JP6723681B2 - 摺動用皮膜、摺動部品およびそれらの製造方法 - Google Patents

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本発明は、耐摩耗性と低摺動抵抗(低摩擦係数)を示す摺動用皮膜および摺動部品、ならびにそれらの製造方法に関するものである。
省エネルギーと環境負荷物質の低減は、現代の工業技術における重要な課題である。たとえば自動車においては、低燃費化を実現することが不可欠であるが、それには、軽量化とフリクションの低減によるエンジン効率向上が効果的である。軽量化のためアルミニウム合金など軟質な材料を運動部に採用しようとしても、表面の摺動特性(耐摩耗性と低摺動抵抗)の改善が併せて必要となる場合が多い。それゆえ、エンジン効率の向上や機器寿命の延長をはかって省資源・省エネルギーに寄与するためには、優れた摺動材料の開発が鍵となる。
溶射は、上記した軽量化と摺動特性の改善とを実現するための手段の一つである。溶射皮膜の耐摩耗性部材への適用例には、大型の製鉄用ロールや製紙用ロールから、バルブリフター、ピストンリング、シンクロナイザーリングのような部品まで、多種多様なものがある。溶射皮膜は、溶融状態あるいは半溶融状態からの急冷組織であるため、同じ組成の金属や合金であっても、溶射皮膜の方が一般のバルク材よりも硬いのである。
溶射に関しては、特に、窒素やミストを用いた急冷型溶射装置を用い、特定の成分にアトマイズされた粉末を溶射することによって溶射皮膜が非晶質化することが確認されている(下記特許文献1)。
そのほか、蒸着技術によって形成されるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜と呼ばれる非晶質硬質炭素膜も、表面の摺動特性を高める皮膜として期待されている。DLC膜については、下記の特許文献2・3に記載されている。
特許第4579317号公報 特開平3-240957号公報 特開2001-192864号公報
DLC膜は水素を含む非晶質炭素膜であるが、そのような膜には、基材との密着性に乏しいという根本的な難点がある。そのため、軟鉄、鋼、ステンレスなど通常に機械部品材料として用いられている多くの金属の表面にはDLC膜は強く密着せず、すぐに剥離してしまう。そのため、面圧が高い摺動環境ではDLC膜は基材から剥離しやすい。また、一般に、DLC膜のような蒸着によるコーティングは処理コストが高いという課題もある。DLC膜にはそのほか、真空中において低摩擦係数を維持できないという弱点がある。
耐摩耗性向上など摺動特性の改善をねらって、前記のとおり溶射を適用することも少なくない。しかし、耐摩耗性と低摺動抵抗とをともに良好にするという意味では、溶射はいまだ本格的な実用化レベルに至っていない。前述のように溶射皮膜を非晶質化した場合にも、それだけでは摺動抵抗を十分に低くすることはできていない。
なお、摺動特性を改善するための汎用的な手段として、二硫化モリブデン、黒鉛、窒化ホウ素などの劈開性固体潤滑材がステンレス鋼SUS440Cと組み合わせて使用されることがある。しかし、固体潤滑材は摩耗し易く、薄膜として基材に被覆した場合には、摩耗によって摺動面から除去されるとその効果がなくなるので、著しく寿命が短いという課題がある。
請求項に係る発明は、以上の点を考慮し、実用性に富んだ工業用基礎製品として、耐摩耗性が高く摺動抵抗が低い摺動用皮膜とそれを有する摺動部品、およびそれらの製造方法を提供するものである。
発明による摺動用皮膜は、非晶質を含む合金母相の中に、劈開性物質が固溶することなく存在していることを特徴とする。
図3は、そのような皮膜の一例についての表層からの画像(極低加速電圧走査電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線分光器を用いた)である。写真中、黒い点状のものが劈開性物質の粒子であり、非晶質を含む合金母相中に、固溶することなく存在している。
こうした特徴をもつ摺動用皮膜は、耐摩耗性が高いとともに摺動抵抗が低いという、好ましい摺動特性を有している。それは、合金母相が非晶質を含んでいるために硬く、したがって耐摩耗性に優れるうえ、固溶せずに存在する劈開性物質がその劈開性に基づいて摩擦抵抗を低下させるからである。また、劈開性物質が、硬い合金母相中に保持された状態にあって脱落を起こしがたいことから、低摩擦の特性が長期間維持されるという利点もある。
上記の摺動用皮膜については、合金母相がFe基またはNi基であって、劈開性物質がWCであるとよい。
Fe基の合金母相としては、たとえば60Fe10Cr8Ni2Mo13P7C(数字は各成分のat%)、または62Fe13Cr10Ni2C8B2P1.5Co1.5Mo(同上)の組成のものを採用できる。Ni基の合金母相としては、たとえば65Ni15Cr16P4B(同上)の組成のものを採用できる。
WC(タングステンカーバイド)は、劈開性を有していて摩擦抵抗が低いうえ、高硬度であって非晶質の合金母相と変わらない硬さを有しているために摩耗や脱落による減少が発生しにくい。そのため、合金母相中にWCの粒子を有する上記の摺動用皮膜においては、耐摩耗性が高く摺動抵抗が低いという摺動特性がきわめて長く持続される。
合金母相が上記と同様にFe基またはNi基であって(上に例示した各組成のものを採用できる)、劈開性物質がC(黒鉛)であるのもよい。
Cも、劈開性を有していて潤滑性に優れる物質であるため、合金母相中にCの粒子が含まれるこの摺動用皮膜においても、耐摩耗性が高く摺動抵抗が低いという有利な摺動特性が発揮される。そのような特性の維持される期間についても申し分ない。
上記の摺動用皮膜は、700Hv以上の硬度を有し、上記劈開性物質として1〜10μmの粒度のものを、(合金母相を含む上記皮膜全体の重量に対し)0.1〜5.0wt%含有するものであると好ましい。
合金母相の硬度が700Hv以上であれば、上述のとおり高い耐摩耗性が発揮される。その硬度が900Hv以上であればなお望ましい。また、劈開性物質として、1〜10μm程度の粒度(平均粒径)のものが0.1〜5.0wt%程度含まれていると、摺動特性に優れるとともに当該特性が長期間維持される。
上記の摺動用皮膜は、合金母相とするための合金粉末と上記劈開性物質の粉末とを、基材に向けて溶射ガンより火炎とともに噴射して合金粉末のみを溶融させ、火炎が基材に達する前から冷却ガス(窒素やミスト等)にて冷却することにより、基材上に積層させて形成されたものが好ましい。つまり、前記した急冷型溶射装置(図1に一例を示す)を用いて基材上に溶射し、溶射皮膜として形成されたものがよい。上記図3に例示した皮膜は、かかる溶射の方法によって形成されたものである。
溶射は一般に急冷組織を形成することから、前記のとおり本来的に硬い皮膜を形成しやすいといえるが、急冷型溶射装置を用い、火炎が基材に達する前から冷却ガスにて強制的に冷却すると、合金粉末の化学成分によっては、一たん溶融した粉末材料が非晶質化して基材上に積層される。一方、上記劈開性材料の粉末は、合金母相とする合金粉末よりも高融点であるため、火炎温度が適切であれば溶融せず、結果として、合金母相中に固溶することなく単独で存在することとなる。
こうした方法で形成された摺動用皮膜は、容易に作製されるものでありながら、上記した特徴を具備していて摺動特性に優れている。溶射によると、基材が金属である場合、その基材に対して高い密着強度で皮膜を形成できるので、剥離しがたい摺動用皮膜として形成できるといえる。
発明による摺動部品は、上記した摺動用皮膜が、金属基材上に、同基材に対して20MPa以上の密着強度で、50〜300μmの厚さに積層されていることを特徴とする。基材としては、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなど種々の金属を使用できる。
上記の摺動用皮膜は、その厚さをたとえば数mm以上にして皮膜のみからなる部品を形成し、機械類にそのまま組み込める程度の強度を有するものとすることが容易ではない。しかし、その皮膜を金属基材上に密着させるなら、金属基材と一体の摺動部品とし、機械類に組み込めるものとすることが容易である。
そして、摺動用皮膜と金属基材との密着強度が上記のとおり20MPa以上あれば、面圧が高い摺動環境においても、摺動用皮膜が基材から剥離しがたい。密着強度が50MPa以上であればなお望ましい。また、当該皮膜の厚さが50〜300μmであれば十分な耐用寿命が期待される。その厚さが100μm以上あるとなお望ましいが、過剰に厚い場合には製造コストの点で難がある。
上記摺動部品の摺動用皮膜の表面が、研磨によって面粗度(算術平均粗さ)Raが0.2μm以下とされていると有利である。
その程度にまで表面が滑らかに研磨されていると、摺動特性がとくに改善され、摺動の相手方となる他の部品との摩擦抵抗がとくに小さくなる。
発明による摺動用皮膜または摺動部品の製造方法は、上記合金母相とするための合金粉末と上記劈開性物質の粉末とを、基材に向けて溶射ガンより火炎とともに噴射して合金粉末のみを溶融させ、火炎が基材に達する前から冷却ガスにて冷却することにより、基材上に上記摺動用皮膜を形成することを特徴とする。すなわち上述のように、前記した急冷型溶射装置(図1に一例を示す)を用いて基材上に溶射し、溶射皮膜として摺動用皮膜を製造するのである。上記の摺動部品は、当該部品の一部となる金属基材を基材とし、その表面上に溶射をすることによって製造できる。
上述のとおり、急冷型溶射装置を用い、火炎が基材に達する前から冷却ガスにて強制的に冷却すると、合金粉末の化学成分によっては、一たん溶融した粉末材料が非晶質化して基材上に積層される。一方、上記劈開性材料である高融点の粉末は、溶射中も溶融しないため、結果として固溶することなく合金母相中に単独で存在する。
この方法によれば、摺動特性に優れた上記の摺動用皮膜および摺動部品を容易に製造することができる。溶射によって形成される皮膜は金属基材に対して強く密着するので、摺動用皮膜が剥離しがたい好ましい摺動部品を製造できることにもなる。
発明の摺動用皮膜および摺動部品によれば、耐摩耗性が高く摺動抵抗が低いという、好ましい摺動特性が発揮される。しかもその特性が長期間にわたって維持される。
また、発明の製造方法によれば、上記のような摺動用皮膜および摺動部品を容易に製造することができる。皮膜が剥離しがたい好ましい摺動部品を得ることもできる。
皮膜の作製に使用する急速冷却型溶射装置とその使用状況を示す側面図である。 摺動用皮膜の断面(研磨後)を示す顕微鏡組織写真である。 摺動用皮膜(研磨したうえ劈開性物質の存在が分かるよう処理したもの)を示す顕微鏡組織写真である。 摺動用皮膜のDSC解析例を示す図である。 合金母相がNi基またはFe基(2種類)であって劈開性物質が添加された、溶射による摺動用皮膜(3種類)について、各皮膜と基材(炭素鋼)との間の密着力を示す図である。 往復磨耗試験機による摺動試験結果を示す図である。Ni基およびFe基の各種アモルファス皮膜で、合金母相中に劈開性物質が添加されていない場合について、往復回数と摩擦係数との関係を示している。 往復磨耗試験機による摺動試験結果を示す図である。Ni基およびFe基の各種アモルファス皮膜で、合金母相中にC(黒鉛。0.3wt%、1.0wt%)が添加された場合について、往復回数と摩擦係数との関係を示している。 往復磨耗試験機による摺動試験結果を示す図である。Ni基およびFe基の各種アモルファス皮膜で、合金母相中にWC(タングステンカーバイド。0.5wt%、1.3wt%)が添加された場合について、往復回数と摩擦係数との関係を示している。
1.皮膜の作製
非晶質化する合金組成を有していて直径が+38/-63μmに分級されたガスアトマイズ粉末を材料とし、図1に示す急冷型溶射装置を用いて、金属基材(SS400)の表面上に溶射皮膜を形成する。材料とする上記のガスアトマイズ粉末は、60Fe10Cr8Ni2Mo13P7C(数字は各成分のat%)、62Fe13Cr10Ni2C8B2P1.5Co1.5Mo(同上)、または65Ni15Cr16P4B(同上)であって、いずれも、急冷すると非晶質化する材料である。ただしこれらの粉末に、劈開性物質として、平均粒径が5μmの人造黒鉛(C)、または平均粒径が2μmのタングステンカーバイド(WC)の粉末を、全量の0.1〜1.5wt%になるように混合し、乾燥させ攪拌して溶射用材料とする。
図1に示す急冷型溶射装置は、燃料として酸素とアセチレンの混合ガスを使用し、溶射ガンの前方から燃焼火炎を噴出させるとともに、上記粉末(溶射用材料)を噴出させる。粉末材料は、一たん燃焼火炎で溶融されるが、溶融直後に、外側の筒状体(二重壁)の内部を通してその先端から噴出される冷却ガス(窒素または水ミスト等)にて急冷されることにより、多くが非晶質となって基材表面に堆積し成膜される。
図1に示す急冷型溶射装置により、非晶質になりやすい組成の金属粉末とCやWCのような劈開性物質の粉末とを混合させた材料を溶射すると、非晶質(を含む)合金母相中に上記劈開性物質の粉末が混在している皮膜を基材上に作製することができる。
2.皮膜の組織および諸性状
作製した上記皮膜は、いずれも膜厚が50μm以上となるよう基材上に形成した。皮膜表面の硬度(ビッカース硬さ)はいずれも700Hv(100g)以上であり、60Fe10Cr8Ni2Mo13P7Cを合金母相とするものは約900Hv(100g)であった。
上記皮膜の断面を、アルミナ製砥石にて厚さ0.1mmを研磨して示す顕微鏡組織写真(SEM写真)を図2に示す。図2(a)は60Fe10Cr8Ni2Mo13P7C(at%)+WC(1.3wt%)の皮膜を示し、同(b)は、62Fe13Cr10Ni2C8B2P1.5Co1.5Mo(at%)+C(1.0wt%)のものを示している。また、60Fe10Cr8Ni2Mo13P7C(at%)+C(0.3wt%、平均粒径5μm人工黒鉛を添加)の皮膜と60Fe10Cr8Ni2Mo13P7C(at%)+WC(0.5wt%、平均粒径2μmの工業用WCを添加)の皮膜について、研磨したうえ劈開性物質の存在が分かるよう処理して撮影した顕微鏡組織写真(極低加速電圧走査電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線分光器を用いた、皮膜の表層からの画像)を図3に示す。合金母相内にCやWC(黒い部分)が残存していることが確認できる。
図4は、作製した60Fe10Cr8Ni2Mo13P7C(at%)+WC(1.3wt%)の皮膜についてのDSC解析例である。示差熱のピークが観察されることから、合金母相が非晶質となっていることが分かる。
基材(炭素鋼)とその表面上に形成した皮膜との密着力の測定結果を図5に示す。密着力は、直径φ20mmのSUSドリーをコニシ製接着材E39(エポキシ樹脂ジシアンジアミド)にて溶射皮膜と接着し、120℃60分硬化後、引張試験機での引張強度を測定するという方法で測定した。図5のとおり、基材と皮膜とは、いずれの例においても50MPa以上の密着力で積層していることが分かる。
3.摩擦係数測定試験
作製した皮膜の表面の摩擦係数を、ボールオンプレート往復磨耗試験機を使用して測定した。皮膜表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以下になるまで研磨したうえ、相手材に直径φ3/16インチのSi3N4の球を用い、無潤滑で、摺動速度1500mm/min、荷重100gf、磨耗距離150mとして測定した。試験温度は25℃、湿度50%で一定である。
皮膜の合金母相と劈開性物質の種類を変えた結果を、図6〜図8に示す。合金母相がNi基であってもFe基であっても、WCの粉末を含む場合には、静止摩擦係数が0.15、動摩擦係数が0.11程度であった。Cの粉末を含む場合についても、静止摩擦係数・動摩擦係数とも0.2以下で使用できる可能性を確認できた。なお、劈開性物質を含まない、非晶質含有の合金母相のみからなる皮膜(図6の6種類)においては、上記各摩擦係数を0.2以下として使用することは難しいもようである。
以上により、作製した皮膜、およびそれを基材上に有する部品は、耐久性、耐荷重性に優れる摺動用皮膜および摺動部品として優れた摺動特性を発揮するといえる。この点を活用すれば、上記の皮膜等は、工業製品の省エネルギー化等を大幅に促進できるものと考えられる。

Claims (5)

  1. 非晶質を含む合金母相の中に、劈開性物質が単独で、固溶することなく存在している摺動用皮膜であって、
    組成が60Fe10Cr8Ni2Mo13P7Cまたは62Fe13Cr10Ni2C8B2P1.5Co1.5Moであって非晶質を含む合金母相の中に、上記劈開性物質として1〜10μmの粒度のWCまたはCが全量の0.1〜5.0wt%、固溶することなく存在していることを特徴とする摺動用皮膜。
  2. 非晶質を含む合金母相の中に、劈開性物質が単独で、固溶することなく存在している摺動用皮膜であって、
    組成が65Ni15Cr16P4Bであって非晶質を含む合金母相の中に、上記劈開性物質として1〜10μmの粒度のWCが全量の0.1〜5.0wt%、固溶することなく存在していることを特徴とする摺動用皮膜。
  3. 皮膜表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以下の状態で、ボールオンプレート往復磨耗試験機を使用し、相手材に直径φ3/16インチのSi3N4の球を用い、無潤滑で、摺動速度1500mm/min、荷重100gf、磨耗距離150mとして測定したとき、動摩擦係数が0.2以下となることを特徴とする請求項1または2に記載の摺動用皮膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の摺動用皮膜が、金属基材上に、同基材に対して20MPa以上の密着強度で50〜300μmの厚さに積層されていることを特徴とする摺動部品。
  5. 上記合金母相とするための合金粉末と上記劈開性物質の粉末とを、基材に向けて溶射ガンより火炎とともに噴射して合金粉末のみを溶融させ、火炎が基材に達する前から冷却ガスにて冷却することにより、基材上に上記摺動用皮膜を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の摺動用皮膜または摺動部品の製造方法。
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