JP6739329B2 - Hcvコア脂質結合ドメインモノクローナル抗体 - Google Patents

Hcvコア脂質結合ドメインモノクローナル抗体 Download PDF

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Description

本出願は、2013年3月14日に提出された米国仮特許出願第61/783,529号に対する優先権を主張するPCT特許出願として提出された。上記の出願の本文全体は、その全体を参照により本明細書に組み込む。
本開示は、HCVコアタンパク質に対する新規なモノクローナル抗体、ならびにHCV感染の検出のためのその使用のための方法および組成物に関する。
WHO統計値によると、世界中で170,000,000人もの人々が、肝臓のウイルス感染であるC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。HCVに感染した人の75から85%は、慢性感染に進行し、これらの症例のおよそ20%は、感染の20年後に肝硬変または肝細胞癌を含む慢性C型肝炎の合併症を発症する。HCV感染に現在推奨される処置は、インターフェロン薬物とリバビリン薬物との併用であるが、この処置は全ての症例で有効なわけではなく、C型肝炎関連の肝臓病の末期においては、肝臓移植が示される。現在、HCV感染を防ぐために利用できるワクチンは存在せず、したがって、感染を避けるあらゆる警戒が取られなければならない。
したがって、患者のケア、ならびに血液および血液製剤によるまたは密接な個人的接触によるC型肝炎ウイルス(HCV)の伝搬の予防は、感度の高い検出アッセイを用いた過度の用心を必要とする。このことは、HCVのキャリアおよびHCV汚染された血液もしくは血液製剤をスクリーニングして同定するための、特異的な方法を必要とする。HCV曝露の血清学的決定は、ヒト血漿または血清に存在するHCVの検出に依存する。これは、ウイルスによってコードされる明らかな構造タンパク質および非構造タンパク質の検出によって、達成され得る。
HCVウイルスは、フラビウイルス(Flaviviridae)科ヘパシウイルス(Hepacivirus)属における、(+)センス一本鎖エンベロープRNAウイルスである。このウイルスゲノムは、およそ10kb長であり、3011個のアミノ酸ポリタンパク質前駆体をコードする。HCVゲノムは、独特のポリタンパク質をコードする大きな1つのオープンリーディングフレーム(ORF)を有する。このポリタンパク質は、細胞性およびウイルス性のプロテアーゼによって、3つの構造タンパク質、すなわち、コアタンパク質、E1タンパク質、およびE2タンパク質、ならびに少なくとも6つの非構造タンパク質であるNS2タンパク質、NS3タンパク質、NS4Aタンパク質、NS4Bタンパク質、NS5Aタンパク質およびNS5Bタンパク質に、翻訳と同時におよび翻訳後に処理される。(Chooら、Science 244:359−362(1989))。
HCV曝露後に、ウイルスは、感受性の肝細胞に侵入し、ウイルス複製が起こる。およそ10日間の暗黒期の間、ウイルスは顕在化せず(すなわち、ウイルスRNAは検出できず)、血清トランスアミナーゼレベルは、正常値の範囲内であり、HCVに対する免疫反応の証拠は何ら存在しない(Buschら、Transfusion 40:143(2000))。代表的に、曝露の約10日間後に、HCV RNAは検出可能であり、しばしば、ウイルス負荷は、血清1ml当たり100,000−120,000,000のHCV RNAコピーである。典型的には、数週間後、ALTレベルにおける増加が観察され、これは、肝臓の炎症を示す。抗体は、曝露の平均約70日間後に検出される。
血清/血漿中の、HCVに対する抗体の検出によるまたはウイルス特異的分子(例えば、HCV RNAまたはHCVコアタンパク質)によるかのいずれかである、HCVに対する曝露についての血液のスクリーニングは、患者のケアの不可欠および重要な部分である。これらの試験によりHCVに曝露されていると同定されている個体に由来する血液または血液製剤は、血液供給から取り除かれ、血液製剤のレシピエントへの流通のために利用されない(米国特許第6,172,189号を参照されたい。)。これらの試験はまた、HCV感染に起因する肝臓病を診断するための臨床現場においても使用され得る。
血清学的抗体試験は、ウイルスポリタンパク質の選択された断片を表す組換え抗原または合成ペプチドの使用に依存する。第1世代抗HCVスクリーニング試験は、非構造NS−4タンパク質(C100−3)に位置する配列から生じた組換えタンパク質(HCV遺伝子型1a)に対する抗体の検出に基づいていた(Chooら、Science 244:359(1989);Kuoら、Science 244:362(1989))。第1世代アッセイは、慢性HCV感染を有する個体のおよそ10%および急性HCV感染を示す患者の10−30%までにおいて、抗体を検出し損なった。第2世代抗HCVアッセイは、HCVゲノム(HCV遺伝子型1a)の3つの異なる領域から組み込まれた組換えタンパク質を有する。これらの領域は、コアタンパク質、NS3タンパク質およびNS4タンパク質由来のアミノ酸配列を含み(Mimmsら、Lancet 336:1590(1990);Brestersら、Vox Sang 62:213(1992))、HCV感染した血液ドナーを同定することにおいて第1世代を凌ぐ顕著な改善を可能にした(Aachら、N Engl J Med 325:1325(1991);Kleinmanら、Transfusion 32:805(1992))。第2世代アッセイは、慢性HCV症例の100%近く(Hino K.、Intervirology 37:77(1994))および感染12週間後までの急性症例のほぼ100%(Alterら、N Engl J Med 327:1899(1992);Brestersら、Vox Sang 62:213(1992))において、抗体を検出する。第3世代試験は、NS5領域由来のアミノ酸配列ならびにコア、NS3およびNS4由来の抗原を発現する組換えタンパク質を含む。幾つかの研究は、第3世代試験と第2世代試験とを比較し、感受性におけるわずかな改善を示した(Leeら、Transfusion 35:845(1995);Courouceら Transfusion 34:790−795(1994))が、この改善は、主に、NS5タンパク質を含めるよりもむしろNS3タンパク質の変化に起因する(Courouceら、Lancet 343:853(1994))。
一般に、第2および第3世代のHCV抗体試験は、HCVに対する曝露の約70日後に曝露を検出する。HCVは、持続的な、そして多くの場合生涯にわたる感染を確立するので、HCVに対する抗体の検出は、HCVに対する曝露を決定するための非常に効率的な方法を表す。しかし、抗体試験のみでは、曝露後70日間以内のHCV感染固体を検出し損なうことが多い。
HCV抗原についての試験は、HCVに対する曝露を、抗体試験よりも有意に早く検出し、血清転換前の期間にHCVに対する曝露を検出するための核酸試験に対する代替法を表すことが、示唆されている。HCV抗原検出試験は、迅速であり、単純であり、試料抽出または他の前処理を必要としない場合があり、およびHCV RNA試験において起こり得る操作の誤り(例えば、汚染)を起こしにくい。したがって、HCVコア抗原試験は、血液ドナーをスクリーニングするためまたは抗ウイルス治療をモニタリングするための、HCV RNAに対する実際的な代替法を提示する。
既存のHCV抗原試験は、血清中または血漿中のHCVコア抗原の存在を検出することに依存する。HCVコアタンパク質は、ポリタンパク質の最初の191アミノ酸を含むHCVの構造タンパク質であり、ゲノムRNAにキャプシド形成する内部ウイルスコートを形成する。2つの異なる種類の血清学的アッセイが、開発されており、これらは、血清におけるHCVコア抗原の検出を可能にする。1つのアッセイ形式は、対象におけるHCVコア抗原を血清転換前に検出し、血液ドナーをスクリーニングする際に利用されており、他方で、他のアッセイ形式は、そのHCV抗体状態にかかわらずC型肝炎患者においてのみコア抗原を検出し、HCVに対する曝露を診断するために臨床研究室においてまたは抗体治療をモニタリングするために利用されている。現在利用可能なコア抗原検出アッセイは、全て、コアタンパク質のアミノ酸1−125に位置するHCVコアのDNA結合ドメインに対する抗体を使用する。コアタンパク質はまた、アミノ酸134−171の間に位置する脂質結合ドメインをも含有する。コアタンパク質のこの部分由来の抗原は現在までに記載されておらず、今まで、コア検出は、DNA結合ドメインに対する抗体を必要とすると考えられていた。
米国特許第6,172,189号明細書
Chooら、Science 244:359−362(1989) Buschら、Transfusion 40:143(2000) Kuoら、Science 244:362(1989) Mimmsら、Lancet 336:1590(1990) Brestersら、Vox Sang 62:213(1992) Aachら、N Engl J Med 325:1325(1991) Kleinmanら、Transfusion 32:805(1992) Hino K.、Intervirology 37:77(1994) Alterら、N Engl J Med 327:1899(1992) Leeら、Transfusion 35:845(1995) Courouceら Transfusion 34:790−795(1994) Courouceら、Lancet 343:853(1994)
したがって、HCVコア抗原を容易に検出し得る結合タンパク質は、患者におけるHCV曝露の検出の利用可能な方法を著しく改善する。したがって、スクリーニング試験において容易に利用され得る新規な抗体についての必要性が認識されている。
(発明の要旨)
本発明は、一般に、HCVコア抗原の脂質結合ドメインに特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体を対象とする。より具体的には、HCVコア抗原は、HCVのアミノ酸残基134−171である。より特定の実施形態において、抗体は、アミノ酸配列MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLEDGVNYATGNLPGによって形成される少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する。より詳細な実施形態において、抗体は、HCVコア抗原のアミノ酸141−161、134−154および151−171によって形成されるエピトープと免疫反応性である。
本発明の別の態様は、HCVコア抗原の脂質結合ドメインと特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体であって、図1Aに列挙される抗体からなる群より選択される重鎖可変ドメインおよび図1Bに列挙される抗体からなる群より選択される軽鎖可変ドメインを有するモノクローナル抗体を提供する。
本明細書に記載の抗体のいずれかは、イムノアッセイ試薬として調製され得、特に、このような試薬は、好ましくは、検出可能標識によって標識されることが企図される。
なお他の実施形態において、本発明のイムノアッセイ試薬は、固相に結合している本明細書で開示される抗体の1つ以上を含む。
本発明の抗体を含むイムノアッセイ試薬は、HCV抗原に対するさらなる抗体をさらに含み得る。例えば、このようなさらなる抗体は、さらなる抗コア抗体である。
本発明のさらなる態様は、試験試料中のHCVの検出のためのイムノアッセイであって、
(i)HCVを含有すると疑われる試験試料を、HCVコア抗原を指向する第1の抗体と接触させて、前記第1の抗体と前記試験試料中に位置する抗原との間の複合体を形成する工程、
(ii)工程(i)において形成された前記複合体を、請求項1から6のいずれかに記載の抗体と接触させ、請求項1から6のいずれかに記載の抗体と工程(i)において形成された複合体中の抗原との間の複合体を形成する工程であって、請求項1から6のいずれかに記載の抗体は検出可能に標識されている工程、および
(Iii)工程(ii)において形成された複合体の標識を検出する工程
を含むイムノアッセイを対象とする。
より詳細な実施形態において、イムノアッセイは、第1の抗体がHCVコア抗原のDNA結合ドメインを指向することをさらに特徴とし得る。より特定の実施形態において、工程(ii)で使用される抗体は、蛍光標識によって標識されている。例示的な実施形態において、標識は、アクリジニウムである。
いくつかの実施形態において、イムノアッセイは、工程(i)の抗体が固相上にコーティングされているイムノアッセイである。特に好ましい実施形態において、工程(i)の抗体は、工程(ii)の抗体とは異なる抗体を含む。あるいは、イムノアッセイは、工程(i)の抗体が工程(ii)の抗体と同じ抗体を含むイムノアッセイである。
本発明のイムノアッセイのいずれかは、患者から得られた試験試料において使用され得、この方法は、患者の診断または予後診断を補助する工程、または患者の治療/予防処置の有効性を評価する工程をさらに含み、方法が患者の治療/予防処置の有効性を評価する工程をさらに含む場合、方法は、有効性を改善する必要があれば患者の治療/予防処置を改変する工程を場合によってさらに含む。
本明細書でさらに詳細に記載されるように、本発明のイムノアッセイのいずれかは、自動化システムまたは半自動化システムにおける使用のために容易に適合され得ることが、当業者によって理解される。
本発明の好ましい抗体の重鎖可変ドメインを示す図である。 本発明の好ましい抗体の重鎖可変ドメインを示す図である。 本発明の好ましい抗体の軽鎖可変ドメインを示す図である。 本発明の好ましい抗体の軽鎖可変ドメインを示す図である。 図1Aのアラインメントから派生したクラスタリング図の2つの表現を示す図である。
本発明は、C型肝炎ウイルスコア抗原、詳細には、コア抗原のアミノ酸134−171の間の脂質結合ドメインを指向するモノクローナル抗体の開発を記載する。使用した免疫源は、合成ペプチドであり、ハイブリドーマのスクリーニングは、免疫源ペプチドと134−171領域内の3つの重複するより小さいペプチドのセットとの両方を利用した。さらに、アミノ酸1−169を表す組換えコア抗原を、HCVコアタンパク質と反応性であると同定されたモノクローナル抗体の効力を決定するためのスクリーニングのために使用した。抗体は、抗原、免疫源ペプチドおよび免疫源を含むより小さい重複するペプチドに対する、これらの反応性によって描写される。免疫源ペプチドに対する抗体の結合反応速度論を、BIAcore 4000装置を用いたSPR(表面プラスモン共鳴)によって決定した。組換えコア抗原に対する免疫反応性を、標準的ELISAによって決定した。
さらに、本発明のモノクローナル抗体が、コア抗原の存在を分析する際に有用であることを示すために、コア抗原捕捉マイクロタイタープレートアッセイを、HCVコアのDNA結合ドメイン内のエピトープを指向するモノクローナル抗体(例えば、アミノ酸1−125)を捕捉試薬として、本発明の134−171指向抗体を検出試薬として用いて実施した。これらのアッセイは、本発明の134−171指向抗体の、HCVコア抗原検出イムノアッセイのための有用性を実証する結果を出した。これは、HCVコアの2つの主要ドメインを捕捉および検出のために独立して標識する抗原捕捉アッセイの最初の実証である。以前に報告されたコア抗原検出アッセイは、DNA結合ドメインの範囲内(例えば、アミノ酸1−125)のエピトープに結合する抗体を使用する。
本発明の抗体を産生するため、BSAに連結したアミノ酸134−171からのHCVコア遺伝子型1コンセンサス配列からなる合成ペプチドによってマウスを免疫化した。より具体的には、免疫源は、以下の配列を有した:
Figure 0006739329
さらに、3つの特異的なN末端ビオチン化エピトープ領域に対するモノクローナル抗体の結合もまた、性質決定され、実施例においてさらに議論される。具体的には、3つの重複するエピトープは、上記の領域に由来し、以下の配列を有した:
Figure 0006739329
免疫源を、BSAにコンジュゲートし、抗体を産生した。別の実施形態において、免疫源を、TTおよび原線維にコンジュゲートした。TT配列は、マウスにおいてより強力な免疫反応を提供するために、しばしば使用される。TTコンジュゲートの配列は、以下であった:
Figure 0006739329
原線維コンジュゲートの配列は、以下であった:
Figure 0006739329
Bリンパ球を、骨髄腫融合パートナーと融合し、ハイブリドーマを作製して、これを、免疫源ペプチド、免疫源ペプチド配列内の3つの重複するペプチドおよび組換えHCVコア抗原に対する反応性について、スクリーニングした。Biacore 4000を用いる反応速度論プロファイリングは、抗体のクラスターの同定を可能にした。ここで、クラスターは、免疫源ペプチドまたは重複する134−171領域のより短いペプチドに対して結合するその能力によって規定される。これらの結果を、ELISAによって決定される組換え抗原に対する免疫反応性またはその欠如と組み合わせ、類似の特徴(特異性)を有すグループへの抗体のさらなる描写を可能にした。
実施例においてより詳細に議論されるスクリーニング結果を簡潔にまとめると、最も大きな免疫反応は、BSAに連結したペプチドによって免疫化されたマウスにおいて見られた。さらに、これらのマウスからの応答は、主として141−161領域に集中したが、アミノ酸134−154領域および151−171領域に対するある程度の応答もまた存在した。TTに連結したHCVペプチドにより、免疫反応が見られたが、この応答は、BSAによるものほど強くなかった。この応答は、全ての3エピトープ領域にわたって広がっていた。他方で、原線維ネットワークを形成するペプチドに連結したアミノ酸134−171ペプチドを用いて免疫化したマウスは、有意な免疫反応を示さなかった。本発明の抗体は、図1Aおよび1B、ならびに実施例においてより詳細に記載される。
これらの研究のために使用されるHCVコア抗原を、イー・コリ(E.coli)において発現させ、以前に公開された方法(Boulantら、J.Virol.(2005)、79(17):11353−11365)に基づく、IMACを用いた後に逆相HPLCを用いる2工程プロセスにおいて精製した。
この様式で、HCVコアの脂質結合ドメインに特異的な相当たくさんのモノクローナル抗体を産生した。これらのモノクローナル抗体は、感染固体の血清および血漿におけるHCVコア抗原の検出のための診断アッセイの開発において、有用性を有する。本発明の前に、HCV全長コアペプチドに対する結合活性を示したコアアミノ酸134−171領域内の複数のエピトープに対するモノクローナル抗体の生成は、何ら報告されていなかった。本発明のモノクローナル抗体を利用することは、HCVコア抗原の2つの主要なドメインが標的化される、コア抗原検出のためのイムノアッセイの開発を可能にする。以前のコア抗原アッセイは、アミノ酸1−125(核酸結合ドメイン)内のエピトープを指向するモノクローナル抗体の使用を記載した。以前に記載されたモノクローナル抗体は、HCVコアの核酸結合ドメインを標的することしかできないので、これらは、最善でも、コアタンパク質断片、崩壊産物、または内部翻訳開始により生じるより小さなコアタンパク質の検出において、非効率的およびしばしば無効であった。本発明は、試験試料中に存在するHCVコアをより効率的および迅速に検出するための試薬として使用可能である特異的モノクローナル抗体を提供することにより、以前のアッセイにおけるこれらの欠点を初めて克服した。
特に、本明細書に記載の抗体は、HCVコア抗原を検出のために有用な試薬であり、HCVの生活環の調査を容易にするために有用な試薬である。上述のように、HCVにコードされたタンパク質は、リボソームが内部リボソーム侵入部位(IRES)に結合し、翻訳を開始し、ウイルスポリタンパク質の合成をもたらし、このポリタンパク質は開裂して古典的HCVタンパク質であるp21コア、E1、E2、p7および非構造タンパク質を産生する、協奏的なプロセスにおいて発現される。ウイルスポリメラーゼを含むあらゆるウイルス酵素は、コア遺伝子領域における翻訳の開始なしには作製できない。この一時的な関係性ゆえに、この領域における翻訳事象は、全てのHCVタンパク質の発現を制御すると考えられている。したがって、コア遺伝子およびその遺伝子産物の完全な理解が、ウイルスの生活環の理解に必須であり、ウイルス病原性のメカニズムに対する我々の理解に光を投げかけ得る。近年、ミニコアと呼ばれる保存的ウイルスタンパク質の新規なファミリーが、記載されている(Engら、J Virol.2009年4月;83(7):3104−3114)。これらのタンパク質は、コア遺伝子と同じリーディングフレーム内でコードされるが、全長コアタンパク質の翻訳後プロセシングよりもむしろ内部翻訳開始事象に由来すると考えられる。記載されるミニコアタンパク質の1つは、「91ミニコア」と呼ばれ、コア内の推定開始コドンから名付けられる。「134ミニコア」もまた存在し、多くのHCV単離物におけるメチオニンをコードするコドン134における翻訳開始に由来するとの仮説が立てられる。しかし、本質的に脂質結合ドメインに由来するミニコアの検出を可能にする試薬は、利用可能ではない。このようなタンパク質は、HCV持続性において重要な役割を果たし得る。
モノクローナル抗体は、HCVコア134−171に由来する直鎖状の合成ペプチドに対して惹起されるので、これらが、感染した個体に存在するHCVコアのネイティブの完全なコア抗原またはプロセシング形態に結合するか否かは未知である。しかし、本発明のモノクローナル抗体は、アミノ酸134−171からの直鎖状HCVコア領域によって呈示される少なくとも1つ以上のエピトープに結合することができるので、このような結合は、これらのモノクローナル抗体をHCV検出アッセイにおいて著しく有用であるようにするために充分である。本発明のモノクローナル抗体のいくつかは、組換えコア抗原と反応し、それ以外はこれと反応しない。このことは、コアアミノ酸134−171領域内に、直鎖状エピトープと高次構造エピトープとの両方が存在することを示唆する。直鎖状エピトープまたは高次構造エピトープのいずれかを認識する抗体は、概して、感染細胞内のウイルスアセンブリおよびウイルス生活環の研究のために非常に有用なツールである。
最後に、これらの試薬はまた、脂質結合ドメインのみの存在を決定することが所望されるイムノアッセイにおいても使用され得る。感染固体におけるミニコアの循環レベルに関してわずかしか分かっていないので、これらは、アミノ酸1−125の領域を含有するコアタンパク質よりもずっと高いレベルで存在する。アミノ酸1−125の領域外のHCVコアペプチドを検出する抗体を提供することで、本発明は、これらの現在利用可能なアッセイよりもずっと感度の高いHCVコア抗原検出アッセイを提供する。
(定義)
本明細書で使用される場合、抗体、タンパク質またはペプチドと二次化学種との相互作用に関する用語「特異的結合」または「特異的に結合すること」は、この相互作用が、化学種における特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存すること、例えば、抗体が、タンパク質を全体的に認識し結合するよりもむしろ、特異的タンパク質構造を認識し結合することを意味する。抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、標識「A」を含有する反応物中のエピトープAを含有する分子(または遊離の未標識A)の存在は、抗体に結合する標識A量を低下させる。
用語「抗体」は、本明細書で使用される場合、広範に、2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖である4つのポリペプチド鎖からなる任意の免疫グロブリン(Ig)分子、またはIg分子の必須エピトープ結合特性を保持したその任意の機能的断片、変異体、バリアントまたは派生物をいう。このような変異体抗体、バリアント抗体、または誘導体抗体の形式は、当該分野で公知である。その非限定実施形態が、以下で議論される。
全長抗体において、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書でHCVRまたはVHと略される。)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CHL、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書でLCVRまたはVLと略される。)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存的な領域が散在する相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分化され得る。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのFRからなり、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端へ以下の順番で並んでいる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。免疫グロブリン分子は、任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであってもよい。
用語「Fc領域」は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を規定するために使用され、免疫グロブリン重鎖は、インタクトな抗体のパパイン消化によって生成され得る。Fc領域は、ネイティブ配列Fc領域であっても、バリアントFc領域であってもよい。免疫グロブリンのFc領域は、一般に、2つの定常ドメインであるCH2ドメインおよびCH3ドメイン、および場合によってCH4ドメインを含む。抗体エフェクター機能を変えるためのFc部分におけるアミノ酸残基の置き換えは、当該分野で公知である(Winterら 米国特許第5,648,260号および同第5,624,821号)。抗体のFc部分は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、サイトカイン誘導、ADCC、食作用、補体依存性細胞毒性(CDC)、ならびに抗体および抗原−抗体複合体の半減期/クリアランス速度を媒介する。いくつかの場合、これらのエフェクター機能は治療抗体に望ましいが、他の場合、治療目的に依存して、不必要であるまたは有害ですらあり得る。特定のヒトIgGイソ型、特にIgG1およびIgG3は、それぞれFcγR5および補体Clqへの結合を介して、ADCCおよびCDCを媒介する。新生児Fcレセプター(FcRn)は、抗体の循環半減期を決定する重要な構成要素である。少なくとも1つのアミノ酸残基が、抗体の定常領域、例えば抗体のFc領域において置き換えられ、抗体のエフェクター機能が改変される。免疫グロブリンの2つの同一の重鎖の二量体化は、CH3ドメインの二量体化によって媒介され、ヒンジ領域内のジスルフィド結合によって安定化される(Huberら Nature;264:415−20;Thiesら 1999 J Mol Biol; 293:67−79。)。重鎖−重鎖ジスルフィド結合を妨げるヒンジ領域内のシステイン残基の突然変異は、CH3ドメインの二量体化を不安定化させる。CH3二量体化を担う残基は、同定されている(Dall’Acqua 1998 Biochemistry 37:9266−73)。したがって、一価の半Igを生成することが、可能である。興味深いことに、これらの一価の半Ig分子は、IgGおよびIgAサブクラスの両方について、天然で見出されている(Seligman 1978 Ann Immunol 129:855−70;Biewengaら 1983 Clin Exp Immunol 51:395−400)。FcRn:Ig Fc領域の化学量論は、2:1であると決定されており(Westら 2000 Biochemistry 39:9698−708)、半Fcは、FcRn結合を媒介するために充分である(Kimら 1994 Eur J Immunol;24:542−548。)。CH3ドメインの二量体化を破壊する突然変異は、CH3二量体化のために重要な残基がCH3 bシート構造の内側境界上に位置している一方で、FcRn結合を担う領域はCH2−CH3ドメインの外側境界上に位置しているため、FcRn結合に対してより大きな悪影響を有さなくてもよい。しかし、半Ig分子は、通常抗体の大きさよりもより小さい大きさに起因して、組織浸透において特定の利点を有し得る。少なくとも1つのアミノ酸残基は、本発明の結合タンパク質の定常領域、例えばFc領域において置き換えられ得、重鎖の二量体化が破壊されて、半DVD Ig分子をもたらす。IgGの抗炎症活性は、IgG Fc断片のN連結グリカンのシアリル化に完全に依存する。抗炎症活性のための正確なグリカン必要条件が決定され、それにより、適切なIgG1 Fc断片が作製されることによって大きく増大された効力を有する完全組換えシアリル化IgG1 Fcを生成し得る(Anthony,R.M.ら(2008)Science 320:373−376)。
抗体の「抗原結合部分」という用語(または単純に「抗体部分」)は、本書中で使用される場合、抗原に対して特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片をいう。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体の断片によって実施され得ることが示されている。このような抗体実施形態はまた、二特異的、二重特異的、または多特異的形式であってもよく、具体的には、2種以上の異なる抗原に結合する形式であってもよい。抗体の「抗原結合部分」という用語内に含まれる結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結する2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab’)断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の1本の腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片;(v)1つの可変ドメインを含むdAb断片(Wardら、(1989)Nature 341:544−546、Winterら、PCT公開WO90/05144A1、参照により本明細書に組み込む。);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは別個の遺伝子によってコードされているが、これらは、組換え方法を用いて、これらを1つのタンパク質鎖として作製することができる合成リンカーによって合わせられ得、このタンパク質鎖において、VLおよびVH領域の対は、一価の分子を形成する(単鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Birdら(1988)Science 242:423−426;およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照されたい。)。このような単鎖抗体はまた、抗体の「抗原結合部分」という用語の範囲内に含まれることが企図される。単鎖抗体の他の形態、例えばダイアボディもまた含まれる。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが1つのポリペプチド鎖において発現されるが、同じ鎖において2つのドメインの間を対合するためには短すぎるリンカーを使用するため、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合するように強いて2つの抗原結合部位を作る、二価の二特異性抗体である。(例えば、Holliger P.ら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448;Poljak R.J.ら(1994)Structure 2:1121−1123を参照されたい。)このような抗体結合部分は、当該分野で公知である。(例えば、KontermannおよびDubel編、Antibody Engineering(2001)Springer−Verlag.New York.790 pp.(ISBN 3−540−41354−5)を参照されたい。)さらに、単鎖抗体はまた、直列したFvセグメントの一対(VH−−CH1−VH−−CH1)を含む「直鎖抗体」をも含み、これは、相補的軽鎖ポリペプチドと一緒になって、一対の抗原結合領域を形成する(Zapataら、Protein Eng.8(10):1057−1062(1995);および米国特許第5,641,870号)。
用語「多価結合タンパク質」は、本明細書を通して、2つ以上の抗原結合部位を含む結合タンパク質を述べるために使用される。一態様において、多価結合タンパク質は、3つ以上の抗原結合部位を有するように操作され、一般に、天然に存在する抗体ではない。二重可変ドメイン(DVD)結合タンパク質は、2つ以上の抗原結合部位を含み、四価または多価の結合タンパク質である。DVDは、本書中で記載される場合、一特異的である、すなわち、HCVコアタンパク質などの1つの抗原に結合可能である、または多特異的、すなわち、2種以上の抗原に結合可能である。2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドを含むDVD結合タンパク質は、DVD−Igと呼ばれ、例えば、米国特許第7,612,181号に記載される。この開示は、参照により本明細書に組み込む。DVD−Igの各半分は、重鎖DVDポリペプチドおよび軽鎖DVDポリペプチド、および2つの抗原結合部位を含む。各結合部位は、1つの抗原結合部位につき抗原結合に全部で6つのCDRが関与する重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む。
結合タンパク質の「機能的抗原結合部位」は、標的抗原に結合可能である部位である。抗原結合部位の抗原結合親和性は、抗原結合部位が由来する親抗体ほど強い必要はないが、抗原に結合する能力は、抗原に結合する抗体を評価するための公知の種々の方法の任意の1つを用いて測定可能でなければならない。その上、本明細書の多価抗体の各抗原結合部位の抗原結合親和性は、定量的に同じである必要はない。
「免疫グロブリン定常ドメイン」は、重鎖または軽鎖定常ドメインをいう。ヒトIgG重鎖および軽鎖定常ドメインアミノ酸配列は、当該分野で公知である。
用語「モノクローナル抗体」または「mAb」は、本明細書で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団、すなわち、集団を構成する個々の抗体がわずかな量で存在し得る天然に存在し得る突然変異を除いて同一である集団から、得られる抗体をいう。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、1つの抗原を指向する。さらに、代表的には異なる決定基(エピトープ)を指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物と対照的に、各mAbは、抗原における1つの決定基を指向する。修飾語「モノクローナル」は、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするとは解釈されない。
用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むことが企図される。本開示のヒト抗体は、例えばCDR、特にCDR3において、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダム突然変異誘発もしくは部位特異的突然変異誘発、またはインビボの体細胞突然変異によって誘導された突然変異)を含み得る。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、別の哺乳動物種、例えばマウスの生殖系列に由来するCDRがヒトフレームワーク配列上にグラフトされている抗体を含むことは、意図されない。
用語「組換えヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、組換え手段によって調製されるか、発現されるか、作製されるかまたは単離される全てのヒト抗体、例えば、宿主細胞内にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現された抗体(以下の第II節Cにおいてさらに詳細に記載する。)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(Hoogenboom H.R.(1997)TIB Tech.15:62−70;Azzazy H.およびHighsmith W.E.(2002)Clin.Biochem.35:425−445;Gavilondo J.V.およびLarrick J.W.(2002)BioTechniques 29:128−145;Hoogenboom H.および Chames P.(2000)Immunology Today 21:371−378)、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてのトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(Taylor、L.D.ら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287−6295;Kellermann S−A.およびGreen L.L.(2002)Current Opinion in Biotechnology 13:593−597;Little M.ら(2000)Immunology Today 21:364−370を参照されたい。)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングを含む任意の他の手段により調製されるか、発現されるか、作製されるかもしくは単離される抗体を、含むことを企図する。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する。このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列についての動物トランスジェニックが使用される場合には、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され、その結果、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来するまたはこれに関連する配列がインビボのヒト抗体生殖系列レパートリーの中に天然に存在し得ない配列であるようになる。
「親和性成熟」抗体は、その1つ以上のCDRにおいて1つ以上の改変を有する抗体であって、この改変は、抗原についての抗体の親和性において、このような改変を有さない親抗体と比較して改善をもたらす抗体である。例示的な親和性成熟抗体は、標的抗原についてのナノモル濃度またはピコモル濃度ですらある親和性を有する。親和性成熟抗体は、当該分野で公知の手順によって産生される。Marksら BidlTechnology 10:779−783(1992)は、VHおよびVLドメインシャフリングによる親和性成熟を記載する。CDRおよび/またはフレームワーク残基のランダム突然変異誘発は、以下によって記載される:Barbasら Proc Nat.Acad.Sci,USA 91:3809−3813(1994);Schierら Gene 169:147−155(1995);Yeltonら J.Immunol.155:1994−2004(1995);Jacksonら、J.Immunol.154(7):3310−9(1995);Hawkinsら、J.Mol.Biol.226:889−896(1992)、ならびに活性増大アミノ酸残基による選択的突然変異位置、接触または超変異位置における選択的突然変異は、米国特許第6,914,128 B1号に記載される。
用語「キメラ抗体」は、1つの種由来の重鎖および軽鎖可変領域配列および別の種由来の定常領域配列を含む抗体、例えば、ヒト定常領域に連結したマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体をいう。
用語「CDRグラフト抗体」は、1つの種由来の重鎖および軽鎖可変領域を含むが、VHおよび/またはVLの1つ以上のCDR領域の配列が、別の種のCDR配列と置き換わっている抗体、例えば、1つ以上のマウスCDR(例えば、CDR3)がヒトCDR配列と置き換わっているマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体をいう。
用語「ヒト化抗体」は、非ヒト種(例えば、マウス)由来の重鎖および軽鎖可変領域配列を含むが、VHおよび/またはVL配列の少なくとも一部が、より「ヒト様」に、すなわち、よりヒト生殖系列可変配列に類似するように改変されている抗体をいう。ヒト化抗体の1つの型は、ヒトCDR配列が非ヒトVHおよびVL配列に導入されて、対応する非ヒトCDR配列と置き換わっている、CDRグラフト抗体である。また、「ヒト化抗体」は、目的の抗原に免疫特異的に結合し、実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域および実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む、抗体またはそのバリアント、誘導体、アナログもしくは断片である。本明細書で使用される場合、CDRの文脈における用語「実質的に」は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列に対し少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRをいう。ヒト化抗体は、少なくとも1つの、代表的には2つの、可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的に全てを含み、ここで、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。1つの態様において、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖および重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有する。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメインおよび/またはヒト化重鎖のみを含有する。
用語「Kabat番号付け」、「Kabat定義」および「Kabatラベリング」は、相互交換可能に使用される。当該分野で認識されるこれらの用語は、抗体またはその抗原結合部分の重鎖および軽鎖可変領域における他のアミノ酸残基よりも可変(すなわち、超可変)であるアミノ酸残基の番号付けのシステムをいう(Kabatら (1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382−391およびKabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91−3242)。重鎖可変領域について、超可変領域は、CDR1についてアミノ酸位置31から35、CDR2についてアミノ酸位置50から65、およびCDR3についてアミノ酸位置95から102の範囲に及ぶ。軽鎖可変領域について、超可変領域は、CDR1についてアミノ酸位置24から34、CDR2についてアミノ酸位置50から56、およびCDR3についてアミノ酸位置89から97の範囲に及ぶ。
本明細書で使用される場合、用語「CDR」は、抗体可変配列内の相補性決定領域をいう。重鎖および軽鎖の可変領域各々において、3つのCDRが存在し、これらは、可変領域の各々について、CDR1、CDR2およびCDR3と名付けられる。用語「CDRセット」は、本明細書で使用される場合、抗原に結合可能である1つの可変領域に生じる3つのCDRの群をいう。これらのCDRの正確な境界は、異なるシステムに従って別個に規定されている。Kabatによって記載されるシステム(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md.(1987)および(1991))は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明確な残基番号付けシステムのみならず、3つのCDRを規定する正確な残基境界をも提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと呼ばれ得る。Chothiaおよび共同研究者ら(Chothia & Lesk、J.Mol.Biol.196:901−917(1987)およびChothiaら、Nature 342:877−883(1989))は、Kabat CDR内の特定の下位部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有することを除きほぼ同一なペプチド骨格構造を採用することを見出した。これらの下位部分は、L1、L2およびL3またはH1、H2およびH3と名付けられ、ここで、「L」および「H」は、それぞれ軽鎖領域および重鎖領域をいう。これらの領域は、Chothia CDRと呼ばれ、Kabat CDRと重複する境界を有する。Kabat CDRと重複する、CDRを規定する他の境界は、Padlan(FASEB J.9:133−139(1995))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732−45(1996))によって記載されている。なお他のCDR境界定義は、本明細書のシステムの1つに厳密に従わなくてもよいが、特定の残基もしくは残基の群またはCDE全体ですら抗原結合に有意に影響を与えないという予測または実験的知見の観点から、これらが短かろうと長かろうと、それでもなおKabat CDRと重複する。本明細書で使用される方法は、これらのシステムのいずれかに従って規定されるCDRを利用し得るが、特定の実施形態は、KabatまたはChothiaの規定したCDRを用いる。
本明細書で使用される場合、用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」は、CDRを除いた残りの可変領域の配列をいう。CDR配列の正確な規定は、異なるシステムによって決定され得るので、フレームワーク配列の意味は、それに対応して異なって解釈される。6つのCDR(軽鎖のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3、ならびに重鎖のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3)はまた、軽鎖および重鎖においてフレームワーク領域を各鎖4つの領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分け、ここで、CDR1はFR1とFR2との間に、CDR2はFR2とFR3と間に、およびCDR3はFR3とFR4との間に位置づけられる。特定の下位領域FR1、FR2、FR3またはFR4を特定することなく、別の言い方であるフレームワーク領域は、1つの天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内のFRを合わせて言い表す。本明細書で使用される場合、FRは、フレームワーク領域を構成する4つの下位領域のうちの1つの表し、FRsは、4つの下位領域の2つ以上を表す。本明細書で使用される場合、用語「生殖系列抗体遺伝子」または「遺伝子断片」は、遺伝子再編および特定の免疫グロブリンの発現についての突然変異をもたらす成熟プロセスが起こっていない非リンパ細胞によってコードされる免疫グロブリン配列をいう。(例えば、Shapiroら、Crit.Rev.Immunol.22(3):183−200(2002);Marchalonisら、Adv Exp Med.Biol.484:13−30(2001)を参照されたい。)。本開示の種々の実施形態によって提供される利点の1つは、生殖系列抗体遺伝子は、成熟抗体遺伝子よりも、種において個体の不可欠なアミノ酸配列構造特徴を保存する可能性が高いという認識に発し、したがって、この種において治療的に使用される場合、外来性供給源由来であると認識されにくい。
本明細書で使用される場合、用語「ヒト化抗体」は、目的の抗原に免疫特異的に結合し、実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を有するフレームワーク(FR)領域および実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む、抗体またはそのバリアント、誘導体、アナログもしくは断片である。本明細書で使用される場合、CDRの文脈における用語「実質的に」は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列に対し少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRをいう。ヒト化抗体は、少なくとも1つの、代表的には2つの、可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的に全てを含み、ここで、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である。好ましくは、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖および重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含む。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。詳細な実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメインおよび/またはヒト化重鎖のみを含有する。
本明細書で使用される場合、用語「中和」は、結合タンパク質が抗原に特異的に結合する際に、抗原の生物学的活性と反作用することをいう。1つの態様において、中和結合タンパク質は、サイトカインに結合し、その生物学的活性を、少なくとも約20%、40%、60%、80%、85%またはそれ以上低下させる。
用語「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞レセプターに特異的に結合可能である任意のポリペプチド決定基を含む。特定の実施形態において、エピトープ決定基としては、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニルなどの分子の化学的に活性な表面分類を含み、特定の実施形態において、特定の三次元構造特徴および/または特定の電荷特徴を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。特定の実施形態において、抗体は、その標的抗原をタンパク質および/または高分子の複合混合物中に認識した際に特異的に結合すると言われる。抗体は、抗体が交差競合する(あるものが、他のものの結合またはその効果の調節を妨げる。)場合、「同じエピトープに結合する」と言われる。加えて、エピトープの構造的定義(重複、類似、同一)は、情報価値があるが、機能的定義は、しばしば、これらが構造的(結合)および機能的(調節、競合)パラメータを包含するので、より妥当である。
用語「表面プラスモン共鳴」は、本明細書で使用される場合、例えば、BIAcore(登録商標)システム(BIAcore International AB、a GE Healthcare company、Uppsala、Sweden and Piscataway、N.J.)を用いるバイオセンサーマトリクス内のタンパク質濃度における変化の検出により、実時間生物特異的相互作用の分析を可能にする光学現象をいう。さらなる説明については、Jonsson Uら(1993)Ann.Biol.Clin.51:19−26;Jonsson U.ら(1991)Biotechniques 11:620−627;Johnsson,B.ら(1995)J.Mol.Recognit.8:125−131;およびJohnnson B.ら(1991)Anal.Biochem.198:268−277を参照されたい。
用語「Kon」は、本明細書で使用される場合、当該分野で公知のように、例えば、抗体/抗原複合体を形成する、結合タンパク質(例えば、抗体)の抗原に対する結合についてのオンレート定数を意図する。「Kon」はまた、用語「結合速度定数」または「ka」としても知られ、本明細書で相互交換可能に使用される。この値は、抗体の標的抗原に対する結合速度または抗体と抗原との間の複合体形成の速度を示す。
用語「Koff」は、本明細書で使用される場合、当該分野で公知のように、例えば、抗体/抗原複合体からの結合タンパク質(例えば、抗体)の解離についてのオフレート定数、または「解離速度定数」を意図する。この値は、抗体の標的抗原からの解離速度またはAb−Ag複合体の抗体と抗原とに遊離させる経時的な分離を示す。
用語「KD」は、本明細書で使用される場合、「平衡解離定数」をいうこと、および平衡における力価測定において得られた値、または結合速度定数(kon)によって解離速度定数(koff)を除算することにより得られた値をいうことを企図する。結合速度定数、解離速度定数および平衡解離定数は、抗原に対する抗体の結合親和性を表すために使用される。結合速度定数および解離速度定数を決定するための方法は、当該分野で周知である。蛍光ベースの技術を用いることは、平衡において生理学的緩衝液中で試料を試験するための、高い感度および能力を提供する。他の実験的アプローチおよびBIAcore(登録商標)(生物分子相互作用分析)アッセイなどの装置が、使用され得る(例えば、BIAcore International AB、a GE Healthcare company、Uppsala、Swedenから入手可能な装置)。さらに、Sapidyne Instruments(Boise、Id.)から入手可能であるKinExA(登録商標)(速度論除外アッセイ:Kinetic Exclusion Assay)アッセイもまた、使用され得る。
「標識」および「検出可能標識」は、抗体または分析物などの特異的結合パートナーに結合する部分を、例えば、抗体および分析物などの特異的結合対のメンバー間の反応を検出可能にすることを意味し、特異的結合パートナー、例えば、抗体または分析物が、標識されると「検出可能に標識された」といわれる。したがって、用語「標識結合タンパク質」は、本明細書で使用される場合、結合タンパク質の同定を提供する組み込まれた標識を有するタンパク質をいう。1つの態様において、標識は、視覚的にまたは装置手段によって、検出可能であるシグナルを生成し得る検出可能マーカーであり、例えば、放射性標識アミノ酸の組み込みまたは印をつけたアビジン(例えば、蛍光マーカーを含有するストレプトアビジンまたは光学的もしくは比色定量方法によって検出可能である酵素活性)によって検出可能であるビオチン化部分へのポリペプチドの結合である。ポリペプチドについての標識の例としては、放射性同位体または放射性核種(例えば、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoまたは153Sm);色素原、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド、リン)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ);化学発光マーカー;ビオチン化基;二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体についての結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ);およびガドリニウムキレートなどの磁性薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイのために一般的に使用される標識の代表的な例としては、光を発する部分、例えばアクリジニウム化合物および蛍光を発する部分、例えばフルオレセインが挙げられる。他の標識は、本明細書に記載されている。この点において、この部分自体は、検出可能でなくてもよいが、なお別の部分による反応の際に検出可能になってもよい。「検出可能標識」の使用は、後者の検出可能標識を含むことを意図する。
用語「コンジュゲート」は、治療剤または細胞毒性剤などの二次化学部分に化学的に連結した、抗体などの結合タンパク質をいう。用語「薬剤」は、化学化合物、化学化合物の混合物、生物学的高分子、または生物学的物質から作製された抽出物をいうために、本明細書で使用される。1つの態様において、治療剤または細胞毒性剤としては、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシンならびにこれらのアナログもしくはホモログが挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイの文脈で使用される場合、コンジュゲート抗体は、検出抗体として使用される検出可能標識抗体である。
用語「単離されたポリヌクレオチド」および「単離されたヌクレオチド分子」は、本明細書で相互交換可能に使用され、(例えば、ゲノム、cDNAもしくは合成起源、またはこれらのいくつかの組み合わせの)ポリヌクレオチドを意味し、これは、「単離されたポリヌクレオチド」または「単離されたヌクレオチド分子」が天然で見出されるポリヌクレオチドの全てもしくは一部を伴わない、または大型配列の一部として天然で存在しない。「単離されたポリヌクレオチド」または「単離されたヌクレオチド分子」は、天然で連結していないポリヌクレオチドに作動可能に連結され得る。
用語「調整する(regulate)」および「調節する(modulate)」は、本明細書で相互交換可能に使用され、目的の分子の活性(例えば、サイトカインの生物学的活性)における変化または改変をいう。調節は、目的の分子の特定の活性の大きさまたは機能を増大してもよく、または低減してもよい。分子の例示的な活性および機能としては、結合特徴、酵素活性、細胞レセプター活性化およびシグナル伝達が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、用語「調節因子」は、本明細書で使用される場合、目的の分子の活性または機能(例えば、サイトカインの生物学的活性)を変化または改変させることができる化合物である。例えば、調節因子は、調節因子の非存在下で観察される活性または機能の大きさと比較して、分子の特定の活性または機能の大きさの増大または低減を引き起こし得る。特定の実施形態において、調節因子は、インヒビターであり、これは、分子の少なくとも1つの活性または機能の大きさを低減する。例示的なインヒビターとしては、タンパク質、ペプチド、抗体、ペプチボディ、炭水化物または有機低分子が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチボディは、WO01/83525において記載されている。
「患者」および「対象」は、本明細書で相互交換可能に使用され、霊長類(例えば、ヒト、サルおよびチンパンジー)、非霊長類(例えば、雌ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウス、クジラ)を含む哺乳動物、鳥類(例えば、アヒルまたはガチョウ)ならびにサメなどの動物をいう。好ましくは、患者または対象はヒトであり、例えば、疾患、障害もしくは状態について処置されるまたは評価されているヒト、疾患、障害もしくは状態についてのリスクを有するヒト、疾患、障害もしくは状態を有するヒト、および/または、疾患、障害もしくは状態について処置されているヒトである。
用語「試料」は、本明細書で使用される場合、最も広い意味で使用される。「生物学的試料」としては、本明細書で使用される場合、生物または以前生物であったもの由来の、任意の量の物質が挙げられるが、これらに限定されない。このような生物としては、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ウサギおよび他の動物が挙げられるが、これらに限定されない。このような物質としては、血液、(例えば全血)、血漿、血清、尿、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、他の細胞、器官、組織、骨髄、リンパ節および脾臓が挙げられるが、これらに限定されない。
「構成要素(Component)」、「構成要素(components)」および「少なくとも1つの構成要素」は、一般に、捕捉抗体、検出もしくはコンジュゲート抗体、対照、キャリブレーター、一連のキャリブレーター、感度パネル、容器、緩衝液、希釈剤、塩、酵素、酵素の補因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、基質(例えば、溶液として)、停止溶液などをいい、これらは、本明細書に記載の方法および当該分野で公知の他の方法に従って、患者の尿、血清または血漿試料などの試験試料のアッセイのためのキット中に含められ得る。したがって、本開示の文脈において、「少なくとも1つの構成要素」、「構成要素(component)」および「構成要素(components)」は、ポリペプチドまたは上述の様な他の分析物、例えばポリペプチドなどの分析物を含む組成物を含み得、これは、抗分析物(例えば、抗ポリペプチド)抗体への結合などによって固体支持体上に場合によって固定化される。いくつかの構成要素は、溶液中であってもよく、またはアッセイにおける使用のための再構成のために凍結乾燥されてもよい。
「対照」は、分析物ではないことがわかっている組成物(「陰性対照」)または分析物を含有することがわかっている組成物(「陽性対照」)をいう。陽性対照は、既知の濃度の分析物を含み得る。「対照」、「陽性対照」および「キャリブレーター」は、本明細書で相互交換可能に使用され、既知の濃度の分析物を含む組成物をいう。「陽性対照」は、アッセイ性能特徴を確立するために使用され得、試薬(例えば、分析物)の強度の有用な指標である。
「所定のカットオフ」および「所定のレベル」は、一般に、評価するために使用されるアッセイカットオフ値をいい、これは、アッセイ結果を所定のカットオフ/レベルに対して比較することにより、診断/予後診断/治療効力結果を評価するために使用され、ここで、所定のカットオフ/レベルは、種々の臨床パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行/非進行/改善など)と事前に結びつけられているまたは関連付けられている。本開示は、例示的所定のレベルを提供し得るが、カットオフ値は、イムノアッセイの性質(例えば、使用する抗体など)に応じて変動し得ることは、周知である。さらに、本明細書の開示を他のイムノアッセイに適合させて、本開示に基づくこれらの他のイムノアッセイのためのイムノアッセイ特異的カットオフ値を得ることは、充分に当業者の技術範囲内である。所定のカットオフ/レベルの正確な値は、アッセイ間で変動し得るが、相関性(が存在する場合)は、一般的に適用可能であるはずである。
本明細書に記載の診断アッセイにおいて使用される「所定の試薬」、例えば、溶解試薬、沈殿試薬および/または可溶化試薬は、試験試料中に存在する任意の細胞を溶解させるか、および/または任意の分析物を可溶化させる。前処理は、本明細書でさらに記載されるように、全ての試料のために必要ではない。他の中でも、分析物(例えば、目的のポリペプチド)の可溶化は、試料中に存在する内在性結合タンパク質のいずれかに起因する分析物の放出を伴い得る。前処理試薬は、均一であってもよく(分離工程を必要としない。)、または不均一であってもよい(分離工程を必要とする。)。不均一な前処理試薬の使用により、アッセイの次の工程に進める前に、任意の沈殿した分析物結合タンパク質の、試験試料からの除去が存在する。
本明細書に記載のイムノアッセイおよびキットの文脈において、「品質管理試薬」としては、キャリブレーター、対照および感度パネルが挙げられる。「キャリブレーター」または「標準」は、代表的に、抗体または分析物などの分析物の濃度の補間のためのキャリブレーション(標準)曲線を確立するために、(例えば1以上、例えば多数)使用される。あるいは、所定の陽性/陰性カットオフに近い1つのキャリブレーターが、使用されてもよい。複数のキャリブレーター(すなわち、1を超えるキャリブレーターまたは変動量のキャリブレーター)は、「感度パネル」を含むように、組み合わせて使用されてもよい。
「リスク」は、特定の事象が現在存在している、または将来のいくつかの時点で生じる可能性または蓋然性をいう。「リスク層別化」は、特定の疾患、障害または状態を発症することの低、中程度、高および最高リスクに臨床医が患者の分類をすることを可能にする、一連の既知の臨床リスク因子をいう。
「特異的」および「特異性」は、特異的結合対(例えば、抗原(またはその断片)および抗体(またはその抗原反応性断片))のメンバー間の相互作用の文脈において、相互作用の選択された反応性をいう。語句「特異的に結合する」または同様の語句は、抗体(またはその抗原反応性断片)が分析物(またはその断片)に特異的に結合し、他の物質には特異的に結合しない能力をいう。
「特異的結合パートナー」は、特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的または物理的手段により互いに特異的に結合する、2つの異なる分子を含む。したがって、一般的イムノアッセイの抗原と抗体との特異的結合対に加え、他の特異的結合対として、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよびレセプター分子、補因子および酵素、酵素インヒビターおよび酵素などが挙げられ得る。さらに、特異的結合対としては、元の特異的結合メンバーの類似体であるメンバー、例えば、分析物アナログを含み得る。免疫反応特異的結合メンバーとしては、単離されたまたは組換えによって産生されたかを問わず、抗原、抗原断片および抗体が挙げられ、この抗体は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、ならびにその複合体、断片およびバリアント(バリアントの断片を含む)を含む。
モノクローナル抗体
図1Aおよび1Bは、HCVコア抗原に特異的であることが決定されている、より詳細には、HCVコア抗原の脂質結合ドメインに特異的であることが決定されている、種々の抗体の配列を示す。これらのモノクローナル抗体は、HCVコア抗原の脂質結合ドメインに対し特異的に免疫反応性であることが見出された。より具体的には、本発明の抗体は、以下のアミノ酸配列によって形成される少なくとも1つのエピトープに特異的に結合することが見出される:MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLEDGVNYATGNLPG。特に、モノクローナル抗体は、少なくとも、HCVコア抗原のアミノ酸141−161、134−154および151−171によって形成されるエピトープと免疫反応性である。これらのモノクローナル抗体の開示を考慮すると、本発明は、このような試験試料中のHCVコア抗原の存在を決定することにより、試験試料中のHCVの存在の迅速で効率的な検出を容易にする、特異的イムノアッセイにおけるその使用を企図する。
本明細書に記載のモノクローナル抗体(図1Aおよび1Bを参照されたい。)の重鎖および軽鎖のCDRを含むモノクローナル抗体およびその任意の誘導体(例えば、断片もしくはバリアント)をこのような誘導体がHCVコアタンパク質脂質結合ドメインに特異的に結合する特性を保持する限り含む、抗HCVコア結合タンパク質は、哺乳動物におけるC型肝炎ウイルス感染を診断するまたは予後診断するためのイムノアッセイにおいて、使用され得る。本開示を通じて使用されるように、「哺乳動物」は、ヒトおよび非ヒト霊長類、ならびに他の動物を含む。イムノアッセイおよび関連方法における標的分析物は、HCVコアタンパク質の脂質結合ドメインであり、したがって、標的分析物は、例えばHCV感染後の試料中に存在するHCVコアタンパク質であることが理解される。さらに、イムノアッセイは、少なくとも1つの分析物がHCVコアタンパク質であり、第2もしくは追加の標的分析物が別のコアタンパク質分析物(例えば、HCVコアタンパク質のDNA結合ドメイン)であるまたはHCVコアタンパク質ではない分析物であり得る場合、2以上の標的分析物を検出し得ることが、理解されるべきである。
抗HCVコアモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド(DNA)配列および推定タンパク質配列を、アミノ酸134−171からのHCVコア遺伝子型1コンセンサス配列および破傷風トキソイド(TT)ペプチド配列からなる合成ペプチドによって免疫化したマウスによって得た。いくつかの実施形態において、アミノ酸134−171配列を、BSAにコンジュゲートした。しかし、他の実施形態において、合成ペプチドを、当該分野で公知の方法によって、マウスにおいてより強力な免疫反応を提供するためにしばしば使用されるTT配列にもコンジュゲートした。この方法は、本明細書以下および例えば以下において、詳細に記載される:Goding J.W.1983.Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、Pladermic Press,Inc.、NY、N.Y.、56頁 97頁。簡潔にいうと、ヒト−ヒトハイブリドーマを産生するために、ヒトリンパ球ドナーが選択される。HCVに感染したとわかっているドナーは(感染が、例えば血液中の抗ウイルス抗体の存在によってまたはウイルス培養によって示されている場合)、好適なリンパ球ドナーとして貢献し得る。リンパ球は、末梢血試料から単離され得る、またはドナーが脾臓除去を受けた場合には脾臓細胞が使用され得る。エスプタイン−バーウイルス(EBV)が、ヒトリンパ球を固定化するために使用され、またはヒト融合パートナーが、ヒト−ヒトハイブリドーマを産生するために使用され得る。ペプチドによる初回インビトロ免疫化もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生において使用され得る。不死化細胞によって分泌される抗体がスクリーニングされ、所望の特異性の抗体を分泌するクローンを決定する。モノクローナル抗HCVコア抗体について、抗体は、HCVコアタンパク質に結合しなければならず、より詳細には、それぞれ、HCVコアタンパク質の脂質結合ドメインに結合しなければならない。所望の特異性の抗体を産生する細胞が、選択される。モノクローナル抗体を得るための当該分野で公知の他の方法が、使用され得る。以下の実施例は、いかにして抗HCVコアモノクローナル抗体が得られ、および細胞培養物中で成長したハイブリドーマ細胞からのmRNAの単離後に性質決定されるかを記載する。本発明の抗HCVコアモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可変領域の推定アミノ酸配列は、それぞれ図1Aおよび図1Bに挙げられる。
重鎖および軽鎖ドメインの推定アミノ酸配列に、配列番号を割り当て、これをコードする対応するcDNA配列を、付表AにおけるSequence Tableに示す。
Sequence Tableに示すcDNA配列は、本開示のcDNAの例示的な実施形態を表す。バリエーションが、ここで示されるcDNA配列において企図される。このようなバリエーションとしては、Sequence Tableで示される対応するタンパク質のアナログの産生を指向可能である核酸配列を生じるものが挙げられる。遺伝コードの縮重に起因して、対応するタンパク質またはそのアナログの産生を指向可能であり続けるDNA配列をもたらす多くのヌクレオチドの置換が行われ得ることが、理解される。本明細書に記載の配列のいずれかと機能的に等価であるこのようなバリアントDNA配列の全ては、本開示に含まれる。
本明細書に記載の任意の結合タンパク質(図1Aおよび1Bにおいて示される本発明のモノクローナル抗体によって例示される。)のバリアントは、アミノ酸の付加(例えば挿入)、欠失または保存的置換によりアミノ酸配列において所定のタンパク質(例えば、抗HCVコアモノクローナル抗体)とは異なるが、所定のタンパク質の生物学的活性を保持するタンパク質(またはポリペプチド)を意味する。アミノ酸の保存的置換、すなわち、類似の特性(例えば、親水性および電荷領域の程度および分布)を有する異なるアミノ酸によるアミノ酸の置き換えは、当該分野で、代表的にわずかな変化を含むと認識される。これらのわずかな変化は、当該分野で理解されるように、アミノ酸の疎水性インデックスを考慮することによって、部分的に同定され得る(例えば、Kyteら、J.Mol.Biol.157:105−132(1982)を参照されたい。)。アミノ酸の疎水性インデックスは、その疎水性および電荷の考慮に基づく。類似の疎水性インデックスのアミノ酸が置換され、なおタンパク質機能を保持することが、当該分野で公知である。1つの態様において、±2の疎水性インデックスを有するアミノ酸が、置換される。アミノ酸の親水性もまた、生物学的機能を保持するタンパク質を生じる置換を明らかにするために使用され得る。ペプチドの文脈において、アミノ酸の親水性の考慮は、このペプチドの最も高い局所平均親水性の計算を可能にし、抗原性および免疫原性と十分に相関すると報告されている有用な手段である(例えば、米国特許第4,554,101号を参照されたい。これは、参照により本明細書に組み込む。)。類似の親水性値を有するアミノ酸の置換は、当該分野で理解されるように、生物学的活性、例えば免疫原性を保持するペプチドを生じ得る。1つの態様において、置換は、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸によって行われる。アミノ酸の疎水性インデックスと親水性値との両方が、このアミノ酸の特定の側鎖によって影響される。この観察と一致して、生物学的機能と適合性であるアミノ酸置換は、疎水性、親水性、電荷、大きさおよび他の特性によって明らかになるように、アミノ酸、特にこれらのアミノ酸の側鎖の相対的類似性に依存すると理解される。「バリアント」はまた、タンパク分解、リン酸化または他の翻訳後修飾によって異なった処理をされているが、なおその生物学的活性または抗原反応性、例えば、IL−18に対する結合能力を保持するポリペプチドまたはその断片を記載するためにも使用され得る。文脈によって否定されない限り、本明細書で「バリアント」の使用は、バリアントの断片を含むことが企図される。
本発明の抗体またはこれらの抗体の抗原結合断片(例えば、本発明の抗体の重鎖および軽鎖CDRを含む断片)はまた、遺伝子操作によっても産生され得る。例えば、重鎖および軽鎖遺伝子の両方のイー・コリにおける発現のための技術は、PCT特許出願:公開番号WO901443、WO901443およびWO9014424、およびHuseら、1989 Science 246:1275 1281の主題である。本開示はまた、本書中で記載されている核酸分子を含む単離された組換えベクター、およびこのような組換えベクターを含む宿主細胞をも含む。ベクターは、連結されている別の核酸を輸送可能な構築物であり得る、核酸分子である。ベクターは、好ましいまたは必要な任意の操作エレメントを含んでもよい。好ましいベクターは、制限部位が記載されており、核酸配列の転写のために必要な操作エレメントを含有するものである。このような操作エレメントは、例えば、少なくとも1つの適切なプロモーター、少なくとも1つのオペレーター、少なくとも1つのリーダー配列、少なくとも1つの終止コドン、および核酸配列の適切な転写およびその後の翻訳のために必要であるかまたは好ましい任意の他のDNA配列を含む。このようなベクターは、少なくとも1つの選択可能マーカーと共に宿主生物によって認識される少なくとも1つの複製起点、および核酸配列の転写を開始し得る少なくとも1つのプロモーター配列を含む。ベクターは、さらなるDNAセグメントがライゲーションされ得るプラスミドであってもよい。ベクターは、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノム内にライゲーションされ得るウイルスベクターであってもよい。特定のベクターは、これらが導入された宿主細胞において自己複製可能である(例えば、細菌複製起源を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際に宿主細胞のゲノム内に組み込まれ得、それによって、宿主ゲノムと共に複製される。さらに、特定のベクターは、これらが作動可能に連結された遺伝子の発現を対象とすることができる。このようなベクターは、本明細書で「組換え発現ベクター」(または単に、「発現ベクター」)と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形態であるので、相互交換可能に使用され得る。しかし、本開示は、同等な機能を果たす他の形態の発現ベクター、例えばウイルスベクター(例えば、複製不全レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)を含むことを意図する。
作動可能に連結した配列は、その意図する様式においてそれらが機能することを可能にする関係性である。コード配列に作動可能に連結した制御配列は、制御配列と適合性である条件下でコード配列の発現が達成される様式で、ライゲーションされる。作動可能に連結した配列は、目的の遺伝子を制御するために、目的の遺伝子と連続する発現制御配列と、トランスでまたは離れて作動する発現制御配列との両方を含む。発現制御配列は、それらがライゲーションされているコード配列の発現およびプロセシングを果たすために必要なポリヌクレオチド配列である。発現制御配列は、適切な転写開始配列、終止配列、プロモーター配列およびエンハンサー配列;スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を向上させる配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;ならびに、所望される場合、タンパク質分泌を増大する配列を含む。このような制御配列の性質は、宿主生物に依存して異なり、原核生物においては、このような制御配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終止配列を含み、真核生物においては、このような制御配列は、プロモーターおよび転写終止配列を含む。制御配列は、存在が発現およびプロセシングに必須である構成要素を含み、存在が有益であるさらなる構成要素、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列を含んでもよい。
宿主細胞は、この細胞に組換えによって本発明の抗体を産生させるために、外来性DNAを宿主細胞内に導入するベクターによって形質転換され得る。形質転換は、当該分野で周知の種々の方法を用いて、天然条件下または人工条件下で起こり得る。形質転換は、外来性核酸配列を原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞の中に挿入するための、任意の公知の方法に依存し得る。この方法は、形質転換される宿主細胞に基づいて選択され、ウイルス感染、エレクトロポレーション、リポフェクション、および微粒子銃が挙げられ得るが、これらに限定されない。形質転換細胞は、挿入されたDNAが自己複製可能プラスミドとしてまたは宿主染色体の一部としてのいずれかで複製可能である安定的形質転換細胞、および限られた時間の間挿入されたDNAまたはRNAを一時的に発現する細胞を含む。
好適な宿主生物としては、例えば、HeLa、MRC−5またはCV−1などの真核細胞系が挙げられるが、これらに限定されない。宿主細胞などの宿主生物は、当該分野で周知である、ベクターの増幅およびタンパク質の発現のために適切な条件下で培養される。発現された組換えタンパク質は、やはり当該分野で周知である多くの方法のいずれかによって、検出され得る。
本発明のHCV検出態様は、この抗体が、単に、HCVコア抗原を特異的に認識するモノクローナル抗体であることを必要とするだけであるが、いくつかの実施形態において、本発明の抗体のヒト化バージョンを産生することが望ましい場合がある。「ヒト化」抗体およびその産生は、当業者に周知である。「ヒト化」抗体の概説は、Morrison S.、1985 Science 229:1202およびOiら、1986 BioTechniques 4:214によって提供される。あるいは、好適な「ヒト化」抗体は、CDRまたはCEA置換によって産生される(Jonesら、1986 Nature 321:552;Verhoeyanら、1988 Science 239:1534;Biedlerら 1988 J.Immunol.141:4053、これらの開示全体は、本明細書で参考によって組み込まれる)。
他の実施形態において、本発明のモノクローナル抗体は、操作され誘導体化された結合タンパク質の産生のための有用な開始物質として寄与し得、本明細書に記載の1つ以上の抗HCVモノクローナル抗体を含む二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)結合タンパク質が挙げられる。例えば、HCVコアタンパク質に対し独特の結合親和性を有するDVD−Igが、例えば、米国特許第7,612,181号に記載されているように産生され得、この開示は、参照により本明細書に組み込む。DVD−Ig結合タンパク質は、1つ以上の標的に結合可能である。好ましくは、結合タンパク質は、VD1−(X1)n−VD2−C−−(X2)nを含むポリペプチド鎖を含み、ここで、VD1は、第1の可変ドメインであり、VD2は、第2の可変ドメインであり、Cは、定常ドメインであり、X1は、アミノ酸またはポリペプチドを表し、X2は、Fc領域を表し、およびnは、0または1である。結合タンパク質は、種々の技術を用いて産生され得る。
例示的な技術において、DVD−Igは、4つの機能的抗原結合部位を形成する4つのポリペプチド鎖と共に形成され得る。したがって、例えば、DVD−Igは、HCVコアタンパク質の結合を可能にする。結合タンパク質は、HCVコアタンパク質の生物学的機能を調節可能であるか、または、HCVコアタンパク質を中和可能である。例示的なこのような結合タンパク質は、本発明の抗体の1つと少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む少なくとも1つの重鎖可変ドメインと、この軽鎖可変ドメインの配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む少なくとも対応する軽鎖可変ドメインとを有する。
DVD結合タンパク質の可変ドメインは、目的の抗原に結合可能であるポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を含む、親抗体から得られ得る。本明細書で記載されているHCVコアタンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体は、好適な親抗体である。一般に、DVD結合タンパク質のために使用される抗体は、天然に存在してもよく、または組換え技術によって生成されてもよい。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、組換えおよびファージディスプレイ技術またはこれらの組み合わせの使用を含む、当該分野で公知の広範な種々の技術を用いて調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、抗HCVコアタンパク質モノクローナル抗体を調製するために本明細書に記載されたもの、ならびに、当該分野および例えば以下の教示において公知のものを含む、ハイブリドーマ技術を用いて産生され得る。Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版 1988);Hammerlingら、in:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681(Elsevier,N.Y.、1981)(前記参考文献は、その全体を参照により本明細書に組み込む)。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書で使用される場合、ハイブリドーマ技術を通して産生される抗体に限定されない。用語「モノクローナル抗体」は、任意の真核、原核またはファージクローンを含む1つのクローンに由来する抗体をいい、それが産生された方法ではない。ハイブリドーマは、以下の実施例1で議論されるように、強力なハイブリドーマ増殖、高い抗体産生および所望の抗体特徴を含む所望の特徴について、選択され、クローニングされ、さらにスクリーニングされる。ハイブリドーマは、インビボで同系動物内で、免疫系を欠く動物、例えばヌードマウス内で、またはインビトロで細胞培養において、培養されて拡大される。ハイブリドーマの選択、クローニングおよび拡大方法は、当業者に周知である。好ましい実施形態において、ハイブリドーマは、マウスハイブリドーマである。別の好ましい実施形態において、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシまたはウマなどの、非ヒト非マウス種において産生される。別の実施形態において、ハイブリドーマは、ヒト非分泌性骨髄腫が特定の抗原に結合可能な抗体を発現するヒト細胞と融合された、ヒトハイブリドーマである。
組換えモノクローナル抗体はまた、以下で記載される、当該分野で選択されたリンパ球抗体方法(SLAM)と呼ばれる手順を用いて、1つの単離されたリンパ球からも生成される:米国特許第5,627,052号、PCT公開WO92/02551およびBabcock,J.S.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848。この方法において、目的の抗体を分泌する1つの細胞、例えば、免疫化動物に由来するリンパ球を同定し、cDNAの重鎖および軽鎖可変領域を逆転写酵素PCRによって細胞から救出し、次いで、これらの可変領域を、適切な免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト定常領域)の中で、哺乳動物宿主細胞、例えばCOSまたはCHO細胞において、発現させ得る。増幅した免疫グロブリン配列によってトランスフェクトした宿主細胞は、インビボ選択したリンパ球に由来し、次いで、例えば、目的の抗原に対する抗体を発現する細胞を単離するためのトランスフェクトされた細胞のパニングにより、インビトロでさらなる分析および選択を受け得る。増幅した免疫グロブリン配列は、さらに、例えば、PCT公開WO97/29131およびPCT公開WO00/56772で記載されているようなインビトロ親和性成熟法によって、インビトロで操作され得る。
モノクローナル抗体はまた、いくつかの、または全ての、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含む、非ヒト動物を目的の抗原により免疫化することによっても、産生される。好ましい実施形態において、非ヒト動物は、XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスであり、これは、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の大きな断片を含み、マウス抗体産生を欠損した、操作されたマウス系統である。例えば、Greenら Nature Genetics 7:13−21(1994)ならびに米国特許第5,916,771号、第5,939,598号、第5,985,615号、第5,998,209号、第6,075,181号、第6,091,001号、第6,114,598号および第6,130,364号を参照されたい。また、WO91/10741(1991年7月25日公開)、WO94/02602(1994年2月3日公開)、WO96/34096およびWO96/33735(両者とも1996年10月31日公開)、WO98/16654(1998年4月23日公開)、WO98/24893(1998年6月11日公開)、WO98/50433(1998年11月12日公開)、WO99/45031(1999年9月10日公開)、WO99/53049(1999年10月21日公開)、WO00 09560(2000年2月24日公開)ならびにWO 00/037504(2000年6月29日公開)もまた、参照されたい。XENOMOUSE.RTM.トランスジェニックマウスは、完全ヒト抗体の成体様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒトMabを生成する。XENOMOUSE(登録商標)トランスジェニックマウスは、ヒト重鎖遺伝子座およびx軽鎖遺伝子座のメガベースサイズの生殖系列構造YAC断片の導入を通して、ヒト抗体レパートリーのおよそ80%を含有する。Mendezら、Nature Genetics 15:146−156(1997)、Green and Jakobovits J.Exp.Med.188:483−495(1998)を参照されたい、これらの開示は、参照により本明細書に組み込む。
親抗体を作製するために、インビトロ方法もまた使用され得、ここで、抗体ライブラリーが、所望の結合特異性を有する抗体を同定するために、スクリーニングされる。組換え抗体ライブラリーのこのようなスクリーニングのための方法は、当該分野で周知であり、例えば、:Ladnerら 米国特許第5,223,409号;Kangら PCT公開番号WO92/18619;Dowerら PCT公開番号WO91/17271;Winterら PCT公開番号WO92/20791;Marklandら PCT公開番号WO92/15679;Breitlingら PCT公開番号WO93/01288;McCaffertyら PCT公開番号WO92/01047;Garrardら PCT公開番号WO92/09690;Fuchsら(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hayら(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huseら(1989)Science 246:1275−1281;McCaffertyら、Nature(1990)348:552−554;Griffithsら(1993)EMBO J.12:725−734;Hawkinsら(1992)J Mol Biol 226:889−896;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Gramら(1992)PNAS 89:3576−3580;Garradら(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbasら(1991)PNAS 88:7978−7982、米国特許出願公開第20030186374号、ならびにPCT公開番号WO97/29131。これらの各々の内容は、参照により本明細書に組み込む。
親抗体はまた、当該分野で公知の種々のファージディスプレイ方法を用いて生成されてもよい。ファージディスプレイ方法において、機能的抗体ドメインが、これらをコードするポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子の表面上に呈示される。特に、このようなファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために、利用され得る。目的の抗原に結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原によって、例えば標識抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕捉された抗原を用いて、選択され得るかまたは同定され得る。これらの方法において使用されるファージは、代表的には、Fab、Fvまたはジスルフィド安定化Fv抗体ドメインを有するファージから発現され、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかと組換えによって融合された、fdおよびM13結合ドメインを含む繊維状ファージである。ファージディスプレイ方法の例は、本明細書に記載の抗体を作製するために使用され得るものであり、以下に開示されるものを含む:Brinkmanら、J.Immunol.Methods 182:41−50(1995);Amesら、J.Immunol.Methods 184:177−186(1995);Kettleboroughら Eur.J.Immunol.24:952−958(1994);Persicら、Gene 187 9−18(1997);Burtonら、Advances in Immunology 57:191−280(1994);PCT出願番号PCT/GB91/01134;PCT公開WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;ならびに米国特許第5,698,426号;第5,223,409号;第5,403,484号;第5,580,717号;第5,427,908号;第5,750,753号;第5,821,047号;第5,571,698号;第5,427,908号;第5,516,637号;第5,780,225号;第5,658,727号;第5,733,743号および第5,969,108号であり、これらのそれぞれは、その全体を参照により本明細書に組み込む。
上記参考文献において記載されているように、ファージ選択の後、ファージ由来の抗体コード領域は単離され得、ヒト抗体または任意の他の所望の抗原結合断片を含む抗体全体を生成するために使用されて、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む任意の所望の宿主中で、例えば、以下で詳細に記載されるように、発現される。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組換えによって産生する技術は、以下で記載されているような当該分野で公知の方法を用いて使用されてもよい:PCT公開WO92/22324;Mullinaxら、BioTechniques 12(6):864−869(1992);およびSawaiら、AJRI 34:26−34(1995);およびBetterら、Science 240:1041−1043(1988)(これらの参考文献は、その全体を参照に組み込む。)。単鎖Fvを産生するために使用され得る例示的な技術としては、以下に記載されているものが挙げられる:米国特許第4,946,778号および第5,258,498号;Hustonら、Methods in Enzymology 203:46−88(1991);Shuら、PNAS 90:7995−7999(1993);およびSkerraら Science 240:1038−1040(1988)。
組換え抗体ライブラリーのファージディスプレイによるスクリーニングの代わりに、大型のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングするための当該分野で公知の他の方法論が、親抗体を同定するために適用されてもよい。代替の発現系の1つの型は、以下で記載されているRNAタンパク質融合体として発現される組換え抗体ライブラリーにおけるものである:PCT公開番号WO98/31700(SzostakおよびRoberts)ならびにRoberts R.W.およびSzostak J.W.(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12297−12302。この系において、共有結合融合が、ペプチジルアクセプター抗生物質であるピューロマイシンをその3’末端に保有する合成mRNAのインビトロ翻訳によって、mRNAとこれをコードするペプチドまたはタンパク質との間に作られる。したがって、特異的mRNAは、コードするペプチドまたはタンパク質(例えば抗体もしくはその部分)の特性(例えば二重特異性抗原に対する抗体もしくはその部分の結合)に基づき、mRNAの複合混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から富化され得る。このようなライブラリーのスクリーニングから回収された抗体またはその部分をコードする核酸配列は、上述の様な組換え手段によって(例えば、哺乳動物宿主細胞において)発現され得、さらに、元の選択された配列内に突然変異が導入されているmRNAペプチド融合の追加のスクリーニング、または組換え抗体のインビトロでの親和性成熟のための他の方法により、上述のように、さらなる親和性成熟に供され得る。
別のアプローチにおいて、親抗体はまた、当該分野で公知の酵母ディスプレイ方法を用いて産生されてもよい。酵母ディスプレイ方法において、抗体ドメインを酵母細胞壁に繋ぎ、酵母の表面上にそれらを提示するために、遺伝的方法が使用される。詳細には、このような酵母は、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインを提示するために利用され得る。酵母ディスプレイ方法の例は、親抗体を作製するために使用され得るものであり、参照により本明細書に組み込むWittrupらの米国特許第6,699,658号で開示されるものを含む。
本明細書に記載のモノクローナル抗体は、CDRグラフト親抗体およびヒト化親抗体を生成するために、さらに改変されてもよい。CDRグラフト親抗体は、ヒト抗体由来の重鎖および軽鎖可変領域配列を含み、ここで、VHおよび/またはVLの1つ以上のCDR領域が、目的の抗原に結合可能であるマウス抗体のCDR配列と置き換えられる。任意のヒト抗体由来のフレームワーク配列は、CDRグラフのためのテンプレートとして寄与し得る。しかし、このようなフレームワーク上の直鎖置き換えは、しばしば、抗原に対する結合親和性の何らかの欠失をもたらす。より相同なヒト抗体は、元のマウス抗体に対し、ヒトフレームワークを有するマウスCDRの組み合わせが、親和性を低減し得るCDRの歪みを導入する可能性が低い。したがって、CDRではなく、マウス可変フレームワークを置き換えるために選択されたヒト可変フレームワークが、マウス抗体可変領域フレームワークに対し少なくとも65%の配列同一性を有することが好ましい。CDRを除くヒトおよびマウス可変領域が、少なくとも70%の配列同一性を有することがより好ましい。CDRを除くヒトおよびマウス可変領域が、少なくとも75%の配列同一性を有することがなおより好ましい。CDRを除くヒトおよびマウス可変領域が、少なくとも80%の配列同一性を有することが最も好ましい。このような抗体を産生するための方法は、当該分野で公知である(EP239,400;PCT公開WO91/09967;米国特許第5,225,539号;第5,530,101号;および第5,585,089号を参照されたい。)、ベニヤリングまたはリサーフェシング(EP592,106;EP519,596;Padlan、Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991);Studnickaら、Protein Engineering 7(6):805−814(1994);Roguskaら、PNAS 91:969−973(1994))、およびチェーンシャフリング(米国特許第5,565,352号)。
ヒト化抗体は、非ヒト種由来の1つ以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子由来のフレームワーク領域を有する、所望の抗原に結合する非ヒト種抗体由来の抗体分子である。公知のヒトIg配列は、例えば、以下に開示される:www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez−/query.fcgi;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.sciquest.com/;www.abcam.com/;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/.about.pedro/research_tools.html;www.mgen.uni−heidelberg.de/SD/IT/IT.html;www.whfreeman.com/immunology/CH−05/kuby05.html;www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/m−ikeimages.html;www.antibodyresource.com/;mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html.www.immunologylink.com/;pathbox.wustl.edu/.about.hcenter/index.−html;www.biotech.ufl.edu/.about.hcl/;www.pebio.com/pa/340913/340913.html−;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/;www.m.ehime−u.acjp/.about.yasuhito−/Elisa.html;www.biodesign.com/table.asp;www.icnet.uk/axp/facs/davies/lin−ks.html;www.biotech.ufl.edu/.about.fccl/protocol.html;www.isac−net.org/sites_geo.html;aximtl.imt.uni−marburg.de/.about.rek/AEP−Start.html;baserv.uci.kun.nl/.aboutjraats/linksl.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/pu−blic/INTRO.html;www.ibt.unam.mx/virV_−mice.html;imgt.cnusc.fr:8104/;www.biochem.ucl.ac.uk/.about.martin/abs/index.html;antibody.bath.ac.uk/;abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html;www.unizh.ch/.about.honegger/AHOseminar/Slide01.html;www.cryst.bbk.ac.uk/.about.ubcg07s/;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stataim.html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.cryst.bioc.cam.ac.uk/.abo−ut.fmolina/Webpages/Pept/spottech.html;wwwjerini.de/fr roducts.htm;www.patents.ibm.con/ibm.html.Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Dept.Health(1983)、これらの全体を参照により本明細書に組み込む。このような導入された配列は、免疫原性を低減するため、または、結合親和性、結合速度、解離速度、アビディティ、特異性、半減期もしくは当該分野で公知の他の好適な特徴を、低下させるか、増強させるかもしくは改変するために、使用され得る。
ヒトフレームワーク領域におけるフレームワーク残基は、CDRドナー抗体から対応する残基を置換して、抗原結合を変え、好ましくは改善し得る。これらのフレームワーク置換は、当該分野で周知の方法によって、例えば、抗原結合のために重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRとフレームワーク残基との相互作用のモデリング、および特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較により、同定される。(例えば、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechmannら、Nature 332:323(1988)を参照されたい。これらは、その全体を参照により本明細書に組み込む。)三次元免疫グロブリンモデルは、一般的に利用可能であり、当業者に周知である。選択された候補免疫グロブリン配列の予想三次元立体構造を説明し図示することができるコンピュータープログラムが、利用可能である。これらのディスプレイの調査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の可能性のある役割の分析、すなわち、その抗原に結合する免疫グロブリンの候補の能力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。この方法において、FR残基は、コンセンサス配列および重要配列から選択されて、組み合わされ、所望の抗体特徴、例えば標的抗原に対する親和性の向上が、達成される。一般的に、CDR残基は、直接的におよび最も実質的に、抗原結合に影響及ぼすことに関与する。抗体は、以下に記載されているものなどであるが、これらに限定されない、当該分野で公知の種々の技術を用いてヒト化され得る:Jonesら、Nature 321:522(1986);Verhoeyenら、Science 239:1534(1988))、Simsら、J.Immunol.151:2296(1993);ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Prestaら、J.Immunol.151:2623(1993)、Padlan、Molecular Immunology 28(4/5):489−498(1991);Studnickaら、Protein Engineering 7(6):805−814(1994);Roguskaら、PNAS 91:969−973(1994);PCT公開WO91/09967、PCT/:US98/16280、US96/18978、US91/09630、US91/05939、US94/01234、GB89/01334、GB91/01134、GB92/01755;WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、EP229246、EP592,106;EP519,596、EP239,400、米国特許第5,565,332号、第5,723,323号、第5,976,862号、第5,824,514号、第5,817,483号、第5,814,476号、第5,763,192号、第5,723,323号、第5,766,886号、第5,714,352号、第6,204,023号、第6,180,370号、第5,693,762号、第5,530,101号、第5,585,089号、第5,225,539号;第4,816,567号、このそれぞれを、その中に挙げられた参考文献を含めて、参照により本明細書に組み込む。
当該分野で周知であるように、親モノクローナル抗体は、HCVタンパク質を含む、またはHCVタンパク質に加えて、特定の標的に結合可能である種々のモノクローナル抗体から選択されてもよい。
親モノクローナル抗体はまた、使用のため、臨床試験において、または臨床使用のための開発において認可された種々の治療抗体から、特に、HCV感染の症状の処置において、またはHCV感染と共存する特に肝細胞癌腫を含む癌などの状態または疾患の処置において適用可能であり得る治療抗体からも、選択され得る。
本発明を通して述べられるように、本発明の抗体を標識することが、望ましい場合がある。標識抗体(または本発明の抗体の1つに由来する結合タンパク質)は、別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)を誘導体化するか、またはこれに連結する抗体を含む。例えば、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディ)、検出可能薬剤、細胞毒性剤、医薬品、および/または別の分子とタンパク質の結合を媒介し得るタンパク質またはペプチド(例えば、ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグ)などの1つ以上の他の分子実体と(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合またはそれ以外により)機能的に連結することにより、モノクローナル抗体は、誘導体化され得る。
モノクローナル抗体が誘導体化され得る有用な検出可能な薬剤は、蛍光化合物を含む。例示的な蛍光検出可能薬剤としては、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどが挙げられる。抗体はまた、検出可能酵素、例えばアルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどによって誘導体化され得る。検出可能酵素によって誘導体化される場合、検出は、酵素を使用して検出可能反応産物を産生するさらなる試薬を添加することによって達成される。例えば、検出可能薬剤である西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能である着色反応産物を生じる。本発明のモノクローナル抗体はまた、ビオチンによって誘導体化され得、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定、またはその逆を通して検出され得る。
本発明の組成物は、試験試料中のHCVコア抗原の存在を決定するための診断適用における実証された使用を有するので、本発明の組成物はまた、哺乳動物に対するインビボ投与のための診断または治療目的を果たし得ることが、企図される。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、本書中で開示される1つ以上の抗HCVコア結合タンパク質を活性成分として含む医薬組成物および診断組成物を提供する。医薬組成物または診断組成物は、本明細書に記載の任意のモノクローナル抗体、またはその任意の組み合わせ、および医薬として許容できる担体、希釈剤および/または賦形剤を含み得る。一般的に、医薬組成物および診断組成物は、活性成分を、担体、希釈剤および/または賦形剤と組み合わせることによって調製される。
本明細書に記載の結合タンパク質を含む組成物は、障害の診断、検出またはモニタリングにおける使用であるが、これらに限定されない使用のためのものであるが、障害または1つ以上のその症状の予防、処置、管理または緩和における使用、および/または研究における使用をも見出す。詳細な実施形態において、組成物は、本発明の1つ以上のモノクローナル抗体または本発明の1つ以上のモノクローナル抗体に由来する結合タンパク質を含む。別の実施形態において、組成物は、本明細書に記載の1つ以上のモノクローナル抗体またはそれに由来する結合タンパク質、および本明細書に記載のモノクローナル抗体またはそれに由来する結合タンパク質以外の1つ以上の診断、予後診断または治療薬剤を含む。
イムノアッセイ
本開示に従うイムノアッセイは、当該分野で一般に認識されている技術を含み、これらとしては、例えば、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロットアッセイ、免疫蛍光アッセイ、酵素イムノアッセイ、化学発光アッセイ、免疫組織学アッセイ、免疫沈降などが挙げられる。ELISAについて当該分野で公知である標準的技術は、周知であり、例えば、Methods in Immunodiagnosis、第2版、RoseおよびBigazzi編、John Wiley and Sons、1980およびCampbellら、Methods of Immunology、W.A.Benjamin,Inc.、1964に記載されている。これらの両方を参照により本明細書に組み込む。イムノアッセイは、当該分野に記載されているように、直接的、間接的、競合的または非競合的なイムノアッセイであり得る(Oellerich、M.1984.J.Clin.Chem.Clin.BioChem 22:895 904)。このような検出アッセイのために適切な生物学的試料としては、血液、血漿、血清、肝臓、唾液、リンパ球または他の単核細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい実施形態において、本明細書に記載の抗体は、HCVの検出のために特異的なイムノアッセイにおいて使用される。例としては、サンドイッチイムノアッセイ、放射性同位体検出(ラジオイムノアッセイ(RIA))および酵素検出(酵素イムノアッセイ(EIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、Quantikine ELISAアッセイ、R&D Systems、Minneapolis、Minn.))競合阻害イムノアッセイ(例えば、順方向および逆方向)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、酵素増幅イムノアッセイ技術(EMIT)、生物発光共鳴エネルギー遷移(BRET)および均一化学発光アッセイなどが挙げられるが、これらに限定されない。SELDIベースのイムノアッセイにおいて、HCVコア(またはその断片)などの目的の分析物に特異的に結合する捕捉試薬は、事前活性化タンパク質チップアレイなどの質量分析プローブの表面に結合される。次いで、分析物(またはその断片)は、バイオチップ上に特異的に捕捉され、捕捉分析物(またはその断片)は、質量分析によって検出される。あるいは、分析物(またはその断片)は、捕捉試薬から溶出され得、従来的MALDI(マトリクス支援レーザー脱離/イオン化)またはSELDIによって、検出され得る。化学発光微粒子イムノアッセイ、特に、ARCHITECT(登録商標)自動化分析機(Abbott Laboratories、Abbott Park、Ill.)を使用するアッセイが、好ましいイムノアッセイの一例である。
試料中のヒトC型肝炎ウイルスの存在または量を決定するためのイムノアッセイは、例えば、試料中に存在し得る任意のヒトC型肝炎ウイルスに結合タンパク質が結合するために充分な時間にわたり、HCVコアタンパク質結合タンパク質を試料と合わせること、および試料中に存在するヒトC型肝炎の存在または量を、ヒトC型肝炎コアタンパク質に対する結合タンパク質の特異的結合に基づいて決定することを含む。本開示はまた、試料中のヒトHCVの存在または非存在を検出するためのイムノアッセイデバイスをも包含し、ここで、デバイスは、固体支持体上に固定化された、本明細書に記載の抗体のいずれかを含む。抗HCVコア抗体およびその任意のアナログは、キットの形態で、単独で、または二次抗体などの他の試薬と組み合わせて、イムノアッセイにおける使用のために調製され得る。
尿、血液、血清および血漿、ならびに他の体液を収集し、操作し、そして処理するための当該分野で周知の方法は、例えば、本発明の抗HCVコア抗体が免疫診断試薬としておよび/または分析物イムノアッセイキットにおいて使用される場合に、本開示の実践において使用される。試験試料は、HCVコア抗原に加えて、例えば、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、レセプター、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドを含む、さらなる部分を含み得る。例えば、試料は、対象から得られる全血試料であってもよい。試験試料、特に全血が、本明細書に記載のイムノアッセイの前、例えば、前処理試薬によって処置されることが、必要であるか、または所望される場合がある。前処理が必要ない場合(例えば、ほとんどの尿試料)においてさえ、前処理が、場合によって(例えば、市販のプラットホームにおけるレジメンの一部として)実施されてもよい。
前処理試薬は、本開示のイムノアッセイおよびキットによる使用のために適切な、任意の試薬であってもよい。前処理は、場合によって、以下を含む:(a)1種以上の溶媒(例えば、メタノールおよびエチレングリコール)ならびに、場合によって、塩、(b)1種以上の溶媒および塩、ならびに、場合によって、洗剤、(c)洗剤、または(d)洗剤および塩。前処理試薬は、当該分野で公知であり、このような前処理は、以前に記載されているように、例えば、文献に記載されているように(例えば、Yatscoffら、Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood、Clin.Chem.36:1969−1973(1990)、およびWallemacqら、Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays、Clin.Chem.45:432−435(1999))、Abbott TDx、AxSYM(登録商標)およびARCHITECT(登録商標)分析機(Abbott Laboratories、 Abbott Park,Ill.)におけるアッセイのために使用されるように、ならびに/または市販のアッセイとして、使用され得る。さらに、前処理は、以下において記載されるように実施され得る:米国特許第5,135,875号、欧州特許公開第0471293号、米国仮特許出願第60/878,017号(2006年12月29日出願)および米国特許出願公開第2008/0020401号(前処理に関するその教示について、その全体を参照により組み込む。)。
前処理試薬の使用により、アッセイは、試験試料中の事前形成された/既存の免疫複合体またはウイルス粒子の破壊によって、より感度が高くなる。このような前処理試験試料において、試料中の抗HCVコア抗体は、抗原から分離されて、次いで、試料中に残存する抗原は、本発明のモノクローナル抗体を用いてHCVコア抗原の存在について試験される。したがって、試験試料中のHCVコア抗原は、抗体捕捉工程に供されて、試験試料中に存在する任意のHCV抗原を捕捉する。
いくつかの他の実施形態において、前処理の使用は、このような分離工程を必要としない。試験試料および前処理試薬の混合物全体が、標的抗原(この場合、HCVコア抗原、または特に、HCVコア抗原脂質結合ドメイン)に対して特異的な抗体と接触させられる。このようなアッセイのために使用される前処理試薬は、典型的には、HCV抗原を捕捉するために使用される第1抗体による捕捉の前または捕捉の間に、前処理試験試料混合物中に希釈される。このような希釈にもかかわらず、特定の量の前処理試薬が、捕捉の間に、試験試料混合物中になお存在し得る。捕捉試薬は、本発明の抗体であってもよく、あるいは、別の抗HCVコア抗原抗体であってもよく、または、実際に、HCVの非コアタンパク質抗原を対象とする抗体(例えば、エンベロープタンパク質、E1もしくはE2、またはHCVの他の部分に対する抗体)であってもよい。
1つのアッセイ形式において、試験試料が対象から得られた後、第1の混合物が調製される。混合物は、所定の抗原の存在について(例えば、今回の場合、HCVコア抗原の存在について)評価される試験試料および第1の特異的結合パートナー(代表的には、HCVエピトープを認識する抗体)を含有し、ここで、この第1の特異的結合パートナーおよび試験試料中に含有される任意のHCV抗原は、第1抗体−抗原複合体を形成する。試験試料および第1の特異的結合パートナーを添加して混合物が形成される順番は、重要ではない。第1の特異的結合パートナーは、固相上に固定化され得るが、代替の実施形態において、第1の特異的結合パートナーは、溶液相に存在し得る。(第1の特異的結合パートナー、および場合によって、第2の特異的結合パートナーについての)イムノアッセイにおいて使用される固相は、当該分野で公知の任意の固相であってもよく、例えば、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、足場分子、フィルム、ろ紙、ディスクおよびチップであってもよいが、これらに限定されない。
記載されている方法は、固相が微粒子を含む自動化システムおよび半自動化システムに含まれる微粒子技術を利用するシステムへの適応を受けやすい。このようなシステムは、係属米国特許出願425,651号および425,643号に記載されるものを含み、これらは、それぞれ公開EPO出願EP 0 425 633およびEP 0 424 634に対応し、これらを参照により本明細書に組み込む。
第1の特異的結合パートナー−分析物複合体を含有する混合物が形成された後、任意の未結合分析物が、当該分野で公知の任意の技術を用いて複合体から除去される。例えば、未結合分析物は、洗浄によって除去され得る。しかし、第1の特異的結合パートナーは、第1の特異的結合パートナーによる試験試料中に存在する分析物の最大結合を最適化するために、試験試料中に存在する任意の分析物よりも多く存在することが、望ましい。
未結合分析物の除去後、第2の特異的結合パートナーが混合物に添加されて、第1の特異的結合パートナー−分析物−第2の特異的結合パートナー複合体を形成する。第2の特異的結合パートナーは、第1の特異的結合パートナーによって結合された分析物上のエピトープとは異なる分析物上のエピトープに結合する、抗分析物抗体であることが好ましい。単なる例として、アッセイがHCVコア抗原の検出のためのものであることを想定すると、HCVコア抗原のDNA結合ドメインに特異的である第1の「捕捉」抗体が使用され(あるいは、第1抗体は、本明細書に記載の抗体のような、HCVコア抗原脂質結合ドメインに特異的である抗HCVコア抗体である)、一旦この第1の捕捉抗体が試料由来のHCVコアタンパク質を捕捉すると、HCVコア抗原の脂質結合ドメインを結合する第2の抗コア抗原抗体(第1抗体がDNA結合ドメインに結合した場合、あるいは、第1抗体がHCVコア抗原脂質結合ドメインに特異的な第1抗体である場合、第2抗体は、HCVコア抗原のDNA結合ドメインに特異的であり得る。)。好ましくは、このような実施形態において、[捕捉抗体−抗原−第2抗体]複合体の検出を容易にするために、第2の特異的結合パートナーは、上述のような検出可能標識によって標識されるかまたはこれを含有する。
当該分野で公知である任意の好適な検出可能標識が、使用され得る。例えば、検出可能標識は、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、32Pおよび33P)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリペルオキシダーゼ、グルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼなど)、化学発光標識(例えば、アクリジニウムエステル、チオエステルまたはスルホンアミド;ルミノール、イソルミノール、フェナントリジニウムエステルなど)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン(例えば、5−フルオレセイン、6−カルボキシフルオレセイン、3’6−カルボキシフルオレセイン、5(6)−カルボキシフルオレセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレセイン、6−テトラクロロフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートなど))、ローダミン、フィコビリタンパク質、R−フィコエリトリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛−キャッピングされたセレン化カドミウム)、温度測定標識、またはイムノ−ポリメラーゼ連鎖反応標識であってもよい。標識の導入、標識手順および標識の検出は、以下において見出される:PolakおよびVan Noorden、Introduction to Immunocytochemistry、第2巻補完、Springer Verlag、N.Y.(1997)、およびHaugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)(Molecular Probes,Inc.、Eugene、Oreg.によって出版された、ハンドブックとカタログとを合わせたものである)。蛍光標識は、FPIAにおいて使用され得る(例えば、米国特許第5,593,896号、第5,573,904号、第5,496,925号、第5,359,093号および第5,352,803号を参照されたい。これらは、その全体を参照により本明細書に組み込む。)。アクリジニウム化合物は、均一化学発光アッセイにおいて検出可能標識として使用され得る(例えば、Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.16:1324−1328(2006);Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:2313−2317(2004);Adamczykら、Biorg.Med.Chem.Lett.14:3917−3921(2004);およびAdamczykら、Org.Lett.5:3779−3782(2003)を参照されたい。)。
好ましいアクリジニウム化合物は、アクリジニウム−9−カルボキサミドである。アクリジニウム9−カルボキサミドを調製するための方法は、以下に記載される:Mattingly J.Biolumin.Chemilumin.6:107−114(1991);Adamczykら、J.Org.Chem.63:5636−5639(1998);Adamczykら、Tetrahedron 55:10899−10914(1999);Adamczykら、Org.Lett.1:779−781(1999);Adamczykら、Bioconjugate Chem.11:714−724(2000);Mattinglyら、In Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications;Dyke K.V.編、CRC Press:Boca Raton、77−105頁(2002);Adamczykら、Org.Lett.5:3779−3782(2003);および米国特許第5,468,646号、第5,543,524号および第5,783,699号(これらの各々は、これに関するその教示について、その全体を参照により本明細書に組み込む。)。
別の好ましいアクリジニウム化合物は、アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルである。式IIのアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルの例は、10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウムフルオロスルホネート(Cayman Chemical、Ann Arbor、Michから入手可能である)である。アクリジニウム9−カルボキシレートアリールエステルを調製するための方法は、以下に記載される:McCapraら、Photochem.Photobiol.4:1111−21(1965);Razaviら、Luminescence 15:245−249(2000);Razaviら、Luminescence 15:239−244(2000);および米国特許第5,241,070号(これらの各々は、これに関するその教示について、その全体を参照により本明細書に組み込む。)。このようなアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルは、少なくとも1つのオキシダーゼによる分析物の酸化において産生される過酸化水素についての、シグナルの強度および/またはシグナルの迅速さに関する効率的な化学発光指示薬である。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルについての化学発光放出の経過は、迅速に、すなわち、1秒未満で完了し、他方で、アクリジニウム−9−カルボキサミド化学発光放出は、2秒を超える。しかし、アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルは、タンパク質の存在下で化学発光特性を失う。したがって、その使用は、シグナル発生および検出の間、タンパク質の非存在を必要とする。試料中のタンパク質の分離または除去のための方法は、当業者に周知であり、限外ろ過、抽出、沈殿、透析、クロマトグラフィー、および/または消化が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Wells、High Throughput Bioanalytical Sample Preparation.Methods and Automation Strategies、Elsevier(2003)を参照されたい。)。試験試料から除去されまたは分離された量は、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%であってもよい。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルおよびその使用に関するさらなる詳細は、以下に示される:米国特許出願第11/697,835号(2007年4月9日に出願、2008年10月9日公開)、米国特許出願公開第2008/0248493号。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルは、脱気した無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはコール酸ナトリウム水溶液などの任意の好適な溶媒において溶解され得る。
化学発光アッセイは、Adamczykら、Anal.Chim.Acta 579(1):61−67(2006)に記載された方法に従って実施され得る。任意の好適なアッセイ形式が使用される場合、マイクロプレートケミルミノメーター(Mithras LB−940、Berthold Technologies U.S.A.、LLC、Oak Ridge、Tenn.)は、低容量の多数の試料のアッセイを迅速に可能にする。ケミルミノメーターは、96ウェル黒色ポリスチレンマイクロプレート(Costar #3792)を用いて、多数の試薬注入器を備えられてもよい。各試料は、別個のウェルに加えられて、その後、使用したアッセイの型により決定される他の試薬の同時の/順次の添加が行われてもよい。アクリジニウムアリールエステルを使用する中性または塩基性溶液における、疑似塩基の形成が、例えば酸性化によって避けられることが望ましい。次いで、化学発光反応は、ウェルごとに記録される。この点において、化学発光反応を記録する時間は、部分的に、試薬の添加の間の遅延と使用した特定のアクリジニウムとに依存する。
試験試料および特異的結合パートナーを添加して、化学発光アッセイのための混合物が形成される順番は、重要ではない。第1の特異的結合パートナーが、アクリジニウム化合物などの化学発光薬剤によって検出可能に標識される場合、検出可能に標識された第1の特異的結合パートナー−分析物複合体が、形成される。あるいは、第2の特異的結合パートナーが使用され、第2の特異的結合パートナーがアクリジニウム化合物などの化学発光薬剤によって検出可能に標識される場合、検出可能に標識された第1の特異的結合パートナー−分析物−第2の特異的結合パートナー複合体が、形成される。任意の未結合特異的結合パートナーが、標識されていようと未標識であろうと、混合物から、当該分野で公知の任意の技術、例えば洗浄を用いて、除去され得る。
過酸化水素は、上述のアクリジニウム化合物の添加の前に、添加と同時に、または添加の後に、混合物においてインサイチュで生成されてもよく、または混合物に提供されてもよく、もしくは供給されてもよい(例えば、過酸化水素の供給源は、過酸化水素を含有することが知られている1種以上の緩衝液または他の溶液である)。過酸化水素は、当業者に明らかである多くの手段においてインサイチュで生成されてもよい。
少なくとも1つの塩基性溶液の試料への添加と同時にまたは添加の後に、分析物の存在の指標である検出可能シグナル、すなわち化学発光シグナルが発生される。塩基性溶液は、少なくとも1種の塩基を含有し、10以上のpH、好ましくは12以上のpHを有する。塩基性溶液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび重炭酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。試料に加えられた塩基性溶液の量は、塩基性溶液の濃度に依存する。使用した塩基性溶液の濃度に基づき、当業者は、試料に加える塩基性溶液の量を、容易に決定できる。
発生された化学発光シグナルは、当業者に公知の慣用的技術を用いて検出可能である。発生されたシグナルの強度に基づき、試料中の分析物の量が、定量され得る。具体的には、試料中の分析物の量は、発生したシグナルの強度に比例する。存在する分析物の量は、分析物についての標準曲線に対し発生された光の量を比較することによって、または参照標準との比較によって、定量され得る。標準曲線は、既知の濃度の分析物の連続希釈液または溶液を用い、質量分析、重量法、および当該分野で公知の他の技術によって、作成され得る。上の記載は、化学発光薬剤としてアクリジニウム化合物の使用を強調しているが、当業者は、他の化学発光薬剤の使用についての記載を容易に採用することができる。
分析物イムノアッセイは、一般に、当該分野で公知の任意の形式、例えば、サンドイッチ形式を用いて行われ得るが、これらに限定されない。具体的に、1つのイムノアッセイ形式において、少なくとも2つの抗体が、試料中のヒト分析物またはその断片などの分析物の捕捉および定量のために使用される。より具体的には、好ましくは、少なくとも2つの抗体が、分析物(またはその断片)上の異なるエピトープに結合し、免疫複合体を形成する。これは、「サンドイッチ」と呼ばれる。一般に、イムノアッセイにおいて、1つ以上の抗体が、試験試料中の分析物(またはその断片)を捕捉するために使用され(これらの抗体は、頻繁に、「捕捉」抗体と呼ばれる。)、1つ以上の抗体が、検出可能な(すなわち、定量可能な)標識をサンドイッチに結合させるために使用され得る(これらの抗体は、頻繁に、「検出抗体」、「コンジュゲート」と呼ばれる)。したがって、サンドイッチイムノアッセイ形式に関して、本発明の抗HCVコア抗体が、捕捉抗体、検出抗体または両方として使用され得る。例えば、分析物上の第1のエピトープ(例えば、HCVコア抗原の脂質結合ドメイン)を結合し得るドメインを有する1つの抗HCVコア抗体が、捕捉抗体として使用され得、および/または第2のエピトープを結合し得るドメイン(例えば、HCVコア抗原のDNA結合ドメイン)を有する別の抗HCVコア抗体が、検出抗体として使用され得、逆もまた然りである。あるいは、HCVコア抗原上のエピトープに結合し得る第1のドメインを有する1つの抗体および異なるHCV抗原上のエピトープに結合する第2の抗体が、2以上の分析物を検出し、場合によって定量するための捕捉抗体および/または検出抗体として使用され得る。
概して、(例えば、含有することを疑われる)分析物について試験される試料は、少なくとも1つの捕捉抗体および少なくとも1つの検出抗体(第2の検出抗体または第3の検出抗体またはなお続く数の抗体であってもよく、例えば、捕捉および/または検出抗体は、複数の抗体を含む。)と同時にまたは順次に任意の順番で接触させられてもよい。例えば、試験試料は、まず、少なくとも1つの捕捉抗体と、次いで、(順次)少なくとも1つの検出抗体と接触させられてもよい。あるいは、試験試料は、まず、少なくとも1つの検出抗体と、次いで、(順次)少なくとも1つの捕捉抗体と接触させられてもよい。なお別の代替法において、試験試料は、捕捉抗体および検出抗体に、同時に接触させられてもよい。
サンドイッチアッセイ形式において、分析物(またはその断片)を含有すると疑われる試料が、第1抗体/分析物複合体の形成を可能にする条件下で、まず少なくとも1つの捕捉抗体と接触させられる。2以上の捕捉抗体が使用される場合、2以上の捕捉抗体を含む第1の捕捉抗体/分析物複合体が形成される。サンドイッチアッセイにおいて、抗体、すなわち、好ましくは、少なくとも1つの捕捉抗体が、試験試料中で予測される分析物(またはその断片)の最大量のモル過剰量で使用される。例えば、緩衝液(例えば、微粒子コーティング緩衝液)1mL当たり約5μgから約1mgの抗体が、使用され得る。
1つの抗体による結合しか必要とされないので小さい分析物を測定するためにしばしば使用される競合阻害イムノアッセイは、連続的で古典的な形式を含む。連続的競合阻害イムノアッセイにおいて、目的の分析物に対する捕捉抗体は、マイクロタイタープレートのウェルまたは他の固体支持体上にコーティングされる。目的の分析物を含有する試料がウェルに添加される場合、目的の分析物は、捕捉抗体に結合する。洗浄後、既知の量の標識(例えば、ビオチンまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))分析物が、このウェルに添加される。酵素標識についての基質は、シグナルを発生するために必要である。HRPについて好適な基質の例は、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である。洗浄後、標識分析物によって発生されたシグナルが測定され、これは、試料中の分析物の量に反比例する。古典的競合阻害イムノアッセイにおいて、目的の分析物に対する抗体は、固体支持体(例えば、マイクロタイタープレートのウェル)上にコーティングされる。しかし、連続的競合阻害イムノアッセイとは異なり、試料および標識分析物は、ウェルに同時に添加される。試料中の任意の分析物は、捕捉抗体への結合について、標識分析物と競合する。洗浄後、標識分析物によって発生されたシグナルが測定され、これは、試料中の分析物の量に反比例する。
場合によって、試験試料を少なくとも1つの捕捉抗体(例えば、第1の捕捉抗体)と接触させる前に、少なくとも1つの捕捉抗体が、固体支持体に結合され得、これは、第1の抗体/分析物(またはその断片)複合体の試験試料からの分離を容易にする。捕捉抗体が結合する基質は、任意の好適な固体支持体または固相であってもよく、これは、捕捉抗体−分析物複合体の試料からの分離を容易にする。
固相または支持体の例は、当業者に周知であり、マイクロタイタープレートなどのプレートのウェル、試験管、多孔性ゲル(例えば、シリカゲル、アガロース、デキストラン、またはゼラチン)、ポリマーフィルム(例えば、ポリアクリルアミド)、ビーズ(例えば、ポリスチレンビーズまたは磁性ビーズ)、フィルター/膜のストリップ(例えば、ニトロセルロースまたはナイロン)、微粒子(例えば、ラテックス粒子、着磁性微粒子(例えば、酸化鉄コアまたは酸化クロムコアおよびホモポリマーまたはヘテロポリマーコーティングおよび径約1−10ミクロンを有する微粒子)が挙げられる。基質は、抗原に結合するための好適な表面親和性、および検出抗体による接近を可能にする十分な多孔性を有する、好適な多孔性物質を含み得る。微小多孔性物質が一般に好ましいが、水和状態のゼラチン様物質が、使用され得る。このような多孔性基質は、約0.01から約0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚みを有するシートの形態であることが好ましい。孔径は僅かに変動し得るが、好ましくは、孔径は、約0.025から約15ミクロン、より好ましくは約0.15から約15ミクロンである。このような基質の表面は、抗体の基質に対する共有結合を起こす化学的プロセスによって活性化され得る。一般に疎水力を介した、抗原または抗体の基質に対する吸着により、不可逆的結合が生じる;あるいは、化学的カップリング剤または他の手段が、このような結合が分析物に結合する抗体の能力に干渉しない限り、抗体を基質に共有結合するために使用され得る。あるいは、抗体は、ストレプトアビジン(例えば、DYNAL(登録商標)Magnetic Beads、Invitrogen、Carlsbad、Calif.)またはビオチン(例えば、Power−Bind(商標)−SA−MPストレプトアビジンコーティングされた微粒子(Seradyn、Indianapolis、Ind.)を用いる)または抗種−特異的モノクローナル抗体によってあらかじめコーティングされている微粒子と結合し得る。必要な場合、基質は、誘導体化されて、抗体上の種々の官能基に対し反応性にされてもよい。このような誘導体は、特定のカップリング剤の使用を必要とする。カップリング剤の例としては、無水マレイン酸、N−ヒドロキシスクシンイミド、および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが挙げられるが、これらに限定されない。所望される場合、それぞれが分析物に対して特異的である1つ以上の捕捉試薬、例えば抗体(またはその断片)が、異なる物理的な位置またはアドレス可能な位置(例えば、バイオチップ構造においてなど)において固相に結合され得る(例えば、米国特許第6,225,047号;国際特許出願公開WO99/51773;米国特許第6,329,209号;国際特許出願公開WO00/56934、および米国特許第5,242,828号を参照されたい)。捕捉試薬が固体支持体として質量分析プローブに結合される場合、プローブに結合した分析物の量が、レーザー脱離イオン化質量分析によって検出され得る。あるいは、1つのカラムが、1つ以上の捕捉試薬によって誘導体化された異なるビーズによって充てんされ、それにより、1つの場所において分析物を捕捉することができる(抗体−誘導体化ビーズベースの技術、例えば、LuminexのxMAP技術(Austin,Tex.)を参照されたい。)。
試験試料が分析物(またはその断片)についてアッセイされた後、試験試料は、少なくとも1つの捕捉抗体(例えば、第1の捕捉抗体)と接触させられ、混合物はインキュベートされて、第1抗体(または複数の抗体)−分析物(またはその断片)複合体の形成を可能にする。インキュベーションは、約4.5から約10.0のpHにて、約2℃から約45℃の温度にて、少なくとも約一(1)分間から約十八(18)時間、好ましくは約1から約24分間、最も好ましくは約4から約18分間にわたって実施され得る。本明細書に記載のイムノアッセイは、1工程で実施されても(試験試料、少なくとも1つの捕捉抗体および少なくとも1つの検出抗体が、全て順次または同時に反応容器に加えられることを意味する。)、または1より多い工程、例えば2工程、3工程などで実施されてもよい。
(第1または複数の)捕捉抗体/分析物複合体の形成後、複合体は、少なくとも1つの検出抗体と、(第1または複数の)捕捉抗体/分析物/第2の検出抗体複合体の形成を可能にする条件下で接触させる。明確さのために「第2」抗体(例えば、第2の検出抗体)と上記したが、実際には、複数の抗体が捕捉および/または検出のために使用され、少なくとも1つの検出抗体は、イムノアッセイにおいて使用される第2、第3、第4などの抗体であり得る。捕捉抗体/分析物複合体は、2以上の検出抗体と接触させられる場合、次いで、(第1または複数の)捕捉抗体/分析物(またはその断片)/(複数の)検出抗体複合体が、形成される。捕捉抗体(例えば、第1の捕捉抗体)と同様に、少なくとも1つの(例えば、第2および任意のその後の)検出抗体が、捕捉抗体/分析物(またはその断片)複合体と接触させられ、上述と同様の条件下での一定時間のインキュベーションが、(第1または複数の)捕捉抗体/分析物/(第2または複数の)検出抗体複合体の形成のために必要である。好ましくは、少なくとも1つの検出抗体は、検出可能標識を含有する。検出可能標識は、(第1または複数の)捕捉抗体/分析物/(第2または複数の)検出抗体複合体の形成前に、形成と同時に、または形成後に、少なくとも1つの検出抗体(例えば、第2の検出抗体)に結合され得る。当該分野で公知の任意の検出可能標識が、使用され得る(上の議論を参照されたい。)。
検出可能標識は、直接的に、またはカップリング剤を介してのいずれかで、抗体に結合され得る。使用され得るカップリング剤の例は、EDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ヒドロクロリド)であり、これは、Sigma−Aldrich、St.Louis、Mo.から市販されている。使用され得る他のカップリング剤が当該分野で公知である。検出可能標識を抗体に結合する方法が、当該分野で公知である。さらに、多くの検出可能標識が、購入可能であるかまたは合成され得、これは、以下の様な検出可能標識の抗体へのカップリングを容易にする末端基を既に含有する:例えば、CPSP−アクリジニウムエステル(すなわち、9−[N−トシル−N−(3−カルボキシプロピル)]−10−(3−スルホプロピル)アクリジニウムカルボキサミド)またはSP SP−アクリジニウムエステル(すなわち、N10−(3−スルホプロピル)−N−(3−スルホプロピル)−アクリジニウム−9−カルボキサミド)。
(第1または複数の)捕捉抗体/分析物/(第2または複数の)検出抗体複合体は、標識の定量の前に、残りの試験試料から分離されていてもよいが、そうである必要はない。例えば、少なくとも1つの捕捉抗体(例えば、第1の捕捉抗体)が、ウェルまたはビーズなどの固体支持体に結合する場合、流体(または試験試料)を固体支持体との接触から除去することによって、分離が達成され得る。あるいは、少なくとも第1の捕捉抗体が固相支持体に結合する場合、これは、分析物含有試料および少なくとも1つの第2の検出抗体に同時に接触して、第1の(複数)抗体/分析物/第2の(複数)抗体複合体を形成し、その後、流体(試験試料)を固相支持体との接触から取り除いてもよい。少なくとも1つの第1の捕捉抗体が固相支持体に結合しない場合、(第1または複数の)捕捉抗体/分析物/(第2または複数の)検出抗体複合体は、標識の量の定量のために、試験試料から取り除かれる必要はない。
標識捕捉抗体/分析物/検出抗体複合体(例えば、第1の捕捉抗体/分析物/第2の検出抗体複合体)の形成後、複合体中の標識の量が、当該分野で公知の技術を用いて定量される。例えば、酵素標識が使用される場合、標識複合体は、標識についての基質と反応し、発色などの定量可能な反応を得る。標識が放射性標識である場合、標識は、シンチレーションカウンターなどの適切な手段を用いて定量される。標識が蛍光標識である場合、標識は、1つの色の光(「励起波長」として知られる。)によって標識を刺激し、刺激に対する反応において標識によって発される別の色(「発光波長」として知られる。)を検出することによって定量される。標識が化学発光標識である場合、標識は、視覚的にまたはルミノメーター、X線フィルム、高速度写真フィルム、CCDカメラなどを用いて、発された光を検出することによって定量される。一旦、複合体における標識の量が定量されると、試験試料中の分析物またはその断片の濃度は、既知の濃度の分析物またはその断片の連続希釈を用いて作成した標準曲線の使用によるなどの適切な手段によって決定される。分析物またはその断片の連続希釈を用いる以外に、標準曲線は、質量分析または当該分野で公知の他の技術によって重量測定的に作成され得る。
ARCHITECT(登録商標)分析機を使用する化学発光微粒子アッセイにおいて、コンジュゲート希釈物pHは、約6.0+/−0.2であるべきであり、微粒子コーティング緩衝液は、およそ室温にて(すなわち、約17から約27℃)に維持されているべきであり、微粒子コーティング緩衝液pHは、約6.5+/−0.2であるべきであり、微粒子希釈液pHは、約7.8+/−0.2であるべきである。固体は、好ましくは、約0.2%未満、例えば、約0.15%未満、約0.14%未満、約0.13%未満、約0.12%未満、または約0.11%未満、例えば約0.10%未満である。
FPIAは、競合結合イムノアッセイ原理に基づく。蛍光標識された化合物は、直線偏光によって励起された際、その回転速度に反比例する偏光度を有する蛍光を発する。蛍光標識されたトレーサー−抗体複合体が直線偏光によって励起される場合、発される光は、光が吸収される時間と光が発される時間との間でフルオロフォアが回転することを拘束されるので、非常に偏光したままである。「遊離の」トレーサー化合物(すなわち、抗体に結合しない化合物。)が直線偏光によって励起される場合、その回転は、競合結合イムノアッセイにおいて産生される対応するトレーサー−抗体コンジュゲートよりもずっと速い。特別な操作および廃棄を必要とする放射性物質が存在しないので、FPIAは、RIAよりも有益である。加えて、FPIAは、容易で迅速に行われ得る均一なアッセイである。
上の観点から、試験試料中のHCVコア(またはその断片)の存在、量または濃度を決定する方法が、提供される。この方法は、試験試料をHCVコア抗原(またはその断片)について、以下のアッセイによってアッセイすることを含む:(i)以下:(i’)少なくとも1つの抗体、分析物に結合可能な抗体の断片、分析物に結合可能な抗体のバリアント、分析物に結合可能な抗体のバリアントの断片、またはHCVコア抗原に結合可能なDVD−Ig(またはその断片、バリアント、もしくはバリアントの断片)および(ii’)少なくとの1つの検出可能標識を使用し、(ii)試験試料中のHCVコア抗原(またはその断片)の存在、量または濃度の直接または間接的な指標として検出可能標識によって発生されたシグナル、と、対照またはキャリブレーター中のHCVコア抗原(またはその断片)の存在、量または濃度存在の直接または間接的な指標として検出可能標識によって発生されたシグナルを比較することを含む、アッセイ。キャリブレーターは、場合によって、一連のキャリブレーターの一部であり、ここで、キャリブレーターのそれぞれは、分析物の濃度によって、他のキャリブレーターと異なる。
この方法は、(i)試験試料を、本発明の抗体、HCVコア抗原に結合し得るそのような抗体の断片、HCVコア抗原に結合し得る抗体のバリアント、HCVコア抗原に結合し得る抗体のバリアントの断片、またはHCVコア抗原に結合し得るDVD−Ig(またはその断片、バリアントもしくはバリアントの断片)からなる群から選択される、HCVコア(またはその断片)についての少なくとも1つの第1の特異的結合パートナーと接触させて、第1の特異的結合パートナー/HCVコア抗原(またはその断片)複合体を形成すること、(ii)第1特異的結合パートナー/HCVコア抗原(またはその断片)複合体を、検出可能に標識された抗HCVコア抗体、HCVコア抗原に結合し得る抗HCVコア抗体の検出可能に標識された断片、HCVコア抗原に結合し得る抗HCVコア抗体の検出可能に標識されたバリアント、HCVコア抗原に結合し得る抗HCVコア抗体のバリアントの検出可能に標識された断片および検出可能に標識されたDVD−Ig(またはその断片、バリアントもしくはバリアントの断片)からなる群より選択される、HCVコア抗原についての少なくとも1つの第2の特異的結合パートナーと接触させて、第1の特異的結合パートナー/HCVコア抗原(またはその断片)/第2の特異的結合パートナー複合体を形成すること、ならびに(iii)(ii)において形成された第1の特異的結合パートナー/HCVコア抗原(またはその断片)/第2の特異的結合パートナー複合体における検出可能標識によって産生されたシグナルを検出または測定することにより、試験試料中のHCVコア抗原の存在、量または濃度を決定することを含む。
あるいは、この方法は、抗体、HCVコアに結合可能な抗体の断片、HCVコアに結合可能な抗体のバリアント、HCVコアに結合可能な抗体のバリアントの断片、DVD−Ig(またはその断片、バリアントもしくはバリアントの断片)からなる群より選択される、HCVコア(またはその断片)についての少なくとも1つの第1の特異的結合パートナーと、試験試料を接触させること、および同時にまたは順次、どちらかの順番で、上記少なくとも1つの第1の特異的結合パートナーへの結合についてHCVコア(またはその断片)と競合可能であり、検出可能に標識されたHCVコア、第1の特異的結合パートナーに結合可能なHCVコアの検出可能に標識された断片、第1の特異的結合パートナーに結合可能なHCVコアの検出可能に標識されたバリアント、および第1の特異的結合パートナーに結合可能なHCVコアのバリアントの検出可能に標識された断片からなる群から選択される少なくとも1つの第2の特異的結合パートナーと、この試験試料を接触させること、を含み得る。試験試料中に存在する任意のHCVコア(またはその断片)および少なくとも1つの第2の特異的結合パートナーは、互いに競合して、第1特異的結合パートナー/HCVコア(またはその断片)複合体および第1特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体を、それぞれ形成する。この方法は、(ii)において形成された第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体における検出可能標識によって発生されたシグナルを検出するまたは測定することによって試験試料中のHCVコアの存在、量または濃度を決定することをさらに含み、ここで第1の特異的結合パートナー/第2の特異的結合パートナー複合体における検出可能標識によって発生されたシグナルは、試験試料中のHCVコアの量または濃度に反比例する。
上記の方法は、試験試料が得られた患者を診断する、予後診断する、または患者の治療/予防処置の有効性を評価することをさらに含む。方法が、試験試料が得られた患者の治療/予防処置の有効性を評価することをさらに含む場合、方法は、有効性を改善する必要があれば患者の治療/予防処置を改変することを場合によってさらに含む。この方法は、自動化システムまたは半自動化システムにおける使用のために適合されていてもよい。
アッセイの方法(またはそのキット)に関して、市販の抗HCVコア抗体、または文献に記載されるように抗HCVコアの産生のための方法を使用することが、可能であり得る。種々の抗体の販売者としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Santa Cruz Biotechnology Inc.(Santa Cruz,Calif.)、GenWay Biotech,Inc.(San Diego,Calif.)およびR&D Systems(RDS;Minneapolis,Minn.)。
一般に、例えば、疾患または疾患のリスクを検出するために、HCVコアまたはその断片についての試験試料を評価する際に得られた結果を評価するベンチマークとして、所定のレベルが、使用され得る。一般に、このような比較を行う際、充分な回数、およびHCVコアの存在、量または濃度と、疾患、障害もしくは状態の特定の段階もしくはエンドポイント、または特定の臨床的指標との結びつきまたは関連性が得られ得るような適切な条件下で特定のアッセイを行うことにより、所定のレベルが得られる。代表的には、所定のレベルは、参照対象(または対象の集団)のアッセイによって得られる。測定されたHCVコアは、その断片、その分解産物、および/または酵素的開裂産物を含み得る。
特に、HCV疾患進行および/または処置をモニタリングするために使用される所定のレベルに関して、分析物またはその断片の量または濃度は、「変わらない」、「好ましい」(または「好ましく変わった」)または「好ましくない」(または「好ましくなく変わった」)であり得る。「上昇した」または「増加した」は、代表的なまたは正常レベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも高いか、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、初期試料またはベースライン試料)よりも高い、試験試料における量または濃度をいう。「低下した」または「減少した」は、代表的なまたは正常レベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも低いか、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、初期試料またはベースライン試料)よりも低い、試験試料における量または濃度をいう。「変えた」は、代表的なまたは正常レベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)に対して、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、初期試料またはベースライン試料)に対して、変えた(増加したかまたは減少した)試料における量または濃度をいう。
HCVコア抗原についての代表的なまたは正常なレベルまたは範囲は、標準的技法に従って規定される。いくつかの場合におけるHCVコアのレベルが非常に低いので、いわゆる変えられたレベルまたは変化は、代表的なまたは正常なレベルもしくは範囲または参照レベルもしくは範囲と比較して、実験的誤差または試料変化によって説明できない何らかの正味の変化が存在する場合に、起こったと考えられ得る。したがって、特定の試料において測定されたレベルが、いわゆる正常対象由来の類似の試料において決定されたレベルまたはレベルの範囲と比較される。この文脈において、「正常な対象」は、検出可能な疾患を有さない個体であり、例えば、「正常」(時には「対照」と呼ばれる)患者または集団は、それぞれ検出可能な疾患を示さない者である。さらに、HCVコアは、ヒト集団の多数において高レベルで慣用的に見出されてはいないので、「正常対象」は、実質的に検出可能に増加したかもしくは上昇したHCVコアの量または濃度を有さない個体であると考えられ得、「正常」(時には「対照」と呼ばれる)患者または集団は、実質的に検出可能に増加したもしくは上昇したHCVコアの量もしくは濃度を示さない者である。「明らかに正常な対象」は、未だHCVコアが評価されたことがない、または現在評価されている者である。HCVコアが通常は検出不能である(例えば、正常レベルがゼロであるか、または正常集団の約25から約75%の範囲内である)が、試験試料において検出される場合、ならびにHCVコアが正常レベルよりも高いレベルで試験試料中に存在する場合、HCVコアのレベルは、「上昇した」と言われる。したがって、特に、本開示は、特定の疾患、障害または状態を有するか、または有するリスクのある対象についてのスクリーニングの方法を提供する。このアッセイの方法はまた、他のマーカーのアッセイなどを含んでもよい。
したがって、本明細書に記載の方法はまた、HCV疾患、障害または状態を有するかまたはこれを発症するリスクを有する対象であるか否かを決定するために、使用され得る。具体的には、このような方法は、
(a)対象由来の試験試料中のHCVコア(またはその断片)の濃度または量を(例えば、本明細書に記載の方法または当該分野で公知の方法を用いて)決定する工程;および
(b)工程(a)において決定したHCVコア(またはその断片)の濃度または量を所定のレベルと比較する工程であって、工程(a)において決定したHCVコアの濃度または量が、所定のレベルに対して好ましい場合、対象は、所定の疾患、障害または状態を有さないか、またはそのリスクがないと決定する工程を含み得る。しかし、工程(a)において決定したHCVコアの濃度または量が、所定のレベルに対して好ましくない場合、対象は、所定の疾患、障害または状態を有するか、またはそのリスクがあると決定する。
さらに、本明細書で、対象における疾患の進行をモニタリングする方法が、提供される。最適には、この方法は、
(a)対象由来の試験試料中の、HCVコアの濃度または量を決定する工程;
(b)この対象由来の後期試験試料中の、HCVコアの濃度または量を決定する工程;
(c)工程(b)において決定されたHCVコアの濃度または量を、工程(a)において決定されたHCVコアの濃度または量と比較する工程であって、工程(b)において決定されたHCVコアの濃度または量が、工程(a)において決定されたHCVコアの濃度または量と比較した場合に変化していなかまたは好ましくない場合、対象における疾患は、継続しているか、進行しているか、または悪化していると決定する工程を含む。比較によって、工程(b)において決定されたHCVコアの濃度または量が、工程(a)において決定されたHCVコアの濃度または量と比較した場合に好ましい場合、対象における疾患は、継続していないか、退行しているか、または改善していると決定する。
場合によっては、この方法は、工程(b)において決定されたHCVコアの濃度または量を、例えば、所定のレベルと比較する工程をさらに含む。さらに、この方法は、この比較が工程(b)において決定されたHCVコアの濃度または量が、例えば、所定のレベルと比較して好ましくなく変えられることを示す場合、所定の期間にわたり、1種以上の医薬組成物によって対象を処置する工程を場合によって含む。
なお他の実施形態において、HCVコア抗原の存在またはレベルをモニタリングするための本明細書に記載の任意のアッセイは、やはりHCV感染を決定する他のアッセイと、有益に組合され得る。例えば、本発明のHCVコア決定方法のいずれかは、別のHCV抗原またはコアタンパク質以外の抗原を指向するHCV抗体のレベルを決定することをさらに含み得、これらとしては、HCVコア、E1、E2、NS2、NS3、NS4a、NS4bおよびNS5が挙げられるが、これらに限定されない。
なおさらに、この方法は、1種以上の医薬組成物による処置を受け入れている対象における処置をモニタリングするために使用されてもよい。具体的には、このような方法は、対象が1種以上の医薬組成物を投与される前の、対象由来の第1の試験試料を提供することを含む。次に、対象由来の第1の試験試料中のHCVコアの濃度または量を(例えば、本明細書に記載の方法または当該分野で公知のように用いて)決定する。HCVコアの濃度または量を決定した後、場合によりHCVコアの濃度または量を、所定のレベルと比較する。第1の試験試料において決定したHCVコアの濃度または量が所定のレベルより低い場合、対象を、1種以上の医薬組成物によって処置しない。しかし、第1の試験試料において決定したHCVコアの濃度または量が所定のレベルより高い場合、対象を、1種以上の医薬組成物によって所定の期間にわたって処置する。対象が1種以上の医薬組成物によって処置される期間は、当業者によって決定され得る(例えば、この期間は、約七(7)日間から約二年間、好ましくは約十四(14)日間から約一(1)年間であってもよい)。
1種以上の医薬組成物による処置の経過の間、第2のおよびその後の試験試料が、対象から得られる。試験試料の数および前記試験試料が対象から得られる時間は、重要ではない。例えば、第2の試験試料は、対象が1種以上の医薬組成物を最初に投与されてから七(7)日後に得られ得、第3の試験試料は、対象が1種以上の医薬組成物を最初に投与されてから二(2)週間後に得られ得、第4の試験試料は、対象が1種以上の医薬組成物を最初に投与されてから三(3)週間後に得られ得、第5の試験試料は、対象が1種以上の医薬組成物を最初に投与されてから四(4)週間後に得られ得る、などである。
第2のおよびその後の各試験試料が対象から得られた後、HCVコアの濃度または量が、第2のおよびその後の試験試料において、(例えば、本明細書に記載のかまたは当該分野で公知である方法を用いて)決定される。次いで、第2のおよびその後の試験試料のそれぞれにおいて決定されたHCVコアの濃度または量は、第1の試験試料において決定されたHCVコアの濃度または量と比較される(例えば、試験試料を、元々、場合によって、所定のレベルと比較した)。工程(c)において決定されたHCVコアの濃度または量が、工程(a)において決定されたHCVコアの濃度または量と比較した場合に好ましい場合、対象における疾患は、継続していない、退行している、または改善していることが決定され、この対象は、工程(b)の1種以上の医薬組成物を投与され続けるべきである。しかし、工程(c)において決定されたHCVコアの濃度または量が、工程(a)において決定されたHCVコアの濃度または量と比較した場合に変化していなかまたは好ましくない場合、対象における疾患は、継続している、進行している、または悪化していることが決定され、対象は、工程(b)において対象に投与された1種以上の医薬組成物のより高い濃度によって処置されるべきであり、または工程(b)において対象に投与された1種以上の医薬組成物とは異なる1種以上の医薬組成物によって処置されるべきである。具体的には、対象は、前記対象のHCVコアレベルを減少させるかまたは低下させるために対象が以前受けていた1種以上の医薬組成物とは異なる1種以上の医薬組成物によって処置され得る。
一般に、繰り返し試験がなされ得るアッセイ(例えば、疾患進行および/または処置に対する反応をモニタリングすること)のために、第2のまたはその後の試験試料が、第1の試験試料が対象から得られてから所定の時点において得られる。具体的には、対象由来の第2の試験試料は、第1の試験試料が対象から得られてから、数分後、数時間後、数日後、数週間後または数年後に得られ得る。例えば、対象由来の第2の試験試料は、第1の試験試料が対象から得られてから、約1分後、約5分後、約10分後、約15分後、約30分後、約45分後、約60分後、約2時間後、約3時間後、約4時間後、約5時間後、約6時間後、約7時間後、約8時間後、約9時間後、約10時間後、約11時間後、約12時間後、約13時間後、約14時間後、約15時間後、約16時間後、約17時間後、約18時間後、約19時間後、約20時間後、約21時間後、約22時間後、約23時間後、約24時間後、約2日後、約3日後、約4日後、約5日後、約6日後、約7日後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約7週間後、約8週間後、約9週間後、約10週間後、約11週間後、約12週間後、約13週間後、約14週間後、約15週間後、約16週間後、約17週間後、約18週間後、約19週間後、約20週間後、約21週間後、約22週間後、約23週間後、約24週間後、約25週間後、約26週間後、約27週間後、約28週間後、約29週間後、約30週間後、約31週間後、約32週間後、約33週間後、約34週間後、約35週間後、約36週間後、約37週間後、約38週間後、約39週間後、約40週間後、約41週間後、約42週間後、約43週間後、約44週間後、約45週間後、約46週間後、約47週間後、約48週間後、約49週間後、約50週間後、約51週間後、約52週間後、約1.5年後、約2年後、約2.5年後、約3.0年後、約3.5年後、約4.0年後、約4.5年後、約5.0年後、約5.5年後、約6.0年後、約6.5年後、約7.0年後、約7.5年後、約8.0年後、約8.5年後、約9.0年後、約9.5年後または約10.0年後に得られ得る。
疾患進行をモニタリングするために使用される場合、上記のアッセイは、急性状態に罹患する対象において疾患の進行をモニタリングするために使用され得る。急性状態は、救命救急状態としても知られる、急性の生命にかかわる疾患、または、例えば、心臓血管系もしくは排泄系を含む、他の重要な医学的状態をいう。代表的には、救急救命状態は、病院ベースの施設(救急処置室、集中治療室、外傷センターまたは他の救急救命施設を含むが、これらに限定されない。)において急性医療的介入を必要とする状態、または医療補助員もしくは他の野外ベースの医療関係者による投与を必要とする状態をいう。救急救命状態のために、一般的に、繰り返しモニタリングは、より短い時間枠内で、数分、数時間または数日間のうちでなされ(例えば、約1分間、約5分間、約10分間、約15分間、約30分間、約45分間、約60分間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間または約7日間)、同様に、最初のアッセイは、一般に、より短い時間枠内で、例えば、疾患または状態の発症の約数分間、数時間または数日間で、なされる。
このアッセイはまた、慢性または非急性状態を罹患する患者において、疾患の進行をモニタリングするためにも、使用され得る。非救急救命状態または非急性状態は、急性の生命にかかわる疾患、または、例えば、心臓血管系および/もしくは排泄系を含む、他の重要な医学的状態以外の状態をいう。代表的には、非急性状態としては、より長い期間または慢性の存続の状態を含む。非急性状態について、一般に、例えば、数時間、数日間、数週間、数か月または数年間の、より長い期間枠でモニタリングが繰り返され(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年間、約2年間、約2.5年間、約3.0年間、約3.5年間、約4.0年間、約4.5年間、約5.0年間、約5.5.年間、約6.0年間、約6.5年間、約7.0年間、約7.5年間、約8.0年間、約8.5年間、約9.0年間、約9.5年間または約10.0年間)、最初のアッセイも、同様に、より長い時間枠、例えば、疾患または状態の発症の約数時間、数日間、数か月または数年間以内でなされる。
さらに、上記のアッセイは、対象から得られた第1の試験試料を用いて実施され得、ここで、第1の試験試料は、尿、血清または血漿などの1つの供給源から得られる。場合によって、上記のアッセイは、対象から得られた第2の試験試料を用いて繰り返され得、ここで、第2の試験試料は、別の供給源から得られる。例えば、第1の試験試料が尿から得られる場合、第2の試験試料は、血清または血漿から得られ得る。第1の試験試料および第2の試験試料を用いるアッセイから得られた結果は、比較され得る。比較は、対象における疾患または状態の状況を評価するために、使用され得る。
その上、本開示はまた、所定の疾患、障害または状態にかかりやすいかまたは罹患している対象が処理から利益を得るか否かを決定する方法にも関する。特に、本開示は、HCVコア比較診断方法および製品に関する。したがって、本明細書に記載の「対象において疾患の処置をモニタリングする」方法は、最適には、治療のための候補を選択するまたは同定することをも包含し得る。
したがって、特定の実施形態において、本開示はまた、所定の疾患、障害または状態を有するか、またはそのリスクがある対象が、治療の候補であるか否かを決定する方法を、提供する。一般に、対象は、本明細書に記載のように、所定の疾患、障害もしくは状態の何らかの症状を経験している者であるか、または、所定の疾患、障害もしくは状態を有するか、またはそのリスクがあると実際診断されている者であるか、および/または、HCVコアもしくはその断片の好ましくない濃度もしくは量を示す者である。
この方法は、場合によって、本明細書に記載されているアッセイを含み、このアッセイにおいて、HCVコアは、1種以上の医薬組成物を用いた(例えば、特にHCVコアを伴う作用機作に関する医薬品を用いた)免疫抑制療法を用いたもしくは免疫吸収療法による、対象の処置の前および後に評価され、またはHCVコアは、そのような処置の後に評価され、HCVコアの濃度もしくは量が、所定のレベルと比較される。処置の後に観測されたHCVコアの量の不都合な濃度は、対象がさらなる処置または継続処置を受けることにより利益を受けないことを確認するものであり、一方で処置の後に観測されたHCVコアの好都合な濃度または量は、対象がさらなる処置または継続処置を受けることにより利益を受けることを確認するものである。この確認は、臨床研究の管理および向上した患者のケアの提供を援助する。
このアッセイ方法はまた、所定の疾患、障害または状態を改善する化合物を同定するために使用することができる。例えば、HCVコアを発現している細胞を候補化合物と接触させることができる。本明細書に記載のアッセイ方法を用いて、化合物と接触された細胞におけるHCVコアの発現レベルを対照細胞における発現レベルと比較することができる。
なお別の検出方法において、免疫組織化学分析による固定組織切片および固定細胞中のHCV抗原の検出に、本明細書に記載の結合タンパク質のそれぞれを用いることができる。
加えて、これらの結合タンパク質は、CNBr活性化セファロースに類似したマトリクスと結合され、細胞培養物または血液および肝臓などの生体組織由来の特異的HCVタンパク質の親和性精製のために使用され得る。
本明細書に記載のモノクローナル抗体はまた、治療的使用または他の類似した応用のためのキメラ抗体の生成のために使用することができる。加えて、本明細書全体を通して論じられるように、これらの抗体は、DVD−Ig分子の産生に使用することもできる。
モノクローナル抗体またはそれらの断片は、HCVコア抗原を検出するために個別に提供することができる。本明細書において提供されたモノクローナル抗体(およびそれらの断片)の組み合わせはまた、本明細書に記載の少なくとも1種の抗HCVコア抗体と、他のHCV領域に対する抗体であって、それぞれ異なる結合特異性を有する抗体との混合物すなわち「カクテル」中の成分として一緒に使用できることが企図されている。したがって、このカクテルは、HCVコアタンパク質を指向する本明細書に記載のモノクローナル抗体およびHCVゲノムの他の抗原決定基に対する他のモノクローナル抗体を含み得る。これらの企図されているカクテルに有用な他のモノクローナル抗体の例には、HCV C−100、HCV 33C、HCVコア、HCV NS5および/またはHCVの推定上のENVに対するモノクローナル抗体が含まれ、これらのモノクローナル抗体は、例えば、「MONOCLONAL ANTIBODIES TO HEPATITIS C VIRUS AND METHOD FOR USING SAME」という名称の米国特許出願第07/610,175号、MONOCLONAL ANTIBODIES TO HCV 33C PROTEINS AND METHODS FOR USING SAME」という名称の米国特許出願第07/610,175号、「MONOCLONAL ANTIBODIES TO PUTATIVE HCV ENVELOPE REGION AND METHODS FOR USING SAME」という名称の米国特許出願第07/648,475号、「MONOCLONAL ANTIBODIES TO HCV CORE PROTEINS AND METHODS FOR USING SAME」という名称の米国特許出願第07/648,473号、「MONOCLONAL ANTIBODIES TO HCV NS5 PROTEIN AND METHODS FOR USING SAME」という名称の同時出願された特許出願である米国特許出願第07/748,563号に開示されており、これらの全てが共通の所有権を享受しており、参照により本明細書に組み込む。本明細書に記載のモノクローナル抗体のこのカクテルは、HCVコアに対するモノクローナル抗体の代わりに、本明細書に記載のアッセイ形式に使用されることで、HCVコアおよび他のHCV抗原を検出できる。
アッセイ形式に使用することができるポリクローナル抗体またはその断片は、HCVコアまたはHCV C−100タンパク質、HCV 33Cタンパク質、HCV ENV、HCV E2/NS1もしくはHCV NS5タンパク質のような、アッセイに使用される他のHCVタンパク質に特異的に結合すべきである。好ましく使用されるポリクローナル抗体は、哺乳動物起源のものであり、ヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツジ抗HCVポリクローナル抗体を使用することができる。最も好ましくは、ポリクローナル抗体は、ウサギポリクローナル抗HCV抗体である。アッセイに使用されるポリクローナル抗体は、単独でまたはポリクローナル抗体のカクテルとしてのいずれかで使用することができる。アッセイ形式に使用されるカクテルは、異なるHCV特異性を有するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかからなるので、これらは、HCV感染の診断、評価および予後診断、ならびにHCVタンパク質の区別および特異性を研究するために有用である。
本明細書のどこか他に述べたように、本明細書に記載の方法によって試験することができる試験試料には、全血、血清、血漿、脳脊髄液、尿などのヒトおよび動物の体液、細胞培養上清などの生物学的流体、固定組織標本ならびに固定細胞標本が含まれる。
指示試薬は、HCVコアに対する特異的結合メンバーにコンジュゲートされた(取り付けられた)外的手段によって検出可能な測定可能シグナルを発生することが可能であるシグナル発生化合物(標識)を含む。本明細書で使用される「特異的結合メンバー」は、特異的結合対のメンバーを意味する。すなわち分子の一方が化学的または物理的手段により第2の分子に特異的に結合する2つの異なる分子である。HCVコアに対する特異的結合対の抗体メンバーであることに加えて、指示試薬は、ビオチンまたは抗ビオチン、アビジンまたはビオチン、炭水化物またはレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターまたはレセプター分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤または酵素などのいずれかのハプテン−抗ハプテン系を含む任意の特異的結合対のメンバーでもあり得る。免疫反応性特異的結合メンバーは、サンドイッチアッセイと同様にHCVコア、競合アッセイと同様に捕捉試薬または間接アッセイと同様に補助的特異的結合メンバーのいずれかに結合することが可能である、抗体、抗原または抗体/抗原複合体であり得る。
企図されている様々なシグナル発生化合物(標識)には、色素原、酵素などの触媒、フルオレセインおよびローダミンなどの発光化合物、アクリジニウム、フェナントリジニウムおよびジオキセタン化合物などの化学発光化合物、放射性元素ならびに直接視覚標識が含まれる。酵素の例には、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼなどが含まれる。特定の標識の選択は重要ではないが、標識は、それ自体でまたは1種以上の追加的な物質と一緒にシグナルを生じる能力がある。
イムノアッセイのための走査型プローブ顕微鏡法(SPM)の使用も、本明細書に記載のモノクローナル抗体が容易に適応可能な技術である。走査型プローブ顕微鏡法において、特に原子間力顕微鏡法において、捕捉相が、例えば、本明細書に記載のモノクローナル抗体の少なくとも1種が、固相に接着され、固相表面に存在し得る抗原/抗体複合体を検出するために走査型プローブ顕微鏡が利用される。走査型トンネル顕微鏡法の使用は、通常、抗原/抗体複合体を検出するために多くのイムノアッセイ系において利用されなければならない標識の必要性を排除する。そのような系は、係属中の米国特許出願第662,147号に記載されており、この出願は、共通の所有権を享受しており、参照により本明細書に組み込む。
特異的結合反応をモニタリングするためのSPMの使用は、多くの方法で起こり得る。一実施形態において、特異的結合パートナーの1つのメンバー(本明細書に記載のモノクローナル抗体であるHCVコア特異的物質)が、走査に適した表面に取り付けられる。HCVコア特異的物質の結合は、当業者に公知の方法による、プラスチックの固相または金属表面を含む試験片への吸着によることができる。または、誘導体化プラスチック、金属、シリコンまたはガラスの固相を含む試験片への特異的結合パートナー(HCVコア特異的物質)の共有結合を利用することができる。共有結合法は、当業者に公知であり、これには、特異的結合パートナーを試験片に非可逆的に連結させる多様な手段が含まれる。試験片がシリコンまたはガラスならば、特異的結合パートナーを結合する前に表面を活性化しなければならない。トリエトキシアミノプロピルシラン(Sigma Chemical Co.、St.Louis、Mo.から入手可能)、トリエトキシビニルシラン(Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、Wis.)、および(3−メルカプト−プロピル)トリメトキシシラン(Sigma Chemical Co.、St.Louis、Mo.)などの活性化シラン化合物を使用して、それぞれアミノ、ビニル、およびチオールなどの反応基を導入することができる。このような活性化表面を使用して、結合パートナーを直接連結することができ(アミノもしくはチオールの場合)、または活性化表面をさらにグルタルアルデヒド、ビス(スクシンイミジル)スベレート、SPPD9スクシンイミジル3−[2−ピリジルジチオ]プロピオネート)、SMCC(スクシンイミジル−4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート)、SIAB(スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノベンゾエート)およびSMPB(スクシンイミジル4−[1−マレイミドフェニル]ブチレート)などのリンカーと反応させて、表面から結合パートナーを分離することができる。ビニル基は、酸化して共有結合のための手段を提供することができる。ビニル基は、特異的結合パートナーのための複数の結合点を提供できるポリアクリル酸などの様々なポリマーの重合のためのアンカーとして使用することもできる。アミノ表面は、様々な分子量の酸化デキストランと反応して、異なるサイズおよび能力の親水性リンカーを提供することができる。酸化可能なデキストランの例には、デキストランT−40(分子量40,000ダルトン)、デキストランT−110(分子量110,000ダルトン)、デキストランT−500(分子量500,000ダルトン)、デキストランT−2M(分子量2,000,000ダルトン)(これらの全てはPharmacia、Piscataway、N.J.から入手可能である。)またはFicoll(分子量70,000ダルトン、Sigma Chemical Co.、St.Louis、Mo.から入手可能)が含まれる。同様に、多価電解質の相互作用を使用して、1988年1月29日に出願された係属中の米国特許出願第150,278号および1989年7月7日に出願された同第375,029号によって記載されている技術および化学反応を使用することによって試験片表面上に特異的結合パートナーを固定化することができ、これらの出願のそれぞれは、共通の所有権を享受しており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込む。好ましい結合方法は、共有結合的手段による。特異的結合メンバーの結合後に、表面は、非特異的結合を最小化するために、血清、タンパク質または他のブロッキング剤などの材料でさらに処理することができる。表面は、製造現場または使用場所のいずれかで走査して、アッセイ目的へのその適性を実証することもできる。走査プロセスが試験片の特異的結合性質を変化させるとは予想されない。
本開示は、固相の使用を好むことを表しているが、本明細書に記載のモノクローナル抗体は非固相アッセイ系において利用できると企図されている。これらのアッセイ系は、当業者に公知であり、本開示の範囲内であると見なされる。
アッセイに用いられる試薬は、バイアルまたはボトルなどの1つ以上の容器を有するキットであって、各容器が、アッセイに用いられるモノクローナル抗体またはモノクローナル抗体のカクテル、検出試薬および洗浄試薬などの別々の試薬を含有するキットの形態で提供することができることが企図されている。
抗体は、免疫応答を強化する手段としても使用することができる。抗体は、抗体の他の治療的投与のために使用される量に類似の量で投与することができる。例えば、通常の免疫グロブリンは、細胞へのウイルス侵入を妨害するために、狂犬病、麻疹およびB型肝炎などの他のウイルス性疾患の早期潜伏期の途中に0.02 0.1ml/lb体重で投与される。ゆえに、HCVコアタンパク質と反応性の抗体は、免疫応答および/または抗ウイルス薬の有効性を高めるために、単独でまたは別の抗ウイルス剤と一緒にHCV感染宿主に受動的に投与することができる。
動物において抗HCVウイルス抗体を誘導する手段として使用される場合、抗体を注射する方式は、ワクチン接種目的のための方式と同じであり、すなわち、アジュバント存在下または不在下で生理学的に適切な希釈剤中に入れて有効濃度で筋肉内、腹腔内、皮下などに行われる。1回以上のブースター注射が望ましい場合がある。
キット
試験試料中のHCVコアタンパク質(またはその断片)の存在、量または濃度について試験試料をアッセイするためのキットも、本明細書において企図されている。そのようなキットは、HCVコアタンパク質(またはその断片)について試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびHCVコア(またはその断片)について試験試料をアッセイするための説明書を含む。HCVコア(またはその断片)について試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分には、場合によって固相上に固定化されているまたは固定化されることが可能な、抗HCVコアタンパク質モノクローナル抗体または抗HCVコアタンパク質DVD−Ig(またはそれらの断片、バリアントもしくはバリアントの断片)を含む組成物が含まれ得る。
キットは、イムノアッセイ、例えば化学発光微粒子イムノアッセイによってHCVコアタンパク質について試験試料をアッセイするための少なくとも1つの成分およびイムノアッセイ、例えば化学発光微粒子イムノアッセイによってHCVコアについて試験試料をアッセイするための説明書を含む可能性がある。例えば、キットは、抗HCVコアモノクローナル/ポリクローナル抗体(またはHCVコアに結合できるその断片、HCVコアに結合できるそのバリアントもしくはHCVコアに結合できるバリアントの断片)または抗HCVコアDVD−Ig(またはその断片、バリアントもしくはバリアントの断片)などの、HCVコアに対する少なくとも1つの特異的結合パートナーを含むことができ、これらの特異的結合パートナーのいずれも、検出可能に標識することができる。代替的または追加的に、キットは、検出可能に標識されたHCVコア(または抗HCVコアモノクローナル/ポリクローナル抗体もしくは抗HCVコアDVD−Ig(またはその断片、バリアントもしくはバリアントの断片)に結合できるその断片)を含む可能性があり、このHCVコアは、いずれも固体支持体上に固定化することができる、抗HCVコアモノクローナル/ポリクローナル抗体(またはHCVコアに結合できるその断片、HCVコアに結合できるそのバリアントもしくはHCVコアに結合できるバリアントの断片)または抗HCVコアDVD−Ig(またはその断片、バリアントもしくはバリアントの断片)との結合を試験試料中の任意のHCVコアと競合することができる。キットは、キャリブレーターまたは対照、例えば単離または精製されたHCVコアを含み得る。キットは、アッセイを行うための少なくとも1つの容器(例えば、第1の特異的結合パートナーで例えばコーティング済みでありうるチューブ、マイクロタイタープレートまたはストリップ)および/またはいずれの1つも濃縮溶液として提供できるアッセイ緩衝液もしくは洗浄緩衝液などの緩衝液、検出可能な標識(例えば酵素標識)用の基質溶液もしくは停止溶液を含み得る。好ましくは、キットは、アッセイを行うために必要な全ての成分、すなわち試薬、標準物質、緩衝液、希釈剤などを含む。説明書は、紙形式またはディスク、CD、DVDなどのコンピューター可読形式であり得る。
抗HCVコア抗体もしくは抗HCVコアDVD−Igなどの任意の抗体またはトレーサーは、フルオロフォア、放射性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、発色団、化学発光標識などの、本明細書に記載の検出可能な標識を組み込んでいる場合があり、または、キットは、検出可能な標識を実施するための試薬を含み得る。抗体、キャリブレーターおよび/または対照は、別々の容器中に提供でき、または適切なアッセイ形式中に、例えばマイクロタイタープレート中に予備分注できる。
場合によって、キットは、品質管理成分(例えば、感度パネル、キャリブレーターおよび陽性対照)を含む。品質管理試薬の調製は、当技術分野において周知であり、多様な免疫診断製品の添付文書に記載されている。感度パネルのメンバーは、場合によってアッセイ性能の特徴を立証するために使用され、さらに場合によって、イムノアッセイキット試薬の完全性およびアッセイの標準化の有用な指標である。
キットは、場合によって診断アッセイを行うためまたは品質管理評価を容易にするために必要な他の試薬、例えば緩衝液、塩、酵素、酵素補因子、酵素基質、検出試薬なども含み得る。試験試料の単離および/または処理のための緩衝液および溶液などの他の成分(例えば前処理試薬)も、キットに含まれる可能性がある。キットは、追加的に、1つ以上の他の対照を含み得る。キットの成分の1つ以上は、凍結乾燥されている可能性があり、その場合、キットは、凍結乾燥された成分の再構成に適した試薬をさらに含み得る。
場合によって、キットの様々な成分は、必要に応じて適切な容器中に、例えばマイクロタイタープレート中に提供される。キットは、さらに、試料を保持または保管するための容器(例えば尿試料用の容器またはカートリッジ)を含み得る。適切な場合には、キットは、場合によって反応器、混合器および試薬または試験試料の調製を容易にする他の構成要素も含み得る。キットは、また、試験試料の入手を援助するための1つ以上の器具、例えばシリンジ、ピペット、鉗子、計量スプーンなどを含み得る。
検出可能な標識が少なくとも1種のアクリジニウム化合物であるならば、キットは、少なくとも1種のアクリジニウム−9−カルボキサミド、少なくとも1種のアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルまたはそれらの任意の組み合わせを含み得る。検出可能な標識が少なくとも1種のアクリジニウム化合物である場合、キットは、緩衝液、溶液および/または少なくとも1種の塩基性溶液などの過酸化水素源も含み得る。所望により、キットは、磁気粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブラン、足場分子、フィルム、ろ紙、ディスクまたはチップなどの固相を含有することができる。
キット(またはその構成要素)、さらには本明細書に記載のイムノアッセイなどのアッセイによって試験試料中のHCVコアの存在、量または濃度を決定する方法は、例えば米国特許第5,089,424号および同第5,006,309号に記載のおよび例えばAbbott Laboratories(Abbott Park、Ill.)によってARCHITECT(登録商標)として市販の、多様な自動化および半自動化システム(固相が微粒子を含むシステムを含む。)において使用するために適応させることができる。
非自動化システム(例えばELISA)に比べた自動化システムまたは半自動化システムの差異のいくつかには、第1の特異的結合パートナー(例えば、抗HCVコアモノクローナル/ポリクローナル抗体(またはその断片、そのバリアントもしくはそのバリアントの断片)または抗HCVコアDVD−Ig(またはその断片、そのバリアントもしくはそのバリアントの断片)が結合した基質(いずれにせよ、サンドイッチの形成およびHCVコアの反応性が影響され得る。)ならびに捕捉、検出工程および/または場合による任意の洗浄工程の長さおよびタイミングが含まれる。ELISAなどの非自動化形式が試料および捕捉試薬との比較的長いインキュベーション時間(例えば約2時間)を必要とし得る一方で、自動化または半自動化形式(例えばARCHITECT(登録商標)、Abbott Laboratories)は、比較的短いインキュベーション時間を有し得る(例えば、ARCHITECT(登録商標)について約18分)。同様に、ELISAなどの非自動化方式がコンジュゲート試薬などの検出抗体を比較的長いインキュベーション時間(例えば約2時間)インキュベートし得る一方で、自動化または半自動化方式(例えばARCHITECT(登録商標))は、比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)について約4分)を有し得る。
Abbott Laboratoriesから入手可能な他のプラットホームには、AxSYM(登録商標)、IMx(登録商標)(例えばその全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,294,404号参照)、PRISM(登録商標)、EIA(ビーズ)およびQuantum(商標)II、ならびに他のプラットホームが含まれるが、これらに限定されない。さらに、アッセイ、キットおよびキットの構成要素は、他の方式、例えば電気化学アッセイシステムまたは他の携帯型もしくはポイントオブケアアッセイシステムに使用することができる。本開示は、例えば、サンドイッチイムノアッセイ式イムノセンサーを行う市販のAbbott Point of Care(i−STAT(登録商標)、Abbott Laboratories)電気化学イムノアッセイシステムに応用可能であり、これらの製造方法および1回使用型試験装置における操作方法は、例えば、米国特許第5,063,081号、米国特許出願公開第2003/0170881号、米国特許出願公開第2004/0018577、米国特許出願公開第2005/0054078号および米国特許出願公開第2006/0160164号に記載されており、これらは、これらに関する教示のためにこれらの全体を参照により組み込む。
特に、I−STAT(登録商標)システムにHCVコアアッセイを適応させることに関して、以下の構成が好ましい。金電流測定作用電極および銀−塩化銀基準電極の対を備える微細加工されたシリコンチップが製造される。作用電極の1つに対して、抗HCVコアモノクローナル/ポリクローナル抗体(またはその断片、そのバリアントもしくはそのバリアントの断片)または抗HCVコアDVD−Ig(またはその断片、そのバリアントもしくはそのバリアントの断片)が固定化されたポリスチレンビーズ(直径0.2mm)が、電極を覆うパターン化されたポリビニルアルコールのポリマーコーティングに接着される。このチップは、イムノアッセイに適した流体工学形式を備えるI−STAT(登録商標)カートリッジに組み立てられる。カートリッジの試料保持チャンバーの壁の一部に、抗HCVコアモノクローナル/ポリクローナル抗体(またはHCVコアと結合できるその断片、そのバリアントもしくはそのバリアントの断片)または抗HCVコアDVD−Ig(またはHCVコアと結合できるその断片、そのバリアントもしくはそのバリアントの断片)などの、HCVコアに対する特異的結合パートナーの層があり、これらの結合パートナーのいずれも検出可能に標識されている可能性がある。カートリッジの流体パウチ内は、p−アミノフェノールホスフェートを含む水性試薬である。
操作において、HCVコアを含有することが疑われる試料が試験カートリッジの保持チャンバーに加えられ、カートリッジがI−STAT(登録商標)読み取り器に挿入される。HCVコアに対する特異的結合パートナーが試料中に溶解された後に、カートリッジ内のポンプ素子が、チップを収容する導管内に試料を強制的に入れる。この際に、これが振動してサンドイッチの形成を促進する。アッセイの最後から2番目の工程において、流体はパウチから強制的に出され、導管内に入れられて、試料がチップから廃棄物チャンバー内に洗い落とされる。アッセイの最終工程において、アルカリホスファターゼ標識がp−アミノフェノールホスフェートと反応してリン酸基を切断し、遊離したp−アミノフェノールを作用電極で電気化学的に酸化させる。読み取り器は、測定された電流に基づき、組み込みアルゴリズムおよび工場で決定された検量線により、試料中のHCVコアの量を計算することができる。
さらに、本明細書に記載の方法およびキットがイムノアッセイを実施するための他の試薬および方法を必然的に包含することは言うまでもない。例えば、当技術分野において公知の種々の緩衝液ならびに/または例えば洗浄のために、コンジュゲート用希釈剤として、微粒子用希釈剤としておよび/もしくはキャリブレーターの希釈剤として使用されるように容易に調製または最適化することができるものなどの様々な緩衝液が包含される。例示的なコンジュゲートの希釈剤はARCHITECT(登録商標)コンジュゲート用希釈剤であり、これは、特定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、Ill.)に使用され、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、塩、タンパク質ブロッカー、抗菌剤および洗剤を含有する。例示的なキャリブレーター希釈剤はARCHITECT(登録商標)ヒトキャリブレーター希釈剤であり、これは、特定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、Ill.)に使用され、MESを含有する緩衝液、他の塩、タンパク質ブロッカーおよび抗菌剤を含む。さらに、2008年12月31日に出願された米国特許出願第61/142,048に記載されたように、改善されたシグナル発生は、例えばシグナル抗体に連結した核酸配列を信号増幅因子として使用するI−Statカートリッジ形式において得ることができる。
本明細書に記載の本発明の方法の他の適切な改変および適応は明白であり、本発明または本明細書に開示されている実施形態の範囲から逸脱することなく適切な均等物を使用して行われ得ることが、当業者に容易に分かる。本発明を詳細に説明してきたが、以下の実施例の参照により同様のことがより明確に理解される。これらの実施例は、単に例示のために含まれるのであって、本発明の限定を意図していない。
[実施例1]
動物免疫化
雌性CAF1/JおよびRBF/DnJマウス(両方ともJackson Laboratory、Bar Harbor、Maineから入手)を、BSAに共有結合したアミノ酸(すべてのナンバリングはHCV−1に従う)134−171に対応するHCVコアペプチド(ALRZ−8免疫原)50μgで0、4および10週に免疫化した。
HCVコアペプチド−BSAはAnaSpec,Inc.(Fremont、CA)にて調製された。この免疫原ペプチドは、完全または不完全Adjuliteフロイントアジュバント(Pacific Immunology、Ramona、CA)で乳化した。完全フロイントアジュバントは一次免疫化に使用し、不完全フロイントアジュバントは二次および三次免疫化に使用した。HCVペプチド−BSAを滅菌生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)で適切な濃度に希釈し、等量のアジュバントを添加し、次いで、濃厚な安定エマルジョンが形成されるまで、3方ストップコックを介して2つのシリンジ間を行き来させて混合することによって各接種材料を調製した。三次免疫化の10−14日後に血清試料を採取した。B細胞回収の4日前および3日前に、RBF/DnJマウス306番および315番に、滅菌生理食塩水で希釈した50μgペプチド−BSAを投与した。この接種材料を脾臓近傍の体腔内に送達した。
ALRZ−8免疫原
Ac−MGYIPLVGAPLGGAARALAHGVRVLEDGVNYATGNLPGC−BSA
[実施例2]
抗原免疫反応性についてのマウス血清のスクリーニング
最終免疫化後7−10日目に採取したマウス血清試料の、各3つの合成(Anaspec,Inc.)カルボキシ末端ビオチン化HCVコアペプチドに対する反応性を、96ウェルマイクロタイター酵素イムノアッセイ(EIA)において最初に試験した。スクリーニングに使用したペプチドは、実施例1に記述した免疫原配列に由来し、次の名称および配列を有していた:ペプチド1(すべてのナンバリングはHCV−1に従う)、アミノ酸134−151:MGYIPLVGAPLGGAARALAHG;ペプチド2、アミノ酸141−161:GAPLGGAARALAHGVRVLEDG,ペプチド3、アミノ酸151−171、LAHGVRVLEDGVNYATGNLPG。アッセイプレート(NUNC Corporation,Naperville,IL)を、リン酸緩衝食塩水(PBS)で2μg/mLに希釈したヒツジ抗マウスIgG Fc特異抗体(Jackson ImmunoResearch,West Grove,PA)100μL/ウェルでコートした。プレートを、37℃で約2時間、その後約21℃で約2時間インキュベートした。その後、捕捉抗体を除去し、ブロッキング溶液(3%w/v[重量/体積]ウシ血清アルブミン(BSA)およびPBSで希釈した0.5%v/v[体積/体積]ポリソルベート−20)を200μL/ウェルで加えた。プレートを約30分間インキュベートし、次に蒸留水で洗浄した。次に、マウス血清の連続希釈(ブロック溶液中)または陽性対照を、アッセイプレートに添加し(100μL/ウェル)、2時間から20時間の間インキュベートし、次に、蒸留水で洗浄した。次に、正常な血清溶液(NSS;2%v/v正常マウス血清を含むブロック溶液)を100μL/ウェルで添加して追加ブロッキングした。この溶液は、アッセイウェル内の非特異的結合を防止するのに役立つ。プレートを約30分間インキュベートし、次に蒸留水で洗浄した。続いて、各ペプチドの224nM溶液100μL/ウェルをアッセイウェルに添加して、短時間インキュベートし、その後、プレートを蒸留水で洗浄した(血清試料は3つの全ペプチドの混合物ではなく個々のペプチドに対する反応を試験した。)。次に、ブロッキング溶液で200ng/mLに希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(Jackson ImmunoResearch)100μL/ウェルを添加し、約30分間インキュベートし、その後プレートを洗浄した;o−フェニレンジアミン基質(OPD)を色素原として使用して信号を生成させ、反応を1N硫酸を使用して止めた。信号を492nmの波長で読んだ。
[実施例3]
相対的親和性に関するマウス血清のスクリーニング
相対的親和性試験を各血清試料、すならち、前のアッセイで強い信号が確認されていたペプチドの組み合わせに対して完了した。個々のコアペプチドに対する各血清試料の相対的親和性を決定するため、試料を、ビオチン標識したペプチド各々の限界濃度に対する反応性に関して試験した。アッセイ形式は上述のものと同一であったが、マウス血清の試験試料の連続希釈を調製する代わりに、各試料をブロッキング溶液で単一の希釈で調製した。さらに、個々のペプチドをブロッキング溶液中500nM溶液から、ブロッキング溶液中10log2希釈で、濃度を変えて試験した。結合曲線を、各血清試料の相対的親和性を決定するために作成し使用した。これらの結果に基づいて、RBF/DnJマウス306番および315番をB細胞融合に選択した。
[実施例4]
マウス脾細胞融合
融合当日、マウスを安楽死させ、それらの脾細胞を回収し、Pen Strep(Invitrogen Corporation)を添加したIscoves Modified Dulbeccos Medium(IMDM)に置いた。KohlerとMilstein(Nature 1975年;256:495−7頁)の記述通りに細胞融合した。各マウスの脾臓をそれぞれIMDMを含むペトリ皿に置いた。脾細胞をIMDMを含む注射器およびセルスクレーパーを使用して、各脾臓から灌流して分離した。マウス306番および315番からの脾細胞をすべて単離し、50ml遠心管にプールし、その後、血球計を使用してトリパンブルー色素排除法で計数し生存率を決定した。計約8.0×10個の細胞が89%の生存度で、これらの脾臓から回収された。約7.6×10細胞/mlが顕微鏡下での外観に基づいてB細胞であると推測された。この細胞懸濁液約5mLを第1の融合実験(融合208A)に使用し、残りの細胞を、磁気細胞分離装置(MACS)およびPan B細胞分離キット(Miltenyi Biotech)を使用して処理し、B細胞に関して細胞集団を濃縮し、他の細胞タイプを除去した。約6.7×10の全細胞を、Pan B細胞ビオチン標識抗体カクテルと一緒にインキュベートし、続いてメーカーの指示に従って抗ビオチンマイクロビーズと一緒にインキュベートした。細胞懸濁液/マイクロビーズ混合物を遠心分離により洗浄し、磁場内のMiltenyi Biotech LSカラムに移した。B細胞をカラムに流し、他の細胞タイプをカラム内で保持した。2%のFBSを含むPBSでカラムを3回洗浄し、B細胞をすべて洗い出した。B細胞懸濁液を遠心分離機にかけ、ペレットをIMDMにおいて再懸濁し、次に血球計を使用して計数した。約1.4×10個のB細胞を濃縮工程から回収した。この懸濁液から得た約7.0×10個のB細胞を第2の融合実験(融合208B)に使用し、残りのB細胞は、後で使用するために凍結保存した。
脾臓由来の非濃縮脾細胞(融合208A用、約3.8×10個のB細胞)と濃縮B細胞プール(融合208B用、約7.0×10個のB細胞)を別々のチューブで遠心分離により洗浄し、細胞ペレットをIMDMで再懸濁した。これらの脾細胞を同数のNS/0骨髄腫細胞と混合し、遠心分離してペレット化した。この融合は、HSFM中50%ポリエチレングリコール(PEG)(American Type Culture Collection−分子量1300−1600)に脾細胞およびNS/0細胞を接触させて実施した。PEG溶液1mLを30秒間かけて各細胞ペレットに添加し、その後もう1分間インキュベートした。PEGと細胞ペレットを、IMDM30mLを30秒間かけて徐々に添加して希釈した。その後、融合細胞を遠心分離により懸濁液から除去し、上清をデカントした。各融合(208Aおよび208B)で得た細胞ペレットを、約10%FBS(Hyclone Laboratories)、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)(Sigma Laboratories)、HTサプリメント(Invitrogen Corporation)、BM Condimed H1(Roche Applied Science)、コレステロールおよびL−グルタミン(Invitrogen Corporation)を補充したIMDM約250mLで再懸濁してハイブリドーマを選択した。融合細胞をHAT培地を含むT162培養フラスコに播種し、5%CO、37℃で約48時間、大量培養した。HAT選択の48時間後、大量培養物を遠心分離機にかけ、ペレットを半固体組織培養培地に再懸濁した。半固体組織培養培地は2×IMDM(Invitrogen)とClone Matrix(Molecular Devices)の50%混合物に、10%FBS、HTサプリメント、Penn/Strep、L−グルタミンおよび抗マウスIgG−FITC Clone Detect(Molecular Devices)を補充して構成した。半固体培養プレートは7−10日間インキュベートして、ClonepixFL(Molecular Devices)でコロニー選抜した。増殖を開始した単一細胞は、増殖中に移動して他の細胞と混合できないため、半固体培地において増殖したコロニーはクローンと考えられたが、目的の細胞株はすべて後日サブクローン化して、クローン性を実証される。免疫沈降反応が、コロニーで生成された抗体と蛍光を発するヤギ抗マウスIgG Fc−FITCの間で生じた。観察された蛍光信号が明るいほど、より多くの抗体が生成されていることになる。コロニーをClonepixFLで蛍光分析し、蛍光信号が最も強いコロニーを選択し、10%FBS、HTサプリメント、コレステロール、L−グルタミンおよびPen Strepを添加したIMDMを含む96ウェル組織培養プレートに自動的に移行させた。96ウェル組織培養プレートは抗体産生に関する上清のスクリーニングに先立って、37℃で3から7日間増殖させた。
[実施例5]
ペプチドを使用したハイブリドーマスクリーニングおよび選抜
細胞上清試料をEIAで抗HCV抗体に関して分析した。ヒツジ抗マウスIgG Fc(Jackson Immunoresearch)を1μg/mLで96ウェルマイクロタイターEIAプレート上にコートした。捕捉試薬を固相上にコートした後、残存溶液を除去し、プレートをPBS中3%BSAでブロックした。ウェルを蒸留水で洗浄し、ブロックしたプレートに細胞上清を添加し、少なくとも1時間、室温でインキュベートした。抗マウスIgG Fcは、上清に存在した抗HCVマウス抗体を捕捉した。インキュベート後、プレートを蒸留水を使用して洗浄した。BSAブロック溶液中3%正常マウス血清を全ウェルに添加して、30分間室温でインキュベートして、プレート上にコートした非結合ヒツジ抗マウスIgG Fc捕捉部位をブロックした。ウェルを蒸留水で洗浄し、実施例2に記述したビオチン化HCVペプチドの混合物(つまり、HCV−1のアミノ酸134−154、141−161および151−171に対応)、をそれぞれ100ng/mLで添加し、室温で30分間インキュベートした。インキュベート後、ビオチン化抗原を蒸留水を使用してプレートから洗浄し、約200ng/mLに希釈したストレプトアビジン−HRPO(Jackson Immunoresearch)をプレートに添加し、30分間インキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、o−フェニレンジアミン基質を色素原として使用して信号を生成させた。プレートを492nmで読み、結果を分析した。EIA信号がバックグラウンドより少なくとも3倍高い場合、ウェルを陽性であるとみなした。陽性のウェルを24ウェルプレート上、10%FBS、HTサプリメント、コレステロールおよびL−グルタミンを添加したIMDM中に展開した。
5−14日間増殖させた後、24ウェル培養物を上述したのと同じ方法でEIAで評価したが、今回は、上清試料を個々のビオチン化HCVコアペプチドとBSAに対して滴定して、ペプチドまたはブロッキングタンパク質に非特異的に結合し得るクローンを識別した。スクリーニングペプチドの少なくとも1つに対して、0.08OD単位の平均的なBSAバックグラウンド値より少なくとも5倍高い信号を生成する24ウェル培養物は陽性であると考えられ、次の評価のために選択した。値を表1に掲載する。
Figure 0006739329
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[実施例6]
組み換えHCVコア1−169のクローニングおよび発現
HCV−1のアミノ酸1−169をコードするヌクレオチド配列をE.coli発現に最適化したコドンとし、チオレドキシン融合タンパク質をコードする配列を除去し、メチオニン(M)に置換した改変pET32aベクターでクローニングした。さらに、カルボキシ末端のヘキサヒスチジンタグをHCVコアのコドン169のすぐ後に含め、固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)で精製を促進した。E.coli BL21(DE3)細胞を精製したプラスミドDNAで形質転換し、プラスミドpET−HCVコア1−169を含むクローンを識別した。ここから発現したタンパク質を、HCVコア1−169と命名した。
タンパク質発現は、terrific broth(TB)培地においてpET−HCVコア1−169−形質転換E.coli BL21(DE3)細胞の培養により実施した。細胞はOD600nmが10になるまで発酵槽で増殖させ、その後、1mMのIPTGで誘発し、OD600nmが約20となるまで約3時間37℃で増殖させた。細胞を遠心分離により回収し、150mM NaCl、1mM DTT、5mM MgCl、リゾチームおよびベンゾナーゼを含む25mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)で超音波処理により溶解させた。溶解物を遠心分離により精製し、不溶性分画を、150mM NaCl、6M尿素、1.0%n−ドデシル−β−D−マルトシド、1mM DTTおよび5mM MgClを含む25mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)に溶解させた。溶解した溶解物を遠心分離により再び精製し、可溶性分画をHisTrap Fast Flowカラム(GE Healthcare)に移した。150mM NaCl、1mM DTT、5mM MgCl、6M尿素、0.1%n−ドデシル−β−D−マルトシドおよび10mMイミダゾールを含む25mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)をカラム容量の25倍の量使用して、カラムを洗浄した。溶出を、同一の緩衝液およびイミダゾールの直線的濃度勾配法(0−500mM)を使用して実施した。目的の所望のタンパク質(SDS−PAGEにより決定)を含む溶出分画をプールし、150mM NaCl、1mM DTT、5mM MgClを含み、6M尿素および0.1%n−ドデシル−β−D−マルトシドを含む、または含まない、25mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)で透析した。
HCVコア1−169ヌクレオチド配列
Figure 0006739329
HCVコア1−169アミノ酸配列
Figure 0006739329
[実施例7]
コア抗原を使用したハイブリドーマのスクリーニング
その後、24ウェル培養物を、マイクロタイタープレート上に直接コートしたHCVコア1−169(実施例6において記述)への結合能力に関してEIAで評価した(固相アッセイ)。HCVコア1−169は1μg/mLで96ウェルマイクロタイターEIAプレート上にコートした。捕捉試薬を固相上にコートした後、溶液を除去し、プレートを3%BSAを含むPBSでブロックした。ウェルを蒸留水で洗浄し、細胞培養上清の5倍系列希釈を添加し、少なくとも1時間室温でインキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、BSAブロック溶液で約200ng/mlに希釈したHRP標識ヤギ抗マウスIgG FC抗体をプレートに添加し、室温で30分間インキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、o−フェニレンジアミン基質を色素原として使用して信号を生成させた。プレートを492nmで読み、結果を分析した。
コア1−169への反応値以上にBSAバックグラウンドに反応性を有する抗体は陰性であるとみなし、平均BSAバックグラウンド値の計算には使用しなかった。コア1−169に対して陽性であると考えられる残りの抗体については、少なくとも0.50OD単位または平均的なBSAバックグラウンド信号である0.10OD単位より少なくとも5倍高いEIA信号を有していなくてはならない。表2に値を掲載する。
Figure 0006739329
Figure 0006739329
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Figure 0006739329
[実施例8]
コア抗原捕捉アッセイによるハイブリドーマスクリーニング
ペプチドベースのEIA(実施例5)またはHCVコア1−169固相イムノアッセイ(実施例7)により24ウェルステージで陽性と識別された細胞株を凍結保存用に展開し、高濃度使用細胞上清を生成した。融合208A細胞株および融合208B細胞株由来の高濃度使用上清は、ドメイン1としても知られるHCVコアの核酸結合ドメイン(例えばアミノ酸1−125)内のエピトープに対して指向するモノクローナル抗体(14−153−229、米国特許第7,858,752号)を用いて溶液から捕捉したHCVコア1−169を検出する能力に関して試験した。抗ドメイン1モノクローナル抗体は1μg/mLで96ウェルマイクロタイターEIAプレートの固相上にコーティングした。捕捉試薬を固相上にコートした後、除去して、プレートを、2%フィィッシュゼラチン、0.5%Tween20および0.1%n−ドデシル−N,N−ジメチルアミン−N−オキシド(Affymetrix)を含む5×PBS緩衝液を使用して、室温で30分間ブロックした。プレートを蒸留水で洗浄し、フィィッシュゼラチン/洗浄溶液で希釈したコア1−169抗原の50ng/ml溶液を全ウェルに添加し、室温で少なくとも30分間インキュベートした。ウェルを蒸留水で洗浄し、細胞上清をブロックしたプレートに滴定し、室温で少なくとも30分間室温でインキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、BSAブロック溶液で約200ng/mlに希釈したHRP標識ヤギ抗マウスIgG FC抗体をプレートに添加し、室温で30分間インキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、o−フェニレンジアミン基質を色素原として使用して信号を生成させた。プレートを492nmで読み、結果を分析した。少なくとも0.50OD単位または平均的なBSAバックグラウンド信号である0.10OD単位より少なくとも5倍高いEIA信号を有していた場合、抗体は、コア1−169に対して陽性であると考えられた。表3に値を掲載する。
Figure 0006739329
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[実施例9]
抗HCVコア抗体結合速度論の決定
抗HCVコアペプチド134−171モノクローナル抗体の親和性/速度論を、Biacore 4000装置(GE Healthcare Bio−Sciences AB、Uppsala、Sweden)を使用して決定した。まず、100mM HCl、50mM NaOHおよび0.1%SDSの重複注入でCM5シリーズSバイオセンサーチップ(GE Healthcare)をあらかじめ処理した後、ウサギ抗マウスIgG捕捉バイオセンサーは、ウサギ抗マウスIgG抗体(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を、バイオセンサーチップの4つ全てのフローセルにおけるスポット1、2、4および5上に、Amine Coupling Kit(GE Healthcare)で提供されるEDC/NHS/エタノールアミン化学によってアミンカップリングして生成した。精製した抗HCVコア抗体使用ハイブリドーマ上清およびHCVコアペプチドは、蒸留水で10倍希釈した10×HBS−EP+緩衝液(GE Healthcare;以下「ランニング緩衝液」)に、0.1%BSAおよび0.1%CM−デキストランを添加して、0.2μmでろ過して構成したろ過緩衝液で希釈した。各HCVコア抗体上清は1:1でランニング緩衝液で希釈し、0.2μmで再度ろ過した。53個のアミノ酸カスタムペプチド(ALRZ−9ペプチド、Anaspec、Fremont、CA)を化学的に合成して、HCVコア残基134−171およびカルボキシ末端の破傷風トキソイド(TT)免疫原のT細胞エピトープペプチド(Eur.J.Immunol.(1989年)、19:2237−2242頁)を、末端のアミノおよびカルボキシ基をそれぞれアセチル化およびアミノ化して含めた。凍結乾燥したHCVコア134−171−破傷風トキソイド合成ペプチド免疫原は、蒸留水で0.7mg/mLまたは1mg/mLの貯蔵濃度に希釈し、さらにランニング緩衝液で、0.457から3,000nMまたは0.412から2,700nMのいずれかの濃度に、どちらも3倍希釈系列を使用して希釈した。抗原溶液はすべて使用に先立って0.2μmでろ過した。
HCVコア134−171−TTペプチドの手順は以下のとおりであった:HCVコア抗体10μLを、10μL/分で4つすべてのフローセルのスポット1および5に別々に注入した。全スポットが捕捉された抗体を含んだ後、流速を30μL/分に早め、バイオセンサーを2分間この新しい流速で平衡化し;その後、HCVコアペプチドを3分注入し(90μL)、その後ランニング緩衝液を4分間注入した。バイオセンサーの表面はすべて、10μL/分の流速で10mMグリシン、pH1.7(GE Healthcare)30μLを1回注入して再生成した。濃度はすべて複製して試験した。結合速度論(結合および解離)は抗原、続くランニング緩衝液注入中にセンサーグラムでモニターした。センサーグラムはダブルリファレンスを取り、1:1結合モデルに合わせ、Biacore 4000 Evaluationソフトウェア(GE Healthcare Bio−Sciences AB)を使用して結合速度および解離速度を、また全体的なKを決定した。速度論および親和性の値を表4に掲載する。値が無い場合は、結合速度論が決定できなかったか、抗体がこのアッセイではHCVコア134−171−TTペプチドと相互作用しなかったかのどちらかである。
ALRZ−9ペプチド
Figure 0006739329
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[実施例10]
核酸結合ドメインmAbのBIACore抗体結合対分析
抗HCVコアペプチド134−171モノクローナル抗体の、抗HCVコアC11−3、C11−7、C11−9およびC11−14(米国特許第6,727,092号;Morotaら、J.Virol.Meth.、2009年、157:8−14頁)抗体および組み換えHCVコア1−169抗原と抗体結合対を形成する能力を、Biacore 4000装置(GE Healthcare Bio−Sciences AB)を使用して決定した。まず、100mM HCl、50mM NaOHおよび0.1%SDSの重複注入でCM5シリーズSバイオセンサーチップ(GE Healthcare)をあらかじめ処理し、ウサギ抗マウスIgG捕捉バイオセンサーは、ウサギ抗マウスIgG抗体(GE Healthcare、Piscataway、NJ)を、バイオセンサーチップの4つ全てのフローセルにおけるスポット1、2、4および5上に、Amine Coupling Kit(GE Healthcare)で提供されるEDC/NHS/エタノールアミン化学によってアミンカップリングして生成した。
精製した抗HCVコア(ペプチドaa 134−171)抗体使用ハイブリドーマ上清、組み換えHCVコア1−169抗原、ブロッキング試薬として使用する、HCVコアに反応しないアイソタイプIgG1、IgG2aおよびIgG2bを示す3つの異なる精製マウスモノクローナルIgGおよび抗HCVコアC11−3、C11−7、C11−9およびC11−14mAbを、蒸留水で5倍希釈した10×PBS緩衝液(GE Healthcare)に、3mM EDTA、0.1%BSA、0.1%CMデキストラン、0.1%n−ドデシル−N,N−ジメチルアミン−N−オキシド、追加で500mM NaClを添加して、0.2μmでろ過して構成したろ過ランニング緩衝液(以下「ランニング緩衝液」)で希釈した。各HCVコア抗体上清を1:1で希釈し、組み換えHCVコア1−169抗原は、算出した二量体分子量(39,453Da)当たり500nMに希釈し、抗HCVコアC11−3、C11−7、C11−9およびC11−14精製モノクローナル抗体を個々に20μg/mLに希釈し、3つのマウスIgGブロッキング試薬はすべて、各アイソタイプをランニング緩衝液中少なくとも100μg/mLの濃度で有する貯蔵液として希釈した。希釈液はすべて使用に先立って0.2μmでろ過した。
HCVコア抗体−抗原−抗体サンドイッチ手順を以下に示す。HCVコアC11抗体20μLを10μL/分で4つすべてのフローセルのスポット1と5に注入した:つまり、C11−3をフローセル1に、C11−7をフローセル2に、C11−9をフローセル3に、c11−14をフローセル4に注入した。流速を30μL/分に早め、バイオセンサー上の残りの利用可能な抗マウスIgG結合部位を、マウスIgG1、IgG2aおよびIgG2bのアイソタイプ貯蔵液を全フローセルのスポット1および2に60μLを注入し、その後スポット4および5に60μL注入することでブロックした。HCVコア1−169抗原60μLを、全フローセルのスポット1に、次に別の60μLを全フローセルのスポット5に注入した。HCVコア抗体の希釈上清の60μLを、全フローセルのスポット1および2に注入し、別の希釈上清60μLを全フローセルのスポット4および5に注入した。流速を10μL/分に減じて、バイオセンサー表面をすべて、10mMグリシン、pH1.7(GE Healthcare)30μLを1回注入して再生した。
Biacore 4000 Evaluation Epitope Mappingソフトウェアモジュール(GE Healthcare Bio−Sciences AB)を使用して、各C11抗体、抗原およびHCVコア抗体上清の結合反応を、各注入後に決定し、二量体の抗原および抗体(150,000Da)分子量を用いた、期待反応基準値を計算するのに使用した。期待パーセント結合値は個々の試料対基準値を用いて決定した。期待パーセント結合値が5.0を超えた場合、組み換えHCVコア1−169抗原と抗体サンドイッチを形成する能力が陽性であるとみなした。期待パーセント値を表5に掲載する。
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[実施例11]
免疫グロブリンの精製および標識
抗HCVコアハイブリドーマは、L−グルタミンおよび10%Ultra Low IgG FBS(Invitrogen Corporation)を添加したHybridoma Serum Free Medium(Invitrogen Corporation)に展開し、約0.5×10E細胞/mLでローラーボトルへ播種した。培養物を37℃で、約1回転/分で回転させながら10−14日間、または最終培養物が取得されるまでインキュベートした。ローラーボトルの最終上清を回収し、0.45ミクロンのフィルターで精製した。精製した上清を、同量の1.5Mグリシンおよび3M NaCl緩衝液、pH8.9で希釈し、その後、AKTA自動精製システム(Amersham/Pharmacia/GE)を使用して、あらかじめ平衡化した5mlのプロテインAカラムに装填した。その後、カラムを約5倍のカラム容量の結合緩衝液で洗浄し、安定したベースラインを得たら、mAbを0.1Mのクエン酸ナトリウム緩衝液、pH2.8で溶出した。その後、IgGを脱塩カラムへ移し、PBS、pH7.2−7.4に交換し、その後、PBS、pH7.2−7.4中で、10,000分子量のカットオフ透析膜(Pierce Chemical)を使用してさらに透析した。選択した抗体を、20倍のモル過剰でSulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce)を使用してビオチン化し、室温で30分間インキュベートした。非結合ビオチンをPBS、pH7.2−7.4で透析して除去した。ビオチン化モノクローナルはすべて、標識が成功しているかどうか確認するためにEIAで試験した。
[実施例12]
HCVコア抗原捕捉アッセイ
精製抗HCVコア134−171モノクローナル抗体を、それら自身と2つの他のドメイン1モノクローナル抗体との結合対を形成する能力に関して、EIA形式でHCVコア1−169組み換え抗原を使用して評価した。抗HCVドメイン1モノクローナル抗体、C11−7およびC11−9、ならびに抗HCVコア134−171モノクローナルを、約1000ng/mlでマイクロタイタープレート上にコートして、2−8℃で一晩インキュベートした。捕捉試薬を固相上にコートした後、プレートを、2%フィッシュゼラチン、0.5%Tween20および0.1%n−ドデシル−N,N−ジメチルアミン−N−オキシドを含む5×PBS緩衝液を使用して、ブロックした。ウェルを蒸留水で洗浄し、精製コア1−169抗原をブロックしたプレートに、フィッシュゼラチンブロックで50から0.78ng/mlまでの連続希釈で添加し、室温で約30分間インキュベートした。ウェルを蒸留水で洗浄し、ビオチン標識抗HCVコアモノクローナルを100から5000ng/mlの範囲の濃度でプレートに添加し、その後、室温で30分間インキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、約200ng/mLに希釈したストレプトアビジン−HRPOをプレートに添加し、30分間室温でインキュベートした。プレートを蒸留水で洗浄し、o−フェニレンジアミン基質を色素原として使用して信号を生成させ、492nmでの吸光度を測定した。
表6に、コア1−169抗原を25ng/ml使用した、各抗体対の組み合わせに対するアッセイ信号(OD492nm)を要約し、これは、各結合対がサンドイッチを形成できるかどうかを示す。捕捉またはコンジュゲート試薬として、陰性対照(NC)のモノクローナル抗体により生成された値より少なくとも3×大きいOD492値は、コア抗原検出について陽性であるとみなされる。
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[実施例13]
抗コア134−171の可変ドメインの配列
抗HCVコア134−171ハイブリドーマのサブセットを、可変重鎖(VH)と可変軽鎖(VL)のヌクレオチドおよび推定アミノ酸配列の決定のために選択した。トータルRNAは、メーカーの推奨によってTrizol(Invitrogen)またはTri−Reagent(Sigma)を使用して、ハイブリドーマ細胞から抽出した。重鎖および軽鎖cDNAは、Superscript III(Life Technologies)とオリゴdTプライマーを使用して、標準的なプロトコルに従って、抽出したトータルRNAから生成した。5’RACE(cDNA末端の迅速増幅法)プロトコルを使用して、dCアンカープライマー(5’−AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACCCCCCCCCCCCCCCCC−3’)およびマウスの重鎖または軽鎖の定常領域に特異的な一般的なプライマー(Novogen)を用いて、可変重鎖および軽鎖cDNA配列を増幅した。アンプリコンはメーカーの指示に従って、市販のベクター(pCR2.1−TOPOクローニングキット、Invitrogen)へクローニングし、TOP10 E.coliへ形質転換した。少なくとも8つのコロニーを、M13順方向および逆方向プライマーを使用する、クローン化可変ドメイン配列のPCR増幅に選択した。アンプリコンはExoSap(Affymetrix)で処理し、その後、M13順方向プライマーおよびBigDye Terminator v3.1サイクルシーケンシングキット(Applied Biosystems、 Foster City、CA)を使用して配列決定した。配列はABI3130×l自動シークエンサーを使用して取得し、Vector NTIソフトウェア(Invitrogen)を使用してアセンブルおよび分析された。
推定アミノ酸配列は、MEGA5ソフトウェア・パッケージ(Tamuraら、Molecular Biology and Evolution 28:2731−2739頁、2011年)に実装されているClustalW(Higginsら、Nucleic Acids Res.22:4673−4680頁、1994年)を使用してアラインした。MEGA5ソフトウェアを使用して、アラインメントおよび近隣結合法を使用した系統樹構築から、アラインメントにおける配列のギャップを完全に除去して、関連する重鎖アミノ酸配列のグループ分けまたはクラスターを決定した。樹形、つまり、ここでのクラスターまたはグループについて、1000個の複製のブートストラップテストを使用して信頼度を検査した。一般的に、所与の内部分枝に対するブートストラップ値が95%以上である場合、この分枝の樹形は、「正しい」とみなされる(NeiおよびKumar、Molecular Evolution and Phylogenetics、2000年;Oxford University Press、New York)。52個の抗HCVコア134−171モノクローナルの重鎖可変ドメイン配列の分析により、ブートストラップ値が>95%の4つのメイングループの存在が明らかとなった。これらのグループのうちの以下の3つを含む抗体が、スクリーニングに使用した各ペプチドの1つに結合する特異性を見せた。つまりグループBのペプチド1(134−154)、グループAのペプチド2(141−161)およびグループCのペプチド3(151−171)である。図2は2つの系統樹を示す。
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Claims (13)

  1. HCVコア抗原のアミノ酸141−161(配列番号574)によって形成されるHCVコア抗原の脂質結合ドメインのエピトープと特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体であって、当該モノクローナル抗体が、
    (a)配列番号100の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、および、配列番号382の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列
    (b)配列番号20の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、および、配列番号374の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列、または
    (c)配列番号88の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、および、配列番号378の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体。
  2. 配列番号100の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、および、配列番号382の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 配列番号20の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、および、配列番号374の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  4. 配列番号88の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、および、配列番号378の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体を含むイムノアッセイ試薬であって、前記抗体が検出可能な標識で標識されている、および/または前記抗体が固相に結合している、イムノアッセイ試薬。
  6. HCV抗原を指向するさらなる抗体をさらに含む、請求項に記載のイムノアッセイ試薬。
  7. さらなる抗体が、さらなる抗HCVコア抗体である、請求項に記載のイムノアッセイ試薬。
  8. 試験試料中のHCVの検出のためのイムノアッセイ方法であって、
    )HCVを含有すると疑われる試験試料を、HCVコア抗原を指向する第1の抗体と接触させて、第1の抗体と試験試料中に存在するHCVコア抗原との第1の複合体を形成させる工程、
    前記第1の複合体を、第2の抗体と接触させて、第2の抗体と第1の複合体のHCVコア抗原との第2の複合体を形成させる工程であって、前記第2の抗体は請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体であって、かつ検出可能な標識を含む工程、および
    )工程()において形成された第2の複合体の標識を検出し、それによって試験試料中においてHCVが検出される工程
    を含むイムノアッセイ方法。
  9. 第1の抗体が、HCVコア抗原のDNA結合ドメインを指向する、請求項に記載のイムノアッセイ方法。
  10. 第2の抗体が蛍光標識を含み、および第1の抗体が固相に結合している、請求項8または9に記載のイムノアッセイ方法。
  11. 蛍光標識がアクリジニウムである、請求項10に記載のイムノアッセイ方法。
  12. 自動化システムまたは半自動化システムにおける使用のために適合されている、請求項8〜10のいずれか一項に記載のイムノアッセイ方法。
  13. 請求項1から4のいずれかに記載のモノクローナル抗体、および試験試料中のHCVの検出のためのイムノアッセイにおけるモノクローナル抗体の使用のための指示書を含むキット。
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