JP6739842B2 - シャッター装置及び摩耗防止装置 - Google Patents

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本発明は、シャッター装置及び摩耗防止装置に関する。
図5の(a)に示すように、従来のシャッター開閉体102はプーリ104に支持されると共にシャッター軸103に巻き取り・繰り出し可能に構成されている。シャッター軸103はシャッター軸支持部材110bによって支持されている。
また、図5の(b)に示すように、シャッター開閉体102は係止板113上を横すべりして横方向にズレが発生することがある。このとき、シャッター開閉体102はシャッターケースブラケット110に接触して、シャッターケースブラケット110に損傷が生じて、次第に摩耗が進み、やがてはシャッター開閉体102がシャッター軸103ごと落下してしまう可能性があった。
従来、シャッター装置ではシャッターケースの左右に形成されたブラケットに軸受けを設け、この軸受けにシャッターシャフトを乗せている。さらに、このシャッターシャフトに巻き付けられたコイル状のスプリングの反発力でスラットを連結して構成されたシャッター開閉体が軽く上下して開閉するようになっている。この開閉操作時には通常、シャッター開閉体が片方に寄ることがあり、シャッター開閉体がシャッターケースに接触して、シャッターケースには次第に摩耗が進み、やがて、シャッター開閉体がシャフトごと落下してしまう可能性があった。これは非常に危険であり、定期的な点検や老朽化による交換などを行えば良いが、殆どの利用者は動かなくなるまで使い放題であるのが現状のようである。たまたまの点検時に落下寸前の状態に気付くことが多々あった。
これは、先ず、シャッターは上から吊ったものである。そして、施工時における水平出し、シャッターケースを固定する吊ボルトの止め位置や吊り自体の寄り、および左右スプリングのへたりなどが原因である。
また、どうしても土間の傾きなどがあるが、顧客からは、土間とシャッターとの間に隙間があるとゴミや水が入ってくるのでその土間に密着させて欲しいとの要望もある。
また、開閉時に風によるスラットの片寄りが生じ、特に、手動式ではシャッターの下板孔にフック棒を引っ掛けて下げて閉めるが、殆どの人が真下ではなく、斜め下から引き下げている。また、シャッターがゴミや障害物に乗り上げたり、左右サイドレール自体変形したりすることによって、スラットが傾くことがある。また、スラットとスラットをつなぐ渦巻き状のフックであるインターロックの微妙な変形や、スラットの爪の精度の甘さもありそれによって最終的にシャッターに傾き癖が付いてしまうことになる。
さらに、手動式や電動式などでも同じように、スラットのずれの調整や、隙間を多くとるなどスラットの爪自体の問題など、これらに起因する問題も多く、根本的な問題を解決しなければ、シャッター本体であるシャッター開閉体を構成するスラットがどうしても左右のいずれかにずれてしまっている。
これら不具合の現象としては、片方にずれた場合、ブラケットを擦り、開閉動作が重くなり、操作時にキーキー音が発生する。また、スラットの両端が擦れてやがて変形して、サイドレール、中柱、ブラケットなどに引っ掻き傷が入り、さらに、変形したスラットが鍵などのラッチ掛けやガイド口にも引っ掛かり、これに伴う故障が発生する可能性があり、最終的には、手動・自動を問わず開閉が非常に困難になる。
また、これを放置していると、地震などでシャッター全体または枠など一部が変形すると、シャッターの開閉ができなくなり、いざというときに脱出できないなど、命に関わることにもなり兼ねない。
図6は、従来の実施形態を示す概略図であり、(a)はシャッター巻取繰出装置の全体図、(b)は(a)に示すD部の拡大図である。
図6の(a)(b)に示すように、従来のシャッター巻取繰出装置101は、シャッター開閉体102の巻き取りおよび繰り出しのいずれかを行う際に、シャッター開閉体102を巻取・繰出する中心軸であるシャフト103に嵌着されて、シャフト103に対して回転自在に設けられた少なくとも2つのプーリ104と、少なくとも2つのプーリ104の回転を互いに追随および同期させるように、少なくとも2つのプーリ104間に掛け渡された少なくとも1本のリンク棒105と、プーリ104がシャフト103の軸方向へ摺動するのを阻止するようにシャフト103に固定されたストッパー106と、ストッパー106とプーリ104との間のシャフト103の表面に設けられたプーリ摺動領域103aとを備えている。リンク棒105は、互いに摺動可能な内筒と外筒を備えた筒状になっており、長手方向へ伸縮可能に形成されたリンク棒であり、内筒と外筒とが互いに摺動するスライド機構を備えている。
また、ストッパー106は、シャフト103に嵌着されたストッパーであり、このストッパー106と同軸で設けられてシャフト方向の荷重を支持するスラスト耐荷重機構を備え、スラスト耐荷重機構は、スラストベアリングを備えている。
プーリ103の中心に設けられた中心軸孔とシャフト周縁とを覆ったグリスカップ114と、グリスカップ内に充填されたグリスとを備え、プーリ104とシャフト103との摩擦を軽減するように設けられたグリスカップ構造を備えている。
このように、ストッパーとプーリとの間にプーリ摺動領域を設けることによって、従来、シャフトの一か所に集中していた摩耗を分散させて、破断を防止することができる。また、グリスが摺動領域に万遍なく刷り込まれるために摩耗をさらに低減することができる(特許文献1参照)。
特開2014−132138号公報
しかしながら、シャッター開閉体の巻き取り・繰り出し時にスラットのずれによってシャッター開閉体とシャッターケースブラケットとの間に接触が発生し、シャッターケースが摩耗することがあった。
本願発明は、スラットのずれによって生じるシャッターケースの摩耗を防止するシャッター装置及び摩耗防止装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、スラットを巻き取るシャッター軸を支えるシャッターケースブラケットの摩耗を防止する摩耗防止装置であって、前記シャッターケースブラケットに固定された第1の板状部材と、中心を前記シャッター軸が通り、横ずれした前記スラットを支える第2の板状部材と、前記第2の板状部材を前記第1の板状部材に対して回転可能に支持する第1のベアリングと、を備えた摩耗防止装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の摩耗防止装置において、前記第1の板状部材に対して押圧力を与える前記第2の板状部材を回転可能に支持する第2のベアリングを更に備えている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の摩耗防止装置において、前記第1の板状部材及び前記第2の板状部材が、それぞれ2分割されており、2分割された前記第1の板状部材及び2分割された前記第2の板状部材は、それぞれ少なくとも一方が開閉可能に構成された留め具により一体的に形成される。
請求項4に記載の発明は、スラットと、前記スラットを巻き取るシャッター軸と、前記シャッター軸を支えるシャッターケースブラケットと、前記シャッターケースブラケットに固定された第1の板状部材と、中心を前記シャッター軸が通り、横ずれした前記スラットを支える第2の板状部材と、前記第2の板状部材を前記第1の板状部材に対して回転可能に支持するベアリングと、を備えたシャッター装置である。
本発明によれば、スラットのずれによって生じるシャッターケースの摩耗を防止するシャッター装置及び摩耗防止装置を提供できる。
本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の概略図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA―A´線に沿った断面図、(c)は(a)に示すB部の拡大図である。 本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の概略を示し、(a)は図1の(b)に示す断面図の部分詳細図、(b)は(a)に示すスラストベアリングの正面図である。 本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の周辺部を示し、(a)はシャッター装置の全体断面図、(b)は(a)に示すC部の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の動作を示し、(a)は初期状態を示す説明図、(b)はシャッターズレした状態でのシャッター摩耗防止装置の作用を示す説明図である。 従来の実施形態に係るシャッター装置の動作を示し、(a)はシャッター装置の初期状態を示す説明図、(b)はシャッターズレした状態でのシャッター装置を示す説明図である。 従来の実施形態を示す概略図であり、(a)はシャッター巻取繰出装置の全体図、(b)は(a)に示すD部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の概略図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA―A´線に沿った断面図、(c)は(a)に示すB部の拡大図である。
図2は、本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の概略を示し、(a)は図1の(b)に示す断面図の部分詳細図、(b)は(a)に示すスラストベアリングの正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の周辺部を示し、(a)はシャッター装置の全体断面図、(b)は(a)に示すC部の拡大断面図である。
図1の(a)(b)(c)、図2の(a)(b)、および図3の(a)(b)に示すように、シャッターケース摩耗防止装置1は、シャッター開閉体2の巻取・繰出時に横ずれするスラット2aと、このスラット2aを巻き取るシャッター軸3と、シャッター軸3の荷重を支持するシャッターケースブラケット10と、を備えたシャッター装置に設けられ、スラット2aとシャッターケースブラケット10との間に介在させて、シャッターケースブラケット10の摩耗を防止する。
そして、シャッターケース摩耗防止装置1は、中心に第1の軸孔1aaを有する第1の板状部材1aと、同様に中心に第2の軸孔1baを有する第2の板状部材1bと、第1の板状部材1aに設けられた少なくとも3個の球状ベアリング1abとを備え、第1の軸孔1aaと第2の軸孔1baはシャッター軸3に挿通されており、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとは、球状ベアリング1abを介して互いに転動する。
なお、球状ベアリング1abは5個備えるとさらにバランスが良い。
また、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとの間には、シャッター軸3に挿通され、第1の板状部材1aが負荷する第2の板状部材1bからの押圧力を回転自在に支持するスラストベアリング1cを備えている。
また、第1の板状部材1aはシャッターケースブラケット10に固定され、第2の板状部材1bは第1の板状部材1aに対して転動可能に設けられている。
また、第1の板状部材1aおよび第2の板状部材1bはそれぞれ円状部材であり、それぞれ2分割されており、2分割された第1の板状部材1aおよび2分割された第2の板状部材1bは半円状部材1ac、1ad、1bc、1bdから構成されている。そして半円状部材から構成される円状部材のそれぞれ少なくとも一方が開閉可能に構成された留め具1aca、1acb、1bca、1bcbにより一体的に形成される。固定部材1dは、第1の板状部材1aの表面にねじ止めでも構わないが溶接などの手段で固定されている。この固定部材1dをシャッターケースブラケット10にねじ止めでも構わないが溶接などの手段で固定する。
また、球状ベアリング1abは玉1bbをホルダー1abaで保持し第1の板状部材1aにねじ穴1abcを用いてねじ止めしている。溶接でも構わない。
これによって、スラット2aの横ズレを第2の板状部材1bで支えることが可能となり、シャッター開閉体2自体がシャッターケースブラケット10に当接することがなく、シャッターケース12を保護することができる。
さらに、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとの間には、シャッター軸3に挿通され、第1の板状部材1bが負荷する第2の板状部材1bからの押圧力を回転自在に支持するスラストベアリング1cを備えることによって、スラット2aのズレを第2の板状部材1bで安定的に支えることが可能となり、シャッター開閉体2自体がシャッターケースブラケット10に当接することがなく、シャッターケース12を保護することができる。
また、第1の板状部材1aおよび第2の板状部材1bは、例えば、円盤状の第1の板状部材および第2の板状部材をそれぞれ2分割することによって、既存のシャッター装置を分解および組立することなくシャッターケース摩耗防止装置1をシャッター装置に取り付けることができる。
なお、第1の板状部材1aと第2の板状部材1bとの間には、シャッター軸3に挿通され、第1の板状部材1aが負荷する第2の板状部材1bからの押圧力を回転自在に支持するスラストベアリング1cは、第1の板状部材1aおよび第2の板状部材1bとは溶接などによって一体的に形成され、取り扱い容易なシャッターケース摩耗防止装置1とすることができる。
次に、本実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の動作を説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るシャッターケース摩耗防止装置の動作を示し、(a)は初期状態を示す説明図、(b)はシャッターズレした状態でのシャッター摩耗防止装置の作用を示す説明図である。
図5は、従来の実施形態に係るシャッター装置の動作を示し、(a)はシャッター装置の初期状態を示す説明図、(b)はシャッターズレした状態でのシャッター装置を示す説明図である。
図4の(a)に示すように、シャッター開閉体2がプーリ4に支持されると共にシャッター軸3に巻き取り・繰り出し可能に構成されている。シャッター軸3はシャッター軸支持部材10bによって支持されている。
また、図4の(b)に示すように、シャッター開閉体2は係止板13上を横すべりして横方向にズレが発生することがある。しかし、シャッター開閉体2はシャッターケース摩耗防止装置の第2の板状部材1bによって横方向の移動を阻止されると共に、第1の板状部材1aに設けられた球状ベアリング1abを介してシャッター開閉体2と共に回転する。これによって、シャッターケースブラケット10が摩耗することなく、シャッター開閉体2の巻き取り・繰り出しがスムーズに行われる。
以上、好ましい実施の形態を説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することの無い範囲内において適宜変更が可能なものである。例えば、本実施形態では摩耗防止装置に第1の板状部材と第2の板状部材を転動可能に支持するベアリングとして球状ベアリングを用いたがローラ状ベアリングでも構わない。さらに、低摩擦係数の樹脂材を用いても構わない。
また、第1の板状部材と第2の板状部材を接合させるために用いたスラストベアリングは玉を用いたものでも、ローラを用いたものでもその他のスラストベアリングでも構わない。
1 シャッターケース摩耗防止装置
1a 第1の板状部材、固定板
1aa 第1の軸孔
1ab 球状ベアリング
1b 第2の板状部材、回転板
1ba 第2の軸孔
1c スラストベアリング
1d 支持部材、固定部材
2 シャッター開閉体
2a スラット
3 シャッター軸
4 プーリ
5 リンク棒
6 ストッパ
7 スプリング
7a バネ端末固定具
9 ストッパーピン
10 シャッターケースブラケット
10b シャッター軸支持部材
12 シャッターケース
13 係止板
14 グリスカップ
15 マグサ
50 シャッター装置

Claims (4)

  1. スラットを巻き取るシャッター軸を支えるシャッターケースブラケットの摩耗を防止する摩耗防止装置であって、
    前記シャッターケースブラケットに固定された第1の板状部材と、
    中心を前記シャッター軸が通り、横ずれした前記スラットを支える第2の板状部材と、
    前記第2の板状部材を前記第1の板状部材に対して回転可能に支持する第1のベアリングと、を備えた摩耗防止装置。
  2. 請求項1記載の摩耗防止装置において、
    前記第1の板状部材に対して押圧力を与える前記第2の板状部材を回転可能に支持する第2のベアリングを更に備えた摩耗防止装置。
  3. 請求項1又は2記載の摩耗防止装置において、
    前記第1の板状部材及び前記第2の板状部材が、それぞれ2分割されており、
    2分割された前記第1の板状部材及び2分割された前記第2の板状部材は、それぞれ少なくとも一方が開閉可能に構成された留め具により一体的に形成される摩耗防止装置。
  4. スラットと、
    前記スラットを巻き取るシャッター軸と、
    前記シャッター軸を支えるシャッターケースブラケットと、
    前記シャッターケースブラケットに固定された第1の板状部材と、
    中心を前記シャッター軸が通り、横ずれした前記スラットを支える第2の板状部材と、
    前記第2の板状部材を前記第1の板状部材に対して回転可能に支持するベアリングと、を備えたシャッター装置。
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