以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態に係る構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、蓄電装置の説明のための図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。例えば、X軸方向が上下方向になってもかまわない。以下の図においても、同様である。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。中でも、本実施の形態に係る蓄電装置1は、据置用の電源装置として好適に使用される。
まず、図1に示すように、蓄電装置1は、外装体本体100と前壁部200と上壁部300とからなる外装体10を備えている。また、図2に示すように、蓄電装置1は、外装体10の内方に、底面側配置部材20と、蓄電素子40と、端子側配置部材50と、バスバー60と、配線基板70と、計測基板81と、主回路基板82とを備えている。
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱型)の容器(モジュールケース)である。外装体10は、蓄電素子40や基板(配線基板70、計測基板81及び主回路基板82)などを所定の位置に配置し、蓄電素子40や当該基板などを衝撃などから保護する。外装体10は、例えば、アルミニウムや鉄等の金属などの剛性の高い材料により構成されている。なお、外装体10は、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の樹脂材料により構成されていてもかまわない。
ここで、外装体10は、外装体本体100と前壁部200と上壁部300とを有している。外装体本体100は、外装体10の本体を構成する部材であり、矩形状の底壁と、当該底壁から立設した3つの矩形状の側壁とを有している。外装体本体100は、板状の部材を折り曲げた形状を有している。また、前壁部200は、外装体10のもう1つの側壁を構成する矩形状かつ板状の部材である。つまり、外装体本体100と前壁部200とで、有底矩形筒状の部材を形成する。なお、前壁部200の外面に、取っ手が設けられていてもかまわない。これにより、蓄電装置1の取り外しや移動(持ち運び)などを容易に行うことができる。なお、外装体本体100の構成の詳細については、後述する。
上壁部300は、外装体10の上壁(蓋)を構成する部材であり、外装体本体100及び前壁部200からなる有底矩形筒状の部材の開口を塞ぐ矩形状かつ板状の部材である。つまり、外装体本体100及び前壁部200の内方に、蓄電素子40や基板(配線基板70、計測基板81及び主回路基板82)等が配置された状態で、当該開口部が上壁部300で閉止される。
底面側配置部材20は、蓄電素子40の底面側に配置される扁平な矩形状の部材であり、蓄電素子40を保持する保持部材である。つまり、底面側配置部材20は、外装体本体100の底壁に載置されて当該底壁に取り付けられ、蓄電素子40を外装体10に対して所定の位置で保持する。
具体的には、底面側配置部材20は、絶縁性の材料により構成されており、上面に形成された凹部に蓄電素子40が挿入されて、蓄電素子40を外装体10内で固定する。このようにして、底面側配置部材20は、蓄電素子40が外装体10等の導電性の部材に接触することを回避するとともに、蓄電素子40等を振動や衝撃等から保護する。
なお、底面側配置部材20は、どのような絶縁性の材料で形成されていてもかまわないが、例えばガラス繊維によって強化されたポリブチレンテレフタレート(GF強化PBT)や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性の高い樹脂で形成されるのが好ましい。これにより、蓄電素子40が発熱した場合でも、底面側配置部材20が損傷して他の蓄電素子40に影響を及ぼすのを抑制することができる。なお、蓄電素子40の絶縁性を確保できるのであれば、底面側配置部材20は、絶縁性の材料で形成されていなくともかまわない。
蓄電素子40は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。
本実施の形態では、外装体10内に13個の蓄電素子40が収容されているが、空いたスペースにもう1つの蓄電素子40を追加して、14個の蓄電素子40が収容された構成でもかまわない。または、外装体10内に収容される蓄電素子40の個数は、上記以外の複数個であってもかまわないし、1つであってもかまわない。また、蓄電素子40は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子40の構成の詳細については、後述する。
端子側配置部材50は、蓄電素子40の電極端子側に配置される扁平な矩形状の部材であり、蓄電素子40を上方から保持する。つまり、端子側配置部材50は、蓄電素子40の上方に配置されており、底面側配置部材20とともに、蓄電素子40を上下両側(Z軸方向の両側)から挟み込むことで、蓄電素子40を外装体10に対して所定の位置で保持する。
具体的には、端子側配置部材50は、絶縁性の材料により構成されており、下面に形成された凹部に蓄電素子40が挿入されて、蓄電素子40を外装体10内で固定する。このようにして、端子側配置部材50は、蓄電素子40が外装体10等の導電性の部材に接触することを回避するとともに、蓄電素子40等を振動や衝撃等から保護する。
また、端子側配置部材50には、バスバー60及び配線基板70が載置される。つまり、端子側配置部材50は、バスバー60及び配線基板70を蓄電素子40に取り付ける際の蓄電素子40に対する位置決めの機能も有する。
なお、端子側配置部材50は、どのような絶縁性の材料で形成されていてもかまわないが、製造コストを低減する観点等から、例えばポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)またはABS樹脂等の樹脂で形成されるのが好ましい。なお、蓄電素子40やバスバー60等の絶縁性を確保できるのであれば、端子側配置部材50は、絶縁性の材料で形成されていなくともかまわない。
バスバー60は、端子側配置部材50の上方に配置され、複数の蓄電素子40同士を電気的に接続する金属など導電性の板状部材である。具体的には、バスバー60は、隣接する蓄電素子40において、一の蓄電素子40の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子40の負極端子または正極端子とを接続する。本実施の形態では、バスバー60は、13個の蓄電素子40を直列に接続する。
配線基板70は、端子側配置部材50の上方に配置されている。また、蓄電素子40の電圧を検出するために、配線基板70は、蓄電装置1が備える蓄電素子40のうちの少なくとも1つの蓄電素子40の電極端子(本実施の形態では、全ての蓄電素子40の正極端子)に一端が接続された配線を有している。また、配線基板70は、矩形状を有しており、蓄電素子40の正極端子と負極端子との間に配置される。本実施の形態では、2枚の配線基板70が配置されているが、配線基板70の枚数は限定されない。また、配線基板70に代えて、ハーネス等を用いることもできるが、配線基板70を用いて電極端子と計測基板81とを接続することにより、配線の引き回しが容易となり、組付性が向上する。なお、配線基板70は、サーミスタを実装し、蓄電素子40の温度を検出することができる構成を有していてもかまわない。
計測基板81及び主回路基板82は、蓄電素子40と外装体10の側壁との間に配置され、かつ、蓄電装置1が備える蓄電素子40のうちの少なくとも1つの蓄電素子40と接続されて、蓄電素子40の状態を計測及び制御する基板である。具体的には、主回路基板82は、大電流が流れる主回路部品を実装した基板であり、蓄電素子40の容器の短側面に対向する外装体10の側壁の内面に固定される。また、計測基板81は、小電流が流れる周辺回路部品を実装した基板であり、蓄電素子40の容器の長側面に対向する外装体10の側壁の内面に固定される。
次に、蓄電素子40の構成について、詳細に説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子40の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子40は、容器410、正極端子430及び負極端子440を備え、容器410は、容器蓋部420を備えている。
容器410は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製の容器蓋部420とで構成されている。また、容器410は、電極体等を内部に収容後、容器蓋部420と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。このように、容器410は、同図のY軸方向両側の側面に長側面411を有し、X軸方向両側の側面に短側面412を有する直方体形状の容器である。なお、容器410の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼やアルミニウムなど溶接可能な金属であるのが好ましい。また、容器410内方には、電極体などが配置されているが、詳細な説明は省略する。
次に、底面側配置部材20及び外装体本体100それぞれの構成、及び、これらの部材の関係の一例について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100に底面側配置部材20が固定される前の構成を示す斜視図である。図5は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100に底面側配置部材20が固定された後の構成を示す斜視図である。図6は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100に底面側配置部材20が固定された後の構成を示す平面図である。ここで、図6の(a)は、Z軸方向プラス側から見た場合の平面図(上面視図)であり、図6の(b)は、固定部材170を除いた図6の(a)の領域A1の拡大図である。
まず、底面側配置部材20の構成について、詳細に説明する。
図4〜図6に示すように、底面側配置部材20は、複数の蓄電素子40を保持する部分である保持部510と、保持部510よりもX軸方向の両外側及びY軸方向マイナス側の部分であって、外装体本体100の底壁に取り付けられる被取付部520とを有する。
保持部510の上面には、凹部511が複数形成されており、各凹部511に、蓄電素子40の底面側(Z軸方向マイナス側)の一部が挿入され得る。複数の凹部511は、複数の凹部511に挿入された複数の蓄電素子40の移動を規制することで、複数の蓄電素子40を保持する。具体的には、複数の凹部511は、外装体本体100の底壁の内面(Z軸方向プラス側の面。以下、「底壁面」という。)に沿った方向への、複数の蓄電素子40の移動を規制する。また、複数の凹部511は、複数の蓄電素子40の底面を下方から支持する。なお、ここでいう、底壁面に沿った方向とは、具体的には、X軸方向に沿った方向、Y軸方向に沿った方向、並びに、X軸方向の成分及びY軸方向の成分が合成された方向のいずれかの方向である。
被取付部520には、底面側配置部材20の厚み方向(Z軸方向)に貫通する7つの開口部521が形成されている。なお、開口部521は、本実施の形態では、内面の断面形状が円形の貫通孔であるが、貫通孔の内面の断面形状は円形に限らずに、三角形、四角形などの多角形であってもよい。また、開口部521の個数は、7つには限定されず、7つ以外の複数個であってもよいし、1つであってもよい。
また、被取付部520には、図4及び図6に示すように、側壁130側(つまりX軸方向プラス側)に向かって突出する2つの突出部522が形成されている。2つの突出部522は、被取付部520において、側壁130側に向かって略等しい長さだけ突出している。なお、2つの突出部522は、底面側配置部材20に形成されていなくてもよい。
次に、外装体本体100の構成について、詳細に説明する。
図4〜6に示すように、外装体本体100は、底壁110と、側壁120〜140とを備えている。また、底壁面には、規制部150と基板保持部160とが設けられている。
底壁110は、外装体本体100の底部に配置される壁(Z軸方向マイナス側の壁)であり、矩形状かつ平板形状を有している。側壁120は、底壁110のX軸方向マイナス側の端縁から上方(Z軸方向プラス側)に向けて立設された、外装体本体100の側部に配置される壁であり、矩形状かつ平板形状を有している。側壁130は、底壁110のX軸方向プラス側の端縁から上方に向けて立設された、外装体本体100の側部に配置される壁であり、矩形状かつ平板形状を有している。側壁140は、底壁110のY軸方向プラス側の端縁から上方に向けて立設された、外装体本体100の側部に配置される壁であり、矩形状かつ平板形状を有している。
規制部150は、底壁110の内面から突出した凸部であり、本実施の形態では、7つの規制部150が設けられている。7つの規制部150は、底面側配置部材20の7つの開口部521に対応する位置に設けられている。具体的には、規制部150は、円柱形状で突出した凸部であり、底面側配置部材20の7つの開口部521をネジなどの固定部材170により底壁110に固定する。また、規制部150の個数は、底面側配置部材20の開口部521と同数であればよく、7つには限定されず、7つ以外の複数個であってもよいし、1つであってもよい。
また、規制部150は、例えば金属製のボスであり、かしめられることにより底壁110と一体に固定されている。なお、規制部150は、溶接により底壁110と一体に固定されていてもよい。また、規制部150は、金属製に限らずに、樹脂などの材料で構成されていてもよい。
また、基板保持部160は、底壁面に沿って設けられた長尺状の部材であり、本実施の形態では、4つの基板保持部160が設けられている。4つの基板保持部160のうちの2つは、底壁110の内面及び前壁部200の内面に沿って延びる長尺状の部材であり、他の2つは、底壁110の内面及び側壁120の内面に沿って延びる長尺状の部材である。
ここで、基板保持部160には、長手方向に凹部が形成されており、当該凹部に計測基板81または主回路基板82が挿入される。つまり、当該凹部は、計測基板81または主回路基板82が底壁110に向けて抜き差し自在に挿入される凹部である。
次に、外装体本体100における、底面側配置部材20が配置される位置について、詳細に説明する。
図4〜6に示すように、底面側配置部材20は、底壁面の所定の位置に載置される。具体的には、底面側配置部材20は、外装体本体100よりも小さく、外装体本体100に対して偏った位置に配置されている。これにより、底面側配置部材20と外装体本体100との間には、L字形状の空間が形成されている。例えば、L字形状の空間は、図6の(a)に示すように、底面側配置部材20のX軸方向マイナス側の端部と側壁120との間に空間S1と、底面側配置部材20のY軸方向マイナス側の端部と前壁部200が配置される位置との間に空間S2とを有する。
ここで、図6の(a)に示すように、基板保持部160は、外装体本体100の、L字形状の空間が形成される位置に配置されている。つまり、L字形状の空間に、L字型に連結された計測基板81及び主回路基板82を配置することができる。このため、蓄電素子40を保持する底面側配置部材20を外装体本体100に対して偏った位置に配置することで形成されるL字形状の空間を有効に活用でき、蓄電装置1の小型化を図ることができる。なお、L字形状の空間には、計測基板81や主回路基板82の他にも、リレー、シャント抵抗、ホールセンサ、プリチャージ抵抗等の部品が配置されてもよく、このようにL字形状の空間に配置することで、蓄電装置の小型化を図ることができる。
また、規制部150は、図6の(b)に示すように、底面側配置部材20の一部である開口部521と嵌合することで、底面側配置部材20の移動を規制する。つまり、底面側配置部材20は、規制部150に嵌合する開口部521を有する。
また、底面側配置部材20は、複数の開口部521のそれぞれに、外装体本体100の底壁110に設けられた規制部150が嵌合され、複数箇所において底壁面に沿った移動が規制される。このため、底面側配置部材20に対して、底壁面に沿った方向に力が加えられたとしても、1つの開口部521を支点として回転移動することを抑制できる。
また、規制部150は、開口部521に嵌合しているため、底壁面に沿った方向の全ての方向で開口部521に当接される。これにより、底壁面に沿った方向のいずれの方向から底面側配置部材20に対して力が加えられる状態となった場合であっても、規制部150は、底面側配置部材20の底壁面に沿った方向における移動を規制できる。
次に、外装体本体100に底面側配置部材20が固定される構成について、詳細に説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る外装体本体100に底面側配置部材20が固定された後の構成をX−Z平面で切断したときの断面図である。具体的には、図7の(a)は、図6の(a)のVII−VII断面図であり、図7の(b)は、図7の(a)の固定部材170周りの拡大図である。より具体的には、図7の(b)は、図6の(a)の領域A1における拡大図である。
図7に示すように、底面側配置部材20は、底面側配置部材20の被取付部520の開口部521が規制部150に貫通された状態で、7つの固定部材170がそれぞれ7つの規制部150と接続されることにより、底壁面に固定される。具体的には、底面側配置部材20は、規制部150に設けられた雌ネジ部151にビス、ネジ等の固定部材170が螺合されて規制部150に固定されることで、底壁110に固定される。このため、底面側配置部材20は、簡単で安価な構成で、強固に外装体本体100の底壁110に規制部150を介して固定することができる。
なお、固定部材170は、雌ネジ部151に対する緩みや陥没が発生することを防ぐために、バネワッシャーや平ワッシャーなどのワッシャー(座金)171を介して雌ネジ部151に螺合されていることが好ましいが、ワッシャー171は用いられていなくてもよい。
また、固定部材170と螺合する雌ネジ部151は、底壁面から突出している規制部150に設けられている。このように規制部150が底壁面から内側に突出しているため、雌ネジ部151を、外装体本体100の内方に設けることができる。つまり、固定部材170を外装体10の内方から雌ネジ部151に螺合させることによって、固定部材170と雌ネジ部151とが螺合している部分の長さを確保でき、かつ、当該螺合している部分を外装体本体100の内方に配置できる。このため、固定部材170を外装体10の外側に配置しなくても、底面側配置部材20を固定できる。また、固定部材170を内側に配置する場合であっても、固定部材170が外装体本体100を貫通して外装体本体100から突出する構成を取ることなく、底面側配置部材20と外装体本体100とを強固に固定できる。
また、開口部521が形成された被取付部520は、図6に示すように、保持部510の凹部511よりも側方に配置される。このため、規制部150は、Z軸方向プラス側から見た場合、蓄電素子40に重ならない位置で、底面側配置部材20の底壁面に沿った方向への移動を規制することになる。このように、規制部150と蓄電素子40とをZ軸方向プラス側から見た場合に重ならない位置に配置するため、これらが重ならない分だけ外装体10の内部におけるZ軸方向の空間を大きくすることができる。また、Z軸方向の空間を大きくする分だけ、外装体10のZ軸方向における大きさを小さくできる。また、Z軸方向の空間を大きくする分だけ、蓄電素子のZ軸方向における大きさを大きくできる。
また、蓄電素子40に重ならない位置で固定部材170を取り付けることができるため、蓄電素子40の底面側配置部材20への配置状況に関わらず固定部材170の取付作業を行うことができる。このため、作業効率を向上させることができる。
次に、外装体10と、蓄電素子40と、底面側配置部材20と、端子側配置部材50とのZ軸方向における位置関係について、詳細に説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1をX−Z平面で切断したときの断面図である。具体的には、図8は、図1のVIII−VIII断面図である。
図8に示すように、外装体本体100の底壁110及び上壁部300は、底面側配置部材20、蓄電素子40、及び端子側配置部材50をこの並び順に挟んで配置される。また、底面側配置部材20のZ軸方向における長さ(以下、「高さ」という。)H1、蓄電素子40の高さH2、及び端子側配置部材50の高さH3の合計は、底壁110及び上壁部300の間隔H4に略等しい。つまり、底壁110及び上壁部300は、底面側配置部材20、蓄電素子40、及び端子側配置部材50がこれらの並び方向(Z軸方向)に拡がらないように配置されている。
これにより、例えば、底面側配置部材20の開口部521と外装体本体100の規制部150とが固定部材170により固定されていない場合であっても、開口部521と規制部150とが嵌合している状態を維持することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、蓄電装置1において、底面側配置部材20は、外装体10よりも小さく、かつ、外装体10に対して偏って配置されているため、底面側配置部材20と外装体10との間には、L字形状の空間が形成されている。このように、底面側配置部材20と外装体10の内面の少なくとも2面との間に空間を形成できるため、蓄電素子40と外装体10との間の空間を大きくすることができる。これにより、蓄電素子40及び他の部品の配置を容易にでき、蓄電装置1の組み立て時の作業性を向上させることができる。
また、L字形状の空間に計測基板81及び主回路基板82を配置しているため、計測基板81及び主回路基板82を蓄電素子40から離して配置できる。このため、蓄電素子40からの熱が当該基板に伝わって当該基板に影響を及ぼすのを抑制することができ、また、蓄電素子40から流れる電流によって当該基板内の回路にノイズが発生するのを抑制することができる。これにより、蓄電装置1によれば、蓄電素子40による当該基板への影響を抑制することができる。
また、外装体10の底壁面に設けられた規制部150は、蓄電素子40を保持する底面側配置部材20の、外装体10の底壁面に沿った方向における移動を規制する。このため、L字形状の空間が形成される構成の蓄電装置1であっても、蓄電素子40を外装体10の所定の位置で保持できる。これにより、蓄電素子40が外装体10との間の空間に向かって移動することで及ぼす、例えば、バスバー60などの蓄電素子40との接続部分にかかる機械的な負荷や、基板などの他の電気機器への蓄電素子40の衝突などの蓄電装置1への影響を抑制することができる。
また、規制部150は、外装体10の底壁面から突出して設けられた凸部である。このため、底面側配置部材20の底壁面に沿った方向における移動の規制を簡単な構成で実現できる。
また、外装体10の底壁面に設けられた規制部150は、底面側配置部材20の開口部に嵌合するため、底面側配置部材20の底壁面に沿った方向における移動を効果的に規制できる。
また、固定部材170は、規制部150と接続されて底面側配置部材20を固定する。つまり、蓄電装置1の内側から固定部材170が規制部150と接続して底面側配置部材20を固定することができ、外装体10の外側(Z軸方向マイナス側)から固定部材を用いて底面側配置部材20を外装体10に固定しなくてもよい。このため、組み立て時の作業性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、上記実施の形態に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、規制部150は、底面側配置部材20の開口部521をネジなどの固定部材170により底壁110に固定しているが、図9に示すように、固定部材170により底壁110に固定していない構成であってもよい。
図9は、本発明の他の実施の形態に係る、底壁110の規制部150Aと、底面側配置部材20の開口部521との関係の一例を説明するための図である。具体的には、図9の(a)は、他の実施の形態に係る蓄電装置における、図6の(b)に対応する領域の平面図である。また、図9の(b)は、図9の(a)のA−A断面図である。
図9に示すように、底面側配置部材20の開口部521は、固定部材170により規制部150Aに固定されていない構成であってもよい。つまり、規制部150Aには、雌ネジ部が形成されていなくてもよい。このように構成した、規制部150Aであっても、例えば、図8に示したように、底面側配置部材20が底壁110から離れる方向に移動することが規制される構成としていれば、底面側配置部材20の底壁面に沿った方向における移動を効果的に規制できる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、底面側配置部材20の開口部521は、開口部521の内縁部が環状に連続している貫通孔であったが、図10に示すように、切り欠き状に設けられた開口部521Bであってもよい。
図10は、本発明の他の実施の形態に係る、底壁110の規制部150と、底面側配置部材20Bの開口部521Bとの関係の他の一例を説明するための図である。具体的には、図10の(a)は、他の実施の形態に係る蓄電装置における、図6の(b)に対応する領域の平面図である。また、図10の(b)は、図10の(a)のB−B断面図である。
図10に示すように、底面側配置部材20Bの開口部521Bは、X軸方向マイナス側が開放されている切り欠き状の開口部であってもよい。なお、開放されている部分は、X軸方向マイナス側に限らない。
また、図11に示すように、底面側配置部材20CをZ軸方向に貫通していない開口部521Cであってもよい。
図11は、本発明の他の実施の形態に係る、底壁110の規制部150Cと、底面側配置部材20Cの開口部521Cとの関係の他の一例を説明するための図である。具体的には、図11の(a)は、他の実施の形態に係る蓄電装置における、図6の(b)に対応する領域の平面図である。また、図11の(b)は、図11の(a)のC−C断面図である。
図11に示すように、開口部521Cは、底壁110に設けられた規制部150Cと嵌合する凹部であってもよい。このような凹部でも、規制部150Cと嵌合する形状であるため、規制部150Cは、底面側配置部材20Cの底壁面に沿った全ての方向における移動を規制することができる。
また、図12に示すように、底面側配置部材20Dの開口部521Dが規制部150D自体によって固定される構成としてもよい。
図12は、本発明の他の実施の形態に係る、底壁110の規制部150Dと、底面側配置部材20Dの開口部521Dとの関係の他の一例を説明するための図である。具体的には、図12の(a)は、他の実施の形態に係る蓄電装置における、図6の(b)に対応する領域の平面図である。また、図12の(b)は、図12の(a)のD−D断面図である。
図12に示すように、規制部150Dは、Z軸方向プラス側の先端が開口部521Dに係合する形状を有する。これにより、規制部150Dは、底面側配置部材20Dの底壁面に沿った方向における移動を規制するとともに、Z軸方向における移動も規制することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、規制部150、150A、150C、150Dは、底面側配置部材20、20A〜20Dの開口部521、521B、521C、521Dに嵌合している構成であったが、図13に示すように、規制部150Eが底面側配置部材20Eの開口部521Eに嵌合せずに係合する構成であってもよい。
図13は、本発明の他の実施の形態に係る蓄電装置における、底壁110の規制部150Eと、底面側配置部材20Eの開口部521Eとの関係の他の一例を説明するための図である。具体的には、図13の(a)は、他の実施の形態に係る蓄電装置における、図6の(b)に対応する領域の平面図である。また、図13の(b)は、図13の(a)のE−E断面図である。また、図13の(c)は、図13の(b)のF−F断面図である。
図13に示すように、底面側配置部材20Eの開口部521Eは、規制部150Eに嵌合していないが、規制部150Eの外縁の一部と係合している。また、さらに、底面側配置部材20Eは、底面側配置部材20Eの開口部521Eとは異なる開口部523Eが固定部材170に貫通されることで、規制部150Eに固定されている。このため、規制部150Eは、固定部材170を介して、底面側配置部材20Eの底壁面に沿った方向における移動を規制できる。
なお、図13において、固定部材170が取り付けられない構成であってもよい。つまり、規制部150Eに雌ネジ部151Eはなくてもよいし、底面側配置部材20Eには開口部523Eが形成されていなくてもよい。この場合、底面側配置部材20Eは、底面側配置部材20Eの上面視における4つの角部に開口部521Eを有し、かつ、4つの開口部521Eのそれぞれにおいて規制部150Eと係合する構成であることが好ましい。この場合、4つの規制部150Eのそれぞれは、当該規制部150Eに対応する開口部521Eに対してそれぞれが異なった方向で係合する。このため、4つの規制部150Eは、底壁面に沿った全ての方向への底面側配置部材20Eの移動を規制することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、外装体本体100の底壁110に設けられた規制部150、150A、150C、150D、150Eが、底壁面に沿った方向への底面側配置部材20、20B、20C、20D、20Eの移動を規制しているが、これに限らない。例えば、外装体本体100に設けられた側壁130が底面側配置部材20の突出部522が底壁面に沿った方向で側壁130に当接することで、底壁面に沿った方向への底面側配置部材20の移動を規制してもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、底面側配置部材20は、外装体本体100の底壁110に載置されており、底壁110に設けられた規制部150、150A、150C、150D、150Eによって、底壁面に沿った方向における移動が規制されているが、これに限らない。底面側配置部材は、底壁面に載置されることに限らずに、外装体本体100の壁面であればどの壁面に載置されてもよく、規制部は、底面側配置部材が載置される壁面に設けられ、底面側配置部材の壁面に沿った方向における移動を規制すればよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子40を保持する保持部材として、蓄電素子40の底面側に配置される底面側配置部材20、20B、20C、20D、20Eが採用されているが、これに限らずに、蓄電素子40の端子側に配置される端子側配置部材50が保持部材として採用されてもよい。つまり、この場合には、端子側配置部材50が、上壁部300に設けられる規制部によって、上壁部300の内面に沿った方向における移動が規制される。また、同様に、保持部材としては、蓄電素子の側面(短側面または長側面)を保持する部材が採用されていてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、規制部150、150A、150C、150D、150Eは、底壁110から外装体10の内方へ向かって突出する凸部であるが、これに限らずに、例えば、底壁に設けられた開口部であってもよい。この場合、底面側配置部材には、底壁に設けられた開口部に嵌合する凸部が形成されてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、底面側配置部材20、20B、20C、20D、20Eは、開口部521、521B、521C、521D、521E、523Eが規制部150、150A、150C、150D、150Eに係合することで、底壁面に沿った方向における移動が規制されているが、これに限らずに、底面側配置部材は、底壁に形成される規制部としての凸部に対して、底壁面に沿った方向において当接する当接部を底面側配置部材の外縁部に有する構成であってもよい。