以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態の収納装置1の斜視図である。収納装置1は、例えば図2に示されるように、フロアーキャビネット10(調理台)の上方に位置するように台所の壁11に沿って設置され、食器乾燥機として利用される。
なお、以下では、収納装置1が設置された状態を基準にした方向を用いて説明する。具体的には、図1において、矢印D1で示す方向を前方、矢印D2で示す方向を後方、矢印D3で示す方向を左方、矢印D4で示す方向を右方として説明する。
図2に示されるように、収納装置1は、物品を収納可能な収納庫2を備えている。本実施形態の収納庫2は、外箱3と、外箱3に収納可能で外箱3に対して昇降可能な昇降棚4とで構成されている。
外箱3は、下方に開口した矩形箱状に形成されている。外箱3は、天板30、前板31、左右一対の側板32,33(図3参照)、および背板34を備えている。
前板31、天板30、一対の側板32,33、および背板34は、それぞれ矩形板状である。前板31、天板30、一対の側板32,33、および背板34は木製であって、具体的には合板から形成されている。なお、前板31、天板30、一対の側板32,33および背板34のそれぞれは、例えば合板以外の木材から形成されてもよいし、金属や合成樹脂等のその他の材料から形成されてもよい。
本実施形態の外箱3は、前板31の下方に設けられた幕板35をさらに備えている。外箱3の前面は、前板31と幕板35とで構成されている。外箱3の上面、左右の側面、および後面は、天板30、一対の側板32,33および背板34のそれぞれで構成されている。
昇降棚4は、図3に示されるように、前方に開口した矩形箱状に形成されており、例えば金属製である。なお、昇降棚4は、木材や合成樹脂等のその他の材料から形成されてもよい。
昇降棚4は、底壁部40、一対の側壁部41,42(図3参照)、天井壁部43、および後壁部44を備えている。一対の側壁部41,42は、底壁部40の両側端部のそれぞれから上方に向かって突出している。天井壁部43は、一対の側壁部41,42の上端部同士を連結している。後壁部44は、一対の側壁部41,42の後端部同士を連結している。
昇降棚4の下面、左右の側面、上面、および後面は、それぞれ底壁部40、一対の側壁部41,42、天井壁部43、および後壁部44で構成されている。なお、昇降棚4は物品を載置可能な部分を備えたものであればよく、その形状は特に制限されない。例えば昇降棚4は、前方および上方が開口した箱状であってもよい。
本実施形態の収納装置1は、昇降棚4を昇降する昇降装置25をさらに備えている。昇降装置25は外箱3の内側に位置し、外箱3に取り付けられている。
昇降装置25は、昇降棚4を図1に示される収納位置と、図5に示される突出位置との間で昇降させる。図1に示されるように、昇降棚4が収納位置に位置するとき、昇降棚4は外箱3に収納される。また、このように昇降棚4が収納位置に位置するとき、外箱3の下端開口は、昇降棚4の底壁部40によって閉塞される。図5に示されるように、昇降棚4が突出位置に位置するとき、昇降棚4は、外箱3の下端開口から下方に突出する。
図3に示されるように、昇降装置25は、モーター26、巻取ドラム27、および索28を備えている。巻取ドラム27はモーター26の駆動に連動して回転する。巻取ドラム27と昇降棚4は、索28で連結されており、昇降棚4は索28を介して巻取ドラム27に吊り下げられている。
昇降棚4は、昇降装置25のモーター26の駆動に伴って昇降する。すなわち、モーター26の駆動軸が正転して巻取ドラム27が回転すると、巻取ドラム27によって索28が巻き取られて昇降棚4が上昇する。また、モーター26の駆動軸が逆転して、巻取ドラム27がモーター26の正転時とは逆方向に回転すると、巻取ドラム27から索28が繰り出されて昇降棚4が下降する。
本実施形態の収納装置1は、幕板35に設けられた操作部36をさらに備えている。前述の昇降装置25による昇降棚4の昇降は、利用者による操作部36の操作に応じて行われる。なお、操作部36が設けられる箇所は、幕板35に限られない。操作部36は、例えば前板31や昇降棚4に設けられてもよい。
利用者は、操作部36を操作することで、昇降装置25を駆動して昇降棚4を突出位置まで移動させ、昇降棚4を利用者から近い位置に配置できる。このようにすることで、利用者は昇降棚4に食器等の物品を容易に載せることが可能になる。また、利用者は、操作部36を操作することで、昇降装置25を駆動して昇降棚4を収納位置まで移動させ、昇降棚4に載せた物品を収納庫2に容易に収納できる。
なお、昇降装置25は、例えば昇降棚4に連結されたアームやねじ棒等をモーターにより駆動することで、昇降棚4を昇降させる装置であってもよい。また、昇降装置25は省略可能であり、例えば外箱3には昇降棚4を上下動可能に支持する機構だけが設けられてもよい。この場合、利用者は手動により昇降棚4を昇降させる。
収納装置1は、加熱装置20をさらに備えている。本実施形態の加熱装置20は、収納位置に位置した昇降棚4の内側に温風を供給する温風供給装置で構成されており、外箱3に設けられている。
加熱装置20は、収納庫2に収納された物品を加熱する。具体的に加熱装置20は、外箱3の天板30の下面に取り付けられており、外箱3の内部の上端部に位置している。加熱装置20は、外郭を構成するケース21と、ケース21に設けられたファン22およびヒーター23を備えている。
昇降棚4の天井壁部43には、上下方向に貫通した通気口45が形成されている。ファン22は、ケース21内に外箱3の外部の空気を取り込み、この空気を収納位置に配置された昇降棚4の通気口45を介して当該昇降棚4の内側に吹き出す。ヒーター23は、ファン22によってケース21から昇降棚4に吹き出される空気を加熱する。
前述の加熱装置20の入切は、利用者による操作部36の操作に応じて切り替えられる。昇降棚4が収納位置に位置した状態で加熱装置20が駆動されてファン22およびヒーター23の運転が開始されると、ファン22によってケース21下方の外箱3内の空気がケース21内に吸い込まれる。この空気は、ヒーター23で加熱された後、通気口45を介して昇降棚4の内側に吹き出される。これにより、収納庫2(昇降棚4)に収納された物品は加熱されて乾燥する。
なお、加熱装置20は温風供給装置に制限されず、例えば外箱3内を加熱するためのヒーター等であってもよい。
収納装置1は、収納庫2の外部を照らす照明装置5をさらに備えている。本実施形態の照明装置5は、収納庫2の前端部の下端部に位置するように収納庫2内に設けられており、収納庫2の下面から収納庫2の下方に向かって光を出す。なお、照明装置5は、外箱3内の他部に設けられてもよいし、外箱3の外面に取り付けられてもよい。また、照明装置5によって照らされる領域は、収納庫2の下方の領域に限られず、例えば外箱3の前方の領域等であってもよい。
照明装置5は、図4に示されるように、遮熱部材50、放熱部材51、発光装置7、保持具8、およびカバー52を備えている。
遮熱部材50は、左右方向に延びた矩形板状であって、前板31の下端部の後面に沿っている。遮熱部材50は、図3に示されるように、外箱3の一対の側板32,33間に亘っている。遮熱部材50の左右両端部は、対応する側板32,33に連結されている。
遮熱部材50は、断熱性の優れた材料から形成されている。遮熱部材50は、例えば、合板やパーチ材等の木材、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、グラスウール等の断熱材、あるいはゴムなどから形成される。
図4に示されるように、遮熱部材50の下方には、放熱部材51が設けられている。放熱部材51は、ねじ止めにより遮熱部材50に固定されている。
放熱部材51はアルミニウム製であって、伝熱性に優れている。放熱部材51は、後述する発光装置7が有する各回路基板71,72よりも熱膨張率が小さい。なお、放熱部材51は、ステンレス等の金属や、その他の伝熱性の優れた材料から形成されてもよい。
図6Aは、カバー52の図示を省略した収納装置1の底面図である。図6Aに示されるように放熱部材51は左右方向に延びた長尺部材である。
図4に示されるように放熱部材51は、遮熱部材50の下端面に沿って配置された収納部53と、遮熱部材50の前面に沿って配置された突片部54とを備えている。
収納部53は、放熱部材51の下端部に形成されている。収納部53は、図6Aに示されるように左右方向に延びており、外箱3の一対の側板32,33間に亘っている。
図4に示されるように、収納部53は、長手方向と直交した断面形状が下方に開口した略C字状(コ字状)である。収納部53は、上片部55と、上片部55の前端部から下方に向かって突出した前片部56と、上片部55の後端部から下方に向かって突出した後片部57とを備えている。収納部53には、上片部55、前片部56、および後片部57で構成され、下方に開口した溝部58が形成されている。
突片部54は、上片部55の前縁部から上方に向かって突出している。突片部54は、収納部53と一体に形成されており、収納部53の左右方向の全長に亘っている。突片部54の前面と、前片部56の前面は面一である。突片部54の前面と前片部56の前面とで、放熱部材51の前面が構成されている。
上片部55の上面および突片部54の後面は、遮熱部材50で覆われている。このため、収納庫2内が加熱装置20により加熱されたときに、収納庫2内の熱が放熱部材51に伝わりにくい。
放熱部材51の収納部53には、発光装置7が収納されている。すなわち、本実施形態の放熱部材51は、発光装置7を収納するケーシングを兼ねている。
放熱部材51は、左右方向(長手方向)に沿う一面である基板配置面59を備えている。本実施形態では、上片部55の下面の前後両端部に、下方に向かって突出し左右方向に延びた突条部60,61が上片部55の左右方向の全長に亘って形成されており、上片部55の下面において前後の突条部60,61の間の部分が基板配置面59となっている。
発光装置7は、収納部53の溝部58に収納されている。図6Aに示されるように、発光装置7は、左右方向(放熱部材51の長手方向)に並べて設けられた複数の回路基板71,72と、各回路基板71,72に設けられた光源部73とを備えている。
本実施形態の発光装置7は、2枚の回路基板71,72を備えている。なお、発光装置7は、3枚以上の回路基板を備えてもよい。
左右の回路基板71,72のそれぞれは、基板配置面59に沿って左右方向に延びた矩形板状に形成されている。各回路基板71,72は、紙にエポキシ樹脂を含浸させた材料から製造されたプリント基板(紙エポキシ基板)である。なお、各回路基板71,72は、紙フェノール基板や、ガラスコンポジット基板等であってもよい。
左右の回路基板71,72のそれぞれは、上面(厚み方向の一面)が基板配置面59に接触した状態で、放熱部材51の溝部58に収納されている。左右の回路基板71,72は、左右方向に離間して位置している。
以下、必要に応じて、左右の回路基板71,72のうち、左側に位置した一方の回路基板71を一方回路基板71といい、右側に位置した他方の回路基板72を他方回路基板72という。
図7に示されるように、一方回路基板71と他方回路基板72は、配線74を介して電気接続されている。これにより、一方回路基板71と他方回路基板72のうちのいずれか一方が電源に接続されるだけで、左右の回路基板71,72に光源部73を発光させるための電力が供給される。本実施形態では、他方回路基板72が電源に接続され、他方回路基板72から配線74を介して一方回路基板71に電力が供給される。配線74は、基板配置面59において一方回路基板71と他方回路基板72との間に亘る領域に沿って位置している。
左右の回路基板71,72のそれぞれは、上片部55の前後の突条部60,61によって前後方向の移動が規制されている。なお、前後の突条部60,61の間隔は、各回路基板71,72の前後幅よりも僅かに大きく、各回路基板71,72は、前後の突条部60,61の少なくとも一方との間に隙間62が形成されるように位置している。隙間62は、各回路基板71,72の前後方向の熱膨張を許容する。
図6Aに示されるように、左右の回路基板71,72のそれぞれに設けられた光源部73は、左右方向(回路基板71,72の長手方向)に並べて設けられた複数の発光素子75を備えている。本実施形態の発光素子75は発光ダイオードであって、各発光素子75は、対応する回路基板71,72の下面に実装されている。
各発光素子75は、回路基板71,72に設けられた回路を介して電力が供給されることで、下方に光を発する。なお、光源部73が備える発光素子75は、発光ダイオードに限られず、例えば電球形蛍光灯や白熱電球等であってもよい。
放熱部材51には、複数の回路基板71,72を、各回路基板71,72の左右方向の膨張を許容しつつ保持する保持具8が設けられている。
本実施形態の保持具8は、図6Aに示されるように、放熱部材51の基板配置面59に沿って左右方向に並べて設けられた複数の保持部材81,82を備えている。本実施形態では、放熱部材51において、一方回路基板71の左側端部、一方回路基板71と他方回路基板72との間、および他方回路基板72の右側端部のそれぞれに対応する箇所に、保持部材81,82が設けられている。
各保持部材81,82は、対応する回路基板71,72の長さ方向の端部を保持している。これにより、各回路基板71,72は、基板配置面59において当該回路基板71,72の左右の端部に対応する箇所にそれぞれ設けられた保持部材81,82によって保持されている。
複数の保持部材81,82は、左右の回路基板71,72の間に設けられた第1の保持部材81と、一方回路基板71の左側端部および他方回路基板72の右側端部のそれぞれに設けられた第2の保持部材82とを含む。すなわち、第1の保持部材81と第2の保持部材82は、左右方向において交互に設けられている。
左右の回路基板71,72は、共に第1の保持部材81側の端部が第1の保持部材81によって保持されている。また、左右の回路基板71,72のそれぞれの第1の保持部材81とは反対側の端部は、対応する第2の保持部材82によって保持されている。
図7に示されるように、第1の保持部材81は、ボス部84を備えている。ボス部84は上下両側が開口した円筒状に形成されており、上下方向に貫通したねじ挿通孔85を備えている。第1の保持部材81は、ねじ挿通孔85に下方(基板配置面59とは反対側)から挿入したねじ86を上片部55にねじ込むことで、放熱部材51に取り付けられている。
ここで、第1の保持部材81は、上下方向(回路基板71,72の厚み方向)に見たときに、放熱部材51において左右の回路基板71,72同士を接続した配線74と重ならない箇所に設けられている。このため、第1の保持部材81をねじ86により放熱部材51に取り付けるときには、左右の回路基板71,72を接続した配線74が、第1の保持部材81と放熱部材51との間に挟まれにくい。
第1の保持部材81は、ボス部84の下部から左右両側に突出した押さえ部91,92をさらに備えている。以下、必要に応じて、ボス部84の左側(一方回路基板71側)に位置した押さえ部91を第1の押さえ部91といい、ボス部84の右側(他方回路基板72側)に位置した押さえ部92を第2の押さえ部92という。
第1の押さえ部91と基板配置面59の間には、一方回路基板71の右側(第1の保持部材81側)の端部が位置している。一方回路基板71の右側の端面は、ボス部84に対向している。一方回路基板71の右側端部の下面(基板配置面59と反対側の面)は、第1の押さえ部91に対向している。
他方回路基板72の左側(第1の保持部材81側)の端部は、第2の押さえ部92と基板配置面59の間に位置している。他方回路基板72の左側の端面は、ボス部84に対向している。他方回路基板72の左側端部の下面は、第2の押さえ部92に対向している。
第1の保持部材81が備えたボス部84の左右の壁部87,88のそれぞれは、対応する回路基板71,72がその長手方向における外側に向かって移動することを規制する第1の移動規制部を構成している。また、第1の押さえ部91および第2の押さえ部92のそれぞれは、対応する回路基板71,72が下方(基板配置面59とは反対側)に向かって移動することを規制する第2の移動規制部を構成している。
一方回路基板71の右側端部は、前述のようにボス部84の左側の壁部87(第1の移動規制部)および第1の押さえ部91(第2の移動規制部)によって移動が規制されることで、第1の保持部材81に保持されている。すなわち、本実施形態の第1の保持部材81の左側には、ボス部84の左側の壁部87と第1の押さえ部91によって構成された保持部89が設けられており、この保持部89によって一方回路基板71の右側端部が保持されている。以下、この保持部89を一方保持部89という。
また、他方回路基板72の左側端部は、前述のようにボス部84の右側の壁部88(第1の移動規制部)および第2の押さえ部92(第2の移動規制部)によって移動が規制されることで、第1の保持部材81に保持されている。すなわち、本実施形態の第1の保持部材81の右側には、ボス部84の右側の壁部88と第2の押さえ部92によって構成された保持部90が設けられており、この保持部90によって他方回路基板72の左側端部が保持されている。以下、この保持部90を他方保持部90という。すなわち、本実施形態の第1の保持部材81は、一方保持部89と、一方保持部89と一体に形成された他方保持部90とを備えた部材である。なお、一方保持部89と他方保持部90は、別体であってもよい。
図6Aに示されるように、放熱部材51において各回路基板71,72の第1の保持部材81とは反対側の端部に対応する箇所に設けられた第2の保持部材82は、第1の保持部材81と基本的な構成要素が同じである。このため、以下では、各第2の保持部材82において第1の保持部材81と共通する構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
各第2の保持部材82は、図8に示されるように、ボス部84の上端部から前後両側に突出した回転規制部93,94を備えている。ここで、作業者が第2の保持部材82をねじ86によって放熱部材51に取り付けるにあたって、ねじ挿通孔85に挿通したねじ86を放熱部材51にねじ込むとき、当該第2の保持部材82はねじ86と共に上下軸回りに回転する可能性がある。しかし、本実施形態では、第2の保持部材82の前後の回転規制部93,94が、対応する回路基板71,72の第1の保持部材81とは反対側の端面に接触し、これにより第2の保持部材82の前記回転が規制される。このため、作業者は、第2の保持部材82を放熱部材51に簡単に取り付けることができる。なお、第2の保持部材82は、対応する回路基板71,72の第1の保持部材81側の端部が第1の保持部材81によって保持された状態で、放熱部材51に取り付けられる。このため、前述のように第2の保持部材82の回転規制部93,94が対応する回路基板71,72の端面に接触しても、当該回路基板71,72は動きにくくなっている。
各第2の保持部材82は、ボス部84の対応する回路基板71,72側の壁部87,88によって、当該回路基板71,72がその長手方向における外側に向かって移動することを規制する。また、各第2の保持部材82は、対応する回路基板71,72側の押さえ部91,92により、当該回路基板71,72が下方に向かって移動することを規制する。これにより、各回路基板71,72の第1の保持部材81とは反対側の端部が対応する第2の保持部材82により保持されている。すなわち、本実施形態の第2の保持部材82は、左右両側の保持部89,90のうちの一方の保持部89,90を用いて対応する回路基板71,72の端部を保持している。
なお、本実施形態の第2の保持部材82は、左右両側に保持部89,90が形成されているが、対応する回路基板71,72側にのみ保持部89,90が形成されてもよい。
図6Bに示されるように、左右方向において隣り合う保持部材81,82のボス部84同士の間隔L1は、当該両保持部材81,82の間に配置される回路基板71,72の左右方向の長さL2よりも大きい。このため、当該両保持部材81,82のうちの少なくとも一方の保持部材81,82のボス部84と、これに対応する回路基板71,72の長さ方向の端面との間には、図9に示されるような隙間83が形成される。この隙間83は、対応する回路基板71,72の左右方向の熱膨張を許容する。このような隙間83を設けることで、回路基板71,72が左右方向に熱膨張したときに、当該回路基板71,72の左右両端面が対応する保持部材81,82に接触して当該回路基板71,72が反るといった事態が生じにくい。すなわち、隣り合う保持部材81,82のボス部84の間隔L1から、両保持部材81,82の間に配置される回路基板71,72の長さL2を減じた寸法L3(L3=L1−L2)は、当該回路基板71,72の左右方向の熱膨張を許容できる寸法である。
各保持部材81,82の左右の押さえ部91,92は、図9に示されるように、基板配置面59までの上下寸法が、対応する回路基板71,72の厚みよりも大きい。このため、各回路基板71,72の左右両端部のそれぞれの上面と、対応する押さえ部91の下面との間には、隙間95が形成されるようになっている。この隙間95は、対応する回路基板71,72の上下方向の熱膨張を許容する。なお、前述した寸法L3は、各回路基板71,72の左右方向の熱膨張量が上下方向の熱膨張量よりも大きいことを考慮して、隙間95の上下寸法よりも大きく設定されることが好ましい。
なお、本実施形態の保持具8は、各回路基板71,72の左右方向の膨張を許容するための隙間62を介して複数の回路基板71,72を保持しているが、保持具8はこれに制限されない。保持具8は、例えば各回路基板71,72を左右方向にスライド可能に保持する保持部材を備え、これら保持部材で複数の回路基板71,72を保持するものであってもよい。
図4に示されるように、放熱部材51の溝部58の下開口部63は、収納位置に位置した昇降棚4の下面と略同じ高さに位置している。溝部58の下開口部63には、当該下開口部63を塞いで、溝部58の内側にごみや埃等が入り込むことを抑制するカバー52が設けられている。
カバー52は、各回路基板71,72の下方に位置している。カバー52は、透光性を有しており、各回路基板71,72の光源部73から下方に照射された光は、カバー52を透過する。
カバー52は、各回路基板71,72の光源部73から照射された光を拡散する。このため、各回路基板71,72の光源部73から下方に照射された光は、カバー52にて均一化された後、カバー52の下方に出る。なお、本実施形態のカバー52は乳白色に着色されているが、その他の色が着色されてもよいし、無色であってもよい。また、カバー52は、光源部73からの光を後方や前方に傾けて出射する機能などを備えてもよい。また、カバー52は省略可能である。
照明装置5による照明の入切は、利用者による操作部36の操作に応じて切り替えられる。利用者が操作部36を操作することで、照明装置5の各回路基板71,72の光源部73(複数の発光素子75)は発光する。このように各回路基板71,72の光源部73が発光すると、各回路基板71,72の光源部73から発せられた光は、カバー52を透って、収納部53の下方に出射する。この光はカバー52の左右方向に延びた広い領域から出射され、この光により収納庫2の下方が広範囲にわたって照明される。
放熱部材51の前方には、前述した幕板35が位置している。幕板35は、放熱部材51の前面に沿っている。幕板35は、例えばねじ止めと掛止により放熱部材51に固定される。なお、幕板35は、接着剤等を用いて放熱部材51に取り付けられてもよい。
幕板35は、左右方向に延びた長尺部材である。幕板35は、金属製であって、具体的にはアルミニウム製である。なお、幕板35は、例えば合成樹脂や木材等のその他の材料から形成されてもよい。
幕板35は、前板31の下方に位置した溝状部37と、前板31の下端部後方に位置した板状部38とを備えている。
溝状部37は、放熱部材51の前面および前板31の下端面に沿って左右方向に延びている。溝状部37は、長手方向と直交した断面形状が後方に開口した断面略C字状(コ字状)に形成されている。溝状部37の上面は、前板31の下端面に接し、溝状部37の前面は、前板31の前面と略面一である。溝状部37の前面には、前述した操作部36が設けられている。
板状部38は、溝状部37の上面部の後縁部から上方に向かって突出している。板状部38の後面は、放熱部材51の突片部54の前面に接しており、これにより、幕板35は放熱部材51に熱的に接続されている。
前述の照明装置5による照明が行われたとき、各光源部73や各回路基板71,72で発生した熱は、放熱部材51に伝わり、放熱部材51で放散される。また、放熱部材51の熱の一部は、幕板35に伝わってこの幕板35においても放散される。従って、発光装置7は高温になりにくい。
また、照明装置5の発光装置7は、放熱部材51に収納され、かつこの放熱部材51の表面において収納庫2内に臨む部分は、遮熱部材50によって覆われている。このため、加熱装置20により収納庫2内に発生した熱は、遮熱部材50および放熱部材51により遮られて発光装置7に伝わりにくい。
また、本実施形態の発光装置7は、図6Aに示されるように、左右方向に並ぶ複数の回路基板71,72を備えているため、回路基板71,72が長手方向に熱膨張したときに反りにくい。例えば発光装置7が、本実施形態の回路基板71,72の2枚分の長さを有する回路基板を一枚のみ備え、この回路基板が本実施形態と同様に、保持具8により長手方向の両端部が保持されているとする。この場合、回路基板は長手方向に大きく熱膨張し、当該回路基板の長手方向の両端部が保持部材81に接触して回路基板が反る可能性がある。このように回路基板が反ると、回路基板の基板配置面59との接触面積が小さくなり、発光装置7の放熱効率が低下する可能性もある。また、この回路基板の長手方向の両端部と対応する保持部材81との間の隙間83の左右寸法を大きくすれば、回路基板の反りは生じにくくなる。しかし、この場合は、回路基板が左右方向に大きく移動しやすくなり、保持具8により回路基板をしっかりと保持することが難しい。これに対して、本実施形態の発光装置7は、左右方向に並ぶ複数の回路基板71,72を備えているので、回路基板71,72一枚当たりの左右方向の熱膨張量は小さくなる。従って、保持具8により各回路基板71,72はしっかりと保持され、かつ各回路基板71,72の反りの発生が抑制される。
以上説明した本実施形態の収納装置1は、以下の特徴を有している。収納装置1は、物品を収納可能な収納庫2と、収納庫2に収納された物品を加熱する加熱装置20と、収納庫2に設けられた照明装置5とを備える。照明装置5は、一方向に延びた放熱部材51と、複数の回路基板71,72と、各回路基板71,72に設けられた光源部73とを備える。放熱部材51は、その長手方向に沿う一面である基板配置面59を備える。複数の回路基板71,72は、放熱部材51の長手方向に並べて設けられる。各回路基板71,72は、基板配置面59に沿って放熱部材51の長手方向に延びた板状に形成される。照明装置5は、放熱部材51に設けられて複数の回路基板71,72を各回路基板71,72の長手方向の膨張を許容しつつ保持する保持具8をさらに備える。
この特徴を有する収納装置1は、加熱装置20により発生した熱が照明装置5に伝わったとしても、この熱は放熱部材51により放散される。このため、発光装置7が高温になって故障等の不具合が生じることが抑制される。また、保持具8は、複数の回路基板71,72を各回路基板71,72の長手方向の熱膨張を許容しつつ保持する。このため、仮に加熱装置20により発生した熱が回路基板71,72に伝わって回路基板71,72が熱膨張したとしても、各回路基板71,72は反りにくい。また、発光装置7は、左右方向に並ぶ複数の回路基板71,72を備えている。このため、前述したように、回路基板を一枚のみ備える場合と比較して、保持具8により各回路基板71,72がしっかりと保持され、かつ各回路基板71,72の反りの発生が抑制される。
また、本実施形態の収納装置1は、以下の付加的な特徴を有している。各光源部73は、回路基板71,72の長手方向に複数並べて設けられた発光ダイオードを備える。
この特徴を有する収納装置1は、各回路基板71,72に設けられた複数の発光ダイオードにより、放熱部材51の長手方向の広い範囲に亘って照明できる。
また、本実施形態の収納装置1は、以下の付加的な特徴を有している。保持具8は、基板配置面59において各回路基板71,72の長手方向の両端部のそれぞれに対応する箇所に設けられて、対応する回路基板71,72の長手方向の端部を保持する保持部89,90を備える。各保持部89,90は、第1の移動規制部(ボス部84の壁部87,88)と、第2の移動規制部(押さえ部91,92)とを備える。第1の移動規制部は、対応する回路基板71,72の長手方向の端面に対向し、当該回路基板71,72がその長手方向における外側に向かって移動することを規制する。第2の移動規制部は、対応する回路基板71,72の長手方向の端部の基板配置面59とは反対側の面に対向し、当該回路基板71,72が基板配置面59とは反対側に移動することを規制する。各回路基板71,72の長手方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部を保持する保持部89,90は、第1の移動規制部と、対応する回路基板71,72の長手方向の端面との間に、隙間83が形成されるように設けられる。
この特徴を有する収納装置1は、各回路基板71,72の長手方向の端部が対応する保持部89,90により保持される。すなわち、各保持部89,90は、第1の移動規制部により対応する回路基板71,72が長手方向の外側に移動することを規制する。また、各保持部89,90は、第2の移動規制部により当該回路基板71,72が基板配置面59とは反対側に移動することを規制する。そして、これにより、各保持部89,90により対応する回路基板71,72の長手方向の端部が保持される。
また、本実施形態の収納装置1は、以下の付加的な特徴を有している。保持具8は、放熱部材51の長手方向に離間して並んだ回路基板71,72の間に位置して、基板配置面59に取り付けられた保持部材81(第1の保持部材81)を備える。保持部材81の両側に配置された回路基板71,72のうちの一方の回路基板71を一方回路基板71とすると共に他方の回路基板72を他方回路基板72とする。保持部材81は、保持部として、一方回路基板71の他方回路基板72側の端部を保持する一方保持部89と、一方保持部89と一体に形成され、他方回路基板72の一方回路基板71側の端部を保持する他方保持部90とを備える。
この特徴を有する収納装置1は、隣り合う回路基板71,72の間に設けられた保持部材81の一方保持部89と他方保持部90とが一体に形成されるため、部品点数の増加が抑制され、容易に製造できる。
また、本実施形態の収納装置1は、以下の付加的な特徴を有している。収納装置1は、一方回路基板71と他方回路基板72とを電気接続した配線74をさらに備える。配線74は、基板配置面59において一方回路基板71と他方回路基板72との間に亘る領域に沿って位置する。保持部材81は、回路基板71,72の厚み方向で見たときに、配線74と重ならない位置に設けられている。
この特徴を有する収納装置1は、隣り合う回路基板71,72の間に設けられた保持部材81が放熱部材51に取り付けられるとき、当該保持部材81が配線74に接触しにくい。このため、作業者は、保持部材81を放熱部材51に容易に取り付けることができる。
なお、本実施形態の収納装置1は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。