JP6729231B2 - スクロール膨張機 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール膨張機に関するものである。
従来、膨張対象の流体として蒸気を用いたスクロール膨張機において、蒸気の漏れを検出する構成が知られている。この種のスクロール膨張機を開示するものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、膨張機として用いられるスクロール流体機械において、固定スクロールの外周ラップの周方向に沿って旋回スクロールの基板部との隙間を埋める複列の外部シールが設けられ、複列の外部シールの内、内周側のシール部から蒸気漏れが発生した際に、その漏れ蒸気を内周側外部シールと外周側外部シールとの間から外部へ導出可能に、固定スクロールに1または複数の貫通穴が形成された構成について記載されている。特許文献1では、蒸気の漏れが発生したり増加したりすることに基づき、外部シールの交換時期の目安等が判断されている。
特開2015−124739号公報
ところで、スクロール膨張機の内部を冷却するため、ハウジングの内部に冷却風を流して外部に排気する構成を採る場合がある。このような換気構造を備えるスクロール膨張機では、シール部材等の破損によって膨張室から漏れ出した蒸気が冷却風に混ざり込んでスクロール膨張機の外部に排出されるおそれがある。また、スクロール膨張機を安定して稼動させるために検出すべき異常として、スクロール膨張機に蒸気を供給する配管等からの蒸気漏れや冷却風を流すためのブロワの故障等もあった。この点、特許文献1では、内周側のシール部からの蒸気漏れを検出できるものの、配管等の蒸気漏れを検出することは難しく、ブロワ故障等による冷却風の送風不良も検出することができなかった。
本発明は、熱損失の原因となる蒸気漏れや装置故障の原因となる換気不良等の異常を検出できるスクロール膨張機を提供することを目的とする。
本発明は、冷却風の給気口が設けられるとともに冷却風の排気口が設けられるハウジングと、前記ハウジングの内部に配置され、旋回側基板部の板面に渦巻き状の旋回ラップが設けられる旋回スクロールと、前記ハウジングの内部で前記旋回スクロールに対向配置され、固定側基板部の板面に前記旋回ラップに噛み合う渦巻き状の固定ラップが設けられるとともに、膨張させる流体として蒸気が導入される固定スクロールと、冷却風の排気温度を検出する排気温度検出部と、前記排気温度検出部で検出される排気温度の変化に基づいて異常を判定する判定部と、を備えるスクロール膨張機に関する。
前記判定部は、前記排気温度検出部の排気温度が予め設定される所定値を上回ることを条件として異常を判定することが好ましい。
前記判定部は、単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回ることを条件として異常を判定することが好ましい。
前記判定部は、運転開始から定常状態移行後に、単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回るか否かの判定を開始することが好ましい。
前記スクロール膨張機は、給気温度検出部を更に備え、前記判定部は、前記給気温度検出部の給気温度と前記排気温度検出部の排気温度の差に基づいて異常判定を行うことが好ましい。
本発明のスクロール膨張機によれば、熱損失の原因となる蒸気漏れや装置故障の原因となる換気不良等の異常を検出できる。
本発明の一実施形態に係るスクロール流体機械(スクロール膨張機)が用いられる蒸気利用システムの概略図である。 本実施形態のスクロール膨張機及びスクロール膨張機に接続される蒸気配管の取り回しの一例を示す正面図である。 本実施形態のスクロール膨張機の縦断面図である。 本実施形態の蒸気シール部材及びその近傍を示す拡大断面図である。 第1変形例の蒸気シール部材及びその近傍を示す拡大断面図である。 第2変形例の蒸気シール部材及びその近傍を示す拡大断面図である。 本実施形態のクランク軸の配置及び換気構造を模式的に示す図である。 本実施形態のスクロール膨張機による異常検出の判定ロジックを示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスクロール流体機械(スクロール膨張機)が用いられる蒸気利用システム1の概略図である。本実施形態の蒸気利用システム1は、蒸気から駆動力を取り出し、その駆動力を利用して空気圧縮を行う空気圧縮装置でもある。
図1に示すように、本実施形態の蒸気利用システム1は、蒸気を供給する蒸気発生装置2と、蒸気発生装置から供給された蒸気により作動するスクロール膨張機3と、スクロール膨張機3から供給される駆動力によって駆動され、圧縮空気を吐出する圧縮機4と、ブロワ7と、各種の制御を行う制御装置5と、を主要な構成として備える。
蒸気発生装置2は、蒸気ボイラ11及び蒸気ボイラ11から蒸気が送られるスチームヘッダ12を備える。蒸気ボイラ11は、水道管や地下水源等から供給される水を加熱し、蒸気を生成する。スチームヘッダ12では、蒸気の凝縮水に起因する配管(蒸気・復水配管)の腐食を防止するために、復水処理剤添加装置13から復水処理剤が添加される。なお、本実施形態では、スチームヘッダ12に復水処理剤を添加する構成であるが、ボイラ給水に添加し、ボイラ缶体と蒸気・復水配管の両方を復水処理剤で保護する構成としてもよい。
スクロール膨張機3は、スチームヘッダ12から給蒸気管15を通じて供給される蒸気を膨張して駆動力を取り出す原動機である。スクロール膨張機3で駆動力を取り出された蒸気は、回収用のスチームヘッダ(図示省略)に送られる。スクロール膨張機3は、減圧弁としても機能するので、前述の回収用のスチームヘッダに送られた減圧後(膨張後)の蒸気は、低圧蒸気として各種の蒸気使用装置でそのまま利用することもできる。
圧縮機4は、スクロール膨張機3から伝達機構6を通じて伝達された駆動力によって駆動する被動機であり、スクロール膨張機3と略同様の構造を有するスクロール式流体機械である。
ブロワ7は、給気ダクト240を介してスクロール膨張機3に冷却風を送る換気装置の給気源である。スクロール膨張機3を冷却した空気(冷却風)は排気ダクト250を介して外部に排出される。給気ダクト240には給気温度を検出する給気温度センサ241が配置されるとともに、排気ダクト250には排気温度を検出する排気温度センサ251が配置される。
制御装置5は、蒸気利用システム1の各種の制御を行うコンピュータであり、各種センサや開閉弁17等に電気的に接続されている。
<蒸気の供給経路及び排出経路>
図2は、本実施形態のスクロール膨張機3及びスクロール膨張機3に接続される蒸気配管及び換気構造の一例を示す正面図である。図3は、本実施形態のスクロール膨張機3の縦断面図である。図2に示すスクロール膨張機3は、旋回軸が横方向を向く縦置き型のスクロール膨張機3である。以下の説明において、スクロール膨張機3の厚み方向であってクランク軸70の向く水平方向と平行な方向を「軸方向」として説明することがある。
<給蒸気管>
スクロール膨張機3に蒸気を供給する給蒸気管15について説明する。給蒸気管15は、スチームヘッダ12から送られるスクロール膨張機3に蒸気を供給する配管である。給蒸気管15には、上流側から順に、蒸気から水分を分離する給蒸気セパレータ16、蒸気の経路を開閉する開閉弁17等が配置される。
給蒸気管15は、給蒸気セパレータ16の上部から上方に延びる直上配管151と、直上配管151の上端部から水平方向に延びるとともに開閉弁17が配置される水平配管152と、水平配管152から下方に傾斜してスクロール膨張機3に接続される接続配管153と、を含んで構成される。本実施形態では、給蒸気セパレータ16から蒸気を取り出す位置となる直上配管151と給蒸気セパレータ16の接続位置が、給蒸気管15がスクロール膨張機3に接続される接続位置よりも低い位置になっている。なお、本実施形態の接続配管153は屈曲部を有するL字状の配管である。
<排蒸気管>
スクロール膨張機3から減圧後(膨張後)の蒸気を取り出す排蒸気管18について説明する。排蒸気管18は、固定スクロール50と接続配管153の接続部分の下方で固定スクロール50に接続される第1排蒸気管181と、固定スクロール50と接続配管153の接続部分の上方で固定スクロール50に接続される第2排蒸気管182と、を含む。
第1排蒸気管181及び第2排蒸気管182は、何れも固定スクロール50から水平方向に延出しており、排蒸気セパレータ19に接続される。第1排蒸気管181及び第2排蒸気管182を通じて蒸気が排蒸気セパレータ19に送られ、排蒸気セパレータで蒸気と水分が分離された後、回収用のスチームヘッダ(図示省略)に送られる。
図3に示すように、本実施形態のスクロール膨張機3は、旋回スクロール30の両側面に1又は複数の旋回ラップ32が配置されており、この旋回スクロール30の両側には固定スクロール50がそれぞれ配置される構成である。上述の給蒸気管15及び排蒸気管18は、左右対称な形状となっており、図2において図示されない紙面奥側の固定スクロール50にも、同じ形状、本数(同様の構成)で接続されている。
<スクロール膨張機の構成>
次に、スクロール膨張機3の構成について説明する。図3に示すように、スクロール膨張機3は、ハウジング20と、このハウジング20に旋回可能に保持される旋回スクロール30と、旋回スクロール30を挟むようにハウジング20に固定される一対の固定スクロール50と、旋回スクロール30を旋回させる複数のクランク軸70と、を主要な構成として備える。
<ハウジング>
ハウジング20は、その両側面のそれぞれに軸方向(水平方向)に貫通する開口穴21が形成される。ハウジング20両側の開口穴21は、ハウジング20の内の中空部を介して連通している。各開口穴21の周壁の内側端部には、径方向内側に延出する円環状のフランジ22が設けられる。
ハウジング20の内部に旋回スクロール30が配置される、また、各固定スクロール50がフランジ22を介して旋回スクロール30の両側に固定される。ハウジング20の内部には、旋回スクロール30及び固定スクロール50を取り囲む環状の中空部が形成されており、この中空部がクランク軸70の偏芯軸部71の収容空間23となる。
ハウジング20の下部には収容空間23のクランク軸70を冷却するための給気口24が設けられ、上部には冷却後の空気が排気される排気口25が設けられる。
<旋回スクロール>
旋回スクロール30は、円板状の旋回側基板部31と、旋回側基板部31の両面にそれぞれ設けられる旋回ラップ32と、旋回側基板部31が着脱可能に固定されるとともに複数のクランク軸70が連結される旋回スクロールベース33と、を備える。
旋回ラップ32は、旋回側基板部31の板面から垂直(軸方向)に延出するとともに、旋回側基板部31の中央部から外周部へ向けてインボリュート曲線の渦巻き状に湾曲する板状に構成される。両側の旋回ラップ32は、互いに対応した形状となっている。各旋回ラップ32の先端には、固定スクロール50の固定側基板部51との隙間を埋めるためのチップシール34が設けられる。チップシール34は、旋回ラップ32の渦巻きに沿って配置される。
旋回スクロールベース33は、旋回側基板部31を取り囲む略三角形の枠状に形成されており、その内側に旋回側基板部31がボルト等の締結部材によって固定される。旋回スクロールベース33の略三角形の頂点部分(角部)に相当する位置には、クランク軸70の偏芯軸部71を連結する旋回軸受部35が配置される。
<固定スクロール>
旋回スクロール30の両側に配置される各固定スクロール50は、円板状の固定側基板部51と、固定側基板部51における旋回側基板部31に対向する板面(片面)に設けられる1又は複数の固定ラップ52と、固定ラップ52を取り囲む環状の外周ラップ55と、を備える。
各固定側基板部51は、その中央に厚み方向に貫通する中央開口部60が設けられる。中央開口部60は、スクロール膨張機3の外側と膨張室90を連通する貫通孔である。また、各固定側基板部51の外周側には第1開口部61及び第2開口部62が設けられる。第1開口部61と第2開口部62は、中央開口部60を挟んで径方向で対向する位置関係にある。本実施形態では、第1開口部61は固定側基板部51の下部に配置され、第2開口部62は固定側基板部51の上部に配置される。
本実施形態では、中央開口部60には上述の給蒸気管15の下流側端部が接続され、第1開口部61には第1排蒸気管181が接続され、第2開口部62には第2排蒸気管182が接続される。
固定ラップ52は、旋回ラップ32と対応した個数、形状及び大きさで設けられ、固定側基板部51の板面から垂直(軸方向)に延出するとともに、固定側基板部51の中央部から外周部へ向けて、インボリュート曲線の渦巻き状に湾曲して構成される。各固定ラップ52の先端には、旋回スクロール30の旋回側基板部31との隙間を埋めるためのチップシール54が設けられる。チップシール54は、固定ラップ52の渦巻きに沿って配置される。
外周ラップ55は、固定ラップ52を取り囲む円筒状に形成される。外周ラップ55の高さは、固定ラップ52の高さに略対応している。旋回側基板部31、固定側基板部51及び外周ラップ55に囲まれた空間が蒸気を膨張させる膨張室90として機能する。
<蒸気シール部材>
次に、膨張室90に導入された蒸気の漏出を防ぐ蒸気シール部材80について説明する。蒸気シール部材80は、外周ラップ55の先端に配置され、膨張室90を取り囲む環状のシール部材である(図3及び図7参照)。
図4は、本実施形態の蒸気シール部材80及びその近傍を示す拡大断面図である。図4に示すように、外周ラップ55の先端面551には、蒸気シール部材80を収容する収容部56が設けられる。収容部56は、円筒状の外周ラップ55の形状に応じて環状の溝であり、蒸気シール部材80を周方向に沿って配置可能に構成される。
本実施形態の蒸気シール部材80は、第1シール部81と、第1シール部81の内周側に配置される第2シール部82と、第1シール部81の基端側(背面側)に配置されるバネ83と、を備える。
第1シール部81は、例えばPTFE(polytetrafluoroethylene)を主成分とする樹脂材料により、膨張室90を取り囲む環状に形成される。第1シール部81は、その先端が旋回側基板部31の板面(固定側基板部51との対向面)に接触することにより、旋回側基板部31と外周ラップ55の隙間を塞いでいる。
第2シール部82は、例えばフッ素ゴムによって形成されるOリングであり、膨張室90側から第1シール部81側への蒸気(図4における鎖線)の侵入を防ぐためのものである。収容部56の内周側の内壁561には、第2シール部82を嵌め込む嵌合溝57が設けられる。嵌合溝57は、収容部56の内周側の内壁561の全周にわたって形成される。第2シール部82は、嵌合溝57に嵌め込まれた状態で第1シール部81の内周面811に接触して弾性変形し、第1シール部81の内周面811と収容部56の内壁561の隙間をシールする。
収容部56の底面562(第1シール部81の背面812と対向する面)には、バネ83を収容するためのバネ収容部58が形成される。バネ83は、第1シール部81の基端側の面である背面812に接触し、第1シール部81の先端面813を旋回側基板部31側に付勢する付勢部材である。旋回スクロール30の旋回によって摺動する旋回側基板部31と第1シール部81の先端面813との接触が維持されるように、バネ83の付勢力が調整されている。バネ83を構成する材料としては、金属又はフッ素ゴム等のゴム材料を用いることができ、例えば、環状の弾性部材に加工して使用される。
以上説明したように、本実施形態のスクロール膨張機3は、冷却風の給気口24が設けられるとともに冷却風の排気口25が設けられるハウジング20と、ハウジング20の内部に配置され、旋回側基板部31の板面に渦巻き状の旋回ラップ32が設けられ、その軸方向が横向きの旋回スクロール30と、ハウジング20の内部で旋回スクロール30に対向配置され、固定側基板部51の板面に旋回ラップ32に噛み合う渦巻き状の固定ラップ52及び固定ラップ52を取り囲む筒状の外周ラップ55が設けられる固定スクロール50と、外周ラップ55の先端に設けられる凹状の収容部56に周方向に沿って配置されるシール部材としての蒸気シール部材80を備える。
蒸気シール部材80は、収容部56に収容された状態で旋回側基板部31に接触して旋回側基板部31と外周ラップ55の隙間を埋める第1シール部81と、収容部56の内側で第1シール部81の内周側と収容部56の隙間を埋める第2シール部82と、を有する。
これにより、第1シール部81の背面側への蒸気の侵入を第2シール部82によって確実に防止できる。背面側に回り込んだ蒸気によって第1シール部81が旋回側基板部31側に押し込まれて異常摩耗が生じる事態を回避できるので、蒸気シール部材80のシール性能を安定的に維持できる。
また、本実施形態では、蒸気シール部材80は、収容部56に配置され、第1シール部81を旋回側基板部31に付勢する付勢部材としてのバネ83を更に備える。
これにより、第1シール部81の背面側への蒸気の回り込みを第2シール部82によって防ぎつつ、第1シール部81の押圧力をバネ83によって調整して第1シール部81の押圧力が強く過ぎるために生じる異常摩耗や押圧力が弱すぎるために生じる蒸気漏れをより確実に防止できる。
また、本実施形態では、第2シール部82は、Oリングであり、収容部56の内周側の内壁561には第2シール部82を嵌め込む嵌合溝57が設けられる。
これにより、Oリングである第2シール部82が嵌合溝57に嵌り込むことにより、第2シール部82を収容部56の適切な位置に容易に組み付けることができる。また、嵌合溝57によって第2シール部82が適切な位置で保持されるので、大きな圧力にも十分対抗できる。
以上説明した蒸気シール部材80は、第1シール部81と第2シール部82が別体で構成される例を説明したが、第1シール部と第2シール部を一体的に構成することもできる。図5は、第1変形例の蒸気シール部材280及びその近傍を示す拡大断面図である。なお、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、第1変形例の蒸気シール部材280は、第1シール部281と第2シール部282が一体的に成形されて構成される。第1シール部281はリング状に形成されており、第2シール部282は第1シール部281の内周面から径方向内側に突出する環状のリブである。蒸気シール部材280は、第2シール部282の先端が内周側の内壁561に接触した状態で収容部56に収容される。第1変形例は、嵌合溝57が内壁561に形成されていない点も上記実施形態と異なる。
以上説明したように、第1変形例の蒸気シール部材280は、第1シール部281と第2シール部282が一体的な成形品として構成される。この構成によっても、上記実施形態の蒸気シール部材80と同様に、第1シール部281の背面側への蒸気の侵入を確実に防止できる。また、部品点数を削減して組付けの工数を削減できる。
図6は、第2変形例の蒸気シール部材380及びその近傍を示す拡大断面図である。図6に示すように、第2変形例の蒸気シール部材380は、第1シール部381と第2シール部382の形状が上記実施形態及び第1変形例と異なっている。なお、第2変形例の蒸気シール部材380は、異種ゴム同士や樹脂とゴムの一体成形等、異なる部材を組み合せて一体成形したものであってもよいし、第1シール部381と第2シール部382を別々に用意し、組み合せて第2変形例の蒸気シール部材380とすることもできる。
第2変形例の第2シール部382は、その断面形状が略V字状に形成されており、V字の一側(径方向外側)が第1シール部381の内側に埋設され、V字の他側(径方向内側)の先端が第1シール部381の内周面から径方向内側に飛び出して内周側の内壁561に接触している。この第2変形例においても、内壁561に接触する第2シール部382により、第1シール部381の背面側への蒸気の侵入を確実に防止できる。V字の溝の部分が蒸気の侵入側となっているので、溝の部分に侵入した蒸気によって第2シール部382が内壁561側に押し付けられ良好なシール性を発揮できる。また、第1変形例と同様に、部品点数を削減して組付けの工数を削減できる。なお、第2変形例においても第1変形例と同様に同じ材料で成形することもできる。
以上説明したように、第1変形例のように第1シール部281と第2シール部282を同じ材料で構成することもできるし、第2変形例のように異種ゴム同士や樹脂とゴムの一体成形等、異なる部材を組み合せて蒸気シール部材280を一体成形することもできる。また、蒸気シール部材80,280,380の径方向内側又は外側に蒸気シール部材を更に配置し、二重のシール構造とすることもできる。また、第2シール部82,282,382の断面形状も適宜変更することができる。第2シール部82の断面形状を円やV字状以外の形状として例えば矩形状のものに変更することもできる。このように、蒸気シール部材の構成は事情に応じて適宜変更できる。
<複数のクランク軸>
図3に示すように、クランク軸70は、偏芯軸部71と、この偏芯軸部71の両側に配置される基軸部72と、を備える。本実施形態では、基軸部72には、旋回スクロール30の回転を円滑にするウェイトバランサ75が設けられる。ウェイトバランサ75は、その形状や重さがクランク軸70の取り付ける位置によって適宜調整されている。
偏芯軸部71が旋回スクロールベース33(旋回スクロール30)に連結されるとともに基軸部72がハウジング20のハウジング軸受部26に回転可能に支持される。ハウジング軸受部26は、クランク軸70の数に応じて開口穴21の周囲に配置される。各ハウジング軸受部26は、いずれも転がり軸受であり、同心円状に配置された略円筒状の内輪と外輪との間に、その周方向へ配列されて多数の転動体が保持されて構成される。
図7は、本実施形態のクランク軸70の配置及び換気構造を模式的に示す図である。図7に示すように、クランク軸70は、周方向で等間隔に合計3本配置されており、正面視で下向きの三角形の頂点に相当する位置に配置される。3本のクランク軸70は、同一の構造となっており、偏芯軸部71の位置を揃えた状態で、タイミングベルト又は歯車等によって構成される回転同期機構(図示省略)により同期回転する。3本のクランク軸70のうち、最も下側に位置するクランク軸70が圧縮機4に駆動力を伝達する駆動軸となっている。残り2本の上側クランク軸70Bは、出力を直接には行わない従動軸である。
開閉弁17が開状態になると、給蒸気管15の給蒸気セパレータ16から直上配管151、水平配管152及び接続配管153を通って蒸気がスクロール膨張機3の中央開口部60から膨張室90に流入する(図2参照)。本実施形態では、給蒸気セパレータ16から分岐する給蒸気管15により、左右両側の各固定スクロール50の中央開口部60に蒸気がそれぞれ供給される(図3参照)。膨張室90に流入した蒸気の圧力によって旋回スクロール30が旋回し、この旋回スクロール30の回転駆動力が回収動力として下側クランク軸70Aから取り出され、伝達機構6を介して圧縮機4に伝達される(図1参照)。
膨張室90で膨張した蒸気は、膨張しながら各固定スクロール50の第1開口部61から第1排蒸気管181を通じてスクロール膨張機3の外部に排出されるとともに、第2開口部62から第2排蒸気管182を通じてスクロール膨張機3の外部に排出される。第1排蒸気管181及び第2排蒸気管182を通過した蒸気は排蒸気セパレータ19で合流した後、水分が分離されて回収用のスチームヘッダに送られる。
<停止時のドレン水排出構造>
開閉弁17が閉状態になると、給蒸気管15からの蒸気の供給が停止される。本実施形態では、開閉弁17が下方に傾斜する接続配管153ではなく、水平方向に延びる水平配管152に配置されているので、停止時にドレン水が上流から流れてきて開閉弁17の内部に溜まるような事態を防止できる。また、本実施形態の水平配管152は、給蒸気セパレータ16の上方に位置するので、直上配管151から水平配管152にドレン水が流れ込むことがなく、開閉弁17にドレン水が溜まり難い構造となっている。
図3に示すように、スクロール膨張機3は旋回軸が横向きの縦置き型なので、停止時に内部に残る蒸気が凝縮して生じたドレン水は重力により膨張室90の下部に集まる。ドレン水は、蒸気シール部材80によって下側に漏れることなく、第1開口部61から第1排蒸気管181を介して外部に排出される。即ち、第1開口部61は、蒸気を排出する経路であるとともに停止時にはドレン水を排出する経路としても機能することになる。
以上説明したように、本実施形態のスクロール膨張機3は、固定側基板部51に接続され、旋回スクロール30と固定スクロール50によって形成される膨張室90に膨張対象の蒸気を導入する給蒸気管15(接続配管153)と、外周ラップ55の先端に設けられ、膨張室90の外周をシールする蒸気シール部材80と、固定側基板部51に接続され、膨張室90から排出される蒸気を送る第1排蒸気管181と、を備え、膨張室90における蒸気シール部材80の内側の空間と第1排蒸気管181を連通する排出口としての第1開口部61が、固定側基板部51の下部に形成される。
これにより、膨張室90の下限付近に低圧側のポートとして第1開口部61が配置されるので、稼動時には第1開口部61を蒸気の排出口として機能させ、停止時には膨張室90からドレン水を外部に排出するドレン水排出口として機能させることができる。これによって、停止時等にドレン水が膨張室90の内側に溜まる事態を効果的に防止できる。
また、本実施形態では、スクロール膨張機3は、第1排蒸気管181とともに第2排蒸気管182が接続される排蒸気セパレータ19を更に備え、第1排蒸気管181は、固定側基板部51から水平方向に延出して排蒸気セパレータ19に接続される。
これにより、第1開口部61から排出されるドレン水の逆流が生じ難くなり、安定してドレン水を膨張室90の外部に排出できる。なお、本実施形態の第1排蒸気管181は、水平方向に延出する構成であるが、下側に傾斜するように構成してもよい。
また、本実施形態では、スクロール膨張機3は、給蒸気管15が接続される給蒸気セパレータ16と、給蒸気管15における給蒸気セパレータ16と固定側基板部51の間に配置される開閉弁17と、を更に備える。給蒸気管15は、水平方向に延びる水平部としての水平配管152及び水平配管152の下流側端部から固定側基板部51の接続部分である中央開口部60へ下側に傾斜する傾斜部としての接続配管153を有し、開閉弁17は、給蒸気管15の水平配管152に配置される。
これにより、開閉弁17の内部にドレン水が溜まる事態を効果的に防止でき、より一層安定的に蒸気をスクロール膨張機3に供給することができる。
なお、本実施形態の構成に加えてドレン水を排出するための構成を別途設ける構成としてもよい。例えば、固定スクロール50の固定側基板部51又は外周ラップ55にドレン水を排出するためのドレン水排出口を第1開口部61とは別に形成することもできる。
<スクロール膨張機の換気構造>
次に、スクロール膨張機3の換気構造について説明する。図7に示すように、ハウジング20の下部には冷却風の給気口24が設けられ、この給気口24に給気ダクト240が接続される。ハウジング20の上部には冷却風の排気口25が設けられ、この排気口25に排気ダクト250が接続される。本実施形態では、給気口24と排気口25は、固定スクロール50を挟んで上下方向に並んで配置される。
ブロワ7から給気ダクト240を通じて送られてきた冷却風は給気口24からハウジング20の内部(収容空間23)に送られる。給気口24からハウジング20の内部に入った冷却風は下側クランク軸70Aの冷却を行った後、固定スクロール50の外周を沿うように二手に分かれる。二手に分かれた冷却風は、上方に移動して左右の上側クランク軸70Bのそれぞれを冷却した後、排気口25を通じてハウジング20の外側に排気される。
このように、本実施形態のスクロール膨張機3は、旋回ラップ32の外側であって旋回中心又は中央開口部60よりも上側で旋回スクロール30に連結される2本の上側クランク軸70Bと、旋回ラップ32の外側であって旋回中心又は中央開口部60よりも下側で旋回スクロール30に連結され、給気口24に対向する下側クランク軸70Aと、を備える。
これにより、給気口24からハウジング20の収容空間23に導入された冷却風は、下側クランク軸70A及びハウジング軸受部26を冷却した後、固定スクロール50の外周に沿って移動し、旋回ラップ32の外側に位置する2本の上側クランク軸70B及びハウジング軸受部26の冷却を行う。つまり、1つの給気口24から3箇所の冷却を効率的に行う構成を実現できるのである。
また、本実施形態では、2本の上側クランク軸70B及び下側クランク軸70Aは、下向きの正三角形の頂点位置に対応するように、旋回スクロール30の周方向で等間隔に配置され、下側クランク軸70Aは、給気口24の中央の直上に位置している。
これにより、給気口24からハウジング20の内部に入った冷却風が下側クランク軸70Aを冷却した後に、2本の上側クランク軸70Bにそれぞれ向かう冷却風の量を均等にすることができ、各軸受部の冷却を効率良く行うことができる。
また、本実施形態では、下側クランク軸70Aが動力を伝達する駆動軸である。
これにより、動力を伝達する下側クランク軸70Aを確実に冷却することができ、駆動力の伝達をより安定的にすることができる。
なお、本実施形態では、下向きの正三角形状にクランク軸70が配置されているが、場合によっては三角形の向きを斜めに配置することもできる。また、旋回スクロールベース33の形状が略三角形状に構成されているが、この形状に限定される訳ではなく、円形状等、その形状を適宜変更することもできる。
<スクロール膨張機の異常検出>
次に、スクロール膨張機3の異常を検出する制御について説明する。本実施形態の蒸気シール部材80によれば、蒸気をシールできるものの、組付不良やメンテナンス不良等に起因するシール性能の低下により蒸気が膨張室90の外側に漏れ出す場合もある。また、ブロワ7の故障によって十分な冷却風がハウジング20の内部に供給されない場合もある。本実施形態の制御装置5は、給気温度センサ241が検出した給気温度及び排気温度検出部242が検出した排気温度に基づいてスクロール膨張機3の異常を判定する判定部として機能する。
まず、給気温度センサ241及び排気温度センサ251の配置について説明する。
本実施形態の給気温度センサ241は、ハウジング20の内部に供給される冷却風の温度を検出し、検出した給気温度情報を制御装置5に送信する。給気温度センサ241は、給気ダクト240における空気の取込口(図示省略)近傍に配置される。なお、給気温度は、ハウジング20に送られる前(冷却前)の空気の温度を検出できればよく、給気温度センサ241の配置場所は適宜変更することができる。例えば、スクロール膨張機3の周囲温度を検出できる位置に給気温度センサ241を配置することもできる。
排気温度センサ251は、排気口25から排気される冷却後の空気(冷却風)の温度を検出し、検出した排気温度情報を制御装置5に送信する。排気温度センサ251は、排気ダクト250におけるハウジング20の排気口25近傍に配置される。なお、排気温度は、スクロール膨張機3の冷却後の空気の温度を検出できればよく、排気温度センサ251の配置場所は適宜変更することができる。例えば、排気ダクト250の出口に配置することもできる。
次に、制御装置5による判定ロジックについて説明する。本実施形態では、3種類の判定ロジックを用いて異常の検出を行う。各判定ロジックについて説明する。図8は、本実施形態のスクロール膨張機による異常検出の判定ロジックを示す図である。図8中の(a)には第1判定ロジックのフローチャートが示され、(b)には第2判定ロジックのフローチャートが示され、(c)には第3判定ロジックのフローチャートが示される。各判定ロジックについて順次説明する。
<第1判定ロジック>
第1判定ロジックは、旋回軸受部35等、スクロール膨張機の装置保護の観点で設定された装置保護温度(例えば、70℃)と排気温度の比較によって異常を判定する処理である。
図8(a)に示すように、第1判定ロジックが開始されると、制御装置5は、排気温度センサ251の排気温度を監視し、所定値として設定された保護温度を上回ったか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の処理で、保護温度を上回った場合は蒸気の供給を停止(開閉弁17を閉止)してスクロール膨張機3を停止するインターロック処理を行う(ステップS102)。
<第2判定ロジック>
第2判定ロジックは、運転開始から定常状態移行後に、排気温度の単位時間(例えば、1〜2分)当たりの温度上昇が予め設定される範囲(例えば、5℃)を上回ることを条件として異常を判定する処理である。
図8(b)に示すように、第2判定ロジックが開始されると、制御装置5は、定常状態に移行しているか否かを判定する(ステップS201)。定常状態に移行したか否かは、開閉弁17を開放してから所定時間経過して判定する又は各種の温度センサ、圧力センサ等の検出値に基づいて判定する等、適宜の判定基準を設定することができる。
定常状態移行後は、排気温度を監視し、単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回るか否かを判定する(ステップS202)。単位時間当たりの温度上昇が高ければ蒸気漏れやブロワ7の故障・異常が考えられるので、インターロック処理を行う(ステップS203;上述のステップS102と同様に開閉弁17を閉止する)。本実施形態では、単位時間当たりの温度上昇の判定を定常状態移行後に行うことにより、運転開始時に蒸気がスクロール膨張機3に導入されることによって温度が上昇する状態を異常と判定する誤判定が回避されている。
<第3判定ロジック>
第3判定ロジックは、給気温度センサ241の給気温度と排気温度センサ251の排気温度の差に基づいて異常を判定する処理である。
図8(c)に示すように、第3判定ロジックが開始されると、制御装置5は、給気温度と排気温度の差を監視する(ステップS301)。給気温度と排気温度の差が所定範囲から外れた場合は、スクロール膨張機3に異常が生じていると判定し、インターロック処理を行う(ステップS302;上述のステップS102と同様に開閉弁17を閉止する)。
本実施形態の第3判定ロジックは、定常状態では、給気温度と排気温度の差が想定される所定範囲から外れた場合は、スクロール膨張機3に異常が生じていると判定する。例えば、予測よりも高い温度上昇が生じている場合は蒸気漏れによる温度上昇が生じていると考えられるので蒸気漏れの異常と判断する。また、ブロワ7が故障して冷却風の供給が停止している場合はスクロール膨張機3のハウジング20の内部の温度は上昇するものの、空気の流れが停止しているため、排気温度が変化しない又は温度上昇が正常時よりも緩やかなものとなるのでブロワ7故障が生じていると判断し、異常と判断する。
なお、第3判定ロジックでは、スクロール膨張機3が停止しているときは、給気温度と排気温度の差がほとんどない状態を正常と判定するように判定条件が変更される。スクロール膨張機3が停止しているときは温度上昇が起こらず、排気後の冷却風に温度変化がないことが正常であるためである。スクロール膨張機3の停止後、所定時間経過後も給気温度より排気温度が上昇し続けている場合は異常と判定する。
なお、第3判定ロジックにおいても、第2判定ロジックと同様に定常状態移行後に異常判定を行う構成としてもよい。また、ステップS302の処理で、給気温度と排気温度の差が予測温度範囲としての所定範囲の上限を超える場合は蒸気漏れ異常と判断し、給気温度と排気温度の差が所定範囲の下限よりも低い場合はブロワ7故障異常と判断し、異常の種類を報知するロジックとすることもできる。
各判定ロジックの処理の流れは以上の通りである。本実施形態の制御装置5は、第1判定ロジック、第2判定ロジック及び第3判定ロジックによる異常検出を並行して行う。従って、第1判定ロジック、第2判定ロジック及び第3判定ロジックのうち、何れか1つでも異常と判定した場合はインターロック処理が行われる(OR条件)。例えば、第2判定ロジックの単位時間当たりの温度変化を検出する第1時間と第2時間の間(サイクルタイムの間)で、排気温度が第1判定ロジックで設定される所定値を上回った場合は、第2判定ロジックの異常判定の条件を満たしていない場合でもインターロック処理が行われる。
なお、制御装置5による異常を判定する方法は、上記実施形態に限定されるわけではなく、適宜変更することができる。例えば、第1判定ロジック、第2判定ロジック及び第3判定ロジックのうち、1つの判定ロジックだけで異常を検出したり、2つの判定ロジックで並行して異常を検出したりすることができる。また、各判定ロジックをAND条件として複数の条件を満たしたときに異常と判定する構成とすることもできる。
以上説明したように、本実施形態のスクロール膨張機3は、冷却風の給気口24が設けられるとともに冷却風の排気口25が設けられるハウジング20と、ハウジング20の内部に配置され、旋回側基板部31の板面に渦巻き状の旋回ラップ32が設けられる旋回スクロール30と、ハウジング20の内部で旋回スクロール30に対向配置され、固定側基板部51の板面に旋回ラップ32に噛み合う渦巻き状の固定ラップ52が設けられるとともに、膨張させる流体として蒸気が導入される固定スクロール50と、冷却風の排気温度を検出する排気温度センサ251と、排気温度センサ251で検出される排気温度の変化に基づいて異常を判定する判定部としての制御装置5と、を備える。
これにより、排気温度の温度変化を監視することにより、蒸気シール部材80からの蒸気漏れだけでなく、給蒸気管15からの蒸気漏れやブロワ7の冷却不良も検出できるスクロール膨張機をシンプルな構成で実現できる。
また、本実施形態の制御装置5は、排気温度センサ251の排気温度が予め設定される所定値を上回ることを条件として異常を判定する(第1判定ロジック)。
これにより、装置保護温度に基づいて設定される所定値を基準として高温状態を略リアルタイムで検出してインターロックすることにより、急激な温度上昇に起因するスクロール膨張機の故障を防止できる。
また、本実施形態の制御装置5は、単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回ることを条件として異常を判定する(第2判定ロジック)。
これにより、定常状態から外れるような温度変化を検出することにより、蒸気漏れや冷却不良等の異常が放置されることなくスクロール膨張機3の異常を速やかに検出することができる。
また、本実施形態の制御装置5は、運転開始から定常状態移行後に、単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回るか否かの判定を開始する(第2判定ロジック)。
これにより、運転開始から定常状態移行後に判定を行うので、運転開始時の蒸気導入開始による温度上昇を異常と判定する誤判定を防止でき、運転開始から定常状態移行後も判定ロジックの条件を変えることなく異常の検出を行うことができる。
また、スクロール膨張機3は、給気温度センサ241を更に備え、制御装置5は、給気温度センサ241の給気温度と排気温度センサ251の排気温度の差に基づいて異常判定を行う(第3判定ロジック)。
これにより、冷却風(空気)の冷却前後の温度変化を検出することにより、スクロール膨張機3で生じる異常をより精度良く判定することができる。また、予測温度範囲を設定することにより、蒸気漏れやブロワ故障を判定することもでき、スクロール膨張機3の異常を正確に判定することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態及びその変形例に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
1 蒸気利用システム
2 蒸気発生装置
3 スクロール膨張機(スクロール流体機械)
5 制御装置(判定部)
15 給蒸気管
16 給蒸気セパレータ
17 開閉弁
19 排蒸気セパレータ
20 ハウジング
24 給気口
25 排気口
30 旋回スクロール
31 旋回側基板部
32 旋回ラップ
50 固定スクロール
51 固定側基板部
52 固定ラップ
55 外周ラップ
56 収容部
57 嵌合溝
80,280,380 蒸気シール部材(シール部材)
81,281,381 第1シール部
82,282,382 第2シール部
83 バネ(付勢部材)
90 膨張室
60 中央開口部(接続部分)
61 第1開口部(排出口)
152 水平配管(水平部)
153 傾斜部(接続配管)
181 第1排蒸気管(排蒸気管)
241 給気温度センサ(給気温度検出部)
251 排気温度センサ(排気温度検出部)

Claims (5)

  1. 冷却風の給気口が設けられるとともに冷却風の排気口が設けられるハウジングと、
    前記ハウジングの内部に配置され、旋回側基板部の板面に渦巻き状の旋回ラップが設けられる旋回スクロールと、
    前記ハウジングの内部で前記旋回スクロールに対向配置され、固定側基板部の板面に前記旋回ラップに噛み合う渦巻き状の固定ラップが設けられるとともに、膨張させる流体として蒸気が導入される固定スクロールと、
    冷却風の排気温度を検出する排気温度検出部と、
    前記排気温度検出部で検出される排気温度の変化に基づいて異常を判定する判定部と、
    を備えるスクロール膨張機。
  2. 前記判定部は、
    前記排気温度検出部の排気温度が予め設定される所定値を上回ることを条件として異常を判定する請求項1に記載のスクロール膨張機。
  3. 前記判定部は、
    単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回ることを条件として異常を判定する請求項1に記載のスクロール膨張機。
  4. 前記判定部は、
    運転開始から定常状態移行後に、単位時間当たりの温度上昇が予め設定される範囲を上回るか否かの判定を開始する請求項3に記載のスクロール膨張機。
  5. 給気温度検出部を更に備え、
    前記判定部は、
    前記給気温度検出部の給気温度と前記排気温度検出部の排気温度の差に基づいて異常判定を行う請求項1に記載のスクロール膨張機。
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