本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内の第1軸であるX軸と平行な方向をX軸方向、所定面内において第1軸と直交する第2軸であるY軸と平行な方向をY軸方向、第1軸及び第2軸と直交する第3軸であるZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。第3軸は、所定面と直交する。また、X軸方向の一方向を+X方向とし、+X方向の逆方向を−X方向とする。Y軸方向の一方向を+Y方向とし、+Y方向の逆方向を−Y方向とする。Z軸方向の一方向を+Z方向とし、+Z方向の逆方向を−Z方向とする。本実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は鉛直方向である。以下の説明においては、所定面を適宜、XY平面、と称する。
図1は、本実施形態に係る投射型表示装置100の一例を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る投射型表示装置100の一例を模式的に示す斜視図である。図1及び図2に示すように、投射型表示装置100は、光(光源光)を射出する光源装置1と、第1色分離素子11及び第2色分離素子12を有し、光源装置1から射出された光を色分離して第1色光Lb、第2色光Lg、及び第3色光Lrを生成する照明光学系10と、照明光学系10で生成された第1色光Lb、第2色光Lg、及び第3色光Lrの光路のそれぞれに配置され、画像データに基づいて第1色光Lb、第2色光Lg、及び第3色光Lrのそれぞれを光変調する第1反射型液晶パネル31、第2反射型液晶パネル32、及び第3反射型液晶パネル33と、第1反射型液晶パネル31、第2反射型液晶パネル32、及び第3反射型液晶パネル33で光変調された第1色光Lb、第2色光Lg、及び第3色光Lrを合成して合成光を生成する合成光学系40と、合成光学系40で生成された合成光を投射する投射光学系50とを備える。
光源装置1は、光源光である白色光を発生する。本実施形態において、光源装置1は、励起光を射出する固体光源2と、励起光が照射されることにより蛍光を発生する蛍光体3と、固体光源2から射出された励起光を蛍光体3に導くハーフミラー4と、蛍光体3に照射される励起光を集光する集光光学系5とを有する。固体光源2は、レーザダイオード(Laser Diode:LD)を含む。固体光源2は、励起光として青色レーザ光を射出する。固定光源2から射出された励起光は、ハーフミラー4及び集光光学系5を介して蛍光体3に照射される。励起光が照射されることにより、蛍光体3は黄色の蛍光を発生する。励起光と蛍光とに基づいて白色光が発生する。光源装置1で発生した白色光は、照明光学系10に入射する。
照明光学系10は、光源装置1から射出された光を色分離して複数の色光Lb,Lg,Lrを生成する。照明光学系10は、第1色光Lbを第1反射型液晶パネル31に入射させ、第2色光Lgを第2反射型液晶パネル32に入射させ、第3色光Lrを第3反射型液晶パネル33に入射させる。照明光学系10は、光源装置1からの光が入射するインテグレータ光学系6と、インテグレータ光学系6から射出された光から第1色光Lbを分離して、−X方向に射出する第1色分離素子11と、第1色分離素子11から射出された光Lgrを第2色光Lgと第3色光Lrとに分離して、第2色光Lgを−X方向に射出し、第3色光Lrを+Y方向に射出する第2色分離素子12と、第1色分離素子11から射出された第1色光Lbを+Z方向に反射する第1反射部材13と、第2色分離素子12から射出された第2色光Lgを+Z方向に反射する第2反射部材14と、第2色分離素子12から射出された第3色光Lrを+Z方向に反射する第3反射部材15と、第1色光Lbの光路に配置され、正立像を形成するリレー光学系20とを備える。
インテグレータ光学系6は、光源装置1から射出された光の照度を均一化する。インテグレータ光学系6は、第1レンズアレイ6Aと、第2レンズアレイ6Bと、偏光変換素子7と、コンデンサレンズ8とを含む。インテグレータ光学系6の光軸は、Y軸と平行である。インテグレータ光学系6から射出される光は、+Y方向に進行する。
第1レンズアレイ6Aは、XZ平面内においてマトリクス状に配置される複数のマイクロレンズを有する。第2レンズアレイ6Bは、XZ平面内においてマトリクス状に配置される複数のマイクロレンズを有する。第1レンズアレイ6Aの複数のマイクロレンズと第2レンズアレイ6Bの複数のマイクロレンズとは1対1で対応する。偏光変換素子7は、複数の偏光変換ユニットを有する。偏光変換ユニットは、偏光分離膜、反射ミラー、及び位相板を含む。第2レンズアレイ6Bの複数のマイクロレンズと偏光変換素子7の複数の偏光変換ユニットとは1対1で対応する。
光源装置1から射出されインテグレータ光学系6に入射した光は、第1レンズアレイ6Aの複数のマイクロレンズのそれぞれに入射する。第1レンズアレイ6Aの複数のマイクロレンズのそれぞれには、マイクロレンズの位置に応じて、インテグレータ光学系6の入射面に入射する光のうち一部の光が入射する。そのため、各マイクロレンズが受光する光は異なる。第1レンズアレイ6Aの各マイクロレンズは、光源装置1から射出された光を、第1レンズアレイ6Aの各マイクロレンズに対応する第2レンズアレイ6Bの各マイクロレンズに集光する。第2レンズアレイ6Bの複数のマイクロレンズのそれぞれに2次光源像が形成される。第2レンズアレイ6Bは、第1レンズアレイ6Aの光学的な瞳を構成する。
第2レンズアレイ6Bの各マイクロレンズに形成された2次光源像からの光は、第2レンズアレイ6Bのマイクロレンズに対応する偏光変換素子7の各偏光変換ユニットに入射する。偏光変換ユニットに入射した光は、偏光分離膜により第1偏光状態の光と第2偏光状態の光とに分離される。偏光分離膜により分離された第2偏光状態の光は、反射ミラーで反射した後、位相板を通過することにより、第1偏光状態の光に変換される。すなわち、光源装置1から射出された光は、偏光変換素子7を通過することにより、第1偏光状態の光に変換される。
複数の偏光変換ユニットのそれぞれから射出された光は、コンデンサレンズ8に入射する。コンデンサレンズ8は、複数の偏光変換ユニットのそれぞれから射出された光を1の光束に重畳させる。これにより、第1反射型液晶パネル31、第2反射型液晶パネル32、及び第3反射型液晶パネル33のそれぞれにおける照度分布が均一化される。
なお、インテグレータ光学系6が、ロッドインテグレータを含んでもよい。
第1色分離素子11は、インテグレータ光学系6の+Y側に配置される。第1色分離素子11は、ダイクロイックミラーを含む。第1色分離素子11は、光源装置1から射出されインテグレータ光学系6を透過した光から第1色光Lbを分離する。本実施形態において、第1色分離素子11は、光源装置1からの白色光を、第1色光Lbである青色光と、青色光とは別の波長の光Lgrとに分離する。青色光である第1色光Lbは、第1色分離素子11で反射して、−X方向に進行する。青色光とは別の波長の光Lgrは、第1色分離素子11を透過して、+Y方向に進行する。
第2色分離素子12は、第1色分離素子11の+Y側に配置される。第2色分離素子12は、ダイクロイックミラーを含む。第2色分離素子12は、第1色分離素子11から射出された青色光とは別の波長の光Lgrを第2色光Lgと第3色光Lrとに分離する。本実施形態において、第2色分離素子12は、第1色分離素子11から射出された光Lgrを、第2色光Lgである緑色光と、第3色光Lrである赤色光とに分離する。緑色光である第2色光Lgは、第2色分離素子12で反射して、−X方向に進行する。赤色光である第3色光Lrは、第2色分離素子12を透過して、+Y方向に進行する。
第1反射部材13は、第1色分離素子11からの第1色光Lbを+Z方向に反射する。本実施形態において、照明光学系10は、第1色分離素子11と第1反射部材13との間に配置される第4反射部材16を有する。第4反射部材16は、第1色分離素子11からの第1色光Lbを+Y方向に反射する。第4反射部材16は、第1色分離素子11の−X側に配置される。第1色分離素子11から−X方向に進行する第1色光Lbは、第4反射部材16の反射面16Aで反射して、+Y方向に進行する。第1反射部材13は、第4反射部材16の+Y側に配置される。第4反射部材16から+Y方向に進行する第1色光Lbは、第1反射部材13の反射面13Aで反射して、+Z方向に進行する。
第2反射部材14は、第2色分離素子12からの第2色光Lgを+Z方向に反射する。第2反射部材14は、第2色分離素子12の−X側に配置される。第2色分離素子12から−X方向に進行する第2色光Lgは、第2反射部材14の反射面14Aで反射して、+Z方向に進行する。
第3反射部材15は、第2色分離素子12からの第3色光Lrを+Z方向に反射する。第3反射部材15は、第2色分離素子12の+Y側に配置される。第2色分離素子12から+Y方向に進行する第3色光Lrは、第3反射部材15の反射面15Aで反射して、+Z方向に進行する。
本実施形態において、第1反射部材13の反射面13Aと第3反射部材15の反射面15Aとは平行である。第1反射部材13の反射面13Aは、X軸と平行であり、+Y方向に向かって+Z方向に傾斜する。同様に、第3反射部材15の反射面15Aは、X軸と平行であり、+Y方向に向かって+Z方向に傾斜する。
本実施形態において、第1反射部材13の反射面13Aと第3反射部材15の反射面15Aとは同一平面内に配置される。第1反射部材13の反射面13A及び第3反射部材15の反射面15Aを含む平面と第2反射部材14の反射面14Aを含む平面とは直交する。本実施形態において、第2反射部材14の反射面14Aは、Y軸と平行であり、−X方向に向かって+Z方向に傾斜する。
リレー光学系20は、第1色分離素子11と第1反射型液晶パネル31との間の第1色光Lbの光路に配置される。本実施形態において、リレー光学系20は、第1色分離素子11と第1反射部材13との間の第1色光Lbの光路に配置される。リレー光学系20は、リレー光学系20の物体面側の物体の正立像をリレー光学系20の像面側に結像する。
リレー光学系20は、第1色分離素子11と第4反射部材16との間に配置される第1集光レンズ21と、第4反射部材16と第1反射部材13との間に配置される第2集光レンズ22及び第3集光レンズ23とを有する。第1集光レンズ21、第2集光レンズ22、及び第3集光レンズ23はそれぞれ、凸レンズである。第3集光レンズ23は、第2レンズアレイ6Bと光学的に共役である。第3集光レンズ23と第2レンズアレイ6Bとが光学的に共役であり、第2レンズアレイ6Bが第1レンズアレイ6Aの瞳として作用するため、第2レンズアレイ6Bと第3集光レンズ23との間に第1レンズアレイ6Aの各マイクロレンズの像が結像される。
本実施形態において、リレー光学系20は、リレー光学系20の像面側に物体の正立像を形成する。例えば、リレー光学系20の物体面側に像Xが形成されている場合、リレー光学系20は、第1色分離素子11と像面である第1反射型液晶パネル31との間で像Xの倒立像を形成し、リレー光学系20の像面側に像Xの正立像を形成する。本実施形態において、像Xとは、光源装置1から射出され第1レンズアレイ6Aの複数のマイクロレンズのそれぞれが受光した光の一部の像のそれぞれのことをいう。
第1反射型液晶パネル31は、第1色光Lbの光路に配置される。第1反射型液晶パネル31は、画像データに基づいて、第1反射部材13からの第1色光Lbを光変調する光変調素子である。第1反射型液晶パネル31は、第1反射部材13の+Z側に配置される。第1反射部材13から+Z方向に進行する第1色光Lbは、第1反射型液晶パネル31に入射する。
第1反射型液晶パネル31は、第1反射部材13からの第1色光Lbが入射する第1入射面31Aを有する。第1反射型液晶パネル31は、第1反射部材13からの第1色光Lbを−Z方向に反射する。
第2反射型液晶パネル32は、第2色光Lgの光路に配置される。第2反射型液晶パネル32は、画像データに基づいて、第2反射部材14からの第2色光Lgを光変調する光変調素子である。第2反射型液晶パネル32は、第2反射部材14の+Z側に配置される。第2反射部材14から+Z方向に進行する第2色光Lgは、第2反射型液晶パネル32に入射する。
第2反射型液晶パネル32は、第2反射部材14からの第2色光Lgが入射する第2入射面32Aを有する。第2反射型液晶パネル32は、第2反射部材14からの第2色光Lgを−Z方向に反射する。
第3反射型液晶パネル33は、第3色光Lrの光路に配置される。第3反射型液晶パネル33は、画像データに基づいて、第3反射部材15からの第3色光Lrを光変調する光変調素子である。第3反射型液晶パネル33は、第3反射部材15の+Z側に配置される。第3反射部材15から+Z方向に進行する第3色光Lrは、第3反射型液晶パネル33に入射する。
第3反射型液晶パネル33は、第3反射部材15からの第3色光Lrが入射する第3入射面33Aを有する。第3反射型液晶パネル33は、第3反射部材15からの第3色光Lrを−Z方向に反射する。
第1反射型液晶パネル31の第1入射面31Aは、XY平面と平行であり、−Z方向を向く。同様に、第2反射型液晶パネル32の第2入射面32A及び第3反射型液晶パネル33の第3入射面33Aは、XY平面と平行であり、−Z方向を向く。本実施形態において、第1反射型液晶パネル31の第1入射面31Aと、第2反射型液晶パネル32の第2入射面と、第3反射型液晶パネル33の第3入射面33Aとは、XY平面と平行な同一平面内に配置される。
第1反射部材13と第1反射型液晶パネル31との間の第1色光Lbの光路に第1偏光子61及び第2偏光子62が配置される。第2反射部材14と第2反射型液晶パネル32との間の第2色光Lgの光路に第3偏光子63及び第4偏光子64が配置される。第3反射部材15と第3反射型液晶パネル33との間の第3色光Lrの光路に第5偏光子65及び第6偏光子66が配置される。
第1偏光子61は、第1反射部材13で反射した第1偏光状態の第1色光Lbを透過させる。第1偏光子61を透過した第1偏光状態の第1色光Lbは、第2偏光子62を介して、第1反射型液晶パネル31に入射する。第1反射型液晶パネル31は、第1偏光子61からの第1色光Lbを画像データに基づいて光変調する。第2偏光子62は、第1偏光子61と第1反射型液晶パネル31との間の第1色光Lbの光路に配置される。第2偏光子62は、第1偏光子61からの第1偏光状態の第1色光Lbを透過させ、第1反射型液晶パネル31からの第2偏光状態の第1色光Lbを合成光学系40に反射する。
第3偏光子63は、第2反射部材14で反射した第1偏光状態の第2色光Lgを透過させる。第3偏光子63を透過した第1偏光状態の第2色光Lgは、第4偏光子64を介して、第2反射型液晶パネル32に入射する。第2反射型液晶パネル32は、第3偏光子63からの第2色光Lgを画像データに基づいて光変調する。第4偏光子64は、第3偏光子63と第2反射型液晶パネル32との間の第2色光Lgの光路に配置される。第4偏光子64は、第3偏光子63からの第1偏光状態の第2色光Lgを透過させ、第2反射型液晶パネル32からの第2偏光状態の第2色光Lgを合成光学系40に反射する。
第5偏光子65は、第3反射部材15で反射した第1偏光状態の第3色光Lrを透過させる。第5偏光子65を透過した第1偏光状態の第3色光Lrは、第6偏光子66を介して、第3反射型液晶パネル33に入射する。第3反射型液晶パネル33は、第5偏光子65からの第3色光Lrを画像データに基づいて光変調する。第6偏光子66は、第5偏光子65と第3反射型液晶パネル33との間の第3色光Lrの光路に配置される。第6偏光子66は、第5偏光子65からの第1偏光状態の第3色光Lrを透過させ、第3反射型液晶パネル33からの第2偏光状態の第3色光Lrを合成光学系40に反射する。
第2偏光子62と合成光学系40との間の第1色光Lbの光路に、透過型偏光子67が配置される。透過型偏光子67は、第2偏光子62から合成光学系40に射出される第1色光Lbのうち第2偏光状態の第1色光Lbを透過し、不要な第1偏光状態の第1色光Lbの透過を妨げる。
第4偏光子64と合成光学系40との間の第2色光Lgの光路に、透過型偏光子68が配置される。透過型偏光子68は、第4偏光子64から合成光学系40に射出される第2色光Lgのうち第2偏光状態の第2色光Lgを透過し、不要な第1偏光状態の第2色光Lgの透過を妨げる。
第6偏光子66と合成光学系40との間の第3色光Lrの光路に、透過型偏光子69が配置される。透過型偏光子69は、第6偏光子66から合成光学系40に射出される第3色光Lrのうち第2偏光状態の第3色光Lrを透過し、不要な第1偏光状態の第3色光Lrの透過を妨げる。
なお、第1偏光状態とは、例えばP偏光状態である。第2偏光状態とは、例えばS偏光状態である。
本実施形態においては、第1,第2,第3反射型液晶パネル31,32,33の第1,第2,第3入射面31A,32A,33Aと、第1レンズアレイ6Aの複数のマイクロレンズのそれぞれとが光学的に共役である。そのため、第1,第2,第3反射型液晶パネル31,32,33の第1,第2,第3入射面31A,32A,33Aにおいて、第1レンズアレイ6Aの複数のマイクロレンズの像のそれぞれが重畳される。これにより、第1,第2,第3反射型液晶パネル31,32,33の第1,第2,第3入射面31A,32A,33Aにおける照度分布が均一化される。
合成光学系40は、第1反射型液晶パネル31で光変調され第2偏光子62で反射された第1色光Lbと、第2反射型液晶パネル32で光変調され第4偏光子64で反射された第2色光Lgと、第3反射型液晶パネル33で光変調され第6偏光子66で反射された第3色光Lrとを合成して合成光を生成する。本実施形態において、合成光学系40は、クロスダイクロイックプリズムを含む。合成光学系40は、第1反射型液晶パネル31で光変調され第2偏光子62で反射した第1色光Lbが入射する入射面41と、第2反射型液晶パネル32で光変調され第4偏光子64で反射した第2色光Lgが入射する入射面42と、第3反射型液晶パネル33で光変調され第6偏光子66で反射した第3色光Lrが入射する入射面43と、合成光を射出する射出面46とを有する。
入射面41は、YZ平面と平行であり、−X方向を向く。入射面42は、XZ平面と平行であり、−Y方向を向く。入射面43は、YZ平面と平行であり、+X方向を向く。射出面46は、XZ平面と平行であり、+Y方向を向く。
合成光学系40は、入射面41から入射した第1色光Lbと入射面42から入射した第2色光Lgとを合成する第1合成面44と、入射面43から入射した第3色光Lrと入射面42から入射した第2色光Lgとを合成する第2合成面45とを有する。第1合成面44及び第2合成面45は、Z軸と平行である。第1合成面44と第2合成面45とは直交する。
投射光学系50は、第1反射型液晶パネル31で光変調され第2偏光子62で反射された第1色光Lbと、第2反射型液晶パネル32で光変調され第4偏光子64で反射された第2色光Lgと、第3反射型液晶パネル33で光変調され第6偏光子66で反射された第3色光Lrとが合成光学系40で合成されることによって生成され、射出面46から射出された合成光をスクリーン70に投射する。
図3は、本実施形態に係る投射型表示装置100の一部を模式的に示す断面図である。図3は、第1反射型液晶パネル31と、第1反射型液晶パネル31と第1反射部材13との間の第1色光Lbの光路に配置される第1偏光子61及び第2偏光子62と、第2偏光子62と合成光学系40との間の第1色光Lbの光路に配置される透過型偏光子67とを模式的に示す図である。
図2及び図3に示すように、第1反射型液晶パネル31は、合成光学系40よりも+Z方向に配置される。第2偏光子62は、第1反射型液晶パネル31の−Z側に配置される。第1偏光子61は、第2偏光子62の−Z側に配置される。
第1反射型液晶パネル31は、透明電極を有する透明基板34と、反射電極を有するアクティブマトリクス基板35と、透明基板34とアクティブマトリクス基板35との間に設けられる液晶層36とを有する。液晶層36に面する透明基板34の表面に配向膜37が設けられる。液晶層36に面するアクティブマトリクス基板35の表面に配向膜37が設けられる。
反射電極は、アクティブマトリクス基板35において、画素毎にマトリクス状に配置される。透明基板34とアクティブマトリクス基板35とは、透明電極と反射電極とが対向するように配置される。透明基板34の外面は、第1入射面31Aを含む。液晶層36は、透明電極と反射電極との間に配置されるネマティック液晶を含む。ネマティック液晶は、負の誘電異方性である。ネマティック液晶は、プレチルト角が付与された状態で、透明基板34とアクティブマトリクス基板35との間に設けられる。
第1偏光子61は、ワイヤグリッド偏光子である。第1偏光子61は、第1反射部材13と第1反射型液晶パネル31との間の第1色光Lbの光路に配置される。第1偏光子61は、第1反射部材13で反射した第1偏光状態の第1色光Lbを透過させる。第1偏光子61を透過した第1色光Lbは、第2偏光子62を介して第1反射型液晶パネル31に入射する。第1反射型液晶パネル31は、第2偏光子62からの第1色光Lbを画像データに基づいて光変調する。本実施形態においては、偏光変換素子7により、第1偏光子61には第1偏光状態の第1色光Lbが入射する。第1偏光子61は、第1反射部材13からの第1偏光状態の第1色光Lbを透過させる。
第2偏光子62は、ワイヤグリッド偏光子である。第2偏光子62は、第1偏光子61と第1反射型液晶パネル31との間の第1色光Lbの光路に配置される。第2偏光子62は、第1偏光子61からの第1偏光状態の第1色光Lbを透過させる。第2偏光子62を透過した第1色光Lbは、第1反射型液晶パネル31の透明基板34の第1入射面31Aに入射する。第1入射面31Aに入射した第1色光Lbは、透明基板34を介して液晶層36に入射し、液晶層36を通過した後、アクティブマトリクス基板35の反射電極で反射する。アクティブマトリクス基板35の反射電極で反射した第1色光Lbは、再び液晶層36を通過した後、第1反射型液晶パネル31の透明基板34から射出される。第1反射型液晶パネル31から第2偏光状態の第1色光Lbが射出される。第1反射型液晶パネル31から射出された第2偏光状態の第1色光Lbは、第2偏光子62に入射する。
第2偏光子62は、第1反射型液晶パネル31からの第2偏光状態の第1色光Lbを+X方向に反射する。第2偏光子62は、第1反射型液晶パネル31からの第2偏光状態の第1色光Lbを反射して、合成光学系40に送る。第2偏光子62で反射して+X方向に進行する第1色光Lbは、透過型偏光子67を介して、合成光学系40に入射する。透過型偏光子67により、第2偏光子62から合成光学系40に供給される第1色光Lbのうち、不要な第1偏光状態の第1色光Lbが除去され、第2偏光状態の第1色光Lbが合成光学系40に入射する。
図3に示すように、投射型表示装置100は、第1偏光子61、第2偏光子62、透過型偏光子67、及び第1反射型液晶パネル31を支持する支持部材200を備える。以下の説明においては、単一の支持部材200によって支持される第1偏光子61、第2偏光子62、透過型偏光子67、及び第1反射型液晶パネル31を合わせて適宜、液晶パネルアセンブリ81、と称する。
支持部材200は、第1偏光子61、第1反射型液晶パネル31、及び透過型偏光子67を支持する外側部材210と、外側部材210の内部空間Hに配置され第2偏光子62を支持する内側部材220とを有する。内側部材220は、内部空間Hにおいて、外側部材210に固定される。
また、投射型表示装置100は、外側部材210の内部空間Hを密閉するシール機構300を備えている。
外側部材210は、直方体状の部材である。外側部材210は、照明光学系10の第1反射部材13で反射し第1偏光子61に入射する第1色光Lbが通過する第1開口Maと、第1偏光子61及び第2偏光子62を透過し第1反射型液晶パネル31に入射する第1色光Lbが通過する第2開口Mbと、第2偏光子62で反射し合成光学系40に入射する第1色光Lbが通過する第3開口Mcと、を有する。
シール機構300は、第1開口Maをシールする第1シール部材310と、第2開口Mbをシールする第2シール部材320と、第3開口Mcをシールする第3シール部材330と、を有する。
第1シール部材310は、第1開口Maに配置される第1偏光子61と第1偏光子61の周囲の外側部材210との間隙を密封して、第1開口Maを介して外側部材210の内部空間Hと外側部材210の外部空間との間においてガスが流通することを抑制する。第1シール部材310は、第1開口Maの周囲の外側部材210の表面に配置されるOリングを含む。なお、第1シール部材310は、第1偏光子61と第1偏光子61の周囲の外側部材210との間隙に充填されるシーリング材でもよい。第1シール部材310によって第1開口Maがシールされることにより、外側部材210の外部空間の異物が第1開口Maを介して外側部材210の内部空間Hに進入することが抑制される。
第2シール部材320は、第2開口Mbに配置される第1反射型液晶パネル31と第1反射型液晶パネル31の周囲の外側部材210との間隙を密封して、第2開口Mbを介して外側部材210の内部空間Hと外側部材210の外部空間との間においてガスが流通することを抑制する。第2シール部材320は、第2開口Mbの周囲の外側部材210の表面に配置されるOリングを含む。なお、第2シール部材320は、第1反射型液晶パネル31と第1反射型液晶パネル31の周囲の外側部材210との間隙に充填されるシーリング材でもよい。第2シール部材320によって第2開口Mbがシールされることにより、外側部材210の外部空間の異物が第2開口Mbを介して外側部材210の内部空間Hに進入することが抑制される。
本実施形態において、第1反射型液晶パネル31に接続される冷却機構90が設けられる。冷却機構90は、第1反射型液晶パネル31を冷却する。冷却機構90は、外側部材210の外部空間に配置され、第1反射型液晶パネル31のアクティブマトリクス基板35の表面に接触するヒートシンクを含む。冷却機構90は、第1反射型液晶パネル31に接触するベース板91と、ベース板91に設けられる複数のフィン92とを有する。冷却機構90により、第1反射型液晶パネル31が放熱され、第1反射型液晶パネル31の過度な温度上昇が抑制される。本実施形態において、投射型表示装置100は、冷却機構90に冷却用空気を供給するファン95を備える。ファン95から冷却機構90に冷却用空気が供給されることにより、冷却機構90による冷却効果が向上する。
本実施形態において、冷却機構90のベース板91の外形は、第1反射型液晶パネル31の外形及び第2開口Mbよりも大きい。冷却機構90のベース部材91の少なくとも一部は、外側部材210の表面と対向する。冷却機構90は、第2シール部材320を介して外側部材210に支持される。本実施形態において、第2シール部材320は、外側部材210の表面と冷却機構90との間隙に配置される。本実施形態において、第2シール部材320は、外側部材210の表面と冷却機構90との間隙を密封することによって、第2開口Mbをシールする。
第3シール部材330は、第3開口Mcに配置される透過型偏光子67と透過型偏光子67の周囲の外側部材210との間隙を密封して、第3開口Mcを介して外側部材210の内部空間Hと外側部材210の外部空間との間においてガスが流通することを抑制する。第3シール部材330は、第3開口Mcの周囲の外側部材210の表面に配置されるOリングを含む。なお、第3シール部材330は、透過型偏光子67と透過型偏光子67の周囲の外側部材210との間隙に充填されるシーリング材でもよい。第3シール部材330によって第3開口Mcがシールされることにより、外側部材210の外部空間の異物が第3開口Mcを介して外側部材210の内部空間Hに進入することが抑制される。
本実施形態において、透過型偏光子67は、合成光学系40と接続される。合成光学系40の入射面41の外形は、透過型偏光子67の外形及び第3開口Mcよりも大きい。合成光学系40の入射面41の少なくとも一部は、外側部材210の表面と対向する。合成光学系40は、第3シール部材330を介して外側部材210に支持される。本実施形態において、第3シール部材330は、外側部材210の表面と合成光学系40との間隙に配置される。本実施形態において、第3シール部材330は、外側部材210の表面と合成光学系40との間隙を密封することによって、第3開口Mcをシールする。
外側部材210は、第1偏光子61の入射面61AとZ軸とが直交するように、第1偏光子61を支持する。外側部材210は、第1開口Maの周囲に配置され、第1偏光子61の縁部を支持する第1支持部230を有する。第1反射部材13で反射した第1色光Lbは、+Z方向に進行する。第1偏光子61の入射面61Aと第1偏光子61の入射面61Aに入射する第1色光Lbの光路とは直交する。
外側部材210は、第1反射型液晶パネル31の第1入射面31AとZ軸とが直交するように、第1反射型液晶パネル31を支持する。上述のように、第1反射型液晶パネル31は、冷却機構90と接続され、冷却機構90は、外側部材210に支持される。本実施形態において、外側部材210は、第2シール部材320及び冷却機構90を介して、第1反射型液晶パネル31を支持する。第1反射型液晶パネル31は、第1偏光子61及び第2偏光子62の+Z方向に配置される。第1偏光子61及び第2偏光子62を透過した第1色光Lbは、+Z方向に進行する。第1反射型液晶パネル31の第1入射面31Aと第1反射型液晶パネル31の第1入射面31Aに入射する第1色光Lbの光路とは直交する。
外側部材210は、透過型偏光子67の入射面67AとX軸とが直交するように、透過型偏光子67を支持する。上述のように、透過型偏光子67は、合成光学系40と接続され、合成光学系40は、外側部材210に支持される。本実施形態において、外側部材210は、第3シール部材330及び合成光学系40を介して、透過型偏光子67を支持する。透過型偏光子67は、第2偏光子62の+X方向に配置される。第1反射型液晶パネル31から射出され第2偏光子62で反射した第1色光Lbは、+X方向に進行する。透過型偏光子67の入射面67Aと透過型偏光子67の入射面67Aに入射する第1色光Lbの光路とは直交する。
内側部材220は、板状の部材である。内側部材220は、第2偏光子62に入射する第1色光Lbが通過する第4開口Mdを有する。
第2偏光子62は、第1偏光子61からの第1色光Lbが入射する入射面62Aと、第1反射型液晶パネル31からの第1色光Lbが入射する反射面62Bとを有する。入射面62Aは、反射面62Bの反対方向を向く。
内側部材220は、Z軸に対して、第2偏光子62の入射面62A及び反射面62Bが傾斜するように、第2偏光子62を支持する。内側部材220は、第4開口Mdの周囲に配置され、第2偏光子62の縁部を支持する複数の第2支持部240を有する。第1反射部材13で反射した第1色光Lbは、+Z方向に進行する。第2偏光子62の入射面62Aと第2偏光子62の入射面62Aに入射する第1色光Lbの光路とは45[°]の角度で交わる。第1反射型液晶パネル31で反射した第1色光Lbは、−Z方向に進行する。第2偏光子62の反射面62Bと第2偏光子62の反射面62Bに入射する第1色光Lbの光路とは45[°]の角度で交わる。
図4は、本実施形態に係る内側部材220の一部を示す拡大図である。図3及び図4に示すように、第2支持部240は、内側部材220から突出する突起部を含む。第2支持部240は、第4開口Mdの周囲において、間隔をあけて複数設けられる。すなわち、本実施形態において、第2偏光子62は、複数の第2支持部240により点支持される。本実施形態において、第2支持部240は、第4開口Mdの周囲において、等間隔で3つ設けられる。第2偏光子62は、3つの第2支持部240により3点支持される。例えば、複数の第2支持部240の周囲に接着剤が塗布され、3点接着によって第2偏光子62が支持されてもよい。また、例えば、複数の第2支持部240は、接着剤などであって、3点接着によって第2偏光子62を支持してもよい。
外側部材210の内部空間Hは、内側部材220及び内側部材220によって支持される第2偏光子62によって、第1空間Haと第2空間Hbとに区画される。第1空間Haは、第2偏光子62の一方の面である入射面62Aが面する空間である。第2空間Hbは、第2偏光子62の他方の面である反射面62Bが面する空間である。
内側部材220のうち第2支持部240が設けられていない部分と第2偏光子62との間には間隙Gが形成される。第1空間Haのガスは、間隙Gを介して第2空間Hbに流通可能である。第2空間Hbのガスは、間隙Gを介して第1空間Haに流通可能である。すなわち、本実施形態においては、内部空間Hにおいて、第1空間Ha及び第2空間Hbの一方から他方へガスが流通可能である。
図5は、本実施形態に係る外側部材210の一例を模式的に示す斜視図である。図5に示すように、外側部材210は、直方体状の部材である。外側部材210は、第1開口Maを有し第1偏光子61を支持する第1プレート部211と、第1プレート部211の+Z方向に配置され、第2開口Mbを有する第2プレート部212と、第1プレート部211の+X側の端部及び第2プレート部212の+X側の端部と接続され、第3開口Mcを有する第3プレート部213と、第1プレート部211の−X側の端部及び第2プレート部212の−X側の端部と接続される第4プレート部214と、第1プレート部211の−Y側の端部、第2プレート部212の−Y側の端部、第3プレート部213の−Y側の端部、及び第4プレート部214の−Y側の端部と接続される第5プレート部215と、第1プレート部211の+Y側の端部、第2プレート部211の+Y側の端部、第3プレート部213の+Y側の端部、及び第4プレート部214の+Y側の端部と接続される第6プレート部216と、を有する。
第1プレート部211と第2プレート部212と第3プレート部213と第4プレート部214と第5プレート部215と第6プレート部216とによって、外側部材210の内部空間Hが規定される。第4プレート部214、第5プレート部215、及び第6プレート部216には開口は設けられない。また、第1プレート部211と第2プレート部212と第3プレート部213と第4プレート部214と第5プレート部215と第6プレート部216とは、相互に隙間なく接合される。第1開口Ma、第2開口Mb、及び第3開口Mcがシールされることにより、内部空間Hは密閉される。
以上、図3、図4、及び図5を参照して、第1反射型液晶パネル31、第1偏光子61、第2偏光子62、透過型偏光子67、及び合成光学系40の作用について説明した。第2反射型液晶パネル32、第3偏光子63、第4偏光子64、透過型偏光子68、及び合成光学系40の作用と、第3反射型液晶パネル33、第5偏光子65、第6偏光子66、透過型偏光子69、及び合成光学系40の作用とは、第1反射型液晶パネル31、第1偏光子61、第2偏光子62、透過型偏光子67、及び合成光学系40の作用と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態においては、単一の支持部材200によって支持される第3偏光子63、第4偏光子64、透過型偏光子68、及び第2反射型液晶パネル32によって、液晶パネルアセンブリ82が構成される。同様に、単一の支持部材200によって支持される第5偏光子65、第6偏光子66、透過型偏光子69、及び第3反射型液晶パネル33によって、液晶パネルアセンブリ83が構成される。液晶パネルアセンブリ82及び液晶パネルアセンブリ83は、液晶パネルアセンブリ81と同様の構造であるため、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態によれば、単一部材である外側部材210によって、第1偏光子61、第1反射型液晶パネル31、及び透過型偏光子67が支持される。外側部材210の内部空間Hは、シール機構300によって密閉されるので、内部空間Hに異物が侵入することが抑制される。したがって、第1反射型液晶パネル31の入射面31Aに異物が付着すること、第2偏光子62の反射面62Bに異物が付着すること、及び透過型偏光子67の入射面67Aに異物が付着することが抑制される。
第1反射型液晶パネル31の入射面31Aは、内部空間Hに面する。内部空間Hが密閉されることにより、内部空間Hに面する第1反射型液晶パネル31の入射面31Aに異物が付着することが抑制される。
同様に、第2偏光子62の反射面62B及び透過型偏光子67の入射面67Aは、内部空間Hに面する。内部空間Hが密閉されることにより、第2偏光子62の反射面62Bに異物が付着すること及び透過型偏光子67の入射面67Aに異物が付着することが抑制される。
画像データに基づいて第1反射型液晶パネル31において光変調された第1色光Lbは、第1反射型液晶パネル31の入射面31Aから射出され、第2偏光子62の反射面62B及び透過型偏光子67の入射面67Aを経由して、合成光学系40に入射し、投射光学系50から投射される。光変調された後の第1色光Lbが通過する第1反射型液晶パネル31の入射面31A、第2偏光子62の反射面62B、及び透過型偏光子67の入射面67Aの少なくとも一つに異物が付着すると、投射光学系50によって投射される画像の画質が低下する。
本実施形態においては、光変調された後の第1色光Lbが通過する第1反射型液晶パネル31の入射面31A、第2偏光子62の反射面62B、及び透過型偏光子67の入射面67Aのそれぞれに異物が付着することが抑制される。したがって、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、第2偏光子62は、密閉された内部空間Hに配置される。第2偏光子62が密閉された内部空間Hに配置されることにより、第2偏光子62の全周囲にシール部材を設ける必要は無い。シール部材が設けられる場合、第2偏光子62に光エネルギーによる発熱に起因する過度な応力又は不均一な応力が作用する可能性がある。応力の作用により第2偏光子62が歪み変形すると、第1反射型液晶パネル31において画素ごとに光変調された第1色光Lbが、変形した第2偏光子62の反射面62Bに入射することになる。その結果、投射光学系50によって投射される画像の画質が低下する可能性がある。本実施形態においては、第2偏光子62の周囲にシール部材を設けなくて済むため、第2偏光子62に過度な応力又は不均一な応力が作用することが抑制される。したがって、第2偏光子62の歪み変形が抑制され、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。
本実施形態においては、第2偏光子62は、複数の第2支持部240によって点支持されている。したがって、第2偏光子62に対する過度な応力又は不均一な応力の作用が効果的に抑制され、第2偏光子62の歪み変形が効果的に抑制される。
本実施形態においては、照明光学系10からの第1色光Lbは、液晶パネルアセンブリ81の第1偏光子61に入射し、第1偏光子61及び第2偏光子62を透過した後、第1反射型液晶パネル31に入射する。第1反射型液晶パネル31で反射した第1色光Lbは、第2偏光子62で反射した後、液晶パネルアセンブリ81の透過型偏光子67から射出される。すなわち、液晶パネルアセンブリ81において、照明光学系10からの第1色光Lbは、第2偏光子62を2回経由した後、合成光学系40に入射し、投射光学系50から投射される。そのため、第2偏光子62が歪み変形すると、第2偏光子62の歪み変形の影響が投射光学系50によって投射される画像の画質に大きく現れる可能性がある。本実施形態によれば、第1色光Lbが2回経由する第2偏光子62の歪み変形が効果的に抑制されるため、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が効果的に抑制される。
また、内側部材220にはシール部材を設ける必要がないため、内側部材220の構造を簡略化及び小型化することができ、液晶パネルアセンブリ81の小型化に寄与する。
本実施形態においては、液晶パネルアセンブリ81において、第1偏光子61の周囲に第1シール部材310が設けられており、第1偏光子61が歪み変形する可能性がある。第1偏光子61が歪み変形したとしても、第1偏光子61を透過し、第1反射型液晶パネル31に入射する第1色光Lbは、画像を形成する光変調光ではなく、第1反射型液晶パネル31を照明する照明光として機能する。そのため、第1偏光子61が歪み変形したとしても、第1偏光子61の歪み変形が画質に及ぼす影響は小さい。第1偏光子61が配置される第1開口Maが第1シール部材310により密閉されることにより、内部空間Hに対する異物の侵入が抑制され、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、液晶パネルアセンブリ81が一体化されているので、第1偏光子61と第2偏光子62と第1反射型液晶パネル31との相対位置の変動が抑制される。これにより、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、第1反射型液晶パネル31は、冷却機構90に接続され、第2シール部材320は、外側部材210と冷却機構90との間隙をシールする。すなわち、第2シール部材320は、第1反射型液晶パネル31には接触しない。これにより、第1反射型液晶パネル31に過度な応力が作用したり不均一な応力が作用したりすることが抑制される。したがって、第1反射型液晶パネル31の歪み変形が抑制され、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、透過型偏光子67は、合成光学系40に接続され、第3シール部材330は、外側部材210と合成光学系40との間隙をシールする。すなわち、第3シール部材330は、透過型偏光子67に接触しない。これにより、透過型偏光子67に過度な応力が作用したり不均一な応力が作用したりすることが抑制される。したがって、透過型偏光子67の歪み変形が抑制され、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。なお、合成光学系40は、クロスダイクロイックプリズムであり、透過型偏光子67に比べて、歪み変形し難い。したがって、合成光学系40と第3シール部材330とが接触しても、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下は抑制される。
また、本実施形態においては、第1反射型液晶パネル31を冷却するための冷却機構90が外側部材210に支持される。液晶パネルアセンブリ81は、支持部材200を介して一体化されているため、冷却機構90によって、液晶パネルアセンブリ81全体が効果的に冷却される。すなわち、冷却機構90により、第1反射型液晶パネル31のみならず、第1偏光子61、第2偏光子62、及び透過型偏光子67も効果的に冷却される。そのため、これら光学部品の熱変形、熱に起因する光学部品の光学特性の変動、及び熱に起因する光学部品の位置ずれ等が抑制される。したがって、投射光学系50によって投射される画像の画質の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、内側部材220のうち第2支持部240が設けられていない部分と第2偏光子62との間に間隙Gが形成され、第1空間Haと第2空間Hbとの間においてガスが流通可能である。したがって、液晶パネルアセンブリ81における温度分布の偏りが抑制され、冷却機構90による冷却効果は、液晶パネルアセンブリ81全体に均一に行き渡る。
本実施形態において、第1偏光子61を透過し、第2偏光子62の入射面62Aに入射した第1色光Lbの一部が第2偏光子62を透過せず、第2偏光子62で反射する可能性がある。本実施形態によれば、第1色光Lbは、密閉された内部空間Hを進行する。したがって、第2偏光子62の入射面62Aで反射した漏れ光は、外側部材210の内面に吸収される。これにより、漏れ光に起因する画質の劣化が抑制される。また、外側部材210の内面が反射光防止処理されることにより、漏れ光を十分に吸収することができる。
なお、上述の実施形態において、外側部材210の外面に冷却フィンが設けられてもよい。例えば、外側部材210の第4プレート部214の外面に冷却フィンが設けられてもよい。これにより、液晶パネルアセンブリ81の温度上昇がより効果的に抑制される。
なお、液晶パネルアセンブリ81の外側部材210と、液晶パネルアセンブリ82の外側部材210と、液晶パネルアセンブリ83の外側部材210とが連結部材で連結され、一体化されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、投射型表示装置100が、光源装置1から射出された光源光を複数の色光Lb,Lg,Lrに分離する照明光学系10と、複数の色光Lb,Lg,Lrの光路のそれぞれに配置され、複数の色光Lb,Lg,Lrを光変調する複数の反射型液晶パネル31,32,33と、複数の反射型液晶パネル31,32,33において光変調された複数の色光Lb,Lg,Lrを合成する合成光学系40と、合成光学系40で合成された合成光を投射する投射光学系50とを備えることとした。投射型表示装置100において、照明光学系10は光源装置1から射出された光源光を複数の色光に分離しなくてもよいし、反射型液晶パネルは単数でもよいし、合成光学系40は省略されてもよい。上述の実施形態で説明した構成要素は、光源光を射出する光源装置1と、光源光の光路に配置され、第1偏光状態の光源光を透過させる1つの第1偏光子と、光源光の光路に配置され、第1偏光子からの光源光を画像データに基づいて光変調する1つの反射型液晶パネルと、光源光を反射型液晶パネルに入射させる照明光学系と、第1偏光子と反射型液晶パネルとの間の光源光の光路に配置され、第1偏光子からの第1偏光状態の光源光を透過させ、反射型液晶パネルからの第2偏光状態の光源光を反射する1つの第2偏光子と、第2偏光子で反射された光源光を投射する投射光学系とを備える投射型表示装置に適用可能である。