以下、本発明の一実施形態に関して、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.画像形成装置
1−1.全体構成
1−2.現像ユニットの構成
1−3.トナー量変化検出バーおよびその周辺の構成
1−4.ブロック構成
1−5.動作
1−5−1.画像の形成動作
1−5−2.トナーの移送動作
1−5−3.トナー移送室に収容されているトナーの量の変化の検出原理
1−5−4.トナー収容室に収容されているトナーの量の検出原理
1−6.作用および効果
2.変形例
<1.画像形成装置>
まず、本発明の一実施形態の画像形成装置に関して説明する。
ここで説明する画像形成装置は、例えば、トナーTを用いて媒体Mの表面に画像を形成する装置であり、いわゆる電子写真方式のフルカラープリンタなどである。
画像形成装置の画像形成方式は、特に限定されないが、例えば、中間転写媒体を用いて画像を形成する中間転写方式である。中間転写方式の画像形成装置では、画像の形成工程において、中間転写媒体にトナーTが転写されたのち、その中間転写媒体から媒体MにトナーTが転写される。
トナーTの種類は、特に限定されないが、例えば、非磁性一成分現像方式の負帯電トナーなどである。媒体Mの材質は、特に限定されないが、例えば、紙およびフィルムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
<1−1.全体構成>
まず、画像形成装置の全体構成に関して説明する。
図1は、画像形成装置の平面構成を表している。この画像形成装置では、媒体Mは、搬送経路Rに沿って搬送される。図1では、搬送経路Rを破線で示している。
具体的には、画像形成装置は、例えば、図1に示したように、筐体1の内部に、トレイ10と、送り出しローラ20と、搬送ローラ21,22と、現像ユニット30と、転写ユニット40と、定着ユニット50と、トナー回収ボックス60とを備えている。
[筐体]
筐体1は、例えば、金属材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。筐体1には、画像が形成された媒体Mを排出するためのスタッカ部2が設けられており、その画像が形成された媒体Mは、筐体1に設けられた排出口1Hからスタッカ部2に排出される。
[トレイおよび送り出しローラ]
トレイ10は、例えば、筐体1に対して着脱可能に装着されており、媒体Mを収納している。送り出しローラ20は、例えば、Y軸の方向に延在していると共に、そのY軸を中心として回転可能である円筒状の部材である。以降において説明する一連の構成要素のうち、名称中に「ローラ」という文言を含んでいる構成要素は、送り出しローラ20と同様に円筒状の部材であり、Y軸の方向に延在していると共に、そのY軸を中心として回転可能である。
トレイ10には、例えば、複数の媒体Mが積層された状態で収納されている。トレイ10に収納されている複数の媒体Mは、例えば、送り出しローラ20によりトレイ10から1つずつ取り出される。
トレイ10の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。また、送り出しローラ20の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。図1では、例えば、トレイ10の数が1個であると共に送り出しローラ20の数が1個である場合を示している。
[搬送ローラ]
搬送ローラ21,22のそれぞれは、搬送経路Rを介して互いに対向すると共に互いに隣接するように配置された一対のローラを含んでおり、送り出しローラ20により取り出された媒体Mを搬送させる。
[現像ユニット]
現像ユニット30は、本発明の一実施形態の「現像部」である。この現像ユニット30は、潜像(静電潜像)に対するトナーTの付着処理(現像処理)を行う。具体的には、現像ユニット30は、主に、静電潜像を形成すると共に、クーロン力を利用して静電潜像にトナーTを付着させる。
ここでは、画像形成装置は、例えば、4個の現像ユニット30(30Y,30M,30C,30K)を備えている。
現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれは、例えば、筐体1に対して着脱可能に装着されていると共に、後述する中間転写ベルト41の移動経路に沿って配列されている。ここでは、現像ユニット30Y,30M,30C,30Kは、例えば、中間転写ベルト41の移動方向(矢印F1)において、上流側から下流側に向かってこの順に配置されている。
現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれは、例えば、後述するトナー収容室312A(図2参照)に収納されているトナーTの種類(色)が異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。
具体的には、現像ユニット30Yは、例えば、イエロートナーを搭載している。現像ユニット30Mは、例えば、マゼンタトナーを搭載している。現像ユニット30Cは、例えば、シアントナーを搭載している。現像ユニット30Kは、例えば、ブラックトナーを搭載している。
ここでは、特に、図1から明らかなように、現像ユニット30Y,30M,30C,30Kは、転写ユニット40の下方に配置されている。ここで説明する「下方」とは、重力の方向という意味である。これにより、現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれにおいて現像処理が行われる場合には、上記したトナー収容室312Aに収容されているトナーTが重力方向と反対方向に持ち上げられることになる。
現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれの構成に関しては、後述する(図2参照)。
[転写ユニット]
転写ユニット40は、現像ユニット30により現像処理されたトナーTを用いて転写処理を行う。具体的には、転写ユニット40は、主に、現像ユニット30により静電潜像に付着されたトナーTを媒体Mに転写させる。
この転写ユニット40は、例えば、中間転写ベルト41と、駆動ローラ42と、従動ローラ(アイドルローラ)43と、バックアップローラ44と、1次転写ローラ45と、2次転写ローラ46とを含んでいる。
中間転写ベルト41は、媒体Mに転写される前のトナーTが一時的に転写される中間転写媒体であり、例えば、無端の弾性ベルトなどである。また、中間転写ベルト41は、例えば、ポリイミドなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この中間転写ベルト41は、例えば、駆動ローラ42、従動ローラ43およびバックアップローラ44により張架された状態において、その駆動ローラ42の回転に応じて移動可能である。
駆動ローラ42は、例えば、後述するベルトモータ90(図6参照)を介して回転可能である。従動ローラ43およびバックアップローラ44のそれぞれは、例えば、駆動ローラ42の回転に応じて回転可能である。
1次転写ローラ45は、静電潜像に付着されたトナーTを中間転写ベルト41に転写(1次転写)させる。この1次転写ローラ45は、中間転写ベルト41を介して現像ユニット30(後述する感光体ドラム323:図2参照)に圧接されている。なお、1次転写ローラ45は、例えば、後述するローラモータ88(図6参照)を介して回転可能である。ただし、1次転写ローラ45は、例えば、ローラモータ88を介さずに、中間転写ベルト41の移動に応じて回転可能でもよい。
1次転写ローラ45の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、転写ユニット40は、例えば、上記した4個の現像ユニット30(30Y,30M,30C,30K)に対応して、4個の1次転写ローラ45(45Y,45M,45C,45K)を含んでいる。また、転写ユニット40は、1個のバックアップローラ44に対応して、1個の2次転写ローラ46を含んでいる。
2次転写ローラ46は、中間転写ベルト41に転写されたトナーTを媒体Mに転写(2次転写)させる。この2次転写ローラ46は、バックアップローラ44に圧接されており、例えば、金属製の芯材と、その芯材の外周面を被覆する発泡ゴム層などの弾性層とを含んでいる。なお、2次転写ローラ46は、例えば、後述するローラモータ88(図6参照)を介して回転可能である。ただし、2次転写ローラ46は、例えば、ローラモータ88を介さずに、中間転写ベルト41の移動に応じて回転可能でもよい。
なお、転写ユニット40は、例えば、クリーニングブレードを含んでいてもよい。このクリーニングブレードは、例えば、中間転写ベルト41に圧接されており、その中間転写ベルト41の表面に残留した不要なトナーTなどの異物を掻き取る。
[定着部]
定着ユニット50は、転写ユニット40により媒体Mに転写されたトナーTを用いて定着処理を行う。具体的には、定着ユニット50は、主に、転写ユニット40によりトナーTが転写された媒体Mを加熱しながら加圧することにより、そのトナーTを媒体Mに定着させる。
この定着ユニット50は、例えば、加熱ローラ51と、加圧ローラ52とを含んでいる。
加熱ローラ51は、トナーTを加熱する。この加熱ローラ51は、例えば、中空円筒状の金属芯と、その金属芯の表面を被覆する樹脂コートとを含んでいる。金属芯は、例えば、アルミニウムなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。樹脂コートは、例えば、例えば、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
加熱ローラ51(金属芯)の内部には、例えば、後述するヒータ91(図6参照)が設置されており、そのヒータ91は、例えば、ハロゲンランプなどである。加熱ローラ51の近傍には、例えば、その加熱ローラ51から離間されるように、後述するサーミスタ92(図6参照)が配置されている。このサーミスタ92は、例えば、加熱ローラ51の表面温度を測定する。
加圧ローラ52は、加熱ローラ51に圧接されており、トナーTを加圧する。この加圧ローラ52は、例えば、金属棒などである。金属棒は、例えば、アルミニウムなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[トナー回収ボックス]
トナー回収ボックス60は、主に、現像処理に用いられなかった不要なトナーTなどを回収する。
<1−2.現像ユニットの構成>
次に、現像ユニット30の構成に関して説明する。図2は、図1に示した現像ユニット30(30Y,30M,30C,30K)の平面構成を拡大している。
現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれは、例えば、上記したように、トナー収容室312Aに収納されているトナーTの種類(色)が異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。
現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれは、例えば、待避位置と接触位置との間を移動可能である。待避位置は、感光体ドラム323が中間転写ベルト41から遠ざかるように後退しているため、その感光体ドラム323が中間転写ベルト41を介して1次転写ローラ45に押圧されない位置である。一方、接触位置は、感光体ドラム323が中間転写ベルト41に近づくように前進しているため、その感光体ドラム323が中間転写ベルト41を介して1次転写ローラ45に押圧される位置である。
具体的には、現像ユニット30Y,30M,30C,30Kのそれぞれは、例えば、図2に示したように、現像処理部310と、感光部320と、光源部330とを含んでいる。
ここでは、例えば、現像処理部310および感光部320が一体化されることにより、画像形成装置に着脱可能なカートリッジを形成している。光源部330は、例えば、上記したカートリッジとは別体である。ただし、現像処理部310および感光部320は、別体化されていてもよい。
[現像処理部]
現像処理部310は、静電潜像にトナーTを付着させるために、トナー収容室312Aに収容されているトナーTを現像ローラ317の表面に供給する。
具体的には、現像処理部310は、例えば、図2に示したように、筐体311の内部にトナー収容室312Aおよびトナー移送室312Bを有している。トナー収容室312Aおよびトナー移送室312Bは、収容壁312Wを介して互いに分離されていると共に、移送経路312Pを介して互いに連結されている。
[筐体]
筐体311は、例えば、金属材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。筐体311には、例えば、後述する現像ローラ317を部分的に露出させるための開口部311Kが設けられている。
[トナー収容室]
トナー収容室312Aは、トナーTを収容している。トナー収容室312Aに収納されているトナーの種類(色)は、例えば、以下の通りである。現像ユニット30Yのトナー収容室312Aには、例えば、イエロートナーが収納されている。現像ユニット30Mのトナー収容室312Aには、例えば、マゼンタトナーが収納されている。現像ユニット30Cのトナー収容室312にAは、例えば、シアントナーが収納されている。現像ユニット30Kのトナー収容室312Aには、例えば、ブラックトナーが収納されている。
[トナー移送室]
トナー移送室312Bは、トナー収容室312Aに収容されているトナーTが移送される。このトナー移送室312Bは、トナー収容室312Aよりも上方に配置されている。この「上方」とは、上記したように、重力の方向と反対の方向である。
この現像処理部310は、例えば、トナー収容室312Aの内部にトナー移送板313を備えている。また、現像処理部310は、例えば、トナー移送室312Bの内部に、トナー量変化検出バー315と、供給ローラ316と、現像ローラ317と、現像ブレード318とを備えている。
この他、現像処理部310は、例えば、筐体311の外部に、後述するフォトセンサ340(図4参照)を備えている。
[トナー移送板]
トナー移送板313は、本発明の一実施形態の「トナー移送部材」である。このトナー移送板313は、主に、トナー収容室312Aに収納されているトナーTを重力方向と反対方向に持ち上げることにより、そのトナーTをトナー収容室312Aから移送経路312Pを経由してトナー移送室312Bに移送する。
トナー移送板313の材質は、特に限定されないが、例えば、帯状のフィルムである。トナー移送板313の一端部には、例えば、回転軸314が設けられていると共に、トナー移送板313の他端部は、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの内部に導入されている。このトナー移送板313は、例えば、後述する移送モータ95(図6参照)を介して、回転軸314を中心として時計回りに回転可能である。すなわち、トナー移送板313は、例えば、自らの回転動作を利用して、トナー収容室312Aからトナー移送室312BにトナーTを移送する。
ここでは、例えば、帯状のフィルムであるトナー移送板313は、上記した回転動作を利用して、トナー収容室312Aに収容されているトナーTをすくい上げることにより、そのトナーTをトナー収容室312Aからトナー移送室312Bに移送する。
なお、トナー移送板313を内部に収納しているトナー収容室312Aは、例えば、カートリッジ化されていることにより、トナー移送室312Bを内部に有する筐体311に着脱可能になっていてもよい。
[トナー量変化検出バー]
トナー量変化検出バー315は、本発明の一実施形態の「トナー量変化検出部材」である。このトナー量変化検出バー315は、主に、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出する。
トナー量変化検出バー315は、例えば、Y軸方向に延在する金属シャフトである。このトナー量変化検出バー315は、例えば、後述する駆動モータ94(図6参照)を介して、上記したY軸を中心として反時計回りに回転可能である。ただし、トナー量変化検出バー315は、例えば、時計回りに回転可能でもよい。なお、図2に示した破線の円は、トナー量変化検出バー315が回転可能である範囲を示している。
トナー量変化検出バー315のうちの一部または全部は、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの内部に導入されている。これにより、トナー量変化検出バー315は、上記した回転動作を利用して、トナーレベルTLの変化を検出すると共に、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出する。
ここで、「トナーレベルTL」とは、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの表面の高さである。すなわち、トナーレベルTLが高いということは、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多いことを意味する。一方、トナーレベルTLが低いということは、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少ないことを意味する。
具体的には、トナー量変化検出バー315は、例えば、トナーTに起因する回転時の抵抗(回転抵抗)の変化に基づいて、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出する。
トナー量変化検出バー315およびその周辺の構成に関しては、後述する(図3〜図5参照。)。
[供給ローラ]
供給ローラ316は、本発明の一実施形態の「トナー供給部材」である。この供給ローラ316は、主に、トナー移送室312Bに収容されているトナーTを現像ローラ317の表面に供給する。
供給ローラ316は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性発泡シリコンスポンジ層とを含んでおり、いわゆるスポンジローラである。なお、供給ローラ316は、現像ローラ317に圧接されている。
[現像ローラ]
現像ローラ317は、本発明の一実施形態の「トナー担持部材」である。この現像ローラ317は、主に、供給ローラ316から供給されるトナーTを担持すると共に、感光ドラム323の表面に形成される静電潜像にトナーTを付着させる。
現像ローラ317は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性ウレタンゴム層とを含んでいる。
なお、現像ローラ317の一部は、筐体311に設けられた開口部311Kから露出している。これにより、現像ローラ317は、感光体ドラム323に圧接されている。
[現像ブレード]
現像ブレード318は、主に、現像ローラ317の表面に供給されたトナーTの厚さを規制する。この現像ブレード318は、例えば、撓んだ状態において現像ローラ317に接触している。なお、現像ブレード318は、例えば、ステンレスなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[フォトセンサ]
フォトセンサ340は、主に、トナー量変化検出バー315の回転動作に基づいて、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出するために、光の反射量の差異を検出する。このフォトセンサ340は、例えば、光の反射量の差異を検出するために、光を放出する発光素子と、その発光素子から放出された光を受光する受光素子とを含んでいる。
フォトセンサ340の構成に関しては、後述する(図4参照。)。
[感光部]
感光部320は、静電潜像を形成するために、感光体ドラム323の表面を帯電させる。
具体的には、感光部320は、例えば、図2に示したように、筐体321の内部に除去トナー室322を有している。この感光部320は、例えば、除去トナー室322の内部に、感光体ドラム323と、帯電ローラ324と、クリーニングブレード325とを備えている。
[筐体]
筐体321は、例えば、金属材料および高分子材料などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。筐体321には、例えば、感光体ドラム323を部分的に露出させるための開口部321Kが設けられている。
[除去トナー室]
除去トナー室322には、主に、クリーニングブレード325により掻き取られた不要なトナーTなどが落下する。これにより、除去トナー室322では、不要なトナーTなどが蓄積される。
[感光体ドラム]
感光体ドラム323は、主に、静電潜像が形成されると共にその静電潜像を担持する潜像担持部材である。
この感光体ドラム323は、Y軸方向に延在していると共に、そのY軸を中心として回転可能である。また、感光体ドラム323は、例えば、円筒状の導電性支持体と、その導電性支持体の外周面を被覆する光導電層とを含む有機系感光体であり、後述するドラムモータ89(図6参照)を介して回転可能である。導電性支持体は、例えば、アルミニウムなどの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含む金属パイプである。光導電層は、例えば、電荷発生層および電荷輸送層などを含む積層体である。
なお、感光体ドラム323の一部は、筐体321に設けられた開口部321Kから露出している。
[帯電ローラ]
帯電ローラ324は、主に、感光体ドラム323の表面を帯電させる。この帯電ローラ324は、例えば、金属シャフトと、その金属シャフトの外周面を被覆する半導電性エピクロロヒドリンゴム層とを含んでいる。なお、帯電ローラ324は、感光体ドラム323に圧接されている。
[クリーニングブレード]
クリーニングブレード325は、主に、感光体ドラム323の表面に残留した不要なトナーTなどを掻き取る板状の弾性部材である。このクリーニングブレード325は、例えば、感光体ドラム323の延在方向と略平行な方向に延在しており、その感光体ドラム323に圧接されている。なお、クリーニングブレード325は、例えば、ウレタンゴムなどの高分子材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
[光源部]
光源部330は、主に、感光体ドラム323の表面を露光することにより、その感光体ドラム323の表面に静電潜像を形成する露光装置である。この光源部330は、例えば、発光ダイオード(LED)ヘッドを含んでおり、そのLEDヘッドは、例えば、LED素子およびレンズアレイなどを含んでいる。LED素子およびレンズアレイは、例えば、そのLED素子から出力された光が感光体ドラム323の表面において結像するように配置されている。
<1−3.トナー量変化検出バーおよびその周辺の構成>
次に、トナー量変化検出バー315およびその周辺の構成に関して説明する。
図3は、図2に示したトナー量変化検出バー315の斜視構成を表している。図4は、図3に示したトナー量変化検出バー315およびその周辺の斜視構成を表していると共に、図5は、図3に示したトナー量変化検出バー315およびその周辺の断面構成を表している。図5では、トナー量変化検出バー315および駆動ギヤ401のXZ面に沿った断面を示している。
[トナー量変化検出バー]
トナー量変化検出バー315は、例えば、図3に示したように、Y軸方向に延在していると共に、途中においてクランク状に折れ曲がっている。このため、トナー量変化検出バー315は、例えば、一端部315Aおよび他端部315Bと、一端部315Aと他端部315Bとの間に位置すると共に一端部315Aおよび他端部315Bのそれぞれに連結されたクランク部315Cとを含んでいる。
一端部315Aの先端近傍部分は、例えば、トナー量変化検出バー315の延在方向と同様の方向に延在しており、その一端部315Aの先端には、例えば、所定の断面形状を有するように加工された加工部315Dが設けられている。ここで説明する「断面形状」とは、XZ面に沿った断面の形状である。加工部31Dの断面形状は、特に限定されないが、例えば、下向きの凸型形状である。
一方、他端部315Bの先端近傍部分は、例えば、その他端部315Bの延在方向とは反対の方向に延在するように折れ曲がっている。このため、他端部315Bの先端には、折れ曲がり部(力受け部)315Eが設けられている。
このトナー量変化検出バー315では、例えば、図3および図4に示したように、他端部315Bが駆動ギヤ401に接続されていると共に、一端部315Aが反射支持体402に接続されている。なお、トナー量変化検出バー315は、例えば、他端部315Bが駆動ギヤ401により支持されていると共に、一端部315Aが筐体311により支持されている状態において、回転可能である。
[駆動ギヤ]
駆動ギヤ401は、例えば、図4に示したように、後述する駆動モータ94(図6参照)を介して、Y軸を中心として回転可能である。
駆動ギヤ401には、例えば、開口部401Kが設けられており、トナー量変化検出バー315のうちの折れ曲がり部315Eは、開口部401Kを経由して駆動ギヤ401の内部に導入されている。これにより、トナー量変化検出バー315は、例えば、駆動ギヤ401の回転に応じて回転可能である。
この駆動ギヤ401は、例えば、図5に示したように、内部に回転用の空間401Sを有する筒状の部材であり、その空間401Sの内部には、回転板401Rが設けられている。この回転板401Rは、駆動ギヤ401の内壁面401Wに沿った形状を有しており、その内壁面401Wに沿いながらY軸を中心として回転可能である。回転板401Rには、例えば、上記した空間401Sの中心に向かって突出したリブ401Tが設けられている。
駆動ギヤ401の内部の空間401Sには、上記したように、トナー量変化検出バー315のうちの折れ曲がり部315Eが導入されており、その折れ曲がり部315Eは、回転板401Rに設けられたリブ410Tに当接されている。これにより、回転板401Rが回転すると、折れ曲がり部315Eがリブ410Tにより回転板401Rの回転方向に押されるため、トナー量変化検出バー315が回転可能になる。
[反射支持体]
反射支持体402は、主に、反射鏡403を支持する支持体である。
この反射支持体402は、例えば、途中で折れ曲がった形状を有している。反射支持体402では、例えば、一端部に反射鏡403が取り付けられていると共に、他端部に開口部402Kが設けられている。開口部402Kの開口形状は、例えば、トナー量変化検出バー315のうちの加工部315Dの断面形状に対応する形状である。
加工部315Dは、例えば、反射支持体402に設けられた開口部402Kに挿入されている。これにより、反射支持体402は、例えば、単独では回転不能となるようにトナー量変化検出バー315に固定されている。反射支持体402は、トナー量変化検出バー315の回転に応じて回転可能であるため、その反射支持体402により支持されている反射鏡403も同様に、トナー量変化検出バー315の回転に応じて回転可能である。
上記したフォトセンサ340は、反射鏡403から所定の距離を隔てた位置に、その反射鏡403に対向するように配置されている。ただし、フォトセンサ340が対向している反射鏡403の位置は、トナー量変化検出バー315が未だ回転していない状態の位置であり、いわゆる基準位置である。基準位置の詳細に関しては、後述する(図8および図9参照。)。
<1−4.ブロック構成>
次に、画像形成装置のブロック構成に関して説明する。
図6は、画像形成装置のブロック構成を表している。図6では、既に説明した画像形成装置の構成要素の一部も併せて示している。
画像形成装置は、例えば、図6に示したように、統括制御部71と、インターフェース(I/F)制御部72と、受信メモリ73と、編集メモリ74と、パネル部75と、操作部76と、各種センサ77と、光源制御部78と、帯電電圧制御部79と、現像電圧制御部80と、供給電圧制御部81と、転写電圧制御部82と、ローラ駆動制御部83と、ドラム駆動制御部84と、ベルト駆動制御部85と、定着制御部86と、トナー移送制御部87とを備えている。
統括制御部71は、主に、画像形成装置全体の動作を制御する。この統括制御部71は、例えば、制御回路、メモリ、入出力ポートおよびタイマなどを含んでいる。制御回路は、例えば、中央演算処理装置(CPU)などを含んでいる。メモリは、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などの記憶素子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
I/F制御部72は、主に、外部装置から画像形成装置に送信されるデータなどの情報を受信する。この外部装置は、例えば、画像形成装置のユーザが使用可能であるパーソナルコンピュータなどであり、その外部装置から画像形成装置に送信される情報は、例えば、画像を形成するために用いられる画像データなどである。
受信メモリ73は、主に、画像形成装置において受信されたデータなどの情報を格納する。編集メモリ74は、主に、受信メモリ73に格納された画像データが編集処理されたデータなどを格納する。
パネル部75は、例えば、ユーザが画像形成装置を操作するために必要な情報を表示する表示パネルなどを含んでいる。表示パネルの種類は、特に限定されないが、例えば、液晶パネルなどである。操作部76は、例えば、画像形成装置の操作時においてユーザにより操作されるボタンなどを含んでいる。
各種センサ77は、例えば、温度センサ、湿度センサ、画像濃度センサ、媒体位置検出センサ、トナー残量検出センサおよび人感センサなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
光源制御部78は、主に、光源330の露光動作などを制御する。帯電電圧制御部79は、主に、帯電ローラ324に印加される電圧などを制御する。現像電圧制御部80は、主に、現像ローラ317に印加される電圧などを制御する。供給電圧制御部81は、主に、供給ローラ316に印加される電圧などを制御する。転写電圧制御部82は、主に、1次転写ローラ45および2次転写ローラ46のそれぞれに印加される電圧などを制御する。これらの一連の電圧は、例えば、統括制御部71の指示に応じて設定可能であると共に、その統括制御部71の指示に応じて任意に変更可能である。
なお、図6では図示内容を簡略化しているが、画像形成装置は、例えば、4個の現像ユニット30(30Y,30M,30C,30K)に対応する4個の光源制御部78を含んでいる。具体的には、例えば、現像ユニット30Yに搭載されている光源330を制御する光源制御部78と、現像ユニット30Mに搭載されている光源330を制御する光源制御部78と、現像ユニット30Cに搭載されている光源330を制御する光源制御部78と、現像ユニット30Kに搭載されている光源330を制御する光源制御部78とである。
ここで光源制御部78に関して説明したことは、例えば、帯電電圧制御部79、現像電圧制御部80、供給電圧制御部81および転写電圧制御部82のそれぞれに関しても同様である。すなわち、画像形成装置は、例えば、4個の現像ユニット30に対応して、4個の帯電電圧制御部79と、4個の現像電圧制御部80と、4個の供給電圧制御部81と、4個の転写電圧制御部82とを含んでいる。
ローラ駆動制御部83は、主に、ローラモータ88を介して帯電ローラ324、供給ローラ316、現像ローラ317、1次転写ローラ45および2次転写ローラ46などの一連のローラの回転動作などを制御する。ドラム駆動制御部84は、主に、ドラムモータ89を介して感光体ドラム323の回転動作などを制御する。ベルト駆動制御部85は、主に、ベルトモータ90を介して中間転写ベルト41の移動動作などを制御する。定着制御部86は、主に、サーミスタ92により測定された温度に基づいてヒータ91の動作を制御すると共に、定着モータ93を介して加圧ローラ52の回転動作などを制御する。
光源制御部78に関して上記したことは、例えば、ローラ駆動制御部83およびドラム駆動制御部84に関しても同様である。すなわち、画像形成装置は、例えば、4個の現像ユニット30に対応して、4個のローラ駆動制御部83と、4個のドラム駆動制御部84とを含んでいる。
トナー移送制御部87は、本発明の一実施形態の「制御部」である。このトナー移送制御部87は、主に、現像ユニット30の動作を制御する。具体的には、トナー移送制御部87は、トナー移送板313の回転動作およびトナー量変化検出バー315の回転動作を制御すると共に、フォトセンサ340を介して光の反射量の差異を検出する。この場合には、トナー移送制御部87は、例えば、駆動モータ94を介して駆動ギヤ401を回転させることにより、その駆動ギヤ401の回転に応じてトナー量変化検出バー315を回転させる。また、トナー移送制御部87は、例えば、移送モータ95を介してトナー移送板313を回転させる。
特に、トナー移送制御部87は、トナー量変化検出バー315により、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化が検出されると、フォトセンサ340を介して、上記したトナーTの量の変化を検出する。これにより、トナー移送制御部87は、トナー量変化検出バー315により検出されるトナーTの量の変化に基づいて、トナー移送板313の動作を制御する。すなわち、トナー移送制御部87は、随時、トナー移送板313を作動(回転)させると共に、そのトナー移送板313を停止させる。具体的には、トナー移送制御部87は、例えば、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が相対的に少なくなると、トナー移送板313によるトナーTの移送動作を開始させると共に、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が相対的に多くなると、トナー移送板313によるトナーTの移送動作を停止させる。トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出する原理に関しては、後述する。
また、トナー移送制御部87は、例えば、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出する際に、トナー移送板313によるトナーTの移送動作に基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を検出する。具体的には、トナー移送制御部87は、例えば、トナー移送板313がトナー移送室312BにトナーTを移送するために要する回数数を検出すると共に、その回転数に基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を検出する。トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を検出する原理に関しては、後述する。
光源制御部78に関して上記したことは、例えば、トナー移送制御部87に関しても同様である。すなわち、画像形成装置は、例えば、4個の現像ユニット30に対応して、4個のトナー移送制御部87を含んでいる。
<1−5.動作>
次に、画像形成装置の動作に関して説明する。
以下では、まず、画像の形成動作と、トナーTの移送動作とに関して説明する。こののち、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化の検出原理と、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量の検出原理とに関して説明する。この場合には、随時、図1〜図6を参照する。
<1−5−1.画像の形成動作>
媒体Mに画像を形成する場合には、画像形成装置は、例えば、以下で説明するように、トナーT(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナー)を用いて現像処理、1次転写処理、2次転写処理および定着処理をこの順に行うと共に、必要に応じてクリーニング処理を行う。
[現像処理]
最初に、トレイ10に収納された媒体Mは、送り出しローラ20により取り出される。送り出しローラ20により取り出された媒体Mは、搬送ローラ21,22により搬送経路Rに沿って搬送される。
現像処理では、現像ユニット30Yにおいて、感光体ドラム323が回転すると、帯電ローラ324が回転しながら感光体ドラム323の表面に直流電圧を印加する。これにより、感光体ドラム323の表面が均一に帯電する。
続いて、編集処理された画像データに基づいて、光源部330が感光体ドラム323の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム323の表面では、光の照射部分において表面電位が減衰(光減衰)するため、その感光体ドラム323の表面に静電潜像が形成される。
一方、現像ユニット30Yでは、トナー移送室312Bに収納されているトナーT(イエロートナー)が供給ローラ316に向けて放出される。
供給ローラ316が回転すると、その供給ローラ316に電圧が印加される。これにより、トナー移送室312Bからイエロートナーが供給ローラ316の表面に供給される。
現像ローラ317が供給ローラ316に圧接されながら回転すると、その現像ローラ317に電圧が印加される。これにより、供給ローラ316の表面に供給されたイエロートナーが現像ローラ317の表面に吸着すると共に、そのイエロートナーが現像ローラ317の回転を利用して搬送される。この場合には、現像ローラ317の表面に吸着されているイエロートナーの一部が現像ブレード318により除去されるため、その現像ローラ317の表面に吸着されたイエロートナーの厚さが均一化される。
現像ローラ317に圧接されながら感光体ドラム323が回転したのち、その現像ローラ317の表面に吸着されていたイエロートナーが感光体ドラム323の表面に移行する。これにより、感光体ドラム323の表面(静電潜像)にイエロートナーが付着する。
[1次転写処理]
転写ユニット40において、駆動ローラ42が回転すると、その駆動ローラ42の回転に応じて従動ローラ43およびバックアップローラ44が回転する。これにより、中間転写ベルト41が矢印F1の方向に移動する。
1次転写処理では、1次転写ローラ45Yに電圧が印加されている。この1次転写ローラ45Yは、中間転写ベルト41を介して感光体ドラム323に圧接されているため、現像処理において感光体ドラム323の表面(静電潜像)に付着されたイエロートナーは、中間転写ベルト41の表面に転写される。
こののち、イエロートナーが転写された中間転写ベルト41は、引き続き矢印F1の方向に移動する。これにより、現像ユニット30M,30C,30Kおよび1次転写ローラ45M,45C,45Kにおいて、上記した現像ユニット30Yおよび1次転写ローラ45Yと同様の手順により、現像処理および1次転写処理が行われる。よって、中間転写ベルト41の表面にマゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーが転写される。
具体的には、現像ユニット30Mおよび1次転写ローラ45Mにより、中間転写ベルト41の表面にマゼンタトナーが転写される。現像ユニット30Cおよび1次転写ローラ45Cにより、中間転写ベルト41の表面にシアントナーが転写される。現像ユニット30Kおよび1次転写ローラ45Kにより、中間転写ベルト41の表面にブラックトナーが転写される。
もちろん、実際に現像ユニット30Y,30M,30C,30Kおよび1次転写ローラ45Y,45M,45C,45Kにより現像処理および1次転写処理が行われるかどうかは、画像を形成するために必要な色(色の組み合わせ)に応じて決定される。
[2次転写処理]
搬送経路Rに沿って搬送される媒体Mは、バックアップローラ44と2次転写ローラ46との間を通過する。
2次転写処理では、2次転写ローラ46に電圧が印加されている。この2次転写ローラ46は、媒体Mを介してバックアップローラ44に圧接されるため、上記した1次転写処理において中間転写ベルト41に転写されたトナーTは、媒体Mに転写される。
[定着処理]
2次転写処理において媒体MにトナーTが転写されたのち、その媒体Mは、引き続き搬送経路Rに沿って搬送されるため、定着ユニット50に投入される。
定着処理では、加熱ローラ51の表面温度が所定の温度となるように制御されている。加熱ローラ51に圧接されながら加圧ローラ52が回転すると、その加熱ローラ51と加圧ローラ52との間を通過するように媒体Mが搬送される。
これにより、媒体Mの表面に転写されたトナーTが加熱されるため、そのトナーTが溶融する。しかも、溶融状態であるトナーTが媒体Mに圧接されるため、そのトナーTが媒体Mに対して強固に付着する。
よって、媒体MにトナーTが定着するため、その媒体Mの表面に画像が形成される。画像が形成された媒体Mは、搬送経路Rに沿って搬送されることにより、排出口1Hからスタッカ部2に排出される。
[クリーニング処理]
現像ユニット30では、感光体ドラム323の表面に不要なトナーTが残留する場合がある。この不要なトナーTは、例えば、1次転写処理において用いられたトナーTの一部であり、中間転写ベルト41に転写されずに感光体ドラム323の表面に残留したトナーTなどである。
そこで、現像ユニット30では、クリーニングブレード325に圧接されている状態において感光体ドラム323が回転するため、その感光体ドラム323の表面に残留しているトナーTがクリーニングブレード325により掻き取られる。よって、感光体ドラム323の表面から不要なトナーTが除去される。
これにより、画像の形成動作が完了する。
<1−5−2.トナーの移送動作>
上記した画像の形成動作を行う際に、画像形成装置は、例えば、以下で説明するように、トナーTの移送動作を行う。
図7は、画像形成装置によるトナーTの移送動作を説明するための流れを表している。ここでは、例えば、あらかじめトナー移送室312Bに十分な量のトナーTが収容されていたが、画像の形成動作を繰り返した結果、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が減少していることを前提とする。
以下で説明する括弧内のステップ番号は、図7に示したステップ番号(ステップS101〜S106)に対応している。
トナーTの移送動作を行う場合には、例えば、図7に示したように、最初に、トナー移送制御部87は、駆動モータ94を介して駆動ギヤ401を回転させることにより、その駆動ギヤ401の回転に応じてトナー量変化検出バー315を回転させる(ステップS101)。トナー量変化検出バー315の回転速度は、特に限定されないが、例えば、一定の速度である。ただし、トナー量変化検出バー315の回転速度は、任意に設定可能である。なお、トナー量変化検出バー315は、例えば、トナーTの移送動作が行われるか否かにかかわらずに、常に回転していてもよい。
この場合には、トナー移送制御部87は、所定の時間(回転間隔)ごとにトナー量変化検出バー315を回転させることが好ましい。トナー量変化検出バー315の回転頻度を少なくすることにより、そのトナー量変化検出バー315の摩耗および破損などを抑制すると共に、トナーTがダメージを受けることを抑制するためである。このトナーTが受けるダメージの詳細に関しては、後述する。上記した回転間隔は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
続いて、トナー移送制御部87は、トナー量変化検出バー315の回転動作に基づいて、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出する(ステップS102)。この場合には、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量であるか多量であるかを検出する。
トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化の検出原理に関しては、後述する。
続いて、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量であるか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、トナー移送制御部87は、当初、トナー移送室312Bに十分な量のトナーTが収容されていたにもかかわらず、そのトナーTが画像を形成するために消費された結果、トナー移送室312Bに残存しているトナーTが少量になっているか否かを判定する。
トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量でない場合(ステップS103N)には、トナー移送制御部87は、依然としてトナー移送室312Bに十分な量のトナーTが残存しているため、そのトナー移送室312BにトナーTを補充する必要はないと判断する。よって、トナー移送制御部87は、トナー量変化検出バー315を回転させる動作(ステップS101)に回帰する。
一方、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量である場合(ステップS103Y)には、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに十分な量のトナーTが残存していないため、そのトナー移送室312BにトナーTを補充する必要があると判断する。
そこで、トナー移送制御部87は、移送モータ95を介してトナー移送板313を回転させる(ステップS104)。トナー移送板313の回転速度は、特に限定されないが、例えば、一定の速度である。ただし、トナー移送板313の回転速度は、任意に設定可能である。
これにより、トナー収容室312Aに収容されているトナーTがトナー移送板313により重力方向と反対方向に持ち上げられるため、そのトナーTがトナー収容室312Aからトナー移送室312Bに移送される。よって、トナー移送室312BにトナーTが補充される。
この場合には、トナー移送板313は、トナー移送制御部87により停止されるまで回転し続けるため、トナー収容室312Aに収容されているトナーTは、トナー移送室312Bに移送され続ける。
続いて、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量になったか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、トナー移送制御部87は、トナー移送室312BにトナーTが補充された結果、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量に到達したか否かを判定する。
トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量になっていない場合(ステップS105N)には、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに未だ十分な量のトナーTが移送されていないため、引き続きトナー移送室312BにトナーTを移送し続ける必要があると判断する。よって、トナー移送制御部87は、引き続きトナー移送板313を回転させる(ステップS104)。
一方、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量になった場合(ステップS105Y)には、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに十分な量のトナーTが移送されたため、これ以上はトナー移送室312BにトナーTを移送させる必要がないと判断する。
よって、最後に、トナー移送制御部87は、移送モータ95を停止させることにより、トナー移送板313を停止させる(ステップS106)。
これにより、トナー移送室312Bに対するトナーTの補充が完了するため、トナーTの移送動作が完了する。
<1−5−3.トナー移送室に収容されているトナーの量の変化の検出原理>
トナー量変化検出バー315の回転動作に基づいて、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化が検出される原理は、例えば、以下の通りである。
図8および図9のそれぞれは、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化の検出原理を説明するために、トナー量変化検出バー315およびその周辺の状態の変化を表している。図8では、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量である場合を示していると共に、図9では、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量である場合を示している。
図8および図9のそれぞれにおいて、上段は、トナー量変化検出バー315および駆動ギヤ401のそれぞれの断面構成を表しており、図5に対応していると共に、下段は、反射支持体402およびフォトセンサ340のそれぞれの平面構成を表している。ただし、フォトセンサ340の輪郭を破線で示している。
駆動ギヤ401は、例えば、一定の回転速度で反時計回りに回転するため、トナー量変化検出バー315は、例えば、その駆動ギヤ401の回転に応じて反時計回りに回転する。トナー量変化検出バー315が回転する場合には、例えば、図8および図9に示したように、そのトナー量変化検出バー315の回転に応じて反射支持体402が回転するため、その反射支持体402により支持されている反射鏡403も同様に回転する。一方、フォトセンサ340は、トナー量変化検出バー315の回転に応じて回転しないため、静止している。このため、反射鏡403とフォトセンサ340との位置関係は、トナー量変化検出バー315の回転状態に応じて変化する。
詳細には、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量であるため、そのトナー移送室312Bに十分な量のトナーTが収容されている場合には、例えば、図8に示したように、反射鏡403が回転する。
具体的には、最初に、トナー量変化検出バー315が未だ回転していないため、反射鏡403も未だ回転していない状態(回転状態R1)では、反射鏡403が基準位置に位置している。この基準位置とは、上記したように、トナー量変化検出バー315が未だ回転していない状態において、反射鏡403が配置されるべき位置である。フォトセンサ340は、反射鏡403が基準位置に位置している状態において、その反射鏡403に対向するように配置されている。
回転状態R1では、反射鏡403がフォトセンサ340に対向しているため、発光素子から放出された光は、反射鏡403により受光素子に向けて反射される。これにより、受光素子は、発光素子から放出された光を受光しやすくなるため、その受光素子の受光量は十分に大きくなる。
続いて、反射鏡403が反時計回りに45°回転すると(回転状態R2)、その反射鏡403がフォトセンサ340に対向する位置から移動するため、その反射鏡403がフォトセンサ340に対向しなくなる。回転状態R2では、発光素子から光が放出されても、受光素子は発光素子から放出された光を受光しにくくなるため、その受光素子の受光量は十分に小さくなる。
続いて、反射鏡403が反時計回りに45°回転したのち(回転状態R3)、その反射鏡403がさらに反時計回りに45°回転しても(回転状態R4)、反射鏡403がフォトセンサ340に対向する位置から移動したままであるため、その反射鏡403がフォトセンサ340に対向しなくなる。回転状態R3,R4では、上記した回転状態R1と同様に、発光素子から光が放出されても、受光素子は発光素子から放出された光を受光しにくくなるため、その受光素子の受光量は十分に小さくなる。
最後に、反射鏡403が反時計回りに45°回転すると(回転状態R5)、反射鏡403が1回転するため、その反射鏡403がフォトセンサ340に対向する位置に戻る。回転状態R5では、発光素子から放出された光が反射鏡403により受光素子に向けて反射されるため、その受光素子の受光量は再び十分に大きくなる。
これにより、反射鏡403が回転を繰り返すと、その反射鏡403がフォトセンサ340に対向する位置を繰り返して通過するため、そのフォトセンサ340の出力が変化する。具体的には、反射鏡403がフォトセンサ340に対向している場合には、例えば、そのフォトセンサ340の出力がローレベルになる。一方、反射鏡403がフォトセンサ340に対向していない場合には、例えば、そのフォトセンサ340の出力がハイレベルになる。
トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量である場合には、トナー量変化検出バー315の大部分がトナーT中に導入されている。この場合には、回転状態R1から回転状態R5に至るまで、回転板401R(リブ401T)により押されながらトナー量変化検出バー315(折れ曲がり部315E)が回転する過程において、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTがトナー量変化検出バー315に対する回転抵抗として働きやすくなる。これにより、折れ曲がり部315Eは、回転状態R1から回転状態R5に至るまで回転する過程において、上記したトナーTの回転抵抗に起因してリブ401Tに押し付けられながら回転するため、折れ曲がり部315Eとリブ401Tとの密着状態が維持される。よって、上記したように、回転状態R1,R5では、反射鏡403がフォトセンサ340に対向するため、受光素子の受光量が十分に大きくなるのに対して、回転状態R2〜R4では、反射鏡403がフォトセンサ340に対向しないため、受光素子の受光量が十分に小さくなる。
これに対して、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量であるため、そのトナー移送室312Bに十分な量のトナーTが収容されていない場合には、例えば、図9に示したように、反射鏡403が回転する。
具体的には、反射鏡403は、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量である場合と同様に、回転状態R1から回転状態R3まで回転する。
続いて、反射鏡403が反時計回りに45°回転すると(回転状態R4)、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量である場合とは異なり、トナー量変化検出バー315が自重に起因してさらに反時計回りに45°回転する。すなわち、トナー量変化検出バー315は、回転板401Rよりも先行して回転する。これにより、反射鏡403が1回転するため、その反射鏡403がフォトセンサ340に対向する位置に戻る。回転状態R4では、発光素子から放出された光が反射鏡403により受光素子に向けて反射されるため、その受光素子の受光量は再び十分に大きくなる。
最後に、回転状態R5では、反射鏡403が既にフォトセンサ340に対向する位置に戻っているため、上記した回転状態R4と同様に、受光素子の受光量が十分に大きくなる。
トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量である場合には、トナー量変化検出バー315のうちの一部または全部がトナーT中から露出している。この場合には、回転状態R1から回転状態R5に至るまで、回転板401R(リブ401T)により押されながらトナー量変化検出バー315(折れ曲がり部315E)が回転する過程において、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTがトナー量変化検出バー315に対する回転抵抗として働きにくくなる。これにより、折れ曲がり部315Eは、回転状態R1から回転状態R5に至るまで回転する過程において、リブ401Tに押し付けられずに回転するため、回転状態R4では、折れ曲がり部315Eとリブ401Tとの密着状態が維持されなくなる。よって、上記したように、回転状態R1,R4,R5では、反射鏡403がフォトセンサ340に対向するため、受光素子の受光量が十分に大きくなるのに対して、回転状態R2,R3では、反射鏡403がフォトセンサ340に対向しないため、受光素子の受光量が十分に小さくなる。
これらのことから、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量である場合(図8)には、回転状態R4において受光素子の受光量が十分に小さくなる。これに対して、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量である場合(図9)には、回転状態R4において受光素子の受光量が十分に大きくなる。このため、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少なくなるほど、反射鏡403により光が反射される時間は長くなるため、その受光素子の受光量が十分に大きくなる時間は長くなる。よって、回転状態R4における受光量の差異、言い替えれば反射鏡403により光が反射される時間の差異に基づいて、トナー移送制御部87は、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出することができる。
すなわち、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量になるまで減少すると、トナー移送制御部87は、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量になったことを認識することができる。また、トナー移送室312BにトナーTが移送された結果、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量になるまで増加すると、トナー移送制御部87は、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が多量になったことを認識することができる。
なお、ここで説明する「少量」とは、上記したトナーTの量の変化の検出原理から明らかなように、図9に示した回転状態R4において受光素子の受光量が十分に大きくなった場合におけるトナーTの量を意味している。トナー移送制御部87は、回転状態R4において受光素子の受光量が十分に小さな量から十分に大きな量に変化したことを検出することにより、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量になったことを認識することができる。
<1−5−4.トナー収容室に収容されているトナーの量の検出原理>
トナー移送板313の移送動作に基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量が検出される原理は、例えば、以下の通りである。
図10は、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量(%)とトナー移送板313の回転数(回転)との相関を表すテーブルデータTDの一例を表している。ここで説明する相関は、あくまで一例であるため、トナーTの残量およびトナー移送板313の回転数のそれぞれは、任意に変更可能である。
図10では、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量ごとに、トナー移送板313が回転しながらトナー移送室312BにトナーTを移送する際に、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量(多量)になるまでに何回転を要するかを示している。
トナー移送制御部87は、例えば、図10に示したテーブルデータTDを保有している。このトナー移送制御部87は、例えば、トナー移送板313がトナーTの移送動作を行う際に、そのトナー移送板313の回転数を検出すると共に、そのトナー移送板313の回転数に応じて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量を推定する。
具体的には、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が少量になったのち、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量になるために、トナー移送板313の回転数として1回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が80%以上であると推定する。
トナー移送板313の回転数として2回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が60%であると推定する。
トナー移送板313の回転数として3回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が40%であると推定する。
トナー移送板313の回転数として5回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が20%であると推定する。
トナー移送板313の回転数として10回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が10%であると推定する。この場合には、トナー移送制御部87は、例えば、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量が少なくなったことをユーザに知らせるために、パネル部75に「トナー残量低下」などの文字メッセージを表示してもよい。
トナー移送板313の回転数が20回転を越えても、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量にならなかった場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が0%であると推定する。この場合には、トナー移送制御部87は、例えば、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量が不足していることをユーザに知らせるために、パネル部75に「トナーエンプティ」などの文字メッセージを表示してもよい。
上記したように、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量を十分な量にするために要するトナー移送板313の回転数に応じて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量を推定できる理由は、1回のトナー移送板313の回転動作を利用してトナー移送室312Bに移送できるトナーTの量は、トナー収容室312Aに残存しているトナーTの残量に依存するからである。
詳細には、トナー収容室312Aに残存しているトナーTの量が多量である場合には、1回のトナー移送板313の回転動作を利用してトナー移送室312Bに移送することができるトナーTの量は多くなる。このため、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量を十分な量にするために要するトナー移送板313の回転数は、相対的に少なくなる。
一方、トナー収容室312Aに残存しているトナーTの量が少量である場合には、1回のトナー移送板313の回転動作を利用してトナー移送室312Bに移送することができるトナーTの量は少なくなる。このため、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量を十分な量にするために要するトナー移送板313の回転数は、相対的に多くなる。
これらのことから、トナー収容室312Aに残存しているトナーTの量と、1回のトナー移送板313の回転動作を利用してトナー移送室312Bに移送することができるトナーTの量との相関を利用して、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量を十分な量にするために要するトナー移送板313の回転数に応じて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量を推定することができる。
<1−6.作用および効果>
この画像形成装置では、トナーTが収容されているトナー収容室312Aに、そのトナーTを重力方向と反対方向に持ち上げることによりトナー移送室312Bに移送するトナー移送板313が配置されている。また、トナーTが移送されるトナー移送室312Bに、そのトナーTの量の変化を検出するトナー量変化検出バー315が配置されている。トナー移送制御部87は、トナー量変化検出バー315により検出されるトナーTの量の変化に基づいて、トナー移送板313の動作を制御している。よって、以下で説明する理由により、高品質な画像を安定に形成することができる。
トナー収容室312Aに収容されているトナーTをトナー移送室312Bに移送する手順としては、例えば、トナー量変化検出バー315により検出されるトナーTの量の変化に依存せずに、定期的にトナー収容室312Aからトナー移送室312BにトナーTを移送する手順が考えられる。
しかしながら、定期的にトナー収容室312Aからトナー移送室312BにトナーTを移送する場合には、そのトナーTの移送頻度が高くなると、トナー収容室312Aに収容されているトナーTが頻繁にトナー移送板313により撹拌されながらすくい上げられるため、そのトナーTがダメージを受けやすくなる。この場合には、例えば、トナーTとトナー移送板313との接触およびトナーT同士の接触などに起因してトナーTから外添剤などが脱落するため、トナーT同士が凝集しやすくなると共に、そのトナーTが静電潜像に付着しにくくなる。これにより、媒体Mに対するトナーTの転写不良などが発生しやすくなるため、画像のかすれなどの不具合が発生しやすくなる。よって、高品質な画像を安定に形成することが困難になる。
なお、定期的にトナー収容室312Aからトナー移送室312BにトナーTを移送する場合において、上記した画像のかすれなどの不具合が発生することを抑制するためには、例えば、そのトナーTの移送頻度を低くすればよい。しかしながら、トナーTの移送頻度が低くなると、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が不足しやすくなるため、トナーTを用いて画像を安定に形成することが根本的に困難になる可能性がある。
これに対して、トナー移送制御部87がトナー量変化検出バー315により検出されるトナーTの量の変化に基づいてトナー移送板313の動作を制御する場合には、必要時、すなわちトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が不足した場合だけ、トナー収容室312Aに収容されているトナーTがトナー移送板313により撹拌されながらすくい上げられる。この場合には、定期的にトナー収容室312Aからトナー移送室312BにトナーTを移送する場合と比較して、トナーTの移送頻度が適正に少なくなるため、そのトナーTがダメージを受けにくくなる。これにより、媒体Mに対するトナーTの転写不良などが発生しにくくなるため、画像のかすれなどの不具合も発生しにくくなる。よって、高品質な画像を安定に形成することができる。
特に、トナー量変化検出バー315が、トナーTに起因する回転抵抗の変化に基づいて、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を検出すれば、そのトナー量変化検出バー315の単純な回転動作を利用して、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量の変化を容易に検出することができる。
また、トナー移送制御部87が、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が相対的に少なくなると、トナー移送板313によるトナーTの移送動作を開始させるようにすれば、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が不足した場合だけ、そのトナー移送室312BにトナーTが移送される。しかも、トナー移送制御部87が、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が相対的に多くなると、トナー移送板313によるトナーTの移送動作を停止させるようにすれば、既にトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分であるにもかかわらず、そのトナー移送室313にトナーTを過剰に移送することが防止される。よって、トナー移送板313の移送動作の回数を最小限に抑えながら、トナー移送室312Bに必要十分な量のトナーTが移送されるため、高品質な画像をより安定に形成することができる。
また、トナー移送制御部87が、トナー移送板313によるトナーTの移送動作に基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を検出すれば、トナー移送板313の単純な移送動作を利用して、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を容易に推定することができる。この場合には、トナー移送制御部87が、トナー移送室312BにトナーTを移送するために要するトナー移送板313の回転数に基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を検出すれば、そのトナー移送板313の回転数に基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量を正確に推定することができる。
<2.変形例>
上記した画像形成装置の構成および動作などは、適宜、変更可能である。
[変形例1]
具体的には、例えば、トナー移送制御部87は、トナー収容室312Aに収容されているトナーTをトナー移送室312Bに移送するためにトナー移送板313を回転させる際に、そのトナー回転板313の移送速度(回転速度)を一定にせずに変化させてもよい。
この場合においても、トナー移送制御部87がトナー量変化検出バー315により検出されるトナーTの量の変化に基づいてトナー移送板313の動作を制御することにより、同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
また、例えば、上記したようにトナー回転板313の回転速度を変化させる場合には、以下で説明するように、トナー移送制御部87は、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの量に基づいて、そのトナー移送板313の移送速度(回転速度)を変化させてもよい。
図11は、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量(%)とトナー移送板313の回転速度(rpm)との相関を表すテーブルデータTDの一例を表している。ここで説明する相関は、あくまで一例であるため、トナーTの残量およびトナー移送板313の回転速度のそれぞれは、任意に変更可能である。
図11では、上記したトナーTの残量およびトナー移送板313の回転速度と共に、所要時間(秒)を示している。この所要時間は、トナー移送板313が回転しながらトナー移送室312BにトナーTを移送する際に、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量(多量)になるまでに要する時間である。
なお、図11では、比較のために、トナー移送板313の回転速度を変化させる場合(変速回転)の回転速度および所要時間と共に、トナー移送板313の回転速度を変化させない場合(等速回転)の回転速度および所要時間を示している。
トナー移送制御部87は、例えば、図11に示したテーブルデータTDを保有している。このトナー移送制御部87は、例えば、上記したように、トナー移送板313がトナーTの移送動作を行う際に、そのトナー移送板313の回転数を検出すると共に、そのトナー移送板313の回転数に応じて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量を推定する。
また、トナー移送制御部87は、例えば、トナー移送板313が次回にトナーTの移送動作を行う際に、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量に基づいて、そのトナー移送板313の回転速度を変化させる。
具体的には、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量になるために、トナー移送板313の回転数として2回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が80%以上であると推定すると共に、トナー移送板313の回転速度を60rpmとする。
トナー移送板313の回転数として3回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が60%であると推定すると共に、トナー移送板313の回転速度を70rpmに変更する。
トナー移送板313の回転数として5回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が40%であると推定すると共に、トナー移送板313の回転速度を80rpmに変更する。
トナー移送板313の回転数として10回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が20%であると推定すると共に、トナー移送板313の回転速度を90rpmに変更する。
トナー移送板313の回転数として20回転を要した場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が10%であると推定すると共に、トナー移送板313の回転速度を100rpmに変更する。この場合には、トナー移送制御部87は、例えば、上記したように、パネル部75に「トナー残量低下」などの文字メッセージを表示してもよい。
トナー移送板313の回転数が40回転を越えても、トナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量にならなかった場合には、トナー移送制御部87は、例えば、テーブルデータTDに基づいて、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が0%であると推定すると共に、トナー移送板313の回転速度を100rpmに変更する。この場合には、トナー移送制御部87は、例えば、上記したように、パネル部75に「トナーエンプティ」などの文字メッセージを表示してもよい。
すなわち、図11に示したテーブルデータTDに基づいて、トナー移送制御部87は、例えば、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が相対的に少ない場合には、トナー移送板313の回転速度を相対的に速くすると共に、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が相対的に多い場合には、トナー移送板313の回転速度を相対的に遅くする。これにより、トナー移送制御部87は、例えば、トナー収容室312Aに収容されているトナーTの残量が次第に少なくなるにしたがって、トナー移送板313の回転速度を次第に増加させる。
この場合には、トナー収容室312Aからトナー移送室312BにトナーTを移送する際に、そのトナー移送室312Bに収容されているトナーTの量が十分な量になるために要する時間(所要時間)を短縮することができる。
具体的には、図11に示したように、トナーTの残量が0%〜100%である場合において、トナー移送板313の回転速度を一定にすると(回転速度=60rpm)、所要時間が最大で40秒になるのに対して、トナー移送板313の回転速度を変化させると(回転速度=60rpm〜100rpm)、所要時間は最大で24秒になる。
トナー移送板313の回転速度を変化させる場合には、特に、Duty比が高い条件で画像を形成しても、その画像のかすれなどの不具合が発生しにくくなるため、高品質な画像をより安定に形成することができる。
[変形例3]
また、例えば、トナー移送制御部87を用いずに、そのトナー移送制御部87の役割を統括制御部71が兼ねるようにしてもよい。この場合においても、統括制御部71がトナー移送制御部87と同様にトナー移送板313などの動作を制御することにより、同様の効果を得ることができる。
以上、一実施形態を挙げながら本発明を説明したが、本発明は上記した一実施形態において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。
具体的には、例えば、本発明の一実施形態の画像形成装置は、プリンタに限られず、複写機、ファクシミリおよび複合機などでもよい。