実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係わる空気調和機のリモコン装置100(以降、リモコン装置100と称す)の実施状況を示す概略図、図2はリモコン装置100の正面(操作面30)側からの外観斜視図である。図1に示す空気調和機の室内機50(以降、室内機50)は、図示されない屋外の室外機と冷媒配管で接続され、冷凍サイクルが構成されている。
室内機50は空調対象空間となる部屋の壁面上部に設置されている。リモコン装置100はこの室内機50と通信可能であり、使用者はリモコン装置100を操作して当該空気調和機の動作設定を行う。使用者の操作に基づく操作指示信号がリモコン装置100の送信部1から室内機50に送信され、当該空気調和機は室内機50が受信したその信号に基づいて動作する。このリモコン100は、室内機50から送信される情報信号を受信する受信部2を備えており、室内機50との双方向通信が可能となっている。
図1に示すように室内機50は、長方体状の外観を呈しており、上部にその長方体の長辺方向となる左右方向に並んでそれぞれが独立制御されて水平方向に回転する2基のプロペラファン51a、51bを備えている。室内機50の左側にプロペラファン51aが、右側にプロペラファン51bが配置されている。これらプロペラファン51a、51bの回転により室内空気が、上面の吸込口52から吸い込まれ、下部に形成された左右方向に長い吹出口53から吹き出される。
室内機50の内部には、プロペラファン51a、51bの回転により生成される気流においてプロペラファン51a、51bの下流側でかつ吹出口53の上流側に、図示されない熱交換器が設置されている。プロペラファン51a、51bが生成する気流がこの熱交換器を通過する際に、室内空気が熱交換器を流れる冷媒と熱交換し、冷房運転であれば冷やされ、暖房運転であれば暖められる。そして、熱交換後の気流が吹出口53から室内へと吹き出される。
ここで、2基のプロペラファン51a、51bは同一の仕様である。各々が駆動モータを有しており、それらが独立制御されているので、互いの回転数を異ならせることができる。そして、互いの回転数を異ならせれば、左右方向に分かれた2つの異なる風量の気流を生成することができる。この風量の差異によって熱交換器での熱交換量に差異を生じさせることができるので、吹出口53からは左右方向に分かれて2つの異なる温度の気流を吹き出すことが可能となっている。図1に示すように吹出口53の左側からは主としてプロペラファン51aに基づく第1吹出気流Faが、右側からはプロペラファン51bに基づく第2吹出気流Fbが吹き出される。
また、吹出口53には、左右方向に2分割され各々が左右方向に長い平板状の上下風向板54a、54bが設けられており、上下方向に回動して吹出口53から吹き出される気流の方向を上下方向に調整する。使用者から見て左側が左側上下風向板54a、右側が右側上下風向板54bである。それぞれが駆動モータを有し独立制御されており、各々回動することで吹出口53から吹き出される気流の風向を互いに異なる上下方向へ調整することも可能である。上下風向板はここでは左右方向に各々1枚ずつの図示となっているが、前後方向に複数並べ、それぞれを独立制御する構成とすることで、より高精度な風向調整が可能となる。
また、図示はされていないが、室内機50の内部には、熱交換器より下流側で上下風向板54a、54bより上流側となる位置に、左右方向に回動して吹出口53から吹き出される気流の方向を左右方向に調整する左右風向板が設けられている。左右風向板は、複数のベーンが互いにリンクして左右方向に並列し、1つの駆動モ―タにより各々のベーンが同じ角度に回動可能となる左右風向板ユニットが左右方向に2つ並んで構成されている。左側上下風向板54aと右側上下風向板54bのそれぞれの奥側に別々な左右風向板ユニットが位置している。2つの左右風向板ユニットはそれぞれが有する駆動モータにより互いに独立制御され、吹出口53から吹き出される気流の風向を互いに異なる左右方向へ調整することができる。
上記したように構成されている室内機50では、吹出口53から左右方向に分かれて2つの異なる温度の気流をそれぞれが異なる方向へと吹き出すことが可能である。室内機50はさらに人感センサ55を備えており、空調対象空間である部屋の在室者の位置を把握できる。当該空気調和機は基本的動作として、室内機50の人感センサ55が検知する在室者の位置に基づき、室内機50が2つの吹出気流Fa、Fbの風向や風量を制御して、在室者の体感温度が設定温度となるように空調運転を行う。
続いて、リモコン装置100について説明する。図2に示すように、リモコン装置100は長方体状の外観を呈し、使用者がその長辺方向を左右方向として、すなわち横向きにして手にして操作するワイヤレスタイプである。図2から明らかなように、このリモコン装置100は二つの表示部が設けられている点で従来の空気調和機のリモコンと異なる。略長方体状の外殻筺体の一面に操作面30が形成されていて、使用者は操作面30が自身と対面するようにリモコン装置100を手に取って操作する。操作面30には、第1表示装置11、第2表示装置12、および使用者の操作手段としての複数の操作ボタンを有する操作部3が設けられている。ここでは使用者から見て左から、第1表示装置11、操作部3、第2表示装置12の順に並んでいる。なお、リモコン装置100の外殻筺体の形状は長方体状に限るものではない。
第1表示装置11、第2表示装置12はともに液晶画面を有する液晶表示装置である。そして、第1表示部4が第1表示装置11の液晶画面に、第2表示部5が第2表示装置12の液晶画面上に設けられている。このようにこのリモコン装置100の操作面30上には、2つの表示装置11、12によって2つの表示部4、5が設けられている。これら表示部4、5が表示する内容については後述する。
2つの表示装置11、12の間にあり、当該リモコン装置100の左右方向中央に位置する操作部3は複数の操作ボタンを備えており、使用者がこれらの操作ボタンを適宜操作することで、操作に対応する指令を示す信号が送信部1から室内機50へと送信され、当該空気調和機の運転が操作される。送信部1は操作面30と直角をなす上面に設けられており、同じ面には送信部1と距離を隔てて受信部2も設けられている。受信部2は室内機50からの情報信号を受信する。
操作部3が有する複数の操作ボタンにおいて、運転入切ボタン31は運転開始と停止を操作するボタンである。当該空気調和機が停止状態のときに使用者が運転入切ボタン31を押下すれば運転が開始され、運転中にもう一度押下されれば運転が停止する。運転モード切換ボタン32は、冷房、暖房、送風等の運転モードを切り換えるための操作ボタンであり、使用者の押下により運転モードが順に切り換えられる。現在の運転モードは、図2においては、2つの表示部4、5にともに「冷房」と表示されているが、少なくともどちらか一方に表示されていればよい。
上下風向ボタン33は吹出口53から吹き出される気流(以降、吹出気流)の上下方向を変更するための操作ボタンで、使用者が押下することで正面方向から下方向へ段階的に吹出気流の上下方向が変更できるとともに、上下の往復を繰り返すスイング、および空気調和機の制御に任せる自動モードの選択もできる。左右風向ボタン34は吹出気流の左右方向を変更するための操作ボタンで、使用者の押下により、正面方向を中心に所定の範囲内で段階的に吹出気流の左右方向が変更でき、左右の往復を繰り返すスイングモードおよび自動モードの選択も可能である。どちらの風向ボタンも、使用者が押下するごとに順に切り替わり、一巡すると元のモードに戻って再び同じ順で切り替わっていく。
風量ボタン35は風量を変更するための操作ボタンであり、押下されることで吹出気流の風量が変更される。風量の変更は、プロペラファン51a、51bの回転数を変更することによって達成される。風量設定には自動モードの他に、静・弱・中・強の4段階のモードがあり、順に風量が増加する。すなわちプロペラファン51a、51bの回転数が増加する。使用者が風量ボタン35を押下するごとに順に切り替わり、一巡すると元のモードに戻って再び同じ順で切り替わっていく。
温度設定ボタン36は設定温度を変更するボタンである。温度設定ボタン36は上下キーで構成されていて、上昇ボタン36aが押下されると設定温度が所定温度(ここでは1℃)上昇し、下降ボタン36bが押下されると設定温度は同じ所定温度だけ下降する。なお、所定温度は1℃に限るものではない。どちらも押し続けることで、連続的な上昇または下降が可能である。当該空気調和機は、通常は在室者の体感温度が設定温度となるように運転制御する。タイマーボタン37は、設定時刻もしくは設定時間経過後に自動的に当該空気調和機の運転を開始させる入タイマー、および停止させる切タイマーの設定ができる。
そして、操作部3には設定切換ボタン38が設けられている。この設定切換ボタン38は、2つの吹出気流Fa、Fbのどちらを動作設定の対象とするのかを選択するボタンであるが、詳細については後述する。
このリモコン装置100は、吹出口53の左右方向に分かれた2つの吹出気流Fa、Fbに対する設定が使用者にとって容易で操作性に優れているものであり、以下にこのリモコン装置100の操作について説明する。2つの表示装置11、12は自身の液晶画面を照らすバックライトを有している。当該空気調和機の運転停止中におけるリモコン装置100は、2つの表示装置11、12のバックライトがともに消灯し、2つの表示部4、5のいずれもが非表示となっている。バックライトはともに消灯しているが、少なくとも一方には、例えば「停止中」のような表示をしてもよい。
使用者が運転入切ボタン31を押下すると、当該空気調和機が運転を開始するが、リモコン装置100においては、2つの表示装置11、12のバックライトがともに点灯するとともに、第1表示部4と第2表示部5がともに表示される。その後、所定時間(ここでは30秒)何も操作されないと、第1表示部4と第2表示部5の表示はそのままだが、表示装置11、12のバックライトは消灯する。
図3は、当該空気調和機の運転開始直後の第1表示部4と第2表示部5の表示内容を示す図であり、2つの表示装置11、12のバックライトはともに点灯している。図3は、使用者がリモコン装置100の操作面30を自身と向かい合わせ、その長辺方向を左右に、送信部1が上面となるように手にしたときに使用者が見ている操作面30を表している。以降、そのようにして使用者が見ている操作面30を表す図を正面図と称する。
ここで、図3において左側、すなわち使用者から見て左に位置する第1表示装置11上の第1表示部4は、左右方向に分かれた2つの吹出気流Fa,Fbのうち主として吹出口53の左側から吹き出される気流Faに係わる設定についての表示をしており、右に位置する第2表示装置11上の第2表示部5は、主として右側の吹出気流Fbに係わる設定についての表示をしている。そのため、使用者は画面の切り換え操作をすることなく、2つの吹出気流Fa、Fbの設定状態をどちらも見ることができる。
なおこれより、左右方向に分かれた2つの吹出気流のうち主として吹出口53の左側から吹き出される気流が第1吹出気流Fa、吹出口53の右側から吹き出される気流が第2吹出気流Fbである。すなわち、第1表示部4は第1吹出気流Faの動作設定に係わる表示を、第2表示部5は第2吹出気流Fbの動作設定に係わる表示を行っている。そして、室内機50は、第1吹出気流Faと第2吹出気流Fbの温度を異ならせるとともに、2つの吹出気流Fa、Fbを互いに異なる方向へと吹き出すことができるので、空調対象となる室内の2温度帯空調を行うことができる。
図3においては、第1表示部4と第2表示部5の表示内容は同じになっている。運転開始直後の表示内容は、前回の運転における停止直前の表示内容となる。2つの表示部4、5はともに、中央に設定温度が表示され、設定温度表示の下に運転モード(ここでは冷房)が表示されている。設定温度表示の上には、画面左から順に上下風向、左右風向、風量の設定情報が表示されている。ここでは、いずれも自動となっており、室内機50は風向、風量を自動制御することになる。いずれも初期設定は自動である。ここでは、これらの各表示を機能表示と呼ぶことにする。機能表示として、設定温度表示や運転モード表示、風量表示等がある。なお、運転モード表示は、表示部4、5のどちらか一方のみであっても良い。
室内機50は、上述したように2つの異なる温度の気流を異なる方向へと吹き出すことができるので、空調対象空間である部屋の2温度帯空調が可能である。そして、使用者はこのリモコン装置100により、2つの異なる設定温度を設定することができる。以下にその操作について説明する。
まずは、右側に位置する第2表示部5の設定温度を現状よりも2℃低い26℃に変更する場合である。使用者は操作部3の設定切換ボタン38を押下する。そうすると、表示内容はそのままで、第1表示装置11のバックライトが点灯、第2表示装置12のバックライトが消灯の状態になる。この状態は第1表示部4の設定に対する操作が可能な状態を示している。設定切換ボタン38をもう一度押下すれば、今度は、第1表示装置11のバックライトが消灯、第2表示装置12のバックライトが点灯の状態となり、第2表示部5の設定に対する操作を受け付ける状態となる。さらにもう一度設定切換ボタン38が押下されると、第1表示装置11と第2表示装置12のバックライトが両方とも点灯し、第1表示部4と第2表示部5の両方の設定が可能となる。どの状態であってもその後所定時間操作がなければ、点灯しているバックライトが消灯して、設定操作はできなくなる。
第2表示部5の設定温度を現状の28℃から26℃に変更しようとしているので、使用者は設定切換ボタン38を2回押下して、第2表示装置12上の第2表示部5での設定操作が可能な状態とする。このとき、第2表示装置12のバックライトが点灯し、第1表示装置11のバックライトは消灯しているので、使用者は第2表示部5に係わる設定が可能であることを明確に認識することができ、わかり易い。
この状態にて、使用者が温度設定ボタン36の下降ボタン36bを2回押下すれば、図4に示すように、第2表示部5の設定温度が、26℃に変更される。図4は、第2表示部5の設定温度を変更した直後の状態を示すリモコン装置100の正面図である。この後、所定時間操作されなければ、第2表示装置12のバックライトも消灯する。
もし使用者が設定切換ボタン38を2回押下して、第2表示部5の設定操作が可能な状態とした後で所定時間(ここでは30秒間)何も操作しなければ、第2表示装置12のバックライトは消灯し、消灯した後では下降ボタン36bを押しても、設定温度は変更されない。以降、設定操作が可能な状態のことをアクティブな状態と表現することもある。第2表示部5がアクティブな状態であるとは、第2表示部5の設定操作が可能な状態であることを意味する。
第2表示部5は、基本的には右側の第2吹出気流Fbの動作設定に係わる表示をしているので、第2表示部5の設定温度を26℃に変更すると、当該空気調和機は、室内機50の吹出気流のうち、主として右側の第2吹出気流Fbを活用して在室者の中で相対的に右側に位置している人(室内機50から見た場合には左側に位置する人)の体感温度が26℃となるように運転を制御する。そして、第1表示部4の設定温度は28℃のままであるので、主として左側の第1吹出気流Faにより在室者の中で相対的に左側に位置している人(室内機50から見た場合には右側に位置する人)の体感温度が28℃となるように運転を制御する。室内機50は、2つの温度の異なる吹出気流を使って空調対象空間である部屋を2つの温度帯で空調する。
室内機50は先に述べたとおり、2つのプロペラファン51a、51bの回転数を異ならせて両者の風量差によって2つの温度の異なる吹出気流Fa、Fbを生成しているので、2つの吹出気流Fa、Fbの温度差には制限が生じる。そのため、2つの表示部4、5における設定温度の差にも自ずと制限が必要となる。そこで、このリモコン装置100は、第1表示部4に表示される設定温度と第2表示部5に表示される設定温度との差が、予め定められた最大許容温度差よりも大きくならないように構成されている。
ここでは最大許容温度差は3℃(3deg)となっている。第1表示部4の設定温度が28℃であるので、第2表示部5の設定温度を25℃よりも低い温度に設定することはできない。使用者が上記の手順で第2表示部5の設定温度を28℃から低くしようとして、温度設定ボタン36の下降ボタン36bを3回押下すれば設定温度は25℃となるが、4回以上押下しても25℃のままとなる。先に述べたとおり、下降ボタン36bは長押しで連続的に設定温度を下降できるが、この場合ではいくら長く押していても、第2表示部5の設定温度は25℃よりも低くはならず、25℃が表示されたままとなる。上昇ボタン36aの操作に対しても同様である。このように、リモコン装置100は最大許容温度を超えるような設定温度の変更操作を受け付けない。
また、設定温度はそれぞれ上限値と下限値を有している。上限値を超える設定温度を設定することはできず、下限値より低い設定温度の設定はできない。上限値と下限値は、第1表示部4の設定温度と第2表示部5の設定温度とで同じである。2つの設定温度の差が最大許容温度差を超えていなくても、第1表示部4、第2表示部5ともに上限値よりも高い、もしくは下限値よりも低い設定温度が表示されることはない。
以上のように、リモコン装置100に、第1表示部4と第2表示部5という2つの表示部を設け、第1表示部4に第1吹出気流Faに係わる設定温度を、第2表示部5に第2吹出気流Fbに係わる設定温度を表示するとともに、それらの設定温度を別個に設定変更可能であるので、使用者は2つの温度の異なる吹出気流Fa、Fbに基づく室内の2温度帯空調の設定を容易に行うことができる。
また、第1表示部4と第2表示部5とを左右に並べて、使用者から見て左側となる第1表示部4に表示される設定温度が主として室内機50の吹出口53の左側から吹き出される第1吹出気流Faに対応し、右側となる第2表示部5に表示される設定温度が主として吹出口53の右側から吹き出される第2吹出気流Fbに対応しているので、2温度帯空調を設定しようとしたときに、どちらの表示部の設定温度を変更すればよいかが直感的にわかり使い勝手が良い。
そして、中央に操作部3を配置してそれを挟んで左右に2つの表示装置11、12を配置して、第1表示部4と第2表示部5とが距離を隔てて左右方向に並んでいるので、操作対象としたい表示部を明確にかつ直感的に認識できる。
次に両方の表示部4、5に共通して設定温度を変更する場合について説明する。この場合では2つのパターンがある。図3のように2つの設定温度が同じ状態から変更するときと、図4のように2つの設定温度が異なる状態から変更するときである。まず、前者であるが、使用者は、設定切換ボタン38を3回押下して、第1表示装置11と第2表示装置12の両方のバックライトが点灯している状態とする。これは、第1表示部4と第2表示部5の両方の設定が可能な状態である。この状態で、例えば温度設定ボタン36の下降ボタン36bを1回押下すれば、両方の設定温度がともに27℃に変更される。この後、所定時間操作がなければ、両方のバックライトはともに消灯する。
後者については、同様に第1表示装置11と第2表示装置12の両方のバックライトが点灯している状態として、そこで使用者が例えば下降ボタン36bを押下すると、両方の設定温度がまず低い方の設定温度に揃えられる。図4では設定温度が28℃と26℃であるから、下降ボタン36bを1回押下すると、まずは両方の設定温度が26℃に揃えられる。そして、ここからさらに下降ボタン36bを押していけば両方の設定温度が25℃、24℃と順次変化していく。揃った後に上昇ボタン36aを押せば、設定温度は両方とも上昇する。下降ボタン36bを長押しすれば、最初に両方が26℃の表示となって、それから同じ表示で連続的に下降していく。最初に上昇ボタン36aを押した場合には、高い方である28℃に揃えられる
もし、図4の設定温度からそれぞれ2℃だけ下げて、第1表示部4の設定温度を26℃に、第2表示部の設定温度を24℃と、引き続き2℃異なる設定温度としたい場合には、設定切換ボタン38を3回押下して、第1表示装置11と第2表示装置12の両方のバックライトが点灯している状態で下降ボタン36bを1回押下して両方ともまず26℃の表示としてから、設定切換ボタン38にて第2表示部5のみアクティブな状態に切り換えて、下降ボタン36bで第2表示部5の設定温度を2℃下降させて24℃とすればよい。
または、設定切換ボタン38で第1表示部4のみアクティブな状態として下降ボタン36bにより第1表示部4の設定温度を26℃に下降させ、今度は設定切換ボタン38で第2表示部5のみアクティブな状態に切り換えて第2表示部5の設定温度を2℃下降させて24℃にする、というようにそれぞれ別個に設定してもよい。この場合、第1表示部4と第2表示部5の順番はどちらが先であってもよい。
このように、設定切換ボタン38を設けているので、第1表示部4、第2表示部5のどちらを操作の対象とするのか、または両方とも対象とするかの選択が容易であるとともに、設定変更が可能な表示部では表示装置のバックライトが点灯するので、その表示部が設定変更可能であることを使用者は明確に認識できる。このため使用者は直感的に、そして誤操作を心配せずに操作することができる。
なお、運転モードを2つの表示部4、5で異なる設定とすることはできない。運転モード切換ボタン32は両表示部4、5に共通した操作ボタンとなる。使用者が運転モード切換ボタン32を押下して例えば冷房運転から暖房運転に変更すれば、両表示装置11、12のバックライトが点灯し、第1表示部4、第2表示部5ともに運転モード表示が暖房に変更される。仮に設定切換ボタン38を1回押下して第1表示部4をアクティブな状態にしておいて、運転モード切換ボタン32を押下して例えば冷房を暖房に変更しても、第1表示部4、第2表示部5ともに運転モードの表示は暖房となり、送信部1からの指示信号を受信した室内機50は、当該空気調和機の運転を暖房運転に切り換える。
なお、運転モードの表示は、両表示部4、5のどちらか一方だけであってもよいが、その場合でも、使用者が運転モード切換ボタン32を押下して運転モードを変更すれば、両表示装置11、12のバックライトが点灯し、一方の表示部にのみ表示されている運転モードの表示が変更される。これは、運転モードは共通な設定であることを伝えるためである。
運転入切ボタン31も表示部4、5の選択に関係なく、さらには表示装置11、12のバックライトの点灯消灯の状態に関係なく機能する操作ボタンであり、運転中に押下されれば、仮に設定切換ボタン38が操作されどちらかの表示部のみがアクティブな状態であったとしても、当該空気調和機は運転を停止する。タイマーボタン37も同様に、表示部の選択に関係なく設定されるものである。このように、運転入切ボタン31、運転モード切換ボタン32、タイマーボタン37は両表示部4、5の別個な設定に関与しない共通操作を行う操作ボタンである。
続いて、設定温度以外の機能の設定について説明する。先に述べたとおりこの室内機50は、左右に分かれた2つの吹出気流のそれぞれに対して風量と風向の調整が可能である。そのため、リモコン装置100は、それぞれの吹出気流に対する風量、上下方向および左右方向の風向の設定を別個に行えるようになっている。
風量を変更する場合では、設定切換ボタン38を押下して、変更したい方の表示部を設定可能な状態にしてから、操作部3の風量ボタン35を押下して目的とする風量モードに切り換える。2つの表示部4、5で異なる風量設定となっている状態にて、設定切換ボタン38の押下により両方の表示部4、5の設定が可能な状態として風量ボタン35を押すと、まず、第2表示部5の風量表示が第1表示部4の表示に合わせられ(第1表示部4の表示と同じになり)、風量ボタン35の押下に対応して両表示部4、5の風量表示が同じように変化する。そして、2つのプロペラファン51a、51bが設定された風量モードに対応した同じ回転数にて回転する。風量は風速に置き換えてもよい。なおこのとき、まず第1表示部4の風量表示が第2表示部5の風量表示に合うようにしてもよい。
風向を変更する場合も同様で、設定切換ボタン38を押下して、変更したい方の表示部をアクティブな状態にしてから、操作部3の上下風向ボタン33もしくは左右風向ボタン34を押下して目的とする風向モードに切り換える。設定切換ボタン38にて両方の表示部4、5をアクティブな状態にして上下風向ボタン33もしくは左右風向ボタン34を押すと、まず、第2表示部5の上下風向もしくは左右風向が第1表示部4の表示と同じになり、上下風向ボタン33もしくは左右風向ボタン34の押下に対応して両表示部4、5の上下風向表示もしくは左右風向表示が同じように変化する。そして、上下風向板54a、54bもしくは左右風向板が設定された風向モードに対応した角度に回動する。なおこのとき、第1表示部4の風向表示を第2表示部5の風向表示と同じにするようにしてもよい。
設定温度に関しても、両方の表示部4、5がアクティブな状態のときに、上昇ボタン36a、下降ボタン36bのどちらを押下しても、まずは第2表示部5の設定温度が第1表示部4の表示と同じとなる、もしくはまずは第1表示部4の設定温度が第2表示部5の設定温度と同じとなるようにしてもよい。
なお、左右風向については、左側の第1吹出気流Faと右側の第2吹出気流Fbとが吹出口53近傍にて衝突することがないように一方の風向に対して他方の風向に制限がかけられる。仮に、第1表示部4では左右風向が右方向に設定されている、すなわち第1吹出気流Faが右方向へと吹き出ている状況にて、第2表示部5のみを設定可能な状態として第2吹出気流Fbの左右風向を変更しようとした場合では、左方向への設定ができないようになっている。左右風向ボタン34の押下で選択できる左右風向板の向きが順次切り換わっていくが、この場合では設定できない左方向は飛ばされて切り換わるようになる。変更しない方の現状の左右風向が優先される。こうして、左右に分かれた2つの吹出気流Fa、Fbが吹出口53通過後すぐに衝突してしまうような左右風向の組み合わせを使用者が設定できないようになっている。
また、一方の左右風向が自動に設定されているときに、他方の左右風向を一方の側に向くように変更した場合では、一方の左右風向が他方の側へと向くことはない。例えば、第2表示部5の左右風向が自動モードであるときに、第1表示部4の左右風向を右方向に設定する、すなわち第1吹出気流Faを右方向に吹き出すように設定すると、自動モードに設定されている右側の第2吹出気流Fbは、第1吹出気流Faと吹出口53近傍で衝突することになる左方向とはならない。自動モードよりも使用者によって手動設定された方の左右風向が優先される。こうして、左右に分かれた2つの吹出気流Fa、Fbの衝突が回避される。風向、風量が自動モードでない設定に変更されたとしても、その設定内容を含めて室内機50は、在室者の体感温度が設定温度に近づくように運転制御する。
両表示部4、5にはそれぞれ設定温度表示の上に、現在の風向、風量の状態が横に並んで表示される。図3ではいずれもが自動となっている。図5は、風向、風量のすべてが自動以外のモードに変更された場合の表示例である。風向、風量を変更する場合では、設定温度表示の上の各機能表示が、対応する操作ボタンが押されるごとに順次切り換わり、使用者が目的となるモードを選択するように構成されている。
例えば上下風向については、設定切換ボタン38にて操作対象とする表示部4、5のどちらかをアクティブな状態にしておいて、上下風向ボタン33を押下すれば、押すごとにその表示部の上下風向を示す機能表示の内容が、現在の設定状態を基点にして、正面方向から下方向への5段階、スイング、自動を繰り返し順番に切り換わる。使用者は目的とするモードが表示されるまで上下風向ボタン33を押下する。目的とするモードが表示されれば操作を止め、上下風向板54a、54bは表示されているモードに回動する。
その後操作せずに所定時間が過ぎればバックライトが消灯する。バックライトが消灯する前に、例えば左右風向ボタン34を押下すれば、その表示部の左右風向の変更ができる。左右風向も、設定温度表示の上にある左右風向の機能表示が、左右風向ボタン34の押下毎に切り換わる。左右風向は左方向から右方向への5段階、スイング、自動の表示を順に繰り返す。スイングは、左側の左右風向板は正面方向と左方向の間を、右側の左右風向板は正面方向と右方向の間の往復動となる。
風向、風量の設定変更操作において、設定温度表示の上の各機能表示の表示内容が順次切り換わることで目的とするモードを選択する場合では、表示装置の液晶画面の大きさによっては各表示が小さくて設定したいモードを選択し難いという問題が生じる。このような場合では、対象となる操作部3の操作ボタンが押下されると、対象とする機能表示の設定画面を拡大して表示すると良い。図6は、上下風向を対象とした一例であり、第1表示部4には上下風向の設定画面が拡大表示され、使用者は設定したい風向モードを選択し易くなる。この画面で所定時間操作がなければ、その表示部の表示内容は元の状態に戻る。ここでの所定時間は、バックライト消灯までの所定時間(30秒)よりも短く(例えば15秒に)設定されている。
以上のように、この実施の形態のリモコン装置100は、室内機50からの2つの吹出気流Fa、Fbに各々対応する2つの表示部4、5が設けられている。そして、表示部4、5の各々で、対応する吹出気流Fa、Fbの設定温度を始めとして、風向、風量の設定が可能である。第1表示部4は第1吹出気流Faに係わる動作設定の表示を行い、第2表示部5は第2吹出気流Fbに係わる動作設定の表示を行う。そのため、2つの吹出気流Fa、Fbのそれぞれに係わる動作設定を容易に、かつわかり易くそれぞれ別個に設定することができる。
また、2つの表示部4、5が間に操作部3を挟んで左右に並んでいるので、2つの表示部4、5と左右方向に分かれた2つの吹出気流Fa、Fbとの対応関係(どちら表示部がどちらの吹出気流に係わる設定に対応しているのか)を使用者は直感的に把握することができる。このようにこのリモコン装置100は、使用者にとっての利便性に優れたものとなっている。
そして、リモコン装置100は、一方の設定温度に対して最大許容温度差を超える温度差となる他方の温度設定をすることができなかったり、左右風向に係わる設定では、一方の設定の作用を妨げるような他方の設定をすることができなかったりする。このため、使用者は、誤った設定をしてしまう心配がなく安心して操作することができる。
なお、リモコン装置100では、運転入切ボタン31、運転モード切換ボタン32、タイマーボタン37は、設定切換ボタン38を事前に操作する必要なく、押下されれば機能する操作ボタンである。一方、温度設定ボタン36、上下風向ボタン33、左右風向ボタン34、風量ボタン35は、設定切換ボタン38を押下して、設定変更する表示部を選択(両方ともを含む)し、その表示部が設定可能な状態になっている(バックライトが点灯している)時に操作しないと機能しない。仮に使用者が設定切換ボタン38を操作せずにダイレクトに温度設定ボタン36、上下風向ボタン33、左右風向ボタン34、風量ボタン35のいずれかを押下した場合には、2つの表示部4、5の少なくとも一方に、設定切換ボタン38の事前操作を促す知らせが一時的に表示される。
以下、この実施の形態1の変形例を挙げていく。リモコン装置100では、操作部3が左右に並ぶ2つの表示装置11、12の間に配置されていて、2つの表示部4、5が離れていたが、この操作部3の配置がリモコン装置100と異なる変形例を説明する。図7に示すリモコン装置101は、横長な操作面30の下部、2つの表示装置11、12の主に下に左右方向に横長に操作部3を配置している。このような操作部3の配置では、両手で持ちながら操作ボタンを押そうとしたときに、その手で表示装置10、11が覆われて表示部4、5が見えにくくなる事態を避けることができる。このリモコン装置101では、第1表示部4にのみ運転モード(ここでは冷房)を表示している。
図8に示すリモコン装置102は、横長な操作面30の左右の一方側に、2つの表示装置11、12と左右方向に並んで操作部3が配置されている。ここでは左側に操作部3が位置し、左右方向に左から操作部3、第1表示装置11(第1表示部4)、第2表示装置12(第2表示部5)の順で並んでいる。操作部3を左側でなく右側に配置してもよい。このリモコン装置102では、第2表示部5のみを運転モード(ここでは冷房)を表示している。
また、図9に示すリモコン装置103は、操作部が操作部3aと操作部3bと2つに分かれて、操作面30の左右の両側にそれぞれ配置されている。ここでは、左右方向に左から操作部3a、第1表示装置11(第1表示部4)、第2表示装置12(第2表示部5)、操作部3bの順に並んでいて、上述した複数の操作ボタンは、操作部3a、3bに振り分けられている。これらは、図7のリモコン装置101同様に、両手で持ちながら操作ボタンを押そうとしたときに、その手で表示装置11、12が覆われて表示部4、5が見えにくくなる事態を避けられる。
次に、図10に示すリモコン装置104は、操作部3の配置は図8のリモコン装置102と同様に左側であるが、操作部3には操作ボタンの一部として十字キー39が設けられている。図8のリモコン装置102には設けられていた上下風向ボタン33、左右風向ボタン34、風量ボタン35、設定温度ボタン36が設けられていない。これらの操作ボタンの機能を十字キー39が担当している。十字キー39は、中央に決定ボタン39eが位置し、その周囲に上から時計回りで順に上ボタン39a、右ボタン39c、下ボタン39b、左ボタン39dが配置されている。
設定切換ボタン38により少なくとも表示部4、5のどちらかを設定変更ができる状態とすると、その表示部4、5における上下風向、左右風向、風量、設定温度の4つの機能表示のいずれかの下にカーソルが表れる。使用者が十字キー39の右ボタン39cもしくは左ボタン39dを押すごとに、カーソルはこれら4つの機能表示の下を順に移動する。図10では、第1表示部4における上下風向の表示の下にカーソルが位置している。使用者は設定を変更したい機能表示の下に右ボタン39cもしくは左ボタン39dでカーソルを移動させ、決定ボタン39eを押す。これによりその機能表示の設定を変更することができるようになる。図10では上下風向表示の下にカーソルがあるが、ここで決定ボタン39eが押されれば上下風向の設定を変更できるようになる。
なお、カーソルは、表示部4、5がアクティブな状態のときにのみ表示される。図10では、第1表示部4のみがアクティブな状態となっている。表示部4、5の両方がアクティブな状態では、両方の表示部4、5それぞれにカーソルが表示され、使用者の右ボタン39cもしくは左ボタン39dの操作で、2つのカーソルが各機能表示の下を同じように移動する。
そして、使用者は、上ボタン39aもしくは下ボタン39bを押して目的とするモードや設定温度を選択し、再び決定ボタン39eを押すことで設定の変更が完了する。引き続き別の設定を変更したいのであれば、右ボタン39cもしくは左ボタン39dでカーソルを移動させ同様な操作を続ければよい。所定時間操作がなければその表示部ではバックライトが消灯するとともにカーソルも消え設定ができなくなる。カーソルで示すのではなく、設定変更をしたい機能表示を濃く表示したり大きく表示したりというように、その機能表示の色や形状を変化させるようにして現在選択可能な機能表示であることを示すようにしてもよい。
リモコン装置104は、使用者の操作手段として十字キー39を設けることにより操作部3の操作ボタンの数を削減でき、意匠性の向上が図れる。また、表示部4、5の機能表示を十字キー39の右ボタン39cもしくは左ボタン39dで選択して上ボタン39aもしくは下ボタン39bで設定変更することができるので、操作がわかり易く使い勝手が良い。なお、十字キー39で選択、変更できる機能として、共通操作である運転モードも加えて、操作部3には運転モード切換ボタン32を設けないようにして、操作ボタンの数をより少なくするように構成すことも可能である。運転モード切換は共通操作であるので、表示部4、5のどちらで変更しても設定変更された運転モードに切り換わる。
続いて、図11のリモコン装置105は、図10のリモコン装置104の十字キー39に替えて使用者の操作手段としてダイヤルスイッチ40を設けている。このダイヤルスイッチ40は、円筒状に突出するダイヤル部40aが左右方向に回動できるとともに、押下することもできる。使用者は、ダイヤル部40aを右方向(時計回り)にもしくは左方向(反時計回り)に回して、設定変更対象の表示部におけるカーソルを設定変更したい機能表示に移動させる。このときのダイヤル部40aは十字キー39の右ボタン39c、左ボタン39dの機能に相当している。そして、ダイヤル部40aを押下することで、その機能表示の設定を変更することができるようになる。このときのダイヤル部40aは十字キー39の決定ボタン39eの機能に相当している。
この状態から再びダイヤル部40aを右方向もしくは左方向に回せば、対象とした機能表示のモードや設定温度が順次切り換わっていくので、目的とするモードや設定温度を選択する。このときのダイヤル部40aは十字キー39の上ボタン39a、下ボタン39bの機能に相当している。そして、ダイヤル部40aを再び押すことで設定の変更が完了する。
なお、リモコン装置105では、運転モード切換もダイヤルスイッチ40で選択、変更できるようにしているので、操作部3に運転モード切換ボタンがない。運転モード切換は共通操作であるので、表示部4、5のどちらで変更しても設定変更された運転モードに切り換わる。
このようにリモコン装置105は、操作手段としてダイヤルスイッチ40を設けることにより、十字キー39を設けたリモコン装置104と同様に、操作部3の操作ボタンの数を削減でき、意匠性の向上が図れるとともに、ダイヤル部40aの操作だけで、変更したい機能表示を選択して設定を変更することができるので、操作がわかり易く使い勝手が良い。
図12に示すリモコン装置106は、使用者が片手で持って操作できるように縦長構造であり、縦長な操作面30には、長辺方向(縦方向)に上から順に第1表示装置11、第2表示装置12、操作部3が並んで配置されている。使用者はリモコン装置106を縦向きにして使用する。室内機50は、横長な吹出口53から2つの温度の異なる気流を左右に分けて吹き出せるが、2つの表示部4、5が縦に並ぶこのリモコン装置105では、2つ表示部4、5と2つの吹出気流Fa、Fbとの対応関係(例えば左側の吹出気流に係わる設定が表示部4と表示部5のどちらが対応しているのか)が、使用者にはわかりにくい。
このリモコン装置106は、例えば、熱交換器を上下に熱的に2分割し、それぞれの冷媒圧力を異ならせるようにして、吹出口から前後方向に分かれた2つの異なる温度の気流を吹き出すことができる室内機に適している。使用者から見て手前側の吹出気流(第2吹出気流)に係わる動作設定を使用者の手元側となる下側の第2表示装置12の画面上に設けられる第2表示部5が、奥側の吹出気流(第1吹出気流)に係わる動作設定を上側の第1表示装置11の画面上に構成される第1表示部4が担うようにすれば、使用者は2つの表示部4、5と前後方向に分かれた2つの吹出気流との対応関係を直感的に把握できる。このリモコン装置106も、使用者が片手で持って操作部3を操作したときに、その手で表示装置11、12が覆われて表示部4、5が見えにくくなることを回避できる。
なお、リモコン装置101〜103のそれぞれ異なる配置の操作部3に、操作手段としてリモコン装置104の十字キー39もしくはリモコン装置105のダイヤルスイッチ40を設けて、操作部3の操作ボタンの数を減らすように構成してもよい。
実施の形態2.
続いて、この発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。図13は、この発明の実施の形態2に係わる空気調和機のリモコン装置200(以降、リモコン装置200と称す)の正面図である。実施の形態1で示したリモコン装置100〜106と同一もしくは相当する部位には同一符号を付して、その説明は省略する。リモコン装置200は、2つの表示部4、5にそれぞれ対応して操作部3A、3Bが設けられている点で実施の形態1と相違している。また、実施の形態1における設定切換ボタン38がなく、共通設定ボタン41が設けられている点でも相違している。
図13に示すように、このリモコン装置200は、操作面30上に左右方向に距離を隔てて第1操作部3Aと第2操作部3Bが設けられていて、左右方向に左から第1操作部3A、第1表示装置11、第2表示装置12、第2操作部3Bの順で並んでいる。第1操作部3Aの上下には、第1表示装置11と左右方向に並んで共通操作部3Cが設けられている。そして、第1操作部3Aは第1十字キー39Aを、第2操作部3Bは第2十字キー39Bを備えている。このようにリモコン装置200は2つの十字キー39A、39Bを備えている。また、共通操作部3Cは、共通操作を行う運転入切ボタン31、タイマーボタン37を備えるとともに、後述する共通設定ボタン41を有している。
そして、第1操作部3Aの第1十字キー39Aが第1表示装置11の第1表示部4に、第2操作部3Bの第2十字キー39Bが第2表示装置12の第2表示部5に対応している。換言すれば、リモコン装置200は、2つの表示部4、5の各々に対応する2つの操作部3A、3Bを有しており、2つの操作部3A、3Bは、それぞれ操作手段として十字キー39A、39Bを備えている。
上述した実施の形態1と同じく、第1表示部4が主として室内機50の吹出口53の左側からの第1吹出気流Faに対応し、第2表示部5が主として吹出口53の右側からの第2吹出気流Fbに対応している。使用者が設定変更を希望する吹出気流に対応する表示部4、5のすぐ横に、その表示部に対応する十字キー39A、39Bがあるので、使用者は直感的に対象とする十字キー39A、39Bを操作することができる。
左側の第1十字キー39Aを操作すれば、第1表示部4の各機能表示の設定を変更することができ、その操作信号を受信した室内機50は第1吹出気流Faに係わる動作を変更する。そして、右側の第2十字キー39Bを操作すれば、第2表示部5の各機能表示の設定を変更することができ、第2吹出気流Fbに係わる動作が変更される。設定変更に関する2つの十字キー39A、39Bの各々の操作方法は、上述した実施の形態1におけるリモコン装置105の十字キー39と同様であり説明は省略する。2つの表示装置11、12が消灯しているときに、使用者が十字キー39A、39Bのいずれかのボタンを押下すると、対応する表示部4、5が設けられている表示装置11、12のバックライトが点灯し、設定変更が可能な状態となる。
上述した実施の形態1では、例えば第1吹出気流Faに係わる設定を変更するときに、使用者は先んじて設定切換ボタン38を押して第1表示部4を選択する必要があった。すなわち、設定切換ボタン38を先に押下しなければ、設定変更を希望する表示部4、5を設定変更が可能な状態にすることができなかった。しかし、この実施の形態2のリモコン装置200は、第1表示部4に対応して第1十字キー39Aを、第2表示部5に対応して第2十字キー39Bを備えているので、事前操作することなく、設定変更したい表示部4、5に対応する十字キー39A、39Bを直接に操作して設定の変更を行うことができる。このため、実施の形態1のリモコン装置100〜106よりも使用者は直感的に素早く操作できるようになり、使用者にとっての利便性がさらに優れたものとなる。
2つの表示部4、5を同じ内容に設定変更したい場合、すなわち第1吹出気流Faと第2吹出気流Fbに対して同じ動作設定となるように変更したい場合には、それぞれの十字キー39A、39Bを使って別々に変更してもよいが、そうすると使用者は2回同じ操作をすることになってしまい利便性に欠ける。そのため、このリモコン装置200は、共通操作部3Cに共通設定ボタン41を設けている。使用者は操作部3A、3B(十字キー39A、39B)を操作する前に、この共通設定ボタン41を押下すれば、第1表示部4、第2表示部5ともに表示装置11、12のバックライトが点灯してアクティブな状態となる。そして、操作部3A、3Bのどちらか、すなわち第1十字キー39Aか第2十字キー39Bのどちらかを操作すれば、2つの表示部4、5を同時に同じ設定に変更することができる。第1十字キー39Aと第2十字キー39Bのどちらを使ってもよい。
なお、各機能表示に関し現状が互いに異なっている設定状態(例えば、設定温度が第1表示部4は27℃、第2表示部5は25℃であるとか、上下風向の設定が第1表示部4は自動、第2表示部5は下方向であるというような状態)から、共通設定ボタン41を押下して2つの表示部4、5でそれらを同じ設定に変更する場合では、どちらかの十字キー39A、39Bの右ボタン39cもしくは左ボタン39dにて設定変更したい機能表示を選択し、上ボタン39aもしくは下ボタン39bを押下してその機能表示の設定を変更する。
この場合、カーソルは両表示部4、5ともに現れ、どちらか一方の右ボタン39cもしくは左ボタン39dの操作で同じ機能表示の下を移動する。また、機能表示を選択後に上ボタン39aもしくは下ボタン39bを押下すると、実施の形態1と同様にまずは2つの表示部4、5のどちらか一方の設定に合わせられ、それから上ボタン39aもしくは下ボタン39bの押下に伴って両表示部4、5の機能表示が同じように変化していく。
設定温度については、これも実施の形態1と同様に上ボタン39aを押下すれば、まずは両表示部4、5のうち高い方の設定温度に両表示部4、5の設定温度が揃えられ、それから両表示部4、5の設定温度が同じに変化していく。下ボタン39bを押下すれば両表示部4、5のうち低い方の設定温度に両表示部4、5の設定温度に合わせられる。なお、上ボタン39a、下ボタン39bのどちらを押下しても、まずは第2表示部5の設定温度が第1表示部4の表示と同じとなる、もしくは第1表示部4の設定温度が第2表示部5の設定温度と同じとなるようにしてもよい。
また、このリモコン装置200は、共通操作の運転モード切換についても十字キー39A、39Bで設定変更するようにしている。十字キー39A、39Bのどちらを使っても、運転モードの切換が可能である。なお、操作ボタン数は増えるが、運転モード切換ボタンを別途共通操作部3Cに設け、それを押下するだけで運転モード切換ができるように構成してもよい。そのように構成すると、使用者は運転モードの切換を素早く実行できる。
以下、この実施の形態2の変形例を挙げていく。リモコン装置200では、共通操作部3Cが、第1表示装置11の左側で、第1操作部3Aの下に設けられていたが、図14に正面図を示すリモコン装置201は、操作面30の下部に横長に共通操作部3Cが設けられている。
リモコン装置201においては、第1表示装置11の左側の第1操作部3Aに第1十字キー39Aが、第2表示装置12の右側の第2操作部3Bに第2十字キー39Bが、そして、第1操作部3Aの下と2つの表示装置11、12の下に跨って共通操作部3Cが設けられている。共通操作部3Cは、運転入切ボタン31、タイマーボタン37、共通設定ボタン41を有している。第1操作部3Aの下となる位置に運転入切ボタン31、第1表示装置11の下に共通設定ボタン41、第2表示装置12の下にタイマーボタン3が配置されている。共通操作部3Cに運転モード切換ボタンを追加してもよい。
リモコン装置200に比べて、左側の第1十字キー39Aと共通設定を行う共通操作部3Cの操作ボタンとの距離が大きくなるので、左側の第1十字キー39Aの存在が目立って使用者が認識し易くなる。なお、2つの表示装置11、12と第2操作部3Bの下に跨るように共通操作部3Cを設けてもよい。この場合には、第2操作部3Bの下となる位置に運転入切ボタン31、2つの表示装置11、12の下にタイマーボタン37と共通設定ボタン41が配置されることになる。
図15に正面図を示すリモコン装置202は、リモコン装置200の2つの十字キー39A、39Bに替えて、円筒状に突出し左右方向に回動可能なダイヤル部40aを有するダイヤルスイッチ40A、40Bを備えている。第1操作部3Aは第1ダイヤルスイッチ40Aを有しており、第1表示部4に対応している。第2操作部3Bは第2ダイヤルスイッチ40Bを有していて、第2表示部5に対応している。リモコン装置202は、2つの表示部4、5の各々に対応する2つの操作部3A、3Bを有し、2つの操作部3A、3Bは、それぞれ操作手段としてダイヤルスイッチ40A、40Bを備えている。
設定変更に関するダイヤルスイッチ40A、40Bの各々の操作方法は、上述した実施の形態1におけるリモコン装置106のダイヤルスイッチ40と同様であり説明は省略する。リモコン装置200の十字キー39A、39B同様に、使用者は事前操作する必要なく設定変更したい表示部4、5に対応するダイヤルスイッチ40A、40Bを直接的に操作できるので、直感的に素早く操作することができるようになる。
このリモコン装置202では、共通操作部3Cが第1操作部3Aの上下にあり、第1表示装置11と左右方向に並んで配置されている。そして、その共通操作部3Cは、運転モード切換ボタン32を有している。ダイヤルスイッチ40A、40Bのどちらかを用いれば運転モードの切換を実行できるが、それに加えて、共通操作であることから、運転モード切換ボタン32も設けている。なお、図14に示した操作面30の下部に共通操作部3Cを備えるリモコン装置201の2つの十字キー39A、39Bに替えてダイヤルスイッチ40A、40Bを設ける構成であってもよい。
次に、図16に正面図を示すリモコン装置203は、十字キーやダイヤルスイッチは用いられず、風向や風量に係わる操作ボタンが2つの表示部4、5にそれぞれ対応して設けられている。第1表示装置11の左側の第1操作部3Aは、第1表示部4に対応する第1上下風向ボタン33A、第1左右風向ボタン34A、第1風量ボタン35A、第1温度設定ボタン36Aを有している。そして、第2表示装置12の右側の第2操作部3Bには、第2表示部5に対応する第2上下風向ボタン33B、第2左右風向ボタン34B、第2風量ボタン35B、第2温度設定ボタン36Bが設けられている。2つの温度設定ボタン36A、36Bはともに上下キーである。第1操作部3A、第2操作部3Bともに複数の操作ボタンを有しているため、共通操作部3Cは、第1操作部3Aの下と2つの表示装置11、12の下に跨って横長に設けられている。
各操作ボタンには、「風量」や「上下」のように機能名称が付されている。そのため、設定変更したい表示部4、5に対応する操作部3A、3Bの操作ボタンを直接に押下して目的とする機能表示の設定を変更することができる。このため、実施の形態1のリモコン装置100よりも使用者は直感的に素早く操作できるようになり、使用者にとっての利便性がさらに優れたものとなる。
このリモコン装置203は、設定変更したい機能表示を選択する必要がなく、対象の操作ボタンを押下するだけであるので、操作がわかり易くより早く操作できるようになる。しかし、操作ボタンの数が多くなるため、操作面30が煩雑になったり、操作ボタン間の距離が小さいことによる使用者の押し間違えの発生が懸念されたりする。そのため、十字キー39A、39Bもしくはダイヤルスイッチ40A、40Bを用いて操作ボタンの数を減らした方が、意匠性に優れ使用者に操作し易い印象を与えられるとともに、使用者の押し間違えの懸念を払拭できる。
以上のように、実施の形態2のリモコン装置200〜203は、第1吹出気流Faに係わる第1表示部4の設定を変更する第1操作部3Aと、第2吹出気流Fbに係わる第2表示部5の設定を変更する第2操作部3Bとを設けている。すなわち、2つの表示部4、5にそれぞれ対応させて2つの操作部3A、3Bを設けているので、使用者が設定変更したい表示部を事前に選択する操作を行う必要がなく、使用者は設定変更したい表示部に対応する操作部を直接的に操作すれば、室内機50から吹き出される2つの気流に係わる動作設定を別個に行うことができる。このため、使用者は直感的に素早く操作できるようになって、使用者にとっての利便性がより優れたものとなる。
そして、第1表示部4の左側に第1操作部3Aが、第2表示部5の右側に第2操作部3Bが並び、2つの操作部3A、3Bが2つの表示部4、5(2つの表示装置11、12)を間に挟んで配置されているので、第1操作部3Aが第1表示部4に、第2操作部3Bが第2表示部5に対応していることを使用者が直感的に認識でき、操作ミスを防止できる。
また、操作部3A、3Bがそれぞれ十字キー39A、39Bもしくはダイヤルスイッチ40A、40Bを備えることで、操作ボタンの数を減らし、意匠性の向上と使用者の誤操作の防止を図ることができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。図17は、この発明の実施の形態3に係わる空気調和機のリモコン装置300(以降、リモコン装置300と称す)の正面図である。実施の形態1で示したリモコン装置100〜106および実施の形態2で示したリモコン装置200〜203と同一もしくは相当する部位には同一符号を付して、その説明は省略する。リモコン装置300は、タッチパネル方式の表示装置を採用している点で実施の形態1および実施の形態2と相違している。
図17に示すように、リモコン装置300は、横長の操作面30に第1タッチパネル式表示装置13と第2タッチパネル式表示装置14が左右方向に並んで配置されている。2つのタッチパネル式表示装置13、14はそれぞれ液晶画面に重ねてタッチパネルが設置されている。タッチパネルには電圧が加えられており、使用者がそれぞれのタッチパネル式表示装置13、14を直接タッチする(触れる)と、リモコン300はその位置に触れた時に発生する電気信号の変化を検出し操作内容を把握する。
第1タッチパネル式表示装置13には、室内機50の左側から吹き出される第1吹出気流Faに係わる動作設定の表示を行う第1表示部6が設けられ、第2タッチパネル式表示装置14には右側から吹き出される第2吹出気流Fbに係わる動作設定の表示を行う第2表示部7が設けられる。そして、これら2つの表示装置13、14はタッチパネル方式であるので、使用者は2つの表示部6、7に表示されているボタンやアイコン等の操作入力表示を直接タッチすることでリモコン装置300を操作することができる。操作の具体例は後述する。
第1表示部6は、吹出口53の左側からの第1吹出気流Faに係わる設定や動作状況を表示する機能だけなく、実施の形態3に示した第1操作部3Aに相当する操作部としての機能も有することになる。同様に、第2表示部7は、吹出口53の右側からの第2吹出気流Fbに係わる設定や動作状況を表示するだけなく、実施の形態3に示した第2操作部3Bに相当する操作部としての機能も有している。
2つの表示部6、7がそれぞれ使用者の指示入力を受け付ける操作機能を備えているが、リモコン装置300は、操作面30の左右方向の中央で、2つのタッチパネル式表示装置13、14の間に、操作ボタンとして、上下方向に間隔を空けて並ぶ運転ボタン31aと停止ボタン31bの2つを備えている。リモコン装置300は、運転ボタン31aが押されれば当該空気調和機の運転開始の指示信号を室内機50に送信し、停止ボタン31bが押されれば、運転中の空気調和機を停止する指示信号を室内機50に送信する。
使用者のリモコンによる空気調和機に対する動作指示では、運転開始の指示と運転停止の指示の頻度が高い。そのためリモコン装置300では、それらの指示については、タッチパネル式表示装置13、14に触れることなく、使用者が素早く簡単に空気調和機の運転開始および停止を行うことができるように、タッチパネル式表示装置13、14と別に操作面30に操作ボタンを設けている。運転開始と運転停止は、使用者がこれらの操作ボタン31a、31bを押下することで、対応する指示信号が送信部1から室内機50へと送信されて達成される。
なお、運転開始ボタン31aと停止ボタン31bとの配置は、2つのタッチパネル式表示装置13、14の間に限るものではない。図18に実施の形態3の変形例として示すリモコン装置301では、第1タッチパネル式表示装置13の左側に、上下方向に並べて運転開始ボタン31aと停止ボタン31bを設けている。タッチパネル式表示装置14の右側に設けたり、操作面30の下部に左右方向に並べて設けたりすることも可能である。また、運転開始ボタン31aと停止ボタン31bとを2つに分けずに、運転入切ボタン31として、運転開始と停止の両方の指示ができる1つの操作ボタンとしてもよい。
操作機能を有する第1表示部6、第2表示部7を使った操作について図17に基づき説明する。当該空気調和機の運転中、使用者は、第1吹出気流Faに係わる設定を変更したい場合には第1タッチパネル式表示装置13を、第2吹出気流Fbに係わる設定を変更したい場合には第2タッチパネル式表示装置14を指でタッチする。仮に第1タッチパネル式表示装置13をタッチした場合には、第1タッチパネル式表示装置13のバックライトが点灯し、第1表示部6の表示が明るくなる。このとき第2タッチパネル式表示装置14のバックライトは消灯されたままである、これにより使用者は第1表示部6が設定変更可能な状態であることを明確に、かつ直感的に認識できる。
第1表示部6がアクティブな状態のときに、例えば、第1表示部6に表示されている上下風向の機能表示をタッチすれば、タッチするごとに表示内容が、現在の設定状態を基点にして、正面方向から下方向への5段階、スイング、自動を繰り返し順番に切り換わる。目的とするモードが表示されたら操作を止めることで、そのモードに決定され、送信部1から室内機50に指示信号が送信される。その信号を受信した室内機50は、左側の上下風向板54aを表示されているモードに変更する。
上下風向の機能表示がタッチされると、その機能表示の設定画面を第1表示部6に拡大表示して、使用者が設定したい風向モードを選択し易くなるようにしてもよい。この場合では、タッチパネルの利便性を活かし、タッチするごとに風向モードを順送りすることなく希望する風向モードを使用者が直接タッチすれば設定変更ができるようにすることでより利便性が高まる。このリモコン装置300では、第1表示部6の上下風向の機能表示が、現在の設定状態を示すとともに、実施の形態2のリモコン装置203(図16に示す)の第1上下風向ボタン33Aに相当する設定変更の入力機能を有していることになる。
左右風向や風量についても同様に、第1表示部6もしくは第2表示部7の該当する機能表示を直接タッチすることで設定を変更することができる。設定温度は、表示部6、7に表示されている設定温度表示(図17では27℃もしくは25℃)をタッチすると出現する温度設定ボタン42の上昇ボタン42aもしくは下降ボタン42bで変更可能となる。
第1表示部6の設定温度表示(27℃)をタッチすると、設定温度表示の上下に、それまで表示されていなかった上下キーから成る温度設定ボタン42が表示されるようになる(図17の第1表示部6を参照)。上側に+で表示されている上昇ボタン42aがタッチされれば1℃上昇し、下側の−で表示されている下降ボタン42bがタッチされれば1℃下降する。いずれも長押しにより連続的な上昇もしくは下降が可能である。この温度設定ボタン42を操作することで、第1吹出気流Faに係わる設定温度を変更することができる。
図17に示す第2表示部7は、温度設定ボタン42が表示されていない状態である。この状態で、第2表示部7の設定温度表示(25℃)がタッチされれば、第2表示部7においても図17の第1表示部6に表示されているものと同じ温度設定ボタン42が表示されるようになって、出現したその温度設定ボタン42の上昇ボタン42aもしくは下降ボタン42bの操作により、第2吹出気流Fbに係わる設定温度の変更が可能となる。
なお、設定温度ボタン42は、ここでは使用者が設定温度表示をタッチすると出現するように構成しているが、設定温度は、表示されている機能表示のなかでも設定変更する頻度が他の機能表示と比べて高いので、それぞれの表示部6、7において、設定温度が表示されている間は常に表示するようにしてもよい。または、タッチパネル式表示装置13、14がタッチされて表示部6、7がアクティブな状態になると、温度設定ボタン42が出現するようにしてもよい。
運転モードはそれぞれの表示部6、7の運転モード表示をタッチすることで変更可能であるが、これは共通設定であるので、2つの表示部6、7のどちらか一方で変更すれば両方の表示が変更した運転モードの表示となる。ここでは、両表示部6、7に運転モードが表示されているが、どちらか一方のみの表示であってもよい。また、2つの表示部6、7のいずれか一方もしくは両方にメニューボタン43が表示される。タイマー設定はこのメニューボタン43をタッチすることで表示されるタイマー設定ボタンを選択して設定可能となる。
設定温度や風向、風量のいずれかを2つの表示部6、7にて異なる設定状態から同じ設定となるように変更する場合には、使用者はまず2つのタッチパネル式表示装置13、14を連続的にタッチする。順序は問わない。そうすると、2つのタッチパネル式表示装置13、14のバックライトがともに点灯して、ともにアクティブな状態となる。その状態で第1表示部6、第2表示部7のどちらか一方の対象機能表示の設定を変更すれば、2つの表示部6、7ともその機能表示は同じ設定に変更される。
なおこの場合、実施の形態1および2と同様に、風向、風量に関しては、対象の機能表示がタッチされるとまずどちらか一方の表示に合わせられタッチごとに両者が同じように変化していく。設定温度については、どちらかの上昇ボタン42aがタッチされれば両表示部6、7の高い方の設定温度に揃えられ、どちらかの下降ボタン42bがタッチされれば低い方の設定温度に揃えられ、それから両者が同じ設定温度に変化していく。
メニューボタン43から階層的に、対象表示部の選択画面、対象機能表示の選択画面、設定変更画面と進んでいく設定変更手段も備えておくと、使用者にとっての利便性がより高まる。
このリモコン装置300は、実施の形態1のリモコン装置100〜106の設定切換ボタン38や実施の形態2のリモコン装置200〜203の共通設定ボタンの機能を、第1タッチパネル式表示装置13の画面に構成される第1表示部6と、第2タッチパネル式表示装置14の画面に構成される第2表示部7とが兼ね備えていることになる。リモコン装置300はタッチパネルの利便性を活かしたリモコンである。
以上のように、実施の形態3のリモコン装置300、301は、第1吹出気流Faに係わる第1表示部6を第1タッチパネル式表示装置13に、第2吹出気流Fbに係わる第2表示部7が第2タッチパネル式表示装置14に設けているので、使用者が設定変更を希望する表示部を予め選択する操作を行う必要がなく、使用者は表示部6、7をそれぞれ直接タッチすることで、室内機50から吹き出される2つの気流Fa、Fbに係わる動作設定を別個に行うことができる。このため、使用者は直感的に素早く操作できるようになって、使用者にとっての利便性により優れたものとなる。
また、2つの表示部6、7はそれぞれ、タッチパネル画面上に構成され、使用者の設定変更指示を受け付ける操作部としての機能も備えている。すなわち、第1表示部6は第1表示部6の設定を変更する第1操作部としての機能も有し、第2表示部7は第2表示部7の設定を変更する第2操作部としての機能も有している。このため、操作面30上の操作ボタンの数を減らせて、意匠性の向上と使用者の誤操作の防止を図ることができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。図19は、この発明の実施の形態4に係わる空気調和機のリモコン装置400(以降、リモコン装置400と称す)の正面図である。実施の形態1〜3で示したリモコン装置と同一もしくは相当する部位には同一符号を付して、その説明は省略する。リモコン装置400は、1つの表示装置の画面を分割して2つの表示部を設けている点でこれまでの実施の形態1〜3と相違している。
図19に示すように、リモコン装置400は、横長の操作面30の中央に左右方向が長辺方向となる長方形状の表示装置10を有している。そしてこの表示装置10の画面を左右方向に2分割して第1表示部4と第2表示部5とが構成されている。実施の形態1、2のリモコン装置は、2つの表示装置11、12を備え、2つの表示部4、5がそれぞれ専用となる表示装置11、12に設けられていたが、このリモコン装置400は、1つの表示装置10の画面を2つの表示部4、5が共有している。
表示装置10は液晶画面を有する液晶表示装置である。表示装置10の左側に、第1吹出気流Faの動作設定に係わる第1表示部4が設けられ、右側に、第2吹出気流Fbの動作設定に係わる第2表示部5が設けられている。両表示部4、5は左右方向に隣り合っているが、間にスペースや共通な表示を挟んで並んでもよい。
共通操作の機能表示である運転モード表示は、表示部4、5にそれぞれ表示されることはなく、どちらか一方に、もしくは図19に示すように、隣り合う両表示部4、5に跨るように画面の中央下部に表示される。
そして、表示装置10の左側、すなわち第1表示部4の左側に第1十字キー39Aを有する第1操作部3Aが、表示装置10の右側、すなわち第2表示部5の右側に第2十字キー39Bを有する第2操作部3Bが設けられている。そして、第1操作部3Aの下と表示装置10の下に跨って共通操作部3Cが設けられている。共通操作部3Cは、運転入切ボタン31、共通設定ボタン41、タイマーボタン37を備えている。共通操作部3Cに運転モード切換ボタンを追加してもよい。3つの操作部3A、3B、3Cの配置構成は、実施の形態2のリモコン装置201(図14に示す)と同じである。
使用者がこのリモコン装置400を使って室内機50からの2つの吹出気流Fa、Fbに対して別個な動作設定を行う手順は、実施の形態2のリモコン装置200、201と基本的には同じであり、詳細な説明は省略する。リモコン装置200、201は2つの表示装置11、12を備えているので、設定変更したい方の表示部の表示装置のバックライトを点灯し、他方は消灯のままとすることで、使用者に対象とする表示部が設定変更可能な状態であることを明確に報知することができる。しかし、リモコン装置400は1つの表示装置10を2つの表示部4、5が共有しているので、アクティブな表示部と非アクティブな表示部とをバックライトの点灯と消灯とで分けて明示することができない。
そのため、例えば使用者が第1吹出気流Faに係わる第1表示部4の設定温度を変更しようとして第1十字キー39Aのいずれかのボタンを押下すると、表示装置10のバックライトが点灯するとともに、図20に示すように、表示装置10の液晶画面に占める第1表示部4の表示面積の割合が大きくなる。第1表示部4が大きくなった分、第2表示部5が小さくなる。アクティブな状態である第1表示部4の表示面積が非アクティブな第2表示部5の表示面積よりも大きくなるように変化するのである。
こうして非アクティブである第2表示部5との差異を示し、使用者に第1表示部4が設定変更可能な状態であることを報知する。一方の表示部がアクティブな状態で他方の表示部がアクティブな状態でない場合には、表示装置10の画面に対するアクティブな状態の表示部の表示面積の割合を、アクティブな状態ではない表示部の表示面積の割合よりも大きくすることで、その表示部がアクティブな状態であることを使用者にわかり易くしている。このため使用者は、対象とする表示部が設定変更可能な状態であることを明確に、かつ直感的に認識することができる。設定変更が終了したならば両表示部4、5の表示面積は元の同等な大きさに戻る。
共通設定ボタン41が先に押下され、両表示部4、5ともにアクティブな状態である場合は、両表示部4、5ともに表示面積は変化させず同等のままである。表示装置10のバックライトが点灯するだけで、それ以外の報知は行わず、使用者の設定変更操作を受け付ける。
第1操作部3Aおよび第2操作部3Bが有する操作手段として、十字キー39A、39Bに替えて、図15に示すリモコン装置202のようにダイヤルスイッチ40A、40Bを設けたり、または図16に示すリモコン装置203のように各機能表示に対応する操作ボタンを複数設けたりしてもよい。
図12に示すリモコン装置106のように使用者が縦向きに使用する場合、すなわち操作面30を縦長にする場合には、縦長に配置された1つの表示装置10を上下に2分割して2つの表示部4、5を上下に並べればよい。
図21に実施の形態4の変形例として示すリモコン装置401は、第1表示部6と第2表示部7とがタッチパネル式表示装置15の画面を左右方向に分割して構成されている。第1表示部6と第2表示部7とは隣接して表示されているが、間隔を空けて並べてもよい。両表示部6、7に跨るように、画面の中央下部には運転モードが表示される。共通操作である運転モードの切換は、使用者がこの運転モード表示をタッチすることで実施できる。また、タッチパネル式表示装置15の画面の左下部には共通設定ボタン41、右下部にはメニューボタン43が表示されている。タイマー設定は、このメニューボタン43をタッチすることで表示されるタイマー設定ボタンを選択して設定可能となる。
使用者がタッチパネル式表示装置15に構成される第1表示部6と第2表示部7を使って、2つの吹出気流Fa、Fbに対して別個な動作設定を行う手順は、タッチパネルを採用している実施の形態3のリモコン装置300、301と基本的には同じであり、詳細な説明は省略する。ただし、両表示部6、7に共通して設定変更する場合については、2つの表示装置13、14を連続タッチすることで設定変更可能としている実施の形態3のリモコン装置300、301とは異なる。
このリモコン装置401では、実施の形態2と同様に共通設定ボタン41を有しており、画面上に表示される共通設定ボタン41がタッチされることで、両表示部6、7ともにアクティブな状態にすることができる。そして、2つの表示部6、7のどちらか一方を使って対象とする機能表示の設定を変更すれば、2つの表示部6、7ともにその機能表示は同じ設定に変更される。なお、画面上に定常的に共通設定ボタン41を表示せずに、メニューボタン43をタッチすると、タイマー設定ボタンとともに共通設定ボタンが表示されるようにしてもよい。
また、アクティブな表示部の使用者への報知については、図22に示すように、先のリモコン装置400と同様、アクティブな表示部が相対的に大きく表示されるように変化する。図22は、第1表示部6が設定変更可能で、第2表示部7は設定変更ができない状態を示している。リモコン装置400と異なる点としては、アクティブな状態の表示部(図22では第1表示部6)には、温度設定ボタン42が表示されることである。リモコン装置401では、アクティブな状態になるとその表示部には温度設定ボタン42が現れる。温度設定ボタン42は、アクティブな状態な表示部において設定温度表示をタッチすると現れるようにしてもよい。
共通設定ボタン41がタッチされ、2つの表示部6、7がともにアクティブな状態のときには、タッチパネル式表示装置15のバックライトが点灯するが、表示部6、7の大きさはそれぞれ変化しない。ただし、表示部6、7の各々に、温度設定ボタン42が表示されるようになる。
このリモコン装置401においても、実施の形態3と同様に、第1表示部6は第1表示部の設定を変更する第1操作部としての機能も有し、第2表示部7は第2表示部7の設定を変更する第2操作部としての機能も有している。
以上のように実施の形態4のリモコン装置400、401は、表示装置を2つ用いることなく、1つの表示装置の画面を分割して2つの表示部を設け、一方の表示部が第1吹出気流Faに係わる動作設定に、他方の表示部が第2吹出気流Fbに係わる動作設定に対応しているので、実施の形態2もしくは実施の形態3と同様な効果を得ることができるとともに、電力消費を抑えて当該リモコン装置400、401の電池の寿命を長くすることができる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について図面を参照しながら説明する。図23および図24はそれぞれ、この発明の実施の形態5に係わる空気調和機のリモコン装置500(以降、リモコン装置500と称す)の正面図である。図23は、使用者がリモコン装置500を縦向きにして使用している状態を示しており、図24は、使用者がリモコン装置500を横向きにして使用している状態を示している。実施の形態1〜4で示したリモコン装置と同一もしくは相当する部位には同一符号を付して、その説明は省略する。リモコン装置500は、使用者が縦向きにして使用する場合と横向きにして使用する場合とで、2つの表示装置11、12の画面の表示構成が変化する点で、実施の形態1〜4と相違する。
このリモコン装置500は、加速度センサ45を内蔵しており、加速度センサ45の出力に基づいて、リモコン装置500自身の向きが縦向き状態であるか横向き状態であるかを判断することができる。加速度センサ45は、リモコン装置500の外殻筺体内部に収納されている電装基板に設置されている。リモコン装置500の向きが縦向き状態か横向き状態か、というのは、使用者がリモコン装置500を縦向きにして手にしている状態か、横向きにして手に取っている状態か、ということであり、長方体状のリモコン装置500の操作面30の短辺方向が左右方向である状態が縦向きであり、長辺方向が左右方向である状態が横向きである。
そして、リモコン装置500は自身が縦向き状態であると判断した場合には、第1吹出気流Faと第2吹出気流Fbとの別個な動作設定を受け付けない。図23には、縦向き状態で使用されたときの表示装置11、12の画面の表示構成が示されているが、第1表示装置11の画面には第1吹出気流Faの動作設定に係わる第1表示部4は設けられず、モード/設定温度表示部4が構成される。そして第2表示装置12の画面には第2吹出気流Fbの動作設定に係わる第2表示部5は設けられず、風向/風量表示部5が構成される。2つの表示装置11、12の画面を合わせても各機能表示が1つだけしか表示されなくなる。
画面の表示構成を除いたリモコン装置500の操作面30の構成は、実施の形態1のリモコン装置106(図12参照)と同様であり、ここでの説明は省略する。縦向き状態で上側に位置する第1表示装置11の画面に構成されるモード/設定温度表示部4には、設定温度と運転モードが表示され、下側に位置する第2表示装置12の画面に構成される風向/風量表示部5には、上下風向モード、左右風向モード、風量モードが表示される。
図23の画面表示内容が、使用者が希望する動作設定であるとして、縦向きの状態のリモコン装置500から送信されたこの動作設定の指示信号を受信した室内機50は、各機能表示について次のように制御する。
風量モードに関しては、2つのプロペラファン51a、51bを同一回転数で制御し、風向/風量表示部5に表示される風量モードとなる回転数で運転する。上下風向モード、および左右風向モードは、それぞれ設定された1つのモードに基づき、回動制御する。そして、室内機50は、空調対象空間である室内に居る人の体感温度がモード/設定温度表示部4に表示されている設定温度となるように空調運転を行う。
風向制御に関しては、例えば左右風向モードには、吹出口53の右側から吹き出される気流が右方向へ、左側から吹き出される気流が左方向へと、2つの気流が吹き出されているような状態も起こり得るが、それも広角吹きモードという1つのモードが選択されているからである。いずれにしても、使用者がこのリモコン装置500を縦向き状態にして手に取って操作して指示信号を室内機50へ送信した場合、2つのプロペラファン51a、51bは同一回転数で回転されることになり、吹出口53の右側から吹き出される気流も左側から吹き出される気流も基本的には同一な風量、同一な温度となる。
そして、使用者が室内機50に対して2温度帯空調を希望する、すなわち、吹出口53の右側から吹き出される第1吹出気流Faに係わる動作設定と、左側から吹き出される第2吹出気流Fbに係る動作設定とを別個に行いたいと思った場合には、リモコン装置500を横向きに手にすることで、内蔵する加速度センサ45の出力に基づきリモコン装置500自身が横向き状態であることを判断して、図24に示すように、第1表示装置11の画面上に第1吹出気流Faの動作設定に係わる表示である第1表示部4を、第2表示装置12の画面上に第2吹出気流Fbの動作設定に係わる表示である第2表示部5を設ける。
2温度帯空調の動作設定を目的とする横向き状態のリモコン装置500の操作方法は、十字キー39の向きが90°ずれることにはなるが、基本的には実施の形態1のリモコン装置104(図10参照)と同様であり、説明は省略する。設定切換ボタン38は、リモコン装置500が横向きの状態のときだけ用いられ、縦向き状態においては機能しない。
リモコン装置500と室内機50とが赤外線を用いて通信する場合では、赤外線通信は指向性があるため、縦向き状態(図23)での上面、横向き状態(図24)の上面の2箇所にそれぞれ送信部1および受信部2を設けるのが良い。一方、リモコン装置500と室内機50とを電波を用いて通信させれば指向性がないので、送信部1および受信部2はそれぞれどこか1箇所に設ければ良い。
リモコン装置500を図23に示す縦向き状態から横向き状態にしようとする場合、図24の状態だけでなく、図24の状態と180°ずれた状態の横向き状態も存在する。すなわち、図23の縦向き状態から反時計回りに90°回動させれば図24の状態になるが、時計回りに90°回動させても横向き状態になる。もし、リモコン装置500が通信に赤外線を用いていて、図24の状態における上面に送信部1および受信部2を設けていた場合に、図24の状態とは180°ずれた向きで横向きにしてしまうと、送信部1および受信部2が室内機50ではなく使用者の方を向くことになり、室内機50との通信が困難となる。
そのため、逆の横向き状態になっていることを使用者に気づいてもらう必要がある。そこで、リモコン装置500は、逆の横向き状態であっても、正しい横向き状態(図24の状態)のときと第1表示部4および第2表示部5の表示内容を変更しない。そのため使用者が逆の横向き状態にすれば、両表示部4、5の表示も上下が逆さまになっている。それを見れば使用者は180°ずれていることに容易に気づいて、正しい横向き状態へと修正することができる。
なお、リモコン装置500が赤外線ではなく電波を使用して室内機50と通信する場合では、180°異なるどちらの横向き状態であっても、表示が逆さまにならないようにして、どちらの向きでも(操作部3が右側となっても左側となっても)2温度帯空調の動作設定ができるようにしても良い。
以上のように実施の形態5のリモコン装置500は、使用者が縦向きにして使用する場合と横向きにして使用する場合とで、2つの表示部4、5の表示内容を変更し、横向き状態であると判断した場合のみ操作面30上に第1表示部4と第2表示部5とを設けて、2温度帯空調の動作設定ができるようにしている。すなわち、第1吹出気流Faと第2吹出気流Fbの別個な動作設定を受け付ける。一方、使用者が部屋に一人で居るような状況で温度帯空調を希望しない、あえて必要としないときには、使用者はリモコン装置500を縦向き状態にして操作することで、より簡単に対象となる空気調和機の動作設定を行うことができる。
この実施の形態5において、リモコン装置500は操作部3に十字キー39を備えているが、これに替えて、ダイヤルスイッチ40を備えるようにしても良いし、機能毎の複数の操作ボタンを備えるようにしてもよい。また、第1表示装置11と第2表示装置12をそれぞれ第1タッチパネル式表示装置13と第2タッチパネル式表示装置14に替えて、操作部3のボタンの数を減らしても良い。
また、第1表示装置11と第2表示装置12とを1つの表示装置10に変更して、その表示装置10の画面を、縦向き状態のときは上下に分割し、横向き状態では左右に分割して、第1表示部4と第2表示部5とを設けるようにしても良い。
さらに表示装置10ではなく、タッチパネル式表示装置15に変更し、そのタッチパネル式表示装置15の画面を分割して、第1表示部6と第2表示部7とを設けるようにしても良い。
なお、ここまで実施の形態1〜5において、第1表示部4もしくは第1表示部6、および第2表示部5もしくは第2表示部7が構成される表示装置として、液晶表示装置を用いて説明してきたが、これに限るものではなく、例えば有機ELディスプレイなど他の表示装置を使用してもよい。
本発明に基づく2つの表示部を有する実施の形態1〜5のリモコン装置は、室内の2温度帯空調ができる室内機を備える空気調和機に有効である。独立制御される2つの送風ファンを備えた室内機50では、2つの送風ファンの回転数を異ならせることで、吹出口から風量が異なる、ひいては温度が異なる2つの吹出気流を吹き出すことができる。風量を異ならせることで2つの吹出気流に温度差を生じさせている。なお、風量は風速に置き換えることも可能である。一方、送風ファンは1つのみだが、熱交換器を熱的に2分割しそれぞれの冷媒圧力を異ならせるようにして、風量は同じでも温度が異なる2つの吹出気流を吹出口から吹き出すことができる室内機も存在する。実施の形態1〜5のリモコン装置は、2つの表示部を備え、それぞれに設定温度を表示させることができ、さらにそれぞれの設定温度を別個に変更することが可能であるので、吹出口から温度もしくは風量の異なる第1吹出気流Faと第2吹出気流Fbという2つの気流を吹き出すことが可能な上記のような室内機を備える空気調和機のリモコン装置として有効なのである。
実施の形態1〜5のリモコン装置を、温度もしくは風量を異ならせることはできないが吹出気流を異なる2方向に吹き出すことができる室内機を有する空気調和機にも適用はできる。しかしこの場合、機能表示のうち設定温度、風量までもが共通設定となり、2つの表示部を設けるメリットは小さい。