JP2015018927A - 基板保持方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持対象の基板を目標位置に載置するときに、その基板が大型であっても、その基板の平面度の低下を抑制する。
【解決手段】ウエハWを保持するウエハ保持装置8であって、ウエハWが載置される載置面54aを有するウエハホルダ54と、ウエハホルダ54の載置面54aを通してZ方向に移動可能に設けられて、先端部でウエハWを吸着可能なセンターピン44と、ウエハホルダ54にセンターピン44を囲むように、かつ載置面54aを通してZ方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部46aでウエハWを支持可能な複数の周辺ピン46と、センターピン44及び周辺ピン46をZ方向に移動させる駆動部56A,56Bと、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】ウエハWを保持するウエハ保持装置8であって、ウエハWが載置される載置面54aを有するウエハホルダ54と、ウエハホルダ54の載置面54aを通してZ方向に移動可能に設けられて、先端部でウエハWを吸着可能なセンターピン44と、ウエハホルダ54にセンターピン44を囲むように、かつ載置面54aを通してZ方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部46aでウエハWを支持可能な複数の周辺ピン46と、センターピン44及び周辺ピン46をZ方向に移動させる駆動部56A,56Bと、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、基板を保持する基板保持技術、その基板保持技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を生産するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる、いわゆるステッパー又はスキャニングステッパーなどの露光装置においては、露光対象の基板としての例えば円板状の半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)を保持するために、多数のピン状の突部の間に、ウエハの受け渡し用の昇降可能な例えば3本のセンターピンが配置されたいわゆるピンチャック式のウエハホルダが使用されている。また、電子デバイスを製造する際のスループット(生産性)を高めるために、ウエハ直径のSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格(SEMI standards)は、数年ごとに125mm、150mm、200mm、300mmとほぼ1.25〜1.5倍の割合で大きくなっている。
ウエハが大型化すると、単に多くの突部を介してウエハを保持しているだけでは、ウエハの凹凸が目標とする範囲外に出る恐れがある。そこで、従来、底部にマトリックス状に複数の圧電素子等の駆動素子を設け、これらの駆動素子を介して対応する突部の高さを個別に又はグループ別に制御することで、露光対象のウエハの凹凸の状態を制御可能としたウエハホルダも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
最近、電子デバイスを製造する際のスループットをより高めるために、SEMI規格では、直径450mmのウエハの規格化が行われている。このようにウエハがさらに大型化すると、単にウエハを保持する例えば3本のセンターピンを降下させて、ウエハをウエハホルダの載置面(多数の突部の上面)に受け渡す方法では、ウエハの皺状の変形、反り、又は歪み等によって、ウエハとその載置面との間に部分的に隙間(空間)が生じる恐れがある。このようにウエハとその載置面との間に部分的に隙間が生じると、ウエハの被露光領域の平面度が低下して、部分的に露光精度(解像度等)が低下する恐れがある。また、仮に部分的に突部の高さを制御可能なウエハホルダを使用しても、その隙間が生じた部分の平面度を向上できない恐れもある。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、保持対象の基板を目標とする位置に載置する際に、その基板が大型であっても、その基板の平面度の低下を抑制できるようにすることを目的とする。
第1の態様によれば、基板を保持する基板保持装置であって、その基板が載置される載置面を有するベース部材と、そのベース部材のその載置面を通してその載置面の法線方向に移動可能に設けられて、先端部でその基板を吸着可能な第1の棒状部材と、その第1の棒状部材の周囲に配置され、その載置面を通してその法線方向に移動可能に設けられるとともにそれぞれ先端部でその基板を支持可能な複数の第2の棒状部材と、その第1及び第2の棒状部材をその法線方向に移動させる駆動部と、を備える基板保持装置が提供される。
また、第2の態様によれば、基板を保持する基板保持装置であって、その基板が載置される載置面を有するベース部材と、そのベース部材に設けられてその基板を吸着可能な第1の吸着部と、そのベース部材にその第1の吸着部を囲むように設けられて、それぞれその基板を吸着可能な複数の第2の吸着部と、その第1及び第2の吸着部を介する吸着動作を制御する吸着制御部と、を備え、その吸着制御部は、その基板がその載置面に載置されるときに、その第1の吸着部でその基板の吸着を開始させた後、複数のその第2の吸着部でその基板の吸着を開始させる基板保持装置が提供される。
また、第3の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して基板を露光する露光装置において、露光対象の基板を保持するための、本発明の態様の基板保持装置と、その基板保持装置のベース部材を保持して移動するステージと、を備える露光装置が提供される。
また、第4の態様によれば、基板を保持する基板保持方法であって、ベース部材の載置面を通してその載置面の法線方向に移動可能に設けられた第1の棒状部材の先端部でその基板を吸着することと、そのベース部材にその第1の棒状部材を囲むように、かつその載置面を通してその法線方向に移動可能に設けられた複数の第2の棒状部材のそれぞれの先端部でその基板を支持することと、を含む基板保持方法が提供される。
また、第4の態様によれば、基板を保持する基板保持方法であって、ベース部材の載置面を通してその載置面の法線方向に移動可能に設けられた第1の棒状部材の先端部でその基板を吸着することと、そのベース部材にその第1の棒状部材を囲むように、かつその載置面を通してその法線方向に移動可能に設けられた複数の第2の棒状部材のそれぞれの先端部でその基板を支持することと、を含む基板保持方法が提供される。
また、第5の様態によれば、基板を保持する基板保持方法であって、ベース部材の載置面にその基板を載置するときに、そのベース部材に設けられた第1の吸着部でその基板の吸着を開始させることと、その第1の吸着部による吸着が開始された後で、そのベース部にその第1の吸着部を囲むように設けられた複数の第2の吸着部でその基板の吸着を開始させることと、を含む基板保持方法が提供される。
また、第6の様態によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して基板を露光する露光方法において、本発明の態様の基板保持方法を用いてその基板を保持することと、その基板を露光位置に移動することと、を含む露光方法が提供される。
また、第7の様態によれば、本発明の態様の露光装置又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
また、第7の様態によれば、本発明の態様の露光装置又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、基板を支持する第1の棒状部材と第2の棒状部材との載置面の法線方向の位置関係を制御するか、又は第1の吸着部による基板の吸着と第2の吸着部による基板の吸着とのタイミングを制御することで、その基板が大型であっても、その基板をベース部材に載置するときの平面度の低下を抑制できる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態につき図1〜図7を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るウエハ保持装置(基板保持装置)を備えた露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である。露光装置EXは、投影光学系PL(投影ユニットPU)を備えている。以下、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面内でレチクルRとウエハ(半導体ウエハ)Wとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取って説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向をθx、θy、及びθz方向とも呼ぶ。本実施形態では、Z軸に直交する平面(XY平面)はほぼ水平面に平行であり、−Z方向がほぼ鉛直線の方向である。
本発明の第1の実施形態につき図1〜図7を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るウエハ保持装置(基板保持装置)を備えた露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の投影露光装置である。露光装置EXは、投影光学系PL(投影ユニットPU)を備えている。以下、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面内でレチクルRとウエハ(半導体ウエハ)Wとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取って説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向をθx、θy、及びθz方向とも呼ぶ。本実施形態では、Z軸に直交する平面(XY平面)はほぼ水平面に平行であり、−Z方向がほぼ鉛直線の方向である。
露光装置EXは、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示される照明系ILS、及び照明系ILSからの露光用の照明光(露光光)IL(例えば波長193nmのArFエキシマレーザ光、又は固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波など)により照明されるレチクルR(マスク)を保持するレチクルステージRSTを備えている。さらに、露光装置EXは、レチクルRから射出された照明光ILでウエハW(基板)を露光する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハ保持装置8(図3参照)、ウエハ保持装置8のうちの機構部を支持して移動するウエハステージWST、及び制御系等(図3参照)を備えている。
レチクルRはレチクルステージRSTの上面に真空吸着等により保持され、レチクルRのパターン面(下面)には、回路パターンなどが形成されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含む図3のレチクルステージ駆動系25によって、不図示のレチクルベース上のXY平面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能である。
レチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計24によって、移動鏡22(又は鏡面加工されたステージ端面)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計24の計測値は、図3のコンピュータよりなる主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その計測値に基づいてレチクルステージ駆動系25を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
図1において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。不図示のフレーム機構に対して複数の防振装置(不図示)を介して平板状のフレーム(以下、計測フレームという)16が支持されており、投影ユニットPUは、計測フレーム16に形成された開口内にフランジ部FLを介して設置されている。投影光学系PLは、例えば両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。
照明系ILSからの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して照明領域IAR内の回路パターンの像が、ウエハWの一つのショット領域の露光領域IA(照明領域IARと共役な領域)に形成される。ウエハWは、一例としてシリコン等の半導体よりなる直径が300mm又は450mm等の大型の円板状の基材にフォトレジスト(感光材料)を数10〜200nm程度の厚さで塗布したものを含む。直径300mmの基材の厚さは例えば775μmであり、直径450mmの基材の厚さは、現在では例えば900〜1100μm程度(例えば925μm程度)と想定されている。
また、露光装置EXにおいて、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ91を保持する鏡筒40の下端部の周囲を取り囲むように、局所液浸装置38の一部を構成するノズルユニット32が設けられている。ノズルユニット32は、露光用の液体Lq(例えば純水)を供給するための供給管31A及び回収管31Bを介して、液体供給装置34及び液体回収装置36(図3参照)に接続されている。なお、液浸タイプの露光装置としない場合には、上記の局所液浸装置38は設けなくともよい。
また、露光装置EXは、レチクルRのアライメントを行うためにレチクルRのアライメントマーク(レチクルマーク)の投影光学系PLによる像の位置を計測する空間像計測系(不図示)と、ウエハWのアライメントを行うために使用される例えば画像処理方式(FIA系)のアライメント系ALと、照射系90a及び受光系90bよりなりウエハWの表面の複数箇所のZ位置を計測する斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(以下、多点AF系という)90(図3参照)と、ウエハステージWSTの位置情報を計測するためのエンコーダ6(図3参照)とを備えている。空間像計測系は例えばウエハステージWST内に設けられている。
アライメント系ALは、一例として図2に示すように、投影光学系PLに対して−Y方向に離れて配置されたウエハWの直径程度の長さの領域に、X方向(非走査方向)にほぼ等間隔で配列された5眼のアライメント系ALc,ALb,ALa,ALd,ALeから構成され、5眼のアライメント系ALa〜ALeで同時にウエハWの異なる位置のウエハマークを検出できるように構成されている。また、アライメント系ALa〜ALeに対して−Y方向に離れた位置で、かつある程度−X方向及び+X方向にシフトした位置に、それぞれウエハWをロードするときのウエハステージWSTの中心位置であるローディング位置LP、及びウエハWをアンロードするときのウエハステージWSTの中心位置であるアンローディング位置UPが設定されている。ローディング位置LPの近くに、ウエハWを搬入するウエハ搬送ロボットWLD(図1参照)が設置され、アンローディング位置UPの近くには、ウエハWを搬出するウエハ搬送ロボット(不図示)が設置されている。
また、図2において、多点AF系90の照射系90a及び受光系90bは、一例としてアライメント系ALa〜ALeと投影光学系PLとの間の領域に沿って配置されている。この構成によって、ローディング位置LPでウエハWをウエハステージWSTにロードした後、ウエハステージWSTを駆動して、ウエハWをから投影光学系PLの下方の露光開始位置までほぼY方向に移動することによって、多点AF系90によるウエハW表面のZ位置の分布の計測、及びアライメント系ALa〜ALeによる複数のウエハマーク(ウエハWの各ショット領域に付設されたマーク等)の位置計測を効率的に行うことができる。多点AF系90の計測結果及びアライメント系ALの計測結果は主制御装置20に供給される。
図1において、ウエハステージWSTは、不図示の複数の例えば真空予圧型空気静圧軸受(エアパッド)を介して、ベース盤WBのXY面に平行な上面WBaに非接触で支持されている。ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系18(図3参照)によってX方向及びY方向に駆動可能である。ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体30と、ステージ本体30上に搭載されたZステージとしてのウエハテーブルWTBと、ステージ本体30内に設けられて、ステージ本体30に対するウエハテーブルWTBのZ位置、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に微小駆動するZステージ駆動部とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央の開口の内側には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な載置面上に保持するウエハホルダ54が設けられ、ウエハホルダ54を含んでウエハ保持装置8の機構部50(図3参照)が構成されている。
また、ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハWの表面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハWの載置領域よりも一回り大きな円形の開口が形成された高い平面度の平板状のプレート体28が設けられている。
なお、上述の局所液浸装置38を設けたいわゆる液浸型の露光装置の構成にあっては、プレート体28は、さらに図2のウエハステージWSTの平面図に示されるように、その円形の開口28aを囲む、外形(輪郭)が矩形の表面に撥液化処理が施されたプレート部(撥液板)28b、及びプレート部28bを囲む周辺部28eを有する。周辺部28eの上面に、プレート部28bをY方向に挟むようにX方向に細長い1対の2次元の回折格子12A,12Bが固定され、プレート部28bをX方向に挟むようにY方向に細長い1対の2次元の回折格子12C,12Dが固定されている。回折格子12A〜12Dは、それぞれX方向、Y方向を周期方向とする周期が1μm程度の2次元の格子パターンが形成された反射型の回折格子である。
なお、上述の局所液浸装置38を設けたいわゆる液浸型の露光装置の構成にあっては、プレート体28は、さらに図2のウエハステージWSTの平面図に示されるように、その円形の開口28aを囲む、外形(輪郭)が矩形の表面に撥液化処理が施されたプレート部(撥液板)28b、及びプレート部28bを囲む周辺部28eを有する。周辺部28eの上面に、プレート部28bをY方向に挟むようにX方向に細長い1対の2次元の回折格子12A,12Bが固定され、プレート部28bをX方向に挟むようにY方向に細長い1対の2次元の回折格子12C,12Dが固定されている。回折格子12A〜12Dは、それぞれX方向、Y方向を周期方向とする周期が1μm程度の2次元の格子パターンが形成された反射型の回折格子である。
図1において、計測フレーム16の底面に、投影光学系PLをX方向に挟むように、回折格子12C,12Dに計測用のレーザ光(計測光)を照射して、回折格子に対するX方向、Y方向、Z方向の(3次元の)相対位置を計測するための複数の3軸の検出ヘッド14が固定されている。さらに、計測フレーム16の底面に、投影光学系PLをY方向に挟むように、回折格子12A,12Bに計測用のレーザ光を照射して、回折格子に対する3次元の相対位置を計測するための複数の3軸の検出ヘッド14が固定されている(図2参照)。さらに、複数の検出ヘッド14にレーザ光(計測光及び参照光)を供給するための一つ又は複数のレーザ光源(不図示)も備えられている。
図2において、投影光学系PLを介してウエハWを露光している期間では、Y方向の一列A1内のいずれか2つの検出ヘッド14は、回折格子12A又は12Bに計測光を照射し、回折格子12A,12Bから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。これと並列に、X方向の一行A2内のいずれか2つの検出ヘッド14は、回折格子12C又は12Dに計測光を照射し、回折格子12C,12Dから発生する回折光と参照光との干渉光の検出信号を対応する計測演算部42(図3参照)に供給する。これらの一列A1及び一行A2の検出ヘッド14用の計測演算部42では、ウエハステージWST(ウエハW)と計測フレーム16(投影光学系PL)とのX方向、Y方向、Z方向の相対位置(相対移動量)を例えば0.5〜0.1nmの分解能で求め、それぞれ求めた計測値を切り替え部80A及び80Bに供給する。計測値の切り替え部80A,80Bでは、回折格子12A〜12Dに対向している検出ヘッド14に対応する計測演算部42から供給される相対位置の情報を主制御装置20に供給する。
一列A1及び一行A2内の複数の検出ヘッド14、レーザ光源(不図示)、複数の計測演算部42、切り替え部80A,80B、及び回折格子12A〜12Dから3軸のエンコーダ6が構成されている。このようなエンコーダ及び上述の5眼のアライメント系の詳細な構成については、例えば米国特許出願公開第2008/094593号明細書に開示されている。主制御装置20は、エンコーダ6から供給される相対位置の情報に基づいて、計測フレーム16(投影光学系PL)に対するウエハステージWST(ウエハW)のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びθz方向の回転角等の情報を求め、この情報に基づいてステージ駆動系18を介してウエハステージWSTを駆動する。
なお、エンコーダ6と並列に、又はエンコーダ6の代わりに、ウエハステージWSTの3次元的な位置を計測するレーザ干渉計を設け、このレーザ干渉計の計測値を用いて、ウエハステージWSTを駆動してもよい。
そして、露光装置EXの露光時には、基本的な動作として先ずレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンの一部の像をウエハWの表面の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向に移動する動作(ステップ移動)と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、例えば液浸法でかつステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
そして、露光装置EXの露光時には、基本的な動作として先ずレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの照明光ILの照射を開始して、投影光学系PLを介してレチクルRのパターンの一部の像をウエハWの表面の一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向に移動する動作(ステップ移動)と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、例えば液浸法でかつステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
この際に、エンコーダ6の検出ヘッド14においては、計測光及び回折光の光路長はレーザ干渉計に比べて短いため、レーザ干渉計と比べて、計測値に対する空気揺らぎの影響が非常に小さい。このため、レチクルRのパターン像をウエハWに高精度に転写できる。なお、本実施形態では、計測フレーム16側に検出ヘッド14を配置し、ウエハステージWST側に回折格子12A〜12Dを配置している。この他の構成として、計測フレーム16側に回折格子12A〜12Dを配置し、ウエハステージWST側に検出ヘッド14を配置してもよい。
次に、本実施形態のウエハ保持装置8の構成及び動作につき詳細に説明する。ウエハ保持装置8は、ウエハステージWST内に組み込まれたウエハホルダ54を含む機構部50と、主制御装置20の制御のもとで機構部50の動作を制御するウエハホルダ制御系51とを有する。
図4(A)は図1のウエハ保持装置8を示す平面図、図4(B)は図4(A)のX方向の中央部における縦断面図(正面から見た断面図)及びウエハホルダ制御系51を示す。図4(B)において、ステージ本体30の上面に3箇所のZ方向に変位可能な例えばボイスコイルモータ方式の駆動部(不図示)を介して、例えば低膨張率の金属製のZステージ53が保持されている。Zステージ53が図1のウエハテーブルWTBに対応している。
図4(A)は図1のウエハ保持装置8を示す平面図、図4(B)は図4(A)のX方向の中央部における縦断面図(正面から見た断面図)及びウエハホルダ制御系51を示す。図4(B)において、ステージ本体30の上面に3箇所のZ方向に変位可能な例えばボイスコイルモータ方式の駆動部(不図示)を介して、例えば低膨張率の金属製のZステージ53が保持されている。Zステージ53が図1のウエハテーブルWTBに対応している。
Zステージ53は、上部が開いた矩形の箱状の部材であり、Zステージ53の中央の凹部内のXY平面にほぼ平行な内面53aに、ウエハホルダ54が固定され、ウエハホルダ54にウエハWが保持されている。Zステージ53の側壁部の上面に、プレート体28を介して回折格子12A〜12Dが固定されている。
また、ウエハホルダ54の底部は円形の平板状であり、この底部の上面にリング状の閉じた側壁部54cが一体的に形成されている。側壁部54cの大きさは、保持対象のウエハWの周縁のエッジ部よりもわずかに小さい程度であり、側壁部54cでウエハWの周縁部が支持される。ウエハWの直径が300mm又は450mmであれば、側壁部54cの外径はそれぞれ300mm又は450mmよりわずかに小さく形成される。ウエハホルダ54は、一例として例えば熱膨張率が非常に小さい材料から形成されている。そのような材料としては、超低膨張ガラス(例えばコーニング社のULE(商品名))、超低膨張率のガラスセラミックス(例えばショット社のゼロデュア (Zerodur) (商品名))、又は炭化ケイ素(SiC)などが使用できる。
また、ウエハホルダ54の底部は円形の平板状であり、この底部の上面にリング状の閉じた側壁部54cが一体的に形成されている。側壁部54cの大きさは、保持対象のウエハWの周縁のエッジ部よりもわずかに小さい程度であり、側壁部54cでウエハWの周縁部が支持される。ウエハWの直径が300mm又は450mmであれば、側壁部54cの外径はそれぞれ300mm又は450mmよりわずかに小さく形成される。ウエハホルダ54は、一例として例えば熱膨張率が非常に小さい材料から形成されている。そのような材料としては、超低膨張ガラス(例えばコーニング社のULE(商品名))、超低膨張率のガラスセラミックス(例えばショット社のゼロデュア (Zerodur) (商品名))、又は炭化ケイ素(SiC)などが使用できる。
さらに、図4(A)に示すように、ウエハホルダ54の底部上の側壁部54cで囲まれた領域に、一例として正三角形を基本形状とする2次元格子の各格子点となる位置に多数のピン状の突部54bが一体的に形成されている。隣接する複数の突部54bの間隔は例えば数mm(例えば3mm程度)であり、多数の突部54b及び側壁部54cの上面は同一の平面(ほぼXY平面)に接するように極めて高い平面度に仕上げられている。この多数の突部54b及び側壁部54cの上面を含む平面が、ウエハWの載置面54aである。露光対象のウエハWは、ウエハWの裏面と、多数の突部54b及び側壁部54Acの上面との間に隙間ができるだけ生じないように載置面54aに載置される。ウエハホルダ54は、例えば一体成形した後に、突部54b等の表面の研磨等を施すことで製造できる。なお、説明の便宜上、図4(A)ではウエハWは2点鎖線で示されている。
また、ウエハホルダ54の上面の側壁部54cで囲まれた領域内の多数の突部54b間に、例えば中心からほぼ等角度間隔で複数列(図4(A)では6列)のそれぞれ複数の真空吸着用の小さい穴(以下、吸着穴という)55が形成されている。図4(B)にそのうちのほぼ+Y方向及び−Y方向に配列された2列の吸着穴55を示す。これらの吸着穴55は、ウエハホルダ54の底部内の排気路54d、及びZステージ53内の排気路53bを介してステージ本体30内に設置された可撓性を持つ排気管61Bに連通している。排気管61Bは、可撓性を持つ排気管61Aを介してウエハステージWSTの外部にある真空ポンプ62に接続されている。排気管61Bには真空吸着を開始させるためのバルブ(以下、吸着バルブという)V1、及び排気管61Bの内部に大気に連通させて真空吸着を解除するためのバルブ(以下、吸着解除バルブという)V2が装着されている。バルブV1,V2の開閉はウエハホルダ制御系51によって制御される。ウエハホルダ制御系51の制御のもとで、一例として、露光動作中に真空ポンプ62は排気を継続している。
ウエハホルダ54の複数列の吸着穴55が設けられた底部、排気管61A,61B、及び真空ポンプ62を含んで、ウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに真空吸着によって保持する吸着機構52が構成されている。側壁部54cを覆うようにウエハWが載置されている状態で、吸着機構52の吸着解除バルブV2を閉じ、吸着バルブV1を開いて、排気路54d及び複数の吸着穴55を通して、多数の突部54bとウエハWの裏面との間の空間の気体を吸引することで、ウエハWは多数の突部54b及び側壁部54cの上面(載置面54a)に安定に保持される。その後、吸着バルブV1を閉じて、吸着解除バルブV2を開くことで、多数の突部54bとウエハWの裏面との間の空間の気圧が上昇し、ウエハWをウエハホルダ54から容易にアンロードできる。
また、ウエハホルダ54の側壁部54cで囲まれた領域のほぼ中心に、ウエハWを真空吸着によって保持した状態でZ方向に昇降可能なZ方向に細長い円筒状のピン(以下、センターピンという)44が配置されている。センターピン44は、ウエハホルダ54及びZステージ53に設けられた開口に挿通されている。センターピン44の先端部は平坦であり、センターピン44の中央の開口(以下、吸着穴という)44aは、ステージ本体30内の可撓性を持つ排気管60及び固定された排気管61Cを介して排気管61Bに連通しており、排気管61Cにも、センターピン44による吸着を開始させるための吸着バルブV3及びその吸着を解除するための吸着解除バルブV4が装着されている。ウエハホルダ制御系51がバルブV3,V4の開閉を制御する。
また、ウエハホルダ54の側壁部54cで囲まれた領域内で、センターピン44を中心とする円周47に沿ってほぼ等角度間隔で、複数(図4(A)では6本)のそれぞれウエハWの裏面を支持した状態でZ方向に昇降可能なZ方向に細長い円柱状(ロッド状)のピン(以下、周辺ピンという)46が配置されている。センターピン44及び周辺ピン46の移動方向は、ウエハWの載置面54aに対する法線方向である。円周47の半径は、一例として、側壁部54cの半径の2/3〜4/5程度である。周辺ピン46も、それぞれウエハホルダ54及びZステージ53に設けられた開口に挿通されている。センターピン44及び周辺ピン46は、それぞれ一例として、ウエハホルダ54と同様に熱膨張率が非常に小さい材料から形成されている。
ウエハWの周縁部を安定に支持するためには、周辺ピン46は少なくとも3本であることが好ましい。さらに、本実施形態では、ウエハ搬送ロボットWLDからウエハWがセンターピン44及び複数の周辺ピン46に受け渡された後、センターピン44及び周辺ピン46を降下させてウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに載置するときに、ウエハWの形状をウエハホルダ54側から見てウエハWの中心を通りZ軸に平行な直線に関してほぼ回転対称の凸状(以下、下凸形状という。)にする(詳細後述)。ウエハWをできるだけ正確に下凸形状にして支持するためには、周辺ピン46は例えば少なくとも5本以上(本実施形態では6本)であることが好ましい。
また、本実施形態では、ウエハWの裏面はセンターピン44によって吸着して保持されるため、センターピン44及び周辺ピン46で支持されているウエハWに反り等の変形を生じさせないためには、ウエハWの裏面を支持する周辺ピン46の先端部46aは、滑り易いことが好ましい。そのため、周辺ピン46の先端部46aには、摩擦低減のための表面加工が施されている。本実施形態では、一例として、周辺ピン46の先端部46aは球面に加工することによって、ウエハWとの間の摩擦を低減している。
なお、周辺ピン46の先端部の摩擦低減のための表面加工としては、球面加工の代わりに、又は球面加工に加えて、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を形成してもよい。DLC膜を形成する場合、周辺ピン46の先端部はほぼ平坦か、又はある程度の外側に凸の曲率を持つ形状でもよい。さらに、周辺ピン46の先端部には、回転可能な小さい球面軸受けを設置してもよい。
さらに、図4(B)に示すように、センターピン44及び周辺ピン46は、それぞれZステージ53の底面側に設けられた、例えばボイスコイルモータ等の駆動部56A及び56BによってZ方向に昇降される。Zステージ53には、センターピン44及び周辺ピン46のZ方向の位置をモニタするための、例えば光学式のリニアエンコーダ等の位置センサ57A及び57Bが設けられている。ウエハホルダ制御系51が、位置センサ57A,57Bの検出結果に基づいて駆動部56A,56Bを介してセンターピン44及び周辺ピン46のZ方向の位置を個別に制御する。複数の周辺ピン46のZ方向の位置も個別に制御可能である。
また、センターピン44又は周辺ピン46の上昇中に、センターピン44又は周辺ピン46がウエハWの裏面に接触すると、対応する駆動部56A又は56Bの推力が大きくなり例えば駆動電流が増加する。このため、一例として、ウエハホルダ制御系51は、駆動部56A,56Bの駆動電流をモニタしており、その駆動電流の変化からセンターピン44及び周辺ピン46がウエハWに接触したかどうかを認識可能である。センターピン44、周辺ピン46、これらの駆動部56A,56B、及び吸着機構52を含んで、ウエハ保持装置8の機構部50が構成されている。
次に、本実施形態の露光装置EXにおいて、ウエハ保持装置8を用いてウエハWを保持する保持方法、及びこの保持方法を用いる露光方法の一例につき図7のフローチャートを参照して説明する。この方法の動作は主制御装置20及びウエハホルダ制御系51によって制御される。まず、図7のステップ102において、図1のレチクルステージRSTにレチクルRがロードされ、レチクルRのアライメントが行われる。その後、ウエハWがロードされていない状態で、ウエハステージWSTが図2のローディング位置LPに移動し、図1のウエハ搬送ロボットWLD(ウエハローダ系)が、フォトレジストが塗布された未露光のウエハWをウエハステージWST上に搬送する(ステップ104)。このとき、図5(A)の矢印B1に示すように、ウエハ搬送ロボットWLDの先端部のフォーク型の搬送アーム64に載置されたウエハWが、ウエハステージWSTに固定されたウエハホルダ54の上方に移動する。図5(B)は、図5(A)のウエハホルダ54の中心を通る縦断面図である。なお、図5(A)において、搬送アーム64及びウエハWは2点鎖線で表されている。この段階では、ウエハ保持装置8の吸着機構52及びセンターピン44による吸着は解除され、センターピン44及び周辺ピン46の先端部はウエハWの下方に位置している。
その後、図5(B)に示すように、ウエハホルダ制御系51は、センターピン44を上昇(+Z方向に移動)させながら吸着穴44aによる真空吸着動作を開始させる。そして、センターピン44の先端部がウエハWの裏面に接触した後、さらにセンターピン44をわずかに上昇させてからセンターピン44を停止させる(ステップ106)。この際にウエハWはセンターピン44に吸着されており、ウエハWとセンターピン44との位置ずれは生じない。また、ステップ106とほぼ同時に、ウエハホルダ制御系51は全部の周辺ピン46を同じ高さで上昇させて、全部の周辺ピン46の先端部がウエハWに接触した後、さらに全部の周辺ピン46の先端部をセンターピン44の先端部と同じ高さまで上昇させて、周辺ピン46を停止させる(ステップ108)。このとき、図6(A)に示すように、ウエハWが搬送アーム64からセンターピン44及び周辺ピン46の先端部に受け渡されたことになる。この状態で、矢印B2で示すように搬送アーム64を−Y方向に退避させる(ステップ110)。
その後、図6(B)に示すように、ウエハWを吸着した状態でセンターピン44を所定量だけ降下(−Z方向に移動)させて、ウエハWを下凸形状に弾性変形させる(ステップ112)。本実施形態で用いる「下凸形状」とは、ウエハWがその周縁から中心に向かうにつれて下方に撓む状態をいう。このときウエハWの最下点は、ウエハWの中心とほぼ一致してもよいし、最下点がウエハWの中心と一致していなくともよい。そのウエハWの下凸形状の変形量(センターピン44の先端部と周辺ピン46の先端部との高さの差)は、ウエハWの周辺部を周辺ピン46支持したときに、ウエハWの中心部が自重で垂れ下がる量よりもわずかに大きい程度(弾性変形できる範囲内)で、かつウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに載置したときに、ウエハWの皺状の変形、反り、又は歪み等によって、ウエハWの裏面と載置面54aとの間に部分的に隙間(空間)が生じないように設定される。
さらに、ウエハWを下凸形状に支持した状態で、センターピン44及び周辺ピン46を同期して同じ速度で降下させる(ステップ114)。そして、図6(C)に示すように、センターピン44の先端部が載置面54aに近接したときに、吸着機構52によってウエハホルダ54の吸着穴55を介する真空吸着を開始し、センターピン44の先端部が載置面54aに達したときに、センターピン44によるウエハWの吸着を解除する(ステップ116)。センターピン44は、その先端部が載置面54aより低くなる位置で停止する。この動作と並行して、周辺ピン46をさらに降下させて、周辺ピン46の先端部が載置面54aより低い位置に達したときに周辺ピン46を停止させる(ステップ118)。このとき、図4(B)に示すように、ウエハWの裏面がウエハホルダ54の載置面54aに載置されて、ウエハWがセンターピン44及び周辺ピン46からウエハホルダ54に受け渡されたことになる。
なお、センターピン44によるウエハWの吸着の解除は、ウエハWの全面がウエハホルダ54に接触した後に行ってもよい。この場合、少なくともウエハWの吸着が解除されるまでは、センターピン44の先端部がウエハホルダ54の載置面54aとほぼ同じ高さの状態で維持されていることが好ましい。
なお、センターピン44によるウエハWの吸着の解除は、ウエハWの全面がウエハホルダ54に接触した後に行ってもよい。この場合、少なくともウエハWの吸着が解除されるまでは、センターピン44の先端部がウエハホルダ54の載置面54aとほぼ同じ高さの状態で維持されていることが好ましい。
この場合、図6(C)に示すように、下凸形状のウエハWの中心部がウエハホルダ54に載置されたときに、吸着機構52によってウエハホルダ54の吸着穴55を介する吸着が開始されているため、ウエハWはまず中心部がウエハホルダ54に吸着される。その後、周辺ピン46が降下するのに応じて、次第にウエハWの中心部の外側の部分がウエハホルダ54に吸着され、さらに周辺ピン46が降下すると、ウエハWの周縁部がウエハホルダ54に吸着される。従って、ウエハWが例えば直径450mmの円板状の基板のような大型の基板であっても、ウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに載置したときに、ウエハWの皺状の変形、反り、又は歪み等が生じにくくなり、ウエハWの裏面と載置面54a(側壁部54c及び多数の突部54bの上面)との間に部分的に隙間(空間)が生じにくくなり、ウエハWは高い平面度でウエハホルダ54に保持される。
その後、ウエハステージWSTを駆動してウエハWを投影光学系PLの下方(露光位置)に移動する過程で、アライメント系ALを用いてウエハWのアライメントが行われ(ステップ120)、このアライメントの結果を用いてウエハWを駆動することで、ウエハWの各ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される(ステップ122)。その後、ウエハステージWSTをアンローディング位置UPに移動し、ウエハ保持装置8の吸着機構52によるウエハWの吸着を解除し、センターピン44及び周辺ピン46を介してウエハWを上昇させて、ウエハWをアンロード用のウエハ搬送ロボット(不図示)に受け渡すことで、ウエハWがアンロードされる(ステップ124)。アンロードされたウエハWはコータ・デベロッパ(不図示)に搬送されて現像される。そして、次のウエハに露光する場合には(ステップ126)、ステップ104〜124の動作が繰り返される。
この露光方法によれば、ウエハWが大型であっても、ウエハWをウエハホルダ54に載置するときに、ウエハWの平面度を高く維持できる。従って、大型のウエハWを用いて高いスループットを得るとともに、ウエハWの全面で露光精度(解像度等)を高く維持して、レチクルRのパターンの像を高精度に露光できる。
上述のように本実施形態の露光装置EXは、ウエハW(基板)を保持するウエハ保持装置8を備えている。そして、ウエハ保持装置8は、ウエハWが載置される載置面54aを有するウエハホルダ54(ベース部材)と、ウエハホルダ54の載置面54aを通してZ方向(載置面54aの法線方向)に移動可能に設けられて、先端部でウエハWを吸着可能なセンターピン44(第1の棒状部材)と、ウエハホルダ54にセンターピン44を囲むように、かつ載置面54aを通してZ方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部46aでウエハWを支持可能な複数の周辺ピン46(第2の棒状部材)と、センターピン44及び周辺ピン46をZ方向に移動させる駆動部56A,56Bと、を備えている。
上述のように本実施形態の露光装置EXは、ウエハW(基板)を保持するウエハ保持装置8を備えている。そして、ウエハ保持装置8は、ウエハWが載置される載置面54aを有するウエハホルダ54(ベース部材)と、ウエハホルダ54の載置面54aを通してZ方向(載置面54aの法線方向)に移動可能に設けられて、先端部でウエハWを吸着可能なセンターピン44(第1の棒状部材)と、ウエハホルダ54にセンターピン44を囲むように、かつ載置面54aを通してZ方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部46aでウエハWを支持可能な複数の周辺ピン46(第2の棒状部材)と、センターピン44及び周辺ピン46をZ方向に移動させる駆動部56A,56Bと、を備えている。
また、ウエハ保持装置8によるウエハWの保持方法は、センターピン44の先端部でウエハWを吸着するステップ106と、複数の周辺ピン46の先端部でウエハWを支持するステップ108と、を有する。
本実施形態によれば、ウエハWを支持するセンターピン44と周辺ピン46とのZ方向の位置関係を制御して、ウエハWを例えば下凸形状で支持してウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに向けて降下させ、ウエハWの中心部をウエハホルダ54の載置面54aに載置し、その後、次第にウエハWの中心部の外側の部分を載置面54aに載置している。従って、ウエハWが例えば450mmウエハのように大型であっても、ウエハWをウエハホルダ54に載置するときのウエハWと載置面54aとの間に生じる隙間(空間)によるウエハWの平面度の低下を抑制できる。
本実施形態によれば、ウエハWを支持するセンターピン44と周辺ピン46とのZ方向の位置関係を制御して、ウエハWを例えば下凸形状で支持してウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに向けて降下させ、ウエハWの中心部をウエハホルダ54の載置面54aに載置し、その後、次第にウエハWの中心部の外側の部分を載置面54aに載置している。従って、ウエハWが例えば450mmウエハのように大型であっても、ウエハWをウエハホルダ54に載置するときのウエハWと載置面54aとの間に生じる隙間(空間)によるウエハWの平面度の低下を抑制できる。
また、本実施形態の露光装置EXは、露光用の照明光IL(露光光)でレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターンを介してウエハWを露光する露光装置であって、露光対象のウエハWをウエハホルダ54に保持するためのウエハ保持装置8と、ウエハ保持装置8のウエハホルダ54を保持して移動するウエハステージWSTと、を備えている。そして、露光装置EXによる露光方法は、ウエハ保持装置8を用いてウエハWを保持するステップ104〜118と、保持されたウエハWを露光位置に移動するステップ120と、を有する。
本実施形態の露光装置EX又は露光方法によれば、例えばウエハWの大型化によって高いスループットを得ることができるとともに、ウエハWのウエハホルダ54に保持する際にウエハWの平面度を高く維持できるため、高い露光精度を得ることができる。
なお、上記の実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、上記の実施形態では、ウエハ保持装置8のウエハWを吸着保持するセンターピン44は1本であり、その制御が容易である。しかしながら、例えばウエハホルダ54の中心を囲むようにほぼ等角度間隔で配置された複数(例えば3本)のセンターピン44でウエハWの中心部を保持し、これらのセンターピン44を囲むように配置された複数の周辺ピン46でウエハWを滑りが可能な状態で支持してもよい。また、センターピン44の数は3本以外の複数本でもよい。
なお、上記の実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、上記の実施形態では、ウエハ保持装置8のウエハWを吸着保持するセンターピン44は1本であり、その制御が容易である。しかしながら、例えばウエハホルダ54の中心を囲むようにほぼ等角度間隔で配置された複数(例えば3本)のセンターピン44でウエハWの中心部を保持し、これらのセンターピン44を囲むように配置された複数の周辺ピン46でウエハWを滑りが可能な状態で支持してもよい。また、センターピン44の数は3本以外の複数本でもよい。
また、図8(A)の変形例に示すように、ウエハWをウエハホルダ54に載置する前にウエハWの変形状態(例えば反りの状態)を検出してもよい。図8(A)は、この変形例のウエハ保持装置を図4(A)に対応させて示す平面図、図8(B)及び(C)は図8(A)の中心を通る縦断面図である。なお、図8(B)、(C)において、センターピン44等の駆動部及びウエハWをウエハホルダ54に吸着する吸着機構52は図示を省略している。
この変形例のウエハ保持装置は、先端部でウエハWを吸着可能なセンターピン44と、ウエハホルダ54の載置面54aでセンターピン44を囲むようにZ方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部でウエハWを支持可能な複数(図8(A)では6本)の第1の周辺ピン46と、これらの周辺ピン46の近傍に配置されて、それぞれセンターピン44と同様にZ方向に移動可能で先端部でウエハWを吸着可能な円筒状の吸着用ピン44Bと、センターピン44と周辺ピン46との間の領域にセンターピン44を囲むようにZ方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部でウエハWを支持可能な複数(図8(A)では3本)の第2の周辺ピン46Bと、を備えている。吸着用ピン44Bは、中心の吸着穴44Ba及び真空ポンプに接続された排気管を含む機構(不図示)によってウエハWを吸着可能である。
さらに、この変形例のウエハ保持装置は、図8(B)に示すように、センターピン44、複数の第2の周辺ピン46B、及び複数の第1の周辺ピン46の位置関係とほぼ同じ位置関係で配置されて、それぞれウエハWまでの距離を非接触で検出する複数の検出器66を備えている。検出器66としては、静電容量式又は光学式等のセンサを使用できる。複数の検出器66が配置される位置は、ウエハWのローディング位置LPの上方でもよいが、それ以外に、例えばウエハ搬送ロボットWLDでウエハWを露光装置EX側に移動する前に、ウエハWの回転角等を計測する位置の上方に複数の検出器66を配置することも可能である。
複数の検出器66で検出されるウエハWまでの距離の情報はウエハホルダ制御系(不図示)に供給され、ウエハホルダ制御系は、それらの検出結果からウエハWの変形状態を求める。そして、このようにして求められた変形状態に応じて、ウエハWをウエハホルダ54に載置する際に、ウエハWが下凸形状になるように、センターピン44、複数の第2の周辺ピン46B、複数の第1の周辺ピン46、及び複数の吸着用ピン44BのうちでウエハWを支持及び/又は吸着して降下するピンを選択する。図8(B)の場合には、ウエハWの中心部はセンターピン44で吸着及び支持され、+Y方向の周辺ピン46に関してはこの周辺ピン46の代わりに吸着用ピン44BでウエハWを吸着及び支持し、−Y方向の周辺ピン46に関してはこの近傍の吸着用ピン44Bを使用することなく周辺ピン46でウエハWを支持している。
このように、ウエハWの変形状態の検出結果に応じてウエハWを支持及び/又は吸着するピンを選択することによって、ウエハWが反っているような場合でも、ウエハWを下凸形状でウエハホルダ54に載置することができ、載置後のウエハWの平面度を高く維持できる。
なお、複数の検出器66によるウエハWの変形状態の検出のタイミングとしては、ウエハWがセンターピン44等で支持される前でもよいが、例えばウエハWをセンターピン44等で支持した状態(支持した後)でもよい。
なお、複数の検出器66によるウエハWの変形状態の検出のタイミングとしては、ウエハWがセンターピン44等で支持される前でもよいが、例えばウエハWをセンターピン44等で支持した状態(支持した後)でもよい。
また、この図8(A)、(B)に示す変形例のウエハ保持装置では、センターピン44、複数の第2の周辺ピン46B、複数の第1の周辺ピン46、及び複数の吸着用ピン44Bの全部を備える必要は必ずしもなく、例えば周辺ピン46と同様の複数のピンを備えるだけもよい。この場合、この例のウエハ保持装置は、ウエハWが載置されるウエハホルダ54と、ウエハWの変形状態を検出する検出器66(検出部)と、ウエハホルダ54の載置面54aを通してウエハWを支持するための移動可能な複数の棒状部材とを備え、その検出部で検出されたウエハWの変形状態に応じて(検出工程)、その複数の棒状部材の高さ(載置面54aの法線方向の位置)を調整して、ウエハWの形状を、例えばウエハホルダ54に載置したときにウエハWと載置面54aとの間に隙間が生じないように(例えば下凸形状に)調整するものである(調整工程)。このウエハ保持装置及びウエハ保持装置を用いる調整方法によれば、ウエハWが変形していても、ウエハWを保持したときにウエハWの平面度を向上できる。
また、図8(A)、(B)に示す変形例では、図9に示すように、さらに、センターピン44等からウエハWをウエハホルダ54に受け渡す際に、ウエハWの温度を調節するか、又はウエハWの温度分布を例えば均一に調節するための温度調節機構を設けてもよい。
図9において、複数の検出器66は、一例として図1の計測フレーム16に連結されたフレーム72の底面に支持されている。また、フレーム72の底面には、ウエハWの全面にほぼ対向する領域に、例えば個別に温度制御された気体AR(例えばドライエアーなど)を、センターピン44等で支持されているウエハWの表面に吹き出すための複数の吹き出し口72aが設けられている。
図9において、複数の検出器66は、一例として図1の計測フレーム16に連結されたフレーム72の底面に支持されている。また、フレーム72の底面には、ウエハWの全面にほぼ対向する領域に、例えば個別に温度制御された気体AR(例えばドライエアーなど)を、センターピン44等で支持されているウエハWの表面に吹き出すための複数の吹き出し口72aが設けられている。
さらに、例えばこの変形例の露光装置が収容されているチャンバ(不図示)内に温度制御された気体を例えばダウンフローで供給する温度調節装置の一部に、チャンバ内の局所的な部分に温度調節された気体を供給するための温度調節部68が備えられている。そして、温度調節部68からフレーム72の複数の吹き出し口72aに個別に温度制御された気体ARを送風する複数の送風管70が設けられている。また、ウエハ搬送ロボットWLDの搬送アーム64がウエハWを保持してウエハホルダ54の上方に来るまでの経路上で、ウエハWの温度分布を計測するための赤外線カメラ74が不図示のフレームに支持されている。赤外線カメラ74で計測されるウエハWの温度分布、及び複数の検出器66によって検出されるウエハWの歪みの分布の情報が制御系(不図示)に供給され、この制御系が、それらの情報に基づいて、温度調節部68から複数の吹き出し口72aに供給される気体の温度及び風量を個別に制御する。なお、赤外線カメラ74の代わりに、フレーム72の底面に複数の温度センサを設けておき、これらの温度センサでウエハWの大まかな温度分布を計測(推定)してもよい。あるいは、露光用のウエハWとは異なる計測用ウエハをウエハホルダ54へ搬送することによりウエハWに生じる歪みを事前に計測してもよい。また、ウエハホルダ54へウエハWが載置された後に行われるいわゆるEGA(エンハスト・グローバル・アライメント)計測の結果に基づいてウエハWに生じた歪みを検出し、この検出した歪みに基づいて次に搬送されるウエハWの歪みを推定してもよい。
図9の変形例において、一例として、不図示の搬送アームからセンターピン44等にウエハWを受け渡した状態で、複数の検出器66の検出結果(ウエハWまでの距離の分布)によってウエハWに部分的な歪みがあること分かり、さらにウエハWの温度分布の計測結果より、その歪みのある部分の温度が高いことが分かった場合を想定する。この場合、一例として、温度調節部68が、そのウエハWの歪みがある部分に対向する位置に最も近い吹き出し口72aから、そのチャンバ内の気体の目標温度より低い温度に制御された気体ARをある期間だけ送風させる。その送風期間は、例えばセンターピン44等を降下させて、ウエハWがウエハホルダ54の上面に載置されるまでの期間である。これによって、仮にそのウエハWの部分的な歪みがウエハWの温度分布に起因する場合には、ウエハWがウエハホルダ54に載置されるまでの間に、その部分的な歪みを補正して、ウエハWの平坦度を向上できる。
なお、温度調節部68から個別に温度制御された気体を送風してウエハWの温度分布、ひいては部分的な歪みを補正する機構は、コータ・デベロッパ(不図示)から露光装置のウエハホルダ54までウエハWが搬送されて来る経路のどの部分に設けてもよい。例えば、その機構は、コータ・デベロッパ(不図示)と露光装置との間にあり、一時的にウエハWが載置される回転可能なテーブル(不図示)の近傍に設けてもよい。
また、上述した複数の吹き出し口72aからの気体ARの吹き付けに代えて、温度制御されたフレーム72をウエハWに近づけることによりウエハWの温度を調整してもよい。具体的には、例えばフレーム72内に温調された流体(例えば純水や不活性液体(フッ素系液体)など)を流通させることによりフレーム72を所定温度に制御し、この温度制御されたフレーム72を100μm程度の距離までウエハWに接近させてもよい。これにより、ウエハホルダ54へウエハWが載置される際にウエハWを温度調整することができる。なお、ウエハWとフレーム72が接触しない程度の距離であれば、ウエハWとフレーム72との距離は100μm程度に限られない。
また、上述した複数の吹き出し口72aからの気体ARの吹き付けに代えて、温度制御されたフレーム72をウエハWに近づけることによりウエハWの温度を調整してもよい。具体的には、例えばフレーム72内に温調された流体(例えば純水や不活性液体(フッ素系液体)など)を流通させることによりフレーム72を所定温度に制御し、この温度制御されたフレーム72を100μm程度の距離までウエハWに接近させてもよい。これにより、ウエハホルダ54へウエハWが載置される際にウエハWを温度調整することができる。なお、ウエハWとフレーム72が接触しない程度の距離であれば、ウエハWとフレーム72との距離は100μm程度に限られない。
また、温度制御されたフレーム72をウエハWに接近させることに加え、上記した吹き出し口72aからの気体ARの吹き付けを行ってもよい。
また、ウエハWへの気体ARの吹き付けやフレーム72のウエハWへの接近は、搬送アーム64にウエハWが載置されている際に行ってもよいし、センターピン44がウエハWを保持しつつ下降している際に行ってもよい。
また、上記の実施形態では、吸着機構52、センターピン44、及び吸着用ピン44Bは、それぞれ真空吸着によってウエハWを保持しているが、ウエハWは静電吸着でウエハホルダ54又はピン44,44Bに保持することも可能である。静電吸着する場合には、ウエハホルダ54の上面に多数の突部54bを設けることなく、ウエハホルダ54の載置面を平坦部として、この平坦部でウエハWを支持することも可能である。
また、ウエハWへの気体ARの吹き付けやフレーム72のウエハWへの接近は、搬送アーム64にウエハWが載置されている際に行ってもよいし、センターピン44がウエハWを保持しつつ下降している際に行ってもよい。
また、上記の実施形態では、吸着機構52、センターピン44、及び吸着用ピン44Bは、それぞれ真空吸着によってウエハWを保持しているが、ウエハWは静電吸着でウエハホルダ54又はピン44,44Bに保持することも可能である。静電吸着する場合には、ウエハホルダ54の上面に多数の突部54bを設けることなく、ウエハホルダ54の載置面を平坦部として、この平坦部でウエハWを支持することも可能である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態につき図10(A)〜図12を参照して説明する。本実施形態の露光装置の基本的な構成は図1の露光装置EXと同様であるが、ウエハ保持装置の構成が異なっている。本実施形態における露光動作の説明には図1及び図2に示される露光装置EXを使用する。なお、図10(A)〜図11(B)において、図4(A)、図4(B)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態につき図10(A)〜図12を参照して説明する。本実施形態の露光装置の基本的な構成は図1の露光装置EXと同様であるが、ウエハ保持装置の構成が異なっている。本実施形態における露光動作の説明には図1及び図2に示される露光装置EXを使用する。なお、図10(A)〜図11(B)において、図4(A)、図4(B)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10(A)は本実施形態に係るウエハ保持装置8Aを示す平面図、図10(B)は図10(A)のX方向の中央部における縦断面図及びウエハホルダ制御系51Aを示す。ウエハ保持装置8Aは、側壁部54c及び多数の突部54bが形成されたウエハホルダ54を備えている。ウエハWが例えば450mmウエハであれば、側壁部54cは外径が450mmよりわずかに小さいリング状である。
また、ウエハホルダ54の上面の側壁部54cで囲まれた領域のほぼ中心に吸着穴(以下、センター吸着穴ともいう)55Aが形成され、センター吸着穴55Aを囲む第1円周47Aに沿ってほぼ等角度間隔で複数の第1の周辺吸着穴55Bが形成され、センター吸着穴55Aを囲む第1円周47Aよりも大きい第2円周47Bに沿ってほぼ等角度間隔で複数の第2の周辺吸着穴55Cが形成され、センター吸着穴55Aを囲む第2円周47Bよりも大きい第3円周47Cに沿ってほぼ等角度間隔で複数の第4の周辺吸着穴55Dが形成されている。吸着穴55A〜55Dは、多数の突部54bの間の領域に形成されている。
本実施形態において、ウエハWの裏面をより均一に安定に載置面54aに吸着するためには、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dの個数はそれぞれ少なくとも6個であることが好ましい。ただし、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dの個数は任意であり、周辺吸着穴55B〜55Dの個数が互いに異なっていても良い。これらの吸着穴55A,55B,55C,55Dは、図10(B)に示すように、それぞれウエハホルダ54の底部内の互いに独立な排気路54d1,54d2等、及びZステージ53内の互いに独立な排気路53b1,53b2,53b3,53b4を介してステージ本体30内に設置された排気管61B1,61B2,61B3,61B4に連通している。排気管61B1〜61B4は、可撓性を持つ排気管61Aを介して真空ポンプ62に接続されている。
排気管61B1,61B2,61B3,61B4にはそれぞれ真空吸着を開始させるための吸着バルブV11,V12,V13,V14、及び排気管61B1〜61B4の内部に大気に連通させて真空吸着を解除するための吸着解除バルブV21,V22,V23,V24が装着されている。バルブV11〜V14,V21〜V24の開閉はウエハホルダ制御系51Aによって制御される。ウエハホルダ54の複数の吸着穴55A〜55Dが設けられた底部、排気管61A,61B1〜61B4、及び真空ポンプ62を含んで、ウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに真空吸着によって保持する吸着機構52Aが構成されている。本実施形態では、ウエハホルダ制御系51Aは、吸着穴55A〜55Dを介するウエハWに対する真空吸着及び真空吸着の解除のタイミングを互いに独立に制御できる。
また、ウエハホルダ54の側壁部54cで囲まれた領域において、例えば第1円周47Aと第2円周47Bとの間の円周47Tに沿ってほぼ等角度間隔で、複数(図10(A)では3本)のそれぞれウエハWを真空吸着によって保持した状態でZ方向に昇降可能なZ方向に細長い円筒状のセンターピン44Aが配置されている。複数のセンターピン44Aは、それぞれウエハホルダ54及びZステージ53に設けられた開口に挿通されている。センターピン44Aの先端部は平坦であり、センターピン44Aの中央の吸着穴44Aaは、それぞれステージ本体30内の可撓性を持つ排気管60A及び固定された排気管61Cを介して排気管61Aに連通しており、排気管61Cにも、センターピン44Aによる真空吸着を開始させるための吸着バルブV3及びその真空吸着を解除するための吸着解除バルブV4が装着されている。ウエハホルダ制御系51AがバルブV3,V4の開閉を制御する。
本実施形態では、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dは、円周方向のほぼ同じ角度の位置に設けられている。そして、複数のセンターピン44Aは、それぞれ円周方向に複数の周辺吸着穴55B,55Cの間に配置されている。このためには、センターピン44Aの個数を3個として、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dの個数をそれぞれ6個、又は6群(1箇所に複数個)としてもよい。センターピン44Aは、それぞれ一例として、ウエハホルダ54と同様に熱膨張率が非常に小さい材料から形成されている。
図10(B)に示すように、複数のセンターピン44Aは、それぞれZステージ53の底面側に設けられた駆動部56AによってZ方向に昇降される。ウエハホルダ制御系51Aは、位置センサ57Aの検出結果に基づいて駆動部56Aを介して各センターピン44AのZ方向の位置を個別に制御する。なお、一例として、複数のセンターピン44Aは互いに同じ高さの状態で同期してZ方向に駆動される。複数のセンターピン44A、これらの駆動部56A、及び吸着機構52Aを含んで、ウエハ保持装置8Aの機構部50Aが構成されている。
次に、本実施形態の露光装置EXにおいて、ウエハ保持装置8Aを用いてウエハWを保持する保持方法、及びこの保持方法を用いる露光方法の一例につき図12のフローチャートを参照して説明する。この方法の動作は主制御装置(不図示)及びウエハホルダ制御系51Aによって制御される。まず、図12のステップ102Aにおいて、図1のレチクルステージRSTにレチクルRがロードされ、ウエハステージWSTが図2のローディング位置LPに移動し、図1のウエハ搬送ロボットWLD(ウエハローダ系)が、フォトレジストが塗布された未露光のウエハWをウエハステージWST上に搬送する(ステップ104A)。このとき、複数のセンターピン44Aを上昇させながら、センターピン44Aの真空吸着を開始させて、ウエハ搬送ロボットWLDの搬送アーム(不図示)からセンターピン44Aの先端にウエハWを受け渡し(ステップ130)、搬送アームを退避させる(ステップ132)。
その後、図11(A)に示すように、センターピン44Aを同期して降下させて(ステップ134)、ウエハWがウエハホルダ54の載置面54aに近づいたときに、ウエハホルダ制御系51Aは、ウエハホルダ54のセンター吸着穴55Aを介した真空吸着を開始させる(ステップ136)。そして、センターピン44Aの先端部が載置面54aを横切る直前に、センターピン44AによるウエハWの真空吸着を解除し、センターピン44Aをさらに降下させる(ステップ138)。この動作とほぼ並行して、ウエハホルダ制御系51Aは、図11(B)に示すように、ウエハホルダ54の第1の周辺吸着穴55Bを介した真空吸着を開始させる(ステップ140)。次に、第2の周辺吸着穴55Cを介した真空吸着を開始させた後(ステップ142)、第3の周辺吸着穴55Dを介した真空吸着を開始させる(ステップ144)。このとき、図10(B)に示すように、ウエハWの裏面がウエハホルダ54の載置面54aに載置されて、ウエハWがセンターピン44Aからウエハホルダ54に受け渡されたことになる。
この場合、図11(A)に示すように、ウエハWの裏面が載置面54aに近づいたときに、ウエハホルダ54のセンター吸着穴55Aを介する真空吸着が開始されるため、ウエハWはまず中心部がウエハホルダ54に吸着され、下凸形状となって載置面54aに載置される。その後、次第にセンター吸着穴55Aに近い周辺吸着穴55B〜55Dの順に真空吸着が開始され、ウエハWはその中心部から周縁部の順にウエハホルダ54に吸着される。従って、ウエハWが例えば直径450mmの円板状の基板のような大型の基板であっても、ウエハWをウエハホルダ54の載置面54aに載置したときに、ウエハWの皺状の変形、反り、又は歪み等が生じにくくなり、ウエハWの裏面と載置面54a(側壁部54c及び多数の突部54bの上面)との間に部分的に隙間(空間)が生じにくくなり、ウエハWは高い平面度でウエハホルダ54に保持される。
その後、ウエハステージWSTを駆動してウエハWを投影光学系PLの下方(露光位置)に移動する過程で、ウエハWのアライメントが行われ(ステップ120A)、このアライメントの結果を用いてウエハWが露光される(ステップ122A)。その後、ウエハステージWSTをアンローディング位置UPに移動し、ウエハ保持装置8Aの吸着機構52AによるウエハWの吸着を解除し、センターピン44Aを介してウエハWを上昇させることでウエハWがアンロードされる(ステップ124A)。そして、次のウエハに露光する場合には(ステップ126A)、ステップ104A〜124Aの動作が繰り返される。
この露光方法によれば、ウエハWが大型であっても、ウエハWをウエハホルダ54に載置するときに、ウエハWの平面度を高く維持できる。従って、大型のウエハWを用いて高いスループットを得るとともに、ウエハWの全面で露光精度(解像度等)を高く維持して、レチクルRのパターンの像を高精度に露光できる。
上述のように本実施形態の露光装置は、ウエハ保持装置8Aを備えている。そして、ウエハ保持装置8Aは、ウエハWが載置される載置面54aを有するウエハホルダ54と、ウエハホルダ54に設けられてウエハWを吸着可能なセンター吸着穴55A(第1の吸着部)と、ウエハホルダ54にセンター吸着穴55Aを囲むように設けられて、それぞれウエハWを吸着可能な複数の周辺吸着穴55B〜55D(第2の吸着部)と、センター吸着穴55A及び周辺吸着穴55B〜55Dを介する吸着動作を制御するウエハホルダ制御系51A(吸着制御部)と、を備えている。そして、ウエハホルダ制御系51Aは、ウエハWが載置面54aに載置されるときに、センター吸着穴55AでウエハWの吸着を開始させた後(ステップ136)、複数の周辺吸着穴55B〜55DでウエハWの吸着を開始させている(ステップ140〜144)。
上述のように本実施形態の露光装置は、ウエハ保持装置8Aを備えている。そして、ウエハ保持装置8Aは、ウエハWが載置される載置面54aを有するウエハホルダ54と、ウエハホルダ54に設けられてウエハWを吸着可能なセンター吸着穴55A(第1の吸着部)と、ウエハホルダ54にセンター吸着穴55Aを囲むように設けられて、それぞれウエハWを吸着可能な複数の周辺吸着穴55B〜55D(第2の吸着部)と、センター吸着穴55A及び周辺吸着穴55B〜55Dを介する吸着動作を制御するウエハホルダ制御系51A(吸着制御部)と、を備えている。そして、ウエハホルダ制御系51Aは、ウエハWが載置面54aに載置されるときに、センター吸着穴55AでウエハWの吸着を開始させた後(ステップ136)、複数の周辺吸着穴55B〜55DでウエハWの吸着を開始させている(ステップ140〜144)。
本実施形態のウエハ保持装置8A又はウエハ保持装置8Aを用いた保持方法によれば、ウエハホルダ54に設けられたセンター吸着穴55AによるウエハWの吸着と、複数の周辺吸着穴55B〜55DによるウエハWの吸着とのタイミングを制御して、センター吸着穴55Aを介する吸着から次第に周辺吸着穴55B〜55Dによる吸着を開始している。このため、ウエハWが450mmウエハのように大型であっても、ウエハWをウエハホルダ54に載置するときのウエハWと載置面54aとの間に生じる隙間(空間)によるウエハWの平面度の低下を抑制できる。
なお、上記の実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、上記の実施形態では、ウエハホルダ54に設けられたセンター吸着穴55Aは一つであり、その製造が容易である。なお、センター吸着穴55Aは近接して配置された複数の吸着穴から形成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、ウエハホルダ54にセンター吸着穴55Aを囲むように第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dが設けられているため、周辺吸着穴55B,55C,55Dの順に吸着を開始することによって、ウエハWを載置面54aに載置するときのウエハWの歪み又は変形を大きく抑制できる。なお、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dのうちの一部の周辺吸着穴(例えば第3の周辺吸着穴55Dのみ、又は第1及び第3の周辺吸着穴55B,55Dのみ)を設けるだけでもよい。この場合にも、ウエハWを載置面54aに載置するときのウエハWの歪み又は変形を抑制できる。
まず、上記の実施形態では、ウエハホルダ54に設けられたセンター吸着穴55Aは一つであり、その製造が容易である。なお、センター吸着穴55Aは近接して配置された複数の吸着穴から形成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、ウエハホルダ54にセンター吸着穴55Aを囲むように第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dが設けられているため、周辺吸着穴55B,55C,55Dの順に吸着を開始することによって、ウエハWを載置面54aに載置するときのウエハWの歪み又は変形を大きく抑制できる。なお、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dのうちの一部の周辺吸着穴(例えば第3の周辺吸着穴55Dのみ、又は第1及び第3の周辺吸着穴55B,55Dのみ)を設けるだけでもよい。この場合にも、ウエハWを載置面54aに載置するときのウエハWの歪み又は変形を抑制できる。
さらに、第1〜第3の周辺吸着穴55B〜55Dを囲むように第4、第5等の周辺吸着穴を設け、これらの複数組の周辺吸着穴を用いて次第に外側の周辺吸着穴で吸着を開始してもよい。
また、上記の実施形態では、吸着機構52A及びセンターピン44Aは、それぞれ真空吸着によってウエハWを保持しているが、ウエハWは静電吸着でウエハホルダ54又はセンターピン44Aに保持することも可能である。静電吸着する場合には、ウエハホルダ54の上面に多数の突部54bを設けることなく、ウエハホルダ54の載置面を平坦部として、この平坦部でウエハWを支持することも可能である。
また、上記の実施形態では、吸着機構52A及びセンターピン44Aは、それぞれ真空吸着によってウエハWを保持しているが、ウエハWは静電吸着でウエハホルダ54又はセンターピン44Aに保持することも可能である。静電吸着する場合には、ウエハホルダ54の上面に多数の突部54bを設けることなく、ウエハホルダ54の載置面を平坦部として、この平坦部でウエハWを支持することも可能である。
また、上記の実施形態のセンター吸着穴55A及び周辺吸着穴55B〜55Dを用いる吸着機構52Aと、第1の実施形態の図4(A)に示すセンターピン44及び複数の周辺ピン46を用いるウエハWの昇降機構とを組み合わせてウエハ保持装置を構成してもよい。この場合には、センター吸着穴55Aとしては、センターピン44に近接して設けられた複数の吸着穴を使用してもよい。又は、センター吸着穴55Aを囲むように、センター吸着穴55Aに近接して設けられた例えば3本のセンターピンを使用してもよい。このように吸着機構52Aと、センターピン44及び複数の周辺ピン46を用いるウエハWの昇降機構とを組み合わせることで、ウエハWが大型であっても、ウエハWをウエハホルダ54に載置するときのウエハWと載置面54aとの間に生じる隙間(空間)によるウエハWの平面度の低下を大きく抑制できる。
また、上記の各実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図13に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたレチクル(マスク)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置(露光方法)によりレチクルのパターンを基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理(現像等)することと、を含んでいる。この際に、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法によれば、基板が大型であっても、その基板を高い平面度でウエハステージに保持できるため、電子デバイス製造のスループットを高めた上で、露光精度を高く維持して電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ等)にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外のドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、8,8A…ウエハ保持装置、44…センターピン、46…周辺ピン、50…機構部、51,51A…ウエハホルダ制御系、52,52A…吸着機構、54…ウエハホルダ、55…吸着穴、55A…センター吸着穴、55B〜55D…周辺吸着穴、56A,56B…駆動部、62…真空ポンプ
Claims (35)
- 基板を保持する基板保持装置であって、
前記基板が載置される載置面を有するベース部材と、
前記ベース部材の前記載置面を通して前記載置面の法線方向に移動可能に設けられて、先端部で前記基板を吸着可能な第1の棒状部材と、
前記第1の棒状部材の周囲に配置され、前記載置面を通して前記法線方向に移動可能に設けられるとともにそれぞれ先端部で前記基板を支持可能な複数の第2の棒状部材と、
前記第1及び第2の棒状部材を前記法線方向に移動させる駆動部と、
を備える基板保持装置。 - 前記第1の棒状部材の先端部及び前記第2の棒状部材の先端部で前記基板を支持している状態で、
前記駆動部は、前記基板が前記載置面に向かって凸状になるように、前記第1の棒状部材及び前記第2の棒状部材の前記法線方向の位置を制御しつつ、前記第1及び第2の棒状部材を前記載置面側に降下させて、前記基板を前記ベース部材に受け渡す請求項1に記載の基板保持装置。 - 複数の前記第2の棒状部材は、前記第1の棒状部材を囲むようにほぼ等角度間隔で設けられる請求項1又は2に記載の基板保持装置。
- 前記第1の棒状部材は、前記載置面の複数の前記第2の棒状部材で囲まれた領域の中心の回りにほぼ等角度間隔で3箇所に配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持装置。
- 前記基板を前記ベース部材の前記載置面に吸着する吸着機構を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板保持装置。
- 前記第2の棒状部材の前記先端部には摩擦を低減するための表面加工がなされている請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板保持装置。
- 前記表面加工は、前記第2の棒状部材の前記先端部に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜を含む請求項6に記載の基板保持装置。
- 前記基板の表面形状を計測する計測装置を備え、
前記計測装置の計測結果に基づいて、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方における前記先端部の前記法線方向の高さが調整される請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板保持装置。 - 前記計測装置で前記表面形状が計測された後に、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方が前記基板と接触される請求項8に記載の基板保持装置。
- 前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方が前記基板と接触された後に、前記計測装置で前記表面形状が計測される請求項8又は9に記載の基板保持装置。
- 基板を保持する基板保持装置であって、
前記基板が載置される載置面を有するベース部材と、
前記ベース部材に設けられて前記基板を吸着可能な第1の吸着部と、
前記ベース部材に前記第1の吸着部を囲むように設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の第2の吸着部と、
前記第1及び第2の吸着部を介する吸着動作を制御する吸着制御部と、を備え、
前記吸着制御部は、前記基板が前記載置面に載置されるときに、前記第1の吸着部で前記基板の吸着を開始させた後、複数の前記第2の吸着部で前記基板の吸着を開始させる基板保持装置。 - 複数の第2の吸着部は、
前記ベース部材に前記第1の吸着部を囲む第1の円周に沿って設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の吸着部と、
前記ベース部材に前記第1の円周を囲む第2の円周に沿って設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の吸着部と、を有し、
前記吸着制御部は、前記基板が前記載置面に載置されるときに、前記第1の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させた後、前記第2の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させる請求項11に記載の基板保持装置。 - 複数の第2の吸着部は、
前記ベース部材に前記第2の円周を囲む第3の円周に沿って設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の吸着部を有し、
前記吸着制御部は、前記基板が前記載置面に載置されるときに、前記第2の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させた後、前記第3の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させる請求項12に記載の基板保持装置。 - 複数の前記第2の吸着部は、
前記第1の円周に沿ってほぼ等角度間隔で配置された少なくとも6個の吸着部と、
前記第2の円周に沿ってほぼ等角度間隔で配置された少なくとも6個の吸着部と、
前記第3の円周に沿ってほぼ等角度間隔で配置された少なくとも6個の吸着部と、を有する請求項13に記載の基板保持装置。 - 前記ベース部材に前記第1の吸着部を囲むように、かつ前記載置面を通して前記載置面の法線方向に移動可能に設けられて、それぞれ先端部で前記基板を支持可能な複数の棒状部材を備える請求項11〜14のいずれか一項に記載の基板保持装置。
- 前記ベース部材の前記載置面に複数の突部が設けられた請求項1〜15のいずれか一項に記載の基板保持装置。
- 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して基板を露光する露光装置において、
露光対象の基板を保持するための、請求項1〜16のいずれか一項に記載の基板保持装置と、
前記基板保持装置の前記ベース部材を保持して移動するステージと、
を備える露光装置。 - 基板を保持する基板保持方法であって、
ベース部材の載置面を通して前記載置面の法線方向に移動可能に設けられた第1の棒状部材の先端部で前記基板を吸着することと、
前記ベース部材に前記第1の棒状部材を囲むように、かつ前記載置面を通して前記法線方向に移動可能に設けられた複数の第2の棒状部材のそれぞれの先端部で前記基板を支持することと、
を含む基板保持方法。 - 前記第1の棒状部材の先端部及び前記第2の棒状部材の先端部で前記基板を支持している状態で、前記基板が前記載置面に向かって凸状になるように、前記第1の棒状部材及び前記第2の棒状部材の前記法線方向の位置を制御しつつ、前記第1及び第2の棒状部材を前記載置面側に降下させることと、
前記第1及び第2の棒状部材を前記ベース部材側に降下させて、前記基板を前記ベース部材に受け渡すことと、を含む請求項18に記載の基板保持方法。 - 複数の前記第2の棒状部材は、前記載置面に前記第1の棒状部材を囲むようにほぼ等角度間隔で設けられる請求項18又は19に記載の基板保持方法。
- 前記第1の棒状部材は、前記載置面の複数の前記第2の棒状部材で囲まれた領域の中心の回りにほぼ等角度間隔で3箇所に配置されている請求項18〜20のいずれか一項に記載の基板保持方法。
- 前記第1及び第2の棒状部材で支持されている前記基板を前記ベース部材に受け渡すときに、前記基板を前記ベース部材の前記載置面に吸着することを含む請求項18〜21のいずれか一項に記載の基板保持方法。
- 前記第2の棒状部材の前記先端部には摩擦を低減するための表面加工がなされている請求項18〜22のいずれか一項に記載の基板保持方法。
- 前記表面加工は、前記第2の棒状部材の前記先端部に形成されたダイヤモンドライクカーボン膜を含む請求項23に記載の基板保持方法。
- 前記基板の表面形状を計測することを含み、
前記表面形状の計測結果に基づいて、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方における前記先端部の前記法線方向の高さが調整される請求項18〜24のいずれか一項に記載の基板保持方法。 - 前記表面形状が計測された後に、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方が前記基板と接触される請求項25に記載の基板保持方法。
- 前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方が前記基板と接触された後に、前記表面形状が計測される請求項25又は26に記載の基板保持方法。
- 基板を保持する基板保持方法であって、
ベース部材の載置面に前記基板を載置するときに、前記ベース部材に設けられた第1の吸着部で前記基板の吸着を開始させることと、
前記第1の吸着部による吸着が開始された後で、前記ベース部材に前記第1の吸着部を囲むように設けられた複数の第2の吸着部で前記基板の吸着を開始させることと、
を含む基板保持方法。 - 複数の前記第2の吸着部は、
前記ベース部材に前記第1の吸着部を囲む第1の円周に沿って設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の吸着部と、
前記ベース部材に前記第1の円周を囲む第2の円周に沿って設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の吸着部と、を有し、
複数の前記第2の吸着部で前記基板の吸着を開始させることは、
前記第1の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させた後、前記第2の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させることを含む請求項28に記載の基板保持方法。 - 複数の第2の吸着部は、
前記ベース部材に前記第2の円周を囲む第3の円周に沿って設けられて、それぞれ前記基板を吸着可能な複数の吸着部を有し、
複数の前記第2の吸着部で前記基板の吸着を開始させることは、
前記第2の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させた後、前記第3の円周に沿って設けられた複数の前記吸着部で前記基板の吸着を開始させることを含む請求項29に記載の基板保持方法。 - 複数の前記第2の吸着部は、
前記第1の円周に沿ってほぼ等角度間隔で配置された少なくとも6個の吸着部と、
前記第2の円周に沿ってほぼ等角度間隔で配置された少なくとも6個の吸着部と、
前記第3の円周に沿ってほぼ等角度間隔で配置された少なくとも6個の吸着部と、を有する請求項30に記載の基板保持方法。 - 前記ベース部材の前記載置面に前記基板を載置するときに、前記ベース部材に前記第1の吸着部を囲むように、かつ前記載置面を通して前記載置面の法線方向に移動可能に設けられた複数の棒状部材の先端部で前記基板を支持しつつ、前記棒状部材を前記前記ベース部材側に降下させることを含む請求項28〜31のいずれか一項に記載の基板保持方法。
- 前記ベース部材の前記載置面に複数の突部が設けられた請求項18〜32のいずれか一項に記載の基板保持方法。
- 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して基板を露光する露光方法において、
請求項18〜33のいずれか一項に記載の基板保持方法を用いて前記基板を保持することと、
前記基板を露光位置に移動することと、
を含む露光方法。 - 請求項17に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。
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