JP6731916B2 - 細胞培養インサート - Google Patents

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Description

関連技術の相互参照
本出願は、その内容に依拠し、参照により全内容が本明細書に組み込まれたものとする、2014年10月29日出願の米国仮特許出願第62/069996号の米国特許法第119条に基づく優先権を主張するものである。
本開示はセルを培養するための装置、システム、及び方法に関するものである。
本開示は、概して、細胞を培養する際に用いられ、細胞凝集塊の形成を促進する細胞培養インサート、及びこのような細胞凝集塊促進細胞培養インサートの使用方法に関するものである。細胞凝集塊は、二次元(2D)の細胞培養システムにおいて、単層として培養された細胞と比較して、より生体内に近い機能を細胞に与えることができる三次元(3D)の細胞集団である。肝細胞等、特定の細胞種にとって、細胞凝集塊は、2Dで培養した同等物と比較して、より優れた生体内に似た機能性を達成し保持することができる。
本開示の様々な実施の形態に従って、細胞を培養する際に用いられ、細胞凝集塊の形成を促進する細胞培養インサート、及びかかる細胞凝集塊促進細胞培養インサートの使用方法について説明する。一部の実施の形態において、本明細書に記載の細胞培養インサートを別の細胞培養インサートに入れ子にするか、又は別の細胞培養インサートを本明細書に記載の細胞培養インサートに入れ子にすることができる。
様々な実施の形態において、本開示は、本体及び多孔質膜を有する細胞培養インサートを記述している。本体は第1の開放端部、第2の端部であって、100μm〜1000μmの範囲(例えば、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、及びそれらの間のすべての値及び範囲、例えば、200〜500、200〜700、400〜600等)の直径寸法を有する開口部を画成する第2の端部、及び第1の開放端部から第2の開放端部に延びる1つ以上の側壁を有している。1つ以上の側壁、又はその一部が(例えば、第1又は第2の端部に対し、垂直から5度より大きく、例えば、>10°、>20°、>30°、>40°、>50°等)傾斜を成している。側壁は、傾斜を成している場合、第2の端部の直径が、第1の開放端部の直径より小さくなるように傾斜していることが好ましい。多孔質膜が第2の端部の開口部の上に配置されている。
様々な実施の形態において、本開示は、本体及び多孔質膜を有する細胞培養インサートを記述している。本体は第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有している。1つ以上の側壁、又はその一部が傾斜を成している。多孔質膜は、第2の端部の開口部の上に配置され、細胞非接着性である。
様々な実施の形態において、本開示は、細胞培養デバイスの貯留容器に少なくとも部分的に挿入されるように構成された、透過性支持デバイスを記述している。透過性支持デバイスは、テーパー形状、及び第1の透過性支持体によって少なくとも部分的に画成された底部を有する第1の井戸を備えている。
様々な実施の形態において、本開示は、細胞培養インサートを記述している。インサートは、第1の開放端部、第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有する本体を含んでいる。第2の端部は、底部に多孔質膜を有する井戸を画成する微小井戸のアレイを有する基板を備え、井戸を画成する微小井戸のアレイを有する基板の少なくとも一部が傾斜を成している。
様々な実施の形態において、本開示は、テーパー形状、及び第1の透過性支持体によって少なくとも部分的に画成された底部を有する第1の井戸、及び第1の井戸の下方に底部を有する貯留容器を備えた、入れ子式透過性支持デバイスを記述している。実施の形態において、貯留容器は、ガス透過性材料で構成されるか、微小井戸のアレイを有するか、又はその両方である。
様々な実施の形態において、本開示は、第1の井戸、第2の井戸、及び第3の井戸を備えた、入れ子式透過性支持デバイスを記述している。第1の井戸は底部を有し、底部の少なくとも一部が、第1の多孔質膜によって形成されている。第2の井戸は底部を有し、底部の少なくとも一部が、第2の多孔質膜によって形成されている。第1又は第2の透過性支持体の一部は弓形形状を成すことができる。第2の井戸及び第2の透過性支持体は、第1の井戸及び第1の透過性支持体の下方に位置している。第3の井戸は、第2の井戸及び第2の透過性支持体の下方に位置する、液体非透過性、ガス透過性の底部を有している。
別の実施の形態において、本開示は、第1の井戸、第2の井戸、及び第3の井戸を備えた、入れ子式透過性支持デバイスを記述している。第1の井戸は、底部が多孔質膜である微小井戸のアレイを形成した基板を有している。第2の井戸は、底部が多孔質膜である微小井戸のアレイを形成した基板を有している。第3の井戸は、底部が液体非透過性、ガス透過性支持体である、微小井戸のアレイを形成した基板を有している。多孔質膜の底部を有し、微小井戸のアレイ基板を備えた第2の井戸は、第1の多孔質膜の底部を有し、微小井戸のアレイ基板を備えた第1の井戸の下方、かつ液体非透過性、ガス透過性底部を有し、微小井戸のアレイ基板を備えた第3の井戸の上方に位置している。
本開示の主題の更なる特徴及び効果は、これに続く詳細な説明に述べてあり、当業者はその記述から、一部は容易に明らかであり、これに続く詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付図面を含め、本明細書に記載の方法を実施することによって認識できるであろう。
前述の概要説明及び以下の詳細な説明は、本発明の主題の実施の形態を示すものであって、特許請求した本発明の主題の性質及び特徴を理解するための概要、及び枠組みの提供を意図したものであることを理解されたい。添付図面は、本発明の主題の更なる理解が得られることを意図して添付したもので、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものである。図面は、本開示の主題の様々な実施の形態を示すもので、その説明と併せ、本開示の主題の原理及び作用の説明に役立つものである。更に、図面及び詳細な説明は、単なる例示に過ぎず、いかなる方法によっても、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
本開示の具体的な実施の形態の以下の詳細な説明は、同様の構造は同様の参照番号で示す、以下の図面と併せて読むことによって、最も良く理解することができる。
細胞を培養して細胞凝集塊を形成することができる、細胞培養インサートの実施の形態の概略図。 細胞を培養して細胞凝集塊を形成することができる、細胞培養インサートの実施の形態の概略図。 細胞を培養して細胞凝集塊を形成することができる、細胞培養インサートの実施の形態の概略図。 細胞を培養して細胞凝集塊を形成することができる、一部分の細胞培養インサートの実施の形態の概略図。 細胞を培養して細胞凝集塊を形成することができる、一部分の細胞培養インサートの実施の形態の概略図。 細胞を培養して、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、細胞培養インサートの実施の形態の概略図(側面図)。 細胞培養インサートの第2の端部に、微小井戸のアレイを有する基板の1つの実施の形態を示す図。 細胞を培養して、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、細胞培養インサートの第2の端部の概略図(上面図)。 細胞を培養して、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、細胞培養インサートの第2の端部を形成する、底部が多孔質膜を有する基板上の微小井戸のアレイの概略図(拡大側面図)。 細胞を培養して、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、入れ子式細胞培養インサートの一部の実施の形態の概略図。 細胞を培養して、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、入れ子式細胞培養インサートの一部の実施の形態の概略図。 細胞を培養して、井戸の底部を形成する任意又はすべての細胞培養基板上に、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、入れ子式細胞培養インサートの一部の実施の形態の概略図。 細胞を培養して、井戸の底部を形成する任意又はすべての細胞培養基板上に、1つ以上の細胞凝集塊を形成することができる、入れ子式細胞培養インサートの一部の実施の形態の概略図。
一部の実施の形態を添付図面に示す、本開示の主題の様々な実施の形態について以下詳細に説明する。図面全体を通し、同一又は同様の部品には、同じ参照番号を用いている。しかし、参照番号を用いて所与の図における構成要素を示すことによって、同じ番号で示す、別の図における構成要素を、限定することを意図するものではないことが理解されよう。更に、異なる参照番号を用いて構成要素を示すことによって、異なる番号を付した構成要素が、別の番号を付した構成要素と同一又は類似することができないことを示すことを意図したものではない。
本開示は、取り分け、細胞凝集塊促進細胞培養インサート及び細胞凝集塊促進細胞培養インサートの使用方法を記述するものである。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートは、細胞培養装置に収容される。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートは、別の細胞培養インサート又は別の細胞凝集塊促進細胞培養インサート内に配置することができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートは、別の細胞培養インサート又は別の細胞凝集塊促進細胞培養インサートを収容することができる。様々な実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートの使用方法が、新規化学物質(NCE)又は新規生物由来物質(NBE)を試験するための実験を行うステップを含んでいる。
入れ子式透過性支持デバイスを含む、細胞培養デバイス又は装置は、細胞凝集塊促進細胞培養インサートを有するように構成することができる。かかる細胞培養デバイス又は装置の例には、TRANSWELL(登録商標)透過性支持体(コーニング社)、及びMILLICELL(登録商標)細胞培養インサート(EMD Millipore社)、並びに本明細書の開示と矛盾しない範囲において、参照により、その全内容が本明細書に組み込まれたものとする、米国特許第8,163,537号明細書に記載の細胞培養物品及び方法が含まれる。
ここで、図1A〜Cを参照すると、細胞培養装置500の実施の形態の概略側面図が示されている。装置500は、1つ以上の側壁110を有する細胞凝集塊促進細胞培養インサート100であって、側壁を細胞非接着性として、インサート100内の細胞を互いに結合させて細胞凝集塊200を形成させるインサートを備えている。実施の形態において、インサートは、マルチ井戸細胞培養プレートの貯留容器又は井戸150の内部に収まる。一部の実施の形態において、1つ以上の側壁110を超低結合材料でコーティングして、側壁を細胞非接着性にすることができる。非接着性材料の例には、過フッ素化ポリマー、オレフィン、同様のポリマー、又はそれらの混合物が含まれる。別の例には、アガロース、ポリアクリルアミド等の非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、ポリビニルアルコール等のポリオール又は同様の材料、あるいはそれらの混合物が含まれる。
細胞凝集塊促進細胞培養インサート100の1つ以上の側壁110が、傾斜を成す部分115を含んでいる。一部の実施の形態において、1つ以上の側壁は、その長さ全体に沿って傾斜させることができる。別の実施の形態において、1つ以上の側壁は、一部分のみが傾斜を成している。
細胞凝集塊促進細胞培養インサート100の1つ以上の側壁110及び他の構成要素は、任意の適切な材料で構成することができる。細胞又は培養培地と接触することが意図される物質は、細胞及び培地と適合性があることが好ましい。一般的には、細胞培養構成要素はポリマー材料で構成される。適切なポリマー材料の例には、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン共重合体、フッ素ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンブタジエン共重合体、完全水素化されたスチレンポリマー、ポリカーボネートPDMS共重合体、及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体、環状オレフィン共重合体等のポリオレフィンが含まれる。
細胞凝集塊促進細胞培養インサート100は、第1の開放端部101及び開口部を画成する第2の端部102を有する本体を含んでいる。第2の端部の開口部を多孔質膜120で覆うことができる。一部の実施の形態において、多孔質膜120を、細胞接着性にすることができる。別の実施の形態において、多孔質膜120又はその一部を、細胞200に対し非接着性にすることができる。
ここで、図2A及び図2Bを参照すると、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100の本体の第2の端部の開口部は、様々な形状を有することができる。一部の実施の形態において、開口部は円又は楕円を形成する。別の実施の形態において、開口部は矩形又はその他の四角形を画成する。一部の実施の形態において、第2の端部の開口部は、100μm〜1000μmの範囲である、直径、幅、方形又は矩形の対角線等の直径寸法dを有している。具体的には、第2の端部の開口部は、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、又は1000μm、及び100μm〜1000μmの範囲に含まれる、任意の寸法の直径寸法dを有することができる。
多孔質膜120は様々な形状を有することができる。一部の実施の形態において、多孔質膜120は、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100の本体の第2の端部の開口部を完全に覆っている。一部の実施の形態において、多孔質膜は弓形形状又は湾曲形状を有することができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートの本体の第2の端部が、底部を形成する多孔質膜を有する微小井戸アレイから成っている。
多孔質膜は、トラックエッチ膜、又は織布若しくは不織多孔質材料を含み、これに限定されない、様々な種類の材料から構成することができる。多孔質膜を処理又はコーティングすることによって、細胞に対し、膜をより接着性又はより非接着性にすることができる。処理は、プラズマ放電、コロナ放電、ガスプラズマ放電、イオン衝撃、電離放射線、及び高強度UV光を含む、当技術分野で公知の任意の数の方法によって施すことができる。コーティングは、印刷、スプレー、凝縮、放射エネルギー、イオン化技術、又は浸漬を含む、当技術分野で公知の任意の方法によって施すことができる。次に、コーティングは共有又は非共有結合部位のいずれかを提供することができる。かかる部位を用いて、細胞培養成分(例えば、増殖又は接着を促進するタンパク質)の部分を付着させることができる。更に、コーティングを用いて細胞の付着を強化することもできる(例えば、ポリリジン)。これに代えて、前述の細胞非接着性コーティングを用いて、細胞の結合を防止又は抑制することができる。
実施の形態において、多孔質膜は、微小井戸のアレイを有する基板であってよい。
一部の実施の形態において、細胞が形成した細胞凝集塊200によって、細胞凝集塊促進細胞培養インサートの多孔質膜120が閉塞される。(例えば、図1A参照)。一部の態様において、この閉塞によって、タンパク質、小分子及び/又は培地の通路が、細胞凝集塊を周回するのが防止される。
例えば、非接着性側壁、幾何学形状、及び重力の組み合わせによって、インサート内で培養される細胞の増殖が限定される、閉じ込め容積を画成することができる。実施の形態において、この組み合わせによって、インサート内で培養された細胞による細胞凝集塊の形成を促進することができる。第2の端部に近接する1つ以上の側壁の一部、及び第2の開口部の幅又は対角線によって、閉じ込め容積を画成することができる。一部の実施の形態において、第2の端部に近接する1つ以上の側壁の一部dが、500μm、450μm、400μm、350μm、300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、又はこの間の任意の長さである。一部の実施の形態において、閉じ込め容積は、微小井戸アレイ基板の井戸と第2の開口部の底部を形成する多孔質膜とによって画成される。この場合、第2の開口部が、閉じ込め容積を含む微小井戸アレイ基板の井戸で第1の開口部のサイズに近似し、500μm、450μm、400μm、350μm、300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、又はこの間の任意の長さの直径dを有する。
図1Cに戻り、一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートは、第1の開放端部の周囲に延びるレッジ130を更に備えることができ、レッジ130は、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100が、貯留容器150の内部に配置されたとき、インサートを支持する大きさに形成されている。一部の実施の形態において、貯留容器150の少なくとも一部がガス透過性である。
図1Aに示すように、細胞凝集塊200は、一部が多孔質膜120を含むことができる、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100において増殖することができる。多孔質膜120及び下部側壁110の一方又は両方を、細胞非接着性にすることができる。側壁110の傾斜によって、播種した細胞200の多孔性膜120上への凝集が助長される。重力、超低結合材料、細胞培養インサートの側壁の幾何学形状、及び多孔質膜の弓形形状のうちの1つ以上によって、細胞凝集塊の形成を促進することができる。更に、実施の形態において、多孔質膜は、細胞凝集塊を形成するように構成及び配置された、微小井戸のアレイを含むことができる。
図1Bに示すように、細胞凝集塊は、一部が多孔質膜120である、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100において増殖することができる。多孔質膜120及び下部側壁110を、細胞非接着性にすることができる。側壁110の傾斜によって、播種した細胞200の多孔性膜120上への凝集が助長される。重力、超低結合材料、細胞培養インサートの側壁の幾何学形状、及び多孔質膜120周囲の細胞閉じ込め容積のうちの1つ以上によって、細胞凝集塊の形成を促進することができる。細胞凝集塊の大きさは、閉じ込め容積によって限定することができる。実施の形態において、インサートの第2の端部は、細胞凝集塊の形成を促進する閉じ込め容積である、細胞凝集塊閉じ込め容積をもたらす形状を有することができる。
図3Aに示すように、一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105は、第1の開放端部101、第2の端部102、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁110を有することができる。一部の実施の形態において、側壁は傾斜を成している。1つの態様において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105は、各々が側壁410を有することができる、多数の細胞凝集塊促進井戸400を含んでいる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105は、細胞非接着性の1つ以上の側壁110を有することができる。
一部の実施の形態において、微小井戸のアレイを有する基板は、六方最密充填井戸構造から成っている。六角形の井戸400を示す、微小井戸410のアレイを有する、かかる基板の実施の形態の画像を図3Bに示す。図3Cは、微小井戸410のアレイを有する基板の、実施の形態のトップダウンビューを示す概略図である。一部の好ましい実施の形態において、各々の井戸400内で培養された細胞は、1つの細胞凝集塊200を形成する。
図3Dに示すように、一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105の井戸400は、上部開口部及び底部、又は低点若しくは表面を画成する内面を有している。上部開口部において、井戸は、100μm〜1000μmの範囲の直径、幅、方形又は矩形の対角線等の直径寸法dを有している。具体的には、井戸は100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、又は1000μm、及び100μm〜1000μmの範囲に含まれる、任意の寸法の直径寸法dを有することができる。一部の実施の形態において、井戸400の深さdは、1000μm、500μm、450μm、400μm、350μm、300μm、250μm、200μm、150μm、100μm、又は100μm〜1000μmの範囲に含まれる任意の大きさである。
一部の実施の形態において、微小井戸のアレイを有し、多孔質支持体が微小井戸410の底部を形成する基板が、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105を覆っている。一部の実施の形態において、微小井戸410のアレイを有する基板の少なくとも一部が、細胞非接着性である。一部の実施の形態において、微小井戸410のアレイを有する基板の少なくとも一部が、細胞接着性である。一部の実施の形態において、微小井戸410のアレイを有する基板の一部が多孔質である。更に別の実施の形態において、井戸400を形成する微小井戸410のアレイを有する基板が、開口部を有している。一部の実施の形態において、微小井戸410のアレイを有する基板の一部は、多孔質膜420に接着、貼り付け、又は並置することができる。1つの実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105の第2の端部が、多孔質膜420によって覆われ、多孔質膜によって、微小井戸410を有する基板が画成される。
一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105の井戸400を形成する、微小井戸410のアレイを有する基板の少なくとも一部が傾斜を成している。一部の実施の形態において、井戸400を形成する、微小井戸410のアレイを有する基板を、井戸の全深さに沿って傾斜させることができる。
本明細書に記載の構造化底面は、任意の適切な方法で形成することができる。例えば、基板を鋳造、射出成形、又はエンボス加工して、微小井戸410のアレイを有する基板を形成することができる。多孔質材料又はガス透過性材料を鋳造、射出成形、又はエンボス加工して、微小井戸のアレイを有する基板を形成することができる。
ここで、図4A−Bを参照すると、一部の実施の形態において、入れ子式透過性支持デバイス600に、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100を用いることができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100を別の細胞培養インサート若しくはデバイス、又は細胞凝集塊促進細胞培養インサートの内部に配置することができる。1つの態様において、2つ、3つ、又は4つ以上の細胞凝集塊促進細胞培養インサート100を入れ子にすることができる。別の態様において、細胞凝集塊促進細胞培養インサート100は、別の細胞培養インサートの内部に配置され、又は別の細胞培養インサートを内部に配置することができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートは、第1の開放端部の周囲に延びるレッジを更に有することができ、レッジは、細胞凝集塊促進細胞培養インサートが、貯留容器の内部又は別の細胞培養インサートの内部に配置されたとき、インサートを支持するように寸法決めされている。細胞培養の分野の当業者であれば、細胞凝集塊促進細胞培養インサートと別の細胞培養インサートとを任意に組み合わせた構成が可能であることを認識するであろう。各々の細胞培養インサートは、多孔質膜120を有するか、又はガス透過性にすることができる。1つの実施の形態において、一番下の細胞培養インサート又は貯留容器はガス透過性であり、上部の細胞インサートは、多孔質膜120を有している。
例えば、図4Aに示すように、入れ子式デバイスは、上部の細胞凝集塊促進細胞培養インサート100及び中間の細胞凝集塊促進細胞培養インサート101を有することができる。上部の細胞凝集塊促進細胞培養インサート100及び中間の細胞凝集塊促進細胞培養インサート101は、底部に多孔質膜120を有することができる。実施の形態において、多孔質膜は微小井戸のアレイを有する基板である。入れ子式デバイスは、透過性支持体を有さない細胞凝集塊促進細胞培養貯留容器102を更に含むことができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養貯留容器102は、ガス透過性材料で構成又はガス透過性材料の一部を含むことができる。実施の形態において、ガス透過性材料は、微小井戸のアレイを有する基板である。
図4Bの実施の形態に示すように、中間の細胞培養インサート101のみが細胞凝集塊促進細胞培養インサートであり得るが、一番上の細胞培養インサート300及び中間の細胞凝集塊促進細胞培養インサート101の両方が、多孔質膜120を有している。一番下のデバイスは貯留容器151であってよい。1つの実施の形態において、貯留容器151はガス透過性である。
図5Aに示すように、中間の細胞培養インサートは、多数の細胞凝集塊促進多孔質井戸400を含む、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105であり得る。一番上の細胞培養インサート300は、多孔質膜120を有することができる。細胞凝集塊促進細胞培養インサート105は貯留容器151に挿入又は入れ子にすることができる。1つの実施の形態において、貯留容器151はガス透過性である。多数の細胞凝集塊促進井戸400を含む、細胞凝集塊促進細胞培養インサート105を使用することによって、(図4A及びB等に示す)2Dの細胞シートを培養する平底のインサートで、より密な入れ子が可能になり、信号増幅及び細胞処理速度に必要な、より多くの細胞凝集塊が提供され、試験システムにおけるボトルネックが防止される。図5Bは、液体非透過性、ガス透過性の底部を有する細胞凝集塊促進貯留容器151内に、多孔質膜底部120を有する、第1の細胞凝集塊促進細胞培養インサート105、及び第2の細胞凝集塊促進細胞培養インサート106を有する装置の実施の形態を示す図である。より大きな信号増幅をもたらすことに加えて、細胞凝集塊のより生理学的な機能性によって、動物実験の代替により近づけることができる。当業者には理解されるであろうが、各々が多孔質膜を有するか又は有さず、細胞凝集塊促進のための微小井戸のアレイを有するか又は有さない基板を有し、ガス透過性又は非透過性である細胞培養支持体を、所望の細胞培養環境に応じて、任意に組み合わせることができる。
一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートを、NCEとして知られる化合物又は分子が、所望の生物活性を有する否かを判定する方法に用いることができる。かかる方法は、例えば、米国特許第8,163,537号明細書に記載されている。多くの場合、これ等の方法は、NCEの吸収、分布、代謝、排泄、及び毒性(ADME−Tox)の検査、並びに、薬物動態パラメータを含む、標的治療指標に対するNCEの有効性レベルの判定が伴う。1つの種類の評価は、「第1パス効果」を調査することである。この評価は、NCEが消化管を通して吸収され、次いで肝臓による代謝後における、NCEのバイオアベイラビリティの実験的判定を含んでいる。一般に、「第1パス効果」の評価では、2つの個別の体外アッセイを行い、データを組み合わせて腸透過性及び肝臓代謝を判定する必要がある。必要に応じ、追加の調査を行って、標的選択性、有効性、及び用量を決定することができる(Lau他、Drug Metabolism and Disposition、Vol. 32、 No. 9、 pp. 937−942、2004)。
NCEの腸内吸収を調査するために今日使用されている周知の方法は、一般にTranswell(商標)の商品名で販売され、コーニング社によって製造されたもの等の透過性支持体上で行われるCaco 2細胞ベースのアッセイとして知られている(「Transwell(登録商標):Snapwell(商標)及び Netwell(商標)インサートを含む−使用説明書」コーニング社、2007年9月)。Transwell透過性支持体は、Caco 2細胞分極の発現を促進し、より生体内に似た試験状態を創出するように設計されている。Schering−Plough Research Instituteの研究者らは、Transwell透過性支持体を受容するTranswell受容体プレートに、栄養培地内の肝細胞を付加することによって、Caco 2細胞ベースのアッセイの有用性を拡大した。このように、研究者らはNCEの経口バイオアベイラビリティをより正確に予測することができた。しかし、3時間の培養期間中における、これ等の条件下での肝細胞の生存率は、僅か50〜70%であり、本方法の可能性が制限されていた(Lau他、Drug Metabolism and Disposition、Vol.32、No.9、pp.937−942、2004)。東京大学の別の研究者グループは、Transwell受容体プレートの内表面に増殖する単層のHep G2細胞と共に、透過性支持体上にCaco 2細胞を培養した。一部のアッセイには有用であるが、Hep G2細胞は、体内肝細胞を代表する機能を維持しなかった(Choi他、 Toxicology in Vitro、vol. 18、ページ393−402、2004)。
第1パスアッセイ等の薬物相互作用研究に関する、米国食品医薬品局の現行のガイダンスによれば、種特異的応答のために、新鮮又は凍結保存されたヒト肝細胞を用いた体外アッセイを推奨している(米国保健福祉省、他 「医薬品相互作用研究 − 研究、設計、データ分析、及び投薬と表示のための含意」、Clinical Pharmacology、2006年9月)。しかし、ポリスチレン上で組織培養処理された、標準的な細胞培養条件において、初代肝細胞が急速に分化機能を失うことは周知である。正常分化肝細胞機能の喪失により、生体内に似た状態が低下し、従って、ADME−Toxにおける実験データの妥当性、及び体外アッセイにおける薬物動態も低下する。
本明細書に記載の方法の一部の実施の形態において、Caco 2細胞ベースのアッセイに使用される、肝細胞又はHep G2細胞が、細胞凝集塊促進細胞培養インサート内で培養される。
一部の実施の形態において、本開示は入れ子式透過性支持デバイス、及び入れ子式透過性支デバイスを用いて、新しい治療化合物、NBE、又はNCEを試験するために、様々な実験を行う方法に関連している。
一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートを用いて、システムに似た通信情報を評価することができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊促進細胞培養インサートを用いて、垂直方向の一連のヒト臓器を表す細胞モデルを創出することができる。
1つに態様において、入れ子式透過性支持デバイスを用いて、消化管からの吸収及び肝臓による代謝後の、NCE又はNBEのバイオアベイラビリティを判定するための第1パスアッセイが形成される。
1つの実施の形態において、入れ子式透過性支持デバイス600を用いて、第1パスアッセイを実施して、消化管を通した吸収及び肝臓による代謝後の、NCEのバイオアベイラビリティを判定することができる。別の実施形態において、入れ子式透過性支持デバイス600を用いて、第1パスアッセイを実施して、消化管を通した吸収及び肝臓による代謝後の、NBEのバイオアベイラビリティを判定することができる。
例えば、図5Aに示す実施の形態を用いる研究者は、増殖貯留容器内に培地を配置した後、増殖貯留容器内に上部インサート300を配置することができる。次に、上部インサート300は、培地内のある量のCaco 2細胞で満たされる。上部インサート300と増殖貯留容器は、上部インサート300の透過性支持体を横断して、Caco 2細胞の融合性単層が形成されるまで連通している。Caco 2細胞が、上部インサート300の透過性支持体を横断して形成されるのに、通常約1ヶ月を要する。経上皮電気抵抗(TEER)試験を実施することによって、Caco 2細胞を電子的に試験し、Caco 2細胞相互の密着接着の度合いを判定することができ、この試験では、上部インサート300にプローブが挿入された後、プローブによってパルスが開始され、パルスが透過性支持体下方の増殖貯留容器に位置する別のプローブによって検出される。実行可能な別の試験において、Caco 2細胞の単層の間隙を通過することができる、黄燐イエローと呼ばれる色素が用いられる。上部インサート300に導入された後、増殖貯留容器に現れる黄燐イエローが多ければ多いほど、Caco 2細胞単層の成熟度(又は融合性)が低い。このような試験を実施して、Caco 2の細胞培養が期待通りに機能していることを確認することができる。
並行して、研究者は、別の増殖貯留容器に培地を配置した後、この増殖貯留容器内に中間インサート105を配置することができる。次に、中間インサート105は、培地内のある量の肝細胞で満たされる。中間インサート105と増殖貯留容器は、第2の透過性支持体を横断して、肝細胞の細胞凝集塊が形成されるまで連通している。肝細胞が適切に機能していることを確認するための試験を行うこともできる。これに代えて、上部インサート300及び中間インサート105を貯留容器151内に配置して、Caco 2細胞及び肝細胞を増殖させることができる。
Caco 2細胞及び肝細胞が培養された後、上部インサート300及び中間インサート105が、それぞれの増殖貯留容器から引上げ除去される。中間インサート105は、培地を含む貯留容器151に配置される(入れ子にされる)。次に、一部の培地が、中間インサート105内に位置する肝細胞の層の上方に配置される。次に、上部インサート300が、中間インサート105内に配置される(入れ子にされる)。NCE/NBE及び培地が、上部インサート300の内部に位置するCaco 2細胞層の上方に分注される。培養期間が終了した後、上部インサート300を除去し、中間インサート105内の培地を試験して(即ち、LS/MS)、NCE/NBEが腸上皮(Caco 2細胞)を通過したか否かを判定することができる。NCE/NBEが、Caco 2細胞を実際に通過した場合、中間インサート105を除去し、貯留容器151内の培地を試験して(即ち、LS/MS)、NCEのバイオアベイラビリティ及び/又はNCE/NBEが、肝臓(肝細胞)によってどのように代謝され、代謝産物が形成されるかをチェックすることができる。また、肝細胞は、NCE/NBEが、適用投薬量において、毒性であるか否かを示すことができる。貯留容器151の底部に標的細胞(又は分子)が存在する場合、これ等を検査して(即ち、LS/MS)、微視的に、又はインサート300及び105を引き抜くことによって、Caco 2細胞及び肝細胞と肝細胞とを分離した、アッセイを用いることによって、薬物効果を判定することができる。これに代えて、例えば、米国特許第8,163,537号明細書に記載されているように、質問システムを用いて貯留容器151の底部の標的細胞(又は分子)を検査して、機能および生存率を評価することができる。このようなアッセイによって、1)NCE/NBEが腸上皮を通過できるか否か、2)肝臓がNCE/NBEを代謝するか、又はNCE/NBEによって損傷を受けるか否か、及び3)標的細胞に対する未処理又は肝臓代謝されたNCE/NBEの効果を理解することができる。
別の実施の形態において、入れ子式透過性支持デバイス100を用いて、消化管を通過しない代わりに吸入によって体内に入り、Caco 2細胞が、鼻粘膜細胞、気管支細胞、又は肺上皮細胞等に置換される、NCEを試験することができる。研究者は、実際には、入れ子式透過性支持デバイス600において使用される、実際の細胞を選択するのが一般的であろう。
一部の実施の形態において、特に、第2の端部に多数の井戸を備えた実施の形態、又は入れ子式支持体を用いた実施の形態において、多数の細胞凝集塊を増殖させることができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊はすべて同じである。別の実施の形態において、2つ以上の異なる種類の細胞凝集塊が用いられる(例えば、器官の多細胞機能をシミュレート又は再構成するための共培養系)。細胞の画像化又は細胞によって生成された信号の検出を行う場合、所望に応じ、複数の細胞からの応答を同時に分析するか、又は個々の細胞若しくは細胞群からの結果をプールすることができる。
細胞凝集塊等の三次元に培養された細胞は、単層として二次元に培養された同等物と比較して、より生体内様の機能性を示すことができる。二次元細胞培養システムにおいて、細胞は培養される基板に付着することができる。しかし、細胞凝集塊等、三次元で細胞を増殖させると、細胞は基板に付着する代わりに相互作用する。三次元で培養した細胞は、細胞間通信及び細胞外マトリックスの発展の観点から、より生体内の組織に似ている。従って、細胞凝集塊によって、細胞移動、分化、生存、及び増殖に関する優れたモデルが提供され、研究、診断、薬効、薬理学、及び毒性試験に関するより良いシステムが提供される。
一部の実施の形態において、内部で培養される細胞が細胞凝集塊を形成するように、デバイスが構成されている。例えば、細胞を増殖させる井戸を細胞非接着性にして、井戸内の細胞を互いに結合させて球体を形成することができる。細胞凝集塊は、井戸の幾何学形状によって限定される寸法限界まで拡張する。一部の実施の形態において、超低結合材料のコーティングによって、井戸が細胞非接着性にされる。
非接着性材料の例には、過フッ素化ポリマー、オレフィン、同様のポリマー、又はそれらの混合物が含まれる。別の例には、アガロース、ポリアクリルアミド等の非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、ポリビニルアルコール等のポリオール又は同様の材料、あるいはそれらの混合物が含まれる。例えば、非接着性井戸、井戸の幾何学形状(大きさ及び形状)及び/又は重力の組み合わせによって、井戸内で培養される細胞が、細胞凝集塊に自己組織化するように誘導される。一部の細胞凝集塊は、単層で増殖した細胞と比較して、より生体内様の応答を示す分化した細胞機能を維持する。間葉系間質細胞等の他の細胞種は、細胞凝集塊として培養された場合、その多能性が保持される。
一部の実施の形態において、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、1つ以上の細胞を含んでいる。一部の実施の形態において、細胞は凍結保存されている。一部の実施の形態において、細胞は三次元培養である。かかる実施の形態の一部において、システム、デバイス、及び方法は1つ以上の細胞凝集塊を含んでいる。一部の実施の形態において、細胞の1つ以上が活発に分裂する。一部の実施の形態において、システム、デバイス、及び方法は、(例えば、栄養素(例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸)、エネルギー(例えば、炭水化物)、必須金属及びミネラル(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン酸塩、硫酸塩)、緩衝剤(例えば、リン酸塩 、酢酸塩)、pH変化の指標(例えば、フェノールレッド、ブロモクレゾールパープル)、選択剤(例えば、化学薬品、抗菌剤)等を含む)培養培地を含んでいる。一部の実施の形態において、1つ以上の試験化合物(例えば、薬物)が、システム、デバイス、及び方法に含まれている。
多種多様な細胞種を培養することができる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊は1つの種類の細胞を含んでいる。一部の実施の形態において、細胞凝集塊は複数種類の細胞を含んでいる。複数の細胞凝集塊を増殖させる一部の実施の形態において、各々の細胞凝集塊は同じ種類であり、別の実施の形態において、2つ以上の異なる種類の細胞凝集塊が増殖される。細胞凝集塊に増殖される細胞は、自然細胞又は変異細胞(例えば、1つ以上の非自然的遺伝子変異を含む細胞)であってよい。一部の実施の形態において、細胞は体細胞である。一部の実施の形態において、細胞は、任意の所望の分化状態(例えば、多能能、複能性、運命決定、不死化等)の幹細胞又は前駆細胞(例えば、胚性幹細胞、誘導多能性幹細胞)である。一部の実施の形態において、細胞は、疾患細胞又は疾患モデル細胞である。例えば、一部の実施の形態において、細胞凝集塊は、1つ以上の種類の癌細胞又は過剰増殖状態に誘導され得る細胞(例えば、形質転換細胞)を含んでいる。細胞は、副腎、膀胱、血管、骨、骨髄、脳、軟骨、頚部、角膜、子宮内膜、食道、胃腸、免疫系(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、白血球、マクロファージ、及び樹状細胞)、肝臓、肺、リンパ管、筋肉(例えば、心筋)、神経、卵巣、膵臓(例えば、膵島細胞)、下垂体、前立腺、腎臓、唾液、皮膚、腱、精巣、及び甲状腺を含み、これに限定されない、所望の任意の種類の組織又は器官からの、又は由来する細胞であってよい。一部の実施の形態において、細胞は哺乳動物の細胞(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、ウマ等)である。
培養された細胞は、研究、診断、薬物スクリーニング及び試験、治療、並びに産業用途に幅広く使用される。
一部の実施の形態において、細胞はタンパク質又はウイルスの製造に用いられる。多数の細胞凝集塊を並行して培養するシステム、デバイス、及び方法は、タンパク質の製造に特に有効である。三次元培養によって、細胞密度の増加、及び細胞増殖表面積1平方センチメートル当たり、より高いタンパク質収量が得られる。ワクチン製造用の任意の所望のタンパク質又はウイルスを細胞内で増殖させ、所望に応じて、単離又は精製して使用することができる。一部の実施の形態において、タンパク質は細胞に対し天然タンパク質である。一部の実施の形態において、タンパク質は細胞に対し、変性タンパク質である。一部の実施の形態において、タンパク質は組換えにより発現される。タンパク質は、変性プロモーターを用いて過剰発現させることが好ましい。一部の実施の形態において、精製又は検出タグは、その精製及び/又は検出を容易にする、関心タンパク質に対する融合パートナーとして発現される。一部の実施の形態において、精製後に融合パートナーを分離させるために、切断可能リンカーで融合が発現される。
一部の実施の形態において、タンパク質は治療的タンパク質である。かかるタンパク質には、不完全若しくは異常(例えば、インスリン)タンパク質を置換するタンパク質及びペプチド、既存の経路(例えば、阻害剤又はアゴニスト)を増強するタンパク質及びペプチド、新規な機能若しくは活性を提供するタンパク質及びペプチド、分子若しくは生命体に干渉するタンパク質及びペプチド、又は他の化合物若しくはタンパク質(例えば、放射性核種、細胞傷害性薬物、エフェクタータンパク質等)を送達するタンパク質及びペプチドが含まれるが、これに限定されるものではない。一部の実施の形態において、タンパク質は、任意の種類(例えば、ヒト化、二重特異性、多重特異性等)の抗体(例えば、モノクローナル抗体)等の免疫グロブリンである。治療的タンパク質の種類には、抗体ベースの薬物、Fc融合タンパク質、抗凝固剤、抗原、血液因子、骨形成タンパク質、遺伝子操作されたタンパク質足場、酵素、成長因子、ホルモン、インターフェロン、インターロイキン、及び血栓溶解薬が含まれるが、これに限定されるものではない。治療的タンパク質を用いて、癌、免疫障害、代謝障害、遺伝的障害、感染症、並びに他の疾患及び状態を予防又は治療することができる。
一部の実施の形態において、タンパク質は診断的タンパク質である。診断的タンパク質には、抗体、親和性結合パートナー(例えば、受容体結合リガンド)、阻害剤、アンタゴニスト等が含まれるが、これに限定されるものではない。一部の実施の形態において、診断タンパク質は、検出可能な部分(例えば、蛍光部分、発光部分(例えば、ルシフェラーゼ)、比色部分等)で発現するか、又は検出可能な部分である。
一部の実施の形態において、タンパク質は工業的タンパク質である。工業的タンパク質には、食品成分、工業用酵素、農業用タンパク質、分析用酵素等が含まれるが、これに限定されるものではない。
一部の実施の形態において、細胞は、薬物発見、特性決定、有効性試験、及び毒性試験に用いられる。かかる試験には、薬理効果評価、発癌性評価、医用造影剤特性評価、半減期評価、放射線安全性評価、遺伝毒性試験、免疫毒性試験、生殖及び発生試験、薬物相互作用評価、線量評価、吸着評価、処分評価、代謝評価、除去試験等が含まれるが、これに限定されるものではない。特定の細胞種を特定の試験に用いることができる(例えば、肝臓毒性には肝細胞、腎毒性には腎近位尿細管上皮細胞、血管毒性には血管内皮細胞、神経毒性にはニューロン及びグリア細胞、心臓毒性には心筋細胞、横紋筋融解には骨格筋細胞等)。処理細胞は、膜の完全性、細胞代謝物含量、ミトコンドリア機能、リソソーム機能、アポトーシス、遺伝子変化、遺伝子発現の相違等を含み、これに限定されない任意の数の所望のパラメータについて評価することができる。
一部の実施の形態において、細胞培養デバイスは、より大きなシステムの構成要素である。一部の実施の形態において、システムは複数(例えば、2、3、4、5、----、10、----、20、----、30、----、50、----、100、----、1000等)のかかる細胞培養デバイスを備えている。一部の実施の形態において、システムは、培養デバイスを最適な培養条件(例えば、温度、雰囲気、湿度等)に維持するためのインキュベータを備えている。一部の実施の形態において、システムは細胞を画像化、又は分析するための検出器を備えている。かかる検出器には、蛍光計、照度計、カメラ、顕微鏡、プレートリーダ(PERKIN ELMER ENVISION プレートリーダ、PERKIN ELMER VIEWLUX プレートリーダ等)、細胞分析装置(GE IN Cell Analyzer 2000及び2200、THERMO/CELLOMICS CELLNSIGHT ハイコンテンツスクリーニングプラットフォーム等)、及び共焦点画像化システム(PERKIN ELMER OPERAPHENIX ハイスループットコンテンツスクリーニングシステム、GE INCELL 6000 セルイメージングシステム等)が含まれるが、これに限定されるものではない。一部の実施の形態において、システムは、培養細胞に対し、培養培地又は他の成分を供給、再供給、及び循環させるための潅流システム又は他の構成要素を備えている。一部の実施の形態において、システムは、培養デバイスの取扱い、使用、及び/又は分析を自動化するためのロボット構成要素(例えば、ピペット、アーム、プレート移動装置等)を備えている。
インサート、方法、及びアセンブリの多くの態様が、本明細書に開示されている。一部の選択された態様の概要を以下に示す。第1の態様において、細胞培養インサートは(i)第1の開放端部、100μm〜1000μmの範囲の直径寸法を有する開口部を画成する、第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる、傾斜を成す1つ以上の側壁を有する本体、及び(ii)第2の端部の開口部の上に配置された、多孔質膜を備えている。
第2の態様は、1つ以上の側壁の少なくとも一部が、細胞非接着性である、第1の態様に記載の細胞培養インサートである。
第3の態様は、多孔質膜の少なくとも一部が、細胞非接着性である、第1又は第2の態様に記載の細胞培養インサートである。
第4の態様は、多孔質膜の少なくとも一部が、細胞接着性である、第1〜第3の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第5の態様は、第2の端部に近接する1つ以上の側壁の一部が、少なくとも部分的に細胞閉じ込め容積を画成する、第1〜第4の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第6の態様は、細胞閉じ込め容積の深さが、100μm〜1000μmの範囲である、第5の態様に記載の細胞培養インサートである。
第7の態様は、インサート内で培養された細胞が、細胞凝集塊を形成するように構成された、第1〜第6の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第8の態様は、細胞凝集塊を培養するための方法であって、(i)第7の態様に記載の細胞培養インサートを、底部を有する貯留容器内に配置するステップであって、インサートの本体の第2の端部が、貯留容器の底部の上方に位置するように、インサートが貯留容器に配置される、ステップと、(ii)細胞をインサートに導入するステップと、(iii)細胞培養培地をインサートに導入するステップと、(iv)インサートの細胞培養培地において細胞を培養して、細胞凝集塊を形成するステップとを備えている。
第9の態様は、細胞培養アセンブリであって、(i)内部を画成し、底部を有する貯留容器と、(ii)本体の第2の端部が、貯留容器の底部の上方に位置して、貯留容器の内部に配置されるように構成された、第1〜第7の態様のいずれかに記載の第1の細胞培養インサートであって、本体が内部を画成する、インサートとを備えたアセンブリである。
第10の態様は、第1のインサートが、貯留容器の内部に配置されたとき、第1のインサートの内部が、第1のインサートの本体の第2の端部の開口部の上に配置された、多孔質膜を介してのみ、貯留容器の内部と流体連通する、第9の態様に記載の細胞培養アセンブリである。
第11の態様は、内部を画成する本体を有する第2のインサートであって、本体が第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有し、第2のインサートの本体の第2の端部が、第1のインサートの本体の第2の端部の上方に位置して、第1のインサートの内部に配置されるように構成された、第2のインサートを更に備えた、第9の態様又は第10の態様に記載の細胞培養アセンブリである。
第12の態様は、第2のインサートが、第1のインサートの内部に配置されたとき、第2のインサートの内部が、第2のインサートの本体の第2の端部の開口部の上に配置された、多孔質膜を介してのみ、第1のインサートの内部と流体連通する、第11の態様に記載の細胞培養アセンブリである。
第13の態様は、(i)第12の態様に記載の細胞培養アセンブリの貯留容器の内部に、標的細胞及び細胞培養培地を導入して、貯留容器の底部において、標的細胞を増殖させるステップと、(ii)第12の態様に記載の第1の細胞培養インサートを貯留容器の内部に配置するステップと、(iii)複数の第1の種類の細胞及び細胞培養培地を第1の細胞培養インサートの内部に配置して、第1のインサートの多孔質膜の近傍において、第1の種類の細胞を、細胞凝集塊として、増殖させるステップと、(iv)第12の態様に記載の第2の細胞培養インサートを第1のインサートの内部に配置するステップと、(v)複数の第2の種類の細胞及び細胞培養培地を第2の細胞培養インサートの内部に配置して、第2のインサートの多孔質膜の近傍において、第2の種類の細胞を、細胞凝集塊として、増殖させるステップとを備えた方法である。
第14の態様は、第2のインサートの内部から、第1のインサートの内部に移動する化合物又はその代謝誘導体が、第2の種類の細胞を通過するように、第2の種類の細胞が第2のインサートの多孔質膜を覆う、第13の態様に記載の方法である。
第15の態様は、第1のインサートの内部から、貯留容器の内部に移動する化合物又はその代謝誘導体が、第1の種類の細胞を通過するように、第1の種類の細胞が第1のインサートの多孔質膜に付着する、第14の態様に記載の方法である。
第16の態様は、(i)試験化合物を第2のインサートに導入するステップ、及び(ii)試験化合物又はその代謝誘導体が、標的細胞に与える効果を特定するステップを更に備えた、第15の態様に記載の方法である。
第17の態様は、第1の種類の細胞が、肝細胞である、第13〜第16の態様のいずれかに記載の方法である。
第18の態様は、第2の種類の細胞が、Caco 2細胞である、第13〜第17の態様のいずれかに記載の方法である。
第19の態様は、細胞培養インサートであって、(i)第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる、傾斜を成す1つ以上の側壁を有する本体と、(ii)第2の端部の開口部の上に配置された多孔質膜であって、細胞非接着性である膜とを備えたインサートである。
第20の態様は、細胞培養デバイスの貯留容器に、少なくとも部分的に挿入されるように構成された、透過性支持デバイスであって、テーパー形状、及び第1の透過性支持体によって少なくとも部分的に画成された底部を有する第1の井戸を備えたデバイスである。
第21の態様は、井戸が、井戸内で培養された細胞が、細胞凝集塊を形成するように構成された、第20の態様に記載の透過性支持デバイスである。
第22の態様は、第1の井戸の少なくとも一部が、超低結合材料でコーティングされた、第20又は第21の態様に記載の透過性支持デバイスである。
第23の態様は、透過性支持体の少なくとも一部が、第1の井戸内で培養された細胞が付着するように構成された、第20〜第22の態様のいずれかに記載の透過性支持デバイスである。
第24の態様は、第1の井戸の少なくとも一部が、弓形形状を含む、第20〜第23の態様のいずれかに記載の透過性支持デバイスである。
第25の態様は、第1の井戸の少なくとも一部が、円錐形状を含む、第20〜第24の態様のいずれかに記載の透過性支持デバイスである。
第26の態様は、井戸の一部が閉じ込め容積を画成する、第20〜第25の態様のいずれかに記載の透過性支持デバイスである。
第27の態様は、閉じ込め容積の直径寸法が、200μm〜500μmの範囲である、第26の態様に記載の透過性支持デバイスである。
第28の態様は、閉じ込め容積の深さが、100μm〜500μmの範囲である、第26又は第27の態様に記載の透過性支持デバイスである。
第29の態様は、第1の井戸が、底部を有する第2の井戸を受け入れるよう構成及び寸法決めされ、第2の井戸が第1の井戸の上方に位置する、第20〜第28の態様のいずれかに記載の透過性支持デバイスである。
第30の態様は、(i)テーパー形状、及び第1の透過性支持体によって少なくとも部分的に画成された底部を有する第1の井戸、及び(ii)第1の井戸の下方に位置する底部を有する貯留容器を備えた、入れ子式透過性支持デバイスである。
第31の態様は、井戸が、井戸内で培養された細胞が、細胞凝集塊を形成するように構成された、第30の態様に記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第32の態様は、第1の井戸の少なくとも一部が、超低結合材料でコーティングされた、第30又は第31の態様に記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第33の態様は、透過性支持体の少なくとも一部が、第1の井戸内で培養された細胞が付着するように構成された、第29〜第32の態様のいずれかに記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第34の態様は、第1の井戸の少なくとも一部が、弓形形状を含む、第30〜第33の態様のいずれかに記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第35の態様は、第1の井戸の少なくとも一部が、円錐形状を含む、第30〜第34の態様のいずれかに記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第36の態様は、井戸の一部が、閉じ込め容積を画成する、第30〜第35の態様のいずれかに記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第37の態様は、閉じ込め容積の直径寸法が、100μm〜1000μmの範囲、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000μm等であり、前述のすべての間の範囲を含む、第36の態様に記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第38の態様は、閉じ込め容積の深さが、100μm〜1000μmの範囲、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000μm等であり、前述のすべての間の範囲を含む、第36又は第37の態様に記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第39の態様は、第2の透過性支持体によって、少なくとも部分的に画成された底部を有する第2の井戸を更に備え、第1の井戸及び第1の透過性支持体が、第2の井戸及び第2の透過性支持体の下方に位置する、第30〜第38の態様のいずれかに記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第40の態様は、第2の井戸が、テーパー形状を含む、第39の態様に記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第41の態様は、貯留容器の底部が、ガス透過性材料を含む、第30〜第40の態様のいずれかに記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第42の態様は、入れ子式透過性支持デバイスであって、(i)底部を有する第1の井戸であって、底部の少なくとも一部が第1の透過性支持体によって形成された、第1の井戸、(ii)底部を有する第2の井戸であって、底部が弓形形状を含み、底部の少なくとも一部が、第2の透過性支持体によって形成され、第2の井戸及び第2の透過性支持体が、第1の井戸及び第1の透過性支持体の下方に位置する、第2の井戸、及び(iii)第2の井戸及び第2の透過性支持体の下方に位置する底部を有する第3の井戸を備えたデバイスである。
第43の態様は、第2の井戸の少なくとも一部が、超低結合材料でコーティングされた、第42の態様に記載の入れ子式透過性支持デバイスである。
第44の態様は、細胞培養インサートであって、第1の開放端部、第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁を備え、第2の端部が、井戸を画成する微小井戸のアレイを有する基板を含み、井戸を画成する微小井戸のアレイを有する基板の少なくとも一部が傾斜を成す、インサートである。
第45の態様は、側壁が傾斜を成す、第44の態様に記載の細胞培養インサートである。
第46の態様は、側壁が細胞非接着性である、第44又は第45の態様に記載の細胞培養インサートである。
第47の態様は、微小井戸のアレイを有する基板の少なくとも一部が、細胞非接着性である、第44〜第46の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第48の態様は、井戸が、上部開口部を画成する内面を有し、上部開口部において、100μm〜1000μmの範囲の直径寸法を有する、第44〜第47の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第49の態様は、井戸が100μm〜1000μmの範囲の深さを有する、第44〜第48の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第50の態様は、微小井戸のアレイを有する基板の少なくとも一部が、細胞非接着性である、第44〜第49の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第51の態様は、微小井戸のアレイを有する基板の少なくとも一部が、細胞接着性である、第44〜第49の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第52の態様は、微小井戸のアレイを有する基板の少なくとも一部が、多孔質である、第44〜第51の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第53の態様は、微小井戸のアレイを有する基板が開口部を備えた、第44〜第52の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第54の態様は、微小井戸のアレイを有する基板が、多孔質膜に接着、固定、又は並置された、第44〜第53の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第55の態様は、第2の端部が多孔質膜によって覆われた、第44〜第54の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第56の態様は、微小井戸のアレイを有する基板が、傾斜面を備えた、第44〜第55の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第57の態様は、微小井戸のアレイを有する基板が、六角形構造体のアレイを備えた、第44〜第56の態様のいずれかに記載の細胞培養インサートである。
第58の態様は、細胞培養アセンブリであって、(i)内部を画成し、底部を有する貯留容器、及び(ii)本体の第2の端部が貯留容器の底部の上方に位置して、貯留容器の内部に配置されるように構成された、第44〜第57の態様のいずれかに記載の第1の細胞培養インサートであって、本体が内部を画成するインサートを備えたアセンブリである。
第59の態様は、第1のインサートが、貯留容器の内部に配置されたとき、第1のインサートの内部が、第1のインサートの本体の第2の端部の開口部の上に配置された、多孔質膜を介してのみ、貯留容器の内部と流体連通する、第58の態様に記載の細胞培養アセンブリである。
第60の態様は、内部を画成する本体を有する第2のインサートであって、本体が第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有し、第2のインサートの本体の第2の端部が、第1のインサートの本体の第2の端部の上方に位置して、第1のインサートの内部に配置されるように構成された第2のインサートを更に備えた、第58又は第59の態様に記載の細胞培養アセンブリである。
第61の態様は、第2のインサートが第1のインサートの内部に配置されたとき、第2のインサートの内部が、第2のインサートの本体の第2の端部の開口部の上に配置された、多孔質膜を介してのみ、第1のインサートの内部と流体連通する、第60の態様に記載の細胞培養アセンブリである。
第62の態様は、細胞培養インサートであって、細胞培養デバイスの貯留容器に挿入できるように寸法決めされた本体であって、第1の開放端部、多孔質膜を有する第2の端部、及び第1の開放端部から第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有する、本体を備え、1つ以上の側壁が傾斜を成し、第2の端部が、細胞凝集塊の増殖に適するように寸法決めされた、複数の微小井戸を画成する上面を有する、インサートである。
第63の態様は、微小井戸の各々が、100μm〜1000μmの直径を有する、第62の態様に記載の細胞培養インサートである。
別に明記しない限り、本明細書に記載のすべての方法は、そのステップを特定の順序で実施する必要があると解釈されることを意図するものでは全くない。従って、方法クレームにおいて、そのステップが従うべき順序が実際に記載されていない場合、又は特許請求の範囲若しくは明細書において、ステップが特定の順序に限定されると特に明記されていない場合、特定の順序が推定されることを意図するものでは全くない。任意の1つのクレームに記載された、1つ若しくは複数の特徴又は態様は、別の任意の1つ若しくは複数のクレームに記載された特徴又は態様と組み合わせるか、あるいは置換することができる。
本明細書における記述は、構成要素が特定の方法で機能するように「構成」又は「適合」されていることを意味することにも留意されたい。この点において、そのような構成要素は、特定の特性又は機能を特定のやり方で具体化するように「構成」又は「適合」されており、そのような記述は、意図した使用の記述ではなく、構造的記述である。より具体的には、本明細書において、構成要素が「構成」又は「適合」されている方法について言及した場合、構成要素の既存の物理的状態を示すものであって、構成要素の構造的特性の明確な記述として解釈されるべきものである。
移行句「備える(含む)」を用いて、特定の実施の形態の様々な特徴、要素、又はステップを開示することができるが、移行句「から成る」又は「実質的に成る」を用いて記述可能なものを含む、代替実施の形態が暗示されていることを理解されたい。従って、例えば、本体及び多孔質膜を備えた細胞培養インサートに対する、暗示された代替実施の形態には、本体及び多孔質膜から成る細胞培養インサートの実施の形態、及び本体及び多孔質膜から実質的に成る細胞培養インサートの実施の形態が含まれる。
本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本発明的技術に対して様々な改良及び変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。当業者は、本発明的技術の精神及び実体を組み込んだ本開示に対する改良、組み合わせ、部分的組み合わせ、及び変形を思い付くことが可能であるため、本発明的技術は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲のすべてを包含するものと解釈されるべきである。
本出願の開示と、参照により、本明細書中に援用される任意の文献の開示内容との間に矛盾が存在する場合、本出願の開示が適用されるものとする。前述の詳細な説明及び実施例は、理解を明確にすることだけを目的として示したものである。そこから不要な制限が理解されるべきではない。当業者に自明の変形が、特許請求の範囲に規定される実施の形態に包含されるため、実施の形態は、図示及び説明した厳密な詳細に限定されるものではない。
別に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲に用いられている構成要素、分子量等を示す全ての数値は、あらゆる場合において、「約」という用語によって修飾されていると理解されたい。従って、別段反対の意味が明記されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論を請求項の範囲に限定しようとするものではないが、各々の数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数及び通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
数値範囲及びパラメータが近似値であることに拘わらず、具体的実施例に記載の数値はできるだけ正確に報告されている。しかし、全ての数値は、本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる範囲を含んでいる。
「上端」、「底部」、「左」、「右」、「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、並びにその他の方向及び向き等、本明細書において言及する方向は、図を明確にするために用いているものであって、実際のデバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載のデバイス、物品、又はシステムの多くは、多数の方向及び向きに使用することができる。細胞培養装置に関連して、本明細書に用いられている方向記述子は、多くの場合、装置が、装置内の細胞を培養するために配向されたときの方向を意味する。
「好ましい」及び「好ましくは」という用語は、特定の状況下において、特定の利益をもたらすことができる実施の形態を意味する。しかし、同じ又は他の状況下において、他の実施の形態も好ましい。更に、1つ以上の好ましい実施の形態の記述は、他の実施の形態が有用でないことを暗示しているものではなく、他の実施の形態を排除することを意図するものではない。
本明細書において、「有する(have)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」等は、制限のない包括的な意味で用いているものであって、一般に「含む(include)が、これに限定されない」、「含む(includes)が、これに限定されない」、又は「含んでいる(including)が、これに限定されない」ことを意味する。
「任意の」又は「必要に応じて」はそれに続いて記述された事象、状況、又は構成要素が、存在し得ること又は存在し得ないことを意味し、その記述には、事象、状況、又は構成要素が存在する場合及び存在しない場合が含まれる。
別に明記しない限り、「a」、「an」、「the」、及び「少なくとも1つ」は交換可能に使用され、1つ又は複数を意味する。
また、本明細書において、端点による数値範囲の記述は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(例えば、1〜5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)。本明細書において、範囲は「約」1つの特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までのように表現することができる。かかる範囲が示された場合、その例は1つの特定の値から及び/又は別の特定の値を含む。同様に先行する「約」の使用によって、値が近似値として示された場合、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。範囲の各々の端点は、他方の端点との関連においても、他方の端点とは独立しても有意であることが理解されるであろう。
離散的なステップを含む本明細書に開示の全ての方法において、ステップは任意の実行可能な順序で実行することができる。更に、必要に応じて、2つ以上のステップの任意の組み合わせを同時に実行することができる。
幾つかの略語が本明細書に用いられている。これ等の略語の一部のリスト及びその意味を以下に示す。
ADME−Tox−Absorption、 Distribution、 Metabolism、 Excretion、 and Toxicity(吸収、分布、代謝、排泄、及び毒性)
NBE− New Biological Entity(新規生物由来物質)
NCE− New Chemical Entity(新規化学物質)
TEER−Trans Epithelial Electrical Resistance(経上皮電気抵抗)
すべての見出しは、読者の便宜を図るためのものであり、別に明記しない限り、見出しに続くテキストの意味を限定するために使用されるべきものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
細胞培養インサートであって、
細胞培養デバイスの貯留容器に挿入できるように寸法決めされた本体であって、第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び前記第1の開放端部から前記第2の端部に延びる、傾斜を成す1つ以上の側壁を有する本体と、
前記第2の端部の前記開口部の上に配置された多孔質膜と、
を備えたインサート。
実施形態2
前記第2の端部の前記開口部が、100μm〜1000μmの範囲の直径寸法を有する、実施形態1記載の細胞培養インサート。
実施形態3
前記第2の端部の前記開口部が、200μm〜750μmの範囲の直径寸法を有する、実施形態2記載の細胞培養インサート。
実施形態4
前記多孔質膜が、微小井戸のアレイを備えた、実施形態1〜3いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態5
前記1つ以上の側壁の少なくとも一部が、細胞非接着性である、実施形態1記載の細胞培養インサート。
実施形態6
前記多孔質膜の少なくとも一部が、細胞非接着性である、実施形態1〜5いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態7
前記多孔質膜の少なくとも一部が、細胞接着性である、実施形態1〜6いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態8
前記第2の端部に近接する前記1つ以上の側壁の一部が、少なくとも部分的に細胞凝集塊閉じ込め容積を画成する、実施形態1〜7いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態9
前記閉じ込め容積の深さが、100μm〜500μmの範囲である、実施形態8記載の細胞培養インサート。
実施形態10
前記インサート内で培養された細胞による、細胞凝集塊の形成を促進するように構成された、実施形態1〜9いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態11
細胞培養アセンブリであって、
内部を画成し、底部を有する貯留容器と、
実施形態1〜10いずれかに記載の第1の細胞培養インサートであって、前記本体の前記第2の端部を前記貯留容器の前記底部の上方に保持するように、前記貯留容器の内部に配置されるように構成され、前記本体が内部を画成する、インサートと、
を備えた、細胞培養アセンブリ。
実施形態12
前記第1のインサートが、前記貯留容器の前記内部に配置されたとき、前記第1のインサートの前記内部が、前記第1のインサートの前記本体の、前記第2の端部の前記開口部の上に配置された、前記多孔質膜を介してのみ、前記貯留容器の内部と流体連通する、実施形態11記載の細胞培養アセンブリ。
実施形態13
内部を画成する本体を有する第2のインサートであって、前記本体が、第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び前記第1の開放端部から前記第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有し、前記第2のインサートの前記本体の前記第2の端部を前記第1のインサートの前記本体の前記第2の端部の上方に保持するように、前記第1のインサートの内部に配置されるように構成された、第2のインサートを更に備えた、実施形態11又は12記載の細胞培養アセンブリ。
実施形態14
前記第2のインサートが、前記第1のインサートの前記内部に配置されたとき、前記第2のインサートの前記内部が、前記第2のインサートの前記本体の、前記第2の端部の前記開口部の上に配置された、多孔質膜を介してのみ、前記第1のインサートの前記内部と流体連通する、実施形態13記載の細胞培養アセンブリ。
実施形態15
実施形態11〜14のいずれかに記載の細胞培養アセンブリの貯留容器の内部に、標的細胞及び細胞培養培地を導入して、前記貯留容器の前記底部において、前記標的細胞を増殖させるステップと、
第1の細胞培養インサートを前記貯留容器の前記内部に配置するステップと、
複数の第1の種類の細胞及び細胞培養培地を前記第1の細胞培養インサートの内部に配置して、前記第1のインサートの前記多孔質膜の近傍において、前記第1の種類の細胞を、細胞凝集塊として、増殖させるステップと、
第2の細胞培養インサートを前記第1のインサートの前記内部に配置するステップと、
複数の第2の種類の細胞及び細胞培養培地を前記第2の細胞培養インサートの内部に配置して、前記第2のインサートの前記多孔質膜の近傍において、前記第2の種類の細胞を、細胞凝集塊として、増殖させるステップと、
を備えた方法。
実施形態16
前記第2のインサートの前記内部から、前記第1のインサートの前記内部に移動する化合物又はその代謝誘導体が、第2の種類の細胞を通過するように、前記第2の種類の細胞が、前記第2のインサートの前記多孔質膜を覆う、実施形態15記載の方法。
実施形態17
前記第1のインサートの前記内部から、前記貯留容器の前記内部に移動する化合物又はその代謝誘導体が、前記第1の種類の細胞を通過するように、前記第1の種類の細胞が、前記第1のインサートの前記多孔質膜に付着する、実施形態15記載の方法。
実施形態18
試験化合物を前記第2のインサートの前記内部に導入するステップ、及び
前記試験化合物又はその代謝誘導体が、前記標的細胞に与える効果を特定するステップ
を更に備えた、実施形態15〜17いずれかに記載の方法。
実施形態19
前記第1の種類の細胞が肝細胞である、実施形態15〜18いずれかに記載の方法。
実施形態20
前記第2の種類の細胞が、Caco 2細胞である、実施形態15〜18いずれかに記載の方法。
実施形態21
細胞培養インサートであって、
第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び前記第1の開放端部から前記第2の端部に延びる、傾斜を成す1つ以上の側壁を有する本体と、
前記第2の端部の前記開口部の上に配置された多孔質膜であって、細胞非接着性であり、微小井戸のアレイを備えた膜と、
を備えたインサート。
実施形態22
前記微小井戸のアレイの微小井戸の少なくとも一部が、超低結合材料でコーティングされた、実施形態21記載の細胞培養インサート。
実施形態23
前記透過性支持体の少なくとも一部が、前記微小井戸のアレイ内で培養された細胞に付着するように構成された、実施形態21又は22記載の細胞培養インサート。
実施形態24
微小井戸の少なくとも一部が、弓形形状を含む、実施形態21〜23いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態25
前記微小井戸の少なくとも一部が、円錐形状を含む、実施形態21〜24いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態26
前記微小井戸の一部が、閉じ込め容積を画成する、実施形態21〜25いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態27
前記閉じ込め容積の直径寸法が、200μm〜500μmの範囲である、実施形態26記載の細胞培養インサート。
実施形態28
細胞培養インサートであって、
第1の開放端部、第2の端部、及び前記第1の開放端部から前記第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有する本体を備え、
前記第2の端部が、微小井戸のアレイを有する基板を備えた、インサート。
実施形態29
前記側壁が傾斜を成す、実施形態28記載の細胞培養インサート。
実施形態30
前記側壁が、細胞非接着性である、実施形態28又は29記載の細胞培養インサート。
実施形態31
微小井戸のアレイを有する前記基板の少なくとも一部が、細胞非接着性である、実施形態28〜30いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態32
前記井戸が、上部開口部を画成する内面を有すると共に、前記上部開口部において、100μm〜1000μmの範囲の直径寸法を有する、実施形態28〜31いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態33
前記井戸が、100μm〜500μmの範囲の深さを有する、実施形態28〜32いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態34
微小井戸のアレイを有する前記基板の少なくとも一部が、細胞非接着性である、実施形態28〜33いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態35
微小井戸のアレイを有する前記基板の少なくとも一部が、細胞接着性である、実施形態28〜34いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態36
微小井戸のアレイを有する前記基板の少なくとも一部が、多孔質である、実施形態28〜35いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態37
微小井戸のアレイを有する前記基板の少なくとも一部が、開口部を備えた、実施形態28〜36いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態38
微小井戸のアレイを有する前記基板が、多孔質膜に接着、固定、又は並置された、実施形態28〜37いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態39
前記第2の端部が、多孔質膜で覆われた、実施形態28〜38いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態40
微小井戸のアレイを有する前記基板が、傾斜面を備えた、実施形態28〜39いずれかに記載の細胞培養インサート。
実施形態41
微小井戸のアレイを有する前記基板が、六角形構造体のアレイを備えた、実施形態28〜40いずれかに記載の細胞培養インサート。
100、105、106 細胞凝集塊促進細胞培養インサート
101 第1の開放端部
102 第2の端部
110、410 側壁
115 傾斜部分
120 多孔質膜
150、151 貯留容器
130 レッジ
200 細胞凝集塊
300 細胞培養インサート
400 細胞凝集塊促進井戸
500 細胞培養装置
600 入れ子式透過性支持デバイス

Claims (12)

  1. 細胞凝集塊促進細胞培養インサートであって、
    細胞培養デバイスの貯留容器に挿入できるように寸法決めされた本体であって、第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び前記第1の開放端部から前記第2の端部に延びる、傾斜を成す1つ以上の側壁を有する本体と、
    前記第2の端部の前記開口部の上に配置された多孔質膜と、
    を備え、
    前記多孔質膜が微小井戸のアレイを備えているとともに、微小井戸内に細胞凝集塊を形成するよう構成されており、
    前記微小井戸が、上部開口、側壁、および弓型表面を有する多孔質膜底部を備え、
    前記多孔質膜底部の少なくとも一部が、前記弓型表面の中または前記弓型表面の上において細胞に対し非接着性であることを特徴とするインサート。
  2. 前記第2の端部の前記開口部が、100μm〜1000μmの範囲の直径寸法を有することを特徴とする、請求項1記載の細胞培養インサート。
  3. 前記本体の前記1つ以上の側壁の少なくとも一部が、細胞非接着性であることを特徴とする、請求項1又は2記載の細胞培養インサート。
  4. 前記微小井戸のアレイの内の1つの微小井戸の一部が、少なくとも部分的に細胞凝集塊閉じ込め容積を画成することを特徴とする、請求項1〜いずれか1項記載の細胞培養インサート。
  5. 前記細胞凝集塊閉じ込め容積の深さが、100μm〜500μmの範囲であることを特徴とする、請求項記載の細胞培養インサート。
  6. 貯留容器を更に備え、第1の細胞培養インサートが、該インサートの前記第2の端部を前記貯留容器の底部の上方に保持して、前記貯留容器の内部に配置されるように構成されて成ることを特徴とする、請求項1〜いずれか1項記載の細胞培養インサート。
  7. 前記第1のインサートが、前記貯留容器の前記内部に配置されたとき、前記第1のインサートの内部が、前記第1のインサートの前記第2の端部の前記開口部の上に配置された、前記多孔質膜を介してのみ、前記貯留容器の前記内部と流体連通することを特徴とする、請求項記載の細胞培養インサート。
  8. 第1の開放端部、開口部を画成する第2の端部、及び前記第1の開放端部から前記第2の端部に延びる1つ以上の側壁を有する、第2のインサートを更に備え、
    前記第2のインサートが、該インサートの前記第2の端部を前記第1のインサートの前記第2の端部の上方に保持して、前記第1のインサートの前記内部に配置されるように構成されて成ることを特徴とする、請求項又は記載の細胞培養インサート。
  9. 前記第2のインサートが、前記第1のインサートの前記内部に配置されたとき、前記第2のインサートの内部が、前記第2のインサートの前記第2の端部の前記開口部の上に配置された、前記多孔質膜を介してのみ、前記第1のインサートの前記内部と流体連通することを特徴とする、請求項記載の細胞培養インサート。
  10. 前記貯留容器の少なくとも一部が、ガス透過性であることを特徴とする、請求項6〜9いずれか1項記載の細胞培養インサート。
  11. 細胞凝集塊を培養する方法であって、
    請求項1〜いずれか1項記載の細胞凝集塊促進細胞培養インサートを、貯留容器内に配置するステップであって、前記貯留容器が底部を有し、前記インサートが、該インサートの前記第2の端部が前記貯留容器の上方に位置するように、前記貯留容器の内部に配置される、ステップと、
    前記インサートに細胞を導入するステップと、
    細胞培養培地を導入するステップと、
    前記インサート内の前記細胞培養培地内において細胞を培養して、前記細胞凝集塊を形成するステップと、
    を備えたことを特徴とする方法。
  12. 細胞凝集塊を培養する方法であって、
    請求項又は記載の第1のインサート又は第2のインサート、あるいはその両方に細胞を導入するステップと、
    細胞培養培地を導入するステップと、
    前記インサート内の前記細胞培養培地内において細胞を培養して、前記細胞凝集塊を形成するステップと、
    を備えたことを特徴とする方法。
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