JP6722026B2 - 研磨用シリカ及びそれを用いた方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用シリカ及びそれを用いた方法に関する。
単結晶のサファイアは、優れた機械的特性、化学的安定性、光透過性などの特徴があり、半導体製造装置用部品、LED用基板、窓材など、幅広い分野で使用されている。いずれの用途においてもサファイア表面を高平滑にする必要があるが、硬度が高い為に加工が難しく、より高度な表面研磨技術が求められている。
サファイア表面の研磨に用いられる砥粒は、一般的にコストと研磨特性の兼ね合いから、コロイダルシリカが使用されているが、サファイア表面を低欠陥、高平滑を確保しながら研磨を行うと、研磨時間が非常に長くなる問題がある。
サファイア表面の研磨速度を上げるための砥粒の設計として、例えば、特許文献1には、コロイダルシリカの2〜25nmに第1の粒径極大値、75〜200nmに第2の粒径極大値を持つ多峰性粒度分布とする技術が開示されている。また、特許文献2には、コロイダルシリカの比表面積(m/g)/個数平均粒子径(nm)を0.5〜3.0に調整する技術が開示されている。しかしながら、コロイダルシリカは一般的に粒子自体の密度が低い為、サファイア表面の研磨速度の向上効果は未だ十分ではない。サファイア表面の研磨速度はサファイア基板の生産性に大きく影響する。特にサファイアa面は、c面に比べて硬度が高く、研磨速度の向上が最大の課題となっており、これを達成できる砥粒が強く望まれている。
特開2015−51497号公報 特開2014−187348号公報
本発明の目的は、表面粗さ、スクラッチ性を悪化させること無く、研磨速度に優れた研磨を達成することが出来る研磨用シリカを提供することであり、それを含有してなる研磨スラリーを提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、これを達成する研磨用シリカを見いだした。本発明はかかる知見に基づくものであり、以下の要旨を有する。
(1)OH基密度が4個/nm以上12個/nm以下であり、50nm以上の粒子の球形度が0.80以上であるシリカ(A)と、粒子密度が2.0g/cm以上であり、50nm以上の粒子の平均球形度が0.80以上であるシリカ(B)を含み、シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合が10質量%以上95質量%以下であることを特徴とする研磨用シリカ。
(2)シリカ(A)の平均粒子径が50nm以上100nm以下、シリカ(B)の平均粒子径が30nm以上150nm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の研磨用シリカ。
(3)シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合が35質量%以上70質量%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の研磨用シリカ。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の研磨用シリカを含有することを特徴とする研磨スラリー。
(5)前記(4)に記載の研磨スラリーを用いて被研磨材料を研磨する工程を含む被研磨材料の研磨方法。
(6)前記(4)に記載の研磨スラリーを用いてサファイア表面を研磨する工程を含むサファイア表面の研磨方法。
本発明によれば、表面粗さ、スクラッチ性を悪化させること無く、研磨速度に優れた研磨を達成することが出来る研磨用シリカ添加剤、及びそれを含有してなる研磨スラリーが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)は、OH基密度が4個/nm以上12個/nm以下であることが必要である。シリカ(A)はOH基と被研磨材料との加水分解作用による化学的研磨効果を促進する主粒子である。OH基密度が4個/nm未満であると、被研磨材料との加水分解作用が不十分となる為、研磨速度を向上させることが出来ない。一方、OH基密度が12個/nmを超えると、研磨スラリーとして用いた際にシリカの凝集が発生しやすくなり、被研磨材料の研磨面のスクラッチ性が悪化する。好ましいOH基密度は5個/nm以上11個/nm以下、より好ましくは6個/nm以上10個/nm以下である。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)のOH基密度は、下記方法で測定する。予めイオン交換水10gを入れた容器に、シリカ(A)を1.5g量り取り、そこに0.1mol/L塩酸を加えてpH3.0〜3.5に調整した。その後、塩化ナトリウムを30g加え、再びイオン交換水を加えて全量を150gにした。これを、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液でpH4.0に調整し、滴定用サンプルとした。この滴定用サンプルに0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液をpHが9.0になるまで滴下し、pHが4.0から9.0になるまでに要した水酸化ナトリウム量(B[mol])を求め、以下の式から、シリカ(A)のOH基密度を算出した。
シリカ(A)のOH基密度[個/nm]=pHが4.0から9.0になるまでに要した水酸化ナトリウム量[mol]×アボガドロ数:6.02×1023[個/mol]/(シリカ(A)の質量[g]×シリカ(A)の比表面積[m/g])×10−18
前記シリカ(A)の比表面積は、BET法に基づく値であり、マウンテック社製比表面積測定機「MacsorbHM model−1208」を用い、BET一点法にて測定する。測定に先立ち、窒素ガス雰囲気中で300℃、18分間加熱して前処理を行った。なお、吸着ガスには、窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、本体流量計の指示値が25ml/minになるように流量を調整した。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)は、粒子密度が2.0g/cm以上であることが必要である。シリカ(B)は被研磨材料への砥粒押し込み作用による機械的研磨効果を促進する主粒子である。粒子密度が2.0g/cm未満であると、粒子自体の強度が低下し、砥粒押込み作用が不十分となる為、研磨スラリーとして用いた際に研磨速度を向上させることが出来ない。好ましい粒子密度は2.1g/cm以上であり、シリカ理論密度である2.2g/cmがより好ましい。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)の粒子密度は、セイシン企業社製連続自動粉粒体真密度測定器「オートトゥルーデンサーMAT−7000」を用いて測定する。測定溶媒には試薬特級エタノールを用いた。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)、シリカ(B)は、それぞれ50nm以上の粒子の平均球形度が0.80以上であることが必要である。平均球形度が低いと粒子の形状がイビツとなり、研磨スラリーとして用いた際に被研磨材料の研磨面の表面粗さが悪化する。特に粒子径が50nm以上の粗大粒子の球形度が0.80未満であると、表面粗さの悪化が顕著となる。好ましい粒子径50nm以上の粒子の平均球形度は0.83以上、より好ましくは0.86以上である。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)の平均球形度は、下記方法で測定する。シリカ(A)をカーボンペーストで試料台に固定後、オスミウムコーティングを行い、日本電子社製走査型電子顕微鏡「JSM−6301F型」で撮影した倍率10万倍、解像度2048×1536ピクセルの画像をパソコンに取り込んだ。この画像を、マウンテック社製画像解析装置「MacView Ver.4」を使用し、簡単取り込みツールを用いて粒子を認識させ、粒子の投影面積(X)と周囲長(PM)から球形度を測定した。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(Y)とすると、その粒子の球形度はX/Yとなるので、試料の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、Y=πrであるから、Y=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=X/Y=X×4π/(PM)となる。このようにして得られた任意の投影面積円相当径50nm以上の粒子200個の球形度を求め、その平均値をシリカ(A)の平均球形度とした。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)の平均球形度についても上述と同様の方法で測定した。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)の平均粒子径は、40nm以上120nm以下であることが好ましい。シリカ(A)の平均粒子径が40nm未満であると、粒子同士のOH基による極性相互作用が大きくなり凝集が発生しやすくなる。その為、研磨スラリーとして用いた際に、被研磨材料の研磨面のスクラッチ性が悪化するおそれがある。一方、シリカ(A)の平均粒子径が120nmを超えると、単位質量あたりの粒子の存在個数が少なくなる為に、化学的研磨効果が低下し、研磨スラリーとして用いた際に研磨速度が低下するおそれがある。より好ましいシリカ(A)の平均粒子径は50nm以上110nm以下、更に好ましくは60nm以上100nm以下である。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)の平均粒子径は、30nm以上150nm以下であることが好ましい。シリカ(B)の平均粒子径が30nm未満であると機械的研磨効果が低下し、研磨スラリーとして用いた際に研磨速度が低下するおそれがある。一方、シリカ(B)の平均粒子径が120nmを超えると、粗大粒子の影響により、研磨スラリーとして用いた際に、被研磨材料の研磨面のスクラッチ性が悪化するおそれがある。より好ましいシリカ(B)の平均粒子径は40nm以上130nm以下、更に好ましくは50nm以上110nm以下である。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)の平均粒子径は、下記方法で測定する。シリカ(A)をカーボンペーストで試料台に固定後、オスミウムコーティングを行い、日本電子社製走査型電子顕微鏡「JSM−6301F型」で撮影した倍率10万倍、解像度2048×1536ピクセルの画像をパソコンに取り込んだ。この画像を、マウンテック社製画像解析装置「MacView Ver.4」を使用し、簡単取り込みツールを用いて粒子を認識させ、粒子の投影面積円相当径を測定した。それぞれ2000個の粒子の投影面積円相当径を測定した後に、上述の画像解析装置を用いて体積基準に基づいた粒度分布を自動解析し、累積体積50%の粒子径を算出してシリカ(A)の平均粒子径とした。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)の平均粒子径についても上述と同様の方法で測定した。
本発明の研磨用シリカは、シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合が10質量%以上95質量%以下であることが必要である。本発明の特徴は、研磨スラリーとして用いた際に、化学的研磨効果を促進するシリカ(A)と機械的研磨効果を促進するシリカ(B)の複合効果による研磨速度の飛躍的な上昇であり、シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合をこの範囲とすることで、研磨速度の促進効果が一段と向上する。シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合が10質量%未満であると、機械的研磨効果が低下し、研磨スラリーとして用いた際に研磨速度向上効果が不十分となる。一方、95質量%を超えると、化学的研磨効果が低下し、研磨スラリーとして用いた際に、やはり研磨速度向上効果が不十分となる。好ましいシリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合は25質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは35質量%以上70質量%以下である。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)の製造方法は、シリカ(A)のOH基密度、球形度、平均粒子径を実現する為に、湿式法で得られるコロイダルシリカが好ましい。例えば、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、中和やイオン交換により金属イオンを除去してコロイダルシリカを得る方法、又はテトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、有機溶媒中で加水分解、及び縮合することでコロイダルシリカを得る方法などによって製造することが出来る。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)の製造方法は、シリカ(B)の粒子密度、球形度、平均粒子径を実現するために、金属Siの酸化反応法が好ましい。例えば金属Siを化学炎や電気炉等で形成された高温場に投じて酸化反応させながら球状化する方法、金属Si粒子スラリーを火炎中に噴霧して酸化反応させながら球状化する方法などによって製造することができる。
本発明の研磨スラリーは、本発明の研磨用シリカを含有してなる研磨スラリーである。研磨スラリー中の研磨用シリカの含有率は3〜70質量%が好ましく、更に好ましくは5〜60質量%である。
本発明の研磨スラリーは、所望のpHに調整して研磨に用いることが好ましい。pH調整剤としては、公知の酸、塩基、またはそれらの塩を使用することが出来る。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸やギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸等が挙げられる。塩基としては脂肪族アミン等の有機塩基、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア類等が挙げられる。pHの値は4.5〜12.0であることが好ましく、更に好ましくは7.5〜11.0である。
本発明の研磨スラリーは、必要に応じて溶媒、エッチング剤、酸化剤、表面改質剤、防腐剤、防カビ剤、防サビ剤、キレート剤、レオロジー剤等の成分を配合することが出来る。
本発明の研磨スラリーを用いて被研磨材料、特にサファイア表面を研磨する工程を含む被研磨材料の研磨方法は、特に限定されず、一般的な方法を採用することが出来る。例えば、研磨定盤の研磨布上に研磨スラリーを供給しながら、被研磨材料の研磨面を、不織布、発泡ポリウレタンなどの研磨布に押圧した状態で研磨定盤と被研磨材料を相対的に動かすことによって研磨面を研磨する方法が挙げられる。
以下、本発明について、実施例及び比較例により、更に、詳細に説明する。
実施例1〜12、比較例1〜8
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(A)には、珪酸ナトリウムと鉱酸の中和反応によって製造された種々の平均粒子径、及び平均球形度の市販コロイダルシリカを用いた。また、これらのコロイダルシリカのOH基密度を調整する為に、以下の操作を行った。OH基密度を減少させる際には、アルミナ坩堝にコロイダルシリカを投入して電気炉内にセットし、1000℃で20min〜6Hrの範囲で加熱することによりOH基密度の調整を行った。具体的には、OH基密度の減少幅を大きくする時ほど、加熱時間を長くした。一方、OH基密度を増加させる際には、コロイダルシリカと水を混合し、コロイダルシリカ20質量%のスラリーを調整した。このスラリーをホットプレートスターラーで300rpmの撹拌速度で、95℃、1Hr〜50Hr加温浸漬処理を行った。加熱後のサンプルは200℃、24Hr乾燥させ、OH基密度を調整したコロイダルシリカを回収した。具体的には、OH基密度の増加幅を大きくする時ほどホットプレートスターラーでの加温浸漬時間を長くした。
得られたシリカ(A)a〜シリカ(A)kの比表面積、OH基密度、粒子径50nm以上の粒子の平均球形度、平均粒子径、粒子密度を表1に示す。
本発明の研磨用シリカに含まれるシリカ(B)は、燃焼炉の頂部中央に内炎と外炎が形成できる二重管構造のLPG−酸素混合型バーナーが設置され、下部に捕集系ラインが直結されてなる装置を用いて製造した。上記バーナーの中心部には更にスラリー噴霧用の二流体ノズルが設置され、その中心部から、金属Si粉末(平均粒径3.5μm)と水からなるスラリーを10L/Hrのフィード量で噴射した。二流体ノズルの外周部からは酸素を供給した。火炎の形成は二重管バーナーの出口に数十個の細孔を設け、そこからLPGと酸素の混合ガスを噴射することによって行った。また、研磨用シリカ添加剤に含まれる金属Si量を低減させる為、上記バーナーの周囲8箇所に更にバーナー設置して火炎を形成し、金属Siの酸化反応性を促進させた。二流体ノズルから噴射され火炎を通過して生成したシリカ(B)は、ブロワによって捕集ラインを空気輸送させ、バグフィルターで捕集した。なお、研磨用シリカ添加剤の粒子密度の調整は、金属Si粉末/水スラリーを噴射する際に、金属Si粉末/水スラリー容器中に平均重合度500のポリビニルアルコールを0〜10質量%加え、更にマイクロバブル発生装置を用いてスラリー中に微小なエア気泡を送り込みながら撹拌を行い、そのスラリーを噴射することで粒子密度の調整を行った。具体的には、粒子密度の下げ幅を大きくする時ほどポリビニルアルコールの添加量を増加して粒子密度を調整した。シリカ(B)の球形度の調整は、金属Si粉末/水スラリーの金属Si濃度を、30〜70質量%の範囲で調整することにより行った。具体的には、球形度を高くする場合は、金属Si粉末/水スラリーの金属Si濃度を高くし、球形度を低くする場合は、金属Si粉末/水スラリーの金属Si濃度を低くすることで調整した。シリカ(B)の平均粒子径の調整は、LPG量を2m/Hr〜20m/Hrの範囲で調整することにより行った。具体的には、平均粒子径を大きくする場合には、LPG量を少なくし、平均粒子径を小さくする場合には、LPG量を多くすることで調整した。
得られたシリカ(B)a〜シリカ(B)iの比表面積、OH基密度、粒子径50nm以上の粒子の平均球形度、平均粒子径、粒子密度を表2に示す。
得られたシリカ(A)a〜シリカ(A)kとシリカ(B)a〜シリカ(B)iを種々割合で配合して、研磨用シリカA〜Tを製造した。配合したシリカ(A)、及びシリカ(B)の記号、シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合を表3、表4に示す。
製造した研磨用シリカの研磨スラリーとしての特性を評価する為に、サファイア研磨試験を行った。研磨用シリカ分散媒としてイオン交換水、pH調整剤としてアンモニアを用い、スラリー中の研磨用シリカの濃度を15質量%、pHは10.0に調整した。研磨には不織布パッド(フジボウ愛媛社製FPK770)を用い、下定盤は300mmφで回転数150rpm、2インチφのサファイアa面基板(斉藤光学製作所社製)をセットした上定盤は150mmφで回転数150rpmとし、上定盤と下定盤を同じ方向に回転した。研磨圧力は314g/cmとし、スラリー供給速度10mL/minで30分間研磨を行った。スラリーは掛け流しとした。研磨後の基板について、研磨速度、表面粗さ、スクラッチ性を以下に従って評価した。それらの結果を表3、表4に示す。
(1)研磨速度
研磨前後のサファイア基板の重量変化から、1時間当りの基板の厚みの変化量(μm/hr)を算出した。研磨試験は3回実施し、3回の測定の平均値を求めて研磨速度とした。この研磨速度の値が大きいほど、研磨速度が優れていることを示す。
(2)表面粗さ
研磨後のサファイア基板の表面を、ニコン社製光干渉顕微鏡「BW−D507」を用いて表面性状評価を行った。観察画像の測定範囲は50μm×50μmとして高さ測定を行い、算術平均粗さを求めた。研磨したサファイア基板の表面について9ヶ所の測定を行った。研磨試験は3回実施し、合計27回の測定の算術平均粗さの平均値を求めた。この算術平均粗さの値が小さいほど、表面が平滑であることを示す。
(3)スクラッチ性
研磨後のサファイア基板の表面を、KLA−Tencor社製光学式表面解析装置「Candela CS10」を用いたスクラッチの定量評価を行った。研磨試験を3回実施し、各々の基板にレーザーを照射してスクラッチ数を測定した。3回の測定の平均値を求めて基板1枚当りのスクラッチ数を算出した。このスクラッチ数が少ないほどスクラッチ性が良好であることを示す。
Figure 0006722026
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実施例と比較例の対比から明らかなように、研磨速度は、実施例において1.22〜1.34μm/hrの研磨速度が得られ、同研磨条件において、従来の研磨用シリカでは達成できなかった研磨速度を安定して得ることが出来た。したがって、本発明によれば、被研磨材料、特にサファイア表面の表面粗さ、スクラッチ性を悪化させること無く、研磨速度に優れた研磨スラリーが提供される。また、前記研磨スラリーに好適な研磨用シリカが提供される。
以上、説明したとおり、本発明の研磨用シリカ、及びそれを含有してなる研磨スラリーを用いることで、表面粗さ、スクラッチ性を悪化させること無く、研磨速度に優れた研磨を達成することが出来る。したがって、本発明の研磨用シリカ、及びそれを含有してなる研磨スラリーを利用することで、各種被研磨材料、特にサファイアa面の研磨を効率的に行うことが可能となり、精密研磨されたサファイアが必要な各種材料の生産性向上に寄与することが出来る。

Claims (6)

  1. OH基密度が5個/nm超12個/nm以下であり、50nm以上の粒子の球形度が0.80以上であるシリカ(A)と、OH基密度が3個/nm 以下であり、粒子密度が2.0g/cm以上であり、50nm以上の粒子の平均球形度が0.80以上であるシリカ(B)からなり、シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合が10質量%以上95質量%以下であることを特徴とする研磨用シリカ。
  2. シリカ(A)の平均粒子径が50nm以上100nm以下、シリカ(B)の平均粒子径が30nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用シリカ。
  3. シリカ(A)とシリカ(B)の合計質量に対するシリカ(B)の割合が35質量%以上70質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨用シリカ。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨用シリカを含有することを特徴とする研磨スラリー。
  5. 請求項に記載の研磨スラリーを用いて被研磨材料を研磨する工程を含む被研磨材料の研磨方法。
  6. 請求項に記載の研磨スラリーを用いてサファイア表面を研磨する工程を含むサファイア表面の研磨方法。
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