチ処理によって傷部を検出しても良い。このような構成にすることで、検出部18の演算負荷が低減され、生産性が向上される。
また、検出部18は、制御部19と一体に構成されても良い。このような構成にすることで、磁粉探傷装置1の構成が簡略化され、生産性が向上される。
なお、磁粉探傷装置1は、上述の構成に限定されるものではない。磁粉の表面が蛍光体で被覆されていない単なる磁粉を含有する検査液を用いる場合には、磁粉探傷装置1は、上述の紫外線照射部16に替わって例えば白色光を照射する照明部を備える構成とすることができる。
また、磁粉探傷装置1は、磁化部12、散布部13、洗浄部14、紫外線照射部16等が作業者によって手動で操作される構成であっても良い。このような構成にすることで、制御部19の構成が簡略化される。
また、磁粉探傷装置1は、図5に示されるように、レベルセンサ41と、磁粉濃度測定装置42と、濃縮磁粉液供給装置43と、液体供給装置44を更に備える構成であっても良い。ここで、図5は、別の実施形態に係る散布部13、洗浄部14、及び検査液回収部15が示された概略構成図である。なお、別の実施形態に係る磁粉探傷装置2は、上述の磁粉探傷装置1において、レベルセンサ41と、磁粉濃度測定装置42と、濃縮磁粉液供給装置43と、液体供給装置44を更に備える構成であり、これら以外は上述の磁粉探傷装置1と同様の構成であり、同様の構成の説明については省略される。また、図5において、検査液の流れ方向が矢印d3によって示され、図2と同様に、磁化部12、紫外線照射部16、撮像部17等の記載は省略されている。
レベルセンサ41は、検査液タンク11の検査液の液面高さを測定するように構成される。レベルセンサ41は、検査液タンク11の攪拌槽20に配置されるものの、沈殿槽21に配置されても構わない。レベルセンサ41としては、例えば浮きの浮力を利用するフロート式センサ、タンク内の圧力差から液面高さを測定する差圧式センサ、超音波を用いる超音波式センサ等を用いることができる。
磁粉濃度測定装置42は、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度を測定するように構成される。磁粉濃度測定装置42は、攪拌槽20に接続され、攪拌槽20の検査液を取り込むための図示せぬポンプと、取り込んだ検査液の磁粉濃度を測定する図示せぬ測定部等を備える。磁粉濃度測定装置42は、取り込んだ検査液を攪拌槽20に戻すように構成される。測定部は、吸光光度分析法と、磁粉の蛍光体が発光する可視光のエネルギと磁粉濃度の関係等を応用して光学的に磁粉濃度を測定するように構成される。
磁粉濃度測定装置42の構成は特に限定されるものではない。磁粉濃度測定装置42は、散布部13から散布される検査液の磁粉濃度を測定することができれば良く、例えば、循環回路34を構成する配管33a等に接続されても良い。また、測定部は、静止状態における検査液の磁粉の沈殿量から磁粉濃度を測定するように構成されても良い。
濃縮磁粉液供給装置43は、予め定められた磁粉濃度であって、攪拌槽20の検査液よりも磁粉濃度が高い濃縮磁粉液を攪拌槽20に供給するように構成される。濃縮磁粉液供給装置43は、濃縮磁粉液を貯留するタンク45と、タンク45の濃縮磁粉液を攪拌槽20に圧送するポンプ46等を有し、攪拌槽20に上方から濃縮磁粉液を供給するように構成される。タンク45は、濃縮磁粉液を攪拌する図示せぬ攪拌装置を備える。
濃縮磁粉液供給装置43の構成は特に限定されるものではなく、濃縮磁粉液を攪拌槽20に供給することができれば良い。なお、傷部の検出確度を一定水準以上に維持する観点において、濃縮磁粉液供給装置43は、散布部13と検査液タンク11との接続部であって、配管33aとタンク本体22の底壁25の底端部25bとの接続部から離れた位置に濃縮磁粉液を供給するように構成されることが好ましい。
液体供給装置44は、検査液の溶媒のみを沈殿槽21に供給するように構成される。液体供給装置44は、2ポート電磁弁である開閉弁47を有する供給管48を備える。供給管48は、一端が水源49に接続され、他端が沈殿槽21の上方に配置される。そして、液体供給装置44は、沈殿槽21に上方から検査液の溶媒である水を供給するように構成される。
液体供給装置44の構成は特に限定されるものではなく、検査液の溶媒のみを沈殿槽21に供給することができれば良く、検査液の溶媒が白灯油の場合には、白灯油のみを沈殿槽21に供給するように構成される。なお、傷部の検出確度を高くする観点において、液体供給装置44は、洗浄部14と検査液タンク11との接続部であって、配管37aとタンク本体22の側壁24との接続部の近傍に検査液の溶媒である水を供給するように構成されることが好ましい。
レベルセンサ41、磁粉濃度測定装置42、濃縮磁粉液供給装置43、及び液体供給装置44は、制御部19と電気的に接続され、制御部19によって制御される。そして、磁粉探傷装置2は、制御部19がレベルセンサ41の検出値及び磁粉濃度測定装置42の測定値を読み込み、この読み込んだ値に応じて、攪拌槽20の検査液の液量と磁粉濃度が予め定められた液量と磁粉濃度となるように、濃縮磁粉液供給装置43及び液体供給装置44を制御するように構成される。
このような構成にすることで、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度と液量を一定に保つことができ、傷部の検出確度をより確実に一定水準以上に維持することができる。また、磁粉探傷装置2は、検査液の減少分を補うように必要最小限の濃縮磁粉液と水が供給される構成であり、検査液の液量が無駄に増大することがなく、省スペース化と環境への負荷の低減と検査液の廃棄処理費用の低減が図れる。
また、磁粉探傷装置1は、図6に示されるように、搬送装置50と、散布部13の散布ノズル31に対応する磁化部112と、洗浄部14の洗浄ノズル36に対応する磁化部212等を備え、例えば長尺な角柱状の鋼材等の被検査物110を搬送しながら被検査物110の表面の傷部を探傷するように構成されても良い。ここで、図6は、別の実施形態に係る磁粉探傷装置3が示された概略構成図である。なお、磁粉探傷装置3は、上述の磁粉探傷装置1において、磁化部12に替わって2つの磁化部112,212を備えるとともに、搬送装置50を更に備える構成である。また、磁粉探傷装置3は、上述の磁粉探傷装置1において、散布部13の散布ノズル31、洗浄部14の洗浄ノズル36、検査液回収部15の回収受け38、紫外線照射部16、及び撮像部17の配置が異なる。しかし、磁粉探傷装置3は、磁化部112,212と、搬送装置50と、上述の各部の配置以外は磁粉探傷装置1と同様の構成であり、同様の構成の説明については省略される。また、図6において、被検査物110の搬送方向が矢印d4によって示され、図1と同様に、検査液タンク11等の記載は省略されている。
搬送装置50は、複数のローラ等から構成されるローラコンベアであり、被検査物110を所望の速度で搬送するように構成されている。そして、被検査物110は、図6において、散布部13の散布ノズル31が位置する側から撮像部17が位置する側へ搬送される。なお、搬送装置50は、被検査物110の搬送距離を計測する図示せぬ搬送距離計測装置を備える。また、搬送装置50の構成は特に限定されるものではなく、例えば、無端体であるベルトなどから構成されるベルトコンベアなどであっても良い。また、搬送装置50は、被検査物110を間欠搬送するように構成されても構わない。
散布部13は、攪拌槽20に接続される。散布部13の散布ノズル31は、被検査物110の搬送方向における上流側であって、被検査物110の上方に配置される。洗浄部14は、沈殿槽21の上部に接続される。
洗浄部14の洗浄ノズル36は、搬送方向における散布ノズル31の下流側であって、被検査物110の上方に配置される。なお、搬送装置50によって被検査物110が間欠搬送される場合には、洗浄部14は、散布部13の散布ノズル31から沈殿槽21に貯留される検査液を散布するように構成されても良い。
検査液回収部15の回収受け38は、散布部13及び洗浄部14によって被検査物110に散布された検査液を回収するように、被検査物110の下方に配置される。
磁化部112は、散布部13の散布ノズル31に対応して配置される。磁化部112は、コイル法及び極間法を用いて被接触で被検査物110に磁界を印加し、被検査物110の散布部13によって検査液が散布される部位の少なくとも表層部を磁化するように構成される。磁化部112は、円環状の2つの貫通コイルと2つU字状の極間コイル等を有し、これらに位相の異なる交流電流を流すことで、一様な回転磁界を発生させるように構成される。なお、磁化部112の構成は特に限定されるものではなく、貫通コイルとU字状の極間コイル等の配置と数は適宜設定できる。また、磁化部112は、被検査物10の表面に散布される磁粉検査液の流速を調節するエアーブロー装置を備える構成であっても良い。
磁化部212は、洗浄部14の洗浄ノズル36に対応して配置される。磁化部212は、磁化部112と同様の構成であり、コイル法及び極間法を用いて被接触で被検査物110に磁界を印加し、被検査物110の洗浄部14によって検査液が散布される部位の少なくとも表層部を磁化するように構成される。なお、磁化部212の構成は、磁化部112と同様に、特に限定されるものではない。また、磁化部212は、磁化部112と一体に構成されても良い。
紫外線照射部16及び撮像部17は、搬送方向における洗浄ノズル36の下流側であって、被検査物110の上方に配置される。なお、搬送装置50によって被検査物110が間欠搬送される場合には、紫外線照射部16及び撮像部17は、磁化部212の上方に配置されても良い。
以上のような構成の磁粉探傷装置3は、搬送装置50によって被検査物110を搬送して被検査物110の表面の欠陥としての傷部を検出する。被検査物110は、磁化部112によって形成された回転磁界領域内に搬送されて磁化されるとともに、散布部13の散布ノズル31から攪拌槽20の検査液が散布される。この際、被検査物110の表面に欠陥が存在する場合、欠陥に起因する磁粉指示模様が形成される。なお、散布部13の散布ノズル31から被検査物110に散布された余剰の検査液は、検査液回収受け38によって回収され、検査液タンク11に戻されて再利用される。
散布部13の散布ノズル31から検査液が散布された被検査物110は、磁化部212によって形成された回転磁界領域に内に搬送されるとともに、洗浄部14の洗浄ノズル36から沈殿槽21の検査液であって、殆ど磁粉が含まれていない状態の上澄みが散布される。この際、被検査物110は磁化部212によって磁化状態が維持されており、洗浄部14の洗浄ノズル36から散布された検査液によって余分な磁粉が除去される。なお、洗浄部14の洗浄ノズル36から被検査物110に散布された検査液は、検査液回収受け38によって回収され、検査液タンク11に戻されて再利用される。
余分な磁粉が除去された被検査物110は、撮像部17の下方へ搬送されて撮像部17によって撮像される。この際、撮像部17によって撮像される領域には、紫外線照射部16から紫外線が照射されている。この領域に磁粉指示模様がある場合、磁粉指示模様を形成する磁粉の蛍光体が励起して発光する。そして、検出部18は、撮像部17によって撮像された原画像に所定の処理を行い、原画像内における欠陥を検出する。
このような構成にすることで、長尺な被検査物110であっても、検査液を再利用するとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持された傷部の探傷を行うことができる。
また、磁粉探傷装置1,2,3にはサイズによる限定はなく、被検査物10のサイズや散布する検査液の量等によって適宜設計できる。なお、沈殿槽21の水平断面積は、洗浄部14によって散布するのに十分な量の上澄みを生成できるように設定する。より詳細には、沈殿槽21の水平断面積は、洗浄部14によって単位時間当たりに散布される検査液の体積を磁粉の沈降速度で除した値より大とすることが好ましい。このような構成にすることで、洗浄部14によって散布される検査液よりも多くの上澄み液が形成され、傷部の検出確度を確実に高くする維持することができる。
また、以上に説明がなされた本実施形態に係る磁粉探傷装置1,2,3は、矛盾の生じない範囲で自由に組み合わせることができる。例えば、磁粉探傷装置3が、磁粉探傷装置2のレベルセンサ41、磁粉濃度測定装置42、濃縮磁粉液供給装置43、及び液体供給装置44を備える構成としても良い。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る磁粉探傷装置1,2,3は、磁粉を含有する検査液を貯留する検査液タンク11と、被検査物10,110を磁化する磁化部12,112,212と、被検査物10,110に検査液を散布する散布部13と、被検査物10,110に検査液を散布する洗浄部14と、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻す検査液回収部15とを備え、検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有し、タンク本体22の内部を攪拌状態の検査液を貯留する攪拌槽20と静止状態の検査液を貯留する沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを有し、散布部13は攪拌槽20に接続され、洗浄部14は沈殿槽21の上部に接続される。
そして、本実施形態によれば、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷装置を提供することができる。
次に、本実施形態に係る磁粉探傷方法の概要について説明する。なお、以下では、図1〜図3に示される磁粉探傷装置1による被検査物10の表面の傷部の探傷を例示して説明する。図7は、本実施形態に係る磁粉探傷方法の概要が示された流れ図である。本実施形態は、少なくとも被検査物10を磁化する工程と、攪拌槽20の検査液を被検査物10に散布する工程と、沈殿槽21の上部の検査液を被検査物10に散布する工程と、被検査物10に散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻す工程と、を備えることを特徴とする。以下では、各工程を更に詳細に説明する。
まず、磁化部12による被検査物10の磁化が行われる(ステップS1)。磁化部12は、上述したように、通電法及びコイル法を用いて被検査物10の表層部を磁化する。磁化部12は、被検査物10の両端に接触して被検査物10に電流を流す電極26,27と、被検査物10の両端近傍に配置される励磁コイル28,29等を備える。そして、電極26,27と励磁コイル28,29に位相の異なる電流を流して、被検査物10に回転磁界を印加し、被検査物10を磁化させる。したがって、被検査物10の表面に傷部がある場合には、傷部の延びる方向に関係なく、傷部から漏洩磁束が発生する。なお、被検査物10の磁化は、後述する撮像部17による撮像が終了するまで継続される。
次に、散布部13による被検査物10の表面への攪拌槽20の検査液の散布が行われる(ステップS2)。散布部13は、上述したように、検査液タンク11の攪拌槽20に接続されており、磁粉が分散された攪拌状態の検査液を被検査物10の表面に散布する。この際、被検査物10は磁化されており、被検査物10の表面に傷部がある場合には、この傷部に起因する漏洩磁界に検査液に含有される磁粉が引き付けられ、傷部に起因する磁粉指示模様が形成される。なお、散布部13によって被検査物10に散布された余剰の検査液は、重力によって下方へ落下する。
次に、散布部13によって散布された余剰の検査液の検査液回収部15による回収及び検査液タンク11への戻しが行われる(ステップS3)。検査液回収部15は、上述したように、被検査物10の下方に配置される回収受け38と、回収受け38の底部と検査液タンク11とを接続する回収配管39とを有する。そして、散布部13によって散布されて重力によって落下する余剰の検査液を検査液回収部15によって回収して検査液タンク11に戻し、再利用する。したがって、環境への負荷の低減と検査液の廃棄処理費用の低減が図れる。
次に、洗浄部14による被検査物10の表面への沈殿槽21の上部の検査液の散布が行われる(ステップS4)。洗浄部14は、上述したように、検査液タンク11の沈殿槽21の上部に接続されており、磁粉が沈降する静止状態の検査液であって、殆ど磁粉が含まれていない状態の上澄みを被検査物10の表面に散布する。この際、被検査物10は磁化されており、洗浄部14によって散布される検査液は磁粉を殆ど含有しないので、洗浄部14によって散布される検査液によって被検査物10の表面に付着した余分な磁粉が除去される。なお、沈殿槽21の底部は攪拌槽20の底部に連通している。
ここで、余分な磁粉とは、欠陥としての傷部に起因する漏洩磁界によって傷部に引き寄せられて指示模様を形成する磁粉ではなく、被検査物10の表面に残留する磁粉である。なお、洗浄部14によって被検査物10に散布された検査液は、重力によって下方へ落下する。
次に、洗浄部14によって散布された検査液の検査液回収部15による回収及び検査液タンク11への戻しが行われる(ステップS5)。ステップS3と同様に、洗浄部14によって散布されて重力によって落下する検査液を回収部15によって回収して検査液タンク11に戻し、再利用する。したがって、環境への負荷の低減と検査液の廃棄処理費用の低減が図れる。
ここで、ステップS3及びステップS5において、回収されて検査液タンク11に戻される検査液は、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液であって、いずれも検査液タンク11に貯留されていた検査液であり、混合した状態で検査液タンク11に戻される。つまり、磁粉探傷装置1で用いられる検査液は、被検査物10の表面に付着する分は減少するものの、探傷の際に検査液の溶媒としての水等が新たに混入されることはない。そして、ステップS3及びステップS5で回収した検査液をそのまま検査液タンク11に戻して再利用することで、検査液が含有する磁粉の総量と検査液の溶媒としての水の総量は殆ど変化しない。したがって、回収した検査液の磁粉濃度の調整をすることなく、簡易な構成で回収した検査液を再利用することができるとともに、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度を所定の範囲内に維持することができる。そして、検査液の磁粉濃度の低下による傷部の検出確度の低下が生じることがなく、傷部の検出確度を一定水準以上に維持することができる。
次に、紫外線照射部16による被検査物10の表面への紫外線の照射が行われる(ステップS6)。紫外線照射部16は、被検査物10の上方に配置されている。そして、磁化部12によって磁化され、散布部13によって検査液が散布され、洗浄部14によって検査液が散布された部位であって、撮像部17によって撮像される被検査物10の表面に上方から紫外線を照射する。紫外線照射部16によって紫外線が照射されている領域に磁粉指示模様がある場合、磁粉指示模様を形成する磁粉の蛍光体が励起して発光する。
次に、撮像部17による被検査物10の表面の撮像が行われる(ステップS7)。紫外線照射部16によって紫外線が照射されている領域であって、ステップS4において余分な磁粉が除去された被検査物10の表面を撮像する。撮像された原画像は検出部18へ送られる。なお、紫外線の照射(ステップS6)は、撮像部17による撮像が終了するまで継続される。
次に、検出部18による欠陥としての傷部の検出が行われる(ステップS8)。検出部18は、被検査物10の撮像(ステップS7)で撮像された原画像を読み込む。検出部18は、この読み込んだ原画像に所定の画像処理を行い、画像処理がなされた画像内の傷部の有無の判定を行い、傷部を検出する。そして、探傷を終了する。
ここで、傷部の検出は、ステップS7において余分な磁粉が除去された被検査物10の表面が撮像された原画像に基づいて行われる。したがって、傷部の誤検出(過検出)が防止され、傷部の検出確度が向上される。
なお、磁粉探傷方法は、上述の方法に限定されるものではない。例えば、被検査物10の磁化(ステップS1)と攪拌槽20の検査液の散布(ステップS2)との順序が入れ替わっても良い。なお、このような構成の場合、攪拌槽20の検査液の散布(ステップS2)は、被検査物10の磁化(ステップS1)が開始されてから所定の時間が経過するまで継続することが好ましい。
また、磁粉探傷方法は、図7に示される磁粉探傷方法において、図8に示される磁粉濃度調整工程(ステップS9)を更に備える方法であっても良い。ここで、図8は、磁粉濃度調整工程(ステップS9)の概要が示された流れ図である。磁粉濃度調整工程(ステップS9)は、攪拌槽20の検査液の液面高さ及び磁粉濃度を測定する工程(ステップS10)と、濃縮磁粉液及び水を供給する工程(ステップS11)とを有する。なお、磁粉濃度調整工程(ステップS9)を更に備える別の実施形態に係る磁粉探傷方法は、図5に示される磁粉探傷装置2による被検査物10の表面の傷部の探傷に対応している。
磁粉濃度調整工程(ステップS9)では、攪拌槽20の検査液の液面高さ及び磁粉濃度の測定(ステップS10)が行われた後に、濃縮磁粉液及び水の供給(ステップS11)が行われる。
ステップS10において、攪拌槽20の検査液の液面高さは、レベルセンサ41によって測定される。また、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度は、磁粉濃度測定装置42によって測定される。レベルセンサ41と磁粉濃度測定装置42の測定値は、制御部19へ送られる。
ステップS11において、濃縮磁粉液は、濃縮磁粉液供給装置43によって、攪拌槽20に上方から供給される。なお、濃縮磁粉液とは、予め定められた磁粉濃度であって、攪拌槽20の検査液よりも磁粉濃度が高い磁粉液である。また、検査液の溶媒である水は、液体供給装置44によって、沈殿槽21に上方から供給される。
ここで、濃縮磁粉液及び水の供給は、ステップS10によって測定されたレベルセンサ41の測定値及び磁粉濃度測定装置42の測定値に応じて、制御部19が濃縮磁粉液供給装置43及び液体供給装置44を制御することで行われる。そして、攪拌槽20の検査液の液量と磁粉濃度が予め定められた液量と磁粉濃度となるように、濃縮磁粉液を攪拌槽20に供給するとともに、検査液の溶媒である水を沈殿槽21に供給する。なお、濃縮磁粉液のみを攪拌槽20に供給しても良く、検査液の溶媒である水のみを沈殿槽21に供給しても良い。また、レベルセンサ41の測定値及び磁粉濃度測定装置42の測定値が所定の範囲内である場合には、ステップ11を行わずにステップS9が終了される。
このような方法にすることで、攪拌槽20の検査液の磁粉濃度と液量を一定に保つことができ、傷部の検出確度をより確実に一定水準以上に維持することができる。また、ステップS11における濃縮磁粉液及び水の供給は、検査液の減少分を補うように行われ、検査液の液量が増大することがなく、環境への負荷の低減と検査液の廃棄処理費用の低減が図れる。
磁粉濃度調整工程(ステップS9)は、図7に示される磁粉探傷方法において、いずれの工程の間で行われても良く、いずれの工程と並行して行われても良く、ステップS9を行うタイミングは特に限定されない。なお、ステップS9は、少なくとも散布部13による攪拌槽20の検査液の散布(ステップS2)の前に行われることが好ましく、磁粉探傷が開始される前に行われても構わない。このような構成にすることで、被検査物10に散布される検査液の磁粉濃度をより確実に一定に保つことができる。一方、ステップS9が散布部13による攪拌槽20の検査液の散布(ステップS2)の後に行われる場合には、次回の磁粉探傷において被検査物10に散布される検査液の磁粉濃度を所定の濃度とすることができる。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る磁粉探傷方法は、検査液タンク11に貯留される磁粉を含有する検査液を用いて被検査物10の探傷を行う磁粉探傷方法において、検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有し、タンク本体22の内部を攪拌状態の検査液を貯留する攪拌槽20と静止状態の検査液を貯留する沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを有し、被検査物10を磁化する工程と、攪拌槽20の検査液を被検査物10に散布する工程と、沈殿槽21の上部の検査液を被検査物10に散布する工程と、被検査物10に散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻す工程と、を備える。
そして、本実施形態によれば、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷方法を提供することができる。
以下に実施例を示して、本開示を更に詳細、且つ具体的に説明する。しかしながら、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料、及び測定方法>
[実施例1]
図1〜図3に示される本実施形態に係る磁粉探傷装置1が用いられた。すなわち、磁粉探傷装置1は、磁粉を含有する検査液を貯留する検査液タンク11と、被検査物10を磁化する磁化部12と、被検査物10に検査液を散布する散布部13と、被検査物10に検査液を散布する洗浄部14と、散布部13及び洗浄部14によって散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻す検査液回収部15とを備え、検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有し、タンク本体22の内部を攪拌状態の検査液を貯留する攪拌槽20と静止状態の検査液を貯留する沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを有し、散布部13は攪拌槽20に接続され、洗浄部14は沈殿槽21の上部に接続されるといった特徴を有していた。
水に磁粉(マークテック株式会社製:スーパーマグナ蛍光磁粉、LY−20)、及び防錆剤(マークテック株式会社製:スーパーキープ防錆剤、AR−100K)を含有させて検査液が作製された。検査液は、磁粉濃度が1.0g/Lで、防錆剤濃度が1%となるように作製された。被検査物10として、SCM415から形成され、長さが150mmであり、直径が30mmであるシャフトが50個用意された。それぞれの被検査物10の表面には、深さが0.1mmで幅が10μmで軸方に延びる傷部が形成された。
そして、図7に示される磁粉探傷方法によって50個の被検査物10の探傷が連続して行われた。この際、タンク本体22は、図2及び図3に示されるように、円筒状の側壁24と、縮径部25a及び底端部25bを有する底壁25とを備えていた。タンク本体22の全高は400mmであり、側壁24の高さは300mmであり、底壁25の高さは100mmであり、タンク本体22の水平断面積は0.4mであり、攪拌槽20の水平断面積は0.35mであり、沈殿槽21の水平断面積は0.05mであり、縮径部25aの傾斜角度は15.5°であり、各配管33a,33b,33c,33dは呼び径が25A(外径が34mm、内径が27.6mm)であった。なお、各水平断面積は、側壁24と底壁25との接合部における水平断面積である。また、隔壁23の下端と底壁25との間隙は、弦長が575mmで矢高が40mmの略半月形状であり、その面積は13700mmであった。また、タンク本体22に貯留される検査液は115Lであり、攪拌槽20に貯留される検査液は約100Lであり、沈殿槽21に貯留される検査液は約15Lであった。また、磁化部12によって被検査物10に印加される磁界の強さは約50エルステッドであり、循環回路34を循環する検査液の平均流量は、50L/minであった。また、1回の探傷において、散布部13から散布される検査液の液量は2Lであり、洗浄部14から散布される検査液の液量は1Lであった。
また、図9に示されるように、散布部13から検査液が散布される時間は、3秒であり、洗浄部14から検査液が散布される時間は、3秒であった。ここで、図9は、磁化部12と散布部13と洗浄部14との動作を示すタイムチャートであり、1つの被検査物10の探傷におけるタイムチャートが示されている。詳細には、散布部13は磁化部12によって被検査物10に磁界が印加され始めてから1秒後に検査液の散布を開始し、洗浄部14は散布部13による検査液の散布が終了してから1秒後に検査液の散布を開始し、磁化部12は洗浄部14による検査液の散布が終了してから5秒後に被検査物10への磁界の印加を停止した。撮像部17は、洗浄部14の検査液の散布が終了してから1秒後に被検査体10を撮像した。連続して50個の被検査物10の探傷が行われ、1つの被検査物10の探傷に要した時間は約30秒であった。
したがって、実施例1に係る方法は、検査液タンク11は、有底筒状のタンク本体22と、タンク本体22の底壁25との間に間隙を有し、タンク本体22の内部を攪拌状態の検査液を貯留する攪拌槽20と静止状態の検査液を貯留する沈殿槽21とに仕切る隔壁23とを有し、被検査物10を磁化する工程と、攪拌槽20の検査液を被検査物10に散布する工程と、沈殿槽21の上部の検査液を被検査物10に散布する工程と、被検査物10に散布された検査液を回収して検査液タンク11に戻す工程と、を備える等といった本実施形態に係る特徴を有していた。
なお、散布部13及び洗浄部14から散布される検査液は、50個の被検査物10の探傷が終わるまでにすべて廃棄されることなく、検査液回収部15によって回収されて検査液タンク11に戻された。
[比較例1]
比較例1では、図7に示される磁粉探傷方法において、ステップS4及びステップS5が省略された以外は、実施例1と同様であった。比較例1は、磁粉探傷方法において、沈殿槽21の上部の検査液を被検査物10に散布する工程を有していなかった。したがって、比較例1に係る方法は、本実施形態に係る特徴を有していなかった。なお、散布部13から散布される検査液は、検査液回収部15によって回収して検査液タンク11に戻され、廃棄される検査液は発生しなかった。
<評価方法>
(散布部13から散布される検査液の磁粉濃度)
実施例1について、10回の探傷毎に散布部13から散布される検査液の採取し、検査液の磁粉濃度を測定した。検査液の磁粉濃度は、0.9g/L〜1.0g/Lであった。
(洗浄部14から散布される検査液の磁粉濃度)
実施例1について、10回の探傷毎に洗浄部14から散布される検査液の採取し、検査液の磁粉濃度を測定した。検査液の磁粉濃度は、0.2g/L〜0.3g/Lであった。
(磁粉指示模様のS/N)
実施例1、及び比較例1について、最初の探傷と最後の探傷において撮像された画像から、磁粉指示模様(傷部)のS/N(傷部における輝度Sと傷部以外の輝度Nの比率)を算出した。実施例1は、最初の探傷におけるS/Nが9.0であり、最後の探傷におけるS/Nが9.3であった。比較例1は、最初の探傷におけるS/Nが6.4であり、最後の探傷におけるS/Nが6.6であった。
上述された実施例から以下の点が導き出された。実施例1では、継続して探傷を行った場合であっても、散布部13から散布される検査液の濃度は0.9g/L〜1.0g/Lであり、散布部13から散布される検査液の濃度が略一定に維持されることが示された。また、実施例1では、継続して探傷が行われた場合であっても、洗浄部14から散布される検査液の濃度は0.2g/L〜0.3g/Lであり、洗浄部14から散布される検査液が殆ど磁粉を含有しない状態に維持されることが示された。また、実施例1では、ステップS4において洗浄部14から散布された検査液によって余分な磁粉が除去された。そして、実施例1では、磁粉指示模様のS/Nが比較例1のS/Nよりも高く、比較例1よりも鮮明な磁粉指示模様が形成されていた。また、実施例1では、継続して探傷が行われた場合であっても、余分な磁粉が除去されてS/Nが略一定に保たれ、鮮明な磁粉指示模様が形成されていた。
以上の実施例の結果から、本実施形態に係る磁粉探傷装置1、及び磁粉探傷方法では、簡易な構成で検査液を再利用するとともに、継続して探傷が行われた場合であっても、鮮明な磁粉指示模様を形成することができ、傷部の検出確度を高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持できることが示された。したがって、本実施形態では、簡易な構成で検査液の再利用ができるとともに、傷部の検出確度が高く、かつ傷部の検出確度を一定水準以上に維持する磁粉探傷装置を提供することができることが示された。
本開示は、磁粉を用いて探傷を行う磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法に好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態、及び実施例に限定されるものではない。本開示の磁粉探傷装置、及び磁粉探傷方法は、シャフト、パイプ、鋼材等のあらゆる磁性体の表面の探傷に有用であり、特に継続して探傷を行う場合と、多量の検査液を使用する場合に有用である。
1、2、3 磁粉探傷装置
10、110 被検査物
11 検査液タンク
12 磁化部
13 散布部
14 洗浄部
15 検査液回収部
20 攪拌槽
21 沈殿槽
22 タンク本体
23 隔壁
24 側壁
25 底壁
30 散布ポンプ
31 散布ノズル
32 切換弁
33a、33b、33c、33d 配管
34 循環回路
38 回収受け
39 回収配管
40 励磁コイル(回収磁粉磁化部)
41 レベルセンサ
42 磁粉濃度測定装置
43 濃縮磁粉液供給装置
44 液体供給装置

Claims (9)

  1. 磁粉を含有する検査液を貯留する検査液タンクと、
    被検査物を磁化する磁化部と、
    前記被検査物に前記検査液を散布する散布部と、
    前記被検査物に前記検査液を散布する洗浄部と、
    前記散布部及び前記洗浄部によって散布された前記検査液を回収して前記検査液タンクに戻す検査液回収部とを備え、
    前記検査液タンクは、
    有底筒状のタンク本体と、
    前記タンク本体の底壁との間に間隙を有し、前記タンク本体の内部を攪拌状態の前記検査液を貯留する攪拌槽と静止状態の前記検査液を貯留する沈殿槽とに仕切る隔壁とを有し、
    前記散布部は前記攪拌槽に接続され、前記洗浄部は前記沈殿槽の上部に接続されることを特徴とする、磁粉探傷装置。
  2. 前記沈殿槽の底面は、前記攪拌槽に向かって下方へ傾斜することを特徴とする、
    請求項1に記載の磁粉探傷装置。
  3. 前記散布部は、前記攪拌槽と、散布ポンプと、散布ノズルが分岐接続される切換弁とが配管によって循環接続される循環回路を有し、
    前記配管は、前記攪拌槽へ吐出される前記検査液によって前記攪拌槽の前記検査液が渦状に流動するように、前記攪拌槽に接続することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の磁粉探傷装置。
  4. 前記検査液回収部は、
    前記被検査物の下方に配置される回収受けと、
    一端が前記回収受けに接続し、他端が前記検査液タンクに接続する回収配管とを有し、
    前記回収配管の他端は、前記沈殿槽の下部に前記攪拌槽と対向して接続することを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  5. 更に、前記回収配管内に磁界を印加する回収磁粉磁化部を備えることを特徴とする、
    請求項4に記載の磁粉探傷装置。
  6. 更に、前記沈殿槽内に磁界を印加する沈殿槽磁粉磁化部を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  7. 更に、前記検査液タンクの前記検査液の液面高さを測定するレベルセンサと、
    前記攪拌槽の前記検査液の磁粉濃度を測定する磁粉濃度測定装置と、
    前記攪拌槽の前記検査液の磁粉濃度よりも濃度が高い濃縮磁粉液を前記攪拌槽に供給する濃縮磁粉液供給装置と、
    前記検査液の溶媒のみを前記沈殿槽に供給する液体供給装置とを備えることを特徴とする、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  8. 前記タンク本体は、前記隔壁で前記攪拌槽と前記沈殿槽とに分断されて構成され、前記攪拌槽の底部を前記沈殿槽の底部に連通させる連通管を更に有することを特徴とする、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁粉探傷装置。
  9. 検査液タンクに貯留される磁粉を含有する検査液を用いて被検査物の探傷を行う磁粉探傷方法において、
    前記検査液タンクは、
    有底筒状のタンク本体と、
    前記タンク本体の底壁との間に間隙を有し、前記タンク本体の内部を攪拌状態の前記検査液を貯留する攪拌槽と静止状態の前記検査液を貯留する沈殿槽とに仕切る隔壁とを有し、
    前記被検査物を磁化する工程と、
    前記攪拌槽の前記検査液を前記被検査物に散布する工程と、
    前記沈殿槽の上部の前記検査液を前記被検査物に散布する工程と、
    前記被検査物に散布された前記検査液を回収して前記検査液タンクに戻す工程と、を備えることを特徴とする、磁粉探傷方法。
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