以下に、本願が開示する実施形態にかかるピント調整ユニットおよび画像読取装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
[実施例1の画像読取装置]
図1は、実施例1の画像読取装置1を示す側面図である。画像読取装置1は、図1に示されているように、原稿台2と読取部3と読取部保持部5とプレッサ部6とを備えている。原稿台2は、画像読取装置1が設置される設置面7に載置される。読取部3は、原稿台2の概ね上方に配置されている。
図2は、実施例1の画像読取装置1を示す正面図である。読取部保持部5は、図2に示されているように、右側保持部11と左側保持部12とを備えている。右側保持部11は、帯状に形成され、中空に形成されている。右側保持部11は、一端が原稿台2の一部に固定され、他端が読取部3の一部に固定されている。左側保持部12は、帯状に形成され、中空に形成されている。左側保持部12は、一端が原稿台2の一部に固定され、他端が読取部3の一部に固定されている。このとき、読取部保持部5は、読取部3が原稿台2の概ね上方に配置されるように、右側保持部11と左側保持部12とを介して読取部3を保持している。
図3は、実施例1の画像読取装置1を示す斜視図である。原稿台2は、図3に示されているように、原稿台本体部14と右側原稿台15と左側原稿台16とを備えている。原稿台本体部14は、箱状に形成され、図示されていない格納空間が内部に形成されている。原稿台本体部14は、設置面7に載置されている。右側原稿台15は、板状に形成され、右側載置面17が形成されている。右側載置面17は、平坦に形成されている。右側原稿台15は、フラット原稿右側保持位置またはV字原稿右側保持位置に配置されるように、右側原稿台回転軸18を中心に回転可能に原稿台本体部14に支持されている。右側原稿台回転軸18は、右側載置面17に平行であり、原稿台本体部14が設置面7に載置されるときに、設置面7に平行である。右側載置面17は、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、設置面7に平行になる。
左側原稿台16は、板状に形成され、左側載置面19が形成されている。左側載置面19は、平坦に形成されている。左側原稿台16は、フラット原稿左側保持位置またはV字原稿左側保持位置に配置されるように、左側原稿台回転軸20を中心に回転可能に原稿台本体部14に支持されている。左側原稿台回転軸20は、左側載置面19に平行であり、右側原稿台回転軸18に平行である。左側載置面19は、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、設置面7に平行になる。右側載置面17と左側載置面19とは、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置され、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されるときに、設置面7に平行である同一平面に概ね沿っている。
図4は、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときの実施例1の画像読取装置1を示す斜視図である。右側載置面17は、図4に示されているように、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、設置面7に対して傾斜している平面に沿っている。このとき、右側載置面17は、右側載置面17のうちの左側原稿台16から遠い側の端が、右側載置面17のうちの左側原稿台16に近い側の端より読取部3に近くなるように、設置面7に対して傾斜している。右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、右側載置面17と設置面7とがなす角は、概ね30度である。左側載置面19は、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側載置面19のうちの右側原稿台15から遠い側の端が左側載置面19のうちの右側原稿台15に近い側の端より読取部3に近くなるように、設置面7に対して傾斜している。左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側載置面19と設置面7とがなす角は、概ね30度である。
図5は、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときの実施例1の画像読取装置1を示す正面図である。原稿台2は、図5に示されているように、右側原稿台ストッパ21と左側原稿台ストッパ22とをさらに備えている。右側原稿台ストッパ21は、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置またはV字原稿右側保持位置に配置されるときに、右側原稿台回転軸18を中心に右側原稿台15が回転しないように、右側原稿台15を原稿台本体部14に固定する。右側原稿台ストッパ21は、さらに、ユーザの操作により、右側原稿台回転軸18を中心に右側原稿台15が回転するように、右側原稿台15が原稿台本体部14に固定されることを解除する。左側原稿台ストッパ22は、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置またはV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側原稿台回転軸20を中心に左側原稿台16が回転しないように、左側原稿台16を原稿台本体部14に固定する。左側原稿台ストッパ22は、さらに、ユーザの操作により、左側原稿台回転軸20を中心に左側原稿台16が回転するように、左側原稿台16が原稿台本体部14に固定されることを解除する。
図6は、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときの実施例1の画像読取装置1を示す側面図である。読取部保持部5は、図6に示されているように、右側原稿台15と左側原稿台16とが右側保持部11と左側保持部12との間に配置されないように、右側原稿台15と左側原稿台16との一方の側に配置されている。すなわち、右側保持部11は、右側原稿台15より奥側(図6で右側)に配置されている。右側保持部11は、一端が原稿台本体部14のうちの右側原稿台15より奥側の部分に固定されている。左側保持部12は、右側保持部11と同様にして、左側原稿台16より奥側に配置され、一端が原稿台本体部14のうちの左側原稿台16より奥側の部分に固定されている。すなわち、右側載置面17と左側載置面19とが配置される領域は、読取部保持部5が配置される領域に対して、1つの平面23で隔てることができる。
図7は、読取部3を示す断面図である。読取部3は、図7に示されているように、右側キャリアカバー31と右側キャリア軸32と左側キャリアカバー33と左側キャリア軸34とキャリアユニット35と天板36とを備えている。右側キャリアカバー31は、読取部3の外殻のうちの右側保持部11の側の一部を形成している。右側キャリアカバー31は、右側保持部11のうちの原稿台本体部14に固定されている一端の反対側の他端に固定されている。右側キャリア軸32は、円柱状の棒に形成されている。右側キャリア軸32は、右側原稿台回転軸18に平行である直線に沿うように、右側キャリアカバー31の内部に配置されている。
左側キャリアカバー33は、読取部3の外殻のうちの左側保持部12の側の一部を形成している。左側キャリアカバー33は、左側保持部12のうちの原稿台本体部14に固定されている一端の反対側の他端に固定されている。左側キャリア軸34は、円柱状の棒に形成されている。左側キャリア軸34は、右側キャリア軸32が沿う直線に平行である他の直線に沿うように、左側キャリアカバー33の内部に配置されている。
キャリアユニット35は、キャリア筐体37と右側スライダ38と左側スライダ39とを備えている。キャリア筐体37は、概ね箱状に形成され、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34との間に配置されている。右側スライダ38は、キャリア筐体37のうちの右側キャリア軸32の側の一端に固定されている。右側スライダ38は、右側キャリア軸32の一部を囲み、右側キャリア軸32に案内されることにより、右側キャリア軸32に沿って平行移動する。左側スライダ39は、キャリア筐体37のうちの左側キャリア軸34の側の端に固定され、すなわち、キャリア筐体37のうちの右側スライダ38が固定されている一端の反対側の他端に固定されている。左側スライダ39は、左側キャリア軸34に載置され、左側キャリア軸34に案内されることにより、左側キャリア軸34に沿って平行移動する。キャリア筐体37は、右側スライダ38が右側キャリア軸32に案内され、左側スライダ39が左側キャリア軸34に案内されることにより、右側キャリアカバー31と左側キャリアカバー33とに対して平行移動する。すなわち、キャリアユニット35は、読取開始位置または読取終了位置に配置されるように、右側原稿台回転軸18および左側原稿台回転軸20に平行に移動可能に読取部保持部5を介して原稿台2に支持されている。このとき、キャリアユニット35が平行移動する方向は、右側原稿台15に載置される原稿のうちの読取部3に対向する読取面に沿う読取平面に平行であり、左側原稿台16に載置される原稿のうちの読取部3に対向する読取面に沿う読取平面に平行である。
天板36は、可視光が透過する材料から形成され、概ね板状に形成されている。天板36は、キャリアユニット35が移動する領域の上部を覆うように、右側キャリアカバー31と左側キャリアカバー33との間に配置され、読取部3の外殻の一部を形成している。天板36は、右側キャリアカバー31と左側キャリアカバー33とに支持されている。
図8は、キャリアユニット35が読取開始位置に配置されるときの実施例1の画像読取装置1を示す側面図である。キャリアユニット35は、奥側に平行移動することにより、図8に示されているように、読取開始位置に配置される。図9は、キャリアユニット35が読取終了位置に配置されるときの実施例1の画像読取装置1を示す側面図である。キャリアユニット35は、手前側に平行移動することにより、図9に示されているように、読取終了位置に配置される。
図10は、キャリアユニット35が読取開始位置に配置されるときの読取部3の一部を示す縦断面図である。読取部3は、図10に示されているように、左側キャリア軸調整部41と手前側滑車42と奥側滑車43とベルト44とキャリア駆動部45とフレキシブルケーブル部分46とをさらに備えている。左側キャリア軸調整部41は、左側キャリアカバー33のうちの手前側に配置されている。左側キャリア軸34の手前側の一端は、左側キャリア軸調整部41に固定されている。左側キャリア軸34の奥側の一端は、左側キャリアカバー33に固定されている。このため、左側キャリア軸34は、左側キャリア軸調整部41が左側キャリアカバー33に対して移動することにより、向きが変更される。左側キャリア軸調整部41は、図示されていない締結部材を介して左側キャリアカバー33に固定されている。締結部材としては、たとえば、ボルトとナットが例示される。すなわち、左側キャリア軸34の手前側の一端は、左側キャリア軸調整部41を介して左側キャリアカバー33に間接的に固定されている。
手前側滑車42は、左側キャリアカバー33の内部のうちの左側キャリア軸34の手前側の端の近傍に配置されている。奥側滑車43は、左側キャリアカバー33の内部のうちの左側キャリア軸34の奥側の端の近傍に配置されている。ベルト44は、ループ状の帯から形成されている。ベルト44は、左側キャリアカバー33の内部に配置され、手前側滑車42と奥側滑車43とに架け渡されている。ベルト44は、さらに、一部が左側スライダ39に接合されている。
キャリア駆動部45は、たとえば、モータから形成されている。キャリア駆動部45は、手前側滑車42と奥側滑車43とが回転するように、ベルト44を移動させる。キャリアユニット35は、左側スライダ39がベルト44に接合されていることにより、ベルト44が移動するときに、原稿台2に対して平行移動する。すなわち、キャリア駆動部45は、ベルト44を移動させることにより、キャリアユニット35を右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とに沿って平行移動させる。キャリア駆動部45は、さらに、キャリアユニット35が配置される位置を検出する。
フレキシブルケーブル部分46は、薄い帯状に形成され、屈曲可能に形成されている。フレキシブルケーブル部分46は、一端がキャリアユニット35に固定され、他端が左側キャリアカバー33に固定されている。図11は、読取部3の一部を示す横断面図である。フレキシブルケーブル部分46は、図11に示されているように、左側キャリアカバー33の内部のうちの左側キャリア軸34とベルト44との下部に配置されている。すなわち、左側キャリアカバー33は、左側キャリア軸34と手前側滑車42と奥側滑車43とベルト44とフレキシブルケーブル部分46とを覆っている。フレキシブルケーブル部分46は、情報機器を情報伝達可能に接続することに利用される。
図12は、キャリアユニット35が読取終了位置に配置されるときの読取部3の一部を示す縦断面図である。フレキシブルケーブル部分46は、図12に示されているように、キャリアユニット35が読取終了位置に配置されるときに、キャリアユニット35が読取開始位置に配置されるときの形状と異なる他の形状に形成されている。すなわち、フレキシブルケーブル部分46は、キャリアユニット35が原稿台2に対して移動することにより変形する。
読取部3は、図示されていない右側キャリア軸調整部をさらに備えている。右側キャリア軸調整部は、左側キャリア軸調整部41と同様にして、右側キャリアカバー31に取り付けられている。すなわち、右側キャリア軸調整部は、右側キャリアカバー31のうちの手前側に配置されている。右側キャリア軸32の手前側の一端は、右側キャリア軸調整部に固定されている。右側キャリア軸32の奥側の一端は、右側キャリアカバー31に固定されている。このため、右側キャリア軸32は、右側キャリア軸調整部が右側キャリアカバー31に対して移動することにより、向きが変更する。右側キャリア軸調整部は、図示されていない締結部材を介して右側キャリアカバー31に固定されている。締結部材としては、たとえば、ボルトとナットが例示される。すなわち、右側キャリア軸32の手前側の一端は、右側キャリア軸調整部を介して右側キャリアカバー31に間接的に固定されている。
図13は、読取部3を示す正面図である。キャリアユニット35は、図13に示されているように、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを備えている。右側光学ユニット51は、キャリア筐体37の内部のうちの右側保持部11の側の領域に配置されている。右側光学ユニット51は、フラット原稿右側読取位置またはV字原稿左側読取位置に配置されるように、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。右側光学ユニット回転軸54は、左側原稿台回転軸20に平行である。右側光学ユニット51は、フラット原稿右側読取位置に配置されるときに、右側原稿台15の方を向いている。右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されるときに右側光学ユニット51が向いている方向56は、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、右側原稿台15の右側載置面17に垂直である。
左側光学ユニット52は、キャリア筐体37の内部のうちの左側保持部12の側の領域に配置されている。左側光学ユニット52は、フラット原稿左側読取位置またはV字原稿右側読取位置に配置されるように、左側光学ユニット回転軸55を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。左側光学ユニット回転軸55は、右側原稿台回転軸18に平行である。左側光学ユニット52は、フラット原稿左側読取位置に配置されるときに、左側原稿台16の方を向いている。左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されるときに左側光学ユニット52が向いている方向57は、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、左側原稿台16の左側載置面19に垂直である。
図14は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置され、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されているときの読取部3を示す正面図である。右側光学ユニット51は、図14に示されているように、V字原稿左側読取位置に配置されるときに、左側原稿台16の方を向いている。右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されるときに右側光学ユニット51が向いている方向58は、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、左側原稿台16の左側載置面19に垂直である。左側光学ユニット52は、V字原稿右側読取位置に配置されるときに、右側原稿台15の方を向いている。左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されるときに左側光学ユニット52が向いている方向59は、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、右側原稿台15の右側載置面17に垂直である。
図15は、右側光学ユニット51を示す正面図である。右側光学ユニット51は、図15に示されているように、光学ユニットフレーム61と画像読取部62とピント調整ユニット63と照明ユニット64とを備えている。光学ユニットフレーム61は、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。画像読取部62は、読取光軸67に交差する領域に配置される被写体が写る画像を撮像する。画像読取部62は、読取光軸67が右側光学ユニット回転軸54に交差するように配置され、光学ユニットフレーム61に固定されている。ピント調整ユニット63は、読取光軸67に交差するように、画像読取部62が向けられている領域に配置されている。
照明ユニット64は、外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とを備えている。外側照明ユニット65は、外側照明光軸68に交差する領域を照明する。外側照明ユニット65は、外側照明光軸68が読取光軸67に平行になるように、ピント調整ユニット63の右側保持部11の側の領域に配置され、図示されていない締結部材を介して光学ユニットフレーム61に固定されている。中央側照明ユニット66は、中央側照明光軸69に交差する領域を照明する。中央側照明ユニット66は、ピント調整ユニット63の左側保持部12の側の領域に配置され、すなわち、外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66との間にピント調整ユニット63が配置されるように、配置されている。外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが並ぶ方向は、右側光学ユニット回転軸54に垂直であり、読取光軸67に垂直である。中央側照明光軸69は、読取光軸67に平行ではなく、中央側照明ユニット66が読取光軸67の側を向くように、読取光軸67に対して傾斜している。中央側照明光軸69と読取光軸67とがなす角としては、5.5度が例示される。中央側照明ユニット66は、図示されていない締結部材を介して光学ユニットフレーム61に固定されている。
図16は、画像読取部62の読取光軸平面71と外側照明ユニット65の外側照明光軸平面72と中央側照明ユニット66の中央側照明光軸平面73とを示す斜視図である。画像読取部62は、図16に示されているように、読取光軸67を含む読取光軸平面71に沿って進行する光を用いて被写体の画像を撮像するように配置され、被写体の表面のうちの読取光軸平面71に交差する読取ライン領域74の画像を撮像する。読取光軸平面71は、ピント調整ユニット63と外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが並ぶ方向に平行である。外側照明ユニット65は、外側照明光軸68を含む外側照明光軸平面72に沿って進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域74を照明する。中央側照明ユニット66は、中央側照明光軸69を含む中央側照明光軸平面73に沿って進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域74を照明する。読取光軸平面71と外側照明光軸平面72と中央側照明光軸平面73とは、同一平面に含まれ、互いに重なっている。すなわち、外側照明ユニット65は、読取光軸平面71に平行に進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域74を照明する。中央側照明ユニット66は、読取光軸平面71に平行に進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域74を照明する。
図17は、画像読取部62とピント調整ユニット63とを示す斜視図である。ピント調整ユニット63は、図17に示されているように、支持部材201とレンズユニット202と鏡胴203と鏡胴駆動部204と2つのピン205〜206と2つの付勢部207〜208とを備えている。図18は、画像読取部62とピント調整ユニット63とを示す断面図である。支持部材201は、図18に示されているように、画像読取部支持部211とレンズユニット支持筒212とを備えている。画像読取部支持部211は、画像読取部側内部空間213が内部に形成されている。レンズユニット支持筒212は、円筒状に形成され、レンズ側内部空間214が内部に形成されている。レンズユニット支持筒212は、レンズ側内部空間214が画像読取部側内部空間213に接続されるように配置され、画像読取部支持部211に一体に接合されている。レンズユニット支持筒212は、画像読取部側内部空間213に面する内側面のうちの奥側の一部に接触面215が形成されている。
画像読取部62は、CCD(Charge Coupled Device)基板216とCCDイメージセンサ217とを備えている。CCD基板216は、板状に形成されている。CCDイメージセンサ217は、CCD基板216に搭載され、CCD基板216に固定されている。このとき、画像読取部62は、レンズユニット支持筒212が形成する円筒の中心軸に読取光軸67が重なるようにCCDイメージセンサ217が画像読取部側内部空間213に配置され、CCD基板216が画像読取部支持部211に固定されている。
レンズユニット202は、レンズ支持筒221とレンズ222とを備えている。レンズ支持筒221は、支持部材201のレンズユニット支持筒212より一回り小さい円筒状に形成されている。レンズ222は、レンズ支持筒221が形成する円筒の中心軸にレンズ222の光軸が重なるように、レンズ支持筒221の内部に配置され、レンズ支持筒221に固定されている。レンズユニット202は、このように形成されることにより、レンズユニット202の重心225がレンズ222の光軸に重なるように、形成されている。レンズユニット202は、レンズ222の光軸が読取光軸67に概ね重なるように、レンズ側内部空間214に配置されている。レンズ支持筒221は、レンズユニット支持筒212の内側面に対向する外周面のうちの奥側の一部に接触点223が形成されている。
鏡胴203は、支持部材201のレンズユニット支持筒212より一回り大きい円筒状に形成されている。鏡胴203は、支持部材201のレンズユニット支持筒212を囲むように、かつ、鏡胴203が形成する円筒の中心軸が読取光軸67に重なるように、配置されている。鏡胴203は、読取光軸67に平行に移動しないように、支持部材201に支持され、読取光軸67を中心に回転可能に、支持部材201に支持されている。鏡胴駆動部204は、たとえば、モータから形成され、支持部材201に支持されている。鏡胴駆動部204は、読取光軸67を中心に鏡胴203を回転させる。
図19は、レンズユニット202と2つのピン205〜206とを示す斜視図である。2つのピン205〜206のうちの第1ピン205は、図19に示されているように、レンズユニット202のレンズ支持筒221の外周面から突出するように、レンズ支持筒221に固定されている。2つのピン205〜206のうちの第2ピン206は、レンズ支持筒221の外周面のうちの第1ピン205が固定されている部位の反対側の部位から突出するように、レンズ支持筒221に固定されている。すなわち、2つのピン205〜206を結ぶレンズユニット回転軸224は、レンズ支持筒221が形成する円筒の中心軸に直交し、レンズ222の光軸に直交している。2つのピン205〜206は、さらに、図18に示されているように、レンズユニット202の重心225をレンズユニット回転軸224が通らないように、形成されている。
図20は、支持部材201とレンズユニット202と2つのピン205〜206とを示す斜視図である。支持部材201のレンズユニット支持筒212は、図20に示されているように、2つのピン205〜206に対応する2つの直線溝が形成されている。2つの直線溝のうちの第1ピン205に対応する第1直線溝226は、レンズユニット支持筒212のうちの外側照明ユニット65に対向する部位に形成されている。第1直線溝226は、読取光軸67に平行である直線に沿って形成されている。2つの直線溝のうちの第2ピン206に対応する第2直線溝は、レンズユニット支持筒212のうちの中央側照明ユニット66に対向する部位に形成され、読取光軸67に平行である直線に沿って形成されている。
2つのピン205〜206は、2つの直線溝にそれぞれ嵌め込まれている。すなわち、第1ピン205は、第1直線溝226に嵌め込まれている。第2ピン206は、2つの直線溝のうちの第2ピン206に対応する第2直線溝に嵌め込まれている。レンズユニット202は、2つのピン205〜206が2つの直線溝にそれぞれ嵌め込まれていることにより、画像読取部62に接近したり画像読取部62から遠ざかったりするように、読取光軸67に平行に移動可能に支持部材201に支持されている。
図21は、画像読取部62とピント調整ユニット63とを示す側面図である。鏡胴203は、図21に示されているように、2つのピン205〜206に対応する2つの螺旋溝が形成されている。2つの螺旋溝は、それぞれ、読取光軸67を中心軸とする螺旋に沿うように形成されている。2つのピン205〜206は、2つの螺旋溝にそれぞれ嵌め込まれている。すなわち、第1ピン205は、2つの螺旋溝のうちの第1ピン205に対応する第1螺旋溝227に嵌め込まれている。第2ピン206は、2つの螺旋溝のうちの第2ピン206に対応する第2螺旋溝に嵌め込まれている。レンズユニット202は、2つのピン205〜206が2つの螺旋溝にそれぞれ嵌め込まれていることにより、鏡胴203が支持部材201に対して回転しないときに、支持部材201に対して読取光軸67に平行に移動しないように、鏡胴203に支持されている。レンズユニット202は、2つのピン205〜206が2つの螺旋溝と2つの直線溝とにそれぞれ嵌め込まれていることにより、レンズユニット回転軸224を中心に回転可能に支持部材201に支持されている。
2つの付勢部207〜208は、2つのピン205〜206に対応している。2つの付勢部207〜208のうちの第1ピン205に対応する第1付勢部207は、プレート231とばね232とを備えている。プレート231は、概ね帯状に形成され、作用点部233と力点部234とが形成されている。作用点部233は、ピント調整ユニット63と外側照明ユニット65との間に配置され、第1ピン205の画像読取部62の側に配置されている。力点部234は、ピント調整ユニット63と外側照明ユニット65との間に配置されないように、ピント調整ユニット63の奥側に配置されている。プレート231は、プレート回転軸235を中心に回転可能に支持部材201に支持されている。プレート回転軸235は、作用点部233と力点部234との間に配置されている。プレート回転軸235は、外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが並ぶ方向に平行であり、すなわち、読取光軸67に垂直であり、かつ、右側光学ユニット回転軸54に垂直である。
ばね232は、弾性体から形成され、ピント調整ユニット63と外側照明ユニット65との間に配置されないように、ピント調整ユニット63の奥側に配置されている。ばね232は、一端がプレート231の力点部234に対して固定され、他端が支持部材201に対して固定されている。ばね232は、プレート231の作用点部233が第1ピン205のうちの画像読取部62に対向する部位を押し付けるように、プレート231の力点部234に弾性力を与える。すなわち、第1付勢部207は、第1螺旋溝227のうちの画像読取部62から遠い側の端面に第1ピン205が押し付けられるように、第1ピン205に力を与えている。
2つの付勢部207〜208のうちの第2ピン206に対応する第2付勢部208は、第1付勢部207と同様にして、第2ピン206に力を与えている。すなわち、第2付勢部208は、図18に示されているように、プレート236とばね237とを備えている。プレート236は、ピント調整ユニット63と中央側照明ユニット66との間に配置され、第2ピン206の画像読取部62の側に配置されている。ばね237は、ピント調整ユニット63と中央側照明ユニット66との間に配置されないように、ピント調整ユニット63の奥側に配置されている。第2付勢部208は、ばね237がプレート236に弾性力を与えることにより、プレート236が第2螺旋溝のうちの画像読取部62から遠い側の端面に第2ピン206を押し付けている。
レンズユニット202は、読取光軸67を中心に鏡胴203が支持部材201に対して回転するときに、2つのピン205〜206が2つの螺旋溝にそれぞれ案内されることにより、読取光軸67に平行に移動する。レンズユニット202は、2つのピン205〜206が支持部材201と鏡胴203と2つの付勢部207〜208とにより支持されることにより、レンズユニット回転軸224を中心に回転可能に支持部材201と鏡胴203とに支持されている。ピント調整ユニット63は、さらに、レンズユニット202と支持部材201との間にすき間が形成されている。レンズユニット202は、このようなすき間が形成されていることにより、接触点223が接触面215に接触したり、接触点223が接触面215から離れたりするように、レンズユニット回転軸224を中心に回転することができる(図18参照)。ピント調整ユニット63は、さらに、接触点223が接触面215に接触するときに、レンズ222の光軸が読取光軸67に重なるように、形成されている。
光学ユニットフレーム61は、手前側突起238と奥側突起239とが形成されている。手前側突起238は、光学ユニットフレーム61のうちの手前側の部材から手前側に突出している。手前側突起238は、キャリア筐体37に把持され、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。奥側突起239は、光学ユニットフレーム61のうちの奥側の部材から奥側に突出している。奥側突起239は、キャリア筐体37に把持され、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。光学ユニットフレーム61は、手前側突起238と奥側突起239とがキャリア筐体37に回転可能に支持されることにより、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。すなわち、手前側突起238と奥側突起239とを結ぶ直線は、右側光学ユニット回転軸54に一致している。
ピント調整ユニット63の支持部材201は、固定部材243を介して光学ユニットフレーム61に間接的に固定されている。すなわち、固定部材243は、光学ユニットフレーム61に固定されている。支持部材201は、固定部材243に固定されている。このとき、画像読取部62は、ピント調整ユニット63の支持部材201に固定されることにより、光学ユニットフレーム61に間接的に固定されている。画像読取部62とピント調整ユニット63とは、読取光軸67が右側光学ユニット回転軸54に対して垂直にならないように配置され、読取光軸67が光学ユニットフレーム61に対して所定の位置に配置されている。画像読取部62とピント調整ユニット63とは、読取光軸67が右側光学ユニット回転軸54と垂直でないことにより、読取光軸平面71が右側載置面17または左側載置面19の法線241に対して傾斜している。すなわち、画像読取部62とピント調整ユニット63とは、法線241と読取光軸平面71とがなす読取角度242が0度にならないように配置されている。詳細には、右側光学ユニット51は、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置されている場合で、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されているときに、読取角度242が20度になるように、形成されている。右側光学ユニット51は、さらに、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されている場合で、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されているときに、読取角度242が20度になるように、形成されている。
画像読取部62は、読取光軸67が法線241に対して傾斜していることにより、設置面7が水平であるときに、レンズユニット202の重心225を通る鉛直線がレンズユニット回転軸224と交差しないように、配置される。すなわち、レンズユニット202の重心225を水平面に正射影した第1図形は、レンズユニット回転軸224をその水平面に正射影した第2図形に重ならないように、配置される。
左側光学ユニット52は、右側光学ユニット51と同様にして、形成されている。すなわち、左側光学ユニット52は、光学ユニットフレーム61と画像読取部62とピント調整ユニット63と照明ユニット64とを備えている。照明ユニット64は、外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とを備えている。外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とは、それぞれ、読取光軸平面71に平行に進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域74を照明する。左側光学ユニット52は、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されている場合で、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されているときに、読取角度242が20度になるように、形成されている。左側光学ユニット52は、さらに、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されている場合で、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されているときに、読取角度242が20度になるように、形成されている。
図22は、実施例1の画像読取装置1を示す側面図である。右側光学ユニット51または左側光学ユニット52の読取光軸平面71は、図22に示されているように、キャリアユニット35が読取開始位置に配置されるときに、右側原稿台15または左側原稿台16のうちの奥側の端に交差する。右側光学ユニット51または左側光学ユニット52の読取光軸平面71は、キャリアユニット35が読取終了位置に配置されるときに、右側原稿台15または左側原稿台16のうちの手前側の端に交差する。
キャリアユニット35は、読取光軸平面71が鉛直線に対して傾斜していることにより、読取終了位置に配置されるときに、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置されないで、原稿台2のうちの手前側の端の上部より奥側に配置される。すなわち、キャリアユニット35は、読取開始位置と読取終了位置との間を移動するときに、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置されることがない。読取部3の外殻と右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とは、キャリアユニット35が原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置されないことにより、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置される必要がない。ユーザは、原稿台2のうちの手前側の領域の上部に読取部3が配置されないことにより、原稿台2と読取部3との間の空間で物を取り扱う作業で読取部3が邪魔にならず、たとえば、原稿台2と読取部3との間の空間で物を容易に取り扱うことができる。
キャリアユニット35は、原稿台2に対して平行移動することにより、読取開始位置と読取終了位置との間の複数の読取位置に配置されることができる。複数の読取位置は、読取開始位置と読取終了位置との間に等間隔に配置されている。原稿台2に載置される原稿のうちの読取部3に対向する読取面は、複数の読取位置に対応する複数の右側読取ライン領域と、複数の読取位置に対応する複数の左側読取ライン領域とで充填されている。複数の右側読取ライン領域のうちのある読取位置に対応する1つの右側読取ライン領域は、キャリアユニット35がその読取位置に配置されるときに、右側光学ユニット51の画像読取部62に撮像される領域を示している。複数の左側読取ライン領域のうちのある読取位置に対応する1つの左側読取ライン領域は、キャリアユニット35がその読取位置に配置されるときに、左側光学ユニット52の画像読取部62に撮像される領域を示している。
図23は、読取部3を示す側面図である。読取部3は、図23に示されているように、3次元検出センサ75をさらに備えている。3次元検出センサ75は、レーザ発振器76とカメラ77とを備えている。レーザ発振器76は、読取部3のうちの手前側の端に配置され、読取部3の外殻に支持されている。レーザ発振器76は、複数のレーザ平面に沿って進行するラインレーザを放射する。複数のレーザ平面は、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置またはV字原稿右側保持位置に配置されているときに、複数のレーザ平面と右側載置面17とが交差する複数の交線が所定の間隔で並ぶように、配置されている。複数のレーザ平面は、さらに、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置またはV字原稿左側保持位置に配置されているときに、複数のレーザ平面と左側載置面19とが交差する複数の交線が所定の間隔で並ぶように、配置されている。複数のレーザ平面のうちの1つのレーザ平面78に沿って進行するラインレーザは、複数のレーザ平面のうちのレーザ平面78と異なる他の複数のレーザ平面に沿って進行するラインレーザが放射されるタイミングと異なる他のタイミングに放射される。カメラ77は、読取部3のうちの奥側の端に配置され、原稿台2の方を向き、読取部3の外殻に固定されている。カメラ77は、原稿台2に載置される原稿の画像を撮像する。
図24は、3次元検出センサ75により読取面の3次元形状が検出される原稿79を示す斜視図である。レーザ発振器76は、図24に示されているように、原稿79が原稿台2に載置されるときに、レーザ平面78に沿って進行するラインレーザを放射することにより、原稿79にラインレーザを照射する。原稿79のうちのラインレーザに照射された部分80は、ラインレーザを乱反射させている。カメラ77は、原稿79が原稿台2に載置される場合で、原稿79にラインレーザが照射されているときに、原稿79の画像を撮像する。その画像は、部分80がラインレーザを乱反射させていることにより、部分80が他の部分と識別可能に写し出されている。部分80が配置される3次元位置は、三角測量の方式により、レーザ平面78が配置される位置と、原稿79のうちのラインレーザが照射された部分が画像に写し出される位置とに基づいて算出される。原稿79のうちの読取部3に対向する読取面の3次元形状は、ラインレーザが沿う複数のレーザ平面の位置と、カメラ77により撮像された画像に、複数のレーザ平面に対応する複数の位置とに基づいて算出される。複数の位置のうちのあるレーザ平面に対応する位置は、原稿79のうちのそのレーザ平面に沿って進行するラインレーザが照射された部分が画像に写し出される位置を示している。
図25は、プレッサ部6を示す正面図である。図26は、プレッサ部6を示す側面図である。プレッサ部6は、図25に示されているように、右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とプレッサキャリア83とフラットプレッサ84とフラットプレッサ取付部85とを備えている。右側プレッサガイド81は、棒状に形成され、図26に示されているように、プレッサ移動方向86に平行である直線に沿うように配置されている。左側プレッサガイド82は、棒状に形成され、プレッサ移動方向86に平行である直線に沿うように配置されている。プレッサ移動方向86は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置され、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されているときに、読取光軸平面71に平行である。プレッサ移動方向86は、さらに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが並ぶ方向に垂直である。プレッサキャリア83は、退避位置または密着位置に配置されるように、プレッサ移動方向86に平行に移動可能に右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とに支持されている。プレッサキャリア83は、退避位置に配置されるときに、原稿台2に接近することにより密着位置に移動し、密着位置に配置されるときに、読取部3に接近することにより退避位置に移動する。
フラットプレッサ84は、可視光を透過する材料から形成され、平坦である板状に形成されている。フラットプレッサ取付部85は、フラットプレッサ84に接合され、フラットプレッサ84に固定されている。フラットプレッサ取付部85は、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83に取り付けたり、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83から取り外したりする。フラットプレッサ取付部85は、フラットプレッサ84がプレッサキャリア83に取り付けられているときに、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83に固定する。フラットプレッサ84は、フラットプレッサ取付部85を介してプレッサキャリア83に取り付けられているときに、設置面7に平行である平面に沿うように配置される。
プレッサ部6は、図示されていないロックピンをさらに備えている。ロックピンは、プレッサキャリア83が退避位置または密着位置に配置されるときに、プレッサキャリア83が移動しないように、右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とに固定する。ロックピンは、ユーザの操作により、プレッサキャリア83が移動するように、プレッサキャリア83が右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とに固定されることを解除する。
プレッサ部6は、図26に示されているように、右側プレッサガイドカバー87と左側プレッサガイドカバー88とをさらに備えている。右側プレッサガイドカバー87は、右側プレッサガイド81が配置される領域を覆い、右側プレッサガイド81が配置される領域を画像読取装置1の外部から隔てている。左側プレッサガイドカバー88は、左側プレッサガイド82が配置される領域を覆い、左側プレッサガイド82が配置される領域を画像読取装置1の外部から隔てている。
プレッサ部6は、錘91と滑車93とワイヤ92と錘カバー94とをさらに備えている。錘91は、フラットプレッサ84の重量とフラットプレッサ取付部85の重量とプレッサキャリア83の重量との和に錘91の重量が概ね等しくなるように、形成されている。滑車93は、右側保持部11と左側保持部12とに支持されている。ワイヤ92は、一端が錘91に接合され、他端がプレッサキャリア83に接合され、滑車93に掛けられている。このため、錘91は、プレッサキャリア83が退避位置と密着位置との間を移動するときに、昇降する。錘カバー94は、可視光を透過する材料から形成されている。錘カバー94は、錘91が移動する領域を覆い、錘91が移動する領域を原稿台2から隔て、錘91が移動する領域を画像読取装置1の外部から隔てている。
図27は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられたプレッサ部6を示す正面図である。図28は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられたプレッサ部6を示す側面図である。プレッサ部6は、図27に示されているように、V字プレッサ95とV字プレッサ取付部96とをさらに備えている。V字プレッサ95は、右側プレッサ97と左側プレッサ98とを備えている。右側プレッサ97は、可視光を透過する材料から形成され、平坦である板状に形成されている。左側プレッサ98は、可視光を透過する材料から形成され、平坦である板状に形成されている。左側プレッサ98は、左側プレッサ98が沿う平面と右側プレッサ97が沿う平面とが所定の角度で交差するように、右側プレッサ97に接合されている。
V字プレッサ取付部96は、右側プレッサ97と左側プレッサ98とに接合され、すなわち、図28に示されているように、V字プレッサ95に固定されている。V字プレッサ取付部96は、V字プレッサ95をプレッサキャリア83に取り付けたり、V字プレッサ95をプレッサキャリア83から取り外したりする。V字プレッサ取付部96は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられているときに、V字プレッサ95をプレッサキャリア83に固定する。V字プレッサ95は、V字プレッサ取付部96を介してプレッサキャリア83に取り付けられた場合で、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、右側プレッサ97が右側載置面17に平行になるように、形成されている。V字プレッサ95は、V字プレッサ取付部96を介してプレッサキャリア83に取り付けられた場合で、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側プレッサ98が左側載置面19に平行になるように、形成されている。
[右側光学ユニット51の作製方法]
図29は、右側光学ユニット51を作製するときに利用される光学ユニット調整ジグ101を示す斜視図である。光学ユニット調整ジグ101は、図29に示されているように、ベース部102と光学ユニット固定部103と仮想被写体部104とを備えている。ベース部102は、棒状に形成されている。光学ユニット固定部103は、ベース部102の一部に固定されている。仮想被写体部104は、ベース部102の一部に固定されている。
図30は、光学ユニット固定部103を示す側面図である。光学ユニット固定部103は、図30に示されているように、手前側突起固定部105と奥側突起固定部106とを備えている。手前側突起固定部105は、右側光学ユニット51の光学ユニットフレーム61の手前側突起238をベース部102に固定する。奥側突起固定部106は、右側光学ユニット51の光学ユニットフレーム61の奥側突起239をベース部102に固定する。光学ユニットフレーム61は、手前側突起238が手前側突起固定部105により固定され、奥側突起239が奥側突起固定部106により固定されることにより、ベース部102に固定される。光学ユニット調整ジグ101は、適切に作製された右側光学ユニット51の光学ユニットフレーム61が光学ユニット固定部103に固定されているときに、画像読取部62が仮想被写体部104の画像を適切に撮像するように、形成されている。
ユーザは、右側光学ユニット51の光学ユニットフレーム61が光学ユニット固定部103に固定されているときに、画像読取部62が仮想被写体部104の画像を適切に撮像するように、画像読取部62を適切に配置する。ユーザは、画像読取部62が適切に配置されている状態で、ピント調整ユニット63の支持部材201を光学ユニットフレーム61に固定することにより、画像読取部62を光学ユニットフレーム61に固定する。ユーザは、右側光学ユニット51の光学ユニットフレーム61が光学ユニット固定部103に固定されているときに、さらに、外側照明ユニット65が仮想被写体部104を適切に照明するように、外側照明ユニット65を適切に配置する。ユーザは、外側照明ユニット65が適切に配置されている状態で、図示されていない締結部材を介して外側照明ユニット65を光学ユニットフレーム61に固定する。ユーザは、右側光学ユニット51が光学ユニット固定部103に固定されているときに、さらに、中央側照明ユニット66が仮想被写体部104を適切に照明するように、中央側照明ユニット66を適切に配置する。ユーザは、中央側照明ユニット66が適切に配置されている状態で、図示されていない締結部材を介して中央側照明ユニット66を光学ユニットフレーム61に固定する。右側光学ユニット51は、このように画像読取部62と外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが光学ユニットフレーム61に固定されることにより、画像読取部62と外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが適切に配置される。右側光学ユニット51は、画像読取部62と外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが適切に配置されることにより、キャリアユニット35に搭載されたときに、原稿台2に載置された原稿を適切に照明し、その原稿の画像を適切に撮像することができる。
左側光学ユニット52は、右側光学ユニット51と同様にして、作製される。すなわち、左側光学ユニット52は、光学ユニット調整ジグ101を用いて、画像読取部62と外側照明ユニット65と中央側照明ユニット66とが光学ユニットフレーム61に固定される。左側光学ユニット52は、光学ユニット調整ジグ101を用いて画像読取部62と照明ユニット64とが光学ユニットフレーム61に固定されることにより、画像読取部62と照明ユニット64とが適切に配置される。左側光学ユニット52は、画像読取部62と照明ユニット64とが適切に配置されることにより、キャリアユニット35に搭載されたときに、原稿台2に載置された原稿を適切に照明し、その原稿の画像を適切に撮像することができる。
[キャリアユニット35の作製方法]
図31は、キャリアユニット35を作製するときに利用されるキャリア調整ジグ111を示す斜視図である。キャリア調整ジグ111は、図31に示されているように、架台112とキャリア固定部113と仮想被写体部114とを備えている。キャリア固定部113は、右側スライダ固定部115と左側スライダ固定部116とを備えている。右側スライダ固定部115は、右側キャリア軸32の一部と同形に形成されている。右側スライダ固定部115は、架台112に固定されている。右側スライダ固定部115は、キャリアユニット35の右側スライダ38を固定する。左側スライダ固定部116は、左側キャリア軸34の一部と同形に形成されている。左側スライダ固定部116は、架台112に固定されている。左側スライダ固定部116は、キャリアユニット35の左側スライダ39を固定する。仮想被写体部114は、架台112の下部に配置され、架台112に固定されている。
図32は、キャリア調整ジグ111に取り付けられたキャリアユニット35を示す背面図である。キャリアユニット35は、図32に示されているように、右側光学ユニット奥側突起支持部117と左側光学ユニット奥側突起支持部118とをさらに備えている。右側光学ユニット奥側突起支持部117は、キャリア筐体37の奥側に配置され、キャリア筐体37に固定されている。右側光学ユニット奥側突起支持部117は、右側光学ユニット51の奥側突起239を把持し、右側光学ユニット51の奥側突起239を回転可能に支持している。左側光学ユニット奥側突起支持部118は、キャリア筐体37の奥側に配置され、キャリア筐体37に固定されている。左側光学ユニット奥側突起支持部118は、左側光学ユニット52の奥側突起239を把持し、左側光学ユニット52の奥側突起239を回転可能に支持している。
図33は、キャリアユニット35が取り付けられたキャリア調整ジグ111を示す正面図である。キャリアユニット35は、図33に示されているように、右側光学ユニット回転軸調整部121と右側締結部材122と左側光学ユニット回転軸調整部123と左側締結部材124とをさらに備えている。右側光学ユニット回転軸調整部121は、キャリア筐体37の手前側に配置されている。右側光学ユニット回転軸調整部121は、右側光学ユニット51の手前側突起238を把持し、右側光学ユニット51の手前側突起238を回転可能に支持している。すなわち、右側光学ユニット回転軸調整部121は、キャリア筐体37に対して移動することにより、右側光学ユニット回転軸54の向きが変更する。右側締結部材122は、ボルトとナットとから形成され、締結されることにより、右側光学ユニット回転軸調整部121をキャリア筐体37に固定している。
左側光学ユニット回転軸調整部123は、キャリア筐体37の手前側に配置されている。左側光学ユニット回転軸調整部123は、左側光学ユニット52の手前側突起238を把持し、左側光学ユニット52の手前側突起238を回転可能に支持している。すなわち、左側光学ユニット回転軸調整部123は、キャリア筐体37に対して移動することにより、左側光学ユニット回転軸55の向きが変更する。左側締結部材124は、ボルトとナットとから形成され、締結されることにより、左側光学ユニット回転軸調整部123をキャリア筐体37に固定している。
図34は、キャリア調整ジグ111を示す側面図である。仮想被写体部114は、図34に示されているように、仮想読取ライン領域125が形成されている。仮想読取ライン領域125は、適切に作製されたキャリアユニット35がキャリア固定部113に固定されるときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52との読取光軸平面71が仮想読取ライン領域125に交差するように、形成されている。すなわち、キャリア調整ジグ111は、適切なキャリアユニット35がキャリア固定部113に固定されるときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが仮想被写体部114の仮想読取ライン領域125の画像を適切に撮像するように、形成されている。
ユーザは、キャリアユニット35がキャリア固定部113に固定されているときに、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されていないときに、右側光学ユニット回転軸調整部121を移動させる。ユーザは、右側光学ユニット回転軸調整部121がキャリア筐体37の他の位置に固定された後に、再度、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されるまで、右側光学ユニット回転軸調整部121の移動と、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いた撮像とを繰り返し実行する。キャリアユニット35は、キャリア調整ジグ111を用いて右側光学ユニット回転軸調整部121がキャリア筐体37に固定されることにより、右側光学ユニット51がキャリア筐体37に対して適切に配置される。
ユーザは、キャリアユニット35がキャリア固定部113に固定されているときに、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されていないときに、左側光学ユニット回転軸調整部123を移動させる。ユーザは、左側光学ユニット回転軸調整部123がキャリア筐体37の他の位置に固定された後に、再度、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されるまで、左側光学ユニット回転軸調整部123の移動と、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いた撮像とを繰り返し実行する。キャリアユニット35は、キャリア調整ジグ111を用いて左側光学ユニット回転軸調整部123がキャリア筐体37に固定されることにより、左側光学ユニット52がキャリア筐体37に対して適切に配置される。
[右側キャリア軸32と左側キャリア軸34との調整方法]
ユーザは、左側キャリア軸34の向きを調整するときに、まず、左側キャリア軸調整部41を左側キャリアカバー33に固定している締結部材を緩める。ユーザは、締結部材が緩められた後に、左側キャリア軸調整部41を移動させることにより、左側キャリア軸34の向きを所定の向きに変更する。ユーザは、左側キャリア軸34の向きを所定の向きに向いている状態で、締結部材を締結し、左側キャリア軸調整部41を左側キャリアカバー33に固定する。
ユーザは、左側キャリア軸34と同様にして、右側キャリア軸32の向きを調整することができる。すなわち、ユーザは、まず、右側キャリア軸調整部を右側キャリアカバー31に固定している締結部材を緩める。ユーザは、締結部材が緩められた後に、右側キャリア軸調整部を移動させることにより、右側キャリア軸32の向きを所定の向きに変更する。ユーザは、右側キャリア軸32の向きを所定の向きに向いている状態で、締結部材を締結し、右側キャリア軸調整部を右側キャリアカバー31に固定する。
画像読取装置1は、左側キャリア軸調整部41と右側キャリア軸調整部とが設けられていることにより、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とを適切に配置することができる。画像読取装置1は、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とが適切に配置されることにより、部品の寸法に製造誤差が発生する場合でも、キャリアユニット35を適切に移動させることができる。
図35は、実施例1の画像読取装置1を示すブロック図である。画像読取装置1は、図35に示されているように、光学ユニット駆動部130と装置制御部131とをさらに備えている。光学ユニット駆動部130は、たとえば、モータから形成されている。光学ユニット駆動部130は、キャリア筐体37の内部のうちの概ね中央に配置され、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52との間に配置されている。光学ユニット駆動部130は、右側光学ユニット回転軸54を中心に右側光学ユニット51を回転させ、左側光学ユニット回転軸55を中心に左側光学ユニット52を回転させる。光学ユニット駆動部130は、さらに、右側光学ユニット51が配置されている位置を検出し、左側光学ユニット52が配置されている位置を検出する。
装置制御部131は、原稿台本体部14の内部に形成されている格納空間に配置されている。装置制御部131は、キャリアケーブルを介してキャリアユニット35に情報伝達可能に接続されている。そのキャリアケーブルは、フレキシブルケーブル部分46を含み、図示されていない固定ケーブル部分を含んでいる。固定ケーブル部分は、左側保持部12に沿って配置され、左側保持部12の中空の内部に配置されている。装置制御部131は、さらに、他のケーブルを介してキャリア駆動部45と3次元検出センサ75とに情報伝達可能に接続されている。
装置制御部131は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)132と記憶部133と通信部134と読取開始スイッチ135と表示部136とを備えている。CPU132は、装置制御部131にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶部133と通信部134と読取開始スイッチ135と表示部136とを制御する。CPU132は、そのコンピュータプログラムを実行することにより、さらに、キャリア駆動部45と3次元検出センサ75と右側光学ユニット51と左側光学ユニット52と光学ユニット駆動部130とを制御する。記憶部133は、そのコンピュータプログラムを記録し、CPU132により利用される情報を記録する。記憶部133は、例えばRAM・ROM等のメモリ、ハードディスクのような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)、または、光ディスク等を用いることができる。
通信部134は、装置制御部131と別個の外部機器と無線通信を介して通信することにより、外部機器から受信された情報をCPU132に出力し、CPU132により作成される情報をその外部機器に伝達する。無線通信としては、携帯電話回線網、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)や赤外線通信等が例示される。読取開始スイッチ135は、原稿台本体部14の外部に露出されている。読取開始スイッチ135は、ユーザに押下されることにより、読取開始スイッチ135が押下されたことを示す信号をCPU132に出力する。表示部136は、原稿台本体部14の外部に露出されている表示面を備え、CPU132により作成された画像を表示面に表示する。
なお、CPU132は、装置制御部131を統括的に制御する他の制御回路から構成されてもよい。その制御回路としては、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含む有形のコントローラが例示される。
装置制御部131にインストールされるコンピュータプログラムは、装置制御部131に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、キャリア駆動制御部141と3次元検出部142と光学ユニット回転制御部143とピント調整部144と照明制御部145と画像読取制御部146と画像処理部147とを含んでいる。
キャリア駆動制御部141は、キャリアユニット35が読取開始位置に配置されるように、キャリア駆動部45を制御する。キャリア駆動制御部141は、さらに、キャリアユニット35が読取開始位置から読取終了位置まで所定の速度で移動するように、キャリア駆動部45を制御する。
3次元検出部142は、原稿台2に載置された原稿の大まかな3次元形状が検出されるように、3次元検出センサ75を制御する。詳細には、3次元検出部142は、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザが照射されるように、レーザ発振器76を制御する。3次元検出部142は、さらに、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザが照射されているときに、原稿の画像が撮像されるように、カメラ77を制御する。3次元検出部142は、さらに、カメラ77により撮像された原稿の画像を画像処理することにより、原稿の大まかな3次元形状を算出する。
3次元検出部142は、原稿台2に載置された原稿のうちの読取部3に対向する読取面の詳細な3次元形状が検出されるように、3次元検出センサ75を制御する。詳細には、3次元検出部142は、原稿台2に載置された原稿の読取面に複数のレーザ平面に対応する複数のラインレーザが放射されるように、レーザ発振器76を制御する。3次元検出部142は、さらに、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザが照射されているときに、複数のラインレーザに対応する複数の画像が撮像されるように、カメラ77を制御する。複数の画像のうちのあるラインレーザに対応する1つの画像は、そのラインレーザが原稿に照射されている最中に撮像された画像を示し、原稿のうちのそのラインレーザが照射された部分を写し出している。3次元検出部142は、さらに、カメラ77により撮像された原稿の画像を画像処理することにより、原稿の読取面の詳細な3次元形状を算出する。
光学ユニット回転制御部143は、右側光学ユニット51が配置される位置が検出されるように、かつ、左側光学ユニット52が配置される位置が検出されるように、光学ユニット駆動部130を制御する。光学ユニット回転制御部143は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されるように、かつ、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されるように、光学ユニット駆動部130を制御する。または、光学ユニット回転制御部143は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されるように、かつ、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されるように、光学ユニット駆動部130を制御する。
ピント調整部144は、右側光学ユニット51の画像読取部62がピント調整されるように、右側光学ユニット51のピント調整ユニット63の鏡胴駆動部204を制御する。ピント調整部144は、さらに、左側光学ユニット52の画像読取部62がピント調整されるように、左側光学ユニット52のピント調整ユニット63の鏡胴駆動部204を制御する。
照明制御部145は、キャリアユニット35が読取開始位置から読取終了位置まで移動するときに、右側光学ユニット51の画像読取部62の読取光軸平面71に交差する領域が照明されるように、右側光学ユニット51の照明ユニット64を制御する。照明制御部145は、キャリアユニット35が読取開始位置から読取終了位置まで移動するときに、左側光学ユニット52の画像読取部62の読取光軸平面71に交差する領域が照明されるように、左側光学ユニット52の照明ユニット64を制御する。
画像読取制御部146は、キャリアユニット35が移動している最中に、複数の読取位置に対応する複数の右側読取ライン領域画像が撮像されるように、右側光学ユニット51の画像読取部62を制御する。複数の右側読取ライン領域画像のうちのある読取位置に対応する右側読取ライン領域画像は、原稿台2に載置される原稿の読取面の複数の右側読取ライン領域のうちのその読取位置に対応する右側読取ライン領域を写し出している。画像読取制御部146は、キャリアユニット35が移動している最中に、さらに、複数の読取位置に対応する複数の左側読取ライン領域画像が撮像されるように、左側光学ユニット52の画像読取部62を制御する。複数の左側読取ライン領域画像のうちのある読取位置に対応する左側読取ライン領域画像は、原稿台2に載置される原稿の読取面の複数の左側読取ライン領域のうちのその読取位置に対応する左側読取ライン領域を写し出している。
画像処理部147は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン領域画像を画像処理することにより右側読取画像を作成する。画像処理部147は、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン領域画像を画像処理することにより左側読取画像を作成する。画像処理部147は、右側読取画像と左側読取画像とを画像処理することにより、合成画像を作成する。3次元検出部142により検出された詳細な3次元形状に基づいて合成画像を画像処理することにより、歪み補正後合成画像を作成する。
[画像読取装置1の動作]
図36は、画像読取装置1の動作を示すフローチャートである。ユーザは、画像読取装置1を用いて原稿の画像を読み取ろうとするときに、まず、装置制御部131を起動する。装置制御部131は、起動されると、キャリア駆動部45を制御することにより、キャリアユニット35を読取開始位置に配置する。画像読取装置1が設置されている環境の環境光は、キャリアユニット35が読取開始位置に配置されていることにより、天板36を透過し、原稿台2を照明する。ユーザは、環境光により原稿台2が照明されていることにより、原稿台2の上部に配置されるものを容易に確認することができ、原稿台2の上部に配置されるものを容易に適切に取り扱うことができる。
ユーザは、キャリアユニット35が読取開始位置に配置された後に、画像読取装置1を用いて画像を読み取ろうとする原稿を原稿台2に載置する。詳細には、ユーザは、画像読取装置1を用いて画像を読み取ろうとする原稿が平坦に開くことができない綴じ原稿であるときに、V字プレッサ95をプレッサキャリア83に取り付け、プレッサキャリア83を退避位置に配置する。ユーザは、プレッサキャリア83が退避位置に配置された後に、右側原稿台15をV字原稿右側保持位置に配置し、左側原稿台16をV字原稿左側保持位置に配置する。ユーザは、原稿のうちの所定のページが露出するように原稿を左右に開き、原稿のうちの右側の部分を右側原稿台15の右側載置面17に載置し、原稿のうちの左側の部分を左側原稿台16の左側載置面19に載置する。ユーザは、原稿を右側原稿台15と左側原稿台16とに載置した後に、プレッサキャリア83を密着位置に移動させる。V字プレッサ95は、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、原稿の右側の部分のうちの読取部3に対向する読取面に右側プレッサ97が密着し、原稿の左側の部分のうちの読取部3に対向する読取面に左側プレッサ98が密着する。
ユーザは、画像読取装置1を用いて画像を読み取ろうとする原稿が平坦に広げることができるときに、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83に取り付け、プレッサキャリア83を退避位置に配置する。ユーザは、プレッサキャリア83が退避位置に配置された後に、右側原稿台15をフラット原稿右側保持位置に配置し、左側原稿台16をフラット原稿左側保持位置に配置する。ユーザは、原稿のうちの右側の部分を右側原稿台15の右側載置面17に載置し、原稿のうちの左側の部分を左側原稿台16の左側載置面19に載置する。ユーザは、原稿を右側原稿台15と左側原稿台16とに載置した後に、プレッサキャリア83を密着位置に配置する。フラットプレッサ84は、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、原稿のうちの読取部3に対向する読取面に密着する。
ユーザは、原稿を原稿台2に載置した後に、読取開始スイッチ135を押下する。装置制御部131は、読取開始スイッチ135が押下されると、3次元検出センサ75を制御することにより、3次元検出(プレ)を実行する(ステップS1)。すなわち、装置制御部131は、3次元検出センサ75のレーザ発振器76を制御することにより、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザを照射する。装置制御部131は、3次元検出センサ75のカメラ77を制御することにより、ラインレーザが照射されている原稿の画像を撮像する。装置制御部131は、その撮像された画像を画像処理することより、原稿台2に載置された原稿の読取面の大まかな3次元形状を算出する。
装置制御部131は、読み取り前チェックを実行する(ステップS2)。すなわち、装置制御部131は、ステップS1で算出された大まかな3次元形状に基づいて、読取部3を用いて、原稿台2に載置された原稿の画像を適切に読み取ることができるか否かを判定する。装置制御部131は、たとえば、右側原稿台15に載置された原稿の読取面の法線と左側原稿台16に載置された原稿の読取面の法線とがそれぞれ所定の方向を向いていないときに、読取部3が原稿の画像を適切に読み取ることができないと判定する。装置制御部131は、たとえば、右側原稿台15に載置された原稿の読取面が右側載置面17から所定の距離以上に離れているときに、読取部3が原稿の画像を適切に読み取ることができないと判定する。装置制御部131は、原稿台2に載置された原稿の画像を適切に読み取ることができないと判定されたときに、表示部136を制御することにより、原稿の画像を適切に読み取ることができないことを示すエラー画像を表示部136に表示する。ユーザは、エラー画像が表示部136に表示されたときに、原稿を原稿台2に載置し直した後に、読取開始スイッチ135を再度押下する。装置制御部131は、読取開始スイッチ135が押下されると、ステップS1以降の処理を再度実行する。
装置制御部131は、原稿台2に載置された原稿の画像を読み取ることができると判定されたときに、ステップS1で算出された大まかな3次元形状に基づいて、右側原稿台15が配置されている位置を算出し、左側原稿台16が配置されている位置を算出する。装置制御部131は、さらに、光学ユニット駆動部130を制御することにより、右側光学ユニット51が配置されている位置を検出し、左側光学ユニット52が配置されている位置を検出する。装置制御部131は、次いで、右側原稿台15と左側原稿台16とが配置されている位置に対応する適切な位置に右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが配置されているか否かを判定する(ステップS3)。
すなわち、装置制御部131は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていないと判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていないと判定する。
装置制御部131は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていないと判定する。装置制御部131は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていないと判定する。
装置制御部131は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52との両方が適切な位置に配置されていると判定されたときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51または左側光学ユニット52のいずれかが適切な位置に配置されていないと判定されたときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていないと判定する。
装置制御部131は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切でないと判定されたときに(ステップS3、No)、光学ユニット駆動部130を制御することにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを移動させる(ステップS4)。すなわち、装置制御部131は、右側原稿台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部130を制御することにより、右側光学ユニット51をフラット原稿右側読取位置に配置する。装置制御部131は、右側原稿台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部130を制御することにより、左側光学ユニット52をV字原稿右側読取位置に配置する。装置制御部131は、左側原稿台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部130を制御することにより、左側光学ユニット52をフラット原稿左側読取位置に配置する。装置制御部131は、左側原稿台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部130を制御することにより、右側光学ユニット51をV字原稿左側読取位置に配置する。
装置制御部131は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていると判定されたときに(ステップS3、Yes)、または、ステップS4が実行された後に、3次元検出(スキャン)を実行する(ステップS5)。すなわち、装置制御部131は、3次元検出センサ75のレーザ発振器76を制御することにより、複数のレーザ平面に沿って進行するラインレーザを原稿台2に向けて放射する。装置制御部131は、レーザ発振器76からラインレーザが放射されている最中に、3次元検出センサ75のカメラ77を制御することにより、複数のレーザ平面に対応する複数の3次元検出用画像を撮像する。複数の3次元検出用画像は、それぞれ、原稿台2に載置される原稿を写し出している。複数の3次元検出用画像のうちのあるレーザ平面に対応する1つの3次元検出用画像は、そのレーザ平面に沿って進行するラインレーザが放射されているときにカメラ77により撮像される画像を示している。装置制御部131は、その撮像された複数の3次元検出用画像を画像処理することより、原稿台2に載置された原稿の読取面の詳細な3次元形状を算出する。
装置制御部131は、読取面の詳細な3次元形状が算出された後に、原稿の読取を実行する(ステップS6)。すなわち、装置制御部131は、右側光学ユニット51の鏡胴駆動部204を制御することにより、右側光学ユニット51の読取光軸67に平行に右側光学ユニット51のレンズユニット202を移動させ、右側光学ユニット51の画像読取部62をピント調整する。装置制御部131は、左側光学ユニット52の鏡胴駆動部204を制御することにより、左側光学ユニット52の読取光軸67に平行に左側光学ユニット52のレンズユニット202を移動させ、左側光学ユニット52の画像読取部62をピント調整する。このとき、レンズユニット202は、レンズユニット202の重心225を通る鉛直線がレンズユニット回転軸224と交差していないことにより、レンズユニット202の自重によりレンズユニット回転軸224を中心に回転する。レンズユニット202は、レンズユニット回転軸224を中心に回転することにより、接触点223が接触面215に接触する。レンズユニット202は、接触点223が接触面215に接触することにより、レンズ222の光軸が読取光軸67に重なるように適切に配置される。画像読取部62は、レンズユニット202が適切に配置されることにより、適切にピント調整される。
装置制御部131は、さらに、キャリア駆動部45を制御することにより、キャリアユニット35を所定の速度で読取開始位置から読取終了位置に移動させる。装置制御部131は、キャリアユニット35が移動している最中に、右側光学ユニット51の照明ユニット64と左側光学ユニット52の照明ユニット64とを制御することにより、原稿台2に載置される原稿の読取面を照明する。
装置制御部131は、キャリアユニット35が移動している最中で、キャリアユニット35が複数の読取位置に配置される度に、右側光学ユニット51の画像読取部62を制御することにより、原稿台2に載置される原稿の一部が写し出される画像を撮像する。装置制御部131は、キャリアユニット35が移動している最中で、キャリアユニット35が複数の読取位置に配置される度に、左側光学ユニット52の画像読取部62をさらに制御することにより、原稿台2に載置される原稿の一部が写し出される画像を撮像する。装置制御部131は、このように右側光学ユニット51の画像読取部62と左側光学ユニット52の画像読取部62を制御することにより、複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とを撮像する。このとき、画像読取部62は、レンズ222の光軸が読取光軸67に重なるように配置されていることにより、適切にピント調整され、複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とを適切に撮像することができる。
装置制御部131は、複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とが撮像された後に、右側光学ユニット51の照明ユニット64と左側光学ユニット52の照明ユニット64とを消灯する。装置制御部131は、複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とが撮像された後に、さらに、キャリア駆動部45を制御することにより、キャリアユニット35を読取開始位置に移動させる。
装置制御部131は、ステップS6で撮像された複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とを画像処理することにより、原稿台2に載置される原稿の読取面の画像を作成する(ステップS7)。詳細には、装置制御部131は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン領域画像を画像処理することにより右側読取画像を作成する。右側読取画像は、右側光学ユニット51が向けられている原稿台に載置された原稿の読取面を写し出している。すなわち、右側読取画像は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されているときに、右側原稿台15に載置されている原稿の読取面を写し出す画像を示している。右側読取画像は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されているときに、左側原稿台16に載置されている原稿の読取面を写し出す画像を示している。
装置制御部131は、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン領域画像を画像処理することにより左側読取画像を作成する。左側読取画像は、左側光学ユニット52が向けられている原稿台に載置された原稿の読取面を写し出している。すなわち、左側読取画像は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されているときに、左側原稿台16に載置されている原稿の読取面を写し出している。左側読取画像は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されているときに、右側原稿台15に載置されている原稿の読取面を写し出している。
装置制御部131は、右側読取画像と左側読取画像とを画像処理することにより合成画像を作成する。合成画像は、右側原稿台15に載置されている原稿の読取面と、左側原稿台16に載置されている原稿の読取面とが繋ぎ合わされた合成読取面を写し出す画像を示している。装置制御部131は、ステップS5で算出された詳細な3次元形状に基づいて、合成画像を画像処理することにより、歪み補正後合成画像を作成する。歪み補正後合成画像は、右側原稿台15に載置されている原稿の読取面と、左側原稿台16に載置されている原稿の読取面とがたるまないように平坦に張られた状態の読取面を写し出している画像を示している。装置制御部131は、歪み補正後合成画像が作成された後に、通信部134を制御することにより、装置制御部131と別個の外部機器に歪み補正後合成画像を伝送する。
なお、ユーザは、プレッサキャリア83にフラットプレッサ84が取り付けられている場合で、原稿台2に載置された原稿の読取面が十分に平坦であるときに、プレッサキャリア83を密着位置に配置することを省略してもよい。このとき、画像読取装置1は、フラットプレッサ84を透過した光を用いて、原稿の画像を読み取る。さらに、ユーザは、原稿台2に載置された原稿の読取面が十分に平坦であるときに、フラットプレッサ84またはV字プレッサ95をプレッサキャリア83に取り付けることを省略してもよい。
画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが同期して移動することができる。このとき、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像される複数の右側読取ライン領域は、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像される複数の左側読取ライン領域に対して適切な位置に配置される。このため、画像読取装置1は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン画像と左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン画像とを適切に合成することができる。
画像読取装置1は、読取光軸平面71が原稿の読取面に垂直であるときに、照明ユニット64から放射された光のうちの原稿の読取面を正反射した反射光が画像読取部62に入り込むことがある。画像読取装置1は、その反射光が画像読取部62に入り込むことにより、画像読取部62により撮像された画像にてかりが写り込むことがある。実施例1の画像読取装置1は、原稿台2に載置される原稿の読取面の法線に対して読取光軸平面71が傾斜していることにより、画像読取部62により撮像された画像にてかりが写り込むことを低減することができる。
画像読取装置1は、中央側照明ユニット66の中央側照明光軸69が読取光軸67に対して傾斜していることにより、原稿台2に載置された原稿の読取面が受ける光の照度分布を均一化させることができる。たとえば、画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがフラット原稿右側読取位置とフラット原稿左側読取位置とにそれぞれ配置されているときに、その両方から照明される領域を低減することができる。画像読取装置1は、読取面のうちの右側光学ユニット51と左側光学ユニット52との両方から照明される領域を低減することにより、読取面の中央の照度を低減し、読取面が受ける光の照度分布を均一化させることができる。画像読取装置1は、原稿台2に載置された原稿の読取面が受ける光の照度分布を均一化させることにより、原稿の画像を適切に読み取ることができる。なお、画像読取装置1は、読取面の照度分布が十分に均一であるときに、中央側照明光軸69が読取光軸67に平行になるように中央側照明ユニット66を配置してもよい。
[実施例1の画像読取装置1の効果]
実施例1のピント調整ユニット63は、レンズユニット202と2つのピン205〜206と支持部材201と鏡胴203とを備えている。レンズユニット202は、レンズ222が固定されている。2つのピン205〜206は、レンズユニット202に固定されている。支持部材201は、レンズユニット202が移動可能に2つのピン205〜206を支持している。鏡胴203は、ピント調整のためにレンズ222が移動するように、支持部材201に対して移動することにより、支持部材201に対して2つのピン205〜206を移動させる。このとき、レンズユニット202は、2つのピン205〜206が固定されている部位と異なる接触点223が接触面215に接触したり、接触点223が接触面215から離れたりするように、2つのピン205〜206を介して回転可能に支持されている。レンズユニット202は、接触点223が支持部材201に接触することにより、支持部材201に支持される。
このようなピント調整ユニット63は、レンズユニット202が2つのピン205〜206と接触点223との3点で支持部材201に支持されることにより、レンズユニット202を支持部材201に安定して固定することができる。ピント調整ユニット63は、2つのピン205〜206と接触点223とでレンズユニット202が支持部材201に支持されることにより、所定の位置にレンズユニット202を適切に配置することができる。ピント調整ユニット63は、2つのピン205〜206と接触点223とでレンズユニット202が所定の位置に適切に配置されることができることにより、3つ以上のピンを設ける必要がなく、部品点数を低減し、製造コストを低減することができる。
また、実施例1のピント調整ユニット63の2つのピン205〜206は、2つのピン205〜206を結ぶレンズユニット回転軸224がレンズ222の光軸に直交するように、配置されている。このようなピント調整ユニット63は、2つのピン205〜206が直径位置に配置されることにより、レンズユニット202を安定して支持することができ、レンズユニット202を適切に移動させることができる。ピント調整ユニット63は、レンズユニット202を適切に移動させることにより、適切にピント調整することができる。ピント調整ユニット63は、2つのピン205〜206が直径位置に配置されることにより、2つのピン205〜206を案内する鏡胴203の2つの螺旋溝の傾きを緩やかにすることができる。ピント調整ユニット63は、2つの螺旋溝の傾きを緩やかにすることにより、鏡胴203が単位角度だけ回転するときに読取光軸67に平行にレンズユニット202が移動する移動量を低減することができ、レンズユニット202を高精度に移動させることができる。
ところで、実施例1のピント調整ユニット63の2つのピン205〜206は、レンズユニット回転軸224がレンズ222の光軸に直交するように、配置されているが、レンズユニット回転軸224とレンズ222の光軸とがねじれの位置に配置されてもよい。ピント調整ユニット63は、レンズユニット回転軸224とレンズ222の光軸とがねじれの位置に配置された場合でも、2つのピン205〜206と接触点223との3点でレンズユニット202を適切な位置に配置することができる。
また、実施例1のピント調整ユニット63の2つのピン205〜206は、2つのピン205〜206を結ぶレンズユニット回転軸224にレンズユニット202の重心が重ならないように、レンズユニット202に固定されている。このようなピント調整ユニット63は、レンズユニット202の重心225を通る鉛直線がレンズユニット回転軸224と交差しないように配置されることにより、レンズユニット202の重力により接触点223を接触面215に接触させることができる。このとき、ピント調整ユニット63は、接触点223を接触面215に接触させる力をレンズユニット202に与える部材が別途に設けられる必要がなく、部品点数を低減し、製造コストを低減することができる。
また、実施例1のピント調整ユニット63の支持部材201は、読取光軸67に平行にレンズ222が移動するように2つのピン205〜206をそれぞれ案内する2つの直線溝が形成されている。鏡胴203は、2つのピン205〜206にそれぞれ嵌合する2つの螺旋溝が形成されている。2つの螺旋溝は、鏡胴203が支持部材201に対して回転することにより、読取光軸67に平行にレンズ222が移動するように、2つのピン205〜206を案内する。ピント調整ユニット63は、さらに、2つのピン205〜206が2つの螺旋溝にそれぞれ接触するように、2つのピン205〜206に力をそれぞれ与える2つの付勢部207〜208を備えている。
このようなピント調整ユニット63は、2つの付勢部207〜208を備えることにより、2つのピン205〜206を2つの螺旋溝の端面に確実に接触させることができる。ピント調整ユニット63は、2つのピン205〜206を2つの螺旋溝に接触させることにより、レンズユニット202を適切な位置に配置させることができる。適切にピント調整することができる。
また、実施例1のピント調整ユニット63の2つの付勢部207〜208は、それぞれ、プレート231とばね232とを有している。プレート231は、2つのピン205〜206のうちの一方に接触する。ばね232は、2つのピン205〜206が2つの螺旋溝の端面にそれぞれ接触するように、プレート231に弾性力を与える。
このようなピント調整ユニット63は、レンズユニット202と照明ユニット64との間にピンが配置される場合でも、レンズユニット202と照明ユニット64との間の領域と異なる他の領域にばね232を配置させることができる。ピント調整ユニット63は、レンズユニット202と照明ユニット64との間の領域と異なる他の領域にばね232を配置させることにより、レンズユニット202と照明ユニット64との間の間隔を低減することができる。ピント調整ユニット63は、レンズユニット202と照明ユニット64との間の間隔を低減することにより、ピント調整ユニット63を備える右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを小型化することができる。ピント調整ユニット63は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを小型化することにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを備える画像読取装置1を小型化することができる。
実施例1の画像読取装置1は、ピント調整ユニット63と、レンズ222を透過する光を用いて被写体の画像を撮像する画像読取部62とを備えている。このような画像読取装置1は、ピント調整ユニット63を備えることにより、部品点数を低減し、製造コストを低減することができる。
また、実施例1の画像読取装置1のピント調整ユニット63は、レンズユニット202の重心を水平面に正射影した第1図形が、2つのピン205〜206を結ぶ直線をその水平面に正射影した第2図形に重ならないように、配置されている。このような画像読取装置1は、レンズユニット202の重力によりレンズユニット回転軸224を中心にレンズユニット202を回転させることができ、接触点223を接触面215に接触させることができる。画像読取装置1は、レンズユニット202の重力により接触点223を接触面215に接触させることにより、接触点223を接触面215に接触させる力をレンズユニット202に与える部材が別途に設けられる必要がなく、製造コストを低減することができる。
ピント調整ユニット63は、レンズ222の光軸が水平になるように、配置されても利用されることができる。図37は、レンズ222の光軸が水平になるように、配置されたピント調整ユニット261を示す断面図である。ピント調整ユニット261は、図37に示されているように、ピント調整ユニット63と同様に形成されている。ピント調整ユニット261は、レンズユニット回転軸224とレンズユニット202の重心225とが同一水平面上に配置されるように、配置されている。ピント調整ユニット261は、既述のピント調整ユニット63と同様にして、レンズユニット202の自重により接触点223を接触面215に接触させることができ、レンズユニット202を適切な位置に配置することができる。ピント調整ユニット261は、さらに、既述のピント調整ユニット63と同様にして、3つ以上のピンを設ける必要がないことにより、製造コストを低減することができる。
ところで、既述のピント調整ユニット63、261は、レンズ222の光軸が鉛直線に対して平行でないように配置されて利用されているが、レンズ222の光軸が鉛直線に平行になるように配置されて利用されてもよい。このとき、ピント調整ユニット63、261は、レンズユニット202の重心225を通る鉛直線がレンズユニット回転軸224と交差しないように、レンズユニット202に錘が設けられている。ピント調整ユニット63、261は、この場合も、重力により接触点223を接触面215に接触させることができ、レンズ222を適切な位置に配置することができ、適切にピント調整することができる。
ところで、既述のピント調整ユニット63、261は、レンズユニット202の自重で接触点223を接触面215に接触させているが、接触点223を接触面215に接触させる力をレンズユニット202に加える部材をさらに備えてもよい。その部材としては、接触点223が接触面215に接触するようにレンズユニット202に弾性力を与えるばねが例示される。このようなピント調整ユニットは、このような部材を備えることにより、レンズユニット202の重心225を通る鉛直線がレンズユニット回転軸224に交差する場合でも、接触点223を接触面215に接触させることができる。ピント調整ユニットは、このような部材を備える場合でも、3つ以上のピンを設ける必要がないことにより、製造コストを低減することができる。