JP2016186032A - 導電性接着剤、透明積層体及び液晶表示デバイス - Google Patents

導電性接着剤、透明積層体及び液晶表示デバイス Download PDF

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長谷川 貴志
Takashi Hasegawa
貴志 長谷川
裕 永田
Yutaka Nagata
裕 永田
達也 大堀
Tatsuya Ohori
達也 大堀
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Abstract

【課題】帯電防止能を備え、非極性基材と極性基材の双方に対する接着性、及び、ポットライフに優れる導電性接着剤を提供し、極性基材と非極性基材との間に帯電防止能を有する接着層を設けた層構成を実用化すること。
【解決手段】(A)導電性高分子及び(B)非架橋性バインダーを含む導電性接着剤であって、(B)非架橋性バインダーは、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とからなり、(a)非極性基材と(c)極性基材とを接着するために用いられることを特徴とする導電性接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性接着剤、透明積層体及び液晶表示デバイスに関する。
従来、液晶ディスプレイ中の偏光板において、静電破壊などのトラブルを防止するため、帯電防止剤として透明性及び導電性に優れるPEDOT/PSS等の導電性高分子が用いられている。偏光板は、ポリビニルアルコール系フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素等を吸着させ、一軸延伸させて得られた偏光子(極性基材)と、シクロオレフィン系フィルム等の非極性基材とが接着剤で接着された構成を有する。そのため、極性基材と非極性基材との間に用いられる接着剤に導電性高分子を配合し、帯電防止能を持たせる取り組みが行われてきた。
このような接着剤としては、導電性高分子と非架橋性バインダーとを含む導電性接着剤が考えられる。しかしながら、非架橋性バインダーを含む導電性接着剤は、極性基材と非極性基材との間の接着性が充分でなかった。そのため、極性基材と非極性基材との間に帯電防止能を有する接着層を設けた層構成を実現することは困難であった。
一方、特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光子に透明保護フィルムを接着するための接着剤層として、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および金属化合物コロイドを含有してなる偏光板用接着剤が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の接着剤は、架橋性バインダーであるポリビニルアルコール系樹脂を含有するため、液安定性(ポットライフ)に劣るという問題があった。
特開2009−139749号公報
本発明は、帯電防止能を備え、非極性基材と極性基材の双方に対する接着性、及び、ポットライフに優れる導電性接着剤を提供し、極性基材と非極性基材との間に帯電防止能を有する接着層を設けた層構成を実用化することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、非架橋性バインダーとして非極性樹脂と極性樹脂とを併用することにより、帯電防止能を備え、非極性基材と極性基材の双方に対する接着性、及び、ポットライフに優れる導電性接着剤を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の導電性接着剤は、
(A)導電性高分子及び(B)非架橋性バインダーを含む導電性接着剤であって、
(B)非架橋性バインダーは、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とからなり、
(a)非極性基材と(c)極性基材とを接着するために用いられることを特徴とする。
本発明の導電性接着剤は、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率が99:1〜30:70であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、(B−1)非極性樹脂がオレフィン樹脂であることが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、(B−2)極性樹脂がウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の導電性接着剤は、
(a)シクロオレフィンから形成された非極性基材と、
(c)ポリビニルアルコールから形成された極性基材とを接着した場合に、剥離強度が1N/25mm以上であることが好ましい。
本発明の透明積層体は、
(a)シクロオレフィンから形成された非極性基材、
(b)本発明の導電性接着剤から形成された導電性接着層、及び、
(c)ポリビニルアルコールから形成された極性基材を備え、
剥離強度が1N/25mm以上であることを特徴とする。
本発明の透明積層体は、(b)導電性接着層と(c)極性基材との間に(d)易接着層をさらに備えることが好ましい。
本発明の液晶表示デバイスは、本発明の透明積層体を備えることを特徴とする。
本発明の導電性接着剤は、非架橋性バインダーとして非極性樹脂と極性樹脂とを併用するため、帯電防止能を備え、非極性基材と極性基材の双方に対する接着性、及び、ポットライフに優れる。
<<導電性接着剤>>
本発明の導電性接着剤は、
(A)導電性高分子及び(B)非架橋性バインダーを含む導電性接着剤であって、
(B)非架橋性バインダーは、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とからなり、
(a)非極性基材と(c)極性基材とを接着するために用いられることを特徴とする導電性接着剤である。
<(A)導電性高分子>
(A)導電性高分子は、導電性接着層に導電性を付与するための配合物である。(A)導電性高分子としては特に限定されず、従来公知の導電性高分子を用いることができ、具体例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。中でも、チオフェン環を分子内に含むことで導電性が高い分子ができやすい点で、分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子が好ましい。(A)導電性高分子は、ポリ陰イオン等のドーパントと複合体を形成していてもよい。
分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子の中でも、導電性や化学的安定性に極めて優れている点で、ポリ(3,4−二置換チオフェン)がより好ましい。また、導電性高分子が、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオン(ドーパント)との複合体である場合、低温かつ短時間で導電性接着層を形成することができ、生産性にも優れることとなる。なお、ポリ陰イオンは導電性高分子のドーパントであり、その内容については後述する。
ポリ(3,4−二置換チオフェン)としては、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)としては、以下の式(I):
Figure 2016186032
で示される反復構造単位からなる陽イオン形態のポリチオフェンが好ましい。
ここで、R及びRは相互に独立して水素原子又はC1−4のアルキル基を表すか、又は、R及びRが結合している場合にはC1−4のアルキレン基を表す。C1−4のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、R及びRが結合している場合、C1−4のアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。これらの中では、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基がより好ましい。C1−4のアルキル基、及び、C1−4のアルキレン基は、その水素の一部が置換されていても良い。C1−4のアルキレン基を有するポリチオフェンとしては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性高分子の重量平均分子量は、500〜100000の範囲であることが好ましく、1000〜50000の範囲であることがより好ましく、1500〜20000の範囲であることが最も好ましい。500未満の重量平均分子量では、導電性接着剤とした場合に要求される粘度を確保することができないことや、導電性接着層とした場合の導電性が低下することがある。
ドーパントは特に限定されないが、ポリ陰イオンが好ましい。ポリ陰イオンは、ポリチオフェン(誘導体)とイオン対をなすことにより複合体を形成し、ポリチオフェン(誘導体)を水中に安定に分散させることができる。ポリ陰イオンとしては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸ポリマー類(例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸等)、スルホン酸ポリマー類(例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等)等が挙げられる。これらのカルボン酸ポリマー類及びスルホン酸ポリマー類はまた、ビニルカルボン酸類及びビニルスルホン酸類と他の重合可能なモノマー類、例えば、アクリレート類、スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体であっても良い。これらの中では、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
ポリスチレンスルホン酸は、重量平均分子量が20000〜500000が好ましく、40000〜200000がより好ましい。分子量がこの範囲外のポリスチレンスルホン酸を使用すると、ポリチオフェン系導電性高分子の水に対する分散安定性が低下する場合がある。なお、重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
(A)導電性高分子とポリ陰イオンとの複合体としては、透明性及び導電性に特に優れることから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体であることが好ましい。
(A)導電性高分子の導電率は、特に限定されないが、導電性接着層に十分な導電性を付与する観点からは、0.01S/cm以上であることが好ましく、0.05S/cm以上であることがより好ましい。
導電性接着剤における(A)導電性高分子の含有量は特に限定されず、透明積層体とした際に、0.01〜50.0mg/mとなる量が好ましく、0.1〜10.0mg/mとなる量がより好ましい。0.01mg/m未満では、導電性接着層中の(A)導電性高分子の存在割合が少なくなり、導電性接着層の導電性を十分に確保することができない場合があり、一方、50.0mg/mを超えると、導電性接着層中の(A)導電性高分子の存在割合が多くなり、導電性接着層の強度、成膜性に悪影響を与える原因となる場合があるからである。
<(B)非架橋性バインダー>
(B)非架橋性バインダーは、本発明の導電性接着剤中の配合物同士を結合させ、より確実に導電性接着層を形成する目的で添加されるものである。本発明では、(B)成分として(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とを併用する点が最も重要である。
ここで、本発明において、「非極性」とは、SP値が6〜10未満、好ましくは7〜9であることをいい、「極性」とは、SP値が10〜14、好ましくは、11〜13であることをいう。
(B−1)非極性樹脂としては、SP値が6〜10未満である限り特に限定されないが、例えば、オレフィン樹脂、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。これらの中では、密着性の観点から、オレフィン樹脂が好ましい。これらの(B−1)非極性樹脂は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
オレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(環状ポリオレフィン)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
オレフィン樹脂として使用できる市販品としては、ハードレン(東洋紡株式会社製)、アプトロック(三菱化学株式会社製)、アローベース(ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
合成ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(B−2)極性樹脂としては、SP値が10〜14である限り特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。これらの中では、製膜性の観点から、ウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。これらの(B−2)極性樹脂は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ウレタン樹脂としては、イソシアネート基を有する化合物とヒドロキシル基を有する化合物を共重合させた高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エステル・エーテル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタン、アクリル系ポリウレタン等が好ましく使用される。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ウレタン樹脂として使用できる市販品としては、スーパーフレックス(第一工業株式会社製)等が挙げられる。
エステル樹脂としては、2つ以上のカルボキシル基を分子内に有する化合物と2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を重縮合した高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が好ましく使用される。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エステル樹脂として使用できる市販品としては、例えば、ガブセンES−210(ナガセケムテックス株式会社製)、バイロナール(東洋紡株式会社製)等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂等が挙げられる。これらのアクリル樹脂としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、燐酸基などの酸基を有する重合性単量体を構成モノマーとして含む重合体であればよく、例えば、酸基を有する重合性単量体の単独又は共重合体、酸基を有する重合性単量体と共重合性単量体との共重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体を主たる構成モノマー(例えば、50モル%以上)として含んでいればよく、(メタ)アクリル系単量体及び共重合性単量体のうち、少なくとも一方が酸基を有していればよい。(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、酸基を有する(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド等]の単独又は共重合体、酸基を有していてもよい(メタ)アクリル系単量体と酸基を有する他の重合性単量体[他の重合性カルボン酸、重合性多価カルボン酸又は無水物、ビニル芳香族スルホン酸等]及び/又は共重合性単量体[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、芳香族ビニル単量体等]との共重合体、酸基を有する他の重合体単量体と(メタ)アクリル系共重合性単量体[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等]との共重合体、ロジン変性ウレタンアクリレート、特殊変性アクリル樹脂、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートエマルジョンなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系樹脂のうち、少なくとも(メタ)アクリル酸を含む重合体、例えば、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等)、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等)等が好ましい。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等がより好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
アクリル樹脂として使用できる市販品としては、例えば、ボンコート(DIC株式会社製)、ネオクリル(DSM社製)、アルマテックス(三井化学株式会社製)、ジュリマー(東亜合成株式会社製)等が挙げられる。
ポリビニルアルコール樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビニルエステル系重合体のケン化により得られるものを用いることができる。ビニルエステル系重合体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等の重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ポリビニルアルコール樹脂として使用できる市販品としては、例えば、クラレポバール(クラレ社製)、デンカポバール(電気化学工業社製)等が挙げられる。
セルロース樹脂としては、特に限定されず、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
セルロース樹脂として使用できる市販品としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(いずれもシグマアルドリッチ社製)等が挙げられる。
本発明の導電性接着剤において、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率は、特に限定されないが、99:1〜30:70であることが好ましく、90:10〜50:50であることがより好ましい。(B−1)成分の重量比率が30未満であると、非極性基材との密着性が不十分となることがあり、99を超えると、極性基材との密着性が不十分となったり、(A)導電性高分子の分散状態が悪くなり、導電性接着層の透明性が不十分となることがある。
本発明の導電性接着剤において、(B)非架橋性バインダーの含有量は、特に限定されないが、(A)導電性高分子の固形分100重量部に対して0.1〜1000重量部が好ましく、5〜500重量部がより好ましい。0.1重量部未満であると、透明積層体としたときの強度が弱くなることがあり、1000重量部を超えると、導電性接着剤中の(A)導電性高分子の含有量が相対的に少なくなり、導電性接着層とした際に十分な導電性を確保することができないことがある。
<任意成分>
本発明の導電性接着剤は、(A)導電性高分子、(B)非架橋性バインダー以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、任意に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、導電性向上剤、(B)非架橋性バインダー以外のバインダー、溶媒、架橋剤、触媒、界面活性剤及び/又はレベリング剤、水溶性酸化防止剤、金属ナノワイヤ、消泡剤、レオロジーコントロール剤、中和剤等が挙げられる。
導電性向上剤は、本発明の導電性接着剤を用いて形成した導電性接着層の導電性を向上させる目的で添加される。導電性向上剤は、導電性接着層を形成する際に加熱により蒸散するが、その際に(A)導電性高分子の配向を制御することで導電性接着層の導電性を向上させるものと推定される。また、導電性向上剤を使用する場合、導電性向上剤を使用しない場合と比較して、表面抵抗率を維持しつつ(A)導電性高分子の配合量を少なく出来る結果、透明性を改善できる利点がある。
導電性向上剤は、導電性接着層に必要な導電性を確実に確保するとの観点から、以下(i)〜(vii)からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
(i)沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのケトン基を有する化合物
(ii)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのエーテル基を有する化合物
(iii)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物
(iv)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物
(v)沸点が50℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物
(vi)沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物
(vii)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのラクタム基を有する化合物
沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのケトン基を有する化合物(i)としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのエーテル基を有する化合物(ii)としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−フェノキシエタノール、ジオキサン、モルホリン、4−アクリロイルモルホリン、N−メチルモルホリンN−オキシド、4−エチルモルホリン、2−メトキシフラン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物(iii)としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物(iv)としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−フェニル−N−プロピルアセトアミド、ベンズアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が50℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物(v)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、p−トルイル酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物(vi)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、β−チオジグリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、カテコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、エリトリトール、インマトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、スクロース等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのラクタム基を有する化合物(vii)としては、例えば、N−メチルピロリドン、β−ラクタム、γ−ラクタム、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
導電性向上剤の沸点が特定温度以上であると、導電性接着層形成時の加熱によって導電性向上剤が徐々に揮発していくことになるが、その過程で、(A)導電性高分子の配向を導電性にとって有利な配向に制御することになり、その結果、導電性が向上するものと考えられる。一方、導電性向上剤の沸点が特定温度に満たないものであると、急激に導電性向上剤が蒸発してしまうため、(A)導電性高分子の配向が十分に制御されず導電性の向上につながらないものと考えられる。
本発明の導電性接着剤が導電性向上剤を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、(A)導電性高分子100重量部に対して0.01〜100000重量部が好ましく、0.1〜10000重量部がより好ましい。導電性向上剤の含有量が0.01重量部未満であると、十分な導電性向上効果が得られないことがあり、100000重量部を超えると、導電性接着層の乾燥性が悪くなることがある。
溶媒としては、特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、グリセリン等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;テトラヒドロフラン;アセトン;アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
溶媒は、水、又は、水と有機溶媒との混合物であることが好ましい。本発明の導電性接着剤が溶媒として水を含有する場合、水の含有量は、特に限定されないが、(A)導電性高分子の固形分100重量部に対して、20〜1000000重量部が好ましく、200〜500000重量部がより好ましい。水の含有量が20重量部未満であると、粘度が高くなりハンドリングが困難になることがあり、1000000重量部を超えると、導電性接着剤の濃度が低くなりすぎて導電性接着層の厚さの調整が難しくなることがあるからである。
溶媒として水と有機溶媒との混合物を含有する場合、有機溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。有機溶媒の含有量は特に限定されず、(A)導電性高分子の固形分100重量部に対して、20〜700000重量部が好ましく、200〜350000重量部がより好ましい。また、水と有機溶媒との比率(水:有機溶媒)は、重量比で、100:0〜5:95が好ましく、100:0〜30:70がより好ましい。
溶媒は、導電性接着剤を用いて形成する導電性接着層中には残留しないことが好ましい。なお、本明細書においては、導電性接着剤の全ての成分を完全に溶解させるもの(即ち、「溶媒」)と、不溶成分を分散させるもの(即ち、「分散媒」)とは特に区別せずに、いずれも「溶媒」と記載する。
本発明の導電性接着剤に界面活性剤及び/又はレベリング剤を配合することにより、導電性接着剤のレベリング性を向上させることができ、導電性接着剤を用いて導電性接着層を形成することで均一な導電性接着層を得ることができる。なお、本発明においては、一の化合物が界面活性剤にもレベリング剤にも相当することがある。
界面活性剤としては、レベリング性向上効果を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素含有有機化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体などのポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、レベリング性向上効果が顕著に得られることからはシロキサン系化合物及びフッ素含有有機化合物が好ましい。
レベリング剤としては、特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素含有有機化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体等のポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらのレベリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性接着剤に水溶性酸化防止剤を配合することにより、導電性接着剤を用いて形成した導電性接着層の耐熱性、耐湿熱性を向上させることができる。
水溶性酸化防止剤としては、特に限定されず、還元性の水溶性酸化防止剤、非還元性の水溶性酸化防止剤等が挙げられる。還元性の水溶性酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、D(−)−イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム等の2個の水酸基で置換されたラクトン環を有する化合物;マルトース、ラクトース、セロビオース、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類又は二糖類(但し、スクロースを除く);カテキン、ルチン、ミリセチン、クエルセチン、ケンフェロール、サンメリン(登録商標)Y−AF等のフラボノイド;クルクミン、ロズマリン酸、クロロゲン酸、ヒドロキノン、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、タンニン酸等のフェノール性水酸基を2個以上有する化合物;システイン、グルタチオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を有する化合物等が挙げられる。非還元性の水溶性酸化防止剤としては、例えば、フェニルイミダゾールスルホン酸、フェニルトリアゾールスルホン酸、2−ヒドロキシピリミジン、サリチル酸フェニル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等の酸化劣化の原因となる紫外線を吸収する化合物が挙げられる。これらの水溶性酸化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性接着剤に金属ナノワイヤを配合することで、導電性接着層の導電性を向上させることができる。金属ナノワイヤとしては、金属単体や金属含有化合物からなるものが挙げられる。金属単体としては、特に限定されないが、例えば、銀、銅、銀、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金等が挙げられ、金属含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、これらの金属を含むものが挙げられる。これらの金属ナノワイヤは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性接着剤は酸性であるため、中和剤としては塩基性化合物を使用することができる。塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物や炭酸塩等、アンモニア等のアンモニウム化合物、アミン類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の導電性接着剤は、(B)架橋性バインダーとして(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とを含むため、後述する(a)非極性基材と(c)極性基材の双方に対する接着性に優れる。そのため、(a)非極性基材と(c)極性基材とを接着するために好適に用いられる。
(a)非極性基材の材質としては、SP値が6〜10未満である限り特に限定されないが、例えば、シクロオレフィン(COP)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの材質は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(c)極性基材の材質としては、SP値が10〜14である限り特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC),ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。これらの材質は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(a)非極性基材及び(c)極性基材の厚みは、特に限定されないが、1μm〜10mmであることが好ましく、10〜400μmであることがより好ましく、20〜200μmであることがさらに好ましい。厚みが1μm未満であると、基材の強度に劣ることがあり、10mmを超えると、基材の透明性が悪化することがある。
本発明の導電性接着剤の剥離強度は、特に限定されないが、密着性の観点からは、(a)シクロオレフィンから形成された非極性基材と、(c)ポリビニルアルコールから形成された極性基材とを接着した場合に、剥離強度が1N/25mm以上であることが好ましい。ここで、剥離強度とは、具体的には、JIS K 6854−2に従って測定された180度剥離強度をいう。
<<透明積層体>>
本発明の透明積層体は、(a)シクロオレフィンから形成された非極性基材、(b)本発明の導電性接着剤から形成された導電性接着層、及び、(c)ポリビニルアルコールから形成された極性基材を備え、剥離強度が1N/25mm以上であることを特徴とする。
本発明の導電性接着剤を用いて(b)導電性接着層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、(a)非極性基材上に本発明の導電性接着剤を塗布した後、加熱・乾燥処理する方法等が挙げられる。本発明の導電性接着剤を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソグラフィー印刷等が挙げられる。また、加熱・乾燥処理の条件としては、特に限定されないが、例えば、送風乾燥機等を用いて40〜200℃で30秒〜60分間加熱・乾燥する条件を採用することができる。
(b)導電性接着層の厚みは、特に限定されないが、0.005〜10μmであることが好ましく、0.03〜3μmであることがより好ましい。厚みが0.005μm未満であると、(b)導電性接着層を形成する際にハジキが生じたり、導電性、接着性が発現しない場合があり、10μmを超えると、(b)導電性接着層の透明性が悪化することがある。
本発明の透明積層体は、密着性の観点から、(b)導電性接着層と(c)極性基材との間に(d)易接着層をさらに備えることが好ましい。
(d)易接着層の材質としては、特に限定されないが、例えば、ウレタン樹脂、エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これらの材質は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(d)易接着層には、必要に応じて架橋剤を配合しても良い。架橋剤を配合することによりバインダー樹脂を架橋させることができ、(b)導電性接着層と(c)極性基材との密着性をさらに向上させることができる。架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、メラミン系、ポリカルボジイミド系、ポリオキサゾリン系、ポリエポキシ系、ポリイソシアネート系、ポリアクリレート系等の架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(d)易接着層の厚みは、特に限定されないが、0.02〜2μmであることが好ましく、0.02〜0.5μmであることがより好ましい。厚みが0.02μm未満であると、(d)易接着層を形成する際にハジきが生じることがあり、2μmを超えると、(d)易接着層の透明性が悪化することがある。
本発明の透明積層体の全光線透過率(Tt)は、特に限定されないが、60%以上が好ましく、70%以上であることがより好ましい。全光線透過率が60%未満であると、透明積層体の透明性が悪化することがある。一方、上限は特に限定されない。
本発明の透明積層体のヘイズ(Haze)値は、特に限定されないが、5.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。ヘイズ値が5.0を超えると、透明積層体の透明性が悪化することがある。なお、ヘイズ値は小さければ小さいほど好ましいため、その下限は特に限定されないが、例えば0.01である。
本発明の透明積層体の表面抵抗率(SR)は、特に限定されないが、1.0×1010Ω/□以下であることが好ましく、1.0×10Ω/□以下であることがより好ましい。表面抵抗率が1.0×1010Ω/□を超えると、十分な帯電防止能を確保することができないことがある。なお、表面抵抗率は小さければ小さい程好ましいため、その下限は特に限定されないが、例えば、0.1Ω/□である。
<<液晶表示デバイス>>
本発明の液晶表示デバイスは、本発明の透明積層体を備えることを特徴とする。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(使用材料)
1.(A)導電性高分子
・ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を含む水分散体(ヘレウス株式会社製、Clevios P)
2.(B−1)非極性樹脂
・オレフィン樹脂(東洋紡株式会社製、ハードレンEH−801)
・オレフィン樹脂(ユニチカ株式会社製、アローベースSB−1010)
3.(B−2)極性樹脂
・ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス420)
・ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス460)
・ウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス470)
・アクリル樹脂(三井化学株式会社製、アルマテックスK271)
・エステル樹脂(ナガセケムテックス株式会社、ガブセンES−210)
4.界面活性剤
・フッ素系界面活性剤(デュポン株式会社製、CAPSTONE FS−3100)
5.導電性向上剤
・ジメチルスルホキシド(DMSO)(和光純薬工業株式会社製)
6.溶媒
・ソルミックスAP−7(日本アルコール販売株式会社製)
(実施例1〜8、比較例1〜4)
下記表1に示す重量比で各成分を混合し、導電性接着剤を得た。得られた導電性接着剤を、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名:ゼオノア)基材上にバーコート法で塗布し、80℃で2分間乾燥させることにより、導電性接着層を形成した。この、非極性基材と導電性接着層からなる試験フィルムを用い、後述する方法により導電性接着層の全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Haze)値、表面抵抗率(SR)を測定した。次に、試験フィルムの導電性接着層上に後述する方法で得られた極性基材形成用樹脂をバーコート法で塗布後、100℃で5分間乾燥させることにより極性基材を形成し、透明積層体を得た。得られた透明積層体を用いて、後述する方法によりテープ剥離試験の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1と同様の手法にて試験フィルムを作成し、後述する方法により導電性接着層の全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Haze)値、表面抵抗率(SR)を測定した。次に、試験フィルム上に後述する方法で得られた易接着層形成用組成物をバーコート法にて塗布し、55℃で10分間乾燥させた後、実施例1と同様の手法にて易接着層上に極性基材を形成することにより、透明積層体を得た。得られた透明積層体を用いて、後述する方法によりテープ剥離試験の評価を行った。結果を表1に示す。
(極性基材形成用樹脂)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−117)を水に溶解し、5重量%溶液を調製した。
(易接着層形成用組成物)
ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−117)100重量部に対してメチロールメラミン50重量部を添加後、水に溶解し、5%水溶液を調製した。
なお、表1中、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率は、固形分の重量比率を表す。
(測定・評価方法)
1.全光線透過率(Tt)、ヘイズ(Haze)値
JIS K 7150に従い、スガ試験機株式会社製ヘイズコンピュータHGM−2Bを用いて測定した。
2.表面抵抗率(SR)
抵抗率計(三菱化学株式会社製、ロレスターGP MCP−T600)を用いて測定した。
3.テープ剥離試験
実施例及び比較例で得られた透明積層体を切り出し、25×150mmの試験フィルムとし、180度剥離強度をJIS K 6854−2に従って測定し、下記3段階で評価した。
◎:剥離強度が10N/25mm以上である
○:剥離強度が1N/25mm以上10N/25mm未満である
×:剥離強度が1N/25mm未満である
Figure 2016186032

Claims (8)

  1. (A)導電性高分子及び(B)非架橋性バインダーを含む導電性接着剤であって、
    (B)非架橋性バインダーは、(B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂とからなり、
    (a)非極性基材と(c)極性基材とを接着するために用いられることを特徴とする導電性接着剤。
  2. (B−1)非極性樹脂と(B−2)極性樹脂との重量比率が99:1〜30:70である、請求項1に記載の導電性接着剤。
  3. (B−1)非極性樹脂がオレフィン樹脂である、請求項1又は2に記載の導電性接着剤。
  4. (B−2)極性樹脂がウレタン樹脂、エステル樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性接着剤。
  5. (a)シクロオレフィンから形成された非極性基材と、
    (c)ポリビニルアルコールから形成された極性基材とを接着した場合に、剥離強度が1N/25mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性接着剤。
  6. (a)シクロオレフィンから形成された非極性基材、
    (b)請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性接着剤から形成された導電性接着層、及び、
    (c)ポリビニルアルコールから形成された極性基材を備え、
    剥離強度が1N/25mm以上であることを特徴とする透明積層体。
  7. (b)導電性接着層と(c)極性基材との間に(d)易接着層をさらに備える、請求項6に記載の透明積層体。
  8. 請求項6又は7に記載の透明積層体を備えることを特徴とする液晶表示デバイス。
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