JP5266128B2 - 二官能性シンコナアルカロイドにより触媒作用が及ぼされる非対称炭素−炭素結合形成反応 - Google Patents

二官能性シンコナアルカロイドにより触媒作用が及ぼされる非対称炭素−炭素結合形成反応 Download PDF

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Description

政府の支援
本発明は、合衆国国立保健研究所により提供された支援(GM−61591)により行われた。したがって、合衆国政府は本発明に特定の権利を有する。
本発明は、鏡像異性的に純粋な化合物に関し、特に、二官能性シンコナアルカロイドにより触媒作用が及ぼされる非対称炭素−炭素結合形成反応に関する。
近年、鏡像異性的に純粋な化合物の要望が急激に増えてきた。そのようなキラル非ラセミ化合物の重要な用途の1つは、製薬業界における合成のための中間体としてである。例えば、鏡像異性的に純粋な化合物には、ラセミ薬剤混合物よりも優れた利点が数多くあることが次第に明らかになってきた。これらの利点としては、鏡像異性的に純粋な化合物に関連することが多い、より大きな有効性および副作用の少なさが挙げられる。
有機合成の従来の方法が、ラセミ材料を製造するために、しばしば最適化された。鏡像異性的に純粋な化合物の製造は、歴史的に、天然供給源(いわゆる、「キラルプール」)に由来する鏡像異性的に純粋な出発材料の使用、および従来の技法によるラセミ混合物の分割の2つの様式の内の1つで行われてきた。しかしながら、これらの各方法には、重大な欠点がある。キラルプールは、自然に見つかる化合物に限られ、それゆえ、特定の構造と立体配置のみしか容易に入手できない。分割剤を使用する必要があるラセミ化合物の分割は、不便で、時間がかかるであろう。
鏡像異性的に純粋な材料は、電子の不足したアルケンに求核剤を非対称共役付加することによって得られるであろう。非対称共役付加は、天然の生物学的活性な化合物の全合成のための、鏡像異性体が豊富な高官能性炭素骨格構造を構成する最も強力な結合形成反応の内の1つである。詳しくは、非特許文献1〜8を参照のこと。その戦略的な重要性は、マイケル付加が、より複雑な分子間および分子内のタンデムプロセスの開始工程になれることから考えて、明らかである。詳しくは、非特許文献9〜12を参照のこと。
マイケル受容体の中でも、ニトロアルケンが非常に魅力的である。何故ならば、ニトロ基は、最も電子吸引性の強い公知の官能基であるからである。非特許文献13および14。しばしば「合成カメレオン」とも称されるニトロ基は、付加が行われた後にさらに転換される潜伏性(masked)官能基としても働くことができる。非特許文献15。Nef反応、求核置換、アミノ基への還元、マイヤー(Myer)反応、およびニトリルオキシドへの転化は、ニトロ基が経ることのできる転換の最良の例である。非特許文献16〜27。ニトロアルケンの使用をさらにより一層魅力的にする多数の触媒的合成方法が近年開発されてきた。非特許文献28〜30。
炭素求核剤のニトロアルケンへの共役付加と並行したそれらのアルケニルスルホンへの共役付加は、合成的に価値のあるC−C結合形成反応の一群を構成する。したがって、多大な労力が、アルケニルスルホンへの非対称共役付加の進展に向けられてきた。キラル補助戦略の使用に著しい進歩が見られたが、アルケニルスルホンに関する高エナンチオ選択性の触媒反応共役付加の実現はまだよく理解されていない。エナンチオ選択的共役付加の評価には、非特許文献5,6および31〜33を参照のこと。非特許文献34。キラル1−アミノピロリジンのアルケニルスルホンへの共役付加については、非特許文献35を参照のこと。非特許文献36〜40。アルケニルスルホンへの分子内マイケル付加については、非特許文献41を参照のこと。有機ボロン酸のトランス−β−置換ビニルスルホンへのRh−触媒エナンチオ選択的共役付加については、非特許文献42を参照のこと。
さらに、炭素求核剤のアルケニルケトンへの共役付加は、様々なマイケル供与体と受容体両方の入手し易さおよび1,4−付加物の実証された広い有用性のために、全て炭素の第四立体中心の形成のための強力な戦略を提供する。特に、触媒非対称合成における、そのときからの様々な大きな前進にもかかわらず、この課題は依然として、低下していない合成の意義の手強い挑戦である。非特許文献43〜47。α−フェニルα−シアノアセテートの非環式α,β−不飽和ケトンへのキラル(サレン)Al錯体−触媒共役付加については、非特許文献48を参照のこと。非対称触媒反応に焦点を当てた特別な課題については、非特許文献49を参照のこと。エナンチオ選択的触媒反応についての主題については、非特許文献50を参照のこと。非特許文献52。α−置換ケトエステルのビニルケトンへのエナンチオ選択的触媒共役付加が、1994年にシバサキとその共同研究者により報告された。非特許文献45。二官能性キラルLa−Na−BINOL錯体により、環式および非環式α−置換ケトエステルのメチルビニルケトン(MVK)への付加が62〜91%eeで起こった。つい最近、ソデオカおよびその共同研究者が、α−置換ケトエステルのメチルおよびエチルビニルケトンへの共役付加について86〜93%eeを生じたPd−BINAP錯体を報告した。非特許文献46。これらのキラル金属錯体媒介反応は、ケトエステル供与体に関する相当な研究範囲を示しながら、マイケル受容体としてMVKに関してのみ90%eeを超えた。さらに、−50から−20℃で行われる、その反応を15から72時間で完了させるには、5〜10モル%の触媒添加が必要とされる。著しい進歩が見られるが、これらの結果から、アルケニルケトンに関する広い基質範囲の作業的に単純であり、効率的であり、迅速なエナンチオ選択的触媒共役付加の開発にとって、緊急性と挑戦の両方が浮き彫りになった。
本発明は、ニトロアルケン、アルケニルスルホンおよびアルケニルケトンなどのプロキラル基質からのキラル化合物の触媒非対称合成に関する。
触媒非対称合成は、化学者に、錯体分子を効率的に合成するための新規の強力な手段を与えている。触媒系の多くは、金属ベースであり、キラルルイス酸および有機金属レドックスベースの触媒反応に依存しているが、次第に増えている非対称反応は、求核剤が極めて重要な役割を果たしている自然の状況の膨大な取り合わせで形成されるキラル求核剤により触媒作用を受ける。主な文献としては、非特許文献52〜58を参照のこと。非対称触媒のこの拡大している分野において、キラルアミンは中心的な役割を果たす。キラルアミンは、キラル配位子として大々的に利用されてきたが、それらは、幅広い範囲の非対称転換に触媒作用を及ぼし、代わりの非対称技術によっては到達できないであろう高い選択性と収率で光学的に向上した生成物を生じる上で大きな見込みを示してもいる。非特許文献59。
歴史的に、シンコナアルカロイドは、非対称触媒反応において、その中でもとりわけ、2基置換ケテンアルコール分解についての1960年代からのプラセウス(Pracejus)の先駆的な研究において使用された最初のキラルアミンであった。シンコナアルカロイドは、天然の生成物に根ざした豊富で華やかな歴史と、製薬化学的性質を持つ。非特許文献60〜62。シンコナアルカロイドは、熱帯地域原産のキナノキ属の木の樹皮を抽出することによってまとめて単離される。有機化学を別にすれば、シンコナアルカロイドは、食品香味料として(例えば、トニック水の苦味成分として)、およびマラリアの治療に幅広い用途が見出されている。非特許文献63および64。さらに、配位子、クロマトグラフィー・セレクタ、およびNMR識別剤としてのそれらの役割が、過去三十年に亘り、大々的に調査されてきた。過去四十年に亘り、シンコナアルカロイドの触媒特性について、いくつかの論文が公表されてきた。非特許文献65〜68。
これらの反応は、ヘミエステル、α−アミノ酸およびα−ヒドロキシル酸などの、様々な重要なキラル構成ブロックの研究および工業規模の非対称合成に広く適用できそうである。市販の修飾された二量体シンコナアルカロイド(DHQD)2AQN、(DHQ)2AQN(図1参照)が、環式無水物のエナンチオ選択的アルコール分解のためのエナンチオ選択性の再利用可能な触媒として、デン(Deng)およびその共同研究者によって最近確認された。しかしながら、市販の(DHQD)2AQNは高価である。例えば、1モルの(DHQD)2AQNの市販価格(アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company))は、$100,000より高い。さらに、この二量体触媒は、多量(例えば、キログラムの量)では入手できない。したがって、二量体触媒を用いた立体選択的反応は、比較的大規模(>0.1モル)では実際的ではない。その結果、(DHQD)2AQNに対して比較的効果的であるが、製造するのに実質的に高くない新世代の単量体触媒の開発が、非常に実用的価値がある。
酸性および塩基性/求核性の構造部分の両方を有するキラルの金属触媒および有機触媒が、非対称触媒反応を開発するためのますます強力な基盤を構成するようになってきた。効率的であるがそれでも容易に入手できるそのような二官能性キラル触媒の設計と開発は、依然として重大な課題である。ウィンバーグ(Wynberg)とその共同研究者は、天然のシンコナアルカロイドが、それらのC9−OH基とアミン基により、エナンチオ選択的反応に関して、それぞれ、求核剤と求電子剤を活性化させることによって、二官能性キラル有機触媒として働いたことを示した。非特許文献69。しかしながら、キラル有機触媒としての天然のシンコナアルカロイドにより触媒作用を受ける様々な反応のエナンチオ選択性は通常穏やかであった。ハタケヤマとその共同研究者により、キニジンから容易に入手できる硬質修飾シンコナアルカロイドが報告された。非特許文献70および71。その触媒は、エナンチオ選択的モリタ−ベイリス−ヒルマン(Morita-Baylis-Hillman)(MBH)反応にとって効率的であることが分かった。C6’−OH基とアミン基の両方が、エナンチオ選択的MBH反応の転移状態の安定化に関係すると考えられる。
特に、キニジンまたはキニーネいずれかから得られる容易に入手できる二官能性有機触媒が開発され、それらを非対称炭素−炭素結合形成反応にうまく使用することが示された。
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本発明のある態様は、キニーネに基づく触媒とキニジンに基づく触媒に関する。ある実施の形態において、キニーネに基づく触媒とキニジンに基づく触媒は、6’位にヒドロキシル基を含む。ある実施の形態において、キニーネに基づく触媒およびキニジンに基づく触媒は、C9位にO−アリール基またはO−アロイル基を含む。ある実施の形態において、キニーネに基づく触媒およびキニジンに基づく触媒は、C9位に必要に応じて置換されたO−ジアゼン基または必要に応じて置換されたO−ベンゾイル基を含む。ある実施の形態において、キニーネに基づく触媒およびキニジンに基づく触媒は、C9位にチオ尿素を含む。ある実施の形態において、キニーネに基づく触媒およびキニジンに基づく触媒は、C9位にNH(=S)NH−アリール基を含む。
本発明の別の態様は、プロキラル電子欠損アルケンまたはプロキラルイミンからキラル非ラセミ化合物を調製する方法であって、触媒の存在下でプロキラルアルケンまたはイミンを求核剤と反応させ、それによって、キラル非ラセミ化合物を生成する工程を有してなり、触媒が誘導体化キニーネまたはキニジンである方法に関する。ある実施の形態において、求核剤はマロネートまたはβ−ケトエステルである。ある実施の形態において、求核剤は、アルキルまたはアリールまたはアラルキル2−シアノ−2−アルキルアセテートである。ある実施の形態において、求核剤はアルキルまたはアリールまたはアラルキル2−シアノ−2−アリールアセテートである。
本発明の別の態様は、速度論的分割方法であって、誘導体化されたキニーネまたはキニジンの存在下でラセミアルデヒドまたはラセミケトンを求核剤と反応させ、それによって、非ラセミキラル化合物を生成する工程を有してなる方法に関する。ある実施の形態において、速度論的分割は動的である。
図1は本発明のいくつかのシンコナアルカロイドに基づく触媒の構造と名称集を示す。 図2は本発明のいつくかのシンコナアルカロイドに基づく触媒の二官能特性を示す。 図3は、3基置換された炭素供与体の、アルファ置換されたマイケル受容体へのエナンチオ選択的C−C結合形成求核付加および得られたエノレートのその後のジアステレオ選択的プロトン付加に関して提案された機構を示す。 図4は本発明の選択された触媒を示す。 図5は本発明の触媒を用いた触媒作用マイケル付加の結果を示す。全ての反応は、別記しない限り、10モル%の触媒についてトルエン中の0.05mmolの3a、0.2mmolの2で行った。キー:b 1H NMR分析により決定した。C キラルGC[β−CD、100℃、4分、次いで、100℃〜150℃(0.75℃/分)]により決定した。d 反応は20モル%の触媒で行った。 図6は環式マイケル供与体への非対称1,4−付加−プロトン付加反応を示す。別記しない限り、全ての反応は、表に列記した期間に亘り室温でQd−1aの触媒について1mlのトルエン中の0.1mmolの3、0.4mmolの2で行った。括弧内の結果は、Q−1aにより触媒作用を受けた反応を示す。キー:b 単離された収率。c 粗製反応生成物の1H NMR分析により決定した。d キラルHPLCまたはGC分析により決定した。e 代わりに0.8mmolの2を用いた。f 立体配置はX線分析により決定した。 図7は非環式マイケル供与体への非対称1,4−付加−プロトン付加反応を示す。別記しない限り、全ての反応は、表に列記した期間に亘り室温で20モル%の触媒について1mlのトルエン中の0.1mmolの2、0.8mmolの1で行った。キー:b 単離された収率。c 粗製反応生成物の1H NMR分析により決定した。d キラルHPLCまたはGC分析(解説情報を参照にこと)により決定した。e 収率の代わりに転化率を用いた。f 0.5mlのトルエンを用いた。g 純粋なジアステレオマーを得た。h 立体配置は、後の合成研究後に確認した。 図8は、触媒Q−ビスCF3TUを用いた、本発明の1,4−付加−プロトン付加反応―の温度の影響を示す。 図9は、アルファ−シアノカルボニル化合物のアクリロニトリルへの非対称マイケル付加を示す。別記しない限り、反応は、Q−触媒について2.0mlのトルエン中の0.2mmolの供与体、0.6mmolの受容体で行った。括弧内の結果は、反対の鏡像異性体を与えるためにQD−触媒について得た。b 単離された収率。c キラルHPLC分析により決定した。d 立体配置は先の結果との比較により決定した。 図10は、2−クロロアクリロニトリルによるアルファ−シアノカルボニル化合物の非対称共役付加−プロトン付加を示す。別記しない限り、反応は、室温で、10モル%の触媒について3mlのトルエン中で0.3mmolの供与体、0.9mmolの受容体で行った。キー:b 単離された収率。c 粗製反応生成物の1H NMR分析により決定した。d キラルHPLCまたはGC分析により決定した。e 立体配置は、先に報告された結果との比較により決定した。f 括弧内の結果は、反対の鏡像異性体を与えるためにQD−触媒について得た。g 反応は−20℃で行った。 図11は本発明の方法において触媒として使用してよい選択されたC6’またはC9チオ尿素シンコナアルカロイド誘導体を示す。 図12は、マンザシジンAの触媒作用非対称形式合成を示す。キー:a)NaN3、DMSO、室温、56%、10:1d.r.、b)TMSCl、MeOH、0℃、95%、9:1d.r.、c)NaBH4、Hg(OAc)2、EtOH、0℃、83%、9:1d.r.、d)TBDPSCl、イミダゾール、DMF、室温、91%、10:1d.r.、e)[PtH(PMe2OH)(PMe2O)2H]、EtOH、H2O、80℃、97%、93%ee、9:1d.r.、f)Pd/C、Boc2O、EtOH、H2、室温、68%、91%ee、g)Pb(OAc)4、tBuOH、還流、83%、11:1d.r.、h)TBAF、THF、室温、70%、92%ee、単一のジアステレオマー(TBDPS=tert−ブチルクロロジフェニルシラン)。 図13は、マロン酸ジメチル(5a)のN−Boc−イミン(4D)へのシンコナアルカロイド触媒付加を示す。触媒は図11に示したものである。別記しない限り、反応は、16時間に亘り、10モル%の触媒について0.10mlの溶媒中0.05mmolの4D、0.15mmolの5aで行った。キー:b チオ尿素官能性を持たないシンコナアルカロイドは、中程度のeeを与えた。c 1H NMR分析により決定した。d HPCL分析により決定した。e 反応は、24時間に亘り−60℃でQ−1d(20モル%)について行った。 図14は、QD−1dおよびQ−1d(括弧内)により触媒作用を受けた、マロネート5のN−Boc−イミンへのエナンチオ選択的マンニッヒ反応を示す。触媒は図11に示したものである。別記しない限り、反応は、36時間に亘り、−60℃で、アセトン(0.4ml)中4(0.20mmol)および5(0.30mmol)で行い、括弧内の結果はQ−1dについて得た。キー:b 単離された収率。c HPLC分析により決定した。d QD−1d触媒反応により調製された(+)−6Abの立体配置は、Sであると決定された。解説情報を参照のこと。e 反応は、60時間に亘り−60℃で5モル%のQD−1dについて行った。f 反応は、16〜24時間に亘り0℃で1d(100モル%)の高装填率でジクロロメタン中4(0.30mmol)および5(20mmol)で行った。QD−1dの回収率は>95%であった。 図15は、[A]QD−1dおよびQ−1d(括弧内)により触媒作用が及ぼされたα−ケトエステル8のN−Boc−イミン4Aへのエナンチオ選択的マンニッヒ反応を示す。触媒は図11に示したものである。別記しない限り、反応は、アセトン(0.4ml)中4A(0.20mmol)および8(0.30mmol)で行い、括弧内の結果はQ−1dについて得た。キー:b 単離された収率。c 1H NMR分析により決定した。d HPLC分析により決定した。図15は、[B]N−Boc−α−アミノ酸の合成も示す。
非環式分子における非隣接立体中心のエナンチオ選択的構成は、一般に、2つの立体中心が異なる段階で生成される多段プロセスにより行われる。根本的により効率的な戦略は、外部キラル試薬との非対称タンデム反応により容易に入手できる非キラル出発材料から一工程で両方の立体中心を形成することである。キラル試薬の化学量論的量を用いたそのような非対称タンデム反応の開発において注目に値する実施例が報告されてきたが、効率的な触媒反応制御によるこの強力な戦略を実施するには、まだ手強い課題がある。
非隣接ヒドロキシル基−アミノ基の構成に関する選択された実施の形態としては、以下を参照のこと。(a)Yamagiwa,N.;Matesunaga,S. J.Am.Chem.Soc.2003,125,16178-16179. (b)Minter,A.R.;Fuller,A.A.;Mapp,A.K. J.Am.Chem.Soc.2003,125,6846-6847. (c)Josephsohn,N.S.;Snapper,M.L.;Hoveyda,A.H. J.Am.Chem.Cos.2003,125,4018-4019. (d)Kochi,T.;Tang,T.P.;Ellman,J.A. J.Am.Chem.Soc.2002,124,6518-6519. (e)Kobayashi,S.;Hamada,T.;Manabe,K. J.Am.Chem.Soc.2002,124,5640-5641.
非隣接ジアミノ基の構成については、以下を参照のこと。(f)Matsubara,R.;Nakamura,Y.;Kobayashi,S. Angew.Chem.Int.Ed.2004,43,3258-3260.
非隣接ジオールの構成については、以下を参照のこと。
(g)Flamme,E.M.;Roush,W.R. J.Am.Chem.Soc.2002,124,13644-13645. (h)Evans,D.A.;Gauchet-Prunet, J.A.J.Org.Chem.1993,58,2446-2453.
1,3−関連ジアルキル基の構成については、以下を参照のこと。(i)Tan,Z.;Negishi,E.Angew.Chem.Int.Ed.2004,43,2911-2914. (j)Myers,A.G.;Yang,B.H.;Chen,H;Mckinstry,L.;Kopecky,D.J.;Gleason,J.L.J.Am.Chem.Soc.1997,119,6496-6511.
マイケル付加
特に、多くの天然の生成物において1,3−第3−第4立体中心が存在し、またそのような構造的モチーフを構成する効率的な方法がないために、1,3−第3−第4立体中心を直接エナンチオ選択的に形成するために、容易に入手できる3基置換炭素供与体のα−置換マイケル受容体への触媒非対称共役付加が開発されるに至った。Wang.X.;Meg.Q.;Perl,N.R.;Xu,Y.;Leighton,J.L.J.Am.Chem.Soc.2005,127,12806-12807; Shirakawa,S.;Lombardi,P.L.;Leighton,J.L.J.Am.Chem.Soc.2005,127,9974-9975; and Keller,L.;Camara,C.;Pinheiro,A.;Dumas,F.;d’Angelo,J.Tetrahedron Lett.2001,42,381-383. そのような戦略において合成的に有用なエナンチオ選択性およびジアステレオ選択性を得るために、キラル触媒は、C−C結合形成求核付加においてだけでなく、その後のプロトン付加段階においても、効率的な立体制御を行う必要がある。ここに、そのようなタンデム触媒共役付加−プロトン付加の最初の実現が開示されていることが注目すべきことである。さらに、本発明の方法は、ブロモピロールアルカロイドのマンザシジンAの簡潔で融通の利く非対称合成において活用される。マンザシジンの非対称合成については、以下を参照のこと:
(a)Wehn,P.M.;DuBois, J.J.Am.Chem.Soc.2002,124,12950-12951. (b)Namba,K.;Sinada,T.;Teramoto,T.;Ohfune,Y. J.Am.Chem.Soc.2000,122,10708-10709. (c)Lanter,J.C.;Chen,H.;Zhang,X.;Sui,Z. Org.Lett.2005,ASAP.
(−)−ダイシハーベインの非対称合成については、以下を参照のこと:
(d)Masaki,H.;Maeyama,J.;Kamada,K.;Esumi,T.;Iwabuchi,Y.;Hatakeyama,S. J.Am.Chem.Soc.2000,122,5216-5217.
(e)Snider,B.B.;Hawryluk,N.A. Org.Lett.2000,2,635-638.
(−)−ナカドマリンAの非対称合成については、以下を参照のこと:
Ono,K.;Nakagawa,M.;Nishida,A. Angew,Chem.Int.Ed.2004,43,2020-2023.
1などの容易に入手できる修飾シンコナアルカロイドは、様々な3基置換炭素求核剤のニトロアルケン、α,β−不飽和スルホンおよびケトンへの共役付加のための非常に効率的な触媒である(図1および図9を参照のこと)。3基置換炭素求核剤の1−触媒共役付加の機械論的研究から示された転移状態モデルを考慮すると、タイプ1の触媒が、図3に示されたような、3基置換炭素供与体のα−置換マイケル受容体へのエナンチオ選択的C−C結合形成求核付加と、その結果得られたエノレートのその後のジアステレオ選択的プロトン付加の両方を促進させられるであろうことが想定された。その結果、本発明のシンコナアルカロイドは、タンデム非対称反応により、第3および第4立体中心両方の立体選択的生成を制御する二重機能キラル触媒として働くことがここに示される。例えば、本発明の触媒は、3基置換炭素供与体のα−置換マイケル受容体への非対称共役付加を促進できる。
3基置換炭素供与体およびα−ハロゲン化物を有するα−置換マイケル受容体による1−触媒の効率的かつ一般的なタンデム非対称共役付加−プロトン付加が発明された。かなりの範囲の3基置換炭素供与体と組み合わされたハロゲン化物官能基の合成多様性により、このタンデム反応が、1,3−第4−第3立体中心の非対称形成のための非常に多様な触媒反応手法を提供することができる。
モデル基質としてα−シアノケトン3aおよびα−クロロアクリロニトリルに関する触媒スクリーニング研究を、室温でトルエン中において行った(図5参照)。1aにより触媒作用が及ぼされた反応により、最良のエナンチオ選択性およびジアステレオ選択性が得られ、10モル%の触媒添加率で、75%eeおよび3:1のdr比で対応する1,4−付加物4aが生じた。反応を20モル%の1aで行い、反応濃度を1.0Mから0.1Mに減少させた場合、eeおよびdrは、それぞれ、91%および7:1に改善した。その合成の重要性に加えて、DABCOおよび他のシンコナアルカロイドによるジアステレオ選択性よりも劇的に高い1aで得られたジアステレオ選択性も重要な機械論的影響である。何故ならば、それにより、立体選択的プロトン付加が、1aによる触媒制御によるのではなく、求核付加において形成された第4立体中心による基質制御によるものであるという可能性が排除されるからである。
これらの期待できる結果にしたがって、3基置換炭素マイケル供与体に関する1a−触媒タンデム共役付加−プロトン付加の領域を探求した(図6および7)。触媒1aは、様々な環式3基置換炭素供与体について広く効果的であることが分かった。この触媒は、環のサイズ並びに求核炭素に結合した置換基の電子的性質および立体的性質に関して、環式供与体の変更を容易に受け入れた。それゆえ、様々な環式α−シアノケトン3a〜3dおよびケトエステル3e〜3hの2との反応は、71〜95%の収率で進行して、7〜20:1のdrで1,3−第3−第4立体中心を含有する所望の付加物4a〜4hを生じ、主要なジアステレオマーが、91〜99%eeで生成された。
α−フェニルα−シアノアセテート3iの2への、1aにより触媒作用を受けた付加は、2:1のdr比で行われ、主要なジアステレオマーが79%eeで得られた。触媒1のC9−置換基の構造変更が、容易に達成できた。そのような変更は、3aおよび2の非対称タンデム反応に関するエナンチオ選択性およびジアステレオ選択性両方に重大な影響を及ぼすことが示されたのが重要である。これらの観察は、C9−置換基を変えることによって、非環式供与体とのタンデム非対称共役付加−プロトン付加に関する触媒1の効率の改善を思い起こさせた。その結果、C9−カルボキシルレート置換基を有するC6’−OHシンコナアルカロイド(1d)により、1aにより示されたものよりも優れた、著しく改善されたエナンチオ選択性およびジアステレオ選択性が得られることが分かった。1dの存在下での様々な非環式供与体の2との反応が、4〜10:1のdrで生じ、88〜93%eeで主要なジアステレオマーが生じたことが重要である。
チオ尿素シンコナアルカロイド誘導体により触媒作用を受けた、アルファ−シアノカルボニル化合物のアクリロニトリルおよび2−クロロアクリロニトリルへの非対称共役付加の追加の実施の形態が図8〜10に示されている。追加のチオ尿素含有触媒が図11に示されている。
立体複雑性を形成する上でのこのタンデム非対称反応の独特な能力、その高い立体選択性および相当な基質範囲により助長されて、生物学的および構造的に興味深い、1,3−第3−第4中心を含有する天然生成物の新規かつ簡潔な非対称全合成を開発した。ブロモピロールアルカロイドであるマンザシジンA(13)が、天然供給源からの限られた供給のために、我々の全合成研究に関して特に魅力的な標的になった。緊密に関連したマンザシジンDの2つの簡潔かつ立体選択性の高い非対称合成が、それぞれ、ウェン(When)とディボイス(Du Bois)およびランター(Lanter)とその共同研究者により報告されたが、マンザシジンA(13)の唯一の立体選択性の高い合成は、オーフネとその共同研究者により22工程で行われた。それらの場合、N−置換第4および第3立体中心は、キラル補助制御または基質制御のいずれかにより、別々の工程で形成された。
1,3−第3−第4立体中心を有するテトラヒドロピリミジンコアは、中間体4kの立体特異的転換により構成できると考えられた。この中間体は、1dにより触媒作用を受ける、ジアステレオ選択性およびエナンチオ選択性の高いタンデム共役付加−プロトン付加によって優れた収率で直接得られる(図12)。塩化物がアジドにより置換され、その後、立体的にそれほど妨害されていないニトリル基の選択的アルコール分解によって、第3立体中心の立体化学健全性を損なわずに、4kが6に転化された。次いで、6におけるチオエステル基およびエステル基の両方が、水素化ホウ素ナトリウムにより還元された。得られたジオールの保護の後、8において立体的に非常に妨害されたニトリル基の水和が、パーキンの工程により行われ、アミド9が優れた収率で得られた。9におけるアジドの対応するBoc−保護アミンへのワンポット変換により、アミド10が得られた。このアミドは、バーゲス(Burgess)により報告された条件下でホフマン(Hoffman)転移を容易に経て、83%の収率で11を直接形成する。TBDPS基を除去した後、ジオール12は、92%eeの純粋なジアステレオマーとして70%の収率で単離された。ジオール12は以前に、オーフネ(Namba,K.;Shinada,T.;Teramoto,T.;Ohfune,Y. J.Am.Chem.Soc.2000,122, 10708-10709)により4工程で13に転化されたので、12のこの9工程の合成は、13工程のマンザシジンA(13)の形式非対称全合成を構成する。この経路により、13の類似物を調製できることが重要である。
二重機能キラル触媒としてのシンコナアルカロイドによる触媒タンデム非対称共役付加−プロトン付加反応が発見されたことが注目に値する。この反応により、1,3−立体中心の一段階構成のための新規の触媒反応手法が確立される。天然生成物の全合成に関するこの手法の合成的価値は、マンザシジンAへの簡潔かつ融通の利くエナンチオ選択的経路の開発において、際立った。
マンニッヒ反応
エナンチオ選択的マンニッヒ反応は、光学活性キラルアミンの合成にとって根本的に重要である。詳しくは、以下を参照のこと:
(a)Co’rdova,A.Acc.Chem.Res.2004,37,102.
(b)Kobayashi,S.;Ueno,M. Comprehensive Asymmetric Catalysis Supplement I; Jacobsen,E.N.,Pfaltz,A.,Yamamoto,H. Eds.;Springer:Berlin,2003;Chapter 29.5. (c)Kobayashi,S.;Ishitani,H. Chem.Rev.1999,99,1069
およびその中の文献。エノールシランなどの予め活性化したエノレート求核剤およびα−ケトエステルや1,3−ジケトンなどのエノール化可能なカルボニル求核剤とのエナンチオ選択的マンニッヒ反応のための効率的なキラル金属触媒および有機触媒の開発において、多大な進歩が成し遂げられた。Kobayashi,S.;Ueno,M.;Saito,S.;Mizuki,Y.;Ishitani,H.;Yamashita,Y.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2004,101,5476;Akiyama,T.;Itoh,J.;Yokota,K.;Fuchibe,K.Angew,Chem.Int.Ed.2004,43,1566;Josephsohn,N.S.;Snapper,M.L.;Hoveyda,A.H.J.Am.Chem.Soc.2004,126,3734;Kobayashi,S.;Matsubara,R.;Nakamura,Y.;Kitagawa,H.;Sugiura,M.J.Am.Chem.Soc.2003,125,2507;Wenzel,A.G.;Lalonde,M.P.;Jacobsen,E.N.Synlett,2003,1919;Wenzel,A.G.;Jacobsen,E.N.J.Am.Chem.Soc.2002,124,12964;Kobayashi,S.;Hamada,T.;Manabe,K.J.Am.Chem.Soc.2002,124,5640;Lou,S.;Taoka,B.M.;Ting,A.;Schaus,S.E.J.Am.Chem.Soc.2005,127,11256;Hamashima,Y.;Sasamoto,N.;Hotta,D.;Somei,H.;Umebayashi,N.;Sodeoka,M.Angew.Chem.Int.Ed.2005,44,1525;Poulsen,T.B.;Alemparte,C.;Saaby,S.;Bella,M.;Jorgensen,K.A.Angew.Chem.,Int.Ed.2005,44,2;Uraguchi,D.;Terada,M.J.Am.Chem.Soc.2004,126,5356. アルデヒドおよびケトンとのエナンチオ選択性の高い直接マンニッヒ反応が、キラル第2アミンおよびキラル金属錯体により達成された。Trost,B.M.;Jaratjaroonphong,J.;Reutrakul,V.J.Am.Chem.Soc.2006,128,2778;Mitsumori,S.;Zhang,H.;Cheong,P.;Houk,K.N.;Tanaka,F.;Barbas,C.F.,III.J.Am.CHem.Soc.2006,128,1040;Kano,T.;Yamaguchi,Y.;Tokuda,O.;Maruoka,K.J.Am.Chem.Soc.2005,127,16408;Harada,S.;Handa,S.;Matsunaga,S.;Shibasaki,M.Angew.Chem.,Int.Ed.2005,44,4365;Okada,A.;Shibuguchi,T.;Ohshima,T.;Masu,H.;Yamaguchi,K.;Shibasaki,M.Angew,Chem.,Int.Ed.205,44,4564;Notz,W.;Watanabe,S.-I.;Chowdari,N.S.;Zhong,G.;Betancort,J.M.;Tanaka,F.;Barbas,C.F.,III.Adv.Synth.Catal.2004,346,1131;Zhuang,W.;Saaby,S.;Jorgensen,K.A.Angew.Chem.,Int.Ed.2004,43,4476;Co'rdova,A.Chem.Eur.J.2004,10,1987;Notz,W.;Tanaka,F.;Barbas,C.F.,III.Acc.Chem.Res.2004,37,5801;Hayashi,Y.;Tsuboi,W.;Ashimine,I.;Urushima,T.;Shoji,M.;Sakai,K.Angew,Chem.,Int.Ed.2003,42,3805;List,B.;Pojarliev,P.;Biller,W.T.;Martin,H.J.J.Am.Chem.Soc.2002,124,827;List,B.J.Am.Chem.Soc.2000,122,9336. しかしながら、マロネートの単純なイミンとのエナンチオ選択性の高いマンニッヒ反応は、依然として分かりにくい。マロネートおよび活性化されたN−トシル−リミノエステルのマンニッヒ反応が唯一39〜87%eeで報告された:Marigo,
M.;Kjaersgaard,A.;Juhl,K.;Gathergood,N.;Jorgensen,K.A.Chem.Eur.J.2003,9,2359. しかしながら、耐空気および耐水分(air-and moisture-tolerant)条件下で実際的に入手できるキラル触媒によりうまく促進された場合、さらなる手の込んだ合成のために適切に保護された光学活性α−アミノ酸に対して非常に魅力的な収斂的手法を提供できるであろう。α−アミノ酸の合成については、以下を参照のこと:(a)Ma,J.Angew.Chem.,Int.Ed.2003,42,4290. (b)Magriotis,P.A. Angew.Chem.,Int.Ed.2001,40,4377.
(c)Liu,M.;Sibi,M.P. Tetrahedron 2002,58,7991.
α−アミノ酸の最近の合成については、以下を参照のこと:(a)Berkessel,A.;Cleemann,F.;Mukherjee,S. Angew.Chem.,Int.Ed.2005,44,2. (b)Hsiao,Y.;Rivera,N.R.;Rosner,T.;Krska,S.W.;Njolito,E.;Wang,F.;Sun,Y.;Armstrong,J.D.;Grabowski,E.J.;Tillyer,R.D.;Spindler,F.;Malan,C. J.Am.Chem.Soc.2004,126,9918. (c)Zhou,Y.;Tang,W.;Wang,W.;Li,W.;Zhang,X. J.Am.Chem.Soc.2002,124,4952. (d)Sibi,M.P.;Asano,Y. J.Am.Chem.Soc.2001,123,9708.
(e)Myers,J.;Jacobsen,E.N. J.Am.Chem.Soc.1999,121,8959.
そのような直接のマンニッヒ反応の実施は、特に難しい。何故ならば、この反応は、1,3−ジケトンおよびα−ケトエステルと比較して、エノール化が難しく、キラルエナミン触媒反応に適していない、反応性の弱いイミンおよびカルボニル求核剤の組合せを含むからである。
ここに、マロネートおよびN−Bocイミンとの、シンコナアルカロイドにより触媒作用を受ける、エナンチオ選択性の高いマンニッヒ反応を開発するための協同的水素結合触媒反応の用途を開示する。キラルチオ尿素およびリン酸などのキラル水素結合供与体は、エノールシランおよび1,3−ジケトンとのマンニッヒ反応を含む様々なエナンチオ選択的求核付加に対する単純なイミンの活性化のための効果的な触媒として確認された。Yoon,T.P.;Jacobsen,E.N. Angew.Chem.,Int.Ed.2005,44,466; Yoon,T.P.;Jacobsen,E.N. Science 2003,299,1691; Vachal,P.;Jacobsen,E.N. J.Am.Chem.Soc.2002,124,10012; Vachal,P.;Jacobsen,E.N. Org.Lett.2000,2,867; Sigman,M.S.;Vachal,P.;Jacobsen,E.N. Angew.Chem.,Int.Ed.2000,39,1279; Sigman,M.S.;Jacobsen,E.N. J.Am.Chem.Soc.1998,120,4901; Xu,X.;Furukawa,T.;Okino,T.;Miyabe,H.;Takemoto,Y. Chem.Eur.J.2006,12,466; Okino,T.;Nakamura,S.;Furukawa,T.;Takemoto,Y. Org.Lett.2004,6,625; Okino,T.;Hoashi,Y.;Takemoto,Y. J.Am.Chem.Soc. 2003,125,12672; Bernardi,L.;Fini,F.;Herrera,R.P.;Ricci,A.;Sgarzani,V. Tetrahedron 2006,62,375.
しかしながら、シンコナアルカロイドなどのキラル水素結合受容体は、エナンチオ選択的共役付加のためのマロネートの活性化に効果的であることが示された。Li,H.;Wang,Y.;Tang,L.;Deng,L. J.Am.Chem.Soc.2004,126,9906. したがって、チオ尿素官能基を有するシンコナアルカロイド誘導体は、マロネートの単純なイミンとのマンニッヒ反応のための効率的な二官能性触媒として働くであろうと考えられる。キニーネまたはキニジンから二段階で得られる触媒1dが、Li,B.;Jiang,L.;Liu,M.;Chen,Y.;Ding,L.;Wu,Y. Synlett 2005,4,603およびVakulya,B.;Varga,S.;Csa’mpai,A.;Soo’s,T. Org Lett.2005,7,1967により報告されたことに留意されたい。最近の用途については、以下を参照のこと:
Mccooey,S.H.;Connon,S. J.Angew,Chem.,Int.Ed.2005,44,6367;および Ye,J.;Dixon,D.J.;Hynes,P. Chem.Commun.2005,35,4481。
したがって、ジクロロメタン中でN−Boc−保護イミン4Dへのマロン酸ジメチル5aの付加のための触媒として、6’−または9−チオ尿素官能基いずれかを有するシンコナアルカロイド誘導体の研究を開始した。図13に要約したように、電子吸引性アリール置換基を有する6’−または9−チオ尿素シンコナアルカロイドが最も効果的な触媒として浮上した。触媒のチオ尿素Q−1dおよびチオ尿素Q−3によるマンニッヒ反応は、それぞれ、77%eeおよび72%eeで起こった(番号4および7)。様々な溶媒中における合成で容易に入手できるチオ尿素Q−1dによる反応の研究によって、アセトニトリルおよびアセトンが、ジクロロメタンに代わる適切な代替物と確認された(番号8および9)。意外なことに、これらの溶媒中の反応は、温度変化に対して異なって応答した。−20℃での反応対室温での反応について、エナンチオ選択性は、ジクロロメタン中でわずかに増加したが、アセトニトリル中では著しく減少した。アセトン中では、エナンチオ選択性へのよりはっきりした正の温度効果が観察された。これにより、−60℃での4Dの5aとのエナンチオ選択性の高い完全な反応に到達した(番号13)。チオ尿素Q−1dおよびチオ尿素QD−1d両方により触媒作用を受けたエナンチオ選択的マンニッヒ反応の領域を、上述した最適化条件下で調査した(図14)。チオ尿素QD−1dのエナンチオ選択性は、アリールイミンの立体特性とはほぼ関係ないことが分かった。チオ尿素QD−1dの存在下でのo−,m−,およびp−トリルイミン(4B−D)との反応は、97〜99%eeで起こった。電子の豊富なアリールイミンを含む、様々な電子特性の幅広いヘテロアリールイミンおよびアリールイミンについて、非常に高いエナンチオ選択性が得られた。R−未分岐アルキルアミン(4M−O)を含むN−Bocアルキルイミンについて非常に良好なエナンチオ選択性が達成されたことは注目に値する。有用なレベルのエナンチオ選択性を維持するにはチオ尿素QD−1dを高添加(100モル%)する必要があったが、チオ尿素QD−1dは、95%より高い収率で容易に再利用できた。4M〜Nに関するこれらの結果は、N−Boc−R−未分岐アルキルイミンとの最初のエナンチオ選択性の高いマンニッヒ反応を表す(番号13〜14)。チオ尿素触媒1dも、異なるバルクのマロネートを許容した。これにより、強酸または強塩基条件を使用せずに、アミン6をα−アミノ酸7に転化できる。チオ尿素QD−1d触媒マンニッヒ反応は、α−ケトエステルにも適用できる(図15[A])。ケト置換基の立体のばらつきは、チオ尿素触媒1dにより容易に受け入れられ、それによって、マンニッヒ反応が、様々な光学活性α−アミノケトンに到達できることが重要である。
結論として、容易に入手できる二官能性シンコナアルカロイド触媒による協働性水素結合触媒反応を探求することによって、N−Bocアリールイミンおよびアルキルイミンのマロネートおよびα−ケトエステルとのエナンチオ選択性の高い直接マンニッヒ反応が開発された(マロネートおよびα−ケトエステルのN−Bocアリールイミンに対するマンニッヒ反応を報告している、Tillman,A.L.;Ye,J.;Dixon,D. J.Chem.Commun. 2006,1991を参照のこと)。これにより、穏やかな、水分適合性かつ空気適合性の化合物の下で、容易に得られる出発材料からN−Bocα−アミノ酸の収斂的エナンチオ選択的合成が確立されるに至った。
定義
便宜上、明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で用いられているいくつかの語句をここにまとめる。
「求核剤」という語句は、当技術分野で認識されており、本明細書中では、反応性の高い電子対を有する化学的部分を意味する。求核剤の例としては、水、アミン、メルカプタンおよびアルコールなどの非荷電性化合物、および、アルコキシド、チオラート、カルバニオンならびに様々な有機および無機の陰イオンなどの荷電された部分が挙げられる。陰イオン求核剤の実例としては、水酸化物イオン、アジド、シアン化物イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、ギ酸イオン、クロロギ酸イオン、および亜硫酸水素イオンなどの単純陰イオンが挙げられる。適切な反応条件下では、有機クプレート、有機亜鉛、有機リチウム、グリニャール試薬、エノラート、アセチリドなどの有機金属試薬が、適した求核剤であろう。水素化物イオンもまた、基質の還元が望まれる場合には、求核剤として適しているであろう。
「求電子剤」という語句は、当技術分野で認識されており、先に定義された求核剤から電子対を受容可能な化学的部分のことをいう。本発明にかかる方法に有用な求電子剤としては、エポキシド、アジリジン、エピスルフィド、環状硫酸エステル、カーボネート、ラクトン、ラクタムなどの環状化合物が挙げられる。非環状の求電子剤としては、硫酸イオン、スルホン酸イオン(例えば、トシル酸イオン(tosylates))、塩化物イオン、臭化物イオン、および、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。
本明細書中で用いられる「求電子性原子」、「求電子中心」および「反応中心」の語句は、求核剤によって攻撃され、新たな結合を形成する基質の原子のことをいう。ほとんどの場合(すべてではないが)、これは、また、離脱基が離れていく原子でもある。
「電子吸引基」という語句は、当技術分野で認識されており、本明細書中では、同じ位置における水素原子と比較して、自身へと電子を引き寄せる力が強い官能基を意味する。典型的な電子吸引基としては、ニトロ基、ケトン基、アルデヒド基、スルホニル基、トリフルオロメチル基、−CN基、塩素基などが挙げられる。「電子供与基」という語句は、本明細書中では、同じ位置における水素原子と比較して、自身へと電子を引き寄せる力が弱い官能基を意味する。典型的な電子供与基にとしては、アミノ基、メトキシ基などが挙げられる。
「ブレンステッド塩基」という語句は、当技術分野で認識されており、非荷電、あるいは荷電した原子または分子、例えば、酸化物、アミン、アルコキシドイオンまたはカーボネートなどのプロトン受容体のことをいう。
「ルイス塩基」および「ルイス塩基の」という語句は、当技術分野で認識されており、ある反応条件下で、電子対を供与可能な化学的部分のことをいう。ルイス塩基部分の例としては、アルコール、チオール、オレフィン、およびアミンなどの非荷電の化合物、ならびにアルコキシド、チオラート、カルバニオンおよび他の様々な有機陰イオンなどの荷電された部分が挙げられる。
「ルイス酸」および「ルイス酸の」という語句は、当技術分野で認識されており、ルイス塩基から電子対を受容可能な化学的部分のことをいう。
「メソ化合物」という語句は、当技術分野で認識されており、少なくとも2つのキラル中心を持つが、その構造内の対称面または対称点に起因して、アキラルである化合物のことをいう。
「キラル」とは、鏡像体同士が互いに重なり合うことが不可能な性質を持つ分子のことをいい、一方、「アキラル」とは、鏡像体同士が重なり合うことのできる分子のことをいう。「プロキラル分子」とは、特定の処理により、キラル分子に変化する可能性のあるアキラル分子のことをいう。
「立体異性体」とは、同一の化学構造を持つが、原子や基の空間配置が異なる化合物のことをいう。特に、「鏡像異性体」という語句は、鏡像の一方を他方と重ね合わせることができない、化合物の2つの立体異性体のことをいう。一方、「ジアステレオマー」という語句は、2つ以上の不斉中心を有するが、互いに鏡像ではない、対となる立体異性体同士の関係をいう。
さらには、「立体選択的方法」とは、他の生成する可能性のある立体異性体の生成物に優先して、反応生成物の特定の立体異性体を生成する方法のことである。「エナンチオ選択的方法」とは、反応生成物の2つの可能性のある鏡像異性体のうち、一方の生成に有利に作用する方法のことである。本課題の方法は、キラル触媒が存在しない同一の反応から得られる立体異性体の収率と比較して、生成物の特定の立体異性体の収率が、統計的に有意な量を上回る場合に、「立体選択性が高い」生成物(例えば、エナンチオ選択性が高い、または、ジアステレオ選択性が高い)を生成するといわれる。例えば、本課題のキラル触媒の1つによって触媒されたエナンチオ選択的反応では、特定の鏡像異性体のeeは、キラル触媒を欠いた反応のeeに比べて大きくなるであろう。
「位置異性体」という語句は、分子式は同じだが、原子の結合が異なる化合物のことをいう。したがって、「位置選択的処理」とは、例えば、その反応が、統計的に有意な優越的量で、ある位置異性体を生成するといった、他に比べて特定の位置異性体の生成を優先させる処理である。
「反応生成物」という語句は、求核剤と基質の反応から得られる化合物を意味する。一般に、「反応生成物」という語句は、本明細書中では、安定な単離可能な化合物のことをいい、不安定な中間体や遷移状態には用いられないであろう。
「基質」という語句は、本発明に従って、求核剤または環拡大試薬と反応し、立体中心を有する少なくとも1種類の生成物を生成可能な化合物のことを意味する意図である。
「触媒量」という語句は、当技術分野で認識されており、反応物質と比較したサブ化学量論的な(substoichiometric)量を意味する。本明細書では、触媒量は、反応物質と比較して、0.0001〜90モル%を意味し、約0.001〜約50モル%がより好ましく、約0.01〜約10モル%がさらに好ましく、反応物質と比較して約0.1〜約5モル%がさらになお好ましい。
以下にさらに十分に論じるように、本発明が意図する反応には、エナンチオ選択的、ジアステレオ選択的、および/または位置選択的な反応が含まれる。エナンチオ選択的反応は、アキラルな反応物質を、1種類のエナンチオマーが豊富なキラル生成物へと変化させる反応である。エナンチオ選択性は、通常、下記に定義する「鏡像異性体過剰率」(ee)として数量化される:
%鏡像異性体過剰率A(ee) = (%鏡像異性体A) − (%鏡像異性体B)
ここでAおよびBは、生成した鏡像異性体である。エナンチオ選択性とともに用いられる追加の語句としては、「光学純度」または「光学活性」が挙げられる。エナンチオ選択的反応では、ゼロよりも大きなeeで生成物を生成する。エナンチオ選択的反応は、約20%よりも大きいeeで生成物を生成することが好ましく、約50%よりも大きいことがより好ましく、約70%よりも大きいことがよりさらに好ましく、約80%よりも大きいことが最も好ましい。
ジアステレオ選択的反応は、キラルな反応物質(ラセミ体、または鏡像異性的に純粋であろう)を、あるジアステレオマーが豊富な生成物に変化させる。もし、キラルな反応物質がラセミ体である場合は、キラル非ラセミ試薬または触媒(chiral non-racemic reagent or reagent)の存在下で、一方の反応物質である鏡像異性体が、他方よりもゆっくりと反応するであろう。この類の反応は速度論的分割と称され、反応物質である鏡像異性体が反応速度の差によって分割され、鏡像異性体が豊富な生成物、ならびに鏡像異性体が豊富な未反応基質の両方を生じる。速度論的分割は、通常、一方の反応物質である鏡像異性体のみとの反応に十分な量(すなわち、1モルのラセミ体基質に対して1/2モルの試薬)で用いられる。ラセミ体反応物質の速度論的分割に用いられる触媒反応の例として、シャープレスのエポキシ化反応および野依の水素化反応が挙げられる。
位置選択的反応は、ある反応中心において、他の同一ではない反応中心に比べて優先的に起こる反応である。例えば、非対称的に置換されたエポキシド基質の位置選択的反応には、エポキシ環の2つの炭素のうちの一方との優先的な反応が含まれるであろう。
キラル触媒に関する「非ラセミ」という語句は、ある鏡像異性体が50%を超える、さらに好ましくは約75%以上である触媒の調製を意味する。「実質的非ラセミ」は、ある鏡像異性体のeeが約90%を超える、さらに好ましくは約95%を超える、触媒の調製のことをいう。
「アルキル」という語句は、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族のラジカルのことをいう。ある実施の形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格に30個以下の炭素原子を有し(例えば、直鎖ではC−C30、分岐鎖ではC−C30)、さらには20個以下であることがより好ましい。同様に、シクロアルキルはその環構造中に4〜10個の炭素原子を有することが好ましく、環構造中に5、6または7個の炭素を有することがさらに好ましい。
炭素数が他に特定されていない限り、本明細書の「低級アルキル」は、先に定義したアルキルであって、その骨格構造に1〜10個の炭素原子を有するものをいい、1〜6個の炭素原子を有することがさらに好ましい。さらには、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は同様の鎖長を有する。
「アルケニル」および「アルキニル」という語句は、上述のアルキルと同様の鎖長および可能性のある置換を有するが、それぞれ、少なくとも1つの二重または三重の炭素−炭素結合を含む不飽和脂肪族のことをいう。
本明細書では、「アミノ」は、−NHを意味し、「ニトロ」は−NOを意味し、「ハロゲン」は−F、−Cl、−Br、−Iを指し、「チオール」は−SHを意味し、「ヒドロキシル、」は−OHを意味し、「スルホニル」は−SO−を意味し、「有機金属」という語句は金属原子(水銀、亜鉛、鉛、マグネシウムまたはリチウムなど)もしくはジフェニルメチルシリル基などの、炭素原子と直接結合する半金属(ケイ素、ヒ素またはセレンなど)のことをいう。
「アミン」および「アミノ」という語句は、当技術分野で認識されており、置換もしくは非置換アミンの両方をいい、例えば、次の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R50、R51およびR52は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61を表すか、または、R50とR51が付加されるN原子と一体となって環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成し、R61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたは多環基を表し;mは0または1〜8までの整数を表す。他の実施の形態では、R50およびR51(および随意的に、R52)は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−R61を表す。したがって、「アルキルアミン」には、置換もしくは非置換のアルキルが付加されている、すなわち、R50およびR51の少なくとも一方がアルキルである、先に定義されたアミン基が含まれる。
「アシルアミノ」という語句は、当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R50は先に定義したとおりであり、R54は水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−R61を表し、ここでmおよびR61は先に定義したとおりである。
「アミド」という語句は、アミノ置換カルボニルとして当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R50およびR51は先に定義したとおりである。本発明におけるアミドの特定の実施の形態には、不安定なイミドは含まれないであろう。
「アルキルチオ」は、硫黄ラジカルが付加された、先に定義されたアルキル基のことをいう。ある実施の形態では、「アルキルチオ」部分は、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、および−S−(CH−R61のいずれかで表され、ここでmおよびR61は先に定義したとおりである。代表的なアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
「カルボキシル」という語句は、当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、X50は結合、もしくは酸素または硫黄を表し、R55およびR56は、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−R61または医薬品的に容認可能な塩を表し、R56は水素、アルキル、アルケニルおよび−(CH−R61を表す。ここで、mおよびR61は先に定義したとおりである。X50が酸素であり、R55またはR56が水素ではない場合、その構造式は「エステル」を表す。X50が酸素であり、R55が先に定義したとおりである場合、その部分は、本明細書中では、カルボキシル基のことをいい、特に、R55が水素である場合、その構造式は「カルボン酸」を表す。X50が酸素であり、R56が水素である場合、構造式は「ギ酸エステル」を表す。一般に、上記構造式の酸素原子が硫黄に置き換わる場合、構造式は「チオカルボニル」基を表す。X50が硫黄であり、R55またはR56が水素ではない場合、構造式は、「チオールエステル」を表す。X50が硫黄であり、R55が水素である場合、構造式は「チオカルボン酸」を表す。X50が硫黄であり、R56が水素である場合、その構造式は「チオギ酸エステル(thiolformate)」を表す。一方、X50が結合であり、R55が水素ではない場合、上記構造式は、「ケトン」基を表す。X50が結合であり、R55が水素である場合、上記構造式は「アルデヒド」基を表す。
「カルバモイル」という語句は−O(C=O)NRR’のことを指し、ここで、RおよびR’は、独立してH、脂肪族基、アリール基またはヘテロアリール基である。
「オキソ」とは、カルボニル酸素(=O)のことをいう。
「オキシム」および「オキシムエーテル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R75は水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルまたは−(CH−R61である。RがHの場合、その部分は「オキシム」であり、Rがアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルまたは−(CH−R61の場合は「オキシムエーテル」である。
「アルコキシル」または「アルコキシ」という語句は当技術分野で認識されており、酸素ラジカルが付加された、先に定義されたアルキル基のことをいう。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」は、2つの炭化水素が1つの酸素と共有結合している。従って、アルキルをエーテルに変化させるアルキルの置換基は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−−(CH−R61のうちの1つに代表されるアルコキシルか、それに類似のものであり、ここで、mおよびR61は先に述べた通りである。
「スルホネート」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R57は電子対、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである。
「スルフェート」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R57は先に述べた通りである。
「スルホンアミド」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R50およびR56は先に述べた通りである。
「スルファモイル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R50およびR51は先に述べた通りである。
「スルホニル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R58は次のうちの1つである:水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール。
「スルホキシド」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される部分のことをいう:
Figure 0005266128
ここで、R58は先に述べた通りである。
「ホスホリル」という語句は当技術分野で認識されており、一般に下記の構造式で表され:
Figure 0005266128
ここで、Q50はSまたはOを表し、R59は水素、低級アルキルまたはアリールを表す。例えばアルキルなどで置換して用いる場合、ホスホリルアルキルのホスホリル基は下記の一般式で表され:
Figure 0005266128
ここで、Q50およびR59は、それぞれ独立して、先に定義したとおりであり、Q51はO、SまたはNを表す。Q50がSの場合は、ホスホリル部分は「ホスホロチオエート」である。
「フォスフォアミダイト」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される:
Figure 0005266128
ここで、Q51、R50、R51およびR59は先に定義した通りである。
「フォスフォンアミダイト(phosphonamidite)」という語句は当技術分野で認識されており、下記の一般式で表される:
Figure 0005266128
ここで、Q51、R50、R51およびR59は先に定義した通りであり、R60は低級アルキルまたはアリールを表す。
アルケニル基およびアルキニル基に同様の置換を行い、例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニル、またはカルボニル置換アルキニルを生成してもよい。
例えば、アルキル、m、nなどの各表示の定義は、構造内に複数用いられる場合、同一構造中のほかの場所におけるその定義から独立していることが意図されている。
「セレノアルキル」という語句は当技術分野で認識されており、置換されたセレノ基が付加したアルキル基のことをいう。アルキル上で置換される典型的な「セレノエーテル」は、−Se−アルキル、−Se−アルケニル、−Se−アルキニルおよび−Se−(CH−R61から選択され、mおよびR61は先に定義されたとおりである。
トリフリル、トシル、メシルおよびノナフリル(nonaflyl)という語句は、当技術分野で認識されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニルおよびノナフルオロブタンスルホニル基のことをいう。トリフラート、トシラート、メシラート、およびノナフラートという語句は当技術分野で認識されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステルおよびノナフルオロブタンスルホン酸エステルの官能基、およびこれらの基を含む分子のことをいう。
略語Me、Et、Ph、Tf、Nf、TsおよびMsは、それぞれ、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p−トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルを表す。本技術分野における通常の技術を有する有機化学者に用いられる略語のさらなる総合的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の創刊号に掲載されており、このリストは、通常、Standard List of Abbreviationsという表題で表されている。
本発明にかかる組成物に含まれる特定の化合物は、とりわけ、幾何学的または立体異性体の構造で存在して差し支えない。さらには、本発明にかかるポリマーもまた光学的に活性であって差し支えない。本発明は、シスおよびトランス異性体、R−およびS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体およびそれらのラセミ混合物、ならびにそれらの他の混合物を含む、これらすべての化合物を意図している。追加の非対称炭素原子がアルキル基などの置換基内に存在していてもよい。これらすべての異性体、およびその混合物は、本発明に包含されることが意図されている。
例えば、本発明にかかる化合物の特定の鏡像体が必要な場合は、不斉合成あるいはキラル補助基から誘導することによって調製して差し支えなく、ここで、得られるジアステレオマーの混合物を分割し、補助基を開裂して、純粋な所望の鏡像体を得る。あるいは、分子がアミノ基などの塩基性官能基、または、カルボキシル基などの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマーの塩が、適切な光学活性を有する酸または塩基から生成され、次に本技術分野で周知の分別結晶またはクロマトグラフの手法によって、生じたジアステレオマーの分割を行い、その後、純粋な鏡像体を回収する。
「置換」および「〜で置換された」には、これらの置換が、置換された原子および置換基の許容される価数に従っており、また、その置換によって安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離または他の反応などによって自然発生的に変化することのない化合物が得られる、という暗黙の条件が含まれることが理解されよう。
「置換された」という語句もまた、有機化合物の許容される置換基のすべてを含むことが意図されている。広範な態様では、許容される置換基として、非環式および環式、分枝鎖および非分枝鎖、炭素環および複素環、芳香族および非芳香族の、有機化合物の置換基が挙げられる。実例となる置換基としては、例えば、本明細書で先に述べた基が挙げられる。許容される置換基は、1つまたはそれ以上であって、適切な有機化合物と同一または異なる基であって差し支えない。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/または、ヘテロ原子の価数を満たす、本明細書で述べた有機化合物の任意の許容される置換基を有していてもよい。本発明は、有機化合物の許容される置換基によるいかなる方法によっても、限定されることが意図されるものではない。
本明細書で用いられる「保護基」という語句は、望まない化学変化から、反応する可能性のある官能基を保護する、一時的な置換基を意味する。これら保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびに、アルデヒドおよびケトンの、それぞれアセタールおよびケタールが挙げられる。保護基化学の分野は、概説されている(Greene,T.W.; Wuts,P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed.; Wiley: New York, 1991)。本発明にかかる化合物の保護された構造は、本発明の範囲に含まれる。
本発明の目的では、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 67th Ed., 1986-87, CAS Versionの内表紙の元素周期表に従って同定される。
「ペルフルオロアルキル」という語句は当技術分野で認識されており、すべての水素原子がフッ素に置換されたアルキルのことをいう。例えば、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルはペルフルオロアルキル基である。
「1−アダマンチル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 0005266128
「(−)−メンチル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 0005266128
「(+)−メンチル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 0005266128
「イソボルニル」という語句は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 0005266128
「イソピノカンフィル(isopinocamphyl)」という語句は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 0005266128
「(+)−フェンキル(fenchyl)」という語句は当技術分野で認識されており、下記の構造式で表される部分を含む:
Figure 0005266128
略語「QD」は下記の構造式に従った部分を表す:
Figure 0005266128
「Q」は下記の構造式に従った部分を表す:
Figure 0005266128
「β−アミノβ−シアノケトン」、「β−アミノβ−ケトエステル」、「β−アミノβ−シアノエステル」および「β−アミノ1,3−ジケトン」は下記の構造のいずれか1つに従った部分を表す:
Figure 0005266128
ここで、Rは、それぞれ存在ごとに独立して定義される。
本発明の触媒
本課題の方法に用いられる触媒は、非対称な環境を与える非ラセミ体のキラルアミンであり、アルケンの2つの立体表面間、または、2つ以上のプロキラルな部分(例えば、内部に対称面または対称点もしくはその両方を含む、プロキラルまたはメソ分子(すなわち、少なくとも2つのキラル中心を含む分子)において対称の関係にある部分)に、立体化学的な区別を与える。一般に、本発明によって意図される触媒は、多くの特性について特徴づけることができる。例えば、本発明が予定する各触媒の顕著な態様は、アミン窒素の近くに剛性もしくは半剛性の環境を提供するt−アミン部分を組み込んだ、非対称な二環あるいは多環の骨格の利用に関する。この特性は、骨格中に存在する1つ以上の不斉中心に近接したアミン窒素に構造的な剛性を強いることを通じて、変化全般についての対応するジアステレオマーの遷移状態におけるエネルギーの有意義な差異の創出に寄与する。さらには、置換基の選択もまた、触媒の反応性に効果をもたらす可能性がある。
上述のように、触媒の置換基の選択は、触媒の電子特性にも効果をもたらすことができる。電子が豊富な(電子供与)部分(例えば、アルコキシまたはアミノ基)を有する触媒の置換基では、t−アミン窒素における触媒の電子密度が増加し、より強い求核剤および/またはブレンステッド塩基および/またはルイス塩基となるであろう。逆に、電子に乏しい部分(例えば、クロロまたはトリフルオロメチル基)を伴う触媒の置換基では、t−アミン窒素における触媒の電子密度が減少する結果となり、より弱い求核剤および/またはブレンステッド塩基および/またはルイス塩基にすることができる。この検討材料についてまとめると、t−アミン窒素における触媒の電子密度が窒素のルイス塩基度および求核性に影響を及ぼすであろうことから、触媒の電子密度は重要であるといえる。よって、適切な置換基の選択により、反応速度の「チューニング」および反応の立体的選択が可能になる。
本発明の1つの態様は、下記構造式Iで表される化合物に関する:
Figure 0005266128
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換の窒素含有ヘテロアリールまたはベンゾイルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは置換または非置換のジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
本発明の別の態様は、下記化学式IIで表される化合物に関する:
Figure 0005266128
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換の窒素含有へテロアリールまたはベンゾイルを表し、
1は、置換または非置換のアルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す、
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは置換または非置換のジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、Rはエチル基である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチル基である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチル基である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチル基である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Iおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0である。
本発明の別の態様は、下記化学式IIIで表される化合物に関する:
Figure 0005266128
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C(R’)を表し、R’はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C(R’)を表し、R’はそれぞれ独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R4は水素または−OCHである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCHであり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCHであり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCHであり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCHであり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCHであり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IIIおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CHであり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
本発明の別の態様は、下記化学式IVで表される化合物に関する:
Figure 0005266128
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式IVおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
本発明の別の態様は、下記化学式Vで表される化合物に関する:
Figure 0005266128
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシ、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明にかかる化合物は、構造式Vおよび付随する定義のいずれかで表され、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
本発明の方法〜触媒反応
本発明の1つの態様では、プロキラルまたはラセミ出発物質に由来する少なくともひとつの立体中心を有する、立体選択的に生成する化合物の製法を提供する。本発明の利点は、鏡像異性的に豊富な生成物を、プロキラルまたはラセミ反応物質から合成可能なことである。別の利点は、望まない鏡像異性体の生成に伴う収率の損失を実質的に低減するか、あるいは完全に排除可能なことである。
一般に、本発明は、求核性の反応物質、プロキラルまたはキラル基質、および、少なくとも触媒量の、特別な特徴(下記に示すような)を持つ非ラセミのキラル触媒の組合せを含む、立体選択的な付加方法を特徴とする。本反応に適した触媒としては、求核剤による攻撃の影響を受けやすい、プロキラル電子欠損アルケン、プロキラルアルデヒド、およびプロキラルケトンが挙げられる。基質、求核剤および触媒の組合せをキラル触媒に適した条件下で保持し、プロキラル電子欠損アルケンまたはプロキラルアルデヒドまたはプロキラルケトンへの求核反応物質の付加を触媒する。この反応は、ジアステレオ選択的方法と同様に、エナンチオ選択的方法にも適用可能である。また、位置選択的反応にも適合するであろう。以下は、本発明にしたがって触媒されて差し支えないエナンチオ選択的およびジアステレオ選択的反応、速度論的分割、動的速度論的分割、および位置選択的反応の例である。
さらには、本発明にかかる方法は、非常に高い立体選択性(例えば、エナンチオ選択性またはジアステレオ選択性)または位置選択性を有する光学活性な生成物を提供することが可能である。本課題となる反応の好ましい実施の形態では、鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率が約50%を超える、約70%を超える、約90%を超える、および約95%を超える生成物を得ることが可能である。本発明にかかる方法は、商業的利用に適した反応条件下で行うことが可能であり、大規模な作業に適した反応速度で進行可能である。
上述により明らかなように、本発明にかかる非対称合成方法によって生成するキラル生成物をさらに反応させて、それらの所望の誘導体を得ることが可能である。これらの許容される誘導体化反応は、本技術分野で知られている従来的な手法で行うことが可能である。本発明は、治療用化合物の調製または開発、もしくはその両方に有用な最終生成物および合成中間体の調製を明確に意図するものである。
電子欠損アルケンへのエノラートの非対称付加
本発明の1つの態様は、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3-ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒が、化学式I:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは置換または非置換ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は、前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は前記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンが、Cにより表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDによって表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDによって表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDによって表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明にかかる別の態様は、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は、化学式II:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数である、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは置換または非置換ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rが4−クロロベンゾイルを表し、R1が−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する.
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の別の態様は、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は化学式III:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gが、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の別の態様は、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は、化学式IV:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはC:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の別の態様は、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は、化学式V:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、mは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CH3であり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはC:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Yはシアノを表す
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCにより表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
エノラートのイミンへの非対称付加(マンニッヒ反応)
本発明の1つの態様は、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンをイミンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒は化学式III:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、へテロアラルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、またはヘテロアラルキルオキシカルボニルを表し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはアリルまたはアルキルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xはアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表し、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表し、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはF:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qはアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、またはアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CH、−C(=O)CHCH=CH、または、−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gは、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、またはアルケニルオキシを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gはメチル、ベンジル、またはアリルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHを表し、Gは−CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHCH=CHを表し、Gは−CHCH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHPhを表し、Gは−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の1つの態様は、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンをイミンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は化学式IV:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、へテロアラルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、またはヘテロアラルキルオキシカルボニルを表し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはアリルまたはアルキルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xはアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表し、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表し、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはF:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル(aralkoxyl)、ヘテロアラルコキシル(heteroaralkoxyl)、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qはアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、またはアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CH、−C(=O)CHCH=CH、または、−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gは、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、またはアルケニルオキシを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gはメチル、ベンジル、またはアリルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHを表し、Gは−CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHCH=CHを表し、Gは−CHCH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHPhを表し、Gは−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の1つの態様は、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを調製する方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンをイミンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は化学式V:
Figure 0005266128
によって表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH2CHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、へテロアラルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、またはヘテロアラルキルオキシカルボニルを表し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはアリル(alyl)〜アルキル?またはアルキルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xはアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OCH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表し、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OCH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表し、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはF:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、アラルコキシル(aralkoxyl)、ヘテロアラルコキシル(heteroaralkoxyl)、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qはアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、またはアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CH、−C(=O)CHCH=CH、または、−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gは、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、またはアルケニルオキシを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gはメチル、ベンジル、またはアリルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHを表し、Gは−CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHCH=CHを表し、Gは−CHCH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHPhを表し、Gは−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の方法〜速度論的分割
本発明の別の態様では、基質あるいは求核剤の鏡像異性体またはジアステレオマーの速度論的分割を、本発明にかかる非ラセミのキラル触媒によって触媒する。例えば、ラセミ基質の本課題となる速度論的分割方法では、変換が完了するか中断される際に、1つの鏡像異性体を未反応基質として選択的に回収することができると同時に、他方の鏡像異性体を所望の生成物へと優先的に変換することが可能である。言い換えれば、基質の速度論的分割を行うことによって、所望の鏡像異性体またはジアステレオマー生成物を提供することができる。当然ながら、基質の速度論的分割は、求核剤と反応させて望ましくない鏡像異性体を取り除き、反応混合物から変化していない基質の所望の鏡像異性体を回収することによっても行いうることは、理解されよう。同様に、求核剤の速度論的分割も、基質との反応によって望まない鏡像異性体を取り除き、反応混合物から変化していない求核剤の所望の鏡像異性体を回収することによって行うことができる。速度論的分割の重要な利点の1つは、高価で鏡像異性体的に純粋な出発物質よりも、むしろ安価なラセミ出発物質を利用できることである。
動的でない速度論的分割方法では、ラセミ基質へ適用したように、1つの鏡像異性体が未反応基質として回収されると同時に、他方は所望の生成物へと変換させることができる。もちろん、速度論的分割による所望の生成物が、反応による鏡像異性体またはジアステレオマー、反応しない鏡像異性体またはジアステレオマー、もしくはその両方でありうるということは、当業者に認識されよう。本発明にかかる方法の重要な利点の1つは、高価で鏡像異性的にあるいはジアステレオマー的に純粋な出発物質よりも、むしろ安価なラセミあるいはジアステレオマー混合物を出発物質として利用できることである。
本方法は、また、動的速度論的分割に適用することも可能であり、例えば、求核剤の触媒攻撃よりも前に、基質の鏡像異性体あるいはジアステレオマーをその場平衡することにより、ラセミ基質の速度論的分割からの鏡像異性的あるいはジアステレオマー的に純粋な生成物の収率は50%を超える。動的速度論的分割方法は、この理由から、好まれている。
ある実施の形態では、本発明は、キラル非ラセミ触媒の存在下で、キラル基質のラセミ混合物またはジアステレオマー混合物を求核剤と混合する工程を含む、キラル基質のラセミ混合物またはジアステレオマー混合物の速度論的分割を行う方法に関し、ここで、前記キラル非ラセミ触媒は、前記キラル基質への前記求核剤の付加を触媒して、1つの鏡像異性体またはジアステレオマーが豊富になったキラル生成物、または未反応キラル基質、もしくはその両方を与える。ある実施の形態では、本発明は、速度論的分割を行う前述の方法に関し、ここで、前記速度論的分割は動的である。
電子欠損アルケンへの非対称付加を経由するエノラートの速度論的分割
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒は、化学式I:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは置換または非置換ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Mはアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Mはアルキルまたはアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Mはアルキルまたはアラルキルを表し、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。 ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了するかまたは中断するとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであり、
触媒の存在下で、ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒が、化学式II:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
nは0〜5の整数であり、
mは0〜8の整数であり、
4は−OHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは置換または非置換ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1はエチルであり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはフェナントレンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはジアゼンであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rはハロベンゾイルであり、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは5−クロロ−3,6−ジフェニル−2,4−ジアゼンを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは4−クロロベンゾイルを表し、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Mはアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Mはアルキルまたはアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンはEで表され、Mはアルキルまたはアラルキルを表し、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒が、前記ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了するかまたは中断するとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程を有してなり、
ここで、前記触媒は、化学式III:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンは、D:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する.
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒は、化学式IV:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する.
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、ラセミβ−シアノケトン、ラセミβ−ケトエステル、ラセミβ−シアノエステルまたはラセミ1,3−ジケトンを電子欠損アルケンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒は、化学式V:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンは、C:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記電子欠損アルケンはCで表され、Xは塩素を表し、Yはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはD:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはDにより表され、Qはシアノを表し、Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、またはアラルコキシルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する.
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体ではなく、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記方法が完了または中断されるとき、未反応のβ−シアノケトン、β−ケトエステル、β−シアノエステルまたは1,3−ジケトンはラセミ体であり、生成物の鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰はゼロよりも大きい。
イミンへの非対称付加を経由するエノラートの速度論的分割
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンをイミンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、その触媒は、化学式III:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、へテロアラルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、またはヘテロアラルキルオキシカルボニルを表し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはアリル(alyl)〜アルキル?またはアルキルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xはアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表し、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表し、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはF:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qはアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、またはアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CH、−C(=O)CHCH=CH、または、−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gは、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、またはアルケニルオキシを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gはメチル、ベンジル、またはアリルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHを表し、Gは−CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHCH=CHを表し、Gは−CHCH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHPhを表し、Gは−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンをイミンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを生成する、
各工程からなり、
ここで、前記触媒は、化学式IV:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
4は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素またはエーテルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R4は水素または−OCH3である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素または−OCH3であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は−OCH3であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2であり、mは0であり、nは0であり、R4は水素であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記イミンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、へテロアラルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、またはヘテロアラルキルオキシカルボニルを表し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはアリルまたはアルキルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xはアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表し、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表し、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはF:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qはアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、またはアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CH、−C(=O)CHCH=CH、または、−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gは、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、またはアルケニルオキシを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gはメチル、ベンジル、またはアリルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHを表し、Gは−CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHCH=CHを表し、Gは−CHCH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHPhを表し、Gは−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
本発明の1つの態様は、速度論的分割方法に関するものであって、
触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンをイミンと反応させ、
それによって、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンを生成する、
各工程を有してなり、
ここで、前記触媒は、化学式V:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、それぞれ存在毎に独立して、
Rは、Hもしくは置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、−C(=O)−アルキル、−C(=O)−アルケニル、−C(=O)−アルキニル、−C(=O)−アリール、−C(=O)−アラルキル、−C(=O)−ヘテロアリール、−C(=O)−ヘテロアラルキル、−C(=O)−ヘテロシクリル、−C(=O)−ヘテロシクロアルキル、−C(=S)N(H)−アルキル、−C(=S)N(H)−アルケニル、−C(=S)N(H)−アルキニル、−C(=S)N(H)−アリール、−C(=S)N(H)−アラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロアリール、−C(=S)N(H)−ヘテロアラルキル、−C(=S)N(H)−ヘテロシクリル、または−C(=S)N(H)−ヘテロシクロアルキルを表し、
1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
5は、Hまたは低級アルキルを表し、
nは0〜6の整数であり、
mは0〜8の整数である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−単環式アリールである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、およびエステルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは−C(=S)N(H)−C6(R’)6であり、R’は、それぞれ存在毎に独立して、水素、低級アルキル、および低級フルオロアルキルからなる群より選択される。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルキルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はエチルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1はアルケニルである。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CH=CH2である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R5は水素である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここでmは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、nは0である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは、−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)、−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)、−C(=S)N(H)−(Ph)、または−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(4−t−Bu−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(2−i−Pr−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、R1は−CHCHであり、mは0であり、nは0であり、R5は水素であり、Rは−C(=S)N(H)−(3,5−ビスCF3−Ph)である。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで、前記イミンはE:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、へテロアラルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、またはヘテロアラルキルオキシカルボニルを表し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表し、
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはアリルまたはアルキルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xはアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記イミンはEにより表され、Rはt−ブチルオキシカルボニルを表し、Xは、2−Me−Ph−、3−Me−Ph−、4−Me−Ph−、4−F−Ph−、4−Cl−Ph−、4−CF−Ph−、2−フリル−、2−チエニル−、4−OH−Ph−、3,4−OCHO−Ph−、3−ビニル−Ph−、CHCH−、CHCHCHCH−、シクロヘキシル−、またはPh−を表し、Yは水素を表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはF:
Figure 0005266128
により表され、
ここで、
Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
Gは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qはアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、またはアラルキルカルボニルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CH、−C(=O)CHCH=CH、または、−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gは、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、またはアルケニルオキシを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Gはメチル、ベンジル、またはアリルを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHを表し、Gは−CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHCH=CHを表し、Gは−CHCH=CHを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンはFにより表され、Qは−C(=O)CHPhを表し、Gは−CHPhを表す。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約70モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約40モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約10モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記触媒は、前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンに対して、約5モル%未満で存在する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約50%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約70%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約90%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
ある実施の形態では、本発明は上記方法および付随する定義のいずれかに関するものであり、ここで前記キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−アミノβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−アミノβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミβ−アミノ1,3−ジケトンは、約95%を超える鏡像異性過剰またはジアステレオマー過剰を有する。
求核剤
本発明における有用な求核剤は、いくつかの基準に従い、熟練した当業者によって決定されて差し支えない。それぞれの基質に適した求核剤が、選択可能であり、基質の構造および所望の生成物によって変化するであろう。ある変換に好ましい求核剤を決定するには、所定の実験が必要とされる。例えば、窒素を含んだ求核剤が必要な場合は、アンモニア、フタルイミド、ヒドラジン、アミンなどから選択されるであろう。同様に、水、水酸化物、アルコール、アルコキシド、シロキサン、カルボキシラート、または過酸化物などの酸素求核剤は、酸素の導入に用いられるであろうし、メルカプタン、チオラート、亜硫酸水素、チオシアン酸などは、硫黄含有部分の導入に用いられるであろう。追加の求核剤については、当業者にとって明白であろう。陰イオンとして存在する求核剤にとって、対イオンは、アルカリおよびアルカリ土類金属の陽イオン、およびアンモニウム陽イオンを含む、様々な従来的な陽イオンのいずれかであってよい。ある実施の形態では、求核剤は基質の一部であり、それによって、分子内反応が起こって差し支えない。
基質
前述のように、様々な基質が、本発明にかかる方法において有用である。基質の選択は、用いられる求核剤および所望の生成物などの要素次第であり、適切な基質は、熟練した当業者にとって明白であろう。基質が、干渉する官能基を含まないことが好ましいことは、理解されよう。一般に、適切な基質には、識別できる立体面を有する、少なくとも1つの反応性求電子中心または部分が含まれる。求電子中心における、触媒された、求核剤の立体選択的攻撃によって、キラル非ラセミ生成物が生成するであろう。本発明にかかる方法に利用することが意図される基質の多くは、少なくとも1つのカルボニル部分を含む。本課題の方法による求核剤攻撃の影響を受けやすい、適切なカルボニル含有基質の例としては、ケトン、アルデヒド、アルデヒドケトン、ジケトン、ケトエステル、アルデヒドエステルなどが挙げられる。
別の実施の形態では、求電子性の基質は、キラル化合物である。ある実施の形態では、基質はラセミ混合物である。ある実施の形態では、基質はジアステレオマーの混合物である。ある実施の形態では、本発明は速度論的分割をもたらす。ある実施の形態では、本発明は動的速度論的分割をもたらす。
反応条件
本発明にかかる非対称反応は、幅広い条件下で行って差し支えなく、本明細書中に掲げる溶媒および温度範囲は限定されるものではなく、単に本発明の方法の好ましい形態に関するものであることが理解されよう。
一般に、反応は、基質、触媒もしくは生成物に悪影響を与えない、穏やかな条件を用いて行われることが望ましいであろう。例えば、反応温度は、反応物質、生成物および触媒の安定性のみならず、反応速度にも影響を与える。反応は、通常、−78℃〜100℃の範囲の温度で行われ、−20℃〜50℃の範囲がさらに好ましく、−20℃〜25℃の範囲がさらになお好ましいであろう。
一般に、本発明にかかる非対称反応は、液体の反応媒質中で行われる。反応は、溶媒を加えずに行っても差し支えない。あるいは、反応は不活性溶媒中で行ってもよく、その場合、触媒を含めた反応材料は、実質的に溶解性であることが好ましい。適切な溶媒としては、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化溶剤;ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタンなどの脂肪族または芳香族の炭化水素溶剤;酢酸エチル、アセトンおよび2−ブタノンなどのエステル;ケトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン溶剤;もしくは2種類以上の溶剤の組合せが挙げられる。さらには、ある実施の形態では、例えば、エタノールが所望の求核剤の場合、溶媒としてエタノールを使用するなど、用いられる条件の下で基質に対して不活性ではない溶媒を用いることは、有利であろう。水または水酸化物が好ましい求核剤ではない実施の形態では、反応は、無水条件下で行うことができる。ある実施の形態では、エーテル溶媒が好ましい。水または水酸化物が好ましい求核剤である実施の形態では、反応は、適切な量の水および/または水酸化物を含む混合溶媒中で行う。
本発明は、さらに、溶媒の二層混合物中での反応、エマルションまたは懸濁液中での反応、もしくは脂質ベシクルまたは脂質二重層での反応をも予定している。ある実施の形態では、触媒反応を固相で行うことが、好ましいであろう。
一部の実施の形態では、反応は、反応ガス雰囲気下で行って差し支えない。例えば、求核剤としてシアニドを用いた脱対称化反応は、HCNガス雰囲気下で行なってもよい。反応ガスの分圧は、10kPa〜1.0×105kPa(0.1〜1000atm)であり、51kPa〜1.0×104kPa(0.5〜100atm)がさらに好ましく、1.0×10kPa〜1.0×10kPa(1〜10atm)の範囲が最も好ましい。
ある実施の形態では、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で反応を行なうことが好ましい。
本発明にかかる非対称合成方法は、連続的、半連続的、またはバッチ方式にて行うことが可能であり、必要に応じて、液体循環および/またはガス循環を含めてもよい。本発明の方法は、バッチ方式で行われることが好ましい。同様に、反応材料、触媒および溶媒の添加の方法または順番も重要ではなく、任意の従来法で達成して差し支えない。
本反応は、単一の反応帯または複数の反応帯で、連続的にまたは同時進行で行うことができ、あるいは、細長い管状の領域または連続したこれらの領域内で、バッチ方式で、または継続して、行われて差し支えない。用いられる構成材料は、反応の間、出発物質に対して不活性であるべきであり、装置は、反応温度および圧力に耐えうるように製作されるべきである。反応過程において、反応帯にバッチ方式または連続的に導入される出発物質または材料の量を、導入および/または調節する手段は、特に、出発物質の所望のモル比を維持する目的で、本方法に便利に活用することができる。出発物質の1つを他方に追加的に付加することによって、反応工程を達成してもよい。また、出発物質を光学活性な金属−配位子錯体触媒に共有付加(joint addition)することにより、反応工程を組み合わせることができる。完全な転換が望ましくないか、あるいは得られない場合は、出発物質を生成物から分離し、再度、反応帯へ戻すことができる。
本方法は、ガラスライニングされたステンレス鋼、または類似の反応装置のいずれかで行って差し支えない。過度の温度の変動を制御するため、または反応温度の「暴走」の可能性を未然に防ぐために、反応帯に、1つ以上の熱交換器を内部および/または外部に取り付けてもよい。
さらには、例えば、1つまたはそれ以上の置換基でポリマーまたは固体担体に共有結合させることなどにより、キラル触媒をポリマーまたは他の不溶性の基材に固定または導入することができる。固定された触媒は、反応後、例えば、ろ過または遠心分離などによって、容易に回収することができる。
本発明を一般的に説明してきたが、本発明の特定の態様および実施の形態の説明目的のためだけに含まれ、本発明を制限することが意図されていない以下の実施例を参照することによって、本発明がより容易に理解されるであろう。
一般情報
1Hおよび13C NMRスペクトルが、バリアン(Varian)機器で記録され(それぞれ、400MHzおよび100MHz)、テトラメチルシラン信号または残留プロトン性溶媒信号に対して内部参照された。1H NMRに関するデータは以下のように記録される:化学シフト(δ、ppm)、多重度(s,一重;d,二重;t,三重;q,四重;m,多重)、積分、結合定数(Hz)。13C NMRに関するデータは化学シフト(δ、ppm)に関して報告される。赤外線スペクトルは、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)FT−IR分光計で記録され、吸収周波数が報告される。20eVのCH4/CIまたはNH3/CIいずれかにより行われた新たな化合物全てに関する低分解能質量スペクトルは、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)5989A GC/MSで記録し、正確な質量スペクトルは、VG7070高分解能質量分析計で記録した。比旋光度をジャスコ(Jasco)・デジタル旋光計で測定した。
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を、Regis(R,R)Whelk−O1リバーシブルカラム(250×4.6mm)またはDaicel Chiralpak ODカラム(250×4.6mm)を用いて、クォータナリポンプを備えたヒューレット・パッカード1100シリーズ機器で行った。UV検出を、220nmまたは254nmでモニタした。
実施例1: キニジン9−O−(9’−フェナンスリル)エーテル(QD−PHN)の調製
Figure 0005266128
攪拌装置、還流冷却器、および不活性ガスの注入−排気口を備えた500mLの三口丸底フラスコに、キニジン(QD−1、12.8g、39.5mmol、1.2当量)を入れた。フラスコにアルゴンガスを、30分間、穏やかに流した。無水ジメチルスルホキシド(130ml、CaH存在下で新たに蒸留した)を加え、キニジンがすべて溶解するまで、反応混合物を室温で攪拌した。水素化ナトリウム(60%油分散、2.0g、1.5当量)を少しずつ加え、相当するナトリウムアルコキシドのオレンジ色の若干濁った溶液を得た。室温でピリジン(6.4ml、2.4当量)およびヨウ化銅(I)(7.8g、1.2当量)を反応混合物に加えると、反応混合物の色はオレンジから暗緑色へと変化した。30分後、沈殿物はすべて溶解し、透明な溶液となった。9−ヨードフェナントレン(10.0g、32.9mmol)を加え、反応混合物を113℃で70時間(油浴、温度:120℃)保持した。反応混合物を室温まで冷却した。水(100ml)、ジクロロメタン(100ml)、およびジメチルエーテル(100ml)を連続して茶色の溶液に加え、次に、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無水物(20g)および濃アンモニア水溶液(20ml、29重量%)を加えた。不活性アルゴンガスを除去し、反応混合物をよく攪拌しながら、およそ1時間、空気を穏やかに流入した。反応混合物を分液漏斗に移し、青緑色の水層を暗褐色の有機層から分離した。水層をジクロロメタン(100ml)で2度洗浄し、合わせた有機層を、水層に着色が見られなくなるまで、アンモニア水溶液(200ml、5重量%)で3回抽出した。次に、有機層をHCl水溶液(1N、2×50ml)で2回、および水で3回(3×50ml)洗浄し、残留キニジンを除去した。有機層をNHOHで洗浄して塩を中和し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得た。粗生成物をエチルエーテル(300ml)に溶解し、沈殿が生じなくなるまで、HCl(1N、ジエチルエーテル溶媒)で処理した。沈殿を回収し、CHClに溶解し、NHOHで塩基性化し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、黄色っぽい泡状のQD−PHN(5.6g、収率66%)を得た。[α]D 23 = + 310.7 (C 0.89 EtOH); 1HNMR(CDCl3, 400 Hz): δ8.65-8.71(m, 2H), 8.61(d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.52(d, J = 8 Hz, 1H), 8.07(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.70-7.75(m, 2H), 7.55(d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.38-7.46(m, 5H), 6.66(s, 1H), 6.35(br, 1H), 6.12-6.21(m, 1H), 5.18(d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.12(m, 1H), 4.03(s, 3H), 3.32-3.42(m, 2H), 2.97-3.06(m, 2H), 2.79-2.87(m, 1H), 2.44-2.50(t, J = 10 Hz, 1H), 2.34-3.25(m, 1H), 1.97(br, 1H), 1.55-1.62(m, 3H); 13CNMR:(CDCl3, 100Hz): 158.1, 150.4, 147.71, 144.7, 143.7, 140.3, 132.3, 132.2, 131.5, 127.5, 127.3, 126.8, 126.7, 126.6, 126.4, 124.5, 122.8, 122.7, 122.3, 121.8, 118.2, 114.7, 104.8, 100.8, 78.8, 60.5, 55.8, 50.2, 49.9, 39.6, 27.8, 26.5, 22.1; IR: 3062, 2935, 2863, 1622, 1594, 1507, 1454, 1226, 1117, 750。
実施例2: キニジン9−O−ベンジルエーテル(QD−OBn)の調製
Figure 0005266128
DMF溶液(20ml、DMFに溶解したCAH懸濁液から新たに蒸留した)に溶解したQD(2.0g、6.2mmol)にNaH(0.68g、鉱物油中57%懸濁液、2.5当量)を加え、室温で2時間攪拌した。次に、BnCl(0.78ml、1.1当量)を10分間かけてシリンジで滴下し、一晩攪拌した。反応させた後、塩水(20ml)を慎重に加え、得られた混合物を酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を塩水(3×50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去し、フラッシュ・クロマトグラフィー(MeOH/酢酸エチル:1/40)で精製し、黄色っぽい油(2.3g、90%収率)を得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.77 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.40-7.31 (m, 7H), 6.00-5.92 (m, 1H), 5.23 (br, 1H), 5.02-5.00 (m, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.49-4.37 (AB, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.26(m, 1H), 3.09-3.08 (m, 1H), 2.93-2.71 (m, 3H), 2.26-2.22 (m, 1H), 2.11-2.05 (m, 1H), 1.75 (br, 1H), 1.51-1.43 (m, 2H), 1.29-1.24 (m, 1H); 13CNMR (100Hz, CDCl3) δ157.8, 147.6, 144.7, 137.8, 31.9, 128.4, 128.0, 127.8, 127.5, 121.9, 119.1, 114.5, 101.2, 71.3, 60.1, 55.7, 50.1, 49.4, 40.0, 28.1, 26.4。
実施例3: QD−4a、QD−4b、QD−4cおよびQ−4aの調製のための一般的手順
Figure 0005266128
雰囲気下で、乾燥DMF(50ml、DMFに溶解したCAH懸濁液から新たに蒸留した)中のQD(8.0mmol)の懸濁液を、TLC分析でQDが完全に消費されるまで、110℃で4〜6時間加熱した。反応生成物を室温まで冷却し、次に、飽和NHCl(40ml)およびHO(50ml)と混合し、pHが7になるまでpH試験紙で観察した。得られた混合物を酢酸エチル(2×200ml)で抽出し、有機層を塩水(4×50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(酢酸エチル/MeOH/NEt系)にかけ、所望の生成物を得た。
QD−4aは、キニジンから収率92%の黄色っぽい固体として得られた。[α]D 25 = + 240.3 (c 1.13, EtOH); 1HNMR (400 MHz, CD3OD)δ: 8.58 (d, 1 H, J = 4.4 Hz), 7.88 (d, 1 H, J = 9.2 Hz ), 7.62(d, 1H, J = 5.2 Hz ), 7.31 ( dd, 1H, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz ), 7.25 (d, 1H, J = 2.4 Hz ), 6.10-6.19 ( m, 1H ), 5.58 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 5.10 (d, 1H, J = 18.8 Hz), 5.06 (d, 1H, J = 10.4 Hz), 3.60 (ddd, 1H, J = 2.0Hz, 8.0 Hz, 13.6 Hz), 3.03 (dt, 1H, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz), 2.87-2.94(m, 2H), 2.74-2.82(m, 1H), 2.30 (dt, 1H, J = 8.8 Hz, 8.4 Hz), 2.18-2.23 (m, 1H), 1.71 ( br, 1H), 1.50-1.58 (m, 2H), 1.00-1.07 (m, 1H) ; 13CNMR (100Hz, CD3OD)δ: 158.0, 149.8, 147.4, 143.9, 141.6, 131.4, 128.4, 123.3, 119.7, 115.2, 105.1, 72.2, 60.6, 50.8, 50.4, 41.3, 29.7, 27.0, 21.2 ; IR(CHCl3) ν 3062, 2929, 2300-3500 (br), 1616, 1505, 1229, 739 cm-1; HRMS (FAB) m/z (C19H22N2O2 + H+) 計算値: 311.1760, 実測値: 311.1755。
QD−4bは、QD−Bnから、収率87%の黄色っぽい固体として得られた。[α]D 25 = -138.9 (c 1.05, CHCl3); 1HNMR (400 MHz, CDCl3)δ: 10.92 (br, 1H), 8.67 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.01(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.44 (br, 1H), 7.35 (dd, J = 2.4 Hz, 8.8 Hz, 1H), 7.24-7.28 (m, 5H), 5.97-5.89 (m, 1H), 5.53 (br, 1H), 4.97 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 4.94 (s, 1H), 4.34-4.25 (AB, 2H), 3.56 (br, 1H),3.05-3.03 (m, 2H), 2.87-2.78 (m, 2H), 2.26-2.24 (m, 2H), 1.74 (br, 1H), 1.52-1.39 (m, 2H), 1.13 (br, 1H); 13CNMR (100Hz, CDCl3)δ: 157.0, 146.5, 143.6, 139.9, 137.7, 131.3, 128.3, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 123.4, 114.9, 106.7, 79.0, 71.2, 59.0, 49.7, 49.2, 39.6, 28.0, 25.9。
QD−4cは、QD−PHNから、収率91%の黄色っぽい固体として得られた。[α]D 25 = - 304.6 (c 0.98, CHCl3); 1HNMR (400 MHz, CDCl3)δ: 8.69-8.67 (m, 1H), 8.63-8.61 (m, 1H), 8,46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.20 (d, 1H, J = 2.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.74-7.70 (m, 2H), 7.35 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.25-7.26 (m, 1H), 7.20 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.50 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.33(s, 1H), 6.23-6.15 (m, 1H), 5.27 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 3.58-3.53 (m, 1H), 3.36 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 3.09-2.99(m, 2H), 2.79-2.68 (m, 2H), 2.30-2.28 (m, 1H), 2.00 (br, 1H), 1.54-1.52 (m, 2H), 1.43-1.34 (m, 1H); 13CNMR (100Hz, CDCl3)δ: 157.0, 149.6, 146.9, 143.7, 142.4, 139.4, 131.9, 131.8, 131.5, 127.3, 127.2, 127.1, 126.6, 126.4, 126.3, 126.1, 124.5, 123.4, 122.8, 122.6, 121.9, 117.5, 115.3, 106.1, 105.0, 76.8, 59.2, 49.7, 49.5, 38.8, 27.4, 25.7, 20.3; IR(CHCl3)ν: 3300-2800 (br), 3070, 2939, 2870, 1622, 1506, 1455, 1225, 1115, 753 cm-1
Q−4aは、キニンから、収率80%の白色の固体として得られた。[α]D 25 = - 162.8 (c 0.93, EtOH); 1HNMR (400 MHz, CD3OD)δ: 8.58 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 7.89 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.32 ( dd, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1 H), 7.28 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.69-5.78 (m, 1H), 5.51 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 4.88 ( d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.66-3.73 (m, 1H), 3.05-3.13(m, 2H), 2.63-2.74 (m, 2H), 2.34 (br, 1H), 1.80-1.89 (m, 2H), 1.77-1.78 (m, 1H), 1.54-1.61(m, 1H), 1.39-1.46(m, 1H); 13CNMR (100Hz, CD3OD)δ: 157.9, 149.8, 147.4, 144.0, 142.6, 131.4, 128.4, 123.3, 119.8, 115.0, 105.1, 72.2, 60.9, 57.6, 48.4, 44.2, 40.9, 29.2, 28.1, 21.8; IR(CHCl3) ν 3055, 2937, 2870, 2300-3500(br), 1616, 1457, 1236, 1067 cm-1; HRMS (FAB) m/z (C19H22N2O2 + H+)計算値: 311.1760、実測値: 311.1761。
実施例4: チオ尿素触媒を用いた非対称共役付加のための一般的な手順
Figure 0005266128
α-シアノカルボニル化合物(0.2mmolまたは0.3mmol)およびチオ尿素触媒(0.04mmolまたは0.03mmol)のトルエン(2mlまたは3ml)溶液にアクリロニトリルまたは2−クロロアクリロニトリルを加えた。α-シアノカルボニル化合物が完全に消費されるまで、反応混合物を室温または50℃に保った。触媒を除去するため、粗反応混合物をシリカゲルのショートプラグを通じてろ過し、ジエチルエーテル(5.0ml)で洗浄した。ろ液を真空下で濃縮し、残留物をシリカゲルのフラッシュ・クロマトグラフィーにかけ、純粋な付加化合物を得た。
実施例5: 脱ハロゲン化のための一般的手順
Figure 0005266128
亜鉛(150mg、2.3mmol、粉末)を、3(80.0mg、0.3mmol)のジエチルエーテル(1.5ml)溶液へ加えた。得られた懸濁液に、AcOH(1.5ml)を一度に加えた。得られた混合物を室温で24時間攪拌した。亜鉛粉末をシリカゲル−綿栓で除去し、ジエチルエーテルで栓から4を洗い出した。エーテルを加えて水で洗い、NaHCOと塩水で飽和し、NaSOで乾燥し、濃縮して無色の油4を得た。ジニトリル4をジエチルエーテルで希釈し、直接、HPLC分析にかけた。
等価
本明細書に記載された発明の特定の実施の形態についての多くの等価物は、当業者に認識されるであろうし、わずかな所定の実験によって確認できるであろう。これらの等価物は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。

Claims (10)

  1. キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを、電子欠損アルケンと反応させ、それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する工程を有してなり、
    前記電子欠損アルケンが、アクリロニトリルであるか、あるいは下記式Cにより表され:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
    Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    前記触媒が、下記化学式Iにより表されることを特徴とする方法:
    Figure 0005266128
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
    1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0から5までの整数であり、
    mは0から8までの整数であり、
    4は−OHを表す。
  2. キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを、電子欠損アルケンと反応させ、それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する工程を有してなり、
    前記電子欠損アルケンが、アクリロニトリルであるか、あるいは下記式Cにより表され:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
    Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    前記触媒が、下記化学式IIにより表されることを特徴とする方法:
    Figure 0005266128
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
    1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0から5までの整数であり、
    mは0から8までの整数であり、
    4は−OHを表す。
  3. キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを調製する方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを、電子欠損アルケンと反応させ、それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する工程を有してなり、
    前記電子欠損アルケンが、アクリロニトリルであるか、あるいは下記式Cにより表され:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
    Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    前記触媒が、下記化学式により表されることを特徴とする方法:
    Figure 0005266128
    ここで、Arは、4−t−Bu−Ph、2−i−Pr−Ph、Ph、または3,5−ビスCF 3 −Phである。
  4. 速度論的分割方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを、電子欠損アルケンと反応させ、それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する工程を有してなり、
    前記電子欠損アルケンが、アクリロニトリルであるか、あるいは下記式Cにより表され:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
    Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    前記触媒が、下記化学式Iにより表されることを特徴とする方法:
    Figure 0005266128
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
    1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0から5までの整数であり、
    mは0から8までの整数であり、
    4は−OHを表す。
  5. 速度論的分割方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを、電子欠損アルケンと反応させ、それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する工程を有してなり、
    前記電子欠損アルケンが、アクリロニトリルであるか、あるいは下記式Cにより表され:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
    Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    前記触媒が、下記化学式IIにより表されることを特徴とする方法:
    Figure 0005266128
    ここで、それぞれ存在毎に独立して、
    Rは、置換または非置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリールカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを表し、
    1は、置換または非置換アルキルまたはアルケニルを表し、
    2およびR3は、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アシル、アルコキシル、シリルオキシ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、またはエステルを表し、
    nは0から5までの整数であり、
    mは0から8までの整数であり、
    4は−OHを表す。
  6. 速度論的分割方法であって、
    触媒の存在下で、プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンを、電子欠損アルケンと反応させ、それによって、キラル非ラセミβ−シアノケトン、キラル非ラセミβ−ケトエステル、キラル非ラセミβ−シアノエステルまたはキラル非ラセミ1,3−ジケトンを生成する工程を有してなり、
    前記電子欠損アルケンは、アクリロニトリルであるか、あるいは下記式Cにより表され:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表し、
    Yは、シアノ、ニトロ、アルキルエステル、アリールエステル、ヘテロアリールエステル、アラルキルエステル、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    前記触媒が、下記化学式により表されることを特徴とする方法:
    Figure 0005266128
    ここで、Arは、4−t−Bu−Ph、2−i−Pr−Ph、Ph、または3,5−ビスCF 3 −Phである。
  7. 前記Arが、3,5−ビスCF3−Phであることを特徴とする、請求項3または6記載の方法。
  8. 1がエチルであることを特徴とする、請求項1、2、4および5いずれか1項記載の方法。
  9. 1が−CH=CH2であることを特徴とする、請求項1、2、4および5いずれか1項記載の方法。
  10. 前記プロキラルβ−シアノケトン、プロキラルβ−ケトエステル、プロキラルβ−シアノエステルまたはプロキラル1,3−ジケトンが、下記式Dにより表されることを特徴とする、請求項1〜いずれか1項記載の方法:
    Figure 0005266128
    ここで、
    Qは、シアノ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アラルキルカルボニル、またはヘテロアラルキルカルボニルを表し、
    Gは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルコキシル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルコキシル、ヘテロアラルコキシル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、またはヘテロアラルキルアミノを表す。
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