JP6723069B2 - ステージ装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 - Google Patents

ステージ装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステージ装置、リソグラフィ装置及び物品の製造方法に関する。
半導体デバイスの生産性を向上させるために、露光装置には、高スループット化が要求されている。かかる要求を満たすために、例えば、露光装置において基板の受け渡しに要する時間の短縮が求められている。
そこで、基板保持部材であるチャックとピン部材との間において、基板の受け渡しに要する時間を短縮するための技術が提案されている(特許文献1参照)。かかる技術では、まず、チャックを支持する微動ステージを第1速度で下方向に移動させながら、基板の裏面とピン部材との接触を検出し、基板の裏面がピン部材に接触したときの微動ステージの位置を記憶する。そして、チャックの上の基板をピン部材に受け渡す際に、記憶した位置を目標位置として、第1速度よりも速い第2速度で微動ステージを下方向に移動させる。このように、微動ステージの速度を変化させることで、チャックとピン部材との間で基板の受け渡しに要する時間を短縮することができる。
特許第4685041号公報
特許文献1に開示された技術では、チャックの上の基板をピン部材に受け渡す際に、基板がピン部材に接触した位置で基板とチャックとの間の吸着を解放している。この際、チャックを支持する微動ステージと、ピン部材を支持する粗動ステージとの間で擦る方向に相対変位があると、基板を介して、チャック及びピン部材に擦れが発生してしまう。このような擦れは、基板の裏面、チャック及びピン部材の摩耗や発塵の要因となる。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、チャックの上の基板を、チャックに設けられた孔を介してチャックから突出可能に設けられた基板面吸着部材に渡すのに有利なステージ装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのステージ装置は、基板を保持するステージ装置であって、基板面を吸着するチャックと、前記チャックに設けられた孔を介して前記チャックから突出可能に設けられ、前記基板面を吸着する部材と、前記部材の突出方向における前記チャックと前記部材との相対的な位置を変更するように前記部材又は前記チャックを移動対象物として移動させる移動部と、前記チャックに吸着された前記基板を前記部材に渡す処理を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記処理において、前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材との接触と非接触が切り替わるときの前記移動対象物の位置を示す接触位置の情報を取得し、前記接触位置から前記基板と前記部材とが離れる方向に所定の距離だけ離れた第1位置に前記移動部により前記移動対象物を位置決めして前記チャックによる前記基板面の吸着を解除し、前記部材による前記基板面の吸着を開始して、前記移動部により前記移動対象物を前記第1位置から前記基板と前記部材とが近づく方向に移動させて前記チャックの上の基板を前記部材に吸着させ、前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材との間の距離と、当該距離において前記基板に作用する前記部材による吸着力との関係に基づいて、前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材とが非接触で、且つ、前記基板面に対して前記部材による吸着力が作用するように、前記所定の距離を決定することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、チャックの上の基板を、チャックに設けられた孔を介してチャックから突出可能に設けられた基板面吸着部材に渡すのに有利なステージ装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態における露光装置の構成を示す概略図である。 図1に示す露光装置におけるチャックの構成を示す平面図である。 第1実施形態における受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。 図3に示す受け渡し処理での微動ステージの位置を示す図である。 第1実施形態における受け渡し処理でのチャックとピン部材との位置関係を示す図である。 基板の裏面とピン部材との間の距離と、ピン部材による吸着力との関係を示す図である。 第1実施形態における受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。 図7に示す受け渡し処理での微動ステージの位置を示す図である。 本発明の第2実施形態における露光装置の構成を示す概略図である。 第2実施形態における受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態における受け渡し処理でのチャックとピン部材との位置関係を示す図である。 第1実施形態における受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態における露光装置1の構成を示す概略図である。露光装置1は、投影光学系を介して基板を露光することで、パターンを基板に形成するリソグラフィ装置である。露光装置1は、照明光学系11と、レチクルステージ12と、投影光学系13と、基板ステージ14と、基板搬送系15と、チャック20と、制御部25とを有する。
照明光学系11は、光源(不図示)からの光(露光光)で、レチクルステージ12に保持されたレチクル(原版)Rを照明する。投影光学系13は、レチクルRからの光を、基板ステージ14に保持された基板Wに投影する。基板搬送系15は、基板Wを搬送する機能を有し、例えば、基板Wを基板ステージ14に供給するための供給ハンド16と、基板ステージ14から基板Wを回収するための回収ハンド17とを含む。
基板ステージ14は、基板を保持して移動可能なステージであって、微動ステージ(第1ステージ)18と、粗動ステージ(第2ステージ)19とを含む。また、微動ステージ18の上には、基板Wの裏面を吸着して基板Wを保持するチャック20が配置されている。微動ステージ18は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に沿って移動可能に、且つ、X軸、Y軸及びZ軸の各方向に平行な軸のまわりに回転可能に構成され、各軸に関する移動を独立して制御することができる。なお、X軸、Y軸及びZ軸は、図1に示すように、互いに直交する方向に設定されている。レーザー干渉計21及び平面ミラー22は、微動ステージ18の位置を計測する。レーザー干渉計21で得られる変化量から微動ステージ18の位置を求めることができる。微動ステージ18を移動させることで、基板Wの位置を投影光学系13の光軸AXに沿った方向及び光軸AXに直交する方向に調整することが可能である。
ピン部材23は、供給ハンド16から基板Wを受け取る、又は、回収ハンド17に基板Wを渡す際に用いられ、基板Wの裏面(基板面)を吸着して基板Wを保持する。ピン部材23は、粗動ステージ19に固定(配置)され、Z軸方向(チャック20の保持面に対して垂直な方向)において、チャック20に設けられた孔を介してチャック20から突出可能に設けられている。
粗動ステージ19は、X軸方向及びY軸方向に沿って移動可能に、且つ、Z軸方向に平行な軸のまわりに回転可能に構成され、各軸に関する移動を独立して制御することができる。粗動ステージ19は、その位置を、例えば、干渉計(不図示)やギャップセンサ(不図示)によって計測され、リニアモータなどのアクチュエータを介して、微動ステージ18の移動に合わせて制御される。ピン部材23は、上述したように、粗動ステージ19に固定されているため、粗動ステージ19とともに移動する。
粗動ステージ19は、リミットセンサ(不図示)で規定された範囲内において、X軸方向及びY軸方向に長いストロークで移動することが可能である。一方、微動ステージ18は、粗動ステージ19に支持されており、X軸方向及びY軸方向に、粗動ステージ19よりも短いストロークで移動することが可能である。
計測部24は、Z軸方向におけるチャック20の位置を計測する。計測部24は、例えば、レーザー干渉計及び平面ミラーやギャップセンサなどで構成されるが、これに限定されるものではなく、Z軸方向におけるチャック20の位置を計測することが可能な構成を有していればよい。
制御部25は、CPUやメモリなどを含み、露光装置1の全体(動作)を制御する。制御部25は、露光処理において、レシピに定義された露光順序やショット配列に従って、レチクルRのパターンが基板Wの各ショット領域に転写されるように、露光装置1の各部を制御する。また、制御部25は、基板Wの供給時や回収時において、微動ステージ18を介して、チャック20に吸着されている基板Wをピン部材23に渡す処理やピン部材23に吸着されている基板Wをチャック20に渡す処理を制御する。
レチクルRのパターンを基板Wに転写する露光処理においては、チャック20が基板Wを吸着している状態で微動ステージ18を移動させながら基板Wを露光する。露光された基板Wを回収する際には、回収ハンド17と干渉しないように、微動ステージ18を下方向に移動させて、チャック20に吸着されている基板Wをピン部材23に渡し、基板Wをピン部材23で吸着する。
微動ステージ18には、チャック20を吸着するための吸着力を与えるための真空排気ライン(不図示)が備えられており、微動ステージ18は、チャック20の裏面を吸着してチャック20を保持する。また、微動ステージ18には、チャック20に載置される基板Wに吸着力を与えるための真空排気ライン26も備えられている。
真空排気ライン26は、負圧を発生させる真空ポンプ27と、チャック20に設けられた排気口201とを連結するように構成された配管である。真空ポンプ27は、真空排気ライン26の内部の空気を外部に排出することで、真空排気ライン26の内部の圧力を、大気圧よりも低い圧力、即ち、負圧にする。真空排気ライン26の内部が負圧になることで、真空排気ライン26に連結された排気口201も負圧となる。かかる負圧と大気圧との差圧が排気口201の上に載置される基板Wの表面からかかることによって、チャック20は、基板Wを吸着(保持)することができる。
真空ポンプ27と排気口201との間には、真空排気ライン26の内部を所定の真空圧に調整するためのレギュレータ28が配置されている。レギュレータ28と排気口201との間には、電磁弁29が配置されている。電磁弁29を切り替えることで、電磁弁29から排気口201の側の真空排気ライン26を、真空ポンプ27と接続された状態、或いは、大気解放された状態にすることができる。電磁弁29は、制御部25によって制御可能である。
電磁弁29と排気口201との間の真空排気ライン26から分岐された位置には、圧力センサ30が配置されている。圧力センサ30は、真空排気ライン26の内部の圧力値を計測し、その計測結果を制御部25に通知する。
ピン部材23は、上述したように、粗動ステージ19に配置され、筒形状(中空形状)を有する。ピン部材23には、ピン部材23に載置される基板Wに吸着力を与えるための真空排気ライン31が備えられている。
真空排気ライン31は、負圧を発生させる真空ポンプ32と、ピン部材23の内部(空間)とを連結するように構成された配管である。真空ポンプ32は、真空排気ライン31の内部の空気を外部に排出することで、真空排気ライン31の内部の圧力を、大気圧よりも低い圧力、即ち、負圧にする。真空排気ライン31の内部が負圧になることで、真空排気ライン31に連結されたピン部材23の内部も負圧となる。かかる負圧と大気圧との差圧がピン部材23の上に載置される基板Wの表面からかかることによって、ピン部材23は、基板Wを吸着(保持)することができる。
真空ポンプ32とピン部材23との間には、真空排気ライン31の内部を所定の真空圧に調整するためのレギュレータ33が配置されている。レギュレータ33とピン部材23との間には、電磁弁34が配置されている。電磁弁34を切り替えることで、電磁弁34からピン部材23の側の真空排気ライン31を、真空ポンプ32と接続された状態、或いは、大気解放された状態にすることができる。電磁弁34は、制御部25によって制御可能である。
電磁弁34とピン部材23との間の真空排気ライン31から分岐された位置には、圧力センサ35が配置されている。圧力センサ35は、真空排気ライン31の内部の圧力値を計測し、その計測結果を制御部25に通知する。
本実施形態では、2つの真空ポンプ27及び32を備える構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2つの真空ポンプ27及び32を、1つの共通の真空ポンプとして構成してもよい。
図2を参照して、チャック20の詳細な構成を説明する。図2は、チャック20の構成を上方から示す平面図である。チャック20は、基板Wを支持するための複数のピンを含み、かかる複数のピンの上に基板Wを載置する。チャック20は、基板Wを(真空)吸着する際において、チャック20の外部に空気が流出することを防止するための土手202及び203を含む。土手202及び203の最上面は、略同一平面上に構成されている。
複数のピンの上に基板Wが載置された状態で、排気口201に連結された真空排気ライン26の内部を負圧にする。これにより、排気口201を介して、土手202の内側の領域、且つ、土手203の外側の領域において、基板Wと複数のピンとの間の空間が真空状態となるため、チャック20は、均一な力で基板Wを吸着することができる。
また、チャック20には、上述したように、ピン部材23を突出可能とするための孔(貫通孔)204が設けられ、微動ステージ18にも同様に、ピン部材23を突出可能とするための孔(貫通孔)が設けられている。従って、微動ステージ18は、ピン部材23と干渉することなく、ピン部材23の突出方向、即ち、Z軸方向に移動することができる。
本実施形態では、3つのピン部材23を備える構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板W(その大きさ、材料及び質量)に対して、十分に、且つ、安定的に保持可能な構成であれば、ピン部材23の数はいくつでもよい。なお、ピン部材23は、基板Wの裏面を吸着する面積が土手203の内側の面積となるため、チャック20と比べて、基板Wの吸着面積が狭くなる。
図3、図4、図5(a)乃至図5(d)を参照して、基板ステージ14から基板Wを回収する場合において、チャック20に吸着されている基板Wをピン部材23に渡す処理(以下、「受け渡し処理」と称する)について説明する。図3は、受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。図4は、図3に示す受け渡し処理での微動ステージ18の位置を示す図である。図4では、時間を横軸に採用し、Z軸方向における微動ステージ18の位置を縦軸に採用している。
S302では、基板ステージ14(微動ステージ18及び粗動ステージ19)をX軸方向及びY軸方向(水平方向)に移動させて、回収ハンド17が基板Wを回収可能な位置(基板回収位置)に基板ステージ14を位置決めする。
S304では、図5(a)に示すように、チャック20に吸着されている基板Wがピン部材23の近傍に位置するように、微動ステージ18をZ軸方向(−)に第1速度で移動させる(下降させる)。このように、微動ステージ18は、チャック20とピン部材23との相対的な位置を変更するようにチャック20を移動対象物として移動させる移動部として機能する。図5(a)は、基板Wがチャック20に吸着されている状態を示している。ここでは、チャック20に吸着されている基板Wの裏面とピン部材23との接触と非接触が切り替わるときのチャック20の位置(接触位置)に基づいて、微動ステージ18を移動させる目標位置を決定する。S304では、微動ステージ18を下降させているので、接触位置は、基板Wの裏面とピン部材23とが非接触状態から接触状態に切り替わる位置である。例えば、チャック20の接触位置から微小距離だけ上の位置を微動ステージ18の目標位置として決定する。なお、チャック20の接触位置は、例えば、これまでの受け渡し処理で取得されているが、初回の受け渡し処理の場合には、設計値から取得してもよい。また、微動ステージ18は、各軸に関する移動を独立して制御することができるため、微動ステージ18のZ軸方向(−)への移動(S304)は、基板ステージ14のX軸方向及びY軸方向への移動(S302)と並行して行ってもよい。
S306では、図5(b)に示すように、チャック20に吸着されている基板Wの裏面がピン部材23に接触する位置まで、微動ステージ18をZ軸方向(−)に第1速度よりも遅い第2速度で移動させる(下降させる)。図5(b)は、基板W(の裏面)がチャック20及びピン部材23の両方に接触している状態を示している。チャック20に吸着されている基板Wの裏面がピン部材23に接触したら、微動ステージ18のZ軸方向(−)への移動を停止する。そして、チャック20に吸着されている基板Wの裏面とピン部材23とが接触している状態において、Z軸方向におけるチャック20の位置(即ち、チャック20の接触位置)を計測部24で計測する。計測部24によって計測されたチャック20の接触位置(の情報)は、例えば、制御部25のメモリなどの記憶部に記憶する。
S306において、基板Wの裏面とピン部材23との接触を検知するために、制御部25では、微動ステージ18を下降させている間、微動ステージ18を移動させるためのリニアモータで発生する電流値を監視する。基板Wの裏面がピン部材23に接触している状態で微動ステージ18を下降させると、ピン部材23が抵抗となるため、基板Wの裏面とピン部材23とが離れている状態で微動ステージ18を移動させているときよりも高い電流値が出力される。従って、制御部25は、かかる電流値を監視することで、基板Wの裏面とピン部材23との接触を検知することができる。
また、本実施形態では、S304とS306との間で微動ステージ18の速度を変更している。例えば、S306での微動ステージ18の速度を速くすると、基板Wの裏面とピン部材23との接触を検知することが難しくなる。これは、基板Wの裏面とピン部材23とが離れている状態で微動ステージ18を移動させているときの電流値と、基板Wの裏面がピン部材23に接触している状態で微動ステージ18を移動させているときの電流値との差異が小さくなってしまうからである。また、S306での微動ステージ18の速度が速いと、基板Wの裏面とピン部材23とが接触した際の衝撃が大きくなり、基板Wにダメージを与えてしまったり、基板Wがずれてしまったりする可能性もある。
S308では、図5(c)に示すように、微動ステージ18をZ軸方向(+)に移動させて(上昇させて)、基板Wに対するチャック20の吸着を解除する吸着解除位置(第1位置)に微動ステージ18を位置決めする。吸着解除位置は、S306で取得されたチャック20の接触位置から基板Wとピン部材23とが離れる方向に予め定められた距離だけ離れた位置である。具体的には、吸着解除位置は、チャック20に吸着された基板Wの裏面とピン部材23とが非接触で、且つ、基板Wに対してピン部材23による吸着力が作用する位置である。
本実施形態では、基板Wの裏面とピン部材23との間の距離と、基板Wに作用するピン部材23による吸着力との関係を実験などで予め取得し、かかる関係に基づいて接触位置から吸着解除位置までの距離(所定の距離)を決定している。図6は、基板Wの裏面とピン部材23との間の距離と、かかる距離において基板Wに作用するピン部材23による吸着力との関係を示す図である。図6では、基板Wの裏面とピン部材23との間の距離[μm]を横軸に採用し、基板Wに作用するピン部材23による吸着力[kPa]を縦軸に採用している。図6を参照するに、基板Wの裏面とピン部材23とが接触していない状態、即ち、基板Wの裏面とピン部材23との間に隙間がある場合であっても、基板Wとピン部材23との間には吸着力が生じていることがわかる。ピン部材23で基板Wを吸着するための吸着力は、ピン部材23(の先端部)と大気圧との差圧が、ピン部材23の上の基板Wの表面からかかることによって生じる。従って、ピン部材23の近傍の負圧が高いと、基板Wに対する吸着力が強くなる。真空排気ライン31と真空ポンプ32とを接続すると、真空ポンプ32に向かう空気の流れが生じる。この際、基板Wの裏面とピン部材23との間の隙間(距離)が狭いほど、かかる隙間を介して外部から流入する空気の抵抗が大きくなる(即ち、流入する空気の量が減少する)ため、ピン部材23の近傍の負圧が高くなる。これにより、真空排気ライン31の真空度が高くなり、圧力センサ35の近傍での負圧が高くなる。一方、基板Wの裏面とピン部材23との間の隙間が大きいほど、ピン部材23の近傍の負圧が弱くなるため、大気圧との差圧が小さくなり、基板Wに対する吸着力が弱くなる。本実施形態では、接触位置から吸着解除位置までの距離(所定の距離)を10μm以上70μm以下の距離とするとよい。これにより、チャック20に吸着された基板Wの裏面とピン部材23とが非接触で、且つ、基板Wに対してピン部材23による吸着力を作用させて基板Wを吸着することができる。
ここで、基板Wの裏面とピン部材23とが接触している状態において、微動ステージ18と粗動ステージ19との間で相対変位が生じると、基板Wを介して、基板Wの裏面、チャック20及びピン部材23が摩耗してしまう。微動ステージ18と粗動ステージ19との間に相対変位が生じる要因としては、例えば、微動ステージ18と粗動ステージ19との制御帯域差による影響などがある。
チャック20やピン部材23が摩耗する要因としては、例えば、基板Wに対する吸着力がある。基板Wに対してチャック20による吸着力が強い場合、基板Wとピン部材23との間で擦れが生じるため、基板Wの裏面やピン部材23が摩耗する。また、基板Wに対してピン部材23による吸着力が強い場合、基板Wとチャック20との間で擦れが生じるため、基板Wの裏面やチャック20が摩耗する。
本実施形態では、このような擦れが生じる時間を短くするために、基板Wとピン部材23とを非接触な状態にする。上述したように、基板Wの裏面とピン部材23とを接触させた後に、微動ステージ18をZ軸方向(−)に移動させることで、基板Wの裏面とピン部材23とを非接触な状態にしている。これにより、微動ステージ18と粗動ステージ19との間で相対変位が生じても、ピン部材23が基板Wに接触しないため、擦れが生じなくなる。
また、基板Wに対してピン部材23による吸着力が作用する位置を吸着解除位置とするのは、基板Wの位置ずれを防止するためである。チャック20に吸着されていない基板Wが速度を有する状態でピン部材23に接触すると、チャック20における基板Wの位置がずれてしまう。基板Wに対してピン部材23による吸着力が作用する位置を吸着解除位置とすることで、このような基板Wの位置ずれを防止することができる。
S310では、基板Wの吸着の切り替えを行う。吸着解除位置に微動ステージ18を位置決めした状態において、基板Wとチャック20との間の吸着力をなくして、基板Wとピン部材23との間に吸着力を発生させる。換言すれば、基板Wに対するチャック20の吸着を解除して、基板Wに対するピン部材23の吸着を開始する。具体的には、電磁弁29から排気口201の側の真空排気ライン26が大気解放された状態となるように電磁弁29を切り替える。また、電磁弁34からピン部材23の側の真空排気ライン31が真空ポンプ32と接続された状態となるように電磁弁34を切り替える。そして、圧力センサ30で計測される真空排気ライン26の内部の圧力値が所定値以上、即ち、基板Wに対するチャック20による吸着力が弱まったことを確認する。同様に、圧力センサ35で計測される真空排気ライン31の内部の圧力値が所定値以下、即ち、基板Wに対するピン部材23による吸着力が強くなったことを確認する。
ここで、基板Wに対するピン部材23による吸着力が弱い場合には、微動ステージ18をZ軸方向(−)に移動させることで、ピン部材23による吸着力が所定の吸着力となるように調整することも可能である。また、かかる調整で要した微動ステージ18の移動量を制御部25のメモリなどに記憶して統計的に処理し、その処理結果に基づいて吸着解除位置を補正してもよい。
なお、基板Wの吸着の切り替えは、基板Wに対するピン部材23の吸着を開始してから、基板Wに対するチャック20の吸着を解除してもよい。また、微動ステージ18を吸着解除位置に移動させている間(S308)に、基板Wの吸着の切り替えを開始することも可能である。
S312では、チャック20の上の基板Wをピン部材23に渡すために、微動ステージ18をZ軸方向(−)に移動させる(下降させる)。これにより、チャック20の上の基板Wがピン部材23に吸着される。ここでは、図5(d)に示すように、ピン部材23に吸着されている基板Wとチャック20との間に回収ハンド17を挿入可能な隙間SKが形成されるように、微動ステージ18を移動させる目標位置を決定する。
図5(d)は、基板Wがピン部材23に吸着されている状態を示している。ピン部材23は、粗動ステージ19に固定されているため、Z軸方向におけるピン部材23の位置は、微動ステージ18の移動の前後で、即ち、図5(a)乃至図5(d)を通して同じである。チャック20は、微動ステージ18に保持されているため、微動ステージ18とともにZ軸方向に移動する。図5(d)に示すように、回収ハンド17を隙間SKに挿入した状態から、回収ハンド17をZ軸方向(+)に移動させることで、基板Wをピン部材23から回収ハンド17に渡すことができる。
また、制御部25のメモリなどの記憶部にチャック20の接触位置が記憶されている場合には、図7及び図8に示すように、上述したS304及びS306(即ち、チャック20の接触位置を取得するための処理)を省略することが可能である。これにより、図3に示す受け渡し処理と比べて、基板Wの回収に要する時間を短縮することができる。図7は、受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。図8は、図7に示す受け渡し処理での微動ステージ18の位置を示す図である。図8では、時間を横軸に採用し、Z軸方向における微動ステージ18の位置を縦軸に採用している。
S702では、S302と同様に、基板ステージ14(微動ステージ18及び粗動ステージ19)をX軸方向及びY軸方向(水平方向)に移動させて、基板回収位置に基板ステージ14を位置決めする。
図3に示すS304及びS306を省略するためには、基板Wの裏面とピン部材23とが接触したときのチャック20の位置を計測して接触位置を予め取得しておく必要がある。従って、受け渡し処理の前に、チャック20に吸着された基板Wの裏面とピン部材23とが離れている状態から微動ステージ18(チャック20)を基板Wとピン部材23とが近づく方向に移動させながら、計測部24によりチャック20の接触位置を取得する。
S704では、微動ステージ18をZ軸方向(−)に移動させて(下降させて)、基板Wに対するチャック20の吸着を解除する吸着解除位置に微動ステージ18を位置決めする。吸着解除位置は、制御部25のメモリなどの記憶部から取得されたチャック20の接触位置から基板Wとピン部材23とが離れる方向に予め定められた距離だけ離れた位置である。
なお、チャック20の接触位置は、ピン部材23の状態などによって変化する可能性があるため、計測部24によってチャック20の接触位置を定期的に取得し、記憶部に記憶されている接触位置を定期的に取得される接触位置で更新するとよい。また、チャック20の接触位置は基板Wの種類によっても変化するため、ロットの先頭の基板Wを回収する際に、計測部24によりチャック20の接触位置を取得するとよい。
S706(基板Wの吸着の切り替え)及びS708(微動ステージ18の下降)については、S310及びS312と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
<第2実施形態>
チャック20に吸着されている基板Wをピン部材23に渡す処理において、第1実施形態では、微動ステージ18をZ軸方向に移動させるのに対し、第2実施形態では、ピン部材23をZ軸方向に移動させる。
図9は、本発明の第2実施形態における露光装置1Aの構成を示す概略図である。露光装置1Aは、投影光学系を介して基板を露光することで、パターンを基板に形成するリソグラフィ装置であって、露光装置1と同様な構成を有し、更に、チャック20に対してピン部材23を移動させるアクチュエータ41を有する。
アクチュエータ41は、ピン部材23をZ軸方向に移動させる。本実施形態では、アクチュエータ41は、チャック20とピン部材23との相対的な位置を変更するようにピン部材23を移動対象物として移動させる移動部として機能する。アクチュエータ41は、例えば、リニアモータを含み、制御部25によって制御可能である。アクチュエータ41は、粗動ステージ19に固定されている。第2実施形態では、ピン部材23は、粗動ステージ19に対して、X軸方向及びY軸方向には固定されているが、Z軸方向には固定されていない。
また、露光装置1Aは、Z軸方向におけるチャック20の位置を計測する計測部24の代わりに、Z軸方向におけるアクチュエータ41の位置を計測する計測部42を有する。計測部42は、例えば、エンコーダなどで構成されるが、これに限定されるものではなく、Z軸方向におけるアクチュエータ41の位置を計測することが可能な構成を有していればよい。
図10、図11(a)乃至図11(d)を参照して、基板ステージ14から基板Wを回収する場合において、チャック20に吸着されている基板Wをピン部材23に渡す処理(受け渡し処理)について説明する。図10は、受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。
S1002では、基板ステージ14(微動ステージ18及び粗動ステージ19)をX軸方向及びY軸方向(水平方向)に移動させて、基板回収位置に基板ステージ14を位置決めする。
S1004では、図11(a)に示すように、チャック20に吸着されている基板Wがピン部材23の近傍に位置するように、ピン部材23をZ軸方向(+)に移動させる(上昇させる)。図11(a)は、基板Wがチャック20に吸着されている状態を示している。ここでは、チャック20に吸着されている基板Wの裏面とピン部材23とが接触するときのピン部材23の位置(接触位置)に基づいて、ピン部材23を移動させる目標位置を決定する。例えば、ピン部材23の接触位置から微小距離だけ下の位置をピン部材23の目標位置として決定する。なお、ピン部材23の接触位置は、例えば、これまでの受け渡し処理で取得されているが、初回の受け渡し処理の場合には、設計値から取得してもよい。また、ピン部材23は、基板ステージ14の移動と独立して制御することができるため、ピン部材23のZ軸方向(+)への移動(S1004)は、基板ステージ14のX軸方向及びY軸方向への移動(S1002)と並行して行ってもよい。
S1006では、図11(b)に示すように、チャック20に吸着されている基板Wの裏面がピン部材23に接触する位置まで、ピン部材23をZ軸方向(+)に移動させる(下降させる)。図11(b)は、基板W(の裏面)がチャック20及びピン部材23の両方に接触している状態を示している。チャック20に吸着されている基板Wの裏面がピン部材23に接触したら、ピン部材23のZ軸方向(+)への移動を停止する。そして、チャック20に吸着されている基板Wの裏面とピン部材23とが接触している状態において、Z軸方向におけるピン部材23の位置(即ち、ピン部材23の接触位置)を計測部42で計測する。計測部42によって計測されたピン部材23の接触位置は、例えば、制御部25のメモリなどの記憶部に記憶する。
S1006において、基板Wの裏面とピン部材23との接触を検知するために、制御部25では、ピン部材23を上昇させている間、ピン部材23を移動させるためのアクチュエータ41で発生する電流値を監視する。基板Wの裏面がピン部材23に接触している状態でピン部材23を上昇させると、チャック20に吸着された基板Wが抵抗となる。このため、基板Wの裏面とピン部材23とが離れている状態でピン部材23を移動させているときよりも高い電流値がアクチュエータ41から出力される。従って、制御部25は、かかる電流値を監視することで、基板Wの裏面とピン部材23との接触を検知することができる。
S1008では、図11(c)に示すように、ピン部材23をZ軸方向(−)に移動させて(下降させて)、基板Wに対するチャック20の吸着を解除する吸着解除位置にピン部材23を位置決めする。吸着解除位置は、S1006で取得されたピン部材23の接触位置から基板Wとピン部材23とが離れる方向に予め定められた距離だけ離れた位置である。具体的には、吸着解除位置は、チャック20に吸着された基板Wの裏面とピン部材23とが非接触で、且つ、基板Wに対してピン部材23による吸着力が作用する位置である。
本実施形態では、基板Wの裏面とピン部材23との間の距離と、基板Wに作用するピン部材23による吸着力との関係を実験などで予め取得し、かかる関係に基づいて接触位置から吸着解除位置までの距離(予め定められた距離)を決定している。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、接触位置から吸着解除位置までの距離(予め定められた距離)を10μm以上70μm以下の距離とするとよい。これにより、チャック20に吸着された基板Wの裏面とピン部材23とが非接触で、且つ、基板Wに対してピン部材23による吸着力を作用させて基板Wを吸着することができる。
本実施形態では、基板Wとピン部材23との間や基板Wとチャック20との間で擦れが生じる時間を短くするために、基板Wとピン部材23とを非接触な状態にする。上述したように、基板Wの裏面とピン部材23とを接触させた後に、ピン部材23をZ軸方向(−)に移動させることで、基板Wの裏面とピン部材23とを非接触な状態にしている。これにより、微動ステージ18と粗動ステージ19との間で相対変位が生じても、ピン部材23が基板Wに接触しないため、擦れが生じなくなる。
また、基板Wに対してピン部材23による吸着力が作用する位置を吸着解除位置とするのは、基板Wの位置ずれを防止するためである。チャック20に吸着されていない基板Wに対してピン部材23が速度を有する状態で接触すると、チャック20における基板Wの位置がずれてしまう。基板Wに対してピン部材23による吸着力が作用する位置を吸着解除位置とすることで、このような基板Wの位置ずれを防止することができる。
S1010では、基板Wの吸着の切り替えを行う。吸着解除位置にピン部材23を位置決めした状態において、基板Wとチャック20との間の吸着力をなくして、基板Wとピン部材23との間に吸着力を発生させる。換言すれば、基板Wに対するチャック20の吸着を解除して、基板Wに対するピン部材23の吸着を開始する。
ここで、基板Wに対するピン部材23による吸着力が弱い場合には、ピン部材23をZ軸方向(+)に移動させることで、ピン部材23による吸着力が所定の吸着力となるように調整することも可能である。また、かかる調整で要したピン部材23の移動量を制御部25のメモリなどに記憶して統計的に処理し、その処理結果に基づいて吸着解除位置を補正してもよい。
なお、基板Wの吸着の切り替えは、基板Wに対するピン部材23の吸着を開始してから、基板Wに対するチャック20の吸着を解除してもよい。また、ピン部材23を吸着解除位置に移動させている間(S1008)に、基板Wの吸着の切り替えを開始することも可能である。
S1012では、チャック20の上の基板Wをピン部材23に渡すために、ピン部材23をZ軸方向(+)に移動させる(上昇させる)。これにより、チャック20の上の基板Wがピン部材23に吸着される。ここでは、図11(d)に示すように、ピン部材23に吸着されている基板Wとチャック20との間に回収ハンド17を挿入可能な隙間SKが形成されるように、ピン部材23を移動させる目標位置を決定する。
図11(d)は、基板Wがピン部材23に吸着されている状態を示している。Z軸方向における微動ステージ18の位置は、ピン部材23の移動の前後で、即ち、図11(a)乃至図11(d)を通して同じである。ピン部材23がZ軸方向(+)に移動することで、基板Wとチャック20との間に隙間SKが形成される。図11(d)に示すように、回収ハンド17を隙間SKに挿入した状態から、回収ハンド17をZ軸方向(+)に移動させることで、基板Wをピン部材23から回収ハンド17に渡すことができる。
また、制御部25のメモリなどの記憶部にピン部材23の接触位置が記憶されている場合には、図12に示すように、上述したS1004及びS1006(即ち、ピン部材23の接触位置を取得するための処理)を省略することが可能である。これにより、図10に示す受け渡し処理と比べて、基板Wの回収に要する時間を短縮することができる。図12は、受け渡し処理を説明するためのフローチャートである。
S1202では、S1002と同様に、基板ステージ14(微動ステージ18及び粗動ステージ19)をX軸方向及びY軸方向(水平方向)に移動させて、基板回収位置に基板ステージ14を位置決めする。
図10に示すS1004及びS1006を省略するためには、基板Wの裏面とピン部材23とが接触したときのピン部材23の位置を計測して接触位置を予め取得しておく必要がある。従って、受け渡し処理の前に、チャック20に吸着された基板Wの裏面とピン部材23とが離れている状態から微動ステージ18(チャック20)を基板Wとピン部材23とが近づく方向に移動させながら、計測部42によりピン部材23の接触位置を取得する。
S1204では、ピン部材23をZ軸方向(+)に移動させて(上昇させて)、基板Wに対するチャック20の吸着を解除する吸着解除位置にピン部材23を位置決めする。吸着解除位置は、制御部25のメモリなどの記憶部から取得されたピン部材23の接触位置から基板Wとピン部材23とが離れる方向に予め定められた距離だけ離れた位置である。
なお、ピン部材23の接触位置は、ピン部材23の状態などによって変化する可能性があるため、計測部42によってピン部材23の接触位置を定期的に取得し、記憶部に記憶されている接触位置を定期的に取得される接触位置で更新するとよい。また、ピン部材23の接触位置は基板Wの種類によっても変化するため、ロットの先頭の基板Wを回収する際に、計測部42によりピン部材23の接触位置を取得するとよい。
S1206(基板Wの吸着の切り替え)及びS1208(ピン部材23の上昇)については、S1010及びS1012と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。かかる製造方法は、露光装置1又は1Aを用いて、感光剤が塗布された基板にパターンを形成する(基板を露光する)工程と、パターンを形成された基板を処理(例えば、現像)する工程を含む。また、上記形成工程につづけて、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含みうる。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態では、基板Wを真空吸着する場合を例に説明したが、静電力で基板Wを吸着してもよい。また、基板Wを回収する場合を例について説明したが、本発明は、基板Wを回収する場合でなくても、チャック20に吸着された基板Wをピン部材23に渡す場合に適用することができる。更に、本発明は、基板Wの受け渡しだけではなく、レチクルRの受け渡しにも適用可能である。また、本発明は、リソグラフィ装置を露光装置に限定するものではなく、インプリント装置や描画装置などのリソグラフィ装置にも適用することができる。ここで、インプリント装置は、基板上のインプリント材をモールドで成形して基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置である。描画装置は、荷電粒子線を用いて基板上にパターンを描画するリソグラフィ装置である。
1:露光装置 14:基板ステージ 18:微動ステージ 19:粗動ステージ 20:チャック 23:ピン部材 25:制御部 R:レチクル W:基板

Claims (13)

  1. 基板を保持するステージ装置であって、
    基板面を吸着するチャックと、
    前記チャックに設けられた孔を介して前記チャックから突出可能に設けられ、前記基板面を吸着する部材と、
    前記部材の突出方向における前記チャックと前記部材との相対的な位置を変更するように前記部材又は前記チャックを移動対象物として移動させる移動部と、
    前記チャックに吸着された前記基板を前記部材に渡す処理を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記処理において、
    前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材との接触と非接触が切り替わるときの前記移動対象物の位置を示す接触位置の情報を取得し、
    前記接触位置から前記基板と前記部材とが離れる方向に所定の距離だけ離れた第1位置に前記移動部により前記移動対象物を位置決めして前記チャックによる前記基板面の吸着を解除し、
    前記部材による前記基板面の吸着を開始して、前記移動部により前記移動対象物を前記第1位置から前記基板と前記部材とが近づく方向に移動させて前記チャックの上の基板を前記部材に吸着させ
    前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材との間の距離と、当該距離において前記基板に作用する前記部材による吸着力との関係に基づいて、前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材とが非接触で、且つ、前記基板面に対して前記部材による吸着力が作用するように、前記所定の距離を決定することを特徴とするステージ装置。
  2. 前記突出方向における前記移動対象物の位置を計測する計測部を更に有し、
    前記制御部は、前記処理において、前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材とが離れている状態から前記移動部により前記移動対象物を前記基板と前記部材とが近づく方向に移動させながら、前記計測部により前記基板面と前記部材とが接触したときの前記移動対象物の位置を計測することで前記接触位置の情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記計測部によって計測された前記基板面と前記部材とが接触したときの前記移動対象物の位置を前記接触位置の情報として記憶する記憶部を更に有し、
    前記記憶部に前記接触位置の情報が記憶されている場合には、前記制御部は、前記処理において、前記計測部により前記基板面と前記部材とが接触したときの前記移動対象物の位置を計測することで前記接触位置の情報を取得する代わりに、前記記憶部から前記接触位置の情報を取得することを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。
  4. 前記接触位置の情報を記憶する記憶部を更に有し、
    前記制御部は、前記処理において、前記記憶部から前記接触位置の情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  5. 前記突出方向における前記移動対象物の位置を計測する計測部を更に有し、
    前記制御部は、前記チャックに吸着された前記基板面と前記部材とが離れている状態から前記移動部により前記移動対象物を前記基板と前記部材とが近づく方向に移動させながら、前記計測部により前記基板面と前記部材とが接触したときの前記移動対象物の位置を計測して接触位置の情報を定期的に取得し、前記記憶部に記憶されている前記接触位置の情報を定期的に取得される接触位置の情報で更新することを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
  6. 前記所定の距離は、10μm以上70μm以下の距離を含むことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のステージ装置。
  7. 前記移動部は、前記部材に対して前記チャックを移動させるステージを含むことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項に記載のステージ装置。
  8. 前記ステージは、前記チャックが配置される第1ステージと、前記第1ステージを支持する第2ステージと、を含み、
    前記部材は、前記第2ステージに配置されることを特徴とする請求項7に記載のステージ装置。
  9. 前記移動部は、前記チャックに対して前記部材を移動させるアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のステージ装置。
  10. 前記チャックが配置される第1ステージと、
    前記第1ステージを支持する第2ステージと、を更に有し、
    前記アクチュエータは、前記第2ステージに配置されることを特徴とする請求項9に記載のステージ装置。
  11. パターンを基板に形成するリソグラフィ装置であって、
    前記基板を保持する請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のステージ装置を有することを特徴とするリソグラフィ装置。
  12. 投影光学系を有し、前記投影光学系を介して前記基板を露光して前記パターンを前記基板に形成することを特徴とする請求項11に記載のリソグラフィ装置。
  13. 請求項11又は12に記載のリソグラフィ装置を用いてパターンを基板に形成する工程と、
    前記工程で前記パターンを形成された前記基板を処理する工程と、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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