以下、図面を参照しながら一実施の形態について説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
また、以下の実施の形態において、「X方向」とは、運搬用台車の長手方向に平行かつ運搬用台車が配置される床面に平行な方向であり、「Y方向」とは、X方向に垂直かつ運搬用台車が配置される床面に平行な方向である。「Z方向」とは、鉛直方向に平行な方向である。また、「正面」とは、床面に垂直な面であって、ネスティングする際に他の運搬用台車が進入してくる方向を向く面をいい、「背面」とは、床面に垂直な面であって、正面に対向する面をいう。「天面」とは、床面に平行な面であって、運搬用台車の上方側の面をいい、「底面」とは、床面に平行な面であって、運搬用台車の下方側の面をいう。「側面」とは、床面に垂直な面であって、運搬用台車の長手方向端部側の面をいう。
(運搬用台車の構成)
本実施の形態による運搬用台車の構成について、図1乃至図6を用いて説明する。図1は、本実施の形態による運搬用台車が展開状態となっている斜視図である。図2は、本実施の形態による運搬用台車を示す斜視図であって、正面パネルのみが折り畳み状態となっている図である。図3は、本実施の形態による運搬用台車が折り畳み状態となっている斜視図である。図4は、台車本体の斜視図である。図5は、台車本体の部分拡大正面図である。図6は、第2側面パネルおよび取付部材を正面側から見た図である。なお、運搬用台車が「展開状態となっている」とは、運搬用台車の各パネルが広げられており、各パネルが箱状に組み立てられ、複数のパネル間に断熱空間が形成されている状態をいう。また、運搬用台車が「折り畳み状態となっている」とは、運搬用台車の各パネルが折り畳まれて、複数のパネル内に断熱空間が形成されていない状態をいう。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態による運搬用台車10は、台車本体50と、台車本体50に対してそれぞれ展開および折り畳み自在に設けられた複数(この場合は6枚)のパネル11〜16とを備えている。このうち複数のパネル11〜16は、展開して箱状に組立てられた展開状態(図1参照)と、複数のパネル11〜16を折り畳むことにより他の運搬用台車とネスティング可能となる折り畳み状態(図3参照)をとることができる。
運搬用台車10は、例えば店舗、工場、物流過程等において、保冷または保温が必要な積載物を保管したり搬送したりする際に使用される。このような運搬用台車10は、積載物を収納することが可能な収容空間20が6つのパネル11〜16によって取り囲まれていることにより、運搬用台車10の内部の温度変化が極力抑制されるように構成されている。一方、運搬用台車10を使用しない場合には、他の同一の運搬用台車10とネスティングする(横方向に隣接する他の運搬用台車10に当該運搬用台車10の一部を重ねる)ことにより、複数の運搬用台車10をコンパクトに収納しておくことが可能である。
次に、図4を参照して、台車本体50の構成について説明する。図4に示すように、台車本体50は、第1側枠51と、第2側枠52と、第1側枠51と第2側枠52とを互いに連結する連結部材53とを有している。この場合、台車本体50は、6輪の車輪61〜66を有し、車輪61〜66は、それぞれ連結部材53から下方に向けて取り付けられている。
第1側枠51は、台車本体50の長手方向一端部(X方向マイナス側端部)に設けられており、連結部材53から上方(Z方向プラス側)に向かって突設されている。第1側枠51は、梯子状に形成されており、上下方向(Z方向)に延びる一対の縦杆55と、一対の縦杆55の間でそれぞれ水平方向(Y方向)に延びる複数の横桟56とを有している。
複数の横桟56は、上下方向(Z方向)に沿って互いに等しい間隔を空けて配置されている。第1側枠51の下方には、2輪の車輪61、62が設けられている。一対の縦杆55のうち一方(Y方向プラス側)の縦杆55は、車輪取付フレーム69(後述)に直接連結されている。これに対して他方(Y方向マイナス側)の縦杆55は、車輪取付フレーム69には直接連結されず、車輪取付フレーム69から離間している。これにより、ネスティング時に他の運搬用台車10の中央フレーム57が縦杆55と干渉しないようになっている。また、最も下方に位置する横桟56は、中央連結杆54によって車輪取付フレーム69に連結されている。なお、これに限らず、一対の縦杆55の両方が車輪取付フレーム69には直接連結されず、中央連結杆54のみによって第1側枠51が車輪取付フレーム69に連結されていても良い。
第2側枠52は、台車本体50の長手方向他端部(X方向プラス側端部)に設けられており、連結部材53から上方(Z方向プラス側)に向かって突設されている。第2側枠52の構成は、上述した第1側枠51の構成と略同一であり、第1側枠51と平面視で点対称となるように配置されている。第2側枠52の下方には、2輪の車輪65、66が設けられている。
連結部材53は、平面視略王字状(2つの「E」の字を背中合わせにした形状)であり、台車本体50の長手方向(X方向)に延びる中央フレーム57と、中央フレーム57にそれぞれ連結された3つの車輪取付フレーム67〜69とを有している。
中央フレーム57は、台車本体50の幅方向(Y方向)略中央部に位置している。この中央フレーム57は、運搬用台車10およびその積載物の荷重を保持するのに十分な強度を有する一方、運搬用台車10同士をネスティングする際の妨げにならない程度の細い幅を有している。なお、ネスティング時に他の運搬用台車10の車輪取付フレーム67〜69と干渉しないように、中央フレーム57は、車輪取付フレーム67〜69よりも高い位置に設けられている。
3つの車輪取付フレーム67〜69は、それぞれ中央フレーム57に直交する方向(Y方向)に延びている。この車輪取付フレーム67〜69は、第1側枠51側に位置する第1車輪取付フレーム67と、第1側枠51と第2側枠52との間に位置する第2車輪取付フレーム68と、第2側枠52側に位置する第3車輪取付フレーム69とからなる。
第1車輪取付フレーム67と第2車輪取付フレーム68とは、台車本体50の長手方向(X方向)に間隔を空けて配置されている。また、第2車輪取付フレーム68と第3車輪取付フレーム69とは、台車本体50の長手方向(X方向)に間隔を空けて配置されている。この場合、第1車輪取付フレーム67と第2車輪取付フレーム68との間隔は、第2車輪取付フレーム68と第3車輪取付フレーム69との間隔と等しくても良く、異なっていても良い。
第1車輪取付フレーム67は、中央フレーム57の長手方向一端部(X方向マイナス側端部)に設けられている。第1車輪取付フレーム67の長手方向両端部(Y方向両端部)には、それぞれ第1車輪61および第2車輪62が取り付けられている。
第2車輪取付フレーム68は、中央フレーム57の長手方向中央部(X方向中央部)に設けられている。第2車輪取付フレーム68の長手方向両端部(Y方向両端部)には、それぞれ第3車輪63および第4車輪64が取り付けられている。第2車輪取付フレーム68の幅(X方向の長さ)は、運搬用台車10同士をネスティングする際の妨げにならない程度に細くなっている。
第3車輪取付フレーム69は、中央フレーム57の長手方向他端部(X方向プラス側端部)に設けられている。第3車輪取付フレーム69の長手方向両端部(Y方向両端部)には、それぞれ第5車輪65および第6車輪66が取り付けられている。
車輪61〜66は、上述したように、第1車輪61、第2車輪62、第3車輪63、第4車輪64、第5車輪65および第6車輪66から構成されている。このうち第1車輪61、第2車輪62、第5車輪65および第6車輪66は、自在輪となっており、それぞれ水平な車軸に沿って回転するとともに、鉛直方向(Z方向)に延びる旋回軸によって旋回可能となっている。一方、第3車輪63および第4車輪64は、固定輪となっており、それぞれ水平な車軸に沿って回転する一方、鉛直方向(Z方向)軸周りには旋回不可能となっている。
なお、車輪61〜66は、運搬用台車10に積載物を載せて走行する際には、安定して直進走行できるように、中央の固定輪(第3車輪63および第4車輪64)と前後いずれか一方の自在輪(第1車輪61と第2車輪62、または、第5車輪65と第6車輪66)の2輪を組み合わせて、接地するようにしても良い。また、運搬用台車10に積載物を載せない場合には、切り回しやネスティングをしやすくし、小回りが利きやすくするため、中央の固定輪(第3車輪63および第4車輪64)を接地させずに、前後両方の自在輪(第1車輪61、第2車輪62、第5車輪65および第6車輪66)のみを接地させるようにしても良い。なお、これに限らず、台車本体50は、4輪の車輪61、62、65、66を有し、第2車輪取付フレーム68と第3車輪63および第4車輪64とを有していなくても良い。
また、連結部材53上には、折り畳み可能な底板58が設けられている。この底板58は、略直方体状であり、長手方向(X方向)において第1側枠51と第2側枠52との間に延び、短手方向(Y方向)において第1側枠51および第2側枠52と略同一の長さを有している。また、底板58は、運搬用台車10の積載物の荷重を保持するのに十分な強度を有している。
底板58は、連結部材53に対して移動可能であり、連結部材53上に配置される展開状態(図1、図2および図4参照)と、連結部材53に対して持ち上げられて第2側枠52の周囲に折り畳まれた折り畳み状態(図3参照)とをとることができる。すなわち、パネル11〜16が展開して箱状に組立てられた展開状態(図1、図2および図4参照)をとる場合、底板58は、水平な展開状態に配置される。一方、複数のパネル11〜16を折り畳んで折り畳み状態(図3参照)をとる場合、底板58は、垂直に持ち上げられて折り畳み状態に配置される。
図5に示すように、底板58は、中央連結杆54および縦杆55の内側(X方向マイナス側)に設けられた支点部58aを中心として回動自在となっている。この支点部58aは、底面パネル16(後述)よりも下方(Z方向マイナス側)に位置している。この場合、底板58と中央連結杆54または縦杆55とを連結する連結部(支点部58a)の全体が、パネル11〜16の外方に位置している。これにより、後述するように周囲が断熱材で囲まれている場合は、連結部が収容空間20(後述)と外気とに跨がって配置されることがなく、連結部がヒートブリッジとなって収容空間20の断熱性が低下してしまうことを防止することができる。また、底板58を折り畳み状態と展開状態との間で移動する間に、連結部(支点部58a)がパネル11〜16に干渉してしまうおそれもない。
(パネルの構成)
次に、図1乃至図3を参照して、パネル11〜16の構成について説明する。
パネル11〜16は、全体として台車本体50に対して展開および折り畳み自在に設けられており、上述したように、展開して箱状に組立てられた展開状態(図1)と、ネスティング可能となる折り畳み状態(図3)とをとることができる。また、図2は、パネル11〜16のうち正面パネル12のみが折り畳み状態にある場合を示している。
図1に示すように、パネル11〜16は、展開状態において略直方体形状となるものであり、天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、第1側面パネル14と、第2側面パネル15と、底面パネル16とを含んでいる。天面パネル11と、正面パネル12と、背面パネル13と、第1側面パネル14と、第2側面パネル15と、底面パネル16とは、その主たる面(各パネルを構成する6つの面のうち、最も広い互いに反対側を向く一対の面)がそれぞれ略長方形形状となっている。また、正面パネル12と背面パネル13とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有しており、第1側面パネル14と第2側面パネル15とは、その主たる面が互いに略同一の大きさを有している。各パネル11〜16は、それぞれ剛性をもつ板状の部材からなり、使用時に柔軟に変形しないようになっている。
展開状態において、6つのパネル11〜16に取り囲まれることにより、積載物を収容する収容空間20を形成することが可能である。これら各パネル11〜16を展開状態にすると、各パネル11〜16の間に略直方体形状の収容空間20が形成される。収容空間20は、後述するように周囲が断熱材で囲まれている場合は、外部との熱の流入や流出が制限され、断熱性を維持することができる。また、6つのパネル11〜16の少なくとも一部は、それぞれ隣接する他のパネル11〜16に対して移動可能に設けられている。これにより、運搬用台車10は、収容空間20が形成されている展開状態から、収容空間20が形成されない折り畳み状態に変更すること、および折り畳み状態から展開状態に変更することが可能である。このため、運搬用台車10を使用しない場合には、パネル11〜16を折り畳み状態とすることにより、他の運搬用台車10とネスティングすることが可能となる。また展開状態において、6つのパネル11〜16は、それぞれその周縁が他のいずれかのパネル11〜16と密着するようになっており、これにより収容空間20の密閉性が確保されている。
6つのパネル11〜16は、後述するように、それぞれ真空断熱材41を含む断熱部40を有する断熱パネルを含んでいる(図7参照)。なお、本実施の形態では、6つのパネル11〜16は、それぞれ真空断熱材41を含んでいるが、これに限定されるものではない。一部または全部のパネル11〜16は、例えば発泡断熱材等の断熱材を含んでいてもよい。
次に、各パネル11〜16それぞれの構成について更に説明する。なお、以下において、「パネル11〜16(部分パネル)が所定の面に対して平行(垂直)である」とは、「パネル11〜16(部分パネル)の主たる面が所定の面に対して平行(垂直)である」ことを意味する。
(天面パネル)
天面パネル11は、展開状態(図1)において、天面側(Z方向プラス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。また、展開状態において、天面パネル11は、台車本体50の第1側枠51および第2側枠52と、第1側面パネル14と、正面パネル12との上方に配置される。また天面パネル11は、背面パネル13よりも正面側(Y方向マイナス側)に配置され、第2側面パネル15よりも第1側面側(X方向マイナス側)に配置される。
この天面パネル11は、部分的に開閉可能な構造であり、第1側枠51側に位置する第1天面部分パネル11aと、第2側枠52側に位置するとともに、第1天面部分パネル11aよりも大きい第2天面部分パネル11bと、を有している。このうち第1天面部分パネル11aは、第1天面ヒンジ部材21c(図10(a)−(c)参照)を介して第1側面パネル14に対して折り畳み自在に取り付けられている。また、第2天面部分パネル11bは、第2天面ヒンジ部材21d(図10(a)−(c)参照)を介して第1天面部分パネル11aに対して折り畳み自在に取り付けられている。
第1天面部分パネル11aと第2天面部分パネル11bとは、展開状態(図1)において、ともに水平(XY平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図3)においては、第1天面部分パネル11aは水平に配置される一方、第2天面部分パネル11bは、下方に向けて折り畳まれ、第1天面部分パネル11aから垂れ下がるように配置される。
このとき、第2天面部分パネル11bは、第1側枠51の内側周囲に配置され、YZ平面に平行となる。
天面パネル11は、隣接する背面パネル13に対して図示しない着脱部材(面ファスナー)によって着脱自在に連結されている。具体的には、第1天面部分パネル11aは、第1背面部分パネル13a(後述)に対して着脱自在に連結され、第2天面部分パネル11bは、第1背面部分パネル13aおよび第2背面部分パネル13b(後述)に対して着脱自在に連結されている。また、第2天面部分パネル11bは、隣接する第2側面パネル15に対して着脱自在に連結されている。
(正面パネル)
正面パネル12は、展開状態(図1)において、天面パネル11よりも下方かつ底面パネル16よりも上方であって、背面パネル13よりも正面側(Y方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。
また、展開状態において、正面パネル12は、第1側面パネル14と第2側面パネル15との間に配置される。
この正面パネル12は、折り畳み可能な構造であり、第1側枠51側に位置する第1正面部分パネル12aと、中間に位置する第2正面部分パネル12bと、第2側枠52側に位置する第3正面部分パネル12cとを有している。このうち第1正面部分パネル12aは、第1正面ヒンジ部材22a(図9(a)−(c)参照)を介して第1側面パネル14に折り畳み自在に取り付けられている。また、第2正面部分パネル12bは、第2正面ヒンジ部材22b(図9(a)−(c)参照)を介して第1正面部分パネル12aに対して折り畳み自在に取り付けられている。さらに、第3正面部分パネル12cは、第3正面ヒンジ部材22c(図9(a)−(c)参照)を介して第2正面部分パネル12bに折り畳み自在に取り付けられている。
第1正面部分パネル12aと第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとは、展開状態(図1)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図3)においては、第1正面部分パネル12aは、第1側面パネル14の正面側(Y方向マイナス側)に位置する。また、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとは、互いに重なるように折り畳まれ、さらに鉛直軸(Z方向軸)周りに回転して、第1側面パネル14の外側(X方向マイナス側)に配置される。このとき、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとは、折り重なって第1側枠51の外側周囲に配置され、YZ平面に平行となる。
このように、折り畳み状態で、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cを第1側枠51よりも外側(X方向マイナス側)に配置することにより、積載物を収容する収容空間20を広く確保することができる。また、底板58を第2側枠52側に持ち上げる際に、第1正面部分パネル12a、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cが移動中の底板58に干渉することを防止している。なお、第1正面部分パネル12aの幅(X方向の長さ)は、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cの幅(X方向の長さ)よりも短く、第2正面部分パネル12bの幅(X方向の長さ)は、第3正面部分パネル12cの幅(X方向の長さ)と略同一である。また、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cの幅は、第1側枠51の幅(Y方向の長さ)と略同一、あるいは第1側枠51の幅よりも長くなっている。
正面パネル12は、隣接する天面パネル11に対して図示しない着脱部材(面ファスナー)によって着脱自在に連結されている。具体的には、第1正面部分パネル12aは、第1天面部分パネル11aに対して着脱自在に連結され、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cは、第2天面部分パネル11bに対してそれぞれ着脱自在に連結されている。また、正面パネル12は、隣接する底面パネル16に対して図示しない着脱部材(面ファスナー)よって着脱自在に連結されている。具体的には、第1正面部分パネル12a、第2正面部分パネル12bおよび第3正面部分パネル12cは、底面パネル16に対してそれぞれ着脱自在に連結されている。さらに、正面パネル12の第3正面部分パネル12cは、隣接する第2側面パネル15に対して着脱自在に連結されている。
(背面パネル)
背面パネル13は、展開状態(図1)において、天面パネル11、正面パネル12、第1側面パネル14、第2側面パネル15および底面パネル16よりも背面側(Y方向プラス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。
この背面パネル13は、折り畳み可能な構造であり、第1側枠51側に位置する第1背面部分パネル13aと、第2側枠52側に位置する第2背面部分パネル13bとを有している。このうち第2背面部分パネル13bは、第1背面ヒンジ部材23a(図11(a)−(c)参照)を介して第1背面部分パネル13aに対して折り畳み自在に取り付けられている。また、第1背面部分パネル13aは、第1側面パネル14に固定されている。
第1背面部分パネル13aと第2背面部分パネル13bとは、展開状態(図1)において、ともに水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。一方、折り畳み状態(図3)においては、第2背面部分パネル13bは、第1背面部分パネル13aに重なるように折り畳まれ、第1背面部分パネル13aよりも外側(Y方向プラス側)に配置される。このとき、第1背面部分パネル13aは、折り畳まれることなく背面側に残る。すなわち第1背面部分パネル13aは、折り畳み状態においても、展開状態と同様の位置にあり、水平面(XY平面)に対して垂直(ZX平面に平行)に配置される。また、第1背面部分パネル13aと第2背面部分パネル13bとは、折り重なって第1側枠51に対して垂直に配置され、ZX平面に平行となる。このように、折り畳み状態において、第2背面部分パネル13bが取り除かれることにより、背面パネル13は開放される。
この背面パネル13が開放された部分は、水平方向(X方向)に所定の幅を有する(図3)。なお、第1背面部分パネル13aと第2背面部分パネル13bとの折り畳み方によっては、背面パネル13が水平方向(X方向)全域にわたって開放されても良い。
また、背面パネル13の第2背面部分パネル13bは、隣接する第2側面パネル15に対して図示しない着脱部材(面ファスナー)によって着脱自在に連結されている。さらに、背面パネル13は、隣接する底面パネル16に対して図示しない着脱部材(面ファスナー)によって着脱自在に連結されている。
(第1側面パネル)
第1側面パネル14は、展開状態(図1)および折り畳み状態(図3)の両方において第1側枠51側(X方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。この第1側面パネル14は、一枚の板状の部材から構成される。また、第1側面パネル14は、展開状態(図1)および折り畳み状態(図3)の両方において、移動することなく、台車本体50の第1側枠51の外側周囲に配置され、YZ平面に平行となっている。第1側面パネル14は、第1側枠51の外側全体を覆う程度の大きさとなっている。
なお、第1側面パネル14の構成は、後述する第2側面パネル15の構成と略同様であり、第1側面パネル14は、後述する取付部材81と略同様の取付部材(図示せず)によって第1側枠51に対して着脱自在に取り付けられている。
(第2側面パネル)
第2側面パネル15は、展開状態(図1)および折り畳み状態(図3)の両方において第2側枠52側(X方向プラス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。この第2側面パネル15は、一枚の板状の部材から構成される。また、第2側面パネル15は、展開状態(図1)および折り畳み状態(図3)の両方において、移動することなく、台車本体50の第2側枠52の外側周囲に配置され、YZ平面に平行となっている。第2側面パネル15は、第2側枠52の外側全体を覆う程度の大きさとなっている。
この第2側面パネル15は、第2側枠52の外側(X方向プラス側)に固定されており、取付部材81によって第2側枠52に取り付けられている。この取付部材81は、第2側面パネル15に複数(4つ)取り付けられており、第2側面パネル15の上部(Z方向プラス側)に2つ、第2側面パネル15の下部(Z方向マイナス側)に2つ配置されている。具体的には、2つの取付部材81が、第2側枠52の最も上部の横桟56に対して着脱自在に取り付けられ、2つの取付部材81が、第2側枠52の最も下部の横桟56に対して着脱自在に取り付けられている。
図6に示すように、取付部材81は、柔軟な紐状の部材から構成される。具体的には、取付部材81は、第2側面パネル15のX方向マイナス側の主面にそれぞれ縫合等により固定された一対の布片82a、82bから構成されている。また、各取付部材81は、一方の布片82aに取り付けられた一方の面ファスナー(フック部またはループ部)83aと、他方の布片82bに取り付けられた他方の面ファスナー(ループ部またはフック部)83bとを含んでいる。一対の布片82a、82bを横桟56の上下にそれぞれ配置し、一対の面ファスナー83a、83bを互いに密着させることにより、取付部材81が横桟56に取り付けられる。また、一対の面ファスナー83a、83bを互いに剥離し、一対の布片82a、82bをそれぞれ横桟56から引き離すことにより(図6の仮想線)、取付部材81が横桟56から取り外される。このようにして、取付部材81を用いて、第2側面パネル15が第2側枠52の横桟56に着脱自在に取り付けられている。なお、取付部材81は、第2側枠52の一部に取り付けられれば良い。すなわち取付部材81は、横桟56に限らず、縦杆55または中央連結杆54に対して着脱自在に取り付けられても良い。また、取付部材81は、第2側面パネル15に対して必ずしも固定(固着)されていなくても良く、例えば面ファスナーにより第2側面パネル15に対して着脱自在に取り付けられていても良い。
(底面パネル)
底面パネル16は、展開状態(図1)において、底面側(Z方向マイナス側)に位置するパネルであり、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。また、展開状態において、底面パネル16は、台車本体50の底板58上であって、第1側枠51と第2側枠52との間に配置される。底面パネル16は、一枚の板状の部材から構成され、持ち上げることにより折り畳み可能な構造を有する。この底面パネル16は、底面ヒンジ部材(図示せず)を介して第1側枠51に対して折り畳み自在に取り付けられている。
底面パネル16は、展開状態(図1)において、水平面(XY平面)に対して平行に配置される。一方、折り畳み状態(図3)において、底面パネル16は、第1側枠51の内側(X方向プラス側)に重なるように折り畳まれ、第1側枠51の内側周囲に位置する。
すなわち折り畳み状態において、底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。このとき、底面パネル16は、例えば図示しない面ファスナーを介して第1側枠51に着脱可能に取り付けられる。
なお、上述した天面ヒンジ部材21a、第1正面ヒンジ部材22a、第2正面ヒンジ部材22b、第3正面ヒンジ部材22c、第1背面ヒンジ部材23a、第2背面ヒンジ部材23bおよび底面ヒンジ部材(図示せず)は、それぞれ例えば折曲自在な接続布(接続部材)から構成されても良い。このように、各ヒンジ部材21a、22a、22b、22c、23a、23a、23b、26aを接続布から構成することにより、各パネル(部分パネル)を容易に展開したり折り畳んだりすることができる。
図3は、上述したように、パネル11〜16が折り畳み状態にある場合を示している。
図3に示すように、折り畳み状態において、各パネル11〜16の少なくとも一部がそれぞれ第1側枠51または第2側枠52の周囲に折り畳まれている。
すなわち、第1側枠51の周囲には、外側(X方向マイナス側)から順に、第2正面部分パネル12bと、第3正面部分パネル12cと、第1側面パネル14と、底面パネル16と、第2天面部分パネル11bとが重なっている。なお、第1側枠51は、第1側面パネル14と底面パネル16との間に位置する。また、第2側枠52の周囲には、外側(X方向プラス側)から順に、第2側面パネル15と、底板58とが重なっている。なお、第2側枠52は、第2側面パネル15と底板58との間に位置する。
この場合、第1側枠51および第2側枠52の周囲には、それぞれ第1パネル群G1および第2パネル群G2が形成されている。このうち第1パネル群G1は、第2正面部分パネル12bと、第3正面部分パネル12cと、第1側面パネル14と、第1側枠51と、底面パネル16と、第2天面部分パネル11bとによって構成される。また、第2パネル群G2は、第2側面パネル15と、第2側枠52と、底板58とによって構成される。なお、本実施の形態において、第1パネル群G1(第2パネル群G2)には、各パネル11〜16の全部または一部だけでなく、第1側枠51(第2側枠52)や底板58も含まれる。
各パネル11〜16の厚みは、それぞれ例えば5mm以上50mm以下とすることが好ましい。本実施の形態において、各パネル11〜16の厚みが互いに同一である場合を例にとって説明するが、各パネル11〜16の厚みが互いに異なっていても良い。また、第1側枠51および第2側枠52の厚み(X方向の長さ)は、例えば10mm以上50mm以下である。
(パネルの内部構造)
次に、各パネル11〜16の構造について説明する。図7は、各パネル11〜16の断熱部40を示す断面図である。図8(a)(b)は、断熱部40に含まれる真空断熱材41を示す断面図である。
図7に示すように、各パネル11〜16の断熱部40は、真空断熱材41と、発泡断熱材42と、断熱外囲部43と、断熱材保護部材44と、遮熱シート45とを有している。
このうち真空断熱材41は、発泡断熱材42に取り付けられている。この真空断熱材41は、芯材41aと、芯材41aの周囲に設けられた外装材41bとから構成されている。真空断熱材41の収容空間20側(図7の下方側)には、発泡断熱材42が配置されている。これにより、収容空間20に入れた積載物がぶつかったときに真空断熱材41が破損する危険性を低減することができる。
発泡断熱材42は、真空断熱材41の少なくとも収容空間20側に隣接して配置することができる。発泡断熱材42には、公知の発泡性の断熱材を用いることができ、例えばポリウレタン発泡体およびポリスチレン発泡体の一方または両方であってもよい。
断熱外囲部43は、真空断熱材41を取り囲むように形成されている。この断熱外囲部43は、発泡断熱材42上に配置されており、発泡断熱材42に固定されている。断熱外囲部43が真空断熱材41を取り囲むように配置されていることにより、断熱外囲部43が配置されていない場合と比べて、断熱性能が向上する。また、真空断熱材41を発泡断熱材42と略同一面積とし、断熱外囲部43を用いないパネル構成も可能である。この場合、より断熱性能の向上が図れるが、断熱外囲部43が無い分、脇からの鋭利なものの侵入による真空断熱材41の破袋に対しては弱くなる恐れはある。なお、断熱外囲部43と真空断熱材41との間には若干の隙間が形成されており、真空断熱材41の大きさが多少変化した場合であっても、真空断熱材41を断熱外囲部43内に収容できるようになっている。
また、断熱材保護部材44は、断熱外囲部43上に設けられており、主として真空断熱材41を保護する役割を果たす。この断熱材保護部材44としては、例えば有機高分子製の保護材を用いることができる。
遮熱シート45は、真空断熱材41、発泡断熱材42、断熱外囲部43および断熱材保護部材44の外周全体を包むように配置されている。この遮熱シート45は、真空断熱材41と発泡断熱材42との全体を覆って配置することができる。遮熱シート45としては、例えば金属箔を含む多層シートや、樹脂シートの片面に蒸着層が形成された蒸着シート等があげられる。
次に、真空断熱材41について更に説明する。図8(a)に示すように、真空断熱材41は、芯材41aと、ガスバリア性を有する外装材41bとから構成されており、外装材41b内を減圧して得られる断熱材である。図8(b)は、真空断熱材41の他の一例である。図8(a)では、真空断熱材41の内部の両端に空隙が形成されているが、図8(b)では、空隙が形成されていない。空隙は、真空断熱材41の製造方法の違いにより形成されたり形成されなかったりする。
芯材41aは、従来から使用される公知の真空断熱材の芯材に用いられる材料を使用することができ、例えば、シリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体を使用してもよい。
外装材41bは、芯材41aの外周を覆う部材であり、芯材から熱溶着層、ガスバリア層が順に積層された可撓性を有するシートを使用してもよい。ガスバリア層は、金属箔、樹脂シートの片面に蒸着層が形成された蒸着シート等を使用してもよい。金属箔は、例えばアルミニウムを使用することができる。蒸着層は、例えば、アルミニウム、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物を使用することができる。
(運搬用台車の分解および組立て)
次に、運搬用台車10を分解および組立てする際の作用について説明する。図9乃至図11は、運搬用台車10を順番に分解する工程の一部を説明する図である。
(運搬用台車の分解)
まず、図1に示すように、運搬用台車10の6つのパネル11〜16が展開して箱状に組立てられている場合(展開状態)を想定する。このとき、各パネル11〜16の間には、略直方体形状の収容空間20が形成されている。なお、図示しないが、収容空間20内には、食品等の積載物が収納されていても良い。
次に、図2に示すように、正面パネル12を折り畳むことにより、正面パネル12が展開状態から折り畳み状態に移行する。
この間、まず図9(a)に示すように、第3正面部分パネル12cが第2正面部分パネル12bに重なるように折り畳まれる。具体的には、第3正面部分パネル12cが、第3正面ヒンジ部材22cを中心として第2正面部分パネル12bに対して平面視で時計回りに回転する。
続いて、図9(b)に示すように、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとが互いに重なり、この状態で、第2正面ヒンジ部材22bを中心として第1正面部分パネル12aに対して平面視で時計回りに回転する。
その後、図9(c)に示すように、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとが、第1側枠51の外側周囲に移動する。具体的には、第1正面部分パネル12aが、第1正面ヒンジ部材22aを中心として第1側面パネル14に対して平面視で時計回りに回転する。この際、第1正面部分パネル12aが、第1側面パネル14に対して正面側(Y方向マイナス側)に位置し、第2正面部分パネル12bと第3正面部分パネル12cとが、第1側枠51に対して外側(X方向マイナス側)に位置する。このようにして、正面パネル12が折り畳み状態となり、運搬用台車10の正面側が水平方向(X方向)に完全に開放される(図2参照)。なお、収容空間20内に積載物が収納されている場合には、この状態で正面側から積載物を外部に取り出しても良い。
次に、底面パネル16を折り畳むことにより、底面パネル16が展開状態から折り畳み状態に移行する(図3参照)。このとき、底面パネル16を、第1側枠51に対して正面視で反時計回りに回転させる。これにより、底面パネル16は、第1側枠51の内側(X方向プラス側)に重なるように折り畳まれ、第1側枠51の内側周囲に位置する。すなわち底面パネル16は、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。この場合、底面パネル16は、図示しない面ファスナーによって第1側枠51に取り付けられる。
次いで、底板58を折り畳むことにより、底板58が展開状態から折り畳み状態に移行する(図3参照)。この間、底板58は、第2側枠52に対して正面視で時計回りに回転し、第2側枠52の内側(X方向マイナス側)に重なるように折り畳まれて、第2側枠52の内側周囲に位置する。すなわち底板58は、水平面(XY平面)に対して垂直(YZ平面に平行)に配置される。この場合、底板58は、図示しない固定手段により第2側枠52に取り付けられる。
続いて、図10(a)−(c)に示すように、天面パネル11を折り畳むことにより、天面パネル11が展開状態から折り畳み状態となる。
この間、まず図10(a)(b)に示すように、第1天面部分パネル11aが、第1天面ヒンジ部材21cを中心として第1側面パネル14に対して正面視で反時計回りに回転し、第2天面部分パネル11bが、第2天面ヒンジ部材21dを中心として第1天面部分パネル11aに対して正面視で時計回りに回転する。
続いて、図10(c)に示すように、第2天面部分パネル11bが、第1側枠51の内側周囲に移動する。具体的には、第1天面部分パネル11aが、第1天面ヒンジ部材21cを中心として第1側面パネル14に対して正面視で時計回りに回転し、第2天面部分パネル11bが、第2天面ヒンジ部材21dを中心として第1天面部分パネル11aに対して正面視で時計回りに回転する。これにより、第2天面部分パネル11bは、下方に向けて折り畳まれ、第1天面部分パネル11aから垂れ下がるように配置される。このとき、第2天面部分パネル11bは、第1側枠51の内側周囲であって、底面パネル16に対して内側(X方向プラス側)に配置される。
次に、図11(a)(b)に示すように、背面パネル13を折り畳むことにより、背面パネル13が展開状態から折り畳み状態となる。
この間、まず図11(a)(b)に示すように、第2背面部分パネル13bが、第1背面ヒンジ部材23aを中心として第1背面部分パネル13aに対して平面視で反時計回りに回転する。これにより、第2背面部分パネル13bは、第1背面部分パネル13aに重なるように折り畳まれ、第1背面部分パネル13aの外側(Y方向プラス側)に配置される。一方、第1背面部分パネル13aは、折り畳み状態においても展開状態と同一の位置を維持する。
このようにして、運搬用台車10の6つのパネル11〜16が、全て折り畳み状態となる。以上のように、運搬用台車10を使用しない場合には、パネル11〜16を折り畳み、できる限り全体の体積を小さくして保管、輸送することができる。
(運搬用台車の組立)
運搬用台車10の組立方法は、上述した分解方法の逆の順に行うことによってできる。
すなわち、まず、図11(a)(b)の逆作業から開始する。すなわち、背面パネル13を折り畳み状態から展開状態とする。次いで、図10(a)−(c)の逆作業を行う。
すなわち、天面パネル11を折り畳み状態から展開状態とする。次に、底板58および底面パネル16を折り畳み状態から展開状態とする。最後に、図9(a)−(c)の逆作業として、正面パネル12を折り畳み状態から展開状態とすることにより、組立作業が完了する。
このように本実施の形態によれば、複数のパネル11〜16は、展開して箱状に組立てられた展開状態と、他の運搬用台車10とネスティング可能となる折り畳み状態とをとることができる。これにより、パネル11〜16を展開状態にすることにより、パネル11〜16の内部に積載物を収納可能かつ気密性の高い収容空間20を形成することができる。一方、運搬用台車10を使用しない場合には、パネル11〜16を折り畳み状態にすることにより、他の同一の運搬用台車10とネスティングしてこれらの運搬用台車10をコンパクトに保管しておくことができる。このように、パネル11〜16の折り畳み作業および組み立て作業を容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、第1側面パネル14は、取付部材(図示せず)によって第1側枠51に着脱自在に取り付けられ、第2側面パネル15は、取付部材81によって第2側枠52に着脱自在に取り付けられている。これにより、第1側面パネル14および第2側面パネル15を台車本体50に対して確実に固定することができる。
また、本実施の形態によれば、取付部材81は、第1側枠51または第2側枠52に着脱自在に取り付けられる一対の面ファスナー83a、83bを含む。これにより、第1側面パネル14および第2側面パネル15を台車本体50に確実に固定できるとともに、必要に応じて、第1側面パネル14および第2側面パネル15を台車本体50から容易に取り外すことができる。例えば、台車本体50のみを使用する際や、パネル14、15を交換する際に、パネル14、15の取り外し作業を容易に行うことができる。
(変形例)
次に、図12乃至図29を参照して、運搬用台車の各種変形例について説明する。図12乃至図29は、運搬用台車の各種変形例を示す図である。図12乃至図29において、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。なお、図12乃至図23に示す各変形例においては、第2側面パネル15を例にとって説明するが、第1側面パネル14についても同様に構成することができる。
(変形例1)
図12および図13(a)(b)は、変形例1による運搬用台車10を示している。図12において、第2側面パネル15は、取付部材81Aによって第2側枠52の外側に取り付けられており、この場合、取付部材81Aは、第2側枠52の上端に嵌め込まれたキャップからなっている。このキャップからなる取付部材81Aは、下方(Z方向マイナス側)に向けて開口した略直方体の箱形状からなっている。また、取付部材81Aは、第2側面パネル15の上部(Z方向プラス側)に一対(複数)固定されており、この一対の取付部材81Aが、第2側枠52の一対の縦杆55の上端にそれぞれ着脱自在に嵌め込まれている。
取付部材81Aは、第2側面パネル15に対して縫合や面ファスナー等、着脱可能または不可能な方式で取り付けられても良い。取付部材81Aの材料は、樹脂、ゴム、金属等、特に限定されるものではないが、弾力性がある材質とすることが好ましい。この場合、取付部材81Aを多少弾性変形させながら縦杆55の上端にしっかり嵌るようにすることにより、第2側面パネル15の左右のぐらつきを起きにくくすることができる。
図13(a)(b)に示すように、第2側面パネル15に固定された一対の取付部材81Aを、それぞれ上方から第2側枠52の一対の縦杆55に嵌め込むことにより、第2側面パネル15を、第2側枠52に着脱可能に取り付けることができる。
この場合、キャップからなる取付部材81Aを第2側枠52の縦杆55に被せることにより、自重で第2側面パネル15が第2側枠52にしっかり固定され、第2側面パネル15のずれが生じにくい。また、取付部材81Aに弾力性がある場合、弾性変形を伴って取付部材81Aを第2側枠52の縦杆55に被せることにより、より安定して第2側面パネル15を第2側枠52に取り付けることができる。このため、第2側面パネル15の着脱が容易であるとともに、第2側面パネル15の位置ずれ等に対する安定性を高めることができる。
(変形例2)
図14および図15(a)(b)は、変形例2による運搬用台車10を示している。図14において、第2側面パネル15は、取付部材81Bによって第2側枠52の外側に取り付けられている。この場合、取付部材81Bは、第2側枠52に嵌め込まれる嵌め込み部材からなっている。この嵌め込み部材からなる取付部材81Bは、下側に開口部84を有する略逆凹字状のブロック状の部材からなっている。また、取付部材81Bは、第2側面パネル15の上下(Z方向)に互いに間隔を空けて一対(複数)固定されており、この一対の取付部材81Bが、縦杆55と横桟56とによって形成される隙間にそれぞれ着脱自在に嵌め込まれている。
取付部材81Bは、第2側面パネル15に対して縫合や面ファスナー等、着脱可能または不可能な方式で取り付けられても良い。取付部材81Bの材料は、ゴム、発泡剤、プラスチック等、特に限定されるものではないが、硬質かつ多少柔軟性がある材料とすることが好ましい。例えば、発泡スチロール材料からなる取付部材81Bを用い、取付部材81Bを使い捨て可能にしてもよい。このように取付部材81Bを縦杆55と横桟56との隙間にしっかり嵌め込むことにより、第2側面パネル15を第2側枠52の正しい位置に位置決めし、固定することができる。
図15(a)に示すように、取付部材81Bは、縦杆55と横桟56との隙間の全域を埋める必要はなく、当該隙間内で上下左右(Z方向両側及びY方向両側)にずれない形状であれば良い。また、取付部材81Bが下側の開口部84を有することにより、第1側枠51および第2側枠52に、取り外し可能な中間棚59を設けたとき(図14の仮想線)、この中間棚59が取付部材81Bと干渉しないようにすることができる。なお、中間棚59を避けるスペースが十分に存在しない場合は、縦杆55と横桟56との隙間内で上および左右(Z方向プラス側及びY方向両側)の3方向だけ縦杆55および横桟56と接するようにしても良い(図15(b))。この場合、取付部材81Bの左右両下端(Y方向両側下端)に、薄い金属片等、中間棚59と干渉しない薄いスペーサ(図示せず)を設けてもよい。
この取付部材81Bは、その弾性力により縦杆55と横桟56との隙間内に弾性変形を伴って固定される。取付部材81Bは、弾性変形により縦杆55と横桟56との隙間を埋めるように入り込むため、第2側面パネル15を第2側枠52に確実に位置決めすることができる。また、取付部材81Bは、弾性変形により第2側枠52から簡単には離脱しないが、必要に応じて、取付部材81Bを第2側枠52から取り外すことができる。
(変形例3)
図16および図17(a)(b)は、変形例3による運搬用台車10を示している。図16において、第2側面パネル15は、取付部材81によって第2側枠52の外側に取り付けられており、この場合、取付部材81は、上述した実施の形態と同様に、紐状の部材から構成されている(図6参照)。また、第2側面パネル15には、第2側枠52との位置決めを行う位置決め部材85が設けられている。位置決め部材85は、第2側面パネル15に複数(4つ)取り付けられており、具体的には第2側面パネル15の両側(Y方向両側)に設けられた2つの位置決め部材85aと、第2側面パネル15の上下(Z方向)に設けられた2つの位置決め部材85bとを含む。このうち左右の2つの位置決め部材85aは、第2側面パネル15の横方向(Y方向両側)への移動を規制し、上下の2つの位置決め部材85bは、第2側面パネル15の下方向(Z方向マイナス側)への移動を規制する。なお、第2側面パネル15の自重により第2側面パネル15は上方向(Z方向プラス側)には動きにくいため、第2側面パネル15の上方向への移動は規制しなくても良い。
位置決め部材85は、第2側面パネル15に対して縫合や面ファスナー等、着脱可能または不可能な方式で取り付けられても良い。位置決め部材85の材料は、ゴムのように多少の柔軟性がある材料でもよく、硬質プラスチックや金属、カーボン等硬い部材であっても良い。左右の2つの位置決め部材85aは、第2側枠52の外側に配置しても良く(図17(a))、第2側枠52の内側に配置しても良い(図17(b))。なお、左右の2つの位置決め部材85aが正面パネル12や背面パネル13と干渉する場合は、これらの位置決め部材85aを第2側枠52の内側に配置することが好ましい(図17(b))。
このように、第2側面パネル15に位置決め部材85を設けることにより、第2側面パネル15の上下左右方向の移動が規制され、第2側面パネル15の位置ずれを抑えることができる。
(変形例4)
図18および図19(a)(b)は、変形例4による運搬用台車10を示している。図18において、第2側面パネル15は、取付部材81によって第2側枠52の外側に取り付けられている。この場合、取付部材81は、上述した実施の形態と同様に、紐状の部材から構成されている(図6参照)。また、第2側面パネル15には、第2側枠52との位置決めを行う位置決め部材86が設けられている。この位置決め部材86は、第2側枠52の下側を除く外周全域を覆っている。具体的には、位置決め部材86は、第2側枠52の両側(Y方向両側)を覆う2つの位置決め部材86aと、第2側枠52の上方(Z方向プラス側)を覆う位置決め部材86bとを含む。このうち左右の2つの位置決め部材86aが、第2側面パネル15の横方向(Y方向両側)への移動を規制し、上方の位置決め部材86bが、第2側面パネル15の下方向(Z方向マイナス側)への移動を規制する。なお、第2側面パネル15は、自重により上方向(Z方向プラス側)には動きにくいため、第2側面パネル15の上方向への移動は規制しなくても良い。
位置決め部材86は、第2側面パネル15に対して縫合や面ファスナー等、着脱可能または不可能な方式で取り付けられても良い。位置決め部材86の材料は、発泡スチロール等の使い捨て可能な部材であっても良い。左右の2つの位置決め部材86aと上方の位置決め部材86bとは、互いに別部材からなっていても良い(図19(a))。あるいは、位置決め部材86が、第2側枠52の左右両側と上方とを覆う一体化された部材からなっていても良い(図19(b))。
このように、第2側枠52の外周を覆う位置決め部材86を設けることにより、第2側面パネル15の位置決めの安定性をより向上することができる。
(変形例5)
図20および図21(a)(b)は、変形例5による運搬用台車10を示している。図20において、第2側面パネル15は、取付部材81Cによって第2側枠52の外側に取り付けられている。この場合、取付部材81Cは、第2側枠52に引っかける爪部87を有している。具体的には、取付部材81Cの爪部87は、第2側枠52の横桟56に対して上方(Z方向プラス側)から引っ掛かり、第2側面パネル15を第2側枠52に対して着脱自在に取り付けるようになっている。
取付部材81Cは、第2側面パネル15に対して縫合や面ファスナー等、着脱可能または不可能な方式で取り付けられても良い。取付部材81Cの材料は、樹脂または金属等であっても良い。なお、第2側面パネル15は、自重により上方向(Z方向プラス側)には動きにくい。一方、第2側面パネル15の横方向(Y方向両側)への移動を規制するため、2つの取付部材81Cが例えば一対の縦杆55の内側で、縦杆55に隣接するように配置されていても良い(図21(a))。また、第2側面パネル15の上部(Z方向プラス側)と下部(Z方向マイナス側)に一対ずつ、4つの取付部材81Cが配置されていても良い(図21(b))。
この場合、第2側面パネル15に設けられた取付部材81Cの爪部87を、第2側枠52の横桟56に対して引っかけるだけで、第2側面パネル15を第2側枠52に取り付けることができるので、第2側面パネル15の取付け作業を簡単に行うことができる。
(変形例6)
図22および図23(a)(b)は、変形例6による運搬用台車10を示している。図22おいて、第2側面パネル15は、取付部材81Dによって第2側枠52の外側に取り付けられている。この場合、取付部材81Dは、台車本体50に取り付けられ、第2側面パネル15の下端(Z方向マイナス側)を支持する支持部材である。具体的には、取付部材81Dは、台車本体50の車輪取付フレーム69の外側(X方向プラス側)に固定されており、車輪取付フレーム69から上方(Z方向プラス側)に向けて延びている。また、取付部材81Dは、第2側面パネル15の下端を支持する下端支持部88aと、第2側面パネル15の主たる面を側方(X方向プラス側)から支持する側面支持部88bとを有している。この側面支持部88bと第2側枠52との間には隙間が形成されており、この隙間に第2側面パネル15が挿入されることにより、第2側面パネル15が下端支持部88aによって支持され、第2側面パネル15が第2側枠52に対して着脱自在に取り付けられる。
取付部材81Dの材料は、樹脂または金属等であっても良い。取付部材81Dは、側面視で略T字形状を有しており、第2側面パネル15の外方向(X方向プラス側)および下方向(Z方向マイナス側)への移動が規制されている(図23(a))。また、側面支持部88bの高さ(Z方向距離)は、第2側枠52の高さ(Z方向距離)よりも低くなっている(図23(a))。
図23(b)に示すように、取付部材81Dを第1側枠51側にも設ける場合、第2側枠52側の取付部材81Dと、第1側枠51側の取付部材81Dとは、台車本体50の中心に対して平面視で点対称に配置することが好ましい。この場合、第2側枠52側の取付部材81Dは、車輪取付フレーム69上のY方向プラス側の位置に配置され、第1側枠51側の取付部材81Dは、車輪取付フレーム67上のY方向マイナス側の位置に配置される。これにより、ネスティング時に、取付部材81Dが他の運搬用台車10に干渉しないようになっている。
第2側面パネル15を取り付ける際、上方から第2側面パネル15を取付部材81Dと第2側枠52との間に差し込むだけで、第2側面パネル15を容易に固定することができる。さらに、このような構成により、第2側面パネル15の内外へ熱伝達する部材(ヒートブリッジ)が介在しないため、収容空間20の断熱性能が低下することを防ぐことができる。また、取付部材81Dにより台車本体50およびパネル11〜16の全体の強度を向上させることができる。さらに、第2側面パネル15に損傷しやすい材料を用いた場合でも、第2側面パネル15を一切加工せずに、第2側面パネル15を第2側枠52に対して確実に位置決めおよび固定することができる。
なお、取付部材81Dに加えて、例えば紐状の取付部材81等を併用して第2側面パネル15を第2側枠52に取り付ける場合、取付部材81Dは、下端支持部88aのみから構成され、側面支持部88bを有していなくても良い。また、取付部材81Dを台車本体50に取り付ける位置は、車輪取付フレーム69に限定されない。すなわち、取付部材81Dの取り付け位置は、台車本体50の底板58の上面よりも下側(Z方向マイナス側)の領域であって、運搬用台車10のネスティング時に他の運搬用台車10と干渉しない任意の場所に取り付けることができる。例えば、側面視で略L字形状の取付部材81Dを中央連結杆54に取り付けても良い。
(変形例7)
図24および図25(a)−(c)は、変形例7による運搬用台車10を示している。
図24において、台車本体50は、台車本体50を押すための持ち手91を有しており、持ち手91は、変形可能な構造となっている。持ち手91は、一対の横フレーム91aと、各横フレーム91aからそれぞれ上方(Z方向プラス側)に延びる一対の縦フレーム91bと、縦フレーム91bから外側(X方向プラス側)に延びる持ち手先端部91cとを有している。
このうち横フレーム91aは、台車本体50の下端(車輪取付フレーム69)から外側(X方向プラス側)に向けて張り出している。また、各縦フレーム91bは、中空のパイプ状部材からなり、上端にそれぞれスリット91dが形成されている。持ち手先端部91cは、運搬用台車10の進行方向に垂直な水平方向(Y方向)の軸回りに回転可能となっており、持ち手先端部91cを当該軸周りに回転させることにより、縦フレーム91bの内部に収納可能となっている。すなわち、持ち手先端部91cを正面視で反時計回りに回転し、鉛直方向に向ける(図25(a)(b))。その後、持ち手先端部91cのガイド部91eを縦フレーム91bのスリット91dに沿って下降させることにより、持ち手先端部91cが縦フレーム91bの内部に収納される(図25(c))。
このように、持ち手91を簡単に変形し、持ち手先端部91cを縦フレーム91b内に収納することにより、運搬用台車10の進行方向側(X方向)のサイズを小さくすることができ、運搬用台車10のネスティングをより良好に行うことができる。
(変形例8)
図26および図27(a)−(c)は、変形例8による運搬用台車10を示している。
図26において、台車本体50は、台車本体50を押すための持ち手91を有しており、持ち手91は、変形可能な構造となっている。持ち手91は、一対の横フレーム91aと、各横フレーム91aからそれぞれ上方(Z方向プラス側)に延びる一対の縦フレーム91bと、縦フレーム91bから外側(X方向プラス側)に延びる持ち手先端部91cとを有している。
この場合、持ち手先端部91cは、運搬用台車10の縦フレーム91b(鉛直軸)の回りに回転可能となっており、持ち手先端部91cを縦フレーム91bの周りに回転させることにより、持ち手先端部91cを第2側枠52側(X方向プラス側)に折り畳んで収納可能となっている。すなわち、持ち手先端部91cを平面視で時計回りに回転し、正面方向(Y方向マイナス側)に向けて変形させる(図27(a)(b))。これにより、持ち手先端部91cを、運搬用台車10の進行方向(X方向)に垂直な水平方向(Y方向)に退避とせることができる(図27(c))。なお、図27(a)−(c)に示すように、持ち手先端部91cを折り畳み方向に付勢させるバネ(付勢体)91fを設け、持ち手先端部91cから手を離したとき、持ち手先端部91cが自然に折り畳まれる構造としてもよい。
このように、持ち手91を簡単に変形し、持ち手先端部91cを進行方向(X方向)に垂直な水平方向(Y方向)に退避することにより、運搬用台車10の進行方向側(X方向)のサイズを小さくすることができ、運搬用台車10のネスティングをより良好に行うことができる。
(変形例9)
図28および図29(a)(b)は、変形例9による運搬用台車10を示している。図28において、台車本体50は、台車本体50を押すための持ち手91を有しており、持ち手91は、変形可能な構造となっている。持ち手91は、一対の横フレーム91aと、各横フレーム91aからそれぞれ上方(Z方向プラス側)に延びる一対の縦フレーム91bと、一対の縦フレーム91bを互いに連結する連結杆91gとを有している。
この場合、一対の縦フレーム91bは、その下端において、運搬用台車10の進行方向に垂直な水平(Y方向)軸周りに回転可能となっている。また、一対の縦フレーム91bは、一対の横フレーム91aに対してリンク機構91hを介して連結されている。このリンク機構91hにより、縦フレーム91bは、横フレーム91aに対して運搬用台車10の進行方向後方側(X方向プラス側)に傾けた状態で保持することができる。そして縦フレーム91bが畳まれて鉛直方向(Z方向)を向いている場合、横フレーム91aと縦フレーム91bとを繋ぐストッパー部材91iにより、縦フレーム91bが第2側枠52に固定される(図29(a))。一方、縦フレーム91bは、ある一定角度だけ傾けたとき、リンク機構91hにより回転が規制され、所定角度の傾き状態が保持される(図29(b))。なお、図29(a)(b)に示すように、縦フレーム91bを折り畳み方向に付勢させるバネ(付勢体)91jを設け、連結杆91gから手を離したとき、縦フレーム91bが自然に折り畳まれる構造としてもよい。なお、リンク機構91hに代えて、縦フレーム91bを最大角まで倒さないと元へ戻らないワンウエイ機構を用いてもよい。
この場合、一対の縦フレーム91bと連結杆91gとが一体となって、運搬用台車10の進行方向に垂直な水平(Y方向)軸に対して回転し、一対の縦フレーム91bおよび連結杆91gをレバーのように進行方向側に倒すことができる。さらに、一対の縦フレーム91bおよび連結杆91gを所定角度に傾けたとき、リンク機構91hにより、これらが所定角度以上に傾かないように保持される。
このように、持ち手91を簡単に変形し、連結杆91gを進行方向(X方向)に垂直な水平方向(Y方向)に退避することにより、運搬用台車10の進行方向側(X方向)のサイズを小さくすることができ、運搬用台車10のネスティングを良好に行うことができる。
なお、図25乃至図29に示す持ち手91を、図12乃至図23に示す運搬用台車10(変形例1〜6)に設けても良い。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。