JP6723515B2 - ブラダーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの加硫成形装置用のブラダーを製造するブラダーの製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造にはブラダーを備えた加硫成形装置が用いられており、このブラダーは、原料ゴム(スラブ)をプレス加硫することにより製造されている(特許文献1、2)。
ブラダーには、タイヤ加硫成形装置のタイプに合わせて、AFV(Autoform Vulcanizer)タイプのブラダーとセンターポストタイプのブラダーとがある。この2種類のブラダーは、センターポストタイプのブラダーでは、AFVタイプのブラダーに形成されていたボールノーズ部が設けられておらず、開口部を形成している点を除いて、同一の構造となっている。
このため、従来より、センターポストタイプのブラダーは、AFVタイプのブラダーの製造後、ボールノーズ部をカットすることにより製造されていたが、近年では、ボールノーズ部のカットに伴う作業時間の短縮や、カットされたボールノーズ部を廃棄することによるゴムロスの発生の低減を図るために、センターポストタイプのブラダーを直接製造する技術が開発されている。
図8は、従来より使用されているブラダーの製造装置を説明する断面図である。そして、図9は、この製造装置を用いたブラダーの製造方法を説明する図である。図8に示すように、このブラダーの製造装置1は、上金型3、コア4、下金型5を備える金型2を有しており、原料ゴム8をセットした後、図9のように金型2を閉状態にすることにより、上金型3とコア4と下金型5の各壁面から形成されるキャビティ2a内に原料ゴム8が充填されてブラダーが製造される。
この製造装置を用いてセンターポストタイプのブラダーを製造する場合には、下金型5の中央突起5aに椀状のカップ体6が被せられる。この状態で、図9に示すように、金型2を閉状態にすると、ボールノーズキャビティ2bではカップ体6が原料ゴムの進入を許さないため、ボールノーズ部が設けられていないセンターポストタイプのブラダーを製造することができる。
特開2006−56172号公報 特開2012−213918号公報
しかしながら、上記した製造装置を用いてセンターポストタイプのブラダーを製造した場合、原料ゴムの加硫中にエアー溜まりが発生してゴム流れ不良を生じ、製造後のブラダーにベアーが発生することがあった。
そこで、本発明は、エアー溜まりの発生を抑制して、ベアーのないセンターポストタイプのブラダーを製造することができるブラダー製造技術を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、
プレス加硫によりセンターポストタイプのブラダーを製造するブラダーの製造方法であって、
金型として、上金型、中央突起を有する下金型、および中央凹部を有して前記上金型と下金型の間に配置されるコアを備えた金型を用い、
前記金型を開状態にして、前記コアの中央凹部と前記下金型の中央突起との間に前記金型の閉状態時に形成されるボールノーズキャビティと同一形状に予め作製されたカップ体を、前記下金型の中央突起上に配置するカップ体配置工程と、
前記金型に原料ゴムをセットする原料ゴムセット工程と、
前記金型を閉状態にして、セットされた前記原料ゴムを前記上金型、下金型およびコアで形成されるキャビティ内へ原料ゴムを流入させて、プレス加硫することにより、ブラダーの成形を行うプレス加硫工程と、
前記金型を開状態にして、前記コアに設けられたエアーバルブから前記ブラダー内にエアーを供給して前記ブラダーを膨らませることにより、前記コアから前記ブラダーを取り出すブラダー取り出し工程とを備えており、
前記カップ体として、前記下金型の中央突起に設けられた複数本のエア排出用のベントグルーブの一部に嵌合する複数本の位置固定用の凸条と、残りのベントグルーブに対向する位置に形成された複数のエアー逃し用の平坦面または凹部とを有するカップ体を用いることを特徴とするブラダーの製造方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記カップ体が、AFVタイプのブラダーのボールノーズ部をカットして得られたカップ体であり、
カット後、前記ボールノーズ部に形成された複数の凸条の一部を除去したカップ体であることを特徴とする請求項1に記載のブラダーの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記複数の凸条の一部を除去した箇所に凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のブラダーの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、
プレス加硫によりセンターポストタイプのブラダーを製造するブラダーの製造方法であって、
金型として、上金型、中央突起を有する下金型、および中央凹部を有して前記上金型と下金型の間に配置されるコアを備えた金型を用い、
前記金型を開状態にして、前記コアの中央凹部と前記下金型の中央突起との間に前記金型の閉状態時に形成されるボールノーズキャビティと同一形状に予め作製されたカップ体を、前記下金型の中央突起上に配置するカップ体配置工程と、
前記金型に原料ゴムをセットする原料ゴムセット工程と、
前記金型を閉状態にして、セットされた前記原料ゴムを前記上金型、下金型およびコアで形成されるキャビティ内へ原料ゴムを流入させて、プレス加硫することにより、ブラダーの成形を行うプレス加硫工程と、
前記金型を開状態にして、前記コアに設けられたエアーバルブから前記ブラダー内にエアーを供給して前記ブラダーを膨らませることにより、前記コアから前記ブラダーを取り出すブラダー取り出し工程とを備えており、
前記エアーバルブとして、内部にエアー流路が形成され、前記エアー流路を形成する壁面に溝状の幅広部が複数形成されているエアーバルブを用い、
前記ブラダー取り出し工程において、前記ブラダーの底面が前記下金型に接触しながら前記ブラダーが膨らむように、前記エアーバルブからのエアー供給量と前記金型の開動作を制御することを特徴とするブラダーの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、
前記エアーバルブが、断面多角形の軸が断面多角形の挿通孔を有する外枠の前記挿通孔に挿通されることにより構成され、
前記エアー流路が、前記軸と前記外枠の内壁との間に形成された隙間であることを特徴とする請求項4に記載のブラダーの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、
前記エアー流路を形成する壁面に形成された溝状の幅広部が、前記壁面の平坦面に形成された凹溝であることを特徴とする請求項5に記載のブラダーの製造方法である。
請求項7に記載の発明は、
前記ブラダー取り出し工程において、前記コアが前記下金型の表面から所定の高さ上昇したタイミングで、前記ブラダー内へのエアー供給を開始することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のブラダーの製造方法である。
請求項8に記載の発明は、
前記ブラダー取り出し工程において、前記ブラダーの底面が前記下金型に接触しながら前記ブラダーが膨らむように、前記コアと前記上金型の上昇を制御することを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載のブラダーの製造方法である。
本発明によれば、エアー溜まりの発生を抑制して、ベアーのないセンターポストタイプのブラダーを製造することができるブラダー製造技術を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るブラダーの製造方法において使用されるカップ体を模式的に示す斜視図である。 カップ体を下金型の中央突起上に配置した状態を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るブラダーの製造方法において使用されるカップ体の一例を示す断面図および下金型の中央突起との接触面側から見た平面図である。 本発明の一実施の形態に係るブラダーの製造方法において使用されるカップ体の他の一例を示す断面図および接触面側から見た平面図である。 本発明の一実施の形態で使用されるエアーバルブを説明する図である。 取り出し工程におけるブラダーの状態を模式的に示す図である。 コア動作とプレス動作の制御方法を説明する図である。 ブラダーの製造装置を説明する図である。 図8に示すブラダーの製造装置を用いたブラダーの製造方法を説明する図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
1.第1の実施の形態
本発明者は、従来のブラダーの製造装置の場合、何故に、加硫中にエアー溜まりが発生してゴム流れ不良が生じ、製造後のブラダーにベアーが発生するのか検討を行った。その結果、加硫時、下金型の中央突起に配置されたカップ体に問題があることが分かった。
即ち、センターポストタイプのブラダーの製造においては、前記したように、従来より、AFVタイプのブラダーの製造装置を用いて下金型の中央突起にカップ体を配置して行っていたが、このカップ体としてAFVタイプのブラダーからカットされたボールノーズ部を使用していたことが原因であることが分かった。
具体的には、このボールノーズ部には、下金型の中央突起と接触する側に下金型の中央突起に設けられているベントホールとベントグルーブが転写されて凸条が形成されているため、これをカップ体としてAFVタイプのブラダーの製造装置と同一の製造装置に使用した場合、カップ体の凸条が下金型の中央突起のベントグルーブに嵌合されると、セットされた原料ゴムがカップ体に向けて流入する際、エアーの逃げ道がふさがれてしまい、ゴム流れ不良が発生してベアーの発生を招いていることが分かった。特に、加硫装置の部品取付穴である底面の開口部の近くにベアーが発生すると、タイヤの加硫成形時にブラダーからガス漏れを生じさせていた。
そこで、本発明者は、カップ体の凸条が中央突起のベントグルーブに嵌合されても、エアーの逃げ道が確保されていれば、このような問題の発生が防止できると考え、具体的な検討を行った。
図1は、本発明の一実施の形態におけるブラダーの製造方法において使用されるカップ体を模式的に示す斜視図であり、図2は、カップ体を下金型の中央突起上に配置した状態を示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施の形態に係るブラダーの製造方法において使用されるカップ体の一例を示す断面図および下金型の中央突起との接触面側から見た平面図である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態におけるカップ体6は椀状のゴム部材であり、従来と同様にAFVタイプのブラダーの製造装置で製造したブラダーのボールノーズ部をカットして得られるゴム部材を用いている。このため、カップ体6には、前記したようにAFVタイプのブラダーの製造装置の下金型5の中央突起5aに設けられているベントグルーブが転写されて複数の凸条が形成されている。しかし、本実施の形態においては、カップ体6はこの凸条のうちの一部を除去または凹ませ、残りをそのまま残している。
カップ体6は、AFVタイプのブラダーの製造装置の下金型5の中央突起5aを覆うようにセットされる。この時、カップ体6の一部の凸条を除去または凹ませているため、中央突起5aに設けられている一部のグルーブとの間に隙間ができ、この隙間からエアーを逃すことができる。また、カップ体6の残りの凸条はそのまま残されているため、中央突起5aのグループと嵌合させてカップ体6の位置を固定することができる。
以上により、センターポストタイプのブラダーの製造において、加硫中にエアー溜まりが発生することを防止することができるため、製造後のブラダーにおけるベアーの発生を防止することができる。
以下、上記したカップ体を用いたブラダーの製造を詳細に説明する。本実施の形態に係るブラダーの製造方法は、図8に示すようなAFVタイプのブラダーの製造装置1を用いて、ボールノーズ部がなく、底部の中央に開口部が形成されたセンターポストタイプのブラダーを製造する方法であり、カップ体配置工程、原料ゴムセット工程、プレス加硫工程、ブラダー取出し工程とを備えている。
(1)カップ体配置工程
カップ体配置工程では、図8に示すように、ブラダーの製造装置1の下金型5にカップ体6をセットする。本実施の形態においては、このときに、図3に示すような一部の凸条が除去されたカップ体6を、下金型5の中央突起5aにセットする。
(2)原料ゴムセット工程
原料ゴムセット工程では、原料ゴム8を下金型5の外周縁部に配置する。
(3)プレス加硫工程
プレス加硫工程では、コア4と上金型3を下降させて金型2を閉じた後、下金型5に配置された原料ゴム8のプレス加硫を行う。
このとき、上金型3、コア4および下金型5によりキャビティ2aが形成されるが、ボールノーズキャビティ2bの部分にカップ体6が配置されており、原料ゴムはボールノーズキャビティ2bに進入できないため、底部の中央に開口部が形成されたセンターポストタイプのブラダーが成形される。
本実施の形態では、カップ体6の複数の凸条のうち一部を除去して接触面6aを形成すると共に、残りの凸条6bがそのまま残されているため、カップ体6を中央突起5aにセットした際に、中央突起5aの表面のベントグルーブの全てがカップ体6の凸条6bによって塞がれることが防止されている。このため、プレス加硫時にキャビティ2a(図9参照)内のエアーが、ベントグルーブを通ってベントホール(図示省略)からキャビティ2aの外に排出することができ、ベアーの発生が抑制される。
(4)ブラダー取出し工程
上記したプレス加硫終了後、金型を開き、コア4の下部からエアーを吹き出してブラダーを膨らませてブラダーを取り出す。
本実施の形態によれば、プレス加硫工程において、金型内のエアーをベントグルーブとベントホールを介して適切に外部に排出することができるため、加硫中のエアー溜まりによるベアーが、製造後のブラダーに発生することを防止することができる。
なお、上記した図3に示すカップ体では、接触面6aに接触面6aを等角度で分割し、中央から放射状に伸びる凸条6bが複数本、例えば8本除去せず残しているが、凸条6bの本数や長さは、ブラダーのサイズ等を考慮して、AFVタイプのブラダーを製造するブラダーの製造装置の中央突起に設けられているベントグルーブの本数に応じて適宜決定される。
図4に示した例では、凸条6bを、接触面6aの中央突起5aの根元部側との接触部にのみ除去せず残し、中央突起5aの先端部側との接触部では凸条6bを除去している。これにより、中央部にも十分に大きな幅で隙間が形成されるため、センターポストの取り付け部となる開口部付近にベアーが発生しない。その結果、ブラダーからのガス漏れを防ぐことができる。なお、図4は本実施の形態に係るブラダーの製造方法において使用されるカップ体の他の一例を示す断面図および接触面側から見た平面図である。
また、図4に示した例では、凸条6bの本数を図3に示した8本から4本に減らし、凸条によって塞がれるベントグルーブの数をさらに減らしている。これにより、エアーをより逃げやすくすることができる。なお、中央部の凸条6bを除去する場合、および凸条6bの本数を4本に減らした場合でもカップ体6を一定の位置に固定する位置固定機能が損なわれない。
さらに、図4に示す例では、下金型5の中央突起5aに形成されたベントホールに対応するように、カップ体6の接触面6aの中央部に窪み6cを設けている。これによりキャビティ2a内のエアーの排気機能をより一層向上させることができる。窪み6cの、形状、サイズおよび深さは適宜決定されるが、例えば直径が30mm程度の円形で、円の外周部分における接触面6aからの深さが5〜6mm程度に設定される。
なお、上記においては、カップ体としてAFVタイプのブラダーからカットされたボールノーズ部を用いて説明したが、これに限定されず、別途、作製されたカップ体であっても良い。
2.第2の実施の形態
上記したとおり、第1の実施の形態ように、カップ体にエアー抜き加工を施すことにより、センターポストタイプのブラダーを製造するために下金型の中央突起にカップ体を被せたとしても、カップ体にエアー抜き用の加工が施されているため、製造後のブラダーにベアーが発生することを防止できる。
しかし、下金型の中央突起にカップ体を被せてブラダーを製造した場合、上記したベアーの発生以外に、加硫後のブラダーを取り出す際にブラダーがコアに引っ掛ってスムーズに取り外せなくなり、ブラダーが変形してしまうという問題が生じることがあった。
具体的には、AFVタイプのブラダーの製造装置では、図6(a)に示すように、加硫後のブラダーをコアから取り外すために、上金型3とコア4とを上昇させた後、エアーバルブ7からブラダーBの内部にエアーを供給することにより、コア4に保持されたブラダーBを膨張させる。これにより、膨張したブラダーBがコア4から抜け落ちるため、コア4から容易にブラダーBを取り外すことができる。
一方、センターポストタイプのブラダーを製造するためにカップ体を使用した場合には、ブラダーの底面の中央に形成された開口部をカップ体が塞いだ状態で上記したブラダーの膨張が行なわれるが、図6(b)に示すように、ブラダーBを膨張させている間にカップ体6がずれると、開口部からエアーが漏れ出てブラダーBが萎んでしまうため、コア4からブラダーBが完全に抜け落ちず、コア4に引っ掛ってブラダーBが伸びてしまうことがある。
本発明者は、カップ体のずれによりブラダーの取り出し不良が発生することを軽減するために、ブラダー内にエアーを供給するエアーバルブの構造を変更して、ブラダー内へのエアーの供給量が従来よりも多くなるようにすることを考えた。以下、第2の実施の形態で使用されるエアーバルブについて説明する。
(1)エアー供給量の増加
図5(a)は本実施の形態で使用されるエアーバルブを示す斜視図であり、図5(b)は従来のエアーバルブのエアー流路の形状を説明する断面図であり、図5(c)は本実施の形態で使用されるエアーバルブのエアー流路の形状を説明する断面図である。
図5(a)に示すように、エアーバルブ7は、ベース7a2から四角柱状の軸7a1が立設したバルブ本体7aと、内部に挿通孔が設けられた外枠としての穴あきネジ7bと、バネ7fと、ナット7gとから構成されており、穴あきネジ7bの挿通孔にバルブ本体7aの軸7a1が挿通されている。
図5(b)および図5(c)に示すように、エアーバルブ7の内部では、バルブ本体の軸7a1と穴あきネジ7bの内壁によってエアー流路7cが形成されている。エアーバルブ7は、このエアー流路7cを通じてコアに取り付けられたブラダーの内部にエアーを供給する。
そして、本実施の形態のエアーバルブでは、図5(c)に示すように穴あきネジ7bの内壁に半円形の溝である幅広部7eが4つ形成されて、従来よりも面積が広いエアー流路7cが形成されている点が、図5(b)に示す従来のエアーバルブと異なっている。
このように、軸7a1の外枠である穴あきネジ7bの内壁に幅広部7eを設けてエアー流路7cの面積を広くすることにより、ブラダー内部に供給されるエアーの単位時間当たりの流量を増やすことができるため、カップ体のずれが生じる前にブラダーを素早く膨張させてブラダーをコアから取り外すことができる。
また、カップ体のずれが生じた場合でも、従来よりもエアーの供給量が増加しているため、ブラダーを萎ませることなく、コアから適切に取り外すことができる。
なお、バルブ本体7aの軸7a1と穴あきネジ7bとの間で軸ズレが生じると、ブラダー内に供給されるエアーの方向にばらつきが生じてブラダーの膨張が不均一になるため、本実施の形態では、断面四角形の穴あきネジ7bの内壁の角部分には幅広部7eを形成せず、各辺の平坦面に幅広部7eを形成することにより軸ズレの発生を防止している。
また、上記では軸の断面形状が四角形であったが、軸の断面形状は多角形であればよく、この軸の断面形状に合わせて外枠の挿通孔を形成すればよい。
(2)エアー漏れ量の低減
上記した構造のエアーバルブを用いてエアー供給量を増加させることにより、カップ体のずれによるブラダーの取り外し不良の発生を軽減することはできるが、カップ体のずれが大きくなると、大量のエアーがブラダーの外に漏れ出すため、エアー供給量を増加させてもブラダーを適切に取り外すことができなくなる恐れがある。
このため、本発明者は、ブラダー内からエアーが漏れ出す量を低減して、カップ体に大きなずれが生じた場合でもブラダーを適切に膨らませることができるような方法についてさらに検討を重ねた。
その結果、ブラダーの取り出し工程において、エアーの供給と金型の開動作を制御することにより、ブラダー底面の中央部を下金型に接触させながらブラダーを膨張させることに思い至った。
従来では、上記した図6に示すように、上金型3とコア4を上昇させた後にブラダーBへのエアーの供給を開始してブラダーBを膨張させてブラダーBの取り外しを行っていた。
これに対して、本実施の形態では、図7(a)に示すように、ブラダーBが保持されたコア4を下金型5から所定の高さd(30mm程度)だけ上昇させたところで、コア4と上金型3の上昇を一度停止させる。
そして、この状態でブラダーB内へエアーを供給すると、図7(b)に示すように、膨張したブラダーBの底面の中央部B1が下金型5に接触する。次に、コア4の上昇を再開し、コア4と上金型3を制御しながら上昇させると共に、ブラダーBの底面の中央部B1が下金型5に接触し続けるようにコア4の上昇速度とエアーの供給速度を制御する。
そして、ブラダーBが所定の大きさまで膨張すると、図7(c)に示すように、コア4からブラダーBが抜け落ちることによりコア4からブラダーBが取り外される。
このように、本実施の形態では、ブラダーBをコア4から取り外す際にブラダーBの底面の中央部B1を下金型5に接触させ続けているため、ブラダーの取り出し工程を行っている間、ブラダーBの底面に形成された開口部が下金型5によって塞がれている。このため、カップ体に大きなずれが生じても、従来のように開口部から大量のエアーが漏れることがない。
(3)第2の実施の形態の効果
以上の通り、本実施の形態によれば、エアーバルブの構造を変更してブラダーへのエアーの供給量を増加させていると共に、ブラダーの底面の中央部が下金型に接触するようにエアー供給を制御しているため、カップ体のずれによってブラダーが萎んでブラダーの取り出し不良が発生することを防止することができる。
以下、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明する。
1.試験例1〜試験例6
(1)試験例1
製造後のAFVタイプのブラダーの底面の中央部に形成された椀状のボールノーズ部をカットし、図8に示す従来の方法と同様に、カットしたボールノーズ部をカップ体6として下金型5の中央突起5aに配置して原料ゴムの加硫成形を行うことにより、底面の中央部に開口部が形成されたセンターポストタイプのブラダーを5個製造した。
(2)試験例2
試験例2では、AFVタイプのブラダーの製造によって8本の凸条が形成されたボールノーズ部をカットし、4本の凸条を削り取ったカップ体を用いたことを除いて、試験例1と同じ条件でセンターポストタイプのブラダーを5個製造した。
(3)試験例3
試験例3では、図5(c)のように幅広部が形成されてエアー流路が広くなったエアーバルブを使用したことを除いて、試験例1と同じ条件でセンターポストタイプのブラダーを5個製造した。
(4)試験例4
試験例4では、図7に示すように金型の開動作においてブラダーの底面の中央部が下金型に接触するようにエアーの供給とコアの上昇を制御したことを除いて、試験例1と同じ条件でセンターポストタイプのブラダーを5個製造した。
(5)試験例5
試験例5では、図5(c)に示すエアーバルブを用い、図7に示すようにエアーの供給とコアの上昇を制御したことを除いて、試験例1と同じ条件でセンターポストタイプのブラダーを5個製造した。
(6)試験例6
試験例6では、試験例2と同様にカップ体にエアー抜き加工を施すと共に、試験例3と同様に図5(c)に示すエアーバルブを使用し、試験例4と同様に金型の開動作においてブラダーの底面の中央部が下金型に接触するようにエアーの供給とコアの上昇を制御した。なお、他の条件は試験例1と同様に設定した。
2.評価
(1)ベアー発生数
製造後のブラダーに、加硫中のエアー溜まりによるベアーの発生が生じているか否かを目視確認してベアーが発生しているブラダーの個数を調べた。結果を表1に示す。
(2)取り出し不良数
加硫工程後の取り出し工程において、ブラダーが膨張せず取り出し不良が発生したブラダーの個数を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0006723515
試験例1と試験例2のベアー発生数を比較した結果、カップ体に凸条を除去するエアー抜き加工を施すことにより、製造後のタイヤにエアー溜まりによるベアーが発生することを防止できることが確認できた。
次に、試験例1と試験例3の取り出し不良数を比較した結果、エアーバルブの構造を変更してエアー流量を増加させることにより、ブラダーの取り出し不良の発生を低減できることが確認できた。また、試験例1と試験例4との比較の結果、ブラダーの底面の中央部が下金型に接触するように金型の開動作を行った場合でも、ブラダーの取り出し不良の発生を低減できることが確認できた。
そして、試験例5の結果より、エアーバルブの構造の変更と、ブラダーの底面の中央部が下金型に接触するような金型の開動作の制御の両方を行った場合に、ブラダーの取り出し不良の発生を防止できることが確認できた。
次に、試験例2〜試験例4での改善を全て行った試験例6では、ベアー発生数と取り出し不良数の両方が0となったことから、これらの改善を全て行うことにより、AFVタイプのブラダーの製造装置にカップ体を使用してセンターポストタイプのブラダーを製造する際に生じ得る問題を全て解決して、センターポストタイプのブラダーを適切に製造できることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 ブラダーの製造装置
2 金型
2a キャビティ
2b ボールノーズキャビティ
3 上金型
4 コア
4a 中央凹部
5 下金型
5a 中央突起
6 カップ体
6a 接触面
6b 凸条
6c 窪み
7 エアーバルブ
7a バルブ本体
7a1 軸
7a2 ベース
7b 穴あきネジ
7c エアー流路
7e 幅広部
7f バネ
7g ナット
8 原料ゴム(スラブ)
B ブラダー
B1 ブラダーの底面の中央部
d 高さ

Claims (8)

  1. プレス加硫によりセンターポストタイプのブラダーを製造するブラダーの製造方法であって、
    金型として、上金型、中央突起を有する下金型、および中央凹部を有して前記上金型と下金型の間に配置されるコアを備えた金型を用い、
    前記金型を開状態にして、前記コアの中央凹部と前記下金型の中央突起との間に前記金型の閉状態時に形成されるボールノーズキャビティと同一形状に予め作製されたカップ体を、前記下金型の中央突起上に配置するカップ体配置工程と、
    前記金型に原料ゴムをセットする原料ゴムセット工程と、
    前記金型を閉状態にして、セットされた前記原料ゴムを前記上金型、下金型およびコアで形成されるキャビティ内へ原料ゴムを流入させて、プレス加硫することにより、ブラダーの成形を行うプレス加硫工程と、
    前記金型を開状態にして、前記コアに設けられたエアーバルブから前記ブラダー内にエアーを供給して前記ブラダーを膨らませることにより、前記コアから前記ブラダーを取り出すブラダー取り出し工程とを備えており、
    前記カップ体として、前記下金型の中央突起に設けられた複数本のエア排出用のベントグルーブの一部に嵌合する複数本の位置固定用の凸条と、残りのベントグルーブに対向する位置に形成された複数のエアー逃し用の平坦面または凹部とを有するカップ体を用いることを特徴とするブラダーの製造方法。
  2. 前記カップ体が、AFVタイプのブラダーのボールノーズ部をカットして得られたカップ体であり、
    カット後、前記ボールノーズ部に形成された複数の凸条の一部を除去したカップ体であることを特徴とする請求項1に記載のブラダーの製造方法。
  3. 前記複数の凸条の一部を除去した箇所に凹部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のブラダーの製造方法。
  4. プレス加硫によりセンターポストタイプのブラダーを製造するブラダーの製造方法であって、
    金型として、上金型、中央突起を有する下金型、および中央凹部を有して前記上金型と下金型の間に配置されるコアを備えた金型を用い、
    前記金型を開状態にして、前記コアの中央凹部と前記下金型の中央突起との間に前記金型の閉状態時に形成されるボールノーズキャビティと同一形状に予め作製されたカップ体を、前記下金型の中央突起上に配置するカップ体配置工程と、
    前記金型に原料ゴムをセットする原料ゴムセット工程と、
    前記金型を閉状態にして、セットされた前記原料ゴムを前記上金型、下金型およびコアで形成されるキャビティ内へ原料ゴムを流入させて、プレス加硫することにより、ブラダーの成形を行うプレス加硫工程と、
    前記金型を開状態にして、前記コアに設けられたエアーバルブから前記ブラダー内にエアーを供給して前記ブラダーを膨らませることにより、前記コアから前記ブラダーを取り出すブラダー取り出し工程とを備えており、
    前記エアーバルブとして、内部にエアー流路が形成され、前記エアー流路を形成する壁面に溝状の幅広部が複数形成されているエアーバルブを用い、
    前記ブラダー取り出し工程において、前記ブラダーの底面が前記下金型に接触しながら前記ブラダーが膨らむように、前記エアーバルブからのエアー供給量と前記金型の開動作を制御することを特徴とするブラダーの製造方法。
  5. 前記エアーバルブが、断面多角形の軸が断面多角形の挿通孔を有する外枠の前記挿通孔に挿通されることにより構成され、
    前記エアー流路が、前記軸と前記外枠の内壁との間に形成された隙間であることを特徴とする請求項4に記載のブラダーの製造方法。
  6. 前記エアー流路を形成する壁面に形成された溝状の幅広部が、前記壁面の平坦面に形成された凹溝であることを特徴とする請求項5に記載のブラダーの製造方法。
  7. 前記ブラダー取り出し工程において、前記コアが前記下金型の表面から所定の高さ上昇したタイミングで、前記ブラダー内へのエアー供給を開始することを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のブラダーの製造方法。
  8. 前記ブラダー取り出し工程において、前記ブラダーの底面が前記下金型に接触しながら前記ブラダーが膨らむように、前記コアと前記上金型の上昇を制御することを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載のブラダーの製造方法。
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