JP6722885B2 - 引戸装置 - Google Patents

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本発明は、引戸装置に関する。
従来より、壁体に設けられた出入口等となる開口をこの開口の壁厚方向一方側において開閉するように壁体の一方面に沿ってスライド自在に、いわゆるアウトセット納め状に建て付けられる引戸が知られている。このようなアウトセット納めとした場合には、引戸の上端側をガイドする上レールが壁面に沿うように取り付けられる。そのため、特に、引戸を閉鎖した状態では、開放された際に引戸が沿わせられる(納められる)側の壁面において上レールが目立ち易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、床面に設けられた下部レールに下部両側の戸車が走行案内される戸パネルの上部案内装置が開示されている。この上部案内装置は、開口枠の上部外面に固定されるガイド枠と戸パネルの上端面に固定されるスライド枠との間にこれらに対して相対スライド可能な遊動ビームを設けた構成とされている。また、ガイド枠に、誘導ビームに設けられたローラが接当して遊動ビームの進出限界及び退入限界を規定するストッパー軸を設けた構成とされている。
特開平9−209649号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された上部案内装置では、戸パネルが全開位置及び閉鎖位置に移動する際に、ストッパー軸に対する衝撃が大きくなることが考えられた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、戸板の上端側をガイドする部材を閉鎖位置において目立ち難くしながらも、閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板の衝撃を緩和し得る引戸装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る引戸装置は、壁体に設けられた開口を該開口の壁厚方向一方側において開閉するように前記壁体の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる戸板と、前記壁体の一方側の床側に配設され、前記戸板の荷重を受けて該戸板の下端側をガイドする下レールと、前記壁体の一方側において前記開口の上縁部分に沿って取り付けられる壁側レール部材及びこの壁側レール部材に対してスライド自在に結合されて保持され、前記戸板の上端側に配設される戸側レール部材を有し、該戸板の上端側をガイドする上ガイド部材と、を備えており、前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの一方に、閉鎖位置移動する前記戸板を減速させる緩衝機構と全開位置に移動する前記戸板を減速させる緩衝機構とが設けられ、前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの他方にこれら緩衝機構を作動させる作用部が設けられていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る引戸装置は、壁体に設けられた開口を該開口の壁厚方向一方側において開閉するように前記壁体の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる戸板と、前記壁体の一方側の床側に配設され、前記戸板の荷重を受けて該戸板の下端側をガイドする下レールと、前記壁体の一方側において前記開口の上縁部分に沿って取り付けられる壁側レール部材及びこの壁側レール部材に対してスライド自在に結合されて保持され、前記戸板の上端側に配設される戸側レール部材を有し、該戸板の上端側をガイドする上ガイド部材と、前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの一方に設けられ、閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する前記戸板を減速させる緩衝機構と、前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの他方に設けられ、前記緩衝機構を作動させる作用部と、を備えており、前記壁側レール部材と前記戸側レール部材とは、これら壁側レール部材及び戸側レール部材のそれぞれに対してスライド自在に結合されて保持された中間レール部材を介して結合されていることを特徴とする。
本発明に係る引戸装置は、上述のような構成としたことで、戸板の上端側をガイドする部材を閉鎖位置において目立ち難くしながらも、閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板の衝撃を緩和することができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示し、(a)は、図2におけるX1−X1線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、図3におけるY−Y線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。 同引戸装置の一例を施工した状態を模式的に示す一部破断概略正面図である。 図2に対応させた一部破断概略正面図である。 図3におけるZ1部に対応させた一部破断概略分解背面図である。 (a)〜(c)は、いずれも図2におけるZ2部に対応させた一部を省略した一部破断概略正面図である。 (a)〜(c)は、いずれも図3におけるZ1部に対応させた一部を省略した一部破断概略正面図である。 本発明の他の実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示す図1(a)に対応させた一部破断概略縦断面図である。 (a)は、図7におけるX2−X2線矢視に対応させた一部破断概略分解縦断面図、(b)は、(a)に対応させた一部破断概略縦断面図である。 (a)は、図7に対応させた一部を省略した一部破断概略分解縦断面図、(b)は、同引戸装置の一部破断概略分解斜視図である。 (a)は、図5(a)に対応させた一部を省略した一部破断概略縦断面図、(b)は、図6(a)に対応させた一部を省略した一部破断概略縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態に係る引戸装置を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1〜図6は、第1実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る引戸装置1は、図1〜図3に示すように、壁体2に設けられた開口3を開口3の壁厚方向一方側において開閉するように壁体2の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる戸板10を備えている。つまり、この戸板10は、壁体の一部に設けられた袖壁に納められる袖壁納めや壁体に設けられた戸袋に納められる戸袋納めではなく、開口3の壁厚方向一方側となる外側においてスライド自在に、いわゆるアウトセット納め状に建て付けられる構成とされている。また、この戸板10は、図3に示す閉鎖位置から戸幅方向(壁幅方向)一方側に片引き状にスライドされて図2に示す全開位置とされれば、開口3の開口幅方向一方側に位置する壁体2の壁厚方向一方側に配される構成とされている。本実施形態では、引戸装置1を、単一の戸板10を備えた構成としている。
また、引戸装置1は、壁体2の一方側(壁厚方向一方側)の床側に配設され、戸板10の荷重を受けて戸板10の下端側をガイドする下レール6を備えている。つまり、引戸装置1は、戸板10の荷重を下レール6によって受ける下荷重型とされている。
また、引戸装置1は、壁体2の一方側において開口3の上縁部分に沿って取り付けられる壁側レール部材21及び戸板10の上端側に配設される戸側レール部材35を有し、戸板10の上端側をガイドする上ガイド部材20を備えている。この戸側レール部材35は、壁側レール部材21に対してスライド自在に結合されて保持されている。
また、引戸装置1は、これら壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方に設けられ、閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板10を減速させる緩衝機構30A,30Bを備えている。また、引戸装置1は、これら壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの他方に設けられ、緩衝機構30A,30Bを作動させる作用部42,42を備えている。
開口3は、図1(b)に示すように、住居等の建物の壁体2を貫通するように設けられ、出入口を構成する。図例では、開口3の上側及び左右(開口幅方向)両側を、開口枠を構成する上枠4及び一対の縦枠5,5によって区画した例を示している。また、図例では、これら上枠4及び一対の縦枠5,5を、これらの壁厚方向(見込方向)両端部がいわゆるちり部となるように壁厚方向両面から突出する固定枠とした例を示している。
また、この開口3の下側は、床面によって区画するようにしてもよく、下枠によって区画するようにしてもよい。また、このような開口枠4,5,5を備えた引戸装置1として把握するようにしてもよい。また、本実施形態では、開口3を、開口枠4,5,5によって区画した例を示しているが、このような開口枠4,5,5を設けずに、無枠状にクロス仕上された内側面によって区画するようにしてもよい。
下レール6は、戸板10のスライド方向(戸幅方向)に沿って長尺状とされ、図2に示す全開位置と図3に示す閉鎖位置とに亘ってスライドする戸板10の下端側のガイドが可能なように床側に配設される。図例では、この下レール6の長さを、閉鎖位置の戸板10の戸先側端面から全開位置の戸板10の戸尻側端面までの戸幅方向に沿う寸法に応じた寸法とした例を示している。つまりは、下レール6は、開口3の開口幅寸法の2倍以上の長さとされている。また、この下レール6には、上方に向けて開口するガイド溝7が長手方向に延びるように設けられている。
この下レール6は、図1(b)に示すように、開口3の壁厚方向一方側となる両縦枠5,5の壁厚方向一方側に位置するように配される。図例では、この下レール6を、その長手方向一端部が閉鎖位置とされた戸板10の戸先側端部近傍に位置する一方の縦枠5の壁厚方向一方側に位置するように配した例を示している。また、図例では、この下レール6を、両縦枠5,5の壁厚方向一方面に近接するように配した例を示している。
また、本実施形態では、この下レール6を、床上に設置される、いわゆる直付レールとしている。なお、このような態様に代えて、下レール6を、床に埋込状に設けられるものとしてもよい。
また、本実施形態では、この下レール6の長手方向両端部に、戸板10の閉鎖位置及び全開位置をそれぞれに規制する一対のストッパー部8,9を設けた構成としている。つまり、下レール6の長手方向一端部に戸板10の閉鎖位置を規制する閉鎖側ストッパー部8を設け、下レール6の長手方向他端部に戸板10の全開位置を規制する全開側ストッパー部9を設けた構成としている。これらストッパー部8,9は、上方に向けて突出するように設けられている。閉鎖側ストッパー部8は、戸板10の戸先側端面の下端部に当接して戸板10の閉鎖方向先側への更なる移動を抑制する構成とされている。全開側ストッパー部9は、戸板10の戸尻側端面の下端部に当接して戸板10の開放方向先側への更なる移動を抑制する構成とされている。なお、これらストッパー部8,9の上方側への突出寸法は、戸板10の移動の抑制が可能なように、また、見栄え上の観点等から適宜、設定するようにしてもよい。
戸板10は、上下に長尺状とされ、図3に示すように、閉鎖位置において、壁厚方向(戸厚方向)一方側から見て開口3の略全体を覆う構成とされている。また、戸板10は、図2に示すように、全開位置において、この全開位置とされた戸板10の戸先側端部近傍に位置する他方の縦枠5の内側面(見込面)と戸先側端面とが略同一平面状となるように配される。
本実施形態では、図1及び図3に示すように、戸板10の上下寸法及び戸幅寸法を、開口3の開口高寸法及び開口幅寸法よりも大としている。図例では、戸板10の上下寸法を、閉鎖位置において、壁厚方向一方側から見て上枠4の全体を覆い得る寸法としている。また、戸板10の戸幅寸法を、閉鎖位置において、壁厚方向一方側から見て両側の縦枠5,5の略全体を覆い得る寸法としている。
この戸板10の戸先側端部には、当該戸板10を開閉する際の手掛けとなる適宜の引手12が設けられている。
また、本実施形態では、戸板10の下端部に、下レール6のガイド溝7に係合する戸車11を設けている。図例では、戸板10の下端部の戸幅方向両端部のそれぞれに戸車11,11を設けた例を示している。これら戸車11,11は、一部が戸板10の下端面から下方に向けて突出するように設けられている。また、これら戸車11,11は、戸厚方向に軸方向を沿わせた軸廻りに回転自在とされ、下レール6のガイド溝7に係合して転動する構成とされている。なお、このような戸車11を戸板10の下端部に設けた態様に代えて、戸板10の下端部に設けられた突条や下端部自体が下レール6のガイド溝7に係合してガイドされる態様等としてもよい。
上ガイド部材20は、互いにスライド自在に結合された壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方に緩衝機構30A,30Bを設け、他方に作用部42,42を設けた構成とされ、戸板10の上端側をガイドする上レールユニットを構成する。
本実施形態では、壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方に、閉鎖位置に移動する戸板10を減速させる緩衝機構(閉鎖側緩衝機構)30Bと全開位置に移動する戸板10を減速させる緩衝機構(閉鎖側緩衝機構)30Aとを設けた構成としている。これら緩衝機構30A,30Bは、戸板10を減速させ、跳ね返りや衝撃を緩和する構成とされている。また、これら壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの他方に、これら緩衝機構30A,30Bを作動させる作用部42,42を設けた構成としている。
また、本実施形態では、壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方としての壁側レール部材21に、緩衝機構30A,30Bを設け、これらのうちの他方としての戸側レール部材35に、作用部42,42を設けた構成としている。
壁側レール部材21は、図2及び図3に示すように、戸幅方向に沿って長尺状とされている。この壁側レール部材21は、当該壁側レール部材21に対してスライドされる戸側レール部材35によって閉鎖位置と全開位置とに亘ってスライドする戸板10の上端側のガイドが可能なように設けられている。また、この壁側レール部材21は、開口3の上縁部分に加え、全開位置において戸板10が納められる側に延びるように配設される構成とされ、その長さ寸法が開口3の開口幅寸法よりも大とされている。本実施形態では、図3に示すように、この壁側レール部材21の長さ寸法を、戸板10の戸幅寸法と略同寸法としている。この壁側レール部材21の長さ寸法は、全開位置において必要となる戸板10の戸先側端部と壁側レール部材21との戸幅方向に沿う重なり幅に開口3の開口幅寸法を足し合わせた寸法に応じた寸法としてもよい。なお、互いにスライド自在に結合された壁側レール部材21及び戸側レール部材35の構成によっては、壁側レール部材21の長さ寸法を、開口3の開口幅寸法と略同寸法としてもよい。
戸側レール部材35は、図3に示すように、少なくとも閉鎖位置において戸幅方向で壁側レール部材21の長さ内に位置するように配される構成とされている。本実施形態では、図2に示すように、この戸側レール部材35を、戸板10の戸先側端部の上端側に配されるものとし、全開位置においても戸幅方向で壁側レール部材21の長さ内に位置するように配される構成としている。
また、これら壁側レール部材21及び戸側レール部材35には、図1(a)に示すように、互いにスライド自在に結合されてスライドレールを構成する壁側レール26及び戸側レール36がそれぞれに設けられている。これら壁側レール26と戸側レール36との間には、リテーナ(保持器)やこれに回転自在に保持される転動体としてのボール等が設けられている。
また、壁側レール部材21は、この壁側レール26が固定され、取付対象としての壁体2側に取り付けられる壁側ベース部材22を備えている。これら壁側ベース部材22と壁側レール26とは、互いに略同長さとされている。
壁側ベース部材22は、全長に亘って一様な断面形状とされており、壁体2側に取り付けられる取付片部23を備えている。
この取付片部23は、壁厚方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされており、ねじや釘等の適宜の止具によって壁体2側に固定される。図例では、この取付片部23を、上枠4との間に間隔を空けて上枠4よりも上方側に位置するように固定した例を示しているが、上枠4の上面や壁厚方向一方側に向く面に沿わせるように固定した構成としてもよい。また、図例では、壁体2との間にスペーサーを介して取付片部23を固定した例を示している。なお、この取付片部23に、止具挿通孔や止具止着箇所の目印となる目印溝等を設けた構成としてもよい。
また、壁側ベース部材22には、緩衝機構30A,30B及び壁側レール26が固定されてこれらを保持する固定保持部24,25が設けられている。本実施形態では、固定保持部24,25を、壁厚方向一方側から壁厚方向に沿う方向に見て緩衝機構30A,30B及び壁側レール26を覆うように設けた構成としている。
また、固定保持部24,25を、取付片部23の下端部から壁厚方向一方側に向けて突出するように設けられた水平片部24と、この水平片部24の突出方向先端部から垂れ下がるように設けられた垂下片部25と、を備えた構成としている。
水平片部24は、上下方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされている。本実施形態では、この水平片部24の下面側に緩衝機構30A,30Bを設けた構成としている。
垂下片部25は、壁厚方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされている。本実施形態では、この垂下片部25の壁厚方向他方側(背面側)に壁側レール26を設けた構成としている。
また、本実施形態では、壁側レール26及び戸側レール36を、壁厚方向で(戸幅方向に沿う方向に見て)緩衝機構30A,30Bの壁厚方向一方側に位置するように設けた構成としている。水平片部24の壁厚方向に沿う突出寸法(幅寸法)は、これら壁側レール26及び戸側レール36並びに緩衝機構30A,30Bが下面側に配設可能なように適宜の寸法とされている。
また、垂下片部25の上下方向に沿う寸法(幅寸法)は、壁厚方向一方側から壁厚方向に沿う方向に見て、これら壁側レール26及び戸側レール36並びに緩衝機構30A,30Bを覆い得るように適宜の寸法とされている。本実施形態では、この垂下片部25の幅寸法を、水平片部24と戸板10の上端面との間の空間を覆い得るように、水平片部24から戸板10の上端面までの上下方向に沿う寸法に応じた寸法としている。
また、図例では、この垂下片部25に連なるように、水平片部24の突出方向先端部から立ち上がるように設けられた立上片部を設けた例を示している。この立上片部の上下方向に沿う寸法(幅寸法)は、取付片部23に壁厚方向一方側から止具の止着が可能なように、取付片部23の上下方向に沿う寸法(幅寸法)よりも小とされている。このような立上片部を設けた構成とすれば、取付片部23に止着された止具を目立ち難くすることができる。
壁側レール26は、全長に亘って一様な断面形状とされており、壁側ベース部材22の水平片部24と垂下片部25との入隅部に沿うように固定されている。この壁側レール26は、壁側ベース部材22に対して適宜の止具や溶接等によって固定されたものでもよい。
また、本実施形態では、この壁側レール26を、スライドレール26,36のアウターメンバー(アウターレール)を構成するものとしている。この壁側レール26は、スライドレール26,36のインナーメンバー(インナーレール)を構成する戸側レール36を収容するように一方向に向けて開口した凹溝を設けた形状とされている。本実施形態では、この壁側レール26を、凹溝が壁厚方向他方側に向けて開口するように配設した構成としている。また、この壁側レール26の凹溝の溝幅方向両側面は、ボールに応じた凹湾曲面状とされている。
全開側緩衝機構30Aと閉鎖側緩衝機構30Bとは、図2及び図3に示すように、本実施形態では、壁側ベース部材22の長手方向両端側に対状に設けられている。また、全開側緩衝機構30Aを、全開位置の戸板10の戸先側端部に応じた位置となるように、壁側ベース部材22における戸板10納め側の壁体2に延出された側となる長手方向一端側に設けた構成としている。また、閉鎖側緩衝機構30Bを、閉鎖位置の戸板10の戸先側端部に応じた位置となるように、壁側ベース部材22の長手方向他端側に設けた構成としている。
これら全開側緩衝機構30Aと閉鎖側緩衝機構30Bとは、互いに同様な構成とされており、壁厚方向に沿う方向に見て、これらの間の壁幅方向に沿う方向中心を対称軸とする線対称状となるように配されている(図5及び図6も参照)。
これら緩衝機構30A,30Bは、壁側レール部材21の長手方向(レール長手方向)に沿って長尺なブロック状とされており、壁側ベース部材22の水平片部24の下面に沿うように固定されている。
本実施形態では、緩衝機構30A,30Bを、戸板10を減速させる機能に加え、戸板10の全開位置側及び閉鎖位置側への移動をアシスト(助勢)する機能(引込機能)を有した構成としている。つまり、これら緩衝機構30A,30Bは、全開位置側及び閉鎖位置側に移動する戸板10を減速させながら全開位置側及び閉鎖位置側に助勢する構成とされている。
また、これら緩衝機構30A,30Bは、図4〜図6に示すように、長尺筒状とされたケーシング内に、開口幅方向に沿って伸縮するロッドを有したシリンダー31,31を設けた構成とされている。また、これらシリンダー31,31のロッドの先端部に、スライド体32,32を連結した構成とされている。これらスライド体32,32は、作用部42,42に係合し、ケーシングに対して開口幅方向にスライドされる構成とされている。
シリンダー31,31は、互いの対向側となるレール長手方向中央側においてロッドを伸縮させるように配されている。これらシリンダー31,31には、ロッドを縮退方向、つまり、レール長手方向外方側に付勢し、戸板10を助勢する引張コイルばね等からなる付勢部材が設けられている。つまりは、これら付勢部材は、シリンダー31,31に対してロッドが伸長された状態で、助勢力が蓄勢された状態とされる。
また、シリンダー31,31には、付勢部材の付勢に抗するように、縮退されるロッドの作動抵抗となるダンパー(ショックアブソーバー)が設けられている。これらダンパーの作動抵抗(作動流体の粘性抵抗等)によって付勢部材の復元が抑えられてスライド体32,32の移動が減速され、全開側及び閉鎖側に移動する戸板10の減速がなされる構成とされている。なお、シリンダー31,31のロッドの伸縮寸法(ストローク)、つまりは、スライド体32,32のスライド方向に沿う可動寸法は、戸板10の減速が可能なように、適宜、設定するようにしてもよい。
スライド体32,32は、上方側に向けて突出する突片部状とされた作用部42,42をレール長手方向両側から挟むように、これら作用部42,42に係合する第1突起部33,33と第2突起部34,34とを有している。これら第1突起部33,33及び第2突起部34,34は、ケーシングの下面から下方側に向けて突出するように設けられている。ケーシングの下面を構成する底板部には、これら第1突起部33,33及び第2突起部34,34のスライドを可能とするレール長手方向に長尺なスライド溝が設けられている。
レール長手方向中央側に設けられた第1突起部33,33は、戸板10のスライドを伴い作用部42,42に対する係合解除が可能なように、ケーシングに対して上下方向に概ね沿う方向に出没自在とされている。
各緩衝機構30A,30Bのケーシングのスライド溝には、レール長手方向中央側に第1突起部33,33の没入を許容する大径部が設けられ、この大径部よりもレール長手方向外方側において第1突起部33,33を突出させた状態でスライドさせる構成とされている。緩衝機構30A,30Bには、このように没入状態とされた第1突起部33,33を保持する保持部が設けられている。
第2突起部34,34は、常に突出した状態とされ、上記のように保持部によって没入状態で保持された第1突起部33,33を突出させる当接部としても機能する。
戸側レール部材35は、本実施形態では、図4に示すように、戸幅方向に沿う長さ寸法が、壁側レール部材21の長さ寸法よりも小とされている。この戸側レール部材35の長さ寸法は、壁側レール部材21の長さ寸法から開口3の開口幅寸法を差し引いた寸法に概ね応じた寸法とされている。また、この戸側レール部材35の長さ寸法は、壁厚方向に見て壁体2に重なり合う閉鎖位置の戸板10の戸尻側部位の戸幅寸法に概ね応じた寸法とされている(図2及び図3参照)。
本実施形態では、この戸側レール部材35に、当該戸側レール部材35に対する戸板10の上下動を許容するように戸板10の上端部を保持する保持部38を設けた構成としている。また、戸側レール部材35に、当該戸側レール部材35に対して戸板10を下方側に付勢する付勢部材43を設けた構成としている。
また、戸側レール部材35に、戸側レール36が固定され、保持部38が設けられた戸側ベース部材37を設けた構成とされている。これら戸側レール36と戸側ベース部材37とは、互いに略同長さとされている。
戸側レール36は、全長に亘って一様な断面形状とされており、上記した壁側レール26とによってスライドレール26,36を構成するように設けられている。
この戸側レール36は、幅方向を上下方向に沿わせて配され、幅方向両側面がボールに応じた凹湾曲面状とされている。この戸側レール36の幅方向両側面と壁側レール26の凹溝の溝幅方向両側面との間に複数のボールが回転自在に設けられている。このような構成により、戸側レール36は、壁側レール26に対して戸幅方向にはスライド自在とされる一方、それ以外の方向(上下方向及び壁厚方向)への移動が壁側レール26によって抑止された構成とされている。
また、戸側レール36は、戸板10の移動を伴い壁側レール26に対して戸幅方向に移動し、全開位置では、壁側レール部材21における全開側緩衝機構30Aが設けられた側となる長手方向一端側に位置するように配される構成とされている。また、戸側レール36は、戸板10の移動を伴い壁側レール26に対して戸幅方向に移動し、閉鎖位置では、壁側レール部材21における閉鎖側緩衝機構30Bが設けられた側となる長手方向他端側に位置するように配される構成とされている。つまり、本実施形態では、スライドレール26,36を、戸側レール36が壁側レール26の長さの範囲内においてスライド自在とされたいわゆるリニアモーション型としている。なお、壁側レール26の長手方向両端部等の適所に、壁側レール26の長手方向両端からの戸側レール36の突出を抑止するストッパー等を設けた構成としてもよい。
戸側ベース部材37は、全長に亘って一様な断面形状とされている。この戸側ベース部材37には、戸側レール36が固定された固定片部37aと保持部38が設けられた保持片部37bとが設けられている。
固定片部37aは、壁厚方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、戸側レール36の壁厚方向他方側に固定されている。戸側レール36は、固定片部37aに対して適宜の止具や溶接等によって固定されたものでもよい。
保持片部37bは、上下方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、本実施形態では、固定片部37aの下端部から壁厚方向他方側に向けて突出するように設けられている。
本実施形態では、戸板10の上端部に、上方側に向けて突出するように連結突部15を設けた構成とし、保持片部37bに、この連結突部15を上下動自在に受け入れて保持する保持部を構成する保持凹部38を設けた構成としている。
また、戸板10の上端部に、戸幅方向に間隔を空けて複数(図例では、2つ)の連結突部15,15を設け、保持片部37bに、これら連結突部15,15に対応させて戸幅方向に間隔を空けて複数(図例では、2つ)の保持凹部38,38を設けた構成としている。また、これら保持凹部38,38を、戸側ベース部材37の長手方向両端部のそれぞれに設けた構成としている。
また、本実施形態では、これら保持凹部38,38を、保持片部37bを厚さ方向に貫通するように設け、連結突部15,15が挿通される挿通孔としている。連結突部15,15の上下方向に沿う突出寸法は、所望する戸板10の上下動の許容寸法に応じて適宜の寸法としてもよい。
また、連結突部15,15の上端部に、これら保持凹部38,38に挿通された連結突部15,15の抜止となる抜止部としての鍔状部15a,15aをそれぞれに設けた構成としている。なお、これら連結突部15,15は、略円柱形状や略多角柱状等とされたものでもよく、また、保持凹部38,38は、これら連結突部15,15に応じて丸孔状や略多角形孔状等とされたものでもよい。
また、本実施形態では、これら連結突部15,15を、戸板10の戸先側端部の上端部に戸幅方向外方側及び上方側に向けて開口するように設けられた凹所状の取付部(カップ部)13に取り付けられる被取付部14に設けた構成としている。
被取付部14は、戸幅方向に長尺なブロック状とされており、その上面から上方側に向けて突出させるように連結突部15,15を設けた構成とされている。この被取付部14は、戸板10の取付部13に埋込状に嵌め込まれる構成とされている。なお、この被取付部14は、戸板10の取付部13に嵌め込むのみで取り付けられる構成とされたものでもよく、適宜の止具や接着剤等によって取り付けられる構成とされたものでもよい。また、図例では、被取付部14の長さ寸法を、戸側レール部材35よりも戸先側に延出するように長尺状とした例を示しているが、戸側レール部材35と略同長さとしてもよく、戸側レール部材35よりも小としてもよい。
また、本実施形態では、当該戸側レール部材35に対して戸板10を下方側に付勢する付勢部材43を、保持片部37bと戸板10の上端面との間に位置するように設けた構成としている。また、戸幅方向に間隔を空けて複数(図例では、2つ)の付勢部材43,43を設けた構成としている。また、これら付勢部材43,43を、連結突部15,15がそれぞれに挿通された圧縮コイルばねとしている。これら付勢部材43,43は、戸板10の上端部に取り付けられた被取付部14を保持片部37bに対して下方側に向けて付勢する構成とされている。なお、付勢部材43,43としては、圧縮コイルばねに限られず、後記する第2実施形態のような板ばねでもよく、その他のばね部材でもよく、また、ばね部材に限られず、ゴム等の弾性部材でもよい。
上記のような構成により、被取付部14、つまり戸板10が保持片部37bに対して上方側に変位すれば、付勢部材43,43の弾性変形(圧縮変形)を伴い、連結突部15,15が保持片部37bに対して上方側に変位する(図1(a)参照)。一方、被取付部14、つまり戸板10が保持片部37bに対して下方側に変位すれば、付勢部材43,43の復元(伸長)を伴い、連結突部15,15が保持片部37bに対して下方側に変位する(図4参照)。このような構成により、戸板10の上端側が保持されながらも戸板10が上下動可能となる。なお、この戸板10の上下動の許容寸法は、数mm〜十数mm程度の小さい寸法としてもよい。
また、被取付部14及び連結突部15,15も含めて戸側レール部材35(上ガイド部材20)として把握するようにしてもよい。なお、このように保持部としての保持凹部38,38に対して上下動自在に保持される被保持部としての連結突部15,15を戸側レール部材35に対して上下動自在に連結して一体的に設けた態様に代えて、戸板10に直接的に設けた態様等としてもよい。
また、本実施形態では、保持片部37bに、図4〜図6に示すように、上記した緩衝機構30A,30Bを作動させる作用部42,42を設けた構成としている。また、本実施形態では、全開側緩衝機構30Aを作動させる作用部42を有した全開側トリガー部40Aと、閉鎖側緩衝機構30Bを作動させる作用部42を有した閉鎖側トリガー部40Bと、を設けた構成としている。これら全開側トリガー部40Aと閉鎖側トリガー部40Bとは、保持片部37bの長手方向に間隔を空けて対状に設けられている。本実施形態では、保持片部37b(戸側レール部材35)の戸幅方向で戸尻側に全開側トリガー部40Aを設け、保持片部37b(戸側レール部材35)の戸幅方向で戸先側に閉鎖側トリガー部40Bを設けた構成としている。また、これら全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bを、戸幅方向で保持凹部38,38の間に位置するように設けた構成としている。
また、これら全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bに、突出状態とされたスライド体32,32の第1突起部33,33を正常な没入状態に復帰させる復帰部41,41を設けた構成としている。これら復帰部41,41は、戸幅方向でそれぞれの作用部42,42の外方側に位置するように設けられている。つまり、全開側トリガー部40Aの作用部42よりも戸尻側に全開側トリガー部40Aの復帰部41を設け、閉鎖側トリガー部40Bの作用部42よりも戸先側に閉鎖側トリガー部40Bの復帰部41を設けた構成としている。これら全開側トリガー部40Aと閉鎖側トリガー部40Bとは、互いに同様な構成とされており、壁厚方向に沿う方向に見て、これらの間の戸幅方向に沿う方向中心を対称軸とする線対称状となるように設けられている。
これら全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bの作用部42,42は、保持片部37bから上方側に向けて突出するように設けられた突片部状とされ、戸厚方向に見て略矩形状とされている。これら作用部42,42の戸幅方向に沿う寸法は、上記したスライド体32,32の第1突起部33,33から第2突起部34,34までの戸幅方向に沿う寸法に応じた寸法とされている。これら作用部42,42は、全開側及び閉鎖側のそれぞれに移動する戸板10の減速が可能なように、上記した緩衝機構30A,30Bのシリンダー31,31のロッドのストローク等に応じて、適宜の位置に設けるようにしてもよい。
また、これら全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bの復帰部41,41は、保持片部37bから上方側に向けて突出するように設けられている。これら復帰部41,41の作用部42,42側に向く面は、スライド体32,32の第1突起部33,33に当接される係合面とされている。また、これら復帰部41,41の上端部の反作用部側には、斜め上方側に向く下り坂状の傾斜面が設けられている。また、これら復帰部4,41は、突出状態の第1突起部33,33に係合する一方、第2突起部34,34には干渉しないように設けられている。
なお、図例では、これら全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bを、保持片部37bに一体的に設けたように図示しているが、保持片部37bに対して固定される別体とされたものとしてもよい。また、これら全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bを、保持片部37bに対して位置調整可能に固定されるものとしてもよい。また、全開側緩衝機構30A及び閉鎖側緩衝機構30Bをそれぞれに作動させる作用部42,42を個別に設けた例を示しているが、全開側緩衝機構30A及び閉鎖側緩衝機構30Bの両方を作動させる共用の単一の作用部42を設けた構成としてもよい。
上記構成とされた引戸装置1の戸板10が全開位置に移動する際には、図5に示すように、以下のように減速がなされる。
つまり、図5(a)、(b)に示すように、戸板10を開放側に向けて移動させ、全開側緩衝機構30Aのスライド体32の第2突起部34に、全開側トリガー部40Aの作用部42が当接すれば、第1突起部33が突出して作用部42に係合する。これにより、図5(b)、(c)に示すように、全開側緩衝機構30Aが作動、つまりは、シリンダー31のロッドの縮退による減速と付勢部材の付勢による助勢とがなされ、戸板10が全開位置となる。この全開位置から戸板10を閉鎖側に移動させれば、図5(b)及び図5(a)に示すように、作用部42によって全開側緩衝機構30Aが作動、つまりは、シリンダー31のロッドが伸長され、助勢力が蓄勢された状態でスライド体32が保持される。つまり、ロッドが伸長された状態で第1突起部33が没入されて保持される。
一方、戸板10が閉鎖位置に移動する際には、図6に示すように、以下のように減速がなされる。
つまり、図6(a)、(b)に示すように、戸板10を閉鎖側に向けて移動させ、閉鎖側緩衝機構30Bのスライド体32の第2突起部34に、閉鎖側トリガー部40Bの作用部42が当接すれば、第1突起部33が突出して作用部42に係合する。これにより、図6(b)、(c)に示すように、閉鎖側緩衝機構30Bが作動、つまりは、シリンダー31のロッドの縮退による減速と付勢部材の付勢による助勢とがなされ、戸板10が閉鎖位置となる。この閉鎖位置から戸板10を開放側に移動させれば、図6(b)及び図6(a)に示すように、上記同様、作用部42によって閉鎖側緩衝機構30Bが作動、つまりは、シリンダー31のロッドが伸長され、助勢力が蓄勢された状態でスライド体32が保持される。つまり、ロッドが伸長された状態で第1突起部33が没入されて保持される。
また、戸板10を建て付ける際や、振動等によって意図せずに保持部による保持が解除されて第1突起部33,33が突出した状態となれば、詳細な説明は省略するが、以下のようにしてもよい。復帰部41,41を第1突起部33,33に当接させて没入させ、復帰部41,41の係合面に第1突起部33,33を係合させた状態で、戸板10を逆側に移動させシリンダー31,31のロッドを伸長させ、第1突起部33,33を正常な没入状態とするようにしてもよい。
また、本実施形態では、全開側緩衝機構30Aが作動される際に、戸板10の戸尻側端部に設けられた被規制部材16に係合して戸板10の戸尻側の浮き上がりを抑制する規制部材18を設けた構成としている。
被規制部材16は、図1〜図3に示すように、戸板10の戸尻側端部における壁体2側に向く面(壁厚方向他方側面)の下端部に設けられている。この被規制部材16は、戸板10の戸尻側端部の下端部に取り付けられた取付部に、壁厚方向他方側に向けて突出するように被係合片部17を設けた構成とされている。また、この被規制部材16は、閉鎖位置において戸幅方向で開口3側に露出しないように設けられている。被係合片部17は、上下方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされている。この被係合片部17の突出寸法や戸幅方向に沿う寸法は、規制部材18に係合して戸板10の開放側への移動方向前方側となる戸尻側の浮き上がりを効果的に抑制する観点等から適宜の寸法としてもよい。
規制部材18は、図1〜図3に示すように、下レール6の全開側ストッパー部9側に位置するように、壁体2の壁厚方向一方側の下端部に配設される構成とされている。
この規制部材18には、図1(a)に示すように、壁厚方向一方側に向けて開口し、被規制部材16の被係合片部17を受け入れる係合凹溝19が壁幅方向に沿う方向の全体に亘って設けられている。この係合凹溝19の溝幅方向一方側の溝側面となる下方側に向く面(係合面)によって被規制部材16の被係合片部17の上方側への移動が抑制され、全開位置に移動する戸板10の移動方向前方側となる戸尻側の浮き上がりが抑制される。なお、これら規制部材18及び被規制部材16を、上記した全開側緩衝機構30Aのスライド体32に作用部42が係合する直前に互いに係合する構成とされたものとしてもよい。
また、上記構成とされた引戸装置1を設置する際には、被取付部14が連結突部15,15を介して戸側レール部材35に連結された上ガイド部材20及び下レール6を設置した状態で、これらに戸板10を建て付けて設置するようにしてもよい。この際、戸板10の戸車11,11を下レール6に係合させ、被取付部14を上方側に押し上げた状態で、戸板10の取付部13に嵌め込むようにして取り付けるようにしてもよい。
本実施形態に係る引戸装置1は、上述のような構成としたことで、戸板10の上端側をガイドする部材を閉鎖位置において目立ち難くしながらも、閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板10の衝撃を緩和することができる。
つまり、壁体2に設けられた開口3を開口3の壁厚方向一方側において開閉するように壁体2の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる戸板10と、この戸板10の下端側をガイドする下レール6と、を備えた構成としている。従って、戸板10を下レール6に沿ってスライド自在にアウトセット状に納めることができる。
また、壁側レール部材21及びこの壁側レール部材21に対してスライド自在に結合されて保持される戸側レール部材35を有し、戸板10の上端側をガイドする上ガイド部材20を備えた構成としている。従って、これら壁側レール部材21と戸側レール部材35とによって戸板10の上端側をガイドすることができる。また、閉鎖位置では、これら壁側レール部材21と戸側レール部材35とが重なり合うように配設されるので、戸板10の納め側の壁面の一方側にも延びるように上レールを設けたものと比べて、戸板10の上端側をガイドする上ガイド部材20を目立ち難くすることができる。
また、壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方に、全開位置及び閉鎖位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板10を減速させる緩衝機構30A,30Bを設け、他方に、作用部42,42を設けた構成としている。従って、全開位置及び閉鎖位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板10の衝撃を緩和することができる。また、互いにスライド自在に結合された壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方に緩衝機構30A,30Bを設け、他方に作用部42,42を設けた構成としているので、これらが言わばユニット化されたレールユニットとなり、取扱性を向上させることができる。また、戸板10の開閉に伴う緩衝機構30A,30Bに対する作用部42,42の位置ずれが生じ難くなり、緩衝機構30A,30Bを確実に作動させることができる。また、緩衝機構30A,30B及び作用部42,42の一方を戸板10の上端部等に設けた場合に戸板10の高さ調整をした場合には、他方に対する上下位置の位置調整をする必要が生じることが考えられるが、このような調整を不要とすることができる。
また、本実施形態では、緩衝機構30A,30Bを、壁側レール部材21に設けた構成としている。従って、戸側レール部材35に緩衝機構30A,30Bを設けたものと比べて、戸板10の開閉に伴う振動等の影響を受け難く損傷等を抑制することができる。
また、本実施形態では、壁側レール部材21(壁側レール26)に対して戸側レール部材35(戸側レール36)を直接的にスライド自在に結合した構成としている。つまり、これら壁側レール26及び戸側レール36によって一組のスライドレール(シングルスライドレール)を構成している。従って、後記する第2実施形態のように中間レール部材27を設けたものと比べて構造の簡略化を図ることができる。
なお、スライドレールを構成する壁側レール26及び戸側レール36としては、上記のようなボール等の転動体を介在させた態様に限られず、ローラー等を介在させた態様等としてもよく、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。
また、本実施形態では、壁側レール部材21及び戸側レール部材35のうちの一方に、閉鎖側緩衝機構30Bと全開側緩衝機構30Aとを設け、他方に、これら緩衝機構30A,30Bを作動させる作用部42,42を設けた構成としている。従って、閉鎖位置及び全開位置のいずれ側に移動する戸板10の衝撃も緩和することができる。また、上記同様、これら緩衝機構30A,30Bに対する作用部42,42の位置ずれが生じ難くなり、各緩衝機構30A,30Bを確実に作動させることができる。
また、本実施形態では、全開位置に移動する戸板10を減速させる全開側緩衝機構30Aが作動される際に、戸板10の戸尻側端部に係合して戸板10の戸尻側の浮き上がりを抑制する規制部材18を設けた構成としている。従って、上記のように上端側のガイドの簡略化を図りながらも、全開位置に移動する戸板10の戸尻側の浮き上がりを抑制することができ、下レール6からの脱離等を抑制することができる。
また、本実施形態では、戸側レール部材35に、当該戸側レール部材35に対する戸板10の上下動を許容するように戸板10の上端部を保持する保持部(保持凹部)38,38を設けた構成としている。従って、戸側レール部材35(上ガイド部材20)に対して戸板10を固定的に設けたものと比べて、下レール6に荷重が受けられる戸板10と上ガイド部材20との互いの上下の位置決めを高精度に行う必要性を低減することができる。つまり、上ガイド部材20と戸板10とに互いに上下の位置ずれがあったり、下レール6に不陸等による凹凸があったりするような場合にも、上ガイド部材20に対する戸板10の上下動を許容することができ、戸板10を円滑にスライドさせることができる。また、戸板10の上下動によって上ガイド部材20に対して過度な負荷が掛けられるようなことも抑制することができる。
また、本実施形態では、戸側レール部材35に、当該戸側レール部材35に対して戸板10を下方側に付勢する付勢部材43,43を設けた構成としている。従って、上ガイド部材20に対して上下動が許容された戸板10のがたつきや下レール6からの脱離等を抑制することができる。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図7〜図10は、第2実施形態に係る引戸装置の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る引戸装置1Aは、図7及び図8に示すように、上ガイド部材20Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、壁側レール部材21Aと戸側レール部材35Aとを、これら壁側レール部材21A及び戸側レール部材35Aのそれぞれに対してスライド自在に結合されて保持された中間レール部材27を介して結合した構成としている。
また、本実施形態では、戸側レール部材35Aの戸側ベース部材37Aを、上記第1実施形態よりも長尺状としており、この戸側ベース部材37Aの長さ寸法を、戸板10Aの戸幅寸法と略同寸法としている。つまり、本実施形態では、図8(b)に示すように、この戸側レール部材35A(戸側ベース部材37A)を、全開位置において壁側レール部材21Aから延出するように配される構成としている。
また、本実施形態においても、壁側レール部材21Aに、全開側緩衝機構30A及び閉鎖側緩衝機構30Bを設け、戸側レール部材35Aに、全開側トリガー部40A及び閉鎖側トリガー部40Bを設けた構成としているが、これらを上記とは異なる箇所に設けている。
本実施形態では、全開側緩衝機構30A及び閉鎖側緩衝機構30Bを、上記同様の構成とされた壁側ベース部材22の水平片部24の上面側に設けた構成としている。また、これら緩衝機構30A,30Bを、水平片部24と立上片部との入隅部に沿わせるように設けた構成としている。また、これら緩衝機構30A,30Bを、上記第1実施形態とは上下逆向きとなるように設けた構成としている。つまり、これら緩衝機構30A,30Bを、これらの第1突起部33,33及び第2突起部34,34が上方側に向けて突出するように設けた構成としている。また、これら緩衝機構30A,30Bのシリンダー31,31を、上記第1実施形態とは逆側となる反対向側においてロッドを伸縮させるように配した構成としている。つまり、これら緩衝機構30A,30Bを、上記第1実施形態とは、上下を反転させ、かつレール長手方向に反転させた向きとなるように設けた構成としている。
また、本実施形態では、これら緩衝機構30A,30Bを、互いのシリンダー31,31の基端側を突合わせるように壁側ベース部材22における戸板10A納め側の壁体2に延出された側となる長手方向一端側に設けた構成としている(図8(b)参照)。つまり、これら緩衝機構30A,30Bを、閉鎖位置の戸板10Aの戸尻側端部に応じた位置となるように、壁側ベース部材22の長手方向一端側に設けた構成としている。また、閉鎖側緩衝機構30Bを、全開側緩衝機構30Aよりも反開口側となる壁側ベース部材22の長手方向一端側に設けた構成としている。
また、本実施形態では、壁側レール部材21Aの壁側レール26Aを、壁側ベース部材22の水平片部24の下面側に沿わせるように設けた構成としている。また、本実施形態では、この壁側レール26Aを、当該壁側レール部材21Aの全長に亘って設けていない構成としている。つまり、この壁側レール26Aの長さ寸法を、壁側ベース部材22の長さ寸法よりも小としている。この壁側レール26Aの長さ寸法は、戸板10Aの開閉がなされる際に中間レール部材27との係合が可能なように適宜の寸法としてもよい。また、図例では、この壁側レール26Aの長さ寸法を、戸側レール36の長さ寸法と略同寸法とした例を示している。また、この壁側レール26Aを、壁側ベース部材22の長手方向一端側に寄った位置となるように設けた構成としている。
中間レール部材27は、壁側レール26Aに対して戸側レール36が戸幅方向に伸縮自在となるように設けられている。本実施形態では、これら壁側レール26A及び戸側レール36を含み、複数組(図例では、3組)のスライドレール26A,28,29,36を構成するように中間レール部材27を設けた構成としている。また、これら複数組のスライドレール26A,28,29,36を、上下に積み重ねるように設けた構成としている。
この中間レール部材27は、壁側レール26Aにスライド自在に結合された第1インナーレール28aとこの第1インナーレール28aに逆側を向くように固定的に設けられた第2インナーレール28bとからなる中間インナーレール28を備えている。また、中間レール部材27は、第2インナーレール28bにスライド自在に結合された第1アウターレール29aとこの第1アウターレール29aに逆側を向くように固定的に設けられた第2アウターレール29bとからなる中間アウターレール29を備えている。また、この第2アウターレール29bが戸側レール36にスライド自在に結合された構成とされている。
これら中間インナーレール28及び中間アウターレール29の長さ寸法は、壁側レール26A及び戸側レール36の長さに応じて、また、開閉される戸板10Aの上端側のガイドが可能なように適宜の寸法としてもよい。図例では、これら中間インナーレール28及び中間アウターレール29の長さ寸法を、壁側レール26A及び戸側レール36と略同長さとした例を示している。また、閉鎖位置において、複数組のスライドレール26A,28,29,36が僅かに伸長された状態とした例を示している(図8(a)参照)。図例では、中間インナーレール28に対して中間アウターレール29が壁側ベース部材22の長手方向一端側に向けて僅かに伸長され、中間アウターレール29に対して戸側レール36が壁側ベース部材22の長手方向一端側に向けて僅かに伸長された例を示している。なお、このような態様に代えて、閉鎖位置において、これら複数組のスライドレール26A,28,29,36同士が短縮された状態としてもよい。
また、図8(b)に示すように、全開位置では、複数組のスライドレール26A,28,29,36が伸長された状態となる。このように伸長された状態においても、複数組のスライドレール26A,28,29,36同士の一部が互いに重なり合った状態とされる。なお、全開位置において、これらスライドレール26A,28,29,36が最大限伸長された状態となる構成としてもよく、更なる伸長が可能な状態としてもよい。また、全開位置において、これらスライドレール26A,28,29,36の更なる伸長を抑止するストッパー等を適宜の箇所に設けた構成としてもよい。
戸側レール36が固定された戸側ベース部材37Aの固定片部37Aaは、本実施形態では、上下方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、その上面側に戸側レール36を固定した構成とされている。
また、本実施形態では、戸側ベース部材37Aの保持部としての保持凹部38Aを、戸板10Aの上端部15Aを受け入れる構成としている。つまり、本実施形態では、戸板10Aの上端部15Aに、上記のような取付部13や被取付部14、連結突部15を設けていない構成としている。
この保持凹部38Aは、下方側に向けて開口するように設けられ、下方側を向く底側が固定片部37Aaによって区画されている。また、戸側ベース部材37Aに、この保持凹部38Aの戸厚方向両側を区画するように、固定片部37Aaの戸厚方向両端部から垂れ下がるように保持片部37Ab,37Abを設けた構成としている。これら保持片部37Ab,37Abは、戸厚方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされている。
また、戸側ベース部材37Aに、この保持凹部38Aの戸幅方向両側を区画するように、両側端面部を構成するキャップ状のエンド部材39,39を設けた構成としている(図9(b)参照)。これらエンド部材39,39は、戸側ベース部材37Aに設けられた止具止着箇所に止着される止具を介して戸側ベース部材37Aに固定される構成とされている。
なお、このように別体とされたエンド部材39,39によって保持凹部38Aの戸幅方向両側を区画した態様に代えて、戸側ベース部材37Aに一体的に両側端面部を設けた構成としてもよい。
また、このように区画された保持凹部38Aの上下方向に沿う深さ寸法や戸厚方向に沿う幅寸法、戸幅方向に沿う長さ寸法は、嵌め入れられる戸板10Aの上端部15Aの保持が可能なように適宜の寸法としてもよい。また、保持凹部38Aの深さ寸法は、上記同様、所望する戸板10Aの上下動の許容寸法に応じて適宜の寸法としてもよい。また、保持凹部38Aの幅寸法は、図9(a)に示すように、上ガイド部材20A及び下レール6を設置した状態で、戸板10Aを斜め状にしてその上端部15Aの嵌め入れが可能なように適宜の寸法としてもよい。
また、本実施形態では、この保持凹部38A内に、戸側レール部材35Aに対して戸板10Aを下方側に付勢する付勢部材43Aを設けた構成としている。本実施形態では、戸側ベース部材37Aの長手方向両端部のそれぞれに付勢部材43A,43Aを設けた構成としている。また、本実施形態では、これら付勢部材43A,43Aを、固定片部37Aaの下面側に設けた構成としている。また、これら付勢部材43A,43Aを、板ばね状としている。図例では、これら付勢部材43A,43Aを、戸側ベース部材37Aの長手方向に概ね沿う方向に長尺状とし、長手方向中央部位を固定片部37Aaに固定し、長手方向両端側が戸板10Aの上端面に弾性的に接触される構成とした例を示している。なお、付勢部材43A,43Aとしては、このような板ばね状とされたものに限られず、上記同様、圧縮コイルばねや他のばね部材、弾性部材等としてもよい。
また、本実施形態では、戸側ベース部材37Aに、閉鎖位置において壁側ベース部材22の垂下片部25及び立上片部を覆うように配されるカバー片部37Acを設けた構成としている。このカバー片部37Acは、戸厚方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、壁厚方向一方側の保持片部37Abに連なるように上方側に向けて延出するように設けられている。
また、戸側ベース部材37Aに、カバー片部37Acの上端部から壁厚方向他方側に向けて突出させるように覆い片部37Adを設けた構成としている。この覆い片部37Adは、上下方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、壁側ベース部材22の水平片部24の上面側に設けられた緩衝機構30A,30Bの上方側を覆うように設けられている。
また、本実施形態では、この覆い片部37Adの下面側に、作用部42,42を有したトリガー部40A,40Bを設けた構成としている。
また、これらトリガー部40A,40Bを、上記した各緩衝機構30A,30Bに対応させて、戸側ベース部材37Aの長手方向両端部、つまり、戸板10Aの上端側の戸幅方向両端部に位置するように設けた構成としている。また、これらトリガー部40A,40Bを、上記第1実施形態とは、上下を反転させ、かつレール長手方向(戸幅方向)に反転させた向きとなるように設けた構成としている。つまり、これらトリガー部40A,40Bの復帰部41,41及び作用部42,42を下方側に向けて突出させるように設けた構成としている。また、戸側ベース部材37Aの戸先側端部に、戸幅方向中央側に復帰部41を位置させ、その戸幅方向外方側に作用部42を位置させるように全開側トリガー部40Aを設た構成としている。また、戸側ベース部材37Aの戸尻側端部に、戸幅方向中央側に復帰部41を位置させ、その戸幅方向外方側に作用部42を位置させるように閉鎖側トリガー部40Bを設けた構成としている。
上記構成とされた引戸装置1Aの戸板10Aが開閉される際には、詳細な説明は省略するが、上記と概ね同様にして各緩衝機構30A,30Bが作動され、以下のように減速がなされる。
つまり、図10(a)に示すように、戸板10Aを開放側に向けて移動させ、全開側緩衝機構30Aのスライド体32の第2突起部34に、全開側トリガー部40Aの作用部42が当接すれば、第1突起部33が突出して作用部42に係合する。これにより、全開側緩衝機構30Aが作動して減速と助勢とがなされ、戸板10Aが全開位置となる。
一方、図10(b)に示すように、戸板10Aを閉鎖側に向けて移動させ、閉鎖側緩衝機構30Bのスライド体32の第2突起部34に、閉鎖側トリガー部40Bの作用部42が当接すれば、第1突起部33が突出して作用部42に係合する。これにより、閉鎖側緩衝機構30Bが作動して減速と助勢とがなされ、戸板10Aが閉鎖位置となる。
なお、上記構成とされた引戸装置1Aを設置する際には、以下のようにしてもよい。
例えば、図9(a)に示すように、上ガイド部材20A及び下レール6を設置した状態で、戸板10Aを斜め状にしてその上端部15Aを保持凹部38Aに嵌め入れ、戸車11,11を下レール6に係合させて戸板10Aを建て付けて設置するようにしてもよい。または、図9(b)に示すように、一方のエンド部材39を戸側ベース部材37Aから取り外した(脱離させた)状態で、保持凹部38Aの戸幅方向一方側開口から戸板10Aの上端部を戸幅方向に挿入させて建て付けるような態様等としてもよい。
上記構成とされた本実施形態に係る引戸装置1Aにおいても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
また、本実施形態では、壁側レール部材21Aと戸側レール部材35Aとを、これら壁側レール部材21A及び戸側レール部材35Aのそれぞれに対してスライド自在に結合された中間レール部材27を介して結合した構成としている。従って、上記第1実施形態のように壁側レール部材21(壁側レール26)に対して戸側レール部材35(戸側レール36)を直接的にスライド自在に結合した構成としたものと比べて、戸側レール部材35Aを戸板10Aの戸尻側に設けることができる。これにより、全開位置に移動する戸板10Aの戸尻側の浮き上がりを抑制することができ、下レール6からの脱離等を抑制することができる。
なお、本実施形態では、3組のシングルスライドレール26A,28,29,36を、設けた例を示しているが、2組のシングルスライドレールまたは4組以上のシングルスライドレールを設けた構成としてもよい。また、中間レール部材27としては、このようなシングルスライドレールを複数段状に設けた態様に限られない。例えば、壁側レール(アウターレール)26Aと戸側レール(インナーレール)36Aとの間に中間レール部材27を構成するセンターレールを設けた3メンバースライド型スライドレールとしてもよい。また、このような3メンバースライド型スライドレールとシングルスライドレールとを組み合わせた構成や、3メンバースライド型スライドレールを複数段状に設けた構成等としてもよい。また、本実施形態では、複数のスライドレール26A,28,29,36を上下に積み重ねるように設けた例を示しているが、壁厚方向に重ね合わせるように設けた態様等としてもよい。
また、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を、適宜、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、全開側緩衝機構30Aが作動される際に、戸板10,10Aの戸尻側端部に係合して戸板10,10Aの戸尻側の浮き上がりを抑制する規制部材18を設けた例を示しているが、このような規制部材18を設けないようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、戸側レール部材35,35Aに、戸側レール部材35,35Aに対して戸板10,10Aを下方側に付勢する付勢部材43,43Aを設けた例を示しているが、このような付勢部材43,43Aを設けないようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、戸側レール部材35,35Aに、戸側レール部材35,35Aに対する戸板10,10Aの上下動を許容するように戸板10,10Aの上端部(連結突部)15,15Aを保持する保持部(保持凹部)38,38Aを設けた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、戸板10,10Aを戸側レール部材35,35Aに対して上下動不能に保持させた態様等としてもよい。
また、上記各実施形態では、壁側レール部材21,21Aに緩衝機構30A,30Bを設け、戸側レール部材35,35Aに作用部42,42を設けた例を示しているが、これらを逆側に設けるようにしてもよい。つまり、壁側レール部材21,21Aに作用部42,42を設け、戸側レール部材35,35Aに緩衝機構30A,30Bを設けた態様としてもよい。この場合は、当該引戸装置1,1Aの各機器や各部材、各部を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、閉鎖位置に移動する戸板10,10Aを減速させる緩衝機構30Bと全開位置に移動する戸板10,10Aを減速させる緩衝機構30Aとを設け、これらに応じた作用部42,42を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する戸板10,10Aを減速させる緩衝機構と、これに応じた作用部と、を設けた態様としてもよい。
また、上記各実施形態では、緩衝機構30A,30Bを、開口幅方向に伸縮するロッドを設けたシリンダー31,31を備えた構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、壁厚方向に沿う軸回りに回転する作動アームを備えた緩衝機構等としてもよく、これに応じた作用部を設けた構成としてもよい。また、上記のような戸板10,10Aの移動をアシスト(助勢)する機能(引込機能)を有したものに限られず、少なくとも戸板10,10Aを減速させる機能を有したものであればよい。上記各実施形態に係る引戸装置1,1Aに適用される緩衝機構30A,30Bやその作用部42,42、上ガイド部材20,20A、下レール6、戸板10,10Aとしては、その他、種々の変形が可能である。
1,1A 引戸装置
6 下レール
10,10A 戸板
20,20A 上ガイド部材
21,21A 壁側レール部材
27 中間レール部材
30A 全開側緩衝機構(緩衝機構)
30B 閉鎖側緩衝機構(緩衝機構)
35,35A 戸側レール部材
38,38A 保持凹部(保持部)
42 作用部
43,43A 付勢部材
2 壁体
3 開口

Claims (5)

  1. 壁体に設けられた開口を該開口の壁厚方向一方側において開閉するように前記壁体の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる戸板と、
    前記壁体の一方側の床側に配設され、前記戸板の荷重を受けて該戸板の下端側をガイドする下レールと、
    前記壁体の一方側において前記開口の上縁部分に沿って取り付けられる壁側レール部材及びこの壁側レール部材に対してスライド自在に結合されて保持され、前記戸板の上端側に配設される戸側レール部材を有し、該戸板の上端側をガイドする上ガイド部材と、
    を備えており、
    前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの一方に、閉鎖位置移動する前記戸板を減速させる緩衝機構と全開位置に移動する前記戸板を減速させる緩衝機構とが設けられ、前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの他方にこれら緩衝機構を作動させる作用部が設けられていることを特徴とする引戸装置。
  2. 請求項において、
    前記壁側レール部材と前記戸側レール部材とは、これら壁側レール部材及び戸側レール部材のそれぞれに対してスライド自在に結合されて保持された中間レール部材を介して結合されていることを特徴とする引戸装置。
  3. 壁体に設けられた開口を該開口の壁厚方向一方側において開閉するように前記壁体の一方面に沿ってスライド自在に建て付けられる戸板と、
    前記壁体の一方側の床側に配設され、前記戸板の荷重を受けて該戸板の下端側をガイドする下レールと、
    前記壁体の一方側において前記開口の上縁部分に沿って取り付けられる壁側レール部材及びこの壁側レール部材に対してスライド自在に結合されて保持され、前記戸板の上端側に配設される戸側レール部材を有し、該戸板の上端側をガイドする上ガイド部材と、
    前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの一方に設けられ、閉鎖位置及び全開位置のうちの少なくとも一方側に移動する前記戸板を減速させる緩衝機構と、
    前記壁側レール部材及び前記戸側レール部材のうちの他方に設けられ、前記緩衝機構を作動させる作用部と、
    を備えており、
    前記壁側レール部材と前記戸側レール部材とは、これら壁側レール部材及び戸側レール部材のそれぞれに対してスライド自在に結合されて保持された中間レール部材を介して結合されていることを特徴とする引戸装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記戸側レール部材には、当該戸側レール部材に対する前記戸板の上下動を許容するように前記戸板の上端部を保持する保持部が設けられていることを特徴とする引戸装置。
  5. 請求項において、
    前記戸側レール部材には、当該戸側レール部材に対して前記戸板を下方側に付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする引戸装置。
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