JP6723568B2 - 入力装置 - Google Patents

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本発明は、操作部を回転させたときに、操作方向と逆向きの抵抗トルクおよび操作方向と同じ向きの引き込みトルクを発生させることができる入力装置に関する。
特許文献1に磁界応答材料を有するブレーキに関する発明が記載されている。このブレーキは、ハウジングにシャフトが回転自在に支持され、シャフトと共に回転するロータが、ハウジングの第1の室内に設けられている。第1の室には磁界応答材料と磁界発生器が設けられている。磁界応答材料は磁界の強さによって流動性に変化を生じる。磁界発生器で磁界を発生させていないときは磁界応答材料の粘性またはせん断流れ抵抗が低下し、シャフトとロータが回転しやすくなり、磁界発生器で磁界を発生すると、磁界応答材料の粘性またはせん断流れ抵抗が大きくなり、シャフトとロータにブレーキが掛けられる。
特許文献2に手動入力装置に関する発明が記載されている。この手動入力装置は、操作部材と、操作部材と共に回転するキャリア軸と、モータの出力軸に設けられたエンコーダを有している。キャリア軸にはキャリアが固定され、キャリアに複数のプラネットギヤが回転自在に支持されており、モータの出力軸にサンギヤが固定されて、サンギヤの周囲にプラネットギヤが噛み合っている。操作部材を手で操作して回転させ、エンコーダを動作させるときに、モータからキャリア軸に対して操作方向と同じ方向や逆の方向の回転力が与えられて、操作部材を操作する手に抵抗感や加速感を与えることができるようになっている。
特開2005−507061号公報 特開2003−50639号公報
特許文献1に記載されているブレーキは、磁界応答材料の作用でロータにブレーキ力を与えることができるが、ロータに対して回転力を与えることができないため、操作者に多様な操作感触を与えるのが難しい。
特許文献2に記載された手動入力装置は、モータの動力をキャリア軸に与えることで、操作部材を操作する手に抵抗感や加速感を与えることができる。しかし、手に抵抗感や加速感を適正に与えるためには、モータの制御が複雑になり、モータの回転方向を切替えることで不要な振動が生じることもある。また、操作部材を停止状態で動かなくするために、停止中もモータに通電することが必要になり、消費電力も大きくなる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、回転体に対して適正な抵抗感と引き込み感を安定した状態で与えることができる入力装置を提供することを目的としている。
本発明は、固定部と、前記固定部に回転自在に支持された回転体と、前記回転体の回転を検出する回転検出部とが設けられた入力装置において、
前記回転体にブレーキ力を付与するブレーキ付与部と、前記回転体にトルクを付与するトルク付与部とが設けられており、
前記ブレーキ付与部は、前記回転体に設けられた回転板と、前記固定部と前記回転板との隙間に介在する磁気粘性流体と、前記磁気粘性流体に磁場を与えるブレーキ付与コイルとを有し、
前記トルク付与部は、前記回転体に回転トルクを付与するために、前記回転体と前記固定部の一方に設けられたA相とB相のトルク付与コイルと、他方に設けられた磁石とを有し、
前記ブレーキ付与コイルと前記トルク付与コイルに与える電流を制御する制御部が設けられており、
前記制御部は、前記回転体の回転角度を分割する分割角度を設定し、前記ブレーキ付与コイルへの通電によって、前記分割角度の境界部にて前記回転体にブレーキ力を与え、
A相とB相の前記トルク付与コイルに、正弦波に基づいて変化する電流を互いに位相を異ならせて与えるとともに、前記トルク付与コイルに与えられる電流を制御して、前記回転体に対して、同じ分割角度内で回転方向が互いに逆向きとなる回転トルクが与えられることを特徴とするものである。
本発明の入力装置は、前記分割角度内では、その中間点までの前半で、前記回転体に、操作方向に対抗する抵抗トルクを与え、中間点から後半で操作方向への引き込みトルクを与えることが好ましい。
本発明の入力装置は、前記分割角度を自由に可変できるように制御することが好ましい。
本発明の入力装置は、トルク付与部が、位相が相違するA相とB相のコイルを有し、
A相とB相の相対制御角度の電流値を決めることで、前記分割角度内で回転トルクを変化させるものとして構成できる。
また、本発明の入力装置は、分割角度設定画面を設け、前記分割角度設定画面に前記分割角度を表示することが好ましい。
本発明の入力装置は、磁気粘性流体を利用したブレーキ付与部と、磁界で回転トルクを発生するトルク付与部とを設けることで、操作部を操作する手に、適度な抵抗感や引き込み感を与えることができる。また、回転体にトルクとブレーキ力を与えることで、トルク付与部の通電制御を容易にでき、トルクを付与された操作体の振動も防止できるようになる。
また、ブレーキ付与部でブレーキを与えているときにトルク付与部を停止させることで、消費電力を低減できるようになる。
本発明の第1の実施の形態の入力装置の全体構造を示す断面図、 第1の実施の形態の入力装置の主要部を示す斜視図、 第1の実施の形態の入力装置の回転体に設けられたロータ(磁石)を示す斜視図、 第1の実施の形態の入力装置の回路構成を示すブロック図、 図4に示す設定値入力部を使用したブレーキ力と回転トルクの設定操作を示す説明図、 図5Aで設定されたフィードバック力の変化を示す波形図、 図4に示す設定値入力部を使用したブレーキ力と回転トルクの設定操作を示す説明図、 図6Aで設定されたフィードバック力の変化を示す波形図、 (A)(B)は、第1の実施の形態の入力装置において回転トルクの設定の一例を示す説明図、 本発明の第2の実施の形態の入力装置の全体構造を示す断面図、 図8に示す入力装置の回転体の一部を示す部分平面図、 (A)(B)は、第2の実施の形態の入力装置において回転トルクの設定の一例を示す説明図、
図1ないし図3に本発明の第1の実施の形態の入力装置1の構造が示されている。
図1に示すように、入力装置1は、固定部2と、固定部2に回転自在に支持された回転体10とを有している。回転体10は操作軸11を有している。図1に、操作軸11の回転中心線Oが示されている。回転体10は、操作軸11に、検知板12と、ロータ(磁石)13および回転板14が固定されている。
固定部2の内部に複数のラジアル軸受4,5,6が設けられ、ラジアル軸受4,5,6によって回転体10の操作軸11が回転自在に支持されている。固定部2の下部にはスラスト軸受7が設けられており、スラスト軸受7によって、回転体の操作軸11の下端に設けられたピボット部15が支持されている。
入力装置1に、回転検出部20とトルク付与部30およびブレーキ付与部40が設けられている。
回転検出部20では、固定部2の一部となる中間筐体21の内部空間に、前記検出板12が位置している。固定部2には、検出板12に対向する回転検出素子22が固定されて、非接触式の回転検出装置が構成されている。回転検出素子22は、光学検知器や磁気検知器である。光学検知器の場合には、検出板12に、回転中心線Oを中心とする円周方向に沿って反射部と非反射部が交互に形成されている。あるいは、光透過部と光非透過部が交互に形成されている。磁気検知器の場合には、検出板12が磁石を有している。いずれにせよ、回転検出部20で、回転体10の回転角度が検出される。
トルク付与部30では、固定部2の一部となる上部筐体31に、上部支持板32と下部支持板33が固定されている。上部支持板32に上部コイル支持体34が固定され、下部支持板33に下部コイル支持体35が固定されている。前記ラジアル軸受4は上部コイル支持体34に固定され、前記ラジアル軸受5は、下部コイル支持体5に固定されている。
上部コイル支持体34と下部コイル支持体35に、A相のトルク付与コイル36Aと、B相のトルク付与コイル36Bが固定されている。図2にも示すように、A相のトルク付与コイル36AとB相のトルク付与コイル36Bは、導線が上部コイル支持体34と下部コイル支持体35を避けるようにして、複数ターンでロータ13の周りを周回するように矩形状に巻かれている。A相のトルク付与コイル36Aと、B相のトルク付与コイル36Bには、異なる位相の制御電流が与えられる。
図3に示すように、ロータ(磁石)13は、円柱形状であり、着磁領域が180度を境界として2つに区分され、一方の着磁領域は、上面がN極で下面がS極に着磁され、他方の着磁領域は、上面がS極で下面がN極に着磁されている。ロータ13の2つの着磁領域から発せられている磁束Bは、A相のトルク付与コイル36AとB相のトルク付与コイル36Bを横断している。
図1に示すように、ブレーキ付与部40は、下部ヨーク41と上部ヨーク42とが組み合わされて構成されている。下部ヨーク41と上部ヨーク42は、Ni−Fe合金などの軟磁性材料で形成されている。下部ヨーク41と上部ヨーク42の外周には、金属板で形成されたスペーサリング43が装着されている。スペーサリング43によって下部ヨーク41と上部ヨーク42の図示上下方向の相対位置が決められて、下部ヨーク41と上部ヨーク42との間の隙間44の上下の間隔が均一に設定されている。またスペーサリング43によって、前記隙間44が外周側から塞がれている。下部ヨーク41と上部ヨーク42の相対位置が、スペーサリング43で決められた状態で、下部ヨーク41と上部ヨーク42が外装ケースなどを用いて互いに固定される。
下部ヨーク41と上部ヨーク42とが組み合わされるときに、隙間44の内部に、回転体10に設けられた回転板14が収納される。また、下部ヨーク41の上面と回転板14との間、および上部ヨーク42の下面と回転板14との間に磁気粘性流体45が供給される。磁気粘性流体45は、シリコンオイルなどの油剤の内部に、Ni−Fe合金粉などの磁性粉または磁性粒が混在しているものである。
図1に示すように、上部ヨーク42に前記スラスト軸受6が固定され、下部ヨーク41に前記スラスト軸受7が固定されている。そして、隙間44とスラスト軸受6との間で、上部ヨーク42と操作軸11との間にオーリング46が挟まれており、隙間44内の磁気粘性流体45が、スラスト軸受6に向けて流出するのが規制されている。
図1に示すように、下部ヨーク41の内部に磁界発生部であるブレーキ付与コイル47が設けられている。ブレーキ付与コイル47では、導線が、回転中心線Oを中心として円周方向に多重に巻かれている。
図4に、第1の実施の形態の入力装置1の回路構成が示されている。
入力装置1には制御部50が設けられている。制御部50は、CPUやメモリを主体として構成されている。制御部50では、メモリから読み出されたプログラムに応じて各種処理が行なわれる。図4では、制御部50で実行される各種処理を行う処理部がブロック図として示されている。
制御部50には、演算部51が設けられており、演算部51は、トルク設定部52とブレーキ設定部53を有している。制御部50には、分割角度設定部54が設けられている。入力装置1には設定値入力部55が設けられている。設定値入力部55はキーボードなどの入力装置とディスプレイを有している。設定値入力部55を操作することによって、演算部51と分割角度設定部54に設定値が入力される。
制御部50には、現在角度検出部56が設けられ、回転検出部20に設けられた回転検出素子22からの検知出力がA/D変換部57でディジタル値に変換されて現在角度検出
部56に与えられる。
制御部50にはA相変調部58AとB相変調部58Bが設けられている。演算部51の演算結果に応じて、A相変調部58AでPWM通電部59Aが制御され、その制御値に応じたデューティ比の制御電流がA相のトルク付与コイル36Aに与えられる。同様に、演算部51の演算結果に応じて、B相変調部58BでPWM通電部59Bが制御され、その制御値に応じたデューティ比の制御電流がB相のトルク付与コイル36Bに与えられる。
制御部50にはブレーキ変調部61が設けられている。演算部51の演算結果に応じて、ブレーキ変調部61でPWM通電部62が制御され、その制御値に応じたデューティ比の制御電流がブレーキ付与コイル47に与えられる。
次に、前記入力装置1の動作を説明する。
図5Aは、設定値入力部55のディスプレイに表示された入力画面の一例を示している。設定値の入力は、設定値入力部55に設けられたキーボード装置や、その他の入力装置を使用して行われる。
図5Aに示すように、設定値入力部55のディスプレイには、分割角度設定画面65が表示される。設定値入力部55から制御部50の分割角度設定部54に設定値を入力することで、操作軸11を回転させるときの感触制御の1単位である分割角度φが設定される。分割角度φは自由に設定することができ、図5Aに示す分割角度設定画面65の表示例では、回転体10の1回転が12分割され、分割角度φが30度の均等な角度に設定されている。1回転内の分割数は、6や24など自由に選択することができる。また複数の分割角度φを均等な角度ではなく異なる角度に設定することができる。さらに、分割角度が1つの角度だけであってもよい。すなわち、回転体10が1つの分割角度の範囲内でのみで回動できるようにしてもよい。
図5Aに示すように、設定値入力部55のディスプレイには、ブレーキ設定画面66と、トルク設定画面67とが表示される。ブレーキ設定画面66では、分割角度設定部54で設定された1つの分割角度φ(図5Aに示す例では「φ=30度」)がさらに31の角度に細分されており、31分割のそれぞれの角度位置でのブレーキ力の大きさを可変させて設定できるようになっている。同様に、トルク設定画面67には、分割角度設定部54で設定された1つの分割角度(φ=30度)がさらに31の角度に細分されており、31分割のそれぞれの角度位置で回転トルクの向きと大きさを可変させて設定できるようになっている。
図5Aに示す設定例は、操作軸11に固定された操作部を手で保持し、回転体10を時計方向(CW)へ回転させる操作を行うときに、1つの分割角度φ内で設定されるブレーキ力と回転トルクの変化を示している。
図5Aに示すブレーキ設定画面66では、1つの分割角度φ(=30度)の開始点と終点において、ブレーキ力が所定の大きさに設定されており、開始点と終点との間の中間期間で、ブレーキ力がほぼゼロまたはきわめて弱い力に設定されている。ブレーキ設定画面66に表示されている各角度位置でのブレーキ力の設定値が、図4に示すブレーキ設定部53からブレーキ変調部61に与えられ、ブレーキ変調部61でPWM通電部62が制御されて、ブレーキ付与コイル47に与えられるパルス状の制御電流のデューティー比が決められる。
その結果、1つの分割角度φ1の開始点と終点でブレーキ付与コイル47に大きな電流が与えられ、ブレーキ付与コイル47で誘導されるブレーキ磁界で、隙間44内に充填さ
れている磁気粘性流体45内の磁性粉が凝集構造やブリッジ構造となり、回転体10の回転抵抗が増大する。分割角度φの開始点と終点との間の中間期間では、ブレーキ付与コイル47にほとんど通電されず、ブレーキ磁界が誘導されることがない。この期間では、磁気粘性流体45の粘度が高くなることはなく、回転体10に与えられるブレーキ力が小さくなる。
図5Aに示すトルク設定画面67では、1つの分割角度φ(=30度)の開始点から終点に向けて、回転トルクの向きと大きさが、ほぼ正弦曲線に沿って変化するように設定されている。分割角度φの開始点と終点で、回転体10に与えられる回転トルクがほぼゼロである。分割角度φの開始点から分割角度φの中間点までの期間では、回転体10に対して反時計方向(CCW)の回転トルク(抵抗トルク)が与えられ、その回転トルクの大きさも徐々に変化する。分割角度φの中間点から分割角度φの終点までの期間では、回転体10に対して時計方向(CW)の回転トルク(引き込みトルク)が与えられ、その大きさ徐々に変化するよう設定されている。
図5Aにおけるブレーキ設定画面66で示すようにブレーキ力が設定され、トルク設定画面67で示すように回転トルクが設定されると、操作部を保持して回転体10を時計方向へ回転させようとする手に対する操作フィードバック力が、図5Bに示すように変化する。図5Bには、操作部を手で操作して回転体10を時計方向(CW)へ360度回転させる間に、手に与えられるフィードバック力の変化が示されている。
回転体10を時計方向へ回転させると、分割角度φの開始点で、ブレーキ付与部40で回転体10にブレーキ力が作用するため、回転抵抗が高くなる。操作部を少し回転させるとブレーキ力が解除されるが、分割角度φの開始点から中間点までは、反時計方向(CCW)への抵抗トルクが与えられ、中間点を過ぎると、時計方向(CW)への引き込みトルクが与えられて、分割角度φの終点では再びブレーキ力が作用する。その結果、回転体10を360度回転させる間に、分割角度φごとに、ブレーキ力が間欠的に作用し、分割角度φ内では抵抗トルクと引き込みトルクが作用し、あたかも機械的な接点を持つロータリスイッチを回転させているような操作感触を得ることができる。
図6Aと図6Bに、図5Aと図5Bとは異なる設定例が示されている。
図6Aに示す設定例では、回転の分割角度φが、図5Aの設定と同じ30度である。図6Aに示すブレーキ設定画面66に表示されているブレーキ力の変化の設定は、図5Aと同じである。
ただし、図6Aに示すトルク設定画面67に表示された回転トルクの設定が図5Aと相違している。図6Aの設定例では、分割角度φの開始点と終点で回転トルクがほぼゼロである。分割角度φの開始点から中間点までは同じ大きさの反時計方向(CCW)の回転トルク(抵抗トルク)が設定され、中間点から分割角度φの終点にかけては、同じ大きさの時計方向(CW)の回転トルク(引き込みトルク)が設定されている。
その結果、操作部を時計方向へ360回転させたときに手に与えられるフィードバック力は、図6Bに示す変化を示す。図5Bでは、分割角度φ内での抵抗トルクと引き込みトルクの大きさが正弦曲線に近い変化に設定されているため、分割角度φ内で手に感じる抵抗感と引き込み感が柔軟に変化する。これに対し、図6Bでは、分割角度φ内での抵抗トルクから引き込みトルクへの切替わりでトルクが急激に変化するため、回転体10を回転させている手に抵抗感と引き込み感が鋭い変化で与えられるようになる。
ここで、トルク付与部30において、ロータ(磁石)13に与える回転トルクの設定について説明する。
図7(A)の縦軸は、A相のトルク付与コイル36AとB相のトルク付与コイル36Bに与える電流の変化を示している。図4に示すように、各トルク付与コイル36A,36Bに対しては、PWM通電部59A,59Bによってデューティ比が変調されたパルス電流が与えられるが、図7(A)では説明の都合上、パルス電流の積分値が示されている。すなわち、各トルク付与コイル36A,36Bにあたかも直流電流が作用しているかのように示されている。
図7(A)において、横軸を時間の進行と仮定し、位相が互いに90度相違する電流を2つのトルク付与コイル36A,36Bに時間進行に対応させて与えれば、ロータ(磁石)13に回転力を与えることができる。しかし、トルク付与部30は、ロータ13を回転させることが目的ではなく、手で回転させているときの回転体10に対して抵抗トルクと引き込みトルクを与えることが目的である。
そこで、図7(A)では横軸がロータ13の回転角度として定義されている。ロータ13が図7(A)の横軸に沿っていずれかの現在角度に移動しているときに、その現在位置において縦軸で表されている固定された電流値を各トルク付与コイル36A,36Bに与え続けると、ロータ13をその現在角度で停止させることができる。例えば、ロータ13の現在角度が45度のときに、A相のトルク付与コイル36AとB相のトルク付与コイル36Bにほぼ70%の電流を流し続けると、ロータ13を45度の現在角度の位置で停止させることができる。
また、図7(A)に縦に延びる破線が付されているように、ロータ13が180度まで回転した位置を現在角度とすると、このとき、A相のトルク付与コイル36Aにマイナス100%の電流を流し続け、B相のトルク付与コイル36Bへの電流をゼロにすると、ロータ13を180度の現在角度の位置で停止させることができる。このとき、ロータ13に作用する回転トルクはゼロである。
そこで、図7(A)示す波形に基づいて、現在角度よりもプラス側またはマイナス側に相対制御角度を設定し、ロータ13が現在角度に位置しているときに、前記相対制御角度に対応した制御電流を各トルク付与コイル36A,36Bに与えることで、現在角度に位置するロータ13に対して回転トルクを与えることができる。
例えば、ロータ13の現在角度が180度のとき、相対制御角度をプラス90度に設定し、図7(A)において、「+90度」の位置に破線で示されている電流値を各トルク付与コイル36A,36Bに与える。すなわち、A相のトルク付与コイル36Aに与える電流をゼロとし、B相のトルク付与コイル36Bに与える電流をマイナス100%とする。これにより、現在角度180度の位置にあるロータ13に対して時計方向(CW)に最大値となる引き込みトルクを与えることができる。
また、ロータ13の現在角度が180度のとき、相対制御角度をマイナス90度に設定し、図7(A)において、「−90度」の位置に破線で示されている電流値を各トルク付与コイル36A,36Bに与える。すなわち、A相のトルク付与コイル36Aに与える電流をゼロとし、B相のトルク付与コイル36Bに与える電流をプラス100%にすると、現在角度180度のロータ13に対して反時計方向(CCW)に最大値となる抵抗トルクを与えることができる。
これはロータ13の現在角度がどの位置であっても同じであり、ロータ13がどの現在角度に位置していても、その現在角度を基準として相対制御角度をプラス90度に設定し、プラス90度となる電流を各トルク付与コイル36A,36Bに与えることで、時計方向(CW)の回転トルクである引き込みトルクを最大(100%)に設定できる。また、相対制御角度をマイナス90度に設定し、マイナス90度となる電流を各トルク付与コイル36A,36Bに与えることで、反時計方向(CCW)の回転トルクである抵抗トルクを最大(100%)に設定することができる。
図6Bに示されているトルク設定画面67での回転トルクの設定例では、分割角度φの前半で抵抗トルクが100%の状態が続けられている。これは、ロータ13の現在角度がどの角度であっても、相対制御角度がマイナス90度に設定されていることを意味している。また、分割角度φの後半では引き込みトルクが100%の状態が続けられているが、これは、ロータの現在角度がどの角度であっても、相対制御角度がプラス90度に設定されていることを意味している。
図5Bに示されているトルク設定画面67では、分割角度φの範囲内で31分割されたそれぞれの現在角度の位置で、反時計方向(CCW)の回転トルクである抵抗トルクの大きさと、時計方向(CW)の回転トルクである引き込みトルクの大きさとが、正弦曲線に近似して徐々に変化している。このように各現在角度の回転トルクの大きさを変えるために、トルク設定部52で次のような演算処理が行われる。
第1の演算処理としては、図4に示すトルク設定部52において、相対制御角度をプラス90度に設定した100%の引き込みトルクに対し、予め決められた係数を乗算して、図5Aのトルク設定画面67で示されるように、刻々と変化する引き込みトルクの設定値を求める。また、相対制御角度をマイナス90度に設定した100%の抵抗トルクに対しても、予め決められた係数を乗算して、図5Aのトルク設定画面67で示されるように、刻々と変化する抵抗トルクの設定値を求める。
第2の演算処理としては、図7(B)に示すトルク変化テーブルを使用する。図7(B)は、横軸に相対制御角度を示し、縦軸にトルク比を示している。トルク比は、相対制御角度を±90度としたときの最大値となる回転トルクを「1」としたときの回転トルクの比率で表されている。それぞれの現在角度において設定すべき回転トルクが決められたら、図7(B)に示すテーブルを使用して、その回転トルクの大きさに対応した相対制御角度を選択し、その相対制御角度に対応する電流を各トルク付与コイル36A,36Bに与えることで、回転トルクを設定することができる。
図8と図9に、本発明の第2の実施の形態の入力装置101が示されている。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同じ機能を発揮する部分に同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図8に示す入力装置101は、固定部102に回転体10が回転自在に支持されている。回転体10は操作軸11と、回転体10である操作軸11に固定された回転板14と、回転体10である操作軸11に固定されたロータ113を有している。
入力装置101には、トルク付与部30とブレーキ付与部40が設けられている。なお、回転検出部20の図示は省略している。ブレーキ付与部40の構造は、図1に示した入力装置1と同じであり、下部ヨーク41と上部ヨーク42との隙間44内に回転板14と磁気粘性流体45が設けられている。また下部ヨーク41にはブレーキ付与コイル47が設けられている。
トルク付与部30では、回転体10である操作軸11にロータ113が固定されている。図9に示すように、ロータ113の外周面には、円周方向に一定の分割角度φで対向部113aが突出形成されている。ロータ113は磁性材料で形成されているが、磁石ではない。固定部102には固定ヨーク114が設けられている。固定ヨークの内周部にも、円周方向に一定の分割角度φで対向部114aが突出形成されている。ロータ113の対向部113aと固定ヨーク114の対向部114aは同じ分割角度φとなるように形成されている。
固定ヨーク114は磁性材料で形成されており、固定ヨーク114にトルク付与コイル115が保持されている。
次に、第2の実施の形態の入力装置101の動作を説明する。
図10(A)には、横軸に回転体10の回転角度が示され、縦軸にブレーキ付与部40のブレーキ付与コイル47の電流を制御したときに回転板14に与えられるブレーキ力(ブレーキトルク)の変化を示している。ブレーキ付与部40での制御のみでは、ブレーキ力(ブレーキトルク)を変化させて、操作体を回転させている手に抵抗感の変化を与えることができるが、回転体10に対して回転トルクを与えることはできない。
そこで、トルク付与部30に設けられたトルク付与コイル115に通電すると、固定ヨーク114が磁化される。図9に示すロータ113の対向部113aと固定ヨーク114の対向部114aとが対向しているときは、ロータ113は安定する。しかし、その安定位置から回転体10を時計方向へ回転させると、図10(B)に示すように、分割角度φの前半φ1で回転させる方向と逆向きの抵抗トルクが発生し、後半φ2で回転方向と同じ向きの引き込みトルクが発生する。
したがって、トルク付与コイル115への通電と、ブレーキ付与コイル47への通電を制御することによって、操作体を回転させようとしている手に、適度なブレーキ抵抗感と、さらには抵抗トルクと引き込みトルクを感じさせることができる。トルク付与部30による回転トルクの設定と、ブレーキ付与部40によるブレーキ力との設定を組み合わせることで、多様な操作感触を実現でき、回転体10の不要な振動の発生などを抑制できる。また、対向部113aと対向部114aとが対向している安定状態で、ブレーキ付与部40によるブレーキ力を与えることで、トルク付与コイル115への通電を止めることができ、消費電力を低減できる。
なお、前記実施の形態では、トルク付与部において、固定部にトルク付与コイル36A,36B,115が設けられ、第1の実施の形態では回転体10に磁石が設けられていたが、これとは逆に、回転体にトルク付与コイルが設けられ、固定部に磁石などが設けられていてもよい。
1 入力装置
2 固定部
10 回転体
11 操作軸
12 検出板
13 ロータ
14 回転板
20 回転検出部
22 回転検出素子
30 トルク付与部
36A A相のトルク付与コイル
36B B相のトルク付与コイル
40 ブレーキ付与部
44 隙間
45 磁気粘性流体
47 ブレーキ付与コイル
50 制御部
51 演算部
101 入力装置
102 固定部
113 ロータ
113a 対向部
114 固定ヨーク
114a 対向部
115 トルク付与コイル
O 回転中心線

Claims (5)

  1. 固定部と、前記固定部に回転自在に支持された回転体と、前記回転体の回転を検出する回転検出部とが設けられた入力装置において、
    前記回転体にブレーキ力を付与するブレーキ付与部と、前記回転体にトルクを付与するトルク付与部とが設けられており、
    前記ブレーキ付与部は、前記回転体に設けられた回転板と、前記固定部と前記回転板との隙間に介在する磁気粘性流体と、前記磁気粘性流体に磁場を与えるブレーキ付与コイルとを有し、
    前記トルク付与部は、前記回転体に回転トルクを付与するために、前記回転体と前記固定部の一方に設けられたA相とB相のトルク付与コイルと、他方に設けられた磁石とを有し、
    前記ブレーキ付与コイルと前記トルク付与コイルに与える電流を制御する制御部が設けられており、
    前記制御部は、前記回転体の回転角度を分割する分割角度を設定し、前記ブレーキ付与コイルへの通電によって、前記分割角度の境界部にて前記回転体にブレーキ力を与え、
    A相とB相の前記トルク付与コイルに、正弦波に基づいて変化する電流を互いに位相を異ならせて与えるとともに、前記トルク付与コイルに与えられる電流を制御して、前記回転体に対して、同じ分割角度内で回転方向が互いに逆向きとなる回転トルクが与えられることを特徴とする入力装置。
  2. 前記回転体が回転させられたときに、前記分割角度の境界を開始点として前記回転体に操作方向に対抗する向きの抵抗トルクを与え、その後に、同じ分割角度内で操作方向と同じ向きの引き込みトルクを与える請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記分割角度内では、前記トルク付与コイルへの通電によって、大きさが正弦波形に近似して変化する回転トルクを与える請求項2記載の入力装置。
  4. 前記制御部で、前記回転体に前記ブレーキ力を付与する位置を選択することで、前記分割角度可変できる請求項1ないし3のいずれかに記載の入力装置。
  5. 前記制御部で、前記回転体に前記ブレーキ力を付与する位置を選択することで、前記分割角度の分割数を可変できる請求項4記載の入力装置。
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