以下、本発明に係る電源装置及び作業機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
先ず、電源装置について説明する。
図1〜図6に示すように、電源装置1は、電池2と、筐体3と、収容体4と、送風機5と、熱交換器6とを備えている。本実施形態の場合、電池2、収容体4、送風機5、熱交換器6は、筐体3の内部空間に格納されている。
以下、説明の便宜上、電源装置1の向きについて、電源装置1を後述する作業機100に搭載した状態における向きを基準とする。具体的には、図中の矢印A方向を前方、矢印B方向を後方、矢印C方向を前後方向、矢印D方向を右方、矢印E方向を左方、矢印F方向を左右方向又は筐体幅方向と称する。また、図中の矢印G方向を上方、矢印H方向を下方、矢印I方向を上下方向と称する。但し、電源装置1の向きは、図示の向きには限定されず、電源装置1の設置場所や周辺機器との関係を考慮して適宜変更することができる。
<電池>
図2〜図7等に示すように、電源装置1は、複数の電池2を備えている。電池2は、電池セルであってもよいし、複数の電池セルを含む電池モジュール(電池スタックともいう)であってもよい。本実施形態の場合、電池2は、電池モジュール7である。
図3〜図5等に示すように、電池モジュール7は、複数の電池セル8を含んでいる。具体的には、電池モジュール7は、複数の電池セル8を一体化し且つ電気的に直列に接続して構成されている。電池セル8は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等である。電池セル8は、一方向(厚み方向)の長さが他の方向の長さよりも小さい偏平状の直方体形状である。
図3、図6、図7に示すように、複数の電池セル8は、並列(積層)して外装ケース10に収容されている。外装ケース10は、例えば、電気絶縁性を有する樹脂又は金属により構成されている。本実施形態では、外装ケース10の形状は略直方体である。外装ケース10の前面、後面及び下面は、空気の流通(出入り)を許容しない閉鎖面(開口を有さない面)である。外装ケース10の左面及び右面は、空気の流通を許容する開放面であり、後述するセル間通路11と連通している。外装ケース10の上面には、後述するバスバー9を露出させるための開口が形成されているが、当該開口は空気の流通を殆ど(実質的に)許容しない。
電池セル8の並列方向(積層方向)は、電池セル8の厚み方向である。本実施形態では、電池セル8の並列方向は、前後方向C(筐体幅方向)である。図3〜図5に示すように、並列方向(積層方向)である前後方向Cに隣り合う電池セル8の間には、空気が流通可能なセル間通路11が形成されている。電池セル8は、外装ケース10から突出する電極端子(正極端子及び負極端子)を備える。外装ケース10から突出する電極端子であって、隣り合う電池セル8における異極の端子間は、バスバー9により電気的に接続される。バスバー9と電極端子との接続は、溶接やネジ止め等により行われる。電気的に接続された複数の電池セル8の両端に配置された端子は、外部から電力が供給されたり、他の電気機器へ向けて放電したりする。
電源装置1は、1つ又は複数の電池モジュール7を備えている。本実施形態の電源装置1は、複数の電池モジュール7を備えている。つまり、本実施形態の電源装置1は、複数の電池2として、複数の電池モジュール7を備えている。図6、図7に示すように、複数の電池モジュール7は、左右方向F及び前後方向Cにそれぞれ並べて配置されている。以下、説明の便宜上、左右方向Fを「第1並列方向」、前後方向Cを「第2並列方向」という場合がある。また、複数の電池モジュール7をまとめて「モジュール集合体20」という場合がある。
本実施形態の場合、電池モジュール7の数は8つである。8つの電池モジュール7は、左右方向F(第1並列方向)に4つ、前後方向C(第2並列方向)に2つが並べて配置されている。但し、電池モジュール7の数、並びに、第1並列方向及び第2並列方向にそれぞれ並列される電池モジュール7の数は、電源装置1に要求される仕様等に応じて変更することができる。
図2、図7に示すように、左右方向F(第1並列方向)に隣り合う電池モジュール7の間には、空気が流通可能なモジュール間通路12が構成されている。
モジュール間通路12は、第1モジュール間通路12Aと、第2モジュール間通路12Bとを有している。第1モジュール間通路12A及び第2モジュール間通路12Bは、上下方向に延びている。第1モジュール間通路12Aと第2モジュール間通路12Bとは、第1並列方向(左右方向F)に交互に設けられている。本実施形態の場合、第1モジュール間通路12Aは、電池モジュール7の第1並列方向(左右方向F)の中央に設けられている。第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで離間する位置に設けられている。本実施形態では、第2モジュール間通路12Bは、2つ設けられている。一方の第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで右側(第2壁面32側)に離間する位置に設けられている。他方の第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで左側(第4壁面34側)に離間する位置に設けられている。
第1モジュール間通路12Aは、セル間通路11を通過する前の空気(電池セル8を冷却する前の空気)が導入される通路である。第2モジュール間通路12Bは、セル間通路11を通過した後の空気(電池セル8を冷却した後の空気)が導入される通路である。セル間通路11とモジュール間通路12における空気の流れについては、後程、より詳しく説明する。
モジュール間通路12(第1モジュール間通路12A、第2モジュール間通路12B)の数は、第1並列方向(左右方向F)に並列する電池モジュール7の数に応じて決まる。つまり、第1並列方向に並列する電池モジュール7の数の増減に対応してモジュール間通路12の数も増減する。
<筐体(概要)>
筐体3は、複数の壁面(内壁面)により囲まれる密閉された内部空間を形成しており、当該内部空間に電池2(電池モジュール7)等が格納されている。図1〜図5等に示すように、複数の壁面は、第1壁面31、第2壁面32、第3壁面33、第4壁面34、第5壁面35、第6壁面36を含んでいる。
第1壁面31は、電池2(電池モジュール7)の第1の側(他方側)である上方に設けられており、電池モジュール7の第1の側と対向している。第2壁面32、第4壁面34、第5壁面35、第6壁面36は、第1壁面31と接続し且つ電池モジュール7の第2の側(一方側)(送風機5側)である下方へと延びている。第3壁面33は、電池モジュール7の第1の側と反対側の第2の側(一方側)である下方に設けられており、第1壁面31と対向している。
第1壁面(第1横壁面ともいう)31は、筐体3の上側の内壁面を構成している。第2壁面32は、蓋体32の右側の内壁面を形成している。第3壁面(第2横壁面ともいう)33は、第1壁面31と対向し、筐体3の下壁面を構成している。第4壁面34は、第2壁面32と対向し、蓋体32の左側の内壁面を形成している。第5壁面(第2縦壁面ともいう)35は、筐体3の後側の内壁面を構成している。第6壁面(第1縦壁面又は縦壁面ともいう)36は、第5壁面35と対向し、蓋体32の前側の内壁面を構成している。隣り合う壁面は、湾曲面であるコーナー部を介して接続されている。
<筐体(詳細)>
以下、筐体3の構成について詳しく説明する。
図1〜図6等に示すように、筐体3は、本体3Aと蓋体3Bとから構成されている。
先ず、本体3Aの構成について説明する。
図6、図8、図9等に示すように、本体3Aは、側壁37と、底壁38と、フランジ部39とを有する。
側壁37は、底壁38の外縁から立ち上がっており、上面視にて略矩形枠状に構成されている。側壁37は、本体3Aの前、後、左、右の側壁を構成する4つの側壁(前側壁36A、後側壁35A、左側壁34A、右側壁32A)を有している。
右側壁32Aは、本体3Aの右部に配置されており、内面が左方を向き、外面が右方を向いている。左側壁34Aは、本体3Aの左部に配置されており、内面が右方を向き、外面が左方を向いている。後側壁35Aは、本体3Aの後部に配置されており、内面が前方を向き、外面が後方を向いている。前側壁36Aは、本体3Aの前部に配置されており、内面が後方を向き、外面が前方を向いている。
図2に示すように、右側壁32Aは、右上部32aと、右中間部32bと、右下部32cとを有している。右上部32aは、本体3Aの上部(右側壁32Aの上部)に位置している。右中間部32bは、右上部32aの後部から下方に延設されており、右上部32aと連続する壁面を形成している。右下部32cは、右中間部32bの下方且つ左方に位置しており、後述する底壁38の第2底中間部33cを介して、右中間部32bと接続されている。
図2に示すように、左側壁34Aは、左上部34aと、左中間部34bと、左下部34cとを有している。左上部34aは、本体3Aの上部(左側壁34Aの上部)に位置している。左中間部34bは、左上部34aの下方且つ右方に位置しており、後述する底壁38の底上部33aを介して,左上部34aと接続されている。左下部34cは、左中間部34bの下方且つ右方に位置しており、後述する底壁38の第1底中間部33bを介して左中間部34bと接続されている。
図4に示すように、後側壁35Aは、後上部35aと、後中間部35bと、後下部35cとを有している。後上部35aと後中間部35bと後下部35cとは、上下方向に連続する壁面を形成している。後上部35aの左端は、左側壁34Aの左上部34aと接続されている。後上部35aの右端は、右側壁32Aの右上部32aと接続されている。後中間部35bは、後上部35aの右部から下方に延設されている。後中間部35bの左端は、左側壁34Aの左中間部34bと接続されている。後中間部35bの右端は、右側壁32Aの右中間部34bと接続されている。後下部35cは、後中間部35bの左部寄りの位置から下方に延設されている。後下部35cの左端は、左側壁34Aの左下部34cと接続されている。後下部35cの右端は、右側壁32Aの右下部32cと接続されている。
図4に示すように、前側壁36Aは、前上部36aと、前中間部36bと、前下部36cとを有している。前上部36aの左端は、左側壁34Aの左上部34aと接続されている。前上部36aの右端は、右側壁32Aの右上部32aと接続されている。前中間部36bは、前上部36aの下方且つ後方に位置しており、後述する底壁38の底上部33aを介して、前上部36aと接続されている。前中間部36bの左端は、左側壁34Aの左中間部34bと接続されている。前中間部36bの右端は、右側壁32Aの右中間部32bと接続されている。前下部36cは、前中間部36bの左部寄りの位置から下方に延設されている。前下部36cは、下方に向かうにつれて後方(後側壁35A側)に移行する湾曲面となっている。前下部36cの左端は、左側壁34Aの左下部34cと接続されている。前下部36cの右端は、右側壁32Aの右下部32cと接続されている。
図8、図9に示すように、底壁38は、側壁37(前側壁36A、後側壁35A、左側壁34A、右側壁32A)の下端に接続されている。底壁38は、内面が上方を向き、外面が下方を向いている。図2、図9に示すように、底壁38は、底上部33aと、第1底中間部33bと、第2底中間部33cと、底下部33dとを有している。図8に示すように、底上部33aは、上面視にて略L字状に形成されている。底上部33aは、右側壁32Aの右上部32aの前側の下端(右中間部32bと連続していない部分の下端)と、左側壁34Aの左上部34aの下端と、後側壁35Aの後上部35aの左側の下端(後中間部35bと連続していない部分の下端)と、前側壁36Aの下端とを接続している。図2、図9に示すように、第1底中間部33bは、底上部33aよりも下方に位置している。第1底中間部33bは、左側壁34Aの左中間部34bの下端と、左側壁34Aの左下部34cの上端と、後側壁35Aの後中間部35bの左側(左側壁34A側)の下端(後下部35cと連続していない部分の下端)と、前側壁36Aの前中間部36bの左側の下端(前下部36cと連続していない部分の下端)とを接続している。第2底中間部33cは、第1底中間部33bよりも下方に位置している。第2底中間部33cは、右側壁32Aの右中間部32bの下端と、右側壁32Aの右下部32cの上端と、後側壁35Aの後中間部35bの右側(右側壁32A側)の下端(後下部35cと連続していない部分の下端)と、前側壁36Aの前中間部36bの右側の下端(前下部36cと連続していない部分の下端)とを接続している。底下部33dは、第2底中間部33cよりも下方に位置している。底下部33dは、右側壁32Aの右下部32cの下端と、左側壁34Aの左下部34cの下端と、後側壁35Aの後下部35cの下端と、前側壁36Aの前下部36cの下端とを接続している。
図6、図8、図9に示すように、フランジ部39は、側壁37の立ち上がり端部(上端部)に設けられている。フランジ部39は、側壁37の上端部から外方(筐体3の内部空間から離れる方向)に延設されている。詳しくは、フランジ部39は、前側壁36A、後側壁35A、左側壁34A、右側壁32Aの上端部からそれぞれ外方(右側壁32Aの右方、左側壁34Aの左方、後側壁35Aの後方、前側壁36Aの前方)に延設されている。図8等に示すように、フランジ部39には、複数の貫通孔39a,39bが形成されている。
次に、蓋体3Bの構成について説明する。
図1、図6等に示すように、蓋体3Bは、側壁40と、上壁41と、フランジ部42とを有する。
側壁40は、上壁41の外縁から下方に延設されており、上面視にて略矩形枠状に構成されている。側壁40は、蓋体3Bの前、後、左、右の側壁を構成する4つの側壁(前側壁36B、後側壁35B、左側壁34B、右側壁32B)を有している。
右側壁32Bは、蓋体3Bの右部に配置されており、内面が左方を向き、外面が右方を向いている。左側壁34Bは、蓋体3Bの左部に配置されており、内面が右方を向き、外面が左方を向いている。後側壁35Bは、蓋体3Bの後部に配置されており、内面が前方を向き、外面が後方を向いている。前側壁36Bは、蓋体3Bの前部に配置されており、内面が後方を向き、外面が前方を向いている。
図2に示すように、蓋体3Bの右側壁32Bは、本体3Aの右側壁32Aの上方に位置している。図2に示すように、蓋体3Bの左側壁34Bは、本体3Aの左側壁34Aの上方に位置している。図3に示すように、蓋体3Bの後側壁35Bは、本体3Aの後側壁35Aの上方に位置している。図3に示すように、蓋体3Bの前側壁36Bは、本体3Aの前側壁36Aの上方に位置している。
図1、図3、図6に示すように、上壁41は、第1上壁41aと第2上壁41bとを有している。第1上壁41a及び第2上壁41bは、それぞれ略長方形状であって、長方形の一辺(長辺)で接続されることにより連続している。
第1上壁41aは後側壁35B側(後側)に位置し、第2上壁41bは前側壁36B側(前側)に位置している。第1上壁41aは、後側壁35B側(後側)から前側壁36B側(前側)に向かうにつれて次第に上方に移行する(本体3Aから離れる)ように傾斜している。第2上壁41bは、前側壁36B側(前側)から後側壁35B側(後側)に向かうにつれて次第に上方に移行する(本体3Aから離れる)ように傾斜している。第1上壁41aの傾斜の上端(前端)と第2上壁41bの傾斜の上端(後端)とは接続されている。第1上壁41aと第2上壁41bとの接続部は、蓋体3Bの最上部に位置しており、当該接続部は前側壁36Bと後側壁35Bの中間位置よりも前側壁36A側(前側)に偏位している。言い換えれば、当該接続部は、筐体3の前後方向の中心よりも前側に偏位している。また、当該接続部の内角(本体3A側の角)の角度は、鈍角(例えば、120°〜150°の範囲)に設定されている。
第1上壁41aの傾斜の下端(後端)は、側壁40の後側壁35B側(後側)の上端と接続されている。第1上壁41aの左端の後側は、左側(左側壁34B側)の側壁40の上端の後側と接続されている。第1上壁41aの左端の前側は、第1傾斜壁43を介して、左側(左側壁34B側)の側壁40の上端の前側と接続されている。第1上壁41aの右端は、第2傾斜壁44を介して、右側(右側壁32B側)の側壁40の上端と接続されている。
第2上壁41bの傾斜の下端(前端)は、前側(前側壁36B側)の側壁40の上端と接続されている。第2上壁41bの左端の前側は、左側(左側壁34B側)の側壁40の上端の前側と接続されている。第2上壁41bの左端の後側は、第1傾斜壁43を介して、左側(左側壁34B側)の側壁40の上端の後側と接続されている。第2上壁41bの右端は、第2傾斜壁44を介して、右側(右側壁32B側)の側壁40の上端と接続されている。
第1傾斜壁43は、左側(左側壁34B側)の側壁40の上端の前側から上方且つ右方(斜め右上方)に傾斜して延びている。第1傾斜壁43は、略三角形状であって、下辺が左側(左側壁34B側)の側壁40の上端の前側と接続され、2つの上辺の一方が第1上壁41aの左端と接続され、他方が第2上壁41bの左端と接続されている。
第2傾斜壁44は、右側(右側壁32B側)の側壁40の上端から上方且つ左方(斜め左上方)に傾斜して延びている。第2傾斜壁44は、略三角形状であって、下辺が右側(右側壁32B側)の側壁40の上端と接続され、2つの上辺の一方が第1上壁41aの右端と接続され、他方が第2上壁41bの右端と接続されている。
上壁41(第1上壁41aと第2上壁41b)の外面(上面)には、放熱フィン(図示略)を設けることができる。放熱フィンは、前後方向又は左右方向に間隔をあけて、上壁41の外面の略全面にわたって並設することができる。放熱フィンを設けることにより、筐体2の放熱面積(表面積)が拡大するため、筐体2の温度上昇を抑制することができる。
フランジ部42は、側壁40の下端部に設けられている。フランジ部42は、側壁40の下端部から外方に延設されている。詳しくは、フランジ部42は、4つの側壁(前側壁36B、後側壁35B、左側壁34B、右側壁32B)の下端部からそれぞれ外方(右側壁32Bの右方、左側壁34Bの左方、後側壁35Bの後方、前側壁36Bの前方)に延設されている。フランジ部42には、複数の貫通孔42a,42bが形成されている。フランジ部42は、本体3Aのフランジ部39に対して締結具(ボルト及びナット)により固定される。具体的には、貫通孔42aと貫通孔39aとを重ねてボルトを挿通し、当該ボルトにナットを螺合することにより、蓋体3Bのフランジ部42と本体3Aのフランジ部39とが固定される。これにより、蓋体3Bが本体3Aに対して着脱可能に固定される。貫通孔42bは、電源装置1を後述する作業機100に搭載する際に使用される。
蓋体3Bの上壁41の内面は、筐体3の第1壁面31を構成している。本体3Aの右側壁32Aの内面及び蓋体3Bの右側壁32Bの内面は、筐体3の第2壁面32を構成している。本体3Aの底壁38の内面は、筐体3の第3壁面33を構成している。本体3Aの左側壁34Aの内面及び蓋体3Bの左側壁34Bの内面は、筐体3の第4壁面34を構成している。本体3Aの後側壁35Aの内面及び蓋体3Bの後側壁35Bの内面は、筐体3の第5壁面35を構成している。本体3Aの前側壁36Aの内面及び蓋体3Bの前側壁36Bの内面は、筐体3の第6壁面36を構成している。
尚、図1において、筐体3の内壁面である第1壁面31、第2壁面32、第4壁面34〜第6壁面36は表れていないが、筐体3の形状の理解を助けるために、第1壁面31、第2壁面32、第4壁面34〜第6壁面36にそれぞれ対応する外壁面に符号31,32,34〜36を付している。
<収容体>
図2、図3等に示すように、収容体4は、電池2を収容する収容室13を構成している。本実施形態の場合、収容体4は、複数の電池モジュール7を並列させて収容する収容室13を構成している。図6等に示すように、収容体4は、カバー14とブラケット15とから構成されている。
カバー14は、電池モジュール7の第1壁面31側(上側)に配置されている。本実施形態では、カバー14は、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)の上面の全域に亘って(全域を覆うように)、当該上面の上方に配置されている。カバー14は、上面視にて略長方形状の板であり、上下方向の凹凸を有している。
図3、図6に示すように、具体的には、カバー14は、外側凸部14a、内側凸部14b及び凹部14cを有している。外側凸部14aは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向C)の一方側(前側)及び他方側(後側)にそれぞれ設けられている。外側凸部14aは、筐体3の本体3Aのフランジ部39の上方に位置する。内側凸部14bは、2つの外側凸部14aの中間に、外側凸部14aと離間して設けられている。内側凸部14bは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向C)の中心の上方に位置する。
凹部14cは、外側凸部14aと内側凸部14bの間に設けられており、外側凸部14aと内側凸部14bを接続している。凹部14cは、第1凸部14a及び第2凸部14bに対して、電池モジュール7側(下方)に向けて凹んでいる。凹部14cには、複数の開口部17が形成されている。開口部17は、電池モジュール7のバスバー9の上方に位置しており、電池モジュール7を収容体4に収容した状態において、開口部17からバスバー9が露出する。
複数の開口部17のうちの一部の開口部は、他の開口部に比べて大きく形成された拡大開口部17Aとなっている。本実施形態では、拡大開口部17Aは、複数設けられている。具体的には、16個の開口部17のうち2つが拡大開口部17Aである。図2に示すように、拡大開口部17Aは、第1モジュール間通路12Aに面するように開口している。これにより、拡大開口部17Aは、第1モジュール間通路12Aに向けて空気を取り入れる取入部(以下、「第1取入部17A」という)を構成している。収容体4は、複数の取入部(第1取入部17A)を収容室13の上側に有している。つまり、第1取入部17Aは、収容室13を構成する収容体4の第1壁面31側に設けられている。言い換えれば、第1壁面31は、収容体4の第1取入部17Aと対向している。これにより、筐体3の内部空間において、収容体4の第1壁面31側(後述する空気導入通路50)を流れる空気は、第1取入部17Aから収容室13内に取り入れられる。
第1取入部17Aは、長方形状であって、左右方向Fの幅に比べて前後方向Cの幅が大きく形成されている。第1取入部17Aの左右方向の幅は、電池モジュール7の左右方向の幅よりも小さい。これにより、第1取入部17Aが左右方向(第1並列方向)に並ぶ第1モジュール間通路12Aと第2モジュール間通路12Bの両方に面することがない。そのため、第1取入部17Aから取り入れられた空気が、セル間通路11を通らずに第2モジュール間通路12Bに流入することが防がれる。また、第1取入部17Aの左右方向の幅は、第1モジュール間通路12Aの左右方向の幅よりも大きい。これにより、第1取入部17Aから取り入れられた空気を、効率よく確実に第1モジュール間通路12Aに流入させることができる。
複数の開口部17のうち、拡大開口部(第1取入部)17A以外の開口部17Bは、第1モジュール間通路12Aに面しておらず、第1モジュール間通路12Aに向けて空気を取り入れる取入部を構成しない。つまり、収容室13内への第1壁面31側(上側)からの空気の取り入れは、実質的に第1取入部17Aからのみ行われる。即ち、第1取入部17A以外の開口部17Bからの収容室13内への空気の取り入れは、行われないか、行われたとしても微量であって、本発明の作用効果を阻害しない。
尚、本実施形態の場合、第1モジュール間通路12Aが1つであるため、第1取入部17Aは1つであるが、第1モジュール間通路12Aが左右方向Fに複数並ぶ構成を採用した場合、第1取入部17Aは左右方向Fに複数並ぶ構成となる。当該構成の場合、左右方向Fに並んだ複数の第1取入部17Aから収容室13内に空気を取り入れることが可能となる。
凹部14cは、後述するブラケット15の第1固定部18に対して固定される第2固定部19を有している。第2固定部19には、ボルトを挿通可能な貫通孔が形成されている。第2固定部19は、第1並列方向の両端部と第2並列方向の両端部とのコーナー部(四隅)にそれぞれ設けられている。
図6に示すように、ブラケット15は、底板15aと、側板15bと、延出部15cとを有している。
底板15aは、電池モジュール7の一方側(下方)に配置されている。詳しくは、底板15aは、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)の下面の全域を覆うように、当該下面の下方に設けられている。底板15aは、電池モジュール7が配置される(載せられる)板であると共に、収容室13と後述する吸い込み室70とを区画する区画板でもある。底板(区画板)15aは、上面視にて略長方形状であり、一方の辺(短辺)を前後方向C、他方の辺(長辺)を左右方向Fに、それぞれ向けて配置されている。
底板(区画板)15aには、上面視にて略長方形状であって、左右方向Fが前後方向Cの幅よりも大きく形成されている。底板(区画板)15aには、収容室13内の空気を収容室13外に送り出すための送出部16が形成されている。送出部16は、第2モジュール間通路12Bと連通している。送出部16の数は、限定されないが、第1並列方向(左右方向F)における第2モジュール間通路12Bの数に合わせて設定される。本実施形態では、送出部16は、電池モジュール7の第1並列方向(左右方向)に間隔をあけて2つ形成されている。2つの送出部16は、2つの第2モジュール間通路12Bにそれぞれ面するように開口している。これにより、収容室13内の空気を、第2モジュール間通路12Bを通して、2つの送出部16から送り出すことができる。以下、説明の便宜上、2つの送出部16のうち、左側(第4壁面34側)に位置する開口部を第1送出部161と称し、右側(第4壁面34側)に位置する開口部を第2送出部162と称する。
送出部16(第1送出部161、第2送出部162)は、略長方形状であって、左右方向Fの幅に比べて前後方向Cの幅が大きく形成されている。送出部16の左右方向の幅は、電池モジュール7の左右方向(第1並列方向)の幅よりも小さい。これにより、1つの送出部16が左右方向F(第1並列方向)に並ぶ第1モジュール間通路12Aと第2モジュール間通路12Bの両方に面することがない。そのため、第1モジュール間通路12Aに取り入れられた空気が、セル間通路11を通過せずに送出部16から送り出されることが防がれる。また、1つの送出部16は、前後方向C(第2並列方向)に並ぶ複数(本実施形態では2つ)の第2モジュール間通路12Bに面している。これにより、複数の第2モジュール間通路12Bに導入された空気を、1つの送出部16からまとめて送り出すことができる。
側板15bは、底板(区画板)15aの一方の縁部(前縁部)から立ち上がる第1側板151bと、底板15aの一方の縁部と対向する他方の縁部(後縁部)から立ち上がる第2側板152bとを有している。延出部15cは、側板15b(第1側板151bと第2側板152b)の立ち上がり端部(上端部)に設けられ、且つ互いに離れる方向(前方及び後方)に延びている。具体的には、延出部15cは、第1側板151bの上端部から前方に延び、第2側板152bの上端部から後方に延びている。延出部15cは、筐体3の本体3Aのフランジ部39の上方に位置し、フランジ部39に対して締結される締結部21を有している。締結部21には、ボルトを挿通可能な貫通孔が形成されている。締結部21は、締結具(ボルト及びナット)により、筐体3の本体3Aのフランジ部39に対して締結される。具体的には、締結部21に形成された貫通孔と、筐体3の本体3Aのフランジ部39に形成された貫通孔39bとを重ねてボルト24を挿通し、当該ボルト24にナットを螺合する。これにより、図3、図4、図7に示すように、ブラケット15を筐体3の本体3Aに対して着脱可能に固定することができる。
ブラケット15は、底板15aから立ち上がる第1固定部18を有している。第1固定部18は、底板15aの4つのコーナー部の近傍からそれぞれ上方に向けて延びている。第1固定部18には、ボルトを挿通可能な貫通孔が形成されている。第1固定部18と第2固定部19とは、締結具(ボルト及びナット)で締結されることにより固定される。具体的には、第1固定部18に形成された貫通孔と第2固定部19に形成された貫通孔を重ねてボルト25を挿通し、当該ボルト25にナット29を螺合することにより、第1固定部18と第2固定部19とが固定される(図2、図5、図10参照)。これにより、カバー14とブラケット15とを着脱可能に固定することができる。
ブラケット15の底板15aとカバー14との間には、複数の電池2(電池モジュール7)が配置されている。第1固定部18と第2固定部19とが固定されることにより、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)は、ブラケット15の底板15aとカバー14との間に挟まれて保持される。
複数の電池2(電池モジュール7)を収容体4(カバー14及びブラケット15)に保持した状態で、ブラケット15の締結部21を、筐体3の本体3Aのフランジ部39に対して締結することにより、複数の電池2(電池モジュール7)を収容体4と共に筐体3の内部空間に配置することができる。つまり、複数の電池2(電池モジュール7)を予め収容体4に収容した状態で(サブアッシした状態で)、当該収容体4を筐体3に対して固定することができる。そのため、複数の電池2(電池モジュール7)を筐体3に対して容易に組み付けることができ、電源装置1の組み立ての作業性が向上する。
<送風機>
図2、図3、図6等に示すように、送風機5は、電池2(電池モジュール7)の一方側(下方)に配置されている。具体的には、送風機5は、筐体33の第3壁面33と電池モジュール7との間に配置されている。送風機5は、ファンの回転により空気を吹き出す吹き出し部5aと、ファンに向けて空気を吸い込む吸い込み部5bを有している。送風機5のファンは、遠心ファン(シロッコファン)であって、電動モータの駆動により回転する。吹き出し部5aは、電池モジュール7の一方側(下方)において、第2壁面32側(後方)に向けて配置されている。吸い込み部5bは、電池モジュール7の一方側(下方)において、第3壁面33側(下方)に向けて配置されている。送風機5は、電池2に蓄電された電力を用いて駆動することができる。
図4に示すように、吹き出し部5aは、第5壁面35と第6壁面36との中間位置(筐体3の前後方向の中間位置)よりも第5壁面35側(後側)に偏位した位置に設けられている。また、吹き出し部5aは、複数の電池モジュール7の第2並列方向(前後方向)において、当該方向の中心から当該方向の一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。
図6に示すように、電池2(電池モジュール7)の一方側(下方)には、送風機5を支持する支持体22が配置されている。送風機5は、支持体22により筐体3の内部空間に支持されている。図11に示すように、支持体22は、支持板22aと、延出板22bと、ステー22cとを有している。
支持板22aは、送風機5を固定するための複数の固定部22dを有している。支持板22aは、上面視にて略三角形状であって、固定部22dは3つの角部の近傍にそれぞれ設けられている。送風機5の周囲には、複数(3つ)のブラケット5cが取り付けられている。送風機5のブラケット5cは、固定具(ボルト及びナット)26により固定部22dに固定されている。これにより、送風機5は、支持板22aの下方に固定されて支持されている。
送風機5の吹き出し部5aには、導風筒5eが取り付けられている。導風筒5eは、吹き出し部5aから吹き出された空気を所定方向に導くための筒である。導風筒5eは、下板5e1、前板5e2、後板5e3を有している。下板5e1と前板5e2と後板5e3とは一体に形成されている。導風筒5eの上板は、後述する延出板22bにより構成されている。
図2、図8に示すように、導風筒5eは、送風機5を筐体3の内部空間に格納した状態において、第2壁面32側(右方)に延びている。
図11に示すように、延出板22bは、支持板22aの外縁から外方に突出して延びている。延出板22bは、導風筒5eの上板を構成している。つまり、延出板22b、下板5e1、前板5e2、後板5e3により、四角筒状の導風筒5eを構成している。図2に示すように、延出板22bは、送風機5を筐体3の内部空間に格納した状態において、第2壁面32側(右側)に延びている。
ステー22cは、支持板22aの隣り合う固定部22dの間から下方に延びている。本実施形態の場合、3つのステー22cが、3つの固定部22dの間から送風機5の外方を通ってそれぞれ下方に延びている。ステー22cの下端は、固定具28によって、熱交換器6に取り付けられたブラケット6dに対して固定されている。これにより、熱交換器6は、送風機5の下方に配置された状態で、支持体22に対して固定されている。
図2に示すように、収容体4の送出部16の少なくとも一部は、送風機5と電池モジュール7との並び方向(上下方向I)において送風機5と重ならないように、当該並び方向に直交する直交方向(左右方向F)にずれて配置されている。具体的には、送風機5の少なくとも一部(一部又は全体)は、前記直交方向(左右方向F)において、第1送出部161と第2送出部162との間に配置されている。これによって、送出部16から送り出された空気が送風機5に当たることを抑制できるため、送出部16から送り出された暖かい空気によって送風機5が温められることが防がれる。そのため、送風機5から吹き出される空気の温度が上昇することを防止することができ、電池モジュール7の冷却効果を高めることができる。
<熱交換器>
熱交換器6は、筐体3の内部空間を流通する空気を熱交換によって冷却する機器であり、本実施形態ではエバポレータが用いられている。熱交換器6は、例えば、内部を冷媒が流通する複数のチューブと、これらのチューブと熱伝導可能に設けられる放熱用のフィンとを有する。熱交換器6のチューブ内を流れる冷媒と、チューブやフィンの周囲を通過する空気とが熱交換することにより、熱交換器6を通過する空気が冷却される。図6に示す熱交換器6の冷媒の入口6aと出口6bは、筐体3の第4側壁34Aの左下部34cから筐体3の外部に突出する。
図2、図3に示すように、熱交換器6は、電池2(電池モジュール7)の一方側(下方)に配置されている。詳しくは、熱交換器6は、筐体3の第3壁面33と電池モジュール7との間に配置されている。より詳しくは、熱交換器6は、第3壁面33と送風機5との間に配置されている。熱交換器6は、第3壁面33側(送風機5側と反対側)に、電池モジュール7を通過した後の空気を取り込む取り込み部6cを有する。
送風機5のファンの駆動によって、熱交換器6の取り込み部6cから取り込まれた空気は、熱交換器6を通過することにより冷却される。冷却された空気は、取り込み部6cと反対側(送風機5側)に送り出され、送風機5の吸い込み部5bに吸い込まれる。これにより、送風機5は、熱交換器6により冷却された後の低温の空気を、吹き出し部5aから吹き出すことができる。
<空気導入通路>
空気導入通路50は、複数の電池2の間に構成される空間に空気を導入するための通路である。本実施形態の場合、空気導入通路50は、複数の電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路)に空気を導入するための通路である。
図2〜図5に示すように、筐体3の第1壁面31と電池2(電池モジュール7)との間に、電池モジュール7に空気を導入する空気導入通路50が構成されている。本実施形態では、空気導入通路50は、第1壁面31と、第1壁面31と対向する電池モジュール7の上面7a(より具体的には、カバー14の上面)とによって構成されている。つまり、筐体3の壁面(第1壁面31)が空気導入通路50の一部を構成している。言い換えれば、空気導入通路50は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。空気導入通路50は、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)の上面の全域に亘る上方に設けられている。
図3に示すように、空気導入通路50は、第1領域51と第2領域52とを有している。第1領域51と第2領域52とは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向)に並んで設けられている。第1領域51は、送風機5の吹き出し部5aの中心5fよりも縦壁面(第1縦壁面)36側(即ち、第6壁面36側(前側))に位置する。第2領域52は、吹き出し部5aの中心5fよりも第1縦壁面36と対向する第2壁面35側(即ち、第5壁面35側(後側))に位置する。図3において、第1領域51と第2領域52との境界線を一点鎖線Lで示している。
筐体3の内部空間は、第1横壁面(第1壁面)31と電池2(電池モジュール7)との間(即ち、空気導入通路50)に、吹き出し部5aの中心より縦壁面(第1縦壁面)36側(即ち、第6壁面36側)に位置する第1領域51と、吹き出し部5aの中心より縦壁面(第1縦壁面)36と反対側(即ち、第5壁面35側)に位置する第2領域52とを含んでいる。
図3に示すように、空気導入通路50は、第2領域52から第1領域51に向けて第1壁面31と電池2(電池モジュール7)との離間距離dが広がる拡大部(第1拡大部53という)を有している。また、空気導入通路50は、第1領域51から第2領域52に向けて離間距離dが広がる拡大部(第2拡大部54という)を有している。第1拡大部53は、第2領域52から第1領域51の一部(後部)にわたって設けられている。第2拡大部54は、第1領域51の一部(前部)に設けられている。つまり、第1領域51は、前部に第2拡大部54を有し、後部に第1拡大部53を有している。
第1拡大部53と第2拡大部54とは、離間距離dが最大となる部分55において繋がっている。これにより、空気導入通路50の前後方向Cに沿う形状は、前後方向の中途部(部分55)において離間距離dが最大となる略三角形となっている。離間距離dが最大となる部分55は、第1領域51に位置している。送風機5の吹き出し部5aは、第1壁面31と電池モジュール7との離間距離dが最大となる位置55よりも、第5壁面35側(後側)に偏位した位置に設けられている。
これにより、後述する流通路6によって、吹き出し部5aから吹き出された空気が上方に流れて空気導入通路50に導入されると、この空気導入通路50に入った空気を、第1拡大部53により電池(電池モジュール7)と第1壁面31との距離dが大きくなる方向に向けて導くことができる。これにより、第5壁面35側に配置された吹き出し部5aから吹き出された空気を、第1拡大部53によって第5壁面35と対向する第6壁面36側に導くことができ、吹き出し部5aから空気導入通路50への空気の流れを均一化することが可能となる。これにより、電池をバランスよく冷却することが可能となる。
第1拡大部53は、吹き出し部5aの中心5fよりも後側(第6壁面36側)において、中心5fから離れるに従って離間距離dが次第に大きくなっている。また、吹き出し部5aの中心5fよりも前側(第5壁面35側)において、中心5fから離れるに従って離間距離dが次第に小さくなっている。
尚、空気導入通路50の前後方向Cに沿う形状は、図3に示す形状には限定されず、例えば図12及び図13に示す形状に変更してもよい。尚、図12及び図13は、図3と同じ位置の断面図であり、図3に示す構成要素と対応する構成要素には同一符号を付している。
図12に示す変更例(第1変更例)及び図13に示す変更例(第2変更例)では、上記実施形態(図3参照)と同様に、送風機5の吹き出し部5aは、第1壁面31と電池モジュール7との離間距離dが最大となる位置よりも、第5壁面35側(後側)に配置されている。また、空気導入通路50は、第2領域52から第1領域51に向けて第1壁面31と電池モジュール7との離間距離dが広がる第1拡大部53を有している。しかし、第1変更例及び第2変更例における空気導入通路50は、第1拡大部53を有しているが、第2拡大部54を有していない。
詳しくは、図12に示す第1変更例では、第1拡大部53は、空気導入通路50の全域(第1領域51の全域と第2領域52の全域)にわたって設けられている。言い換えれば、空気導入通路50は、後端部から前端部に向けて離間距離dが次第に広がっている。
図13に示す第2変更例では、第1拡大部53は、空気導入通路50の後端部(第2領域52の後端部)から第1領域51の前後方向Cの中途部にわたって設けられている。第1領域51の残りの部分(第1拡大部53以外の部分)には、前後方向Cに沿って離間距離dが一定となる一定部56が設けられている。
<流通路>
図2に示すように、筐体3の第2壁面32と電池2(電池モジュール7)との間に、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を空気導入通路50に導く流通路60が構成されている。本実施形態では、流通路60は、収容室13の外方(右方)において上下方向に延びている。
本実施形態では、流通路60は、第2壁面32と、第2壁面32と対向する電池モジュール7の外面(右面)7bとによって構成されている。つまり、筐体3の壁面(第2壁面32)が流通路60の一部を構成している。言い換えれば、流通路60は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。流通路60は、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)の右面の全域にわたって、複数の電池モジュール7の右方に設けられている。
空気導入通路50の少なくとも一部の通路断面積(左右方向に直交する断面積)は、流通路60の通路断面積(上下方向に直交する断面積)よりも大きい。これにより、流通路60から空気導入通路50に導かれた空気の流速が低下する。これにより、空気導入通路50の空気は、空気導入通路50と収容室13との圧力差によって収容室13に流入することとなる。そのため、空気導入通路50の空気を、複数の電池2の間に構成される空間に均等に導入することができ、電池2を効率的に冷却することができる。具体的には、電池2が電池モジュール7である場合(本実施形態の場合)は、空気導入通路50の空気を、複数の電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路12)に均等に導入することができる。電池2が電池セル8である場合は、空気導入通路50の空気を、複数の電池セル8の間に構成される空間(セル間通路11)に均等に導入することができる。
空気導入通路50の入口側の端部である入端部50aと、流通路60の出口側の端部である出端部60aとは、直接的には連結されておらず、後述する第2方向転換部30bを介して連結されている。そして、入端部50aの通路断面積は、出端部60aの通路断面積よりも大きい。
これにより、流通路60の出端部60aから空気導入通路50の入端部50aに空気が流入した際に、当該入端部50aにおいて空気の流速が低下し、空気導入通路50を流れる空気の流速が低下する。そのため、複数の電池2の間に構成される空間に流入する空気量にバラツキが生じることが抑制される。このため、電池モジュール7及び電池セル8を効率的に冷却することができる。
尚、入端部50aの通路断面積とは、電池モジュール7の上面(第1壁面31側の面)に対して直交し且つ第1壁面31と第2傾斜壁44の内面との境界部を通る位置で、空気導入通路50を切断した面の面積である。また、出端部60aの通路断面積とは、電池モジュール7の右面(第2壁面32側の面)に対して直交し且つ当該右面の上端部と第2壁面32とを通る位置で、流通路60を切断した面の面積である。
また、複数の電池2の間に構成される空間とは、電池2が電池モジュール7である場合(本実施形態の場合)は、電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路12)である。一方、電池2が電池セル8である場合は、電池セル8の間に構成される空間(セル間通路11)である。
空気導入通路50の通路断面積は、空気導入通路50の入端部50aから第1取入部17Aに面する部分までの区間(導入区間)50bにおいて、流通路60の出端部60aの通路断面積よりも大きい。これにより、導入区間50bの空気の流速を低下させることができる。そのため、第1取入部17Aが前後方向Fに複数並んで設けられている場合、導入区間50bに面する複数の第1取入部17Aに流入する空気量にバラツキが生じることが抑制される。この結果、複数の電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路12)に流入する空気量にバラツキが生じることが抑制される。
尚、本発明においては、空気導入通路50の最も通路断面積が小さい部分の断面積(最小通路断面積)が、流通路60の最も通路断面積が大きい部分の断面積(最大通路断面積)よりも大きくなるように構成してもよい。当該構成によっても、空気導入通路50を流れる空気の流速を低下させて、複数の電池2の間に構成される空間に流入する空気量にバラツキが生じることが抑制することができる。
<収容室>
収容室13は、電池2(電池モジュール7)を収容する室であって、空気導入通路50に導入された空気が取り入れられる。収容室13は、空気導入通路50に導入された空気を取り入れる取入部を有している。図2に示すように、取入部は、第1取入部17Aと第2取入部23とを含んでいる。
図6等に示すように、第1取入部17Aは、収容体4のカバー14に設けられている。図2に示すように、第1取入部17Aは、空気導入通路50側(第1壁面31側)に設けられており、第1モジュール間通路12Aに面している。空気導入通路50に導入された空気は、第1取入部17Aから第1モジュール間通路12Aに取り入れられる。第1取入部17Aは、第2モジュール間通路12Bを挟んで隣り合う複数の電池モジュール7のそれぞれのセル間通路11を通過した空気が合流して導入されるように、少なくとも1つ(本実施形態の場合は1つ)の電池モジュール7を介して第2モジュール間通路12Bと離間している。
図6、図7、図10に示すように、第2取入部23は、収容体4の第1側板151bと第2側板152bとの間に設けられている。つまり、第2取入部23は、第1側板151bと第2側板152bとによって構成されている。第2取入部23は、複数の電池モジュール7の並列方向(第1並列方向)の端部に設けられている。具体的には、第2取入部23は、複数の電池モジュール7の第1並列方向の一端側(右側)及び他端側(左側)にそれぞれ設けられている。以下、第1並列方向の一端側(右側)にある第2取入部を「第2取入部23A」と称し、第1並列方向の他端側(左側)にある第2取入部を「第2取入部23B」と称する場合がある。
図2、図7に示すように、第2取入部23Aは、筐体2の第2壁面32側(右側)に設けられており、流通路60に面している。第2取入部23Bは、筐体2の第4壁面34側(左側)に設けられており、後述する中間通路75に面している。第2取入部23A,23Bは、電池モジュール7のセル間通路11に面している。これにより、流通路60及び中間通路75に導入された空気は、第2取入部23A,23Bからセル間通路11に取り入れられる。
図2、図6、図10に示すように、収容室13は、取入部(第1取入部17A及び第2取入部23)から収容室13に取り入れられた空気を送り出す送出部16(第1送出部161、第2送出部162)を有している。送出部16は、収容室13の下側(送風機5側)に設けられている。送出部16は、第2モジュール間通路12Bに面している。送出部16は、第1モジュール間通路12Aを挟んで隣り合う複数の電池モジュール7それぞれのセル間通路11に空気が流通するように、少なくとも1つ(本実施形態の場合は1つ)の電池モジュール7を介して第1モジュール間通路12Aと離間している。
第1取入部17Aと送出部16(第1送出部161、第2送出部162)は、複数の電池モジュール7の第1並列方向(左右方向F)においてずれた位置に設けられている。第1モジュール間通路12Aは、第1取入部17Aに面しているが、第1送出部161と第2送出部162のいずれにも面していない。第2モジュール間通路12Bは、第1送出部161と第2送出部162のいずれか一方に面しているが、第1取入部17Aに面していない。つまり、第1取入部17Aと送出部16とは、直接的に(セル間通路11を介さずに)連通していない。これにより、第1取入部17Aから収容室13内に取り入れられた空気が、セル間通路11を通過せずに送出部16から送り出されることを防ぐことができる。
ここで、収容室13を通過する空気の流れについて、図2を参照して説明する。
第1取入部17Aから収容室13に取り入れられた空気は、第1モジュール間通路12Aを通って下方(送風機5側)に向けて流れる。当該空気は、第1モジュール間通路12Aが送出部16に面していないため、セル間通路11を介さずに送出部16から送り出されることはない。第1モジュール間通路12Aに流入した空気は、第1モジュール間通路12Aを挟んで隣り合う電池モジュール7それぞれのセル間通路11に分かれて流入する。第1モジュール間通路12Aからセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪うことで電池セル8を冷却し、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bに流入する。
第2取入部23から収容室13に取り入れられた空気は、セル間通路11に流入する。第2取入部23からセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪うことで電池セル8を冷却し、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bに流入する。
上述した第1取入部17Aから取り入れられて第2モジュール間通路12Bに流入した空気と、第2取入部23から取り入れられて第2モジュール間通路12Bに流入した空気とは、第2モジュール間通路12Bで合流する。合流した空気は、第2モジュール間通路12Bを下方(送風機5側)に向けて流れ、第2モジュール間通路12Bに面した送出部16から送り出される。具体的には、左側の第2モジュール間通路12Bを通った空気は第1送出部161から送り出され、右側の第2モジュール間通路12Bを通った空気は第2送出部162から送り出される。つまり、第1取入部17Aから取り入れられて、第1モジュール間通路12A、セル間通路11、第2モジュール間通路12Bの順に通過した空気と、第2取入部23から取り入れられてセル間通路11、第2モジュール間通路12Bの順に通過した空気の両方が、送出部16から収容室13外に送り出される。
<吸い込み室>
図2に示すように、第3壁面33と電池2(電池モジュール7)との間に、吸い込み室70が構成されている。吸い込み室70は、収容室13を通過して電池2を冷却した後の空気を、送風機5の吸い込み部5bによって吸い込むための室である。
図2、図8に示すように、本実施形態では、吸い込み室70は、第3壁面33と、第3壁面33と対向する電池モジュール7の下面7c(より具体的には、ブラケット15の底板(区画板)15aの下面)と、第4壁面34と、第5壁面35と、第6壁面36と、後述する仕切り板27と、によって構成されている。具体的には、第3壁面33の底下部33dが、吸い込み室70の下面を構成している。電池モジュール7の下面7cが、吸い込み室70の上面を構成している。第4壁面34の左中間部34bと左下部34cが、吸い込み室70の左面を構成している。第5壁面35の後中間部35bと後下部35cが、吸い込み室70の後面を構成している。第6壁面36の前中間部36bと前下部36cが、吸い込み室70の前面を構成している。仕切り板27は、吸い込み室70の右面を構成している。つまり、筐体3の壁面(第3壁面33、第4壁面34、第5壁面35、第6壁面36)が吸い込み室70の一部を構成している。
図2に示すように、吸い込み室70には、送風機5の吸い込み部5bが配置されている。吸い込み室70は、送出部16を介して収容室13と連通している。これにより、収容室13の送出部16から送り出された空気は、吸い込み室70へと入って、吸い込み室70において吸い込み部5bから送風機5に吸い込まれる。
吸い込み室70は、送風機5及び熱交換器6を収容する収容領域70aと、収容領域70aとは別の領域70bとを有している。収容領域70aは、第3壁面33の底上部33aよりも下方(第3壁面33側)の領域である。収容領域70aには、後述する第1シール材61が配置される。別の領域70bは、第3壁面33の底上部33aよりも上方(第1壁面31側)の領域であり、ブラケット15の底板(区画板)15aの直下に位置している。
吸い込み室70の別の領域70bは、収容体4の区画板15aと、筐体3の第3壁面33の底上部33aとが離間することにより構成されている。言い換えれば、収容体4は、区画板15aと第3壁面33とを離間させることで、収容領域70aとは別の領域70bの容積を増加させている。これにより、吸い込み室70全体の容積も増加するため、吸い込み室70の圧力が低下する。その結果、吸い込み室70は、収容室13よりも低圧となっている。
吸い込み室70の収容領域70aは、受け入れ通路70cを含んでいる。受け入れ通路70cは、第3壁面33と熱交換器6との間に構成されている。より具体的には、受け入れ通路70cは、第3壁面33の底下部33dと熱交換器6との間に構成されており、筐体3の内部空間の最下部に位置している。
受け入れ通路70cは、収容室13の送出部16から送り出された空気であって熱交換機6により冷却される前の空気を受け入れる。受け入れ通路70cに受け入れられた空気は、送風機5の吸い込み部5bに向けて流れ、熱交換器6を通過することにより冷却される。熱交換器6により冷却された空気は、吸い込み部5bに吸い込まれて吹き出し部5aから吹き出される。
<吹き出し通路>
吹き出し通路80は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を受け入れる通路であって、吹き出し部5aに面している。図5に示すように、吹き出し通路80は、複数の電池モジュール7の第2並列方向(前後方向)の一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。言い換えれば、吹き出し通路80は、複数の電池モジュール7における第2並列方向の中心から一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。
図2、図6、図8、図9に示すように、吹き出し通路80は、吸い込み室70と第2壁面32との間に、吸い込み室70と隣接して設けられている。吸い込み室70と吹き出し通路80とは、仕切り板27により仕切られている。
吹き出し通路80は、第2壁面32と、第3壁面33と、第3壁面33と対向する電池モジュール7の下面7c(より具体的には、ブラケット15の底板(区画板)15aの下面)と、第5壁面35と、第6壁面36と、仕切り板27と、によって構成されている。具体的には、第2壁面32の右中間部32bと右下部32cが、吹き出し通路80の右面を構成している。第3壁面33の底下部33dが、吸い込み室70の下面を構成している。電池モジュール7の下面7cが、吹き出し通路80の上面を構成している。第5壁面35の後中間部35bが、吹き出し通路80の後面を構成している。第6壁面36の前中間部36bが、吹き出し通路80の前面を構成している。仕切り板27が、吹き出し通路80の左面を構成している。つまり、筐体3の壁面(第2壁面32、第3壁面33、第5壁面35、第6壁面36)が吹き出し通路80の一部を構成している。言い換えれば、吹き出し通路80は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。
図2等に示すように、吹き出し通路80と流通路60とは連通している。詳しくは、吹き出し通路80と流通路60とは、吹き出し部5aと空気導入通路50とを収容室13の外側を通って繋ぐ連通路65を構成している。言い換えると、連通路65は、吹き出し部5aと空気導入通路50とを、収容室13を介さずに連通している。
流通路60の通路断面積(上下方向に直交する断面積)は、吹き出し通路80の通路断面積(左右方向に直交する断面積)よりも大きいことが好ましい。流通路60の通路断面積が吹き出し通路80の通路断面積よりも大きいことにより、吹き出し通路80から流通路60に導入される空気の流速が低下する。これにより、吹き出し通路80から流通路60に導入された空気が流通路60を通過する際において、当該空気と第2壁面32との間の熱交換を抑制することができる。
図8、図9に示すように、吸い込み室70と吹き出し通路80とを仕切る仕切り板27は、第5壁面35の後中間部35b及び後下部35cから構成される第1側壁45と、第6壁面36の前中間部36b及び前下部36cから構成される第2側壁46との間に配置されている。第1側壁45は、吸い込み室70と吹き出し通路80の一部を構成している。第2側壁46は、第1側壁45と対向する吸い込み室70と吹き出し通路80の一部を構成している。第1側壁45及び第2側壁46は、第3壁面33と接続している。
図2、図3、図8、図9に示すように、仕切り板27は、第1板部27aと第2板部27bとを有している。第1板部27aは、区画板15aの下面(第3壁面33側の面)と対向して配置されている。第2板部27bは、第1板部27aから区画板15aから離れる方向(第3壁面33側)に延設されている。第2板部27bは、第1側壁45から第2側壁46に亘って設けられている。第2板部27bには、開口部27cが形成されている。
開口部27cは矩形状であって、開口部27cの上縁は第2板部27bの上端(第1板部27aとの境界部分)に位置している。開口部27cの前側(第4壁面34側)には、送風機5の吹き出し部5aに取り付けられた導風筒5eが接続されている。これにより、吹き出し部5aから吹き出された空気は、導風筒5eによって開口部27cへと確実に導かれ、開口部27cを通過して吹き出し通路80へと導入される。
図2に示すように、第1板部27aと区画板15aとの間は、第1シール材61により封止されている。第2板部27bの下端と第3壁面33の第2底中間部33cとの間、第2板部27bの後端と第1側壁45との間、第2板部27bの前端と第2側壁46との間も、それぞれシール材(図示略)により封止されている。これにより、吹き出し通路80と吸い込み室70とは、仕切り板27によって開口部27cを除いた部分で気密に仕切られている。そのため、吹き出し部5aから開口部27cを通って吹き出し通路80に吹き出された空気が、そのまま(収容室13を通過せずに)吸い込み室70に戻ることが防がれる。
また、仕切り板27は、送出部16よりも第2壁面32に近い側に設けられている。これにより、送出部16からの収容室13内の空気の送出が、仕切り板27によって妨げられることがない。また、送出部16から送出された空気が、そのまま(吸い込み室70を通らずに)吹き出し通路80へと導入されることが防がれる。
<送風通路>
上述した空気導入通路50、流通路60及び吹き出し通路80は、送風通路30を構成している。図2に示すように、送風通路30は、吹き出し部5aから吹き出されて電池2(電池モジュール7)に案内される空気が流通する通路である。
送風通路30は、筐体3の壁面(第1壁面31、第2壁面32、第3壁面33、第5壁面35、第6壁面36)と電池モジュール7との間に、構成されている。本実施形態では、送風通路30は、筐体3の壁面(第1壁面31、第2壁面32、第3壁面33、第5壁面35、第6壁面36)と、当該壁面と対向する電池モジュール7の外面(具体的には、収容体4の外面)とによって構成されている。つまり、筐体3の壁面(第1壁面31、第2壁面32、第3壁面33、第5壁面35、第6壁面36)は、送風通路30の一部を構成している。言い換えれば、送風通路30は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。
送風通路30を構成する壁面(内壁面)は、当該送風通路30の通路方向を変化させる方向転換部を有している。本実施形態の場合、方向転換部は、第1方向転換部30a、第2方向転換部30b、第3方向転換部30cを含んでいる。第1方向転換部30aは、第2壁面32と第3壁面33とを接続するコーナー部から構成されている。第2方向転換部30bは、第2壁面32と第1壁面31とを接続する第2傾斜壁44の内面から構成されている。第3方向転換部30cは、第1壁面31と第4壁面34とを接続するコーナー部及び第1傾斜壁43の内面から構成されている。送風通路30を流通する空気は、これらの方向転換部(第1方向転換部30a、第2方向転換部30b、第3方向転換部30c)において、壁面(内壁面)に当たって流れ方向が変更される。
筐体3の送風通路30を構成する壁面(内壁面)の少なくとも方向転換部(第1方向転換部30a、第2方向転換部30b、第3方向転換部30c)を含む部分には、断熱部47が設けられている。本実施形態の場合、断熱部47は、第2壁面32と第1方向転換部30aと第3壁面33の第2底中間部33cとにわたって設けられている。つまり、本実施形態において、断熱部47は、筐体3の壁面のうち、流通路60を構成する部分の壁面(第2壁面32)と、吹き出し通路80を構成する部分の壁面(第3壁面33の第2底中間部33c)と、吹き出し通路80と流通路60とを接続する部分の壁面(第1方向転換部30a)に設けられている。
断熱部47は、筐体3の送風通路30を構成する壁面(内壁面)に断熱材(例えば、発泡合成樹脂など)を貼付することにより構成される。尚、断熱材は、筐体3の内壁面だけでなく外壁面にも貼付することができる。また、筐体3の壁面を構成する材料を断熱材としてもよい。
筐体3の送風通路30を構成する壁面(内壁面)の少なくとも方向転換部を含む部分に断熱部47が設けられていることにより、送風機5から吹き出されて電池モジュール7に案内される空気が、送風通路30内で方向転換するとき(壁面に当たったとき)に、当該送風通路30の壁面で熱交換が行われることを抑制できる。そのため、電池モジュール7に案内される空気の温度が、送風通路30を流通する途中に上昇することが抑制され、電池モジュール7の冷却効率を高めることができる。
また、本実施形態の場合、流通路60の通路断面積が空気導入通路50の通路断面積より小さく形成されている。そのため、断熱部47が流通路60を形成する第2壁面32を含む部分に設けられていることで、空気導入通路50よりも流速が速く第2壁面32との間で熱交換が進みやすい流通路60であっても、第2壁面32に設けられた断熱部47によって、空気と第2壁面32との間での熱交換を抑制することができる。
また、吹き出し通路80を形成する第3壁面33にも断熱部47が設けられていることにより、吹き出し通路80を流れる空気と第3壁面33との間での熱交換も抑制することができる。
<中間通路>
収容室13の第2取入部23Bに面する中間通路75は、空気導入通路50を通過した空気が流入する通路である。中間通路75は、空気導入通路50を通過した空気を、第2取入部23Bへと導いて収容室13に流入させる。図2に示すように、中間通路75は、第4壁面34の左上部34aと電池モジュール7との間に構成されている。本実施形態では、中間通路75は、第4壁面34と、当該第4壁面34と対向する電池モジュール7の前面とによって構成されている。つまり、筐体3の第4壁面34は、中間通路75の一部を構成している。言い換えれば、中間通路75は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。
中間通路75は、収容室13の左側(流通路60と反対側)において上下方向に延びており、第2取入部23Bに面している。中間通路75の上端部は、空気導入通路50の出端部50cと連通している。これにより、空気導入通路50内の出端部50cまで達した空気は、中間通路75に導入される。中間通路75に導入された空気は、第2取入部23Bから収容室13に取り入れられる。
<シール材>
図2〜図4、図7に示すように、筐体3の内部空間には、シール材61〜63が設けられている。シール材61〜63は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気が、電池モジュール7を冷却することなく(収容室13を通過することなく)吸い込み室70へと導かれることを防止するために設けられている。シール材は、第1シール材61、第2シール材62、第3シール材63を含む。
図2に示すように、第1シール材61は、区画板15aの第3壁面(反対壁面)33側であって且つ送出部16が形成されていない部分(以下、「該当部分」という)の全域に当接して設けられている。第1シール材61は、区画板15aの該当部分と第3壁面33の底上部33aとの間を封止している。これにより、区画板15aと第3壁面(反対壁面)33との間を、送出部16を遮ることなく第1シール材61で封止することができる。そのため、送出部16からの空気の送出を阻害することなく、送風機5から吹き出された空気がそのまま(収容室13を通過せずに)第3壁面(反対壁面)33と区画板15aとの間から吸い込み室70へと入ることを防止できる。
また、第1シール材61は、区画板15aの該当部分と仕切り板27の第1板部27aとの間を封止している。これにより、吹き出し部5aから吹き出し通路80に吹き出された空気が、第1板部27aと区画板15aとの間を通って吸い込み室70に入ることを防止できる。
図3、図4、図7に示すように、第2シール材62は、第6壁面(第1縦壁面)36と収容体4の第1側板151bとの間、及び、第5壁面(第2縦壁面)35と収容体4の第2側板152bとの間を封止している。これにより、送風機5から吹き出された空気がそのまま(収容室13を通過せずに)第6壁面36と第1側板151bとの間、及び第5壁面35と第2側板152bとの間から吸い込み室70へと入ることを防止できる。
図3、図4、図7に示すように、第3シール材63は、第2並列方向(前後方向C)に隣り合う電池モジュール7の間を封止している。これにより、第1取入部17Aから収容室13に取り入れられた空気が、そのまま(セル間通路11を通過せずに)送出部16から送り出されることを防止できる。
<空気の流れ>
ここで、筐体3の内部空間における空気の流れについて、図2を参照して説明する。図2において、電池セル8の熱を奪う前の冷たい空気の流れを白い矢印で示し、電池セル8の熱を奪った後の暖かい空気の流れを黒い矢印で示している。
送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気は、導風筒5eによって仕切り板27の開口部27cまで導かれ、開口部27cを通過して吹き出し通路80へと流入する。吹き出し通路80に流入した空気は、第2壁面32側(右側)に向かって流れた後、第1方向転換部30aに当たって方向転換して流通路60に流入する。
流通路60に流入した空気は、第3壁面33側(下側)から第1壁面31側(上側)に向かって流れた後、第2方向転換部30bに当たって方向転換して、空気導入通路50に流入する。流通路60に流入した空気の一部は、空気導入通路50に流入することなく、第2取入部23Aから収容室13内に取り入れられて、セル間通路11に流入する。
空気導入通路50に流入した空気は、第2壁面32側(右側)から第4壁面34側(左側)へと流れる。空気導入通路50は、送風機5から吹き出された空気が連続的に流入することにより、収容室13よりも高圧となる。そのため、空気導入通路50を流れる空気は、第1取入部17Aから収容室13に取り入れられる。空気導入通路50を流れる空気の一部は、第3方向転換部30cに当たって方向転換して、中間通路75に流入する。中間通路75に流入した空気は、第2取入部23Bから収容室13内に取り入れられ、セル間通路11に流入する。
第1取入部17Aから収容室13に取り入れられた空気は、第1モジュール間通路12Aに流入した後、第1モジュール間通路12Aを挟んで隣り合う複数の電池モジュール7それぞれのセル間通路11に流入する。
第1モジュール間通路12Aからセル間通路11に流入した空気及び第2取入部23A、23Bからセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪い、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bへと流れる。
第2モジュール間通路12Bに流入した空気は、送出部16(第1送出部161、第2送出部162)を通って収容室13外に送り出され、吸い込み室70に流入する。吸い込み室70に流入した空気は、下方(第3壁面33側)へと流れ、受け入れ通路70cに流入する。受け入れ通路70cに流入した空気は、熱交換器6を通過して冷却された後、送風機5の吸い込み部5bに吸い込まれて、吹き出し部5aから吹き出される。
上述したように、送風機5から吹き出された空気は、筐体3の内部空間を循環しながら電池2を冷却する。これにより、電池2の温度上昇による性能の低下を抑制することができる。
<拡散部>
図2に示すように、電池2(電池モジュール7)と第1壁面31との間には、拡散部66が設けられている。拡散部66は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を筐体3の内部空間へ拡散させる。拡散部66は、流通路60に設けられており、吹き出し通路80から流通路60に流入した空気を拡散する。図5中の矢印は、流通路60に流入した空気が拡散部66によって拡散している様子を模式的に示している。
拡散部66は、筐体3と別部材であってもよいし、筐体3の壁面の一部として設けてもよい。拡散部66を筐体3の壁面の一部として設ける場合、例えば、筐体3の壁面の一部を内方(電池2に向かう方向)に向けて突出させることにより、拡散部66を設けることができる。拡散部66を筐体3と別部材とする場合、拡散部66を筐体3に取り付けてもよいし、収容体4に取り付けてもよい。
本実施形態の場合、拡散部66は、流通路60において、収容体4に取り付けられている。拡散部66は、収容体4の前後方向C(電池モジュール7の第2並び方向)の中央に位置している。また、拡散部66は、上下方向において、電池モジュール7の上端と下端との間に位置している。
図5、図10に示すように、拡散部66は、取付板66aと風当て板66bとを有している。
取付板66aは、電池モジュール7の外側(第2壁面32側)に配置されて上下方向に延びている。取付板66aは、第1取付部66a1と第2取付部66a2とを有している。第1取付部66a1は、取付板66aの下部に位置している。第1取付部66a1は、収容体4(ブラケット15)の底板(区画板)15aに取り付けられている。具体的には、第1取付部66a1は、底板15aの流通路60側(第2壁面32側)の縁(右縁)の前後方向の中央に取り付けられている。第1取付部66a1は、取付板66aの上下方向の中途部から二股に分かれて下方に延びている。第2取付部66a2は、取付板66aの上部に位置している。第2取付部66a2は、連結部材67を介して、収容体4(ブラケット15)の流通路60側(第2壁面32側)の第1固定部18に取り付けられている。連結部材67は、前後方向に延びる板材であって、右前部の第1固定部18と、第2取付部66a2と、右後部の第1固定部18とを連結している。
風当て板66bは、取付板66aの上下方向Iの中間部(第1取付部66a1と第2取付部66a2との間)66a3に設けられている。風当て板66bは、基部66b1と、傾斜部66b2と、先端部66b3とを有している。基部66b1と傾斜部66b2と先端部66b3とは、1枚の板材を折り曲げて形成されている。基部66b1は、風当て板66bの上部に設けられており、取付板66aの中間部66a3に取り付けられている。傾斜部66b2は、基部66b1から斜め下方に延設されている。詳しくは、傾斜部66b2は、下方に向かうにつれて基部66b1から離れる方向(流通路60側)に延設されている。傾斜部66b2の前後方向の幅は、電池セル8の前後方向の幅よりも大きく且つ電池モジュール7の前後方向の幅よりも小さい。先端部66b3は、傾斜部66b2の延設端から流通路60側へ向けて略水平に延びている。風当て板66bの先端部66b3は、筐体3の第2壁面32に近接している。先端部66b3の前後方向の幅は、傾斜部66b2の前後方向の幅に比べて小さい。つまり、傾斜部66b2の第2壁面32側には、先端部66b3が設けられている部分と設けられていない部分が存在する。これにより、傾斜部66b2の第2壁面32側において流通路60を流れる空気は、先端部66b3が設けられていない部分では、風当て板66bに当たらずに流れることができる。
図5に示すように、拡散部66は、当該拡散部66の少なくとも一部が、送風機5と電池モジュール7との並び方向(上下方向I)において、吹き出し部5aと重なるように配置されている。これにより、吹き出し部5aから吹き出された空気を、確実に拡散部66に衝突させて拡散させることが可能となる。
本実施形態の場合、図5に示すように、拡散部66は、前後方向において、吹き出し部5aの中心5fよりも第6壁面36側(前側)に偏位した位置に配置されている。より具体的には、拡散部66の前後方向の中心線66Lは、吹き出し部5aの中心5fよりも第6壁面36側(前側)に偏位した位置に配置されている。
また、吹き出し部5aの中心5fは、前後方向において、拡散部66の前端部と後端部との間に位置している。具体的には、吹き出し部5aの中心5fは、前後方向において、傾斜部66b2の前端部と後端部との間、及び、先端部66b3の前端部と後端部との間に位置している。言い換えれば、吹き出し部5aは、前後方向Cにおいて、傾斜部66b2及び先端部66b3とオーバーラップする位置にある。これにより、吹き出し部5aから吹き出されて吹き出し通路80から流通路60に流入した空気は、流通路60を流れる途中で、拡散部66の傾斜部66b2及び先端部66b3に衝突して、前後方向C(第2並列方向)に拡散する。
拡散部66に衝突した空気は、拡散することによって、流通面積が増加し且つ風速が低下した状態で、空気導入通路50に導かれる。つまり、吹き出し部5aから吹き出された空気は、拡散部66に衝突することによって、前後方向で吹き出し部5aに近い部分から遠い部分に向けて広がり、前後方向の風速分布が平均化した状態で、空気導入通路50に導かれる。これにより、空気導入通路50内の空気は、第1領域51と第2領域52の両方において静圧となる。また、拡散部66は、吹き出し部5aから吹き出された空気を、複数の第1取入部17Aの開口面積の比に基づいて、筐体3の内部空間に拡散して導く。詳しくは、拡散部66は、吹き出し部5aから吹き出された空気を、第1領域51に面する第1取入部17Aの開口面積S1と、第2領域52に面する第1取入部17Aの開口面積S2の比に基づいて、第1領域51と第2領域52とに拡散して導く。これにより、第1領域51に面する第1取入部17Aから収容室13へ流入する空気量と第2領域52に面する第1取入部17Aから収容室13へ流入する空気量とにバラツキが生じることが抑制される。そのために収容室13に収容された複数の電池2それぞれを流れる空気量にバラツキが生じることが抑制される。この結果、複数の電池2を均等に冷却することができる。
本実施形態の場合、開口面積S1と開口面積S2とが等しい。そのため、拡散部66は、吹き出し部5aから吹き出された空気を、第1領域51に流入する空気量と第2領域52に流入する空気量とが等しくなるように拡散して、第1領域51及び第2領域52に導く。また、第1領域51と第2領域52とは、収容室13よりも圧力が高い静圧となっている。そのため、第1領域51及び第2領域52に拡散して導かれた空気は、第1領域51に面する第1取入部17Aと、第2領域52に面する第1取入部17Aとから、同量ずつ収容室13に流入することとなる。これにより、空気流入量のばらつきに起因するショートサーキットの発生が防止され、収容室13に収容された電池2(電池モジュール7)を均等に冷却することができる。
尚、拡散部66は、第1領域51の容積V1と第2領域52の容積V2の比に応じて、空気を第1領域51と第2領域52とに拡散することもできる。この場合、静圧の空気が第1領域51と第2領域52にある状態となる。この場合において、第1領域51と第2領域52の容積比と、開口面積S1と開口面積S2の比とを等しく設定することにより、第1領域51に面する第1取入部17Aと、第2領域52に面する第1取入部17Aとに流入する空気量を等しくすることができる。
拡散部66が、吹き出し部5aから吹き出された空気を開口面積S1と開口面積S2の比に基づいて第1領域51と第2領域52とに拡散して導くための具体的方法として、例えば、下式(1)の関係式を満たすように、S1、S2、V1、V2を設定することができる。
S1×(1/V1)=S2×(1/V2)・・・式(1)
S1:第1領域51に面する第1取入部17Aの開口面積
S2:第2領域52に面する第1取入部17Aの開口面積
V1:第1領域51の容積
V2:第2領域52の容積
上式(1)の如く設定することにより、拡散部66により拡散されて空気導入通路50に流入した空気を、第1領域51に面する第1取入部17Aと第2領域52に面する第1取入部17Aとに均等に流入させることができる。
但し、拡散部66が、吹き出し部5aから吹き出された空気を開口面積S1と開口面積S2の比に基づいて第1領域51と第2領域52とに拡散して導くための方法は、上式(1)に基づく設定には限定されない。例えば、上式(1)に基づく設定に加えて或いは代えて、第1領域51と第2領域52のそれぞれの通路断面積(入端部50aの通路断面積など)、第1領域51と第2領域52のそれぞれの流体の抵抗に寄与する内部形状などの要素を考慮して設定することができる。
拡散部66が、吹き出し部5aから吹き出された空気を、複数の第1取入部17Aの開口面積の比に基づいて筐体3の内部空間に拡散して導く(具体的には、開口面積S1と開口面積S2の比に基づいて第1領域51と第2領域52とに拡散して導く)ための形態として、図14〜図16に示す形態を例示することができる。即ち、図14〜図16は、拡散部66の実施例を示している。
図14〜図16は、図5に対応する方向から筐体3の内部空間を見た図であって、送風機5の吹き出し部5aと拡散部66の風当て板66bのみを抽出して示している。図14〜図16において、一点鎖線で示す直線5Lは、吹き出し部5aの中心5fを通る上下方向(送風機5と電池2(電池モジュール7)の並び方向)の直線である。尚、以下の説明では、吹き出し部5aの中心5fを基準として風当て板66bを2つの部分(第1部分と第2部分)に分けているが、吹き出し部5aの別の部分(中心5f以外の部分)を基準として風当て板66bを第1部分と第2部分に分けてもよい。例えば、吹き出し部5aの中心5fを通る直線5Lが風当て板66bを通らない場合には、吹き出し部5aの中心5f以外の部分(例えば縁部など)を基準として風当て板66bを第1部分と第2部分に分けてもよい。
図14に示す形態(拡散部66の第1実施例)では、拡散部66の風当て板66bについて、吹き出し部5aの中心5fよりも第1領域51側に位置する部分(以下、第1部分という)の面積S3と、中心5fよりも第2領域52側に位置する部分(以下、第2部分という)の面積S4の大きさを、開口面積S1と開口面積S2の大きさに基づいて設定する。例えば、S1>S2の場合、S3<S4に設定する。具体的には、例えば、S1:S2=S4:S3となるように設定する。尚、面積S3と面積S4は、吹き出し部5aからの風が当たる面(受風面)の面積である。
図15に示す形態(拡散部66の第2実施例)では、拡散部66の風当て板66bについて、直線5Lを境界線(折り曲げ線)とする屈曲形状(V字形状)とする。詳しくは、風当て板66bについて、第1部分が直線5Lとなす角度(内角)αと、第2部分が直線5Lとなす角度(内角)βとを、開口面積S1と開口面積S2の大きさに基づいて設定する。例えば、S1>S2の場合、α<βに設定する。風当て板66bの第1部分の面積と第2部分の面積は、等しく設定することが好ましいが、異なっていてもよい。
図16に示す形態(拡散部66の第3実施例)は、拡散部66の風当て板66bについて、第1部分と第2部分に互いに異なる面積の開口を設ける形態である。詳しくは、第1部分に設ける開口66cの面積S5と、第2部分に設ける開口66dの面積S6とを、開口面積S1と開口面積S2の大きさに基づいて設定する。例えば、S1>S2の場合、S5>S6に設定する。具体的には、例えば、S1:S2=S5:S6となるように設定する。風当て板66bの第1部分の面積と第2部分の面積は、等しく設定することが好ましいが、異なっていてもよい。
図14〜図16に示す形態(第1〜第3実施例)は、単独で採用してもよいし、2つ以上を組み合わせて採用してもよい。例えば、面積に基づく設定(図14)と角度に基づく設定(図15)とを適当に組み合わせて採用してもよい。また、図14〜図16に示す形態を採用する際に、上述した他の要素(第1領域51と第2領域52のそれぞれの流体の抵抗に寄与する内部形状など)を考慮することもできる。
<電源装置の仕様>
電源装置1は、設置状態(使用状態)において、筐体3における電池2の他方側(第1壁面31側)が、筐体3における電池2の一方側(第3壁面33側)よりも、筐体3の外部に配置される熱源(以下、外部熱源という)から遠くに位置する仕様になっている。外部熱源は、例えば、後述する作業機100のエンジン113である。このような仕様とした場合、空気導入通路50が送風機5よりも外部熱源から遠くに位置することになる。これにより、空気導入通路50に導入された空気が外部熱源によって温められることを防止でき、電池2の冷却効率を向上させることができる。
また、電源装置1は、設置状態において、第3壁面33が外部熱源の上方に配置される仕様になっている。より詳しくは、電源装置1は、設置状態において、第3壁面33が第1壁面31に比べて外部熱源からの上下方向の距離が小さくなる仕様になっている。このような仕様とした場合、外部熱源によって第3壁面33が温められることになる。そのため、第3壁面33の内側を流れる空気の温度が低い場合、当該空気と第3壁面33との間で熱交換が起こり易くなる。本実施形態では、第3壁面33と熱交換器6との間に構成された受け入れ通路70cが、熱交換器6により冷却される前の空気を受け入れることから、受け入れ通路70cを流れる空気の温度が高く、当該空気と第3壁面33との間で熱交換が起こりにくい。
<その他>
電源装置1は、図示しない電池管理ユニットを備えている。電池管理ユニットは、電源装置1の電池2の蓄電量等を管理する装置である。電池管理ユニットは、入力回路、マイクロコンピュータ、出力回路を有している。マイクロコンピュータの記憶部には、電池2における電池電圧、充電電流、放電電流、電池温度等の電池データが随時蓄積される。また、電池管理ユニットは、送風機5の動作を制御する制御装置としても機能することができる。電池管理ユニットは、後述する作業機100に搭載された各種の電子制御機器と通信可能に構成されている。
本発明に係る電源装置1は、例えば、車両に搭載される。車両は、エンジンと電気モータとを組み合わせて駆動源とするハイブリッド式車両、電気モータを駆動源とする電動式車両等である。車両には、自動車の他に、作業装置を有する作業車両(作業機)が含まれる。また、電源装置1を、車両以外の移動用機械、例えば、航空機や船舶に搭載してもよい。移動用機械ではなく、他の装置(定置型の装置等)に搭載してもよい。
<作業機>
図17は、本発明に係る作業機100の側面図である。図17では、作業機100の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機100は、コンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類の作業機(作業車両)であってもよい。
作業機100は、機体101と、この機体101に装着した作業装置102と、機体101を支持する走行装置103とを備えている。以下、作業機100に関する説明において、作業機100の運転席105に着座した運転者の前側(図17の左側)を前方、運転者の後側(図17の右側)を後方、運転者の左側(図17の手前側)を左方、運転者の左側(図17の奥側)を右方として説明する。また、機体101の前後方向に直交する方向を、機体幅方向として説明する。
機体101の前上部には、キャビン104が搭載されている。キャビン104内には運転席105が設けられている。走行装置103は、機体101の右下部及び左下部にそれぞれ設けられており、油圧により駆動する。
作業装置102は、左のブーム106Lと、右のブーム106Rと、これらのブーム106L,106Rの先端に装着された作業具107と、を有している。作業具107は、本実施形態ではバケットであるが、バケットに代えて他の作業機を装着してもよい。ブーム106L,106Rは、第1リフトリンク108及び第2リフトリンク109により支持されている。ブーム106L,106Rは、油圧シリンダからなるリフトシリンダ110を伸縮させることにより上下に揺動する。ブーム106L,106Rの先端には、装着ブラケット111を介して作業具107が装着されている。作業具107は、油圧シリンダからなるチルトシリンダ112を伸縮させることにより揺動(スクイ・ダンプ動作)する。
図17に示すように、機体101には、エンジン(ディーゼルエンジン)113、回転電機114、駆動装置115が設けられている。
エンジン113は、機体101の後部に配置されている。エンジン113は、作業装置102を駆動するための動力を発生する。
回転電機114は、発電機、電動機、電動発電機(モータ・ジェネレータ)のいずれかである。本実施形態では、モータ・ジェネレータを採用している。回転電機114は、エンジン113の前方に配置されている。
駆動装置115は、エンジン113及び/又は回転電機114によって駆動される装置であり、主として作業装置102を駆動するための動力を発生する。具体的には、駆動装置115は、油圧アクチュエータである。油圧アクチュエータは、作業機100に搭載された油圧機器に作動油を供給するための油圧ポンプを含んでいる。
また、機体101には、電源装置1が配置されている。
先に説明(定義)した電源装置1の上、下、左、右の向き(図1〜図8等に矢印で示した向き)は、作業機100の上、下、左、右の向きと同じである。従って、筐体3の第1壁面31が作業機100の上側、第2壁面32が作業機100の右側、第3壁面33が作業機100の下側、第4壁面34が作業機100の左側、第5壁面35が作業機100の後側、第6壁面36が作業機100の前側に、それぞれ配置される。
電源装置1は、回転電機114が発電した電力を充電したり、充電した電力を回転電機114等に供給したりする。電源装置1の構成は、上述した通りである。電源装置1は、エンジン113の周囲に設けられ、エンジン113から発生した熱を受けることができる。本実施形態では、電源装置1は、エンジン113の上方に配置されているが、エンジン113の右方、左方、下方、後方等に配置してもよい。電源装置1をエンジン113の周囲に配置することにより、エンジン113から発生した熱(輻射熱)によって、電源装置1の雰囲気温度を、電源装置1が効率良く作動する温度域まで上昇させることができる。従って、電源装置1を温めるためのヒータを備えていなくても、エンジン113の駆動によって電源装置1を温めることができる。また、エンジン113の上方に電源装置1を配置することにより、電源装置1の温度上昇を早めることができる。これにより、寒冷地等で作業機100を駆動させる場合でも、電源装置1を短時間で作動させることができる。
電源装置1の筐体3の第3壁面33側の外部(電源装置1の下方)にエンジン113が配置されている。その結果、エンジン113は、筐体3の断熱部47(図2参照)が設けられた壁面(第2壁面32及び第3壁面33)の下方に位置している。これにより、エンジン113から発生した熱(輻射熱)により温められた空気が機体101内で上昇して、筐体3の壁面(第2壁面32及び第3壁面33)が温められたとしても、断熱部47によって当該壁面の熱が筐体3の内部空間に伝達されることが抑制される。そのため、エンジン113から発生する熱によって、筐体3の内部空間の温度が上昇して、送風機5の駆動による電池2の冷却効果が低下することが防止される。
エンジン113は、電源装置1の筐体3の第3壁面33側の外部(筐体3の下方)に配置されている。つまり、エンジン113は、筐体3の空気導入通路50と反対側の外部に配置されている。これにより、筐体3の空気導入通路50から収容室13に流入する前の空気が、エンジン113で発生する熱により温められることが防がれ、電池2の冷却効率が向上する。
作業機100は、エンジン113の動力で駆動装置115を駆動すること、エンジン113及び回転電機114の両方で駆動装置115を駆動すること、エンジン113の動力で回転電機114を作動させて発電することが可能である。即ち、本実施形態の作業機100は、パラレルハイブリッド式の作業機である。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。