JP6738752B2 - 井戸管の洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は水源井戸管、深井戸管、浅井戸管などの内周面に付着している汚れを、該井戸管を損傷することなく除去することが出来る洗浄装置に関するものである。
日本国内では100万本といわれる本数の井戸が設けられていると言われ、上水用、農業用、工業用、消雪用、地下水汚染観測用など、多種多様な分野で広く利用されている。
ところで、これら井戸管において地下水を集水する部分であるストレーナは目が細かくて泥や砂、サビ、水藻等の異物が付着して目詰まりを発生する。その結果、水が上がり難く、井戸としての機能を失ってしまう。
目詰まりは毎日使用されている井戸は比較的少ないが、例えば消雪装置用としての井戸の場合であれば1年のうち冬期だけ使用する為に、水を使用しない期間に井戸管内に泥やその他の異物が付着してしまう。勿論、常に使用している井戸の場合であっても頻度は少ないが目詰まりが全く発生しないことはない。
付着した泥等の異物は乾いて固まり、使用する時には目詰まりを起こして水が上がりにくくなる。それを繰り返して長年経過した後で、水圧が弱くなったところでストレーナの洗浄が行なわれて来ている。
しかし、従来の深井戸管内のストレーナの洗浄方法は、櫓を立ててワイヤーブラシを挿入し、該ワイヤーブラシを上下に動かして洗浄したり、或は井戸管内に差し水を行なってポンプで上下に移動し、水圧により洗浄を行なっている。
図5は「ブラッシング工法」であり、ワイヤーブラシを用いて深井戸管の内周面に付着している異物を除去する状態を表している。深井戸管の内径より僅かに大きな円形ワイヤーブラシをロープに吊下げ、またワイヤーブラシの下方には重りを吊設している。
同図に示すようにワイヤーブラシを上下動させることで、内周面の付着物は除去される。該ワイヤーブラシ及び重りの上下動に伴って管内の水に衝撃を与え、この水の衝撃がストレーナに作用して目詰まりを一部解消することは出来る。
しかし、ワイヤーブラシを上下動してストレーナ面を擦ったり又は管内の水に衝撃を与えるだけでは、該ストレーナの奥深くまで入り込んでいる泥やその他の異物を取除くことが容易でない。すなわち、ストレーナの穴に入り込んだ目詰まりを十分に解消することは出来ず、従来の方法では十分な洗浄が出来ないと共に、時間がかかり洗浄コストも高くなる。
図6は「スワピング工法」であり、深井戸管内にピストンの役目をするサージプランジャーを挿入し、該サージプランジャーにピストン動作を与えて水の動揺を大きくする。この動作にてストレーナ周辺のスケールや砂粒を除去することが出来る。しかし、この方法は上記ブラッシング工法と同じく、クリーニング工事に使用されるが、ストレーナが劣化している場合にはストレーナが損傷する虞もある。
一方、水を旋回しながら高速で噴射して汚れを除去すると共にストレーナの目詰まりを解消するようにした洗浄装置が知られている。
例えば、特開2002−192094号に係る「深井戸管内の洗浄方法及び洗浄装置」は、深井戸の内周面に付着した泥やその他の異物を、簡単にしかも効率よく取除くことが出来る洗浄方法である。
すなわち、超高圧水ホースの先端に洗浄装置を連結し、該ホースと共に洗浄装置を深井戸に降ろし、洗浄装置に備えている噴射ノズルから超高圧水を回転しながら噴射することで付着している汚れを除去することが出来る。
特開2002−192094号に係る「深井戸管内の洗浄方法及び洗浄装置」
このように、従来の洗浄方法には色々あるが、上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、ストレーナに大きな負担を掛けることなく、付着した汚れを効率よく落とすることが出来る洗浄装置を提供する。
本発明に係る洗浄装置は、水を高速で噴射する噴射ノズルと内周面を擦ることが出来るブラシを回転体に取付け、この噴射ノズル及びブラシは回転体の主軸を中心として回転することが出来る。水を高速噴射することで、その反力によって噴射ノズルを取付けた回転体は回転することが出来る構造としている。
その為に洗浄装置は給水車(超高圧洗浄車)から延びるホースに連結されていて、該洗浄装置へは超高圧洗浄車から高圧水が送られ、噴射ノズルから水が噴射すると共に回転体は回転することが出来る。
洗浄装置を取付けている主軸管の上方には所定の間隔をおいて2枚の安定ガイド板が設けられ、洗浄装置が深井戸管の中心軸に位置するようにガイドされている。すなわち、該洗浄装置は深井戸管の上方入口から挿入されて下されるが、2枚の安定ガイド板によってガイドされて中心軸から位置ズレしないように拘束される。
ここで、上記回転体に取付ける噴射ノズルの本数及びブラシの個数は限定しないが、高速回転に伴う遠心力のバランスを考慮して定められる。
また、上記安定ガイド板はゴムなどの軟質樹脂系の円盤で構成している。
本発明の洗浄装置は噴射ノズルを有していて、この噴射ノズルから水を高速噴射して深井戸管の内周面に吹き付けられ、水を噴射する際の反力によって回転体は一定方向に回転することが出来る。したがって、この洗浄装置を上方の入口から深井戸管に沿って下ろすならば、管の内周面に付着している異物を短時間で効率よく洗い落すことが出来る。
また、洗浄装置には上記噴射ノズルの他にブラシを取付けており、このブラシも同時に回転することが出来る。噴射ノズルから噴射する水によって洗い落すことが出来ない場合、回転するブラシにて擦り落とされる。逆に、ブラシで擦っても落ちない付着物は噴射ノズルからの高速噴射水にて洗い落とされる。
すなわち、回転体には噴射ノズルとブラシが取付けられて回転することで、両者が同時に働く為に、互いの相互作用で付着物は効率よく洗い落される。特にストレーナが目詰まりしている状態の汚れは噴射水とブラシの相互作用で短時間に洗浄される。
深井戸管内に挿入している洗浄装置の平面図。 深井戸管内に挿入している洗浄装置の正面図。 外周部に複数本のスリットを形成した安定ガイド板を示す実施例。 外周部に複数枚の補助片を取付けた安定ガイド板を示す実施例。 深井戸管の内周面を洗浄するブラッシング工法。 深井戸管の内周面を洗浄するスワーピング工法。
図1、図2は本発明に係る洗浄装置を示す実施例であり、同図は洗浄装置が深井戸管内に挿入されている場合の平面図と正面図を表している。同図の1は洗浄装置、2は深井戸管を表し、洗浄装置1は深井戸管2の中心4に位置して回転することが出来る。洗浄装置1の中心には回転体3が設けられ、この回転体3には2本の噴射ノズル5,5が取付けられて外方向へ延びている。そしてノズルの先端部6,6は屈曲又は湾曲している。
また、回転体3にはブラシ7,7が取付けられているが、該ブラシ7,7は回転体3から延びるアーム8,8の先端に取着されている。
ところで、上記回転体3は主軸管9の下端に回転可能に取付けられていて、主軸管9から回転体3を流れて噴射ノズル5から噴射する。噴射ノズル5から噴射する高圧水は地上に配置している給水車(超高圧洗浄車)から供給される。すなわち、超高圧洗浄車から延びるホース先端が主軸管9に接続している。
噴射ノズル5の先端部6は図1に示すように屈曲又は湾曲している為に、高速噴射する水の反力にて洗浄装置1は同図の矢印方向へ回転することが出来る。勿論、回転体3が回転する為に、ブラシ7も同時に回転することが出来る。
ところで、噴射ノズル5から高速噴射する水は深井戸管2の内周面10に当たって、内周面に付着している付着物を洗い落とすことが出来る。
また、ブラシ7は回転に伴って内周面10を擦り、内周面10の付着物を擦り落とすことが出来る。
噴射ノズル5の先端は深井戸管2の内周面10との間に適度な隙間(例えば5〜10mm)が設けられ、該内周面10には噴射水が勢いよく当り、付着物は洗い落される。噴射ノズル5の先端と内周面10との間に形成される隙間11は調整出来るように、回転体3からの噴射ノズル5の長さを変えることが出来るように取付けられる。
一方、上記ブラシ7は内周面10に擦り合うことが必要である為に、内周面10との間に隙間は存在しないように調整している。
上記洗浄装置1は深井戸管2の中心4に位置することが必要であり、その為に主軸管9には2枚の安定ガイド板12,12が所定の間隔をおいて取付けられている。安定ガイド板12は円盤として構成され、深井戸管2の内周面10との間に僅かな隙間を残す外径と成っている。
そして、内周面10に接しても深井戸管2を損傷することがないようにゴムなどの柔らかい材質が用いられている。ただし、安定ガイド板12の下面には金属製で外径を小さくした補強板13が組み合わされている。したがって、安定ガイド板12が撓むことはない。
このように主軸管9に安定ガイド板12,12を取付けている為に、該主軸管9は深井戸管2の中心に位置し、洗浄装置1の噴射ノズル5の先端と内周面10の隙間及びブラシ7の先端は正しく配置される。したがって、内周面10に付着している異物を効率よく除去することが出来る。
本発明は1つの洗浄装置1に噴射ノズル5とブラシ7を取付けて回転することで、深井戸管2の内周面10に付着している異物を短時間で効率よく除去し、洗浄することが可能と成る。
図3は安定ガイド板12を示す他の実施例であり、所定の外径を有す円盤であるが、外周14からスリット15,15・・・を切り込んで設けている。該スリット15,15・・・は一定間隔で全周に形成され、その為に安定ガイド板12の外周部は剛性が低下して撓みやすく成る。
主軸管9の下端に洗浄装置1を取付けることでその重量は大きく、しかも途中に2枚の安定ガイド板12,12を設けていることで、深井戸管2の入口から挿入することは容易でない。特に、外径が大きくて深井戸管2の内径との間に大きな隙間のない安定ガイド板12,12は嵌めにくい。
そこで、安定ガイド板12の外周にスリット15,15・・・を切り込むことで外周部の剛性は低下して撓み易くなり、深井戸管2に挿入し易くなる。すなわち、安定ガイド板12の外周部が深井戸管2の入口に当っても、一部が撓み変形することで比較的容易に挿入される。
図4は安定ガイド板12を示す別の実施例である。深井戸管2のサイズは色々あり、安定ガイド板12の外周部に複数枚の補助片16,16・・・を取付けている。該補助片16,16・・・は安定ガイド板12の外周17より外方向へ突出して取付けられ、補助片16,16・・・の外周18は大きくなり、深井戸管2の内径に適合した外径を有す安定ガイド板とすることが出来る。
また、このように補助片16,16・・・を取付けて安定ガイド板12を構成する場合、前記図3に示した安定ガイド板12と同じく、外周部の剛性は低下して撓み易くなり、深井戸管2に挿入し易くなる。
ここで、該補助片16,16・・・は安定ガイド板12の外周部に固定されるが、その固定手段は特に限定はしない。例えば、ネジ止めすることも可能である。
1 洗浄装置
2 深井戸管
3 回転体
4 中心
5 噴射ノズル
6 先端部
7 ブラシ
8 アーム
9 主軸管
10 内周面
11 隙間
12 安定ガイド板
13 補強板
14 外周
15 スリット
16 補助片
17 外周
18 外周

Claims (2)

  1. 地下水を取り入れる為に井戸管の内周面の付着物を除去する為の洗浄装置において、該洗浄装置は給水車(超高圧洗浄車)から供給する高圧水が流れる主軸管の下端に取付けられ、回転可能な回転体には外方向へ延びると共に先端部を屈曲又は湾曲した噴射ノズルと外方向へ延びるアーム先端に取付けたブラシを有し、上記主軸管を流れる高圧水が噴射ノズルから噴射するように連通し、そして、上記主軸管には回転体の上方にゴムなどの軟質樹脂系で構成した円盤形安定ガイド板を所定の間隔をおいて複数枚取付け、上記安定ガイド板は深井戸管の内周面との間に僅かな隙間を残す外径とし、安定ガイド板の下面には外径を小さくした補強板を組み合わせると共に外周部には半径方向に延びるスリットを複数本形成していることを特徴とする洗浄装置。
  2. 上記安定ガイド板の外周部には複数枚の補助片を取付けた請求項記載の洗浄装置。

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