JP6741843B2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用点火コイルに関し、特に、コイルがケース内に収容されるとともにそれらコイルとケースとの間の隙間が絶縁樹脂によって充填される構造の内燃機関用点火コイルの改良に関するものである。
よく知られているように、内燃機関においては、エンジンブロックまたはエンジンカバーにプラグホールが設けられ、そのプラグホールの底部には点火プラグが、それより上部には点火コイルがそれぞれ配置され、両者は電気的に互いに接続される。
その点火コイルは、例えば、本出願人に係る特許出願の公開公報である特許文献1に記載されているように、複数の部品から成り、それら部品としては、典型的には、ケース(例えば、PBTなどの合成樹脂製)と、そのケース内に収容され、トランス機能(変圧機能、通常は、昇圧機能)を有するコイルアセンブリとがある。そのコイルアセンブリは、通常、1次コイルおよび2次コイルを含み、場合によっては、それら2つのコイルは、前記ケース内において外周鉄芯(鉄心、コア)によって包囲される。
この種の点火コイルについてのいくつかの例においては、前記ケースが、複数の部品を互いに接合することによって組み立てられる。具体的には、本出願人が提案した点火コイルのいくつかの例(以下、「提案例」という。)が特許文献1に記載されている。
それら提案例においては、点火コイルが、コイルアセンブリと、そのコイルアセンブリが内部に収容される収容空間を有するケースアセンブリとを含むように構成される。そのケースアセンブリにおいては、第1の部分ケースおよび第2の部分ケースという2個の部品が互いに接合されることによって前記収容空間が形成され、このような組立作業を経て前記ケースアセンブリが完成する。
特開2014−207289号公報
本発明者らは、それら提案例に従う点火コイルにつき、種々の研究および開発を行い、その結果、それら点火コイルには、2個の部分ケースの接合方法を改善すれば、部品接合部の品質の向上および安定化と組立作業時間の短縮化とを同時に達成できる余地があるという知見を得た。
この知見に基づき、本発明は、部品接合部の品質の向上および安定化と組立作業時間の短縮化とを同時に達成することが容易である内燃機関用点火コイルを提供することを課題としてなされたものであ。
この課題を解決するために、本発明の一側面によれば、コイルと、そのコイルを収容するケースとを含む内燃機関用点火コイルであって、前記ケースは、複数の部分に分割された状態で成形され、それら部分がレーザー溶着によって互いに接合されることにより合体させられ、その合体により、前記ケース内に前記コイルのための収容空間が形成され、その収容空間内に前記コイルが収容され、その収容状態で前記ケース内に絶縁樹脂が充填されて硬化させられるものが提供される。
具体的には、以下のいくつかの例示的な実施態様が存在する。
(1) コイルアセンブリと、
そのコイルアセンブリが内部に収容される収容空間を有するケースアセンブリであって、いずれも合成樹脂より成る第1の部分ケースおよび第2の部分ケースが互いに合体させられることによって前記収容空間が形成されるものと、
を含む内燃機関用点火コイルにおいて、
前記第1の部分ケースと前記第2の部分ケースとは、それぞれの部分ケースのうち相手側の部分ケースと当接する当接部にレーザー光が照射されることによって形成されるレーザー溶着部により、互いに接合され、
前記収容空間内には、前記ケースアセンブリと前記コイルアセンブリとの間に充填される絶縁樹脂が存在する内燃機関用点火コイル。
この点火コイルによれば、コイルアセンブリの収容空間を画定する中空構造体(例えば、包囲体)が、当該点火コイルのコンパクト化(中身とケースとの間の無駄な隙間の最小化)などを目的として、少なくとも2個の部品に分割される。例えば、中空構造体がそれの長手軸線方向に沿って縦割りされるか、その長手軸線に対して直角な方向に沿って分割される。それら部品は、それぞれ互いに分離した状態で樹脂成形される。その後、それら成形品がレーザー溶着によって互いに接合され、それにより、前記収容空間が形成される。
ここに、レーザー溶着によれば、互いに接合されるべき2部品のいずれも加振することなく、静止状態において、それら2部品の標的部位(最終的に接合部が構成されることになる部位)のみにレーザー光(例えば、標的部位の寸法に対して過不足ない直径を有するレーザービームなど)を高い標的精度のもとに照射し、それにより、その標的部位のみを加熱してそれぞれの部品の表面を局所的に溶融させる。
その結果、レーザー溶着によれば、それら2部品間のレーザー溶着部の各断面において、材料が必要以上に溶融して変形することが容易に抑制される。さらに、レーザー溶着によれば、レーザー溶着部のいずれの断面においても、一様な性状にて各部品の表面が溶融させられるため、レーザー溶着部の断面特性も一様となり、その結果、レーザー溶着部の材料特性(例えば、強度など)が安定する。
なお、この点火コイルにおいては、レーザー光が第1の部分ケースを透過して第2の部分ケースに吸収されてもよいし、逆に、第2の部分ケースを透過して第1の部分ケースに吸収されてもよい。
また、ここにおいて、「前記ケースアセンブリと前記コイルアセンブリとの間に隙間が実質的に存在しない」という文言は、前記ケースアセンブリと前記コイルアセンブリとの間に隙間が全く存在しない場合と、隙間が存在するがその量が当該点火コイルの機能にほとんど影響を及ぼさないほどに少ない場合との双方を含む意味を有する。
(2) 前記ケースアセンブリは、露出する開口部を有し、
前記絶縁樹脂は、その開口部から前記収容空間内に注入され、
その収容空間内に充填された絶縁樹脂は、その硬化後に、前記開口部において部分的に露出する(1)項に記載の内燃機関用点火コイル。
なお、ここにおいて、「露出する開口部」という文言は、前記ケースアセンブリの外部から物理的にアクセス可能である位置および状態で前記ケースアセンブリに存在する開口部を意味する。通常は、この開口部は、前記ケースアセンブリの外殻または外壁部を貫通するように前記ケースアセンブリに形成される。
(3) 前記開口部は、前記第1の部分ケースと前記第2の部分ケースとの双方に跨るように配置される(2)項に記載の内燃機関用点火コイル。
なお、これに代えて、前記開口部は、その全体が2つの部分ケースのいずれかによって単独で形成されるようにしてもよいが、前述のように、2つの部分ケースに跨るように形成される場合には、当該開口部が2分割されることになる結果、各部分ケースの個々の型構造を単純化することが容易となるなどの効果が期待される。
(4) 前記開口部は、閉じた周縁を有し、
その周縁は、前記第1の部分ケースと前記第2の部分ケースと前記レーザー溶着部との共同によって形成される(2)または(3)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(5) 前記第1の部分ケースは、一仮想平面に沿って延びる第1周縁であって閉じていないものを有し、
前記第2の部分ケースは、一仮想平面に沿って延びる第2周縁であって閉じていないものを有し、
前記第1の部分ケースと前記第2の部分ケースとは、前記第1周縁と前記第2周縁とが互いに当接する状態においてレーザー溶着によって互いに接合される(4)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(6) 前記開口部は、前記第1周縁および第2周縁のいずれの仮想平面に対しても平行な基準方向と概して同じ方向を向いている(5)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(7) 前記ケースアセンブリは、前記コイルアセンブリを外部に電気的に接続するためのコネクタを有し、
前記開口部は、当該内燃機関用点火コイルを前記基準方向に見た場合に、前記コネクタと前記レーザー溶着部との間に配置される(6)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(8) 前記第1の部分ケースおよび第2の部分ケースは、少なくとも一方が概してカップ状を成しており、それら第1および第2の部分ケースは、カップ状を成す側の部分ケースの開口端の位置において互いに突き合わされることによって前記収容空間が形成され、その突き合せ部に前記レーザー溶着部が形成される(1)ないし(7)項のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
(9) 前記レーザー溶着部は、溶着領域が連続する連続線として形成される(1)ないし(8)項のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
(10) 前記レーザー溶着部は、溶着領域と非溶着領域とが交互に並ぶ断続線として形成され、
各非溶着領域は、前記第1の部分ケースの表面と前記第2の部分ケースの表面との間にそれら部分ケースの接合当初から存在していたエアギャップを維持し、
そのエアギャップは、前記絶縁樹脂が外部から前記収容空間内に注入される際にその収納空間または前記絶縁樹脂内に存在するガスは通過するが前記絶縁樹脂は通過しないガス抜きとして作用するサイズおよび/または形状を有する(1)ないし(8)項のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
この点火コイルにおいては、互いに共同してコイルアセンブリの収容空間を画定する第1の部分ケースおよび第2の部分ケースが互いに突き合せられるとともにその突き合せ部にレーザー溶着部が形成される。
ところで、そのレーザー溶着部が、前記(9)項におけるように、溶着領域が連続する連続線として形成される態様においては、前記絶縁樹脂が外部から前記収容空間内に注入される際にその収納空間または前記絶縁樹脂内に最初から存在していたガスが当該レーザー溶着部を貫通して放出されることはない。
これに対し、この点火コイルにおいては、レーザー溶着部が、溶着領域と非溶着領域とが交互に並ぶ断続線として形成され、各非溶着領域は、前記第1の部分ケースの表面と前記第2の部分ケースの表面との間にそれら部分ケースの接合当初から存在していたエアギャップ(部品間隙間)を維持する。
そのエアギャップのサイズおよび/または形状を最適化すれば、前記絶縁樹脂が外部から前記収容空間内に注入される際にその収納空間または前記絶縁樹脂内に存在するガスは前記エアギャップを通過するが前記絶縁樹脂は前記エアギャップを通過しないようにすることが可能である。すなわち、前記エアギャップをガス抜きとして作用させることが可能なのである。
よって、このエアギャップによれば、前記収容空間内において硬化した絶縁樹脂内にガスが残存しているためにその絶縁樹脂の特性が低下することが防止される。
なお、ここにおいて、「その収納空間または前記絶縁樹脂内に存在するガス」という文言は、その収納空間または前記絶縁樹脂内に必ずガスが存在することを必ずしも意味せず、存在する場合もあれば存在しない場合もあるという意味と解釈すべきである。
(11) 前記当接部は、前記第1および第2の部分ケースの一方に形成された凹部と他方に形成されたリブとによる凹凸嵌合部として構成され、前記リブの幅寸法Wを前記レーザー光のビーム直径φで割り算した比率W/φは、0.7以下である(1)ないし(10)項のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
(12) コイルアセンブリと、
そのコイルアセンブリが内部に収容される収容空間を有するケースアセンブリであって、いずれも合成樹脂より成る第1の部分ケースと第2の部分ケースとが互いに合体させられることによって前記収容空間が形成されるものと、
を含む内燃機関用点火コイルにおいて、
前記第1の部分ケースは、カップ状部と、そのカップ状部の周縁から外向きに、かつ、そのカップ状部の中心線に対して概して直角である一仮想平面に沿って延びる板状フランジ部とを有し、
前記第2の部分ケースは、前記板状フランジ部に突き当てられる先端面を有する側壁部を有し、
前記第1の部分ケースが前記第2の部分ケースより高いレーザー光透過率を有することと、前記第2の部分ケースが前記第1の部分ケースより高いレーザー光吸収率を有することとのうちの少なくとも一方が採用され、
前記第1の部分ケースの前記板状フランジ部と前記第2の部分ケースの前記側壁部とがそれぞれ互いに接合する接合部にレーザー光が、前記第1の部分ケースを実質的に透過して前記第2の部分ケースに実質的に吸収されるように照射され、それにより、前記接合部にレーザー溶着部が形成され、
そのレーザー溶着部のうちの少なくとも一部は、前記カップ状部を前記中心線の方向に見た場合に、前記カップ状部の外面から半径方向外側に位置する内燃機関用点火コイル。
この点火コイルによれば、前記第1の部分ケースの前記カップ状部の外面の、形成すべきレーザー溶着部に対する相対的な位置関係をそれほど気にすることなく、前記レーザー光の光路の位置を比較的に高い自由度で選択することが可能となる。
(13) 前記レーザー溶着部は、それの全部が、前記カップ状部を前記中心線の方向に見た場合に、前記カップ状部の外面から半径方向外側に位置する(12)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(14) 前記カップ状部は、前記中心線上における一側には前記板状フランジ部を前記カップ状部と一体的に形成される状態で有する一方、他側には内蔵端子のための開口部を有し、
前記カップ状部の外面は、前記第1の部分ケースを前記カップ状部の前記中心線の方向に見た場合に、前記板状フランジ部の外周縁より半径方向内側に位置する(13)項に記載の内燃機関用点火コイル。
この点火コイルによれば、前記第1の部分ケースの前記カップ状部の外面の、前記板状フランジ部の外周縁に対する相対的な位置関係をそれほど気にすることなく、前記レーザー光の光路の位置を比較的に高い自由度で選択することが可能となるため、前記板状フランジ部の端面のうちレーザー溶着部が形成されるべき部位である標的部位の位置を比較的に高い自由度で選択することも可能となる。
(15) 前記カップ状部は、概して円錐または角錐状を成している(12)ないし(14)項のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
(16) 前記板状フランジ部のうち前記側壁部の先端面が突き当たる部分には、互いに嵌合する凸部および凹部の一方が、前記側壁部の先端面のうち前記板状フランジ部が突き当たる部分には、前記互いに嵌合する凸部および凹部の他方がそれぞれ形成され、それにより、前記板状フランジ部と前記側壁部の先端面とが凹凸嵌合部によって互いに接合され、 前記凹凸嵌合部に前記レーザー光が、前記第1の部分ケースを実質的に透過して前記第2の部分ケースに実質的に吸収されるように照射され、それにより、前記凹凸嵌合部に前記レーザー溶着部が形成される(12)ないし(15)項のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
(21) コイルアセンブリと、
合成樹脂より成る第1の部分ケースであって、本体部とその本体部から半径方向外向きに延び出る板状フランジ部とを有するものと、
合成樹脂より成る第2の部分ケースであって、前記第1の部分ケースと接合される状態においてその第1の部分ケースと共同して前記コイルアセンブリのための収容空間を形成するものと、
を含む内燃機関用点火コイルにおいて、
前記第2の部分ケースは、概してカップ状を成すとともに側壁部を有し、
その側壁部は、それの先端面において前記板状フランジ部の外側平面に概して直角に当接させられ、
前記側壁部の先端面と前記板状フランジ部の外側平面とのうちの一方には、互いに嵌合する凸部と凹部とのうちの一方が、他方には前記互いに嵌合する凸部と凹部とのうちの他方がそれぞれ形成され、
前記側壁部および前記板状フランジ部は、前記形成された凸部と凹部とのうちの少なくとも一方にレーザー光が照射されることにより、レーザー溶着によって互いに接合される内燃機関用点火コイル。
(22) 前記凸部は、前記板状フランジ部の外周縁に沿って形成される(21)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(23) 前記凹部は、前記板状フランジ部の外周縁に沿って形成される(21)項に記載の内燃機関用点火コイル。
(31) コイルアセンブリと、
合成樹脂より成る第1の部分ケースと、
合成樹脂より成る第2の部分ケースであって、前記第1の部分ケースと接合される状態においてその第1の部分ケースと共同して前記コイルアセンブリのための収容空間を形成するものと、
を含む内燃機関用点火コイルにおいて、
前記第1の部分ケースを構成する合成樹脂は、前記第2の部分ケースを構成する合成樹脂より高い明度を有する内燃機関用点火コイル。
なお、一般的には、前記第1および第2の部分ケースのうちレーザー光透過材として作用する部分ケースを構成する素材の明度は、レーザー光吸収材として作用する他の部分ケースを構成する素材より高い(例えば、より白色に近い)かもしれない。しかし、色を除く素材の物性によってレーザー光透過率の差を実現可能である可能性もある。その場合には、2つの部分ケースを構成する素材がいずれも黒色であって両者間に明度差がほとんどなくても目的は達成される。
(32) レーザー光が、前記第1の部分ケースを透過してその第1の部分ケースと前記第2の部分ケースとの接合部に入射し、その後、そのレーザー光が前記第2の部分ケースに吸収され、それにより、前記接合部にレーザー溶着部が形成される(31)項に記載の内燃機関用点火コイル。
本発明の例示的な一実施形態に従う内燃機関用点火コイルのうちの2次コイルアセンブリを組み立てるための複数の工程を説明するための斜視図 図1に示す2次コイルアセンブリに1次コイルと外周鉄芯とを組み付けてコイルアセンブリを組み立てるための複数の工程を説明するための斜視図 図3(a)は、図1に示す内燃機関用点火コイルのうちのケースカバーアセンブリの内側構造を示す下方斜視図、図3(b)は、前記ケースカバーアセンブリの外側構造を示す上方斜視図、図3(c)は、そのケースカバーアセンブリに図2に示すコイルアセンブリを組み付けることによって完成した前記内燃機関用点火コイルの全体構造を示す上方斜視図 図4(a)は、図2に示すコイルアセンブリを同図において上方から見た場合の端面図及びそのコイルアセンブリの端面を示す部分断面図、図4(b)は、図3(b)に示すケースカバーアセンブリを同図において下方から見た場合の端面図及びそのケースカバーアセンブリの端面を示す部分断面図 図4(a)に示すコイルアセンブリの端面内の凹部と、図4(b)に示すケースカバーアセンブリの端面内の凸部とが互いに嵌合する状態においてレーザー溶着される様子を説明するための拡大部分断面図 図3(a)および(b)に示すケースカバーアセンブリを治具の凹部内に位置決めされた状態で示すとともに、図2に示すコイルアセンブリを、前記位置決めされているケースカバーアセンブリ上に位置決めされた状態で示す断面図 図6に示す位置決め状態において、コイルアセンブリに入射したレーザー光がケースカバーアセンブリのうちの標的部位には到達するが、レーザー光の照射が有害である部位にはレーザー光が到達しないようにするための遮蔽板を示す側面図 図8(a)は、図5に示す凹部および凸部とレーザー光の光路との間の正規な位置関係を説明するための部分断面図、図8(b)は、前記凹部および凸部とレーザー光の光路との間の許容限界の位置関係を説明するための部分断面図 図6に示す治具の例とは別の例を示す断面図 図6に示す治具の例とはさらに別の例を示す断面図
図3(c)には、本発明の一実施形態に従う内燃機関用点火コイル(以下、単に「点火コイル」という。)10の全体構造が斜視図で示されている。
<概略説明>
まず概略的に説明するに、この点火コイル10は、図2に示すコイルアセンブリ100と、図3(a)および図3(b)に示すケースカバーアセンブリ230とによって構成される。それらコイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230とは、それぞれ個別に組み立てられた後、互いに接合され、それにより、点火コイル10がほぼ完成する(半完成品)。その後、その点火コイル10内に絶縁樹脂(熱硬化性)が注入されて硬化させられ、それにより、点火コイル10が完全に完成する(完成品)。コイルアセンブリ100もケースカバーアセンブリ230も樹脂成形品を主体として構成される。
本実施形態においては、後に図5−図8を参照して詳述するように、コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230とが互いに組み付けられた状態で、それぞれが凹凸嵌合によって互いに接合する接合部にレーザー光が、コイルアセンブリ100のうちのプレートアセンブリ130を実質的に透過してケースカバーアセンブリ230に実質的に吸収されるように照射される。
それにより、ケースカバーアセンブリ230が局所的に加熱され、それにより発生した熱がケースカバーアセンブリ230からプレートアセンブリ130に局所的に伝達される。それにより、それらケースカバーアセンブリ230およびプレートアセンブリ130がほぼ同時にいずれも局所的に溶融する。それにより、前記接合部にレーザー溶着部が形成される。それにより、プレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230とが互いに強固に合体させられる。
<コイルアセンブリ100>
次に、図1−図3を参照することにより、まず、コイルアセンブリ100につき、その構造および組立方法を具体的に説明する。
コイルアセンブリ100は、図2において最も右側に最終組立て状態で示されている。そのコイルアセンブリ100は、主体的には、図1に示す部分キャップ110と、同図に示す2次コイル120と、同図に示すプレートアセンブリ130と、図2に示す1次コイル210と、同図に示す外周鉄芯221,222とを含むように構成される。
ここに、プレートアセンブリ130は、前述の各項における「第1の部分ケース」の一例であり、また、ケースカバーアセンブリ230は、前述の各項における「第2の部分ケース」の一例である。本実施態様においては、プレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230とがレーザー溶着によって互いに接合されることにより、前述の各項における「ケースアセンブリ」の一例が構成される。
また、本実施態様においては、2次コイル120と、その2次コイル120内に挿入される1次コイル210とにより、前述の各項における「コイルアセンブリ」の一例が構成される。
図1に示すように、プレートアセンブリ130は、樹脂成形品であり、部分キャップ131と、板状フランジ部133と、薄肉カップ状(例えば、薄肉準円錐状)を成すカップ状部135とを一体的に有する。本明細書の全体を通じ、「カップ状」という用語は、一端においては閉塞し、他端においては開放する中空構造体を意味する。
なお、本実施形態においては、部分キャップ131がプレートアセンブリ130に一体的に形成されているが、その部分キャップ131をプレートアセンブリ130から省略する一方で、部分キャップ110を、その部分キャップ110と部分キャップ131とが合体したもの、すなわち、完全なキャップ110に変更し、その完全なキャップ110をプレートアセンブリ130に組み付けてもよい。
カップ状部135は、内蔵端子(2次高圧端子。図示しない)のための開口部135を一体的に有する。開口部135は、カップ状部135と同軸的に延びている。前記内蔵端子は、開口部135内に、外部からアクセス可能な状態で収容される。この内蔵端子は、1次コイル210を原因として電磁誘導によって2次コイル120に発生した高電圧(昇圧された電圧)を図示しない点火プラグに印加するためにその点火プラグに電気的に接続される状態で(例えば、導電性のスプリングを用いて)使用される。
点火コイル10を構成する各部品の材料については、部分キャップ110もプレートアセンブリ130も、絶縁性の合成樹脂(例えば、PPE,PBTなど。熱可塑性)によって構成されている。同様に、ケースカバーアセンブリ230も、絶縁性の合成樹脂(例えば、PPE,PBTなど。熱可塑性)によって構成されている。
ただし、前述のレーザー溶着に適するように、プレートアセンブリ130は、ケースカバーアセンブリ230より高いレーザー光透過率を有するとともに、ケースカバーアセンブリ230より低いレーザー光吸収率を有する合成樹脂によって構成されている。
例えば、プレートアセンブリ130の材料がケースカバーアセンブリ230より明度の低いもの(例えば、黒い材料)であっても、プレートアセンブリ130の材料が、ケースカバーアセンブリ230より高いレーザー光透過率を有するものであれば、本実施形態において採用することが可能である。
本実施形態においては、例えば、プレートアセンブリ130もケースカバーアセンブリ230も素材がPBTである点で互いに共通する。しかし、レーザー光透過材としてのプレートアセンブリ130の素材は、PBTに何ら顔料も添加されておらず、ナチュラル色としてのクリーム色または白色であるのに対し、レーザー光吸収材としてのケースカバーアセンブリ230の素材は、PBTに炭素物質を含有する顔料が添加されており、その結果、黒色、すなわち、プレートアセンブリ130の素材より明度が低い色となっている。
本実施形態においては、このような明度差により、レーザー光透過率の差およびレーザー光吸収率の差がプレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230とについて実現されている。とはいえ、それらプレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230との間で素材の種類自体を互いに異ならせることにより、明度差がなくても(例えば、いずれも黒色であっても)、レーザー光透過率の差およびレーザー光吸収率の差を実現することが可能である。
図1に示すように、部分キャップ131は、その内部空間132に2次コイル120が収容された状態で、上述の部分キャップ110と合体させられ、それにより、2次コイル120を外周側から包囲する包囲体が構成される。部分キャップ131と部分キャップ110との接合は、例えば、熱溶着、超音波溶着、接着剤、レーザー溶着などによって実現される。
部分キャップ131は、2次コイル120の軸線上における両側にそれぞれ、蓋部131aと切欠き部131bとの組み合わせを有する。両側の蓋部131aにより、2次コイル120が内部空間132内に位置決めされ、また、両側の切欠き部131b,131bから2次コイル120が部分的に露出する。
図1に示すように、カップ状部135は、概して円錐状を成しており、中心線に関して
回転対称性を有する。カップ状部135は、周縁を有し、その周縁は、前記中心線に対して直角な一仮想平面に沿って延びている。板状フランジ部133は、カップ状部135の周縁から半径方向外向きに、かつ、前記仮想平面に沿って延びている。カップ状部(前述の各項における「本体部」の一例)135は、前記仮想平面から前記中心線の向きに膨出し、それにより、カップ状部135は、内部に、底直径寸法より高さ寸法が短いすり鉢状の空間を有する。
図1に示すように、板状フランジ部133の両側表面のうちカップ状部135が存在しない側の表面(ケースカバーアセンブリ230の端面と接合される端面であり、以下、「外側表面」という。)は、プレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230とが互いに組み付けられた状態において、ケースカバーアセンブリ230と接合しない非接合領域133aと、接合する接合領域133bとを有する。
図1に示すように、接合領域133bは、板状フランジ部133の外側表面上に、その板状フランジ部133の外周縁に近接した位置において、その外周縁に沿って延びている。
さらに接合領域133bについて敷衍するに、図4(a)に示すように、接合領域133bは、それの平面視において、概してC字状またはU字状を成している。具体的には、接合領域133bは、図1に示す板状フランジ部133の平面視において、互いに平行な一対の直線部R1,R1と、互いに逆向きに張り出す一対の曲線部R2,R2と、それら曲線部R2,R2をそれぞれの一端部同士においてつなぐ1本の直線部R3とを有する。
この接合領域133bは、同一平面上を一様な断面プロファイルで周方向に延びている。その断面プロファイルは、図4(a)に示すように、平坦かつ水平な(すなわち、板状フランジ部133の平面に対して平行な)頂面を有する外側リブ20と、平坦かつ水平な頂面を有する内側リブ22と、それらの中間に位置する凹部(例えば、1本または複数本の溝)24とを有する。
外側リブ20は、内側リブ22より低い高さ(板状フランジ部133の、反対側の平面である基本面REFからの隔たり)を有する。凹部24は、平坦かつ水平な底面26を有する。
図5には、この接合領域133bの断面構造が図4(a)より拡大されて示されている。同図に示すように、本実施形態においては、凹部24が、底面26と外側リブ20の頂面との間を遷移する斜面28を有する。その斜面28は、凸状の断面プロファイルを有するが、これに代えて、例えば、凹状の断面プロファイルを有しても、平坦な断面プロファイルを有してもよい。
カップ状部135の外面は、それの側面視において、例えば、板状フランジ部133の外側表面からそれに直角な方向に離れるにつれて縮径する先細の外面であり、概して円錐面を成す外面である。
また、接合領域133b(前述の各項における「レーザー溶着部」の一例)のうちの少なくとも一部(本実施形態においては、全部)は、カップ状部135の側面視および平面視において、カップ状部135の外面から半径方向外側に位置する。
また、カップ状部135の外面は、それの側面視および平面視において、板状フランジ部133の外周縁より半径方向内側に位置する。
図1に示すように、2次コイル120は、1次コイル挿入用の貫通穴121を有する絶縁性のボビン122に2次巻線(例えば、銅線)が巻き回されて構成されている。ボビン122は、それの軸方向両端部にそれぞれ位置する一対の環状の端壁(端部フランジ)123,123と、それら端壁123,123の間において、隙間を隔てて同軸的に並んだ複数のセクション壁(中間フランジ)124とを有する。2次巻線は、一対の端壁123,123と複数のセクション壁124とによって形成された複数のセクション溝内に巻き付けられる。
ここで、コイルアセンブリ100の組付方法を具体的に説明するに、図1に示すように、まず、工程1において、プレートアセンブリ130と、2次コイル120と、部分キャップ110とが準備される。次に、工程2において、2次コイル120がプレートアセンブリ130上に載置される。続いて、工程3において、その状態で部分キャップ110が2次コイル120のうちの露出部に被せられる。これにより、2次コイルアセンブリが完成する。
その後、図2に示すように、工程5(説明の便宜上、工程4は存在しない)において、1次コイル210が、前記2次コイルアセンブリ内の2次コイル120の貫通穴121内に挿入される。1次コイル210は、平面視においてI字状を成す中心鉄芯211と、1次巻線のうちの第1部分212および第2部分215と、その第1部分212の一端部に設けられた端子用フレーム214とを有する。
続いて、工程6において、プレートアセンブリ130のうちの板状フランジ部133の外側表面上に外周鉄芯221,222が、部分キャップ110,131、ひいては、2次コイル120を包囲する姿勢で載置される。これにより、コイルアセンブリ100が完成する。
<ケースカバーアセンブリ230>
次に、図3を参照することにより、ケースカバーアセンブリ230の構造を説明する。
図3(a)および図3(b)に示すように、ケースカバーアセンブリ(図においては、単に「カバー」という。)230は、樹脂成形品であり、本体部(蓋付き円筒部)231と、取付用フランジ部232と、コネクタ234とを一体的に有する。図3(a)は、主に、ケースカバーアセンブリ230の内側構造を示すのに対し、図3(b)は、主に、ケースカバーアセンブリ230の外側構造を示している。
なお、コネクタ234は、ケースカバーアセンブリ230に一体的に形成しなくてもよい。具体的には、例えば、コネクタ234をケースカバーアセンブリ230とは別体のものとし、コイルアセンブリ100単体の組付けが完了した後に、そのコイルアセンブリ100にその別体のコネクタ234を装着し、その状態でケースカバーアセンブリ230をコイルアセンブリ100に組み付けてもよい。
本体部231は、図3(c)に示すように、ケースカバーアセンブリ230のうち、コイルアセンブリ100と係合する部分である。本体部231は、概してカップ状を成している。具体的には、本体部231は、周壁部(例えば、概して一様な断面で概して真っ直ぐに延びる中空構造体。前述の各項における「側壁部」の一例)と、閉塞部(蓋状部、凸状キャップ)235と、開口部(空気開口部)240とを有する。
前記周壁部の両端のうちの一方は、概して板状を成す閉塞部235によって閉塞される一方、他方の端は、部品単体としては開放されているが、組付時、その部分にコイルアセンブリ100が装着されると、閉塞される。その結果、前記周壁部内に閉じた内部空間30(図4(b)参照)が形成される。
その内部空間30内に、コイルアセンブリ100における1次コイル210、2次コイル120および外周鉄芯221,222が収容される。さらに、それら1次コイル210、2次コイル120および外周鉄芯221,222は、コイルアセンブリ100の内部空間32(図4(a)参照。特に、カップ状部135の内部の空間)内にも収容される。よって、本実施形態においては、コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230とが互いに接合されると2個の内部空間30および32が合体し、その合体内部空間が前述の各項における「収容空間」の一例を構成する。
本実施形態においては、閉塞部235が、それの中央部が局所的に外向きに膨出する板状を成している。その膨出部(凸部)は、ケースカバーアセンブリ230にコイルアセンブリ100が組み付けられた状態において、コイルアセンブリ100のうち、ケースカバーアセンブリ230に対して最も突出している部分、すなわち、部分キャップ110の上端部を補完する形状を有し、それにより、その上端部を無駄な隙間を残すことなくきっちりと詰めて収容する。
その結果、前記周壁部の高さ寸法を抑えてケースカバーアセンブリ230の小形軽量化を極大化しつつ、ケースカバーアセンブリ230に求められるコイル収容機能が達成される。すなわち、前記周壁部の高さ寸法の割に大形なコイルを点火コイル10は収容することが可能なのである。よって、点火コイル10は、無駄な内部空間が極力存在しないようにコンパクトに設計された構造を有する。
前記周壁部は、それの周方向におけるある位置から半径方向外向きに取付用フランジ部232が突出している。さらに、前記周壁部は、それの周方向における別の位置に開口部240を有する。
取付用フランジ部232は、点火コイル10を、図示しない内燃機関のエンジンブロックまたはヘッドカバーなどに固定的に装着するために、貫通穴を有し、その貫通穴内に金属製ブッシュ233がインサート成形によって配置される。図示しないボルトがその金属製ブッシュ233内に挿通され、そのボルトにより、取付用フランジ部232が内燃機関に締め付けられる。前記貫通穴は、図3(c)に示すように、カップ状部135の前記中心線に対して概して平行な方向に延びている。
コネクタ234は、複数の端子244を有する。それら端子244は、電源端子、グランド端子、信号端子等を有する。
ケースカバーアセンブリ230は、さらに、開口部240の位置において、1次コイル210に流れる1次電流をオンオフ制御するためのイグナイタ241と、接地用プレート242とを有する。
前記レーザー溶着に先立ち、図3(c)に示すように、ケースカバーアセンブリ230がコイルアセンブリ100上に位置決めされて装着される。この際、ケースカバーアセンブリ230の端面(以下、「カバー端面」という。)が、コイルアセンブリ100のうちのプレートアセンブリ130の板状フランジ部133の外側表面のうちの接合領域133bに接触させられる。
図3(a)には、カバー端面が上方を向いている状態で示されている。このカバー端面は、前記周壁部を有する本体部231のその周壁部の一端面として形成されている。
このカバー端面は、板状フランジ部133の接合領域133b(図4(a)参照)と共通する形状を有しており、具体的には、それの平面視において、概してC字状またはU字状を成している。
さらに具体的には、図4(b)に示すように、このカバー端面は、互いに平行な一対の直線部S1,S1と、互いに逆向きに張り出す一対の曲線部S2,S2と、それら曲線部S2,S2をそれぞれの一端部同士においてつなぐ1本の直線部S3とを有する。このカバー端面が板状フランジ部133の接合領域133bに接合される際、このカバー端面の一対の直線部S1,S1、一対の曲線部S2,S2および直線部S3がそれぞれ、接合領域133bの一対の直線部R1,R1、一対の曲線部R2,R2および直線部R3に係合する。
なお、図3(c)に示すように、ケースカバーアセンブリ230の開口部240であって概して四角形状を成すものの4辺のうち上辺および一対の側辺が本体部231によって形成される一方、残りの下辺が板状フランジ部133の非接合領域133aによって形成されている。
要するに、本実施形態においては、開口部240が、コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230との双方に跨るように形成されているのであるが、開口部240をこのように形成することは本発明を実施するために不可欠なことではなく、開口部240の全体をコイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230とのいずれかによって形成してもよい。
上述のカバー端面は、同一平面上を一様な断面プロファイルで周方向に延びている。その断面プロファイルは、図4(b)に示すように、概して逆U字状を成すリブ40と、平坦かつ水平なベース部42とを有する。後に詳述するように、リブ40は、ベース部42から軸方向に突出する縦リブであり、前述の各項における「凸部」の一例を構成している。
図5には、このカバー端面の断面構造が図4(b)より拡大されて示されている。同図に示すように、本実施形態においては、このカバー端面が、リブ40とベース部42との間を遷移する斜面44を有する。
図5に示すように、このカバー端面が板状フランジ部133の接合領域133bに接合される際には、このカバー端面のうちのリブ40の先端面(R面)が、接合領域133bのうちの凹部24の底面26(平面)に接触する。このとき、このカバー端面のうちのベース部42は、接合領域133bのうちの外側リブ20との間に軸方向エアギャップを形成する。
すなわち、本実施形態においては、プレートアセンブリ130に形成された凹部24とケースカバーアセンブリ230に形成されたリブ40とによる凹凸嵌合部が、前記「当接部」の一例を構成しているのである。ただし、凹部24は、ケースカバーアセンブリ230に形成してもよいし、同様に、リブ40は、プレートアセンブリ130に形成してもよい。
さらに、ケースカバーアセンブリ230をプレートアセンブリ130に被着する際、ケースカバーアセンブリ230がプレートアセンブリ130に相対的に軸方向に接近し、その結果、リブ40が斜面28に突き当たると、その斜面28の力変換効果によってリブ40が半径方向内向きに誘導されて凹部24内に自動的に嵌まり入る。すなわち、センタリング機能が発揮されるのである。
このとき、リブ40のさらなる移動(オーバーラン)が、外側リブ20より背が高い内側リブ22によって効果的に阻止される。リブ40が内側リブ22を簡単に乗り越えることができないからである。その結果、ケースカバーアセンブリ230をプレートアセンブリ130に被着する作業を、斜面28が存在しないか、または内側リブ22が外側リブ20より背が低い場合より、安定的に行い得る。
ここで、リブ40の先端面の形状と凹部24の底面26の形状とについて考察するに、本実施形態においては、リブ40の先端面が半球状を成す曲面で形成される一方、凹部24の底面26が平面で形成されている。その結果、それらリブ40と凹部24との係合が、断面ごとに見れば点接触として把握され、全体で見れば線接触として把握される。
ところで、レーザー溶着の原理においては、リブ40と凹部24とのそれぞれの接触面を媒介として、リブ40に発生した熱が凹部24に伝達されて加熱溶融される。そうすると、リブ40と凹部24とのそれぞれの、相手側との接触面が広いほど、レーザー光による溶融が活発化し、リブ40と凹部24との間の接合強度が向上することが期待される。
さらに、リブ40の先端面が半球状を成す場合には、その先端面がわずかでも溶融すると、リブ40の高さ寸法が減少するというように、リブ40においては、それの溶融量に対する高さ寸法の変化が敏感である。一方、リブ40の高さ寸法の変化は、ケースカバーアセンブリ230とプレートアセンブリ130との間の軸方向相対位置を変化させる原因となるから、少ないほど望ましい。
そこで、本実施形態は、リブ40の先端面も凹部24の底面26も平面で形成され、その結果、それらリブ40と凹部24との係合が、断面ごとに見れば線接触として把握され、全体で見れば面接触として把握されるように変更してもよい。
<レーザー溶着のための治具60>
図6には、前記レーザー溶着のための治具60の一例が断面図で示されている。その治具60は、ケースカバーアセンブリ230を、前述のカバー端面が前上を向く姿勢で位置決めするための凹部62を有する。治具60の材料は、レーザー光が照射されても溶融しない材料、例えば、金属とされる。
その凹部62の内面は、少なくとも一対の平行縦壁部(横方向位置決め部)64,64を有する。それら平行縦壁部64,64は、ケースカバーアセンブリ230の本体部231の周壁部のうちの一対の平行縦壁(垂直平坦部)66,66の外面に面接触する。さらに、凹部62の内面は、水平な底面(上下方向位置決め部)68を有し、その底面68が、ケースカバーアセンブリ230のうちの閉塞部(水平平坦部)235の外面に面接触する。平行縦壁部(横方向位置決め部)64,64と底面(上下方向位置決め部)68とは、側面視において、互いに直交する方向にそれぞれ延びている。
その結果、凹部62は、一対の平行縦壁部64,64と底面68との共同により、ケースカバーアセンブリ230を、図示しないレーザー光源に対して3次元的に位置決めすると同時に、ケースカバーアセンブリ230がみだりに自転すること(水平面内での回転)も傾動すること(垂直面内での回転)もないようにその姿勢を固定する。
本実施形態においては、コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230との組立体(ただし、レーザー溶着前)が治具60にセットされた後、その組立体が治具60に固定される。その固定のために、押さえユニットが使用される。その押さえユニットは、例えば、押さえプレート80と、スペーサプレート82とを含むように構成される。
押さえプレート80は、前記組立体を上方から治具60に押し付けて固定するために、プレートアセンブリ130の板状フランジ部133の外側表面に上方から接触させられる。
押さえプレート80は、圧力下に、前記組立体を上方から治具60に押し付ける。レーザー溶着中、レーザー光が押さえプレート80に入射することを避け得ない場合には、押さえプレート80の材料は、レーザー光を透過し、かつ、入射したレーザー光によって加熱溶融し難い材料、例えば、プレートアセンブリ130と同じ合成樹脂とされる。
押さえプレート80が板状フランジ部133に接触する状態においては、その押さえプレート80は片持ち状で板状フランジ部133に接触し、かつ、その押さえプレート80の曲げ剛性を高めるために板厚を厚くするにも限度がある。そのため、そのままでは、押さえプレート80は十分に大きな力で板状フランジ部133を押圧することができない。
そこで、本実施形態においては、押さえプレート80が板状フランジ部133に接触する状態において押さえプレート80の片面と治具60の表面との間に形成される隙間が剛体によって充填されるように、スペーサプレート82が押さえプレート80と治具60との間に挿入される。そのスペーサプレート82にはレーザー光が入射せず、また、曲げ剛性の極大化が要望されるため、スペーサプレート82の材料は例えば金属とされる。
なお、治具60および前記押さえユニットは、他の種々の態様で実施することが可能である。以下、図9および図10を参照して別の2つの例を説明するが、図6に示す例と共通する要素については、同一の符号または名称を用いて引用することにより、重複した説明を省略する。
図9に示す例に用いられる治具60においては、ケースカバーアセンブリ230の垂直方向位置決めが、底面68によってではなく、上向きの段付き面69を用いて行われる。その段付き面69は、ケースカバーアセンブリ230の閉塞部235のうちの平板状外縁(板状フランジ部)236の下向き面を下方から支持する。
さらに、図9に示す例に用いられる押さえユニットは、透過性剛質素材(例えば、ガラス)より成る押さえチューブ(中空軸部材)83と、透過性剛質素材(例えば、ガラス)より成る押さえプレート84とを含むように構成される。その押さえチューブ83は、垂直方向に延びる姿勢で使用され、それの下端面が、板状フランジ部133の上向き面(接合領域133bに対向する目標レーザー光入射領域を含む)に突き当てられ、その上向き面にほぼ全周にわたって接触する。この押さえチューブ83は、それの反対側の端面において、押さえプレート84により、治具60に向かって押し付けられる。
図9に示す例においては、レーザー溶着中、レーザー光が、押さえプレート84および押さえチューブ83をそれらの順に透過して板状フランジ部133の内側表面(カップ状部135が存在する側の表面)のうちの前記目標レーザー光入射領域に入射する。
これに対し、図10に示す例に用いられる治具60は、ケースカバーアセンブリ230の垂直方向位置決めが、底面68によってではなく、上向きの段付き面69を用いて行われる点で図9に示す例と共通する。さらに、この例に用いられる押さえユニットは、押さえチューブ(中空軸部材)86と、押さえプレート84とを含むように構成される点で図9に示す例と共通する。
しかし、図10に示す押さえチューブ86は、それの下端面が、板状フランジ部133の上向き面(前記内側表面)のうちの前記目標レーザー光入射領域を除く第1部分と、カップ状部135の外面のうち前記第1部分に隣接する第2部分(環状の領域)とに突き当てられる(別の例においては、カップ状部135の外面のみに突き当てられる)点で、図9に示す押さえチューブ83とは異なる。
よって、図10に示す例においては、レーザー溶着中、レーザー光が、押さえプレート84は透過するが、剛体チューブ86は透過することなく、板状フランジ部133の内側表面のうちの前記目標レーザー光入射領域に入射する。
したがって、図10に示す押さえチューブ86は、透過性剛質素材より構成されてもよいし不透過性剛質素材(例えば、合成樹脂より高い剛性を有する金属)より構成されてもよい点で、透過性剛質素材に限定される図9に示す押さえチューブ83とは異なる。
ところで、図6および図9に示す例においては、レーザー光が、前記目標レーザー光入射領域の手前で、点火コイル10とは別の部材を透過せざるを得ない。そのため、レーザー溶着中に接合領域133b周辺から発生する物質(例えば、煙)が前記別の部材に付着してそれのレーザー光透過率が低下してしまう可能性がある。
これに対し、図10に示す例によれば、レーザー光が、前記目標レーザー光入射領域の手前で、押さえチューブ86を透過せずに済む。その結果、レーザー溶着中に接合領域133b周辺から発生する物質(例えば、煙)が押さえチューブ86に付着してもレーザー溶着作業に悪影響を与えずに済む。
図7には、図6、図9または図10に示す位置決め状態において、プレートアセンブリ130の板状フランジ部133に入射したレーザー光がケースカバーアセンブリ230のうちの標的部位(前記接合部、前記凹部26とリブ40との間の凹凸嵌合部)には到達するが、レーザー光の照射が有害である部位にはレーザー光が到達しないようにするための遮蔽板90が側面図で示されている。
ケースカバーアセンブリ230のうち、レーザー溶着中に、レーザー光が入射する可能性があり、かつ、その入射が有害である部位として、コネクタ234が存在する。そのため、本実施形態においては、そのコネクタ234とレーザー光の光路との間に、レーザー光を透過しない遮蔽板90が設置される。その遮蔽板90の材料は、レーザー光を透過しない材料、例えば、金属である。
<レーザー光の照射方法>
前記組立体が治具60にセットされた後、図5に示すように、レーザー光が、板状フランジ部130とケースカバーアセンブリ230との接合部(標的部位)に照射される。その接合部にレーザー光(レーザービーム)を照射ないしは投射する方式としては、例えば、スキャン式と、ガルバノ式と、フラッシュ式とが存在する。
スキャン式は、レーザー光を出射するレーザーヘッドを前記接合部に対して相対的に、その接合部の周方向に移動させ、それにより、瞬間ごとに前記接合部に照射されるレーザー光のスポットで前記接合部全域を順次周方向にスキャンする方式である。
ガルバノ式は、固定設置されているレーザーヘッドから出射するレーザー光の光路を可動ミラーなどの偏向器を用いて偏向させつつ前記接合部に照射し、レーザー光のスポットで前記接合部全域を順次周方向にスキャンする方式である。
フラッシュ式は、前記接合部に沿って周方向に複数のレーザー光出射部(例えば、レーザーヘッド、出射光学系など)を配列し、それらレーザー光出射部を周方向に順次有効化するか、またはそれらレーザー光出射部を一斉に有効化することによって最終的に前記接合部全域にレーザー光を照射する方式である。
本実施形態においては、それら方式のいずれを用いて前記レーザー溶着を行ってもよいし、他の方式を用いて前記レーザー溶着を行ってもよい。
<レーザー溶着部の構造>
そのレーザー溶着が行われた結果、前記接合部に、周方向に延びるレーザー溶着部が形成される。そのレーザー溶着部は、例えば、溶着領域が連続する連続線(本実施形態においては、概してC字状またはU字状を成す曲線)として形成される。このレーザー溶着部によれば、プレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230とが気密にシールされた状態で互いに接合されるため、例えば、点火コイル10の防水性が向上するという効果が得られる。
これに代えて、前記レーザー溶着部は、溶着領域と非溶着領域とが交互に並ぶ断続線として形成されることが可能である。この場合、各非溶着領域には、プレートアセンブリ130の板状フランジ部133の凹部24の底面26と、ケースカバーアセンブリ230のリブ40の先端面との間にそれら部品130,230の接合当初から部品間の隙間として存在していたエアギャップを実質的にそのまま維持する。
より具体的には、前記スキャン式または前記ガルバノ式が採用される場合には、前記レーザーヘッドをプレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230との周方向接合部すなわちスキャン経路に沿ってオンオフ制御し、それにより、レーザー光が照射されたために接合部から遷移した溶着部と、レーザー光が照射されなかったために残存した接合部、すなわち、非溶着部とが交互に繰り返される。
ところで、本実施形態においては、プレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230とがレーザー溶着によって互いに接合された後、それらプレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230との組立体の内部空間、すなわち、収容空間30,32であって、他の部品によって充填されていない隙間からガスとしての空気を追い出してその代わりにその隙間を絶縁樹脂によって充填するために、その絶縁樹脂が、開口部240からそれら収容空間30,32内に注入されて硬化させられる。
その注入に先立ち、収容空間30,32または前記絶縁樹脂内にガスとしての空気が存在する場合には、その注入に際し、そのガスが完全に収容空間30,32および前記絶縁樹脂から追い出されることとなるように、前記絶縁樹脂を収容空間30,32内に注入することが重要である。
これに対し、前記エアギャップが、最初から収納空間30,32または前記絶縁樹脂内に存在していたガスは通過するが前記絶縁樹脂は通過しないガス抜きとして作用するサイズおよび/または形状を有するように、前記レーザー溶着の作業条件を設定することが可能である。
具体的には、前記レーザーヘッドのオンオフ制御の際のデューティ比(例えば、1回のオンオフ制御周期の長さに占めるオン時間の長さの比率)を最適化することにより、周方向に一列に並んだ複数のエアギャップの各々の長さ寸法や幅寸法、形状などを最適化して各エアギャップをガス抜きとして良好に作用させることが可能である。
<レーザー溶着部の品質を安定化するための条件>
図8(a)には、いずれも図5に示す凹部26およびリブ(凸部)40とレーザー光の光路との間の正規な位置関係が部分断面図で示されている。その正規な位置関係によれば、レーザー光のビーム中心と、リブ40の中心線であるリブ中心とが互いに一致する。
本実施形態においては、レーザー光のビーム直径φが、リブ40の幅寸法W(公差範囲内の最大値)より大きい。さらに、レーザー光のビーム直径φが、凹部26の溝底幅寸法G(公差範囲内の最大値)より大きい。
これに対し、図8(b)には、凹部26およびリブ40とレーザー光の光路との間の許容限界の位置関係が部分断面図で示されている。その許容限界の位置関係によれば、レーザー光のビーム中心と、リブ40の中心線であるリブ中心とが互いに一致しないが、レーザー光のビームの範囲からリブ40(公差範囲内の最大値の幅寸法Wmaxを有する)がビーム半径方向外向きにはみ出ないように、ビーム中心とリブ中心との間のずれEの許容範囲とリブ40の幅寸法Wの公差範囲とが選定される。
一例においては、レーザー光のビーム外周面と、リブ40(公差範囲内の最大値の幅寸法Wmaxを有する)の内周面と外周面のうちのいずれかとが互いに一致する状態を超えて両者が半径方向にずれないように、ビーム中心とリブ中心との間の位置誤差Eの許容範囲と、リブ40の幅寸法Wの公差範囲とが選定される。
一例においては、幅寸法W/ビーム直径φが0.7、0.6または0.5以下であることがレーザー溶着品質を確保するために望ましい。
<レーザー光路の選定>
前述のように、本実施形態に従う点火コイル10には、次のような幾何学的特性が存在する。すなわち、カップ状部135の側面視において、
1)カップ状部135の外面が、板状フランジ部133の外側表面からそれに直角な方向に離れるにつれて先細となり、
2)レーザー溶着部が、カップ状部135の外面から半径方向外側に位置し、
3)カップ状部135の外面が、板状フランジ部133の外周縁より半径方向内側に位置
するのである。
したがって、レーザー光の光路を、カップ状部135を透過しないことを条件に選定すると、レーザー光の光路についての複数の選択肢が含まれる角度範囲θが、例えば、カップ状部135に代えて円筒状部が用いられる場合より大きくなる。その結果、レーザー光の光路を選択する際の自由度が向上する。このことによっても、レーザー溶着部の品質を向上させることが容易となる。
ただし、本実施形態においては、レーザー光がカップ状部135を透過する態様で前述のレーザー溶着が行われる可能性が肯定される。
<レーザー溶着方法の具体例>
本実施形態においては、前記レーザー溶着のために、まず、前記組立体(コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230)が治具60にセットされる。次に、前記押さえユニットを用いることにより、前記組立体が治具60に固定的に保持される。
続いて、レーザー光が、前述の3つの方式のいずれかに従い、前記組立体のうちの前記接合部(前記凹凸嵌合部)に照射される。その結果、コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230とがレーザー溶着部によって互いに接合される。これにより、点火コイル10がほぼ完成する。
その後、その半完成品である点火コイル10内に前記絶縁樹脂が注入される。
ところで、本実施形態においては、コイルアセンブリ100とケースカバーアセンブリ230とが、それらの接合状態において、それぞれの内部空間32,30が合体した1個の合体内部空間CIS(コイル収容空間)を形成する。よって、本実施形態においては、流動状態にある前記絶縁樹脂が開口部240から1個の合体内部空間CIS内に注入される。
本実施形態においては、その合体内部空間CIS内に、別の内部空間132が、部分キャップ110と部分キャップ131とがそれらの接合状態において互いに共同して形成する1個の収容空間(コイル収容空間、または、コイル位置決め部)として存在する。
そして、本実施形態においては、前述のように、前記組立体の製作に先立ち、部分キャップ110が、プレートアセンブリ130に一体成形された部分キャップ131に接合され、それにより、それらが合体してコイル包囲体が形成される。そのコイル包囲体の内部に内部空間132が形成される。
その内部空間132内に2次コイル120が挿入される。その状態で、その内部空間132内に前記絶縁樹脂の一部が真空状態で(脱気可能な状態で)注入されて充填させられる。すなわち、点火コイル10内への絶縁樹脂の1回目かつ部分的な充填、換言するに、2次コイル120が単独で点火コイル10にセットされて2次コイル120が単独で絶縁樹脂で充填(含侵)されることが行われるのである。
その後、2次コイル120の貫通穴121内に1次コイル210が挿入されて収容される。さらに、外周鉄芯220,221が、2次コイル120の周囲に設置される。これにより、2次コイル120、1次コイル210および外周鉄芯220,221がプレートアセンブリ130に対して相対的に位置決めされる。
その後、そのプレートアセンブリ130にケースカバーアセンブリ230がレーザー溶着によって接合されると、その接合によってはじめて形成された合体内部空間CISに対して相対的に2次コイル120、1次コイル210および外周鉄芯220,221が位置決めされる。
続いて、その合体内部空間CISのうち、部分キャップ110と部分キャップ131との組立体、2次コイル120、1次コイル210および外周鉄芯220,221によって占有されていない部分が、前記絶縁樹脂の別の部分によって充填される。すなわち、点火コイル10内への絶縁樹脂の最終的かつ全体的な充填が行われるのである。
前記絶縁樹脂の合体内部空間CIS内への注入量が目標値に達すると、点火コイル10が前記絶縁樹脂と共に加熱され、その結果、その絶縁樹脂(熱硬化性樹脂)が硬化させられる。以上で、点火コイル10が完全に完成する。
本実施形態においては、前述のように、前記絶縁樹脂の合体内部空間CIS内への注入が真空状態で(脱気可能な状態で)行われる。よって、最初から合体内部空間CIS内にガスが存在する状態で前記絶縁樹脂が注入されることはない。しかし、合体内部空間CIS内にではなく前記絶縁樹脂内に最初からガスが混入している場合があり得る。
この場合、その絶縁樹脂が流動状態で合体内部空間CIS内に注入される。よって、合体内部空間CIS内においてその絶縁樹脂が変形したり部分的に分断したりしてその絶縁樹脂内のガスが合体内部空間CIS内に放出される可能性がある。
このとき、前述のように、プレートアセンブリ130とケースカバーアセンブリ230との間のレーザー溶着部が溶着領域と非溶着領域とが交互に並ぶ断続線として形成されているためにプレートアセンブリ130の端面とケースカバーアセンブリ230の端面との間にいくつかのエアギャップが存在すると、それらエアギャップがベントとして機能し、前記絶縁樹脂から合体内部空間CIS内に放出されたガスがそれらガスベントを経由して外部に放出されることが促進される。その結果、合体内部空間CIS内に不要なガスが残存することが良好に防止される。
以上、後続する特許請求の範囲に記載される本発明の種々の実施形態を、ある程度の具体性を有して説明したが、当業者であれば、本発明の主旨からも範囲からも逸脱することなく、前述の開示された実施形態に対して多くの変更を加えることが可能である。
10 内燃機関用点火コイル(点火コイル), 100 コイルアセンブリ, 122 当接部, 130 プレートアセンブリ(第1の部分ケースの一例), 133b 接合領域(レーザー溶着部の一例), 230 ケースカバーアセンブリ(第2の部分ケースの一例)。

Claims (3)

  1. プレートアセンブリ上に1次コイル及び2次コイルを載置することによりコイルアセンブリを形成する工程Aと、
    内部に前記1次コイル及び前記2次コイルを収容するように、ケースカバーアセンブリを前記コイルアセンブリに被せる工程Bと、
    前記ケースカバーアセンブリを前記コイルアセンブリにレーザー照射により溶着する工程Cと、
    前記ケースカバーアセンブリと前記コイルアセンブリとの隙間に絶縁樹脂を注入して硬化させる工程Dとを備え、
    前記工程Cにおいて、
    前記レーザー光は前記プレートアセンブリを実質的に透過して前記ケースカバーアセンブリに実質的に吸収されるように照射される内燃機関用点火コイルの製造方法。
  2. 前記ケースカバーアセンブリの前記コイルアセンブリが接合される面、及び前記コイルアセンブリの前記ケースカバーアセンブリが接合される面のうち、一方がベース部とこのベース部から突出するリブとを備え、他方が外側リブとこの外側リブから陥没する凹部とを備え、
    前記Cの工程では、前記リブが前記凹部に係合されてこのリブと凹部とが溶着され、
    これらが溶着されたあとにも、前記ベース部と前記外側リブとの間にギャップが存在している、請求項1に記載の内燃機関用点火コイルの製造方法。
  3. 前記コイルアセンブリが、前記2次コイルに被せられる部分キャップをさらに備え、
    前記工程Aが、
    前記プレートアセンブリと前記部分キャップとで形成される空間に前記2次コイルを位置させ、隙間に絶縁樹脂を充填する工程A―1と、
    前記2次コイルの貫通孔に前記1次コイルを挿入する工程A―2と
    を備える、請求項1又は2に記載の内燃機関用点火コイルの製造方法。
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