JP6728814B2 - 空気調和装置の室内ユニット - Google Patents

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本発明は、空気調和装置の室内ユニットに関するものである。
従来より、室内空間に設置されて室内の空気調和を行う空気調和装置の室内ユニットが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この室内ユニットは、吸込み開口からケーシング内に吸い込んだ空気を加熱または冷却し、吸込み開口の側方に設けられた複数の吹出し開口から室内空間に調和空気を吹き出すように構成されている。
特開2011−099612号公報
ところで、全ての吹出し開口から室内空間に調和空気を水平吹きによって供給することが考えられる。一方でまた、一部の吹出し開口から室内空間に調和空気を水平吹きによって供給することが考えられる。ここで、前者と後者とで調和空気を吹き出す上下方向の向きを同じに設定すると、後者の方が天井に空気中の塵埃等の汚れが付着しやすくなる(以下、天井に汚れが付着する現象のことを単に「天井汚れ」という)。
すなわち、吸込み開口へ向かう空気の流れ(吸込み気流)は吹出し開口から吹き出される空気の流れ(吹出し気流)と逆向きなので、吸込み気流は吹出し気流によって妨げられる。このため、一部の吹出し開口から室内空間に調和空気を供給する場合、調和空気が吹き出される吹出し開口の方向から吸込み開口へ向かう空気の流量は、吹出し気流が阻害される吹出し開口の方向から吸込み開口へ向かう空気の流量よりも少なくなる。したがって、この場合、室内空間へ調和空気を供給する吹出し開口の方向から吸込み開口へ向かう空気の流量は、全ての吹出し開口から室内空間に調和空気を供給する場合に比べて少なくなる。
一方、天井に設置される室内ユニットにおいて、吹出し気流の下側を吸込み気流が流れるため、吸込み気流によって吹出し気流が下方へ引っ張られる。吹出し気流を下方へ引っ張る作用は、吸込み気流の流量が多いほど強く、吸込み気流の流量が少ないほど弱い。したがって、一部の吹出し開口のみから室内空間に調和空気を供給する場合は、全ての吹出し開口から室内空間に調和空気を供給する場合に比べて、吹出し気流が下方へ引っ張られる作用が弱くなる。このため、前者と後者とで調和空気を吹き出す上下方向の向きが同じだと、前者の場合に吹出し気流が天井に沿って流れやすくなり、天井汚れが発生しやすくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の吹出し開口のうち一部の吹出し開口から室内空間に調和空気を供給する場合に天井汚れが発生するのを抑制することにある。
第1の発明は、室内空気を吸い込むための吸込み開口(23)が底部に、調和空気を吹き出すための複数の吹出し開口(24a〜24d)が上記吸込み開口(23)の側方にそれぞれ形成されたケーシング(20)を備え、天井(501)に設置されて室内空間へ調和空気を吹き出す空気調和装置の室内ユニット(10)を対象とする。室内ユニット(10)は、全ての上記吹出し開口(24a〜24d)から上記室内空間へ調和空気を供給する全部吹出し動作と、一部の上記吹出し開口(24a〜24d)を吹出し気流が阻害される阻害側吹出し開口(24a〜24d)としかつ残りの上記吹出し開口(24a〜24d)を上記室内空間へ調和空気を供給する供給側吹出し開口(24a〜24d)とする一部吹出し動作とを選択的に行う一方、各々の上記吹出し開口(24a〜24d)に設けられ、調和空気の吹き出し方向を上下方向に調節する風向調節羽根(51)と、上記全部吹出し動作で上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、上記吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置を標準水平吹き位置に設定し、上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、上記供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置を上記標準水平吹き位置よりも下向きに設定するように構成された制御器(90)とを備えている。
上記第1の発明では、ケーシング(20)の底部に形成された吸込み開口(23)から室内空気がケーシング(20)内に吸い込まれる。そして、吸込み開口(23)の側方に形成された複数の吹出し開口(24a〜24d)から室内空間に調和空気が吹き出される。全部吹出し動作では、全ての吹出し開口(24a〜24d)から室内空間へ調和空気が供給される。一方、一部吹出し動作では、供給側吹出し開口(24a〜24d)のみから室内空間へ調和空気が供給される。
ここで、制御器(90)は、全部吹出し動作で吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、各吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を標準水平吹き位置とする。これにより、全ての吹出し開口(24a〜24d)から天井汚れが生じない程度に天井(501)に沿うようにして調和空気が室内空間へ供給される。一方、制御器(90)は、一部吹出し動作で供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を標準水平吹き位置よりも下向きにする。これにより、供給側吹出し開口(24a〜24d)から天井汚れが生じない程度に天井(501)に沿うようにして調和空気が室内空間へ供給される。
一部吹出し動作で供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときに、供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を標準水平吹き位置よりも下向きにする理由について説明する。すなわち、全部吹出し動作では、ケーシング(20)の底部に形成された吸込み開口(23)から空気を吸い込もうとする空気流れによって、全ての吹出し開口(24a〜24d)における調和空気の空気流れが下方に引っ張られる。一方、一部吹出し動作では、吸込み開口(23)から空気を吸い込もうとする空気流れにおいて、吹出し気流による抵抗の少ない阻害側吹出し開口(24a〜24d)の方向から吸い込まれる空気の流量が相対的に多くなる。換言すれば、一部吹出し動作では、吹出し気流による抵抗の存在する供給側吹出し開口(24a〜24d)の方向から吸込み開口(23)に向かう空気流れの流量が相対的に少なくなる。このため、一部吹出し動作では、全部吹出し動作に比べて、吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の空気流れが下方に引っ張られる作用が弱くなる。したがって、一部吹出し動作において供給側吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)の位置を全部吹出し動作と同じように標準水平吹き位置に設定すると、供給側吹出し開口(24a〜24d)から吹き出された調和空気が天井(501)に沿って流れて天井汚れが生じるおそれがある。このため、一部吹出し動作において天井汚れを抑制するには、全部吹出し動作に比べて、供給側吹出し開口(24a〜24d)から下向きに調和空気を吹き出すようにする必要がある。そこで、本発明では、供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときに、天井汚れを抑制するために、供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を標準水平吹き位置よりも下向きに設定するようにしている。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作において、上記阻害側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)によって該阻害側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が阻害されるように該風向調節羽根(51)の位置を制御するように構成されていることを特徴とする。
上記第2の発明では、一部吹出し動作において、阻害側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を制御することによって、当該阻害側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を阻害する。このため、阻害側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を阻害するために、風向調節羽根(51)以外の別部材を新たに設ける必要がない。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作で複数の上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、該複数の吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置を上記標準水平吹き位置よりも下向きかつ互いに同じである位置に設定するように構成されていることを特徴とする。
上記第3の発明では、一部吹出し動作で複数の吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときに、当該吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を互いに同じ位置に設定する。
第4の発明は、上記第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、上記阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多いほど上記供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定するように構成されていることを特徴とする。
上記第4の発明では、阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多いほど供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定する。その理由を説明する。すなわち、調和空気が吹き出されない阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多いことは、吸込み開口(23)から空気を吸い込む際に供給側吹出し開口(24a〜24d)の方向に比べて吸込み気流が流れやすい経路が増えることを意味する。このため、阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が増えるにしたがって、供給側吹出し開口(24a〜24d)の方向から吸込み開口(23)に吸い込まれる空気流れの流量は相対的に少なくなり、供給側吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の空気流れが下方に引っ張られる作用が弱くなる。このため、何ら対策を施さない場合には、阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多いほど供給側吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れが上向きになって天井汚れが生じやすくなる。したがって、この発明では、阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多いほど供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定することによって天井汚れを抑制できるようにしている。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、上記制御器(90)は、暖房運転中の上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、冷房運転中の上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときに比べて、上記供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定するように構成されていることを特徴とする。
上記第5の発明では、供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするにあたって、暖房運転中に、冷房運転中よりも供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定する。その理由を説明する。すなわち、暖房運転では、比較的高温の調和空気が供給側吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される。一方、冷房運転では、比較的低温の調和空気が供給側吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される。ここで、空気はその温度が高いほど密度が小さくなる。このため、暖房中の暖かい吹出し気流は上昇しやすく、冷房中の冷たい吹出し気流は下降しやすい。したがって、暖房運転と冷房運転とで吹出し気流の向きを同じように設定した場合、暖房運転の方が天井汚れが生じやすい。このため、この発明では、暖房運転中に、冷房運転中よりも供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定することによって、比較的天井汚れの発生しやすい暖房運転中にも天井汚れが発生しないようにしている。
本発明によれば、複数の吹出し開口(24a〜24d)のうち一部の吹出し開口(24a〜24d)から室内空間に調和空気を供給する場合に天井汚れが発生するのを抑制することができる。
また、上記第2の発明によれば、風向調節羽根(51)以外の別部材を新たに設ける必要がないので、室内ユニット(10)の製造コストの上昇を回避することができる。
また、上記第4の発明によれば、阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多い場合でも、天井汚れが発生するのを抑制することができる。
また、上記第5の発明によれば、暖房運転を行う場合でも、天井汚れが発生するのを抑制することができる。
図1は、実施形態の室内ユニットを斜め下方から見た斜視図である。 図2は、ケーシング本体の天板を省略した室内ユニットの概略の平面図である。 図3は、図2のIII−O−III断面を示す室内ユニットの概略の断面図である。 図4は、室内ユニットの概略の下面図である。 図5は、制御器の構成を示すブロック図である。 図6は、標準水平吹き位置にある風向調節羽根とその周辺部を示す概略の断面図である。 図7は、第2水平吹き位置にある風向調節羽根とその周辺部を示す概略の断面図である。 図8は、下吹き位置にある風向調節羽根とその周辺部を示す概略の断面図である。 図9は、気流ブロック位置にある風向調節羽根とその周辺部を示す概略の断面図である。 図10は、室内ユニットが行う気流ローテーションの1サイクルを示す説明図であって、各動作における室内ユニットの下面を模式的に示したものである。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
−室内ユニットの構成−
図1に示すように、本実施形態の室内ユニット(10)は、いわゆる天井埋込型に構成されている。この室内ユニット(10)は、図外の室外ユニットと共に空気調和装置を構成する。空気調和装置では、室内ユニット(10)と室外ユニットを連絡配管で接続することによって、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路が形成されている。
図2および図3に示すように、室内ユニット(10)は、ケーシング(20)と、室内ファン(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(33)と、ベルマウス(36)と、制御器(90)とを備えている。
〈ケーシング〉
ケーシング(20)は、室内空間の天井(501)に設置されている。ケーシング(20)は、ケーシング本体(21)と化粧パネル(22)とによって構成されている。このケーシング(20)には、室内ファン(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(33)と、ベルマウス(36)とが収容されている。
ケーシング本体(21)は、室内空間の天井(501)に形成された開口に挿入されて配置されている。ケーシング本体(21)は、下面が開口する概ね直方体状の箱形に形成されている。このケーシング本体(21)は、概ね平板状の天板(21a)と、天板(21a)の周縁部から下方に延びる側板(21b)とを有している。
〈室内ファン〉
図3に示すように、室内ファン(31)は、下方から吸い込んだ空気を径方向の外側に向けて吹き出す遠心送風機である。室内ファン(31)は、ケーシング本体(21)の内部中央に配置されている。室内ファン(31)は、室内ファンモータ(31a)によって駆動される。室内ファンモータ(31a)は、天板(21a)の中央部に固定されている。
〈ベルマウス〉
ベルマウス(36)は、室内ファン(31)の下方に配置されている。このベルマウス(36)は、ケーシング(20)へ流入した空気を室内ファン(31)へ案内するための部材である。ベルマウス(36)は、ドレンパン(33)と共に、ケーシング(20)の内部空間を、室内ファン(31)の吸い込み側に位置する一次空間(21c)と、室内ファン(31)の吹き出し側に位置する二次空間(21d)とに仕切っている。
〈室内熱交換器〉
室内熱交換器(32)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。図2に示すように、室内熱交換器(32)は、平面視でロ字状に形成され、室内ファン(31)の周囲を囲むように配置されている。つまり、室内熱交換器(32)は、二次空間(21d)に配置されている。室内熱交換器(32)は、その内側から外側へ向かって通過する空気を、冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
〈ドレンパン〉
ドレンパン(33)は、いわゆる発泡スチロール製の部材である。図3に示すように、ドレンパン(33)は、ケーシング本体(21)の下端を塞ぐように配置されている。ドレンパン(33)の上面には、室内熱交換器(32)の下端に沿った水受溝(33b)が形成されている。水受溝(33b)には、室内熱交換器(32)の下端部が入り込んでいる。水受溝(33b)は、室内熱交換器(32)において生成したドレン水を受け止める。
図2に示すように、ドレンパン(33)には、主吹出し通路(34a〜34d)と副吹出し通路(35a〜35d)とが四つずつ形成されている。主吹出し通路(34a〜34d)および副吹出し通路(35a〜35d)は、室内熱交換器(32)を通過した空気が流れる通路であって、ドレンパン(33)を上下方向に貫通している。主吹出し通路(34a〜34d)は、断面が細長い長方形状の貫通孔である。主吹出し通路(34a〜34d)は、ケーシング本体(21)の四つの辺のそれぞれに沿って一つずつ配置されている。副吹出し通路(35a〜35d)は、断面がやや湾曲した矩形状の貫通孔である。副吹出し通路(35a〜35d)は、ケーシング本体(21)の四つの角部のそれぞれに一つずつ配置されている。つまり、ドレンパン(33)では、その周縁に沿って、主吹出し通路(34a〜34d)と副吹出し通路(35a〜35d)とが交互に配置されている。
〈化粧パネル〉
化粧パネル(22)は、四角い厚板状に形成された樹脂製の部材である。化粧パネル(22)の下部は、ケーシング本体(21)の天板(21a)よりも一回り大きな正方形状に形成されている。この化粧パネル(22)は、ケーシング本体(21)の下面を覆うように配置されている。また、化粧パネル(22)の下面は、ケーシング(20)の下面を構成し、室内空間に露出している。
図3及び図4に示すように、化粧パネル(22)の中央部には、正方形状の一つの吸込み開口(23)が形成されている。吸込み開口(23)は、化粧パネル(22)を上下に貫通し、ケーシング(20)内部の一次空間(21c)に連通する。ケーシング(20)へ吸い込まれる空気は、吸込み開口(23)を通って一次空間(21c)へ流入する。吸込み開口(23)には、格子状の吸込グリル(41)が設けられている。また、吸込グリル(41)の上方には、吸込フィルタ(42)が配置されている。
化粧パネル(22)には、概ね四角い輪状の吹出口(26)が、吸込み開口(23)を囲むように形成されている。図4に示すように、吹出口(26)は、四つの主吹出し開口(24a〜24d)と、四つの副吹出し開口(25a〜25d)とに区分されている。
主吹出し開口(24a〜24d)は、主吹出し通路(34a〜34d)の断面形状に対応した細長い開口である。主吹出し開口(24a〜24d)は、化粧パネル(22)の四つの辺のそれぞれに沿って一つずつ配置されている。
化粧パネル(22)の主吹出し開口(24a〜24d)は、ドレンパン(33)の主吹出し通路(34a〜34d)と一対一に対応している。各主吹出し開口(24a〜24d)は、対応する主吹出し通路(34a〜34d)と連通する。つまり、第1主吹出し開口(24a)は第1主吹出し通路(34a)と、第2主吹出し開口(24b)は第2主吹出し通路(34b)と、第3主吹出し開口(24c)は第3主吹出し通路(34c)と、第4主吹出し開口(24d)は第4主吹出し通路(34d)と、それぞれ連通する。
副吹出し開口(25a〜25d)は、1/4円弧状の開口である。副吹出し開口(25a〜25d)は、化粧パネル(22)の四つの角部のそれぞれに一つずつ配置されている。化粧パネル(22)の副吹出し開口(25a〜25d)は、ドレンパン(33)の副吹出し通路(35a〜35d)と一対一に対応している。各副吹出し開口(25a〜25d)は、対応する副吹出し通路(35a〜35d)と連通する。つまり、第1副吹出し開口(25a)は第1副吹出し通路(35a)と、第2副吹出し開口(25b)は第2副吹出し通路(35b)と、第3副吹出し開口(25c)は第3副吹出し通路(35c)と、第4副吹出し開口(25d)は第4副吹出し通路(35d)と、それぞれ連通する。
〈風向調節羽根〉
図4に示すように各主吹出し開口(24a〜24d)には、風向調節羽根(51)が設けられている。風向調節羽根(51)は、吹出し気流の方向(すなわち、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れの方向)を調節するための部材である。
風向調節羽根(51)は、吹出し気流の方向を上下方向に変更する。つまり、風向調節羽根(51)は、吹出し気流の方向と水平方向のなす角度が変化するように、吹出し気流の方向を変化させる。
風向調節羽根(51)は、化粧パネル(22)の主吹出し開口(24a〜24d)の長手方向の一端から他端に亘って延びる細長い板状に形成されている。図3に示すように、風向調節羽根(51)は、その長手方向に延びる中心軸(53)まわりに回動自在となるように、支持部材(52)に支持されている。風向調節羽根(51)は、その横断面(長手方向と直交する断面)の形状が揺動運動の中心軸(53)から遠ざかる方向に凸となるように湾曲している。
図4に示すように、各風向調節羽根(51)には、駆動モータ(54)が連結されている。風向調節羽根(51)は、駆動モータ(54)によって駆動され、中心軸(53)まわりに所定の角度範囲で回転移動する。また、詳しくは後述するが、風向調節羽根(51)は、主吹出し開口(24a〜24d)を通過する空気の流れを妨げる気流ブロック位置に変位可能となっている。
〈制御器〉
制御器(90)は、室内ユニット(10)の動作を制御するように構成されている。図5に示すように、制御器(90)は、風向制御部(91)を備えている。風向制御部(91)は、駆動モータ(54)を作動させることによって風向調節羽根(51)の位置を制御するように構成されている。この風向制御部(91)は、四つの風向調節羽根(51)の位置を個別に制御するように構成されている。また、風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が後述する全部吹出し動作、第1一部吹出し動作、および第2一部吹出し動作を実行できるように、風向調節羽根(51)の位置を制御するように構成されている。更に、風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が気流ローテーションを行うように、各主吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を変更するように構成されている。なお、制御器(90)は、室内ファン(31)の回転速度の制御等も行う。また、風向制御部(91)は、後述する通常制御とローテーション制御とを選択的に行う。
−室内ユニット内における空気の流れ−
室内ユニット(10)の運転中には、室内ファン(31)が回転する。室内ファン(31)が回転すると、室内空間の室内空気が、吸込み開口(23)を通ってケーシング(20)内の一次空間(21c)へ流入する。一次空間(21c)へ流入した空気は、室内ファン(31)に吸い込まれ、二次空間(21d)へ吹き出される。
二次空間(21d)へ流入した空気は、室内熱交換器(32)を通過する間に冷却されまたは加熱され、その後に四つの主吹出し通路(34a〜34d)と四つの副吹出し通路(35a〜35d)へ分かれて流入する。主吹出し通路(34a〜34d)へ流入した空気は、主吹出し開口(24a〜24d)を通って室内空間へ吹き出される。副吹出し通路(35a〜35d)へ流入した空気は、副吹出し開口(25a〜25d)を通って室内空間へ吹き出される。
冷房運転中の室内ユニット(10)では、室内熱交換器(32)が蒸発器として機能し、空気が室内熱交換器(32)を通過する間に冷却される。一方、暖房運転中の室内ユニット(10)では、室内熱交換器(32)が凝縮器として機能し、空気が室内熱交換器(32)を通過する間に加熱される。
−風向制御部の動作−
風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)を中心軸(53)まわりに回転移動させることによって、吹出し気流の方向を変更する。風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)を、図6に示す第1水平吹き位置と、図8に示す下吹き位置との間で移動させることができる。第1水平吹き位置は、標準水平吹き位置である。また、風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)を、図7に示す第2水平吹き位置(すなわち、第1水平吹き位置よりもやや下向きの位置)に移動させることができる。また、風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)を、図8に示す下吹き位置から更に回転移動させることによって、図9に示す気流ブロック位置に移動させることもできる。
風向調節羽根(51)の位置が図6に示す第1水平吹き位置になっている場合は、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が横方向に変更され、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が水平吹き状態となる。この場合、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向(すなわち、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の流れの方向)は、水平方向に対して例えば20°程度に設定される。この場合、厳密に言えば吹出し気流の方向は水平方向よりも僅かに下向きとなるが、気流の方向は実質的に水平方向であると言って差し支えない。
風向調節羽根(51)の位置が図7に示す第2水平吹き位置になっている場合は、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が横方向に変更され、後述する供給側吹出し開口を構成する主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が水平吹き状態となる。この場合、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向は、水平方向に対して例えば24°程度に設定される。すなわち、図6および図7に示すように、第1水平吹き位置にある風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度(θ1)は、第2水平吹き位置にある風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度(θ2)よりも小さい(θ1<θ2)。
風向調節羽根(51)の位置が図8に示す下吹き位置になっている場合は、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が概ねそのまま維持され、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が下吹き状態となる。この場合、吹出し気流の方向は、厳密に言えば、真下よりも吸込み開口(23)から離れる方向に若干傾いた斜め下方向となる。
風向調節羽根(51)の位置が図9に示す気流ブロック位置になっている場合は、主吹出し開口(24a〜24d)の大半が風向調節羽根(51)によって塞がれた状態になると共に、主吹出し通路(34a〜34d)を下向きに流れてきた空気の流れの方向が吸込み開口(23)側に変更される。この場合、主吹出し開口(24a〜24d)を通過する際の空気の圧力損失が大きくなるため、主吹出し開口(24a〜24d)を通過する調和空気の流量が少なくなる。また、調和空気は、主吹出し開口(24a〜24d)から吸込み開口(23)側へ向かって吹き出される。このため、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出された調和空気は、すぐに吸込み開口(23)へ吸い込まれることとなる。つまり、風向調節羽根(51)が気流ブロック位置となっている主吹出し開口(24a〜24d)では風向調節羽根(51)によって吹出し気流が阻害され、当該主吹出し開口(24a〜24d)からは、調和空気が室内空間へ実質的に供給されない。
−通常制御−
通常制御では、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)から室内空間へ調和空気を吹き出すように風向調節羽根(51)の位置を設定する。また、風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)の位置をユーザが指定した位置に設定する。
通常制御において、ユーザが風向を最も上向きに設定した場合(すなわち、吹出し気流が水平吹き状態に設定された場合)、風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)の位置を第1水平吹き位置に設定する。また、吹出し気流がスイング気流に設定された場合、風向制御部(91)は、風向調節羽根(51)を第1水平吹き位置と下吹き位置との間で繰り返し往復させる。
−ローテーション制御−
ローテーション制御では、風向制御部(91)は、全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが切り換えて行われるように、風向調節羽根(51)の位置を制御する。詳しくは後述するが、全部吹出し動作では、全ての主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が吹き出され、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、二つの主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が阻害される。また、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作では、調和空気を吹き出す主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が水平吹き状態となるように、風向制御部(91)が、その主吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を第2水平吹き位置に設定する。
ローテーション制御では、風向制御部(91)は、室内ユニット(10)が気流ローテーションを行うように、各主吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を変更する。図10に示すように、気流ローテーションの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。つまり、気流ローテーションの一つのサイクルでは、二回の全部吹出し動作と、一回の第1一部吹出し動作と、一回の第2一部吹出し動作とが行われる。なお、この気流ローテーション中において、室内ファン(31)の回転速度は、実質的に一定に保たれる。
〈暖房運転時の気流ローテーション〉
暖房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、下吹き位置に設定する。このため、暖房運転時の全部吹出し動作では、四つの主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が下向きに吹き出される。
暖房運転時の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第2および第4主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を第2水平吹き位置に設定し、第1および第3主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。このため、調和空気は、第2主吹出し開口(24b)および第4主吹出し開口(24d)から室内空間へ供給され、第1主吹出し開口(24a)および第3主吹出し開口(24c)からは室内空間へ実質的に供給されない。また、第2主吹出し開口(24b)および第4主吹出し開口(24d)の吹出し風速は、全部吹出し動作における吹出し風速よりも高くなる。つまり、この第1一部吹出し動作では、第2主吹出し開口(24b)および第4主吹出し開口(24d)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。第1一部吹出し動作では、第1および第3吹出し開口(24a,24c)が阻害側吹出し開口を構成し、第2および第4吹出し開口(24b,24d)が供給側吹出し開口を構成する。
暖房運転時の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、第1および第3主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を第2水平吹き位置に設定し、第2および第4主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。このため、調和空気は、第1主吹出し開口(24a)および第3主吹出し開口(24c)から室内空間へ供給され、第2主吹出し開口(24b)および第4主吹出し開口(24d)からは室内空間へ実質的に供給されない。また、第1主吹出し開口(24a)および第3主吹出し開口(24c)の吹出し風速は、全部吹出し動作における吹出し風速よりも高くなる。つまり、この第2一部吹出し動作では、第1主吹出し開口(24a)および第3主吹出し開口(24c)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。第2一部吹出し動作では、第1および第3吹出し開口(24a,24c)が供給側吹出し開口を構成し、第2および第4吹出し開口(24b,24d)が阻害側吹出し開口を構成する。
なお、全部吹出し動作、第1一部吹出し動作、および第2一部吹出し動作の何れにおいても、副吹出し開口(25a〜25d)からは調和空気が吹き出される。
図10に示すように、暖房運転時の気流ローテーションの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。暖房運転時の気流ローテーションの一つのサイクルでは、一回目と二回目の全部吹出し動作のそれぞれの継続時間が、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作のそれぞれの継続時間よりも短い時間に設定される。例えば、一回目および二回目の全部吹出し動作の継続時間は120秒に設定される一方、第1および第2一部吹出し動作の継続時間は300秒に設定される。なお、一回目と二回目の全部吹出し動作の継続時間が、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作のそれぞれの継続時間よりも長い時間、あるいは等しい時間に設定されてもよい。
〈冷房運転時の気流ローテーション〉
冷房運転時の全部吹出し動作において、風向制御部(91)は、全ての主吹出し開口(24a〜24d)の風向調節羽根(51)を、第1水平吹き位置と下吹き位置の間で往復移動させる。このため、冷房運転時の全部吹出し動作では、四つの主吹出し開口(24a〜24d)から調和空気が吹き出されると共に、主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流の方向が変動する。なお、冷房運転時の全部吹出し動作では、風向調節羽根(51)の移動範囲の下限を、下吹き位置よりも高い位置(すなわち、第1水平吹き位置寄りの位置)に設定してもよい。
冷房運転時の第1一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、暖房運転時の第1一部吹出し動作と同様に、第2および第4主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を第2水平吹き位置に設定し、第1および第3主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。従って、冷房運転時の第1一部吹出し動作では、暖房運転時の第1一部吹出し動作と同様に、第2主吹出し開口(24b)および第4主吹出し開口(24d)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。第1一部吹出し動作では、第1および第3吹出し開口(24a,24c)が阻害側吹出し開口を構成し、第2および第4吹出し開口(24b,24d)が供給側吹出し開口を構成する。
冷房運転時の第2一部吹出し動作において、風向制御部(91)は、暖房運転時の第2一部吹出し動作と同様に、第1および第3主吹出し開口(24a,24c)の風向調節羽根(51)を第2水平吹き位置に設定し、第2および第4主吹出し開口(24b,24d)の風向調節羽根(51)を気流ブロック位置に設定する。従って、冷房運転時の第2一部吹出し動作では、暖房運転時の第2一部吹出し動作と同様に、第1主吹出し開口(24a)および第3主吹出し開口(24c)から、調和空気が、全部吹出し動作中よりも高い流速で、実質的に水平方向へ向かって吹き出される。第2一部吹出し動作では、第1および第3吹出し開口(24a,24c)が供給側吹出し開口を構成し、第2および第4吹出し開口(24b,24d)が阻害側吹出し開口を構成する。
なお、全部吹出し動作、第1一部吹出し動作、および第2一部吹出し動作の何れにおいても、副吹出し開口(25a〜25d)からは調和空気が吹き出される。
図10に示すように、冷房運転時の気流ローテーションの一つのサイクルでは、一回目の全部吹出し動作と、第1一部吹出し動作と、二回目の全部吹出し動作と、第2一部吹出し動作とが順に行われる。冷房運転時の気流ローテーションの一つのサイクルでは、一回目と二回目の全部吹出し動作のそれぞれの継続時間が、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれよりも長い時間に設定される。例えば、一回目と二回目の全部吹出し動作のそれぞれの継続時間が600秒に設定され、第1一部吹出し動作の継続時間と第2一部吹出し動作の継続時間のそれぞれが120秒に設定される。なお、一回目と二回目の全部吹出し動作の継続時間が、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作のそれぞれの継続時間よりも短い時間、あるいは等しい時間に設定されてもよい。
−実施形態の効果−
本実施形態の室内ユニット(10)では、全部吹出し動作で主吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、各主吹出し開口(24a〜24d)に設けられた風向調節羽根(51)の位置を第1水平吹き位置とする。一方、第1および第2一部吹出し動作で供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、各供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置を第2水平吹き位置とする。
その理由を説明する。すなわち、全部吹出し動作では、吸込み開口(23)から空気を吸い込もうとする空気流れによって、全ての主吹出し開口(24a〜24d)における調和空気の空気流れが下方に引っ張られる。一方、第1および第2一部吹出し動作では、吸込み開口(23)から空気を吸い込もうとする空気流れにおいて、吹出し気流による抵抗の少ない阻害側吹出し開口の方向から吸い込まれる空気の流量が相対的に多くなる。換言すれば、第1および第2一部吹出し動作では、吹出し気流による抵抗の存在する供給側吹出し開口の方向から吸込み開口(23)に向かう空気流れの流量が相対的に少なくなる。このため、第1および第2一部吹出し動作では、全部吹出し動作に比べて、主吹出し開口(24a〜24d)から吹き出される調和空気の空気流れが下方に引っ張られる作用が弱くなる。したがって、第1および第2一部吹出し動作において供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置を全部吹出し動作と同じように第1水平吹き位置に設定すると、供給側吹出し開口から吹き出された調和空気が天井(501)に沿って流れて天井汚れが発生するおそれがある。このため、第1および第2一部吹出し動作で天井汚れが発生しないようにするためには、全部吹出し動作に比べて、供給側吹出し開口から下向きに調和空気を吹き出すようにする必要がある。そこで、本実施形態では、第1および第2一部吹出し動作において供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とする場合に、当該供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置を第2水平吹き位置に設定している。これにより、供給側吹出し開口のみから室内空間に調和空気を供給する場合に調和空気が過剰に上向きに吹き出されるのを防止し、天井汚れの発生を抑制することができる。
また、第1および第2一部吹出し動作において、阻害側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置を気流ブロック位置に設定することによって当該阻害側吹出し開口の吹出し気流を阻害するようにしている。このため、阻害側吹出し開口の吹出し気流を阻害するために風向調節羽根(51)以外の別部材を新たに設ける必要がなく、製造コストの上昇を回避することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、第1一部吹出し動作および第2一部吹出し動作の双方において、四つの主吹出し開口(24a〜24d)のうち二つを阻害側吹出し開口としているが、例えば、一つのみを阻害側吹出し開口としてもよいし、三つを阻害側吹出し開口としてもよい。この場合に、阻害側吹出し開口の数が多いほど供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きにすることが好ましい。具体的には、例えば四つの主吹出し開口(24a〜24d)のうち一つのみを阻害側吹出し開口とする場合、供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度は、第1水平吹き位置にある風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度(θ1)よりも大きく、かつ、第2水平吹き位置にある風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度(θ2)よりも小さくなる。また、例えば四つの主吹出し開口(24a〜24d)のうち三つを阻害側吹出し開口とする場合、供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度は、第2水平吹き位置にある風向調節羽根(51)の空気流れ下流側の縁部(51a)の接線と水平面とがなす角度(θ2)よりも大きくなる。これにより、阻害側吹出し開口の数によらず天井汚れの発生を抑制することができる。
すなわち、阻害側吹出し開口からは室内空間に調和空気が実質的に供給されないので、阻害側吹出し開口の数が増えるにしたがって供給側吹出し開口の方向から吸込み開口(23)に吸い込まれる空気の流量が相対的に少なくなり、それに伴って供給側吹出し開口から室内空間に供給される調和空気の流れが下方に引っ張られる作用が弱くなる。このため、何ら対策を施さなければ、阻害側吹出し開口の数が多いほど供給側吹出し開口からより上向きに調和空気が吹き出されて天井汚れが発生しやすくなる。そこで、この実施形態では、阻害側吹出し開口の数が多いほど供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きにすることで当該供給側吹出し開口から過剰に上向きに調和空気が吹き出されるのを防止し、天井汚れが発生するのを抑制するようにしている。
また、上記実施形態では、暖房運転時の第1および第2一部吹出し動作と、冷房運転時の第1および第2一部吹出し動作との双方において、供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときに当該供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置を互いに同じ第2水平吹き位置に設定している。しかし、暖房運転中の第1および第2一部吹出し動作で供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、冷房運転中の第1および第2一部吹出し動作で供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときに比べて、供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定してもよい。これにより、暖房運転中においても天井汚れの発生をより確実に抑制することができる。
すなわち、暖房運転の第1および第2一部吹出し動作では供給側吹出し開口から比較的高温の調和空気が吹き出される。一方、冷房運転の第1および第2一部吹出し動作では供給側吹出し開口から比較的低温の調和空気が吹き出される。ここで、空気はその温度が高いほど密度が小さくなる。このため、暖房中の暖かい吹出し気流は上昇しやすく、冷房中の冷たい吹出し気流は下降しやすい。したがって、暖房運転において供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときの方が、冷房運転において供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときに比べ、供給側吹出し開口から吹き出された調和空気が天井側へ移動しやすい。そこで、この実施形態では、暖房運転において供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときに、冷房運転において供給側吹出し開口の吹出し気流を水平吹き状態とするときに比べて、供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の位置をより下向きにしている。そして、これにより、暖房運転中に供給側吹出し開口から吹き出された空気が天井に沿って流れにくくし、暖房運転中における天井汚れの発生を抑制している。
また、上記実施形態では、第1および第2一部吹出し動作において、全ての(二つの)供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の向きを互いに同じ位置(第2水平吹き位置)に設定しているが、各々の供給側吹出し開口に設けられた風向調節羽根(51)の向きを互いに異なる位置に設定してもよい。
また、上記実施形態では、主吹出し開口(24a〜24d)および主吹出し通路(34a〜34d)の他に副吹出し開口(25a〜25d)および副吹出し通路(35a〜35d)が設けられているが、副吹出し開口(25a〜25d)および副吹出し通路(35a〜35d)が設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態では、室内ユニット(10)は4方向に調和空気を吹き出すように構成されているが、例えば、2方向に調和空気を吹き出すように構成されていてもよい。
また、室内ユニット(10)は、天井(501)の開口部に嵌め込まれる天井埋込型ではなく、ケーシング(20)が天井(501)に吊り下げられた状態で設置される天井吊下型であってもよい。
以上説明したように、本発明は、空気調和装置の室内ユニットについて有用である。
10 室内ユニット
20 ケーシング
23 吸込み開口
24a 第1主吹出し開口(吹出し開口、阻害側吹出し開口、供給側吹出し開口)
24b 第2主吹出し開口(吹出し開口、阻害側吹出し開口、供給側吹出し開口)
24c 第3主吹出し開口(吹出し開口、阻害側吹出し開口、供給側吹出し開口)
24d 第4主吹出し開口(吹出し開口、阻害側吹出し開口、供給側吹出し開口)
51 風向調節羽根
90 制御器
501 天井

Claims (5)

  1. 室内空気を吸い込むための吸込み開口(23)が底部に、調和空気を吹き出すための複数の吹出し開口(24a〜24d)が上記吸込み開口(23)の側方にそれぞれ形成されたケーシング(20)を備え、天井(501)に設置されて室内空間へ調和空気を吹き出す空気調和装置の室内ユニット(10)であって、
    全ての上記吹出し開口(24a〜24d)から上記室内空間へ調和空気を供給する全部吹出し動作と、一部の上記吹出し開口(24a〜24d)を吹出し気流が阻害される阻害側吹出し開口(24a〜24d)としかつ残りの上記吹出し開口(24a〜24d)を上記室内空間へ調和空気を供給する供給側吹出し開口(24a〜24d)とする一部吹出し動作とを選択的に行う一方、
    各々の上記吹出し開口(24a〜24d)に設けられ、調和空気の吹き出し方向を上下方向に調節する風向調節羽根(51)と、
    上記全部吹出し動作で上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、上記吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置を標準水平吹き位置に設定し、上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、上記供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置を上記標準水平吹き位置よりも下向きに設定するように構成された制御器(90)とを備えている
    ことを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
  2. 請求項1において、
    上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作において、上記阻害側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)によって該阻害側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流が阻害されるように該風向調節羽根(51)の位置を制御するように構成されている
    ことを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
  3. 請求項1または2において、
    上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作で複数の上記吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、該複数の吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置を上記標準水平吹き位置よりも下向きかつ互いに同じである位置に設定するように構成されている
    ことを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    上記制御器(90)は、上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、上記阻害側吹出し開口(24a〜24d)の数が多いほど上記供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定するように構成されている
    ことを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記制御器(90)は、暖房運転中の上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときには、冷房運転中の上記一部吹出し動作で上記供給側吹出し開口(24a〜24d)の吹出し気流を水平吹き状態とするときに比べて、上記供給側吹出し開口(24a〜24d)に設けられた上記風向調節羽根(51)の位置をより下向きに設定するように構成されている
    ことを特徴とする空気調和装置の室内ユニット。
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