JP2008545706A - 二官能性シンコナアルカロイド系触媒を用いた不斉アルドール付加 - Google Patents

二官能性シンコナアルカロイド系触媒を用いた不斉アルドール付加 Download PDF

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Abstract

本発明の1つの態様は、求電子成分であるケトンとの不斉触媒ニトロアルドール(ヘンリー)反応に関する。1つの実施形態では、本発明は、新しいC6’−OHシンコナアルカロイド触媒により触媒作用を受けるα−ケトエステルとの不斉ニトロアルドール反応に関する。ある実施の形態では、この反応は、操作が単純で、ことのほか、様々なα−ケトエステルについて、高エナンチオ選択性および良好ないし極めて優れた収率を提供する。

Description

政府の支援
本発明は、合衆国国立保健研究所により提供された支援(GM−61591)により行われた。したがって、合衆国政府は本発明に特定の権利を有する。
本発明は、求電子成分であるケトンとの不斉触媒ニトロアルドール(ヘンリー)反応に関する。
近年、鏡像異性的に純粋な化合物の需要が急速に伸びている。こういったキラル非ラセミアルコールの重要な用途の1つは、製薬業界における合成用中間体としてである。例えば、鏡像異性的に純粋な薬剤には、ラセミ薬剤混合物よりも優れた利点が数多くあることが次第に明らかになってきた。これらの利点として、鏡像異性的に純粋な化合物にしばしば見られる、副作用が少ないこと、および効能が大きいことが挙げられる。
有機合成の従来の方法が、ラセミ物質を製造するために、しばしば最適化された。鏡像異性的に純粋な物質の製造は、歴史的に、天然の供給源(いわゆる、「キラルプール」)に由来する鏡像異性的に純粋な出発物質の利用、および、古典的技法によるラセミ混合物の分割2つの方法のいずれかで行われてきた。しかしながら、これらの方法には、それぞれ重大な欠点がある。キラルプールは、自然界に見いだされる化合物に限られることから、特定の構造と立体配置しか容易に入手できない。ラセミ化合物の分割は、分割剤を使用する必要があり、不便で、時間がかかるであろう。
触媒不斉合成は、化学者に、錯体分子の効率的な合成のための新規で強力な手段を提供している。触媒系の多くが金属系であり、キラルルイス酸と有機金属の酸化還元系触媒に頼っているが、増大している多くの不斉反応は、膨大な種類の性質の状態を基に、キラル求核剤によって触媒されており、求核剤が極めて重要な役割を果たしている。主な参考文献については、非特許文献1〜7を参照のこと。 キラルアミンは、この不斉触媒という拡大する分野において、中心的な役割を果たしている。キラルアミンは不斉配位子として頻繁に用いられているが、それらもまた、広範な不斉転換を触媒し、また、光学的に豊富な生成物を、別の不斉技術では到達できないであろう高選択性および収量で生成することについて、極めて有望である。非特許文献8。
シンコナアルカロイドは、不斉触媒、その中でもとりわけ、ケテンアルコール分解についての1960年代からのプラセウス(Pracejus)の先駆的な研究に使用された最初のキラルアミンであった。シンコナアルカロイドは、また、天然物および薬化学に根ざした豊富で華やかな歴史を持つ。非特許文献9〜11。シンコナアルカロイドは、熱帯地域原産のキナノキ属の木の樹皮を抽出することによってまとめて単離される。有機化学のほかに、シンコナアルカロイドは、食品香味料として(例えば、トニック水の苦味成分として)、およびマラリアの治療に、幅広い用途が見出されている。非特許文献12および13。さらに、配位子、クロマトグラフィー・セレクタ、およびNMR識別剤としてのそれらの役割が、過去30年に亘り、広範に調査されてきた。過去40年に亘り、シンコナアルカロイドの触媒化学について、いくつかの論文が公表されてきた。非特許文献14〜17。
これらの反応は、ヘミエステル、α−アミノ酸およびα−ヒドロキシル酸などの、多岐にわたる重要なキラル構成単位の研究および工業規模の不斉合成の両方に、広く適用できそうである。市販の修飾された二量体シンコナアルカロイド(DHQD)2AQNおよび(DHQ)2AQNが、環式無水物のエナンチオ選択的アルコール分解のためのエナンチオ選択的で再利用可能な触媒として、デン(Deng)およびその共同研究者によって最近確認された。しかしながら、市販の(DHQD)2AQNは高価である。例えば、1モルの(DHQD)2AQNの市販価格(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company))は、$100,000を超える。さらには、この二量体触媒は、大量(例えば、キログラム単位)では入手できない。したがって、二量体触媒を用いた立体選択的反応は、比較的大規模(>0.1モル)では現実的ではない。よって、(DHQD)2AQNに対して比較的効果があるが、製造するのに実質的に費用が嵩まない新世代の単量体触媒の開発は、非常に実用的価値がある。
酸性および塩基性/求核性の構造部分の両方を有するキラル金属触媒およびキラル有機触媒が、不斉触媒の開発にとって強力な基盤を構成しつつある。効率的であるが容易に入手できるそのような二官能性キラル触媒の設計と開発は、依然として重大な課題である。ウィンバーグ(Wynberg)とその共同研究者は、天然のシンコナアルカロイドが、それらのC9−OH基とアミン基を介して、それぞれ、求核剤と求電子剤を活性化させることにより、エナンチオ選択的反応の二官能性キラル有機触媒として働いたことを示した。非特許文献18。しかしながら、キラル有機触媒としての天然シンコナアルカロイドにより触媒作用を受ける様々な反応のエナンチオ選択性は通常控えめなものであった。ハタケヤマとその共同研究者により、近年、キニジンから容易に入手できる硬質修飾シンコナアルカロイドが報告された。非特許文献19および20。その触媒は、エナンチオ選択的モリタ−ベイリス−ヒルマン(Morita-Baylis-Hillman)(MBH)反応にとって効率的であることが分かった。C6’−OH基とアミン基の両方が、エナンチオ選択的MBH反応の転移状態の安定化に関与すると考えられる。
ニトロアルドール反応、またはヘンリー反応は、容易に入手可能なニトロアルカンおよびカルボニル化合物から重要な合成中間体を直接入手する手段を提供する、重要な種類のC−C結合形成反応を構成する。参考文献として、非特許文献21〜23参照。有機合成の重要性の理由から、効率の良い触媒不斉ニトロアルドール反応の開発に、相当な努力が捧げられている。触媒不斉ニトロアルドール反応の最近の論文としては、非特許文献24を参照。上記のように、しばしば「合成カメレオン」とも称されるニトロ基は、付加が行われた後にさらに転換されるマスクされた官能基としても働くことができる。非特許文献25。ネフ反応、求核置換、アミノ基への還元、マイヤー(Myer)反応、およびニトリルオキシドへの転化は、ニトロ基が遂げることのできる転換のほんのわずかな例である。非特許文献26〜37。ニトロアルケンの使用をさらにより一層魅力的にする、多数の触媒的合成方法が近年開発されてきた。非特許文献38〜40。その結果、いくつかのキラル金属錯体および相間移動触媒が、アルデヒドとのエナンチオ選択的ニトロアルドール反応にとって、非常に効率的な触媒であることが分かってきた。非特許文献41〜47。
アルデヒドを使用した実質的な進歩とは対照的に、ケトンを用いたエナンチオ選択的ニトロアルドール反応の発展のための努力では、わずかな成果しか得られなかった。非特許文献48〜52。今日まで、唯一、ビスオキサゾリン銅錯体とトリエチルアミンで構成される触媒系が、α−ケトエチルエステルにニトロメタンを付加のための合成的に有用なエナンチオ選択性を提供することが知られている。しかしながら、20モル%の触媒充填と無水条件の使用が必要なだけでなく、反応の収量およびエナンチオ選択性の両方が、α−ケトエチルエステルの構造に依存することを示している。例えば、エナンチオ選択性は、芳香環上に電子求引基を有するアリールα−ケトエチルエステルとの反応では高く、この電子求引基を電子供与基で置換した場合はあまり高くならない。アルキルα−ケトエチルエステルの立体的な嵩高さによって、エナンチオ選択性は高くも控えめにもすることができたであろう。アルケニル基を有するα−ケトエチルエステルには、合成的に有用なエナンチオ選択性は達成できなかった。
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したがって、広範なα−ケトエチルエステルに高エナンチオ選択性を提供する触媒不斉ニトロアルドール反応の実現が、特に望まれている。エステルおよびニトロ基の合成汎用性と組み合わせた、このような反応は、様々な光学活性第3級カルビノールのエナンチオ選択的入手を提供するであろう。注目すべきは、本発明の1つの態様において、キニジンまたはキニーネに由来する二官能性有機触媒が、開発され、触媒不斉ニトロアルドール反応に利用されている。
本発明の1つの態様は、求電子成分であるケトンとの不斉触媒ニトロアルドール(ヘンリー)反応に関する。1つの実施形態では、本発明は新しいC6’−OHシンコナアルカロイド触媒により触媒作用を受けるα−ケトエステルとの不斉ニトロアルドール反応に関する。ある実施形態では、この反応は、操作が単純で、ことのほか、様々なα−ケトエステルについて、高エナンチオ選択性および良好ないし極めて優れた収率を提供する。
本発明の1つの態様は、一般に、キニーネおよびキニジン系の触媒に関する。ある実施の形態では、キニーネおよびキニジン系の触媒は、6’の位置に水素結合供与基を含む。ある実施の形態では、キニーネおよびキニジン系の触媒は、6’の位置にヒドロキシル基を含む。ある実施の形態では、キニーネおよびキニジン系の触媒は、C9の位置に−OC(=O)−アリール基または−OC(=O)−ヘテロアリール基を含む。好ましい実施の形態では、キニーネおよびキニジン系の触媒は、C9の位置に−OC(=O)Phを含む。
本発明の別の態様では、1)キニーネまたはキニジンを塩基および適切な離脱基を有する化合物と反応させ、2)環のメトキシ基をヒドロキシル基に転化する工程を有してなる、誘導体化されたキニーネおよびキニジン系の触媒を調製する方法に関する。ある実施の形態では、離脱基は、Cl、Br、I、OSOCH、またはOSOCFである。ある実施の形態では、離脱基は、ClまたはIである。ある実施の形態では、塩基は、トリアルキルアミンである。ある実施の形態では、キニーネおよびキニジン系触媒のヒドロキシル基は、ハロゲン化ベンゼンと反応する。
本発明の別の態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを触媒の存在下、求核剤と反応させ;それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;ここで、前記触媒は誘導体化されたキニーネまたはキニジンである、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンからキラル非ラセミアルコールを調製する方法に関する。ある実施の形態では、求核剤はニトロアルカンである。ある実施の形態では、求核剤はニトロメタンである。
ある実施の形態では、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは、電子欠損プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンである。ある実施の形態では、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは、α−ケトエステルである。ある実施の形態では、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは、α−ケトエチルエステルである。ある実施の形態では、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは、アルケニルα−ケトエチルエステルである。ある実施の形態では、触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約70モル%未満で存在する。ある実施の形態では、触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約40モル%未満で存在する。ある実施の形態では、触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約10モル%未満で存在する。ある実施の形態では、触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、キラル非ラセミアルコールは、約50%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有する。ある実施の形態では、キラル非ラセミアルコールは、約70%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有する。ある実施の形態では、キラル非ラセミアルコールは、約90%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有する。ある実施の形態では、キラル非ラセミアルコールは、約95%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有する。ある実施の形態では、キラル非ラセミアルコールは、約97%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有する。
本発明の別の態様は、ラセミキラルケトンまたはアルデヒドを誘導体化されたキニーネまたはキニジンの存在下、求核剤と反応させる工程を有してなる、速度論的分割方法に関する。ある実施の形態では、求核剤はニトロアルカンである。ある実施の形態では、求核剤はニトロメタンである。
定義
便宜上、明細書、実施例および添付の特許請求の範囲に用いられる特定の用語をここにまとめる。
「求核剤」という用語は当技術分野において認識されており、本明細書中では、反応性の高い電子対を有する化学的部分を意味する。求核剤の例として、水、アミン、メルカプタンおよびアルコールなどの非荷電性化合物、アルコキシド、チオラート、カルバニオンなどの荷電性部分、ならびに様々な有機および無機の陰イオンが挙げられる。陰イオン求核剤の例として、水酸化物、アジド、シアン化物、チオシアン酸、酢酸、ギ酸、クロロギ酸、および亜硫酸水素などの単純陰イオンが挙げられる。有機クプレート、有機亜鉛、有機リチウム、グリニャール試薬、エノラート、アセチリドなどの有機金属試薬が、適切な反応条件下では、適切な求核剤であろう。水素化物もまた、基質の還元が望まれる場合には、適切な求核剤であろう。
「求電子剤」という用語は当技術分野で認識されており、先に定義された求核剤から電子対を受容可能な化学的部分のことをいう。本発明にかかる方法に有用な求電子剤として、エポキシド、アジリジン、エピスルフィド、環状硫酸エステル、カーボネート、ラクトン、ラクタムなどの環状化合物が挙げられる。非環状求電子剤として、硫酸、スルホン酸(例えば、トシル酸(tosylates))、塩化物、臭化物、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
本明細書中で用いられる「求電子性原子」、「求電子中心」および「反応中心」という用語は、求核剤によって攻撃され、新たな結合を形成する基質の原子のことをいう。ほとんどの場合(すべてではないが)、これはまた、離脱基が離れていく原子でもある。
「電子求引基」という用語は当技術分野において認識されており、本明細書中では、同じ位置における水素原子と比較して、自身へと電子を引き寄せる力が強い官能基を意味する。典型的な電子求引基として、ニトロ、ケトン、アルデヒド、スルホニル、トリフルオロメチル、−CN、塩素などが挙げられる。「電子供与基」という用語は、本明細書中では、同じ位置における水素原子と比較して、自身へと電子を引き寄せる力が弱い官能基を意味する。典型的な電子供与基としては、アミノ、メトキシなどが挙げられる。
「ブレンステッド塩基」という用語は当技術分野で認識されており、非荷電、あるいは荷電された原子または分子、例えば、酸化物、アミン、アルコキシドまたはカーボネートなどのプロトン受容体のことをいう。
「ルイス塩基」および「ルイス塩基の」という用語は当技術分野において認識されており、特定の反応条件下で、電子対を供与する能力のある化学的部分のことをいう。ルイス塩基部分の例として、アルコール、チオール、オレフィン、およびアミンなどの非荷電の化合物、ならびにアルコキシド、チオレート、カルバニオンおよび他の様々な有機陰イオンなどの荷電された部分が挙げられる。
「ルイス酸」および「ルイス酸の」という用語は、当技術分野で認識されており、ルイス塩基から電子対を受容可能な化学的部分のことをいう。
「メソ化合物」という用語は、当技術分野において認識されており、少なくとも2つのキラル中心を持つが、その構造内に対称面または対称点もしくはその両方を有するという理由からアキラルである化合物のことをいう。
「キラル」という用語は、鏡像相手と重ね合わせることが不可能な性質を持つ分子のことをいい、一方、「アキラル」という用語は、鏡像相手と重ね合わせることができる分子のことをいう。「プロキラル分子」とは、特定の方法により、キラル分子に転化する可能性を有するアキラル分子のことをいう。
「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を持つが、原子や基の空間配置が異なる化合物のことをいう。特に、「鏡像異性体」という用語は、互いに鏡像を重ね合わせることができない、化合物の2つの立体異性体のことをいう。一方、「ジアステレオマー」という用語は、2つ以上の不斉中心を有するが、互いに鏡像ではない、対となる立体異性体同士の関係をいう。
さらには、「立体選択的方法」とは、反応生成物として生成しうる他の立体異性体に優先して、反応生成物の特定の立体異性体を生成する方法のことである。「エナンチオ選択的方法」とは、反応生成物の2つの生成しうる鏡像異性体のうち、一方の生成に有利に作用する方法のことである。本課題の方法は、キラル触媒の非存在下で、同一の反応を実行した場合に得られる立体異性体の収率と比較して、生成物の特定の立体異性体の収率が、統計的に有意な量を上回る場合に、「立体選択的に豊富な」生成物(例えば、エナンチオ選択的に豊富な、または、ジアステレオ選択的に豊富な)を生成するといわれる。例えば、本課題のキラル触媒の1つによって触媒作用を受けたエナンチオ選択的反応では、キラル触媒を欠いた反応のeeと比較して、特定の鏡像異性体のeeが大きくなるであろう。
「位置異性体」という用語は、同一の分子式を有するが、原子の結合性が異なる化合物のことをいう。したがって、「位置選択的方法」とは、例えば、その反応が、ある位置異性体を統計的に有意な優位性を保って生成するような、他に比べて特定の位置異性体の生成を優先させる方法である。
「反応生成物」という用語は、求核剤と基質の反応から得られる化合物を意味する。一般に、「反応生成物」という用語は、本明細書中では、安定な単離可能な化合物のことを称する場合に用いられ、不安定な中間体や遷移状態のことを称する場合には用いられないであろう。
「基質」という用語は、本発明に従って求核剤または環拡大試薬と反応し、立体中心を有する少なくとも1種類の生成物を生成可能な化合物を意味することを意図している。
「触媒量」という用語は当技術分野において認識されており、反応物質と比較したサブ化学量論的な(substoichiometric)量を意味する。本明細書では、触媒量は、反応物質と比較して、0.0001〜90モル%を意味し、0.001〜50モル%がより好ましく、0.01〜10モル%がさらに好ましく、反応物質と比較して0.1〜5モル%がさらになお好ましい。
以下にさらに十分に論じるとおり、本発明で意図される反応として、エナンチオ選択的、ジアステレオ選択的、および/または位置選択的反応が挙げられる。エナンチオ選択的反応は、アキラルな反応物質を、1つのエナンチオマーが豊富なキラル生成物へと転化させる反応である。エナンチオ選択性は、通常、下記に定義する「鏡像異性体過剰率」(ee)として数量化される:
%鏡像異性体過剰率A(ee) = (%鏡像異性体A) − (%鏡像異性体B)
ここでAおよびBは、生成した鏡像異性体である。エナンチオ選択性と併せて用いられる追加の用語として、「光学純度」または「光学活性」が挙げられる。エナンチオ選択的反応では、ゼロよりも大きなeeで生成物を生成する。エナンチオ選択的反応は、20%よりも大きいeeで生成物を生成することが好ましく、50%よりも大きいことがより好ましく、70%よりも大きいことがよりさらに好ましく、80%よりも大きいことが最も好ましい。
ジアステレオ選択的反応は、キラル反応物質(ラセミ体、または鏡像異性的に純粋であろう物質)を、1つのジアステレオマーが豊富な生成物に転化させる。もし、キラル反応物質がラセミ体である場合は、キラル非ラセミの薬剤または触媒の存在下で、一方の反応物質である鏡像異性体が、他方よりもゆっくりと反応するであろう。この類の反応は速度論的分割と称され、反応物質である鏡像異性体が反応速度の差異によって分割され、鏡像異性的に豊富な生成物と、鏡像異性的に豊富な未反応基質の両方を生じる。速度論的分割は、通常、1つの反応物質である鏡像異性体とだけ反応するのに十分な薬剤の使用によって達成される(すなわち、1モルのラセミ基質に対して1/2モルの薬剤)。ラセミ反応物質の速度論的分割に用いられる触媒反応の例として、シャープレスのエポキシ化反応および野依の水素化反応が挙げられる。
位置選択的反応は、1つの反応中心で、もう1つの同一ではない反応中心よりも優先して起こる反応である。例えば、不斉的に置換されたエポキシド基質の位置選択的反応として、エポキシ環の2つの炭素のうちの一方との優先的な反応が挙げられるであろう。
キラル触媒に関する「非ラセミ」という用語は、特定の鏡像異性体が50%よりも大きい、さらに好ましくは少なくとも75%である触媒の調製を意味する。「実質的非ラセミ」は、特定の鏡像異性体のeeが90%よりも大きく、さらに好ましくは95%よりも大きい触媒の調製のことをいう。
「ヘテロ原子」という用語は、当技術分野で認識されており、炭素または水素以外のいずれかの元素の原子のことをいう。実例となるヘテロ原子として、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄、およびセレニウムが挙げられる。
「アルキル」という用語は、当技術分野において認識されており、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキルで置換されたシクロアルキル基、およびシクロアルキルで置換されたアルキル基を含む飽和脂肪族基が挙げられる。ある実施の形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格に、約30個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC〜C30、分岐鎖ではC〜C30)、または、約20個以下の炭素原子を有する。同様に、シクロアルキルはその環構造中に約3〜約10個の炭素原子を有し、あるいは、環構造中に約5、6または7個の炭素を有する。
炭素数が別記されない限り、「低級アルキル」は、先に定義されたアルキル基であって、その骨格構造に1〜約10個の炭素原子、あるいは、1〜約6個の炭素原子を有するもののことを称する。同じように、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は同様の鎖長を有する。
「アラルキル」という用語は当技術分野において認識されており、アリール基(例えば芳香族またはヘテロ芳香族基)で置換されたアルキル基のことをいう。
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、当技術分野において認識されており、上述のアルキルと同様の鎖長および可能性のある置換を有するが、それぞれ、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む不飽和脂肪族基のことをいう。
「アリール」という用語は、当技術分野において認識されており、0〜4個のヘテロ原子を含んでも差し支えない、5,6,7員の単環芳香族基、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどのことを称する。環構造中にヘテロ原子を有するそれらのアリール基もまた、「アリールへテロ環」または「ヘテロ芳香族」と称されるであろう。芳香族環は、環の1つまたはそれ以上の位置において、本明細書に記載される置換基、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香族またはヘテロ芳香族部分、−CF、−CNなどで置換されて構わない。「アリール」という用語もまた、隣接する2つの環が2つ以上の炭素を共有し(その環は「縮合環」である)、ここで、少なくとも環の一方が芳香族であり、例えば他の環式環が、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/または複素環であって構わない、2以上の環式環を有する多環式環系を含む。
オルト、メタ、およびパラという用語は、当技術分野において認識されており、それぞれ、1,2−、1,3−および1,4−の2置換ベンゼンのことを称する。例えば、1,2−ジメチルベンゼンとオルト−ジメチルベンゼンという名称は同意語である。
「複素環」、「ヘテロアリール」または「複素環基」という用語は当技術分野において認識されており、3〜約10員環構造、あるいはその環構造に1〜4個のヘテロ原子を含む3〜約7員環構造を称する。複素環もまた、多環式であって構わない。複素環基として、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンチン、フェノキサンチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、例えばアゼチジノンおよびピロリジノンなどのラクタム、スルタム、スルトンなどが挙げられる。複素環は、1またはそれ以上の位置において、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香族またはヘテロ芳香族部分、−CF、−CNなどで置換されて差し支えない。
「多環式」または「多環式基」という用語は当技術分野において認識されており、2個またはそれ以上の炭素原子を、例えば「縮合環」である、2つの隣接した環で共有している、2つまたはそれ以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/または複素環)のことを称する。隣接していない原子を介して結合している環は「架橋」環と称される。多環式の各環は、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、複素環、芳香族またはヘテロ芳香族部分、−CF、−CNなどで置換されて差し支えない。
「炭素環」という用語は当技術分野において認識されており、環の各原子が炭素である芳香族または非芳香族環のことを称する。
「ニトロ」という用語は当技術分野において認識されており、−NOのことをいう;「ハロゲン」という用語は当技術分野において認識されており、−F、−Cl、−Brまたは−Iのことをいう;「スルフヒドリル」という用語は当技術分野において認識されており、−SHのことをいう;「ヒドロキシル」という用語は−OHを意味する;「スルホニル」という用語は当技術分野において認識されており、−SO−のことをいう;「ハロゲン化物」はハロゲンに対応する陰イオンを表し、「擬ハロゲン化物」は、コットン(Cotton)とウィルキンソン(Wilkinson)による"Advanced Inorganic Chemistry"の560頁に説明される定義を有する。
「アミン」および「アミノ」という用語は、当技術分野で認識されており、非置換または置換されたアミンの両方を称し、例えば、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここで、R50、R51、R52およびR53は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61を表すか、または、R50およびR51またはR52が付加されるN原子と一体となって環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成し;R61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し;mは0または1〜8の整数を表す。他の実施の形態では、R50およびR51(および随意的にR52)は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−R61を表す。したがって、「アルキルアミン」という用語には、置換もしくは非置換のアルキルが付加されている、すなわち、R50およびR51の少なくとも一方がアルキルである、先に定義されたアミン基が含まれる。
「アシルアミノ」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここで、R50は先に定義したとおりであり、R54は水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−R61を表し、ここでmおよびR61は先に定義したとおりである。
「アミド」という用語は、アミノ基で置換されたカルボニルとして当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここで、R50およびR51は先に定義したとおりである。本発明におけるアミドのある実施の形態には、不安定であるかもしれないイミドは含まれないであろう。
「アルキルチオ」という用語は、硫黄ラジカルが付加された、先に定義されたアルキル基のことを称する。ある実施の形態では、「アルキルチオ」部分は、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、および−S−(CH−R61のいずれか1つで表され、ここでmおよびR61は先に定義したとおりである。代表的なアルキルチオ基として、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
「カルボキシル」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分を含み、
ここでX50は結合、もしくは酸素または硫黄を表し、R55およびR56は、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61または医薬品的に容認可能な塩を表し、R56は水素、アルキル、アルケニルまたは−(CH−R61を表し、ここでmおよびR61は先に定義したとおりである。X50が酸素であり、R55またはR56が水素ではない場合、その構造式は「エステル」を表す。X50が酸素であり、R55が先に定義したとおりである場合、その部分は、本明細書中では、カルボキシル基と称され、特に、R55が水素のとき、その構造式は「カルボン酸」を表す。X50が酸素であり、R56が水素である場合、その構造式は「ギ酸エステル」を表す。一般に、上記構造式の酸素原子が硫黄で置換されると、その構造式は「チオカルボニル」基を表す。X50が硫黄であり、R55またはR56が水素ではない場合、その構造式は、「チオールエステル」を表す。X50が硫黄であり、R55が水素のとき、その構造式は「チオールカルボン酸」を表す。X50が硫黄であり、R56が水素のとき、その構造式は「チオギ酸エステル(thiolformate)」を表す。一方、X50が結合であり、R55が水素ではない場合、上記構造式は、「ケトン」基を表す。X50が結合であり、R55が水素のとき、上記構造式は「アルデヒド」基を表す。
「カルバモイル」という用語は−O(C=O)NRR’のことを称し、ここでRおよびR’は、独立してH、脂肪族基、アリール基またはヘテロアリール基である。
「オキソ」という用語は、カルボニル酸素(=O)のことをいう。
「オキシム」および「オキシムエーテル」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR75は水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルまたは−(CH−R61である。RがHのとき、その部分は「オキシム」であり、Rがアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルまたは−(CH−R61のときは「オキシムエーテル」である。
「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は当技術分野で認識されており、酸素ラジカルが付加された、先に定義されたアルキル基のことをいう。代表的なアルコキシル基として、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」は、2つの炭化水素が1つの酸素と共有結合している。従って、アルキルをエーテルに変化させるアルキルの置換基は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(CH−R61のうちの1つで表されるアルコキシルか、それに類似のものであり、ここで、mおよびR61は先に定義された通りである。
「スルホネート」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR57は電子対、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである。
「サルフェート」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR57は先に定義した通りである。
「スルホンアミド」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR50およびR56は先に定義した通りである。
「スルファモイル」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR50およびR51は先に定義した通りである。
「スルホニル」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR58は次のうちの1つである:水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール。
「スルホキシド」という用語は当技術分野で認識されており、一般式:
Figure 2008545706
で表される部分のことをいい、
ここでR58は先に定義した通りである。
アルケニル基およびアルキニル基に同様の置換を行い、例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニルを生成してもよい。
「1−アダマンチル」という用語は当技術分野で認識されており、構造式:
Figure 2008545706
で表される部分を含む。
「(−)−メンチル」という用語は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 2008545706
「(+)−メンチル」という用語は当技術分野で認識されており、構造式:
Figure 2008545706
で表される部分を含む。
「イソボルニル」という用語は当技術分野で認識されており、構造式:
Figure 2008545706
で表される部分を含む。
「イソピノカンフィル(isopinocamphyl)」という用語は当技術分野で認識されており、構造式:
Figure 2008545706
で表される部分を含む。
「(+)−フェンキル(fenchyl)」という用語は当技術分野で認識されており、構造式:
Figure 2008545706
で表される部分を含む。
略語「QD」は下記の構造式に従った部分を表す:
Figure 2008545706
「Q」は下記の構造式に従った部分を表す:
Figure 2008545706
例えばアルキル、m、nなどの各表示の定義が、構造内で複数用いられる場合、同じ構造中の他の箇所におけるその定義から独立していることが意図される。
略語Me、Et、Ph、Tf、Nf、TsおよびMsは、それぞれ、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p−トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルを表す。当技術分野における通常の技術を有する有機化学者に用いられる略語のさらなる総合的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の創刊号に掲載されており、このリストは、通常、Standard List of Abbreviationsという表題で示されている。
「置換」および「〜で置換された」には、これらの置換が、置換された原子および置換基に許容される価数に従うこと、および、その置換によって、例えば、転位、環化、脱離または他の反応などによって自発的に転換しない安定な化合物が得られる、という暗黙の条件が含まれることが理解されよう。
「置換された」という用語もまた、有機化合物の許容されるすべての置換基を含むことが意図されている。広範な態様において、許容される置換基として、有機化合物の、非環式および環式、分枝鎖および非分枝鎖、炭素環および複素環、芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。実例となる置換基として、例えば、前述のものが挙げられる。許容される置換基は、1つまたはそれ以上であって、適切な有機化合物と同一または異なる基であって差し支えない。本発明の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす、前述の有機化合物の許容される置換基を有していて差し支えない。本発明は、有機化合物の許容される置換基によるいかなる方法によっても限定されることを意図しない。
本発明の目的のため、化学元素は、"Handbook of Chemistry and Physics", 67th Ed., 1986-87, CAS Versionの内表紙の元素周期表に従って認定されている。
本発明の触媒
本課題の方法に用いられる触媒は、カルボニル部分の2つの立体表面;または、2つまたはそれ以上のプロキラルな部分(例えば、プロキラルまたはメソ分子(すなわち、少なくとも2つのキラル中心を含む分子)であって、その両方が内部に対称面または対称点、もしくはその両方を含むものにおける対称に関する部分)を立体化学的に識別する、不斉環境を与える非ラセミのキラルアミンである。一般に、本発明によって意図される触媒は、多くの特性の観点から特徴づけることができる。例えば、本発明が意図する各触媒の顕著な態様は、アミン窒素の近くに剛性もしくは半剛性の環境を提供する第3級アミン部分を取り入れた、不斉な二環あるいは多環の骨格の利用に関する。この特性は、骨格中に存在する1つ以上の不斉中心に近接したアミン窒素に構造的な剛性を課すことを通じて、転換全般について、対応するジアステレオマーの遷移状態のエネルギーに有意義な差異を作り出すことに寄与する。さらには、置換基の選択もまた、触媒の反応性に影響を与えるであろう。
上述のとおり、触媒の置換基の選択もまた、触媒の電子特性に影響を与えうる。電子が豊富な(電子供与)部分(例えば、アルコキシまたはアミノ基)で触媒を置換すると、第3級アミン窒素での触媒の電子密度が上昇し、より強い求核剤および/またはブレンステッド塩基および/またはルイス塩基となるであろう。逆に、電子が乏しい部分(例えば、クロロまたはトリフルオロメチル基)で触媒を置換すると、第3級アミン窒素での触媒の電子密度が低下し、より弱い求核剤および/またはブレンステッド塩基および/またはルイス塩基となりうる。つまり、第3級アミン窒素での電子密度が窒素のルイス塩基度およびその求核性に影響を及ぼすであろうことから、触媒の電子密度は重要であるといえる。よって、適切な置換基の選択により、反応速度の「チューニング」および反応の立体選択が可能になる。
本発明の1つの態様は、下記構造式I:
Figure 2008545706
で表される化合物に関し、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでR4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
本発明の別の態様は、下記構造式II:
Figure 2008545706
で表される化合物に関し、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
1は、アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでR4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
本発明の方法−不斉二官能性触媒の調製
本発明にかかる1つの態様は、スキーム1:
Figure 2008545706
に表されるような二官能性触媒の調製方法に関し、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Xは、Cl、Br、I、OSOCH、またはOSOCFを表し、
Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
R’は、−Si(R”)、アラルキル、またはテトラヒドロピラニルを表し、
R”は、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
塩基はブレンステッド塩基であり、
酸はブレンステッド酸である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでXはClまたはIである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記塩基はトリアルキルアミンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記塩基はトリエチルアミンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記酸はHF、HCl、HBr、HI、HNO、またはHSOである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記酸はHFである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR’は−Si(R”)を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR’は−Si(R”)、R”はアルキルまたはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
本発明にかかる別の態様は、スキーム2:
Figure 2008545706
に表されるような二官能性触媒の調製方法に関し、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Xは、Cl、Br、I、OSOCH、またはOSOCFを表し、
Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
R’は、−Si(R”)、アラルキル、またはテトラヒドロピラニルを表し、
R”は、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
塩基はブレンステッド塩基であり、
酸はブレンステッド酸である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでXはClまたはIである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記塩基はトリアルキルアミンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記塩基はトリエチルアミンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記酸はHF、HCl、HBr、HI、HNO、またはHSOである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記酸はHFである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR’は−Si(R”)を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR’は−Si(R”)、R”はi−Prを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
本発明の方法−触媒反応
本発明の1つの態様では、プロキラルまたはラセミ出発物質から、少なくとも1つの立体中心を有する化合物を立体選択的に生成する方法を提供する。この発明の有利な点は、鏡像異性的に豊富な生成物をプロキラルまたはラセミ反応物質から合成できることである。別の利点は、望まない鏡像異性体の生成に伴う収量の損失を、実質的に低減または完全に排除することができることである。
一般に、本発明は、求核剤、プロキラルまたはラセミ基質、および特定の特徴(本明細書に記載されているような)を有する、少なくとも触媒量の非ラセミのキラル触媒の混合を含む、立体選択的な求核付加方法を特徴とする。反応基質として、求核剤による攻撃の影響を受けやすいカルボニルが挙げられる。混合は、キラル触媒に適した条件下で維持され、求核性の反応物質とカルボニル含有基質(例えばα−ケトエステル)の求核付加反応に触媒作用を及ぼす。この反応は、エナンチオ選択的方法およびジアステレオ選択的方法に適用可能である。それは、位置選択的反応にも適合するであろう。本発明に従って触媒してもよいエナンチオ選択的反応、速度論的分割、および位置選択的反応の例を次に示す。
本発明にかかる方法は、光学活性な生成物を、非常に高い立体選択性(例えば、エナンチオ選択性またはジアステレオ選択性)または位置選択性で提供することができる。本課題となる不斉化反応の好ましい実施の形態では、約50%を超える、約70%を超える、約90%を超える、および最も好ましくは約95%を超える鏡像異性体過剰率で生成物を得ることが可能である。本発明にかかる方法は、商業的利用に適した反応条件下で行うことが可能であり、典型的には大規模な工程に適した反応速度で行うことができる。
上記の論考から明らかなように、本発明にかかる不斉合成方法によって生成するキラル生成物を、さらなる反応に供し、それらの所望の誘導体を得ることができる(例えばスキーム3)。これらの許容される誘導体化反応は、当技術分野で知られている従来的な手法に従って行うことができる。例えば、可能性のあるニトロ誘導体化反応として、ネフ反応、求核置換、アミノ基への還元、マイヤー反応、二トリル酸化物への転換などが挙げられる。本発明は、治療用化合物の調製または開発、もしくはその両方に有用な最終生成物および合成中間体の調製を明確に意図するものである。
Figure 2008545706
本発明の1つの態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを、触媒の存在下、ニトロアルカンと反応させ;それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで前記触媒が構造式I:
Figure 2008545706
で表される、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンから、キラル非ラセミアルコールを調製する方法に関し、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は、前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、またはニトロブタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、またはニトロエタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはA:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Xは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Zは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはAによって表され、ZはHまたはトリフルオロメチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはB:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表し、
Jは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
GおよびJは、共有結合によって結合し、4、5、6、7、または8員環を形成して差し支えない。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはBによって表され、JはHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはBによって表され、Bはシクロブタン−1,2−ジオン、シクロペンタン−1,2−ジオン、シクロヘキサン−1,2−ジオン、シクロヘプタン−1,2−ジオン、またはシクロオクタン−1,2−ジオンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約50%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約70%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約90%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約95%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明にかかる1つの態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンから、キラル非ラセミアルコールを調製する方法に関するものであって;
触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンをニトロアルカンと反応させ、それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで、その触媒は、構造式II:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は、前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、またはニトロブタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、またはニトロエタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはA:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Xは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Zは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはAによって表され、ZはHまたはトリフルオロメチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはB:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表し、
Jは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
GおよびJは、共有結合によって結合し、4、5、6、7、または8員環を形成して差し支えない。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはBによって表され、JはHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンはBによって表され、Bはシクロブタン−1,2−ジオン、シクロペンタン−1,2−ジオン、シクロヘキサン−1,2−ジオン、シクロヘプタン−1,2−ジオン、またはシクロオクタン−1,2−ジオンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約50%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約70%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約90%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約95%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明にかかる1つの態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンから、キラル非ラセミアルコールを調製する方法に関するものであって;
触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを求核剤と反応させ、それによって、キラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで前記触媒は、構造式III:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
前記求核剤は、構造式IV:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでEは−NOである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、Rはアルキル、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、RはH、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは電子欠損性である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは構造式V:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Yは、Hまたは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Zは、−CF、−C(=O)OW、−C(=O)N(W)、−C(=O)SW、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Wは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Yはアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、YはCH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWであり、Wはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OEtである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Yはアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであり、Zは−C(=O)OWであり、Wはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、YはCH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−であり、Zは−C(=O)OEtである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約50%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約70%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約90%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約95%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約97%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明にかかる別の態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンから、キラル非ラセミアルコールを調製する方法に関するものであって;
触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを求核剤と反応させ、それによって、キラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで、前記触媒は、構造式VI:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
前記求核剤は、構造式IV:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでEは−NOである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、Rはアルキル、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、RはH、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは電子欠損性である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは構造式V:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Yは、Hまたは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Zは、−CF、−C(=O)OW、−C(=O)N(W)、−C(=O)SW、または、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Wは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Yはアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、YはCH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWであり、Wはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OEtである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Yはアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであり、Zは−C(=O)OWであり、Wはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、YはCH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−であり、Zは−C(=O)OEtである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約50%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約70%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約90%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約95%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約97%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明にかかる別の態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンから、キラル非ラセミアルコールを調製する前記方法のいずれか1つに関するものであり、ここで、前記触媒は、構造式IIIまたは構造式VIではなく、構造式VIIまたは構造式VIII:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hまたは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−複素環、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
本発明にかかる別の態様は、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンから、キラル非ラセミアルコールを調製する前記方法のいずれか1つに関するものであり、ここで、前記触媒は、構造式IIIまたは構造式VIではなく、構造式IXまたは構造式X:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、−C(=S)N(H)−アリールを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは、−C(=S)N(H)−単環式アリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは、−C(=S)N(H)−単環式アリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、および−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)からなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、図29に示す6種類の触媒のいずれか1つから選択される。
本発明の方法−速度論的分割
本発明の別の態様では、基質あるいは求核剤の鏡像異性体またはジアステレオマーは、課題とされるキラル触媒を用いて、ラセミ基質を転化する触媒によって起こる。ラセミ基質のための本課題となる速度論的分割方法では、一方の鏡像異性体を未反応基質として回収することができると同時に、もう一方を所望の生成物へと転換させることが可能である。もちろん、求核剤と反応させて望まない鏡像異性体を取り除き、反応混合物から、未変化の所望の鏡像異性体を回収することによっても、速度論的分割を行いうるということは、喜ばしいことであろう。この手法の1つの重要な利点は、高価で鏡像異性体的に純粋な出発物質ではなく、安価なラセミ出発物質を利用できることである。ある実施の形態では、本課題となる触媒は、カルボニル部分を含むラセミ物質の速度論的分割に用いて差し支えない。
本発明にかかるある実施の形態は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、ニトロアルカンをラセミアルデヒドまたはラセミケトンと反応させ、それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで、前記触媒は、構造式I:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は、前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、またはニトロブタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、またはニトロエタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはA:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Xは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Zは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはAによって表され、ZはHまたはトリフルオロメチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはB:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表し、
Jは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
GおよびJは、共有結合によって結合し、4、5、6、7、または8員環を形成して差し支えない。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはBによって表され、JはHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはBによって表され、Bはシクロブタン−1,2−ジオン、シクロペンタン−1,2−ジオン、シクロヘキサン−1,2−ジオン、シクロヘプタン−1,2−ジオン、またはシクロオクタン−1,2−ジオンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約50%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約70%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約90%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約95%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了するかまたは中断するとき、未反応のアルデヒドまたはケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のアルデヒドまたはケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
本発明にかかる1つの実施の形態は、速度論的分割方法に関するものであって;
触媒の存在下で、ラセミアルデヒドまたはラセミケトンをニトロアルカンと反応させ;それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
ここで、前記触媒が、構造式II:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換のアリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は、前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでR1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、またはニトロブタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタン、またはニトロエタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ニトロアルカンはニトロメタンである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはA:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Xは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Zは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはAによって表され、ZはHまたはトリフルオロメチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはB:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表し、
Jは、H、ペルフルオロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
GおよびJは、共有結合によって結合し、4、5、6、7、または8員環を形成して差し支えない。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはBによって表され、JはHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンはBによって表され、Bはシクロブタン−1,2−ジオン、シクロペンタン−1,2−ジオン、シクロヘキサン−1,2−ジオン、シクロヘプタン−1,2−ジオン、またはシクロオクタン−1,2−ジオンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記ラセミアルデヒドまたはラセミケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約50%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約70%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約90%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミアルコールは、約95%より大きい鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了するかまたは中断するとき、未反応のアルデヒドまたはケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のアルデヒドまたはケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
本発明にかかる1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、構造式III:
Figure 2008545706
で表される触媒の存在下で、ラセミアルデヒドまたはケトンを求核剤と反応させる工程を有してなり、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
前記求核剤は、構造式IV:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでEは−NOである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、Rはアルキル、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、RはH、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記アルデヒドまたはケトンは電子欠損性である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは構造式V:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Yは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Zは、−CF、−C(=O)OW、−C(=O)N(W)、−C(=O)SW、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Wは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Yはアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWであり、Wはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OEtである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
本発明にかかる別の態様は速度論的分割方法に関するものであって、構造式VI:
Figure 2008545706
で表される触媒の存在下で、ラセミアルデヒドまたはラセミケトンを求核剤と反応させる工程を有してなり、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
前記求核剤は、構造式IV:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールまたはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは一置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでnは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルキル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rはエチル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアリール、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは置換または非置換のフェニル、Rはアルケニル、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは非置換のフェニル、Rは−CH=CH、mは0、nは0を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでEは−NOである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、Rはアルキル、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Eは−NO、RはH、RはHである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記アルデヒドまたはケトンは電子欠損性である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンは構造式V:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Yは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Zは、−CF、−C(=O)OW、−C(=O)N(W)、−C(=O)SW、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
Wは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Yはアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OWであり、Wはアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法に関するものであり、ここで、Zは−C(=O)OEtである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記アルデヒドまたはケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
本発明にかかる別の態様は、前記速度論的分割方法のいずれか1つに関するものであり、ここで、前記触媒は、構造式IIIまたは構造式VIではなく、構造式VIIまたは構造式VIII:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−複素環、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
本発明にかかる別の態様は、前記速度論的分割方法のいずれか1つに関するものであり、ここで、前記触媒は、構造式IIIまたは構造式VIで表されるのではなく、構造式IXまたは構造式X:
Figure 2008545706
で表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、−C(=S)N(H)−アリールを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは、−C(=S)N(H)−単環式アリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでRは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、および−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)からなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、図29に示す6種類の触媒のいずれか1つから選択される。
求核剤
本発明に有用な求核剤は、いくつかの基準に従い、熟練した当業者により判断されるであろう。各基質に適した求核剤を選択可能であり、基質の構造および所望の生成物によって異なるであろう。ある変化にとって好ましい求核剤を決定するためには、所定の実験が必要とされるであろう。例えば、窒素含有の求核剤が望ましい場合には、アンモニア、フタルイミド、ヒドラジン、アミンなどから選択して差し支えない。同様に、水、水酸化物、アルコール、アルコキシド、シロキサン、カルボキシラート、または過酸化物などの酸素求核剤を酸素の導入に用いて差し支えなく、また、メルカプタン、チオラート、亜硫酸水素、チオシアン酸などは、硫黄含有部分を導入するのに用いて構わない。さらなる求核剤については、当業者にとって明白であろう。陰イオンとして存在する求核剤のための対イオンは、アルカリおよびアルカリ土類金属の陽イオン、およびアンモニウムの陽イオンを含む、様々な従来の陽イオンのいずれかであってよい。ある実施の形態では、求核剤は基質の一部であって差し支えなく、それによって、分子内反応が起こる。求核剤は、第1級、第2級、または第3級の求核剤であって構わない。
基質
先に検討したとおり、様々な基質が、本発明にかかる方法に有用である。基質の選択は、用いられる求核剤および所望の生成物などの要素によって決定されるであろうし、適切な基質は、熟練した当業者にとって明白であろう。干渉する官能基を含まない基質が好ましいであろうことは、理解されよう。一般に、適切な基質は、求核剤が前記触媒の助力を受けて攻撃するであろう、相異なる立体面を有する少なくとも1つの反応性求電子中心または部分;または、内部の対称面または対称点もしくはその両方に関係する少なくとも2つの求電子部分を含むであろう。求電子中心での求核剤の触媒された立体選択的攻撃により、キラル非ラセミ生成物が生成するであろう。本発明にかかる方法に利用することが意図される基質の多くは、少なくとも1つのカルボニルを含む。いくつかの実施の形態では、適切なカルボニル含有基質は、さらに、カルボニルが求核剤の攻撃の影響をより受けやすくする電子求引基を含むであろう。本課題の方法による求核剤の攻撃の影響を受けやすい適切なカルボニル含有基質の例として、α−ケトエステルが挙げられる。
反応条件
本発明にかかる不斉反応は、広範な条件下で行って差し支えなく、本明細書中に列挙する溶媒および温度範囲は限定的なものではなく、単に本発明の方法の好ましい態様に相当するものであることは理解されるであろう。
一般に、反応は、基質、触媒もしくは生成物に悪影響を与えない、穏やかな条件下で行われることが望まれるであろう。例えば、反応温度は、反応物質、生成物および触媒の安定性と同様に、反応の速度にも影響を与える。反応は、通常、−78℃〜100℃の範囲の温度で行われ、−20℃〜50℃の範囲がさらに好ましく、−20℃〜25℃の範囲がさらになお好ましいであろう。
一般に、本発明にかかる不斉合成反応は、液体の反応媒質中で行われる。反応は、溶媒を加えずに行ってもよい。あるいは、反応は不活性溶媒中で行ってもよく、その場合、触媒を含めた反応物質は、実質的に溶解性であることが好ましい。適切な溶媒としては、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化溶剤;ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタンなどの脂肪族または芳香族の炭化水素溶剤;酢酸エチル、アセトンおよび2−ブタノンなどのエステルおよびケトン;アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン溶剤;もしくは2種類以上の溶剤の組合せが挙げられる。さらには、ある実施の形態では、例えば、エタノールが所望の求核剤である場合に、溶媒としてエタノールを利用するなど、用いられる条件下において、基質に対して不活性ではない溶媒を用いることは、有利であろう。水または水酸化物が好ましい求核剤ではない実施形態では、反応は、無水条件下で行うことができる。ある実施の形態では、エーテル溶媒が好ましい。水または水酸化物が好ましい求核剤である実施形態では、反応は、適切な量の水および/または水酸化物を含む混合溶媒中で行われる。
本発明は、溶媒の二層混合物中、乳濁液または懸濁液中、もしくは脂質ベシクルまたは脂質二重層中での反応をも意図している。ある実施の形態では、触媒反応を固相で行うことが、好ましいであろう。
ある好ましい実施の形態では、反応は、反応ガス雰囲気下で行って差し支えない。例えば、求核剤としてシアニドを用いた不斉化反応は、HCNガス雰囲気下で行って差し支えない。反応ガスの分圧は、10.1325kPa〜1.01325×10kPa(0.1〜1000atm)であり、50.6625kPa〜1.01325×10kPa(0.5〜100atm)がさらに好ましく、1.01325×10kPa〜1.01325×10kPa(1〜10atm)の範囲が最も好ましいであろう。
ある実施の形態では、反応が、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
本発明にかかる不斉合成方法は、連続的、半連続的、またはバッチ方式にて行うことができ、必要に応じて、液体循環および/またはガス循環操作を伴って差し支えない。本発明にかかる方法は、バッチ方式で行われることが好ましい。同様に、反応材料、触媒および溶媒の添加の方法もしくは順番もまた重要ではなく、従来方式のいずれにおいても成し遂げられるであろう。
本反応は、単一の反応帯または複数の反応帯で、連続的にまたは同時進行で、行うことが可能であり、もしくは、細長い管状の領域または連続したこれらの領域内において、バッチ方式で、または連続的に行って差し支えない。用いられる構成物質は、反応の間は出発物質に対して不活性なもので構成されるべきであり、装置は、反応温度および圧力に耐えうるように製作されるべきである。反応過程における、反応帯にバッチ式、または連続的に導入される出発物質または材料の量の導入および/または調節手段を、特に、出発物質の所望のモル比を維持する方法に便利に活用することができる。反応工程は、1つの出発物質を他方に追加的に付加することによってもたらされるであろう。また、反応工程は、出発物質を、光学活性な金属−配位子錯体触媒に共有付加(joint addition)することにより結合させることができる。完全な転換が望ましくないか、または提供できない場合は、出発物質を生成物から分離し、再度、反応帯へ戻すことができる。
工程は、グラスライニングされたステンレス鋼、または類似の反応装置で行って差し支えない。過度の温度の変動を制御するため、または可能性のある反応温度の「暴走」を未然に防ぐため、反応帯に、1つまたはそれ以上の熱交換器を内蔵させ、および/または外部に取り付けてもよい。
さらには、キラル触媒は、例えば、1つまたはそれ以上の置換基を介してポリマーまたは固体担体に共役結合することなどにより、ポリマーまたは他の不溶性の基材に固定または導入することが可能である。固定された触媒は、例えば、ろ過または遠心分離などによって、反応後、容易に再生して構わない。
エナンチオ選択的アザ・ヘンリー(Aza-Henry)反応の効果的なキラル有機触媒について報告されているが、直接的な不斉ヘンリー反応のための効果的なキラル有機触媒については開発されていない。触媒不斉アザ・ヘンリー反応についての最近の検討については、Westermann, B. Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 151-153を参照のこと。有機触媒を用いた触媒不斉アザ・ヘンリー反応についての最近の検討については、Yoon, T. P.; Jacobsen, E. N. Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 466-468; Nugent, B. M.; Yoder, R. A.; Johnston, J. N. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 3418-3419; Okino, T.; Nakamura, S.; Furukawa, T.; Takemoto, Y. Org. Lett. 2004, 6, 625-627を参照のこと。C6’−OHシンコナアルカロイド1a〜c(図1)は、多様なエナンチオ選択的共役付加の効果的な触媒として報告された。Li, H.; Wang, Y.; Tang, L.; Deng, L. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 9906-9907; Li, H.; Wang, Y.; Tang, L.; Wu, F.; Liu, X.; Guo, C; Foxman, B. M.; Deng L. Angew. Chem.Int. Ed. 2005, 44, 105-108; Liu, X.; Li, H.; Deng, L. Org. Lett. 2005, 7, 167-169; and Li, H.; Song, J.; Liu, X.; Deng, L. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 8948-8949. 機構の研究により、キヌクリジン窒素およびC6’−OHを介したマイケル供与体および受容体との水素結合相互作用を介して、触媒1が酸−塩基二官能性触媒としての働きをしうることが示された(図2)。
本発明の1つの実施形態では、ニトロメタンをアルケニルα−ケトエステル2aに付加する。興味深いことに、この発明以前には、この重要な種類であるα−ケトエステルのニトロアルドール反応において、高エナンチオ選択性は達成されていなかった。さらには、アルケニルα−ケトエステルがニトロアルカンとの1,2−および1,4−付加を係合可能であることから、アルケニルα−ケトエステルは、ニトロアルドール反応にとって特に課題となる種類の物質を与える。先に報告したように、ニトロメタンはEtNの存在下、2aと反応して生成物3aおよび3a’を4:1の比で与える(図3、エントリー1)。Christensen, C; Mil, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881を参照。
様々なシンコナアルカロイドによる発展によって、ジクロロメタン中での2aへのニトロメタンの付加が、ニトロアルドール生成物3aを提供する高化学選択的方法を促進することが見出された(図3)。C6’−OHシンコナアルカロイド1a〜cのエナンチオ選択性は、C6’−OMeシンコナアルカロイドで表されるものよりもかなり高いことが見出された(図3のエントリー2〜4に対するエントリー6〜8)。さらには、1のエナンチオ選択性におけるC9−置換基(OR)の重大な効果が、この置換基の改質によって、ニトロアルドール反応のためのより効果的で実用的なC6’−OHシンコナアルカロイドを見出す可能性を引き上げた。この仮説を受けたさらなる研究により、C9−OBz基を有するC6’−OHシンコナアルカロイド(QD−1d)が、1a〜cよりもさらに効果的であることを発見するに至った。QD−1dまたはQ−1dのいずれかの存在下での2aへのニトロメタンの付加は、97%eeで起こる(図3、エントリー9〜10)。以下の実施例に開示される1dの調製は、1cの調製に必要な薬剤に比べて、非常に安価に行われることは注目に値する。
5モル%の1dで、アルケニルα−ケトエステル2a〜bのみならず、広範なアリールおよびアルキルα−ケトエステル2c〜mでも、優れたエナンチオ選択性と高収率を達成することができた(図4)。よって、1dのエナンチオ選択性は、2の立体構造または電子特性のいずれにも影響を受けにくい。電子的に豊富なアリール、立体構造的に嵩高いアルキルおよびアルケニル基を有するα−ケトエステル2で得られた今までに例のない優れたエナンチオ選択性は、注目に値する。それらの中でも、2a、2dおよび2lについては、触媒系の存在下、57〜77%eeでニトロメタンと反応することが報告され、2b、2eおよび2mのエナンチオ選択的ニトロアルドール反応は、文書化されていなかった。Christensen, C; Juhl, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; Christensen, C; Juhl, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881;およびDu. D. M.; Lu, S. F.; Fang, T.; Xu, J. X. J. Org. Chem. 2005, 70, 3712-3715を参照。
1dで触媒されたニトロアルドール反応は、アジリジン7およびβ−ラクタム5などの合成的に重要なキラル中間体の新しい簡潔な不斉合成の発展に適用された(図5)。Greenlee, W. J.; Springer, J. P.; Patchett, A. A. J. Med. Chem. 1989, 32, 165-170; and Kiyota, H.; Takai, T.; Saitoh, M.; Nakayama, O.; Oritani, T.; Kuwahara, S. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 8191-8194を参照。7jの8jへの転換によって示されるように、光学活性なアジリジン7は、光学活性なα,α−二置換α−アミノ酸の合成にとって価値ある中間体である。α−メチルシステイン(8j)はミラバゾールおよびチアンガゾールの全合成における重要中間体であったことは注目すべきである。Pattenden, G.; Thorn, S. M. Synlett 1992, 533-534; Mulqueen, G. C; Pattenden, G.; Whiting, D. A. Tetrahedron, 1993, 49, 5359-5364; Boyce, R. J.; Pattenden, G. Synlett 1994, 587-588; Boyce, R. J.; Mulqueen, G. C; Pattenden, G. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 5705-5708; Parsons, R. L.; Heathcock, C. H. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 1379- 1382; Parsons, R. L.; Heathcock, C. H. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 1383-1384; Parsons, R. L.; Heathcock, C. H. J. Org. Chem. 1994, 59, 4733-4734;およびShao, H.; Zhu, Q.; Goodman, M. J. Org. Chem. 1995, 60, 790-791を参照。広範なα−ケトエステル2の高エナンチオ選択的ニトロアルドール反応を促進する1dの能力を、抗癌および抗HIV天然物の類似体の調製に活用すべきである。
本発明を一般的に説明してきたが、単に、本発明の特定の態様および実施の形態の説明の目的で含まれ、本発明を制限することが意図されていない以下の実施例を参照することによって、本発明がより容易に理解されるであろう。
以下の実施例では、1Hおよび13CNMRスペクトルをバリアン(Varian)機器で記録し(それぞれ400MHzおよび100MHz)、内部のテトラメチルシランの信号または残留プロトン溶媒の信号を基準とした。1HNMRデータについては、以下のように記録される:化学シフト(δ,ppm)、多重度(s,1重;d,2重;t,3重;q,4重;m,多重)、積分、結合定数(Hz)。13CNMRのデータについては、化学シフト(δ,ppm)に関して報告する。赤外線スペクトルについては、パーキン・エルマーFT−IR分光計で記録し、吸収周波数について報告する。新規化合物すべてに関する低解像度の質量スペクトルは70SE CI+で、正確な質量スペクトルは70−VSE−B高解像度質量分析計で測定し、記録した。比旋光度をジャスコ(Jasco)・デジタル旋光計で測定した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を、ダイセルキラルセルOJ、ODカラム(250×4.6mm)またはキラルパックAD、ASカラム(250×4.6mm)を用いてクォータナリポンプを備えたヒューレット・パッカード1100シリーズ装置で行った。UV吸収を、220nmまたは280nmでモニタした。
α−ケトエステル2の構造およびシンコナアルカロイド触媒の構造に関しては、図を参照のこと。α−ケトエステル2aおよび2bを文献の手順に従って調製した。Jesen, K. B.; Thorhauge, J.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. Angew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 160-163。他のα−ケトエステル2に関しては市販されており、ニトロアルドール反応に用いる前にフラッシュ・クロマトグラフィー(シリカゲル60、0.040mm〜0.063mm、EM SCIENCE Inc.から購入)で精製した。触媒QD、DHQD−PHN、(DHQD)AQNをアルドリッチ社から購入し、さらなる精製をせずに使用した。C6’−OH触媒であるQ−1a〜cおよびQD−1a〜cを先に報告した以下の手順で調製し、β−ICDを文献の手順に従って調製した。Li, H.; Wang, Y.; Tang, L.; Deng, L. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 9906- 9907; Li, H.; Wang, Y.; Tang, L.; Wu, F.; Liu, X.; Guo, C; Foxman, B. M.; Deng L. Angew. ChemJnt. Ed. 2005, 44, 105-108; Liu, X.; Li, H.; Deng, L. Org. Lett. 2005, 7, 167-169;およびIwabuchi, Y.; Nakatani, M.; Yokoyama, N.; Hatakeyama, S. J Am. Chem. Soc. 1999, 121, 10219-10220を参照のこと。クロマトグラフィー用の石油エーテル(36〜60℃)をフィッシャー社から購入した。
実施例1 触媒Q−1dの調製
無水DMF(60ml)中のキニーネ(3.6g、11.4mmol)、NaSEt(純度90%、5g、5当量)の懸濁液を、N下、16時間、105℃(油浴温度)で加熱した。混合物を室温まで冷却し、飽和NHCl水溶液(100ml)に注いだ。水相のpHはおよそ7であった。混合物を酢酸エチルで抽出した(2×200ml)。混合された有機相をHCl水溶液(2N、4×25ml)で洗浄し、混合された水相を水酸化アンモニウム(20ml)処理した。水相のpHは10〜11であった。混合物を酢酸エチルで抽出し(2×250ml)、その混合有機相を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣を無水DMF(50ml)に溶解した。室温でTIPSCl(4.6ml、2当量)を溶液に加え、続いてイミダゾール(1.5g、2当量)を加えた。得られた溶液を室温で4時間攪拌し、その時点でTLC分析は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応混合物を酢酸エチル(400ml)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(2×50ml)と食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、粗生成物をフラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/MeOH/NaOH=20/2/0.5)で精製し、Q−2(4.7g、2工程での収率90%)を得た。[α]D 25 = -77.2 (c 0.43, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.72 (d, J= 4.0 Hz, 1H), 7.99 (d, J= 6.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.33 (dd, J= 2.4 Hz, 9.2 Hz, IH), 5.81-5.72 (m, 1H), 5.43 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 4.99-4.91 (m, 2H), 3.36-3.32 (m, 1H), 3.22-3.27 (m, 1H), 3.07 (dd, J= 10.0 Hz, 1H), 2.68-2.63 (m, 2H), 2.25 (br, 1H), 1.79 (br, 1H), 1.72-1.66 (m, 2H), 1.56-1.43 (m, 2H), 1.36-1.25 (m, 3H), 1.11 (d, J= 6.8 Hz, 18H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6)δ154.2, 147.65, 147.59, 144.1, 141.9, 131.4, 126.7, 124.9, 118.6, 114.2, 109.9, 72.6, 59.9, 57.0, 43.1, 40.0, 27.8, 27.7, 22.4, 17.9, 12.7; IR (CHCl3)γ3400-2400(br), 2943, 2866, 1616, 1506, 1457, 1258; HRMS (CI) m/z (C28H42N2O2Si + H+)の計算値: 467.3094, 測定値: 467.3106。
室温で、無水CHCl(40ml)中のQ−2(3.3g、7mmol)溶液にPhCOCl(0.91ml、1.1当量)およびEtN(1.97ml、2当量)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌し、TLC分析は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応混合物をCHCl(250ml)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(2×50ml)と食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をCHCN(50ml)に溶かした。得られた溶液に、HF(48%水溶液、2.5ml)を、シリンジを用いて滴下して加えた。15分後、TLC分析は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応混合物を酢酸エチル(400ml)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(2×50ml)と食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/MeOH=20/1)で精製し、白色粉末としてQ−1dを得た(2.7g、2工程での収率73%)。[α]D 25 = +89.3 (c 0.45, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ10.16 (br, 1H), 8.62 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 8.07 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.90 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.70 (t, J= 7.2 Hz, 1H), 7.59-7.51 (m , 4H), 7.32 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 6.44 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 5.99-5.91 (m, 1H), 5.03 (d, J= 18.4 Hz, 1H), 4.98 (d, J= 11.6 Hz, IH), 3.50-3.48 (m, 1H), 3.09 (br, 1H), 2.92-2.86 (m, 1H), 2.46-2.43 (m, 1H), 2.22 (br, 1H), 1.96-1.93 (m, 1H), 1.79 (br, 1H), 1.72-1.68 (m, 1H), 1.59-1.49 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6)δl65.7, 156.4, 147.3, 144.0, 143.9, 142.9, 134.4, 132.0, 130.0, 129.9, 129.6, 127.6, 122.3, 119.6, 115.1, 105.2, 79.8, 75.3, 59.9, 56.6, 42.4, 27.9, 27.8, 25.3; IR (CHCl3)γ3500-2300 (br), 2943, 1717, 1540, 1558, 1507, 1268; HRMS (CI) m/z (C26H26N2O3 + H+)の計算値: 415.2022, 測定値:415.2027。 図6A参照。
実施例2 触媒QD−1dの調製
上述のQ−2の調製と同じ手順に従って、キニジン(QD)からQD−2を75%の収率で得た。[α]D 25 = + 137.8 (c 1.0, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.71 (d, J= 5.2 Hz, 1H), 7.87 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.65 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 7.37 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 7.20 (dd, J= 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1H), 6.50 (br, 1H), 6.02-5.93 (m, 1H), 5.22 (d, 3.6 Hz, 1H), 5.19 (d, J= 10.4 Hz, 1H), 4.25 (br, 1H), 3.37-3,31 (m, 3H), 3.14-3.08 (m, 1H), 2.54-2.51 (m, 1H), 2.32 (t, J= 12.0 Hz, 1H), 1.93-1.86 (m, 2H), 1.68-1.63 (m, 1H), 1.36 (hept. J= 7.2 Hz, 3H), 1.13 (d, J= 7.2 Hz, 9H), 1.11 (d, J= 7.2 Hz, 9H); 1.00-0.90 (m, 1H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6)δ154.4, 147.8, 144.1, 143.7, 136.6, 131.3, 125.6, 124.7, 119.0, 117.3, 110.0, 67.3, 60.2, 49.2, 48.7, 37.6, 27.7, 23.6, 18.5, 18.05, 18.01, 12.8; IR (CHCl3)γ3217 (br), 2943, 2867, 1617, 1589, 1504, 1456, 1259; HRMS (CI) m/z (C28H42N2O2Si + H+)の計算値: 467.3094, 測定値: 467.3103。
上述のQ−1dの調製と同じ手順に従って、QD−2からQD−1dを87%の収率で得た。[α]D 25 = - 10 (c 0.31, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ9.61 (br, 1H), 8.65 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 8.04 (d, J= 7.6 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.54 (t, J= 6.8 Hz, 1H), 7.42-7.40 (m, 3H), 7.20 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 6.75 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.02-5.93 (m, 1H), 5.08 (d, J= 6.4 Hz, 1H), 5.05 (d, J= 17.2 Hz, 1H), 3.39 (dd, J= 8.4 Hz, 6.4 Hz, 1H), 3.10-3.05 (m, 1H), 3.01-2.95 (m, 1H), 2.84-2.79 (m, 1H), 2.73-2.65 (m, 1), 2.27 (dd, J= 7.6 Hz, 8.0 Hz, 1H), 2.01 (t, J= 9.6 Hz, 1H), 1.83 (s, 1H), 1.50-1.48 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ165.2, 156.4 ,146.1, 143.6, 143.4, 139.8, 133.3, 131.0, 129.7, 129.6, 128.5, 127.3, 122.8, 118.6, 115.1, 105.8, 74.3, 58.8, 49.6, 49.1, 39.2, 27.5, 26.0. 23.0; IR (CHCl3)γ2500-3500 (br), 3071, 2940, 1723, 1618, 1469, 1452, 1269, 1107; HRMS (ESI) m/z (C26H26N2O3 + H+)の計算値: 415.2022, 測定値: 415.2026。 図6B参照。
実施例3 ニトロメタンのα−ケトエステルへのエナンチオ選択的付加(QD−1またはQ−1を介する)
20℃で、CHCl(0.5ml)中のα−ケトエステル2(0.5mmol)およびニトロメタン(5mmol)溶液に触媒QD−1dまたはQ−1d(5モル%)を加えた。図3参照。得られた混合物を、2が完全に消費されるまで、示した温度を保った。反応混合物を下記に特定する溶離剤を用いて直接シリカゲル・フラッシュ・クロマトグラフィーに供し、上にまとめた収率および鏡像体過剰率で所望の生成物を得た。触媒は、MeOHでシリカゲル・カラムを洗浄することによって95%よりも大きい収率で回収される。回収された触媒はNMR分析では反応前とまったく同一であり、さらなる処理をせずに再利用可能である。
Figure 2008545706
(+)−3a: この生成物は、−20℃で24時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)後の収率92%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAD、ヘキサン類:IPA=90:10、0.8ml/分、λ215nm、t(主生成物)=10.03分、t(副生成物)=10.91分]で96%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = + 56.0 (c 0.93, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.13 (dq, J= 15.2 Hz, 6.8 Hz, 1H), 5.45 (dq, J= 15.2 Hz, 1.6 Hz, 1H), 4.86 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.48 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.42-4.28 (m, 2H), 3.77 (s, 1H), 1.75 (dd, J= 1.2 Hz, 14.0 Hz, 3H), 1.34 (t, J= 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CHCl3)δ171.8, 130.6, 125.7, 79.9, 75.0, 63.2, 17.6, 13.9; これらのデータは、文献の報告と一致している。Christensen, C; Juhl, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; およびChristensen, C; Mil, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881参照。(−)−3a:この生成物は、−20℃で15時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率92%、97%eeで、無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−3b: この生成物は、−20℃で24時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:ジエチルエーテル)後の収率98%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAD、ヘキサン類:IPA=90:10、0.8ml/分、λ215nm、t(主生成物)=17.65分、t(副生成物)=19.99分]で94%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = + 29.8 (c 1.22, CHCl3) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.36-7.32 (m, 5H), 6.25 (dt, J= 15.2 Hz, 4.8 Hz, 1H), 5.76 (dt, J= 15.2 Hz, 1.6 Hz, 1H), 4.88 (dd, J= 14.0 Hz, 1.2 Hz, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.48 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 4.41-4.29 (m, 2H), 4.08-4.06 (m, 2H), 3.84 (s, 1H), 1.34 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δl71.4, 137.7, 131.5, 128.3, 127.7, 127.6, 125.8, 79.7, 75.1, 72.6, 68.9, 63.3, 13.9; IR (CHCl3)γ3489 (br), 3031, 2983, 2859, 1742, 1560, 1453, 1378, 1220; HRMS (ESI) m/z (C15H19NO6 + Na+)の計算値: 332.1110, 測定値: 332.1102。(−)−3b:この生成物は、−20℃で24時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率99%、95%eeで、無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−S−3c:この生成物は、−20℃で35時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/19)後の収率96%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルセルOD、ヘキサン類:IPA=80:20、1.0ml/分、λ220nm、t(主生成物)=7.49分、t(副生成物)=9.46分]で95%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = + 28.4 (c 1.05, CDCl3) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.62-7.60 (m, 2H), 7.43-7.40 (m, 3H), 5.26 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.68 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.44-4.31 (m ,2H), 4.22 (s, 1H), 1,34 (dt, J= 1.2Hz, 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 171.6, 136.4, 129.0, 128.8, 125.2, 80.7, 75.9, 63.5, 13.8; これらのデータは、文献の報告と一致している。Christensen, C; Juhl, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; およびChristensen, C; Mil, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881参照。(+)-3cの立体配置は、3cのβ−ラクタム5cへの変換、および文献に報告されている5cの比旋光度の値との比較により、Sと決定した(さらなる詳細については、下記のβ−ラクタム5cの調製を参照のこと)。(−)−R−3c: この生成物は、−20℃で46時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率96%、93%eeで、無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−3d: この生成物は、−20℃で96時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/10)後の収率86%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAS、ヘキサン類:IPA=80:20、1.0ml/分、λ220nm、t(主生成物)=10.90分、t(副生成物)=13.49分]で94%eeの白色の固体として得られた。 [α]D 25 = + 26.9 (c 1.25, CHCl3) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.51 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 6.91 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 5.22 (d, J= 14.4 Hz, 1H), 4.65 (d, J= 14.4 Hz, 1H), 4.17 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 1.34 (t, J= 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ171.8, 160.1, 128.3, 126.6, 114.2, 80.8, 75.7, 63.5, 55.3, 13.9; これらのデータは、文献の報告と一致している。Christensen, C; Mil, K.; jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; およびChristensen, C; Mil, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881参照。(−)−3d: この生成物は、−20℃で96時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率84%、97%eeで、無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−3e: この生成物は、−20℃で72時間、QD−1d(5.0モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/7)後の収率86%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルセルOD、ヘキサン類:IPA=80:20、1.0ml/分、λ220nm、t(主生成物)=8.84分、t(副生成物)=12.15分]で96%eeの白色の固体として得られた。 [α]D 25 = + 29.7 (c 1.1, CHCl3) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.51 (dd, J= 2.0 Hz, 6.8 Hz, 2H), 7.25 (d, J= 6.8 Hz, 2H), 5.22 (d, J= 14.4 Hz, 1H), 4.65 (d, J= 14.4 Hz, 1H), 4.43-4.30 (m, 2H), 4.19 (s, 1H), 2.49 (s, 3H), 1.34 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ171.5, 140.2, 132.8, 126.2, 126.6, 80.6, 75.7, 63.6, 15.3, 13.9; IR (CHCl3)γ3484, 2984, 2924, 1736, 1559, 1493, 1378, 1226; HRMS (ESI) m/z (C12H15NO5S + Na+)の計算値: 308.0569, 測定値: 308.0571。(−)−3e: この生成物は、−20℃で72時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率86%、96%eeで、無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−S−3f: この生成物は、−20℃で96時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)後の収率98%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルセルOD、ヘキサン類:IPA=85:15、1.0ml/分、λ220nm、t(主生成物)=7.67分、t(副生成物)=9.17分]で97%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = + 24.4 (c 1.1, CHCl3) ; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.56 (td, J= 2.4 Hz, 8.8 Hz, 2H), 7.39 (td, J= 2.4 Hz, 8.8 Hz, 2H), 5.22 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.44-4.31 (m, 2H), 4.24 (s, 1H), 1.34 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ171.2, 135.2, 134.9, 129.0, 126.7, 80.5, 75.6, 63.7, 13.8; これらのデータは、文献の報告と一致している。Christensen, C; Mil, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; および Christensen, C; Mil, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881。(+)−3fの立体配置は、文献データの比旋光度の値との比較により、Sと決定した。96%eeについての[α]D 25 = + 21.7 (c 1.0, CH2Cl2) [文献値:R異性体88%eeについての[α]D 23 = - 17.5 (c 1.02, CH2Cl2); Christensen, C; Mil, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; およびChristensen, C; Juhl, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881参照]。(−)−R−3f: この生成物は、−20℃で12時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率96%、96%eeの無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−3g: この生成物は、−20℃で9時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/6)後の収率96%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAD、ヘキサン類:IPA=80:20、0.9ml/分、λ220nm、t(主生成物)=15.44分、t(副生成物)=13.99分]で94%eeの白色の固体として得られた。 [α]D 25 = + 24.9 (c 1.05, CHCl3) ;1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.78 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.72 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 5.23 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.65 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.47-4.33 (m ,2H), 4.32 (s, 1H), 1.36 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ170.6, 141.3, 132.6, 126.3, 118.0, 113.3, 80.3, 75.7, 64.2, 13.9; IR (CHCl3)γ3475 (br), 2985, 2232, 1741, 1561, 1502, 1378, 1229; HRMS (CI) m/z (C12H12N2O5 + H+)の計算値: 265.0824, 測定値: 265.0831。(−)−3g: この生成物は、−20℃で11時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率98%、97%eeの無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−3h: この生成物は、−20℃で11時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)後の収率91%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルセルOD、ヘキサン類:IPA=85:15、1.0ml/分、λ220nm、t(主生成物)=7.86分、t(副生成物)=10.15分]で95%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = + 25.2 (c 1.1, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.64 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 7.51-7.47 (m, 1H), 7.38-7.32 (m, 2H), 5.22 (d, J= 14.8 Hz, 1H), 4.65 (d, J= 14.8 Hz, 1H), 4.46-4.33 (m, 2H), 4.25 (s, 1H), 1.36 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (1OO MHz, CDCl3)δ171.1, 138.3, 135.0, 130.1, 129.3, 125.7, 123.4, 80.5, 75.6, 63.9, 13.9; IR (CHCl3)γ3486 (br), 3073, 2984, 2926, 1739, 1562, 1475, 1416, 1377, 1227; HRMS (ESI) m/z (C11H12ClNO5 + Na+)の計算値: 296.0302, 測定値: 296.0300。(−)−3h: この生成物は、−20℃で11時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率96%、95%eeの無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(+)−3i: この生成物は、−20℃で60時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/19)後の収率96%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルセルOD、ヘキサン類:IPA=60:40、1.0ml/分、λ280nm、t(主生成物)=7.60分、t(副生成物)=19.91分]で94%eeの白色の固体として得られた。 [α]D 25 = + 47.6 (c 1.1, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.12 (s, 1H), 7.89-7.84 (m, 3H), 7.67 (dd, J= 2.0 Hz, 8.8 Hz, 1H), 7.56-7.52 (m, 2H), 5.39 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.76 (d, J= 14.0Hz, 1H), 4.46-4.33 (m, 2H), 4.34 (s, 1H), 1.36 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ171.6, 133.6, 133.2, 132.9, 128.7, 128.4, 127.5, 127.0, 126.7, 125.0, 122.3, 80.7, 76.2, 63.6, 13.9; IR (CHCl3)γ3487 (br), 3059, 2983, 1738, 1560, 1415, 1377, 1270, 1224, 1133; HRMS (CI) m/z (C15H15NO5 +)の計算値: 289.0950, 測定値: 289.0942。(−)−3i: この生成物は、−20℃で60時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率97%、94%eeの無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(−)−3j: この生成物は、−20℃で12時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/6)後の収率89%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAS、ヘキサン類:IPA=95:5、1.0ml/分、λ215nm、t(主生成物)=16.90分、t(副生成物)=19.93分]で95%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = - 5.1 (c 1.0, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ4.84 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.56 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.40- 4.28 (m, 2H), 3.73 (s, 1H), 1.46 (s, 3H), 1.34 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ173.5, 80.9, 72.4, 63.0, 23.8, 13.9; これらのデータは、文献の報告と一致している。Christensen, C; Juhl, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; およびChristensen, C; Juhl, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881を参照。(+)−3j: この生成物は、−20℃で12時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率90%、95%eeの無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(−)−3k: この生成物は、−20℃で17時間、QD−1d(5.0モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)後の収率90%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAS、ヘキサン類:IPA=90:10、1.0ml/分、λ215nm、t(主生成物)=7.40分、t(副生成物)=9.09分]で95%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = - 14.0 (c 1.15, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ4.82 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 4.56 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 4.41-4.29 (m, 2H), 3.70 (s, 1H), 1.72-1.59 (m, 2H), 1.57-1.45 (m, 1H), 1.34 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.26-1.14 (m, 1H), 0.93 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ172.9, 80.8, 75.2, 62.9, 38.6, 16.0, 14.0, 13.8; IR (CHCl3)γ3505 (br), 2967, 2937, 1739, 1561, 1467, 1380, 1234, 1162; HRMS (CI) m/z (C8H15NO5 + H +)の計算値: 206.1028, 測定値: 206.1023。
Figure 2008545706
(−)−3l: この生成物は、−20℃で14時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/15)後の収率88%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルパックAS、ヘキサン類:IPA=90:10、1.0ml/分、λ220nm、t(主生成物)=10.75分、t(副生成物)=14.79分]で95%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = - 18.8 (c 1.5, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.31-7.14 (m, 5H), 4.83 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 4.39-4.25 (m, 2H), 3.82 (s, 1H), 2.86- 2.79 (m, 1H), 2.53-2.45 (m, 1H), 2.06-1.92 (m, 2H), 1.34 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ172.6, 140.1, 128.5, 128.2, 126.2, 80.7, 74.9, 63.0, 38.1, 28.9, 14.0; これらのデータは、文献の報告と一致している。Christensen, C; Juhl, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; およびChristensen, C; Juhl, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881参照。(+)−3l: この生成物は、−20℃で11時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率89%、94%eeの無色の油状物質として得られた。
Figure 2008545706
(−)−3m: この生成物は、−20℃で15時間、QD−1d(5モル%)で触媒した反応から、フラッシュ・クロマトグラフィー(溶離勾配:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)後の収率87%、HPLC分析による測定[ダイセルキラルセルOJ、ヘキサン類:IPA=70:30、1.0ml/分、λ215nm、t(主生成物)=17.23分、t(副生成物)=12.00分]で94%eeの無色の油状物質として得られた。 [α]D 25 = - 5.3 (c 1.15, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ4.82 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.57 (d, J= 14.0 Hz, 1H), 4.43-4.30 (m, 2H), 4.13 (q, J= 7.2 Hz, 2H), 3.75 (s, 1H), 2.37-2.26 (m, 2H), 1.86-1.73 (m, 2H), 1.70-1.64 (m, 1H), 1.59-1.49 (m, 1H), 1.35 (t, J= 6.8 Hz, 3H), 1.25 (t, J= 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ172.7, 172.6, 80.7, 75.0, 63.1, 60.4, 35.6, 33.5, 18.2, 14.1, 14.0; IR (CHCl3)γ3492 (br), 2983, 2939, 1733, 1560, 1419, 1379, 1224; HRMS (ESI) m/z (C11H19NO7 + Na +)の計算値: 300.1059, 測定値: 300.1053。(+)−3m: この生成物は、−20℃で11時間、Q−1d(5モル%)で触媒した反応から、収率86%、93%eeの無色の油状物質として得られた。
実施例4 3−フェニル−3−ヒドロキシアゼチジン−2−オン:5cの合成
Figure 2008545706
Christensen, C; Mil, K.; jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222- 2223; Christensen, C; Mil, K.; Hazell, R. G.; jorgensen, K. A. J Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881 ; および Nicewicz, D. A.; Yates, C. M.; Johnson, J. S. J. Org. Chem. 2004, 69, 6548-6555を参照のこと。
−20℃で、CHCl(6.4ml)中のα−ケトエステル2c(1.136g、6.38mmol)およびニトロメタン(3.4ml)の溶液に触媒QD−1d(132mg、5.0モル%)を加えた。得られた混合物を−20℃で40時間保ち、その時点で、TLCは2cが完全に消費されたことを示した。反応混合物をシリカゲル・フラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/15)に供し、透明な油状物質(1.503g、収率98%)、95%eeの3cを得た。カラムをMeOHで洗浄し、触媒1dを、ほぼ定量的に回収した(>131mg)。回収された触媒はNMR分析では反応前とまったく同一であることが示された。QD−1dのEtOH(25ml)溶液を用いた反応によって得られた3c(1.04g、4.35mmol)の溶液にラネーニッケル(10ml中1.0g)を加えた。得られた反応混合物をH下、常圧で4時間、室温にて攪拌した。出発物質が完全に消費された後(TLCでモニタした)、反応混合物を、セライトのショートパッドに通し、次にセライトをEtOH(2×10ml)で洗浄した。濾過液を減圧濃縮し、残渣4cをさらなる精製をせずに次の工程に用いた(864mg、収率95%)。
0℃で、4c(113mg、0.54mmol)の無水THF(2.0ml)溶液にPrMgCl(2.0MTHF溶液、1.35ml、2.7mmol)をシリンジで滴下して加えた。得られた反応混合物を室温で19時間攪拌した。反応をNHCl水溶液(飽和、10.0ml)でクエンチ処理し、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空除去し、残渣をフラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1.5:1)で精製し、5cの白色粉末(36mg、2cからの3工程の収率37%)を得た。5cのeeは、HPLC分析(キラルセルOD、IPA/ヘキサン=95/5、1.0ml/分、220nm、t(主生成物)=32.27分、t(副生成物)=28.73分)で、95%であった。。[α]D 25 = - 107 °(c 0.27, CHCl3) [文献値5:S異性体80%eeの[α]D 23 = - 57.4 °(c: CHCl3中0.25)]。よって、5cの立体配置はSと決定した。それによって、QD−1dから得られた3cの立体配置がSであることが示唆された。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.48-7.45 (m, 2H), 7.36-7.26 (m, 3H), 6.89 (br, 1H), 3.56 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.47 (d, J = 5.6 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ171.9, 138.0, 128.6, 128.4, 125.3, 86.9, 54.1。 データは文献の報告と一致している。
実施例5 アジド6cの合成
Figure 2008545706
Liu, Q.; Tor, Y. Org. Lett. 2003, 5, 2571-2572; およびNyffeler, P. T.; Liang, C- H.; Koeller, K. M.; Wong, C-H J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 10773-10778参照。
NaN (1.76g、27mmol)、水(4ml)およびCHCl(2ml)の混合物を氷浴で0℃まで冷却した。強攪拌下でこの混合物にTfO(0.75ml、4.5mmol)をシリンジで滴下して加えた。得られた混合物を0℃で3時間攪拌し、水1mlを反応混合物に加え、その後、水相と有機相を分離した。有機相を回収し、水相をCHCl(2ml)で抽出した。混合有機相を飽和NaHCO水溶液(5ml)で洗浄し、その後、4cとの反応に用いた。室温で、CHCl(1.5ml)中の、粗精製の4c(341mg、1.6mmol、上述の3cの水素化により生成)の溶液にEtN(0.63ml、4.8mmol)およびCuSO水溶液(12mg/0.25ml水)を連続して加えた。得られた反応混合物に、上記のように新たに調製したEtNのCHCl溶液を加えた。次に、MeOH(およそ1ml)を加え、反応混合物を均質にした。反応混合物を室温で2.5時間攪拌し、その後、飽和NaHCO水溶液(20ml)に注いだ。得られた混合物をCHCl(2×40ml)で抽出した。混合有機相を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空除去し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン=1/20)で精製し、6cの透明な油状物質(339mg、3cからの2工程の収率84%)を得た。6cのeeは、HPLC分析(キラルセルOJ、IPA/ヘキサン=90/10、1.0ml/分、220nm、t(副生成物)=10.03分、t(主生成物)=13.17分)で、96%であった。[α]D 25 = -30°(c 1.1, CHCl3), 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.60 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.40-7.32 (m, 3H), 4.39-4.25 (m, 2H), 4.01 (s, 1H), 3.84 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.62 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ172.8, 138.3, 128.5, 125.3, 79.3, 63.1, 58.4, 14.0; IR (CHCl3)γ3496, 3063, 2984,
2102, 1732, 1448, 1250; HRMS (ESI) m/z (C11H13N3O3 + Na+)の計算値: 258.0855, 測定値: 258.0860。
実施例6 アジリジン7cの合成
Figure 2008545706
Shao, H.; Zhu, Q.; Goodman, M. J. Org. Chem. 1995, 60, 790-791を参照。
無水CHCN中の6c(300mg、1.27mmol)の溶液にPPh(501mg、1.9mmol)を室温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次にAr雰囲気下で14時間還流した。溶媒を真空除去し、残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/15)で精製し、透明な油状物質(196mg、収率80%)として7cを得た。7cのeeは、HPLC分析(キラルパックASプラスR,R−Whelko、IPA/ヘキサン=90/10、1.0ml/分、220nm、t(主生成物)=11.20分、t(副生成物)=12.59分)で、91%であった。[α]D 25 = -7.4°(c 1.0, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.49-7.44 (m, 2H), 7.35-7.27 (m, 3H), 4.26-4.12 (m, 2H), 2.51 (dd, J = 2.0 Hz, 10.4 Hz, 1H), 2.00-1.91 (m, 2H), 1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ173.0, 136.3, 129.1, 127.9, 127.6, 62.2, 41.2, 35.2, 13.9; 3290, 2984, 1717, 1306, 1195; HRMS (CI) m/z (C11H13NO2 + H+)の計算値: 192.1024, 測定値: 192.1018。
実施例7 アジド6jの合成
Figure 2008545706
Christensen, C; Juhl, K.; Jorgensen, K. A.; Chem. Commun. 2001, 2222-2223; Christensen, C; Juhl, K.; Hazell, R. G.; Jorgensen, K. A. J. Org. Chem. 2002, 67, 4875-4881; Liu, Q.; Tor, Y. Org. Lett. 2003, 5, 2571-2572; およびNyffeler, P. T.; Liang, C, H.; Koeller, K. M.; Wong, C-H J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 10773-10778を参照。
−20℃で、CHCl(5ml)中のα−ケトエステル2j(580mg、5mmol)およびニトロメタン(2.7ml)の溶液に触媒QD−1d(104mg、5モル%)を加えた。得られた混合物を−20℃で13時間保ち、TLCは、2cが完全に消費されたことを示した。反応混合物をシリカゲル・フラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/15)に直接供し、透明な油状物質(830mg、収率94%)として3jを得た。3jのeeは95%であった。カラムをMeOHで洗浄し、触媒をほぼ定量的に回収した(>103mg)。回収された触媒はNMR分析では反応前とまったく同一であることが示された。3j(800mg、95%eeのQD−1dから得られた)のEtOH(20ml)溶液にラネーニッケル(1.5g/10ml)を加えた。反応混合物をH下、常圧で4時間、室温にて攪拌した。出発物質が完全に消費された後(TLCでモニタした)、反応混合物を、セライトのショートパッドに通し、セライトをEtOH(2×10ml)で洗浄した。濾過液を減圧濃縮し、残渣4jを直接、次の工程に用いた(600mg、粗収率90%)。
水(8ml)およびCHCl(3ml)中のNaN (3.5g、54mmol)の溶液を氷浴で0℃まで冷却した。強攪拌下、この溶液にTfO(1.51ml、9mmol)をシリンジで滴下して加えた。得られた混合物を0℃で3時間攪拌し、その後、水(2ml)で希釈した。水相と有機相を分離した。有機相を回収し、水相をCHCl(3ml)で抽出した。混合有機相を飽和NaHCO水溶液(10ml)で洗浄した。この溶液を次の工程に用いた。室温で、CHCl(3ml)中の4j(475mg、前述の3jから未精製)の溶液にEtN(1.25ml)およびCuSO水溶液(24mg/0.5ml水)を連続して加えた。得られた混合物に、上記のように新たに調製したCHCl中のTfN溶液を加えた。次に、MeOH(およそ2.0ml)を加え、その後、溶液を均質にした。得られた混合物を室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(30ml)に注いだ。得られた混合物をCHCl(2×50ml)で抽出した。混合有機相を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空除去し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/エーテル=9/1)で精製し、透明な油状物質として6jを得た(390mg、2jからの3工程の収率59%)。
6jのeeは、HPLC分析(ダイセルキラルパックAS、ヘキサン/IPA=97/3、1.0ml/分、215nm、t(主生成物)=8.40分、t(副生成物)=9.52分)で、95%であった。[α]D 25 = - 83.3°(c 1.0, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ4.31-4.25 (m, 2H), 3.51 (s, 1H), 3.47-3.40 (m, 2H), 1.41 (s, 3H), 1.32 (t, J = 6.8 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ174.7, 75.1, 62.5, 58.4, 23.3, 14.0; IR (CHCl3)γ3503, 2985, 2939, 2105, 1733, 1456, 1258。(注: 生成物は非常に揮発性であり、溶媒の真空除去時に配慮が必要である。)
実施例8 アジリジン7jの合成
Figure 2008545706
Shao, H.; Zhu, Q.; Goodman, M. J. Org. Chem. 1995, 60, 790-791を参照。
無水CHCN中の6j(188mg、1.09mmol)の溶液にPPh(427mg、1.6mmol)を室温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、次にAr雰囲気下で9時間還流した。溶媒を真空除去し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/エーテル=5/1)で精製し、透明な油状物質(99mg、収率71%)として7jを得た。 [α]D 25 = - 28°(c 0.5, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ4.20 (dq, J = 1.6 Hz, 7.2 Hz, 2H), 2.17 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 1.64 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ174.2, 53.4, 34.7, 34.1, 17.9, 14.0; IR (CHCl3)γ3294, 3070, 2983, 2940, 1724, 1325, 1199; HRMS (CI) m/z (C6H11NO2 + H+)の計算値: 130.0868, 測定値: 130.0867。 (注: 生成物は非常に揮発性であり、溶媒の真空除去時に配慮が必要である。)
実施例9 α−メチルシステイン8iの合成
Figure 2008545706
Shao, H.; Zhu, Q.; Goodman, M. J. Org. Chem. 1995, 60, 790-791を参照。
0℃で、CHCl(1.5ml)中の7j(65mg、0.5mmol)の溶液にp−メトキシベンジルメルカプタン(0.21ml、1.5mmol)および三ふっ化ほう素-ジエチルエーテル錯体(0.11ml)を加えた。得られた混合物を0℃で12時間攪拌し、続いて室温で24時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。混合有機相を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空除去し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=2/1)で精製し、94%ee(HPLC:ダイセルキラルセルOD、ヘキサン:IPA=80:20、0.5ml/分、λ254nm、t(副生成物)=14.56分、t(主生成物)=15.22分により決定)の透明な油状物質として8jを得た(800mg、収率56%)。[α]D 25 = - 12°(c 1.05, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.23 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.20-4.14 (m, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.70 (s, 2H), 2.92 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 2.59 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.85 (br, 2H), 1.34 (s, 3H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ176.3, 158.6, 130.1, 129.9, 113.8, 61.2, 58.6, 55.2, 42.0, 37.1, 26.3, 14.1; IR (CHCl3)γ3373, 2978, 2933, 1731, 1610, 1512, 1249; HRMS (ESI) m/z (C14H21NO3S + H+)の計算値: 284.1320, 測定値: 284.1315。
参考文献の援用
2005年5月27日に出願した、米国特許出願第11/140,574号をここに参照することにより、そのすべてを本明細書に援用する。さらには、本明細書中で引用した他の米国特許公報および米国特許出願公開公報のすべてを本明細書に援用する。
均等
当業者は、本明細書中で述べた発明の特定の実施形態に関する多くの均等物について、認識し、また単なる所定の実験のみによって確認できるであろう。このような均等物が添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
図1は、本発明にかかるいくつかのシンコナアルカロイド系触媒の構造および命名法を示す:Q−1およびQD−1において、Rは、H(a)、ベンジル(Bn)(b)、PHN(c)、またはベンゾイル(Bz)(d)である。 図2は、本発明にかかるいくつかの天然の二官能性シンコナアルカロイド系触媒を示す:ここで、Rは、H(a)、Bn (b)、PHN(c)、またはBz(d)である。 図3は、α−ケトエステルへのニトロメタンのエナンチオ選択的ニトロアルドール付加を示す。注記しない限り、反応は、0.1mlのCHCl中の0.1mmolの2aおよび1mmolのCHNOで、10モル%の触媒下、−20℃で12時間行われた。3a/3a’の比は、H NMR分析によって決定した。3aの鏡像体過剰率は、HPLC分析によって決定した。 図4は、QD−1dおよびQ−1dによって触媒された、α−ケトエステル2へのニトロメタンのエナンチオ選択的ニトロアルドール付加を示す。反応は、0.5mlのCHCl中の0.5mmolの2と5mmolのCHNOおよび5モル%のQD−1dを用いて行い、括弧内についてはQ−1dを用いて得られた結果であり、逆の鏡像異性体が与えられた。エントリー3と6におけるは、立体配置をSと決定したことを意味する。 図5は、β−ラクタム、アジリジンおよびα−メチルシステイン誘導体の不斉合成を示す。要点:(a)ラネーニッケル、H(101.325kPa(1atm));(b)i−PrMgCl、2工程の収率38%、(c)TfN、CuSO(触媒)、6cでは、2工程の収率84%、6jでは2工程の収率63%;(d)PPh、CHCN、7cでは収率80%、7jでは収率71%;(e)BF・EtO、p−メトキシベンジルメルカプタン、収率56%。 図6は、触媒Q−1dおよび触媒QD−1dの調製のスキームを示す。さらなる詳細については、実施例1および2を参照。 図7は、アルデヒドへのニトロメタンの二官能性シンコナアルカロイド触媒作用によるエナンチオ選択的付加の結果を示す。 図8は、トリフルオロメチルケトンおよびα−ジケトンへのニトロメタンの二官能性シンコナアルカロイド触媒作用によるエナンチオ選択的付加の結果を示す。 図9は、グリオキシル酸エチルのアルデヒドカルボニル部分へのニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパンおよびエチル3−ニトロプロピレンの二官能性シンコナアルカロイド触媒作用によるエナンチオ選択的付加の結果を示す。 図10は、2‐オキソ‐2‐フェニル酢酸エチルへのニトロメタンの二官能性シンコナアルカロイド触媒作用によるエナンチオ選択的付加;および、二官能性シンコナアルカロイド触媒作用による、ジエチル2‐オキソ‐3‐メチルコハク酸と、求核剤としてのニトロメタンとの速度論的分割の結果を示す。 図11は、本発明の方法に触媒として利用しても差し支えない、選択されたC6’またはC9チオ尿素シンコナアルカロイド誘導体を示す。

Claims (76)

  1. 構造式I:
    Figure 2008545706
    で表される化合物であって、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0〜5の整数であり、
    mは0〜8の整数であり、
    4は−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表す、
    化合物。
  2. 構造式II:
    Figure 2008545706
    で表される化合物であって、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    1は、アルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0〜5の整数であり、
    mは0〜8の整数であり、
    4は−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表す、
    化合物。
  3. 4が−OHを表すことを特徴とする請求項1または2記載の化合物。
  4. Rがアリールまたはヘテロアリールを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
  5. Rがアリールを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
  6. Rが置換または非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
  7. Rが一置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
  8. Rが非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
  9. がアルキルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  10. がエチルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  11. がアルケニルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  12. が−CH=CHであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  13. nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  14. mが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  15. Rがアリール、Rがアルキルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  16. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  17. Rが非置換のフェニル、Rがエチルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  18. Rがアリール、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  19. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  20. Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CHであることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  21. がアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  22. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  23. Rが非置換のフェニル、Rがエチル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  24. Rがアリール、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  25. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  26. Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CH、mが0、nが0であることを特徴とする請求項3記載の化合物。
  27. プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンからキラル非ラセミアルコールを調製する方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを求核剤と反応させ、それによって、キラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
    ここで前記触媒は、構造式III:
    Figure 2008545706
    で表され、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
    1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0〜5の整数であり、
    mは0〜8の整数であり、
    4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
    前記求核剤は、構造式IV:
    Figure 2008545706
    で表され、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
    は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す、
    方法。
  28. プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンからキラル非ラセミアルコールを調製する方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンを求核剤と反応させ、それによってキラル非ラセミアルコールを生成する工程を有してなり;
    ここで、前記触媒は構造式VI:
    Figure 2008545706
    で表され、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、Hもしくは置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−複素環、または−C(=O)−ヘテロシクロアルキルを表し、
    1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0〜5の整数であり、
    mは0〜8の整数であり、
    4は、−OH、−OTf、−ONf、−SH、−NH、−NHR−NH(C=O)NR、−NH(SO)R、−NH(C=O)OR、または−NH(C=O)Rを表し、
    前記求核剤は、構造式IV:
    Figure 2008545706
    で表され、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Eは、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CNを表し、
    は、H、−CF、−NO、−C(=O)OR、−C(=O)N(R、−C(=O)SR、または−CN、もしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    は、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す、
    方法。
  29. 4が−OHを表すことを特徴とする請求項27または28記載の方法。
  30. Rがアリールまたはヘテロアリールを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. Rがアリールを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
  32. Rが置換または非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
  33. Rが一置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
  34. Rが非置換のフェニルを表すことを特徴とする請求項29記載の方法。
  35. 1がアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  36. 1がエチルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  37. 1がアルケニルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  38. が−CH=CHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  39. nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  40. mが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  41. Rがアリール、R1がアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  42. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  43. Rが非置換のフェニル、Rがエチルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  44. Rがアリール、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  45. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  46. Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  47. Rがアリール、Rがアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  48. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルキル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  49. Rが非置換のフェニル、Rがエチル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  50. Rがアリール、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  51. Rが置換または非置換のフェニル、Rがアルケニル、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  52. Rが非置換のフェニル、Rが−CH=CH、mが0、nが0であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  53. Eが−NOであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  54. がHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  55. がアルキル、アラルキル、またはヘテロアラルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  56. がアルキルであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  57. Eが−NO、Rがアルキル、RがHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  58. Eが−NO、RがH、RがHであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  59. 前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約70モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
  60. 前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約40モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
  61. 前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約10モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
  62. 前記触媒が、前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンと比較して、約5モル%未満で存在することを特徴とする請求項29記載の方法。
  63. 前記キラル非ラセミアルコールが、約50%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
  64. 前記キラル非ラセミアルコールが、約70%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
  65. 前記キラル非ラセミアルコールが、約90%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
  66. 前記キラル非ラセミアルコールが、約95%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
  67. 前記キラル非ラセミアルコールが、約97%よりも大きい鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
  68. 前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンが、電子欠損性であることを特徴とする請求項29記載の方法。
  69. 前記プロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンが構造式V:
    Figure 2008545706
    で表され、
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Yは、Hまたは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    Zは、−CF、−C(=O)OW、−C(=O)N(W)、−C(=O)SW、または置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表し、
    Wは、Hもしくは、置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、またはヘテロシクロアルキルを表す、
    ことを特徴とする請求項29記載の方法。
  70. Yが、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであることを特徴とする請求項69記載の方法。
  71. Yが、CH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−であることを特徴とする請求項69記載の方法。
  72. Zが−C(=O)OWであることを特徴とする請求項69記載の方法。
  73. Zが−C(=O)OWであり、Wがアルキルであることを特徴とする請求項69記載の方法。
  74. Zが−C(=O)OEtであることを特徴とする請求項69記載の方法。
  75. Yがアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキルであり、Zが−C(=O)OWであり、Wがアルキルであることを特徴とする請求項69記載の方法。
  76. Yが、CH(H)=C(H)−、BnOCHC(H)=C(H)−、Ph−、4−MeO−Ph−、4−MeS−Ph−、4−Cl−Ph−、3−Cl−Ph−、2−ナフチル−、Me−、n−Pr−、PhCHCH−、またはEtOCCHCHCH−であり、Zが−C(=O)OEtであることを特徴とする請求項69記載の方法。
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