JP6738066B2 - 抽出フィルタおよびそれを備えたイムノクロマトグラフィー分析用キット - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物質と特異的に結合した微粒子を含む液体から、その微粒子を抽出する抽出フィルタと、その抽出フィルタを用いたイムノクロマトグラフィー分析用キットに関する。
分析対象試料中の測定対象物を高い選択性で検出・測定する方法の1つにイムノクロマトグラフィー法がある。イムノクロマトグラフィー法とは、セルロース膜上を試料が試薬を溶解しながらゆっくりと流れる性質(毛細管現象)を応用した測定方法であり、妊娠検査薬やインフルエンザ検査薬等に広く使われている。
このイムノクロマトグラフィー法を用いた分析用キットのうち、金コロイドを用いたイムノクロマトグラフィー分析用キットの構成を図9に示す。図9に示すように、イムノクロマトグラフィー分析用キット101には、基板102上の左側(上流側)に試料導入部110が設けられ、基板102上の右側(下流側)には分析対象試料等を吸収するための吸収パッド130が設けられている。そして、試料導入部110は、血液等の分析対象試料を含む展開液等を導入するための血球分離膜111と抗原と抗原抗体反応をする抗体が固定化された金コロイド等が保持されているコンジュゲートパッド112とで構成されている。
試料導入部110と吸収パッド130との間には、上流側から下流側に向かってテストライン部150とコントロールライン部160とがそれぞれ設けられている。テストライン部150には、血液に含まれる抗原と抗原抗体反応を起こす抗体が固定されている。また、コントロールライン部160には、金コロイドに固定化されている抗体と抗原抗体反応を起こす抗体が固定されている。
次に、このイムノクロマトグラフィー分析用キット101の動作について説明する。まず、試料導入部110上に測定対象物質(抗原)が含まれる血液を滴下する。すると、血球分離膜111で血球が取り除かれた展開液がコンジュゲートパッド112に流れ込む。展開液はコンジュゲートパッド112に保持されている抗体固定化金コロイドを押し流しながら毛細管現象によって、上流側の試料導入部110から下流側の吸収パッド130の方向に向かって多孔質膜120表面および内部を流れる。その際に測定対象物質と抗体固定化金コロイドとが結合して複合体となる。
そして、血液と金コロイドが混ざった混合液体がテストライン部150を通過する際に、その複合体とテストライン部150に固定されている抗体とが抗原抗体反応を起こし、複合体がテストライン部150に固定されることになる。そして、テストライン部150に固定された金コロイドが集積することにより、テストライン部150が赤く着色することになる。
その後、混合液がコントロールライン部160を通過する際に、測定対象物質(抗原)と結合しなかった金コロイドに固定化されている抗体とコントロールライン部160に固定化されている抗体とが抗原抗体反応を起こし、測定対象物質(抗原)と結合しなかった金コロイドがコントロールライン部160に固定されることになる。そして、コントロールライン部160に固定された金コロイドが集積することにより、コントロールライン部160が赤く着色することになる。なお、コントロールライン部160を通過した混合液は、最終的には吸収パッド130に吸収される。
そして、テストライン部150に着色した赤色の吸光度を、イムノクロマトリーダ等を用いて測定することにより、測定対象物の濃度を測定することができる。
このようなイムノクロマトグラフィー分析用キットに関し、測定対象物質の検出に優れ、かつ体液や生化学緩衝液の使用が可能であるものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2015−194495号公報
しかしながら、このようなイムノクロマトグラフィー分析用キットを用いて測定対象物質の濃度測定等のような定量的な分析を行う場合には、同一の多孔質膜の表面および内部に、異なる種類の液体(例えば分析対象試料や定量化するための分析用液体等)を流す必要がある。
そこで、ある分析用液体等を流した後に、多孔質膜表面および内部から余分なその分析用液体等を洗い流す洗浄工程が必要となるため、測定に時間がかかるという問題点があった。
また、上述したようなイムノクロマトグラフィー分析用キットでは、異なる種類の分析用液体等が同一の多孔質膜表面および内部を流れるため、洗浄工程を行っても完全には分析用液体等を洗浄することができない。その結果、残った分析用液体等がノイズとなり、測定結果の信号対雑音比(SN比)が悪くなるという問題点があった。
本発明は、上述した事情に鑑み、測定対象物質(抗原)に関連する物質と特異的に結合した微粒子を抽出することができる抽出フィルタと、そのフィルタを用いたイムノクロマトグラフィー分析用キットを提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上述した問題点に関して鋭意研究を続けた結果、以下のような画期的な構造を有する抽出フィルタと、それを用いたイムノクロマトグラフィー分析用キットを見出した。
本発明の第1の態様は、磁性を有すると共に測定対象物質に関連する物質と特異的に結合する結合微粒子を含む液体が流れる第1の多孔質膜と、第1の多孔質膜に接する第2の多孔質膜と、第1の多孔質膜に磁場を印加することによって、結合微粒子を第1の多孔質膜から第2の多孔質膜に移動させる抽出手段とを具備する抽出用フィルタであって、第2の多孔質膜の孔の平均径が第1の多孔質膜の孔の平均径以上であることを特徴とする抽出フィルタにある。
ここで「接する」(第6の態様でも同じ)とは、直接的に接することだけでなく、他の多孔質膜等を介して接続されるような間接的に接することを含むことを意味する。
かかる第1の態様では、磁場を印加することで、測定対象物質に関連する物質と結合した結合微粒子のみを容易に抽出することができる。その結果、測定対象物質に関連する物質を容易に抽出することができる。
ここで、測定対象物質に関連する物質とは、測定対象物自体であってもよいし、測定対象物と他の物質とが結合して生成した物質(生成物)でもよいし、生成物と反応して生成される反応物質であってもよい。
本発明の第2の態様は、第1の多孔質膜の孔の平均径と第2の多孔質膜の孔の平均径との比率が1:1〜1:100との範囲にあることを特徴とする第1の態様に記載の抽出フィルタにある。
かかる第2の態様では、測定対象物質に関連する物質と結合した結合微粒子を第1の多孔質膜から第2の多孔質膜により容易に抽出することができる。
本発明の第3の態様は、結合微粒子の磁性は常磁性であり、抽出手段は、第1の多孔質膜に対し、第2の多孔質膜を挟むように配置されることを特徴とする第1または第2の態様に記載の抽出フィルタにある。
かかる第3の態様では、抽出フィルタを容易に作製することができる。
本発明の第4の態様は、結合微粒子の磁性は反磁性であり、抽出手段は、第2の多孔質膜に対し、第1の多孔質膜を挟むように配置されることを特徴とする第1または第2の態様に記載の抽出フィルタにある。
かかる第4の態様では、抽出フィルタを容易に作製することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様に記載の抽出フィルタを備えたイムノクロマトグラフィー分析用キットにある。
かかる第5の態様では、上述した抽出フィルタの効果に加え、従来のものとは異なり、多孔質膜を洗浄することなく測定することができるので、短時間で、かつ正確に測定対象物を測定することができる。
本発明の第6の態様は、第2の多孔質膜に接し、測定対象物質の計測に必要となる物質を含む液体が流れる第3の多孔質膜を有し、抽出手段は、第2の多孔質膜に移動した結合微粒子を第3の多孔質膜にさらに移動させることを特徴とする第5の態様に記載のイムノクロマトグラフィー分析用キットにある。
ここで、「測定対象物質の計測に必要となる物質」とは、たとえばニトロブルーテトラゾリウム(NBT)とブロモクロロインドリルりん酸(BCIP)の混合液(BCIP/NBT)やp−アミノフェニルフォスフェイト、3,3’-ジアミノベンジジン(DAB)等が挙げられる。
かかる第6の態様では、イムノクロマトグラフィー分析用キットをより容易に作製することができる。
図1は実施形態1に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図である。 図2は図1に示すAA’における概略断面図である。 図3は実施形態2に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図である。 図4は図3に示すBB’における概略断面図である。 図5は実施形態3に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図である。 図6は図5に示すCC’における概略断面図である。 図7は実施形態4に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図である。 図8は実施形態4における電極部の概略側面図である。 図9は従来のイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る抽出フィルタおよびそれを用いたイムノクロマトグラフィー分析用キットの実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1に本実施形態に係る抽出フィルタを用いたイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図を示し、図2に図1に示すAA’における概略断面図を示す。図1に示すように、本実施形態に係るイムノクロマトグラフィー分析用キット1は、長方形の基板2、3をそれぞれの中央部で直角に交差するように重ね合わせ、その重なった部分の下方に抽出手段である磁石90を配置したように構成されている。なお、磁石90は、図示しない治具等で固定されている。
まず、基板2について説明する。基板2上には、右側(上流側)から左側(下流側)に向かって長方形状の第1の多孔質膜20が設けられている。第1の多孔質膜20の中央部の下側の基板2には矩形状の穴が形成され、その中に第2の多孔質膜40が嵌め込まれている。なお、基板2は特に限定されない。
第1の多孔質膜20の左側端部(上流側端部)は、試料導入部10に接続されている。試料導入部10は、第1の多孔質膜20に接続されたコンジュゲートパッド12と、コンジュゲートパッド12に接続された血球分離膜11とで構成されており、血球分離膜11に滴下された血液から血球を取り除くと共に、測定対象物が含まれる血液等およびコンジュゲートパッド12に含有されている結合微粒子および酵素で標識された抗体(酵素標識抗体)を均一な流速・量で第1の多孔質膜20に移動させることができるようになっている。
ここで、結合微粒子とは、常磁性を有し、かつ測定対象物質と特異的に結合するものであれば特に限定されず、たとえば抗体固定化磁気ビーズやアプタマー固定化磁気ビーズ等が挙げられる。
一方、第1の多孔質膜20の下流側は吸収パッド30に接続されており、第1の多孔質膜20の表面および内部を流れてきた血液等を吸収することができるようになっている。
ここで、第1の多孔質膜20と第2の多孔質膜40は、第2の多孔質膜40の孔の平均径が第1の多孔質膜40の孔の平均径以上のものであれば特に限定されないが、第1の多孔質膜0の孔の平均径と第2の多孔質膜40の孔の平均径との比率が1:1〜1:100の範囲がより効率的に後述する複合体を抽出できる(移動させることができる)ので好ましく、1:2〜1:10の範囲がさらに効率的に測定対象物を抽出できるのでより好ましい。なお、多孔質膜の孔の平均径とは、バブルポイント法により計測した値である。このような多孔質膜としては、たとえばニトロセルロース、紙、スポンジ、布、ゼラチン等のゲル状物質、その他の網目状構造の物質で構成された膜が挙げられる。
血球分離膜11、コンジュゲートパッド12および吸収パッド30は、上述した機能を有するものであれば特に限定されない。
なお、この第1の多孔質膜20とその下方に配置された磁石90とで、本実施形態に係る抽出フィルタが構成されることになる。
次に、基板3について説明する。基板3上には、右上側(上流側)から左下側(下流側)に向かって長方形状の第3の多孔質膜70が設けられている。なお、基板3は特に限定されない。
第3の多孔質膜70の右上側端部(上流側端部)は、基質導入部60に接続されている。基質導入部60は、コンジュゲートパッドで構成されており、滴下された基質が含まれた液体を均一な流速・量で第3の多孔質膜70に移動させることができるようになっている。なお、基質導入部60はコンジュゲートパッド12と異なり、結合微粒子である抗体固定化磁気ビーズおよび酵素で標識された抗体(酵素標識抗体)は含有されていない。
一方、第3の多孔質膜70の下流側は吸収パッド80に接続されており、第3の多孔質膜70の表面および内部を流れてきた液体を吸収することができるようになっている。
ここで、第3の多孔質膜70は特に限定されないが、第3の多孔質膜70の孔の平均径が第2の多孔質膜40の孔の平均径よりも小さいものが好ましい。このように構成することにより、毛細管現象により、抗体固定化磁気ビーズをそれを取り巻く液体と共に第2の多孔質膜40から第3の多孔質膜70により容易に移動させることができる。第3の多孔質膜70としては、第1の多孔質膜20および第2の多孔質膜40と同様に、たとえばニトロセルロース、紙、スポンジ、布、ゼラチン等のゲル状物質、その他の網目状構造の物質で構成された膜が挙げられる。
基質導入部60および吸収パッド80は、上述した機能を有するものであれば特に限定されない。
さらに、磁石90は、常磁性を有し、抗体固定化磁気ビーズを第1の多孔質膜20から第2の多孔質膜40に、第2の多孔質膜40から第3の多孔質膜70に移動させることができるものであれば特に限定されず、永久磁石であってもよいし、電磁石等であってもよい。
次に、本実施形態に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの動作について説明する。まず試料導入部10に測定対象物が含まれる血液を滴下する。すると、血球分離膜11により血球が取り除かれた血液は、コンジュゲートパッド12を通って、コンジュゲートパッド12に含有されている酵素標識抗体および抗体固定化磁気ビーズと共に均一な流速・量で第1の多孔質膜20に流れ込む。
第1の多孔質膜20に流れ込んだ血液は、毛細管現象によって、上流側の試料導入部10から下流側の吸収パッド30の方向に向かって多孔質膜20表面および内部を流れる。その際に血液に含まれる測定対象物質と、酵素標識抗体と、抗体固定化磁気ビーズとが結合して複合体となる。
そして、血液が第2の多孔質膜40上の第1の多孔質膜20を通過する際に、磁石90の磁力により、抗体固定化磁気ビーズはそれを取り巻く液体と共に下方に引き寄せられる。その結果、抗体固定化磁気ビーズによって構成されている複合体が第2の多孔質膜40を通って、第3の多孔質膜70へと移動することになる。
一方、抗体固定化磁気ビーズとそれを取り巻く液体以外のものは、第1の多孔質膜20の孔の平均径が第2の多孔質膜40の孔の平均径よりも小さいことから、流れる液体の表面張力等(毛細管現象)の影響で、第2の多孔質膜40に流れ込まず、そのまま第1の多孔質膜20の表面および内部を流れる。そして、第1の多孔質膜20を流れるこの液体は、最終的に吸収パッド30に吸収されることになる。
次に、基質導入部60に基質が含まれている液体を滴下する。すると、滴下された液体は、基質導入部60を通って、均一な流速・量で第3の多孔質膜70に流れ込む。
第3の多孔質膜70に流れ込んだ液体は、第2の多孔質膜40と接している部分にある複合体と反応することになる。多孔質膜70に流れ込んだ基質(例えば上述したBCIP/NBT)は、複合体に含まれている酵素(この場合はアルカリフォスファターゼ)と反応し、着色(この反応系では紫色)する。そして、この色の濃さを、イムノクロマトリーダ等を用いて吸光度測定することにより測定対象物の濃度を測定することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係るイムノクロマトグラフィー分析用キット1を用いることにより、従来のものとは異なり、第1の多孔質膜20を洗浄することなく測定することができるので、短時間で、かつ正確に測定対象物の濃度等を測定することができる。
(実施形態2)
実施形態1に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットでは、常磁性を有する抗体固定化磁気ビーズを用い、磁石を第1の多孔質膜に対し、第2の多孔質膜を挟むように第3の多孔質膜を配置したが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、図3および図4に示すように、反磁性を有する抗体固定化磁気ビーズ等を用い、磁石90を第2の多孔質膜40に対し、第1の多孔質膜20を挟むように第3の多孔質膜を配置してイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成してもよい。すなわち、磁石90を第1の多孔質膜20の上方に配置してもよい。
ここで、図3は本実施形態に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図であり、図4は図3に示すBB’における概略断面図である。
なお、本実施形態では、第1の多孔質膜20とその上方に配置された磁石90とで、本実施形態に係る抽出フィルタが構成されることになる。
このようにイムノクロマトグラフィー分析用キット1Aを構成しても、実施形態1に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットと同様の効果が得られる。
(実施形態3)
上述した実施形態では、第1の多孔質膜20、第2の多孔質膜40および第3の多孔質膜70の3つの多孔質膜を用いて、イムノクロマトグラフィー分析用キットを構成したが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、第1の多孔質膜20と第3の多孔質膜70Bの2つの多孔質膜でイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成してもよい。
具体的には、図5および図6に示すように、基板2Bの下面と基板3の上面とが嵌合し、基板2B上の第1の多孔質膜20と基板3上の第3の多孔質膜70が直接接するようにイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成してもよい。この時、多孔質膜70の孔の平均径は多孔質膜20の孔の平均径以上となるように構成されている。
ここで、図5は本実施形態に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図であり、図6は図5に示すCC’における概略断面図である。
このようにイムノクロマトグラフィー分析用キット1Bを構成しても、実施形態1に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットと同様の効果が得られる。
(実施形態4)
上述した実施形態では、多孔質膜70に流れ込んだ基質と、複合体に含まれている酵素とが反応して着色した色の濃さを、イムノクロマトリーダ等を用いて吸光度測定することにより測定対象物の濃度を測定するようにイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成したが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、図7に示すように、第3の多孔質膜70Cの下流側に電極部77を設けて電気化学的に測定対象物の濃度を測定するようにしてもよい。図7は、本実施形態に係るイムノクロマトグラフィー分析用キットの概略斜視図である。
さらに、図7に示すD方向から見た際の電極部77の概略側面図を図8に示す。図8に示すように、電極部77は、参照電極77A、作用電極77B、対向電極77Cの3つの電極で構成されている。そして、これらの電極は、ポテンシオスタット等の電流測定手段(図示しない)と、作用電極77Bと対向電極77Cの間を流れた電流に基づいて測定対象物の濃度を算出するコンピュータ等の濃度算出手段(図示しない)とに接続されており、作用電極77Bから対向電極77Cに流れる電流を正確に測定できるようになっている。
各電極77A、77B、77Cには、鉛直上方に向かって延伸する突起部79Bが複数形成されている。そして、各突起部79Bの先端部79Aはテーパ状になっており、各電極77A、77B、77Cと多孔質膜70Cとを接続する際に、各突起部79Bが多孔質膜70を容易に貫通することができるようになっている。ここで、突起部79Bの数は、多孔質膜70内を流れる血液等の液体の流れを阻害しないのであれば特に限定されない。
このような突起部79Bを有する電極77A、77B、77Cを用いることにより、作用電極77Bと、後述する電気化学的に活性な物質Eとの接触面積を大きくすることができると共に、多孔質膜70C内における電気化学的に活性な物質Eの位置にかかわらず電気化学的に活性な物質Eと作用電極77Bとを接触させることができるので、高い測定感度が得られる。
また、各電極77A、77B、77Cと多孔質膜70Cとを接続させた際に、突起部79Bは多孔質膜70Cを貫通した状態で多孔質膜70Cに固定されることになるので、各電極77A、77B、77Cと多孔質膜70Cとがズレるのを防止することができる。
ここで、各電極77A、77B、77Cは、電流を流すことができる材質のものであれば特に限定されないが、金(Au)、白金(Pt)またはカーボン(C)製のものが好ましい。なお、各電極77A、77B、77Cは、たとえば従来のフォトリソグラフィ技術等を利用した微細加工技術によって基板3上に形成することができる。
このように構成されたイムノクロマトグラフィー分析用キット1Cにおいて、たとえば基質にp−アミノフェニルフォスフェイト(pAPP)、酵素にアルカリフォスファターゼを用いると、第2の多孔質膜40から第3の多孔質膜70Cに流れ込んだアルカリフォスファターゼは、pAPPと反応して電気化学的に活性な物質Eであるp−アミノフェノール(pAP)を生成する。このpAPは、吸収パッド80に向かって多孔質膜70Cの表面または内部を流れ、電極部77に流れ込むことになる。
そして、pAPが作用電極77B近傍を流れる際に作用電極77Bと対向電極77Cとの間に電圧を印加すると、pAPと作用電極77Bとの間で酸化還元反応が起こる。その結果、作用電極77Bと対向電極77Cとの間に電流が流れることになる。
すると、図示しない電流測定手段により、作用電極77Bと対向電極77Cとの間流れる電流が測定される。ここで、この電流はpAPの量に比例するので、最終的にこの電流と測定対象物の量は相関することになる。その結果、電流と測定対象物との関係式が格納された濃度算出手段により、この電流に基づいて測定対象物の濃度を算出することができる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、第1の多孔質膜と第3の多孔質膜とを直角に交差するように配置してイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成したが本発明はこれに限定されない。たとえば、第1の多孔質膜と第3の多孔質膜とが直角以外の角度で交差するようにイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成してもよい。このように構成しても、上述した実施形態のイムノクロマトグラフィー分析用キットと同様の効果が得られる。
また、上述した実施形態では、第1の多孔質膜、第2の多孔質膜および第3の多孔質膜がそれぞれ他の多孔質膜と接するようにイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成したが本発明はこれに限定されない。たとえば、それらの多孔質膜の間に、新たな別の多孔質膜等を挿入し、それらを介して間接的に接触するようにイムノクロマトグラフィー分析用キットを構成してもよい。ここで、新たに挿入されるものは、多孔質膜に限定されず、結合微粒子を通過させることができるものであればよい。このように構成しても、上述した実施形態のイムノクロマトグラフィー分析用キットと同様の効果が得られる。
さらに、上述した実施形態では、結合微粒子として常磁性または反磁性を有するものを用いたが、本発明はこれに限定されない。結合微粒子として、たとえば強磁性や反強磁性を有するものを用いてもよい。なお、その場合には、結合微粒子の磁性に合わせて、磁石の磁界の向きと、磁石の配置を調整しなければならないことは言うまでもない。
1、1A、1B、1C イムノクロマトグラフィー分析用キット
2、3 基板
10 試料導入部
11 血球分離膜
12 コンジュゲートパッド
20 第1の多孔質膜
30、80 吸収パッド
40 第2の多孔質膜
60 基質導入部
70、70B 第3の多孔質膜
90 磁石

Claims (5)

  1. 磁性を有すると共に測定対象物質に関連する物質と特異的に結合する結合微粒子を含む第1の液体が流れる第1の多孔質膜と、
    前記第1の多孔質膜の下方に配置され、前記第1の多孔質膜と接触する接触部を有すると共に、前記第1の液体とは異なる第2の液体が流れる第2の多孔質膜と、
    前記接触部に磁場を印加することによって、前記接触部において前記結合微粒子を前記第1の液体から前記第2の液体に移動させる抽出手段とを具備するイムノクロマトグラフィー分析用キットであって、
    前記第2の多孔質膜の孔の平均径が前記第1の多孔質膜の孔の平均径以上であることを特徴とするイムノクロマトグラフィー分析用キット
  2. 前記第1の多孔質膜の孔の平均径と前記第2の多孔質膜の孔の平均径との比率が1:1〜1:100との範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー分析用キット
  3. 前記第1の多孔質膜の孔の平均径と前記第2の多孔質膜の孔の平均径との比率が1:2〜1:10との範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー分析用キット
  4. 前記結合微粒子の磁性は磁性であり、
    前記抽出手段は、前記第1の多孔質膜に対し、前記第2の多孔質膜を挟むように配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のイムノクロマトグラフィー分析用キット
  5. 前記結合微粒子の磁性は反磁性であり、
    前記抽出手段は、前記第2の多孔質膜に対し、前記第1の多孔質膜を挟むように配置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のイムノクロマトグラフィー分析用キット
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