JP6728855B2 - 非水系電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系電解液の分解によるガス発生が少なく、電池の保存特性に優れた非水系電解液二次電池に関するものである。
近年、電気自動車等の開発等を背景に、高エネルギー密度型電池として、非水系二次電池であるリチウムイオン二次電池の研究が盛んに行なわれている。リチウムイオン二次電池については、リチウムイオン二次電池の電解液としては、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCF(CFSO等の電解質を、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の低粘度溶媒との混合溶媒に溶解させた非水系電解液が代表例として挙げられる。正極活物質としては主にリチウムイオンを吸蔵・放出することができる遷移金属複合酸化物が用いられており、遷移金属の代表例としてはコバルト、ニッケル、マンガン、鉄等が挙げられる。
負極用活物質としては、主にリチウムイオンを吸蔵・放出することができる炭素質材料が用いられており、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等が代表例として挙げられる。更に高容量化を目指してシリコンやスズ等を用いた金属又は合金系の負極も知られている。
中でも、黒鉛化度の大きい黒鉛は、リチウムイオン二次電池用の負極用活物質として用いた場合、黒鉛のリチウム吸蔵の理論容量である372mAh/gに近い容量が得られ、さらに、コスト・耐久性にも優れることから、負極用活物質として好ましいことが知られている。
上記のような炭素材料を、リチウムイオン二次電池の負極用活物質として使用した場合、通常、炭素材料の表面に、結着剤等に用いられる高分子化合物や非水系電解液との反応によってSEI(Solid Electrolyte Interface)と呼ばれる保護被膜が形成される。SEIにより、炭素材料と非水系電解液との接触が防がれ、活性な炭素材料による非水系電解液の分解等が抑制される。その結果、負極表面の化学的安定性が保たれることも知られている。
しかしながら、炭素材料を負極用活物質として、非水系電解液を使用したリチウムイオン二次電池においては、負極活物質上でのSEI被膜生成や、非水系電解液との副反応生成物としてのガス発生によって、初期サイクル時の充放電不可逆容量が増大し、結果として、高容量化に至らないといった課題があった。さらには、SEI被膜が形成されることで、負極における界面抵抗(負極抵抗)が上昇し、電池の入出力特性が低下するという課題や電池を繰り返し充放電することによるSEI被膜の剥離とSEI被膜の再形成により保存特性が低下するという課題があった。
上記の問題を解決するために、非水系電解液の非水溶媒や電解質、添加剤について種々の検討をすることにより、非水系電解液二次電池の負荷特性、サイクル特性、保存特性等の電池特性の改良がなされてきた。
例えば、特許文献1には、非水電解液中にビス(ビニルスルホニル)メタンやビス(アリルスルホニル)メタンといった特定構造のスルホン化合物のうち少なくとも1種の化合物を含有させることにより、高温かつ長期の使用時においての電池の抵抗上昇を小さくする技術が提案されている。
また、特許文献2には、プロパルギル基又はビニル基が結合したSO基を有する特定
構造のスルホン化合物を非水電解液に対して0.01〜10重量%含有させることにより、高容量かつ高温下においてもサイクル特性や保存特性の劣化が少なく、ガス発生に伴う電池パックの膨れを少なくする技術が提案されている。
一方で、負極活物質側では、電池内での副反応をあらかじめ抑制することを目的に、負極用活物質である炭素材料を高分子などで被覆する技術や電池内で生成するラジカルを捕捉する材料を、負極用活物質である炭素材料に対して添着する技術が知られている。
例えば、特許文献3には、炭素材料基材に、ポリアリルアミンのような脂肪族アミノ基を側鎖に有する有機高分子を付着させることで、不可逆容量を低減(すなわち初期充放電効率を向上)させる技術が提案されている。
また、特許文献4では、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する化合物及び非水系電解液に難溶であるポリマーを含有する有機化合物を炭素材料にあらかじめ被覆した非水系二次電池用負極活物質を用いることで、非水系電解液の分解によるガス発生を抑制しつつ、初期コンディショニング時の充放電効率を改善させる技術が提案されている。
特開2007−173147号公報 国際公開第2008/133112号 特許第3868231号公報 特開2015−187985号公報
しかしながら、近年の非水系電解液二次電池の特性改善への要求はますます高まっており、高温保存特性、エネルギー密度、出力特性、寿命、高速充放電特性、低温特性等の全ての性能を高いレベルで併せ持つことが求められているが、未だに達成されていない。
特許文献1に開示されている技術では、ビス(ビニルスルホニル)メタンやビス(アリルスルホニル)メタンといった特定構造のスルホン化合物のうち少なくとも1種の化合物を非水電解液に含有させることで、60℃放置試験前後で直流における抵抗の増大が抑制されているが、該化合物の添加量が0.5〜1.5重量%より上限では、該化合物自体が電池内で好ましくない副反応を起こしてしまうため、60℃放置試験前後での直流における抵抗の増大抑制効果が極めて低いことも同時に示されている。また、特許文献1に開示されている技術では、実際には負極表面のみならず電池系内全体で作用してしまうため、高温で電池の満充電状態で使用した際におけるガス発生抑制効果や保存特性改善効果について不十分であった。また、電池内で生じたラジカルを捕捉することで非水系電解液中に生成した添加剤の重合生成物が非水電解液中を浮遊・セパレータの多孔膜の孔の封鎖を引き起こしてしまい、電池としての使用が困難になってしまうなど、改善する余地のある技術であった。
特許文献2に開示されている技術では、1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタンや特許文献1と同様のビス(ビニルスルホニル)メタンなどを非水電解液に含有させることで、100回の充放電サイクル後の放電容量維持率の改善や満充電条件での80℃3日間保存時のガス発生量の抑制効果が見られているが、特許文献2に開示されている技術も特許文献1同様に、実際には負極表面のみならず電池系内全体で作用してしまうため、高温で電池の満充電状態で使用した際におけるガス発生抑制効果や保存特性改善効果について不十分であった。
特許文献3に開示されている技術では、炭素材料表面への接着性がよい官能基であるアミノ基を側鎖に有する有機高分子を付着させることで、初期の充放電効率の改善すること
が示されているが、このような有機高分子を添着した炭素材料を負極用活物質として用いると、実際には電解液によって高分子が膨潤してしまい、特に高温で電池の満充電状態で使用した際におけるガス発生の抑制に対する改善効果や保存特性改善効果、繰り返し充放電での使用時の放電容量維持率の改善については十分ではなかった。また、このような有機高分子を添着した炭素材料を負極用活物質に用いた場合、電池作製時の極板プレス工程などにより、一部は被膜剥離してしまうため、電池内で副反応を起こし、容量損失やガス発生を引き起こす原因となる負極活物質上の活性部位を完全に覆うことは困難であるため、その効果は限定されていた。
特許文献4に開示されている技術では、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する化合物及び非水系電解液に難溶であるポリマーを含有する有機化合物を炭素材料にあらかじめ被覆した非水系二次電池用負極活物質を用いることで、初期充放電効率を改善し、初期および85℃保存時のガス発生を抑制することが示されているが、該化合物中のラジカル重合可能な不飽和結合は電池作製時の度重なる加熱乾燥工程により、その大部分は失活してしまうため、その効果は不十分なものであった。また、特許文献3と同様に、このような有機高分子を添着した炭素材料を負極用活物質に用いた場合、電池作製時の極板プレス工程などにより、一部は被膜剥離してしまうため、電池内で副反応を起こし、容量損失やガス発生を引き起こす原因となる負極活物質上の活性部位を完全に覆うことは困難であるため、その効果は限定されていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、非水系電解液二次電池において、ガス発生による膨張或いは高温保存後の容量低下を抑制した電池を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の負極活物質と特定の化合物を含有させた非水系電解液を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の要旨は、以下に示す通りである。
(i)金属イオンを吸蔵及び放出可能な正極と、金属イオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質を含む負極と、非水系溶媒と該非水系溶媒に溶解される電解質を含む非水系電解液とを備える非水系電解液二次電池であって、上記負極活物質は「金属イオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)」(以下、「活物質(A)」ともいう。)と、化合物(B)とを含有し、前記化合物(B)が非水系電解液に難溶であり、且つヒドロキシル基、カルボキシル基、ホウ酸基、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルフィノ基、スルフィナト基、スルホ基、リン酸基、又はホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、上記電解液が少なくとも下記一般式(1)又は(2)で表される化学構造の化合物(D)を含有する、非水系電解液二次電池。
Figure 0006728855
(上記式(1)中、X、Xはエチニル基、イソプロペニル基、2−プロピニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ペ
ンテン−4−イニル基、ビニル基、又はアリル基を表す。XとXは同一でも異なっても良い。)
Figure 0006728855
(上記式(2)中、X、Xはエチニル基、イソプロペニル基、2−プロピニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ビニル基、又はアリル基を表し、mは1又は2の整数である。XとXは同一でも異なっても良い。Rは炭素数1〜10の2価又は3価の有機連結基を表し、置換基を有していてもよく、分岐していてもよい。)
(ii)前記一般式(1)又は(2)で表される化学構造の化合物(D)が、ビニル基とスルホニル基が連結したビニルスルホニル構造もしくはアリル基とスルホニル基が連結したアリルスルホニル構造、2−プロピニル基とスルホニル基が連結した2−プロピニルスルホニル構造のうちのいずれかの構造を少なくとも2つ以上有することを特徴とする前記(i)に記載の非水系電解液二次電池。
(iii)前記一般式(1)又は(2)で表される構造を有する化合物(D)の添加量が、非水系電解液の全量に対して0.01質量%以上10.0質量%以下である、前記(i)又は(ii)に記載の非水系電解液二次電池。
(iv)前記化合物(B)の含有量が、前記活物質(A)に対して0.01質量%以上、5質量%以下である、前記(i)乃至(iii)のいずれか一つに記載の非水系電解液二次電池。
(v)前記一般式(1)又は(2)で表される化学構造の化合物(D)がジビニルスルホン、ジアリルスルホン、ビス(2−プロピニル)スルホン、ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス(ビニルスルホニル)プロパン、ビス(アリルスルホニル)メタン、ビス(アリルスルホニル)エタン、ビス(アリルスルホニル)プロパン、ビス(2−プロピニルスルホニル)メタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)エタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、ビス(ビニルスルホニル)ブタン、ビス(ビニルスルホニル)ペンタン、ビス(ビニルスルホニル)ヘキサン、エチレンビス[(2−ビニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−アリルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(アリルスルホニル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−(2−プロピニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(2−プロピルスルホニル)アセトアミド]、ビス[(ビニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(ビニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[(アリルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(アリルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)エチル]エーテルから成る群より選ばれる少なくとも1種である、前記(i)乃至(iv)のいずれか一つに記載の非水系電解液二次電池。
(vi)前記活物質(A)が人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、シリコン、及びシリコ
ン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記(i)乃至(v)のいずれか一つに記載の非水系電解液二次電池。
本発明によれば、非水系電解液二次電池に関して、ガス発生による膨張或いは高温保存後の容量低下を抑制した電池を提供することができる。本発明の非水二次電池用負極材及び非水系電解液を用いて作製された非水系電解液二次電池、及び本発明の非水系電解液二次電池が、ガス発生による膨張或いは高温保存後の容量低下を抑制した二次電池となる作用・原理は明確ではないが、以下のように考えられる。ただし、本発明は、以下に記述する作用・原理に限定されるものではない。
パウチ型セルの普及により、ガス発生による電池膨張が課題となっている。ガス発生は初回充電時の被膜形成や、高温保存中の被膜の遊離を起点とする遊離被膜や電解液の分解により発生すると考えられる。この問題に対し、本発明では、非水系二次電池中に、化合物(B)を含有する非水二次電池負用活物質を用いた負極と、複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)を含有する非水二次電池を用いることで、以下の効果が得られると考えられる。
まず、ガス発生の原因になる負極表面と電解液の副反応を化合物(B)および化合物(B)中の求核性を有する置換基と複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)との反応生成物によって効果的に抑制する効果がある。さらに複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)が電池内で生成したラジカルを捕捉するとともに、緻密で高い化学的安定性を有する架橋性の電子絶縁被膜を形成する。この時、この架橋性の電子絶縁被膜は化合物(B)と複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)の間の化学結合によって、選択性高く、電解液への膨潤や溶解を抑制された形で黒鉛表面に存在できる。このことにより、高温保存中の被膜の遊離を抑制し、全体としてのガス発生量を抑制する。
また、化合物(B)と複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)との間で直接的な化学的な反応を伴わない場合であっても、化合物(B)が活物質(A)上を被覆してあることで、一定の負極表面と電解液の副反応の抑制効果がある上、負極表面と電解液の電気化学的な反応によって生じた還元分解物が化合物(B)が有する置換基と化学的な結合を持って連結された末端官能基を起点にして、間接的に複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)と反応し、そのことによって、複数の官能基を有する式(1)又は(2)で表される化合物(D)が電池内で生成したラジカルを捕捉するとともに、緻密で高い化学的安定性を有する架橋性の電子絶縁被膜を負極表面に形成することで、上記同様の高温保存中の被膜の遊離の抑制や全体としてのガス発生量の抑制をすることができる。
また、電池内部にてガスが発生してしまった場合、正極と負極の対向部分に存在するガスが充放電の妨げになってしまう。このため、高温保存後の電池では容量が低下してしまうが、上記の通り、本発明の非水系電解液二次電池では効果的にガス発生を抑制できるため、高温保存後の容量低下を抑制することも可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
また、ここで“重量%”、“重量ppm”及び“重量部”と“質量%”、“質量ppm”及び“質量部”とは、それぞれ同義である。また、単にppmと記載した場合は、“重
量ppm”のことを示す。
1.非水系電解液
本発明の非水系電解液は、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴としている。これらを総称として化合物(D)とする。
1−1.化合物(D)
<一般式(1)で表される構造を有する化合物(D)>
Figure 0006728855
式(1)中、X、Xは、エチニル基、イソプロペニル基、2−プロピニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ビニル基、又はアリル基を表す。化合物(B)との反応性や電池内でのラジカル捕捉に伴う絶縁被膜形成能、電池内での副反応によるガス化の可能性などの観点から、好ましくは、式(1)中、X、Xは2−プロピニル基、1,3−ブタジエニル基、ビニル基、アリル基であり、より好ましくは2−プロピニル基、ビニル基、アリル基であり、最も好ましくは2−プロピニル基、ビニル基である。
、Xは、上記の炭素−炭素不飽和結合を有すれば、同一の官能基でも、それぞれ異なる官能基でもよい。
本発明に用いる化合物(D)は、一般式(1)又は一般式(2)で表される構造を有する化合物が使用されるが、一般式(1)で表される構造を有する化合物(D)の具体的な例としては、XとXが同一の官能基を有する場合、ジビニルスルホン、ジアリルスルホン、ジエチニルスルホン、ビス(イソプロペニル)スルホン、ビス(2−プロピニル)スルホン、ビス(2−プロペニル)スルホン、ビス(2−ブテニル)スルホン、ビス(1,3−ブタジエニル)スルホン、ビス(2−ペンテニル)スルホン、ビス(2−ペンテン−4−イニル)スルホン等が挙げられる。
とXが異なる官能基を有する場合、ビニルアリルスルホン、ビニルエチニルスルホン、ビニル−イソプロペニル−スルホン、ビニル−(2−プロピニル)−スルホン、ビニル−(2−プロペニル)−スルホン、ビニル−(2−ブテニル)−スルホン、ビニル−(1,3−ブタジエニル)−スルホン、ビニル−(2−ペンテニル)−スルホン、ビニル−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、アリルエチニルスルホン、アリル−イソプロペニル−スルホン、アリル−(2−プロピニル)−スルホン、アリル−(2−プロペニル)−スルホン、アリル−(2−ブテニル)−スルホン、アリル−(1,3−ブタジエニル)−スルホン、アリル−(2−ペンテニル)−スルホン、アリル−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、エチニル−イソプロペニル−スルホン、エチニル−(2−プロピニル)−スルホン、エチニル−(2−プロペニル)−スルホン、エチニル−(2−ブテニル)−スルホン、エチニル−(1,3−ブタジエニル)−スルホン、エチニル−(2−ペンテニル)−スルホン、エチニル−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、イソプロペニル−(2−プロピぺル)−スルホン、イソプロペニル−(2−プロペニル)−スルホン、イソプロペニル−(2−ブテニル)−スルホン、イソプロペニル−(1,3−ブタジ
エニル)−スルホン、イソプロペニル−(2−ペンテニル)−スルホン、イソプロペニル−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、(2−プロピニル)−(2−プロペニル)−スルホン、(2−プロピニル)−(2−ブテニル)−スルホン、(2−プロピニル)−(1,3−ブタジエニル)−スルホン、(2−プロピニル)−(2−ペンテニル)−スルホン、(2−プロピニル)−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、(2−プロぺニル)−(2−ブテニル)−スルホン、(2−プロぺニル)−(1,3−ブタジエニル)−スルホン、(2−プロぺニル)−(2−ペンテニル)−スルホン、(2−プロぺニル)−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、(2−ブテニル)−(1,3−ブタジエニル)−スルホン、(2−ブテニル)−(2−ペンテニル)−スルホン、(2−ブテニル)−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、(1,3−ブタジエニル)−(2−ペンテニル)−スルホン、(1,3−ブタジエニル)−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン、(2−ペンテニル)−(2−ペンテン−4−イニル)−スルホン等が挙げられる。
<一般式(2)で表される構造を有する化合物(D)>
Figure 0006728855
式(2)中、X、Xは、エチニル基、イソプロペニル基、2−プロピニル基、2−
プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ペン
テン−4−イニル基、ビニル基、又はアリル基を表し、mは1又は2の整数である。X
とXは同一でも異なっていても良い。Rは炭素数1〜10の2価又は3価の有機連結
基を表し、置換基を有していてもよく、分岐していてもよい。
の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基等の炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖、好ましくは電解液中での化学的安定性の観点から炭素数1〜4の直鎖のアルキレン基、−CHOCH−、−COC−、−COCOC−等のエーテル結合を有する連結基、−CONH−CH−CONH−、−CONH−C−CONH−、−CONH−C−CONH−等のアミド結合を有する連結基が挙げられる。
化合物(B)との反応性や電池内でのラジカル捕捉に伴う絶縁被膜形成能、電池内での副反応によるガス化の可能性などの観点から、式(2)中、X、Xは好ましくは2−プロピニル基、ビニル基、アリル基であり、より好ましくは2−プロピニル基、1,3−ブタジエニル基、ビニル基、アリル基であり、最も好ましくは2−プロピニル基、ビニル基である。
本発明に用いる化合物(D)は、一般式(1)又は一般式(2)で表される構造を有する化合物が使用されるが、一般式(2)で表される構造を有する化合物(D)の具体的な例としては、
ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス( アリルスルホニル)メタン、ビス(イソプロペニルスルホニル)メタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)メタン、ビス(2−プロぺニルスルホニル)メタン、ビス(2−ブテニルスルホニル)メタン、ビス(1,3−
ブタジエニルスルホニル)メタン、ビス(2−ペンテニルスルホニル)メタン、ビス(2−ペンテン−4−イニル−スルホニル)メタン、
ビニルスルホニルアリルスルホニルメタン、ビニルスルホニルイソプロペニルスルホニルメタン、ビニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−メタン、ビニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−メタン、ビニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−メタン、ビニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−メタン、ビニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、ビニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
アリルスルホニルイソプロペニルスルホニルメタン、アリルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−メタン、アリルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−メタン、アリルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−メタン、アリルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−メタン、アリルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、アリルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
イソプロペニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−メタン、イソプロペニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−メタン、イソプロペニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−メタン、イソプロペニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−メタン、イソプロペニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、イソプロペニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
(2−プロピニルスルホニル)−(2−プロぺニルスルホニル)−メタン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−メタン、(2−プロピニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−メタン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、(2−プロピニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−メタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−メタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
(2−ブテニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−メタン、(2−ブテニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、(2−ブテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−メタン、(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
(2−ペンテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−メタン、
ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス( アリルスルホニル)エタン、ビス(イソプロペニルスルホニル)エタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)エタン、ビス(2−プロぺニルスルホニル)エタン、ビス(2−ブテニルスルホニル)エタン、ビス(1,3−ブタジエニルスルホニル)エタン、ビス(2−ペンテニルスルホニル)エタン、ビス(2−ペンテン−4−イニル−スルホニル)エタン、
ビニルスルホニルアリルスルホニルエタン、ビニルスルホニルイソプロペニルスルホニルエタン、ビニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−エタン、ビニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−エタン、ビニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−エタン、ビニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−エタン、ビニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、ビニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
アリルスルホニルイソプロペニルスルホニルエタン、アリルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−エタン、アリルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−エタン、アリルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−エタン、アリルスルホニル−(1,
3−ブタジエニルスルホニル)−エタン、アリルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、アリルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
イソプロペニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−エタン、イソプロペニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−エタン、イソプロペニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−エタン、イソプロペニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−エタン、イソプロペニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、イソプロペニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
(2−プロピニルスルホニル)−(2−プロぺニルスルホニル)−エタン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−エタン、(2−プロピニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−エタン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、(2−プロピニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−エタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−エタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
(2−ブテニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−エタン、(2−ブテニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、(2−ブテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−エタン、(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
(2−ペンテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−エタン、
ビス(ビニルスルホニル)プロパン、ビス( アリルスルホニル)プロパン、ビス(イソプロペニルスルホニル)プロパン、ビス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、ビス(2−プロぺニルスルホニル)プロパン、ビス(2−ブテニルスルホニル)プロパン、ビス(1,3−ブタジエニルスルホニル)プロパン、ビス(2−ペンテニルスルホニル)プロパン、ビス(2−ペンテン−4−イニル−スルホニル)プロパン、
ビニルスルホニルアリルスルホニルプロパン、ビニルスルホニルイソプロペニルスルホニルプロパン、ビニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−プロパン、ビニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−プロパン、ビニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−プロパン、ビニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−プロパン、ビニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、ビニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
アリルスルホニルイソプロペニルスルホニルプロパン、アリルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−プロパン、アリルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−プロパン、アリルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−プロパン、アリルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−プロパン、アリルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、アリルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
イソプロペニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−プロパン、イソプロペニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−プロパン、イソプロペニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−プロパン、イソプロペニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−プロパン、イソプロペニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、イソプロペニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
(2−プロピニルスルホニル)−(2−プロぺニルスルホニル)−プロパン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−プロパン、(2−プロピニルスル
ホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−プロパン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、(2−プロピニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−プロパン、(2−プロぺニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−プロパン、(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、(2−プロぺニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
(2−ブテニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−プロパン、(2−ブテニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、(2−ブテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−プロパン、(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
(2−ペンテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−プロパン、
ビス(ビニルスルホニル)ブタン、ビス( アリルスルホニル)ブタン、ビス(イソプロペニルスルホニル)ブタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)ブタン、ビス(2−プロぺニルスルホニル)ブタン、ビス(2−ブテニルスルホニル)ブタン、ビス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ブタン、ビス(2−ペンテニルスルホニル)ブタン、ビス(2−ペンテン−4−イニル−スルホニル)ブタン、
ビニルスルホニルアリルスルホニルブタン、ビニルスルホニルイソプロペニルスルホニルブタン、ビニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−ブタン、ビニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−ブタン、ビニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−ブタン、ビニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−ブタン、ビニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、ビニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
アリルスルホニルイソプロペニルスルホニルブタン、アリルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−ブタン、アリルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−ブタン、アリルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−ブタン、アリルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−ブタン、アリルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、アリルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
イソプロペニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−ブタン、イソプロペニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−ブタン、イソプロペニルスルホニル−(2−ブテニルスルホニル)−ブタン、イソプロペニルスルホニル−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−ブタン、イソプロペニルスルホニル−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、イソプロペニルスルホニル−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
(2−プロピニルスルホニル)−(2−プロぺニルスルホニル)−ブタン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−ブタン、(2−プロピニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−ブタン、(2−プロピニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、(2−プロピニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ブテニルスルホニル)−ブタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−ブタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、(2−プロぺニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
(2−ブテニルスルホニル)−(1,3−ブタジエニルスルホニル)−ブタン、(2−ブテニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、(2−ブテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
(1,3−ブタジエニルスルホニル)−(2−ペンテニルスルホニル)−ブタン、(1
,3−ブタジエニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
(2−ペンテニルスルホニル)−(ペンテン−4−イニル−スルホニル)−ブタン、
ビス(ビニルスルホニル)ペンタン、ビス( アリルスルホニル)ペンタン、ビス(イソプロペニルスルホニル)ペンタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)ペンタン、ビス(2−プロぺニルスルホニル)ペンタン、ビス(2−ブテニルスルホニル)ペンタン、ビス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ペンタン、ビス(2−ペンテニルスルホニル)ペンタン、ビス(2−ペンテン−4−イニル−スルホニル)ペンタン、
ビニルスルホニルアリルスルホニルペンタン、ビニルスルホニルイソプロペニルスルホニルペンタン、ビニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−ペンタン、ビニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−ペンタン、
ビス(ビニルスルホニル)ヘキサン、ビス( アリルスルホニル)ヘキサン、ビス(イソプロペニルスルホニル)ヘキサン、ビス(2−プロピニルスルホニル)ヘキサン、ビス(2−プロぺニルスルホニル)ヘキサン、ビス(2−ブテニルスルホニル)ヘキサン、ビス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ヘキサン、ビス(2−ペンテニルスルホニル)ヘキサン、ビス(2−ペンテン−4−イニル−スルホニル)ヘキサン、
ビニルスルホニルアリルスルホニルヘキサン、ビニルスルホニルイソプロペニルスルホニルヘキサン、ビニルスルホニル−(2−プロピニルスルホニル)−ヘキサン、ビニルスルホニル−(2−プロぺニルスルホニル)−ヘキサン、
ビス[(ビニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(ビニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(ビニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(ビニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(ビニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド、
ビス[(アリルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(アリルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(アリルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(アリルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(アリルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(アリルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(アリルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(アリルスルホニル)アセトアミド、
ビス[(イソプロペニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(イソプロペニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(イソプロペニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(イソプロペニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(イソプロペニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(イソプロペニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(イソプロペニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(イソプロペニルスルホニル)アセトアミド、
ビス[(2−プロピニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(2−プロピニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(2−プロピニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(2−プロピニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(2−プロピニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(2−プロピニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(2−プロピニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(2−プロピニル
スルホニル)アセトアミド、
ビス[(2−プロぺニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(2−プロぺニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(2−プロぺニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(2−プロぺニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(2−プロぺニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(2−プロぺニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(2−プロぺニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(2−プロぺニルスルホニル)アセトアミド、
ビス[(2−ブテニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(2−ブテニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(2−ブテニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(2−ブテニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(2−ブテニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(2−ブテニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(2−ブテニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(2−ブテニルスルホニル)アセトアミド、
ビス[(1,3−ブタジエニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(1,3−ブタジエニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(1,3−ブタジエニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(1,3−ブタジエニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(1,3−ブタジエニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(1,3−ブタジエニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(1,3−ブタジエニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(1,3−ブタジエニルスルホニル)アセトアミド、
ビス[(2−ペンテニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[2−(2−ペンテニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[3−(2−ペンテニルスルホニル)プロピル]エーテル、エチレングリコール ビス[2−(2−ペンテニルスルホニル)エチル]エーテル、エチレングリコール ビス[3−(2−ペンテニルスルホニル)プロピル]エーテル、
メチレンビス[2−(2−ペンテニルスルホニル)アセトアミド、エチレンビス[2−(2−ペンテニルスルホニル)アセトアミド、トリメチレンビス[2−(2−ペンテニルスルホニル)アセトアミド、
1,2,3−トリス(ビニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(ビニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(ビニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(ビニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(ビニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(ビニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(ビニルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(ビニルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(アリルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(アリルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(アリルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(アリルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(アリルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(アリルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(アリルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(アリルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(イソプロペニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(イソプロペニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(イソプロペニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(イソプロペニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(イソプロペニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(イソプロペニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(イソプロペニルスルホニル)ヘキサン
、1,3,6−トリス(イソプロペニルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(2−プロピニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(2−プロピニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(2−プロピニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(2−プロピニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(2−プロピニルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(2−プロピニルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(2−プロペニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(2−プロペニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(2−プロペニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(2−プロペニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(2−プロペニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(2−プロペニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(2−プロペニルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(2−プロペニルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(2−ブテニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(2−ブテニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(2−ブテニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(2−ブテニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(2−ブテニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(2−ブテニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(2−ブテニルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(2−ブテニルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(1,3−ブタジエニルスルホニル)ヘキサン、
1,2,3−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)プロパン、2−メチルー1,2,3−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)プロパン、1,2,3−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)ブタン、1,2,4−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)ブタン、1,2,5−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)ペンタン、1,3,5−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)ペンタン、1,2,6−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)ヘキサン、1,3,6−トリス(2−ぺンテニルスルホニル)ヘキサン等が挙げられる。
前記一般式(1)又は(2)で表される化学構造の化合物(D)は、以上の例示した化合物が挙げられるが、電池内での反応性や、反応により生じた被膜の電解液に対する化学的安定性や溶解性、ガス抑制能などの観点から、好ましくは、ジビニルスルホン、ジアリルスルホン、ビス(2−プロピニル)スルホン、ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス(ビニルスルホニル)プロパン、ビス(アリルスルホニル)メタン、ビス(アリルスルホニル)エタン、ビス(アリルスルホニル)プロパン、ビス(2−プロピニルスルホニル)メタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)エタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、ビス(ビニルスルホニル)ブタン、ビス(ビニルスルホニル)ペンタン、ビス(ビニルスルホニル)ヘキサン、エチレンビス[(2−ビニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−アリルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(アリルスルホニル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−(2−プロピニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(2−プロピルスルホニル)アセトアミド]、
ビス[(ビニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(ビニルスルホニル)エチル]
エーテル、ビス[(アリルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(アリルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)エチル]エーテルであり、
より好ましくは、ジビニルスルホン、ビス(2−プロピニル)スルホン、ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス(ビニルスルホニル)プロパン、ビス(2−プロピニルスルホニル)メタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)エタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、ビス(ビニルスルホニル)ブタン、ビス(ビニルスルホニル)ペンタン、ビス(ビニルスルホニル)ヘキサン、エチレンビス[(2−ビニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−(2−プロピニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(2−プロピルスルホニル)アセトアミド]、
ビス[(ビニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(ビニルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)エチル]エーテルであり、
最も好ましくは、ジビニルスルホン、ビス(ビニルスルホニル)メタン、ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス(ビニルスルホニル)プロパン、エチレンビス[(2−ビニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニル)アセトアミド]である。
上記化合物(D)に関して、製造方法にも特に制限はなく、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。
非水系電解液中の上記化合物(D)の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、非水系電解液全体に対して、それらの合計でそれらの合計で0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上、最も好ましくは0.3質量%以上である。また、上限はそれらの合計で、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1.5質量%以下である。上記化合物(D)の濃度が、上記範囲内であると電極界面での作用がより好適に進行するため、電池容量の低下を効果的に防ぐことが可能となる。
また、化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基(一般式(1)又は(2)中のX〜Xに存在する不飽和性炭素原子含有官能基)量は、化合物(B)が有するヒドロキシル基、カルボキシル基、ホウ酸基、ボロン酸基、ボリン酸基、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルフィノ基、スルフィナト基、スルホ基、リン酸基、又はホスホン酸基からなる群より選ばれる官能基量に対して、下記数式1で表されるモル割合で10mol%以上が好ましく、50mol%以上がさらに好ましく、100mol%以上が特に好ましく、200mol%以上が最も好ましい。また上限は、700mol%以下が好ましく、さらに好ましくは400mol%、特に好ましくは300mol%以下である。モル割合が少なすぎると、モル割合が少なすぎると、化合物(D)の電池内活性点での架橋性被膜形成の効果が少なくなってしまい、ガス発生の抑制効果や保存特性の改善効果が低減する恐れがある。最も好ましくは、化合物(D)が有する反応性の高いスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基が化合物(B)の有する官能基との反応で全て消費されるよりも多く存在する場合であり、この場合には電池内で発生したラジカルを捕捉する効果によって、ガス発生の抑制効果や保存特性の改善効果がより高まる。但し、化合物(D)のモル割合が多すぎると、過剰な化合物(D)が負極界面抵抗の増加を招いてしまったり、正極側で副反応を引き起こし、ガス発生してしまう恐れがある。
[数1]
モル割合(mol%)=化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基(mol)/化合物(B)が有する上記に列記した官能基(mol)×100
上記モル割合の計算方法の一例を下記に示す。
例えば、化合物(D)ビス(ビニルスルホニル)メタン204mgと化合物(B)としてポリアリルアミン59.3mgを用いた場合、ポリアリルアミンはモノマー単位=アリルアミン(分子量57)に1つの官能基(アミノ基)があり、ビス(ビニルスルホニル)メタン(分子量196.24)には2つのスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基を有しているから、
モル割合(mol%)=化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基(mol)/化合物(B)が有する上記に列記した官能基(mol)×100
=[0.204(g)×2/196.24](mol)/[0.0593(g)×1/57] (mol)×100
=199.8(mol%)
となる。
このモル割合の計算式中の化合物(B)の官能基量は、熱的に自己縮合反応するホウ酸や、相互で縮合反応するホウ酸とポリビニルアルコールの複合材、ホウ酸とポリアリルアミンの複合材などの場合には、反応後の正味の官能基量を用いる。
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物(D)は、非水系電解液に含有させ実際に非水系電解液二次電池の作製に供すると、その電池を解体して再び非水系電解液を抜き出しても、その中の含有量が著しく低下している場合が多い。従って、電池から抜き出した非水系電解液から、上記化合物が極少量でも検出できるものは本発明に含まれるとみなされる。また、上記化合物(D)は、非水系電解液として実際に非水系電解液二次電池の作製に供すると、その電池を解体して再び抜き出した非水系電解液には上記化合物(D)が極少量しか含有されていなかった場合であっても、非水系電解液二次電池の他の構成部材である正極、負極若しくはセパレータ上で検出される場合も多い。従って、正極、負極、セパレータから上記化合物(D)が検出された場合は、その合計量を非水系電解液に含まれていたと仮定することができる。この仮定の下、上記化合物(D)は上記範囲になるように含まれていることが好ましい。
1−2.電解質
電解質としては、通常、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、この用途に用いることが知られているものであれば特に制限がなく、任意のものを用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。
例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAlF、LiSbF、LiTaF、LiWF等の無機リチウム塩;
LiWOF等のタングステン酸リチウム類;
HCOLi、CHCOLi、CHFCOLi、CHFCOLi、CFCOLi、CFCHCOLi、CFCFCOLi、CFCFCFCOLi、CFCFCFCFCOLi等のカルボン酸リチウム塩類;
FSOLi、CHSOLi、CHFSOLi、CHFSOLi、CFSOLi、CFCFSOLi、CFCFCFSOLi、CFCFCFCFSOLi等のスルホン酸リチウム塩類;
LiN(FCO)、LiN(FCO)(FSO)、LiN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3
−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiN(CFSO)(CSO)等のリチウムイミド塩類;
LiC(FSO、LiC(CFSO、LiC(CSO等のリチウムメチド塩類;
リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート等のリチウムオキサラトボレート塩類;
リチウムテトラフルオロオキサラトフォスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート、リチウムトリス(オキサラト)フォスフェート等のリチウムオキサラトフォスフェート塩類;
その他、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CFSO、LiPF(CSO、LiBFCF、LiBF、LiBF、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSO、LiBF2(CSO等の含フッ素有機リチウム塩類;等が挙げられる。
中でも、LiPF、LiBF、LiSbF、LiTaF、FSOLi、CFSOLi、LiN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiC(FSO、LiC(CFSO)3、LiC(CSO、リチウムビスオキサラトボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビスオキサラトフォスフェート、LiBFCF、LiBF、LiPF(CF、LiPF(C等が出力特性やハイレート充放電特性、高温保存特性、サイクル特性等を向上させる効果がある点から特に好ましい。
これらのリチウム塩は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合の好ましい一例は、LiPFとLiBF、LiPFとLiN(FSOや、LiPFとFSOLi等の併用であり、負荷特性やサイクル特性を向上させる効果がある。
この場合、非水系電解液全体100質量%に対するLiBF或いはFSOLiの濃度は配合量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の非水系電解液に対して、通常、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、また、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
また、他の一例は、無機リチウム塩と有機リチウム塩との併用であり、この両者の併用は、高温保存による劣化を抑制する効果がある。有機リチウム塩としては、CFSOLi、LiN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、リチウム環状1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiC(FSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、リチウムビスオキサラトボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビスオキサラトフォスフェート、LiBFCF、LiBF、LiPF(CF、LiPF(C等であるのが好ましい。この場合には、非水系電解液全体100質量%に対する有機リチウム塩の割合は、好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
非水系電解液中のこれらのリチウム塩の濃度は、本発明の効果を損なわない限り、その含有量は特に制限されないが、電解液の電気伝導率を良好な範囲とし、良好な電池性能を
確保する点から、非水系電解液中のリチウムの総モル濃度は、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.4mol/L以上、さらに好ましくは0.5mol/L以上であり、また、好ましくは3mol/L以下、より好ましくは2.5mol/L以下、さらに好ましくは2.0mol/L以下である。
リチウムの総モル濃度が上記範囲内にあることにより、電解液の電気伝導率が十分となり、また、粘度上昇による電気伝導度の低下、それに起因する電池性能の低下を防ぐ。
1−3.非水溶媒
本発明における非水溶媒について特に制限はなく、公知の有機溶媒を用いることが可能である。これらを例示すると、フッ素原子を有する環状カーボネート、フッ素原子を有さない環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状及び鎖状カルボン酸エステル、エーテル化合物、スルホン系化合物等が挙げられる。
<フッ素原子を有する環状カーボネート>
フッ素原子を有する環状カーボネート化合物としては、炭素原子数2〜6のアルキレン基を有する環状カーボネートのフッ素化物、及びその誘導体が挙げられ、例えばエチレンカーボネートのフッ素化物、及びその誘導体が挙げられる。エチレンカーボネートのフッ素化物の誘導体としては、例えば、アルキル基(例えば、炭素原子数1〜4個のアルキル基)で置換されたエチレンカーボネートのフッ素化物が挙げられる。中でもフッ素原子を1〜8個有するエチレンカーボネート、及びその誘導体が好ましい。
具体的には、モノフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(ジフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(トリフルオロメチル)−エチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−4−フルオロエチレンカーボネート、4−(フルオロメチル)−5−フルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。
中でも、モノフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種が、高イオン伝導性を与え、かつ好適に界面保護被膜を形成する点でより好ましい。
<フッ素原子を有さない環状カーボネート>
フッ素原子を有さない環状カーボネートとしては、炭素数2〜4のアルキレン基を有する環状カーボネートが挙げられる。
炭素数2〜4のアルキレン基を有する、フッ素原子を有さない環状カーボネートの具体的な例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートが挙げられる。中でも、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートがリチウムイオン解離度の向上に由来する電池特性向上の点から特に好ましい。
フッ素原子を有さない環状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
フッ素原子を有さない環状カーボネートの配合量は、特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、1種を単独で用いる場合の配合量は、非水溶媒100体積%中、5体積%以上、より好ましくは10体積%以上である。この範囲とすることで、非水系電解液の誘電率の低下に由来する電気伝導率の低下を回避し、非水系電解液電池の大電流放電特性、負極に対する安定性、サイクル特性を良好な範囲としやすくなる。
また、95体積%以下、より好ましくは90体積%以下、さらに好ましくは85体積%以下である。この範囲とすることで、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、イオン伝導度の低下を抑制し、ひいては非水系電解液電池の負荷特性を良好な範囲としやすくなる。
<鎖状カーボネート>
鎖状カーボネートとしては、炭素数3〜7の鎖状カーボネートが好ましく、炭素数3〜7のジアルキルカーボネートがより好ましい。
鎖状カーボネートの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t−ブチルメチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、イソブチルエチルカーボネート、t−ブチルエチルカーボネート等が挙げられる。
中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n−プロピルイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネートが好ましく、特に好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。
また、フッ素原子を有する鎖状カーボネート類(以下、「フッ素化鎖状カーボネート」と記載する場合がある)も好適に用いることができる。
フッ素化鎖状カーボネートが有するフッ素原子の数は、1以上であれば特に制限されないが、通常6以下であり、好ましくは4以下である。フッ素化鎖状カーボネートが複数のフッ素原子を有する場合、それらは互いに同一の炭素に結合していてもよく、異なる炭素に結合していてもよい。
フッ素化鎖状カーボネートとしては、フッ素化ジメチルカーボネート及びその誘導体、フッ素化エチルメチルカーボネート及びその誘導体、フッ素化ジエチルカーボネート及びその誘導体等が挙げられる。
フッ素化ジメチルカーボネート及びその誘導体としては、フルオロメチルメチルカーボネート、ジフルオロメチルメチルカーボネート、トリフルオロメチルメチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネート、ビス(ジフルオロ)メチルカーボネート、ビス(トリフルオロメチル)カーボネート等が挙げられる。
フッ素化エチルメチルカーボネート及びその誘導体としては、2−フルオロエチルメチルカーボネート、エチルフルオロメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルメチルカーボネート、2−フルオロエチルフルオロメチルカーボネート、エチルジフルオロメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2−ジフルオロエチルフルオロメチルカーボネート、2−フルオロエチルジフルオロメチルカーボネート、エチルトリフルオロメチルカーボネート等が挙げられる。
フッ素化ジエチルカーボネート及びその誘導体としては、エチル−(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル−(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、ビス(2−フルオロエチル)カーボネート、エチル−(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、2,2−ジフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、ビス(2,2−ジフルオロエチル)カーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2’−フルオロエチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2’,2’−ジフルオロエチルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート等が挙げられる。
鎖状カーボネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
鎖状カーボネートの配合量は、非水溶媒100体積%中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは15体積%以上である。このように下限を設定することにより、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、イオン伝導度の低下を抑制し、ひいては非水系電解液電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくなる。また、鎖状カーボネートは、非水溶媒100体積%中、90体積%以下、より好ましくは85体積%以下、特に好ましくは80体積%以下であることが好ましい。このように上限を設定することにより、非水系電解液の誘電率の低下に由来する電気伝導率の低下を回避し、非水系電解液電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくなる。
<環状カルボン酸エステル>
環状カルボン酸エステルとしては、炭素原子数が3〜12のものが好ましい。
具体的には、ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン、ガンマカプロラクトン、イプシロンカプロラクトン等が挙げられる。中でも、ガンマブチロラクトンがリチウムイオン解離度の向上に由来する電池特性向上の点から特に好ましい。
環状カルボン酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
環状カルボン酸エステルの配合量は、通常、非水溶媒100体積%中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上である。この範囲であれば、非水系電解液の電気伝導率を改善し、非水系電解液電池の大電流放電特性を向上させやすくなる。また、環状カルボン酸エステルの配合量は、好ましくは50体積%以下、より好ましくは40体積%以下である。このように上限を設定することにより、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、電気伝導率の低下を回避し、負極抵抗の増大を抑制し、非水系電解液二次電池の大電流放電特性を良好な範囲としやすくなる。
<エーテル系化合物>
エーテル系化合物としては、一部の水素がフッ素にて置換されていても良い炭素数3〜10の鎖状エーテル、及び炭素数3〜6の環状エーテルが好ましい。
炭素数3〜10の鎖状エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジ(2−フルオロエチル)エーテル、ジ(2,2−ジフルオロエチル)エーテル、ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、エチル(2−フルオロエチル)エーテル、エチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、エチル(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,2−トリフルオロエチル)エーテル、(2−フルオロエチル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エーテル、エチル−n−プロピルエーテル、エチル(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、エチル(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、2−フルオロエチル−n−プロピルエーテル、(2−フルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2−フルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、2,2,2−トリフルオロエチル−n−プロピルエーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,2−トリフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−n−プロピルエーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(3,3,3−トリフルオロ
−n−プロピル)エーテル、(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、
(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ−n−プロピルエーテル、(n−プロピル)(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(3−フルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3−フルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、(2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル)(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル)エーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジメトキシメタン、メトキシエトキシメタン、メトキシ(2−フルオロエトキシ)メタン、メトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタンメトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジエトキシメタン、エトキシ(2−フルオロエトキシ)メタン、エトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、エトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、
ジ(2−フルオロエトキシ)メタン、(2−フルオロエトキシ)(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、(2−フルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタンジ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メタン、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)メタン、ジメトキシエタン、メトキシエトキシエタン、メトキシ(2−フルオロエトキシ)エタン、メトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、メトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジエトキシエタン、エトキシ(2−フルオロエトキシ)エタン、エトキシ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、エトキシ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(2−フルオロエトキシ)エタン、(2−フルオロエトキシ)(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、(2−フルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、(2,2,2−トリフルオロエトキシ)(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、ジ(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エタン、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
炭素数3〜6の環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等、及びこれらのフッ素化化合物が挙げられる。
中でも、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エトキシメトキシメタン、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルが、リチウムイオンへの溶媒和能力が高く、イオン解離性を向上させる点で好ましく、特に好ましくは、粘性が低く、高いイオン伝導度を与えることから、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、エトキシメトキシメタンである。
エーテル系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エーテル系化合物の配合量は、通常、非水溶媒100体積%中、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは15体積%以上、また、好ましくは70体積%以下、より好ましくは60体積%以下、さらに好ましくは50体積%以下である。
この範囲であれば、鎖状エーテルのリチウムイオン解離度の向上と粘度低下に由来するイオン伝導度の向上効果を確保しやすく、負極活物質が炭素質材料の場合、鎖状エーテルがリチウムイオンと共に共挿入されて容量が低下するといった事態を回避しやすい。
<スルホン系化合物>
スルホン系化合物としては、炭素数3〜6の環状スルホン、及び炭素数2〜6の鎖状スルホンが好ましい。1分子中のスルホニル基の数は、1又は2であることが好ましい。
炭素数3〜6の環状スルホンとしては、モノスルホン化合物であるトリメチレンスルホン類、テトラメチレンスルホン類、ヘキサメチレンスルホン類;
ジスルホン化合物であるトリメチレンジスルホン類、テトラメチレンジスルホン類、ヘキサメチレンジスルホン類等が挙げられる。
中でも誘電率と粘性の観点から、テトラメチレンスルホン類、テトラメチレンジスルホン類、ヘキサメチレンスルホン類、ヘキサメチレンジスルホン類がより好ましく、テトラメチレンスルホン類(スルホラン類)が特に好ましい。
スルホラン類としては、スルホラン及び/又はスルホラン誘導体(以下、スルホランも含めて「スルホラン類」と記載する場合がある)が好ましい。スルホラン誘導体としては、スルホラン環を構成する炭素原子上に結合した水素原子の1以上がフッ素原子やアルキル基で置換されたものが好ましい。
中でも、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、2−フルオロスルホラン、3−フルオロスルホラン、2,2−ジフルオロスルホラン、2,3−ジフルオロスルホラン、2,4−ジフルオロスルホラン、2,5−ジフルオロスルホラン、3,4−ジフルオロスルホラン、2−フルオロ−3−メチルスルホラン、2−フルオロ−2−メチルスルホラン、3−フルオロ−3−メチルスルホラン、3−フルオロ−2−メチルスルホラン、4−フルオロ−3−メチルスルホラン、4−フルオロ−2−メチルスルホラン、5−フルオロ−3−メチルスルホラン、5−フルオロ−2−メチルスルホラン、2−フルオロメチルスルホラン、3−フルオロメチルスルホラン、2−ジフルオロメチルスルホラン、3−ジフルオロメチルスルホラン、2−トリフルオロメチルスルホラン、3−トリフルオロメチルスルホラン、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン、3−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン、5−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)スルホラン等が、イオン伝導度が高く、入出力特性が高い点で好ましい。
また、炭素数2〜6の鎖状スルホンとしては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、n−プロピルメチルスルホン、n−プロピルエチルスルホン、ジ−n−プロピルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、イソプロピルエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、n−ブチルメチルスルホン、n−ブチルエチルスルホン、t−ブチルメチルスルホン、t−ブチルエチルスルホン、モノフルオロメチルメチルスルホン、ジフルオロメチルメチルスルホン、トリフルオロメチルメチルスルホン、モノフルオロエチルメチルスルホン、ジフルオロエチルメチルスルホン、トリフルオロエチルメチルスルホン、ペンタフルオロエチルメチルスルホン、エチルモノフルオロメチルスルホン、エチルジフルオロメチルスルホン、エチルトリフルオロメチルスルホン、パーフルオロエチルメチルスルホン、エチルトリフルオロエチルスルホン、エチルペンタフルオロエチルス
ルホン、ジ(トリフルオロエチル)スルホン、パーフルオロジエチルスルホン、フルオロメチル−n−プロピルスルホン、ジフルオロメチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロメチル−n−プロピルスルホン、フルオロメチルイソプロピルスルホン、ジフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロエチルイソプロピルスルホン、ペンタフルオロエチル−n−プロピルスルホン、ペンタフルオロエチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−ブチルスルホン、トリフルオロエチル−t−ブチルスルホン、ペンタフルオロエチル−n−ブチルスルホン、ペンタフルオロエチル−t−ブチルスルホン等が挙げられる。
中でも、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、n−プロピルメチルスルホン、イソプロピルメチルスルホン、n−ブチルメチルスルホン、t−ブチルメチルスルホン、モノフルオロメチルメチルスルホン、ジフルオロメチルメチルスルホン、トリフルオロメチルメチルスルホン、モノフルオロエチルメチルスルホン、ジフルオロエチルメチルスルホン、トリフルオロエチルメチルスルホン、ペンタフルオロエチルメチルスルホン、エチルモノフルオロメチルスルホン、エチルジフルオロメチルスルホン、エチルトリフルオロメチルスルホン、エチルトリフルオロエチルスルホン、エチルペンタフルオロエチルスルホン、トリフルオロメチル−n−プロピルスルホン、トリフルオロメチルイソプロピルスルホン、トリフルオロエチル−n−ブチルスルホン、トリフルオロエチル−t−ブチルスルホン、トリフルオロメチル−n−ブチルスルホン、トリフルオロメチル−t−ブチルスルホン等がイオン伝導度が高く、入出力特性が高い点で好ましい。
スルホン系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
スルホン系化合物の配合量は、通常、非水溶媒100体積%中、好ましくは0.3体積%以上、より好ましくは1体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、また、好ましくは40体積%以下、より好ましくは35体積%以下、さらに好ましくは30体積%以下である。
この範囲であれば、サイクル特性や保存特性等の耐久性の向上効果が得られやすく、また、非水系電解液の粘度を適切な範囲とし、電気伝導率の低下を回避することができ、非水系電解液電池の充放電を高電流密度で行う場合に、充放電容量維持率が低下するといった事態を回避しやすい。
本発明において、フッ素原子を有する環状カーボネートを非水溶媒として用いる場合は、フッ素原子を有する環状カーボネート以外の非水溶媒として、上記例示した非水溶媒の1種をフッ素原子を有する環状カーボネートと組み合わせて用いてもよく、2種以上をフッ素原子を有する環状カーボネートと組み合わせて併用しても良い。
例えば、非水溶媒の好ましい組合せの一つとして、フッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネートを主体とする組合せが挙げられる。中でも、非水溶媒に占めるフッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネートとの合計が、好ましくは60体積%以上、より好ましくは80体積%以上、更に好ましくは90体積%以上であり、かつフッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネートとの合計に対するフッ素原子を有する環状カーボネートの割合が3体積%以上、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは15体積%以上であり、また通常60体積%以下、好ましくは50体積%以下、より好ましくは40体積%以下、さらに好ましくは35体積%以下、特に好ましくは30体積%以下、最も好ましくは20体積%以下である。
これらの非水溶媒の組み合わせを用いると、これを用いて作製された電池のサイクル特性と高温保存特性(特に、高温保存後の残存容量及び高負荷放電容量)のバランスが良く
なることがある。
例えば、フッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネートの好ましい組み合わせの具体例としては、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
フッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組み合わせの中で、鎖状カーボネートとして対称鎖状アルキルカーボネート類を含有するものが更に好ましく、特に、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネートといったモノフルオロエチレンカーボネートと対称鎖状カーボネート類と非対称鎖状カーボネート類を含有するものが、サイクル特性と大電流放電特性のバランスが良いので好ましい。中でも、対称鎖状カーボネート類がジメチルカーボネートであることが好ましく、又、鎖状カーボネートのアルキル基は炭素数1〜2が好ましい。
これらのフッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネート類との組み合わせに、更にフッ素原子を有さない環状カーボネートを加えた組み合わせも、好ましい組み合わせとして挙げられる。中でも、非水溶媒に占めるフッ素原子を有する環状カーボネートとフッ素原子を有さない環状カーボネートとの合計が、好ましくは10体積%以上、より好ましくは15体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上であり、かつフッ素原子を有する環状カーボネートとフッ素原子を有さない環状カーボネートとの合計に対するフッ素原子を有する環状カーボネートの割合が1体積%以上、好ましくは3体積%以上、より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは10体積%以上、特に好ましくは20体積%以上であり、また、好ましくは95体積%以下、より好ましくは85体積%以下、さらに好ましくは75体積%以下、特に好ましくは60体積%以下のものである。
この濃度範囲でフッ素原子を有さない環状カーボネートを含有すると、負極に安定な保護被膜を形成しつつ、電解液の電気伝導度を維持できる。
フッ素原子を有する環状カーボネートとフッ素原子を有さない環状カーボネートと鎖状カーボネートの好ましい組み合わせの具体例としては、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボ
ネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等が挙げられる。
フッ素原子を有する環状カーボネートとフッ素原子を有さない環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組み合わせの中で、鎖状カーボネートとして非対称鎖状アルキルカーボネート類を含有するものがさらに好ましく、特に、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネートとエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチルメチルカーボネートといったモノフルオロエチレンカーボネートと非対称鎖状カーボネート類を含有するものが、サイクル特性と大電流放電特性のバランスが良いので好ましい。中でも、非対称鎖状カーボネート類がエチルメチルカーボネートであるのが好ましく、又、鎖状カーボネートのアルキル基は炭素数1〜2が好ましい。
非水溶媒中にエチルメチルカーボネートを含有する場合は、全非水溶媒中に占めるエチルメチルカーボネートの割合が、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは25体積%以上、特に好ましくは30体積%以上であり、また、好ましくは95体積%以下、より好ましくは90体積%以下、さらに好ましくは85体積%以下、特に好ましくは80体積%以下となる範囲で含有させると、電池の負荷特性が向上することがある。
上記フッ素原子を有する環状カーボネートと鎖状カーボネートを主体とする組合せにおいては、上記フッ素原子を有さない環状カーボネート以外にも、環状カルボン酸エステル類、鎖状カルボン酸エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、含硫黄有機溶媒、含燐有機溶媒、含フッ素芳香族溶媒等、他の溶媒を混合してもよい。
上述の非水系電解液に有機高分子化合物を含ませることで、ゲル状、ゴム状、或いは固
体シート状にして使用する場合、有機高分子化合物の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物;ポリエーテル系高分子化合物の架橋体高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニルアルコール系高分子化合物;ビニルアルコール系高分子化合物の不溶化物;ポリエピクロルヒドリン;ポリフォスファゼン;ポリシロキサン;ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリルなどのビニル系高分子化合物;ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート)、ポリ(ω−メトキシオリゴオキシエチレンメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)等のポリマー共重合体などが挙げられる。
また、電解質として、リチウムイオン等のアルカリ金属カチオンの導電体である高分子固体電解質を用いることもできる。
高分子固体電解質としては、前述のポリエーテル系高分子化合物にLi塩を溶解させたものや、ポリエーテルの末端水酸基がアルコキシドに置換されているポリマーなどが挙げられる。
1−4.助剤
本発明の非水系電解液電池において、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物Dに加えて、目的に応じて適宜助剤を用いてもよい。助剤としては、主に被膜形成剤や過充電防止剤等が挙げられる。被膜形成剤としては、イソシアネート化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、ジフルオロリン酸塩、フルオロスルホン酸、三無水物化合物、環状スルホン酸エステル化合物、その他の助剤などの化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、分子内にイソシアネート基を有している化合物であれば特にその種類は限定されないが、その具体例としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ターシャルブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、フロロフェニルイソシアネートなどの炭化水素系モノイソシアネート化合物;
ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、エチニルイソシアネート、プロピニルイソシアネートなどの炭素−炭素不飽和結合を有するモノイソシアネート化合物;
モノメチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,4−ジイソシアナト−2−ブテン、1,4−ジイソシアナト−2−フルオロブタン、1,4−ジイソシアナト−2,3−ジフルオロブタン、1,5−ジイソシアナト−2−ペンテン、1,5−ジイソシアナト−2−メチルペンタン、1,6−ジイソシアナト−2−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−ヘキセン、1,6−ジイソシアナト−3−フルオロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,4−ジフルオロヘキサン、トルエンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−1,1’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジイルビス(メチルイソシアネート)、ジイソシアン酸イソホロン、カルボニルジイソシアネート、1,
4−ジイソシアナトブタン−1,4−ジオン、1,5−ジイソシアナトペンタン−1,5−ジオン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートなどの炭化水素系ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
カーボネート化合物としては、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、4,5−ジビニルビニレンカーボネート、アリルビニレンカーボネート、4,5−ジアリルビニレンカーボネート、4−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルビニレンカーボネート、4−アリル−5−フルオロビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート類;
ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−ビニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−ビニルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、4,5−ジエチニルエチレンカーボネート、4−メチル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−エチニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−エチニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフェニルエチレンカーボネート、4−フェニル−5−ビニルエチレンカーボネート、4−アリル−5−フェニルエチレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−メチル−5−アリルエチレンカーボネート等の芳香環または炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有する置換基で置換されたエチレンカーボネート類:
4−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルビニレンカーボネート、4−アリル−5−フルオロビニレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルビニレンカーボネート等のフッ素化ビニレンカーボネート誘導体類;
4−フルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−アリルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−ビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−アリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4,5−ジアリルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロ−5−フェニルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−フェニルエチレンカーボネート等の芳香環又は炭素−炭素二重結合を有する置換基で置換されたフッ素化エチレンカーボネート誘導体類;
等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、分子内にニトリル基を有している化合物であれば特にその種類は限定されないが、その具体例としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、ラウロニトリル、2−メチルブチロニトリル、トリメチルアセトニトリル、ヘキサンニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリル、3−メチルクロトノニトリル、2−メチル−2−ブテン二トリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−2−ペンテンニトリル、3−メチル−2−ペンテンニトリル、2−ヘキセンニトリル、フルオロアセトニトリル、ジフルオ
ロアセトニトリル、トリフルオロアセトニトリル、2−フルオロプロピオニトリル、3−フルオロプロピオニトリル、2,2−ジフルオロプロピオニトリル、2,3−ジフルオロプロピオニトリル、3,3−ジフルオロプロピオニトリル、2,2,3−トリフルオロプロピオニトリル、3,3,3−トリフルオロプロピオニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル、3,3’−チオジプロピオニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル、ペンタフルオロプロピオニトリル等のニトリル基を1つ有する化合物;
マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、セバコニトリル、ウンデカンジニトリル、ドデカンジニトリル、メチルマロノニトリル、エチルマロノニトリル、イソプロピルマロノニトリル、tert−ブチルマロノニトリル、メチルスクシノニトリル、2,2−ジメチルスクシノニトリル、2,3−ジメチルスクシノニトリル、2,3,3−トリメチルスクシノニトリル、2,2,3,3−テトラメチルスクシノニトリル、2,3−ジエチル−2,3−ジメチルスクシノニトリル、2,2−ジエチル−3,3−ジメチルスクシノニトリル、ビシクロヘキシル−1,1−ジカルボニトリル、ビシクロヘキシル−2,2−ジカルボニトリル、ビシクロヘキシル−3,3−ジカルボニトリル、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジカルボニトリル、2,3−ジイソブチル−2,3−ジメチルスクシノニトリル、2,2−ジイソブチル−3,3−ジメチルスクシノニトリル、2−メチルグルタロニトリル、2,3−ジメチルグルタロニトリル、2,4−ジメチルグルタロニトリル、2,2,3,3−テトラメチルグルタロニトリル、2,2,4,4−テトラメチルグルタロニトリル、2,2,3,4−テトラメチルグルタロニトリル、2,3,3,4−テトラメチルグルタロニトリル、マレオニトリル、フマロニトリル、1,4−ジシアノペンタン、2,6−ジシアノヘプタン、2,7−ジシアノオクタン、2,8−ジシアノノナン、1,6−ジシアノデカン、1,2−ジジアノベンゼン、1,3−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノベンゼン、3,3’−(エチレンジオキシ)ジプロピオニトリル、3,3’−(エチレンジチオ)ジプロピオニトリル、3,9−ビス(2−シアノエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等のニトリル基を2つ有する化合物;
シクロヘキサントリカルボニトリル、トリスシアノエチルアミン、トリスシアノエトキシプロパン、トリシアノエチレン、ペンタントリカルボニトリル、プロパントリカルボニトリル、ヘプタントリカルボニトリル等のシアノ基を3つ有する化合物;
等が挙げられる。
ジフルオロリン酸塩のカウンターカチオンとしては特に限定はないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、及び、NR13141516(式中、R13〜R16は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を表わす。)で表されるアンモニウム等が例示として挙げられる。
上記アンモニウムのR13〜R16で表わされる炭素数1〜12の有機基としては特に限定はないが、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環基等が挙げられる。中でもR13〜R16として、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は窒素原子含有複素環基等が好ましい。
ジフルオロリン酸塩の具体例としては、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸カリウム等が挙げられ、ジフルオロリン酸リチウムが好ましい。
フルオロスルホン酸塩のカウンターカチオンとしては特に限定はないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、及び、NR13141516(式中、R13〜R16は、各々独立に、水素原子又は
炭素数1〜12の有機基を表わす。)で表されるアンモニウム等が例示として挙げられる。
上記アンモニウムのR13〜R16で表わされる炭素数1〜12の有機基としては特に限定はないが、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環基等が挙げられる。中でもR13〜R16として、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は窒素原子含有複素環基等が好ましい。
フルオロスルホン酸塩の具体例としては、フルオロスルホン酸リチウム、フルオロスルホン酸ナトリウム、フルオロスルホン酸カリウム、フルオロスルホン酸ルビジウム、フルオロスルホン酸セシウム等が挙げられ、フルオロスルホン酸リチウムが好ましい。
酸無水物化合物としては、カルボン酸無水物、硫酸無水物、硝酸無水物、スルホン酸無水物、リン酸無水物、亜リン酸無水物であることや、環状酸無水物、鎖状酸無水物であることなどの限定を受けず、酸無水物化合物であるならば特にその構造は限定されないものとする。
酸無水物化合物の具体例としては、例えば、無水マロン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、2、3−ジメチルマレイン酸無水物、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水フェニルマレイン酸、2、3−ジフェニルマレイン酸無水物、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、フェニルコハク酸無水物、2−フェニルグルタル酸無水物、アリルコハク酸無水物、2−ブテン−11−イルコハク酸無水物、(2−メチル−2−プロペニル)コハク酸無水物、テトラフルオロコハク酸無水物、ジアセチル−酒石酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、クロトン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、無水酢酸等が挙げられる。
環状スルホン酸エステル化合物としては、特にその種類は限定されない。
環状スルホン酸エステルの具体例としては、例えば、1,3−プロパンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、2−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、2−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1−プロペン−1,3−スルトン、2−プロペン−1,3−スルトン、1−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、2−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、3−フルオロ−1−プロペン−1,3−スルトン、1−フルオロ−2−プロペン−1,3−スルトン、2−フルオロ−2−プロペン−1,3−スルトン、3−フルオロ−2−プロペン−1,3−スルトン、1−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、2−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、3−メチル−1−プロペン−1,3−スルトン、1−メチル−2−プロペン−1,3−スルトン、2−メチル−2−プロペン−1,3−スルトン、3−メチル−2−プロペン−1,3−スルトン、1,4−ブタンスルトン、1−フルオロ−1,4−ブタンスルトン、2−フルオロ−1,4−ブタンスルトン、3−フルオロ−1,4−ブタンスルトン、4−フルオロ−1,4−ブタンスルトン、1−メチル−1,4−ブタンスルトン、2−メチル−1,4−ブタンスルトン、3−メチル−1,4−ブタンスルトン、4
−メチル−1,4−ブタンスルトン、1−ブテン−1,4−スルトン、2−ブテン−1,4−スルトン、3−ブテン−1,4−スルトン、1−フルオロ−1−ブテン−1,4−スルトン、2−フルオロ−1−ブテン−1,4−スルトン、3−フルオロ−1−ブテン−1,4−スルトン、4−フルオロ−1−ブテン−1,4−スルトン、
1−フルオロ−2−ブテン−1,4−スルトン、2−フルオロ−2−ブテン−1,4−スルトン、3−フルオロ−2−ブテン−1,4−スルトン、4−フルオロ−2−ブテン−1,4−スルトン、1−フルオロ−3−ブテン−1,4−スルトン、2−フルオロ−3−ブテン−1,4−スルトン、3−フルオロ−3−ブテン−1,4−スルトン、4−フルオロ−3−ブテン−1,4−スルトン、1−メチル−1−ブテン−1,4−スルトン、2−メチル−1−ブテン−1,4−スルトン、3−メチル−1−ブテン−1,4−スルトン、4−メチル−1−ブテン−1,4−スルトン、1−メチル−2−ブテン−1,4−スルトン、2−メチル−2−ブテン−1,4−スルトン、3−メチル−2−ブテン−1,4−スルトン、4−メチル−2−ブテン−1,4−スルトン、1−メチル−3−ブテン−1,4−スルトン、2−メチル−3−ブテン−1,4−スルトン、3−メチル−3−ブテン−1,4−スルトン、4−メチル−3−ブテン−1,4−スルトン、1,5−ペンタンスルトン、1−フルオロ−1,5−ペンタンスルトン、2−フルオロ−1,5−ペンタンスルトン、3−フルオロ−1,5−ペンタンスルトン、4−フルオロ−1,5−ペンタンスルトン、5−フルオロ−1,5−ペンタンスルトン、1−メチル−1,5−ペンタンスルトン、2−メチル−1,5−ペンタンスルトン、3−メチル−1,5−ペンタンスルトン、4−メチル−1,5−ペンタンスルトン、5−メチル−1,5−ペンタンスルトン、1−ペンテン−1,5−スルトン、2−ペンテン−1,5−スルトン、3−ペンテン−1,5−スルトン、4−ペンテン−1,5−スルトン、1−フルオロ−1−ペンテン−1,5−スルトン、2−フルオロ−1−ペンテン−1,5−スルトン、3−フルオロ−1−ペンテン−1,5−スルトン、4−フルオロ−1−ペンテン−1,5−スルトン、5−フルオロ−1−ペンテン−1,5−スルトン、1−フルオロ−2−ペンテン−1,5−スルトン、2−フルオロ−2−ペンテン−1,5−スルトン、3−フルオロ−2−ペンテン−1,5−スルトン、4−フルオロ−2−ペンテン−1,5−スルトン、5−フルオロ−2−ペンテン−1,5−スルトン、1−フルオロ−3−ペンテン−1,5−スルトン、
2−フルオロ−3−ペンテン−1,5−スルトン、3−フルオロ−3−ペンテン−1,5−スルトン、4−フルオロ−3−ペンテン−1,5−スルトン、5−フルオロ−3−ペンテン−1,5−スルトン、1−フルオロ−4−ペンテン−1,5−スルトン、2−フルオロ−4−ペンテン−1,5−スルトン、3−フルオロ−4−ペンテン−1,5−スルトン、4−フルオロ−4−ペンテン−1,5−スルトン、5−フルオロ−4−ペンテン−1,5−スルトン、1−メチル−1−ペンテン−1,5−スルトン、2−メチル−1−ペンテン−1,5−スルトン、3−メチル−1−ペンテン−1,5−スルトン、4−メチル−1−ペンテン−1,5−スルトン、5−メチル−1−ペンテン−1,5−スルトン、1−メチル−2−ペンテン−1,5−スルトン、2−メチル−2−ペンテン−1,5−スルトン、3−メチル−2−ペンテン−1,5−スルトン、4−メチル−2−ペンテン−1,5−スルトン、5−メチル−2−ペンテン−1,5−スルトン、1−メチル−3−ペンテン−1,5−スルトン、2−メチル−3−ペンテン−1,5−スルトン、3−メチル−3−ペンテン−1,5−スルトン、4−メチル−3−ペンテン−1,5−スルトン、5−メチル−3−ペンテン−1,5−スルトン、1−メチル−4−ペンテン−1,5−スルトン、2−メチル−4−ペンテン−1,5−スルトン、3−メチル−4−ペンテン−1,5−スルトン、4−メチル−4−ペンテン−1,5−スルトン、5−メチル−4−ペンテン−1,5−スルトンなど等のスルトン化合物;
メチレンスルフェート、エチレンスルフェート、プロピレンスルフェートなど等のスルフェート化合物;
1,2,3−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、3H−1,2,3−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、5H−1,2,3−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、1,2,4−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、4−メチル−1,2,4−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、3H−1,2,4−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、5H−1,2,4−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、1,2,5−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、5−メチル−1,2,5−オキサチアゾリジン−2,2−ジオキシド、3H−1,2,5−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、5H−1,2,5−オキサチアゾール−2,2−ジオキシド、1,2,3−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、5,6−ジヒドロ−1,2,3−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、1,2,4−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、4−メチル−1,2,4−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、5,6−ジヒドロ−1,2,4−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、3,6−ジヒドロ−1,2,4−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、3,4−ジヒドロ−1,2,4−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、1,2,5−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、5−メチル−1,2,5−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、5,6−ジヒドロ−1,2,5−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、3,6−ジヒドロ−1,2,5−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、3,4−ジヒドロ−1,2,5−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、1,2,6−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、6−メチル−1,2,6−オキサチアジナン−2,2−ジオキシド、5,6−ジヒドロ−1,2,6−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、3,4−ジヒドロ−1,2,6−オキサチアジン−2,2−ジオキシド、5,6−ジヒドロ−1,2,6−オキサチアジン−2,2−ジオキシドなど等の含窒素化合物;
1,2,3−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスラン−2,2,3−トリオキシド、3−メトキシ−1,2,3−オキサチアホスラン−2,2,3−トリオキシド、1,2,4−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、4−メチル−1,2,4−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、4−メチル−1,2,4−オキサチアホスラン−2,2,4−トリオキシド、4−メトキシ−1,2,4−オキサチアホスラン−2,2,4−トリオキシド、1,2,5−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、5−メチル−1,2,5−オキサチアホスラン−2,2−ジオキシド、5−メチル−1,2,5−オキサチアホスラン−2,2,5−トリオキシド、5−メトキシ−1,2,5−オキサチアホスラン−2,2,5−トリオキシド、1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、3−メチル−1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、3−メトキシ−1,2,3−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、1,2,4−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、4−メチル−1,2,4−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、4−メチル−1,2,4−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、4−メチル−1,5,2,4−ジオキサチアホスフィナン−2,4−ジオキシド、4−メトキシ−1,5,2,4−ジオキサチアホスフィナン−2,4−ジオキシド、3−メトキシ−1,2,4−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、1,2,5−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、5−メチル−1,2,5−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、5−メチル−1,2,5−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、5−メトキシ−1,2,5−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、1,2,6−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、6−メチル−1,2,6−オキサチアホスフィナン−2,2−ジオキシド、6−メチル−1,2,6−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシド、6−メトキシ−1,2,6−オキサチアホスフィナン−2,2,3−トリオキシドなど等の含リン化合物;
等が挙げられる。
その他の助剤としては、上記助剤以外の公知の助剤を用いることができる。その他の助剤としては、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート、メトキシエチル−メチルカーボネート等のカーボネート化合物;
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジビニル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のスピロ化合物;
エチレンサルファイト、フルオロスルホン酸メチル、フルオロスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、ブスルファン、スルホレン、ジフェニルスルホン、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、ビニルスルホン酸メチル、ビニルスルホン酸エチル、ビニルスルホン酸アリル、ビニルスルホン酸プロパルギル、アリルスルホン酸メチル、アリルスルホン酸エチル、アリルスルホン酸アリル、アリルスルホン酸プロパルギル、1,2−ビス(ビニルスルホニロキシ)エタン
等の含硫黄化合物;
1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;
亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジエチル、ビニルホスホン酸ジメチル、ビニルホスホン酸ジエチル、ジメチルホスフィン酸メチル、ジエチルホスフィン酸エチル、トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィンオキシド
等の含燐化合物;
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物;
フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物;
等が挙げられる。
上記助剤に関して、製造方法にも特に制限はなく、公知の方法を任意に選択して製造することが可能である。また、上記助剤を用いる場合、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、本発明の非水系電解液全体に対する助剤の配合量に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、初期不可逆容量の増加や低温特性、レート特性の低下等、他の電池特性に悪影響を及ぼさないようにするために、助剤の総含有量は電解質全体に対して通常10質量%以下とすることができ、中でも8質量%以下、さらには5質量%以下、特に2質量%以下の範囲が好ましい。
以上、上述の非水系電解液は、本発明に記載の非水系電解液電池の内部に存在するものも含まれる。
具体的には、リチウム塩や溶媒、助剤等の非水系電解液の構成要素を別途合成し、実質的に単離されたものから非水系電解液を調整し、下記に記載する方法にて別途組み立てた電池内に注液して得た非水系電解液電池内の非水系電解液である場合や、本発明の非水系電解液の構成要素を個別に電池内に入れておき、電池内にて混合させることにより本発明の非水系電解液と同じ組成を得る場合、更には、本発明の非水系電解液を構成する化合物を該非水系電解液電池内で発生させて、本発明の非水系電解液と同じ組成を得る場合も含まれるものとする。
2.電池構成
本発明の非水系電解液二次電池は、上記の非水系電解液と後述する負極を、その構成部材としてなるものである。以下、本発明の非水系電解液二次電池について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明の非水系電解液二次電池は、公知の構造を採ることができ、典型的には、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵・放出可能な正極と、後述の金属イオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含む負極と、上記の非水系電解液とを備える。
2−1.負極活物質
以下に負極に使用される負極活物質について述べる。本発明に用いる負極活物質としては、金属イオンの挿入・脱離が可能な活物質(A)と、有機化合物(B)とを含有するものであれば、特に制限はない。
<活物質(A)>
本発明に用いる負極活物質は、活物質(A)を含有する。活物質(A)は、その骨格中にリチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料であれば特に制限されない。
その例としては、黒鉛、非晶質炭素、黒鉛化度の小さい炭素質物に代表される種々の炭素材料、シリコン系材料、スズ系材料が挙げられる。これらについては詳述するが、中でも人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、シリコン、及びシリコン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがリチウム貯蔵容量、サイクル特性、コストのバランスの点から好ましい。またこれらを炭素質物、例えば非晶質炭素や黒鉛化物で被覆したものを用いても良い。
本発明ではこれらを単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記材料には酸化物やその他金属を含んでいてもよい。
前記活物質(A)の形状は特に制限されず、球状、薄片状、繊維状、不定形粒子などから適宜選択して用いることができるが、好ましくは球状である。
前記炭素材料の種類としては、人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、黒鉛化度の小さい炭素質物等が挙げられるが、低コストと電極作製のし易さの点から、人造黒鉛または天然黒鉛が好ましく、天然黒鉛がより好ましい。
これら炭素材料は、不純物の少ないものが好ましく、必要に応じて種々の精製処理を施して用いる。
前記天然黒鉛としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛等が挙げられる。前記鱗状黒鉛の産地は、主にスリランカであり、前記鱗片状黒鉛の産地は、主にマダガスカル、中国、ブラジル、ウクライナ、カナダ等であり、前記土壌黒鉛の主な産地は、朝鮮半島、中国、メキシコ等である。
これらの天然黒鉛の中で、土壌黒鉛は一般に粒径が小さいうえ、純度が低い。これに対して、鱗片状黒鉛や鱗状黒鉛は、黒鉛化度が高く不純物量が低い等の長所があるため、本発明において好ましく使用することができる。
前記天然黒鉛の形状は、本発明の効果を発揮する観点から、好ましくは球形であり、活物質(A)として特に好ましくは球形化天然黒鉛である。
更に具体的には、高純度化した鱗片状の天然黒鉛に球形化処理を施して得られた球形化天然黒鉛である。前記球形化処理の方法については後述する。
前記人造黒鉛、非晶質炭素の原料としては易黒鉛化炭素や難黒鉛化炭素を用いることができる。例えば、コールタールピッチ、石炭系重質油、常圧残油、石油系重質油、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然高分子、
ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂などの有機物を所定の温度で焼成したものが挙げられる。
前記人造黒鉛は易黒鉛化炭素を多く含む原料を、2500℃以上、3200℃以下の範囲で黒鉛化することで得ることができ、焼成の際、珪素含有化合物やホウ素含有化合物などを黒鉛化触媒として用いることもできる。
前記非晶質炭素は難黒鉛化炭素や、炭素前駆体を不融化処理したものを600℃以上、3200℃以下で焼成することで得ることができる。
更に、前記非晶質炭素は易黒鉛化炭素を原料として用いることもできる。その場合の前記黒鉛化度の小さい炭素質物としては、有機物を通常2500℃未満の温度で焼成したものが挙げられる。有機物としては、コールタールピッチ、乾留液化油などの石炭系重質油;常圧残油、減圧残油などの直留系重質油;原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等の分解系重質油などの石油系重質油;アセナフチレン、デカシクレン、アントラセンなどの芳香族炭化水素;フェナジンやアクリジンなどの窒素含有環状化合物;チオフェンなどの硫黄含有環状化合物;アダマンタンなどの脂肪族環状化合物;ビフェニル、テルフェニルなどのポリフェニレン;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどのポリビニルエステル類;ポリビニルアルコールなどの熱可塑性高分子などが挙げられる。
前記炭素質物の黒鉛化度の程度に応じて、焼成温度は通常600℃以上とすることができ、好ましくは900℃以上、より好ましくは950℃以上であり、通常2500℃未満とすることができ、好ましくは2000℃以下、より好ましくは1400℃以下の範囲である。
焼成の際、有機物にリン酸、ホウ酸、塩酸などの酸類や、水酸化ナトリウム等のアルカリ類などを混合することもできる。
前記シリコン系材料としては、シリコン、シリコン酸化物等が挙げられる。具体的には、SiO、SiC、(式中x及びyは任意の割合でも可)シリコン−酸化シリコン複合体、またはシリコンとその他金属との合金のうち何れを用いてもよい。中でもリチウム貯蔵容量とサイクル特性の点からシリコン(Si)及びシリコン酸化物が好ましい。
シリコン系材料としては、小粒径、薄膜、多孔質構造などリチウム挿入、脱離時の体積膨張収縮を緩和可能な形態が好ましく、必要に応じて炭素材料やその他活物質材料と複合化して用いる。
前記スズ系材料としては、錫、酸化第一錫、酸化第二錫、または錫アモルファス合金のうち何れを用いてもよい。スズ系材料としては、小粒径、薄膜、多孔質構造などリチウム挿入、脱離時の体積膨張収縮を緩和可能な形態が好ましく、必要に応じて種々の炭素材料やその他、活物質材料と複合化して用いる。
次に、活物質(A)の各種物性について説明する。活物質(A)は、下記物性のうち、少なくとも1つ以上を満たすことが好ましい。
(平均粒子径(d50))
活物質(A)の平均粒子径(d50)は、通常1μm以上、50μm以下である。この範囲であれば、負極製造時において極板化した際に、負極形成材料の筋引きなど、工程上の不都合が生ずることを防止することができる。
平均粒子径(d50)は、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。
なお、本願明細書において、平均粒子径(d50)とは、体積基準のメジアン径を意味する。具体的には、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料0.01gを懸濁させ、市販のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した値として得ることができる。
(タップ密度)
活物質(A)のタップ密度は、通常0.7g/cm以上であり、1.0g/cm以上が好ましい。また、通常1.6g/cm以下であり、1.3g/cm以下が好ましい。
タップ密度が低すぎると、非水系二次電池用の負極に用いた場合に高速充放電特性に劣り、一方タップ密度が高すぎると、負極を構成する材料である粒子内における活物質(A)の密度が高く、負極形成材料の圧延性に欠け、高密度の負極シートを形成することが難しくなる場合がある。
本発明において、タップ密度は、粉体密度測定器を用い、直径1.6cm、体積容量20cmの円筒状タップセルに、目開き300μmの篩を通して試料を落下させてセルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行ない、該タップ後の体積と試料の重量から求めた密度をタップ密度として定義する。
(BET法比表面積(SA))
活物質(A)のBET法で測定した比表面積(BET法比表面積)は、通常1m/g以上、11m/g以下である。この範囲であれば、Liイオンが出入りする部位が十分であるため、非水系二次電池用の負極に用いた場合でも良好な高速充放電特性・出力特性が得られ、活物質の電解液に対する活性を制御し、初期不可逆容量を小さくし、さらには高容量化を容易に図ることができる。
BET比表面積は、好ましくは1.2m/g以上、より好ましくは、1.5m/g以上であり、また、好ましくは10m/g以下、より好ましくは9m/g以下、さらに好ましくは8m/g以下である。
なお、本願明細書において、BET法比表面積は、比表面積測定装置を用いて、窒素ガス吸着流通法によりBET5点法にて測定した値とする。
(X線パラメータ)
活物質(A)が炭素材料である場合、該炭素材のX線広角回折法による(002)面の面間隔d002は、通常0.335nm以上、0.340nm未満、好ましくは0.339nm以下であり、より好ましくは0.337nm以下である。d002値が0.340nm未満であれば、適切な結晶性が得られ、非水系二次電池用の負極に用いた場合に初期不可逆容量の増加が抑制できる。なお、0.335nmは黒鉛の理論値である。
(ラマンR値)
活物質(A)が炭素材料である場合、該炭素材のラマンR値は、1580cm−1付近のピークPの強度Iと、1360cm−1付近のピークPの強度Iとを測定し、その強度比R(R=I/I)を算出して定義する。
R値は通常0.01以上、1以下であり、0.6以下が好ましい。ラマンR値がこの範囲を下回ると、粒子表面の結晶性が高くなり過ぎて、高密度化した場合に電極板と平行方向に結晶が配向し易くなり、負荷特性の低下を招く傾向がある。一方、この範囲を上回ると、粒子表面の結晶性が乱れ、電解液との反応性が増し、非水系二次電池用の負極に用いた場合に効率の低下やガス発生の増加を招く傾向がある。
ラマンスペクトルはラマン分光器で測定できる。具体的には、測定対象粒子を測定セル
内へ自然落下させることで試料を充填し、測定セル内にアルゴンイオンレーザー光を照射しながら、測定セルを照射したレーザー光と垂直な面内で回転させながら測定を行なう。
アルゴンイオンレーザー光の波長 :532nm
試料上のレーザーパワー :25mW
分解能 :4cm−1
測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
ピーク強度測定、ピーク半値幅測定:バックグラウンド処理、スムージング処理(単純平均によるコンボリューション5ポイント)
(活物質(A)の製造方法)
以上説明した活物質(A)は種々の公知の方法により製造可能であり、その製造方法は特に制限されない。ここでは、本発明において活物質(A)として好ましく用いられる球形化天然黒鉛について、天然黒鉛からの製造方法について説明する。
球形化天然黒鉛は天然黒鉛を球形化することで得られるものである。その球形化処理に用いる装置としては、例えば、衝撃力を主体に粒子の相互作用も含めた圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を繰り返し粒子に与える装置を用いることができる。
具体的には、ケーシング内部に多数のブレードを設置したローターを有し、そのローターが高速回転することによって、内部に導入された天然黒鉛原料に対して衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与え、表面処理を行なう装置が好ましい。
球形化処理を施すことにより、鱗片状の天然黒鉛が折りたたまれるか、もしくは周囲エッジ部分が球形粉砕されて、母体粒子は球状となる。その母体粒子に、粉砕により生じた主に5μm以下の微粉が付着する。なお、球形化処理後の天然黒鉛の表面官能基量O/C値が通常1%以上、4%以下となる条件で、球形化処理を行うことが好ましい。
この際には、機械的処理のエネルギーにより天然黒鉛表面の酸化反応を進行させ、天然黒鉛表面に酸性官能基を導入することができるよう、活性雰囲気下で球形化処理を行うことが好ましい。例えば前述の装置を用いて処理する場合には、回転するローターの周速度を通常30〜100m/秒とし、40〜100m/秒にすることが好ましく、50〜100m/秒にすることがより好ましい。
(被覆処理)
本発明に使用される活物質(A)は、その表面の少なくとも一部が炭素質物によって被覆されていてもよい。この被覆の態様は走査型電子顕微鏡(SEM)写真等で確認することができる。
なお、被覆処理に用いる炭素質物としては非晶質炭素及び黒鉛化物が挙げられるが、それらは後述する被覆処理における焼成温度の相違によって、得られるものが異なる。
具体的には、前記炭素質物の炭素前駆体として、以下の(1)又は(2)に記載の材料が好ましい。
(1)石炭系重質油、直流系重質油、分解系石油重質油、芳香族炭化水素、N環化合物、S環化合物、ポリフェニレン、有機合成高分子、天然高分子、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1の炭化可能な有機物。
(2)上記(1)に示した炭化可能な有機物を低分子有機溶媒に溶解させたもの。
上記(1)及び(2)の中でも石炭系重質油、直流系重質油、若しくは分解系石油重質油、またはこれらを低分子有機溶媒に溶解させたものが、焼成後の炭素質物が均一に被覆されるのでより好ましい。
被覆処理においては、例えば活物質(A)として球形化天然黒鉛を用いて核黒鉛とした場合に、炭素質物を得るための炭素前駆体を被覆原料として、これらを混合、焼成するこ
とで、炭素質物が被覆された活物質(A)が得られる。
焼成温度を、通常600℃以上、好ましくは700℃以上、より好ましくは900℃以上、通常2000℃以下、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下とすると炭素質物として非晶質炭素が得られる。
また焼成温度を通常2000℃以上、好ましくは2500℃以上、通常3200℃以下で熱処理を行うと炭素質物として黒鉛化物が得られる。
前記非晶質炭素とは結晶性の低い炭素であり、前記黒鉛化物とは結晶性の高い炭素である。
<化合物(B)>
次に、本発明に用いる負極活物質の構成成分である化合物(B)について説明する。本発明の二次電池では、活物質(A)に対して、化合物(B)を含有させることにより、活物質(A)表面と非水系電解液との反応を抑制し、ガスの発生を効果的に抑制し、初期コンディショニング時の充放電効率などを向上することができる。この時。化合物(B)は、活物質(A)表面と非水系電解液との反応を効果的に抑制するために、非水系電解液に対して難溶であることが好ましい。非水系電解液に対して難溶となるためには、イオン性基を有していて水溶性であることが好ましい。
なお、本明細書において、「非水系電解液に難溶」とは本発明で用いる負極活物質を後述の方法で作製した負極極板を1cm×1cmで切り出したものを試料として、これをエチルカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:7の体積比で混合した溶媒10gに25℃で30分以上浸漬後、化合物(B)を取り出し、その乾燥重量減少率が仕込みの化合物(B)に対して通常15%以下であり、より好ましくは、10%以下であり、更に好ましくは5%以下であることと定義する。また、上記の方法以外にも、浸漬後、浸漬した溶媒のNMRを測定し、溶媒中に溶出した化合物(B)を定量した時についても化合物(B)の定義は同様に、化合物(B)の溶出量が仕込みの化合物(B)全体の量に対して通常10質量%以下であり、より好ましくは、5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であることと定義する。
また、本明細書において、「水溶性」とは、常圧、25℃において、電気抵抗率18.2MΩの超純水を用いて、該超純水の質量に対して、固形分で3質量%以上、溶解することと定義される。好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上、特に好ましくは10質量%以上、より特に好ましくは15質量%以上溶解することが好ましい。
溶解しているかどうかは、例えば、以下の方法で確認することができる。
水に対して、1質量%となるように、化合物を溶解させ、常圧、25℃において、光路長10mmの石英セルを用いて、波長550nmにおける透過率が30%以下である場合、溶解していると見なすことができる。また、水に対して、1質量%となるように、化合物を溶解させ、0.45μmのシリンジフィルターを用いて濾過した際の、濾過前後の単位溶液量当たりの固形分の減少量が10%以下であれば、溶解とみなすことができる。
化合物(B)と化合物(D)との間における化学的な結合や化学的/物理的な相互作用の有無は限定されないが、化学的な結合や化学的/物理的な相互作用がある場合には、非水電解液への溶出の抑制や活物質表面からの電池内充放電中の剥離の抑制の点からより好ましい。化学的な結合としては、共有結合、配位結合が挙げられ、化学的な相互作用としては、酸塩基相互作用のようなイオン結合や水素結合、π−π相互作用、π−カチオン相互作用、電荷移動相互作用、ファンデルワールス相互作用、ハロゲン結合、静電相互作用、双極子相互作用などが挙げられ、非水系電解液に対する難溶性の点、活物質(A)からの剥離抑制の点から、化学的な結合、イオン結合、水素結合、電荷移動相互作用、ファン
デルワールス相互作用がより好ましく、化学的な結合が最も好ましい。
化合物(B)が有する官能基を起点に、非水系電解液中に含有される一般式(1)又は(2)で表される構造を有する化合物(D)と電池内にて反応し、化学結合を形成することで、その相乗効果によって活物質(A)表面と非水系電解液との反応抑制効果はより一層高まり、高温保存時や繰り返し充放電時のガスの発生の抑制効果を著しく向上することができる。化合物(B)が有する官能基を起点に、非水電解液中に含有される一般式(1)又は(2)で表される構造を有する化合物(D)と電池内にて反応し、化学結合を形成するための官能基としては、化合物(D)に対して求核試薬的に振る舞う官能基が好ましい。また、化合物(B)が有する官能基と化合物(D)の間で化学的な反応を伴わない場合においても、化合物(B)が非水系電解液に難溶となるような親水性の高い官能基を有する場合には、その化合物(B)上で安定的に化合物(D)が電気化学的な反応由来の被膜を形成することで、活物質(A)表面と非水系電解液との反応抑制効果はより一層高まり、高温保存時や繰り返し充放電時のガスの発生の抑制効果を著しく向上することができる。
上記理由から、化合物(B)は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ホウ酸基、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、スルフィノ基、スルフィナト基、スルホ基、リン酸基、又はホスホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。
なお、本発明において、ホウ酸基とは、オルトホウ酸基、メタホウ酸基、過ホウ酸基、次ホウ酸基、ボロン酸基、ボリン酸基等の構造を全て内包するものである。
中でも、非水系二次電池用の負極に用いた場合のガス発生や抵抗、極板強度、化合物(D)との反応性などの観点から、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ボロン酸基、一級アミノ基、二級アミノ基、スルフィノ基、スルフィナト基、スルホ基が好ましく、ヒドロキシル基、ボロン酸基、二級アミノ基、スルフィノ基、スルフィナト基、スルホ基が最も好ましい。
この化合物(B)は単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の化合物(B)のうち、ホウ酸やボロン酸誘導体のようなホウ素にヒドロキシル基が直結した構造を有するものやリン酸基を有するもの以外は、ポリマーであることが好ましい。ここで上記の官能基を除外したのは、上記の官能基を有するものは、負極活物質への被覆後の加熱乾燥工程や電池作製工程の加熱乾燥工程で縮合反応することで、固体としては二次元ネットワーク構造、又は三次元ネットワーク構造を有したポリ酸となり、活物質(A)上でポリマーと類似した非水系電解液との接触を抑制する振る舞いを示すためである。
ここでポリマーの定義は重量平均分子量が500以上あるいは粘度平均分子量が1000以上であるとする。なお、本明細書において重量平均分子量とは、溶媒テトラヒドロフラン(THF)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量あるいは、溶媒が水系、ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)のGPCにより測定した標準ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量である。
粘度平均分子量は特に制限されないが、通常1000以上10万以下の範囲が好ましい。なお、本明細書において粘度平均分子量とは、ウベローデ粘度計あるいは他の毛細管粘度計を用いて測定した固有粘度(極限粘度)の値からMark・Kuhn・Houwink式を用いて算出された粘度平均分子量である。重量平均分子量は、前述の定義に則って
いれば特に制限されないが、通常500以上100万以下の範囲であり、活物質(A)に被覆する際のハンドリングの点や電解液に対する難溶性の点から、500以上10万以下の範囲が好ましく、より好ましくは5万以下、更に好ましくは2万以下、特に好ましくは1000以上、さらに好ましくは3000以上の範囲である。粘度平均分子量は特に制限されないが、通常1000以上10万以下の範囲が好ましい。
このような化合物(B)の具体的な例としては、下記に列記したモノマーを重合したポリマー又はそれらの誘導体のホモポリマー及びコポリマーからなる群や、ペクチン、グルコマンナン、デキストリン、βグルカン、ポリデキストロース、イヌリン、アガロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、フコイダン等の水溶性多糖類、酢酸ビニル等のモノマーの重合物を鹸化することで得たポリビニルアルコール類、ホウ酸、メタホウ酸、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸リチウム、三ホウ酸、三ホウ酸ナトリウム、三ホウ酸リチウム、四ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸、五ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸リチウム、酸化ホウ素等のポリホウ酸になりうるホウ酸類、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム、二リン酸、二リン酸ナトリウム、二リン酸リチウム、三リン酸、三リン酸ナトリウム、三リン酸リチウム、五酸化二リン等のポリリン酸になりうるリン酸類より選択することが好ましい。
また、重縮合にて合成したナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ホルマリン縮合物、及びこれらの塩も含まれる。
また、ホウ酸類やリン酸類とヒドロキシル基、カルボン酸基を有するポリマーを複合化することで得られる縮合物や、ホウ酸類とアミノ基を有するポリマーを複合化することで得られる縮合物も含まれる。
ヒドロキシル基、カルボキシル基、ホウ酸基、メルカプト基、スルフィド基、スルフィノ基、スルフィナト基、スルホ基、リン酸基、又はホスホン酸基を有する化合物(B)のモノマーを下記に列記する。
ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルベンゼンスルホン酸、アリルベンゼンジスルホン酸、アリルナフタレンスルホン酸、アリルナフタレンジスルホン酸、アリルナフタレントリスルホン酸、アリルアントラセンスルホン酸、アリルアントラセンジスルホン酸、アリルアントラセントリスルホン酸、アクリロイルスルホン酸、アクリロイルベンゼンスルホン酸、アクリロイルベンゼンジスルホン酸、アクリロイルナフタレンスルホン酸、アクリロイルナフタレンジスルホン酸、アクリロイルナフタレントリスルホン酸、メタクリロイルスルホン酸、メタクリロイルベンゼンスルホン酸、メタクリロイルベンゼンジスルホン酸、メタクリロイルナフタレンスルホン酸、メタクリロイルナフタレンジスルホン酸、メタクリロイルアントラセンスルホン酸、メタクリロイルアントラセンジスルホン酸、メタクリロイルアントラセントリスルホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンジスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、ビニルナフタレンジスルホン酸、ビニルアントラセンスルホン酸、ビニルアントラセンジスルホン酸、ビニルアントラセントリスルホン酸、
2−アクリルアミドスルホン酸、2−アクリルアミドベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミドベンゼンジスルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルスルホン酸、2−メタクリルアミドエタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミドベンゼンスルホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルホン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルホン酸、ビニルイミダゾリンメタンスルホン酸、ビニルイミダゾリンエタンスルホ
ン酸、ビニルエーテルスルホン酸、ビニルエーテルメチルスルホン酸、ビニルエーテルエチルスルホン酸、ビニルエーテルフェニルスルホン酸、ビニルエーテルフェニルジスルホン酸、ビニルエーテルナフチルスルホン酸、ビニルエーテルナフチルジスルホン酸、ビニルエーテルアントラセニルスルホン酸、ビニルエーテルアントラセニルジスルホン酸、ビニルアミノベンゼンスルホン酸、ビニルアミノベンゼンジスルホン酸、アセナフチルスルホン酸、エチニルスルホン酸、エチニルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルエチニルスルホン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンスルホン酸、
ジアリルベンゼンスルホン酸、ジアリルベンゼンジスルホン酸、ジアリルナフタレンスルホン酸、ジアリルナフタレンジスルホン酸、ジアリルナフタレントリスルホン酸、ジアリルアントラセンスルホン酸、ジアリルアントラセンジスルホン酸、ジアリルアントラセントリスルホン酸、ジアクリロイルベンゼンスルホン酸、ジアクリロイルベンゼンジスルホン酸、ジアクリロイルナフタレンスルホン酸、ジアクリロイルナフタレンジスルホン酸、ジアクリロイルナフタレントリスルホン酸、ジメタクリロイルベンゼンスルホン酸、ジメタクリロイルベンゼンジスルホン酸、ジメタクリロイルナフタレンスルホン酸、ジメタクリロイルナフタレンジスルホン酸、ジメタクリロイルアントラセンスルホン酸、ジメタクリロイルアントラセンジスルホン酸、ジメタクリロイルアントラセントリスルホン酸、ジビニルベンゼンスルホン酸、ジビニルベンゼンジスルホン酸、ジビニルナフタレンスルホン酸、ジビニルナフタレンジスルホン酸、ジビニルアントラセンスルホン酸、ジビニルアントラセンジスルホン酸、ジビニルアントラセントリスルホン酸、
ジアクリルアミドベンゼンスルホン酸、ジアクリルアミドベンゼンジスルホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンスルホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルホン酸、ジビニルエーテルフェニルスルホン酸、ジビニルエーテルフェニルジスルホン酸、ジビニルエーテルナフチルスルホン酸、ジビニルエーテルナフチルジスルホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルスルホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジスルホン酸、ジアリルフェニルスルホン酸、ジアリルフェニルジスルホン酸、ジビニルアミノベンゼンスルホン酸、ジエチニルベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンスルホン酸、或いはこれらの塩等、或いはこれらの構造の一部がフッ素化されたススルホニル基を含有したスルホ基含有モノマー;
ビニルスルフィン酸、アリルスルフィン酸、アリルベンゼンスルフィン酸、アリルベンゼンジスルフィン酸、アリルナフタレンスルフィン酸、アリルナフタレンジスルフィン酸、アリルナフタレントリスルフィン酸、アリルアントラセンスルフィン酸、アリルアントラセンジスルフィン酸、アリルアントラセントリスルフィン酸、アクリロイルスルフィン酸、アクリロイルベンゼンスルフィン酸、アクリロイルベンゼンジスルフィン酸、アクリロイルナフタレンスルフィン酸、アクリロイルナフタレンジスルフィン酸、アクリロイルナフタレントリスルフィン酸、メタクリロイルスルフィン酸、メタクリロイルベンゼンスルフィン酸、メタクリロイルベンゼンジスルフィン酸、メタクリロイルナフタレンスルフィン酸、メタクリロイルナフタレンジスルフィン酸、メタクリロイルアントラセンスルフィン酸、メタクリロイルアントラセンジスルフィン酸、メタクリロイルアントラセントリスルフィン酸、スチレンスルフィン酸、スチレンジスルフィン酸、ビニルナフタレンスルフィン酸、ビニルナフタレンジスルフィン酸、ビニルアントラセンスルフィン酸、ビニルアントラセンジスルフィン酸、ビニルアントラセントリスルフィン酸、
2−アクリルアミドスルフィン酸、2−アクリルアミドベンゼンスルフィン酸、2−アクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、2−アクリルアミドエタンスルフィン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフィン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルスルフィン酸、2−メタクリルアミドエタンスルフィン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルフィン酸、メタクリルアミドベンゼンスルフィン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、2−アクリロイルオキシエタンスルフィン酸、3−アクリロイ
ルオキシプロパンスルフィン酸、4−アクリロイルオキシブタンスルフィン酸、2−メタクリロイルオキシエタンスルフィン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンスルフィン酸、4−メタクリロイルオキシブタンスルフィン酸、ビニルイミダゾリンメタンスルフィン酸、ビニルイミダゾリンエタンスルフィン酸、ビニルエーテルスルフィン酸、ビニルエーテルメチルスルフィン酸、ビニルエーテルエチルスルフィン酸、ビニルエーテルフェニルスルフィン酸、ビニルエーテルフェニルジスルフィン酸、ビニルエーテルナフチルスルフィン酸、ビニルエーテルナフチルジスルフィン酸、ビニルエーテルアントラセニルスルフィン酸、ビニルエーテルアントラセニルジスルフィン酸、ビニルアミノベンゼンスルフィン酸、ビニルアミノベンゼンジスルフィン酸、アセナフチルスルフィン酸、エチニルスルフィン酸、エチニルベンゼンスルフィン酸、シクロヘキシルエチニルスルフィン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンスルフィン酸、
ジアリルベンゼンスルフィン酸、ジアリルベンゼンジスルフィン酸、ジアリルナフタレンスルフィン酸、ジアリルナフタレンジスルフィン酸、ジアリルナフタレントリスルフィン酸、ジアリルアントラセンスルフィン酸、ジアリルアントラセンジスルフィン酸、ジアリルアントラセントリスルフィン酸、ジアクリロイルベンゼンスルフィン酸、ジアクリロイルベンゼンジスルフィン酸、ジアクリロイルナフタレンスルフィン酸、ジアクリロイルナフタレンジスルフィン酸、ジアクリロイルナフタレントリスルフィン酸、ジメタクリロイルベンゼンスルフィン酸、ジメタクリロイルベンゼンジスルフィン酸、ジメタクリロイルナフタレンスルフィン酸、ジメタクリロイルナフタレンジスルフィン酸、ジメタクリロイルアントラセンスルフィン酸、ジメタクリロイルアントラセンジスルフィン酸、ジメタクリロイルアントラセントリスルフィン酸、ジビニルベンゼンスルフィン酸、ジビニルベンゼンジスルフィン酸、ジビニルナフタレンスルフィン酸、ジビニルナフタレンジスルフィン酸、ジビニルアントラセンスルフィン酸、ジビニルアントラセンジスルフィン酸、ジビニルアントラセントリスルフィン酸、
ジアクリルアミドベンゼンスルフィン酸、ジアクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、ジメタクリルアミドベンゼンスルフィン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジスルフィン酸、ジビニルエーテルフェニルスルフィン酸、ジビニルエーテルフェニルジスルフィン酸、ジビニルエーテルナフチルスルフィン酸、ジビニルエーテルナフチルジスルフィン酸、ジビニルエーテルアントラセニルスルフィン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジスルフィン酸、ジアリルフェニルスルフィン酸、ジアリルフェニルジスルフィン酸、ジビニルアミノベンゼンスルフィン酸、ジエチニルベンゼンスルフィン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンスルフィン酸、或いはこれらの塩等、或いはこれらの構造の一部がフッ素化されたスルフィノ基を含有したスルフィン酸モノマー、或いはこれらの構造のスルフィノ基部分に塩基が作用することでスルフィナト基化されたモノマー;
エチルビニルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、アリルメチルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、アリルプロピルジスルフィド、アリルプロピルスルフィド、アリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、アリルメルカプタン、フェニルビニルチオール等のスルフィド基・メルカプト基を有するモノマー;
ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、アリルベンゼンホスホン酸、アリルベンゼンジホスホン酸、アリルナフタレンホスホン酸、アリルナフタレンジホスホン酸、アリルナフタレントリホスホン酸、アリルアントラセンホスホン酸、アリルアントラセンジホスホン酸、アリルアントラセントリホスホン酸、アクリロイルホスホン酸、アクリロイルベンゼンホスホン酸、アクリロイルベンゼンジホスホン酸、アクリロイルナフタレンホスホン酸、アクリロイルナフタレンジホスホン酸、アクリロイルナフタレントリホスホン酸、メタクリロイルホスホン酸、メタクリロイルベンゼンホスホン酸、メタクリロイルベンゼンジホスホン酸、メタクリロイルナフタレンホスホン酸、メタクリロイルナフタレンジホスホン酸、メタクリロイルアントラセンホスホン酸、メタクリロイルアントラセンジホスホン酸、メタクリロイルアントラセントリホスホン酸、スチレンホスホン酸、スチレンジホス
ホン酸、ビニルナフタレンホスホン酸、ビニルナフタレンジホスホン酸、ビニルアントラセンホスホン酸、ビニルアントラセンジホスホン酸、ビニルアントラセントリホスホン酸、1−ヘプテニルホスホン酸、6−ヘプテニルホスホン酸、
2−アクリルアミドホスホン酸、2−アクリルアミドベンゼンホスホン酸、2−アクリルアミドベンゼンジホスホン酸、2−アクリルアミドエタンホスホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルホスホン酸、2−メタクリルアミドエタンホスホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸、メタクリルアミドベンゼンホスホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジホスホン酸、2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸、3−アクリロイルオキシプロパンホスホン酸、4−アクリロイルオキシブタンホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエタンホスホン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンホスホン酸、4−メタクリロイルオキシブタンホスホン酸、ビニルイミダゾリンメタンホスホン酸、ビニルイミダゾリンエタンホスホン酸、ビニルエーテルホスホン酸、ビニルエーテルメチルホスホン酸、ビニルエーテルエチルホスホン酸、ビニルエーテルフェニルホスホン酸、ビニルエーテルフェニルジホスホン酸、ビニルエーテルナフチルホスホン酸、ビニルエーテルナフチルジホスホン酸、ビニルエーテルアントラセニルホスホン酸、ビニルエーテルアントラセニルジホスホン酸、ビニルアミノベンゼンホスホン酸、ビニルアミノベンゼンジホスホン酸、アセナフチルホスホン酸、エチニルホスホン酸、エチニルベンゼンホスホン酸、シクロヘキシルエチニルホスホン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンホスホン酸、
3−フェニルアクリロイルホスホン酸、3−エトキシアクリロイルホスホン酸、3−メトキシアクリロイルホスホン酸、メタアクリロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、
ジアリルベンゼンホスホン酸、ジアリルベンゼンジホスホン酸、ジアリルナフタレンホスホン酸、ジアリルナフタレンジホスホン酸、ジアリルナフタレントリホスホン酸、ジアリルアントラセンホスホン酸、ジアリルアントラセンジホスホン酸、ジアリルアントラセントリホスホン酸、ジアクリロイルベンゼンホスホン酸、ジアクリロイルベンゼンジホスホン酸、ジアクリロイルナフタレンホスホン酸、ジアクリロイルナフタレンジホスホン酸、ジアクリロイルナフタレントリホスホン酸、ジメタクリロイルベンゼンホスホン酸、ジメタクリロイルベンゼンジホスホン酸、ジメタクリロイルナフタレンホスホン酸、ジメタクリロイルナフタレンジホスホン酸、ジメタクリロイルアントラセンホスホン酸、ジメタクリロイルアントラセンジホスホン酸、ジメタクリロイルアントラセントリホスホン酸、ジビニルベンゼンホスホン酸、ジビニルベンゼンジホスホン酸、ジビニルナフタレンホスホン酸、ジビニルナフタレンジホスホン酸、ジビニルアントラセンホスホン酸、ジビニルアントラセンジホスホン酸、ジビニルアントラセントリホスホン酸、
ジアクリルアミドベンゼンホスホン酸、ジアクリルアミドベンゼンジホスホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンホスホン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジホスホン酸、ジビニルエーテルフェニルホスホン酸、ジビニルエーテルフェニルジホスホン酸、ジビニルエーテルナフチルホスホン酸、ジビニルエーテルナフチルジホスホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルホスホン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジホスホン酸、ジアリルフェニルホスホン酸、ジアリルフェニルジホスホン酸、ジビニルアミノベンゼンホスホン酸、ジエチニルベンゼンホスホン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンホスホン酸、或いはこれらの塩等、或いはこれらの構造の一部がフッ素化されたリン酸・ホスホン酸基含有モノマー;
ビニルボロン酸、アリルボロン酸、アリルフェニルボロン酸、アリルフェニルジボロン
酸、アリルナフタレンボロン酸、アリルナフタレンジボロン酸、アリルナフタレントリボロン酸、アリルアントラセンボロン酸、アリルアントラセンジボロン酸、アリルアントラセントリボロン酸、アクリロイルボロン酸、アクリロイルベンゼンボロン酸、アクリロイルベンゼンジボロン酸、アクリロイルナフタレンボロン酸、アクリロイルナフタレンジボロン酸、アクリロイルナフタレントリボロン酸、アクリロイルアミノフェニルボロン酸、メタクリロイルボロン酸、メタクリロイルベンゼンボロン酸、メタクリロイルベンゼンジボロン酸、メタクリロイルナフタレンボロン酸、メタクリロイルナフタレンジボロン酸、メタクリロイルアントラセンボロン酸、メタクリロイルアントラセンジボロン酸、メタクリロイルアントラセントリボロン酸、ビニルフェニルボロン酸、ビニルフェニルジボロン酸、ビニルナフタレンボロン酸、ビニルナフタレンジボロン酸、ビニルアントラセンボロン酸、ビニルアントラセンジボロン酸、ビニルアントラセントリボロン酸、
2−アクリルアミドボロン酸、2−アクリルアミドベンゼンボロン酸、2−アクリルアミドベンゼンジボロン酸、2−アクリルアミドエタンボロン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンボロン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルボロン酸、2−メタクリルアミドエタンボロン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンボロン酸、メタクリルアミドフェニルボロン酸、ジメタクリルアミドフェニルジボロン酸、2−アクリロイルオキシエタンボロン酸、3−アクリロイルオキシプロパンボロン酸、4−アクリロイルオキシブタンボロン酸、2−メタクリロイルオキシエタンボロン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンボロン酸、4−メタクリロイルオキシブタンボロン酸、ビニルイミダゾリンメタンボロン酸、ビニルイミダゾリンエタンボロン酸、ビニルエーテルボロン酸、ビニルエーテルメチルボロン酸、ビニルエーテルエチルボロン酸、ビニルエーテルフェニルボロン酸、ビニルエーテルフェニルジボロン酸、ビニルエーテルナフチルボロン酸、ビニルエーテルナフチルジボロン酸、ビニルエーテルアントラセニルボロン酸、ビニルエーテルアントラセニルジボロン酸、ビニルアミノフェニルボロン酸、ビニルアミノフェニルジボロン酸、アセナフチルボロン酸、エチニルボロン酸、エチニルフェニルボロン酸、シクロヘキシルエチニルボロン酸、シクロヘキシルエチニルフェニルボロン酸、
ジアリルベンゼンボロン酸、ジアリルベンゼンジボロン酸、ジアリルナフタレンボロン酸、ジアリルナフタレンジボロン酸、ジアリルナフタレントリボロン酸、ジアリルアントラセンボロン酸、ジアリルアントラセンジボロン酸、ジアリルアントラセントリボロン酸、ジアクリロイルベンゼンボロン酸、ジアクリロイルベンゼンジボロン酸、ジアクリロイルナフタレンボロン酸、ジアクリロイルナフタレンジボロン酸、ジアクリロイルナフタレントリボロン酸、ジメタクリロイルベンゼンボロン酸、ジメタクリロイルベンゼンジボロン酸、ジメタクリロイルナフタレンボロン酸、ジメタクリロイルナフタレンジボロン酸、ジメタクリロイルアントラセンボロン酸、ジメタクリロイルアントラセンジボロン酸、ジメタクリロイルアントラセントリボロン酸、ジビニルベンゼンボロン酸、ジビニルベンゼンジボロン酸、ジビニルナフタレンボロン酸、ジビニルナフタレンジボロン酸、ジビニルアントラセンボロン酸、ジビニルアントラセンジボロン酸、ジビニルアントラセントリボロン酸、
ジアクリルアミドフェニルボロン酸、ジアクリルアミドフェニルジボロン酸、ジメタクリルアミドフェニルボロン酸、ジメタクリルアミドフェニルジボロン酸、ジビニルエーテルフェニルボロン酸、ジビニルエーテルフェニルジボロン酸、ジビニルエーテルナフチルボロン酸、ジビニルエーテルナフチルジボロン酸、ジビニルエーテルアントラセニルボロン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジボロン酸、ジアリルフェニルボロン酸、ジアリルフェニルジボロン酸、ジビニルアミノフェニルボロン酸、ジエチニルフェニルボロン酸、シクロヘキシルジエチニルフェニルボロン酸、或いはこれらの塩等、或いはこれらの構造の一部がフッ素化されたホウ酸基含有モノマー;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、アリルカルボン酸、アリルベンゼンカルボン酸、アリルベンゼンジカルボン酸、アリルナフタレンカルボン酸
、アリルナフタレンジカルボン酸、アリルナフタレントリカルボン酸、アリルアントラセンカルボン酸、アリルアントラセンジカルボン酸、アリルアントラセントリカルボン酸、アクリロイルカルボン酸、アクリロイルベンゼンカルボン酸、アクリロイルベンゼンジカルボン酸、アクリロイルナフタレンカルボン酸、アクリロイルナフタレンジカルボン酸、アクリロイルナフタレントリカルボン酸、メタクリロイルカルボン酸、メタクリロイルベンゼンカルボン酸、メタクリロイルベンゼンジカルボン酸、メタクリロイルナフタレンカルボン酸、メタクリロイルナフタレンジカルボン酸、メタクリロイルアントラセンカルボン酸、メタクリロイルアントラセンジカルボン酸、メタクリロイルアントラセントリカルボン酸、ビニル安息香酸、スチレンジカルボン酸、ビニルナフタレンカルボン酸、ビニルナフタレンジカルボン酸、ビニルアントラセンカルボン酸、ビニルアントラセンジカルボン酸、ビニルアントラセントリカルボン酸、
2−アクリルアミドカルボン酸、2−アクリルアミドベンゼンカルボン酸、2−アクリルアミドベンゼンジカルボン酸、2−アクリルアミドエタンカルボン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルカルボン酸、2−メタクリルアミドエタンカルボン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、メタクリルアミドベンゼンカルボン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジカルボン酸、2−アクリロイルオキシエタンカルボン酸、3−アクリロイルオキシプロパンカルボン酸、4−アクリロイルオキシブタンカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエタンカルボン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンカルボン酸、4−メタクリロイルオキシブタンカルボン酸、ビニルイミダゾリンメタンカルボン酸、ビニルイミダゾリンエタンカルボン酸、ビニルエーテルカルボン酸、ビニルエーテルメチルカルボン酸、ビニルエーテルエチルカルボン酸、ビニルエーテルフェニルカルボン酸、ビニルエーテルフェニルジカルボン酸、ビニルエーテルナフチルカルボン酸、ビニルエーテルナフチルジカルボン酸、ビニルエーテルアントラセニルカルボン酸、ビニルエーテルアントラセニルジカルボン酸、ビニルアミノベンゼンカルボン酸、ビニルアミノベンゼンジカルボン酸、アセナフチルカルボン酸、エチニルカルボン酸、エチニルベンゼンカルボン酸、シクロヘキシルエチニルカルボン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンカルボン酸、
ジアリルベンゼンカルボン酸、ジアリルベンゼンジカルボン酸、ジアリルナフタレンカルボン酸、ジアリルナフタレンジカルボン酸、ジアリルナフタレントリカルボン酸、ジアリルアントラセンカルボン酸、ジアリルアントラセンジカルボン酸、ジアリルアントラセントリカルボン酸、ジアクリロイルベンゼンカルボン酸、ジアクリロイルベンゼンジカルボン酸、ジアクリロイルナフタレンカルボン酸、ジアクリロイルナフタレンジカルボン酸、ジアクリロイルナフタレントリカルボン酸、ジメタクリロイルベンゼンカルボン酸、ジメタクリロイルベンゼンジカルボン酸、ジメタクリロイルナフタレンカルボン酸、ジメタクリロイルナフタレンジカルボン酸、ジメタクリロイルアントラセンカルボン酸、ジメタクリロイルアントラセンジカルボン酸、ジメタクリロイルアントラセントリカルボン酸、ジビニルベンゼンカルボン酸、ジビニルベンゼンジカルボン酸、ジビニルナフタレンカルボン酸、ジビニルナフタレンジカルボン酸、ジビニルアントラセンカルボン酸、ジビニルアントラセンジカルボン酸、ジビニルアントラセントリカルボン酸、
ジアクリルアミドベンゼンカルボン酸、ジアクリルアミドベンゼンジカルボン酸、ジメタクリルアミドベンゼンカルボン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジカルボン酸、ジビニルエーテルフェニルカルボン酸、ジビニルエーテルフェニルジカルボン酸、ジビニルエーテルナフチルカルボン酸、ジビニルエーテルナフチルジカルボン酸、ジビニルエーテルアントラセニルカルボン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジカルボン酸、ジアリルフェニルカルボン酸、ジアリルフェニルジカルボン酸、ジビニルアミノベンゼンカルボン酸、ジエチニルベンゼンカルボン酸、シクロヘキシルジエチニルベンゼンカルボン酸、
ビニルカルバミン酸、アリルカルバミン酸、アリルベンゼンカルバミン酸、アリルベンゼンジカルバミン酸、アリルナフタレンカルバミン酸、アリルナフタレンジカルバミン酸
、アリルナフタレントリカルバミン酸、アリルアントラセンカルバミン酸、アリルアントラセンジカルバミン酸、アリルアントラセントリカルバミン酸、アクリロイルカルバミン酸、アクリロイルベンゼンカルバミン酸、アクリロイルベンゼンジカルバミン酸、アクリロイルナフタレンカルバミン酸、アクリロイルナフタレンジカルバミン酸、アクリロイルナフタレントリカルバミン酸、メタクリロイルカルバミン酸、メタクリロイルベンゼンカルバミン酸、メタクリロイルベンゼンジカルバミン酸、メタクリロイルナフタレンカルバミン酸、メタクリロイルナフタレンジカルバミン酸、メタクリロイルアントラセンカルバミン酸、メタクリロイルアントラセンジカルバミン酸、メタクリロイルアントラセントリカルバミン酸、スチレンカルバミン酸、スチレンジカルバミン酸、ビニルナフタレンカルバミン酸、ビニルナフタレンジカルバミン酸、ビニルアントラセンカルバミン酸、ビニルアントラセンジカルバミン酸、ビニルアントラセントリカルバミン酸、
2−アクリルアミドカルバミン酸、2−アクリルアミドベンゼンカルバミン酸、2−アクリルアミドベンゼンジカルバミン酸、2−アクリルアミドエタンカルバミン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルバミン酸、2−アクリルアミドーt−ブチルカルバミン酸、2−メタクリルアミドエタンカルバミン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンカルバミン酸、メタクリルアミドベンゼンカルバミン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジカルバミン酸、2−アクリロイルオキシエタンカルバミン酸、3−アクリロイルオキシプロパンカルバミン酸、4−アクリロイルオキシブタンカルバミン酸、2−メタクリロイルオキシエタンカルバミン酸、3−メタクリロイルオキシプロパンカルバミン酸、4−メタクリロイルオキシブタンカルバミン酸、ビニルイミダゾリンメタンカルバミン酸、ビニルイミダゾリンエタンカルバミン酸、ビニルエーテルカルバミン酸、ビニルエーテルメチルカルバミン酸、ビニルエーテルエチルカルバミン酸、ビニルエーテルフェニルカルバミン酸、ビニルエーテルフェニルジカルバミン酸、ビニルエーテルナフチルカルバミン酸、ビニルエーテルナフチルジカルバミン酸、ビニルエーテルアントラセニルカルバミン酸、ビニルエーテルアントラセニルジカルバミン酸、ビニルアミノベンゼンカルバミン酸、ビニルアミノベンゼンジカルバミン酸、アセナフチルカルバミン酸、エチニルカルバミン酸、エチニルベンゼンカルバミン酸、シクロヘキシルエチニルカルバミン酸、シクロヘキシルエチニルベンゼンカルバミン酸、
ジアリルベンゼンカルバミン酸、ジアリルベンゼンジカルバミン酸、ジアリルナフタレンカルバミン酸、ジアリルナフタレンジカルバミン酸、ジアリルナフタレントリカルバミン酸、ジアリルアントラセンカルバミン酸、ジアリルアントラセンジカルバミン酸、ジアリルアントラセントリカルバミン酸、ジアクリロイルベンゼンカルバミン酸、ジアクリロイルベンゼンジカルバミン酸、ジアクリロイルナフタレンカルバミン酸、ジアクリロイルナフタレンジカルバミン酸、ジアクリロイルナフタレントリカルバミン酸、ジメタクリロイルベンゼンカルバミン酸、ジメタクリロイルベンゼンジカルバミン酸、ジメタクリロイルナフタレンカルバミン酸、ジメタクリロイルナフタレンジカルバミン酸、ジメタクリロイルアントラセンカルバミン酸、ジメタクリロイルアントラセンジカルバミン酸、ジメタクリロイルアントラセントリカルバミン酸、ジビニルベンゼンカルバミン酸、ジビニルベンゼンジカルバミン酸、ジビニルナフタレンカルバミン酸、ジビニルナフタレンジカルバミン酸、ジビニルアントラセンカルバミン酸、ジビニルアントラセンジカルバミン酸、ジビニルアントラセントリカルバミン酸、
ジアクリルアミドベンゼンカルバミン酸、ジアクリルアミドベンゼンジカルバミン酸、ジメタクリルアミドベンゼンカルバミン酸、ジメタクリルアミドベンゼンジカルバミン酸、ジビニルエーテルフェニルカルバミン酸、ジビニルエーテルフェニルジカルバミン酸、ジビニルエーテルナフチルカルバミン酸、ジビニルエーテルナフチルジカルバミン酸、ジビニルエーテルアントラセニルカルバミン酸、ジビニルエーテルアントラセニルジカルバミン酸、ジアリルフェニルカルバミン酸、ジアリルフェニルジカルバミン酸、ジビニルアミノベンゼンカルバミン酸、ジエチニルベンゼンカルバミン酸、シクロヘキシルジエチニ
ルベンゼンカルバミン酸、
或いはこれらの塩等、或いはこれらの構造の一部がフッ素化されたカルボキシル基含有モノマー;
マレイン酸無水物、メタクリル酸無水物等のカルボン酸無水物モノマー;
1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシメチルアクリレート、4−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシメチルメタクリレート、4−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、或いはこれらの塩等、或いはこれらの構造の一部がフッ素化されたヒドロキシル基含有モノマー等が挙げられる。
上記のいずれかのホモポリマー、上記の2種以上のコポリマー、又は上記の1種以上と他成分の1種以上のコポリマー等を使用することができる。
他成分として、マレイン酸、アクリルアミド、スチレン等を使用してもよい。そのようなコポリマーとして例えば、スチレン−ビニルスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−ビニルスルホン酸リチウム共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸リチウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸リチウム共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン‐ビニル安息香酸共重合体、スチレン‐ビニル安息香酸リチウム共重合体、スチレン‐ビニル安息香酸ナトリウム共重合体が挙げられる。
アミノ基を有する化合物(B)のモノマーを下記に列記する。
ビニルアミン、アリルアミン、エチレンイミン、ビニルアミノナフタレン、ビニルアミノアントラセン、ビニルフェニルアミン、ビニルフェニルジアミン、ビニルベンジルアミン、ビニルナフチルアミン、ビニルナフチルジアミン、ビニルアントラセニルアミン、ビニアリルベンジルアミン、ルアントラセニルジアミン、ジビニルアミン、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルジエチルアンモニウム、或いはこれらの塩やアミン部分が部分尿素化や部分カーボネート化等の変性されたもの等が挙げられるが、これ以外でも上記の条件を満たす構造を有する化合物であれば、いかなるものでも良い。
ビニルアミン、アリルアミン、エチレンイミン及びそれらの誘導体としては、例えば、ビニルアミン、N−アルキル置換ビニルアミン(N−メチルビニルアミン等)、N,N−ジアルキル置換ビニルアミン(N,N−ジメチルビニルアミン等)、ジビニルアミン、N−アルキル置換ジビニルアミン(N−メチルジビニルアミン等)、アリルアミン、N−アルキル置換アリルアミン(N−メチルアリルアミン等)、N,N−ジアルキル置換アリルアミン(N,N−ジメチルアリルアミン等)、ジアリルアミン、N−アルキル置換ジアリルアミン(N−メチルジアリルアミン等)、エチレンイミンが挙げられ、上記のいずれかのホモポリマー、上記の2種以上のコポリマー、又は上記の1種以上と他成分の1種以上のコポリマー等を使用することができる。他成分として、マレイン酸、アクリルアミド、二酸化硫黄等を使用してもよい。そのようなコポリマーとして例えば、ジアリルアミン−マレイン酸コポリマー、ジアリルアミン−二酸化硫黄コポリマー等が挙げられる。
これ以外でも上記の条件を満たすポリマーであれば、いかなるものでも良い。
本発明の化合物(B)としては、以上の例示した化合物が挙げられるが、発生ガス抑制・抵抗抑制・保存特性改善の点から、好ましくは、ビニルスルホン酸リチウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼンスルホン酸リチウム、ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルアミン、アリルアミン、N−アルキル置換アリルアミン(N−メチルアリルアミン等)、N,N−ジアルキル置換アリルアミン(N,N−ジメチルアリルアミン等)又はジアリルアミンのホモポリマー又はコポリマー、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルギン酸及びこれらのリチウム塩・ナトリウム塩、ポリビニルアルコール、ホウ酸、酸化ホウ素、ポリビニルアルコール/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)、ポリアリルアミン/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)であり、より好ましくは、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼンスルホン酸リチウム、ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルアミン、アリルアミン、N−アルキル置換アリルアミン(N−メチルアリルアミン等)、N,N−ジアルキル置換アリルアミン(N,N−ジメチルアリルアミン等)又はジアリルアミンのホモポリマー又はコポリマー、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ホウ酸、酸化ホウ素、ポリビニルアルコール/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)、ポリアリルアミン/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)であり、最も好ましくはスチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ジビニルベンゼンスルホン酸リチウム、ジビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルアミン、アリルアミン、又はジアリルアミンのホモポリマー又はコポリマー、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ホウ酸、酸化ホウ素、ポリビニルアルコール/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物/酸化ホウ素(又はホウ酸縮合物)である。
以上説明した化合物(B)は、市販されているものを使用してもよいし、公知の方法により合成することもできる。なお、本発明において化合物(B)は1種の化合物を単独で又は2種以上の化合物を組み合わせて使用することができる。
<その他の成分>
また、本発明に係る非水系二次電池負極用活物質には、負極の安定性や導電性を向上させるために、導電剤、無機塩、ラジカルを開始剤としない多官能性架橋剤等を含有させてもよい。
導電剤は、特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラックや、平均粒径1μm以下のCu、Ni又はこれらの合金からなる微粉末などを使用することができる。
前記導電剤の添加量は、本発明の非水系二次電池負極用活物質に対して、10質量%以下であることが好ましい。
無機塩の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素カルシウム、が挙げられ、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、リン酸二水素リチウムが好ましく、より好ましくは電池内での化学的安定性と化合物(B)との親和性の点から硫酸リチウム、リン酸二水素リチウムが挙げられ、これらを2種以上組み合わせた、混合物、反応生成物であっても良い。
ラジカルを開始剤としない多官能性架橋剤は、グリシジル基またはエポキシ基を有し、その重量平均分子量は特に制限されないが、通常50以上、好ましくは150以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは350以上である。一方前記重量平均分子量は、通常100万以下、好ましくは50万以下、より好ましくは1万以下、更に好ましくは5000以下である。具体的には、ポリオキシエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブトキシポリエチレングリコー
ルグリシジルエーテル等が挙げられる。
<負極活物質>
このようにして得られる負極活物質においては、化合物(B)が活物質(A)に効果的に吸着し、強固に被覆していると考えられる。
本発明で用いる負極活物質を用いた負極極板を1cm×1cmで切り出したものを試料として、これをエチルカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:7の体積比で混合した溶媒10gに75℃で3日間浸漬した場合、その非水系電解液への化合物(B)の溶出量は、化合物(B)全体の通常30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下であり、また通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上である。
溶出量の測定方法は、特に限定されないが、例えば負極活物質を非水系電解液に75℃で3日間浸漬した後、負極活物質を取り出して乾燥させ、浸漬処理の前後で負極活物質の質量を測ることで測定することができる。また、浸漬処理の前後での負極活物質のNMRスペクトルを測定することによっても前記溶出量を測定することができる。
本発明に用いる負極活物質において、活物質(A)に対する化合物(B)の被覆含有量は、活物質(A)に対して通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、また通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3%以下の割合で含有されている。
0.01質量%未満では活物質(A)を効果的に被覆することが困難な場合があり、初期充放電効率の向上効果及び、ガス発生抑制効果が得られにくく、一方10質量%を超えると、活物質(A)と有機化合物(B)による被覆層との界面負極抵抗の上昇や、活物質(A)の割合が低下するため、単位重量あたりの容量が低下する場合がある。
負極活物質における化合物(B)の含有量は、負極活物質の製造時に化合物(B)を含んだ溶液を乾燥させる製造法を用いた場合には、原則として製造時における化合物(B)の添加量とすることができる。
一方で、例えば、溶媒を除去する際に濾過を行なう製造法を用いる場合は、得られた本発明の活物質のTG−DTA分析における重量減少、又は濾液に含まれる化合物(B)の量から算出することができる。
また、本発明の負極活物質の平均粒子径(d50)は、通常50μm以下とすることができ、また、1μm以上とすることができる。この範囲であれば、負極製造の際に、極板化した際に、負極形成材料の筋引きなどの工程上の不都合が生ずることを防止することができる。
平均粒子径(d50)は、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下であり、また、好ましくは4μm以上、より好ましくは10μm以上である。なお、平均粒子径(d50)の測定方法は、前述した通りである。また、本発明の負極活物質のd50は、その原料である活物質(A)のd50を変更することによって、調整することができる。
2−2.負極
本発明で用いる負極は、集電体と、集電体上に形成された活物質層とを備え、かつ前記活物質層が少なくとも前記負極活物質を含有するものである。前記活物質層は、好ましくは、さらにバインダを含有する。
前記バインダは、特に限定されないが、分子内にオレフィン性不飽和結合を有するものが好ましい。その具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピ
レン・ジエン共重合体などが挙げられる。
このようなオレフィン性不飽和結合を有するバインダを用いることにより、活物質層の電解液に対する膨潤性を低減することができる。中でも入手の容易性から、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
このような分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダと、本発明に用いる負極活物質とを組み合わせて用いることにより、負極板の機械的強度を高くすることができる。負極板の機械的強度が高いと、充放電による負極の劣化が抑制され、サイクル寿命を長くすることができる。
分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダは、分子量が大きいもの及び/又は不飽和結合の割合が大きいものが好ましい。
バインダの分子量としては、重量平均分子量は通常1万以上、100万以下である。この範囲であれば、機械的強度及び可撓性の両面を良好な範囲に制御できる。重量平均分子量は、好ましくは5万以上であり、また、好ましくは30万以下の範囲である。
バインダの分子内のオレフィン性不飽和結合の割合としては、全バインダ1g当たりのオレフィン性不飽和結合のモル数は通常2.5×10−7モル以上、5×10−6モル以下である。この範囲であれば、強度向上効果が十分に得られ、可撓性も良好である。前記モル数は、好ましくは8×10−7以上であり、また、好ましくは1×10−6以下である。
また、オレフィン性不飽和結合を有するバインダについては、その不飽和度は通常15%以上、90%以下である。不飽和度は、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上であり、また、好ましくは80%以下である。本願明細書において、不飽和度とは、ポリマーの繰り返し単位数に対する二重結合の割合(%)を表す。
バインダとして、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダも、使用することができる。分子内にオレフィン性不飽和結合を有するバインダにオレフィン性不飽和結合を有さないバインダを併用することによって、本発明の活物質やバインダを含有する負極形成材料の塗布性等の向上が期待できる。
オレフィン性不飽和結合を有するバインダに対する、オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの混合比率は、活物質層の強度が低下することを抑制するため、通常150質量%以下、好ましくは120質量%以下である。
前記オレフィン性不飽和結合を有さないバインダの例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、カラギナン、プルラン、グアーガム、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール類;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリ酸又はこれらポリマーの金属塩;ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのアルカン系ポリマー又はこれらの共重合体などが挙げられる。
本発明に用いる負極は、前記負極活物質と、場合によってバインダや導電剤を分散媒に分散させてスラリー(負極形成材料)とし、これを集電体に塗布、乾燥することにより形成することができる。前記分散媒としては、アルコールなどの有機溶媒や、水を用いることができる。
スラリー調製の際には、活物質(A)に、バインダ等とともに有機化合物(B)を添加・混合して、前記負極活物質の製造及び負極作製用スラリーの調製を同時に行ってもよい。
前記バインダは、前記負極活物質に対して通常は0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上用いる。バインダの割合を本発明の活物質に対して0.1質量%以上とすることで、活物質相互間や活物質と集電体との結着力が十分となり、負極から負極活物質が剥離することによる電池容量の減少およびサイクル特性の悪化を防ぐことができる。
また、バインダは前記負極活物質に対して通常10質量%以下、7質量%以下とすることが好ましい。バインダの割合を前記負極活物質に対して10質量%以下とすることにより、負極の容量の減少を防ぎ、かつ非水系二次電池がリチウムイオン電池であって場合のリチウムイオンの活物質への出入が妨げられるなどの問題を防ぐことができる。
これらの構成成分を混合した後、必要に応じて脱泡を行い、負極形成材料であるスラリーを得る。
上記負極集電体としては、従来この用途に用い得ることが知られている公知の物を用いることができる。例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタンおよび炭素などを用いることができる。
前記集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたもの、ネット又はパンチングメタルなどを用いるものも好ましい。
二次電池用の負極とした際の負極活物質層の密度は、用途により異なるが、車載用途やパワーツール用途などの入出力特性を重視する用途においては、通常1.1g/cm以上、1.65g/cm以下である。この範囲であれば、密度が低すぎることによる粒子同士の接触抵抗の増大を回避することができ、一方、密度が高すぎることによるレート特性の低下も抑制することができる。
前記密度は、好ましくは1.2g/cm以上、さらに好ましくは1.25g/cm以上である。
一方、携帯電話やパソコンといった携帯機器用途などの容量を重視する用途では、活物質層の密度は通常1.45g/cm以上、1.9g/cm以下である。この範囲であれば、密度が低すぎることによる単位体積あたりの電池の容量低下を回避することができ、一方、密度が高すぎることによるレート特性の低下も抑制することができる。
前記密度は、好ましくは1.55g/cm以上、さらに好ましくは1.65g/cm以上、特に好ましくは1.7g/cm以上である。
2−3.正極
<正極活物質>
以下に正極に使用される正極活物質(リチウム遷移金属系化合物)について述べる。
〈リチウム遷移金属系化合物〉
リチウム遷移金属系化合物とは、Liイオンを脱離、挿入することが可能な構造を有する化合物であり、例えば、硫化物やリン酸塩化合物、リチウム遷移金属複合酸化物等が挙げられる。硫化物としては、TiSやMoS等の二次元層状構造をもつ化合物や、一般式MeMo(MeはPb,Ag,Cuをはじめとする各種遷移金属)で表される強固な三次元骨格構造を有するシュブレル化合物等が挙げられる。リン酸塩化合物としては、オリビン構造に属するものが挙げられ、一般的にはLiMePO(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)で表され、具体的にはLiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPO等が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、三次元的拡散が可能なスピネル構造や、リチウムイオンの二次元的拡散を可能にする層状構造に属するものが挙げられる。スピネル構造を有するものは、一般的にLiMe(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)と表され、具体的にはLiMn、LiCoMnO、LiNi0.5Mn1.5、LiCoVO等が挙げられる。層状構造を有するものは、一般的にLiMeO(Meは少なくとも1種以上の遷移金属)と表される。具体的にはLiCoO、LiNiO、LiNi1−xCo、LiNi1−
x−yCoMn、LiNi0.5Mn0.5、Li1.2Cr0.4Mn0.4、Li1.2Cr0.4Ti0.4、LiMnO等が挙げられる。
〈組成〉
また、リチウム含有遷移金属化合物は、例えば、下記組成式(F)又は(G)で示されるリチウム遷移金属系化合物であることが挙げられる。
1)下記組成式(F)で示されるリチウム遷移金属系化合物である場合
Li1+xMO …(F)
ただし、xは通常0以上、0.5以下である。Mは、Ni及びMn、或いは、Ni、Mn及びCoから構成される元素であり、Mn/Niモル比は通常0.1以上、5以下である。Ni/Mモル比は通常0以上、0.5以下である。Co/Mモル比は通常0以上、0.5以下である。なお、xで表されるLiのリッチ分は、遷移金属サイトMに置換している場合もある。
なお、上記組成式(F)においては、酸素量の原子比は便宜上2と記載しているが、多少の不定比性があってもよい。また、上記組成式中のxは、リチウム遷移金属系化合物の製造段階での仕込み組成である。通常、市場に出回る電池は、電池を組み立てた後に、エージングを行っている。そのため、充放電に伴い、正極のLi量は欠損している場合がある。その場合、組成分析上、3Vまで放電した場合のxが−0.65以上、1以下に測定されることがある。
また、リチウム遷移金属系化合物は、正極活物質の結晶性を高めるために酸素含有ガス雰囲気下で高温焼成を行って焼成されたものが電池特性に優れる。
さらに、組成式(F)で示されるリチウム遷移金属系化合物は、以下一般式(F’)のとおり、213層と呼ばれるLiMOとの固溶体であってもよい。
αLiMO・(1−α)LiM’O・・・(F’)
一般式中、αは、0<α<1を満たす数である。
Mは、平均酸化数が4+である少なくとも1種の金属元素であり、具体的には、Mn、Zr、Ti、Ru、Re及びPtからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素である。
M’は、平均酸化数が3+である少なくとも1種の金属元素であり、好ましくは、V、Mn、Fe、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素であり、より好ましくは、Mn、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素である。
2)下記一般式(G)で表されるリチウム遷移金属系化合物である場合。
Li[LiMn2−b−a]O4+δ・・・(G)
ただし、Mは、Ni、Cr、Fe、Co、Cu、Zr、Al及びMgから選ばれる遷移金属のうちの少なくとも1種から構成される元素である。
bの値は通常0.4以上、0.6以下である。
bの値がこの範囲であれば、リチウム遷移金属系化合物における単位重量当たりのエネルギー密度が高い。
また、aの値は通常0以上、0.3以下である。また、上記組成式中のaは、リチウム遷移金属系化合物の製造段階での仕込み組成である。通常、市場に出回る電池は、電池を組み立てた後に、エージングを行っている。そのため、充放電に伴い、正極のLi量は欠損している場合がある。その場合、組成分析上、3Vまで放電した場合のaが−0.65以上、1以下に測定されることがある。
aの値がこの範囲であれば、リチウム遷移金属系化合物における単位重量当たりのエネルギー密度を大きく損なわず、かつ、良好な負荷特性が得られる。
さらに、δの値は通常±0.5の範囲である。
δの値がこの範囲であれば、結晶構造としての安定性が高く、このリチウム遷移金属系化合物を用いて作製した電極を有する電池のサイクル特性や高温保存が良好である。
ここでリチウム遷移金属系化合物の組成であるリチウムニッケルマンガン系複合酸化物におけるリチウム組成の化学的な意味について、以下により詳細に説明する。
上記リチウム遷移金属系化合物の組成式のa,bを求めるには、各遷移金属とリチウムを誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)で分析して、Li/Ni/Mnの比を求める事で計算される。
構造的視点では、aに係るリチウムは、同じ遷移金属サイトに置換されて入っていると考えられる。ここで、aに係るリチウムによって、電荷中性の原理によりMとマンガンの平均価数が3.5価より大きくなる。
また、上記リチウム遷移金属系化合物は、フッ素置換されていてもよく、LiMn4−x2xと表記される。
〈ブレンド〉
上記の組成のリチウム遷移金属系化合物の具体例としては、例えば、Li1+xNi0.5Mn0.5、Li1+xNi0.85Co0.10Al0.05、Li1+xNi0.33Mn0.33Co0.33、Li1+xNi0.45Mn0.45Co0.1、Li1+xMn1.8Al0.2、Li1+xMn1.5Ni0.5等が挙げられる。これらのリチウム遷移金属系化合物は、1種を単独で用いてもよく、二種以上をブレンドして用いても良い。
〈異元素導入〉
また、リチウム遷移金属系化合物は、異元素が導入されてもよい。異元素としては、B,Na,Mg,Al,K,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Cu,Zn,Sr,Y,Zr,Nb,Ru,Rh,Pd,Ag,In,Sb,Te,Ba,Ta,Mo,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Pb,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Bi,N,F,S,Cl,Br,I,As,Ge,P,Pb,Sb,Si及びSnの何れか1種以上の中から選択される。これらの異元素は、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれていてもよく、あるいは、リチウム遷移金属系化合物の結晶構造内に取り込まれず、その粒子表面や結晶粒界等に単体もしくは化合物として偏在していてもよい。
<正極>
本発明に用いる正極には、上述のリチウム遷移金属系化合物粉体及び結着剤を含有する正極活物質層を集電体上に形成してなるものを用いることができる。
正極活物質層は、通常、正極材料と結着剤と更に必要に応じて用いられる導電材及び増粘剤等を、乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、或いはこれらの材料を液体媒体中に溶解又は分散させてスラリー状にして、正極集電体に塗布、乾燥することにより作成される。
正極集電体の材質としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。また、形状としては、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金属薄膜、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等が挙げられる。なお、薄膜は適宜メッシュ状に形成しても良
い。
正極集電体として薄膜を使用する場合、その厚さは任意であるが、通常1μm以上、100mm以下の範囲が好適である。上記範囲よりも薄いと、集電体として必要な強度が不足する可能性がある一方で、上記範囲よりも厚いと、取り扱い性が損なわれる可能性がある。
正極活物質層の製造に用いる結着剤としては、特に限定されず、塗布法の場合は、電極製造時に用いる液体媒体に対して安定な材料であれば良いが、具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、芳香族ポリアミド、セルロース、ニトロセルロース等の樹脂系高分子、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体及びその水素添加物、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)、スチレン・エチレン・ブタジエン・エチレン共重合体、スチレン・イソプレンスチレンブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラストマー状高分子、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体等の軟質樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン(特にリチウムイオン)のイオン伝導性を有する高分子組成物等が挙げられる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質層中の結着剤の割合は、通常0.1質量%以上、80質量%以下である。結着剤の割合が低すぎると、正極活物質を十分保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう可能性がある一方で、高すぎると、電池容量や導電性の低下につながる可能性がある。
正極活物質層には、通常、導電性を高めるために導電材を含有させる。その種類に特に制限はないが、具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料や、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料等を挙げることができる。なお、これらの物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。正極活物質層中の導電材の割合は、通常0.01質量%以上、50質量%以下である。導電材の割合が低すぎると導電性が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が低下することがある。
スラリーを形成するための液体媒体としては、正極材料であるリチウム遷移金属系化合物粉体、結着剤、並びに必要に応じて使用される導電材及び増粘剤を溶解又は分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いても良い。水系溶媒の例としては水、アルコール等が挙げられ、有機系溶媒の例としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、アセトン、ジメチルエーテル、ジメチルアセタミド、ヘキサメチルホスファルアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、キシレン、キノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を挙げることができる。特に水系溶媒を用いる場合、増粘剤に併せて分散剤を加え、SBR等のラテックスを用いてスラリー化する。なお、これらの溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
正極活物質層中の正極材料としてのリチウム遷移金属系化合物粉体の含有割合は、通常10質量%以上、99.9質量%以下である。正極活物質層中のリチウム遷移金属系化合物粉体の割合が多すぎると正極の強度が不足する傾向にあり、少なすぎると容量の面で不十分となることがある。
また、正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。
正極のプレス後の電極密度としては、通常、2.2g/cm以上、4.2g/cm以下である。
なお、塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。
かくして、リチウム二次電池用正極が調製できる。
2−4.セパレータ
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
セパレータの材料や形状については特に制限されず、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のものを任意に採用することができる。中でも、本発明の非水系電解液に対し安定な材料で形成された、樹脂、ガラス繊維、無機物等が用いられ、保液性に優れた多孔性シート又は不織布状の形態の物等を用いるのが好ましい。
樹脂、ガラス繊維セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、芳香族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ガラスフィルター等を用いることができる。中でも好ましくはガラスフィルター、ポリオレフィンであり、さらに好ましくはポリオレフィンである。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
セパレータの厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、5μm以上が好ましく、10μm以上がさらに好ましく、また、通常50μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。セパレータが、上記範囲より薄過ぎると、絶縁性や機械的強度が低下する場合がある。また、上記範囲より厚過ぎると、レート特性等の電池性能が低下する場合があるばかりでなく、非水系電解液二次電池全体としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
さらに、セパレータとして多孔性シートや不織布等の多孔質のものを用いる場合、セパレータの空孔率は任意であるが、通常20%以上であり、35%以上が好ましく、45%以上がさらに好ましく、また、通常90%以下であり、85%以下が好ましく、75%以下がさらに好ましい。空孔率が、上記範囲より小さ過ぎると、膜抵抗が大きくなってレート特性が悪化する傾向がある。また、上記範囲より大き過ぎると、セパレータの機械的強度が低下し、絶縁性が低下する傾向にある。
また、セパレータの平均孔径も任意であるが、通常0.5μm以下であり、0.2μm以下が好ましく、また、通常0.05μm以上である。平均孔径が、上記範囲を上回ると、短絡が生じ易くなる。また、上記範囲を下回ると、膜抵抗が大きくなりレート特性が低下する場合がある。
一方、無機物の材料としては、例えば、アルミナや二酸化ケイ素等の酸化物、窒化アルミや窒化ケイ素等の窒化物、硫酸バリウムや硫酸カルシウム等の硫酸塩が用いられ、粒子形状もしくは繊維形状のものが用いられる。
形態としては、不織布、織布、微多孔性フィルム等の薄膜形状のものが用いられる。薄膜形状では、孔径が0.01〜1μm、厚さが5〜50μmのものが好適に用いられる。
上記の独立した薄膜形状以外に、樹脂製の結着材を用いて上記無機物の粒子を含有する複合多孔層を正極及び/又は負極の表層に形成させてなるセパレータを用いることができる。例えば、正極の両面に90%粒径が1μm未満のアルミナ粒子を、フッ素樹脂を結着材として多孔層を形成させることが挙げられる。
セパレータの非電解液二次電池における特性を、ガーレ値で把握することができる。ガーレ値とは、フィルム厚さ方向の空気の通り抜け難さを示し、100mlの空気が該フィルムを通過するのに必要な秒数で表されるため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚さ方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方がフィルムの厚さ方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは、フィルム厚さ方向の孔のつながり度合いである。本発明のセパレータのガーレ値が低ければ、様々な用途に使用することが出来る。例えば非水系リチウム二次電池のセパレータとして使用した場合、ガーレ値が低いということは、リチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。セパレータのガーレ値は、任意ではあるが、好ましくは10〜1000秒/100mlであり、より好ましくは15〜800秒/100mlであり、更に好ましくは20〜500秒/100mlである。ガーレ値が1000秒/100ml以下であれば、実質的には電気抵抗が低く、セパレータとしては好ましい。
2−5.電池設計
<電極群>
電極群は、上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介してなる積層構造のもの、及び上記の正極板と負極板とを上記のセパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のもののいずれでもよい。電極群の体積が電池内容積に占める割合(以下、電極群占有率と称する)は、通常40%以上であり、50%以上が好ましく、また、通常90%以下であり、80%以下が好ましい。
電極群占有率が、上記範囲を下回ると、電池容量が小さくなる。また、上記範囲を上回ると空隙スペースが少なく、電池が高温になることによって部材が膨張したり電解質の液成分の蒸気圧が高くなったりして内部圧力が上昇し、電池としての充放電繰り返し性能や高温保存等の諸特性を低下させたり、さらには、内部圧力を外に逃がすガス放出弁が作動する場合がある。
<外装ケース>
外装ケースの材質は用いられる非水系電解液に対して安定な物質であれば特に制限されない。具体的には、ニッケルめっき鋼板、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属類、又は、樹脂とアルミ箔との積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金の金属、ラミネートフィルムが好適に用いられる。
金属類を用いる外装ケースでは、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接により金属同士を溶着して封止密閉構造とするもの、若しくは、樹脂製ガスケットを介して上記金属類を用いてかしめ構造とするものが挙げられる。上記ラミネートフィルムを用いる外装ケースでは、樹脂層同士を熱融着することにより封止密閉構造とするもの等が挙げられる。シール性を上げるために、上記樹脂層の間にラミネートフィルムに用いられる樹脂と異なる樹脂を介在させてもよい。特に、集電端子を介して樹脂層を熱融着して密閉構造とする場合には、金属と樹脂との接合になるので、介在する樹脂として極性基を有する樹脂や極性基を導入した変成樹脂が好適に用いられる。
<保護素子>
保護素子として、異常発熱や過大電流が流れた時に抵抗が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)、温度ヒューズ、サーミスター、異常発熱時に電池内部圧力や内部温度の急激な上昇により回路に流れる電流を遮断する弁(電流遮断弁)等を使用することができる。上記保護素子は高電流の通常使用で作動しない条件のものを選択することが好ましく、保護素子がなくても異常発熱や熱暴走に至らない設計にすることがより好ましい。
<外装体>
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セパレータ等を外装体(外装ケース)内に収納して構成される。この外装体に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り公知のものを任意に採用することができる。
外装ケースの材質は用いられる非水系電解液に対して安定な物質であれば特に限定されるものではない。具体的には、ニッケルめっき鋼板、ステンレス、アルミニウム又はアルミニウム合金、マグネシウム合金、ニッケル、チタン等の金属類、又は、樹脂とアルミ箔との積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金の金属、ラミネートフィルムが好適に用いられる。
上記金属類を用いる外装ケースでは、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接により金属同士を溶着して封止密閉構造とするもの、又は、樹脂製ガスケットを介して上記金属類を用いてかしめ構造とするものが挙げられる。上記ラミネートフィルムを用いる外装ケースでは、樹脂層同士を熱融着することにより封止密閉構造とするもの等が挙げられる。シール性を上げるために、上記樹脂層の間にラミネートフィルムに用いられる樹脂と異なる樹脂を介在させてもよい。特に、集電端子を介して樹脂層を熱融着して密閉構造とする場合には、金属と樹脂との接合になるので、介在する樹脂として極性基を有する樹脂や極性基を導入した変成樹脂が好適に用いられる。
また、外装ケースの形状も任意であり、例えば円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等の何れであってもよい。
次に実施例により本発明の具体的態様をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下における平均粒子径(d50)は、界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの0.2質量%水溶液10mLに、試料0.01gを懸濁させ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(商品名:HORIBA製LA−920)に導入し、28kHzの超音波を出力60Wで1分間照射した後、測定装置における体積基準のメジアン径として測定した値である。
<実施例1>
(1)非水系二次電池負極用活物質aの調製
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子20gを用い、その黒鉛と化合物(B)として日東紡メディカル株式会社製PAA−03−E(ポリアリルアミン、重量平均分子量3000、20%エタノール溶液))0.5gに蒸留水19.5gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して溶媒を留去し、ポリアリルアミンを0.5重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質aを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて150℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
次に、下記の手順に従ってセルを作製し、評価を行った。
(2)スラリー調製
上記で調製した負極活物質10gとカルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%)1
0.1gを混合し、混練機(あわとり練太郎,株式会社シンキー製)によって混練した後(混練:2000rpm,5min;脱泡:2200rpm,1min)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)−水分散液(48.5質量%)0.21gを加え、再び上記と同様の条件で混練を行って負極活物質スラリーを調製した。
(3)極板作製
銅箔(厚さ18μm)をテスター産業製Auto Film Applicatorにのせ、陰圧により吸着させた。作製した負極活物質スラリーを銅箔上に適量のせ、乾燥後の活物質層の目付が、9.0±0.4mg/cmになるようテスター産業製フィルムアプリケータのギャップを調整し、10mm/secの速さで掃引させることにより、前記活物質スラリーを塗布した。
活物質スラリーを塗布した銅箔をイナートオーブン(EPEC−75,株式会社いすゞ製作所製)中で乾燥させた(90℃,50min,窒素気流10L/min)。
その後、極板をプレス機(3tメカ式精密ロールプレス)に通して活物質層を圧縮し、活物質層の密度が1.60±0.03g/cmになるよう調整し、電極シートを得た。得られた電極シートは、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて120℃、−0.1MPaの条件下にて14時間の加熱減圧乾燥を実施した。
(4)ラミネートセル作製
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)を用い、これに導電剤と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合してスラリー化した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミ箔に塗布して乾燥し、プレス機で圧延したものを、正極活物質層のサイズとして幅30mm、長さ40mm及び集電用の未塗工部を有する形状に切り出して正極とした。正極活物質層の密度は2.6g/cmであった。
負極は、上記記載の方法で作製した電極シートを、負極活物質層のサイズとして幅32mm、長さ42mm及び集電部タブ溶接部として未塗工部を有する形状に切り出して用いた。この時の負極活物質層の密度は1.60g/cmであった。
正極1枚と負極1枚をそれぞれの活物質面が対向するように配置し、電極の間に多孔製ポリエチレンシートのセパレータが挟まれるようにした。この際、正極活物質面が負極活物質面内から外れないよう対面させた。
この正極と負極それぞれの未塗工部に集電タブを溶接して電極体としたものを、ポリプロピレンフィルム、厚さ0.04mmのアルミニウム箔、及びナイロンフィルムをこの順に積層したラミネートシート(合計厚さ0.1mm)を用いて、内面側に前記ポリプロピレンフィルムがくるようにして挟み、電解液を注入するための一辺を除いて、電極のない領域をヒートシールした。減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて60℃、−0.1MPaの条件下にて14時間の加熱減圧乾燥を実施した後、その後、活物質層に非水系電解液{エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)/エチルメチルカーボネート(EMC)=3/3/4(体積比)に1.0mol/Lの濃度でヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させたもの(密度=1.223g/cm)に対して、添加剤(D)として東京化成工業株式会社製ビス(ビニルスルホニルメタン)を非水系電解液に対して0.83重量%の添加剤量になるように調整したもの}を200μL注入して、電極に充分浸透させた後密閉して、ラミネートセルを作製した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、199.3mol%である。
この電池の定格容量は34mAhである。
(5)ラミネートセルの初期コンディショニングおよび保存試験
25℃環境下で、電圧範囲4.2〜3.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて初期コンディショニングを4サイクルの充放電を行った。さらに、SOC100%、85℃、160時間の保存条件にて、ラミネートセルを放置し、保存試験を実施した。
(6)ラミネートセルのガス発生量評価
(5)記載の初期コンディショニング前後および保存試験前後でラミネートセルの体積測定を行い、その合計の変化量を発生ガス量とみなした。なおラミネートセルの体積測定には、エタノールを浸漬液としてアルキメデス法を用いた。
(7)ラミネートセル保存試験後の容量保持率測定
(5)記載の保存試験後、電流値0.2Cの条件でCC放電を行い、残存容量を確認し、下記式1によってラミネートセルの保存後容量保持率(%)を算出した。
[式1]
保存後容量保持率(%)=(5)記載の保存試験後の放電容量(mAh/g)/(5)記載の初期コンディショニングにおける4サイクル目の放電容量(mAh/g)
(8)ラミネートセル保存試験後の容量回復率測定
さらに、電流値0.2Cの条件でのCC−CV充電および電流値0.2Cの条件でのCC放電を2サイクル繰り返し、回復容量を確認し、下記式2によってラミネートセルの保存後容量回復率(%)を算出した。なお、CCCV充電とは定電流で一定量充電した後に、定電圧で終止条件になるまで充電することを表す。
[式2]
保存後容量回復率(%)=(7)で保存試験後に放電処置をしたラミネートセルの充放電2サイクルにおける平均放電容量(mAh/g)/(5)記載の初期コンディショニングにおける4サイクル目の放電容量(mAh/g)
<実施例2>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して1.0重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、240.1mol%である。
<実施例3>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)として、東京化成工業株式会社製ジビニルスルホンを用い、非水系電解液に対して0.5重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、199.4mol%である。
<実施例4>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)として、富士フィルムファインケミカルズ(株)製VS−B(エチレンビス[(2−ビニルスルホニル)アセトアミド])を用い、非水系電解液に対して1.38重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、200.5mol%である。
<実施例5>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と化合物(B)として日東紡メディカル株式会社製PAS−92F(ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物、重量平均分子量3000、11%水溶液))1.82gに蒸留水18.2gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して溶媒を留去し、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物を1.0重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質fを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて150℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに非水系二次電池負極用活物質fを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して0.59重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、200.0mol%である。
<実施例6>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と化合物(B)として日東紡メディカル株式会社製PAS−92A(ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物酢酸塩、重量平均分子量5000、20%水溶液))1.0gに蒸留水19.0gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して溶媒を留去し、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物酢酸塩を1.0重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質gを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて150℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに非水系二次電池負極用活物質gを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して0.43重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、200.1mol%である。
<実施例7>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と化合物(B)として第一工業製薬株式会社製ラベリンFC−45M(ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、45%水溶液))0.22gに蒸留水19.8gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して溶媒を留去し、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物を0.5重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質iを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて150℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに非水系二次電池負極用活物質iを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して0.59重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、601.1mol%である。
<実施例8>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と化合物(B)として東京化成株式会社製ポリビニルアルコール0.1
gに蒸留水19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して溶媒を留去し、ポリビニルアルコールを0.5重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質jを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて150℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに非水系二次電池負極用活物質jを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して1.09重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。この時、化合物(B)の活性官能基に対する化合物(D)が有するスルホニル基に直結した不飽和性の炭素原子含有官能基のモル割合は、201.9mol%である。
<実施例9>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と化合物(B)としてアルドリッチ株式会社製無水ホウ酸0.1gに蒸留水19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを95℃に加温して溶媒を留去した。さらに、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて150℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施することで、無水ホウ酸の状態で0.5重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質kを得た。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに非水系二次電池負極用活物質kを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して0.84重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<実施例10>
実施例15で得られた粉末状の非水系二次電池負極用活物質k(20g)を用い、それに対して、化合物(B)として、さらに東京化成株式会社製ポリビニルアルコール0.04gに蒸留水19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを90℃に加温して溶媒を留去した。さらに、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて90℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施することで、無水ホウ酸0.2重量%とポリビニルアルコール0.2重量%を添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質lを得た。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに非水系二次電池負極用活物質lを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して0.84重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例1>
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに、化合物(B)を含有せず、活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)のみからなる非水系二次電池負極用活物質bを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例2>
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに、非水系二次電池負極用活物質bを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)を非水系電解液に対して1.0重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例3>
非水系二次電池負極用活物質bを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)として、富士フィルムファインケミカルズ(株)製VS−B(エチレンビス[(2−ビニルスルホニル)アセトアミド])を用い、非水系電解液に対して1.0重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例4>
活物質(A)として球形化天然黒鉛(平均粒子径(d50)17μm)粒子(20g)を用い、その黒鉛と化合物(C)として東京化成工業株式会社製ビニルスルホン酸ナトリウム0.1gに蒸留水19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを90℃に加温して溶媒を留去し、ビニルスルホン酸ナトリウムを0.5重量%添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質cを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて90℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに、非水系二次電池負極用活物質cを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例5>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例6>
実施例1で得られた粉末状の非水系二次電池負極用活物質a(20g)を用い、それに対して、化合物(C)として東京化成工業株式会社製ビス(ビニルスルホニルメタン)0.089gにアセトン19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを60℃に加温して溶媒を留去し、ポリアリルアミン0.5重量%とビス(ビニルスルホニルメタン)0.446重量%を添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質dを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて90℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに、非水系二次電池負極用活物質dを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例7>
実施例1で得られた粉末状の非水系二次電池負極用活物質a(20g)を用い、それに対して、化合物(C)として東京化成工業株式会社製ジビニルスルホン0.052gにアセトン19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを60℃に加温して溶媒を留去し、ポリアリルアミン0.5重量%とジビニルスルホン0.259重量%を添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質eを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて90℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質aの代わりに、非水系二次電池負極用活物質eを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例1と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例8>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例5と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例9>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例6と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例10>
実施例6で得られた粉末状の非水系二次電池負極用活物質g(20g)を用い、それに対して、化合物(C)として東京化成工業株式会社製ビニルスルホン酸ナトリウム0.08gに水19.9gを添加して稀釈したものをオイルバスに浸したフラスコに入れた。攪拌しながらオイルバスを90℃に加温して溶媒を留去し、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物酢酸塩1.0重量%とビニルスルホン酸ナトリウム0.4重量%を添着した粉末状の非水系二次電池負極用活物質hを得た。得られた粉末状の活物質は、減圧乾燥器(ヤマト科学株式会社製 減圧乾燥器DP33)にて90℃、−0.1MPaの条件下にて8時間の加熱減圧乾燥を実施した。
非水系二次電池負極用活物質gの代わりに、非水系二次電池負極用活物質hを用い、ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例6と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例11>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中の添加剤(D)として、東京化成工業株式会社製フェニルビニルスルホンを用い、非水系電解液に対して0.51重量%の添加剤量になるように調整した以外は実施例6と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例12>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例7と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例13>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例8と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例14>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例9と同様の方法で実験・評価を実施した。
<比較例15>
ラミネートセル作製時に用いる非水系電解液中に添加剤(D)を含有しなかった以外は実施例10と同様の方法で実験・評価を実施した。
(非水系電解液の種類)
上記実施例及び比較例にて、非水系電解液の添加剤として使用した化合物は以下の化合物である。
Figure 0006728855
Figure 0006728855
表2では、化合物(B)として一級アミンを有するアミン系の樹脂のポリアリルアミンを用い、更に非水電解液中の添加剤(D)として化学式(1)に示される化合物を含有した時の結果を実施例としてまとめた。この時、添加剤(D)の量は、実施例1、3、4で
は、化合物(B)のアミンに対してモル換算で等量、実施例2では、1.2等量である。比較例としては、化合物(B)も添加剤(D)も含まないもの(比較例1)、化合物(B)は含まず、添加剤(D)は含むもの(比較例2,3)、化合物(B)は含まず、化合物(C)として重合性を有する低分子を含むもの(比較例4)、化合物(B)は含むが添加剤(D)は含まないもの(比較例5)、化合物(B)は含み、添加剤(D)は含まないが、化合物(C)として実施例で添加剤(D)として用いた化学式(1)に示される化合物を含むもの(比較例6,7)を挙げた。
表2の結果より、化合物(B)を含有し、更に非水電解液中の添加剤(D)として化学式(1)で示される化合物を用いた実施例1〜4にて、ガス発生をより効果的に抑制し、保存試験後の容量保持率・容量回復率がともに大幅に改善することが分かった。
これは負極材を非水電解液に難溶な化合物(B)で被覆し、更に、化学式(1)で示される化合物を非水電解液中に含有することで、電池内のガス発生の要因となる反応を効果的に抑制したためであると考えられる。まず、電池内の初期コンディショニング条件時に活物質(A)の表面エッジ部に選択的に被覆された化合物(B)の側鎖に位置する一級アミノ基と添加剤(D)間で化学的な結合が形成される。この時、添加剤(D)は化合物(B)の側鎖一級アミノ基に対して、モル等量以上、仕込むことで、電池内では化合物(B)との反応に消費されなかった添加剤(D)の重合性を有する不飽和結合が残存している。その後、85℃高温での保存条件時に、残存している添加剤(D)の重合性を有する不飽和結合部分が、電池内で活物質表面を中心に生成するラジカルを捕捉しながら、重合性被膜を形成する。その結果、ガス発生面および保存試験後の容量保持率・容量回復率の面で、大幅な改善効果が得られる。
一方で、添加剤(D)として化学式(1)で示される化合物のみ(比較例2,3)では、化合物(B)、(C)および添加剤(D)を含まない比較例1に比べると性能の改善は見られるが、化合物(B)を含有し、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(1)で示される化合物を用いた実施例1〜4と比べると効果として劣っていた。これは、添加剤(D)との間で反応性を有する化合物(B)を含まないため、電池内にて負極活物質表面に効果的に添加剤(D)を修飾することができないためであると考えられる。
また、化合物(B)は含むが添加剤(D)は含まない比較例5でも、その効果は実施例1〜4に及ばなかったが、これは添加剤(D)のような保存試験時に生成するラジカルを捕捉する不飽和結合部分を含まないためであると考えられる。さらに、化合物(B)も添加剤(D)も含まないが、化合物(C)として重合性を有し、非水電解液に対して難溶なビニルスルホン酸ナトリウムを用いた比較例4もその効果は実施例1〜4に及ばなかった。これは、ビニルスルホン酸ナトリウムは活物質(A)に対して、選択的な吸着性を有する官能基を有さないため、保存試験時に生成するラジカルを捕捉はしても、それによって生じる重合性被膜が電池内にて効果的に配置できないことや、非水系二次電池負極用活物質作製、極板作製およびラミネートセル作製といった各工程における高温での加熱乾燥工程にて、重合性を有する不飽和結合部分が既に失活してしまっているためである。化合物(B)は含み、添加剤(D)は含まないが、化合物(C)として実施例で添加剤(D)として用いた化学式(1)に示される化合物を含むものの場合(比較例6,7)には、非水系二次電池負極用活物質作製、極板作製およびラミネートセル作製といった各工程における高温での加熱乾燥工程にて、重合性を有する不飽和結合部分が既に失活してしまっているため、その効果が不十分であった。
Figure 0006728855
表3では、化合物(B)として二級アミンを有するアミン系の樹脂のジアリルアミン−
二酸化硫黄共重合物(もしくはその酢酸塩)を用い、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(1)に示される化合物を含有した時の結果を実施例としてまとめた。この時、添加剤(D)の量は、化合物(B)のアミンに対してモル換算で等量である。比較例としては、化合物(B)は含むが添加剤(D)は含まないもの(比較例8,9)、化合物(B)は含み、添加剤(D)は含まないが、化合物(C)として重合性がある不飽和結合を有する化合物を含むもの(比較例10)、化合物(B)は含み、添加剤(D)として化学式(1)に示される化合物に類似だが異なる化合物を化合物(B)のアミンに対してモル換算で等量含むもの(比較例11)を挙げた。
表3の結果より、二級アミンを有するアミン系の樹脂のジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物(もしくはその酢酸塩)でも、表1の化合物(B)として一級アミンを有する樹脂を用いた場合と同様に、化合物(B)を含有し、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(1)で示される化合物を用いることで、化合物(B)と添加剤(D)間で化学結合が生起し、さらに、添加剤(D)由来の不飽和結合が電池内にて生成するラジカルを捕捉することで形成された重合性被膜と化合物(B)の複合的な被膜が、ガス発生をより効果的に抑制し、保存試験後の容量保持率・容量回復率がともに大幅に改善することが分かった。
一方で、化合物(B)単独の場合(比較例8,9)には、その効果は実施例5〜6に比べると不十分であった。比較例11のように、化合物(B)を含み、さらに添加剤(D)として化学式(1)に示される化合物に類似だが異なる化合物を化合物(B)のアミンに対してモル換算で等量含むものを選択した場合には、比較例9の化合物(B)に比べても保存試験後の容量保持率・容量回復率がともに悪化しており、化学式(1)に示される化合物を添加剤(D)として用いる場合とは異なる結果であった。これは、比較例11のように不飽和結合を一つしか有さない化合物の場合、化合物(B)のアミンとの反応で消費されて生じる化合物(B)と添加剤(D)の反応生成物には、電池内で生成するラジカルを捕捉する機能が損なわれてしまうだけでなく、化合物(B)の側鎖末端の非水電解液に対する安定性も損なわれてしまうためであると考えられる。
Figure 0006728855
表4では、化合物(B)としてスルホン酸基を有する樹脂のナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を用い、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(
1)に示される化合物を含有した時の結果を実施例としてまとめた。この時、添加剤(D)の量は、化合物(B)のスルホン酸基に対してモル換算で3等量である。比較例としては、化合物(B)は含むが添加剤(D)は含まないもの(比較例12)を挙げた。
表4の結果より、スルホン酸基を有する樹脂のナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物でも、化合物(B)としてアミン系の樹脂を用いた場合と同様に、化合物(B)を含有し、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(1)で示される化合物を用いることで、ガス発生をより効果的に抑制し、保存試験後の容量保持率・容量回復率がともに大幅に改善することが分かった。
Figure 0006728855
表5では、化合物Bとしてヒドロキシル基を有する樹脂のポリビニルアルコールや、B−OH基を有する酸化ホウ素、もしくはその両者を複合化して用い、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(1)に示される化合物を含有した時の結果を実施例とし
てまとめた。
表5の結果より、化合物Bとしてヒドロキシル基を有する樹脂のポリビニルアルコールや、B−OH基を有する酸化ホウ素、もしくはその両者を複合化して用いた場合でも、化合物(B)を含有し、更に非水電解液に対する添加剤(D)として化学式(1)で示される化合物を用いることで、化合物(B)と添加剤(D)間で化学結合が生起し、さらに、添加剤(D)由来の不飽和結合が電池内にて生成するラジカルを捕捉することで形成された重合性被膜と化合物(B)の複合的な被膜が、保存試験後の容量保持率・容量回復率がともに大幅に改善することが分かった。
B−OH基を有する酸化ホウ素を化合物(B)として用いた時にできる非水系二次電池負極用活物質は、極板作製およびラミネートセル作製といった各工程における高温での加熱乾燥工程にて、熱的に縮合し、B−Oネットワーク構造を構築したゲル状構造体となっており、その構造の末端にB−OH基を有する高分子ゲルとなっており、そのため、添加剤(D)と複合化した時には、電池内にて有機無機ハイブリッドな強固な被膜が形成されていると考えられ、それが前述のような容量保持率・容量回復率の大幅な改善に繋がっている。これは、B−OH基を有する酸化ホウ素とヒドロキシル基を有する樹脂のポリビニルアルコールを複合化した時も同様である。
以上の結果から明らかなように、負極活物質が有機化合物(B)を含有し、さらに非水系電解液中に、化学式(1)に示される化合物を同時に含有させると、ガス発生を大幅に抑制でき、長期耐久性にも優れたより長寿命な非水系電解液二次電池を得ることが可能となる。
本発明の非水系二次電池によれば、ガスの発生を抑制した電池を提供することができる。また、高温保存後の容量低下の小さい電池を提供することができる。そのため、本発明に係る非水系二次電池は、ガス発生による体積膨張が小さいことを重視するパウチ型電池などの非水系二次電池に有用である。

Claims (5)

  1. 金属イオンを吸蔵及び放出可能な正極と、金属イオンを吸蔵及び放出可能な負極活物質
    を含む負極と、非水系溶媒と該非水系溶媒に溶解される電解質を含む非水系電解液とを備
    える非水系電解液二次電池であって、上記負極活物質は金属イオンの挿入・脱離が可能な
    活物質(A)と、化合物(B)とを含有し、前記化合物(B)が非水系電解液に難溶であ
    り、且つポリアリルアミン、ジアリルアミン−二酸化硫黄共重合物、ジアリルアミン−二
    酸化硫黄共重合物酢酸塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、ポリビニ
    ルアルコール、酸化ホウ素、及び、ポリビニルアルコールと酸化ホウ素との混合物からな
    る群より選ばれる少なくとも1種であり、上記電解液が少なくとも下記一般式(1)又は
    (2)で表される化学構造の化合物(D)を含有し、前記一般式(1)又は(2)で表さ
    れる構造を有する化合物(D)の含有量が、非水系電解液の全量に対して0.01質量%
    以上10.0質量%以下である、
    非水系電解液二次電池。
    Figure 0006728855
    (上記式(1)中、X、Xエチニル基、イソプロペニル基、2−プロピニル基、2
    −プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ペ
    ンテン−4−イニル基、ビニル基、又はアリル基を表す。XとXは同一でも異なって
    も良い。)
    Figure 0006728855
    (上記式(2)中、 、X はエチニル基、イソプロペニル基、2−プロピニル基、2
    −プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ペ
    ンテン−4−イニル基、ビニル基、又はアリル基を表し、mは1又は2の整数である。R
    は炭素数1〜10の2価又は3価の有機連結基を表し、置換基を有していてもよく、分
    岐していてもよい。)
  2. 前記一般式(1)又は(2)で表される化学構造の化合物(D)が、ビニル基とスルホ
    ニル基が連結したビニルスルホニル構造もしくはアリル基とスルホニル基が連結したアリ
    ルスルホニル構造、2−プロピニル基とスルホニル基が連結した2−プロピニルスルホニ
    ル構造のうちのいずれかの構造を少なくとも2つ以上有することを特徴とする、請求項1
    に記載の非水系電解液二次電池。
  3. 前記化合物(B)の含有量が、前記活物質(A)に対して0.01質量%以上、5質量
    %以下である、請求項1又は2に記載の非水系電解液二次電池。
  4. 前記一般式(1)又は(2)で表される化学構造の化合物(D)がジビニルスルホン、
    ジアリルスルホン、ビス(2−プロピニル)スルホン、ビス(ビニルスルホニル)メタン
    、ビス(ビニルスルホニル)エタン、ビス(ビニルスルホニル)プロパン、ビス(アリル
    スルホニル)メタン、ビス(アリルスルホニル)エタン、ビス(アリルスルホニル)プロ
    パン、ビス(2−プロピニルスルホニル)メタン、ビス(2−プロピニルスルホニル)エ
    タン、ビス(2−プロピニルスルホニル)プロパン、ビス(ビニルスルホニル)ブタン、
    ビス(ビニルスルホニル)ペンタン、ビス(ビニルスルホニル)ヘキサン、エチレンビス
    [(2−ビニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(ビニルスルホニ
    ル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−アリルスルホニル)アセトアミド]、トリメ
    チレンビス[2−(アリルスルホニル)アセトアミド]、エチレンビス[(2−(2−プ
    ロピニルスルホニル)アセトアミド]、トリメチレンビス[2−(2−プロピルスルホ
    ニル)アセトアミド]、ビス[(ビニルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[(ビニル
    スルホニル)エチル]エーテル、ビス[(アリルスルホニル)メチル]エーテル、ビス[
    (アリルスルホニル)エチル]エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)メチル]
    エーテル、ビス[(2−プロピニルスルホニル)エチル]エーテルから成る群より選ばれ
    る少なくとも1種である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非水系電解液二次電池
  5. 前記活物質(A)が人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素、シリコン、及びシリコン酸化物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    非水系電解液二次電池。
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