JP6737492B2 - バルブ及びこれを用いたマニホールドバルブ - Google Patents

バルブ及びこれを用いたマニホールドバルブ Download PDF

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本発明はバルブ及びこれを用いたマニホールドバルブに関し、特に、複数種類の流体が混合される部位に用いられるバルブと、同バルブを組み合わせてなるマニホールドバルブに関する。
例えば、半導体の製造等におけるシリコンウエハの洗浄やエッチング処理用の薬液等の流体には極めて高い清浄度が求められる。また、枚葉式の洗浄が主流である。これは、シリコンウエハを1枚ずつ洗浄することにより、他の洗浄物からの汚染等を受けることなく高い洗浄効果を得ることができるためである。この方式の場合、洗浄等の対象となるシリコンウエハに対して、各作業段階に対応した純水や薬液は逐次調製され供給される。そうすると、逐次の純水や薬液の調製に際し、成分のばらつきは極限まで抑えられなければならない。
そこで、個別の流体を混合するためのバルブとして、マニホールドバルブが使用されている(特許文献1等参照)。同特許文献1の図6等に開示のマニホールドバルブ(バルブ500の組み合わせ)について、その構造を説明する(図10参照)。バルブ500は、フッ素樹脂等から形成されたベースブロック501と、弁体部503及び付勢ばね504を収容するハウジングブロック502との組み合わせよりなる。ベースブロック501には、同内部を貫通する主流路505が形成される。その直上に弁室506が形成される。同弁室506に流入する副流体のための副流体流入口507が備えられる。弁室506と主流路505は連通路508により接続される。弁体部503の弁部510は連通路508の弁座509に着座(当接)する。連通路508は、弁体部503の前進及び後退の動作により開放または閉鎖される(図示中央のバルブ500参照)。
副流体流入口507から弁室506内に流入した副流体は、弁室506から連通路508を経由して、主流路505に流入する。そして、主流体と副流体は主流路505において混合される(図示左のバルブ500参照)。次に、弁体部503の弁部510が連通路508の弁座509に当接(着座)すると、副流体は連通路508を通過することができなくなり、副流体の供給は停止される。図示の例では、主流路505に対して連通路508は直交しているため、連通路508内に副流体が溜まりやすい(図示右のバルブ500参照)。そうすると、薬液の調製に際し、成分濃度等に誤差が生じるおそれがある。それゆえ、主流路505を流通する主流体が連通路508内の副流体(いわゆる澱み)を完全に流し去るため、主流体は多く必要となり、流体の使用量を抑制することは容易ではなかった。
このような、流路内を流通する流体の滞留(澱み)の軽減のため、副流体の流通停止時に滞留した副流体を流し去るための別の流路や絞り部を備えたバルブが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に開示のバルブによると、構造が複雑であり、製造、加工が容易ではない。一連の経緯から、主流体に合流する副流体の滞留状態を極力回避して、素早く流体の品質安定化を可能とするとともに、装置構造を簡素化したバルブが求められていた。
特開平10−292871号公報 特開2009−281475号公報
発明者は、バルブの構造に関して鋭意検討を重ねた結果、既存のバルブの設計技術を生かしつつ、主流体に合流する副流体の滞留状態を容易に回避可能なバルブを開発するに至った。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、バルブ構造を複雑化することなく、単純な原理により、流路内に滞留する流体を容易に流し去ることができるバルブと、当該バルブを組み合わせてなるマニホールドバルブを提供する。
すなわち、請求項1の発明は、第1流体が流入する第1流体流入部が備えられた流入室と、第2流体が上流部開口から下流部開口へ流通する第2流体流路部と、前記流入室と前記第2流体流路部とを接続し前記第1流体を前記流入室から前記第2流体流路部側へ流通させる接続流路部と、前記接続流路部の前記流入室側の開口部に形成された弁座部と、前記流入室内に配置され、前記弁座部に対し当接して前記第1流体の前記第2流体流路部への流入及び流入停止を行う、ダイヤフラム部が備えられた弁体部と、前記弁体部の前記弁座部側への当接面部に設けられ、前記接続流路部内に延長されるとともに前記接続流路部の全長より長く形成された小柱状部とを備え、前記弁体部が前記弁座部に当接した状態において前記小柱状部の一部が前記接続流路部から前記第2流体流路部に露出することを特徴とするバルブに係る。
請求項2の発明は、前記第1流体流入部、前記第2流体流路部、前記流入室、前記接続流路部、及び前記弁座部が、一のベースブロックの内部に形成されている請求項1に記載のバルブに係る。
請求項3の発明は、前記小柱状部が円柱形状である請求項1または2に記載のバルブに係る。
請求項4の発明は、前記弁体部の進退駆動が加圧気体の流出入により行われる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバルブに係る。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバルブの第2流体流路部を相互に複数個組み合わせてなることを特徴とするマニホールドバルブに係る。
請求項1の発明に係るバルブによると、第1流体が流入する第1流体流入部が備えられた流入室と、第2流体が上流部開口から下流部開口へ流通する第2流体流路部と、前記流入室と前記第2流体流路部とを接続し前記第1流体を前記流入室から前記第2流体流路部側へ流通させる接続流路部と、前記接続流路部の前記流入室側の開口部に形成された弁座部と、前記流入室内に配置され、前記弁座部に対し当接して前記第1流体の前記第2流体流路部への流入及び流入停止を行う弁体部と、前記弁体部の前記弁座部側への当接面部に設けられ前記接続流路部内に延長された小柱状部とを備え、前記弁体部が前記弁座部に当接した状態において前記小柱状部の一部が前記接続流路部から前記第2流体流路部に露出するため、バルブ構造が複雑化することなく、第2流体流路部を流通する第2流体は容易に小柱状部に衝突して、第2流体の流れは乱されるという単純な原理により、流路内に滞留する流体を容易に流し去ることができる。
請求項2の発明に係るバルブによると、請求項1の発明において、前記第1流体流入部、前記第2流体流路部、前記流入室、前記接続流路部、及び前記弁座部が、一のベースブロックの内部に形成されているため、流体と接触する部材数は少なく、流体の清浄度は高められる。
請求項3の発明に係るバルブによると、請求項1または2の発明において、前記小柱状部が円柱形状であるため、小柱状部の切削加工は簡便かつ容易となる。
請求項4の発明に係るバルブによると、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記弁体部の進退駆動が加圧気体の流出入により行われるため、機構を複雑にすることなく弁体部の進退は素早い応答が実現される。また、第1流体や第2流体に腐食性の流体を使用する場合に好適である。
請求項5の発明に係るマニホールドバルブによると、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバルブの第2流体流路部を相互に複数個組み合わせてなるため、一つのマニホールドバルブを構成するバルブ数の変更により、混合可能な流体の種類は自由に増減される。また、各バルブの集約化により接液面積は少なくなり、流体の清浄度の維持に都合よい。加えて、設置場所も節約される。
本発明のバルブの第2流体流路部方向における流入状態の縦断面図である。 同バルブの第1流体流入部における流入状態の縦断面図である。 同バルブの第2流体流路部方向における流入停止状態の縦断面図である。 同バルブの第1流体流入部における流入停止状態の縦断面図である。 図3の弁座部付近の部分拡大断面図である。 小柱状部付近の流体の流れを示す模式図である。 他の実施形態の弁体部及び弁座部の部分拡大断面図である。 本発明のマニホールドバルブの縦断面図である。 本発明のマニホールドバルブを組み入れた基板処理装置の概略図である。 従来のバルブの縦断面図である。
本発明の実施形態のひとつとして図示するバルブ10は主に半導体製造工場や半導体製造装置等の流体管路に配設される。特に、バルブ10は複数種類の流体の混合及び混合停止が行われる部位に用いられる。図1ないし図4の全体断面図を用い、バルブ10の構造について説明する。図1及び図2は後出の第1流体の流通状態(流体混合状態)の断面図である。また、図3及び図4は第1流体の流通停止状態の断面図である。図示より、実施形態のバルブ10は、ベースブロック11とハウジングブロック12の組み合わせからなり、両ブロック内に固定ブロック13が挟み込まれている。
はじめに図1及び図2の断面図から把握されるように、第1流体が流入する流入室20がベースブロック11に形成される。第1流体流入部21は流入室20に接続され、第1流体は第1流体流入部21から流入室20へ流入する。図示のベースブロック11の流入室20の直下には、第2流体が流通する第2流体流路部15が形成される。図1の紙面左手側が第2流体流路部15の上流部開口16であり、同図の右手側が第2流体流路部15の下流部開口17である。第2流体は上流部開口16から第2流体流路部15内に流入して第2流体流路部15を流通し、第2流体は下流部開口17からベースブロック11(バルブ10)の外に流出する。
流入室20と第2流体流路部15は接続流路部22により接続される。そこで、第1流体流入部21から流入室20へ流入した第1流体は、接続流路部22を経由して、第2流体流路部15に流入する。そうして、第1流体が第2流体流路部15を流通している第2流体中に混ざりこみ、両流体は第2流体流路部15中にて混合され、両流体から混合流体が調製される。接続流路部22の流入室20側は流入開口部23(流入室側の開口部)であり、第2流体流路部15側は流出開口部24である。そして、接続流路部22の流入開口部23の流入室20側に弁座部25が形成される。
バルブ10の用途が半導体製造分野であると想定する場合、第2流体は超純水(冷水、温水)等であり「主流体」に相当する。また、第1流体は、フッ酸、過酸化水素水、アンモニア水、塩酸、界面活性剤、その他各種の薬剤であり「副流体」に相当する。むろん、第1流体及び第2流体はこれらの種類の流体に限られること無く、流体は必要に応じて選択される。
本実施形態のバルブ10においては、単一のベースブロック11内に接液する部位が形成されている。具体的に、第1流体流入部21、第2流体流路部15、流入室20、接続流路部22、及び弁座部25は、全て一のベースブロック11の内部に形成されている。流体と接触する部材数は少なくなるため、流体の清浄度は高められる。ベースブロック11は、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、パーフルオロアルコキシアルカン等)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂から形成される。PTFE製の場合、ベースブロック11は切削により所望の形状に加工される。PFA製の場合、ベースブロック11は切削加工に加えて溶融加工、成形も可能である。
弁座部25に対し進退して当接する弁体部30は流入室20内に配置される。図示実施形態の弁体部30は、弁部40と、同弁部40を進退駆動させる駆動部50(図2等参照)の組み合わせより構成される。弁体部30は弁座部25に当接(着座)すると、接続流路部22の流入開口部23は閉じられ、流入室20内の第1流体は接続流路部22に流れなくなり、第1流体の流入は停止される。逆に、弁体部30は弁座部25から離れる(離座)すると、接続流路部22の流入開口部23は開かれ、第1流体は接続流路部22に流入する。このように、弁体部30の進退動作に連動して弁部40は弁座部25と当接する。こうして、第1流体の流入及び流入停止が行われ、第1流体と第2流体の混合は制御される。
弁体部30において、弁部40にはダイヤフラム部35(可動膜部)とフランジ部34(縁部)が備えられる。フランジ部34はダイヤフラム部35の周囲に形成される。ダイヤフラム部35が第1流体及び第2流体の流体圧力を受けることにより、弁体部30(弁部40)の進退位置は適時変化可能となる。特に、ダイヤフラム部35は正確な流体の圧力及び流量の制御に有効に作用する。弁部40の固定に際し、ベースブロック11の所定位置にフランジ部34は載置され、同フランジ部34の上に固定ブロック13が装着される。結果、フランジ部34はベースブロック11と固定ブロック13の双方により挟まれて固定される。さらに、弁体部30において、弁部40の当接面部41に小柱状部45が備えられる。
本実施形態のバルブ10において、弁体部30には、前記の弁部40と、同弁部40に接続された軸体部31及びピストン頭部32が供えられる。軸体部31は固定ブロック13内に進退自在(上下自在)に挿通される。ピストン頭部32はハウジングブロック12内のピストン空間部33内に進退自在(上下自在)に収容される。各部材の摺動面には、パッキン19,37,38が気密性確保のため装着される。これらのパッキンはウレタンゴム、NBR、HNBR、シリコーンゴム、フッ素樹脂ゴム等の公知の耐久性素材から形成されるOリング等である。
図2を用い、弁体部30を進退駆動する駆動部50について説明する。図示の弁体部30において弁部40と軸体部31は螺合等により固定されている。ピストン頭部32の上部36とハウジングブロック12との間に付勢ばね55が配置されている。付勢ばね55の付勢力(ばね弾性)によりピストン頭部32は常時下方に押し下げられる。
加圧気体(作動気体)は第1エアポート51からピストン空間部33内に流入する。このときの加圧気体の供給(ピストン空間部33内の圧力上昇)により、付勢ばね55の力に抗してピストン頭部32は紙面上方側に押し上げられる。この様子は図1及び2の状態であり、弁体部30の弁部40は弁座部25から離れた状態となる。ピストン空間部33内のピストン頭部32より上方の気体(空気)は第2エアポート52からバルブ10の外部に放出される。ダイヤフラム部35の接液側と反対側の空間に溜まった空気は呼吸路18から出入りする。
次に、第1エアポート51からの加圧気体の流入が停止し、ピストン空間部33内の圧力が低下すると、図3及び図4の断面図から把握されるように、付勢ばね55の付勢力に伴ってピストン頭部32は押下し始め、弁部40は弁座部25に当接(着座)する。このとき、第2エアポート52からピストン空間部33内への空気流入または加圧気体の流入も生じる。なお、呼吸路18を通じて空気はダイヤフラム部35の接液側と反対側の空間へ流入する。
そうすると、弁体部30の弁部40は弁座部25に当接(着座)する。第1流体は第1流体流入部21から流入室20へ流入しても、流入室20内にそのまま留まる。そこで、第1流体は第2流体流路部15を流通している第2流体と混合されなくなり、第2流体のみがバルブ10内部(第2流体流路部15)を通過する。第1流体の混合を再開する場合、前述の図1及び図2と同様の処理が再開される。
図示実施形態において、バルブ10の駆動部50は、付勢ばね55とこれを受けるピストン頭部32、さらにピストン空間部33内に流入する加圧気体である。駆動部50がバルブ10に装備されることにより、弁体部30の進退(弁部40の着座及び離座)は遠隔にて操作可能となる。また、既述のとおり、弁体部30の進退駆動は加圧気体の流出入により行われる。加圧気体の流出入に際し、所定圧力以上の加圧気体はエアレギュレータから供給され、加圧気体の供給及び供給停止は電磁弁等の機器を通じて行われる。そのため、機構を複雑にすることなく、素早い応答を実現することができる。
ここで、弁部40が弁座部25に当接して第1流体の第2流体流路部15への流入が停止した時点においても、第1流体の一部は接続流路部22内に滞留していると考えられる。つまり、接続流路部22内における第1流体の澱みである。背景技術においても述べたように、滞留した流体に起因した薬液の僅かな濃度変化の原因と考えられる。特に半導体製造分野等の精密な成分制御が要求される分野においては、使用流体量の浪費や、製品品質への影響等も無視できない。
そのため、流入室20と第2流体流路部15とを接続する接続流路部22内に滞留している第1流体は、速やかにかつ極力少量の第2流体の流通により流し去られる必要がある。併せて、各部の構造も流体の清浄度の点から極力単純でなければならない。この要求を充足するべく、図示のバルブ10における弁体部30(弁部40)の構造が提案される。
図1ないし図4に図5の部分拡大断面図も加え弁体部30(弁部40)の主要部構造を説明する。弁体部30の弁部40において、弁座部25側との当接面部41に小柱状部45が備えられる。この小柱状部45は弁部40から突出して接続流路部22内に延長される。弁部40はベースブロック11と同様にPTFEまたはPFA等のフッ素樹脂から形成される。そこで、弁部40の形成に併せて円柱形状の小柱状部45も形成される。本実施形態の弁部40の材質はPTFEであり、弁部40自体と、小柱状部45、ダイヤフラム部35、及びフランジ部34は切削により加工形成される。小柱状部45が円柱形状であると、切削加工は簡便かつ容易となる。図中、符号42は接続凹部(雌ねじ部)、43は接続凸部(雄ねじ部)であり、弁部40と軸体部31は螺着により固定される。
さらに図5から把握されるように、小柱状部45の全長(L)は接続流路部22の全長(C)よりも長く形成される。つまり、弁部40が弁座部25に当接した状態においても、小柱状部45の一部が接続流路部22から露出する。こうすると、第2流体流路部15を流通する第2流体は容易に小柱状部45に衝突する。従って、小柱状部45は第2流体流路部15を流通する第2流体の流れを乱すための部材である。
加えて図6の模式図を用い、小柱状部45付近の第2流体の流れを説明する。第2流体流路部15に小柱状部45が存在しているため、第2流体流路部15を流通する第2流体は、図6(a)の各矢印の流れであると推定される。第2流体は流出開口部24から接続流路部22内に回り込む。ここで、接続流路部22内に残留した第1流体は第2流体とともに流し去られる。加えて、第2流体は小柱状部45を避けるようにして図示下方に下がる他、小柱状部45の背後側(下流側)にも回り込む。そして、第2流体は接続流路部22内にも侵入する。ここでも同様に接続流路部22内に残留した第1流体は第2流体とともに流し去られる。第2流体と小柱状部45との衝突を通じて第2流体の流速が変化し、第2流体の流体圧力も変化するため、第2流体の接続流路部22内への回り込みも可能になると考えられる。
また、図6(b)は小柱状部45の横断面の第2流体の流れの推定図である。図示左側(上流側)から流通して来た第2流体は小柱状部45に衝突すると、第2流体の一部はそのまま第2流体流路部15を流通する。同時に、第2流体の一部は小柱状部45の右側(下流側)に回り込み、第2流体の細かな渦が小柱状部45の下流側に発生する。当該第2流体の渦はカルマン渦等と称される現象である。このように、小柱状部45の周囲において、第2流体の流れは三次元的に複雑化する。そうすると、小柱状部45の下流側に生じた第2流体のカルマン渦と、接続流路部22内へ回り込み残留した第1流体を巻き込んだ第2流体の流れは、より混ざり易くなる。この結果、接続流路部22内に滞留した第1流体は速やかに流し去られる。
図7の各図は弁体部30の弁部40及び弁座部25に関する他の実施形態の例である。同(a)では、弁部40の当接面部41は平坦部44とされる。そして、小柱状部45は平坦部44の中心に突設(形成)される。同(b)では、弁部40の当接面部41は平坦部44とされ、この平坦部44に弁体環状突部46(弁体環状シール部)が形成される。同(c)では、弁部40の当接面部41は平坦部44とされる。そして、当接対象となる弁座部25側に弁座環状突部26(弁座環状シール部)が形成される。両(b)及び(c)においても、小柱状部45は平坦部44の中心に突設される。また、同(d)は、円錐台形状の小柱状部47を弁体の当接面部41に形成した例である。図7(a)の弁体の構造では密着面が増している。図7(b)及び(c)の弁体と弁座部の構造の場合、線接触により相互の部材間のシール性は高められる。また、図7(d)の小柱状部の構造では、単純な円柱形状の場合よりも流通する流体の流れがより複雑化すると考えられる。
図8は、図1ないし図6に開示のバルブ10を複数組み合わせたマニホールドバルブ80の断面図である。各バルブ10の第2流体流路部15を相互に複数組み合わせて形成される。図示では3個の組み合わせである。なお、各バルブ10の構造は既述と同様であるため同一符号を用い、各説明を省略する。また、各バルブ間相互の接続構造は適宜であるため省略している。図示のマニホールドバルブ80では、1種類の第2流体(主流体)に対し、バルブ10の配置数である3種類の第1流体(副流体)の供給(流通)が可能である。従って、一つのマニホールドバルブを構成するバルブ数の変更により、混合可能な流体の種類は自由に増減される。特に、単一のマニホールドバルブとして各バルブは集約されるため、接液面積は少なくなり、流体の清浄度の維持に都合よい。加えて、設置場所も節約される。図中最左のバルブ10では、弁体部30(弁部40)は弁座部25から離れていて、第1流体は接続流路部22を経由して第2流体流路部15内に流入する。図中、中央と最右のバルブ10では、弁体部30(弁部40)は弁座部25に当接(着座)している。つまり、当該バルブからの第1流体の流入は停止される。
次に、マニホールドバルブ80の具体的な使用例を説明する。図9の概略図はシリコンウエハWを1枚ずつ処理する枚葉方式の基板処理装置の例である。シリコンウエハWはスピンチャック1の回転盤に載置される。シリコンウエハWの直上に処理液(混合流体)を放出する処理液ノズル2が備えられる。シリコンウエハWの洗浄等の処理液は流体配管3を通じて処理液ノズル2に供給される。処理液は前出の第1流体(副流体)及び第2流体(主流体)である。第1流体は、種類毎に供給部9S1,9S2,9S3に貯蔵され、それぞれの供給部に対応した流体配管3s1,3s2,3s3を通じてマニホールドバルブ80に供給される。また、第2流体も、供給部9Mに貯蔵され流体配管3mを通じてマニホールドバルブ80に供給される。
各流体配管3m,3s1,3s2,3s3には、流量制御弁4と流体の流量検知部6が管路接続される。流量制御弁4は流量、流体圧力を一定化し、流体供給を安定化するバルブである。流量検知部6は公知の流量センサ、温度センサ、濃度センサであり、流通する流体はモニタリングされる。
供給された第1流体及び第2流体はマニホールドバルブ80において均一に混合され、流体配管3を通じて処理液ノズル2に供給される。各第1流体及び第2流体の供給、加えてマニホールドバルブ80における流体混合は、演算制御装置5により制御される。演算制御装置5には、演算部7と制御部8が備えられる。
演算部7はマイクロコンピュータやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の公知の演算装置である。外部からの指示、または流量検知部6により検出した被制御流体の流量計測値の変化に応じて流量制御弁4の流量制御のための信号を生成する。制御部8は、各流量制御弁4内の弁体の駆動部に必要な所定圧力に調整された加圧気体を供給する電空変換器である。流量制御弁4内の駆動部がステッピングモータ、サーボモータ等の場合には、その駆動に必要なパルス発信器、コントローラ、ドライバ等である。流量制御弁4及び流量検知部6は、演算制御装置5(演算部7及び制御部8)は信号線sgにより接続されている。信号線sgには、電気信号の配線と加圧気体の供給配管も含まれる。図示の例では、マニホールドバルブ80に対しては、加圧気体の供給配管が信号線sgとして演算制御装置5との間で接続されている。
図示の枚葉方式の基板処理装置の場合、マニホールドバルブ80の下流に直に混合流体の使用部が配置される。そこで、マニホールドバルブ80のバルブ10の弁体部30(弁部40)の構造の説明のとおり、流体同士の混合が生じやすい構造であることから、マニホールドバルブ80(そのバルブ10)は、流体の切り換え時の流体の無駄の低減や混合流体の品質の早期安定化に役立つといえる。結果、製造される製品品質の安定化、経費節減に大きく寄与する。
本発明のバルブ及びマニホールドバルブの使用分野は、既述の半導体製造分野に留まらない。例えば、化学工業や医薬品製造における流体混合機器、薬剤を混合する生体医療機器、燃料供給制御機器等の分野にも活用される。
本発明のバルブの弁体部(弁部)の構造改良に伴い、内部を流通する流体の混合効率が高まる。このことから、流体の切り換え時の流体の無駄の低減や混合流体の品質の早期安定化に資する。さらに、当該バルブを複数組み合わせたマニホールドバルブとすることにより、流体の種類が増加した複雑な混合においても同様に、流体の無駄の低減や混合流体の品質の早期安定化が可能となる。
10 バルブ
11 ベースブロック
12 ハウジングブロック
13 固定ブロック
15 第2流体流路部
16 上流部開口
17 下流部開口
20 流入室
21 第1流体流入部
22 接続流路部
23 流入開口部
24 流出開口部
25 弁座部
26 弁座環状突部(弁座環状シール部)
30 弁体部
31 軸体部
32 ピストン頭部
33 ピストン空間部
34 フランジ部
35 ダイヤフラム部
40 弁部
41 当接面部
44 平坦部
45,47 小柱状部
46 弁体環状突部(弁体環状シール部)
50 駆動部
51 第1エアポート
52 第2エアポート
55 付勢ばね
80 マニホールドバルブ
1 スピンチャック
2 処理液ノズル
3 流体配管
4 流量制御弁
5 制御装置
6 流量検知部
7 演算部
8 制御部
W シリコンウエハ

Claims (5)

  1. 第1流体が流入する第1流体流入部が備えられた流入室と、
    第2流体が上流部開口から下流部開口へ流通する第2流体流路部と、
    前記流入室と前記第2流体流路部とを接続し前記第1流体を前記流入室から前記第2流体流路部側へ流通させる接続流路部と、
    前記接続流路部の前記流入室側の開口部に形成された弁座部と、
    前記流入室内に配置され、前記弁座部に対し当接して前記第1流体の前記第2流体流路部への流入及び流入停止を行う、ダイヤフラム部が備えられた弁体部と、
    前記弁体部の前記弁座部側への当接面部に設けられ、前記接続流路部内に延長されるとともに前記接続流路部の全長より長く形成された小柱状部とを備え
    前記弁体部が前記弁座部に当接した状態において前記小柱状部の一部が前記接続流路部から前記第2流体流路部に露出する
    ことを特徴とするバルブ。
  2. 前記第1流体流入部、前記第2流体流路部、前記流入室、前記接続流路部、及び前記弁座部が、一のベースブロックの内部に形成されている請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記小柱状部が円柱形状である請求項1または2に記載のバルブ。
  4. 前記弁体部の進退駆動が加圧気体の流出入により行われる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバルブ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバルブの第2流体流路部を相互に複数個組み合わせてなることを特徴とするマニホールドバルブ。
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