JP6732198B2 - 導電性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性組成物に関する。
従来、衣類のようなウェアラブル用途に用いられるフレキシブル電極として、PEDOT/PSS等の導電性高分子を含む導電性組成物を基材繊維に含浸させて得られる導電性複合材料を備えた繊維電極が開発されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、従来の導電性複合材料は、洗濯によって基材繊維から導電性組成物が剥離し電極性能が著しく低下してしまうため、洗濯耐久性が不充分であるという問題があった。
洗濯耐久性を向上させる方法としては、基材繊維と導電性組成物との間に水が浸入することを防ぐため、基材繊維と導電性組成物とを化学的に結合させて両者の界面を無くす方法や、導電性組成物を緻密にして硬くする方法等が挙げられる。しかしながら、これらの方法は、導電性複合材料の硬度を上げてしまうため、ウェアラブル用途に用いられる導電性複合材料には適さない。
国際公開第2013/073673号公報
本発明は、柔軟性を維持しながらも洗濯耐久性に優れ、ウェアラブル用途に好適に用いられる導電性複合材料を得るための導電性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、非架橋性バインダーとして非極性樹脂を含有する導電性組成物を基材繊維に含浸させて得られた導電性複合材料が、柔軟性を維持しながらも洗濯耐久性に優れ、ウェアラブル用途に好適に用いられることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する:
[1]基材繊維に含浸させて導電性複合材料を得るための導電性組成物であって、
得られる導電性複合材料は、JIS L 0844 A−2号に基づく洗濯試験を2回行った後の表面抵抗率が、洗濯試験前の表面抵抗率の2倍以下であることを特徴とする、導電性組成物;
[2](A)導電性高分子及び(B)非架橋性バインダーを含み、
(B)非架橋性バインダーが(B−1)非極性樹脂である、[1]の導電性組成物;
[3](A)導電性高分子が、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体である、[2]の導電性組成物;
[4](B−1)非極性樹脂がオレフィン樹脂である、[2]又は[3]の導電性組成物;
[5](B)非架橋性バインダーとして(B−2)極性樹脂をさらに含み、
(B−2)極性樹脂は、ウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、[2]〜[4]のいずれかの導電性組成物;
[6](B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率が99:1〜30:70である、[5]の導電性組成物;
[7](C)導電性向上剤をさらに含み、
(C)導電性向上剤は、沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物、沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物、及び、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1つである、[2]〜[6]のいずれかの導電性組成物;
[8]基材繊維の形状が紐状又はシート状である、[1]〜[7]のいずれかの導電性組成物;並びに
[9]基材繊維が天然繊維、合成繊維又はこれらの組合せである、[1]〜[8]のいずれかの導電性組成物。
本発明の導電性組成物は、非架橋性バインダーとして非極性樹脂を含有するため、柔軟性を維持しながらも洗濯耐久性に優れ、ウェアラブル用途に好適に用いられる導電性複合材料を得るために好適に用いられる。
<<導電性組成物>>
本発明の導電性組成物は、
基材繊維に含浸させて導電性複合材料を得るための導電性組成物であって、
得られる導電性複合材料は、JIS L 0844 A−2号に基づく洗濯試験を2回行った後の表面抵抗率が、洗濯試験前の表面抵抗率の2倍以下であることを特徴とする。
本発明の導電性組成物は、導電性を発現する限り特に限定されないが、得られる導電性複合材料の柔軟性及び洗濯耐久性の観点から、(A)導電性高分子及び(B)非架橋性バインダーを含むことが好ましい。
<(A)導電性高分子>
(A)導電性高分子は、導電性組成物に導電性を付与するための配合物である。(A)導電性高分子としては特に限定されず、従来公知の導電性高分子を用いることができ、具体例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。中でも、チオフェン環を分子内に含むことで導電性が高い分子ができやすい点で、分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子が好ましい。(A)導電性高分子は、ポリ陰イオン等のドーパントと複合体を形成していてもよい。
分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子の中でも、導電性や化学的安定性に極めて優れている点で、ポリ(3,4−二置換チオフェン)がより好ましい。また、導電性高分子が、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオン(ドーパント)との複合体である場合、低温かつ短時間で導電性複合材料を形成することができ、生産性にも優れることとなる。なお、ポリ陰イオンは導電性高分子のドーパントであり、その内容については後述する。
ポリ(3,4−二置換チオフェン)としては、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)としては、以下の式(I):
Figure 0006732198
で示される反復構造単位からなる陽イオン形態のポリチオフェンが好ましい。
ここで、R及びRは相互に独立して水素原子又はC1−4のアルキル基を表すか、又は、R及びRが結合している場合にはC1−4のアルキレン基を表す。C1−4のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、R及びRが結合している場合、C1−4のアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。これらの中では、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基がより好ましい。C1−4のアルキル基、及び、C1−4のアルキレン基は、その水素の一部が置換されていても良い。C1−4のアルキレン基を有するポリチオフェンとしては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
(A)導電性高分子の重量平均分子量は、500〜100000であることが好ましく、1000〜50000であることがより好ましく、1500〜20000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が500未満であると、導電性組成物とした場合に要求される粘度を確保することができないことや、導電性複合材料とした場合の導電性が低下することがある。
ドーパントは特に限定されないが、ポリ陰イオンが好ましい。ポリ陰イオンは、ポリチオフェン(誘導体)とイオン対をなすことにより複合体を形成し、ポリチオフェン(誘導体)を水中に安定に分散させることができる。ポリ陰イオンとしては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸ポリマー類(例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸等)、スルホン酸ポリマー類(例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等)等が挙げられる。これらのカルボン酸ポリマー類及びスルホン酸ポリマー類はまた、ビニルカルボン酸類及びビニルスルホン酸類と他の重合可能なモノマー類、例えば、アクリレート類、スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体であっても良い。これらの中では、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
ポリスチレンスルホン酸は、重量平均分子量が20000〜500000であることが好ましく、40000〜200000であることがより好ましい。分子量がこの範囲外のポリスチレンスルホン酸を使用すると、ポリチオフェン系導電性高分子の水に対する分散安定性が低下する場合がある。なお、重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
(A)導電性高分子とポリ陰イオンとの複合体としては、導電性に特に優れることから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体であることが好ましい。
(A)導電性高分子の導電率は、特に限定されないが、導電性複合材料に十分な導電性を付与する観点からは、0.01S/cm以上であることが好ましく、0.05S/cm以上であることがより好ましい。
<(B)非架橋性バインダー>
(B)非架橋性バインダーは、導電性組成物中の配合物同士を密着させ、より確実に導電性複合材料を形成する目的で添加されるものである。(B)非架橋性バインダーとしては、(B−1)非極性樹脂及び(B−2)極性樹脂が挙げられるが、得られる導電性複合材料の柔軟性及び洗濯耐久性の観点から、(B)非架橋性バインダーが(B−1)非極性樹脂であることが好ましい。
ここで、本発明において、「非極性」とは、SP値が6以上10未満、好ましくは7〜9であることをいい、「極性」とは、SP値が10〜14、好ましくは、11〜13であることをいう。
(B−1)非極性樹脂としては、SP値が6〜10未満である限り特に限定されないが、例えば、オレフィン樹脂、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。これらの中では、洗濯耐久性の観点から、オレフィン樹脂が好ましい。これらの(B−1)非極性樹脂は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
オレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(環状ポリオレフィン)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
オレフィン樹脂として使用できる市販品としては、ハードレン(東洋紡株式会社製)、アプトロック(三菱化学株式会社製)、アローベース(ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
合成ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性組成物は、(B)非架橋性バインダーとして、(B−2)極性樹脂をさらに含むことが好ましい。(B−2)極性樹脂としては、SP値が10〜14である限り特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。これらの中では、基材繊維との密着性の観点から、ウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。これらの(B−2)極性樹脂は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ウレタン樹脂としては、イソシアネート基を有する化合物とヒドロキシル基を有する化合物を共重合させた高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エステル・エーテル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタン、アクリル系ポリウレタン等が好ましく使用される。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ウレタン樹脂として使用できる市販品としては、アデカボンタイター(株式会社ADEKA製)、ハイドラン(DIC株式会社製)、スーパーフレックス(第一工業株式会社製)等が挙げられる。
エステル樹脂としては、2つ以上のカルボキシル基を分子内に有する化合物と2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を重縮合した高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が好ましく使用される。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エステル樹脂として使用できる市販品としては、例えば、ペスレジン(高松油脂株式会社製)、ガブセンES−210(ナガセケムテックス株式会社製)、バイロナール(東洋紡株式会社製)等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂等が挙げられる。これらのアクリル樹脂としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、燐酸基などの酸基を有する重合性単量体を構成モノマーとして含む重合体であればよく、例えば、酸基を有する重合性単量体の単独又は共重合体、酸基を有する重合性単量体と共重合性単量体との共重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体を主たる構成モノマー(例えば、50モル%以上)として含んでいればよく、(メタ)アクリル系単量体及び共重合性単量体のうち、少なくとも一方が酸基を有していればよい。(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、酸基を有する(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド等]の単独又は共重合体、酸基を有していてもよい(メタ)アクリル系単量体と酸基を有する他の重合性単量体[他の重合性カルボン酸、重合性多価カルボン酸又は無水物、ビニル芳香族スルホン酸等]及び/又は共重合性単量体[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、芳香族ビニル単量体等]との共重合体、酸基を有する他の重合体単量体と(メタ)アクリル系共重合性単量体[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等]との共重合体、ロジン変性ウレタンアクリレート、特殊変性アクリル樹脂、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートエマルジョンなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系樹脂のうち、少なくとも(メタ)アクリル酸を含む重合体、例えば、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等)、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等)等が好ましい。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等がより好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アクリル樹脂として使用できる市販品としては、例えば、ボンコート(DIC株式会社製)、ネオクリル(DSM社製)、アルマテックス(三井化学株式会社製)、ジュリマー(東亜合成株式会社製)等が挙げられる。
ポリビニルアルコール樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビニルエステル系重合体のケン化により得られるものを用いることができる。ビニルエステル系重合体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等の重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ポリビニルアルコール樹脂として使用できる市販品としては、例えば、クラレポバール(クラレ社製)、デンカポバール(電気化学工業社製)等が挙げられる。
セルロース樹脂としては、特に限定されず、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
セルロース樹脂として使用できる市販品としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(いずれもシグマアルドリッチ社製)等が挙げられる。
本発明の導電性組成物が(B)非架橋性バインダーとして(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とを含有する場合、その重量比率は、特に限定されないが、99:1〜30:70であることが好ましく、90:10〜50:50であることがより好ましい。(B−1)非極性樹脂の重量比率が30未満であると、得られる導電性複合材料の洗濯耐久性が低下することがある。
本発明の導電性組成物において、(B)非架橋性バインダーの含有量は、特に限定されないが、(A)導電性高分子の固形分100重量部に対して0.1〜1000重量部が好ましく、5〜500重量部がより好ましい。0.1重量部未満であると、得られる導電性複合材料の強度が弱くなることがあり、1000重量部を超えると、導電性組成物中の(A)導電性高分子の含有量が相対的に少なくなり、導電性複合材料とした際に十分な導電性を確保することができないことがある。
本発明の導電性組成物は、(A)導電性高分子、(B)非架橋性バインダー以外に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、(C)導電性向上剤、(B)非架橋性バインダー以外のバインダー、溶媒、架橋剤、触媒、界面活性剤及び/又はレベリング剤、水溶性酸化防止剤、金属ナノワイヤ、消泡剤、レオロジーコントロール剤、中和剤等が挙げられる。
<(C)導電性向上剤>
(C)導電性向上剤は、導電性組成物を用いて得られる導電性複合材料の導電性を向上させる目的で添加される。(C)導電性向上剤は、導電性複合材料を形成する際の乾燥処理により蒸散するが、その際に(A)導電性高分子の配向を制御することで導電性複合材料の導電性を向上させるものと推定される。
(C)導電性向上剤としては、特に限定されないが、例えば、沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物、沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物等が挙げられる。これらの(C)導電性向上剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中では、高いSP値に起因して、導電性組成物とした際の貯蔵安定性を確保できることから、沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物、沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物、及び、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。
沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、β−チオジグリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、カテコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、エリトリトール、インマトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、スクロース等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、p−トルイル酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−フェニル−N−プロピルアセトアミド、ベンズアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(C)導電性向上剤の沸点が特定温度以上であると、導電性複合材料を形成する際の乾燥処理によって(C)導電性向上剤が徐々に揮発していくことになるが、その過程で、(A)導電性高分子の配向を導電性にとって有利な配向に制御することになり、その結果、導電性が向上するものと考えられる。一方、(C)導電性向上剤の沸点が特定温度に満たないものであると、急激に(C)導電性向上剤が蒸発してしまうため、(A)導電性高分子の配向が十分に制御されず導電性の向上につながらないものと考えられる。
本発明の導電性組成物が(C)導電性向上剤を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、(A)導電性高分子100重量部に対して0.01〜100000重量部が好ましく、0.1〜10000重量部がより好ましい。(C)導電性向上剤の含有量が0.01重量部未満であると、十分な導電性向上効果が得られないことがあり、100000重量部を超えると、導電性複合材料の乾燥性が悪くなることがある。
<溶媒>
溶媒としては、特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、グリセリン等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;テトラヒドロフラン;アセトン;アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
溶媒は、水、又は、水と有機溶媒との混合物であることが好ましい。本発明の導電性組成物が溶媒として水を含有する場合、水の含有量は、特に限定されないが、(A)導電性高分子の固形分100重量部に対して、20〜1000000重量部が好ましく、200〜500000重量部がより好ましい。水の含有量が20重量部未満であると、粘度が高くなりハンドリングが困難になることがあり、1000000重量部を超えると、導電性組成物の濃度が低くなりすぎて液使用量が増えることがある。
溶媒として水と有機溶媒との混合物を含有する場合、有機溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。有機溶媒の含有量は特に限定されず、(A)導電性高分子の固形分100重量部に対して、20〜700000重量部が好ましく、200〜350000重量部がより好ましい。また、水と有機溶媒との比率(水:有機溶媒)は、重量比で、100:0〜5:95が好ましく、100:0〜30:70がより好ましい。
溶媒は、導電性組成物を用いて得られる導電性複合材料中には残留しないことが好ましい。なお、本明細書においては、導電性組成物の全ての成分を完全に溶解させるもの(即ち、「溶媒」)と、不溶成分を分散させるもの(即ち、「分散媒」)とは特に区別せずに、いずれも「溶媒」と記載する。
<界面活性剤及び/又はレベリング剤>
導電性組成物に界面活性剤及び/又はレベリング剤を配合することにより、導電性組成物のレベリング性を向上させることができる。なお、本発明においては、一の化合物が界面活性剤にもレベリング剤にも相当することがある。
界面活性剤としては、レベリング性向上効果を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素含有有機化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体などのポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、レベリング性向上効果が顕著に得られることからはシロキサン系化合物及びフッ素含有有機化合物が好ましい。
レベリング剤としては、特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素含有有機化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体等のポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらのレベリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<水溶性酸化防止剤>
導電性組成物に水溶性酸化防止剤を配合することにより、導電性組成物を含浸させて得られる導電性複合材料の耐熱性、耐湿熱性を向上させることができる。
水溶性酸化防止剤としては、特に限定されず、還元性の水溶性酸化防止剤、非還元性の水溶性酸化防止剤等が挙げられる。還元性の水溶性酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、D(−)−イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム等の2個の水酸基で置換されたラクトン環を有する化合物;マルトース、ラクトース、セロビオース、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類又は二糖類(但し、スクロースを除く);カテキン、ルチン、ミリセチン、クエルセチン、ケンフェロール、サンメリン(登録商標)Y−AF等のフラボノイド;クルクミン、ロズマリン酸、クロロゲン酸、ヒドロキノン、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、タンニン酸等のフェノール性水酸基を2個以上有する化合物;システイン、グルタチオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を有する化合物等が挙げられる。非還元性の水溶性酸化防止剤としては、例えば、フェニルイミダゾールスルホン酸、フェニルトリアゾールスルホン酸、2−ヒドロキシピリミジン、サリチル酸フェニル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等の酸化劣化の原因となる紫外線を吸収する化合物が挙げられる。これらの水溶性酸化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<金属ナノワイヤ>
導電性組成物に金属ナノワイヤを配合することで、導電性複合材料の導電性を向上させることができる。金属ナノワイヤとしては、金属単体や金属含有化合物からなるものが挙げられる。金属単体としては、特に限定されないが、例えば、銀、銅、銀、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金等が挙げられ、金属含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、これらの金属を含むものが挙げられる。これらの金属ナノワイヤは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
<中和剤>
導電性組成物は酸性であるため、中和剤としては塩基性化合物を使用することができる。塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物や炭酸塩等、アンモニア等のアンモニウム化合物、アミン類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性組成物の固形分は、特に限定されないが、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。導電性組成物の固形分が0.1重量%未満であると、十分な導電性を発現できないことがあり、10重量%を超えると、導電性複合材料とした際に硬くなり過ぎ、風合いが低下することがある。
<基材繊維>
基材繊維としては、特に限定されず、例えば、天然繊維、合成繊維、鉱物繊維、炭素繊維等が挙げられる。天然繊維としては、特に限定されないが、例えば、綿、絹、麻、毛等が挙げられる。合成繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリオレフィン等が挙げられる。これらの基材繊維は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中では、吸湿性、発色性等の機能と強度、耐久性の観点から、天然繊維、合成繊維又はこれらの組合せが好ましい。
基材繊維の形状としては、特に限定されず、紐状、シート状等が挙げられる。
<導電性複合材料>
本発明の導電性組成物を基材繊維に含浸させることにより、導電性複合材料を得ることができる。基材繊維に含浸させる導電性組成物の量は、特に限定されないが、基材繊維100重量部に対し1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。基材繊維に含浸させる導電性組成物の量が1重量部未満であると、十分な導電性を発現しないことがあり、30重量部を超えると、柔軟性が低下することがある。
導電性複合材料において、JIS L 0844 A−2号に基づく洗濯試験を2回行った後の表面抵抗率(以下、試験後表面抵抗率ともいう)は、洗濯試験前の表面抵抗率(以下、試験前表面抵抗率ともいう)の2倍以下である限り特に限定されない。試験後表面抵抗率が試験前表面抵抗率の2倍を超えると、使用できる回数が低下してしまうことがある。
導電性複合材料は、基材繊維に本発明の導電性組成物を含浸させた後、送風乾燥機等を用いて乾燥処理することにより得ることができる。乾燥処理の処理温度は、特に限定されないが、30〜150℃であることが好ましく、50〜130℃であることがより好ましい。処理温度が30℃未満であると、乾燥に長時間を要することがあり、150℃を超えると、基材繊維が変形することがある。処理時間は、特に限定されないが、1〜60分間であることが好ましく、5〜30分間であることがより好ましい。処理時間が1分間未満であると、溶媒が残存することがあり、60分間を超えると、基材繊維が変形することがある。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(使用材料)
1.基材繊維
・ポリエステル製マイクロファイバー(株式会社色染社製)
2.(A)導電性高分子
・PEDOT/PSS(ヘレウス社製、Clevios PH1000)
3.(B−1)非極性樹脂
・オレフィン樹脂(東洋紡株式会社製、ハードレンEH−801)
・オレフィン樹脂(東洋紡株式会社製、ハードレンNZ1004)
・オレフィン樹脂(東洋紡株式会社製、ハードレンEW8511)
・オレフィン樹脂(ユニチカ株式会社製、アローベースSB−1010)
4.(B−2)極性樹脂
・ウレタン樹脂(株式会社ADEKA製、アデカボンタイターHUX−350)
・ウレタン樹脂(株式会社ADEKA製、アデカボンタイターHUX−895)
・ウレタン樹脂(DIC株式会社製、ハイドランHW171)
・ウレタン樹脂(DIC株式会社製、ハイドランWLS210)
・エステル樹脂(高松油脂株式会社製、ペスレジンA−615GE)
・エステル樹脂(高松油脂株式会社製、ペスレジンA−645GE)
5.(C)導電性向上剤
・エチレングリコール
6.界面活性剤
・ポリエーテル変性シロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製、BYK348)
7.中和剤
・10%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)
(実施例1〜5、比較例1〜5)
下記表1に示す重量比で各成分を混合し、導電性組成物を得た。得られた導電性組成物を、10×4cmに切断したポリエステル製マイクロファイバーに含浸させた後、2本のガラス棒に挟みこんで水気をきり、送風乾燥機を用いて80℃で30分間乾燥処理を行うことにより、導電性複合材料を得た。得られた導電性複合材料を5×4cmの大きさに切断してサンプルとし、下記の方法により試験前表面抵抗率及び試験後表面抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
(評価方法)
1.洗濯試験
JIS L 0844 A−2号に基づく洗濯試験を行った。まず、粉せっけん0.75gを水150mlに溶解してせっけん液を作製した。次に、このせっけん液を50℃に加熱し、実施例1〜5及び比較例1〜5で得られたサンプルを入れ、汎用ホットスターラ(株式会社日伸理化製、SW−150HS)を用いて750rpm程度で30分間撹拌した。その後、サンプルを取り出し、100mlの水で1分間すすぐ作業を2回行った。サンプルの水気をきった後、送風乾燥機を用いて80℃で30分間乾燥処理を行った。なお、試験後表面抵抗率は、上述の洗濯試験を2回行った後の表面抵抗率である。
2.表面抵抗率(SR)
実施例1〜5及び比較例1〜5で得られたサンプルについて、試験前表面抵抗率及び試験後表面抵抗率を、抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスターGP MCP−T600)を用いて測定した。
なお、表1中、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率は、固形分の重量比率を表す。
Figure 0006732198

Claims (15)

  1. (A)ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体である導電性高分子、及び、(B)非架橋性バインダーを含む導電性組成物を基材繊維に含浸させて得られた導電性複合材料であって、
    JIS L 0844 A−2号に基づく洗濯試験を2回行った後の表面抵抗率が、洗濯試験前の表面抵抗率の2倍以下であることを特徴とする、導電性複合材料。
  2. (B)非架橋性バインダーが(B−1)非極性樹脂である、請求項1に記載の導電性複合材料。
  3. (B−1)非極性樹脂がオレフィン樹脂である、請求項2に記載の導電性複合材料。
  4. (B)非架橋性バインダーとして(B−2)極性樹脂を含み、
    (B−2)極性樹脂は、ウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性複合材料。
  5. (B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率が99:1〜30:70である、請求項4に記載の導電性複合材料。
  6. (C)導電性向上剤をさらに含み、
    (C)導電性向上剤は、沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物、沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物、及び、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性複合材料。
  7. 基材繊維の形状が紐状又はシート状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性複合材料。
  8. 基材繊維が天然繊維、合成繊維又はこれらの組合せである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性複合材料。
  9. (A)ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体である導電性高分子、(B)非架橋性バインダーである(B−1)非極性樹脂、及び、(C)導電性向上剤を含む、基材繊維に含浸させて得られる導電性複合材料用導電性組成物であって、
    (C)導電性向上剤は、沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物、沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボニル基を有する化合物、及び、沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物からなる導電性複合材料用導電性組成物群より選択される少なくとも1つである導電性複合材料用導電性組成物
  10. (A)ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体である導電性高分子、(B)非架橋性バインダーである(B−1)非極性樹脂、及び、(B−2)極性樹脂を含む、基材繊維に含浸させて得られる導電性複合材料用導電性組成物であって、
    (B−2)極性樹脂は、ウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである導電性複合材料用導電性組成物。
  11. (B)非架橋性バインダーとして(B−2)極性樹脂をさらに含み、
    (B−2)極性樹脂は、ウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項9に記載の導電性複合材料用導電性組成物。
  12. (B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率が99:1〜30:70である、請求項10または11に記載の導電性複合材料用導電性組成物。
  13. (B−1)非極性樹脂がオレフィン樹脂である、請求項9〜12のいずれかに記載の導電性複合材料用導電性組成物。
  14. 基材繊維の形状が紐状又はシート状である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の導電性複合材料用導電性組成物。
  15. 基材繊維が天然繊維、合成繊維又はこれらの組合せである、請求項9〜14のいずれか1項に記載の導電性複合材料用導電性組成物。
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