JP6737314B2 - スパウトおよびスパウト付きパウチ - Google Patents
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Description
前記延設部は、パウチ左右方向に平行な仮想線を基準とした場合に、下方側から見た場合の形状がパウチ表裏方向に非対称に形成された部分を、その上下方向における少なくとも一部領域に有し、前記延設部は、パウチ表裏方向に平行な仮想線を基準とした場合に、下方側から見た場合の形状がパウチ左右方向に非対称に形成された部分を、その上下方向における少なくとも一部領域に有し、前記延設部は、前記延設部のパウチの表側フィルム部に面する側において、前記延設部が延びる方向に延びた表側縦ジワ形成部と、前記延設部のパウチの裏側フィルム部に面する側において、前記延設部が延びる方向に延びた裏側縦ジワ形成部とを有し、前記表側縦ジワ形成部と前記裏側縦ジワ形成部とは、互いにパウチ左右方向にずれた位置に形成されていることにより、前記課題を解決するものである。
本発明のスパウト付きパウチは、前記スパウトと、表側フィルム部および裏側フィルム部を有し前記取付部に装着されるパウチとを備えたことにより、前記課題を解決するものである。
本請求項3に係る発明によれば、延設部の下端部の下方側から見た場合の形状が、パウチ表裏方向およびパウチ左右方向に非対称に形成されていることにより、上述した、内容物の残量低減時における延設部との接触に起因した各フィルム部の変形状態を、延設部よりも下方の領域においても得やすくなるため、延設部の下方の領域においても、上述した左右のフィルム密着領域がパウチ左右方向の中央付近で繋がるまたはほぼ繋がってしまう現象を抑制できる。また、延設部の下方の領域における各フィルム部の変形状態を制御することが可能であるため、延設部の上下方向の寸法を短く設計することが可能になるため、内容物注出の最終段階において、延設部よりも下方の領域において表側フィルム部と裏側フィルム部とが密着することを延設部が阻害することがないため、延設部よりも下方の領域に残留する内容物の量を低減することができる。また、パウチを正立させたときやパウチが落下したときでも、延設部の先端がパウチの底部に接触することを抑制し、底付近を破袋し、又は延設部自身が折れてしまうことを防げる。また、スパウトの材料コストや重量を低減することも可能となる。
本請求項1に係る発明によれば、延設部が、延設部のパウチの表側フィルム部に面する側かつ少なくとも下流側において、延設部が延びる方向に延びた表側縦ジワ形成部と、延設部のパウチの裏側フィルム部に面する側かつ少なくとも下流側において、延設部が延びる方向に延びた裏側縦ジワ形成部とを有し、延設部の表側縦ジワ形成部と裏側縦ジワ形成部とが互いにパウチ左右方向にずれた位置に形成されている。これにより、延設部よりも下方の領域においても、各フィルム部に縦ジワを形成し、縦ジワの形成に起因して生じる表側フィルム部および裏側フィルム部の間隙を内容物注出用の流路として利用することができるばかりでなく、表側フィルム部に形成される縦ジワの位置と裏側フィルム部に形成される縦ジワの位置とをパウチ左右方向にずらすことが可能であるため、上述したフィルム密着領域がパウチ左右方向の中央付近で繋がるまたはほぼ繋がってしまう現象を抑制できる。
本請求項5に係る発明によれば、延設部が、板状部材を湾曲させた形状の湾曲部を有していることにより、内容物注出の途中段階においては、内容物の残量低減の進行に伴って各フィルム部が延設部に接触した時にも、延設部の周囲に間隙を確保し、当該間隙を流路として利用して内容物を良好に注出することができ、また、内容物注出の最終段階においては、内容物の残量低減の進行に伴って各フィルム部を湾曲部の外面に密着させまたはほぼ密着させ、前記間隙を無くすまたは狭くすることが可能であるため、前記間隙に残留する内容物の量を低減することができる。また、内容物を注出させる時には、使用者の指によってパウチを外側から押すことで、延設部と各フィルム部との間に残留した内容物を絞り出すことがあるが、本請求項5に係る発明では、使用者の指を湾曲部にフィットさせ易いため、使用者に不快感を覚えさせることなく、上述した絞り出しを円滑に行うことができる。
本請求項6に係る発明によれば、延設部が、板状部材の上端部と下端部とが角度を成すように板状部材を捻った形状のツイスト部を有していることにより、内容物注出の途中段階においては、各フィルム部がツイスト部に接触した状態でも、捻られた形状のツイスト部と各フィルム部との間に間隙を形成することが可能であるため、当該間隙を流路として利用して内容物を良好に注出することができ、また、内容物注出の最終段階においては、各フィルム部をツイスト部の外面に密着させまたはほぼ密着させ、前記間隙を無くすまたは狭くすることが可能であるため、前記間隙に残留する内容物の量を低減することができる。また、板状部材の上端部と下端部とが角度を成すように板状部材を捻った形状でツイスト部を形成することにより、簡素な構成で、ツイスト部の上端部と下端部との間の向きの関係を調整することが可能であるため、延設部の上端側の態様に関わらず、延設部の下端部がパウチ左右方向やパウチ表裏方向に非対称になるように配置することができる等、延設部の下端部側の向きを容易に調整することができる。また、板状部材を捻った形状のツイスト部から延設部を構成することにより、延設部の剛性を向上させることが可能であるため、使用者の操作等に起因してパウチ内で延設部が破損することを抑制できる。
本請求項7に係る発明によれば、湾曲部が、延設部の少なくとも下方側の領域に形成されるので、スパウトをインジェクション成形により製造する場合、延設部上方の設計上の自由度を高くでき、金型製作上、ゲートの位置、金型の合わせ等に特別の考慮が不要となり、金型製作を容易にすることができる。
取付部32は、図4に示すように、上下方向Zに沿って形成された丸孔状の注出孔32aを有している。
注出筒部33の上端側(上方の第2フランジ部36よりも上方側)において、注出筒部33の外周面には、図1に示すように、キャップ部37に係合可能なネジ部33bが形成されている。
上方側基部50には、図1〜4に示すように、その厚み方向(パウチ表裏方向Y)に沿って貫通形成され、取付部32の注出孔32aに連通する貫通孔51が形成されている。
また、ツイスト部61の下端部は、図2〜図4に示すように、その長手方向がパウチ左右方向X(およびパウチ表裏方向Y)に対して所定角度(本実施形態では、45°)を成すように形成されている。
表側縦ジワ形成部62は、上下方向Zに直交するように断面視した流路形成部60(ツイスト部61)の各断面内で、パウチ20の表側フィルム部21に面する流路形成部60の表側のうちパウチ表裏方向Yにおける高さが最も高く、すなわち、最も表側フィルム部21側に位置している。
これにより、内容物の残量低減時には、表側縦ジワ形成部62が表側フィルム部21に接触し、表側フィルム部21に縦ジワを形成することができる。
裏側縦ジワ形成部63は、上下方向Zに直交するように断面視した流路形成部60(ツイスト部61)の各断面内で、パウチ20の裏側フィルム部22に面する流路形成部60の裏側のうちパウチ表裏方向Yにおける高さが最も高く、すなわち、最も裏側フィルム部22側に位置している。
これにより、内容物の残量低減時には、裏側縦ジワ形成部63が裏側フィルム部22に接触し、裏側フィルム部22に縦ジワを形成することができる。
また、延設部40が延びる方向における各縦ジワ形成部62、63の寸法は、20〜60mmで設定されているのが好ましい。
また、図4に示すように、延設部40は、その下端部を下方側から見た場合の形状についても、パウチ表裏方向Yに非対称かつパウチ左右方向Xに非対称に形成されている。
なお、本明細書内における延設部40の下端部とは、延設部40の最下端部を含む最下端部の近傍部分のことを意味し、具体的には、上下方向Zにおける延設部40の全長のうち下側10%の部位のことを意味する。
また、図21に示すように、延設部40は、その下端部を下方側から見た場合の形状についても、パウチ表裏方向Yに非対称かつパウチ左右方向Xに非対称に形成されている。
また、ツイスト部61の下端部は、図22〜24に示すように、その長手方向がパウチ左右方向Xに対して角度(本実施形態では約9°)を成すように形成されている。
また、図28に示すように、延設部40は、その下端部を下方側から見た場合の形状についても、パウチ表裏方向Yに非対称に形成されている。
第1突出片66は、ベース部65のパウチ左右方向Xの中央において、ベース部65の上下方向Zの全域に亘って形成され、また、第2突出片67は、ベース部65のパウチ左右方向Xの中央において、ベース部65の上方側部分のみに形成されている。第1突出片66および第2突出片67は、パウチ表裏方向Yおよび上下方向Zに対して平行に形成されている。
ベース部65は、パウチ左右方向Xおよび上下方向Zに平行に形成され、また、リップ部64の一方は、ベース部65の表裏方向の一方側に向けて突出し、リップ部64の他方は、ベース部65の表裏方向の他方側に向けて突出するように形成されている。
また、図37に示すように、延設部40は、その下端部を下方側から見た場合の形状についても、パウチ表裏方向Yに非対称かつパウチ左右方向Xに非対称に形成されている。
また、パウチ20を構成するフィルムの具体的態様は、如何なるものでもよく、その具体例としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、ボリブチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の合成樹脂性フィルムや、これら合成樹脂性フィルムにガスバリア性や水分バリア性を付与したコーティングフィルム又は蒸着フィルム等の公知の合成樹脂性フィルムを積層したり、合成樹脂製フィルムに紙またはアルミ箔を積層することで形成されたもの等が挙げられる。
また、表側フィルム部21および裏側フィルム部22は、互いに分離した別個のフィルムから構成されていてもよく、一枚の連続したフィルムとして構成されていてもよい。
また、上述した第1〜4、6実施形態では、ツイスト部61が、板状部材を20°または45°捻った形状を有しているものとして説明したが、ツイスト部61を捻る角度は、上記に限定されず如何なるものでもよい。ツイスト部61を捻る角度は、10°〜60°で設定すると、内容物注出の途中段階において、各フィルム部21、22がツイスト部61に接触した状態でも、ツイスト部61の周囲に間隙Gを形成することが可能であるとともに、内容物注出の最終段階において、各フィルム部21、22をツイスト部61の外面に密着させ又はほぼ密着させ、前記隙間を無くす又は狭くすることが可能であるため、好ましい。
また、上述した第1〜4、6実施形態では、ツイスト部61が、板状部材を(パウチ20または板状部材の)上下軸回りに捻った形状を有しているものとして説明したが、捻りの中心軸は、前記上下軸に限定されず、例えば、(パウチ20または板状部材の)上下軸に対して傾斜した軸を捻りの中心としてもよい。
また、上述した第2、4、9実施形態では、板状部材の左右両側縁の上下方向Zの全域に亘ってリップ部64が形成されているものとして説明したが、板状部材またはベース部65の左右両側縁の上下方向Zの一部領域のみにリップ部64を形成してもよく、例えば、板状部材またはベース部65の下方側の領域のみにリップ部64を形成してもよい。
また、延設部40のうち、下方側から見た場合の形状(断面形状)がパウチ左右方向Xに非対称に形成された部分についても、延設部40の上下方向Zにおける少なくとも一部領域に形成されていればよい。
また、上述した実施形態では、延設部40が取付部32に一体に形成されているものとして説明したが、延設部40と取付部32とを別体に形成し、嵌合等によって取付部32に延設部40を取り付けるように構成してもよい。
20 ・・・ パウチ
21 ・・・ 表側フィルム部
22 ・・・ 裏側フィルム部
23 ・・・ 内容物収容部
30 ・・・ スパウト
31 ・・・ スパウト本体
32 ・・・ 取付部
32a ・・・ 注出孔
33 ・・・ 注出筒部
33a ・・・ 注出孔
33b ・・・ ネジ部
35 ・・・ 第1フランジ部
36 ・・・ 第2フランジ部
37 ・・・ キャップ部
40 ・・・ 延設部
50 ・・・ 上方側基部
51 ・・・ 貫通孔
60 ・・・ 流路形成部
61 ・・・ ツイスト部(湾曲部)
62 ・・・ 表側縦ジワ形成部
63 ・・・ 裏側縦ジワ形成部
64 ・・・ リップ部
65 ・・・ ベース部
66 ・・・ 第1突出片
67 ・・・ 第2突出片
68 ・・・ 貫通孔
X ・・・ パウチ左右方向
Y ・・・ パウチ表裏方向
Z ・・・ 上下方向
Claims (9)
- パウチに装着される取付部と、前記取付部から下方に向けて延び、パウチの内側に内容物用の流路を形成するための延設部とを備えたスパウトであって、
前記延設部は、パウチ左右方向に平行な仮想線を基準とした場合に、下方側から見た場合の形状がパウチ表裏方向に非対称に形成された部分を、その上下方向における少なくとも一部領域に有し、
前記延設部は、パウチ表裏方向に平行な仮想線を基準とした場合に、下方側から見た場合の形状がパウチ左右方向に非対称に形成された部分を、その上下方向における少なくとも一部領域に有し、
前記延設部は、前記延設部のパウチの表側フィルム部に面する側において、前記延設部が延びる方向に延びた表側縦ジワ形成部と、前記延設部のパウチの裏側フィルム部に面する側において、前記延設部が延びる方向に延びた裏側縦ジワ形成部とを有し、
前記表側縦ジワ形成部と前記裏側縦ジワ形成部とは、互いにパウチ左右方向にずれた位置に形成されていることを特徴とするスパウト。 - 前記延設部は、その全体を下方側から見た場合の形状が、パウチ左右方向に平行な仮想線を基準とした場合にパウチ表裏方向に非対称、かつ、パウチ表裏方向に平行な仮想線を基準とした場合にパウチ左右方向に非対称に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスパウト。
- 前記延設部は、その下端部を下方側から見た場合の形状が、パウチ左右方向に平行な仮想線を基準とした場合にパウチ表裏方向に非対称、かつ、パウチ表裏方向に平行な仮想線を基準とした場合にパウチ左右方向に非対称に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパウト。
- 前記延設部は、前記表側縦ジワ形成部を1つ有するとともに、前記裏側縦ジワ形成部を1つ有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスパウト。
- 前記延設部は、その上下方向における少なくとも一部の領域に、板状部材を湾曲させた形状の湾曲部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスパウト。
- 前記湾曲部は、前記板状部材の上端部と下端部とが角度を成すように前記板状部材を捻った形状のツイスト部であることを特徴とする請求項5に記載のスパウト。
- 前記湾曲部は、前記延設部の少なくとも下方側の領域に形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のスパウト。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のスパウトと、表側フィルム部および裏側フィルム部を有し前記取付部に装着されるパウチとを備えたスパウト付きパウチ。
- 前記延設部の上下方向寸法は、前記パウチの内容物収容部の上下方向寸法の2/3以下であることを特徴とする請求項8に記載のスパウト付きパウチ。
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