JP6724283B2 - 光学活性の4−ニトロブタン酸エステル及びプレガバリンの製造方法 - Google Patents

光学活性の4−ニトロブタン酸エステル及びプレガバリンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学活性の4−ニトロブタン酸エステルの製造方法、及びその製造方法を用いるプレガバリンの製造方法に関する。
プレガバリンは、(S)−3−アミノメチル−5−メチルヘキサン酸であり、下式で示される構造を有する。
プレガバリンは、神経障害性疼痛(末梢性神経障害性疼痛及び中枢性神経障害性疼痛)、てんかん(部分発作併用療法)、全般性不安障害、線維筋痛症、及び線維筋痛症に伴う疼痛などの治療剤として世界各国で承認され、販売されている。
光学活性のプレガバリンの製造方法について、種々な検討がなされている。古典的には、光学活性の酸又は塩基を用いてプレガバリンのラセミ体を光学分割する方法が知られている。しかし、光学分割の方法には、プレガバリンの不斉炭素がカルボキシル基又はアミノ基から離れているために光学分割が効率的ではなく、光学分割剤の回収が容易ではなく、また(R)−体は廃棄することになるために収率が50%を超えることがないとの問題がある。
また、光学活性の出発物質を用いて、光学活性のプレガバリンを製造する方法が報告されている。特許文献1には光学活性のエピクロルヒドリンを出発原料として用いる方法が記載されている。特許文献2には、D−マンニトールビスアセトニドを出発原料として用いる方法が記載されている。しかし、これらの方法は、これらの出発原料から多段階の反応工程が必要であり、工業的に有用ではない。
不斉触媒を用いる光学活性のプレガバリンの製造方法として、特許文献3には、チャート1に記載の通り、不斉オキサゾリジノンを用いた不斉アルドール反応で、ベンジルオキシカルボニルメチル基を不斉導入して、光学活性のプレガバリンを製造している。また、非特許文献1には、スキーム1に記載の通り、異なる不斉オキサゾリジノンを用いた不斉アルドール反応で、ベンジルオキシカルボニルメチル基を不斉導入して、光学活性のプレガバリンを製造している。しかし、これらの不斉オキサゾリジノンは費用が高く、その回収が容易ではないために、この方法は工業的に利用することは困難である。
特許文献4には、スキーム1に記載の通り、シアノアルケンを不斉ロジウム触媒の存在下、水素添加反応に付して、光学活性のプレガバリンを製造している。しかし、この方法は、高い圧力が必要であり、発癌性があるアクリロニトリル等を用いているため、工業的に利用することは困難である。
非特許文献2には、スキーム2において、不斉アルミニウム触媒の存在下、イソヘプテン酸アミド誘導体にTMSCNを作用させて、光学活性のプレガバリンを製造している。しかし、TMSCNは毒性が強く、比較的高価であるため、この方法は工業的に有用ではない。
以上より、反応工程数が少なく安価で効率的な光学活性のプレガバリンの製造方法が求められていた。
特許文献5には、キラルなピリジンビスオキサゾリン誘導体を導入したポリスチレン樹脂とカルシウム塩を充填したフローリアクターを用いて、マロン酸ジエステルをニトロアルケンに不斉1,4付加反応を施すことで、光学活性の4−ニトロブタン酸エステルを製造したことが記載されている。しかし、特許文献5の反応では、実施例の表1に記載の通り、同じフローリアクターで60時間反応を継続させると、収率が若干、低下する傾向にある。そこで、収率が低下した場合には、キラルなピリジンビスオキサゾリン誘導体を導入したポリスチレン樹脂を再度調製する必要が生じるという問題が、特許文献5の発明にはあった。
特表2010−535857 特表2010−533681 特表平7−508288 特表2003−520841 特開2013−184973
Synlett, 2006, No. 10, p.1589-1591 J. Am. Chem. Soc., 2003, Vol. 125, p.4442-4443
本発明の課題は、反応工程数が少なく安価で効率的な光学活性のプレガバリンの製造方法を提供することである。また、その方法に用いられる光学活性の4−ニトロブタン酸エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、キラルなピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを混合して調製した固形触媒を用いることで、光学活性の4−ニトロブタン酸エステルを製造することができ、さらに本製造方法を用いることで効率的にプレガバリンを製造することができることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 式(1):
〔式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アリール又はアルキルを表すか、あるいはR及びRが一緒になって結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
*の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによる、光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルの製造方法。
[2] 式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリンと酸化カルシウムとを含むキラル触媒。
[3] 以下の工程を含む、光学活性のプレガバリンの製造方法;
工程1:[2]に記載のキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによって、式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを調製する工程、
工程2:式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを還元することによって、式(4)のラクタムを調製する工程、
工程3:式(4)のラクタムを加水分解することによって、光学活性のプレガバリンを調製する工程。
〔式中、Rはアルキルを表す。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
[4] 工程1〜3を多段階連続フローで反応を行う、[3]に記載の光学活性のプレガバリンの製造方法。
本発明で用いられる式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを混合して調製されるキラル触媒は、特許文献5の方法と異なって、樹脂と結合した触媒を調製する必要がなく容易に調製できるため、反応基質に最適の式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体を簡単に選択することができる。また、特許文献5に記載の通り、連続フロー反応では一定時間が経過すると反応速度が遅くなって触媒の交換が必要となるが、特許文献5の樹脂と結合した触媒と異なって、本発明で用いるキラル触媒は混合するだけで調製されるため、その調製及び触媒の交換が容易である。さらに、当該キラル触媒はそれ自体が塩基であるため、トリエチルアミン等の塩基の添加が不要であり、多段階連続フロー反応において、次の工程に影響を与えることがない。
従って、本発明の製造方法によって、光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステル、及び光学活性のプレガバリンを、短い工程で効率よく安価に製造することができる。特に、本発明の製造方法を連続フロー又は多段階連続フローで用いることで、これらの化合物を効率よく安価に製造することができる。
1.式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒
式(1):
〔式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アリール又はアルキルを表すか、あるいはR及びRが一緒になって結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
*の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体(PyBOXとも称される)は、例えば、有機合成化学協会誌,Vol. 53, No.6, p.500 (1995)、特許文献5等に記載され、公知であり、市販されているものもある。
及びRにおけるアリールとしては、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニルが挙げられる。
及びRにおけるアルキルとしては、例えばC〜Cのアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられ、好ましくはイソプロピルが挙げられる。
及びRが一緒になって形成される環としては、例えば1又は2環性の炭化水素環が挙げられ、具体的にはインダン、テトラリン等が挙げられる。
好ましい式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体として、Rが水素原子又はフェニルであり、Rがフェニル又はアルキルであるものが挙げられる。具体的には、2,6−ビス(4,5−ジフェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(4−フェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(4−イソプロピルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(8H−インデノ[1,2d]オキサゾリジン−2−イル)ピリジン等の光学活性体が挙げられる。
式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒は、式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを混合することで調製される。酸化カルシウムの使用量としては、式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体に対して、例えば0.5〜100重量倍が挙げられ、好ましくは2〜50重量倍が挙げられ、より好ましくは3〜30重量倍が挙げられ、さらに好ましくは5〜20重量倍が挙げられる。
キラル触媒を連続フロー反応に用いる場合には、式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムに加えて、担体を混合することが好ましい。担体としては、例えばセライト(登録商標)、ポリスチレン等のポリマー、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ等の金属酸化物等が挙げられ、好ましくはセライト(登録商標)、ポリスチレン等のポリマーが挙げられる。
担体の使用量としては、キラル触媒に対して、例えば2〜500重量倍が挙げられ、好ましくは5〜200重量倍が挙げられ、より好ましくは10〜100重量倍が挙げられ、さらに好ましくは15〜50重量倍が挙げられる。
本発明のキラル触媒を連続フロー反応に用いる場合、式(1)のピリジンビスオキサゾリン誘導体、酸化カルシウム、及び担体を混合するだけで調製できるため、フローリアクターの交換が極めて容易である。また、本発明のキラル触媒は、それ自体が塩基であるため、特許文献5に記載のように別途トリエチルアミン等の塩基を添加する必要がない。そこで、多段階連続フロー反応を行う場合は、反応後の溶液にトリエチルアミン等の塩基が含まれないため、次の工程に影響を与えることがない。
2.光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステル(化合物(3))の製造方法
〔式中、Rはアルキルを表す。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと化合物(2)とを反応させることによって、光学活性の化合物(3)を製造することができる。
マロン酸ジアルキルにおけるアルキルとしては、例えばC〜Cのアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル等が挙げられる。マロン酸ジアルキルは公知であり、多くのものが市販されている。また、化合物(2)は公知化合物である。
マロン酸ジアルキルの使用量は、化合物(2)に対して、例えば1〜10倍モルが挙げられ、好ましくは1.1〜5倍モルが挙げられ、より好ましくは1.2〜3倍モルが挙げられ、さらに好ましくは1.5〜2.5倍モルが挙げられる。
本発明のキラル触媒の使用量としては、回分式(バッチ式)反応を行う場合は、化合物(2)に対して、例えば0.001〜1重量倍が挙げられ、好ましくは0.01〜0.8重量倍が挙げられ、より好ましくは0.02〜0.5重量倍が挙げられ、さらに好ましくは0.1〜0.3重量倍が挙げられる。
反応温度としては、例えば−10〜50℃が挙げられ、好ましくは0〜40℃が挙げられ、より好ましくは10〜30℃が挙げられ、さらに好ましくは15〜25℃が挙げられる。高い温度ではエナンチオ選択性が低下する傾向があり、低い温度では反応の進行が遅くなる。
反応溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであれば、いかなるものでも用いることができる。具体的には、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトニトリル等のニトリル、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、およびこれらの溶媒の混合物等が挙げられる。好ましい反応溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられ、より好ましくはトルエンが挙げられる。本発明の製造方法を多段階連続フロー反応で行う場合は、続く反応でも使用できることから、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましい。
本発明の製造方法を連続フロー反応で実施する場合は、上記1.に記載の本発明のキラル触媒と担体の混合物をフローリアクターに充填したものを用いる。
連続フロー反応装置としては、市販されているものをそのまま使用することができ、ポンプ、ミキサー及びフローリアクター(カラム)を適宜反応に合わせて組み替えたものを使用することができる。
フローリアクターとしては、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。ステンレス製のもの等は反応温度の調節が容易であるため、好ましい。フローリアクターの口径としては、例えばマイクロメートルオーダー〜センチメートルオーダーが挙げられ、好ましくは10μm〜10cmを用いることができる。フローリアクターの長さについては、反応温度の調節等に合わせて調整できる。
反応溶液の流速としては、反応に適したフローリアクター中の滞留時間に合わせて調整することができる。本発明のキラル触媒に対する化合物(2)の重量時間空間速度(WHSV)は、例えば0.025〜10hr−1となる速度が挙げられ、好ましくは0.1〜2.5hr−1となる速度が挙げられる。具体的な流速としては、例えば0.01〜50ml/分が挙げられ、好ましくは0.02〜10ml/分が挙げられ、より好ましくは0.05〜5ml/分が挙げられる。
本発明の製造方法を回分式(バッチ式)反応で行う場合は、光学活性の化合物(3)を単離するには、反応溶媒を留去するだけで、高い純度の目的物を得ることができる。必要に応じて、溶媒抽出、再結晶、蒸留等の通常用いられる精製手段を行うこともできる。なお、本発明の製造方法では、他の共雑物、不純物等が少ないため、得られた溶液のまま次の工程に付することができる。
本発明の製造方法を連続フロー反応で行う場合は、得られた溶液をそのまま次の工程に流すことができる。
3.光学活性のプレガバリンの製造方法
以下の工程1〜3によって、光学活性のプレガバリンを製造することができる。
〔式中、Rはアルキルを表す。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
工程1は、式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと化合物(2)とを反応させることによって、化合物(3)を調製する工程である。
工程1は、上記2.で説明した通りである。
工程2は、化合物(3)のニトロ基を還元することによって、化合物(4)を調製する工程である。
ニトロ基の還元は、常法に従って実施できる。還元剤としては、例えば、パラジウム、白金等の金属触媒存在下の水素、酸存在下の鉄、亜鉛、スズ等の金属、ヒドラジン、亜ジチオン酸ナトリウム(Na)等が挙げられ、好ましくはパラジウム、白金等の金属触媒存在下の水素が挙げられる。
パラジウム、白金等の金属触媒を用いる場合は、常法に従って触媒量を用いて、水素雰囲気下で反応させることができる。反応温度としては、例えば10〜100℃が挙げられ、好ましくは20〜70℃が挙げられる。
反応溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであれば、いかなるものでも用いることができる。具体的には、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトニトリル等のニトリル、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、およびこれらの溶媒の混合物等が挙げられる。
連続フロー反応で行う場合は、パラジウム、白金等の金属触媒をセライト(登録商標)、ポリスチレン等のポリマー、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ等の金属酸化物等の担体に混合したものを、フローリアクター(カラム)に充填して、化合物(3)の溶液と水素を導入することで、化合物(4)を得ることができる。連続フロー反応は工程1と同様にして実施できる。
多段階連続フロー反応で行う場合は、工程1で得られた化合物(3)の溶液をそのまま用いることが好ましい。好ましい溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
工程3は、化合物(4)を加水分解することによって、光学活性のプレガバリンを調製する工程である。
加水分解は、常法に従って実施できる。加水分解には、好ましくは酸触媒が用いられる。酸としては、いかなる酸を用いることができるが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、ポリマーに固定したスルホン酸、ポリマーに固定したカルボン酸等が挙げられる。
反応溶媒としては、有機溶媒と水との混合溶媒が挙げられ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素等が挙げられる。有機溶媒と水の混合割合は、反応の進行に合わせて、適宜調整できる。
反応温度としては、例えば50〜150℃が挙げられ、好ましくは80〜130℃が挙げられ、より好ましくは100〜120℃が挙げられる。
反応後のプレガバリンの単離は、例えば、中和し、溶媒を留去して、結晶化又はクロマト精製をすることで行うことができる。
また、工程3を連続フロー反応で実施する場合は、酸触媒としてポリマーに固定したスルホン酸、ポリマーに固定したカルボン酸等を用いて、上記の反応条件で実施することができる。連続フロー反応は工程1と同様にして実施できる。
生成したプレガバリンは酸性ポリマーに付着するため、連続フロー反応を一定時間行った後、フローリアクター(カラム)を取り外して、アンモニア水等を流してプレガバリンを流出させて、その後、結晶化させて、プレガバリンを単離する。
また、工程3を、下記の通り2段階に分けて実施することもできる。
〔式中、Rはアルキルを表す。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
工程3(1)は、上記の工程3において、弱い酸を用いることで、行うことができる。弱い酸としては、カルボキシル基を有する有機酸、ポリマーに固定したカルボン酸等が挙げられる。
工程3(2)は、上記の工程3の反応条件と同様にして実施できる。
4.ラセミのプレガバリンの製造方法
以下の工程1〜3によって、ラセミのプレガバリンを製造することができる。
〔式中、Rはアルキルを表す。〕
工程1は、塩基触媒の存在下、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによって、ラセミの化合物(3)を調製する工程である。工程1は、上記2.で説明した反応条件とほぼ同様にして実施することができる。
用いられる塩基触媒としては、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンの1,4付加反応に用いられうるものであれば、如何なるものも用いることができる。例えば、KF/Al等が挙げられる。
工程1は、上記3.において、連続フローで実施する工程1と同様にして実施することができる。
また、工程2及び工程3は、上記3.において連続フローで実施する工程2及び工程3と同様にして実施することができる。
このようにして効率的に安価に製造されるラセミのプレガバリンは、常法に従って、光学分割をすることで、光学活性のプレガバリンを製造することもできる。
5.光学活性のプレガバリンの別製造方法
以下の工程1〜3によって、光学活性のプレガバリンを製造することもできる。
〔式中、Rはアルキルを表す。
*は、R配置又はS配置を表す。〕
工程1は、式(1)で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、ニトロメタンと化合物(5)とを反応させることによって、化合物(3)を調製する工程である。工程1は、上記2.で説明した反応条件とほぼ同様にして実施することができる。
また、工程2及び工程3は、上記3.の工程2及び工程3と同様にして実施することができる。
以下、本発明を実施例及び参考例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1
マロン酸ジメチルの不斉1,4−付加反応
酸化カルシウム50mgと2,6−ビス((4S,5R)−4,5−ジフェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン(0.01mmol)とを混合して、キラル酸化カルシウム触媒を調製した。調製したキラル酸化カルシウム触媒をトルエン0.5mLに懸濁させて、マロン酸ジメチル(0.5mmol)と4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテン(0.75mmol)のトルエン0.5mL溶液を加え、室温で撹拌した。36時間後、セライト(登録商標)パッドを使用してろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、PTLC(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することで、化合物3が収率84%及びエナンチオマー(S体)過剰率67%eeで得られた。
また、主生成物の立体は、J. Am. Chem. Soc., Vol. 128, p.1454-1455 (2006)に記載のキラルHPLC分析の挙動から、簡易的にS体と推定した。
本実施例1では、S体の化合物3を得たが、逆の立体のキラル酸化カルシウム触媒を用いれば、R体の化合物3を得ることができる。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ4.71 (dd, 1H, J = 5.2, 13.2 Hz), 4.52 (dd, 1H, J = 6.3, 14.6 Hz), 3.77 (s, 6H), 3.66 (d, 1H, J = 5.8 Hz), 2.96-3.00 (m, 1H), 1.62-1.69 (m, 1H), 1.26-1.37 (m, 2H), 0.93 (d, 3H, J = 6.9 Hz), 0.92 (d, 3H, J = 6.3 Hz).
[キラルHPLCの測定条件]
カラム:Daicel CHIRALPAK AD-H
流速:0.7ml/分
移動相:ヘキサン/エタノール=49/1
検出波長:220nm
保持時間:13分(R体),11分(S体)
[反応分析のためのGC測定条件]
カラム:Agilent DB-1 0.25mm×60m
注入口温度:300℃
検出器温度:300℃
キャリアガス:窒素ガス
流速:0.63ml/分
カラム温度:50℃(5分);6℃/分で昇温;300℃(10分)
保持時間:36.8分
(1,3,5−トリメチルベンゼンを内部標準物質として用いた)
実施例2
ラセミのプレガバリンの製造
[工程2]
ポリメチルフェニルシラン−Pd/骨炭触媒10gとセライト(登録商標)2gをよく混合し、これを直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰めた。片側に二重管付きカラムエンドを、一方を通常のカラムエンドとしてパイプに装着後、二重管付きカラムエンドを上側にして垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認してから約4時間後、カラムを60℃に加熱した。参考例1の工程2で調製されたラセミの化合物3(20mmol)の合成ライン(約0.1M,0.1ml/分)を二重管付きカラムエンドの一方から流速0.10ml/分で流通させた。さらに二重管のもう一方から水素を5.0ml/分で流通させた。
この工程2の連続フロー反応によって、ラセミの化合物4のトルエン溶液が調製され、そのまま工程3に流された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物4が得られたことの確認として、14時間後〜26時間後の回収液を2ml採取し、1,3,5−トリメチルベンゼンを内部標準物質として添加して、GC分析を行ったところ、回収液2ml中にラセミの化合物4が0.13Mの濃度で存在していた。
[反応分析のためのGC測定条件]
実施例1に記載したGC測定条件と同じ条件で分析を行った。ラセミの化合物4の保持時間は、38.0分である。
[工程3]
強酸性カチオン交換樹脂15gを直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認した後、カラムを115℃に加熱した。片側に二口ジョイントを装着し、セライト(登録商標)を充填したガラス製プレカラムを用意し、カラム入り口前部に装着した。工程2で調製されたラセミの化合物4のトルエン溶液をプレカラム二口ジョイントの一方から流速0.10ml/分で流通させ、もう一方には純水を別のHPLCポンプを用いて流速0.05ml/分で流通させた。ラセミの化合物4を0.1M含むトルエン溶液を60ml流し、さらに100mlのトルエンをカラムに送液して、樹脂を回収した。得られた樹脂を過剰量のアンモニア水で処理し、塩酸で中和し、トルエン及び水を減圧留去し、1−プロパノール/水から再結晶することで、ラセミのプレガバリンが約450mg得られた。
1H NMR (500 MHz, D2O) δ2.69-2.78 (m, 2H), 2.13-2.19 (m, 2H), 1.97-2.01 (m, 1H), 1.58-1.64 (m, 1H), 1.11-1.12 (m, 1H), 0.83-0.86 (m, 6H).
13C NMR (500 MHz, D2O) δ182.8, 44.7, 41.6, 41.4, 34.3, 25.1, 22.7, 22.4.
実施例3
ラセミのプレガバリンの製造
[工程2]
実施例2の工程2と同様に実施し、ラセミの化合物4のトルエン溶液が調製され、そのまま工程3(1)に流された。
[工程3(1)]
カルボン酸修飾型シリカゲル13.5gとセライト(登録商標)0.5gをよく混合し、これを直径10mm×長さ300mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認した後、カラムを130℃に加熱した。片側に二口ジョイントを装着し、セライト(登録商標)を充填したガラス製プレカラムを用意し、カラム入り口前部に装着した。工程2で調製されたラセミの化合物4(10mmol)の合成ラインをプレカラム二口ジョイントの一方から流速0.10ml/分で流通、もう一方には純水を別のHPLCポンプを用いて流速0.05ml/分で流通させた。
この工程3(1)の連続フロー反応によって、ラセミの化合物4aのトルエン溶液が調製され、そのまま工程3(2)に流された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物4aが得られたことの確認として、送液開始8時間後から反応液を回収し、有機相を濃縮したところ、ラセミの化合物4aが0.814g(収率59%)得られていた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ6.58 (s, 1H), 3.48 (t, 1H, J = 8.9 Hz), 2.99 (dd, 1H, J = 7.5, 9.2 Hz), 2.49-2.59 (m, 1H), 2.39-2.44 (m, 1H), 1.98 (dd, 1H, J = 8.6, 16.6 Hz), 1.52-1.62 (m, 1H), 1.30-1.43 (m, 2H), 0.91 (d, 3H, J = 6.3 Hz), 0.90 (d, 3H, J = 5.8 Hz).
13C NMR (500 MHz, CDCl3) δ178.6, 48.3, 43.8, 37.0, 32.9, 26.1, 22.6, 22.5.
[工程3(2)]
スルホン酸修飾型シリカゲルあるいはスルホン酸樹脂15gとセライト(登録商標)3gをよく混合し、これを直径10mm×長さ300mmのステンレスパイプ2本に詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを上部から送液した。カラム下末端からトルエンの溶出を確認した後、カラムを120℃に加熱した。工程3(1)の合成ラインを切り替え、3方コックの一端に接続、もう一端には30%アンモニア水をHPLCポンプで送液できるようにし、残り一端をカラム上部に接続した。工程3(1)のラセミの化合物4aの合成ラインから得られる水-トルエン混合液をカラムに20時間流通させたのち、コックをアンモニア水側に切り替え、合成ラインを一旦停止し、アンモニア水を流速0.5ml/分で流通させた。得られた水相を濃縮するとほぼ純粋なラセミのプレガバリンが得られた。
実施例4
イソバレルアルデヒドからの多段階連続フロー反応による光学活性のプレガバリンの製造
[工程0]
アミノプロプル基修飾シリカゲル(富士シリシア製,Chromatorex NHタイプ等)3.6gと粉末状MS4A5.8gをよく混合し、直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰める。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを下部から送液する。カラム上末端からトルエンの溶出を確認してから約2時間後、カラムを70℃に加熱する。イソバレルアルデヒド(30mmol)、ニトロメタン(60mmol)のトルエン溶液150mLを調製し、これをHPLCポンプを用いてカラムの下部から流速0.05mL/分で流通させる。
この工程0の連続フロー反応により、化合物2のトルエン溶液が調製され、そのまま工程1に流される。
[工程1]
酸化カルシウム50mg、2,6−ビス((4S,5R)−4,5−ジフェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン(0.01mmol)、及びセライト(登録商標)1.0gを混合する。これを直径10mm×長さ100mmのステンレスパイプに詰める。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いて下部からトルエンを送液し、カラム上末端からトルエンの溶出を確認できるまで走液する。マロン酸ジメチルの0.45Mトルエン溶液を調製する。この溶液がHPLCポンプを用いて送液できるようにし、Y字コネクターの一端に接続する。工程0の合成ライン末端をY字コネクターのもう一端に接続し、残り一端とカラムの下部とを接続する。工程0で調製された化合物2のトルエン溶液がY字コネクターを通過するのを確認後、ニトロメタン溶液を流速0.05ml/分で流通させる。
この工程1の連続フロー反応により、化合物3のトルエン溶液が調製され、そのまま工程2に流される。
[工程2]及び[工程3]
実施例2の工程2及び工程3と同様にして、工程2及び工程3の連続フロー反応が実行される。
この工程2及び3の連続フロー反応により、S体のプレガバリンが製造される。
本実施例4では、S体のプレガバリンを得たが、工程1で逆の立体のキラル酸化カルシウム触媒を用いれば、R体のプレガバリンを得ることができる。
参考例1
イソバレルアルデヒドからの多段階連続フロー反応によるラセミのプレガバリンの製造
[工程0]
1−アミノプロプル基修飾シリカゲル(例えば、富士シリシア製,hromatorex NHタイプ)3.6gと粉末状MS4A5.8gをよく混合し、直径10mm×長さ200mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いてトルエンを下部から送液した。カラム上末端からトルエンの溶出を確認してから約2時間後、カラムを70℃に加熱した。イソバレルアルデヒド(36mmol)、マロン酸ジメチル(30mmol)のトルエン溶液150mLを調製し、これをHPLCポンプを用いてカラムの下部から流速0.05ml/分で流通させた。
この工程0の連続フロー反応により、化合物5のトルエン溶液が調製された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物5が得られたことの確認として、送液開始48時間後から反応液を回収し、得られた反応粗液を減圧濃縮し、GC分析を行ったところ、ラセミの化合物5が収率96%で得られていた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ7.05 (t, 1H, J = 8.0 Hz), 3.82 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 2.19 (dd, 2H, J = 7.3, 7.3 Hz), 1.76-1.84 (m, 1H), 0.93 (d, 6H, J = 6.9 Hz).
13C NMR (500 MHz, CDCl3) δ164.4, 149.4, 128.5, 52.3, 52.2, 38.6, 28.1, 22.4
[反応分析のためのGC測定条件]
実施例1に記載したGC測定条件と同じ条件で分析を行った。ラセミの化合物5の保持時間は、29.7分である。
[工程1]
KF(45g)とAl(30g)より調製したKF/Al5.9gとセライト(登録商標)1.0gをよく混合し、これを直径10mm×長さ100mmのステンレスパイプに詰めた。カラムエンドをパイプに装着後、垂直に固定、HPLC用ポンプを用いて下部からトルエンを送液した。カラム上末端からトルエンの溶出を確認してから約2時間後、カラムを50℃に加熱した。工程0で調製された化合物5(30mmol)、ニトロメタン(36mmol)のトルエン溶液300mLを調製し、これをHPLCポンプを用いてカラムの下部から流速0.10ml/分で流通させた。
この工程1の連続フロー反応により、ラセミの化合物3のトルエン溶液が調製された。
なお、この連続フロー反応でラセミの化合物3が得られたことの確認として、送液開始20時間後から反応液を回収し、得られた反応粗液を減圧濃縮し、GC分析を行ったところ、ラセミの化合物3が収率76%で得られていた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ4.71 (dd, 1H, J = 5.2, 13.2 Hz), 4.52 (dd, 1H, J = 6.3, 13.7 Hz), 3.77 (s, 6H), 3.67 (d, 1H, J = 5.7 Hz), 2.95-2.98 (m, 1H), 1.61-1.68 (m, 1H), 1.27-1.36 (m, 2H), 0.93 (d, 3H, J = 5.7 Hz), 0.92 (d, 3H, J = 5.7 Hz).
13C NMR (500 MHz, CDCl3) δ168.2, 168.0, 76.6, 52.6, 52.5, 52.2, 38.8, 34.7, 25.0, 22.2, 22.0.
[反応分析のためのGC測定条件]
実施例1に記載したGC測定条件と同じ条件で分析を行った。
[工程2]及び[工程3]
実施例2の工程2及び工程3と同様にして、工程2及び工程3の連続フロー反応が実行され、ラセミのプレガバリンが製造された。
参考例2
ニトロメタンの不斉1,4−付加反応
酸化カルシウム(50mg)と2,6−ビス((4S,5R)−4,5−ジフェニルオキサゾリジン−2−イル)ピリジン(0.01mmol)より調製したキラル酸化カルシウム触媒のトルエン0.5ml懸濁液に化合物5(0.5mmol)、ニトロメタン(1.0mmol)のトルエン溶液0.5mLを加え、室温で撹拌した。48時間後、セライト(登録商標)パッドを使用してろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、PTLC(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製したところ、化合物3が収率30%及びエナンチオマー(S体)過剰率を33%%eeで得られた。なお、エナンチオマー過剰率は実施例1と同様に分析した。
本参考例2では、S体の化合物3を得たが、逆の立体のキラル酸化カルシウム触媒を用いれば、R体の化合物3を得ることができる。
本発明の製造方法によって、光学活性の4−ニトロブタン酸エステルの製造方法、及び反応工程数が少なく安価で効率的な光学活性のプレガバリンの製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. 式(1):
    〔式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アリール又はアルキルを表すか、あるいはR及びRが一緒になって結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
    *の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
    で示されるピリジンビスオキサゾリン誘導体と酸化カルシウムとを含むキラル触媒の存在下、芳香族炭化水素又は飽和炭化水素の溶媒中で、マロン酸ジアルキルと4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによる、光学活性の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルの製造方法。
  2. 式(1):
    〔式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アリール又はアルキルを表すか、あるいはR及びRが一緒になって結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
    *の少なくとも1つは、R配置又はS配置を表す。〕
    で示されるピリジンビスオキサゾリンと酸化カルシウムとを含むキラル触媒。
  3. 以下の工程を含む、光学活性のプレガバリンの製造方法;
    工程1:請求項2に記載のキラル触媒の存在下、芳香族炭化水素又は飽和炭化水素の溶媒中で、マロン酸ジアルキルと式(2)の4−メチル−1−ニトロ−1−ペンテンとを反応させることによって、式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを調製する工程、
    工程2:式(3)の5−メチル−3−ニトロメチル−2−アルコキシカルボニルヘキサン酸アルキルエステルを還元することによって、式(4)のラクタムを調製する工程、
    工程3:式(4)のラクタムを加水分解することによって、光学活性のプレガバリンを調製する工程。
    〔式中、Rはアルキルを表す。
    *は、R配置又はS配置を表す。〕
  4. 工程1〜3を多段階連続フローで反応を行う、請求項3に記載の光学活性のプレガバリンの製造方法。
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