JP6738374B2 - 化粧板の施工方法及び化粧板の施工構造 - Google Patents

化粧板の施工方法及び化粧板の施工構造 Download PDF

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Description

本発明は、住宅等の建物の内装材として用いられる化粧板の施工方法及び施工構造に関するものである。
従来、住宅等の建物の内装用の化粧板を設置面に固定する際に、化粧板の外観の意匠性が損なわれないように、釘等を用いず、接着剤で化粧板の裏面と設置面とを接着すると共に両面テープで化粧板の裏面と設置面とを仮固定することで接着剤が硬化するまでの間、化粧板が位置ずれするのを抑制するようにした化粧板の施工方法及び施工構造が知られている(例えば、下記の特許文献1を参照)。
特開2008−038527号公報
しかしながら、従来の施工方法及び施工構造では、接着剤と両面テープが設けられた化粧材の裏面を設置面に一旦押し当てると、化粧板が所望の設置位置からずれていても、両面テープの粘着力によって化粧板の位置をずらすことができず、設置位置の微調整が行えなかった。一方、化粧板の設置位置を変更するために化粧板を設置面から剥がすと、両面テープの粘着力が著しく低下するため、化粧板を所望の設置位置に貼り直す前に、両面テープを貼り替える必要があり、化粧板を所望の位置に容易に施工できなかった。また、従来の施工方法及び施工構造では、大量の両面テープを使用するため、施工コストが高かった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に容易に且つ安価に施工できる化粧材の施工方法及び施工構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、化粧板の施工方法に係る本発明では、接着剤が塗布された化粧板の裏面を設置面に当接させて所望の設置位置に配置した後に、化粧板の表面側から溝内へ複数のピンネイルを打ち込むことにより、接着剤が硬化するまでの間、複数のピンネイルで化粧板を所望の設置位置に仮固定するようにした。
具体的には、第1の発明は、表面に複数の溝で囲繞された凹凸模様が形成された化粧板を室内空間の内壁面の一部である設置面に固定する化粧板の施工方法を前提としている。
そして、第1の発明に係る化粧板の施工方法は、上記化粧板の裏面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、上記接着剤塗布工程後、上記化粧板の裏面を上記設置面に当接させて所望の設置位置に配置する配置工程と、上記配置工程後、該化粧板の表面側から少なくとも1つの上記溝内へ上記化粧板と上記設置面とに跨がるように複数のピンネイルを斜め下向きに打ち込むことによって上記化粧板が上記設置位置からずれないように仮固定する仮固定工程と、上記仮固定工程後、上記接着剤を硬化させる養生工程とを備え、上記接着剤と上記ピンネイルとで上記化粧板を上記設置面の上記設置位置に固定するものであり、上記仮固定工程では、上記化粧板の裏面に対する傾斜角が45度以上90度以下の側壁部を有する上記溝の深溝部分であって、上記側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度が90度以下の鋭角な深溝部分に上記ピンネイルを打ち込むことを特徴としている。
第1の発明では、接着剤が塗布された化粧板の裏面を設置面に当接させて所望の設置位置に配置した後、複数のピンネイルを打ち込むことによって化粧板を設置位置に仮固定するようにしている。接着剤はすぐに硬化しないため、接着剤が塗布された化粧板の裏面を設置面に当接させた後、設置面に沿って化粧板を容易にずらして位置の微調整を行うことができ、化粧板を容易に所望の設置位置に配置することができる。また、化粧板の配置後、複数のピンネイルを打ち込んで仮固定するだけで、容易に化粧板を所望の設置位置に固定することができる。
また、第1の発明では、化粧板の仮固定を、ピンネイルを化粧板の表面側から溝内へ打ち込むことによって行うこととしている。ピンネイルは、釘状部材の中では非常に細いものであり、これを凹凸模様が形成された化粧板の表面において該凹凸模様を囲繞して影が差して暗く見える溝内に打ち込むため、施工後、打ち込んだ跡が目立たず、化粧板の外観の意匠性を損なうことがない。また、ピンネイルで化粧板の仮固定を行うことにより、仮固定に両面テープを用いる場合に比べて安価に化粧板の仮固定を行うことができる。
以上により、第1の発明によれば、外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に容易に且つ安価に施工することができる
また、第1の発明では、化粧板の裏面に対する傾斜角が45度以上90度以下の急勾配の側壁部を有する溝の深溝部分に、ピンネイルを打ち込むこととしている。急勾配の側壁部を有する深溝部分は、溝の中でも深く影が差してより暗く見える部分であるため、このような深溝部分にピンネイルを打ち込むことにより、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。
よって、第1の発明によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に施工することができる。また、深溝部分の中でも、急勾配の側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度が90度以下の鋭角な深溝部分は、溝内がより見え難くなる部分であるため、このような鋭角な深溝部分にピンネイルを打ち込むこととした第1の発明によれば、施工後、打ち込んだ跡がより一層目立たなくなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記仮固定工程では、上記溝の上記化粧板の裏面に平行な底部に上記ピンネイルを打ち込むことを特徴としている。
第2の発明では、溝の底部にピンネイルを打ち込むこととしている。奥まった溝の底部にピンネイルを打ち込むことにより、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。よって、第2の発明によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に施工することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記化粧板は、少なくとも表層が鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成され、エンボス型によって表面に上記凹凸模様が形成された加熱圧縮形成物によって構成されていることを特徴としている。
第3の発明では、化粧板の少なくとも表層を、鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成している。このような無機質層は強度が高く硬い。そのため、ピンネイルを打ち込んだ際に、時間の経過と共に打ち込み孔が拡大してピンネイルが抜け落ちることがなく、無機質層にしっかりと保持される。よって、第3の発明によれば、ピンネイルのような非常に細い釘状部材を用いても化粧板をしっかりと仮固定又は固定することができる。
また、他の化粧板の施工構造に係る発明では、上記の目的を達成するために、化粧板と設置面とが、化粧板の裏面と設置面とを接着する接着剤と、化粧板の表面側から溝内へ打ち込まれた複数のピンネイルとで固定されるようにした。
具体的には、第4の発明は、化粧板を室内空間の内壁面の一部である設置面の所望の設置位置に固定する化粧板の施工構造を前提としている。
そして、第4の発明に係る化粧板の施工構造は、表面に複数の溝で囲繞された凹凸模様が形成された上記化粧板と、上記化粧板の裏面と上記設置面との間に設けられて上記化粧板の裏面と上記設置面とを接着する接着剤と、上記化粧板の表面側から少なくとも1つの上記溝内へ上記化粧板と上記設置面とに跨がるように斜め下向きに打ち込まれた複数のピンネイルとを備え、上記複数のピンネイルは、上記化粧板の裏面に対する傾斜角が45度以上90度以下の側壁部を有する上記溝の深溝部分であって、上記側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度が90度以下の鋭角な深溝部分に打ち込まれていることを特徴としている。
第4の発明では、化粧板と設置面とが、化粧板の裏面と設置面とを接着する接着剤と、化粧板の表面側から少なくとも1つの溝内へ化粧板と設置面とに跨がるように打ち込まれた複数のピンネイルとで固定される。このように、化粧板の施工構造が、接着剤だけでなくピンネイルを備えることにより、裏面に接着剤が塗布された化粧板を設置面に接触させて所望の設置位置に配置した後、ピンネイルで接着剤が硬化するまでの間の仮固定を行うことができる。また、ピンネイルは、釘状部材の中では非常に細いものであり、これを凹凸模様が形成された化粧板の表面において該凹凸模様を囲繞して影が差して暗く見える溝内に打ち込むため、施工後、打ち込んだ跡が目立たず、化粧板の外観の意匠性を損なうことがない。また、ピンネイルで化粧板の仮固定を行うことにより、仮固定に両面テープを用いる場合に比べて安価に化粧板の仮固定を行うことができる。
以上により、第4の発明によれば、外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に容易に且つ安価に施工可能な施工構造を提供することができる。
また、第4の発明では、化粧板の裏面に対する傾斜角が45度以上90度以下の急勾配の側壁部を有する溝の深溝部分に、ピンネイルが打ち込まれている。急勾配の側壁部を有する深溝部分は、溝の中でも深く影が差してより暗く見える部分であるため、このような深溝部分にピンネイルが打ち込まれることにより、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。
よって、第4の発明によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に施工可能な施工構造を提供することができる。また、深溝部分の中でも、急勾配の側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度が90度以下の鋭角な深溝部分は、溝内がより見え難くなる部分であるため、このような鋭角な深溝部分にピンネイルが打ち込まれる第4の発明によれば、施工後、打ち込んだ跡がより一層目立たなくなる。
以上説明したように、本発明によると、接着剤が塗布された化粧板の裏面を設置面に当接させて所望の設置位置に配置した後に、化粧板の表面側から溝内へ複数のピンネイルを打ち込むことにより、接着剤が硬化するまでの間、複数のピンネイルで化粧板を設置位置に仮固定するようにしたため、外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に容易に且つ安価に施工することができる。
また、本願の他の発明によると、化粧板と設置面とが、化粧板の裏面と設置面とを接着する接着剤と、化粧板の表面側から溝内へ打ち込まれた複数のピンネイルとで固定されるようにしたため、外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に容易に且つ安価に施工可能な施工構造を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る化粧板の施工方法及び施工構造が適用された室内空間の投影図である。 図2は、図1の化粧板の一部を拡大して示す斜視図である。 図3は、図2のIII−III線方向の断面図である。 図4は、本発明の実施形態1に係る化粧板の設置構造の一部を拡大して示す断面図である。 図5は、図1の化粧板を設置面に設置した状態における一部拡大図である。 図6は、本発明の実施形態1に係る化粧板の施工方法を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施形態1に係る化粧板の施工方法の一部の工程図であり、(A)は接着剤塗布工程、(B)は配置工程、(C)は仮固定工程を示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る化粧板の施工方法及び施工構造60が適用された室内空間を示すものである。本実施形態1では、施工対象となる3枚の化粧板50が、室内空間の内壁面Wに上下方向に並べて固定されて該内壁面Wを装飾する例について説明する。本実施形態1では、内壁面Wが、化粧板50が固定される設置面となる。
−化粧板の構成−
図2及び図3に示すように、化粧板50は、化粧面となる表面1にエンボス加工によって凹凸模様が形成された基材10と、該基材10の表面1に形成された塗膜30とを有している。
{基材}
基材10は、本実施形態では、表面1側(図3の上側)に位置する表層11と、裏面2側(図3の下側)に位置する裏層12と、表層11と裏層12との間に位置する芯層13とを有し、三層構造に構成されている。表層11と裏層12とは、互いに同じものであり、鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成されている。一方、芯層13は、軽量骨材と結合剤と繊維を主成分とする層である。表層11と裏層12と芯層13とは、結合剤の硬化によって複合一体化されている。
基材10は、エンボス型によって加熱圧縮されることにより、表層11側の表面1に、凹凸模様が形成されている。凹凸模様は、本実施形態では、深彫り形状の石目調のタイル模様に形成されている。なお、凹凸模様は、いかなるものであってもよい。本実施形態では、基材10の厚みは、最も薄い部分の厚さが6mm、最も厚い部分の厚さが9mmとなるように、凹凸模様が形成されている。
〈表層及び裏層の主成分〉
[鉱物質繊維]
表層11と裏層12の鉱物質繊維として、ロックウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール等を用いることができる。これらは、単独で用いることも可能であり、複数を組み合わせて用いてもよい。鉱物質繊維は、粘りと強度とを持たせつつ、高い表面性を得るために添加されるものであり、固形成分全体の40重量%以上80重量%以下だけ添加される。鉱物質繊維は、添加量が40重量%未満になると、鉱物質繊維どうしの絡み合いが少なくなって曲げ強度が弱くなり、また、80重量%を超えると、無機質紛状体の添加割合が少なくなるため、表面の緻密性が低くなり、化粧性が損なわれるためである。
[無機質紛状体]
表層11と裏層12の無機質紛状体として、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、水酸化アルミニウム、スラグ紛等を用いることができる。これらは、単独で用いることも可能であり、複数を組み合わせて用いてもよい。無機質紛状体は、防火性及び硬度を確保するために添加されるものであり、固形成分全体の20重量%以上60重量%以下だけ添加される。無機質紛状体は、添加量が20重量%未満になると、形成される化粧板50の表面の緻密性が低くなって化粧性が損なわれ、また、60重量%を超えると、鉱物質繊維の添加割合が少なくなるため、曲げ強度が弱くなるためである。
[結合剤]
表層11と裏層12の結合剤は、熱硬化性樹脂結合剤であり、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂等の粉末状、或いは水性結合剤を用いることができる。また、結合剤として、ポリビニルアルコール、スターチ類、ポリアクリルアミド、SBRラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の水溶性又は水分散性の高分子結合剤を、熱硬化性樹脂と併用することも可能である。結合剤は、鉱物質繊維及び無機質紛状体を含む成分を結合するために添加されるものであり、固形成分全体の5重量%以上20重量%以下、好ましくは、7重量%以上15重量%以下だけ添加される。結合剤は、添加量が5重量%未満になると、強度が不足する一方、20重量%を超えると、不燃性が損なわれるためである。
〈芯層の主成分〉
[軽量骨材]
芯層13の軽量骨材として、パーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体等を用いることができる。軽量骨材は、圧縮強度を確保しつつ、軽量化するために添加されるものであり、固形成分全体の40重量%以上90重量%以下だけ添加される。軽量骨材は、添加量が40重量%未満になると、軽量化が不十分になり、また、散布時に均一に撒くことが難しくなる一方、90重量%を超えると、強度が弱くなり、また、圧縮時の圧力が高くなりすぎて生産性が低下するためである。
[結合剤]
芯層13の結合剤は、熱硬化性樹脂結合剤であり、表層11及び裏層12に用いることができるもの、即ち、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹脂等の粉末状、或いは水性結合剤を用いることができる。また、表層11及び裏層12の結合剤と同様に、ポリビニルアルコール、スターチ類、ポリアクリルアミド、SBRラテックス、アクリル樹脂エマルジョン等の水溶性又は水分散性の高分子結合剤を、熱硬化性樹脂と併用することも可能である。結合剤は、軽量骨材を含む成分を結合するために添加されるものであり、固形成分全体の5重量%以上20重量%以下、好ましくは、7重量%以上15重量%以下だけ添加される。結合剤は、添加量が5重量%未満になると、強度が不足する一方、20重量%を超えると、不燃性が損なわれる。
[繊維]
芯層13の繊維として、無機繊維又は有機繊維を用いることができる。具体的には、無機繊維として、ガラス繊維、ワラストナイト等を用いることができる。また、有機繊維として、ポリエステル、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊維、木質繊維、パルプ等を用いることができる。これらは、単独で用いることも可能であり、複数を組み合わせて用いてもよい。繊維は、粘りと強度とを持たせるために添加されるものであり、固形成分全体の1重量%以上10重量%以下だけ添加される。繊維は、添加量が1重量%未満になると、粘りが無くなり、補強効果が低くなり、10重量%を超えると、抄造時に凹凸が生じ、良好な湿潤マットを得ることができなくなるためである。
〈凹凸模様〉
基材10の表面1には、複数の溝3で囲繞された凹凸模様が形成されている。基材10の表面1は、この複数の溝3によって複数のブロックに区画されている。
具体的には、本実施形態1では、図2及び図3に示すように、基材10の表面1には、縦横に延びる複数の溝3が形成され、この複数の溝3によって基材10の表面1が複数のブロックに区画されている。基材10において溝3が形成された部分が基材10の最も薄い部分を構成し、溝3での基材10の厚さは6mmである。一方、最も分厚い部分(凹凸模様の最大凸部部分)での基材10の厚さは、9mmである。
なお、基材10の凹凸模様は、基材10の最も分厚い部分(凹凸模様の最大凸部部分)において、表層11の厚さが3mm、芯層13の厚さが3.5mm、裏層12の厚さが2.5mm程度になるように形成されている。また、基材10の表面1の凹凸模様は、基材10の最も薄い溝3部分において、表層11の厚さが1mm、芯層13の厚さが3mm、裏層12の厚さが2mm程度になるように形成されている。
つまり、本実施形態1では、凹凸模様は、最大高低差(最大凸部部分の表面と溝3の底面とのレベル差)が3mm程度で、表層11の最大厚さ(本実施形態1では3mm)以上になるような深彫り模様に形成されている。
凹凸模様を囲繞する複数の溝3は、対向する2つの側壁部と底部とを有している。本実施形態1では、溝3の底面(底部の表面)の幅は5mmに形成されている。一方、溝3の2つの側壁部は、底面からの高さは場所によって様々に形成され、最大高さは3mm程度に形成されている。複数の溝3は、化粧板50の裏面2に対する傾斜角度αが45°以上90°以下の側壁部を有する深溝部分3aを有している。なお、本実施形態1では、全ての溝3の側壁部が、化粧板50の裏面に対する傾斜角度αが75°程度に形成されると共に側壁部と対向壁部とのなす角度βが30°程度に形成され、溝3の全てが深溝部分3aとなる。化粧板50は、このような深溝部分3aにより、表面に形成される凹凸模様が深彫りでシャープなものとなる。
なお、化粧板50の凹凸模様は、上述のように溝3の全てが深溝部分3aに構成されていなくてもよい。
{塗膜}
塗膜30は、基材10の表面1に直に形成される下塗り層31と、該下塗り層31の上に重ねて形成される上塗り層32とを有している。
下塗り層31は、水性塗料を塗布することによって形成されている。水性塗料として、アクリル樹脂又はウレタン樹脂を主成分とするものを用いることができる。本実施形態では、ガラス転移点が0℃以下のアクリル樹脂を主成分とする水性塗料を塗布することによって下塗り層31が形成されている。
上塗り層32は、着色インクをインクジェット装置によって下塗り層31の上に噴射することによって形成されている。上塗り層32は、色調が基材10の表面1に形成された凹凸模様に同調するように、凹部部分の塗膜の色(インク色)が凸部部分の塗膜の色(インク色)よりも濃い。
具体的に、本実施形態では、図2及び図3に示すように、溝3の内面に形成された溝内塗膜30aは、溝3以外の部分に形成された溝外塗膜30bよりも濃色になるように形成されている。なお、ここで濃色とは、少なくとも明度が低い色であることを指す。詳細については後述するが、溝内塗膜30aは、溝外塗膜30bよりも明度が低くなるように塗装することによって形成されている。これにより、溝3の内面は、濃色の溝内塗膜30aにより暗く見え、溝3以外の部分は、溝内塗膜30aよりも薄色(少なくとも明度が高い色)の溝外塗膜30bにより溝内塗膜30aよりも明るく見える。このようにして、下塗り層31の上に、色調が凹凸模様に同調した上塗り層32が形成されることにより、基材10の表面1の凹凸模様に同調した塗膜30が形成されることなる。
なお、溝3の内面に形成される溝内塗膜30aは、溝3以外の部分に形成される溝外塗膜30bよりも明度が低いだけでなく彩度が高くなるように塗装することによって形成されるものであってもよい。また、溝内塗膜30aは、単色ではなく、濃淡が段階的に変化する(グラデーション)ように構成されていてもよい。例えば、溝内塗膜30aを、溝3の底面に形成された塗膜が最も濃く、溝3の側面に形成された塗膜が底部から上部に向かって溝3の底面の塗膜と同等の濃色から溝外塗膜30bと同等の淡色まで段階的に淡くなるように構成してもよい。
−化粧板の施工構造−
次に、化粧板50を内壁面W(設置面)の所望の設置位置に固定するための施工構造60について説明する。
図4に示すように、施工構造60は、上記化粧板50と、接着剤61と、複数のピンネイル62とを備えている。上述のように、化粧板50には、表面に複数の溝3で囲繞された凹凸模様が形成されている。
接着剤61は、化粧板50の裏面2と内壁面Wとの間に設けられ、化粧板50の裏面2と内壁面Wとを接着している。接着剤61は、その接着力によって複数のピンネイル62が無くても化粧板50を内壁面Wに固定されるように設けられている。本実施形態1では、接着剤61として、シリコン系接着剤が用いられている。シリコン系接着剤は、硬化後も弾性がある。そのため、接着剤61としてシリコン系接着剤を用いることにより、湿気によって化粧板50及び壁下地材が大幅に伸縮したとしても、化粧板50と壁下地材の伸縮の差を接着剤61で吸収することができるため、化粧板50の割れを防止することができる。
なお、接着剤61は、シリコン系接着剤に限定されず、同様に硬化後に弾性を有するものを適用することができる。また、本実施形態1では、化粧板50が、表層11と裏層12とが鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層で構成されている。このような無機質層は強度が高く硬く割れ難い。そのため、本実施形態1の化粧板50には、湿気によって化粧板50及び壁下地材が日常見られる程度の伸縮であれば接着剤61として一般的に使用されるウレタン系接着剤や酢酸ビニル系接着剤等を用いても、化粧板50が割れ難く、適用可能である。
複数のピンネイル62として、本実施形態では、直径0.6mm、長さ35mmのピンネイルが用いられている。複数のピンネイル62は、化粧板50の表面側から凹凸模様を囲繞する複数の溝3内へ化粧板50と壁下地材(表面が内壁面Wとなる)とに跨がるように打ち込まれている。本実施形態1では、複数のピンネイル62は、化粧板50の裏面に平行な上記溝3の底部に、打ち込み角度が鉛直方向に延びる内壁面Wに対して斜め、具体的には、壁下地材の奥側に向かうほど下方に位置する角度で打ち込まれている。
また、複数のピンネイル62は、化粧板50の縦横方向(本実施形態1では上下左右方向)に略300mm間隔で化粧板50に打ち込まれている(図5及び図7(C)を参照)。複数のピンネイル62は、化粧板50の裏面に対する傾斜角αが45°以上90°以下の側壁部を有する上記溝3の深溝部分3aに打ち込まれている。また、ピンネイル62が打ち込まれた深溝部分3aは、溝3の側壁部とこれに対向する対向壁部とのなす角度βが90°以下に形成されていることが好ましい。なお、本実施形態1では、全ての溝3の側壁部の傾斜角度αが75°程度に形成されると共に側壁部と対向壁部とのなす角度βが30°程度に形成され、溝3の全てが深溝部分3aとなるため、複数のピンネイル62は、溝3内に打ち込まれていればよいこととなる。
以上のように、本実施形態1の施工構造60では、化粧板50と内壁面W(設置面)とが、化粧板50の裏面と内壁面Wとを接着する接着剤61と、化粧板50の表面側から凹凸模様を囲繞する少なくとも1つの溝3内へ化粧板50と内壁面Wとに跨がるように打ち込まれた複数のピンネイル62とで固定されることとなる。また、ピンネイル62は、釘状部材の中では非常に細いものであり、これを凹凸模様が形成された化粧板50の表面において該凹凸模様を囲繞して影が差して暗く見える溝3内に打ち込むため、施工後、打ち込んだ跡が目立たず、化粧板50の外観の意匠性を損なうことがない。さらに、本実施形態1では、化粧板50の溝3の内面には、溝3以外の部分に形成された溝外塗膜30bよりも濃色の溝内塗膜30aが形成されているため、溝3は、化粧板50の表面1において暗く見える。このような暗く見える部分にピンネイル62を打ち込むことにより、ピンネイル62によって形成される孔が目立ちにくくなる。つまり、ピンネイル62の孔は、通常、影によって周囲の部分よりも暗く見えるが、元々暗く見える溝3の底部にピンネイル62を打ち込むことにより、ピンネイル62によって形成される孔が目立ちにくくなる。
−化粧板の施工方法−
以下、化粧板50を内壁面W(設置面)の所望の設置位置に固定するための化粧板の施工方法について、図6及び図7に基づいて説明する。図6に示すように、本実施形態1では、接着剤塗布工程S1と、配置工程S2と、仮固定工程S3と、養生工程S4とをこの順に行うことによって、化粧板50が、内壁面Wの所望の設置位置に固定される。
[接着剤塗布工程]
まず、接着剤塗布工程S1が行われる。接着剤塗布工程S1では、図7(A)に示すように、施工対象となる化粧板50の裏面2に、化粧板50の裏面と内壁面Wとを接着させるための接着剤61が塗布される。接着剤61は、四周端部とその内側とに塗布されている。接着剤61は、接着剤の幅が略7mm程度になるように塗布され、四周端部は端から30mm程度空けた位置に塗布される。
[配置工程]
接着剤塗布工程S1の終了後、配置工程S2が行われる。配置工程S2では、まず、図7(B)に示すように、接着剤61が塗布された化粧板50の裏面を内壁面Wの所望の設置位置付近に当接させる。このとき、化粧板50が所望の設置位置からずれている場合には、化粧板50の裏面を内壁面Wに当接させたままずらして所望の設置位置に配置する。接着剤61は、速乾性の接着剤ではないため、配置工程S2ではまだ硬化しておらず、化粧板50をずらすだけで容易に所望の設置位置に配置することができる。
[仮固定工程]
配置工程S2の終了後、仮固定工程S3が行われる。仮固定工程S3は、配置工程S2後、接着剤61が硬化するまでの間、化粧板50が所望の設置位置からずれないように、複数のピンネイル62で化粧板50を内壁面Wに仮固定する。具体的には、図7(C)に示すように、仮固定工程S3では、化粧板50の表面側から、ピンネイラーを用いて、該化粧板50の縦横方向(本実施形態1では上下左右方向)に略300mm間隔で複数のピンネイル62を打ち込む。なお、図7(C)では、複数の逆三角形は、ピンネイル62の打ち込み箇所を示している。
図4に示すように、各ピンネイル62は、化粧板50の表面側から凹凸模様を囲繞する複数の溝3内へ斜め下向きに、化粧板50と壁下地材(表面が内壁面Wとなる)とに跨がるように打ち込まれる。また、各ピンネイル62は、化粧板50の裏面に対する傾斜角αが45°以上90°以下の側壁部を有する溝3の深溝部分3aに、化粧板50の裏面に平行な溝3の底部に向かって打ち込まれる。ここで、ピンネイル62を打ち込む深溝部分3aは、上記側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度βが90°以下に形成された部分であることが好ましい。なお、本実施形態1では、全ての溝3の側壁部の傾斜角度αが75°程度に形成されると共に側壁部と対向壁部とのなす角度βが30°程度に形成され、溝3の全てが深溝部分3aとなるため、複数のピンネイル62は、溝3内に打ち込まれていればよいこととなる。
このように、仮固定工程S3では、複数のピンネイル62を打ち込むことにより、配置工程S2後、接着剤61が硬化するまでの間、化粧板50が所望の設置位置からずれ落ちないように、内壁面Wの所望の設置位置に仮固定することができる。
[養生工程]
仮固定工程S3の終了後、養生工程S4が行われる。養生工程S4では、化粧板50に強い衝撃が加わって化粧板50がずれないように保護し、接着剤61を硬化させる。なお、接着剤61の硬化後も、仮固定に用いた複数のピンネイル62は、化粧板50から引き抜かれることなく、打ち込まれたままにして化粧板50と内壁面Wとの固定に用いる。
以上のような接着剤塗布工程S1と配置工程S2と仮固定工程S3と養生工程S4とにより、化粧板50は、内壁面Wの所望の設置位置に固定される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1の化粧板の施工方法では、接着剤61が塗布された化粧板50の裏面2を内壁面Wに当接させて所望の設置位置に配置した後、複数のピンネイル62を打ち込むことによって化粧板50を設置位置に仮固定するようにしている。接着剤61はすぐに硬化しないため、接着剤61が塗布された化粧板50の裏面2を内壁面Wに当接させた後、内壁面Wに沿って化粧板50を容易にずらして位置の微調整を行うことができ、化粧板50を容易に所望の設置位置に配置することができる。また、化粧板50の配置後、複数のピンネイル62を打ち込んで仮固定するだけで、容易に化粧板50を所望の設置位置に固定することができる。
また、本実施形態1の化粧板の施工方法では、化粧板50の仮固定を、ピンネイル62を化粧板50の表面側から溝3内へ打ち込むことによって行うこととしている。ピンネイル62は、釘状部材の中では非常に細いものであり、これを凹凸模様が形成された化粧板50の表面において該凹凸模様を囲繞して影が差して暗く見える溝3内に打ち込むため、施工後、打ち込んだ跡が目立たず、化粧板50の外観の意匠性を損なうことがない。また、ピンネイル62で化粧板50の仮固定を行うことにより、仮固定に両面テープを用いる場合に比べて安価に化粧板50の仮固定を行うことができる。
以上により、本実施形態1の化粧板の施工方法によれば、外観の意匠性を損なうことなく化粧板50を所望の位置に容易に且つ安価に施工することができる。
また、本実施形態1の化粧板の施工方法では、化粧板50の裏面2に対する傾斜角αが45°以上90°以下の急勾配の側壁部を有する溝3の深溝部分3aに、ピンネイル62を打ち込むこととしている。本実施形態1では、溝3の全てが深溝部分3aに構成されているが、溝3の全てが深溝部分3aに構成されていない場合、急勾配の側壁部を有する深溝部分3aは、溝3の中でも深く影が差してより暗く見える部分であるため、このような深溝部分3aにピンネイル62を打ち込むことにより、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。
よって、本実施形態1の化粧板の施工方法によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板50を所望の位置に施工することができる。また、溝3の全てが深溝部分3aに構成されていない場合、深溝部分3aの中でも、急勾配の側壁部とそれに対向する対向壁部とのなす角度βが90°以下の鋭角な深溝部分3aにピンネイル62を打ち込むこととすれば、施工後、打ち込んだ跡がより一層目立たなくなる。
また、本実施形態1の化粧板の施工方法では、溝3の底部にピンネイル62を打ち込むこととしている。奥まった溝3の底部にピンネイル62を打ち込むことにより、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。よって、本実施形態1の化粧板の施工方法によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に施工することができる。
また、本実施形態1の化粧板の施工方法では、化粧板50の少なくとも表層11を、鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成している。このような無機質層は強度が高く硬い。そのため、ピンネイル62を打ち込んだ際に、時間の経過と共に打ち込み孔が拡大してピンネイル62が抜け落ちることがなく、無機質層にしっかりと保持される。よって、本実施形態1の化粧板の施工方法によれば、ピンネイル62のような非常に細い釘状部材を用いても化粧板50をしっかりと仮固定又は固定することができる。
また、本実施形態1の化粧板の施工構造60では、化粧板50と内壁面Wとが、化粧板50の裏面2と内壁面Wとを接着する接着剤61と、化粧板50の表面側から少なくとも1つの溝3内へ化粧板50と内壁面Wとに跨がるように打ち込まれた複数のピンネイル62とで固定される。このように、化粧板の施工構造60が、接着剤61だけでなくピンネイル62を備えることにより、裏面2に接着剤61が塗布された化粧板50を設置面である内壁面Wに接触させて所望の設置位置に配置した後、ピンネイル62で接着剤61が硬化するまでの間の仮固定を行うことができる。また、ピンネイル62は、釘状部材の中では非常に細いものであり、これを凹凸模様が形成された化粧板50の表面において該凹凸模様を囲繞して影が差して暗く見える溝3内に打ち込むため、施工後、打ち込んだ跡が目立たず、化粧板50の外観の意匠性を損なうことがない。また、ピンネイル62で化粧板の仮固定を行うことにより、仮固定に両面テープを用いる場合に比べて安価に化粧板の仮固定を行うことができる。
以上により、本実施形態1の化粧板の施工構造60によれば、外観の意匠性を損なうことなく化粧板を所望の位置に容易に且つ安価に施工可能な施工構造60を提供することができる。
また、本実施形態1の化粧板の施工構造60では、ピンネイル62が、化粧板50の裏面2に対する傾斜角αが45°以上90°以下の急勾配の側壁部を有する溝3の深溝部分3aに打ち込まれている。本実施形態1では、溝3の全てが深溝部分3aに構成されているが、溝3の全てが深溝部分3aに構成されていない場合、急勾配の側壁部を有する深溝部分3aは、溝3の中でも深く影が差してより暗く見える部分であるが、このような深溝部分3aにピンネイル62が打ち込まれることにより、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。
よって、本実施形態1の化粧板の施工構造60によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板50を所望の位置に施工可能な施工構造60を提供することができる。また、溝3の全てが深溝部分3aに構成されていない場合、深溝部分3aの中でも、急勾配の側壁部とそれに対向する対向壁部とのなす角度βが90°以下の鋭角な深溝部分3aにピンネイル62が打ち込むこととすれば、施工後、打ち込んだ跡がより一層目立たなくなる。
また、本実施形態1の化粧板の施工構造60では、奥まった溝3の底部にピンネイル62が打ち込まれているため、施工後、打ち込んだ跡がより目立たなくなる。よって、本実施形態1の化粧板の施工構造60によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板50を所望の位置に施工可能な施工構造60を提供することができる。
また、本実施形態1の化粧板の施工構造60では、化粧板50の少なくとも表層11を、鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成している。このような無機質層は強度が高く硬い。そのため、ピンネイル62の打ち込み後、時間の経過と共に打ち込み孔が拡大してピンネイル62が抜け落ちることがなく、無機質層にしっかりと保持される。よって、本実施形態1の化粧板の施工構造60によれば、ピンネイル62のような非常に細い釘状部材を用いても化粧板をしっかりと仮固定又は固定することが可能な施工構造60を提供することができる。
さらに、本実施形態1によれば、本実施形態1の化粧板の施工方法及び施工構造60では、複数のピンネイル62を、化粧板50の表面1において溝3以外の部分に形成された溝外塗膜30bよりも濃色の溝内塗膜30aが形成された溝3の底部に打ち込むこととした。このように、濃色の塗膜によって暗く見える溝3の底部にピンネイル62を打ち込むことにより、ピンネイル62によって形成される孔がより目立ちにくくなる。従って、本実施形態1の化粧板の施工方法及び施工構造60によれば、より外観の意匠性を損なうことなく化粧板50を所望の位置に施工することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、化粧板の施工構造60は、仮固定用の固定具として、釘頭がないピンネイル62を用いていたが、ピンネイル62の代わりに釘頭のあるフィニッシュネイルを用いてもよい。フィニッシュネイルも直径が1.25mmまでの小径の釘状部材であり、釘頭も2.0mm程度であるため、ピンネイル62と同様に、化粧板50の外観の意匠性を損なうことなく化粧板50の仮固定及び固定を行うことができる。また、釘頭のあるフィニッシュネイルを用いることにより、フィニッシュネイルがしっかりと化粧板50に固定されるため、化粧板50の仮固定及び固定をより確実に行うことができる。
また、上記実施形態1では、凹凸模様に含まれる溝3の全てが深溝部分3aに構成された化粧板50の施工方法及び施工構造60について説明したが、本発明に係る施工方法及び施工構造60は、凹凸模様の溝3が深溝部分3aを有さない化粧板50についても適用することができる。また、凹凸模様に含まれる溝3の全てではなく、溝3の一部分が深溝部分3aで構成された化粧板50についても適用することができる。この場合、ピンネイル62又はフィニッシュネイルをなるべく深溝部分3aに打ち込むのが好ましい。例えば、溝3の一部分が深溝部分3aで構成される場合、化粧板50の縦横方向に略300mm間隔に設けられたピンネイル62又はフィニッシュネイルの打ち込み予定箇所が深溝部分3aでない場合、ずらして深溝部分3aに打ち込むのが好ましい。
また、上記実施形態1では、化粧板50は、少なくとも表層11が鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成された無機質板によって構成されていたが、施工対象となる化粧板50はこれに限られない。表面に複数の溝3で囲繞された凹凸模様が形成された化粧板50であればいかなるものであってもよい。
また、上記実施形態1では、化粧板50は、表面に形成された塗膜30の溝3の内面に形成された溝内塗膜30aが、溝3以外の部分に形成された溝外塗膜30bよりも濃色になるように形成されていたが、塗膜30は、着色されていなくてもよい。また、溝内塗膜30aが溝外塗膜30bよりも淡色になるように形成されていてもよい。
また、上記実施形態1では、室内空間の内壁面Wを設置面とし、化粧板50を内壁面Wに施工する例について説明したが、設置箇所は室内空間の内壁面Wに限られない。例えば、収納家具等の壁面に施工して該壁面を装飾することも可能である。
以上説明したように、本発明は、住宅等の建物の内装材として用いられる化粧板の施工方法及び施工構造について有用である。
2 裏面
3 溝
3a 深溝部分
11 表層
30 塗膜
30a 溝内塗膜
30b 溝外塗膜
50 化粧板
60 施工構造
61 接着剤
62 ピンネイル

Claims (4)

  1. 表面に複数の溝で囲繞された凹凸模様が形成された化粧板を室内空間の内壁面の一部である設置面に固定する化粧板の施工方法であって、
    上記化粧板の裏面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    上記接着剤塗布工程後、上記化粧板の裏面を上記設置面に当接させて所望の設置位置に配置する配置工程と、
    上記配置工程後、該化粧板の表面側から少なくとも1つの上記溝内へ上記化粧板と上記設置面とに跨がるように複数のピンネイルを斜め下向きに打ち込むことによって上記化粧板が上記設置位置からずれないように仮固定する仮固定工程と、
    上記仮固定工程後、上記接着剤を硬化させる養生工程とを備え、
    上記接着剤と上記ピンネイルとで上記化粧板を上記設置面の上記設置位置に固定するものであり、
    上記仮固定工程では、上記化粧板の裏面に対する傾斜角が45度以上90度以下の側壁部を有する上記溝の深溝部分であって、上記側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度が90度以下の鋭角な深溝部分に上記ピンネイルを打ち込む
    ことを特徴とする化粧板の施工方法。
  2. 請求項において、
    上記仮固定工程では、上記化粧板の裏面に平行な上記溝の底部に上記ピンネイルを打ち込む
    ことを特徴とする化粧板の施工方法。
  3. 請求項1又は2において、
    上記化粧板は、少なくとも表層が鉱物質繊維と無機質紛状体と結合剤とを主成分として含む無機質層に構成され、エンボス型によって表面に上記凹凸模様が形成された加熱圧縮形成物によって構成されている
    ことを特徴とする化粧板の施工方法。
  4. 化粧板を室内空間の内壁面の一部である設置面の所望の設置位置に固定する化粧板の施工構造であって、
    表面に複数の溝で囲繞された凹凸模様が形成された上記化粧板と、
    上記化粧板の裏面と上記設置面との間に設けられて上記化粧板の裏面と上記設置面とを接着する接着剤と、
    上記化粧板の表面側から少なくとも1つの上記溝内へ上記化粧板と上記設置面とに跨がるように斜め下向きに打ち込まれた複数のピンネイルとを備え
    上記複数のピンネイルは、上記化粧板の裏面に対する傾斜角が45度以上90度以下の側壁部を有する上記溝の深溝部分であって、上記側壁部と該側壁部に対向する対向壁部とのなす角度が90度以下の鋭角な深溝部分に打ち込まれている
    ことを特徴とする化粧板の施工構造。
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