JP6736494B2 - 電源装置及び作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された電源装置は、複数の電池(電池モジュール)と、空気を吹き出す送風機と、電池を格納する筐体と、を備えている。電池の上面と下面にはそれぞれ、電池内に空気を流通させるための通気穴が形成されている。送風機は、電池の下方に配置されている。電池の側面と筐体の側壁面との間には、送風機から吹き出された空気が流入する通路(側部通路)が構成されている。電池の上面と筐体の上壁面との間には、側部通路を通った空気が流入する通路(上部通路)が構成されている。送風機から吹き出された空気は、側部通路から上部通路に流入した後、電池の上面に形成された通気穴を通って電池内に流入し、電池の下面に形成された通気穴を通って電池外に排出される。これにより電池が冷却される。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであって、電池を効率的に冷却することができる電源装置及びこの電源装置を備えた作業機を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電源装置は、複数の電池と、前記電池の一方側に、空気を吹き出す吹き出し部が配置される送風機と、前記電池の一方側と反対側である他方側に設けられた第1壁面と、前記第1壁面と接続し且つ前記第1壁面から前記送風機側へと延びる第2壁面と、前記電池の前記一方側に位置する第3壁面と、を含む複数の壁面によって内部空間を構成し、当該内部空間に前記電池を格納する筐体と、前記電池の前記一方側に配置された熱交換器と、を備え、前記第1壁面と前記電池との間に、前記電池に空気を導入するための空気導入通路が構成され、前記第2壁面と前記電池との間に、前記送風機から吹き出された空気を前記空気導入通路に導くための流通路が構成され、前記空気導入通路の少なくとも一部の通路断面積は、前記流通路の通路断面積よりも大きく、前記送風機は、前記熱交換器により冷却された空気を吸い込む吸い込み部を有するとともに、前記第3壁面と前記電池との間に配置され、前記熱交換器は、前記第3壁面と前記送風機の間に配置され、且つ前記第3壁面側に前記電池を通過した後の空気を取り込む取り込み部を有し、前記吹き出し部は、前記第2壁面側を向いて配置されている。
先ず、電源装置について説明する。
図1〜図6に示すように、電源装置1は、電池2と、筐体3と、収容体4と、送風機5と、熱交換器6とを備えている。本実施形態の場合、電池2、収容体4、送風機5、熱交換器6は、筐体3の内部空間に格納されている。
図2〜図7等に示すように、電源装置1は、複数の電池2を備えている。電池2は、電池セルであってもよいし、複数の電池セルを含む電池モジュール(電池スタックともいう)であってもよい。本実施形態の場合、電池2は、電池モジュール7である。
図3〜図5等に示すように、電池モジュール7は、複数の電池セル8を含んでいる。具体的には、電池モジュール7は、複数の電池セル8を一体化し且つ電気的に直列に接続して構成されている。電池セル8は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等である。電池セル8は、一方向(厚み方向)の長さが他の方向の長さよりも小さい偏平状の直方体形状である。
モジュール間通路12は、第1モジュール間通路12Aと、第2モジュール間通路12Bとを有している。第1モジュール間通路12A及び第2モジュール間通路12Bは、上下方向に延びている。第1モジュール間通路12Aと第2モジュール間通路12Bとは、第1並列方向(左右方向F)に交互に設けられている。本実施形態の場合、第1モジュール間通路12Aは、電池モジュール7の第1並列方向(左右方向F)の中央に設けられている。第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで離間する位置に設けられている。本実施形態では、第2モジュール間通路12Bは、2つ設けられている。一方の第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで右側(第2壁面32側)に離間する位置に設けられている。他方の第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで左側(第4壁面34側)に離間する位置に設けられている。
筐体3は、複数の壁面(内壁面)により囲まれる密閉された内部空間を形成しており、当該内部空間に電池2(電池モジュール7)等が格納されている。図1〜図5等に示すように、複数の壁面は、第1壁面31、第2壁面32、第3壁面33、第4壁面34、第5壁面35、第6壁面36を含んでいる。
以下、筐体3の構成について詳しく説明する。
図1〜図6等に示すように、筐体3は、本体3Aと蓋体3Bとから構成されている。
先ず、本体3Aの構成について説明する。
図6、図8、図9等に示すように、本体3Aは、側壁37と、底壁38と、フランジ部39とを有する。
側壁37は、底壁38の外縁から立ち上がっており、上面視にて略矩形枠状に構成されている。側壁37は、本体3Aの前、後、左、右の側壁を構成する4つの側壁(前側壁36A、後側壁35A、左側壁34A、右側壁32A)を有している。
図1、図6等に示すように、蓋体3Bは、側壁40と、上壁41と、フランジ部42とを有する。
側壁40は、上壁41の外縁から下方に延設されており、上面視にて略矩形枠状に構成されている。側壁40は、蓋体3Bの前、後、左、右の側壁を構成する4つの側壁(前側壁36B、後側壁35B、左側壁34B、右側壁32B)を有している。
第1上壁41aは後側壁35B側(後側)に位置し、第2上壁41bは前側壁36B側(前側)に位置している。第1上壁41aは、後側壁35B側(後側)から前側壁36B側(前側)に向かうにつれて次第に上方に移行する(本体3Aから離れる)ように傾斜している。第2上壁41bは、前側壁36B側(前側)から後側壁35B側(後側)に向かうにつれて次第に上方に移行する(本体3Aから離れる)ように傾斜している。第1上壁41aの傾斜の上端(前端)と第2上壁41bの傾斜の上端(後端)とは接続されている。第1上壁41aと第2上壁41bとの接続部は、蓋体3Bの最上部に位置しており、当該接続部は前側壁36Bと後側壁35Bの中間位置よりも前側壁36A側(前側)に偏位している。言い換えれば、当該接続部は、筐体3の前後方向の中心よりも前側に偏位している。また、当該接続部の内角(本体3A側の角)の角度は、鈍角(例えば、120°〜150°の範囲)に設定されている。
第2傾斜壁44は、右側(右側壁32B側)の側壁40の上端から上方且つ左方(斜め左上方)に傾斜して延びている。第2傾斜壁44は、略三角形状であって、下辺が右側(右側壁32B側)の側壁40の上端と接続され、2つの上辺の一方が第1上壁41aの右端と接続され、他方が第2上壁41bの右端と接続されている。
図2、図3等に示すように、収容体4は、電池2を収容する収容室13を構成している。本実施形態の場合、収容体4は、複数の電池モジュール7を並列させて収容する収容室13を構成している。図6等に示すように、収容体4は、カバー14とブラケット15とから構成されている。
図3、図6に示すように、具体的には、カバー14は、外側凸部14a、内側凸部14b及び凹部14cを有している。外側凸部14aは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向C)の一方側(前側)及び他方側(後側)にそれぞれ設けられている。外側凸部14aは、筐体3の本体3Aのフランジ部39の上方に位置する。内側凸部14bは、2つの外側凸部14aの中間に、外側凸部14aと離間して設けられている。内側凸部14bは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向C)の中心の上方に位置する。
図6に示すように、ブラケット15は、底板15aと、側板15bと、延出部15cとを有している。
複数の電池2(電池モジュール7)を収容体4(カバー14及びブラケット15)に保持した状態で、ブラケット15の締結部21を、筐体3の本体3Aのフランジ部39に対して締結することにより、複数の電池2(電池モジュール7)を収容体4と共に筐体3の内部空間に配置することができる。つまり、複数の電池2(電池モジュール7)を予め収容体4に収容した状態で(サブアッシした状態で)、当該収容体4を筐体3に対して固定することができる。そのため、複数の電池2(電池モジュール7)を筐体3に対して容易に組み付けることができ、電源装置1の組み立ての作業性が向上する。
図2、図3、図6等に示すように、送風機5は、電池2(電池モジュール7)の一方側(下方)に配置されている。具体的には、送風機5は、筐体33の第3壁面33と電池モジュール7との間に配置されている。送風機5は、ファンの回転により空気を吹き出す吹き出し部5aと、ファンに向けて空気を吸い込む吸い込み部5bを有している。送風機5のファンは、遠心ファン(シロッコファン)であって、電動モータの駆動により回転する。吹き出し部5aは、電池モジュール7の一方側(下方)において、第2壁面32側(後方)に向けて配置されている。吸い込み部5bは、電池モジュール7の一方側(下方)において、第3壁面33側(下方)に向けて配置されている。送風機5は、電池2に蓄電された電力を用いて駆動することができる。
支持板22aは、送風機5を固定するための複数の固定部22dを有している。支持板22aは、上面視にて略三角形状であって、固定部22dは3つの角部の近傍にそれぞれ設けられている。送風機5の周囲には、複数(3つ)のブラケット5cが取り付けられている。送風機5のブラケット5cは、固定具(ボルト及びナット)26により固定部22dに固定されている。これにより、送風機5は、支持板22aの下方に固定されて支持されている。
図11に示すように、延出板22bは、支持板22aの外縁から外方に突出して延びている。延出板22bは、導風筒5eの上板を構成している。つまり、延出板22b、下板5e1、前板5e2、後板5e3により、四角筒状の導風筒5eを構成している。図2に示すように、延出板22bは、送風機5を筐体3の内部空間に格納した状態において、第2壁面32側(右側)に延びている。
熱交換器6は、筐体3の内部空間を流通する空気を熱交換によって冷却する機器であり、本実施形態ではエバポレータが用いられている。熱交換器6は、例えば、内部を冷媒が流通する複数のチューブと、これらのチューブと熱伝導可能に設けられる放熱用のフィンとを有する。熱交換器6のチューブ内を流れる冷媒と、チューブやフィンの周囲を通過する空気とが熱交換することにより、熱交換器6を通過する空気が冷却される。図6に示す熱交換器6の冷媒の入口6aと出口6bは、筐体3の第4側壁34Aの左下部34cから筐体3の外部に突出する。
空気導入通路50は、複数の電池2の間に構成される空間に空気を導入するための通路である。本実施形態の場合、空気導入通路50は、複数の電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路)に空気を導入するための通路である。
尚、空気導入通路50の前後方向Cに沿う形状は、図3に示す形状には限定されず、例えば図12及び図13に示す形状に変更してもよい。尚、図12及び図13は、図3と同じ位置の断面図であり、図3に示す構成要素と対応する構成要素には同一符号を付している。
図13に示す第2変更例では、第1拡大部53は、空気導入通路50の後端部(第2領域52の後端部)から第1領域51の前後方向Cの中途部にわたって設けられている。第1領域51の残りの部分(第1拡大部53以外の部分)には、前後方向Cに沿って離間距離dが一定となる一定部56が設けられている。
図2に示すように、筐体3の第2壁面32と電池2(電池モジュール7)との間に、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を空気導入通路50に導く流通路60が構成されている。本実施形態では、流通路60は、収容室13の外方(右方)において上下方向に延びている。
これにより、流通路60の出端部60aから空気導入通路50の入端部50aに空気が流入した際に、当該入端部50aにおいて空気の流速が低下し、空気導入通路50を流れる空気の流速が低下する。そのため、複数の電池2の間に構成される空間に流入する空気量にバラツキが生じることが抑制される。このため、電池モジュール7及び電池セル8を効率的に冷却することができる。
空気導入通路50の通路断面積は、空気導入通路50の入端部50aから第1取入部17Aに面する部分までの区間(導入区間)50bにおいて、流通路60の出端部60aの通路断面積よりも大きい。これにより、導入区間50bの空気の流速を低下させることができる。そのため、第1取入部17Aが前後方向Fに複数並んで設けられている場合、導入区間50bに面する複数の第1取入部17Aに流入する空気量にバラツキが生じることが抑制される。この結果、複数の電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路12)に流入する空気量にバラツキが生じることが抑制される。
収容室13は、電池2(電池モジュール7)を収容する室であって、空気導入通路50に導入された空気が取り入れられる。収容室13は、空気導入通路50に導入された空気を取り入れる取入部を有している。図2に示すように、取入部は、第1取入部17Aと第2取入部23とを含んでいる。
第1取入部17Aから収容室13に取り入れられた空気は、第1モジュール間通路12Aを通って下方(送風機5側)に向けて流れる。当該空気は、第1モジュール間通路12Aが送出部16に面していないため、セル間通路11を介さずに送出部16から送り出されることはない。第1モジュール間通路12Aに流入した空気は、第1モジュール間通路12Aを挟んで隣り合う電池モジュール7それぞれのセル間通路11に分かれて流入する。第1モジュール間通路12Aからセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪うことで電池セル8を冷却し、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bに流入する。
上述した第1取入部17Aから取り入れられて第2モジュール間通路12Bに流入した空気と、第2取入部23から取り入れられて第2モジュール間通路12Bに流入した空気とは、第2モジュール間通路12Bで合流する。合流した空気は、第2モジュール間通路12Bを下方(送風機5側)に向けて流れ、第2モジュール間通路12Bに面した送出部16から送り出される。具体的には、左側の第2モジュール間通路12Bを通った空気は第1送出部161から送り出され、右側の第2モジュール間通路12Bを通った空気は第2送出部162から送り出される。つまり、第1取入部17Aから取り入れられて、第1モジュール間通路12A、セル間通路11、第2モジュール間通路12Bの順に通過した空気と、第2取入部23から取り入れられてセル間通路11、第2モジュール間通路12Bの順に通過した空気の両方が、送出部16から収容室13外に送り出される。
図2に示すように、第3壁面33と電池2(電池モジュール7)との間に、吸い込み室70が構成されている。吸い込み室70は、収容室13を通過して電池2を冷却した後の空気を、送風機5の吸い込み部5bによって吸い込むための室である。
吸い込み室70は、送風機5及び熱交換器6を収容する収容領域70aと、収容領域70aとは別の領域70bとを有している。収容領域70aは、第3壁面33の底上部33aよりも下方(第3壁面33側)の領域である。収容領域70aには、後述する第1シール材61が配置される。別の領域70bは、第3壁面33の底上部33aよりも上方(第1壁面31側)の領域であり、ブラケット15の底板(区画板)15aの直下に位置している。
受け入れ通路70cは、収容室13の送出部16から送り出された空気であって熱交換機6により冷却される前の空気を受け入れる。受け入れ通路70cに受け入れられた空気は、送風機5の吸い込み部5bに向けて流れ、熱交換器6を通過することにより冷却される。熱交換器6により冷却された空気は、吸い込み部5bに吸い込まれて吹き出し部5aから吹き出される。
吹き出し通路80は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を受け入れる通路であって、吹き出し部5aに面している。図5に示すように、吹き出し通路80は、複数の電池モジュール7の第2並列方向(前後方向)の一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。言い換えれば、吹き出し通路80は、複数の電池モジュール7における第2並列方向の中心から一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。
吹き出し通路80は、第2壁面32と、第3壁面33と、第3壁面33と対向する電池モジュール7の下面7c(より具体的には、ブラケット15の底板(区画板)15aの下面)と、第5壁面35と、第6壁面36と、仕切り板27と、によって構成されている。具体的には、第2壁面32の右中間部32bと右下部32cが、吹き出し通路80の右面を構成している。第3壁面33の底下部33dが、吸い込み室70の下面を構成している。電池モジュール7の下面7cが、吹き出し通路80の上面を構成している。第5壁面35の後中間部35bが、吹き出し通路80の後面を構成している。第6壁面36の前中間部36bが、吹き出し通路80の前面を構成している。仕切り板27が、吹き出し通路80の左面を構成している。つまり、筐体3の壁面(第2壁面32、第3壁面33、第5壁面35、第6壁面36)が吹き出し通路80の一部を構成している。言い換えれば、吹き出し通路80は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。
流通路60の通路断面積(上下方向に直交する断面積)は、吹き出し通路80の通路断面積(左右方向に直交する断面積)よりも大きいことが好ましい。流通路60の通路断面積が吹き出し通路80の通路断面積よりも大きいことにより、吹き出し通路80から流通路60に導入される空気の流速が低下する。これにより、吹き出し通路80から流通路60に導入された空気が流通路60を通過する際において、当該空気と第2壁面32との間の熱交換を抑制することができる。
上述した空気導入通路50、流通路60及び吹き出し通路80は、送風通路30を構成している。図2に示すように、送風通路30は、吹き出し部5aから吹き出されて電池2(電池モジュール7)に案内される空気が流通する通路である。
筐体3の送風通路30を構成する壁面(内壁面)の少なくとも方向転換部を含む部分に断熱部47が設けられていることにより、送風機5から吹き出されて電池モジュール7に案内される空気が、送風通路30内で方向転換するとき(壁面に当たったとき)に、当該送風通路30の壁面で熱交換が行われることを抑制できる。そのため、電池モジュール7に案内される空気の温度が、送風通路30を流通する途中に上昇することが抑制され、電池モジュール7の冷却効率を高めることができる。
また、吹き出し通路80を形成する第3壁面33にも断熱部47が設けられていることにより、吹き出し通路80を流れる空気と第3壁面33との間での熱交換も抑制することができる。
収容室13の第2取入部23Bに面する中間通路75は、空気導入通路50を通過した空気が流入する通路である。中間通路75は、空気導入通路50を通過した空気を、第2取入部23Bへと導いて収容室13に流入させる。図2に示すように、中間通路75は、第4壁面34の左上部34aと電池モジュール7との間に構成されている。本実施形態では、中間通路75は、第4壁面34と、当該第4壁面34と対向する電池モジュール7の前面とによって構成されている。つまり、筐体3の第4壁面34は、中間通路75の一部を構成している。言い換えれば、中間通路75は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。
図2〜図4、図7に示すように、筐体3の内部空間には、シール材61〜63が設けられている。シール材61〜63は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気が、電池モジュール7を冷却することなく(収容室13を通過することなく)吸い込み室70へと導かれることを防止するために設けられている。シール材は、第1シール材61、第2シール材62、第3シール材63を含む。
図3、図4、図7に示すように、第2シール材62は、第6壁面(第1縦壁面)36と収容体4の第1側板151bとの間、及び、第5壁面(第2縦壁面)35と収容体4の第2側板152bとの間を封止している。これにより、送風機5から吹き出された空気がそのまま(収容室13を通過せずに)第6壁面36と第1側板151bとの間、及び第5壁面35と第2側板152bとの間から吸い込み室70へと入ることを防止できる。
ここで、筐体3の内部空間における空気の流れについて、図2を参照して説明する。図2において、電池セル8の熱を奪う前の冷たい空気の流れを白い矢印で示し、電池セル8の熱を奪った後の暖かい空気の流れを黒い矢印で示している。
流通路60に流入した空気は、第3壁面33側(下側)から第1壁面31側(上側)に向かって流れた後、第2方向転換部30bに当たって方向転換して、空気導入通路50に流入する。流通路60に流入した空気の一部は、空気導入通路50に流入することなく、第2取入部23Aから収容室13内に取り入れられて、セル間通路11に流入する。
第1モジュール間通路12Aからセル間通路11に流入した空気及び第2取入部23A、23Bからセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪い、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bへと流れる。
図2に示すように、電池2(電池モジュール7)と第1壁面31との間には、拡散部66が設けられている。拡散部66は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を筐体3の内部空間へ拡散させる。拡散部66は、流通路60に設けられており、吹き出し通路80から流通路60に流入した空気を拡散する。図5中の矢印は、流通路60に流入した空気が拡散部66によって拡散している様子を模式的に示している。
図5、図10に示すように、拡散部66は、取付板66aと風当て板66bとを有している。
本実施形態の場合、図5に示すように、拡散部66は、前後方向において、吹き出し部5aの中心5fよりも第6壁面36側(前側)に偏位した位置に配置されている。より具体的には、拡散部66の前後方向の中心線66Lは、吹き出し部5aの中心5fよりも第6壁面36側(前側)に偏位した位置に配置されている。
S1×(1/V1)=S2×(1/V2)・・・式(1)
S1:第1領域51に面する第1取入部17Aの開口面積
S2:第2領域52に面する第1取入部17Aの開口面積
V1:第1領域51の容積
V2:第2領域52の容積
上式(1)の如く設定することにより、拡散部66により拡散されて空気導入通路50に流入した空気を、第1領域51に面する第1取入部17Aと第2領域52に面する第1取入部17Aとに均等に流入させることができる。
電源装置1は、設置状態(使用状態)において、筐体3における電池2の他方側(第1壁面31側)が、筐体3における電池2の一方側(第3壁面33側)よりも、筐体3の外部に配置される熱源(以下、外部熱源という)から遠くに位置する仕様になっている。外部熱源は、例えば、後述する作業機100のエンジン113である。このような仕様とした場合、空気導入通路50が送風機5よりも外部熱源から遠くに位置することになる。これにより、空気導入通路50に導入された空気が外部熱源によって温められることを防止でき、電池2の冷却効率を向上させることができる。
電源装置1は、図示しない電池管理ユニットを備えている。電池管理ユニットは、電源装置1の電池2の蓄電量等を管理する装置である。電池管理ユニットは、入力回路、マイクロコンピュータ、出力回路を有している。マイクロコンピュータの記憶部には、電池2における電池電圧、充電電流、放電電流、電池温度等の電池データが随時蓄積される。また、電池管理ユニットは、送風機5の動作を制御する制御装置としても機能することができる。電池管理ユニットは、後述する作業機100に搭載された各種の電子制御機器と通信可能に構成されている。
図17は、本発明に係る作業機100の側面図である。図17では、作業機100の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機100は、コンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類の作業機(作業車両)であってもよい。
作業装置102は、左のブーム106Lと、右のブーム106Rと、これらのブーム106L,106Rの先端に装着された作業具107と、を有している。作業具107は、本実施形態ではバケットであるが、バケットに代えて他の作業機を装着してもよい。ブーム106L,106Rは、第1リフトリンク108及び第2リフトリンク109により支持されている。ブーム106L,106Rは、油圧シリンダからなるリフトシリンダ110を伸縮させることにより上下に揺動する。ブーム106L,106Rの先端には、装着ブラケット111を介して作業具107が装着されている。作業具107は、油圧シリンダからなるチルトシリンダ112を伸縮させることにより揺動(スクイ・ダンプ動作)する。
エンジン113は、機体101の後部に配置されている。エンジン113は、作業装置102を駆動するための動力を発生する。
回転電機114は、発電機、電動機、電動発電機(モータ・ジェネレータ)のいずれかである。本実施形態では、モータ・ジェネレータを採用している。回転電機114は、エンジン113の前方に配置されている。
また、機体101には、電源装置1が配置されている。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 電池
3 筐体
31 第1壁面
32 第2壁面
33 第3壁面
4 収容体
5 送風機
5a 吹き出し部
5b 吸い込み部
6 熱交換器
6c 取り込み部
13 収容室
50 空気導入通路
50a 入端部
50b 入端部から取入部に面する部分までの区間
60 流通路
60a 出端部
70c 受け入れ通路
100 作業機
101 機体
102 作業装置
113 エンジン(熱源)
114 回転電機
Claims (9)
- 複数の電池と、
前記電池の一方側に、空気を吹き出す吹き出し部が配置される送風機と、
前記電池の一方側と反対側である他方側に設けられた第1壁面と、前記第1壁面と接続し且つ前記第1壁面から前記送風機側へと延びる第2壁面と、前記電池の前記一方側に位置する第3壁面と、を含む複数の壁面によって内部空間を構成し、当該内部空間に前記電池を格納する筐体と、
前記電池の前記一方側に配置された熱交換器と、
を備え、
前記第1壁面と前記電池との間に、前記電池に空気を導入するための空気導入通路が構成され、
前記第2壁面と前記電池との間に、前記送風機から吹き出された空気を前記空気導入通路に導くための流通路が構成され、
前記空気導入通路の少なくとも一部の通路断面積は、前記流通路の通路断面積よりも大きく、
前記送風機は、前記熱交換器により冷却された空気を吸い込む吸い込み部を有するとともに、前記第3壁面と前記電池との間に配置され、
前記熱交換器は、前記第3壁面と前記送風機の間に配置され、且つ前記第3壁面側に前記電池を通過した後の空気を取り込む取り込み部を有し、
前記吹き出し部は、前記第2壁面側を向いて配置されている電源装置。 - 前記吸い込み部は、前記第3壁面側を向いて配置されている請求項1に記載の電源装置。
- 前記第3壁面と前記熱交換器との間に、前記熱交換器により冷却される前の空気を受け入れる受け入れ通路が構成されている請求項1又は2に記載の電源装置。
- 前記空気導入通路の入端部の通路断面積は、前記流通路の出端部の通路断面積よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記筐体内には、前記電池を収容する収容室を構成し且つ当該収容室内に空気を取り入れる取入部を前記第1壁面側に有する収容体が配置され、
前記空気導入通路の通路断面積は、前記空気導入通路の入端部から前記取入部に面する部分までの区間において、前記流通路の通路断面積よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源装置。 - 前記筐体における前記電池の他方側は、前記筐体における前記電池の一方側よりも、前記筐体外に配置される熱源から遠くに位置する仕様になっており、
前記送風機は、前記筐体内に設けられ、且つ前記筐体における前記電池の一方側に位置している請求項1〜5のいずれか1項に記載の電源装置。 - 機体と、
前記機体に設けられた作業装置と、
前記作業装置を駆動するための動力を発生させる回転電機と、
前記回転電機に電力を供給する電源装置と、
を備え、
前記電源装置が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電源装置である作業機。 - 前記作業装置を駆動するための動力を発生させるエンジンを備え、
前記エンジンは、前記筐体の前記第3壁面側の外部に配置されている請求項7に記載の作業機。 - 前記送風機は、前記熱交換器と前記電池との間に配置され、
前記第3壁面と前記熱交換器との間に、前記熱交換器により冷却される前の空気を受け入れる受け入れ通路が構成されている請求項8に記載の作業機。
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