JP6724283B2 - 光学活性の4−ニトロブタン酸エステル及びプレガバリンの製造方法 - Google Patents
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Description
また、光学活性の出発物質を用いて、光学活性のプレガバリンを製造する方法が報告されている。特許文献1には光学活性のエピクロルヒドリンを出発原料として用いる方法が記載されている。特許文献2には、D−マンニトールビスアセトニドを出発原料として用いる方法が記載されている。しかし、これらの方法は、これらの出発原料から多段階の反応工程が必要であり、工業的に有用ではない。
特許文献4には、スキーム1に記載の通り、シアノアルケンを不斉ロジウム触媒の存在下、水素添加反応に付して、光学活性のプレガバリンを製造している。しかし、この方法は、高い圧力が必要であり、発癌性があるアクリロニトリル等を用いているため、工業的に利用することは困難である。
非特許文献2には、スキーム2において、不斉アルミニウム触媒の存在下、イソヘプテン酸アミド誘導体にTMSCNを作用させて、光学活性のプレガバリンを製造している。しかし、TMSCNは毒性が強く、比較的高価であるため、この方法は工業的に有用ではない。
以上より、反応工程数が少なく安価で効率的な光学活性のプレガバリンの製造方法が求められていた。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 式(1):
*の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによる、光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルの製造方法。
[2] 式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリンと酸化カルシウムとを含むキラル触媒。
工程1:[2]に記載のキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによって、式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを調製する工程、
工程2:式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを還元することによって、式(4)のラクタムを調製する工程、
工程3:式(4)のラクタムを加水分解することによって、光学活性のプレガバリンを調製する工程。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
[4] 工程1〜3を多段階連続フローで反応を行う、[3]に記載の光学活性のプレガバリンの製造方法。
従って、本発明の製造方法によって、光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステル、及び光学活性のプレガバリンを、短い工程で効率よく安価に製造することができる。特に、本発明の製造方法を連続フロー又は多段階連続フローで用いることで、これらの化合物を効率よく安価に製造することができる。
式(1):
*の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体(PyBOXとも称される)は、例えば、有機合成化学協会誌,Vol. 53, No.6, p.500 (1995)、特許文献5等に記載され、公知であり、市販されているものもある。
R1及びR2におけるアルキルとしては、例えばC1〜C6のアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられ、好ましくはイソプロピルが挙げられる。
R1及びR2が一緒になって形成される環としては、例えば1又は2環性の炭化水素環が挙げられ、具体的にはインダン、テトラリン等が挙げられる。
好ましい式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体として、R1が水素原子又はフェニルであり、R2がフェニル又はアルキルであるものが挙げられる。具体的には、2,6−ビス(4,5−ジフェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(4−フェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(4−イソプロピルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(8H−インデノ[1,2d]オキサゾリジン−2−イル)ピリジン等の光学活性体が挙げられる。
キラル触媒を連続フロー反応に用いる場合には、式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムに加えて、担体を混合することが好ましい。担体としては、例えばセライト(登録商標)、ポリスチレン等のポリマー、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ等の金属酸化物等が挙げられ、好ましくはセライト(登録商標)、ポリスチレン等のポリマーが挙げられる。
担体の使用量としては、キラル触媒に対して、例えば2〜500重量倍が挙げられ、好ましくは5〜200重量倍が挙げられ、より好ましくは10〜100重量倍が挙げられ、さらに好ましくは15〜50重量倍が挙げられる。
本発明のキラル触媒を連続フロー反応に用いる場合、式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体、酸化カルシウム、及び担体を混合するだけで調製できるため、フローリアクターの交換が極めて容易である。また、本発明のキラル触媒は、それ自体が塩基であるため、特許文献5に記載のように別途トリエチルアミン等の塩基を添加する必要がない。そこで、多段階連続フロー反応を行う場合は、反応後の溶液にトリエチルアミン等の塩基が含まれないため、次の工程に影響を与えることがない。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと化合物(2)とを反応させることによって、光学活性の化合物(3)を製造することができる。
マロン酸ジアルキルにおけるアルキルとしては、例えばC1〜C6のアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル等が挙げられる。マロン酸ジアルキルは公知であり、多くのものが市販されている。また、化合物(2)は公知化合物である。
本発明のキラル触媒の使用量としては、回分式(バッチ式)反応を行う場合は、化合物(2)に対して、例えば0.001〜1重量倍が挙げられ、好ましくは0.01〜0.8重量倍が挙げられ、より好ましくは0.02〜0.5重量倍が挙げられ、さらに好ましくは0.1〜0.3重量倍が挙げられる。
反応温度としては、例えば−10〜50℃が挙げられ、好ましくは0〜40℃が挙げられ、より好ましくは10〜30℃が挙げられ、さらに好ましくは15〜25℃が挙げられる。高い温度ではエナンチオ選択性が低下する傾向があり、低い温度では反応の進行が遅くなる。
連続フロー反応装置としては、市販されているものをそのまま使用することができ、ポンプ、ミキサー及びフローリアクター(カラム)を適宜反応に合わせて組み替えたものを使用することができる。
フローリアクターとしては、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。ステンレス製のもの等は反応温度の調節が容易であるため、好ましい。フローリアクターの口径としては、例えばマイクロメートルオーダー〜センチメートルオーダーが挙げられ、好ましくは10μm〜10cmを用いることができる。フローリアクターの長さについては、反応温度の調節等に合わせて調整できる。
反応溶液の流速としては、反応に適したフローリアクター中の滞留時間に合わせて調整することができる。本発明のキラル触媒に対する化合物(2)の重量時間空間速度(WHSV)は、例えば0.025〜10hr−1となる速度が挙げられ、好ましくは0.1〜2.5hr−1となる速度が挙げられる。具体的な流速としては、例えば0.01〜50ml/分が挙げられ、好ましくは0.02〜10ml/分が挙げられ、より好ましくは0.05〜5ml/分が挙げられる。
本発明の製造方法を連続フロー反応で行う場合は、得られた溶液をそのまま次の工程に流すことができる。
以下の工程1〜3によって、光学活性のプレガバリンを製造することができる。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
工程1は、上記2.で説明した通りである。
ニトロ基の還元は、常法に従って実施できる。還元剤としては、例えば、パラジウム、白金等の金属触媒存在下の水素、酸存在下の鉄、亜鉛、スズ等の金属、ヒドラジン、亜ジチオン酸ナトリウム(Na2S2O4)等が挙げられ、好ましくはパラジウム、白金等の金属触媒存在下の水素が挙げられる。
パラジウム、白金等の金属触媒を用いる場合は、常法に従って触媒量を用いて、水素雰囲気下で反応させることができる。反応温度としては、例えば10〜100℃が挙げられ、好ましくは20〜70℃が挙げられる。
反応溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであれば、いかなるものでも用いることができる。具体的には、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトニトリル等のニトリル、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、およびこれらの溶媒の混合物等が挙げられる。
多段階連続フロー反応で行う場合は、工程1で得られた化合物(3)の溶液をそのまま用いることが好ましい。好ましい溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
加水分解は、常法に従って実施できる。加水分解には、好ましくは酸触媒が用いられる。酸としては、いかなる酸を用いることができるが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、ポリマーに固定したスルホン酸、ポリマーに固定したカルボン酸等が挙げられる。
反応溶媒としては、有機溶媒と水との混合溶媒が挙げられ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素等が挙げられる。有機溶媒と水の混合割合は、反応の進行に合わせて、適宜調整できる。
反応温度としては、例えば50〜150℃が挙げられ、好ましくは80〜130℃が挙げられ、より好ましくは100〜120℃が挙げられる。
また、工程3を連続フロー反応で実施する場合は、酸触媒としてポリマーに固定したスルホン酸、ポリマーに固定したカルボン酸等を用いて、上記の反応条件で実施することができる。連続フロー反応は工程1と同様にして実施できる。
生成したプレガバリンは酸性ポリマーに付着するため、連続フロー反応を一定時間行った後、フローリアクター(カラム)を取り外して、アンモニア水等を流してプレガバリンを流出させて、その後、結晶化させて、プレガバリンを単離する。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
工程3(1)は、上記の工程3において、弱い酸を用いることで、行うことができる。弱い酸としては、カルボキシル基を有する有機酸、ポリマーに固定したカルボン酸等が挙げられる。
工程3(2)は、上記の工程3の反応条件と同様にして実施できる。
以下の工程1〜3によって、ラセミのプレガバリンを製造することができる。
用いられる塩基触媒としては、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンの1,4付加反応に用いられうるものであれば、如何なるものも用いることができる。例えば、KF/Al2O3等が挙げられる。
工程1は、上記3.において、連続フローで実施する工程1と同様にして実施することができる。
また、工程2及び工程3は、上記3.において連続フローで実施する工程2及び工程3と同様にして実施することができる。
このようにして効率的に安価に製造されるラセミのプレガバリンは、常法に従って、光学分割をすることで、光学活性のプレガバリンを製造することもできる。
以下の工程1〜3によって、光学活性のプレガバリンを製造することもできる。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
また、工程2及び工程3は、上記3.の工程2及び工程3と同様にして実施することができる。
実施例1
マロン酸ジメチルの不斉1,4−付加反応
また、主生成物の立体は、J. Am. Chem. Soc., Vol. 128, p.1454-1455 (2006)に記載のキラルHPLC分析の挙動から、簡易的にS体と推定した。
本実施例1では、S体の化合物3を得たが、逆の立体のキラル酸化カルシウム触媒を用いれば、R体の化合物3を得ることができる。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ4.71 (dd, 1H, J = 5.2, 13.2 Hz), 4.52 (dd, 1H, J = 6.3, 14.6 Hz), 3.77 (s, 6H), 3.66 (d, 1H, J = 5.8 Hz), 2.96-3.00 (m, 1H), 1.62-1.69 (m, 1H), 1.26-1.37 (m, 2H), 0.93 (d, 3H, J = 6.9 Hz), 0.92 (d, 3H, J = 6.3 Hz).
カラム:Daicel CHIRALPAK AD-H
流速:0.7ml/分
移動相:ヘキサン/エタノール=49/1
検出波長:220nm
保持時間:13分(R体),11分(S体)
[反応分析のためのGC測定条件]
カラム:Agilent DB-1 0.25mm×60m
注入口温度:300℃
検出器温度:300℃
キャリアガス:窒素ガス
流速:0.63ml/分
カラム温度:50℃(5分);6℃/分で昇温;300℃(10分)
保持時間:36.8分
(1,3,5−トリメチルベンゼンを内部標準物質として用いた)
ラセミのプレガバリンの製造
ポリメチルフェニルシラン−Pd/骨炭触媒10gとセライト(登録商標)2gをよく混合し、これを直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰めた。片側に二重管付きカラムエンドを、一方を通常のカラムエンドとしてパイプに装着後、二重管付きカラムエンドを上側にして垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認してから約4時間後、カラムを60℃に加熱した。参考例1の工程2で調製されたラセミの化合物3(20mmol)の合成ライン(約0.1M,0.1ml/分)を二重管付きカラムエンドの一方から流速0.10ml/分で流通させた。さらに二重管のもう一方から水素を5.0ml/分で流通させた。
この工程2の連続フロー反応によって、ラセミの化合物4のトルエン溶液が調製され、そのまま工程3に流された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物4が得られたことの確認として、14時間後〜26時間後の回収液を2ml採取し、1,3,5−トリメチルベンゼンを内部標準物質として添加して、GC分析を行ったところ、回収液2ml中にラセミの化合物4が0.13Mの濃度で存在していた。
[反応分析のためのGC測定条件]
実施例1に記載したGC測定条件と同じ条件で分析を行った。ラセミの化合物4の保持時間は、38.0分である。
強酸性カチオン交換樹脂15gを直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認した後、カラムを115℃に加熱した。片側に二口ジョイントを装着し、セライト(登録商標)を充填したガラス製プレカラムを用意し、カラム入り口前部に装着した。工程2で調製されたラセミの化合物4のトルエン溶液をプレカラム二口ジョイントの一方から流速0.10ml/分で流通させ、もう一方には純水を別のHPLCポンプを用いて流速0.05ml/分で流通させた。ラセミの化合物4を0.1M含むトルエン溶液を60ml流し、さらに100mlのトルエンをカラムに送液して、樹脂を回収した。得られた樹脂を過剰量のアンモニア水で処理し、塩酸で中和し、トルエン及び水を減圧留去し、1−プロパノール/水から再結晶することで、ラセミのプレガバリンが約450mg得られた。
1H NMR (500 MHz, D2O) δ2.69-2.78 (m, 2H), 2.13-2.19 (m, 2H), 1.97-2.01 (m, 1H), 1.58-1.64 (m, 1H), 1.11-1.12 (m, 1H), 0.83-0.86 (m, 6H).
13C NMR (500 MHz, D2O) δ182.8, 44.7, 41.6, 41.4, 34.3, 25.1, 22.7, 22.4.
ラセミのプレガバリンの製造
実施例2の工程2と同様に実施し、ラセミの化合物4のトルエン溶液が調製され、そのまま工程3(1)に流された。
カルボン酸修飾型シリカゲル13.5gとセライト(登録商標)0.5gをよく混合し、これを直径10mm×長さ300mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認した後、カラムを130℃に加熱した。片側に二口ジョイントを装着し、セライト(登録商標)を充填したガラス製プレカラムを用意し、カラム入り口前部に装着した。工程2で調製されたラセミの化合物4(10mmol)の合成ラインをプレカラム二口ジョイントの一方から流速0.10ml/分で流通、もう一方には純水を別のHPLCポンプを用いて流速0.05ml/分で流通させた。
この工程3(1)の連続フロー反応によって、ラセミの化合物4aのトルエン溶液が調製され、そのまま工程3(2)に流された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物4aが得られたことの確認として、送液開始8時間後から反応液を回収し、有機相を濃縮したところ、ラセミの化合物4aが0.814g(収率59%)得られていた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ6.58 (s, 1H), 3.48 (t, 1H, J = 8.9 Hz), 2.99 (dd, 1H, J = 7.5, 9.2 Hz), 2.49-2.59 (m, 1H), 2.39-2.44 (m, 1H), 1.98 (dd, 1H, J = 8.6, 16.6 Hz), 1.52-1.62 (m, 1H), 1.30-1.43 (m, 2H), 0.91 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.90 (d, 3H, J = 5.8 Hz).
13C NMR (500 MHz, CDCl3) δ178.6, 48.3, 43.8, 37.0, 32.9, 26.1, 22.6, 22.5.
スルホン酸修飾型シリカゲルあるいはスルホン酸樹脂15gとセライト(登録商標)3gをよく混合し、これを直径10mm×長さ300mmのステンレスパイプ2本に詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認した後、カラムを120℃に加熱した。工程3(1)の合成ラインを切り替え、3方コックの一端に接続、もう一端には30%アンモニア水をHPLCポンプで送液できるようにし、残り一端をカラム上部に接続した。工程3(1)のラセミの化合物4aの合成ラインから得られる水-トルエン混合液をカラムに20時間流通させたのち、コックをアンモニア水側に切り替え、合成ラインを一旦停止し、アンモニア水を流速0.5ml/分で流通させた。得られた水相を濃縮するとほぼ純粋なラセミのプレガバリンが得られた。
イソバレルアルデヒドからの多段階連続フロー反応による光学活性のプレガバリンの製造
アミノプロプル基修飾シリカゲル(富士シリシア製,Chromatorex NHタイプ等)3.6gと粉末状MS4A5.8gをよく混合し、直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰める。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを下部から送液する。カラム上末端からトルエンの溶出を確認してから約2時間後、カラムを70℃に加熱する。イソバレルアルデヒド(30mmol)、ニトロメタン(60mmol)のトルエン溶液150mLを調製し、これをHPLCポンプを用いてカラムの下部から流速0.05mL/分で流通させる。
この工程0の連続フロー反応により、化合物2のトルエン溶液が調製され、そのまま工程1に流される。
酸化カルシウム50mg、2,6−ビス((4S,5R)−4,5−ジフェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン(0.01mmol)、及びセライト(登録商標)1.0gを混合する。これを直径10mm×長さ100mmのステンレスパイプに詰める。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いて下部からトルエンを送液し、カラム上末端からトルエンの溶出を確認できるまで走液する。マロン酸ジメチルの0.45Mトルエン溶液を調製する。この溶液がHPLCポンプを用いて送液できるようにし、Y字コネクターの一端に接続する。工程0の合成ライン末端をY字コネクターのもう一端に接続し、残り一端とカラムの下部とを接続する。工程0で調製された化合物2のトルエン溶液がY字コネクターを通過するのを確認後、ニトロメタン溶液を流速0.05ml/分で流通させる。
この工程1の連続フロー反応により、化合物3のトルエン溶液が調製され、そのまま工程2に流される。
[工程2]及び[工程3]
実施例2の工程2及び工程3と同様にして、工程2及び工程3の連続フロー反応が実行される。
この工程2及び3の連続フロー反応により、S体のプレガバリンが製造される。
本実施例4では、S体のプレガバリンを得たが、工程1で逆の立体のキラル酸化カルシウム触媒を用いれば、R体のプレガバリンを得ることができる。
イソバレルアルデヒドからの多段階連続フロー反応によるラセミのプレガバリンの製造
1−アミノプロプル基修飾シリカゲル(例えば、富士シリシア製,hromatorex NHタイプ)3.6gと粉末状MS4A5.8gをよく混合し、直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを下部から送液した。カラム上末端からトルエンの溶出を確認してから約2時間後、カラムを70℃に加熱した。イソバレルアルデヒド(36mmol)、マロン酸ジメチル(30mmol)のトルエン溶液150mLを調製し、これをHPLCポンプを用いてカラムの下部から流速0.05ml/分で流通させた。
この工程0の連続フロー反応により、化合物5のトルエン溶液が調製された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物5が得られたことの確認として、送液開始48時間後から反応液を回収し、得られた反応粗液を減圧濃縮し、GC分析を行ったところ、ラセミの化合物5が収率96%で得られていた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.05 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.82 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.19 (dd, 2H, J = 7.3, 7.3 Hz), 1.76-1.84 (m, 1H), 0.93 (d, 6H, J = 6.9 Hz).
13C NMR (500 MHz, CDCl3) δ164.4, 149.4, 128.5, 52.3, 52.2, 38.6, 28.1, 22.4
[反応分析のためのGC測定条件]
実施例1に記載したGC測定条件と同じ条件で分析を行った。ラセミの化合物5の保持時間は、29.7分である。
KF(45g)とAl2O3(30g)より調製したKF/Al2O35.9gとセライト(登録商標)1.0gをよく混合し、これを直径10mm×長さ100mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いて下部からトルエンを送液した。カラム上末端からトルエンの溶出を確認してから約2時間後、カラムを50℃に加熱した。工程0で調製された化合物5(30mmol)、ニトロメタン(36mmol)のトルエン溶液300mLを調製し、これをHPLCポンプを用いてカラムの下部から流速0.10ml/分で流通させた。
この工程1の連続フロー反応により、ラセミの化合物3のトルエン溶液が調製された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物3が得られたことの確認として、送液開始20時間後から反応液を回収し、得られた反応粗液を減圧濃縮し、GC分析を行ったところ、ラセミの化合物3が収率76%で得られていた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ4.71 (dd, 1H, J = 5.2, 13.2 Hz), 4.52 (dd, 1H, J = 6.3, 13.7 Hz), 3.77 (s, 6H), 3.67 (d, 1H, J = 5.7 Hz), 2.95-2.98 (m, 1H), 1.61-1.68 (m, 1H), 1.27-1.36 (m, 2H), 0.93 (d, 3H, J = 5.7 Hz), 0.92 (d, 3H, J = 5.7 Hz).
13C NMR (500 MHz, CDCl3) δ168.2, 168.0, 76.6, 52.6, 52.5, 52.2, 38.8, 34.7, 25.0, 22.2, 22.0.
[反応分析のためのGC測定条件]
実施例1に記載したGC測定条件と同じ条件で分析を行った。
実施例2の工程2及び工程3と同様にして、工程2及び工程3の連続フロー反応が実行され、ラセミのプレガバリンが製造された。
ニトロメタンの不斉1,4−付加反応
本参考例2では、S体の化合物3を得たが、逆の立体のキラル酸化カルシウム触媒を用いれば、R体の化合物3を得ることができる。
Claims (4)
- 式(1):
*の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、芳香族炭化水素又は飽和炭化水素の溶媒中で、マロン酸ジアルキルと4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによる、光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルの製造方法。 - 式(1):
*の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
で示されるピリジンビスオキサゾリンと酸化カルシウムとを含むキラル触媒。 - 以下の工程を含む、光学活性のプレガバリンの製造方法;
工程1:請求項2に記載のキラル触媒の存在下、芳香族炭化水素又は飽和炭化水素の溶媒中で、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによって、式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを調製する工程、
工程2:式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを還元することによって、式(4)のラクタムを調製する工程、
工程3:式(4)のラクタムを加水分解することによって、光学活性のプレガバリンを調製する工程。
*は、R配置又はS配置を表す。〕 - 工程1〜3を多段階連続フローで反応を行う、請求項3に記載の光学活性のプレガバリンの製造方法。
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