JP6729165B2 - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のギヤの組み合わせによって動力の伝達を行う車両用動力伝達装置の構造に関するものである。
互いに噛み合う少なくとも一対のギヤによって動力の伝達を行う車両用動力伝達装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された動力伝達装置がそれである。特許文献1の車両用動力伝達装置においては、一対のギヤがそれぞれ固定された一対の回転軸の軸端部を軸受の内輪にそれぞれしまりばめ状態ないし中間ばめ状態で嵌め着けられると共に前記軸受の外輪をケースにしまりばめ状態ないし中間ばめ状態で嵌め着けられることで前記一対のギヤがケースに支持されている。
特開2015−123843号公報
ところで、前記ケースと前記ギヤ、前記軸受、および前記回転軸が相互に異なった材質から成る場合に、それぞれの材質に基づく熱膨張係数が異なることによって、動力の伝達を行う一対のギヤ間のバックラッシュすなわち前記ギヤ間の噛合い部分の隙間が変化するという問題があった。特に、軽量化を図るため前記ケースにはアルミニウム合金などを用い、強度および熱処理後の寸法精度が良好なことから前記ギヤ、前記軸受、および前記回転軸には、例えば、機械構造用の炭素鋼もしくは炭素鋼にクロム、マンガン、モリブデン等を添加した合金鋼を用いると、前記ケースと前記ギヤ等との材質の熱膨張係数の差が比較的大きいので、温度が変化した場合の前記ギヤ間のバックラッシュの変動もまた比較的大きくなり、設計上の制約が大きくなると共に前記バックラッシュの変動の影響を受ける歯打ち音等が温度の影響をより大きく受けることとなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、温度変化が生じた場合にも一対のギヤ間の噛合い部分のバックラッシュの変動がより少ない構造を持つ車両用動力伝達装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)相互の噛合いによって動力を伝達する第1ギヤおよび第2ギヤと、前記第1ギヤが固定された第1回転軸および前記第2ギヤが固定された第2回転軸と、第1軸受を介して前記第1回転軸を支持するとともに第2軸受を介して前記第2回転軸を支持するケースとを備え、前記第1回転軸および前記第2回転軸は互いに平行な回転軸線まわりに回転させられ、前記第1軸受および前記第2軸受は外輪および内輪を有する転がり軸受であり、前記ケースは、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤ、前記第1回転軸および前記第2回転軸、および前記第1軸受および前記第2軸受よりも大きな熱膨張係数を有する車両用動力伝達装置であって、(b)前記第1回転軸の少なくとも一方の端部および前記第2回転軸の少なくとも一方の端部にそれぞれ中空の円筒状軸端部が設けられ、(c)前記第1回転軸の前記円筒状軸端部の内径側に前記第1軸受の外輪が圧入されるとともに、前記第1軸受の内輪が前記ケースから突設された第1支持軸部に嵌め合わされることによって、前記第1回転軸の少なくとも一方の端部が前記ケースに支持され、(d)前記第2回転軸の前記円筒状軸端部の内径側に前記第2軸受の外輪が圧入されるとともに、前記第2軸受の内輪が前記ケースから突設された第2支持軸部に嵌め合わされることによって、前記第2回転軸の少なくとも一方の端部が前記ケースに支持されることにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記円筒状軸端部は、前記第1回転軸および前記第2回転軸の両端部のうちの、前記第1ギヤと前記第2ギヤとのギヤの噛合い部分に近い側の端部に設けられていることにある。
第1発明によれば、(a)相互の噛合いによって動力を伝達する第1ギヤおよび第2ギヤと、前記第1ギヤが固定された第1回転軸および前記第2ギヤが固定された第2回転軸と、第1軸受を介して前記第1回転軸を支持するとともに第2軸受を介して前記第2回転軸を支持するケースとを備え、前記第1回転軸および前記第2回転軸は互いに平行な回転軸線まわりに回転させられ、前記第1軸受および前記第2軸受は外輪および内輪を有する転がり軸受であり、前記ケースは、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤ、前記第1回転軸および前記第2回転軸、および前記第1軸受および前記第2軸受よりも大きな熱膨張係数を有する車両用動力伝達装置であって、(b)前記第1回転軸の少なくとも一方の端部および前記第2回転軸の少なくとも一方の端部にそれぞれ中空の円筒状軸端部が設けられ、(c)前記第1回転軸の前記円筒状軸端部の内径側に前記第1軸受の外輪が圧入されるとともに、前記第1軸受の内輪が前記ケースから突設された第1支持軸部に嵌め合わされることによって、前記第1回転軸の少なくとも一方の端部が前記ケースに支持され、(d)前記第2回転軸の前記円筒状軸端部の内径側に前記第2軸受の外輪が圧入されるとともに、前記第2軸受の内輪が前記ケースから突設された第2支持軸部に嵌め合わされることによって、前記第2回転軸の少なくとも一方の端部が前記ケースに支持される。この構造により、温度の変化に基づく前記第1ギヤと前記第2ギヤとの隙間すなわち前記バックラッシュの変動は抑制され、設計時における前記バックラッシュの変動に対応する設定値を小さくできることによって設計の自由度が増加すると共に、歯打ち音等の前記バックラッシュの変動の影響を受ける性能の温度に基づく影響を軽減できる。
第2発明によれば、前記円筒状軸端部は、前記第1回転軸および前記第2回転軸の両端部のうちの、前記第1ギヤと前記第2ギヤとのギヤの噛合い部分に近い側の端部に設けられている。この構造により、たとえばギヤの噛合いにより遠い前記第1回転軸の端部において、前記第1ギヤが固定された前記第1回転軸の外径側に前記第1軸受の内輪が圧入されると共に外輪が前記ケースに嵌め合わされたとしても前記ギヤの噛合い部分により近い端部が温度の変化に基づく前記バックラッシュの変動をより支配的に抑制することによって、前記第1ギヤと前記第2ギヤとのギヤの噛合い部分の前記バックラッシュの変化は効果的に抑制され、設計時における前記バックラッシュの変動に対応する設定値を小さくできる。温度の変化に基づく前記バックラッシュの変動が抑制されることによって、設計の自由度が増加すると共に、歯打ち音等の前記バックラッシュの変動の影響を受ける性能に対する温度変化に基づく影響を軽減できる。
本発明が適用される実施例における、ギヤの噛合いによって動力を伝達する一対のギヤ、回転軸、軸受と、ケースとの関係を示す概念図である。 図1の軸受の断面形状を示す概略図である。 特許文献1の車両用動力伝達装置に用いられている、ギヤの噛合いによって動力を伝達する一対のギヤ、回転軸、軸受と、ケースとの関係を示す概念図である。 本発明が適用される他の実施例における、ギヤの噛合いによって動力を伝達する一対のギヤ、回転軸、軸受と、ケースとの関係を示す概念図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bのギヤの噛合い部分の隙間すなわちバックラッシュ(以下、第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bのギヤの噛会部分の隙間を単にバックラッシュと呼ぶ)の温度変化に基づく変動を減少するための構造であり、第1回転軸14aおよび第2回転軸14bの両側の円筒状軸端部28は中空の円筒状となっている。また、第1ギヤ12aは第1回転軸14aに固定され、第1回転軸14aには、第1回転軸14aの内径側において第1軸受16aの外輪20が圧入されすなわち所定の圧入荷重による強制的な圧入により軸受16aの外輪20に応力を発生させるしまり嵌めがなされ、更に第1軸受16aの内輪18がケース10の円柱状の突起すなわち第1支持軸部24aに対して嵌め合いがなされることで第1ギヤ12aがケース10に支持されている。この嵌め合いは、充分な抜け荷重を発生させる所謂圧入ではなく、ケース10が軟質金属であるアルミ合金から構成されていることに由来して、第1軸受16aに大きな応力を発生させない。また、第2ギヤ12bは第2回転軸14bに固定され、第2回転軸14bは、第1回転軸14aと同様に、第2回転軸14bの内径側において第2軸受16bの外輪20が圧入され、更に第2軸受16bの内輪18がケース10の円柱状の突起すなわち第2支持軸部24bに嵌合されることで第2ギヤ12bがケース10に支持されている。すなわち、第1回転軸14aおよび第2回転軸14bの少なくとも一方の端部に設けられた中空の円筒状軸端部28と、ケース10から第1回転軸14aの円筒状軸端部28内へ突設され、第1回転軸14aの円筒状軸端部28の内周面を第1軸受16aを介して回転可能に支持する第1支持軸部24aと、ケース10から第2回転軸14bの円筒状軸端部28内へ突設され、第2回転軸14bの円筒状軸端部28の内周面を第2軸受14bを介して回転可能に支持する第2支持軸部24bとを、備えている。
ケース10には、車両の燃費改善等のための軽量化が図れること、また鋳物およびダイカストによる成形性が良いことからアルミ合金が好適に用いられる。車両用に用いられるアルミ合金の一例としては、Al−Si系(JIS番号AC3A等)やAl−Si−Cu系(JIS番号AC2A、AC2B、AC4A、AC4D等)がある。これらのアルミ合金は、21から25×10−6/℃程度の熱膨張係数αaを持つとともに、75から265(MPa)程度の0.2%耐力Saすなわち塑性変形に変化する目安とされる0.2%の永久ひずみを生じる耐力を持っている。
一方、ギヤ12(以下、第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとを特に区別しない場合は単にギヤという)には、ギヤ歯の疲労強度や衝撃強度、加工後の寸法精度が高いことが必要であり合金鋼材が好適に用いられる。一例としては、クロム鋼(JIS番号SCr415からSCr445等)やクロムモリブデン鋼(JIS番号SCM415からSCM445等)がある。これらの合金鋼材は11から13×10−6/℃程度の熱膨張係数αsであり、熱処理条件によって多少変化するが420から900(MPa)程度の降伏点Ssすなわち弾性変形から塑性変形への変化について高い降伏強さを持っている。
また軸受16(以下、第1軸受16aと第2軸受16bとを特に区別しない場合は単に軸受という)には、高荷重かつ高回転という使用条件において長時間使用できることが必要であり合金鋼材が好適に用いられる。一例としては、高炭素クロム軸受鋼(JIS番号SUJ2等)、クロム鋼(JIS番号SCr420等)、ニッケルクロムモリブデン鋼(JIS番号SNCM420等)等がある。これらの合金鋼材はギヤ18に用いられる材料と類似であり、11から13×10−6/℃程度の熱膨張係数αsを持っている。回転軸14(以下、第1回転軸14aと第2回転軸14bとを特に区別しない場合は単に回転軸という)には、高荷重かつ高回転の使用に長時間使用できることが必要であり、要求される特性が類似であることから、ギヤ18、軸受16と類似の材料が良く用いられる。これらの材料以外では、機械構造用炭素鋼(JIS番号S45C)等も用いられる。なお機械構造用炭素鋼S45Cの熱膨張係数αsは12.8×10−6/℃程度であり、降伏点Ssは、490程度である。
図2は、軸受16としてよく用いられる転がり軸受の概略構造を示す断面図の一例である。軸受16は、内輪18と外輪20とによって玉22もしくはころ等が挟まれた構造となっており、内輪18と外輪20とが回転軸線C1、C2まわりに相対回転をすることが可能となっている。また、内輪18と外輪20とに加えられる外部からの応力の変化によって、軸受16の内輪18または外輪20のどちらかを固定し他方を径方向に動かした場合の移動量すなわち内部隙間Siが変化を示す。
図1に戻り、本実施例の第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとのギヤの噛合い部分の隙間であるバックラッシュ(mm)の温度の変化を説明する。ケース10には、前述のアルミ合金すなわち21から25×10−6/℃程度の熱膨張係数αaの材料が使用され、ギヤ12、回転軸14、軸受16には、前述の鋼材すなわち熱膨張係数αが11から13×10−6/℃程度の熱膨張係数αsの材料が使用され、ケース10の熱膨張係数αaがギヤ12、回転軸14、軸受16の熱膨張係数αsと比較して大きい。外力を加えた場合の変形のし易さを示すアルミ合金の0.2%耐力Saは、75から265であり、鋼材の降伏点Ss420から900と比較して大幅に低いため、鋼材からなる軸受16の外輪に鋼材からなる回転軸14の内径側が圧入され、第1軸受16aおよび第2軸受け16bの内輪にアルミ合金からなるケース10の円柱状の突起24aおよび24bが嵌め合わされている。温度変化がバックラッシュに主に影響を与えるのは、第1回転軸14aの回転中心を示す軸線C1と軸線C1と平行をなす第2回転軸14bの回転中心を示す軸線C2との距離すなわち軸間距離Ad(mm)と、軸受16の内輪18と軸受16の内輪18に嵌合しているケース10との隙間Sc1(mm)(以降、軸受ケース間隙間Sc1と呼ぶ)と、軸受16の内部隙間Si(mm)すなわち軸受16の内輪18または外輪20のどちらかを固定し他方を径方向に動かしたばあいの移動量との3つの数値、すなわち軸間距離Ad、軸受ケース間隙間Sc、内部隙間Siである。
図1の構造において、たとえば低温時では高温時と比較して、軸間距離Adはケース10がギヤ12より大きい収縮を示すことから減少しバックラッシュを減少させる。しかし、軸受ケース間隙間Sc1は、ケース10の円柱状の突起部24a、24bの収縮が軸受16aおよび16bの収縮より大きいことから増加し、バックラッシュの増加に寄与する。また、軸受けケース間隙間Sc1が存在するときは軸受16aおよび16bの内部隙間Siは変化しない。しかし、軸受ケース間隙間Sc1が存在しないときは、軸受け16aおよび16bの内部隙間Siは増加し、バックラッシュの増加に寄与する。従って、軸間距離Adの減少に対し軸受ケース間隙間Sc1が増加し或いはそれに加えて軸受16の内部隙間Siが増加することによってバックラッシュの変化が抑制される。また高温時では、低温時と比較してケース10がギヤ12より大きい膨張を示すことから軸間距離Adおよびバックラッシュは、増加する。しかし、軸受ケース間隙間Sc1は、ケース10の円柱状の突起部24aおよび24bの膨張が軸受16の膨張より大きいことから減少し、バックラッシュの減少に寄与する。また、軸受ケース間隙間Sc1が存在するときは軸受16の内部隙間Siは変化しない。しかし軸受間隙間Sc1が存在しないときは、軸受け16a、16bの内部隙間Siは減少し、バックラッシュの減少に寄与する。従って、軸間距離Adの増加に対し軸受ケース間隙間Sc1或いはそれに加えて軸受16a、16bの内部隙間Siが減少することによってバックラッシュの変動が抑制される。
一方、図3の構造すなわち特許文献1で示された従来構造においては、車両用動力伝達装置30の内部で使用される、車両の動力源からの動力を伝達する一対の第1ギヤ12a、第2ギヤ12bと、それぞれ第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bが固定されている一対の第1回転軸14aおよび第2回転軸14bと、それら第1回転軸14aおよおび第2回転軸14bを軸受16a、16bの内輪18に嵌め合うことによって支持する軸受16a、16bと、軸受16aおよび16bの外輪20aおよび20bを嵌め合うことで支持するケース10とを示している。第1ギヤ12aは第1回転軸14aに固定され、第1回転軸14aは、第1回転軸14aの外周側において第1軸受16aの内輪18に圧入され、更に第1軸受16aの外輪20がケース10の支持円筒部26に嵌め合わされることで第1ギヤ12aがケース10に支持されている。また、第2ギヤ12bは第2回転軸14bに固定され、第2回転軸14bも同様に、第2回転軸14bの外径側において第2軸受16bの内輪18に圧入され、更に第2軸受の外輪20がケース10に嵌め合わされることで第2ギヤ12bがケース10に支持されている。
図3の従来構造においては、たとえば低温時では高温時と比較して第1回転軸14aの回転中心を示す軸線C1と軸線C1と平行をなす第2回転軸14bの回転中心を示す軸線C2との距離すなわち軸間距離Adは、ケース10がギヤ12より大きい収縮を示すことからバックラッシュを減少させる。また、ケース10の支持円筒部26と軸受16の外輪20との間の軸受ケース間隙間Sc2は、ケース10が軸受16より大きい収縮を示すことからバックラッシュの減少に寄与する。また、軸受ケース間隙間Sc2が詰まっていなければ軸受け16の内部隙間Siの変化はないが、詰まっている状態では、ケース10の収縮が軸受16の収縮より大きく、回転軸14と軸受16との収縮がほぼ同一であることから軸受16は温度の下降とともにより大きい圧縮力を受けることとなり、これによって軸受16の内部隙間Siは減少しバックラッシュの減少に寄与する。従って低温時では高温時と比較して、軸間距離Ad、軸受ケース間隙間Sc2、内部隙間Siはいずれもバックラッシュすなわち2つのギヤ12間の噛合い部分の隙間を減少させる。また、高温時では、低温時と比較して軸間距離Adは、ケース10がギヤ12より大きい膨張を示すことからバックラッシュを増加させる。また、軸受ケース間隙間Sc2は、ケース10が軸受16より大きい膨張を示すことからバックラッシュの増加に寄与する。また、軸受16の内部隙間Siは、ケース10の支持円筒部26と軸受16の外輪20との間の軸受ケース間隙間Sc2が詰まっていなければ軸受16の内部隙間Siの変化はないが、詰まっている状態ではケース10の膨張が軸受16より大きく内部隙間Siが増加し、バックラッシュの増加に寄与する。従って高温時においては、低温時と比較して、軸間距離Ad、軸受ケース間隙間Scはバックラッシュすなわち2つのギヤ12間の噛合い部分の隙間を増加させる。したがって、図3に示された構造においては、温度変化が生じた場合の前記ギヤの噛合い部分のバックラッシュの変動は、本実施例の構造と比較して大きいものとなる。
本実施例によれば、相互の噛合いによって動力を伝達する第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bと、第1ギヤ12aが固定された第1回転軸14aおよび第2ギヤ12bが固定された第2回転軸14bと、第1軸受16aを介して第1回転軸14aを支持するとともに第2軸受16bを介して第2回転軸14bを支持するケース10とを備える車両用動力伝達装置30であって、第1回転軸14aおよび第2回転軸14bの少なくとも一方の端部に中空の円筒状軸端部28が設けられ、第1回転軸14aの円筒状軸端部28の内径側に第1軸受16aの外輪20が圧入されるとともに、内輪18がケース10から突設された第1支持軸部24aに嵌め合わされることによって、第1回転軸14aの少なくとも一方の端部がケース10に支持され、第2回転軸14bの円筒状軸端部28の内径側に第2軸受16bの外輪20が圧入されるとともに、内輪18がケース10から突設された第2支持軸部24bに嵌め合わされることによって、第2回転軸14bされる。この構造によって、たとえば低温時では高温時と比較して、軸間距離Adが減少するのに対し軸受ケース間隙間Sc1が増加することによってバックラッシュの変動が抑制される。また高温時では低温時と比較して、軸間距離Adが増加するのに対し軸受ケース間隙間Sc1は減少し、軸受ケース間隙間Sc1が詰まって軸受16に圧縮力が発生した以降は温度上昇とともに軸受け16が受ける圧縮力は増加することとなりバックラッシュは減少することとによって、バックラッシュの変化が抑制される。従ってこれら温度の下降と上昇においてバックラッシュの変化が抑制され、設計時におけるバックラッシュの設定値を小さく設定できることによって設計の自由度が増加すると共に、歯打ち音等のバックラッシュの影響を受ける性能の温度に基づく影響を軽減できる。なお、実施例1においては、第1回転軸14aおよび第2回転軸14bの両端が上記の構造を持つものとして説明したが、回転軸14の片側の端部においてのみ上記の構造を持つ場合にも、温度の下降と上昇によるギヤの噛合い部分のバックラッシュの変動が抑制され、設計時におけるバックラッシュの設定値を小さく設定できることによって設計の自由度が増加すると共に、歯打ち音等のバックラッシュの影響を受ける性能の温度に基づく影響を軽減できる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、実施例1と同様に第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bのギヤの噛合い部分のバックラッシュの温度変化に基づく変動を減少するための構造であり、軸方向においてギヤの噛合い部分から遠い第1回転軸14aの端部だけが図3と同一の構造で支持されている。すなわち第1回転軸14aは、第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bのギヤの噛合い部分から遠い第1回転軸14aの外径側において第1軸受16aの内輪18に圧入され、更に第1軸受16aの外輪20がケース10の支持円筒部26に嵌め合わされることで第1ギヤ12aがケース10に支持されていることにおいて実施例1と異なっている。
本実施例によれば、中空の円筒状軸端部28は、第1回転軸14aと第2回転軸14bの両端部のうち、第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとのギヤ12の噛合い部分に近い側の端部に設けられており、これらの中空の円筒状軸端部28における回転軸14とギヤ12との軸受16を介したケース10による支持構造は、実施例1と同一である。したがって、第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとの噛合い部分により近い第1回転軸14aと第2回転軸14aとの端部におけるケース10による支持構造が、第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとの噛合い部分により遠い第1回転軸14aと第2回転軸14aとの端部におけるケース10による支持構造より第1ギヤ12aおよび第2ギヤ12bのギヤの噛合い部分のバックラッシュの温度に基づく変動に対し支配的に働くこととなる。このため、第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとの噛合い部分からより離れた端部におけるケース10による支持構造が、図3と同様の構造すなわち第1回転軸14aは、前記ギヤの噛合い部分から遠い第1回転軸14aの端部における外径側において第1軸受16aの内輪18によって圧入され、更に第1軸受の外輪20がケース10に嵌め合わされることで第1ギヤ12aがケース10に支持されている場合においても、第1ギヤ12aと第2ギヤ12bとの噛合い部分により近い回転軸14の端部におけるケース10による支持構造がバックラッシュの変化に対してより支配的に働くことによって、たとえば低温時では高温時と比較して、第1回転軸14aの回転中心を示す軸線C1と軸線C1と平行をなす第2回転軸14bの回転中心を示す軸線C2との距離すなわち軸間距離Adが減少するのに対し軸受ケース間隙間Scと軸受16の内部隙間Siとが増加することによってバックラッシュの変化が抑制される。また高温時では低温時と比較して、軸間距離Adが増加するのに対し軸受ケース間隙間Sc1と軸受16の内部隙間Siとが減少することによってバックラッシュの変動が抑制される。従ってこれら温度の下降と上昇による前記ギヤの噛合い部分のバックラッシュの温度変化が抑制され、設計時におけるバックラッシュの変動に対応する設定値を小さく設定できることによって設計の自由度が増加すると共に、歯打ち音等のバックラッシュの影響を受ける性能に対する温度の変化に基づく影響を軽減できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例においては、ケース10に使用される材料の熱膨張係数をギヤ12、回転軸14、軸受16に使用される材料と比較して大きいものとしたが、本発明の構造によれば、ケース10の熱膨張係数がギヤ12、回転軸14、軸受16の熱膨張係数と比較して小さい場合においてもギヤ12の噛合い部分の温度変化に基づくバックラッシュの変動は抑制される。
また、前述の実施例において、ギヤ12と回転軸14をそれぞれ個別の部品を組み合わせて使用するものとして説明したが、ギヤ12と回転軸14とを同一の材料で一体加工することもできる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10: ケース
12a、12b:ギヤ
14a、14b:回転軸
16a、16b:軸受
18:内輪
20:外輪
24a、24b:支持軸部
28:円筒状軸端部
30:車両用動力伝達装置

Claims (1)

  1. 相互の噛合いによって動力を伝達する第1ギヤおよび第2ギヤと、前記第1ギヤが固定された第1回転軸および前記第2ギヤが固定された第2回転軸と、第1軸受を介して前記第1回転軸を支持するとともに第2軸受を介して前記第2回転軸を支持するケースとを備え、前記第1回転軸および前記第2回転軸は互いに平行な回転軸線まわりに回転させられ、前記第1軸受および前記第2軸受は外輪および内輪を有する転がり軸受であり、前記ケースは、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤ、前記第1回転軸および前記第2回転軸、および前記第1軸受および前記第2軸受よりも大きな熱膨張係数を有する車両用動力伝達装置であって、
    前記第1回転軸の少なくとも一方の端部および前記第2回転軸の少なくとも一方の端部にそれぞれ中空の円筒状軸端部が設けられ、
    前記第1回転軸の前記円筒状軸端部の内径側に前記第1軸受の外輪が圧入されるとともに、前記第1軸受の内輪が前記ケースから突設された第1支持軸部に嵌め合わされることによって、前記第1回転軸の少なくとも一方の端部が前記ケースに支持され、
    前記第2回転軸の前記円筒状軸端部の内径側に前記第2軸受の外輪が圧入されるとともに、前記第2軸受の内輪が前記ケースから突設された第2支持軸部に嵌め合わされることによって、前記第2回転軸の少なくとも一方の端部が前記ケースに支持される
    ことを特徴とする車両用動力伝達装置。
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