JP6723103B2 - 軸の製造方法 - Google Patents

軸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6723103B2
JP6723103B2 JP2016142977A JP2016142977A JP6723103B2 JP 6723103 B2 JP6723103 B2 JP 6723103B2 JP 2016142977 A JP2016142977 A JP 2016142977A JP 2016142977 A JP2016142977 A JP 2016142977A JP 6723103 B2 JP6723103 B2 JP 6723103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
journal
shaft
manufacturing
corresponding portion
dies
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016142977A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018012124A (ja
Inventor
真行 三上
真行 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittan Corp
Original Assignee
Nittan Valve Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittan Valve Co Ltd filed Critical Nittan Valve Co Ltd
Priority to JP2016142977A priority Critical patent/JP6723103B2/ja
Publication of JP2018012124A publication Critical patent/JP2018012124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6723103B2 publication Critical patent/JP6723103B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、軸の製造方法に関する。
軸の製造方法には、特許文献1に示すように、軸素材本体の外周面にジャーナル相当部を形成し、該ジャーナル相当部表面に硬化処理を行うことによりジャーナル部を形成するものが提案されている。具体的には、硬化処理としてレーザ光照射が用いられ、そのレーザ光照射をジャーナル相当部に行うことにより、レーザ焼入れが行われたジャーナル部が形成される。
この軸の製造方法を用いれば、ジャーナル相当部に対してだけ硬化処理が的確に行われることになり、ジャーナル部において耐摩耗性や疲労強度を向上させることができる。
特開2007−77428号公報
しかし、上記軸の製造方法にあっては、レーザ光照射を行うために、複雑で高価なレーザ光照射設備が必要となるばかりか、レーザ光照射に伴うランニングコストをも考慮しなければならなくなる。
しかも、軸素材の材料として、焼入れによる硬化処理が期待できない金属材料が用いられる場合には、そもそも硬化処理としてレーザ光照射を用いることができず、ジャーナル部の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、レーザ光照射を用いなくても、簡単にジャーナル部の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができる軸の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明にあっては、(1)〜(6)の構成とされている。すなわち、
(1)軸素材として、軸素材本体の外周面にジャーナル相当部を有するものを用意し、該ジャーナル相当部に硬化処理を行うことによりジャーナル部を形成する軸の製造方法において、
前記軸素材として、前記ジャーナル相当部の外径を前記ジャーナル部の外径よりも拡径することにより、該ジャーナル相当部に該ジャーナル部に比して余肉部分を有するものを用意し、
前記硬化処理として、前記余肉部分を、該ジャーナル相当部の全周に亘って該ジャーナル相当部の径方向内方に向けて押し潰す構成とされている。
この構成によれば、ジャーナル相当部における余肉部分の押し潰しによりジャーナル相当部の全周面を塑性変形させることができ、その塑性変形部分(全周面部分)を的確に加工硬化させることができる。
また、軸素材の材料として、焼入れによる硬化処理が期待できない金属材料が用いられる場合においても、硬化処理として、ジャーナル相当部を径方向内方に向けて押し潰すことにより、塑性変形を生じさせ、ジャーナル部を加工硬化させることができる。
(2)前記(1)の構成の下において、
前記余肉部分を、前記ジャーナル相当部の全周に亘って該ジャーナル相当部の径方向内方に向けて押し潰すことが、一対のダイスにより、該ジャーナル相当部を挟持しつつ該ジャーナル相当部に対して転造加工を行うことである構成とされている。
この構成によれば、ジャーナル相当部に対してだけ、一対のダイスを用いて転造加工を行うことができることになり、簡単な転造設備を用いて、ジャーナル部だけを具体的に加工硬化させることができる。
(3)前記(2)の構成の下において、
前記一対のダイスとして、互いに対向する対向面を有すると共に、該両対向面が相対移動するものを用い、
前記一対のダイスの両対向面の相対移動を利用することにより、前記ジャーナル相当部を該一対のダイス間に取り込んで、該ジャーナル相当部を転動させつつ該ジャーナル相当部に転造加工を行う構成とされている。
この構成によれば、一対のダイスにより、特別に、軸素材の取付け(セット)、取外しを行うことなく転造加工を行うことができるばかりか、一対のダイスの相対移動に伴い、軸素材を、その一対のダイスの相対移動方向一方側から取り込んで、その軸素材を一対のダイスの相対移動方向他方側から搬出することができる。このため、ジャーナル相当部に対する転造加工を、連続的な流れ作業の下で行うことができ、当該軸を迅速に製造できる。
(4)前記(1)の構成の下において、
前記ジャーナル相当部として、該ジャーナル相当部における前記軸素材の軸線方向内方側において環状溝を有するものを用いる構成とされている。
この構成によれば、一対のダイスによる押圧面積を、ジャーナル相当部に環状溝を有しない場合に比して減らすことができ、転造加工に要する押圧力を減少させることができる。このため、ジャーナル相当部に対する転造加工を的確に行うことができる。
(5)前記(1)の構成の下において、
前記軸素材として、溶体化処理を経たものを用いる構成とされている。
この構成によれば、焼入れ焼き戻し処理が行えない軸素材においても、溶体化処理により金属組織を均一にすることができ、軸素材における基本的硬さの向上を図ることができる。更に、余肉部分をジャーナル相当部の径方向内方に向けて押し潰すことにより(冷間加工時(転造時))、加工硬化させ、ジャーナル部の硬さをより高めることができる。
(6)前記(1)の構成の下において、
ターボチャージャにおけるタービンシャフトを形成するために用いる構成とされている。
この構成によれば、ターボチャージャにおけるタービンシャフトを製造するために最適な製造方法を提供できる。
本発明によれば、レーザ光照射を用いなくても(レーザ焼入れを行わなくても)、簡単にジャーナル部の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができる。
また、軸素材の材料として、焼入れによる硬化処理が期待できない金属材料が用いられる場合であっても、ジャーナル部の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができる。
ターボチャージャで使用されるタービンシャフトを説明する説明図。 図1のタービンシャフト(仕上げ加工後のタービンシャフト)を示す拡大正面図。 実施形態に係るタービンシャフトの製造工程(加工工程)を示す工程図。 素材成形工程において成形された第1軸素材を説明する説明図。 荒加工工程において加工された第2軸素材を説明する説明図。 第2軸素材を一対の丸ダイスにより転造加工することを説明する説明図。 第2軸素材を一対の平ダイスにより転造加工することを説明する説明図。 流れ作業の下で、第2軸素材を転造加工することを示す説明図。 仕上げ加工工程を説明する説明図。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る軸の製造方法を、排気ガスのエネルギを利用した自動車用ターボチャージャに用いられるタービンシャフトを例にとって説明する。
1.先ず、軸としてのタービンシャフトについて説明する。
自動車には、図1に示すように、ターボチャージャ1を搭載したものが存在する。具体的に説明すれば、燃焼室2には、排気通路3、吸気通路4がそれぞれ連なっており、排気通路3にはタービンハウジング5が設けられ、吸気通路4にはコンプレッサハウジング6が設けられている。そのタービンハウジング5内にはタービンホイール7が収容され、コンプレッサハウジング6内にはコンプレッサインペラ8が収容されている。
前記タービンハウジング5と前記コンプレッサハウジング6との間には、ベアリングハウジング9が介在されている。そのベアリングハウジング9には、その内部において2つの軸受け(ジャーナル軸受け)10,11が取付けられており、その2つの軸受け10,11にタービンシャフト12が回転可能に支持されている。このタービンシャフト12は、その一端部がタービンハウジング5を貫通してタービンホイール7に連結され、その他端部は、コンプレッサハウジング6を貫通してコンプレッサインペラ8に連結されている。
これにより、タービンホイール7が排気ガスにより回転されると、その回転は、タービンシャフト12を介してコンプレッサインペラ8に伝達され、コンプレッサインペラ8は、吸気を圧縮して燃焼室2に送り出す。この際、タービンシャフト12は、10万rpm以上の回転数をもって回転することになり、タービンシャフト12は、高温度環境下で使用される。
このようなタービンシャフト12は、図2に示すように、軸状に形成されている。そのタービンシャフト12の一端部には、他の軸状部分よりも拡径された拡径部13が形成され、その拡径部13には、その先端からタービンシャフト12の軸線方向内方向けて順に、タービンホイール7を取付けるための取付け部14、環状のシール材等を取付けるためのシール構造部15が設けられている。タービンシャフト12の他端部には、雄ねじ部16が形成されており、この雄ねじ部16には、コンプレッサインペラ8にタービンシャフト12の他端部を貫通させた状態でナットが螺合される(コンプレッサインペラ8とタービンシャフト12との連結)。タービンシャフト12の一端部と他端部とは、軸本体部17により連なっており、その軸本体部17の外周面には、軸本体部17の径よりも多少、拡径されたジャーナル部18が設けられている。ジャーナル部18には、その軸線方向中央部において、幅広の環状溝19が形成されており、ジャーナル部18は、この環状溝19を基準として両側に第1ジャーナル部分20と第2ジャーナル部分21とを有するように構成されている。第1ジャーナル部分20は、細幅の溝45を介して前記シール構造部15に隣合っており、第2ジャーナル部分21は、第1部分20よりもタービンシャフト12の軸線方向内方側に配置されている。この第1、第2ジャーナル部分20、21が前記軸受け10,11に回転可能にそれぞれ支持される。
2.次に、上記タービンシャフト12の製造方法について説明する。
タービンシャフト12は、図3に示す製造工程図(加工工程図)に従って製造される。
(1)タービンシャフト12の製造に当たり、先ず、図3に示すように、加工材料が予め準備される。
加工材料に基づき、要求特性を確保すると共に、後述の転造加工を適正に行うためである。この場合、上記加工材料を準備するに当たり、長尺な加工材料が一定長さに切断される。
加工材料としては、上記理由から、転造加工を行えるもの等が準備され、その加工材料の中には、焼入れによる硬化処理ができない金属材料としてのオーステナイト系ステンレスや、析出硬化系ステンレス、Ni基合金等の耐熱金属も含めることができる。特に、高温環境下で用いられ10万rpm以上の回転数で回転しなければならないタービンシャフト12の場合には、従来の軸材料であるSCM435等の構造用鋼に比してこれらの耐熱金属を用いることが好ましい。
(2)次に、図3、図4に示すように、前記加工材料から第1軸素材25が加工される(素材成形工程)。
第1軸素材25は、加工材料に対して塑性加工や除去加工を行うことにより形成され、その第1軸素材25は、軸状に形成されると共に、その一端部において、他の部分よりも拡径された拡径部13Aが形成される。このとき、拡径部13Aには、未だ、取付け部14、シール構造部15は形成されていない。
(3)次に、図3に示すように、前記第1軸素材25に対して熱処理が行われる(熱処理工程)。
第1軸素材25全体の基本的硬さを高めつつ、その基本的硬さの均一化を図るためである。
熱処理としては、焼入れ焼戻し処理、又は溶体化処理(好ましくは溶体化処理に続いて時効処理を行うもの)を用いることができる。
焼入れ焼戻し処理は、第1軸素材25(加工材料)が焼入れ焼戻し可能材料である場合に用いることができ、溶体化処理は、第1軸素材25がステンレス、Ni基合金、オーステナイト系ステンレス(SUS303、SUS304、SUS316等)等である場合に用いることができる。また、溶体化処理の好ましい態様として、溶体化処理とその溶体化処理に続く時効処理とを行う場合には(以下、溶体化処理及び時効処理)、時効処理により結晶粒を細かくできる限り、第1軸素材25として、焼入れ焼戻し可能材料であるか否かにかかわらず種々の材料を用いることができる。
特に、熱処理として、溶体化処理及び時効処理を用いる場合には、第1軸素材25として、析出硬化系ステンレス、Ni基合金等を用いたものが好ましい。
これは、第1に、第1軸素材25が焼入れ焼き戻し処理を行えないものであっても、溶体化処理及び時効処理により結晶粒を細かくすることができることになり、溶体化処理及び時効処理を経た後に、第1軸素材25における基本的硬さの均一化を図ることができるからである。第2に、後述する転造加工において、ジャーナル相当部27における余肉部分28をそのジャーナル相当部27の径方向内方に向けて押し潰す際に、結晶粒を細かくできることに基づいて同じ圧力の下で塑性変形量を高めることができることになり、ジャーナル部18の硬さをより高めることができるからである。第3に、析出硬化系ステンレス、Ni基合金等は加工硬化し易い材料であり、その観点から、転造加工において、加工率を高めることができるからである。
(4)次に、図3、図5に示すように、前記熱処理を終えた第1軸素材25に対して荒加工が行われて、第2軸素材26が形成される(荒加工工程)。
第1軸素材25の拡径部13A以外の部分において、ジャーナル相当部27と軸本体部17とを形成するためである。
上記ジャーナル相当部27は、第1軸素材25において、拡径部13Aに隣合った領域を加工することにより形成され、本実施形態においては、その本体13Aとジャーナル相当部27との間に細幅の溝45が介在される。このジャーナル相当部27の径は、ジャーナル部18(図5中、仮想線参照)の径よりも拡径されており、ジャーナル相当部27は、その径方向外方において、ジャーナル部18に比して余肉部分28を有している。
このジャーナル相当部27には、本実施形態においては、その第2軸素材26の軸線方向中央部において環状溝19が形成される。このため、ジャーナル相当部27は、第2軸素材26の軸線方向において、環状溝19を基準として両側に、第1部分40と第2部分41とを有することになる。
上記軸本体部17は、上記ジャーナル相当部27よりも第1軸素材25の軸線方向他端側を加工することにより形成され、その径が所定径とされる。
尚、図5中、符号29は、切削加工具である。
(5)次に、図3に示すように、第2軸素材26に対して歪み取り焼鈍が行われる。
前記荒加工(切削加工)に基づく歪みを取るためである。このため、前述の熱処理工程において、焼入れ焼戻し処理が行われた場合には、焼戻し処理温度以下の温度で熱処理され、溶体化処理の好ましい態様として、溶体化処理及び時効処理が行われた場合には、時効処理温度以下の温度で熱処理される。
(6)次に、前記第2軸素材26におけるジャーナル相当部27に対して、図3に示すように、転造加工が行われる(転造加工工程)。
ジャーナル相当部27における余肉部分28を塑性変形させて、ジャーナル部18として、加工硬化を生じたものを得るためである。勿論この場合、ジャーナル相当部27だけを転造加工することから、軸本体部17の軸歪を抑制できる。またこの場合、ジャーナル相当部27が拡径部13Aに溝45を介して離間されており、転造加工に際して、転造加工に使用するダイスの配置自由度を高めることができると共に、余肉を逃げ易くして転造加工時の変形性を高め、加工硬化し易くすることができる。
転造加工においては、丸ダイス転造盤、平ダイス転造盤、プラネタリ転造盤等を用いることができる。例えば、丸ダイス転造盤D1を用いてジャーナル相当部27を転造する場合には、図6に示すように、その一対の丸ダイス30,30間に第2軸素材26のジャーナル相当部27だけを挟持し、その状態で、一対の丸ダイス30,30を同速度で同一方向に回転させながら互いの距離を狭めることが行われる。これにより、余肉部分28が、そのジャーナル相当部27の全周に亘ってそのジャーナル相当部27の径方向内方に向けて押し潰され、その押し潰しに基づく塑性変形により、圧縮残留応力が生成されたジャーナル部18が形成される。
平ダイス転造盤D2を用いてジャーナル相当部27を転造する場合には、図7に示すように、一対の平ダイス39,39間に第2軸素材26のジャーナル相当部27だけを挟持し、その状態で、一対の平ダイス39,39を相対移動させながら互いの距離を狭めることが行われる。この場合においても、丸ダイス転造盤D1と同様、ジャーナル相当部27の押し潰しに基づく塑性変形により、圧縮残留応力が生成されたジャーナル部18が形成される。
転造加工を連続的な流れ作業の下で行う観点からは、転造加工装置としてプラネタリ転造盤を用いることが好ましい。プラネタリ転造盤D3は、図8に示すように、円弧状の内周面を有するセグメントダイス31と、セグメントダイス31の内周側に一定間隔の隙間33をあけた状態で配置されてその軸線を中心として回転する丸ダイス32とを備えている。このプラネタリ転造盤D3においては、セグメントダイス31と丸ダイス32との間の一方側(進入側)の隙間開口34から第2軸素材26が隙間33内に供給(進入)され、その第2軸素材26のジャーナル相当部27だけがセグメントダイス31の内周面と丸ダイス32の外周面とに挟持される。そのジャーナル相当部27は、丸ダイス32の回転に伴い、転動しつつセグメントダイス31と丸ダイス32とにより押し潰され、これにより、ジャーナル相当部27はジャーナル部18として転造加工される。そしてこの後、この転造加工された第2軸素材26は、その転動に伴い、セグメントダイス31と丸ダイス32との間の他方側(退出側)の隙間開口35から外部に搬出される。これにより、ジャーナル相当部27に対する転造加工を、連続的な流れ作業の下で行うことができ、短時間で多くの第2軸素材26に対して転造加工処理を行うことができる。
また、本実施形態においては、転造加工に際して、ジャーナル相当部27として、第1部分40と第2部分41との間に環状溝19を有するものに対して、転造加工が行われる。このため、転造時の一対のダイスによる押圧面積を、ジャーナル相当部27に環状溝19を有しない場合に比して減らすことができ、転造加工に要する押圧力を減少させることができる。これにより、ジャーナル相当部27に対する転造加工を的確に行えることになる。
加えて、拡径部13Aと第1部分40の間に溝45が設けられており、転造時に余肉を逃げ易くして、塑性変形を促すことができる。
(7)前記転造加工を終えた第2軸素材26に対して、図3、図9に示すように、仕上げ加工が行われる。(仕上げ加工工程)。
タービンシャフト12の仕上げ精度高めると共に、タービンシャフト12としての完成形状を得るためである。
このため、ジャーナル部18の外周面、端面が必要な精度の範囲で除去加工され、拡径部13Aに取付け部14及びシール構造部15が加工され、第2軸素材26の他端部に雄ねじ部16が加工される。勿論この場合、ジャーナル部18については、必要な加工精度の範囲内であれば、除去加工をする必要はない。
尚、図9中、符号36は切削加工具を示す。
(8)したがって、このようなタービンシャフト12の製造方法の下で、タービンシャフト12を製造すれば、レーザ光照射を用いなくても(レーザ焼入れを行わなくても)、簡単にジャーナル部18の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができる。
特に、加工材料として、焼入れによる硬化処理が期待できないオーステナイト系ステンレス、析出硬化系ステンレス、Ni基合金等の耐熱金属が用いられる場合であっても、タービンシャフト12全体の基本的強度を高めつつ、ジャーナル部18の耐摩耗性や疲労強度を向上させることができ、高温環境下において用いられるタービンシャフト12として、好ましいものを提供できる。
3.以上実施形態について説明したが本発明においては、次の態様を包含する。
(1)荒加工工程を熱処理工程に先立って行うこと。
(2)加工材料として、焼入れ処理ができるものを用いる場合には、熱処理工程において、焼入れ・焼き戻しによる調質処理を行ってもよいこと。
(3)丸ダイス転造盤としては、3つ以上の丸ダイスを有するものを用いてもよいこと。
1 ターボチャージャ
12 タービンシャフト(軸)
18 ジャーナル部
19 環状溝
26 第2軸素材(軸素材)
27 ジャーナル相当部
28 余肉部分
30 丸ダイス
31 セグメントダイス
32 丸ダイス
39 平ダイス

Claims (5)

  1. ターボチャージャにおけるタービンシャフトの軸素材として、焼き入れによる硬化処理ができない耐熱金属製の軸素材本体の外周面に円柱状ジャーナル相当部を有するものを用意し、該ジャーナル相当部に加工硬化処理を行うことにより、ジャーナル軸受けに回転可能に支持される円柱状ジャーナル部を形成する軸の製造方法において、
    前記軸素材として、前記ジャーナル相当部の外径を前記ジャーナル部の外径よりも拡径することにより、該ジャーナル相当部に該ジャーナル部に比して余肉部分を有するものを用意し、
    前記加工硬化処理として、前記余肉部分を、該ジャーナル相当部の全周に亘って該ジャーナル相当部の径方向内方に向けて押し潰す、軸の製造方法であって、
    前記ジャーナル相当部として、該ジャーナル相当部における前記軸素材の軸線方向内方側において幅広の環状溝を有するものを用いる、
    ことを特徴とする軸の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記余肉部分を、前記ジャーナル相当部の全周に亘って該ジャーナル相当部の径方向内方に向けて押し潰すことが、一対のダイスにより、該ジャーナル相当部を挟持しつつ該ジャーナル相当部に対して転造加工を行う、
    とを特徴とする軸の製造方法。
  3. 請求項2において、
    前記一対のダイスとして、互いに対向する対向面を有すると共に、該両対向面が相対移動するものを用い、
    前記一対のダイスの両対向面の相対移動を利用することにより、前記ジャーナル相当部を該一対のダイス間に取り込んで、該ジャーナル相当部を転動させつつ該ジャーナル相当部に転造加工を行う、
    ことを特徴とする軸の製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記ジャーナル相当部は、該ジャーナル相当部の軸線方向中央部に形成した前記環状溝の両側に、前記ジャーナル軸受けの幅にそれぞれ対応する幅の第1部分と第2部分を有し、前記環状溝の幅が前記第1,第2部分の幅よりも大きい、
    ことを特徴とする軸の製造方法。
  5. 請求項1において、
    前記軸素材として、溶体化処理を経たものを用いる、
    ことを特徴とする軸の製造方法。
JP2016142977A 2016-07-21 2016-07-21 軸の製造方法 Expired - Fee Related JP6723103B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016142977A JP6723103B2 (ja) 2016-07-21 2016-07-21 軸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016142977A JP6723103B2 (ja) 2016-07-21 2016-07-21 軸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018012124A JP2018012124A (ja) 2018-01-25
JP6723103B2 true JP6723103B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=61020580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016142977A Expired - Fee Related JP6723103B2 (ja) 2016-07-21 2016-07-21 軸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6723103B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07116958A (ja) * 1993-03-09 1995-05-09 Toyota Motor Corp 回転軸表面の加工方法
JPH0885824A (ja) * 1994-09-17 1996-04-02 Daido Steel Co Ltd 耐食・高強度部材の製造方法
JP2005172099A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Koyo Seiko Co Ltd ターボチャージャの軸受装置
JP4356644B2 (ja) * 2005-04-25 2009-11-04 株式会社久保田鉄工所 中空カム軸の製造方法
JP2007077428A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Akita Prefecture タービンシャフトへのレーザ焼き入れ方法
JP4269091B1 (ja) * 2008-11-25 2009-05-27 株式会社テクネス タービンローター用シャフトの製造方法
EP2420660B1 (en) * 2009-03-27 2015-03-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Bearing unit for turbocharger
EP2745951B1 (en) * 2012-12-20 2014-11-19 C.R.F. Società Consortile per Azioni Method for producing a camshaft for an internal combustion engine

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018012124A (ja) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2710827C1 (ru) Способ изготовления зубчатых колес и зубчатое колесо, изготовленное с его помощью
EP3189910B1 (en) Manufacturing method for ring formed body
JP4731945B2 (ja) 等速自在継手並びに等速自在継手用ケージ及びその製造方法
WO2017163189A1 (en) A method of manufacturing a crown wheel, and a crown wheel
JP6723103B2 (ja) 軸の製造方法
KR20190058906A (ko) 등속 조인트용 볼 케이지를 제작하는 방법
KR101954757B1 (ko) 기어 제조 방법 및 그 제조 방법에 의해서 제조된 기어
JP5168852B2 (ja) 軸受ユニット
TWI816029B (zh) 中空軸構件及滾動裝置
WO2018055484A1 (en) A method of manufacturing near-net shape crown wheel
JP4026472B2 (ja) 軸受部品の製造方法
US11208910B2 (en) Ring molded article manufacturing method and ring material
JP2012045611A (ja) 金属部品の加工成形方法
JP4284951B2 (ja) 玉軸受用軌道輪の製造方法
JP2017030023A (ja) ディファレンシャル用リングギヤの製造方法
JP2007321895A (ja) 関節装置用転動部材および関節装置用転がり軸受
JPH11257357A (ja) 転がり軸受の軌道輪
JP6422743B2 (ja) トリポード型等速自在継手のトリポード部材の製造方法
JP4855369B2 (ja) 等速自在継手用外側継手部材及び固定式等速自在継手
JP2539750B2 (ja) ベアリングの内輪と外輪とを製造する方法
RU2706925C1 (ru) Способ изготовления составной заготовки типа "диск-вал" из жаропрочных сплавов
JP2637986B2 (ja) 自在継手の軸の製造方法
CN111373168B (zh) 滚动部件、轴承及它们的制造方法
JPH06155287A (ja) 高疲労強度アルミニウム合金コンロッドの製造方法
JP7180206B2 (ja) 軸受の製造方法及び製造装置、車両の製造方法、並びに機械装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6723103

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees