以下に、本願が開示する実施形態にかかる画像読取装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
[実施例の画像読取装置]
図1は、実施例の画像読取装置1を示す側面図である。画像読取装置1は、図1に示されているように、原稿台2と読取部3と読取部保持部5とプレッサ部6とを備えている。原稿台2は、画像読取装置1が設置される設置面7に載置される。読取部3は、原稿台2の概ね上方に配置されている。
図2は、実施例の画像読取装置1を示す正面図である。読取部保持部5は、図2に示されているように、右側保持部11と左側保持部12とを備えている。右側保持部11は、帯状に形成され、中空に形成されている。右側保持部11は、一端が原稿台2の一部に固定され、他端が読取部3の一部に固定されている。左側保持部12は、帯状に形成され、中空に形成されている。左側保持部12は、一端が原稿台2の一部に固定され、他端が読取部3の一部に固定されている。このとき、読取部保持部5は、読取部3が原稿台2の概ね上方に配置されるように、右側保持部11と左側保持部12とを介して読取部3を保持している。
図3は、実施例の画像読取装置1を示す斜視図である。原稿台2は、図3に示されているように、原稿台本体部14と右側載置台15と左側載置台16とを備えている。原稿台本体部14は、箱状に形成され、図示されていない格納空間が内部に形成されている。原稿台本体部14は、設置面7に載置されている。右側載置台15は、板状に形成され、右側載置面17が形成されている。右側載置面17は、平坦に形成されている。右側載置台15は、フラット原稿右側保持位置またはV字原稿右側保持位置に配置されるように、右側載置台回転軸18を中心に回転可能に原稿台本体部14に支持されている。右側載置台回転軸18は、右側載置面17に平行であり、原稿台本体部14が設置面7に載置されるときに、設置面7に平行である。右側載置面17は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、設置面7に平行になる。
左側載置台16は、板状に形成され、左側載置面19が形成されている。左側載置面19は、平坦に形成されている。左側載置台16は、フラット原稿左側保持位置またはV字原稿左側保持位置に配置されるように、左側載置台回転軸20を中心に回転可能に原稿台本体部14に支持されている。左側載置台回転軸20は、左側載置面19に平行であり、右側載置台回転軸18に平行である。左側載置面19は、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、設置面7に平行になる。右側載置面17と左側載置面19とは、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置され、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されるときに、設置面7に平行である同一平面に概ね沿っている。
図4は、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときの実施例の画像読取装置1を示す斜視図である。右側載置面17は、図4に示されているように、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、設置面7に対して傾斜している平面に沿っている。このとき、右側載置面17は、右側載置面17のうちの左側載置台16から遠い側の端が、右側載置面17のうちの左側載置台16に近い側の端より設置面7から遠くなるように、設置面7に対して傾斜している。右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、右側載置面17と設置面7とがなす角は、概ね30度である。左側載置面19は、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側載置面19のうちの右側載置台15から遠い側の端が左側載置面19のうちの右側載置台15に近い側の端より設置面7から遠くなるように、設置面7に対して傾斜している。左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側載置面19と設置面7とがなす角は、概ね30度である。
図5は、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときの実施例の画像読取装置1を示す正面図である。原稿台2は、図5に示されているように、右側載置台ストッパ21と左側載置台ストッパ22とをさらに備えている。右側載置台ストッパ21は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置またはV字原稿右側保持位置に配置されるときに、右側載置台回転軸18を中心に右側載置台15が回転しないように、右側載置台15を原稿台本体部14に固定する。右側載置台ストッパ21は、さらに、ユーザの操作により、右側載置台回転軸18を中心に右側載置台15が回転するように、右側載置台15が原稿台本体部14に固定されることを解除する。左側載置台ストッパ22は、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置またはV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側載置台回転軸20を中心に左側載置台16が回転しないように、左側載置台16を原稿台本体部14に固定する。左側載置台ストッパ22は、さらに、ユーザの操作により、左側載置台回転軸20を中心に左側載置台16が回転するように、左側載置台16が原稿台本体部14に固定されることを解除する。
図6は、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときの実施例の画像読取装置1を示す側面図である。読取部保持部5は、図6に示されているように、右側載置台15と左側載置台16とが右側保持部11と左側保持部12との間に配置されないように、右側載置台15と左側載置台16との一方の側に配置されている。すなわち、右側保持部11は、右側載置台15の右側載置面17より奥側(図6で右側)に配置されている。右側保持部11は、一端が原稿台本体部14のうちの右側載置台15より奥側の部分に固定されている。左側保持部12は、右側保持部11と同様にして、左側載置台16の左側載置面19より奥側に配置され、一端が原稿台本体部14のうちの左側載置台16より奥側の部分に固定されている。すなわち、右側載置面17と左側載置面19とが配置される領域は、読取部保持部5が配置される領域に対して、1つの平面23で隔てることができる。
図7は、読取部3を示す断面図である。読取部3は、図7に示されているように、右側キャリアカバー31と右側キャリア軸32と左側キャリアカバー33と左側キャリア軸34とキャリア35と天板36とを備えている。右側キャリアカバー31は、読取部3の外殻のうちの右側保持部11の側の一部を形成している。右側キャリアカバー31は、右側保持部11のうちの原稿台本体部14に固定されている一端の反対側の他端に固定されている。右側キャリア軸32は、円柱状の棒に形成されている。右側キャリア軸32は、右側載置台回転軸18に平行である直線に沿うように、右側キャリアカバー31の内部に配置されている。
左側キャリアカバー33は、読取部3の外殻のうちの左側保持部12の側の一部を形成している。左側キャリアカバー33は、左側保持部12のうちの原稿台本体部14に固定されている一端の反対側の他端に固定されている。左側キャリア軸34は、円柱状の棒に形成されている。左側キャリア軸34は、右側キャリア軸32が沿う直線に平行である他の直線に沿うように、左側キャリアカバー33の内部に配置されている。
キャリア35は、キャリア筐体37と右側スライダ38と左側スライダ39とを備えている。キャリア筐体37は、概ね箱状に形成され、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34との間に配置されている。右側スライダ38は、キャリア筐体37のうちの右側キャリア軸32の側の一端に固定されている。右側スライダ38は、右側キャリア軸32の一部を囲み、右側キャリア軸32に案内されることにより、右側キャリア軸32に沿って平行移動する。左側スライダ39は、キャリア筐体37のうちの左側キャリア軸34の側の一端に固定され、すなわち、キャリア筐体37のうちの右側スライダ38が固定されている一端の反対側の他端に固定されている。左側スライダ39は、左側キャリア軸34に載置され、左側キャリア軸34に案内されることにより、左側キャリア軸34に沿って平行移動する。キャリア筐体37は、右側スライダ38が右側キャリア軸32に案内され、左側スライダ39が左側キャリア軸34に案内されることにより、右側キャリアカバー31と左側キャリアカバー33とに対して平行移動する。すなわち、キャリア35は、読取開始位置または読取終了位置に配置されるように、移動可能に原稿台2に支持されている。このとき、キャリア35が平行移動する方向は、右側載置台15に載置される原稿のうちの読取部3に対向する読取面に沿う読取平面に平行であり、左側載置台16に載置される原稿のうちの読取部3に対向する読取面に沿う読取平面に平行である。
天板36は、可視光が透過する材料から形成され、概ね板状に形成されている。天板36は、キャリア35が移動する領域の上部を覆うように、右側キャリアカバー31と左側キャリアカバー33との間に配置され、読取部3の外殻の一部を形成している。天板36は、右側キャリアカバー31と左側キャリアカバー33とに支持されている。
図8は、キャリア35が読取開始位置に配置されるときの実施例の画像読取装置1を示す側面図である。キャリア35は、奥側に平行移動することにより、図8に示されているように、読取開始位置に配置される。図9は、キャリア35が読取終了位置に配置されるときの実施例の画像読取装置1を示す側面図である。キャリア35は、手前側に平行移動することにより、図9に示されているように、読取終了位置に配置される。
図10は、キャリア35が読取開始位置に配置されるときの読取部3の一部を示す縦断面図である。読取部3は、図10に示されているように、左側キャリア軸調整部41と手前側滑車42と奥側滑車43とベルト44とキャリア駆動部45とフレキシブルケーブル部分46とをさらに備えている。左側キャリア軸調整部41は、左側キャリアカバー33のうちの手前側に配置されている。左側キャリア軸34の手前側の一端は、左側キャリア軸調整部41に固定されている。左側キャリア軸34の奥側の一端は、左側キャリアカバー33に固定されている。このため、左側キャリア軸34は、左側キャリア軸調整部41が左側キャリアカバー33に対して移動することにより、向きが変更される。左側キャリア軸調整部41は、図示されていない締結部材を介して左側キャリアカバー33に固定されている。締結部材としては、たとえば、ボルトとナットが例示される。すなわち、左側キャリア軸34の手前側の一端は、左側キャリア軸調整部41を介して左側キャリアカバー33に間接的に固定されている。
手前側滑車42は、左側キャリアカバー33の内部のうちの左側キャリア軸34の手前側の端の近傍に配置されている。奥側滑車43は、左側キャリアカバー33の内部のうちの左側キャリア軸34の奥側の端の近傍に配置されている。ベルト44は、ループ状の帯から形成されている。ベルト44は、左側キャリアカバー33の内部に配置され、手前側滑車42と奥側滑車43とに架け渡されている。ベルト44は、さらに、一部が左側スライダ39に接合されている。
キャリア駆動部45は、たとえば、モータから形成されている。キャリア駆動部45は、手前側滑車42と奥側滑車43とが回転するように、ベルト44を移動させる。キャリア35は、左側スライダ39がベルト44に接合されていることにより、ベルト44が移動するときに、原稿台2に対して平行移動する。すなわち、キャリア駆動部45は、ベルト44を移動させることにより、キャリア35を右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とに沿って平行移動させる。キャリア駆動部45は、さらに、キャリア35が配置される位置を検出する。
フレキシブルケーブル部分46は、薄い帯状に形成され、屈曲可能に形成されている。フレキシブルケーブル部分46は、一端がキャリア35に固定され、他端が左側キャリアカバー33に固定されている。図11は、読取部3の一部を示す横断面図である。フレキシブルケーブル部分46は、図11に示されているように、左側キャリアカバー33の内部のうちの左側キャリア軸34とベルト44との下部に配置されている。すなわち、左側キャリアカバー33は、左側キャリア軸34と手前側滑車42と奥側滑車43とベルト44とフレキシブルケーブル部分46とを覆っている。フレキシブルケーブル部分46は、情報機器を情報伝達可能に接続することに利用される。
図12は、キャリア35が読取終了位置に配置されるときの読取部3の一部を示す縦断面図である。フレキシブルケーブル部分46は、図12に示されているように、キャリア35が読取終了位置に配置されるときに、キャリア35が読取開始位置に配置されるときの形状と異なる他の形状に形成されている。すなわち、フレキシブルケーブル部分46は、キャリア35が原稿台2に対して移動することにより変形する。
読取部3は、図示されていない右側キャリア軸調整部をさらに備えている。右側キャリア軸調整部は、左側キャリア軸調整部41と同様にして、右側キャリアカバー31に取り付けられている。すなわち、右側キャリア軸調整部は、右側キャリアカバー31のうちの手前側に配置されている。右側キャリア軸32の手前側の一端は、右側キャリア軸調整部に固定されている。右側キャリア軸32の奥側の一端は、右側キャリアカバー31に固定されている。このため、右側キャリア軸32は、右側キャリア軸調整部が右側キャリアカバー31に対して移動することにより、向きが変更する。右側キャリア軸調整部は、図示されていない締結部材を介して右側キャリアカバー31に固定されている。締結部材としては、たとえば、ボルトとナットが例示される。すなわち、右側キャリア軸32の手前側の一端は、右側キャリア軸調整部を介して右側キャリアカバー31に間接的に固定されている。
図13は、読取部3を示す正面図である。キャリア35は、図13に示されているように、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52と光学ユニット駆動部53とを備えている。右側光学ユニット51は、キャリア筐体37の内部のうちの右側保持部11の側の領域に配置されている。右側光学ユニット51は、フラット原稿右側読取位置またはV字原稿左側読取位置に配置されるように、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。右側光学ユニット回転軸54は、左側載置台回転軸20に平行である。右側光学ユニット51は、フラット原稿右側読取位置に配置されるときに、図13に示されているように、右側載置台15の方を向いている。右側光学ユニット51が向いている方向56は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置される場合で、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、右側載置台15の右側載置面17に垂直である。
左側光学ユニット52は、キャリア筐体37の内部のうちの左側保持部12の側の領域に配置されている。左側光学ユニット52は、フラット原稿左側読取位置またはV字原稿右側読取位置に配置されるように、左側光学ユニット回転軸55を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。左側光学ユニット回転軸55は、右側載置台回転軸18に平行である。左側光学ユニット52は、フラット原稿左側読取位置に配置されるときに、左側載置台16の方を向いている。左側光学ユニット52が向いている方向57は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置される場合で、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、左側載置台16の左側載置面19に垂直である。
光学ユニット駆動部53は、たとえば、モータから形成されている。光学ユニット駆動部53は、キャリア筐体37の内部のうちの概ね中央に配置され、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52との間に配置されている。光学ユニット駆動部53は、右側光学ユニット回転軸54を中心に右側光学ユニット51を回転させ、左側光学ユニット回転軸55を中心に左側光学ユニット52を回転させる。光学ユニット駆動部53は、さらに、右側光学ユニット51が配置されている位置を検出し、左側光学ユニット52が配置されている位置を検出する。
図14は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置され、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されているときの読取部3を示す正面図である。右側光学ユニット51は、V字原稿左側読取位置に配置されるときに、左側載置台16の方を向いている。右側光学ユニット51が向いている方向58は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置される場合で、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、左側載置台16の左側載置面19に垂直である。左側光学ユニット52は、V字原稿右側読取位置に配置されるときに、右側載置台15の方を向いている。左側光学ユニット52が向いている方向59は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置される場合で、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、右側載置台15の右側載置面17に垂直である。
図15は、右側光学ユニット51を示す縦断面図である。右側光学ユニット51は、図15に示されているように、光学ユニット筐体61と画像読取部62とレンズ63とピント調整部64と第1照明部65と第2照明部66とを備えている。光学ユニット筐体61は、概ね直方体に形成され、内部に格納空間が形成されている。画像読取部62は、CCD(Charge Coupled Device)から形成されている。画像読取部62は、光学ユニット筐体61の内部に配置され、図示されていない締結部材により光学ユニット筐体61に固定されている。レンズ63は、光学ユニット筐体61の内部に配置され、画像読取部62が向けられている領域に配置されている。レンズ63は、画像読取部62に接近したり画像読取部62から遠ざかったりすることができるように、移動可能に光学ユニット筐体61に支持されている。このとき、画像読取部62は、レンズ63を透過する光を用いて、画像読取部62が向けられる領域に配置される被写体が写る画像を撮像する。ピント調整部64は、光学ユニット筐体61の内部に配置され、レンズ63を画像読取部62に接近させたり、レンズ63を画像読取部62から遠ざけたりする。画像読取部62が被写体の画像を撮像するときのピントは、ピント調整部64によりレンズ63が移動することにより、調節される。
第1照明部65は、光学ユニット筐体61の内部に配置され、図示されていない締結部材により光学ユニット筐体61に固定されている。第1照明部65は、光学ユニット筐体61に対して固定されることにより、光学ユニット筐体61を介して画像読取部62に固定されている。第2照明部66は、光学ユニット筐体61の内部に配置され、第1照明部65と第2照明部66との間に画像読取部62が配置されるように、配置されている。第2照明部66は、図示されていない締結部材により光学ユニット筐体61に固定されている。第2照明部66は、光学ユニット筐体61に固定されることにより、光学ユニット筐体61を介して画像読取部62に対して固定されている。
図16は、画像読取部62の読取光軸平面67と第1照明部65の第1照明光軸平面68と第2照明部66の第2照明光軸平面69とを示す斜視図である。画像読取部62は、図16に示されているように、読取光軸平面67に沿って進行する光を用いて被写体の画像を撮像するように配置され、すなわち、被写体の表面のうちの読取光軸平面67に交差する読取ライン領域70の画像を撮像する。第1照明部65は、第1照明光軸平面68に沿って進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域70を照明する。第2照明部66は、第2照明光軸平面69に沿って進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域70を照明する。読取光軸平面67と第1照明光軸平面68と第2照明光軸平面69とは、互いに重なっている。すなわち、第1照明部65は、読取光軸平面67に沿って進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域70を照明する。第2照明部66は、読取光軸平面67に沿って進行する光を発することにより、画像読取部62により撮像される読取ライン領域70を照明する。
図17は、右側光学ユニット51を示す横断面図である。光学ユニット筐体61は、図17に示されているように、手前側突起71と奥側突起72とが形成されている。手前側突起71は、光学ユニット筐体61のうちの手前側の部材から手前側に突出している。手前側突起71は、キャリア筐体37に回転可能に支持されている。奥側突起72は、光学ユニット筐体61のうちの奥側の部材から奥側に突出している。奥側突起72は、キャリア筐体37に回転可能に支持されている。光学ユニット筐体61は、手前側突起71と奥側突起72とがキャリア筐体37に回転可能に支持されることにより、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。すなわち、手前側突起71と奥側突起72とを結ぶ直線は、右側光学ユニット回転軸54に一致している。画像読取部62は、読取光軸平面67が右側光学ユニット回転軸54と垂直にならないように配置され、読取光軸平面67が光学ユニット筐体61に対して所定の位置に配置されるように、光学ユニット筐体61に固定されている。
図18は、右側光学ユニット51の画像読取部62と右側載置台15との位置関係を示す側面図である。右側光学ユニット51の画像読取部62は、読取光軸平面67が右側光学ユニット回転軸54と垂直でないことにより、図18に示されているように、読取光軸平面67が右側載置面17の法線73に対して傾斜している。すなわち、右側光学ユニット51の画像読取部62は、法線73と読取光軸平面67とがなす読取角度74が0度にならないように配置され、光学ユニット筐体61に固定されている。詳細には、右側光学ユニット51は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されている場合で、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されているときに、読取角度74が20度になるように、形成されている。右側光学ユニット51は、さらに、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されている場合で、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されているときに、読取角度74が20度になるように、形成されている。
左側光学ユニット52は、右側光学ユニット51と同様にして、形成されている。すなわち、左側光学ユニット52は、光学ユニット筐体61と画像読取部62とレンズ63とピント調整部64と第1照明部65と第2照明部66とを備えている。左側光学ユニット52は、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されている場合で、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されているときに、読取角度74が20度になるように、形成されている。左側光学ユニット52は、さらに、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されている場合で、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されているときに、読取角度74が20度になるように、形成されている。
図19は、実施例の画像読取装置1を示す側面図である。右側光学ユニット51または左側光学ユニット52の読取光軸平面67は、図19に示されているように、キャリア35が読取開始位置に配置されるときに、右側載置台15または左側載置台16のうちの奥側の端に交差する。右側光学ユニット51または左側光学ユニット52の読取光軸平面67は、キャリア35が読取終了位置に配置されるときに、右側載置台15または左側載置台16のうちの手前側の端に交差する。
キャリア35は、読取光軸平面67が右側載置面17の法線と左側載置台16の法線とに傾斜していることにより、読取終了位置に配置されるときに、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置されないで、原稿台2のうちの手前側の端の上部より奥側に配置される。すなわち、キャリア35は、読取開始位置と読取終了位置との間を移動するときに、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置されることがない。読取部3の外殻と右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とは、キャリア35が原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置されないことにより、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置される必要がない。ユーザは、原稿台2のうちの手前側の領域の上部に読取部3が配置されないことにより、原稿台2と読取部3との間の空間で物を取り扱う作業で読取部3が邪魔にならず、たとえば、原稿台2と読取部3との間の空間で物を容易に取り扱うことができる。
キャリア35は、原稿台2に対して平行移動することにより、読取開始位置と読取終了位置との間の複数の読取位置に配置されることができる。複数の読取位置は、読取開始位置と読取終了位置との間に等間隔に配置されている。原稿台2に載置される原稿のうちの読取部3に対向する読取面は、複数の読取位置に対応する複数の右側読取ライン領域と、複数の読取位置に対応する複数の左側読取ライン領域とで充填されている。複数の右側読取ライン領域のうちのある読取位置に対応する1つの右側読取ライン領域は、キャリア35がその読取位置に配置されるときに、右側光学ユニット51の画像読取部62に撮像される領域を示している。複数の左側読取ライン領域のうちのある読取位置に対応する1つの左側読取ライン領域は、キャリア35がその読取位置に配置されるときに、左側光学ユニット52の画像読取部62に撮像される領域を示している。
図20は、読取部3を示す側面図である。読取部3は、図20に示されているように、3次元検出センサ75をさらに備えている。3次元検出センサ75は、レーザ発振器76とカメラ77とを備えている。レーザ発振器76は、読取部3のうちの手前側の端に配置され、読取部3の外殻に支持されている。レーザ発振器76は、複数のレーザ平面に沿って進行するラインレーザを放射する。複数のレーザ平面は、複数のレーザ平面と右側載置面17とが交差する複数の交線が所定の間隔で並ぶように、かつ、複数のレーザ平面と左側載置面19とが交差する複数の交線が所定の間隔で並ぶように、配置されている。複数のレーザ平面のうちの1つのレーザ平面78に沿って進行するラインレーザは、複数のレーザ平面のうちのレーザ平面78と異なる他の複数のレーザ平面に沿って進行するラインレーザが放射されるタイミングと異なる他のタイミングに放射される。カメラ77は、読取部3のうちの奥側の端に配置され、原稿台2の方を向き、読取部3の外殻に固定されている。カメラ77は、原稿台2に載置される原稿の画像を撮像する。
図21は、3次元検出センサ75により読取面の3次元形状が検出される原稿79を示す斜視図である。レーザ発振器76は、図21に示されているように、原稿79が原稿台2に載置されるときに、レーザ平面78に沿って進行するラインレーザを放射することにより、原稿79にラインレーザを照射する。原稿79のうちのラインレーザに照射された部分80は、ラインレーザを乱反射させている。カメラ77は、原稿79が原稿台2に載置される場合で、原稿79にラインレーザが照射されているときに、原稿79の画像を撮像する。その画像は、部分80がラインレーザを乱反射させていることにより、部分80が他の部分と識別可能に写し出されている。部分80が配置される3次元位置は、三角測量の方式により、レーザ平面78が配置される位置と、原稿79のうちのラインレーザが照射された部分が画像に写し出される位置とに基づいて算出される。原稿79のうちの読取部3に対向する読取面の3次元形状は、ラインレーザが沿う複数のレーザ平面の位置と、カメラ77により撮像された画像に、複数のレーザ平面に対応する複数の位置とに基づいて算出される。複数の位置のうちのあるレーザ平面に対応する位置は、原稿79のうちのそのレーザ平面に沿って進行するラインレーザが照射された部分が画像に写し出される位置を示している。
図22は、プレッサ部6を示す正面図である。図23は、プレッサ部6を示す側面図である。プレッサ部6は、図22に示されているように、右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とプレッサキャリア83とフラットプレッサ84とフラットプレッサ取付部85とを備えている。右側プレッサガイド81は、棒状に形成され、図23に示されているように、プレッサ移動方向86に平行である直線に沿うように配置されている。左側プレッサガイド82は、棒状に形成され、プレッサ移動方向86に平行である直線に沿うように配置されている。プレッサ移動方向86は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置され、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されているときに、読取光軸平面67に平行である。プレッサ移動方向86は、さらに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが並ぶ方向に垂直である。プレッサキャリア83は、退避位置または密着位置に配置されるように、プレッサ移動方向86に平行に移動可能に右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とに支持されている。プレッサキャリア83は、退避位置に配置されるときに、原稿台2に接近することにより密着位置に移動し、密着位置に配置されるときに、読取部3に接近することにより退避位置に移動する。
フラットプレッサ84は、可視光を透過する材料から形成され、平坦である板状に形成されている。フラットプレッサ取付部85は、フラットプレッサ84に接合され、フラットプレッサ84に固定されている。フラットプレッサ取付部85は、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83に取り付けたり、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83から取り外したりする。フラットプレッサ取付部85は、フラットプレッサ84がプレッサキャリア83に取り付けられているときに、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83に固定する。フラットプレッサ84は、フラットプレッサ取付部85を介してプレッサキャリア83に取り付けられているときに、設置面7に平行である平面に沿うように配置される。
プレッサ部6は、図示されていないロックピンをさらに備えている。ロックピンは、プレッサキャリア83が退避位置または密着位置に配置されるときに、プレッサキャリア83が移動しないように、右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とに固定する。ロックピンは、ユーザの操作により、プレッサキャリア83が移動するように、プレッサキャリア83が右側プレッサガイド81と左側プレッサガイド82とに固定されることを解除する。
プレッサ部6は、図23に示されているように、右側プレッサガイドカバー87と左側プレッサガイドカバー88とをさらに備えている。右側プレッサガイドカバー87は、右側プレッサガイド81が配置される領域を覆い、右側プレッサガイド81が配置される領域を画像読取装置1の外部から隔てている。左側プレッサガイドカバー88は、左側プレッサガイド82が配置される領域を覆い、左側プレッサガイド82が配置される領域を画像読取装置1の外部から隔てている。
プレッサ部6は、錘91と滑車93とワイヤ92と錘カバー94とをさらに備えている。錘91は、フラットプレッサ84の重量とフラットプレッサ取付部85の重量とプレッサキャリア83の重量との和に錘91の重量が概ね等しくなるように、形成されている。滑車93は、右側保持部11と左側保持部12とに支持されている。ワイヤ92は、一端が錘91に接合され、他端がプレッサキャリア83に接合され、滑車93に掛けられている。このため、錘91は、プレッサキャリア83が退避位置と密着位置との間を移動するときに、昇降する。錘カバー94は、可視光を透過する材料から形成されている。錘カバー94は、錘91が移動する領域を覆い、錘91が移動する領域を原稿台2から隔て、錘91が移動する領域を画像読取装置1の外部から隔てている。
図24は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられたプレッサ部6を示す正面図である。図25は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられたプレッサ部6を示す側面図である。プレッサ部6は、図24に示されているように、V字プレッサ95とV字プレッサ取付部96とをさらに備えている。V字プレッサ95は、右側プレッサ97と左側プレッサ98とを備えている。右側プレッサ97は、可視光を透過する材料から形成され、平坦である板状に形成されている。左側プレッサ98は、可視光を透過する材料から形成され、平坦である板状に形成されている。左側プレッサ98は、左側プレッサ98が沿う平面と右側プレッサ97が沿う平面とが所定の角度で交差するように、右側プレッサ97に接合されている。
V字プレッサ取付部96は、右側プレッサ97と左側プレッサ98とに接合され、すなわち、V字プレッサ95に固定されている。V字プレッサ取付部96は、V字プレッサ95をプレッサキャリア83に取り付けたり、V字プレッサ95をプレッサキャリア83から取り外したりする。V字プレッサ取付部96は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられているときに、V字プレッサ95をプレッサキャリア83に固定する。V字プレッサ95は、V字プレッサ取付部96を介してプレッサキャリア83に取り付けられた場合で、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、右側プレッサ97が右側載置面17に平行になるように、形成されている。V字プレッサ95は、V字プレッサ取付部96を介してプレッサキャリア83に取り付けられた場合で、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、左側プレッサ98が左側載置面19に平行になるように、形成されている。
[右側光学ユニット51の作製方法]
図26は、右側光学ユニット51を作製するときに利用される光学ユニット調整ジグ101を示す斜視図である。光学ユニット調整ジグ101は、図26に示されているように、ベース部102と光学ユニット固定部103と仮想被写体部104とを備えている。ベース部102は、棒状に形成されている。光学ユニット固定部103は、ベース部102の一部に固定されている。仮想被写体部104は、ベース部102の一部に固定されている。
図27は、光学ユニット固定部103を示す斜視図である。光学ユニット固定部103は、図27に示されているように、手前側突起固定部105と奥側突起固定部106とを備えている。手前側突起固定部105は、右側光学ユニット51の手前側突起71をベース部102に固定する。奥側突起固定部106は、右側光学ユニット51の奥側突起72をベース部102に固定する。右側光学ユニット51は、手前側突起71が手前側突起固定部105により固定され、奥側突起72が奥側突起固定部106により固定されることにより、ベース部102に固定される。光学ユニット調整ジグ101は、適切に作製された右側光学ユニット51が光学ユニット固定部103に固定されているときに、画像読取部62が仮想被写体部104の画像を適切に撮像するように、形成されている。
ユーザは、右側光学ユニット51が光学ユニット固定部103に固定されているときに、画像読取部62が仮想被写体部104の画像を適切に撮像するように、画像読取部62を配置し、締結部材を介して画像読取部62を光学ユニット筐体61に固定する。ユーザは、右側光学ユニット51が光学ユニット固定部103に固定されているときに、さらに、第1照明部65が仮想被写体部104を適切に照明するように、第1照明部65を配置し、締結部材を介して第1照明部65を光学ユニット筐体61に固定する。ユーザは、右側光学ユニット51が光学ユニット固定部103に固定されているときに、さらに、第2照明部66が仮想被写体部104を適切に照明するように、第2照明部66を配置し、締結部材を介して第2照明部66を光学ユニット筐体61に固定する。右側光学ユニット51は、このように画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが光学ユニット筐体61に固定されることにより、画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが適切に配置される。右側光学ユニット51は、画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが適切に配置されることにより、キャリア35に搭載されたときに、原稿台2に載置された原稿を適切に照明し、その原稿の画像を適切に撮像することができる。
左側光学ユニット52は、右側光学ユニット51と同様にして、作製される。すなわち、左側光学ユニット52は、光学ユニット調整ジグ101を用いて、画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが光学ユニット筐体61に固定される。左側光学ユニット52は、光学ユニット調整ジグ101を用いて画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが光学ユニット筐体61に固定されることにより、画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが適切に配置される。左側光学ユニット52は、画像読取部62と第1照明部65と第2照明部66とが適切に配置されることにより、キャリア35に搭載されたときに、原稿台2に載置された原稿を適切に照明し、その原稿の画像を適切に撮像することができる。
[キャリア35の作製方法]
図28は、キャリア35を作製するときに利用されるキャリア調整ジグ111を示す斜視図である。キャリア調整ジグ111は、図28に示されているように、架台112とキャリア固定部113と仮想被写体部114とを備えている。キャリア固定部113は、右側スライダ固定部115と左側スライダ固定部116とを備えている。右側スライダ固定部115は、右側キャリア軸32の一部と同形に形成されている。右側スライダ固定部115は、架台112に固定されている。右側スライダ固定部115は、キャリア35の右側スライダ38を固定する。左側スライダ固定部116は、左側キャリア軸34の一部と同形に形成されている。左側スライダ固定部116は、架台112に固定されている。左側スライダ固定部116は、キャリア35の左側スライダ39を固定する。仮想被写体部114は、架台112の下部に配置され、架台112に固定されている。
図29は、キャリア調整ジグ111に取り付けられたキャリア35を示す背面図である。キャリア35は、図29に示されているように、右側光学ユニット奥側突起固定部117と左側光学ユニット奥側突起固定部118とをさらに備えている。右側光学ユニット奥側突起固定部117は、キャリア筐体37の奥側に配置され、キャリア筐体37に固定されている。右側光学ユニット奥側突起固定部117は、右側光学ユニット51の奥側突起72を回転可能に支持している。左側光学ユニット奥側突起固定部118は、キャリア筐体37の奥側に配置され、キャリア筐体37に固定されている。左側光学ユニット奥側突起固定部118は、左側光学ユニット52の奥側突起72を回転可能に支持している。
図30は、キャリア35が取り付けられたキャリア調整ジグ111を示す正面図である。キャリア35は、図30に示されているように、右側光学ユニット回転軸調整部121と右側締結部材122と左側光学ユニット回転軸調整部123と左側締結部材124とをさらに備えている。右側光学ユニット回転軸調整部121は、キャリア筐体37の手前側に配置されている。右側光学ユニット回転軸調整部121は、右側光学ユニット51の手前側突起71を回転可能に支持している。すなわち、右側光学ユニット回転軸調整部121は、キャリア筐体37に対して移動することにより、右側光学ユニット回転軸54の向きが変更する。右側締結部材122は、ボルトとナットとから形成され、締結されることにより、右側光学ユニット回転軸調整部121をキャリア筐体37に固定している。
左側光学ユニット回転軸調整部123は、キャリア筐体37の手前側に配置されている。左側光学ユニット回転軸調整部123は、左側光学ユニット52の手前側突起71を回転可能に支持している。すなわち、左側光学ユニット回転軸調整部123は、キャリア筐体37に対して移動することにより、左側光学ユニット回転軸55の向きが変更する。左側締結部材124は、ボルトとナットとから形成され、締結されることにより、左側光学ユニット回転軸調整部123をキャリア筐体37に固定している。
図31は、キャリア調整ジグ111を示す側面図である。仮想被写体部114は、図31に示されているように、仮想読取ライン領域125が形成されている。仮想読取ライン領域125は、適切に作製されたキャリア35がキャリア固定部113に固定されるときに、右側光学ユニット51の読取光軸平面67と左側光学ユニット52の読取光軸平面67とが仮想読取ライン領域125に交差するように、形成されている。すなわち、キャリア調整ジグ111は、適切なキャリア35がキャリア固定部113に固定されるときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが仮想被写体部114の仮想読取ライン領域125の画像を適切に撮像するように、形成されている。
ユーザは、キャリア35がキャリア固定部113に固定されているときに、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されていないときに、右側光学ユニット回転軸調整部121を移動させる。ユーザは、右側光学ユニット回転軸調整部121がキャリア筐体37の他の位置に固定された後に、再度、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されるまで、右側光学ユニット回転軸調整部121の移動と、右側光学ユニット51の画像読取部62を用いた撮像とを繰り返し実行する。キャリア35は、キャリア調整ジグ111を用いて右側光学ユニット回転軸調整部121がキャリア筐体37に固定されることにより、右側光学ユニット51がキャリア筐体37に対して適切に配置される。
ユーザは、キャリア35がキャリア固定部113に固定されているときに、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されていないときに、左側光学ユニット回転軸調整部123を移動させる。ユーザは、左側光学ユニット回転軸調整部123がキャリア筐体37の他の位置に固定された後に、再度、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて仮想被写体部114の画像を撮像する。ユーザは、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いて撮像された画像に仮想読取ライン領域125が適切に写し出されるまで、左側光学ユニット回転軸調整部123の移動と、左側光学ユニット52の画像読取部62を用いた撮像とを繰り返し実行する。キャリア35は、キャリア調整ジグ111を用いて左側光学ユニット回転軸調整部123がキャリア筐体37に固定されることにより、左側光学ユニット52がキャリア筐体37に対して適切に配置される。
[右側キャリア軸32と左側キャリア軸34との調整方法]
ユーザは、左側キャリア軸34の向きを調整するときに、まず、左側キャリア軸調整部41を左側キャリアカバー33に固定している締結部材を緩める。ユーザは、締結部材が緩められた後に、左側キャリア軸調整部41を移動させることにより、左側キャリア軸34の向きを所定の向きに変更する。ユーザは、左側キャリア軸34の向きを所定の向きに向いている状態で、締結部材を締結し、左側キャリア軸調整部41を左側キャリアカバー33に固定する。
ユーザは、左側キャリア軸34と同様にして、右側キャリア軸32の向きを調整することができる。すなわち、ユーザは、まず、右側キャリア軸調整部を右側キャリアカバー31に固定している締結部材を緩める。ユーザは、締結部材が緩められた後に、右側キャリア軸調整部を移動させることにより、右側キャリア軸32の向きを所定の向きに変更する。ユーザは、右側キャリア軸32の向きを所定の向きに向いている状態で、締結部材を締結し、右側キャリア軸調整部を右側キャリアカバー31に固定する。
画像読取装置1は、左側キャリア軸調整部41と右側キャリア軸調整部とが設けられていることにより、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とを適切に配置することができる。画像読取装置1は、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とが適切に配置されることにより、部品の寸法に製造誤差が発生する場合でも、キャリア35を適切に移動させることができる。
図32は、実施例の画像読取装置1を示すブロック図である。画像読取装置1は、図32に示されているように、装置制御部131をさらに備えている。装置制御部131は、原稿台本体部14の内部に形成されている格納空間に配置されている。装置制御部131は、キャリアケーブルを介してキャリア35に情報伝達可能に接続されている。そのキャリアケーブルは、フレキシブルケーブル部分46を含み、図示されていない固定ケーブル部分を含んでいる。固定ケーブル部分は、左側保持部12に沿って配置され、左側保持部12の中空の内部に配置されている。装置制御部131は、さらに、他のケーブルを介してキャリア駆動部45と3次元検出センサ75とに情報伝達可能に接続されている。
装置制御部131は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)132と記憶部133と通信部134と読取開始スイッチ135と表示部136とを備えている。CPU132は、装置制御部131にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶部133と通信部134と読取開始スイッチ135と表示部136とを制御する。CPU132は、そのコンピュータプログラムを実行することにより、さらに、キャリア駆動部45と3次元検出センサ75と右側光学ユニット51と左側光学ユニット52と光学ユニット駆動部53とを制御する。記憶部133は、そのコンピュータプログラムを記録し、CPU132により利用される情報を記録する。記憶部133は、例えばRAM・ROM等のメモリ、ハードディスクのような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)、または、光ディスク等を用いることができる。
通信部134は、装置制御部131と別個の外部機器と無線通信を介して通信することにより、外部機器から受信された情報をCPU132に出力し、CPU132により作成される情報をその外部機器に伝達する。無線通信としては、携帯電話回線網、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)や赤外線通信等が例示される。読取開始スイッチ135は、原稿台本体部14の外部に露出されている。読取開始スイッチ135は、ユーザに押下されることにより、読取開始スイッチ135が押下されたことを示す信号をCPU132に出力する。表示部136は、原稿台本体部14の外部に露出されている表示面を備え、CPU132により作成された画像を表示面に表示する。
なお、CPU132は、装置制御部131を統括的に制御する他の制御回路から構成されてもよい。その制御回路としては、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含む有形のコントローラが例示される。
装置制御部131にインストールされるコンピュータプログラムは、装置制御部131に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、キャリア駆動制御部141と光学ユニット回転制御部142と照明制御部143と画像読取制御部144と3次元検出部145と画像処理部146とを含んでいる。
キャリア駆動制御部141は、キャリア35が読取開始位置に配置されるように、キャリア駆動部45を制御する。キャリア駆動制御部141は、さらに、キャリア35が読取開始位置から読取終了位置まで所定の速度で移動するように、キャリア駆動部45を制御する。
光学ユニット回転制御部142は、右側光学ユニット51が配置される位置が検出されるように、かつ、左側光学ユニット52が配置される位置が検出されるように、光学ユニット駆動部53を制御する。光学ユニット回転制御部142は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されるように、かつ、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されるように、光学ユニット駆動部53を制御する。光学ユニット回転制御部142は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されるように、かつ、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されるように、光学ユニット駆動部53を制御する。
照明制御部143は、キャリア35が読取開始位置から読取終了位置まで所定の速度で移動するときに、右側光学ユニット51の画像読取部62が向けられている領域が照明されるように、右側光学ユニット51の第1照明部65と第2照明部66とを制御する。照明制御部143は、キャリア35が読取開始位置から読取終了位置まで所定の速度で移動するときに、左側光学ユニット52の画像読取部62が向けられている領域が照明されるように、左側光学ユニット52の第1照明部65と第2照明部66とを制御する。
画像読取制御部144は、さらに、右側光学ユニット51の画像読取部62のピントが調節されるように、右側光学ユニット51のピント調整部64を制御する。画像読取制御部144は、右側光学ユニット51が向けられている載置台に載置される原稿の読取面の一部が写し出される画像が撮像されるように、右側光学ユニット51の画像読取部62を制御する。画像読取制御部144は、さらに、左側光学ユニット52の画像読取部62のピントが調節されるように、左側光学ユニット52のピント調整部64を制御する。画像読取制御部144は、左側光学ユニット52が向けられている載置台に載置される原稿の読取面の一部が写し出される画像が撮像されるように、左側光学ユニット52の画像読取部62を制御する。
3次元検出部145は、原稿台2に載置された原稿の大まかな3次元形状が検出されるように、3次元検出センサ75を制御する。詳細には、3次元検出部145は、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザが照射されるように、レーザ発振器76を制御する。3次元検出部145は、さらに、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザが照射されているときに、原稿の画像が撮像されるように、カメラ77を制御する。3次元検出部145は、さらに、カメラ77により撮像された原稿の画像を画像処理することにより、原稿の大まかな3次元形状を算出する。
3次元検出部145は、原稿台2に載置された原稿のうちの読取部3に対向する読取面の詳細な3次元形状が検出されるように、3次元検出センサ75を制御する。詳細には、3次元検出部145は、原稿台2に載置された原稿の読取面に複数のレーザ平面に対応する複数のラインレーザが放射されるように、レーザ発振器76を制御する。3次元検出部145は、さらに、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザが照射されているときに、複数のラインレーザに対応する複数の画像が撮像されるように、カメラ77を制御する。複数の画像のうちのあるラインレーザに対応する1つの画像は、そのラインレーザが原稿に照射されている最中に撮像された画像を示し、原稿のうちのそのラインレーザが照射された部分を写し出している。3次元検出部145は、さらに、カメラ77により撮像された原稿の画像を画像処理することにより、原稿の読取面の詳細な3次元形状を算出する。
画像処理部146は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン画像を画像処理することにより右側読取画像を作成する。画像処理部146は、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン画像を画像処理することにより左側読取画像を作成する。画像処理部146は、右側読取画像と左側読取画像とを画像処理することにより、合成画像を作成する。3次元検出部145により検出された詳細な3次元形状に基づいて合成画像を画像処理することにより、歪み補正後合成画像を作成する。
[画像読取装置1の動作]
図33は、画像読取装置1の動作を示すフローチャートである。ユーザは、画像読取装置1を用いて原稿の画像を読み取ろうとするときに、まず、装置制御部131を起動する。装置制御部131は、起動されると、キャリア駆動部45を制御することにより、キャリア35を読取開始位置に配置する。画像読取装置1が設置されている環境の環境光は、キャリア35が読取開始位置に配置されていることにより、天板36を透過し、原稿台2を照明する。ユーザは、環境光により原稿台2が照明されていることにより、原稿台2の上部に配置されるものを容易に確認することができ、原稿台2の上部に配置されるものを容易に適切に取り扱うことができる。
ユーザは、キャリア35が読取開始位置に配置された後に、画像読取装置1を用いて画像を読み取ろうとする原稿を原稿台2に載置する。詳細には、ユーザは、画像読取装置1を用いて画像を読み取ろうとする原稿が平坦に開くことができない綴じ原稿であるときに、V字プレッサ95をプレッサキャリア83に取り付け、プレッサキャリア83を退避位置に配置する。ユーザは、プレッサキャリア83が退避位置に配置された後に、右側載置台15をV字原稿右側保持位置に配置し、左側載置台16をV字原稿左側保持位置に配置する。ユーザは、原稿のうちの所定のページが露出するように原稿を左右に開き、原稿のうちの右側の部分を右側載置台15の右側載置面17に載置し、原稿のうちの左側の部分を左側載置台16の左側載置面19に載置する。ユーザは、原稿を右側載置台15と左側載置台16とに載置した後に、プレッサキャリア83を密着位置に移動させる。V字プレッサ95は、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、原稿の右側の部分のうちの読取部3に対向する読取面に右側プレッサ97が密着し、原稿の左側の部分のうちの読取部3に対向する読取面に左側プレッサ98が密着する。
ユーザは、画像読取装置1を用いて画像を読み取ろうとする原稿が平坦に広げることができるときに、フラットプレッサ84をプレッサキャリア83に取り付け、プレッサキャリア83を退避位置に配置する。ユーザは、プレッサキャリア83が退避位置に配置された後に、右側載置台15をフラット原稿右側保持位置に配置し、左側載置台16をフラット原稿左側保持位置に配置する。ユーザは、原稿のうちの右側の部分を右側載置台15の右側載置面17に載置し、原稿のうちの左側の部分を左側載置台16の左側載置面19に載置する。ユーザは、原稿を右側載置台15と左側載置台16とに載置した後に、プレッサキャリア83を密着位置に配置する。フラットプレッサ84は、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、原稿のうちの読取部3に対向する読取面に密着する。
ユーザは、原稿を原稿台2に載置した後に、読取開始スイッチ135を押下する。装置制御部131は、読取開始スイッチ135が押下されると、3次元検出センサ75を制御することにより、3次元検出(プレ)を実行する(ステップS1)。すなわち、装置制御部131は、3次元検出センサ75のレーザ発振器76を制御することにより、原稿台2に載置された原稿の中央にラインレーザを照射する。装置制御部131は、3次元検出センサ75のカメラ77を制御することにより、ラインレーザが照射されている原稿の画像を撮像する。装置制御部131は、その撮像された画像を画像処理することより、原稿台2に載置された原稿の大まかな3次元形状を算出する。
装置制御部131は、読み取り前チェックを実行する(ステップS2)。すなわち、装置制御部131は、ステップS1で算出された大まかな3次元形状に基づいて、読取部3を用いて、原稿台2に載置された原稿の画像を読み取ることができるかどうかを判定する。装置制御部131は、原稿台2に載置された原稿の画像を読み取ることができないと判定されたときに、表示部136を制御することにより、原稿の画像を読み取ることができないことを示すエラー画像を表示部136に表示する。ユーザは、エラー画像が表示部136に表示されたときに、原稿を原稿台2に載置し直した後に、読取開始スイッチ135を再度押下する。装置制御部131は、読取開始スイッチ135が押下されると、ステップS1以降の処理を再度実行する。
装置制御部131は、原稿台2に載置された原稿の画像を読み取ることができると判定されたときに、ステップS1で算出された大まかな3次元形状に基づいて、右側載置台15が配置されている位置を算出し、左側載置台16が配置されている位置を算出する。装置制御部131は、さらに、光学ユニット駆動部53を制御することにより、右側光学ユニット51が配置されている位置を検出し、左側光学ユニット52が配置されている位置を検出する。装置制御部131は、次いで、右側載置台15と左側載置台16とが配置されている位置に対応する適切な位置に右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが配置されているかどうかを判定する(ステップS3)。
すなわち、装置制御部131は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていないと判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、右側光学ユニット51が適切な位置に配置されていないと判定する。
装置制御部131は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されている場合で、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていないと判定する。装置制御部131は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されている場合で、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、左側光学ユニット52が適切な位置に配置されていないと判定する。
装置制御部131は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52との両方が適切な位置に配置されていると判定されたときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていると判定する。装置制御部131は、右側光学ユニット51または左側光学ユニット52のいずれかが適切な位置に配置されていないと判定されたときに、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていないと判定する。
装置制御部131は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていないと判定されたときに(ステップS3、No)、光学ユニット駆動部53を制御することにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを適切な位置に配置させる(ステップS4)。すなわち、装置制御部131は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部53を制御することにより、右側光学ユニット51をフラット原稿右側読取位置に配置する。装置制御部131は、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部53を制御することにより、左側光学ユニット52をV字原稿右側読取位置に配置する。装置制御部131は、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部53を制御することにより、左側光学ユニット52をフラット原稿左側読取位置に配置する。装置制御部131は、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、光学ユニット駆動部53を制御することにより、右側光学ユニット51をV字原稿左側読取位置に配置する。
装置制御部131は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが適切な位置に配置されていると判定されたときに(ステップS3、Yes)、または、ステップS4が実行された後に、3次元検出(スキャン)を実行する(ステップS5)。すなわち、装置制御部131は、3次元検出センサ75のレーザ発振器76を制御することにより、複数のレーザ平面に沿って進行するラインレーザを原稿台2に向けて放射する。装置制御部131は、レーザ発振器76からラインレーザが放射されている最中に、3次元検出センサ75のカメラ77を制御することにより、複数のレーザ平面に対応する複数の3次元検出用画像を撮像する。複数の3次元検出用画像は、それぞれ、原稿台2に載置される原稿を写し出している。複数の3次元検出用画像のうちのあるレーザ平面に対応する1つの3次元検出用画像は、そのレーザ平面に沿って進行するラインレーザが放射されているときにカメラ77により撮像される画像を示している。装置制御部131は、その撮像された複数の3次元検出用画像を画像処理することより、原稿台2に載置された原稿の読取面の詳細な3次元形状を算出する。
装置制御部131は、読取面の詳細な3次元形状が算出された後に、原稿の読取を実行する(ステップS6)。すなわち、装置制御部131は、右側光学ユニット51のピント調整部64を制御することにより、右側光学ユニット51の画像読取部62のピントを調節する。装置制御部131は、左側光学ユニット52のピント調整部64を制御することにより、左側光学ユニット52の画像読取部62のピントを調節する。装置制御部131は、キャリア駆動部45を制御することにより、キャリア35を所定の速度で読取開始位置から読取終了位置に移動させる。装置制御部131は、キャリア35が移動している最中に、右側光学ユニット51の第1照明部65と第2照明部66と左側光学ユニット52の第1照明部65と第2照明部66とを制御することにより、原稿台2に載置される原稿の読取面を照明する。
装置制御部131は、さらに、キャリア35が移動している最中に、右側光学ユニット51の画像読取部62を制御することにより、複数の読取位置に対応する複数の右側読取ライン領域画像を撮像する。その複数の右側読取ライン領域画像のうちのある読取位置に対応する1つの右側読取ライン領域画像は、キャリア35がその読取位置に配置されたときに右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された画像を示している。1つの右側読取ライン領域画像は、原稿の読取面に充填される複数の右側読取ライン領域のうちのその読取位置に対応する1つの右側読取ライン領域を写し出している。
装置制御部131は、さらに、キャリア35が移動している最中に、左側光学ユニット52の画像読取部62を制御することにより、複数の読取位置に対応する複数の左側読取ライン領域画像を撮像する。その複数の左側読取ライン領域画像のうちのある読取位置に対応する1つの左側読取ライン領域画像は、キャリア35がその読取位置に配置されたときに、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された画像を示している。1つの左側読取ライン領域画像は、原稿の読取面に充填される複数の左側読取ライン領域のうちのその読取位置に対応する1つの左側読取ライン領域を写し出している。
装置制御部131は、複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とが撮像された後に、右側光学ユニット51の第1照明部65と第2照明部66と左側光学ユニット52の第1照明部65と第2照明部66とを消灯する。装置制御部131は、複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とが撮像された後に、さらに、キャリア駆動部45を制御することにより、キャリア35を読取開始位置に移動させる。
装置制御部131は、ステップS6で撮像された複数の右側読取ライン領域画像と複数の左側読取ライン領域画像とを画像処理することにより、原稿台2に載置される原稿の読取面の画像を作成する(ステップS7)。詳細には、装置制御部131は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン領域画像を画像処理することにより右側読取画像を作成する。右側読取画像は、右側光学ユニット51が向けられている載置台に載置された原稿の読取面を写し出している。すなわち、右側読取画像は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置されているときに、右側載置台15に載置されている原稿の読取面を写し出す画像を示している。右側読取画像は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置されているときに、左側載置台16に載置されている原稿の読取面を写し出す画像を示している。
装置制御部131は、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン領域画像を画像処理することにより左側読取画像を作成する。左側読取画像は、左側光学ユニット52が向けられている載置台に載置された原稿の読取面を写し出している。すなわち、左側読取画像は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置されているときに、左側載置台16に載置されている原稿の読取面を写し出している。左側読取画像は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置されているときに、右側載置台15に載置されている原稿の読取面を写し出している。
装置制御部131は、右側読取画像と左側読取画像とを画像処理することにより合成画像を作成する。合成画像は、右側載置台15に載置されている原稿の読取面と、左側載置台16に載置されている原稿の読取面とが繋ぎ合わされた合成読取面を写し出す画像を示している。装置制御部131は、ステップS5で算出された詳細な3次元形状に基づいて、合成画像を画像処理することにより、歪み補正後合成画像を作成する。歪み補正後合成画像は、右側載置台15に載置されている原稿の読取面と、左側載置台16に載置されている原稿の読取面とがたるまないように平坦に張られた状態の読取面を写し出している画像を示している。装置制御部131は、歪み補正後合成画像が作成された後に、通信部134を制御することにより、装置制御部131と別個の外部機器に歪み補正後合成画像を伝送する。
[比較例の画像読取装置]
比較例の画像読取装置は、既述の実施例の画像読取装置1の右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが他の光学ユニット201に置換されている。図34は、比較例の画像読取装置の光学ユニット201を示す側面図である。光学ユニット201は、図34に示されているように、既述の実施例の画像読取装置1の右側光学ユニット51と同様にして、光学ユニット筐体61と画像読取部62とレンズ63と第1照明部65と第2照明部66とを備えている。画像読取部62は、原稿台2に載置される原稿の読取面に垂直に光軸がなるように光学ユニット筐体61に配置され、光学ユニット筐体61に固定されている。
このとき、キャリア35は、原稿の読取面のうちの手前側の端の画像を画像読取部62が撮像するときに、原稿台2のうちの手前側の端の上部に配置される必要がある。このため、読取部3は、原稿台2のうちの手前側の領域の上部にも配置される必要がある。比較例の画像読取装置は、原稿台2のうちの手前側の領域の上部にも読取部3が配置されていることにより、原稿台2と読取部3との間の空間で物を取り扱う作業で読取部3が邪魔になることがある。実施例の画像読取装置1は、原稿台2のうちの手前側の領域の上部に読取部3が配置されないことにより、比較例の画像読取装置に比較して、原稿台2と読取部3との間の空間で物を取り扱う作業をより容易にすることができる。
比較例の画像読取装置は、第1照明部65と第2照明部66とから放射された光のうちの原稿の読取面を正反射した反射光が画像読取部62に入り込むことがある。比較例の画像読取装置は、その反射光が画像読取部62に入り込むことにより、画像読取部62により撮像された画像にてかりが写り込むことがある。実施例の画像読取装置1は、原稿台2に載置される原稿の読取面の法線に対して読取光軸平面67が傾斜していることにより、比較例の画像読取装置に比較して、画像読取部62により撮像された画像にてかりが写り込むことをより低減することができる。
図35は、読取角度74の変化に対するCTF(Contrast Transfer Function)の変化を示すCTF特性を示すグラフである。図35のグラフは、実施例の画像読取装置1において、画像読取部62の絞りのF値がF11である場合も、F6である場合でも、読取角度74が大きくなるにつれ、CTFが小さくなり、解像力が低下することを示している。図35のグラフは、読取角度74が30度より小さいときに、解像力が良好であることを示している。
図36は、黒光沢紙における照明照射角度と画像階調値との関係を示すグラフである。照明照射角度は、第1照明光軸平面68(第2照明光軸平面69)と読取平面の法線とがなす角の角度を示している。図36のグラフは、右側光学ユニット51において、照明照射角度が小さくなるにつれ、画像読取部62により撮像される画像の画像階調値が大きくなることを示し、画像に写し出されるてかりの程度が大きくなることを示している。図36のグラフは、照明照射角度が15度より小さいときに、黒光沢紙にてかりが発生しにくいことを示している。すなわち、図36のグラフは、実施例の画像読取装置1に読み取られた原稿の画像にてかりが発生しにくいことを示している。
図37は、黒上質紙における照明照射角度と画像階調値との関係を示すグラフである。図37のグラフは、右側光学ユニット51において、照明照射角度が小さくなるにつれ、画像読取部62により撮像される画像の画像階調値が大きくなることを示し、画像に写し出されるてかりの程度が大きくなることを示している。図37のグラフは、照明照射角度が15度より小さいときに、黒上質紙にてかりが発生しにくいことを示している。すなわち、図37のグラフは、実施例の画像読取装置1に読み取られた原稿の画像にてかりが発生しにくいことを示している。
[実施例の画像読取装置1の効果]
実施例の画像読取装置1は、右側載置台15と左側載置台16とキャリア35と右側光学ユニット51の画像読取部62と左側光学ユニット52の画像読取部62とを備えている。右側載置台15は、フラット原稿右側保持位置またはV字原稿右側保持位置に配置されるように、回転可能に原稿台本体部14に支持されている。左側載置台16は、フラット原稿左側保持位置またはV字原稿左側保持位置に配置されるように、回転可能に原稿台本体部14に支持されている。キャリア35は、複数の読取位置の各々の読取位置に配置されるように、併進可能に原稿台本体部14に支持されている。右側光学ユニット51の画像読取部62は、フラット原稿右側読取位置またはV字原稿左側読取位置に配置されるように、回転可能にキャリア35のキャリア筐体37に支持されている。左側光学ユニット52の画像読取部62は、フラット原稿左側読取位置またはV字原稿右側読取位置に配置されるように、回転可能にキャリア35のキャリア筐体37に支持されている。
右側光学ユニット51の画像読取部62は、右側光学ユニット51がフラット原稿右側読取位置に配置され、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されているときに、右側載置台15の原稿の読取位置に対応する右側読取ライン領域の画像を撮像する。左側光学ユニット52の画像読取部62は、左側光学ユニット52がフラット原稿左側読取位置に配置され、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されているときに、左側載置台16の原稿の読取位置に対応する左側読取ライン領域の画像を撮像する。右側光学ユニット51の画像読取部62は、右側光学ユニット51がV字原稿左側読取位置に配置され、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されているときに、左側載置台16の原稿の読取位置に対応する左側読取ライン領域の画像を撮像する。左側光学ユニット52の画像読取部62は、左側光学ユニット52がV字原稿右側読取位置に配置され、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されているときに、右側載置台15の原稿の読取位置に対応する右側読取ライン領域の画像を撮像する。
このような画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とが同期して移動することができる。このとき、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像される複数の右側読取ライン領域は、左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像される複数の左側読取ライン領域に対して適切な位置に配置される。このため、画像読取装置1は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン画像と左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン画像とを適切に合成することができる。
また、実施例の画像読取装置1は、画像処理部146をさらに備えている。画像処理部146は、右側光学ユニット51の画像読取部62により撮像された複数の右側読取ライン画像と左側光学ユニット52の画像読取部62により撮像された複数の左側読取ライン画像とを合成することにより合成画像を作成する。このような画像読取装置1は、複数の右側読取ライン画像と複数の左側読取ライン画像とに基づいて合成画像を作成する情報処理装置を画像読取装置1と別個に準備することなく、合成画像を作成することができる。
また、実施例の画像読取装置1の右側光学ユニット51は、右側光学ユニット回転軸54を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。左側光学ユニット52は、左側光学ユニット回転軸55を中心に回転可能にキャリア筐体37に支持されている。右側載置台15は、右側載置台回転軸18を中心に回転可能に原稿台本体部14に支持されている。左側載置台16は、左側載置台回転軸20を中心に回転可能に原稿台本体部14に支持されている。右側光学ユニット回転軸54は、左側載置台回転軸20に平行である。左側光学ユニット回転軸55は、右側載置台回転軸18に平行である。
このような画像読取装置1は、右側光学ユニット51の画像読取部62を、フラット原稿右側保持位置の右側載置台15とV字原稿左側保持位置の左側載置台16との両方に適切に向けることができる。画像読取装置1は、さらに、左側光学ユニット52の画像読取部62を、フラット原稿左側保持位置の左側載置台16とV字原稿右側保持位置の右側載置台15との両方に適切に向けることができる。このため、画像読取装置1は、右側載置台15の原稿と左側載置台16の原稿との両方を適切に撮像することができる。
また、実施例の画像読取装置1の右側載置台回転軸18は、左側載置台回転軸20に平行である。キャリア35は、右側載置台回転軸18に平行である方向に併進可能に原稿台本体部14に支持されている。このような画像読取装置1は、キャリア35が併進するときに、画像読取部62と原稿の表示面との間の距離の変化を低減することができ、原稿の画像を適切に撮像することができる。
また、実施例の画像読取装置1は、右側光学ユニット回転軸調整部121と左側光学ユニット回転軸調整部123とを備えている。右側光学ユニット回転軸調整部121は、右側光学ユニット回転軸54の方向を調整する。左側光学ユニット回転軸調整部123は、左側光学ユニット回転軸55の方向を調整する。このような画像読取装置1は、部品の寸法に製造誤差が発生する場合でも、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とをキャリア35を適切に支持させることができる。
ところで、実施例の画像読取装置1は、右側光学ユニット回転軸調整部121を備えているが、不具合が発生する程度に右側光学ユニット回転軸54の向きが変化しないときに、右側光学ユニット回転軸調整部121を省略してもよい。実施例の画像読取装置1は、左側光学ユニット回転軸調整部123を備えているが、不具合が発生する程度に左側光学ユニット回転軸55の向きが変化しないときに、左側光学ユニット回転軸調整部123を省略してもよい。このような場合も、画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とによりそれぞれ撮像された複数の画像を適切に合成することができる。
また、実施例の画像読取装置1は、3次元検出センサ75と光学ユニット駆動部53と装置制御部131とを備えている。3次元検出センサ75は、右側載置台15が配置される位置と、左側載置台16が配置される位置とを検出する。光学ユニット駆動部53は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを回転させる。装置制御部131は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されるときに、右側光学ユニット51をフラット原稿右側読取位置に配置し、左側光学ユニット52をフラット原稿左側読取位置に配置する。装置制御部131は、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置され、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、右側光学ユニット51をV字原稿左側読取位置に配置し、左側光学ユニット52をV字原稿右側読取位置に配置する。
このような画像読取装置1は、右側載置台15と左側載置台16との位置に基づいて右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを自動的に回転させることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを適切な位置に容易に配置させることができる。
また、実施例の画像読取装置1の光学ユニット駆動部53は、右側光学ユニット51の画像読取部62と左側光学ユニット52の画像読取部62との間に配置されている。このような画像読取装置1は、キャリア35のキャリア筐体37の内部を有効に活用することができ、キャリア35を小型化することができる。
また、実施例の画像読取装置1の3次元検出センサ75は、レーザ発振器76とカメラ77とを備えている。レーザ発振器76は、右側載置台15と左側載置台16とに載置される読取対象原稿のうちの互い異なる複数のレーザ位置に向けてラインレーザを複数のタイミングにそれぞれ照射する。カメラ77は、読取対象原稿が写る複数の画像を複数のタイミングにそれぞれ撮像する。装置制御部131は、複数の画像に基づいて算出された3次元形状に基づいて第1画像と第2画像とを合成し、さらに、複数の画像のうちの1つの画像に基づいて第1位置と第2位置とを算出する。
このような画像読取装置1は、読取面の3次元形状に基づいて画像を画像処理することにより、読取面を平坦に張ったときの読取面の画像を作成することができる。画像読取装置1は、画像を補正する3次元形状を検出する3次元検出センサ75が右側載置台15と左側載置台16との位置を検出することにより、右側載置台15と左側載置台16との位置を検出するセンサを3次元検出センサ75と別個の備える必要がない。このため、画像読取装置1は、容易に作製されることができる。
ところで、3次元検出センサ75は、レーザ発振器76とカメラ77とを用いて原稿の3次元形状を検出するが、他の方法で原稿の3次元形状を検出するセンサに置換されてもよい。その方法としては、TOF(Time of Flight)を用いたものが例示される。さらに、実施例の画像読取装置1は、画像処理に利用される3次元形状を検出する3次元検出センサ75を用いて右側載置台15と左側載置台16との位置を検出しているが、3次元検出センサ75と別個の他のセンサを用いてもよい。さらに、さらに、実施例の画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを自動的に移動させているが、ユーザが手動で右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とを移動させてもよい。このような場合も、画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とによりそれぞれ撮像された複数の画像を適切に合成することができる。
また、実施例の画像読取装置1は、フラットプレッサ84とV字プレッサ95とプレッサキャリア83と、フラットプレッサ取付部85とV字プレッサ取付部96とを備えている。プレッサキャリア83は、密着位置または退避位置に配置されるように、移動可能に原稿台本体部14に支持されている。フラットプレッサ取付部85とV字プレッサ取付部96とは、フラットプレッサ84またはV字プレッサ95をプレッサキャリア83に取り付ける。フラットプレッサ84は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置され、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されるときに、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、原稿台2に載置される原稿に接触する。フラットプレッサ84は、プレッサキャリア83が退避位置に配置されることにより、原稿台2に載置される原稿から離れる。V字プレッサ95は、右側プレッサ97と左側プレッサ98とを備えている。右側プレッサ97は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられている場合で、右側載置台15がV字原稿右側保持位置に配置されるときに、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、右側載置台15に載置される原稿に接触する。右側プレッサ97は、プレッサキャリア83が退避位置に配置されることにより、右側載置台15に載置される原稿から離れる。左側プレッサ98は、V字プレッサ95がプレッサキャリア83に取り付けられている場合で、左側載置台16がV字原稿左側保持位置に配置されるときに、プレッサキャリア83が密着位置に配置されることにより、左側載置台16に載置される原稿に接触する。左側プレッサ98は、プレッサキャリア83が退避位置に配置されることにより、左側載置台16に載置される原稿から離れる。画像読取部62は、フラットプレッサ84またはV字プレッサ95の一方がプレッサキャリア83に取り付けられているときに、その一方を透過した光を用いて、原稿台2に載置される原稿の画像を撮像する。このような画像読取装置1は、フラットプレッサ84とV字プレッサ95とを交換することにより、平坦に開いた原稿を押さえたり屈曲した状態に開いた原稿を押さえたりすることができる。
ところで、実施例の画像読取装置1は、フラットプレッサ84とV字プレッサ95とを備えているが、フラットプレッサ84とV字プレッサ95とを省略してもよい。このような場合も、実施例の画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、複数の右側読取ライン画像と複数の右側読取ライン画像とを適切に合成することができる。
また、実施例の画像読取装置1は、キャリア筐体37を案内する右側キャリア軸32と左側キャリア軸34と、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とが配置される位置を調整する右側キャリア軸調整部と左側キャリア軸調整部41とをさらに備えている。このような画像読取装置1は、部品に製造誤差がある場合でも、右側キャリア軸32と左側キャリア軸34とが適切に配置されることができ、キャリア35を適切に移動させることができる。
ところで、実施例の画像読取装置1は、右側キャリア軸調整部を備えているが、右側キャリア軸32の向きの不具合が発生しないときに、右側キャリア軸調整部が省略されてもよい。さらに、実施例の画像読取装置1は、左側キャリア軸調整部41を備えているが、左側キャリア軸34の向きの不具合が発生しないときに、左側キャリア軸調整部41が省略されてもよい。このような場合も、画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とによりそれぞれ撮像された複数の画像を適切に合成することができる。
また、実施例の画像読取装置1の右側光学ユニット51の画像読取部62は、読取光軸平面67に沿って進行する光を用いて画像を撮像する。左側光学ユニット52の画像読取部62は、読取光軸平面67に沿って進行する光を用いて画像を撮像する。右側光学ユニット51の画像読取部62の読取光軸平面67は、右側載置台15がフラット原稿右側保持位置に配置されるときに、右側載置台15に載置される原稿の読取面が沿う読取平面の法線に対して傾斜している。左側光学ユニット52の画像読取部62の読取光軸平面67は、左側載置台16がフラット原稿左側保持位置に配置されるときに、左側載置台16に載置される原稿の読取面が沿う読取平面の法線に対して傾斜している。
このような画像読取装置1は、読取光軸平面67が読取平面と垂直でないことにより、画像読取部62を用いて複数の右側読取ライン領域をそれぞれ撮像するときに、右側載置面17の上部に右側光学ユニット51が配置される必要がない領域がある。画像読取装置1は、読取光軸平面67が読取平面と垂直でないことにより、画像読取部62を用いて複数の左側読取ライン領域をそれぞれ撮像するときに、左側載置面19の上部に右側光学ユニット51が配置される必要がない領域がある。このため、画像読取装置1は、キャリア35が移動する領域を覆う読取部3が右側載置台15と左側載置台16との上部の全体を覆う必要がなく、読取部3が右側載置台15と左側載置台16との上部の一部に配置されないように、読取部3を形成することができる。画像読取装置1は、右側載置台15と左側載置台16との上部の一部に読取部3が配置されないように読取部3が形成されていることにより、右側載置台15と左側載置台16との上部で物を取り扱う空間を広く確保することができる。
ところで、実施例の画像読取装置1の読取光軸平面67は、右側載置面17の法線と左側載置面19の法線とに対して傾斜しているが、原稿の画像を適切に撮像することができるときに、傾斜していなくてもよい。このような場合も、画像読取装置1は、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とがキャリア筐体37に支持されていることにより、右側光学ユニット51と左側光学ユニット52とによりそれぞれ撮像された複数の画像を適切に合成することができる。
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。