JP7225084B2 - 電源装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された電源装置は、バッテリと、バッテリを収容するバッテリケースと、バッテリケース内部に設けられて内部を流れる冷媒とバッテリへ送る送風との熱交換により送風を冷却するエバポレータと、エバポレータにて発生した凝縮水をバッテリケースの外部に排出する排水ドレンと、を備えている。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであって、エバポレータにて発生した凝縮水が少ない場合等であっても凝縮水を確実に外部に排出することができる電源装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電源装置は、電池と、前記電池を冷却するための空気を吹き出す送風機と、前記空気を冷媒との熱交換によって冷却するエバポレータと、前記電池、前記送風機、前記エバポレータを収容する筐体であって、前記送風機により空気が吸い込まれる吸い込み室と、前記送風機から吹き出される空気を受け入れる吹き出し通路とを有する筐体と、前記吸い込み室と前記吹き出し通路とを仕切ることにより、前記送風機の駆動時において前記吹き出し通路を前記吸い込み室よりも高圧とする仕切り板と、前記エバポレータにて発生した凝縮水を前記筐体の外部に排出する排水機構と、を備え、前記排水機構は、一端部が前記吸い込み室に配置され且つ他端部が前記吹き出し通路に配置された移送管と、前記凝縮水を前記移送管の一端部から他端部へと移送するポンプと、前記移送管により前記吸い込み室から前記吹き出し通路に移送された後の凝縮水を前記筐体の外部へと排出する排出部と、開放時に前記排出部からの凝縮水の排出を許容し且つ閉鎖時に前記排出部からの凝縮水の排出を遮断するバルブと、制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記送風機の駆動時において、前記ポンプを停止し且つ前記バルブを開放し、前記送風機の停止時において、前記ポンプを駆動し且つ前記バルブを閉鎖する。
図1~図6に示すように、電源装置1は、電池2と、筐体3と、収容体4と、送風機5と、熱交換器6とを備えている。本実施形態の場合、電池2、収容体4、送風機5、熱交換器6は、筐体3の内部空間に格納されている。
以下、電源装置1の向きについて、図中の矢印A方向を前方、矢印B方向を後方、矢印C方向を前後方向、矢印D方向を右方、矢印E方向を左方、矢印G方向を上方、矢印H方向を下方として説明する。また、矢印F方向を左右方向又は筐体幅方向と称し、矢印I方向を上下方向と称する。
図2~図7等に示すように、電源装置1は、複数の電池2を備えている。電池2は、電池セルであってもよいし、複数の電池セルを含む電池モジュール(電池スタックともいう)であってもよい。本実施形態の場合、電池2は、電池モジュール7である。
図3~図5等に示すように、電池モジュール7は、複数の電池セル8を含んでいる。具体的には、電池モジュール7は、複数の電池セル8を一体化し且つ電気的に直列に接続して構成されている。電池セル8は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池、有機ラジカル電池等である。電池セル8は、一方向(厚み方向)の長さが他の方向の長さよりも小さい偏平状の直方体形状である。
モジュール間通路12は、第1モジュール間通路12Aと、第2モジュール間通路12Bとを有している。第1モジュール間通路12A及び第2モジュール間通路12Bは、上下方向に延びている。第1モジュール間通路12Aと第2モジュール間通路12Bとは、第1並列方向(左右方向F)に交互に設けられている。本実施形態の場合、第1モジュール間通路12Aは、電池モジュール7の第1並列方向(左右方向F)の中央に設けられている。第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで離間する位置に設けられている。本実施形態では、第2モジュール間通路12Bは、2つ設けられている。一方の第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで右側(第2壁面32側)に離間する位置に設けられている。他方の第2モジュール間通路12Bは、第1モジュール間通路12Aと1つの電池モジュール7を挟んで左側(第4壁面34側)に離間する位置に設けられている。
<筐体>
筐体3は、複数の壁面(内壁面)により囲まれる密閉された内部空間を形成しており、当該内部空間に電池2(電池モジュール7)等が格納されている。図1~図5等に示すように、複数の壁面は、第1壁面31、第2壁面32、第3壁面33、第4壁面34、第5壁面35、第6壁面36を含んでいる。
図6、図8、図9等に示すように、本体3Aは、側壁37と、底壁38と、フランジ部39とを有する。
側壁37は、底壁38の外縁から立ち上がっており、上面視にて略矩形枠状に構成されている。側壁37は、本体3Aの前、後、左、右の側壁を構成する4つの側壁(前側壁3
6A、後側壁35A、左側壁34A、右側壁32A)を有している。
図1、図6等に示すように、蓋体3Bは、側壁40と、上壁41と、フランジ部42とを有する。
側壁40は、上壁41の外縁から下方に延設されており、上面視にて略矩形枠状に構成されている。側壁40は、蓋体3Bの前、後、左、右の側壁を構成する4つの側壁(前側壁36B、後側壁35B、左側壁34B、右側壁32B)を有している。
図2、図3等に示すように、収容体4は、電池2を収容する収容室13を構成している。本実施形態の場合、収容体4は、複数の電池モジュール7を並列させて収容する収容室13を構成している。図6等に示すように、収容体4は、カバー14とブラケット15とから構成されている。
図3、図6に示すように、具体的には、カバー14は、外側凸部14a、内側凸部14b及び凹部14cを有している。外側凸部14aは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向C)の一方側(前側)及び他方側(後側)にそれぞれ設けられている。外側凸部14aは、筐体3の本体3Aのフランジ部39の上方に位置する。内側凸部14bは、2つの外側凸部14aの中間に、外側凸部14aと離間して設けられている。内側凸部14bは、電池モジュール7の第2並列方向(前後方向C)の中心の上方に位置する。
図6に示すように、ブラケット15は、底板15aと、側板15bと、延出部15cとを有している。
ンジ部39に形成された貫通孔39bとを重ねてボルト24を挿通し、当該ボルト24にナットを螺合する。これにより、図3、図4、図7に示すように、ブラケット15を筐体3の本体3Aに対して着脱可能に固定することができる。
複数の電池2(電池モジュール7)を収容体4(カバー14及びブラケット15)に保持した状態で、ブラケット15の締結部21を、筐体3の本体3Aのフランジ部39に対して締結することにより、複数の電池2(電池モジュール7)を収容体4と共に筐体3の内部空間に配置することができる。つまり、複数の電池2(電池モジュール7)を予め収容体4に収容した状態で(サブアッシした状態で)、当該収容体4を筐体3に対して固定することができる。そのため、複数の電池2(電池モジュール7)を筐体3に対して容易に組み付けることができ、電源装置1の組み立ての作業性が向上する。
図2、図3、図6等に示すように、送風機5は、電池2(電池モジュール7)の一方側(下方)に配置されている。具体的には、送風機5は、筐体3の第3壁面33と電池モジュール7との間に配置されている。送風機5は、ファンの回転により空気を吹き出す吹き出し部5aと、ファンに向けて空気を吸い込む吸い込み部5bを有している。送風機5のファンは、遠心ファン(シロッコファン、ブロワファン)であって、電動モータの駆動により回転する。吹き出し部5aは、電池モジュール7の一方側(下方)において、第2壁面32側(後方)に向けて配置されている。吸い込み部5bは、電池モジュール7の一方側(下方)において、第3壁面33側(下方)に向けて配置されている。送風機5は、電池2に蓄電された電力を用いて駆動することができる。送風機5は、電池2(電池モジュール7)を冷却するための空気を吹き出す。
支持板22aは、送風機5を固定するための複数の固定部22dを有している。支持板22aは、上面視にて略三角形状であって、固定部22dは3つの角部の近傍にそれぞれ設けられている。送風機5の周囲には、複数(3つ)のブラケット5cが取り付けられている。送風機5のブラケット5cは、固定具(ボルト及びナット)26により固定部22dに固定されている。これにより、送風機5は、支持板22aの下方に固定されて支持されている。
図11に示すように、延出板22bは、支持板22aの外縁から外方に突出して延びている。延出板22bは、導風筒5eの上板を構成している。つまり、延出板22b、下板5e1、前板5e2、後板5e3により、四角筒状の導風筒5eを構成している。図2に示すように、延出板22bは、送風機5を筐体3の内部空間に格納した状態において、第2壁面32側(右側)に延びている。
熱交換器6は、筐体3の内部空間を流通する空気を熱交換によって冷却する機器であり、本実施形態ではエバポレータが用いられている。熱交換器(エバポレータ)6は、電池2を冷却した空気を冷媒との熱交換によって冷却する。熱交換器6は、例えば、内部を冷媒が流通する複数のチューブと、これらのチューブと熱伝導可能に設けられる放熱用のフィンとを有する。熱交換器6のチューブ内を流れる冷媒と、チューブやフィンの周囲を通過する空気とが熱交換することにより、熱交換器6を通過する空気が冷却される。図6に示す熱交換器6の冷媒の入口6aと出口6bは、筐体3の左側壁34Aの左下部34cから筐体3の外部に突出する。
空気導入通路50は、複数の電池2の間に構成される空間に空気を導入するための通路である。本実施形態の場合、空気導入通路50は、複数の電池モジュール7の間に構成される空間(モジュール間通路)に空気を導入するための通路である。
図2~図5に示すように、筐体3の第1壁面31と電池2(電池モジュール7)との間に、電池モジュール7に空気を導入する空気導入通路50が構成されている。本実施形態では、空気導入通路50は、第1壁面31と、第1壁面31と対向する電池モジュール7の上面7a(より具体的には、カバー14の上面)とによって構成されている。つまり、筐体3の壁面(第1壁面31)が空気導入通路50の一部を構成している。言い換えれば、空気導入通路50は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。空気導入通路50は、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)の上面の全域に亘る上方に設けられている。
図2に示すように、筐体3の第2壁面32と電池2(電池モジュール7)との間に、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を空気導入通路50に導く流通路60が構成されている。流通路60は、送風機5から吹き出し通路80に吹き出された空気を空気導入通路50を介して電池2に向けて流通させる。本実施形態では、流通路60は、収容室13の外方(右方)において上下方向に延びている。
のダクトを使用せずに構成されている。流通路60は、複数の電池モジュール7(モジュール集合体20)の右面の全域にわたって、複数の電池モジュール7の右方に設けられている。
収容室13は、電池2(電池モジュール7)を収容する室であって、空気導入通路50に導入された空気が取り入れられる。収容室13は、空気導入通路50に導入された空気を取り入れる取入部を有している。図2に示すように、取入部は、第1取入部17Aと第2取入部23とを含んでいる。
第1取入部17Aから収容室13に取り入れられた空気は、第1モジュール間通路12Aを通って下方(送風機5側)に向けて流れる。当該空気は、第1モジュール間通路12Aが送出部16に面していないため、セル間通路11を介さずに送出部16から送り出されることはない。第1モジュール間通路12Aに流入した空気は、第1モジュール間通路12Aを挟んで隣り合う電池モジュール7それぞれのセル間通路11に分かれて流入する。第1モジュール間通路12Aからセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪うことで電池セル8を冷却し、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bに流入する。
上述した第1取入部17Aから取り入れられて第2モジュール間通路12Bに流入した空気と、第2取入部23から取り入れられて第2モジュール間通路12Bに流入した空気とは、第2モジュール間通路12Bで合流する。合流した空気は、第2モジュール間通路12Bを下方(送風機5側)に向けて流れ、第2モジュール間通路12Bに面した送出部16から送り出される。具体的には、左側の第2モジュール間通路12Bを通った空気は第1送出部161から送り出され、右側の第2モジュール間通路12Bを通った空気は第2送出部162から送り出される。つまり、第1取入部17Aから取り入れられて、第1モジュール間通路12A、セル間通路11、第2モジュール間通路12Bの順に通過した空気と、第2取入部23から取り入れられてセル間通路11、第2モジュール間通路12Bの順に通過した空気の両方が、送出部16から収容室13外に送り出される。
図2に示すように、第3壁面33と電池2(電池モジュール7)との間に、吸い込み室70が構成されている。吸い込み室70は、送風機5により空気が吸い込まれる室である。詳しくは、吸い込み室70は、収容室13を通過して電池2を冷却した後の空気を、送風機5の吸い込み部5bによって吸い込むための室である。
吸い込み室70は、送風機5及び熱交換器6を収容する収容領域70aと、収容領域70aとは別の領域70bとを有している。収容領域70aは、第3壁面33の底上部33aよりも下方(第3壁面33側)の領域である。収容領域70aには、後述する第1シール材61が配置される。別の領域70bは、第3壁面33の底上部33aよりも上方(第1壁面31側)の領域であり、ブラケット15の底板(区画板)15aの直下に位置している。
受け入れ通路70cは、収容室13の送出部16から送り出された空気であって熱交換器6により冷却される前の空気を受け入れる。受け入れ通路70cに受け入れられた空気は、送風機5の吸い込み部5bに向けて流れ、熱交換器6を通過することにより冷却される。熱交換器6により冷却された空気は、吸い込み部5bに吸い込まれて吹き出し部5a
から吹き出される。
吹き出し通路80は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を受け入れる通路であって、吹き出し部5aに面している。図5に示すように、吹き出し通路80は、複数の電池モジュール7の第2並列方向(前後方向)の一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。言い換えれば、吹き出し通路80は、複数の電池モジュール7における第2並列方向の中心から一方側(後側)に偏位した位置に設けられている。
図8、図9に示すように、吸い込み室70と吹き出し通路80とを仕切る仕切り板27は、第5壁面35の後中間部35b及び後下部35cから構成される第1側壁45と、第6壁面36の前中間部36b及び前下部36cから構成される第2側壁46との間に配置されている。第1側壁45は、吸い込み室70と吹き出し通路80の一部を構成している。第2側壁46は、第1側壁45と対向する吸い込み室70と吹き出し通路80の一部を構成している。第1側壁45及び第2側壁46は、第3壁面33と接続している。
れた空気が、そのまま(収容室13を通過せずに)吸い込み室70に戻ることが防がれる。尚、図1~図11では図示していないが、仕切り板27には後述する移送管101を挿通するための孔27eが形成されている(図12参照)。当該孔27eと移送管101との間はシール材により気密にシールされている。
<送風通路>
上述した空気導入通路50、流通路60及び吹き出し通路80は、送風通路30を構成している。図2に示すように、送風通路30は、吹き出し部5aから吹き出されて電池2(電池モジュール7)に案内される空気が流通する通路である。
収容室13の第2取入部23Bに面する中間通路75は、空気導入通路50を通過した空気が流入する通路である。中間通路75は、空気導入通路50を通過した空気を、第2取入部23Bへと導いて収容室13に流入させる。図2に示すように、中間通路75は、第4壁面34の左上部34aと電池モジュール7との間に構成されている。本実施形態では、中間通路75は、第4壁面34と、当該第4壁面34と対向する電池モジュール7の前面とによって構成されている。つまり、筐体3の第4壁面34は、中間通路75の一部を構成している。言い換えれば、中間通路75は、筐体3と別体のダクトを使用せずに構成されている。
図2~図4、図7に示すように、筐体3の内部空間には、シール材61~63が設けられている。シール材61~63は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気が、電池モジュール7を冷却することなく(収容室13を通過することなく)吸い込み室70へと導かれることを防止するために設けられている。シール材は、第1シール材61、第2シール材62、第3シール材63を含む。
であって且つ送出部16が形成されていない部分(以下、「該当部分」という)の全域に当接して設けられている。第1シール材61は、区画板15aの該当部分と第3壁面33の底上部33aとの間を封止している。これにより、区画板15aと第3壁面(反対壁面)33との間を、送出部16を遮ることなく第1シール材61で封止することができる。そのため、送出部16からの空気の送出を阻害することなく、送風機5から吹き出された空気がそのまま(収容室13を通過せずに)第3壁面(反対壁面)33と区画板15aとの間から吸い込み室70へと入ることを防止できる。
図3、図4、図7に示すように、第2シール材62は、第6壁面36と収容体4の第1側板151bとの間、及び、第5壁面35と収容体4の第2側板152bとの間を封止している。これにより、送風機5から吹き出された空気がそのまま(収容室13を通過せずに)第6壁面36と第1側板151bとの間、及び第5壁面35と第2側板152bとの間から吸い込み室70へと入ることを防止できる。
図3、図4、図7に示すように、第3シール材63は、第2並列方向(前後方向C)に隣り合う電池モジュール7の間を封止している。これにより、第1取入部17Aから収容室13に取り入れられた空気が、そのまま(セル間通路11を通過せずに)送出部16から送り出されることを防止できる。
ここで、筐体3の内部空間における空気の流れについて、図2を参照して説明する。図2において、電池セル8の熱を奪う前の冷たい空気の流れを白い矢印で示し、電池セル8の熱を奪った後の暖かい空気の流れを黒い矢印で示している。
流通路60に流入した空気は、第3壁面33側(下側)から第1壁面31側(上側)に向かって流れた後、第2方向転換部30bに当たって方向転換して、空気導入通路50に流入する。流通路60に流入した空気の一部は、空気導入通路50に流入することなく、第2取入部23Aから収容室13内に取り入れられて、セル間通路11に流入する。
第1モジュール間通路12Aからセル間通路11に流入した空気及び第2取入部23A、23Bからセル間通路11に流入した空気は、セル間通路11を通過するときに電池セル8の熱を奪い、暖かい空気となって第2モジュール間通路12Bへと流れる。
上述したように、送風機5から吹き出された空気は、筐体3の内部空間を循環しながら電池2を冷却する。これにより、電池2の温度上昇による性能の低下を抑制することができる。
図2に示すように、電池2(電池モジュール7)と第1壁面31との間には、拡散部66が設けられている。拡散部66は、送風機5の吹き出し部5aから吹き出された空気を筐体3の内部空間へ拡散させる。拡散部66は、流通路60に設けられており、吹き出し通路80から流通路60に流入した空気を拡散する。図5中の矢印は、流通路60に流入した空気が拡散部66によって拡散している様子を模式的に示している。
電源装置1は、図示しない電池管理ユニットを備えている。電池管理ユニットは、電源装置1の電池2の蓄電量等を管理する装置である。電池管理ユニットは、入力回路、マイクロコンピュータ、出力回路を有している。マイクロコンピュータの記憶部には、電池2における電池電圧、充電電流、放電電流、電池温度等の電池データが随時蓄積される。また、電池管理ユニットは、送風機5等の動作を制御する制御装置としても機能することができる。電池管理ユニットは、車両等に搭載された各種の電子制御機器と通信可能に構成されている。
電源装置1は、熱交換器(エバポレータ)6にて発生した凝縮水を筐体3の外部に排出する排水機構100を備えている。凝縮水は、筐体3内の空気中の水分が熱交換器6の表面等で凝縮(結露)することにより生じる。図12~図16に示すように、排水機構100は、移送管101、ポンプ102、排出部103、バルブ104、制御装置105を有している。尚、図12~図16は図2の一部を拡大した図であるが、排水機構100は図12~図16のみに示しており、その他の図(図2等)では省略している。
移送管101は、熱交換器6にて発生した凝縮水Wを吸い込み室70から吹き出し通路80に移送するための管である。移送管101は、一端部が吸い込み室70に配置され且つ他端部が吹き出し通路80に配置されている。移送管101は、仕切り板27に形成された孔27eに挿通されることにより、吸い込み室70から吹き出し通路80に亘って延びている。熱交換器6の下方には、熱交換器6にて発生して落下した凝縮水Wを受ける水受け部106が設けられている。移送管101の一端部は、水受け部106に接続されている。水受け部106は、筐体3と別体物であってもよいし、筐体3の一部として(筐体3と一体的に)設けられていてもよい。
38)を貫通して筐体3の外部に至る排出管から構成されている。以下、排出部103を構成する排出管を「排出管103」という。排出管103は、吹き出し通路80の底壁38Aを貫通している。排出管103の中途部にはバルブ104が設けられている。
バルブ104は、開放時に排出管(排出部)103からの凝縮水の排出を許容し且つ閉鎖時に排出管103からの凝縮水の排出を遮断する。バルブ104は、例えば、電動バルブや電磁バルブ等から構成される。本実施形態の場合、バルブ104は、筐体3の外部に配置されているが、筐体3の内部に配置されていてもよい。また、後述する他の実施形態においても、バルブ104は、筐体3の外部に配置されていてもよいし、筐体3の外部に配置されていてもよい。
図13は、排水機構100の第二実施形態を示している。
第二実施形態に係る排水機構100は、溜水部108が筐体3の吹き出し通路80の底
面に形成された凹部である。溜水部108を構成する凹部は、吹き出し通路80の底面の一部を下方に向けて凹ませて形成されている。吐出管107の端部は溜水部108の上方に配置されており、吐出管107から吐出された凝縮水は溜水部108に落下して溜まる。
第一実施形態と同様に、排出部(排出管)103は、ポンプ102から吐出された凝縮水を筐体の外部へと排出するが、ポンプ102と接続されておらず、ポンプ102から吐出されて溜水部108に溜まった凝縮水を排出する。排出部(排出管)103の中途部にはバルブ104が設けられている。バルブ104及び制御装置105の構成及び動作については第一実施形態と同様である。
第三実施形態に係る排水機構100は、第二実施形態と同様に、溜水部108が筐体3の吹き出し通路80の底面に形成された凹部である。溜水部108を構成する凹部は、吹き出し通路80の底面の一部を下方に向けて凹ませて形成されている。吐出管107の端部は溜水部108の上方に配置されており、吐出管107から吐出された凝縮水は溜水部108に落下して溜まる。
図15は、排水機構100の第四実施形態を示している。
第四実施形態に係る排水機構100は、排出部を構成する排出管103が開口部103aを有している。開口部103aは、排出管103の管壁を貫通する孔である。開口部103aは、排出管103の上流側(ポンプ102側)に設けられる。
排出管103の一端部は、ポンプ102の吐出口と接続されている。排出管103の他端部は、筐体3の壁(底壁38)を貫通して筐体3の外部に至っている。排出管103の中途部にはバルブ104が設けられている。排出部103、バルブ104及び制御装置105の構成及び動作については、第一実施形態と同様である。
図16は、排水機構100の第五実施形態を示している。
第五実施形態に係る排水機構100は、バルブ104が筐体3の外部ではなく内部に配置されている。また、排出部103が筐体3の底壁38ではなく側壁(右側壁32A)に設けられている。排出部(排出管)103は、ポンプ102の吐出口とバルブ104の入口ポートとを接続する第1排出管103Aと、バルブ104の出口ポートから筐体3の右側壁32Aを貫通して筐体3の外部に至る第2排出管103Bとを有している。
第五実施形態の排水機構100によれば、バルブ104が筐体3の内部に配置されているため、筐体3の外部にバルブ104を配置した場合に比べて電源装置1の外形を小さくすることができる。また、排出部103が筐体3の側壁(右側壁32A)に設けられているため、筐体3の下方に凝縮水が排出されることを防ぐことができる。
また、上記第一実施形態~第五実施形態において、流通路60に邪魔板110(図12参照)を設けることができる。邪魔板110は、ポンプ102から吐出された凝縮水が吹き出し通路80に吹き出された空気と共に電池2に向けて移動することを妨げる。図12は第一実施形態において流通路60に邪魔板110を設けた場合を示しているが、他の実施形態においても同様の邪魔板110を設けることができる。
上記した邪魔板110を設けることによって、吹き出し通路80に移送されてきた凝縮水が送風機5から吹き出される空気(風)により飛散したとしても、当該飛散した凝縮水
は邪魔板110に当たって流通路60を通過できなくなる。そのため、凝縮水が空気と共に電池2に向けて移動することを妨げることができる。尚、邪魔板110を設ける場合、邪魔板110の下方に溜水部108を設けることが好ましい。これにより、邪魔板110に付着した凝縮水が落下したときに、当該凝縮水を溜水部108で受けることができる。
本発明に係る電源装置1は、例えば、車両に搭載される。車両は、エンジンと電気モータとを組み合わせて駆動源とするハイブリッド式車両、電気モータを駆動源とする電動式車両等である。車両には、自動車の他に、作業装置を有する作業車両(作業機)が含まれる。また、電源装置1を、車両以外の移動用機械、例えば、航空機や船舶に搭載してもよい。移動用機械ではなく、他の装置(定置型の装置等)に搭載してもよい。
2 電池
3 筐体
5 送風機
6 熱交換器(エバポレータ)
27 仕切り板
70 吸い込み室
80 吹き出し通路
80a 傾斜底面
100 排水機構
101 移送管
102 ポンプ
103 排出部(排出管)
103a 開口部
104 バルブ
105 制御装置
108 溜水部
110 邪魔板
Claims (6)
- 電池と、
前記電池を冷却するための空気を吹き出す送風機と、
前記空気を冷媒との熱交換によって冷却するエバポレータと、
前記電池、前記送風機、前記エバポレータを収容する筐体であって、前記送風機により空気が吸い込まれる吸い込み室と、前記送風機から吹き出される空気を受け入れる吹き出し通路とを有する筐体と、
前記吸い込み室と前記吹き出し通路とを仕切ることにより、前記送風機の駆動時において前記吹き出し通路を前記吸い込み室よりも高圧とする仕切り板と、
前記エバポレータにて発生した凝縮水を前記筐体の外部に排出する排水機構と、
を備え、
前記排水機構は、一端部が前記吸い込み室に配置され且つ他端部が前記吹き出し通路に配置された移送管と、前記凝縮水を前記移送管の一端部から他端部へと移送するポンプと、前記移送管により前記吸い込み室から前記吹き出し通路に移送された後の凝縮水を前記筐体の外部へと排出する排出部と、開放時に前記排出部からの凝縮水の排出を許容し且つ閉鎖時に前記排出部からの凝縮水の排出を遮断するバルブと、制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記送風機の駆動時において、前記ポンプを停止し且つ前記バルブを開放し、
前記送風機の停止時において、前記ポンプを駆動し且つ前記バルブを閉鎖する電源装置。 - 前記吹き出し通路は、前記移送管により移送され且つ前記ポンプから吐出された凝縮水を溜める溜水部を有し、
前記排出部は、前記溜水部に溜まった凝縮水を排出する請求項1に記載の電源装置。 - 前記溜水部は、前記筐体の前記吹き出し通路の底面に形成された凹部であり、
前記排出部は、前記溜水部の底部に設けられている請求項2に記載の電源装置。 - 前記吹き出し通路は、前記溜水部に向けて下向きに傾斜した傾斜底面を有し、
前記ポンプは、前記傾斜底面の上方に凝縮水を吐出する請求項3に記載の電源装置。 - 前記排出部は、前記移送管により移送され且つ前記ポンプから吐出された凝縮水を前記筐体の外部に導く排出管を有し、
前記排出管は、前記送風機の駆動時において前記吹き出し通路内の空気の圧力を受け入れる開口部を有している請求項1に記載の電源装置。 - 前記筐体は、前記送風機から前記吹き出し通路に吹き出された空気を前記電池に向けて流通させる流通路を有し、
前記流通路には、前記ポンプから吐出された凝縮水が前記空気と共に前記電池に向けて移動することを妨げる邪魔板が設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の電源装置。
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