JP5826958B1 - 内燃機関用ピストンリング - Google Patents

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Abstract

【課題】高温且つ高負荷条件下においても長期に亘ってアルミ凝着を防止でき、且つ被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制できる内燃機関用ピストンリングを提供する。【解決手段】ピストンリング用母材11に耐アルミ凝着被膜12が被覆された内燃機関用のピストンリング1であって、耐アルミ凝着被膜12は、前記ピストンリング用母材11の上下側面11a及び11bの少なくとも一方に被覆された第1のセラミックスをマトリックスとして、該マトリックスを構成する第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスを含有した、セラミックスのみからなる複合被膜であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関用ピストンリングに関し、特に高温且つ高負荷条件下においても長期に亘ってアルミ凝着を防止でき、且つ被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制できる内燃機関用ピストンリングに関するものである。
内燃機関において使用されるトップリング、セカンドリング、オイルリングの3つのピストンリングは、ピストンの表面に設けられたピストンリング溝にそれぞれ係合するように配置され、燃焼室から燃焼ガスが外部に漏洩するのを防止するガスシール機能、ピストンの熱を冷却されたシリンダ壁に伝達してピストンを冷却する熱伝導機能、及び潤滑油としてのエンジンオイルをシリンダ壁に適量与えて余分なオイルを掻き出す機能を有している。
これら3つのピストンリングは、内燃機関の動作時、燃焼室における燃料の爆発によりピストンが往復運動する際に、ピストンのピストンリング溝内において、溝内面との間で衝突を繰り返している。また、ピストンリングは、ピストンリング溝内において、その周方向に摺動自在であるため、ピストンリング溝内を摺動する。ところで、ピストンリング溝の表面には、溝形成のための旋盤加工により、1μm程度の高さを有する突起が形成されており、上記のピストンリングとの衝突と摺動により突起が疲労破壊して、ピストンリング溝の表面に活性なアルミニウム合金面が露出するようになる。
この露出したアルミニウム合金面は、衝突によりピストンリング側面と接触し、さらに摺動を繰り返すと、アルミニウム合金がピストンリング側面に凝着する現象である、アルミニウム凝着(以下、「アルミ凝着」と称する)が発生する。これは特に、燃焼室に最も近くに位置し、高温条件下に置かれるトップリングにおいて顕著である。
このアルミ凝着がさらに進行すると、ピストン溝の摩耗が急速に進行し、ピストンリングのガスシール機能が低下して、高圧の燃焼ガスが燃焼室からクランク室へ流出する、いわゆるブローバイと呼ばれる現象が生じ、エンジン出力の低下を招く問題がある。
こうした状況を受けて、これまでピストンリングのアルミ凝着を防止する様々な技術が提案されてきた。例えば、特許文献1には、ピストンリング溝と衝突及び摺動するピストンリングの側面に、カーボンブラック粒子を含有する樹脂系被膜を設けることにより、なじみ性を向上させてアルミ凝着を防止する技術について記載されている。
また、特許文献2には、ニッケル系粉末、鉛系粉末、亜鉛系粉末、スズ系粉末、ケイ素系粉末よりなる群から選択される一または二以上の粉末を表面被膜全体に対して10〜80質量%含有する耐熱樹脂を、ピストンリングの上下側面の少なくとも一方に設けることにより、ピストンリングへのアルミ凝着を効果的に防止する技術について記載されている。
しかし、特許文献1及び2に記載された被膜の場合、エンジン内の温度が上昇すると、耐アルミ凝着性が低下する問題があった。そこで、特許文献3には、硬質粒子を含有する、固体潤滑機能を有するポリイミド被膜を、ピストンリングの上下側面の少なくとも一方に設けることにより、230℃を超える高温条件下においても、長期に亘って高い耐アルミ凝着性を維持する技術について記載されている。
さらに、特許文献4には、樹脂系被膜に代えて少なくともシリコンを含有する第1ダイヤモンド・ライク・カーボン(Diamond Like Carbon、DLC)被膜と、該第1DLC被膜の下に形成された少なくともWまたはW、Niを含有する第2DLC被膜を、ピストンリングの上下側面に設けることにより、耐アルミ凝着性、耐スカッフ性及び耐摩耗性に優れたピストンリングを提供する技術について記載されている。
さらにまた、特許文献5には、硬質ナノ粒子を含有したポリシラザンをガラス化した被膜について記載されている。
特開2007−278495号公報 特開2008−248986号公報 国際公開第2011/071049号パンフレット 特開2003−014122号公報 国際公開第2012/111826号パンフレット
ところで、近年、車のダウンサイジングが進んでおり、燃費を向上させるために排気量が小さくなり、その結果、エンジン内の温度及び圧力が益々上昇している。しかしながら、特許文献3のような、樹脂系被膜では、260℃を超える高温条件下、エンジン内の圧力が10MPaを超えるような高負荷条件下では、長期に亘って耐アルミ凝着性を維持するのは困難である。
また、特許文献4に記載されたDLC被膜は、260℃を超える高温条件下ではグラファイト化してしまい、また酸化雰囲気では酸化が進み、DLC被膜本来の特性を発揮して耐アルミ凝着性を維持することは困難である。
さらに、特許文献5に記載された被膜は、260℃を超える高温条件下では、シリカ転化に際して被膜内に残った有機物や、樹脂系粒子が酸化などの化学反応により被膜が劣化してしまい、十分な耐アルミ凝着性を維持できない場合があり、260℃を超える高温条件下、エンジン内の圧力が10MPaを超えるような高負荷条件下では、長期に亘って耐アルミ凝着性を維持できないおそれがある。
さらにまた、こうした耐アルミ凝着被膜の高温且つ高負荷条件下におけるアルミ凝着の長期的な防止に加えて、耐アルミ凝着被膜の自己摩耗の抑制、及び相手材であるピストン材への攻撃を低減してピストン材の摩耗量を抑制することも重要である。
そこで、本発明の目的は、高温且つ高負荷条件下においても長期に亘ってアルミ凝着を防止でき、且つ被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制できる内燃機関用ピストンリングを提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した。その結果、耐アルミ凝着被膜を、硬さの異なる2種以上のセラミックスを複合した、セラミックスのみからなる複合被膜とすることが極めて有効であることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)ピストンリング用母材に耐アルミ凝着被膜が被覆された内燃機関用のピストンリングであって、前記耐アルミ凝着被膜は、前記ピストンリング用母材の上下側面の少なくとも一方に被覆された第1のセラミックスをマトリックスとして、該マトリックスを構成する第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスを含有した、セラミックスのみからなる複合被膜であり、前記耐アルミ凝着被膜のビッカース硬さHVと前記耐アルミ凝着被膜の表面の算術平均粗さRa(μm)とが以下の式(A)を満たすことを特徴とする内燃機関用ピストンリング。

Ra<−8.7×10 -5 HV+0.39 (A)
(2)前記耐アルミ凝着被膜のビッカース硬さHVと前記耐アルミ凝着被膜の厚みh(μm)とが以下の式(B)を満たす、前記(1)に記載の内燃機関用ピストンリング。

h>−2.9×10-4HV+0.89 (B)
(3)前記アルミ凝着被膜は、その厚み方向の断面において、前記第1のセラミックスからなる層と前記第2のセラミックスからなる層とが互いに重なり合う組織を有する、前記(1)または(2)に記載の内燃機関用ピストンリング。
(4)前記マトリックスを構成する第1のセラミックスのビッカース硬さHVが、500以上1300以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
(5)前記第2のセラミックスのビッカース硬さHVが、1000以上2500以下である前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
(6)前記第2のセラミックスの含有量が、被膜全体に対して5重量%以上40重量%以下である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
(7)前記耐アルミ凝着被膜の表面の算術平均粗さが0.3μm以下である前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
(8)前記耐アルミ凝着被膜の厚さが1μm以上20μm以下である前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
(9)前記マトリックスを構成する第1のセラミックスは、チタニア、イットリア、マグネシア、アルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種からなり、前記第2のセラミックスは、アルミナ、ジルコニア、シリカ、クロミア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
本発明によれば、耐アルミ凝着被膜を硬さの異なる2種以上のセラミックスを複合した複合被膜とし、耐アルミ凝着被膜のマトリックスを比較的硬さの低い第1のセラミックスで構成することにより被膜の相手攻撃性を低減し、且つマトリックスの第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスを第1のセラミックス中に含有することにより被膜に耐久性を持たせるようにしたため、高温且つ高負荷条件下においても長期に亘ってアルミ凝着を防止でき、且つ被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制できる。
ピストンリング溝に係合した状態の本発明に係る内燃機関用ピストンリングの模式断面図である。 実施例に使用したエンジン模擬試験装置の模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、ピストンリング溝に係合した状態の本発明に係る内燃機関用ピストンリングの模式断面図である。この図に示した内燃機関用ピストンリング1は、ピストンリング用母材11に耐アルミ凝着被膜12が被覆された内燃機関用のピストンリングである。ここで、耐アルミ凝着被膜12は、ピストンリング用母材11の上下側面11a及び11bの少なくとも一方に被覆された比較的硬さの低い第1のセラミックスをマトリックスとして、マトリックスを構成する第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスを含有した、セラミックスのみからなる複合被膜からなることが肝要である。
図1に示すように、ピストンリング1は、ピストンリング溝21内に係合した状態で、シリンダ24の側壁とピストン20との間の隙間を塞ぎ、燃焼ガス及びオイルをシールする。そして、ピストンリング1は、ピストン20の往復運動(図中の矢印方向の運動)にピストンリング1が追従し、ピストンリング溝21内で上下運動が起こり、ピストンリング1とピストンリング溝21の上面22及び下面23との間で衝突を繰り返す。また、ピストンリング1がピストンリング溝21内において周方向に摺動自在であるため、ピストンリング1がピストンリング溝21の上面22及び下面23と接触しながら摺動を繰り返す。
これらピストンリング1とピストンリング溝21の上面22及び下面23との間の衝突及び摺動の繰り返しにより、ピストンリング溝21の上面22及び下面23上に形成されている突起(図示せず)が削られて、突起跡を中心とした活性なアルミニウム合金面が生じる。ここで、本発明においては、耐アルミ凝着被膜12を耐熱性と耐酸化性に優れるセラミックスで主に構成し、耐アルミ凝着被膜のマトリックスを比較的硬さの低いセラミックスとすることで被膜の相手攻撃性を小さくさせつつ、ピストンリング溝21の上面22及び下面23との間で、アルミニウム面が削られて初晶シリコンが表面に突き出した面を形成する。表面に突き出した初晶シリコンと耐アルミ凝着被膜中に含有したマトリックスのセラミックスよりも硬いセラミックスが摺動することで、高温及び高負荷条件下においても被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制でき、長期間に亘ってアルミ凝着を防止することができるのである。以下、内燃機関用ピストンリング1の各構成について説明する。
ピストンリング用母材11の材料は、ピストンリング溝との衝突に耐える強度を有していれば、特に限定されない。鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、高級鋳鉄等とすることが好ましい。また、耐摩耗性を向上させるため、側面に、ステンレス鋼では窒化処理、鋳鉄では硬質Crめっきや無電解ニッケルめっき処理が施された母材であってもよい。
耐アルミ凝着被膜12のマトリックスを構成する第1のセラミックスのビッカース硬さHVは、500以上1300以下とすることが好ましい。ここで、ビッカース硬さを500以上とすることにより、ピストン材表面の凸部先端を摩耗させることができる。また、ビッカース硬さを1300以下とすることにより、ピストン材表面の平坦部に対して、磨耗がほとんど起こらないようにすることができる。つまり、ビッカース硬さを500以上1300以下とすることにより、ピストン材表面において、局所的な凸部のみを選択的に磨耗させて平坦化することができる。より好ましくは500以上700以下である。
本発明において、上記した「複合被膜」は、微細粒子状の第2のセラミックスがマトリックスである第1のセラミックス中に均一に分散された被膜を意味しており、層状のマトリックスの上に層状の第2のセラミックスが積層された構造は含まれない。ただし、マトリックスの表面に微細粒子状の第2のセラミックスが存在する状態は除外されない。
第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスのビッカース硬さHVは、1000以上2500以下とすることが好ましい。ここで、ビッカース硬さを1000以上とすることにより、ピストンリング溝21の表面に形成された初晶シリコン(ビッカース硬さ1000程度)によって、耐アルミ凝着被膜12が著しく摩耗することを抑制することができる。また、ビッカース硬さを2500以下とすることにより、初晶シリコンを破壊する割合を抑制して、ピストン材が著しく摩耗するのを防止することができる。より好ましくは、1000以上1500以下である。
前記の第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスの含有量が、被膜全体に対して5重量%以上40重量%以下とすることが好ましい。ここで、5重量%以上とすることにより、耐アルミ凝着被膜12が著しく摩耗することを抑制することができる。また、40重量%以下とすることにより、ピストン材が著しく摩耗するのを防止することができる。
このような、第2のセラミックスは、具体的には、微細粒子状の形態を有するセラミックスであり、耐アルミ凝着被膜中に均一に分散している。また、1μm以上の膜厚を付する場合には、ピストンリング母材側と被膜表面側の微細粒子の存在比を1:20程度に徐々に存在比を膜厚方向に変化させることが好ましい。これにより、早期にピストン表面の突起を除去することが可能となることに加え、ピストンリング母材との境界付近において第2のセラミックス粒子が部分的に集中して存在することによる局所的な密着性の低下を抑制することができる。
また、第2のセラミックスの寸法(粒径)は、10nm以上900nm以下とすることが好ましい。ここで、粒径を10nm以上とすることにより、ピストン表面の突起により、第2のセラミックスが第1のセラミックスからなるマトリックスからえぐり取られるのを抑制して、第2のセラミックスの硬さを有効に活用して、被膜の消耗を抑制することができる。一方、粒径が900nmを超えると第2のセラミックスを覆うために、耐アルミ凝着被膜の性能を維持するのに必要な膜厚以上の余分な厚み(具体的には5μm以上)が必要となるが、粒径を900nm以下とすることにより、このような余分な厚みを不要にすることができる。
耐アルミ凝着被膜12の表面粗さは0.3μm以下とすることが好ましい。このような表面粗さを有する耐アルミ凝着被膜12は、ピストンリング溝と接触した場合にも面圧を抑制してピストン材の攻撃を低減し、ピストン材の摩耗量の増加を抑制することができる。なお、本発明において、セラミックスの表面粗さは、JIS B0601(1994)に基づく算術平均粗さRaを意味しており、表面粗さ測定装置を用いて測定する。
ここで、耐アルミ凝着被膜12のビッカース硬さHVと表面の算術平均粗さRa(μm)とが以下の式(A)を満たすことが好ましい。
Ra<−8.7×10-5HV+0.39 (A)
発明者らは、様々な材料、ビッカース硬さ、表面粗さ、膜厚を有する耐アルミ凝着被膜12をピストンリング用母材11上に形成し、得られたピストンリング1の耐アルミニウム凝着性能、及びピストン材の摩耗量を評価した。その結果、耐アルミ凝着被膜12のビッカース硬さHVと表面の算術平均粗さRaが上記式(A)を満足する場合に、ピストン材の摩耗を抑制しつつ高い耐アルミニウム凝着性能を有することを見出した。これは、表面の算術平均粗さRaを耐アルミ凝着被膜12の硬さに応じた適切な値とすることにより、ピストンリング1とリング溝21の上面22と下面23とが接触する際に、それらの間の面圧を低減できるためと考えられる。
なお、本発明において、耐アルミ凝着被膜12(複合被膜)のビッカース硬さHVは、第1のセラミックスのビッカース硬さと第2のセラミックスのビッカース硬さ、平均粒径や含有量などから決定され、具体的には、事前に用意した測定用の基材に耐アルミ凝着被膜12を成膜し、JIS Z2244(2009)に基づいて実測して求めた。
耐アルミ凝着被膜12の厚さは、1μm以上20μm以下とすることが好ましい。ここで、1μm以上とすることにより、セラミックスの表面粗さに対して被膜の厚さが十分となり、耐アルミ凝着被膜が均質な膜となることで自己摩耗を抑制することができる。また、20μm以下とすることにより、ピストンリング溝における十分なクリアランスを確保して、上記のピストンリングの機能を実行させることができる。
ここで、耐アルミ凝着被膜12のビッカース硬さHVと膜厚h(μm)とが以下の式(B)を満たすことが好ましい。
h>−2.9×10-4HV+0.89 (B)
発明者らは、上記式(A)の場合と同様に、耐アルミ凝着被膜12のビッカース硬さHVと膜厚hが上記式(B)を満足する場合にも、ピストン材の摩耗を抑制しつつ高い耐アルミニウム凝着性能を有することを見出した。これは、膜厚hを耐アルミ凝着被膜12の硬さに応じた適切な値とすることにより、耐アルミ凝着被膜12が摩滅することなくピストン材の摩耗を抑制できるためと考えられる。
マトリックスを構成する第1のセラミックスは、チタニア、イットリア、マグネシア、アルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種とすることができる。このうち、均一な粉体材料の入手が容易であることから、チタニア、マグネシアが特に好ましい。
マトリックスのセラミックスよりも硬いセラミックスは、アルミナ、ジルコニア、シリカ、クロミア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも一種とすることができる。このうち、粒子間の再結合性が高く均一な被膜形成が容易であることから、アルミナ、ジルコニア、シリカ、クロミアが特に好ましい。
こうした耐アルミ凝着被膜12は、セラミックス微粒子や気化したセラミックス微粒子を直接表面に積層させる既知の様々な方法により形成できる。具体的には、溶射、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD)、物理気相成長法(Physical Vapor Deposition、PVD)、コールドスプレー法等を用いて、適切な成膜条件下で成膜を行うことにより、本発明に係るピストンリングを作製することができる。
耐アルミ凝着被膜12を溶射により形成する場合、粉末組成物は、溶射装置内で加熱され、ピストンリング用母材11の側面に向けて高速で噴射される。粉末組成物をピストンリング用母材11の側面上に溶射する方法としては、ガスフレーム溶射法、プラズマ溶射法及び高速フレーム溶射法(HVOF)等が挙げられ、プラズマ溶射法が好ましい。
プラズマ溶射法では、溶射装置の陽極と陰極との間に高電圧を印加することにより、陽極と陰極の間の気体がプラズマ化する。プラズマ化された気体は加熱され、さらに膨張するため、高温且つ高速で溶射装置から噴出され、プラズマジェット流となる。溶射装置に供給された粉末組成物が上記プラズマジェット流中で加熱され、且つ加速され、ピストンリング用母材11に向けて噴射される。加熱され、且つ加速された粒子は、粒子の一部が溶融しているため、ピストンリング用母材11に衝突する際に、扁平化して、ピストンリング用母材11の側面上に層状に堆積する。そして、層状に堆積した粒子はピストンリング用母材11で急冷され、溶射被膜を形成する。
プラズマ溶射法は、供給される粉末組成物中の粒子を、他の溶射方法よりも高温に加熱することができ、粉末組成物中の各粒子の溶融が促進する傾向がある。このため、プラズマ溶射により得られた溶射被膜の摺動面に垂直な断面(被膜の厚さ方向に平行な断面)では、第1のセラミックスからなる層と第2のセラミックスからなる層とが波のようにうねりながら互いに重なり合い(褶曲し)、且つ絡み合う組織が形成される傾向がある。そして、溶射被膜の断面において上記組織が形成されることにより、摺動後も第2のセラミックスが耐アルミ凝着被膜中に保持され、また、摺動後の溶射被膜表面が平滑となる傾向がある。したがって、上記プラズマ溶射により得られた耐アルミ凝着被膜は、耐摩耗性に優れ、且つアルミ凝着を抑制するものとなる。
尚、耐アルミ凝着被膜12に潤滑機能を持たせるために、グラファイト、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を少量添加することができる。
こうして、本発明に係るピストンリングは、高温且つ高負荷条件下においても長期に亘ってアルミ凝着を防止でき、且つ被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制できるものである。
<ピストンリングの作製>
以下、本発明の実施例について説明する。
低クロム鋼からなるピストンリング母材の上下側面に、表1に示す材料、材料の硬さ、硬質材料の含有量、被膜の表面粗さ、膜厚を有する被膜を形成した。尚、表2における発明例33及び34は、表1における発明例19及び20とそれぞれ同一であり、表3における発明例42は、表1における発明例24と同一である。
発明例1〜46と比較例5については、セラミックス微粒子や気化したセラミックス微粒子を直接表面に積層させる既知の様々な方法より被膜を形成してピストンリングを作製した。また、発明例1〜46において、第1のセラミックスからなるマトリックスに含有する第2のセラミックスである硬質材料は、微細粒子状のものであり、粒径は表1に示したとおりである。一方、比較例1、2及び6については、後述する各組成に調整した塗料をスプレーコーティングにより被膜を形成してピストンリングを作製した。また、比較例3については、無電解めっき法により被膜を形成してピストンリングを作製した。さらに、比較例4については、PVD法により被膜を形成してピストンリングを作製した。比較例6に関しては、硬質ナノ粒子(第2のセラミックス)として発明例28と同じ材料を用いて、特許文献5の発明例1と同様の方法により、ポリシラザン由来のシリカを第1のセラミックスとする以外は、発明例28と同様のピストンリングを作製した。
尚、比較例1の樹脂被膜Aは、MoS2粉末(平均粒径2μm)を5質量%、グラファイト粉末(平均粒径2μm)を5質量%含有するポリイミド樹脂被膜である。さらに、比較例2の樹脂被膜Bは、Al23粉末(平均粒径0.5μm)を10質量%含有するポリイミド樹脂被膜である。
発明例1〜46及び比較例1〜6のピストンリングの耐アルミ凝着性能を評価した。そのために、図2に示したエンジン模擬試験装置を使用した。図2に示したエンジン模擬試験装置30は、ピストン材32が上下に往復運動を行い、ピストンリング33が回転運動を行う機構を有しており、試験は、ヒーター31、温度コントローラー34及び熱電対35により、ピストン材32を加熱制御して行った。試験条件は、面圧13MPa、リング回転速度3mm/s、制御温度270℃、試験時間5時間とし、窒素ガスとともに、オイルを所定の間隔で一定量噴射しながら行った。試験後に、ピストンリングの被膜残存量及びアルミ凝着の発生の有無を調べた。得られた結果を表1に示す。なお、被膜残存量の評価基準は以下のとおりである。
◎:初期膜厚に対し、80%以上が残存
○:初期膜厚に対し、40%以上80%未満が残存
△:初期膜厚に対し、40%未満が残存
×:被膜なし
また、耐アルミ凝着性能の評価は、目視で確認した。得られた結果を表1に示す。尚、耐アルミ凝着性能の評価基準は以下の通りである。
◎:アルミ凝着の発生なし
○:アルミ凝着が発生しているが極めて軽微
×:アルミ凝着が発生している
ピストン材の摩耗量は、試験後のピストン材表面を形状測定して基準面からの深さを算出した。得られた結果を表1に示す。なお、摩耗量の評価基準は以下の通りである。
◎:0.5μm未満
○:0.5μm以上1.0μm未満
△:1.0μm以上3.0μm未満
×:3.0μm以上
ピストンリングの耐アルミ凝着性能及びピストン材の摩耗量の評価結果から、ピストンリングの性能を総合的に評価した。得られた結果を表1に示す。なお、総合評価の基準は以下の通りである。
◎:優良
○:良好
△:比較的良好
×:悪い
ここで、総合評価は、被膜残存量、耐アルミ凝着性能及びピストン材の摩耗量の全ての評価が◎の場合には◎、被膜残存量、耐アルミ凝着性能及びピストン材の摩耗量の評価のいずれか1つが△あるいは○の場合には○、評価のうち1つでも×の場合には×とし、それ以外は△とした。
Figure 0005826958
Figure 0005826958
Figure 0005826958
<被膜残存量及び耐アルミ凝着性能の評価>
表1に示すように、発明例1〜46のピストンリングの全てについて、アルミ凝着が発生しなかった。また、発明例10、23、37及び41を除く発明例については、被膜残存量が初期膜厚に対し80%以上と極めて多かった。一方、比較例1及び2については、試験後に被膜が全く残っておらず、アルミ凝着が発生していた。また、比較例3及び6については、比較例1及び2と同様、試験後に被膜が全く残っておらず、アルミ凝着が発生していたが、ごく軽微なものであった。さらに、比較例4については、被膜残存量が多く、アルミ凝着は発生しなかった。さらにまた、比較例5については、被膜残存量があったが、発明例1〜9等ほどではなく、アルミ凝着は発生しなかった。
<ピストン材摩耗量の評価>
表1に示すように、発明例16、22、23、28、32、36、37及び41を除く発明例については、ピストン摩耗量は0.5μm未満で極めて少なかった。硬質材料の含有量が比較的多い発明例16については、摩耗量が1.0μm以上3.0μm未満とやや多かった。また、耐アルミ凝着被膜(複合被膜)のビッカース硬さに対して表面粗さが大きかった発明例22、32及び36についても、摩耗量が1.0μm以上3.0μm未満とやや多かった。同様に、アルミ凝着被膜の膜厚が小さかった発明例23、37及び41についても、摩耗量が1.0μm以上3.0μm未満とやや多かった。
一方、比較例1及び2については、摩耗量が3μm以上と多かった。また、比較例3については、摩耗量はやや少なかったものの、比較例4については、摩耗量は多かった。さらに、比較例5及び6については、ピストン材の摩耗量は少ないものの、発明例1〜15等ほどではなかった。
<総合評価>
発明例1〜46の全てに対して、優良又は比較的良好の評価が与えられた。特に、耐アルミ凝着被膜のマトリックスがチタニア、イットリア、マグネシア、アルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種からなるセラミックスの被膜に、マトリックスよりも硬いセラミックスであるアルミナ、ジルコニア、シリカ、クロミア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも一種を5重量%以上40重量%を含有した被膜であって、式(A)あるいは式(B)を満足した場合の全てについて、優良の評価が与えられ、すなわち、被膜の自己摩耗とピストン材の摩耗を抑制しつつ、高い耐アルミ凝着性能を有するピストンリングが得られたことが分かる。
これに対して、樹脂被膜が設けられた比較例1及び2については、耐アルミ凝着性能及びピストン材摩耗量の双方について劣っていた。また、ニッケル被膜が設けられた比較例3及びDLC被膜が設けられた比較例4については、耐アルミ凝着性能は良好あるいは優良であったが、ピストン材摩耗特性はやや劣っていた。さらに、比較例5については、高い耐アルミニウム凝着性能を示した。また、ピストン材の摩耗量も少なかったが、発明例1〜9等ほどではなかった。
また、加速試験として700℃下に5日間曝した発明例28と比較例6について同様の評価を行ったところ、比較例6は、耐アルミニウム凝着性能の劣化とともに部分的に被膜の欠落が確認されたが、発明例28は良好な結果となった。アルキメデス法により、それぞれの被膜の空隙率を正確に調べたところ、比較例6は、5〜14%(10点測定の平均10%)、発明例28は、0.1〜6%(10点測定の平均0.6%)であった。他の発明例の空隙率は、0〜6%(各発明例10点測定の平均0.4%)となり、加速試験を行っても被膜の欠落は確認されなかった。このように、空隙率を6%以下にすることにより、長期間における被膜の欠落を抑制できることが分かった。
本発明によれば、硬さの異なる2種以上のセラミックスを複合した耐アルミ凝着被膜をピストンリング母材の上下側面の少なくとも一方に被覆することにより、高温下でも長期に亘ってアルミ凝着を防止することができ、且つ被膜の自己摩耗及びピストン材の摩耗を抑制できるため、自動車部品製造業に有用である。
1,33 ピストンリング
11 ピストンリング用母材
11a ピストンリング用母材の上側側面
11b ピストンリング用母材の下側側面
12 耐アルミ凝着被膜
20 ピストン
21 ピストンリング溝
22 ピストンリング溝の上面
23 ピストンリング溝の下面
24 シリンダ
30 エンジン模擬試験装置
31 ヒーター
32 ピストン材
34 温度コントローラー
35 熱電対

Claims (9)

  1. ピストンリング用母材に耐アルミ凝着被膜が被覆された内燃機関用のピストンリングであって、前記耐アルミ凝着被膜は、前記ピストンリング用母材の上下側面の少なくとも一方に被覆された第1のセラミックスをマトリックスとして、該マトリックスを構成する第1のセラミックスよりも硬い第2のセラミックスを含有した、セラミックスのみからなる複合被膜であり、
    前記耐アルミ凝着被膜のビッカース硬さHVと前記耐アルミ凝着被膜の表面の算術平均粗さRa(μm)とが以下の式(A)を満たすことを特徴とする内燃機関用ピストンリング。

    Ra<−8.7×10 -5 HV+0.39 (A)
  2. 前記耐アルミ凝着被膜のビッカース硬さHVと前記耐アルミ凝着被膜の厚みh(μm)とが以下の式(B)を満たす、請求項1に記載の内燃機関用ピストンリング。

    h>−2.9×10-4HV+0.89 (B)
  3. 前記アルミ凝着被膜は、その厚み方向の断面において、前記第1のセラミックスからなる層と前記第2のセラミックスからなる層とが互いに重なり合う組織を有する、請求項1または2に記載の内燃機関用ピストンリング。
  4. 前記第1のセラミックスのビッカース硬さHVが、500以上1300以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
  5. 前記第2のセラミックスのビッカース硬さHVが、1000以上2500以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
  6. 前記第2のセラミックスの含有量が、被膜全体に対して5重量%以上40重量%以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
  7. 前記耐アルミ凝着被膜の表面の算術平均粗さが0.3μm以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
  8. 前記耐アルミ凝着被膜の厚さが1μm以上20μm以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
  9. 前記第1のセラミックスは、チタニア、イットリア、マグネシア、アルミナからなる群から選ばれる少なくとも一種からなり、前記第2のセラミックスは、アルミナ、ジルコニア、シリカ、クロミア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンリング。
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