JP6733230B2 - インク、インク収納容器、インクジェット記録装置、及び印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、インク、インク収納容器、インクジェット記録装置、及び印刷物に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べて、プロセスが簡単で、フルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても、高解像度の画像が得られるという利点があることから普及しており、パーソナルから、オフィス用途、商用印刷や工業印刷の分野へと広がりつつある。このような商用印刷や工業印刷の分野では、記録媒体として、普通紙の他に、コート紙、アート紙等の塗工紙が使用されており、前記塗工紙において、高い画像濃度、高い画像光沢度、及び高い定着性が要求されている。
前記インクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を用いた染料インクが主に使用されていたが、耐水性及び耐光性に劣るという欠点があるため、近年、前記水溶性染料の代わりに、水不溶性の顔料を用いる顔料インクの開発が進められている。前記顔料インクを用いて塗工紙に画像を形成する場合、インク中の水を含む有機溶剤が、塗工紙に浸透する速度が遅いため、水を含む有機溶剤が塗工紙表面に残存し、転写や擦過による画像の欠損などの乾燥・定着性に課題がある。
前記課題を解決するため、例えば、水不溶性の着色剤、樹脂粒子、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ピロリドン誘導体、1,2−アルキルジオール、多価アルコール、及び水を含有し、前記樹脂粒子が、樹脂定着粒子と、ワックス粒子とを含有する水性インク組成物を用いたインクジェット記録方式の印刷方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、普通紙は勿論のこと塗工紙に画像形成した場合でも画像濃度、画像光沢度、定着性、及び転写性のすべてに優れたインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、ワックス、有機溶剤、及び水を含有するインクであって、
前記有機溶剤が、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物とを含有する。
本発明によると、普通紙は勿論のこと塗工紙に画像形成した場合でも画像濃度、画像光沢度、定着性、及び転写性のすべてに優れたインクを提供することができる。
図1は、本発明のインク収納容器としてのインクカートリッジのインク袋の一例を示す概略図である。 図2は、図1のインク袋をカートリッジケース内に収容したインクカートリッジを示す概略図である。 図3は、本発明のインクジェット記録装置の一例におけるインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 図4は、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。 図5は、図4に示したインクジェット記録装置の一部拡大断面図である。
(インク)
本発明のインクは、ワックス、有機溶剤、及び水を含有し、顔料及び界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のインクは、従来のワックス粒子を含有するインク組成物では、塗工紙に画像を形成すると、十分な画像濃度及び画像光沢度が得られないという知見に基づくものである。
<有機溶剤>
前記有機溶剤として、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物とを含有する。
前記インク中において、前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物が、塗工紙へのインク溶媒の浸透と紙面上でのインクの濡れ広がりを促進するとともに、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物が塗工紙面上からのインク溶媒の揮発を促進することにより、インク中に含まれるワックスが画像部の表層付近で均一に広がる。その結果、塗工紙に画像形成した場合に、高い画像濃度、画像光沢度、乾燥性、及び定着性が得られる。
更に、前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物とは、これらを混合した場合の化合物同士の相溶性が高く、互いの機能を阻害しない。
前記溶解パラメータ(SP値)は、溶剤、樹脂や顔料など、水や溶剤に対して溶解又は分散して用いられる材料の親和性、溶解性の指標として一般に広く用いられている。
前記SP値の求め方は、実験により測定する方法や、浸漬熱など物理特性の測定から計算する方法、分子構造から計算する方法など様々な方法が提唱されているが、本発明ではFedorsが提唱した分子構造から計算する方法を用いる。前記方法は分子構造がわかればSP値が計算できる点と、実験による測定値との差が小さい点で有効である。
前記Fedorsの方法では、各原子や原子団の25℃における蒸発エネルギーΔe、モル体積Δvを下記数式1に代入することでSP値を求めることができる。なお、本発明では25℃におけるSP値を用い、温度換算等は行わない。
前記計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データとしては、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いることができる。
また、前記「接着の基礎理論」に示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照することができる。
<数式1>
ただし、前記数式1中、ΔEは、蒸発エネルギーである。Vは、モル体積である。Δeは、原子又は原子団の蒸発エネルギーである。ΔVは、原子又は原子団のモル体積である。
前記SP値が9以上11以下の化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(SP値9.8)、N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド(SP値9.8)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(SP値10.7)などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド、及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの構造式を以下に示す。
・N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド
<構造式(1)>
・N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド
<構造式(2)>
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン
<構造式(3)>
前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量は、インク全量に対して、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下がより好ましい。
前記好ましい数値範囲において、塗工紙に画像形成した場合に画像濃度、画像光沢度、定着性、及び転写性のすべてが良好となる。
前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物としては、例えば、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(105mmHg)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(380mmHg)、3−メトキシブタノール(92mmHg)、エチレングリコールモノブチルエーテル(68mmHg)、1,2−プロパンジオール(23mmHg)などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記化合物の100℃における飽和蒸気圧は、例えば、DSC法により測定することができる。
前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量は、インク全量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。
前記好ましい数値範囲において、塗工紙に画像形成した場合に画像濃度、画像光沢度、定着性、及び転写性のすべてが良好となる。
前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量A(質量%)と、前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量B(質量%)との質量比(A/B)は、0.1以上10以下が好ましく、0.5以上5以下がより好ましい。
前記質量比(A/B)が好ましい数値範囲であると、塗工紙に画像形成した場合に画像光沢度、及び定着性が良好となる。
前記インクは、必要に応じて、溶解パラメータが9以上11以下の化合物及び100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物以外の他の有機溶剤を併用することができる。
前記他の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、イソプロピリデングリセロール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の全含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク全量に対して、10質量%以上70質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記含有量が、10質量%以上70質量%以下であると、塗工紙に画像形成した場合に画像濃度、画像光沢度、定着性、及び転写性のすべてが良好となる。
<ワックス>
前記ワックスとしては、水溶性ワックス及び水分散性ワックスのいずれであってもよい。前記水溶性ワックスとしては、水酸基、カルボキシル基、エチレンオキサイド基、アミン基等の親水基を有するワックスなどが挙げられる。前記水分散性ワックスは、主として、ワックスエマルジョンとして使用することができる。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物、動物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス、カーボンワックス、へキストワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、α−オレフイン・無水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルジョンや配合ワックス、又はこれらのラテックス、コロイド溶液、懸濁液などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水溶性溶剤との溶解性及び分散性が良好であり、塗工紙における定着性の点から、ポリエチレンワックスが好ましい。
前記ワックスとしては市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、セロゾール524(カルナバワックス、融点83℃、体積平均粒子径200nm、中京油脂株式会社製)、HYTEC E−6500(ポリエチレンワックス、融点140℃、体積平均粒子径60nm、東邦化学株式会社製)、HYTEC E−8237(ポリエチレンワックス、融点106℃、体積平均粒子径80nm、東邦化学株式会社製)、HYTEC P−9018(ポリプロピレンワックス、融点156℃、体積平均粒子径60nm、東邦化学株式会社製)、ノプコートPEM−177(ポリオレフィンワックス、融点105℃、体積平均粒子径10nm、サンノプコ株式会社製)、AQUACER498(パラフィン系ワックス、融点58℃、ビックケミージャパン社製)、AQUACER535(混合系ワックス、融点95℃,ビックケミージャパン社製)、AQUACER531(ポリエチレンワックス、融点130℃、体積平均粒子径123nm、ビックケミージャパン社製)、AQUACER537(パラフィンワックス、ビックケミージャパン社製)、AQUACER515(ポリエチレンワックス、融点135℃、体積平均粒子径33nm、ビックケミージャパン社製)などが挙げられる。
前記ワックスの融点は、70℃以上170℃以下が好ましく、100℃以上140℃以下がより好ましい。前記融点が70℃以上であれば、画像がべたつくことがなく、画像を重ねても画像転写は発生しない。また、前記融点が170℃以下であれば、画像を擦ったときの摩擦熱で融解し、滑り性が得られるため、画像定着性は良好となる。
前記ワックスの体積平均粒子径は、200nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。前記体積平均粒子径が、200nm以下であれば、ノズルやヘッド内のフィルターに引っかかることがなく、良好なインク吐出性が得られる。
前記ワックスの含有量は、インク全量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%以上であれば、印字後の画像表面に滑り性を付与することができ、画像の定着性を高く維持することができる。また、前記含有量が10質量%以下であれば、印字画像の光沢度を向上させることができる。更に、インク中の有機溶剤にワックスが溶解又は分散することができるため、ヘッドに析出して付着することがなくなり、良好にインク滴を吐出することが可能となる。
前記ワックスのインク中における含有量は、前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物のインク中における含有量1質量部に対して、0.02質量部以上0.34質量部以下であることが好ましい。前記含有量が、0.02質量部以上であると、塗工紙における定着性がより向上する。また、前記含有量が、0.34以下であると画像濃度が向上する。
前記ワックスのインク中における含有量は、前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物の前記インク中における含有量1質量部に対して、0.0025質量部以上1質量部以下であることが好ましい。前記含有量が、0.0025質量部以上であると、塗工紙における定着性がより向上する。また、前記含有量が、1質量部以下であると光沢度が向上する。
<顔料>
前記顔料は、インクの色材(着色剤)として含有される。
本発明のインクには、顔料を含まないクリアインクも含まれる。前記クリアインクは、顔料を含むインクの代わりに使用されるものや、顔料を含むインクの吐出後に該吐出されたインク画像上に付与されるものを含む。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面に少なくとも1種の親水基を有し、水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料が好ましい。前記表面に少なくとも1種の親水基を有する顔料を用いると、塗工紙における画像濃度が向上する。
前記親水基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン性の親水基が好ましい。前記アニオン性の親水基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、−COOX、−SOX、−POHX、−PO、−CONX、−SONX、−NH−C−COOX、−NH−C−SOX、−NH−C−POHX、−NH−C−PO、−NH−C−CONX、−NH−C−SONX、−OPOHX、−OPO(ただし、Xは、水素原子、アルカリ金属、4級アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。)などが挙げられる。
前記顔料としては、(1)少なくとも1種の親水基を有する分散剤により分散された顔料、(2)少なくとも1種の親水基を有する樹脂で被覆された顔料、(3)少なくとも1種の親水基、少なくとも1種の親水基を含む原子団又は、少なくとも1種の親水基を有する樹脂が結合した顔料、などが挙げられる。
<<前記(1)の顔料>>
前記(1)の顔料は、一般的に、界面活性剤分散顔料、樹脂分散顔料と呼ばれ、分散剤が顔料と水との界面を取り持つことで、顔料の分散を行っているものである。
前記分散剤としては、親水基を有する界面活性剤型分散剤、及び親水基を有する樹脂分散剤のいずれも使用できる。
前記分散剤を使用する場合の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記効果を損なわない範囲で、2種以上の分散剤を併用してもよい。
前記分散剤による顔料の分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができる。
−界面活性剤型分散剤−
前記界面活性剤型分散剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシアリルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクタン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤などが挙げられる。
−樹脂分散剤−
前記樹脂分散剤としては、例えば、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、又は多くの異なる任意の数の繰り返し単位を有するポリマーなどが挙げられる。
前記ポリマーとしては、例えば、ランダムポリマー、分岐ポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、星状ポリマー、櫛状ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂分散剤としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基等の親水性官能基(親水基)を含むモノマー、ビニルモノマー、アクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、アクリレートエステルモノマー、メタクリレートモノマーエステルモノマー、ビニルエステルモノマー、ビニルエーテルモノマー又はスチレンモノマーのホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。また、前記モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるコポリマーも使用できる。
前記エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、前記親水基を含むモノマーと、疎水基を含むモノマーを重合して得られるポリマーも使用できる。疎水基を含むモノマーとしては、例えば、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、ヘキサデカニルアクリレート、ヘキサデカニルメタクリレート、オクタデカニルアクリレート、オクタデカニルメタクリレート、イコサニルアクリレート、イコサニルメタクリレート、ドコサニルアクリレート、ドコサニルメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂分散剤の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合などが挙げられる。これらの中でも、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量の制御がしやすく、分解温度の低い有機過酸化物やアゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物がより好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、重合性単量体の総質量に対して、1質量%〜10質量%が好ましい。
前記樹脂分散剤における親水基は、その一部もしくは全てが塩基で中和されることにより、イオン化されていることが好ましい。
前記中和に用いる塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニウム、モノ,ジ或いはトリメチルアミン、モノ,ジ或いはトリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、コリン、アミノエタンプロパンジオール、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、アミノエチルプロパンジオール、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の有機アミン、モノホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン等の有機アミンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂分散剤として、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、ジョンソンポリマー株式会社、ナガセケムテックス株式会社、東亞合成株式会社、三菱レーヨン株式会社、住友精化株式会社、JSR株式会社、昭和高分子株式会社、荒川化学工業株式会社、日本触媒株式会社、日本合成化学株式会社、株式会社クラレなどから容易に入手できる。
<<前記(2)の顔料>>
前記(2)の顔料は、一般的にカプセル顔料とも言われ、親水性でかつ水不溶性の樹脂で顔料を被覆し、顔料表面の樹脂層で親水化することで顔料を水に分散するようにしたものである。
前記カプセル顔料は、少なくとも1種の親水基を有する樹脂で顔料を被覆し、マイクロカプセル化することで分散剤を使用しなくても、溶媒中で顔料を安定に分散させることができるものである。
前記カプセル顔料の樹脂の親水基は、前記樹脂分散剤における親水基と同様、その一部もしくは全てが塩基で中和されることにより、イオン化されていることが好ましい。
前記顔料を被覆する樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記顔料を被覆する樹脂としては、ノニオン性ポリマーが好ましい。前記ノニオン性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート又はそれらの(共)重合体、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。これらの中でも、水溶性が低く、熱水には溶け易いが冷水には溶け難い点から、ポリビニルアルコールの完全ケン化物が特に好ましい。
水不溶性の顔料をポリマーで被覆してマイクロカプセル化する方法としては、特に制限はなく、従来公知のすべての方法を用いることが可能であり、例えば、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられ、具体的には、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被膜法、コアセルベーション(相分離)法、液中乾燥法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法、酸析法、転相乳化法などが挙げられる。
ここで、前記マイクロカプセル化について説明する。
前記界面重合法は、2種のモノマー又は2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法である。
前記in−situ重合法は、液体又は気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法である。
前記液中硬化被膜法は、芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法である。
前記コアセルベーション(相分離)法は、芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法である。
前記液中乾燥法は、芯物質を壁膜物質の溶液に分散した分散液を調製し、前記分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法である。
前記融解分散冷却法は、加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、前記壁膜物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法である。
前記気中懸濁被覆法は、粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法である。
前記スプレードライング法は、カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法である。
前記酸析法は、アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性又は酸性にし、有機化合物を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法である。
前記転相乳化法は、水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するか、もしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法である。
前記マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。
例えば、前記界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。前記in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。前記液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。前記コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細であり、かつ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法のすべてを利用することが可能である。
前記マイクロカプセル化の方法として転相乳化法又は酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成するポリマーとしては、アニオン性ポリマーを使用する。
前記転相乳化法は、水に対して自己分散能又は溶解能を有するアニオン性ポリマーと、カーボンブラックとの複合物又は複合体、あるいはカーボンブラック、硬化剤及びアニオン性ポリマーとの混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に前記有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。
ここでの前記カーボンブラックとは、自己分散型カーボンブラックを含む。前記転相乳化法において、有機溶媒相中に、インク用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何ら問題はない。特に、直接インク用の分散液を製造できることからいえば、インクの有機溶剤を混入させる方がより好ましい。
一方、前記酸析法は、アニオン性ポリマーのアニオン性基の一部又は全部を塩基性化合物で中和し、カーボンブラック等の色材と、水性媒体中で混練する工程及び酸性化合物でpHを中性又は酸性にしてアニオン性ポリマーを析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部又は全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
前記マイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロール等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;クロロホルム、二塩化エチレン等の塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類などが挙げられる。
なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離又は濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水及び必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とするインクを得ることができる。
<<前記(3)の顔料>>
前記(3)の顔料は、一般的に自己分散顔料と呼ばれ、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたものである。
前記自己分散顔料としては、以下のいずれかに該当する。
(i)顔料に少なくとも1種の親水基が直接結合するように表面改質された顔料
(ii)顔料に少なくとも1種の親水基を含む原子団が結合するように表面改質された顔料
(iii)顔料に少なくとも1種の親水基を含む樹脂が結合するように表面改質された顔料
前記少なくとも1種の親水基を含む原子団としては、下記一般式1及び一般式2を有する基、又はその部分エステル、あるいはその塩が挙げられる。
前記原子団としては、下記一般式3及び一般式4、又はその部分エステル、あるいはその塩を有する基などが挙げられる。
前記原子団としては、下記一般式5及び一般式6、又はその部分エステル、あるいはその塩を有する基などが挙げられる。
<一般式1>
<一般式2>
ただし、前記一般式1及び一般式2中、Q及びQは、水素原子、R、OR、SR、又はNR(ただし、Rは、水素原子、炭素数1〜18の飽和又は非飽和の分岐又は非分岐のアルキル基、炭素数1〜18の置換又は非置換の分岐又は非分岐のアシル基、アラルキル基、アルカリル基、及びアリール基のいずれかであり、Rが2つ以上である場合には同一であっても異なっていてもよい。)である。
前記Q及びQは、水素原子、R、OR、SR、又はNR(ただし、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はアリール基である)であることが好ましく、水素原子、OH、又はNHがより好ましい。
、及びZは親水基を表し、前記親水基としては、例えば、−COOX、−SOX、−POHX、−PO、−CONX、−SONX、−NH−C−COOX、−NH−C−SOX、−NH−C−POHX、−NH−C−PO、−NH−C−CONX、−NH−C−SONX、−OPOHX、−OPO(ただし、Xは、水素原子、アルカリ金属、4級アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。)などが挙げられる。
<一般式3>
<一般式4>
ただし、前記一般式3及び4中、Q及びQ、Z及びZは、上記と同じ意味を表す。nは0〜9が好ましく、1〜9がより好ましく、1〜3が更に好ましく、0又は1が特に好ましい。
<一般式5>
<一般式6>
前記一般式5及び6中、Q及びQ、Z及びZ、nは、上記と同じ意味を表す。
Xは、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アルキレン基、ビニリデン基、アルカリーレン基、アラルキレン基、環状基、又は複素環基である。
前記アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、又はビフェニレン基(これは、任意の基、例えば、1つ又はそれ以上のアルキル基又はアリール基で置換されてよい)などが挙げられる。
前記アルキレン基としては、置換又は非置換のアルキレン基があり、これは分岐又は非分岐であり、1つ又はそれ以上の基(例えば、芳香族基)で置換することができ、炭素数1〜12のアルキレン基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン又はブチレン基が挙げられる。
前記自己分散性顔料の中でも、ジェミナルビスホスホン酸基及びジェミナルビスホスホン酸塩基の少なくとも一方で改質された顔料を用いたインクは、乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドノズル付近のインクの水分が蒸発した場合でも目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。更に、経時保存安定性が高く、水分蒸発時の粘度上昇も抑制されるので、ヘッド維持装置でのインク固着性及び吐出信頼性も非常に優れている。
前記ホスホン酸基又はホスホン酸塩基の具体例としては、下記構造式(i)から(iv)のいずれかが挙げられる。
ただし、前記構造式(iii)中、Xは、Li、K、Na、NH 、N(CH 、N(C 、N(C 及びN(C のいずれかを示す。
ただし、前記構造式(iv)中、Xは、Li、K、Na、NH 、N(CH 、N(C 、N(C 及びN(C のいずれかを示す。
前記表面改質は、顔料の表面にある特定の官能基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ビスホスホン酸基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。
前記少なくとも一種の親水基が結合した顔料の湿式酸化処理による製造方法としては、以下に示す酸性カーボンブラックを使用する例が挙げられる。
前記「酸性カーボンブラック」とは、その粒子の表面上にカルボキシル基を有するために酸性を示すカーボンブラックをいう。
前記水性顔料インクは、pH6以下、特に4以下のpHを有する酸性カーボンブラックを用いることが好ましい。前記酸性カーボンブラックは、一般に、酸化剤(例えば、硝酸、オゾン、過酸化水素及び窒素酸化物等)を使用する酸化法、又はプラズマ処理等の表面改質法によって、例えばファーネスブラックやチャンネルブラックのようなカラー用のカーボンブラックを適度に酸化することによって得られる。
前記酸性カーボンブラックとしては、例えば、三菱化成株式会社から「MA100」、「2400B」及び「MA8」の商品名で市販されている。また、テグサ社から「カラー・ブラック(ColorBlack)FW200」の商品名で市販されている。
得られた酸性カーボンブラックを更に酸化するために、次亜ハロゲン酸塩を用いる。前記次亜ハロゲン酸塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、反応性の点から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
前記酸性カーボンブラックの酸化は、一般に、前記酸性カーボンブラックと、カーボンブラックの質量に対して有効ハロゲン濃度で10%〜30%の次亜ハロゲン酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)とを適量の水中に仕込み、5時間以上、好ましくは約10〜15時間、50℃以上、好ましくは95℃〜105℃で撹拌することにより行う。
得られるカーボンブラックは1.5mmol/g以上の表面活性水素含有量を有する。
次いで、生成物を濾過し、副生塩をイオン交換水で洗浄することにより除去する。更に逆浸透膜や限外瀘過膜のような0.01μm以下の孔径を有する分離膜を用いて精製及び濃縮する。
前記濃縮は、一般にカーボンブラックの含有率が水に対して10質量%〜30質量%程度の濃厚な顔料分散液になるように行う。得られた顔料分散液をそのまま水性顔料インクとして用いることができるが、その際には、カーボンブラックの濃度を1質量%〜20質量%とするのが好ましい。
前記顔料の表面にある特定の官能基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ビスホスホン酸基等の官能基)を化学的に結合させる方法としては、例えば、米国特許第5,851,280号明細書は、顔料表面に有機基を結合(例えば、有機基がジアゾニウム塩の一部である場合にジアゾニウム反応により結合)させる方法が記載されている。得られる表面改質顔料は種々の用途、例えば、インク、インクジェットインク、塗料、トナー、プラスチック、ゴムなどに使用可能である。
また、国際公開第2001/51566号パンフレットは、第1化学基と第2化学基を反応させて第3化学基を結合させた顔料を形成するという改質顔料の製造方法が記載されている。前記第1化学基は少なくとも1つの求核剤を、前記第2化学基は少なくとも1つの求電子剤を、それぞれ含むが、これは逆でもよい。これらの顔料はインク組成物特にインクジェットインク組成物に使用される。
前記樹脂としては、例えば、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、又は多くの異なる任意の数の繰り返し単位を有するポリマーでもよい。前記ポリマーとしては、例えば、ランダムポリマー、分岐ポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、星状ポリマー、櫛状ポリマーなどが挙げられる。
また、前記自己分散顔料用の樹脂の親水基は、前記樹脂分散剤における親水基と同様、その一部もしくは全てが塩基で中和されることにより、イオン化されていることが好ましい。
前記顔料の含有量は、インク全量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が1質量%以上であれば、十分なインクの発色性及び画像濃度が得られる。一方、前記含有量が15質量%以下であれば、インクが増粘したり、吐出性が悪くなることはなく、経済的にも好ましい。
<界面活性剤>
前記界面活性剤は、普通紙や塗工紙への浸透性と濡れ性を向上させ、定着性を向上させるために含有される。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、塗工紙における定着性の点から、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、変性基として、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましい。
前記シリコーン系界面活性としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、TEGO Twin 4000、TEGO Wet KL245、TEGO Wet250、TEGO Wet260、TEGO Wet265、TEGO Wet270、TEGO Wet280(以上、巴工業株式会社製)、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上、ビックケミージャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、フッ素系ノニオン性界面活性剤、フッ素系アニオン性界面活性剤、フッ素系両性界面活性剤、フッ素系オリゴマー型界面活性剤などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤のフッ素で置換されている炭素数は、2〜16が好ましく、4〜16がより好ましい。
前記フッ素系ノニオン性界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、起泡性が小さいため、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が好ましい。
前記フッ素系アニオン性界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
前記フッ素系アニオン性界面活性剤における塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li、Na、K、NH NHCHCHOH、NH(CHCHOH)NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(以上、旭硝子株式会社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム株式会社製)、メガファックF−470、F−1405、F−474(以上、DIC株式会社製)、ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(以上、DuPont社製)、フタージェントFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(以上、ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(以上、オムノバ社製)などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
前記界面活性剤の含有量は、インク全量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。前記含有量が0.001質量%以上5質量%以下であると、普通紙や塗工紙への浸透性と濡れ性を向上させ、定着性を向上させることができる。
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
前記水の含有量は、インク全量に対して、20質量%以上60質量%以下が好ましい。前記含有量が、20質量%以上であると、高粘度になることを防止し、吐出安定性を向上でき、80質量%以下であると、記録媒体への濡れ性が好適となり、画像品位を向上できる。
<その他成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
−pH調整剤−
前記pH調整剤は、分散状態を安定化し吐出を安定化するために添加する。しかし、pH11以上ではインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や、漏洩、吐出不良等の問題が発生してしまう。前記pH調整剤は、顔料を分散剤と共に水に混錬分散する際に加えることが好ましい。混錬分散後に、水溶性溶剤、浸透剤等の添加剤と共に加えると、前記pH調整剤の種類によっては添加により分散を破壊する場合があるためである。
前記pH調整剤としては、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウム水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
−防腐防黴剤−
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
−防錆剤−
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
<インクの製造方法>
前記インクの製造方法としては、例えば、前記水、前記有機溶剤、前記ワックス、前記顔料、及び必要に応じて、前記その他の成分を、撹拌混合することにより製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
なお、前記インクを製造する際には、フィルター、遠心分離装置等を用いて、粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記インクの25℃における粘度は、3mPa・s以上20mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。前記粘度が3mPa・s以上であることにより、光沢度を向上させることができ、20mPa・s以下であることにより、塗工紙における定着性を向上させることができる。
前記インクの25℃における粘度は、粘度計RE80L(東機産業株式会社製)を用いて測定することができる。
前記インクの25℃における表面張力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40mN/m以下が好ましい。
本発明のインクは、インク収容容器、インクジェット記録方式による各種記録装置、記録物などに好適に使用することができる。
(インク収容容器)
本発明のインク収容容器は、本発明の前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を付設してもよい。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
前記インク収容容器としてのインクカートリッジの一例について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、インクカートリッジのインク袋241の一例を示す概略図であり、図2は図1のインク袋241をカートリッジケース244内に収容したインクカートリッジ200を示す概略図である。
図1に示すように、インク注入口242からインクをインク袋241内に充填し、前記インク袋中に残った空気を排気した後、前記インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。前記インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成する。そして、図2に示すように、通常、プラスチック製の前記カートリッジケース244内に収容し、前記インクカートリッジ200として各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いる。前記インクカートリッジは、本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることが特に好ましい。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記インク収容容器を有し、本発明の前記インクを吐出させるインク飛翔手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
<インク飛翔手段>
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクに刺激を印加し飛翔させて画像を形成する手段であり、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。また、前記刺激発生手段としては、例えば過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト等が挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様には特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なる。
例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を撓ませ、圧力室の容積を縮小させて、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、加熱手段、刺激発生手段、制御手段などが挙げられる。
前記加熱手段としては、多くの既知の装置を使用することができ、例えば、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記加熱温度としては、インク中に含まれる水溶性溶剤の種類や量、及び添加する樹脂エマルジョンの最低造膜温度に応じて変更することができ、更に印刷する基材の種類に応じても変更することができる。
前記加熱温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図面を参照して本発明のインクジェット記録装置の一例について説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。前記記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側に、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収容容器装填部104とを有する。インク収容容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内では、図4、及び図5(図4の記録装置の一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とで、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を、複数のインク吐出口が主走査方向と交叉するように配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インク収容容器装填部104に装填された本発明のインク収容容器200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、前記分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
前記給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。前記搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚み40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した用紙吸着面となる表層と、前記表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
前記インクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより記録動作を終了し、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収容容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
前記インクジェット記録装置において、インク収容容器200中のインクを使い切ったときには、インク収容容器200における筐体を分解して内部のインク収容部だけを交換することができる。また、インク収容容器200は、縦置きで前面装填構成としても安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インク収容容器200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(記録物、印刷物)
本発明で用いられる記録物は、記録媒体上に、本発明の前記インクにより記録された画像を有してなる。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像が記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
更に、本発明の印刷物は、被印刷物上に印刷層を有する印刷物であって、
前記印刷層が、ワックス、及び有機溶剤を含有し、
前記有機溶剤として、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物と、を含有する。
本発明の印刷物は、被印刷物上に、本発明の前記インクを付与することで得られ、前記被印刷物上に、本発明の前記インクにより印刷された画像を有する印刷物としてもよく、前記被印刷物に前記インクを付与し、壁紙や、フローリング等の床材を含む建材とすることもできる。前記印刷物の形成は、文字や図形等の意味を持つ画像を被印刷物に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を被印刷物に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙、印刷用塗工紙が好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べて比較的安価であり、しかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。
一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙や床材等の建材、衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を被印刷物として、適宜使用することができる。また、前記被印刷物を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを被印刷物として使用することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<顔料分散体「PD−1」(ブラック)の調製>
特開2012−207202号公報の〔顔料表面改質処理〕の方法Aに記載の方法と同様にして、自己分散型顔料分散体を作製した。
カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、BET比表面積150m2/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、DBP吸油量620g/100g)20g、下記構造式(5)で表される化合物20ミリモル、及びイオン交換高純水200mLを、室温環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合した。
得られたスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20ミリモルを添加した。30分間後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(20ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加した。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応した。カーボンブラックに下記構造式(5)で表される化合物を付加した改質顔料が生成できた。
次に、pHをNaOH水溶液により10に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基又はジェミナルビスホスホン酸ナトリウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に超音波分散を行って顔料固形分濃度16質量%となる親水性官能基としてビスホスホン酸基を有する自己分散型ブラック顔料分散体PD−1を得た。
[構造式(5)]
(調製例2)
<顔料分散体「PD−2」(ブラック)の調製>
下記処方の材料をプレミックスし、混合スラリーを作製した。これをディスクタイプのメディアミル(アシザワ・ファインテック社製、DMR型)により、直径0.05mmのジルコニアビーズ、充填率55%を用いて、周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散した。
次に、遠心分離機(久保田商事株式会社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、アニオン性の親水基を有する分散剤によって顔料が分散された顔料固形分濃度16質量%のブラック顔料分散体PD−2を得た。
[処方]
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、BET比表面積150m/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、DBP吸油量620g/100g)・・・160質量部
・ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂株式会社製)・・・400質量部
・イオン交換水・・・440質量部
(調製例3)
<顔料分散体「PD−3」(ブラック)の調製>
親水基としてアミド基・ポリオキシエチレン基を含有する樹脂で被覆された顔料が分散された顔料分散体PD−3を調製した。
ポリマー溶液の調製として、機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に、1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次に、ポリマー溶液の一部を乾燥し重量平均分子量を測定したところ15,000であった。
得られたポリマー溶液28g、カーボンブラック26g、1mol/L水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に撹拌した。
その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を要いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に撹拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン、及び水の一部を留去し、顔料の含有率が16質量%となる樹脂被覆型顔料分散体PD−3を得た。
(調製例4)
<顔料分散体「PD−4」(シアン)の調製>
調製例1において、前記カーボンブラック20gを、ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製、クロモファインブルー)20gに変更した以外は、調製例1と同様にして、顔料固形分濃度16質量%のシアンの顔料分散体PD−4を得た。
(調製例5)
<顔料分散体「PD−5」(マゼンタ)の調製>
調製例1において、前記カーボンブラック20gを、ピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)20gに変更した以外は、調製例1と同様にして、顔料固形分濃度16質量%のマゼンタの顔料分散体PD−5を得た。
(調製例6)
<顔料分散体「PD−6」(イエロー)>
調製例1において、前記カーボンブラック20gを、ピグメントイエロー74(大日精化株式会社社製、ファーストイエロー531)20gに変更した以外は、調製例1と同様にして、顔料固形分濃度16質量%のイエローの顔料分散体PD−6を得た。
(実施例1)
<インクの作製>
50.00質量%の前記顔料分散体PD−1、2.22質量%のポリエチレンワックスAQUACER531(不揮発分45質量%、ビックケミージャパン社製)、30.00質量%の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、10.0質量%のプロピレングリコールモノプロピルエーテル、2.00質量%のシリコーン系界面活性剤(TEGO Wet 270、巴工業株式会社製)、及びイオン交換水を残量となるように混合し、1時間攪拌した後、平均孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、実施例1のインクを得た。
(実施例2〜21及び比較例1〜10)
<インクの作製>
実施例1において、表1から表7に示す実施例2〜21及び比較例1〜10の組成及び含有量に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜21及び比較例1〜10のインクを作製した。なお、表1から表7中の数値は質量%である。
(実施例22)
<インクの作製>
実施例1において、50.00質量%の前記顔料分散体PD−1の代わりに50.00質量%のイオン交換水を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例22のクリアインクを作製した。
表1から表7中の各成分の詳細については、以下のとおりである。
−溶解パラメータ(SP値)が9以上11以下の化合物(特定有機溶剤1)−
・N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(SP値9.8、出光興産株式会社製)
・N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド(SP値9.8、出光興産株式会社製)
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(SP値10.7、宇部興産株式会社製)
−100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物(特定有機溶剤2)−
・プロピレングリコールモノプロピルエーテル(100℃における飽和蒸気圧105mmHg、東京化成工業株式会社製)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(100℃における飽和蒸気圧380mmHg、製品名:ハイソルブMP,東邦化学工業株式会社製)
・1,2−プロパンジオール(100℃における飽和蒸気圧23mmHg、シグマアルドリッチ株式会社製)
−他の有機溶剤−
・2−ピロリドン(100℃における飽和蒸気圧10mmHg未満、SP値11.2)
・1,2−ヘキサンジオール(100℃における飽和蒸気圧13mmHg未満、SP値11.8)
・ジエチレングリコール(100℃における飽和蒸気圧16mmHg未満、SP値14.6)
−ワックス−
・AQUACER531(ポリエチレンワックス、不揮発分45質量%、ビックケミージャパン社製、融点130℃、体積平均粒子径123nm)
・AQUACER515(ポリエチレンワックス、不揮発分35質量%、ビックケミージャパン社製、融点135℃、体積平均粒子径33nm)
・AQUACER537(パラフィンワックス、不揮発分30質量%、ビックケミージャパン社製、融点110℃、体積平均粒子径43nm)
−界面活性剤−
・TEGO Wet270(シリコーン系界面活性剤、固形分100質量%、巴工業株式会社製)
・ゾニールFS−300(フッ素系界面活性剤、固形分40質量%、DuPont社製)
<インク粘度の測定>
得られた各インクの粘度測定は、回転粘度計(粘度計RE80L・コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)を用いて25℃で行った。具体的には、各インクを1.1mL採取し、前記粘度計のサンプルカップに入れた。前記サンプルカップを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分間後の値を読み取った。粘度測定時の回転数については、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。
次に、表8に各インクのワックス含有量、ワックス種類、質量比(ワックス/特定有機溶剤1)、質量比(ワックス/特定有機溶剤2)、質量比(特定有機溶剤1/特定有機溶剤2)、界面活性剤の種類、及び25℃での粘度を示した。
次に、作製した各インクについて、以下のようにして、画像濃度、光沢度、定着性、及び転写性を評価した。結果を表9に示した。
<画像濃度>
23℃で50%RHの環境下、インクジェットプリンター(IPSiO GX5000、株式会社リコー製)に各インクを充填した。次に、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した64point及び128pointのJIS X 0208(1997)、2223の一般記号が記載されているチャートを印字した後、X−Rite938(エックスライト社製)を用いて、64pointの一般記号が印字されている領域を測色し、画像濃度を評価した。このとき、印字モードを、インクジェットプリンターに添付されているドライバにおける、光沢紙のユーザー設定より「光沢紙−標準きれい」モードを「色補正なし」に改変したモードとした。
前記記録媒体としては、ルミアートグロス90gsm(MONDIカラー・コピー社製)(コート紙1)を用いた。
前記JIS X 0208(1997)、2223の一般記号は、外形が正方形であり、全面が塗りつぶされている記号である。
なお、実施例22のクリアインクの評価については、上記方法で、64pointのJIS X 0208(1997)、2223の一般記号を実施例1のインクを用いて印字した後、実施例1のインクを印字した場所に実施例22のクリアインクを実施例1のインクを印字した時と同じ条件で、クリアインクが実施例1の印字部に重なるように印字した。
得られた64pointの一般記号が印字されている領域を測色し、ブラックインクとして画像濃度を評価した。得られた画像濃度を以下の評価基準に基づき評価した。
−ブラックインクの評価基準−
AA:2.00以上
A:1.90以上2.00未満
B:1.80以上1.90未満
C:1.80未満
−シアンインクの評価基準−
AA:2.00以上
A:1.90以上2.00未満
B:1.80以上1.90未満
C:1.80未満
−マゼンタインクの評価基準−
AA:1.90以上
A:1.80以上1.90未満
B:1.70以上1.80未満
C:1.70未満
−イエローインクの評価基準−
AA:1.00以上
A:0.90以上1.00未満
B:0.80以上0.90未満
C:0.80未満
<光沢度>
前記画像濃度の評価に用いたコート紙1(ルミアートグロス90gsm)の128pointのJIS X 0208(1997)、2223の一般記号が印字されている領域について、ハンディ光沢計PC−IIM型(日本電色工業株式会社製)を用いて、60°光沢度を測定した。得られた光沢度から、下記基準に基づき、光沢度を評価した。
なお、実施例22のクリアインクの評価については、上記方法で、128pointのJIS X 0208(1997)、2223の一般記号を実施例1のインクを用いて印字した後、実施例1のインクを印字した場所に実施例22のクリアインクを実施例1のインクを印字した時と同じ条件で、クリアインクが実施例1の印字部に重なるように印字した。
得られた128pointの一般記号が印字されている領域をについて、上記と同様の方法で60°光沢度を測定した。得られた光沢度から、下記基準に基づき、光沢度を評価した。
〔評価基準〕
AA:光沢度30以上。
A:光沢度25以上30未満
B:光沢度20以上25未満
C:光沢度20未満
<定着性>
23℃で50%RHの環境下、インクジェットプリンター(IPSiO GX5000、株式会社リコー製)に各インクを充填した。次に、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した128pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを印字した後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽で、印字した紙を30秒間乾燥した。その後、印字がされていない紙で印字部を10回擦り、擦過を行った紙への顔料の転写具合を目視観察し、定着性を下記評価基準により評価した。
前記記録媒体及び印字部を擦る紙としては、ルミアートグロス90gsm(MONDIカラー・コピー社製)(コート紙1)、及びOKトップコート+(坪量73.3g/cm、王子製紙株式会社製)(コート紙2)を用いた。
なお、実施例22のクリアインクの評価については、上記方法で、128pointのJIS X 0208(1997)、2223の一般記号を実施例1のインクを用いて印字した後、実施例1のインクを印字した場所に実施例22のクリアインクを実施例1のインクを印字した時と同じ条件で、クリアインクが実施例1の印字部に重なるように印字した。その後、印字した紙を内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽で、30秒間乾燥し、印字がされていない紙で印字部を10回擦り、擦過を行った紙への顔料の転写具合を目視観察し、定着性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
A:記録媒体への顔料の転写はほとんどみられない
B:わずかに記録媒体への顔料の転写が見られる(記録媒体全体の10%未満の面積の転写)
C:明確な記録媒体への顔料の転写が見られる(記録媒体全体の10%以上の面積の転写)
<転写性>
23℃で50%RHの環境下、インクジェットプリンター(IPSiO GX5000、株式会社リコー製)にインクを充填した。次に、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した128pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを記録媒体上に印字した後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽で、印字部を30秒間乾燥した。その後すぐに、印字部の上に未印字の紙(4cm×4cm)を重ね、その上に縦2cm×横2cm×厚み0.2cmのゴムシートを紙の中央に配置して、ゴムシートから紙に掛かる圧力が、0.5kgf/cmとなるようにゴムシートの上に重りを載せ、23℃、50%RHの環境下で12時間放置した。放置後に、重ねた記録媒体を剥がし、未印字の記録媒体への顔料の転写具合を目視観察し、転写性を下記評価基準により評価した。
前記記録媒体及び未印字の記録媒体としては、ルミアートグロス90gsm(MONDIカラー・コピー社製)(コート紙1)を用いた。
なお、実施例22のクリアインクの評価については、上記方法で、128pointのJIS X 0208(1997)、2223の一般記号を実施例1のインクを用いて印字した後、実施例1のインクを印字した場所に実施例22のクリアインクを実施例1のインクを印字した時と同じ条件で、クリアインクが実施例1の印字部に重なるように印字した。その後、上記評価と同じ条件で、転写性を下記基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
A:記録媒体への顔料の転写はほとんど見られない。
B:わずかに記録媒体への顔料の転写が見られる(記録媒体全体の10%未満の面積の転写)。
C:明確な記録媒体への顔料の転写が見られる(記録媒体全体の10%以上の面積の転写)。
表9の結果から、実施例1〜22は、いずれも比較例1〜10に比べて、塗工紙における高い定着性、転写性、画像濃度、及び画像光沢度が得られることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> ワックス、有機溶剤、及び水を含有するインクであって、
前記有機溶剤が、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物と、を含有することを特徴とするインクである。
<2> 前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物が、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド、及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンから選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び1,2−プロパンジオールから選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量A(質量%)と、前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、0.5以上5以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記ワックスが、ポリエチレンワックスである前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記ワックスの含有量が、0.01質量%以上10質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記ワックスの含有量が、前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量1質量部に対して、0.02質量部以上0.34質量部以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記ワックスの含有量が、前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量1質量部に対して、0.0025質量部以上1質量部以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 更に界面活性剤を含有し、前記界面活性剤がシリコーン系界面活性剤である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記インクの25℃における粘度が、5mPa・s以上15mPa・s以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 更に顔料を含有し、前記顔料が、表面に少なくとも1種の親水基を有し、水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記顔料が、下記(1)から(3)のいずれかである前記<11>に記載のインクである。
(1)少なくとも1種の親水基を有する分散剤により分散された顔料
(2)少なくとも1種の親水基を有する樹脂で被覆された顔料
(3)少なくとも1種の親水基、少なくとも1種の親水基を含む原子団、又は少なくとも1種の親水基を有する樹脂が結合した顔料
<13> 前記ワックスの融点が、70℃以上170℃以下である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 前記ワックスの体積平均粒子径が、20nm以上150nm以下である前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量が、1質量%以上60質量%以下である前記<1>から<14>のいずれかに記載のインクである。
<16> 前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量が、1質量%以上50質量%以下である前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクである。
<17> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のインクを容器に収容してなることを特徴とするインク収納容器である。
<18> 前記<17>に記載のインク収納容器を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置である。
<19> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のインクに、刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体上に画像を記録するインク飛翔手段を有する前記<17>に記載のインクジェット記録装置である。
<20> 前記<1>から<16>のいずれかに記載のインクに、刺激を印加し、前記インクを飛翔させて基材上に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<21> 被印刷物上に印刷層を有する印刷物であって、
前記印刷層が、ワックス、及び有機溶剤を含有し、
前記有機溶剤として、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物と、を含有することを特徴とする印刷物である。
<22> 記録媒体上に、前記<1>から<16>のいずれかに記載のインクにより記録された画像を有してなることを特徴とする記録物である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載のインク、前記<17>に記載のインク収容容器、前記<18>から<19>のいずれかに記載のインクジェット記録装置、前記<20>に記載のインクジェット記録方法、前記<21>に記載の印刷物、及び前記<22>に記載の記録物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2010−090266号公報
134 記録ヘッド
200 インク収容容器
241 インク収容部
244 ケース(外装)

Claims (15)

  1. ワックス、有機溶剤、及び水を含有するインクであって、
    前記有機溶剤が、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物と、を含有し、
    前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物が、N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド、及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンから選択される少なくとも1種であることを特徴とするインク。
  2. 前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物が、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンである請求項1に記載のインク。
  3. 前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び1,2−プロパンジオールから選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量A(質量%)と、前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、0.5以上5以下である請求項1から3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記ワックスが、ポリエチレンワックスである請求項1から4のいずれかに記載のインク。
  6. 前記ワックスの含有量が、0.01質量%以上10質量%以下である請求項1から5のいずれかに記載のインク。
  7. 前記ワックスの含有量が、前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物の含有量1質量部に対して、0.02質量部以上0.34質量部以下である請求項1から6のいずれかに記載のインク。
  8. 前記ワックスの含有量が、前記100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物の含有量1質量部に対して、0.0025質量部以上1質量部以下である請求項1から7のいずれかに記載のインク。
  9. 更に界面活性剤を含有し、前記界面活性剤がシリコーン系界面活性剤である請求項1から8のいずれかに記載のインク。
  10. 前記インクの25℃における粘度が、5mPa・s以上15mPa・s以下である請求項1から9のいずれかに記載のインク。
  11. 更に顔料を含有し、前記顔料が、表面に少なくとも1種の親水基を有し、水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料である請求項1から10のいずれかに記載のインク。
  12. 前記顔料が、下記(1)から(3)のいずれかである請求項11に記載のインク。
    (1)少なくとも1種の親水基を有する分散剤により分散された顔料
    (2)少なくとも1種の親水基を有する樹脂で被覆された顔料
    (3)少なくとも1種の親水基、少なくとも1種の親水基を含む原子団、又は少なくとも1種の親水基を有する樹脂が結合した顔料
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のインクを容器に収容してなることを特徴とするインク収納容器。
  14. 請求項13に記載のインク収納容器を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 被印刷物上に印刷層を有する印刷物であって、
    前記印刷層が、ワックス、及び有機溶剤を含有し、
    前記有機溶剤として、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が20mmHg以上400mmHg以下の化合物と、を含有し、
    前記溶解パラメータが9以上11以下の化合物が、N,N−ジメチル−β−エトキシプロピオンアミド、及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする印刷物。
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