JP6460962B2 - かご台車用保冷保温ケースおよびそれを備えたかご台車 - Google Patents
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Description
従来、保冷保温用の輸送容器としては、例えば、可撓性を有する断熱材を縫製したボックス(以下、「保冷保温ケース」とよぶ。)が用いられている。そして、この保冷保温ケースは通常、かご台車に着脱可能に装着されて使用される。
ここで、上記「保冷保温ケース」の装着対象である「かご台車」について図6,7を参照しながら説明する。
図6に示すように、装着用かご台車11は主に、金属製の格子体からなる背壁面12、右壁面13及び左壁面14、並びに、これらの3つの格子体にその周縁が囲まれる平板状の底面15とにより構成されている。
また、図6に示す装着用かご台車11では、背壁面12と右壁面13、並びに、背壁面12と左壁面14は、いずれもヒンジ16を介して連結されており、背壁面12の内側面上に、右壁面13と左壁面14をそれぞれ重ね合せるように折り畳むことができる構造になっている。
さらに、図6,7には示していないが、底面15も背壁面12の下端にヒンジを介して回動可能に枢設されている。このため、図7に示すように、右壁面13や左壁面14の折畳み作業に先立って、底面15を背壁面12の内側面上に跳ね上げることができる。
また、上述のような装着用かご台車11では、ヒンジ16を基軸に右壁面13又は左壁面14が自由回動するよう構成され、さらに、底面15は右壁面13及び左壁面14の下端に設けられる支持板24により支えられているので、底面15を水平に配した状態で、右壁面13又は左壁面14bが回動して左右方向に広がってしまうと、底面15が支えを失って床面(設置面)側に傾動していまい、いわゆる底抜けの状態になる。
このような事態を回避するために、装着用かご台車11では、図6,7に示すような開き止めバー17及び掛止部18を備えている。つまり、図6に示すように、装着用かご台車11の個々のパーツを所望の位置に配設した状態で、開き止めバー17の屈曲する先端部を、掛止部18の筒体に挿入しておくことで、右壁面13及び左壁面14の意図しない開動動作を防止することができる。
ところが、図6,7に示すような装着用かご台車11は、背壁面12,右壁面13及び左壁面14を構成する格子体の縦桟の間隔が製造元毎に異なっている。
このため、特定の仕様の装着用かご台車11に対応するように作製された保温保冷ケースを、他の仕様の装着用かご台車11に装着しようとすると、背壁面12、右壁面13及び左壁面14をなす格子体の縦桟が障害となり、これらの上辺12a、上辺13a、上辺14aのそれぞれに固定用バンドを巻回することができなかった。つまり、特定の仕様の装着用かご台車11に対応するように作製された保温保冷ケースを、他の仕様の装着用かご台車11に装着することができなかった。このため、装着用かご台車11の仕様ごとに保温保冷ケースをオーダーメイドする必要があり、煩雑であった。
このような課題に対処するため、保温保冷ケースの正面を除く各側面の少なくとも2ヶ所に、上述の固定用バンド体に代えて、金属製フックを一体に取り付けたバンドを縫着して、このバンドの移動範囲内で所望の位置に金属製フックを移動させることができるようにした保温保冷ケースが考え出され使用されている(図示せず)。このような保温保冷ケースを用いることで、仕様の異なる装着用かご台車11に対しても汎用的に保冷保温ケースを装着することができる。
このような事情に対処するための先行技術文献としては、例えば、以下に示すようなものが知られている。
特許文献1に開示される発明は、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、断熱部材7からなる保冷保温ボックス3を積載・運搬するカゴ車付保冷保温ボックス1であって、カゴ車5は保冷保温ボックス3の周囲に設けた背壁面53,左壁面55,右壁面57を含む。保冷保温ボックス3はその上部に金属製又は樹脂製のフック23を有する固定手段21を有し、この固定手段21がカゴ車5の背壁面53,左壁面55,右壁面57の内側から外側に掛止されて、保冷保温ボックス3がカゴ車5に固定されることを特徴とするものである。
上述のような特許文献1に開示される発明によれば、保冷保温ボックスが金属製又は樹脂製のフックを有することで、このフックを前記カゴ部に掛止することにより、フックに外的衝撃が作用しても、フックの破損や破断を好適に防止することができる。
しかしながら、特許文献1に開示される発明の場合は、保冷保温ケースの3つの側面(背面及び左右両側面)のそれぞれに少なくとも2つずつ、つまり、少なくとも6つの金属製又は樹脂製のフックを設ける必要がある。
この場合、まず、フックを固定するためベルト(特許文献1中の連結ベルト25)のそれぞれに金属製又は樹脂製のフックを取り付け、さらに、フックを取り付けたベルトを、保冷保温ケースの3つの側面(背面及び左右両側面)のそれぞれの二か所に縫着する作業を行う必要があり、その作業が極めて煩雑であった。
さらに、上記機能に加えて、保冷保温ケースの天井の排水性が良好で、雨水が溜まり難いかご台車用保冷保温ケースおよびそれを備えたかご台車を提供することにある。
上記構成の第1の発明において、保冷保温ケースを構成する背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれは、かご台車の背壁面、右壁面及び左壁面のそれぞれの内側面を被覆しつつ立方体状の容器体の側辺をなすという作用を有する。また、天井パーツは、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれの上辺に連結されて、上記立方体状の容器体の天井部分をなすという作用を有する。さらに、正面パーツは、上記右側面パーツ及び左側面パーツの側辺及び天井パーツの周縁の一部に連結されて上記立方体状の容器体の正面部分をなすという作用を有する。
また、第1の発明における幅広フックは、例えば、細長矩形状の平板材の短手方向端面の上方が、平板材の側面のいずれかに湾曲又は屈曲されて鉤状に掛止部が形成されたものと表現することができる。このような幅広フックは、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに直に固設されることで、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれを、装着用かご台車の背壁面、右壁面及び左壁面のそれぞれの上辺に着脱可能に掛着させるという作用を有する。
なお、第1の発明において、「幅広フックを直に固定する」とは、幅広フックの平板部を、保冷保温ケースの背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれの外側面に直接又は間接的(例えば、接着部材等を介して)に面接触させ、さらに、その状態から幅広フックが動かないように固定されている状態の全てを含む概念である。
また、幅広フックが背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに直に固設されることで、ベルト等を介して間接的に取設される場合に比べて、その取付け作業が簡素化される。
さらに、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれを、装着用かご台車の背壁面、右壁面及び左壁面のそれぞれの上辺に着脱可能に掛止させるためのフックとして特に幅広フックを用いることで、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに直に固設した際に、幅広フックと背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれとの接合面が広くなる。この場合、保冷保温ケースの荷重を、幅広フックと背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツの局所に作用し難くするという作用を有する。これにより、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに設ける幅広フックを1つのみにした場合でも、保冷保温ケースのダレや変形、並びに、フックの取付け基部の劣化を好適に抑制するという作用を有する。
また、幅広フックにより保冷保温ケースを装着用かご台車に固定することで、装着用かご台車の移動時の保冷保温ケースの揺動を防止するという作用を有する。これにより、保冷保温ケースと装着用かご台車の底面の間に隙間が出来難くなるので、運搬時の保冷性又は保温性を良好に維持することができる。
加えて、背面パーツ、右側面パーツ、左側面パーツ、天井パーツおよび正面パーツをともに防水性及び/又は遮光性を備えた断熱材により構成することで、保冷保温ケースに保冷性又は保温性を付与するという作用を有する。
上記構成の第2の発明は、上記第1の発明と同じ作用に加えて、天井パーツが補強材を備えていることで、降雨時に天井パーツが雨水の重みで凹状に変形するのを抑制するという作用を有する。また、これにより、降雨時に天井パーツに雨水が溜まるのを妨げるという作用を有する。
上記構成の第3の発明は、上記第1又は第2の発明と同じ作用に加えて、右側面パーツおよび左側面パーツの上辺が、背面パーツ側から正面パーツ側に向かって、あるいは、その逆方向に向かって、緩やかに下降していることで、右側面パーツおよび左側面パーツの上辺に天井パーツを連結させた際に、天井パーツを水平よりもやや傾斜した状態になる。これにより、天井パーツに降雨した雨水を速やかに正面パーツ側又は背面パーツ側に流下させて排水させるという作用を有する。これにより、保冷保温ケースの天井パーツに雨水を滞留し難くするという作用を有する。
上記構成の第3の発明は、上記第1乃至第3の発明のいずれかと同じ作用に加えて、幅広フックを合成樹脂製とすることで、幅広フックの厚み方向への縫合用針の挿通を可能にするという作用を有する。加えて、幅広フックを背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに縫着することで、幅広フックを背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに直に固設するにあたり、接着剤や接合時の固定設備等を準備する必要がなくなる。これにより、第3の発明の製造コストを引き下げるという作用を有する。
上記構成の第5の発明は、上記第4の発明と同じ作用に加えて、幅広フックに縫合用溝部を形成しておくことで、幅広フックを構成する合成樹脂材の厚みを、縫合用溝部において局所的に薄くするという作用を有する。
この場合、幅広フックを構成する合成樹脂材の厚みが厚くとも、縫合用溝部においては局所的に薄くなるので、幅広フックを背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに縫着する場合に、縫合用針の挿通を容易にするという作用を有する。よって、第5の発明によれば、幅広フックの強度を高めつつ、幅広フックを背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに対する縫着を容易にするという作用を有する。
さらに、縫合用溝部に縫い目を形成することで、縫い目は縫合用溝部内に収容されることになる。この場合、第5の発明の使用時に、縫い糸が擦り切れるのを防止するという作用を有する。これにより、第5の発明の使用時の耐久性を向上するという作用を有する。
上記構成の第6の発明は、上記第4又は第5の発明と同じ作用に加えて、押出し成形体からなる幅広フックを用いることで、平板状の合成樹脂体を加工して湾曲又は屈曲部を形成する、あるいは、必要に応じて成形済の合成樹脂体に切削加工を施して縫合用溝部を形成する場合に比べて、幅広フックの製造プロセスをシンプルにするという作用を有する。これにより、幅広フックの製造コストを引き下げるという作用を有する。
上記構成の第7の発明は、上記第1乃至第6の発明のいずれかと同じ作用に加えて、保冷保温ケースを構成する背面パーツの内側に、装着用かご台車の底面を着脱可能に固定するための固定具を備えていることで、装着用かご台車に第1乃至第6の発明のいずれかを装着したまま、装着用かご台車を折り畳む際に(図7を参照)、その底面を背壁面側に跳ね上げた際に、底面を固定具により保持させるという作用を有する。
上記構成の第7の発明は、第1乃至第7の発明のいずれかのかご台車用保冷保温ケースを装着用かご台車に装着した状態のものを発明として特定したものであり、その作用は第1乃至第7のそれぞれの発明による作用と同じである。
このことは、装着用かご台車に保冷保温ケースを装着した場合に、保冷保温ケースが搖動し難いことを意味している。
また、第1の発明によれば、従来技術(例えば、特許文献1)の場合に比べて、保冷保温ケースに対して幅広フックを固定するために必要なパーツ又は部品を少なくできるだけでなく、その固設作業も大幅に簡素化できる。
また、保冷保温ケースを装着用かご台車に掛着保持させるためのフックとして特に幅広フックを用い、かつ、この幅広フックを、保冷保温ケースを構成する背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに直に固設することで、幅広フックと背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれとの接触面積を広くすることができる。
この場合、保冷保温ケースを構成する背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに幅広フックを固設した際に、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれの局所に保冷保温ケース荷重が作用するのを防止でき、経時変化に伴う保冷保温ケースの変形やダレを好適に防止することができる。
この場合、経時変化に伴って装着用かご台車の底面と、第1の発明であるかご台車用保冷保温ケースとの間に隙間が生じるという不具合が生じ難いので、第1の発明による高い保冷効果又は保温効果を発揮させることができる。
よって、第1の発明によれば、仕様の異なる装着用かご台車に対して汎用的に装着することができ、その構造がシンプルで製造が容易であり、しかも、耐久性と保冷性又は保温性を長期間にわたって持続させることができる高機能なかご台車用保冷保温ケースを提供することができる。
この場合、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに、例えば、接着等の固定手段により幅広フックを直に固設する場合に比べて、その作業に必要な道具や設備、あるいは、作業工程を大幅に少なくできる。
また、幅広フックを背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれに縫着した場合は、十分な強度も確保できる。
従って、第4の発明によれば、かご台車用保冷保温ケースの製造に必要な部品を安価に調達できるだけでなく、その製造工程もシンプルにできる。よって、高機能なかご台車用保冷保温ケースをより廉価に提供することができる。
この場合、幅広フックの強度を高めようとしてその厚みを大きく設定した場合でも、縫合用溝部ではその厚みを相対的に薄くできるので、背面パーツ、右側面パーツ及び左側面パーツのそれぞれにスムーズに縫着することができる。
また、幅広フックが縫合用溝部を備える場合は、縫い目を縫合用溝部内に収容することができるので、第5の発明の使用時に、外部との摩擦により縫い糸が擦り切れるのを防止できる。この場合、保冷保温ケースから幅広フックが外れるという不具合が生じ難くなるので、第5の発明の耐久性を大幅に向上できる。
従って、第5の発明によれば、幅広フックの耐久性及び強度がより優れたかご台車用保冷保温ケースを廉価に提供することができる。
また、幅広フックが押出し成形体である場合は、幅広フックの成形時に縫合用溝部を併せて成形することができる。
よって、第6の発明によれば、かご台車用保冷保温ケースの製造コストを大幅に削減することができる。
図1は本発明の実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケースの概念図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aは、先の図6,7に示すような背壁面12、右壁面13、左壁面14及び底面15とを備える装着用かご台車11に着脱可能に設置される保冷保温ケース22であって、この保冷保温ケース22は、先の図6,7に示すような装着用かご台車11の背壁面12、右壁面13及び左壁面14のそれぞれを被覆する背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4と、背面パーツ2と右側面パーツ3と左側面パーツ4のそれぞれの上辺2a、上辺3a及び上辺4aをつなぐように配設される天井パーツ5と、右側面パーツ3と左側面パーツ4のそれぞれにおいて背面パーツ2と接続されない側辺3b、側辺4bをつなぐように配設される正面パーツ6と、背面パーツ2と右側面パーツ3と左側面パーツ4のそれぞれに直に固設される幅広フック7とにより構成されるものである。
また、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aにおいて、背面パーツ2、右側面パーツ3、左側面パーツ4、天井パーツ5及び正面パーツ6はともに、防水性又は遮光性のいずれか一方、あるいは、この両方を備えた断熱材からなり、このような断熱材は通常、可撓性を有しているものが多いが、特に背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4については、双方がその連結部分を基軸に回動可能に構成されていれば、必ずしも可撓性を有している必要はない。
あるいは、保冷保温ケース22の使用目的に応じて、背面パーツ2、右側面パーツ3、左側面パーツ4、天井パーツ5及び正面パーツ6のうちの所望のパーツを可撓材により構成し、それ以外のパーツを十分な形状保持性を有する材質のものにより構成してもよい。
図2は本発明の実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケースに用いる幅広フックの概念図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図2に示すように、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aの幅広フック7は、細長矩形状の平板材7aの短手方向端面7bの上方が、平板材7aの側面のいずれかに湾曲又は屈曲されて鉤状の掛止部7cが形成されたものである。
より具体的には、本実施の形態に係る幅広フック7は、平板材7aを湾曲又は屈曲してなる鉤状の掛止部7cとそれに延設される平板部7dとにより構成されているとも表現することができる。このような本実施の形態に係る幅広フック7は、金属製又は合成樹脂製のいずれでもよい。
通常、フックは線条体を鉤状に湾曲又は屈曲してなるものであるが、本実施の形態では、このようなフックを線条体に代えて平板材7aにより形成したものであり、一般的なフックと比較すると、掛止部7cが面により形成されているので、「幅広フック7」と称している。
さらに、保冷保温ケース22への幅広フック7の固定方法としては、例えば、幅広フック7の平板部7dに接着剤を塗布して接合する、あるいは、幅広フック7の平板部7dを背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれの外側面の上辺2a、上辺3a及び上辺4aの近傍に縫着する、あるいは、ボルト及びナット等の固定部材を用いて固定する等の方法がある。幅広フック7の固定方法は、保冷保温ケース22の側面に安定して幅広フック7を固定しておくことができれば、その固定方法は特に限定されない。
なお、本実施の形態では、「幅広フック7を直に固定する」とは、幅広フック7の平板部7dを、保冷保温ケース22の背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれの外側面に直接又は間接的に面接触させ、さらに、その状態から幅広フック7が動かないように固定されている状態の全て含む概念である。
また、特に本実施の形態に係る幅広フック7を、保冷保温ケース22の背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれに縫着する場合、幅広フック7の平板部7dに縫合用針(図示せず)の挿通を可能にするための針挿通用孔を予め形成しておいてもよい。
図3は本発明の実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケースおよびそれを備えたかご台車の概念図である。なお、図1,2,6,7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aを装着用かご台車11に装着したものが本実施の形態に係るかご台車20である。
また、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20では、幅広フック7を装着用かご台車11の背壁面12、右壁面13及び左壁面14のそれぞれの上辺12a、上辺13a及び上辺14aに掛止した際に、装着用かご台車11の上辺12a、上辺13a及び上辺14aの大部分の領域が幅広フック7で被覆されることになる。この場合、保冷保温ケース22の荷重は、幅広フック7の平板部7dの全域で支持されることになる。
そして、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20では、保冷保温ケース22を構成する材質として、例えば、可撓性を有する断熱材を採用し、さらに、かご台車用保冷保温ケース1Aを長期間装着用かご台車11に装着した状態にした場合に、保冷保温ケース22を構成する断熱材のダレや変形を好適に防止することができる。
この場合、装着用かご台車11と本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aとの間に隙間が生じ難くなるので、保冷保温ケース22による保冷性及び保温性を高めることができる。
この場合、装着用かご台車11の底面15と、その周縁に配される背面パーツ2、右側面パーツ3、左側面パーツ4及び正面パーツ6との間に隙間が生じてしまい、保冷保温ケース22内の保冷性又は保温性が損なわれてしまう。
このような事情から、従来技術においては、保冷保温ケース22を装着用かご台車11に掛着保持するにあたり、保冷保温ケース22の側面(背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4)のそれぞれにフック(従来公知のフック)を少なくとも2つずつ設ける必要があった。このため、保冷保温ケース22に対するフックの取付け作業を少なくとも6回行う必要があり、掛止用フックを備えた保冷保温ケース22の生産性を向上し難かった。
なお、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20では、幅広フック7の水平方向長さはできるだけ長い方が望ましいが、装着用かご台車11を構成する背壁面12、右壁面13及び左壁面14のそれぞれの上辺12a、上辺13a及び上辺14aの直線領域の少なくとも1/3の長さを有していれば目的とする機能を十分に発揮させることができる。
なお、装着用かご台車11の背壁面12の上辺12aの長さと、右壁面13又は左壁面14の上辺13a又は上辺14aの長さが異なる場合、幅広フック7は、上辺12a、又は、上辺13a又は上辺14a、のいずれか短い方の直線領域の少なくとも1/3の長さを有していればよい。
ここで本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20における保冷保温ケース22の開口構造について図1,4を参照しながら詳細に説明する。
図4は本発明の実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケースの一部を欠いて示す側面図である。なお、図1乃至図3、図6,7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20では、保冷保温ケース22を必要に応じて展開するために、保冷保温ケース22における天井パーツ5及び正面パーツ6と、右側面パーツ3又は左側面パーツ4との接続部分を開閉可能に構成している。
より具体的に説明すると、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20では、図1に示す、天井パーツ5と右側面パーツ3の接続部分である上辺3a、及び、正面パーツ6と右側面パーツ3の接続部分である側辺3b、並びに、天井パーツ5と左側面パーツ4の接続部である上辺4a、及び、正面パーツ6と左側面パーツ4の接続部である側辺4b、に例えばファスナ等の係合構造を設けておき、双方の接続とその解除を自在にしている。
また、保冷保温ケース22の上辺3aと側辺3bに設けられる係合構造を連続させるとともに、上辺4aと側辺4bに設けられる係合構造についても連続させておくことで、これら2つの係合構造の係合状態をともに解除した際に、図4に示すように、背面パーツ2の上辺2aを基線にして、天井パーツ5と正面パーツ6とからなる一連の平面体をめくり上げることができる。
なお、右側面パーツ3又は左側面パーツ4に対する、天井パーツ5及び正面パーツ6の係合構造としては、上記ファスナ以外にも、例えば、面ファスナや線ファスナ、スナップボタン等の従来公知の係合構造を支障なく使用できる。ただし、本実施の形態に係る保冷保温ケース22の気密性や水密性を重視する場合は、係合構造としてファスナを用いるとよい。
(1)幅広フック7について
まず、本実施の形態に係る幅広フック7の他の特徴について図2を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態に係る幅広フック7を特に合成樹脂により構成する場合は、図2に示すように、幅広フック7の平板部7dに、幅広フック7の伸長方向(水平方向)と平行に、断面凹状の縫合用溝23を少なくとも1本形成しておいてもよい。
この場合、縫合用溝23においては幅広フック7の平板部7dの厚みを局所的に薄くすることができる。
そして、特にこの場合、本実施の形態に係る幅広フック7を、保冷保温ケース22を構成する背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4に縫着する際に、平板部7dへの縫い針の挿通が容易になるので、幅広フック7の縫製作業時の作業性を向上できる。
これに対して、幅広フック7が縫合用溝23を備える場合は、縫合用溝23における平板材7aの厚みが局所的に薄くなるので、平板材7aの厚みが大きくとも、縫合用溝23内に縫い目を形成することで、容易に幅広フック7を保冷保温ケース22に縫着することができる(図4を参照)。
よって、幅広フック7が縫合用溝23を備えることで、保冷保温ケース22への幅広フック7の縫製作業時の作業性を低下させることなく、幅広フック7の強度を高めることができる。この結果、より耐久性に優れたかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20を提供することができる。
この結果、保冷保温ケース22に幅広フック7を固定する縫い糸が切れて、幅広フック7が外れるのを好適に防止することができる。よって、図2に示すように、幅広フック7に縫合用溝23を設けることで、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aの耐久性を大幅に向上できる。
さらに、図2では、幅広フック7の伸長方向(水平方向)と平行に縫合用溝23を形成する場合を例に挙げて説明しているが、縫合用溝23は任意の方向に単数又は複数本形成されてもよい。より具体的には、縫合用溝23は、図示されるもの以外にも、縫合用溝23は例えばジグザグ状に、あるいは、鉛直方向に単数又は複数本形成されていてもよい。さらには、平板部7dの周縁に沿って縫合用溝23を形成してもよい。
このように、縫合用溝23の形成本数及び向きについては、自由に設定されてよいが、その形成方向を、幅広フック7の掛止部7cの伸長方向と平行に、かつ、直線状にすることで、縫製作業を極めて容易にできるというメリットがある。
この場合は、図2に示す幅広フック7の長手方向端面7bの形状と符合する形状の切欠き部を有する金型を準備し(図示せず)この金型の切欠き部から、例えば、熱可塑性を有する合成樹脂を押し出して成形し、その後、得られた押出し成形体21を所望の長さに切断することで本実施の形態に係る幅広フック7が得られる。
このように幅広フック7を押出し成形により製造することで、掛止部7cや、必要に応じて縫合用溝23を備えた幅広フック7を少ない工程で効率良く生産することができる。なお、幅広フック7が押出し成形体21である場合、縫合用溝23は、図2に示すように、幅広フック7の掛止部7cの伸長方向と平行に形成されることになる。
従って、幅広フック7を押出し成形体21とすることで、さまざまなサイズのかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20を容易に製造することができ、その製造コストも大幅に削減することができる。
よって、高機能なかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20を廉価に提供することができる。
なお、幅広フック7を合成樹脂製とする場合で、保冷保温ケース22に縫着する場合は、縫合用溝23を形成したとしても平板材7aの厚みを必要以上に大きくすることができない。この場合、幅広フック7の幅が狭いと、幅広フック7の強度を確保することができなくなってしまう。このような事情に鑑み、本発明では、幅広フック7を縫製可能な厚みに設定することによる、幅広フック7自体の強度の低下を、幅広フック7の幅を大きくすることにより補うとともに、幅広フック7の幅を大きくすることで、背面パーツ22に設ける固定用のフックの数を実質的に半減することに成功したのである。
次に、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20の天井パーツ5の他の特徴について図1,3,4を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20を構成する保冷保温ケース22の天井パーツ5は、図1,3,4に示すように、補強材8を備えていてもよい。
このように天井パーツ5が補強材8を備えていることで、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20を屋外で使用する際の降雨時に、雨水の荷重で天井パーツ5が凹状に変形してそこに雨水が滞留するのを好適に防止することができる。
なお、図1,3,4では天井パーツ5が、装着用かご台車11の右壁面13、左壁面14のそれぞれの上辺13a、上辺14aに架け渡すように2本の細長平板状の補強材8を備える場合を例に挙げて説明しているが、補強材8の数、配設方向は図示されるものに特定される必要はない。
より具体的には、図1,3,4に示す補強材8よりも幅広の補強材を1本のみ天井パーツ5に設けても良いし、補強材8と同等あるいはそれよりも細い補強材を2本以上天井パーツ5に設けてもよい。
あるいは、補強材8と同等あるいはそれよりも太い又は細い補強材を、保冷保温ケース22の背面パーツ2から正面パーツ6に向かって単数又は複数本配設してもよい。
さらには、細長平板状の補強材8に代えて、天井パーツ5と同等の大きさの平板体を設けてもよい。
いずれの場合も、正面パーツ6及び天井パーツ5の開閉に支障をきたさないように配設されるのであれば、補強材8の形状、数、配設方向は自由に変更されてよい。
あるいは、上述のような補強材8やその代替品である補強材を、天井パーツ5の厚み方向内部に一体に収容保持させてもよい。
より具体的には、図4に示すように幅広フック7を装着用かご台車11(図6,7を参照)に装着した際の鉛直方向最上位位置をなす直線と、上辺13a又は上辺14aとの成す角度θを形成すればよい。なお、このとき、幅広フック7を装着用かご台車11に装着した際の、幅広フック7の鉛直方向最上位位置を成す直線を水平に配する必要があることは言うまでもない。
この場合、右側面パーツ3および左側面パーツ4の上辺3a及び上辺4aに係合構造を介して天井パーツ5を連結した際に、天井パーツ5を背面パーツ2側から正面パーツ6側に向かって緩やかに下降するように傾斜させておくことができる。
この結果、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A又はかご台車20を屋外で使用する際の降雨時に、保冷保温ケース22の天井パーツ5に降り注ぐ雨水を、天井パーツ5からスムーズに排出させるという作用を有する。
また、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A及びかご台車20では、保冷保温ケース22が幅広フック7により装着用かご台車11に掛止されることで、特許文献1に開示される発明の場合よりもより厳密に保冷保温ケース22の水平位置が固定されることになる。このため、天井パーツ5をわずかに傾斜させるだけで、確実に雨水の排水効果を発揮させることができる。
また、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aにおいて背面パーツ2の天井パーツ5が可撓材でなく、十分な形状保持性を有する材質で形成されていれば、補強材8を設けることなく天井パーツ5を傾斜させるだけでも目的とする機能を十分に発揮させることができる。
本実施の形態に係るかご台車20は、かご台車用保冷保温ケース1Aを装着したままの状態で折畳まれて搬送される場合がある。
本明細書の冒頭部分においても説明したが、装着用かご台車11を折畳む場合は、図7に示すように、右壁面13と左壁面14の意図しない開動動作を防止する開き止めバー17を掛止部18から外してから、底面15を背壁面12側に跳ね上げ、この後に、右壁面13と左壁面14のそれぞれを、ヒンジ16を基軸に、背壁面12側に跳ね上げられた底面15に重ね合せるようにして折畳めばよい。
このとき、装着用かご台車11が本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aを装着している場合、すなわち、本実施の形態に係るかご台車20を折畳む場合は、まず、図3に示す状態から、開き止めバー17を掛止部18から外し、次に、保冷保温ケース22の側辺3b及び上辺3a、並びに、側辺4b及び上辺4a、のそれぞれに設けられる係合構造(例えば、ファスナ等)の係合状態を解除して、正面パーツ6及び天井パーツ5をめくり上げ可能な状態にする。
この時、装着用かご台車11の右壁面13の内側には右側面パーツ3が、左壁面14の内側には左側面パーツ4がそれぞれ重ね合されるように配設されているので、右側面パーツ3、左側面パーツ4のそれぞれは、装着用かご台車11の右壁面13、左壁面14との動作に付随して動作させることができる。
このような不具合に対処するため、本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1A又はかご台車20では、保冷保温ケース22を構成する背面パーツ2の内側面上に、跳ね上げた底面15を着脱可能に保持しておくための固定具として、例えば、図1中に破線で示すようなフック9を備えていてもよい。
図7中には特に示されていないが、装着用かご台車11の底面15の裏面側は、平坦状でなく格子状の補強構造を有している場合があり、この場合、底面15の裏面側に形成される補強構造の格子部分にフック9を掛止することで、底面15を背壁面12側に跳ね上げた状態を保持することができる。
そして、このように底面15をフック9等の固定具により固定しておくことで、その後の、右側面パーツ3を備えた右壁面13の回動動作(折畳み動作)や、左側面パーツ4を備えた左壁面14の回動動作(折畳み動作)をスムーズに行うことができる。
より具体的には、保冷保温ケース22の背面パーツ2に設けられる固定具は、例えば、面ファスナでもよい。この場合、背面パーツ2側にオスタイプ又はメスタイプの面ファスナを設け、底面15の上面(水平状に配置した際に鉛直上方側に配される面)側にメスタイプ又はオスタイプの面ファスナを設けておき、底面15を跳ね上げた際に背面パーツ2の内側面に底面15が接着保持されるよう構成してもよい。
あるいは、背面パーツ2の内側面にオスタイプ又はメスタイプの面ファスナを備えたベルトを取り付けておき、底面15の裏面側にメスタイプ又はオスタイプの面ファスナを設けておくことで、底面15を背壁面12側に跳ね上げた際に上記ベルトの面ファスナと底面15に設けられる面ファスナとを接着させてもよい。
本実施の形態に係るかご台車用保冷保温ケース1Aは、幅広フック7のみでも保冷保温ケース22をしっかりと固定することができるが、さらに、安定した状態で装着用かご台車11に保冷保温ケース22を固定するために、図1に示すように、保冷保温ケース22の鉛直下方側の四隅近傍のそれぞれに固定用バンド10を設けておいてもよい。
この固定用バンド10は、例えば、可撓性を有するバンド体の表面及び裏面にオスタイプ又はメスタイプの面ファスナを設けたものであり、装着用かご台車11に保冷保温ケース22を設置した際に、背壁面12、右壁面13及び左壁面14を構成する格子体の金属パイプ(図6,7の側辺12b、側辺13b、側辺14b)にこの固定用バンド10を巻回するだけで、装着用かご台車11の四隅を装着用かご台車11に着脱可能に固定することができる。
なお、固定用バンド10に代えて、紐を設けておき、紐を背壁面12、右壁面13及び左壁面14を構成する格子体の金属パイプ(例えば、図6,7の側辺12b、側辺13b、側辺14b)に緊縛することで保冷保温ケース22の四隅を装着用かご台車11に固定可能としてもよい。
図5は本発明の変形例に係るかご台車用保冷保温ケースの一部を欠いて示す側面図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、ここでは上述のかご台車用保冷保温ケース1Aとの相違点に重点をおいて説明する。
図5に示すように、変形例に係るかご台車用保冷保温ケース1Bは、保冷保温ケース22の背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれに、幅広フック7を2つずつ備えており、この点が上述のかご台車用保冷保温ケース1Aと異なっている。
このような変形例に係るかご台車用保冷保温ケース1Bでは、保冷保温ケース22の背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれに、長尺状の幅広フック7を1つずつ設ける場合に比べて、幅広フック7の数が増えることでその取付け回数が増えるというデメリットが生じるものの、個々の幅広フック7として水平方向長さが(図2に示す掛止部7cの長さが)短いものを用いることができるので、幅広フック7の単価を廉価にできるというメリットを有している。
つまり、長尺状の幅広フック7を用いる場合は、幅広フック7が水平方向に高精度に直線状に形成する必要があり、その製造には高い技術を要していた。このため、長尺状の幅広フック7の製造にコストがかかり、長尺状の幅広フック7を廉価に提供することが難しかった。これに対し、より短い幅広フック7を製造する場合は、長尺状の幅広フック7を製造する場合に比べて、求められる精度がより低いため、相対的にその製造が容易になり、その価格を廉価にできるというメリットがある。
また、変形例に係るかご台車用保冷保温ケース1Bによれば、装着用かご台車11を構成する背壁面12の上辺12aの、あるいは、右壁面13又は左壁面14の上辺13a又は上辺14aの、それぞれの直線領域の1/3の長さ(ただし、装着用かご台車11の背壁面12の上辺12aの長さと、右壁面13又は左壁面14の上辺13a又は14aの長さが異なる場合は、短い方を基準にする。)を有する幅広フック7を、保冷保温ケース22の背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれに1つのみ設ける場合に比べて、幅広フック7による保冷保温ケース22の装着時の安定性を大幅に高めることができるというメリットを有する。
特に、変形例に係るかご台車用保冷保温ケース1Bのように保冷保温ケース22の背面パーツ2、右側面パーツ3及び左側面パーツ4のそれぞれに幅広フック7を2つずつ設ける場合で、かつ、保冷保温ケース22の右壁面13及び左壁面14の上辺13a及び上辺14aを傾斜させる場合は、図5に示すように、幅広フック7,7を装着用かご台車11に装着した際の幅広フック7の鉛直方向最上位位置を結ぶ直線と、上辺13a又は上辺14aにより成す角度θを形成すればよい。このとき、幅広フック7,7を装着用かご台車11に装着した際の、幅広フック7の鉛直方向最上位位置を結ぶ直線を水平に配する必要があることは言うまでもない。
この場合も、上述のかご台車用保冷保温ケース1Aの場合と同様に、保冷保温ケース22の右側面パーツ3及び左側面パーツ4の上辺3a及び上辺4aに、天井パーツ5を、正面パーツ6側に又は背面パーツ2側に傾斜させた状態で配することができるので、降雨時に天井パーツ5からの雨水の排水性を高めることができる。
Claims (6)
- 背壁面と右壁面と左壁面及び底面とを備える装着用かご台車に着脱可能に設置される保冷保温ケースであって、
この保冷保温ケースは、前記背壁面を被覆する背面パーツと、前記右壁面を被覆する右側面パーツと、前記左壁面を被覆する左側面パーツと、前記背面パーツと前記右側面パーツと前記左側面パーツのそれぞれの上辺をつなぐように配設される天井パーツと、前記右側面パーツと前記左側面パーツのそれぞれにおいて前記背面パーツと接続されない側辺をつなぐように配設される正面パーツと、前記背面パーツと前記右側面パーツと前記左側面パーツのそれぞれに直に固設される幅広フックと、を有し、
前記背面パーツ、前記右側面パーツ、前記左側面パーツ、前記天井パーツおよび前記正面パーツはともに防水性及び/又は遮光性を備えた断熱材からなり、
前記幅広フックは、
その水平方向長さが、前記装着用かご台車を構成する前記背壁面、前記右壁面、及び前記左壁面のそれぞれの上辺の直線領域の少なくとも1/3の長さを有し、
あるいは、前記装着用かご台車を構成する前記背壁面の上辺の長さと、前記右壁面の上辺の長さ又は前記左壁面の上辺の長さが異なる場合は、前記背壁面の上辺の長さと、前記右壁面の上辺の長さ又は前記左壁面の上辺の長さ、のいずれか短い方の直線領域の少なくとも1/3の長さを有し、
金属製又は合成樹脂製の平板材を湾曲又は屈曲してなる鉤状の掛止部と、この掛止部に一体に延設される平板部とを備え、この平板部が前記背面パーツ又は前記右側面パーツ又は前記左側面パーツの外側面に直接又は間接的に面接触して固定されていることを特徴とするかご台車用保冷保温ケース。 - 前記幅広フックは合成樹脂製であり、
前記平板部は、縫合用溝部を備え、
この縫合用溝部は、その内部に縫い目を備えていることを特徴とする請求項1に記載のかご台車用保冷保温ケース。 - 前記幅広フックは、合成樹脂を前記幅広フックの長さ方向に押し出されてなる押出成形体であり、
前記縫合用溝部は、前記幅広フックの長さ方向と平行な直線状をなすことを特徴とする請求項2に記載のかご台車用保冷保温ケース。 - 前記右側面パーツおよび前記左側面パーツの前記上辺は、前記背面パーツ側から前記正面パーツ側に向かって、あるいは、その逆方向に向かって、緩やかに下降しており、
前記天井パーツは、この天井パーツを所望の形状に保持する補強材を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のかご台車用保冷保温ケース。 - 前記背面パーツは、前記装着用かご台車の前記底面を着脱可能に固定するための固定具を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のかご台車用保冷保温ケース。
- 前記装着用かご台車と、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のかご台車用保冷保温ケースと、を有することを特徴とするかご台車。
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