JP6721950B2 - 被覆食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は被覆食品の製造方法、被覆食品の製造装置、及び食品の被覆方法に関する。
チョコレート等の食品原料によりセンター材を被覆する技術としてパンコーティング製法が知られている。パンコーティング製法とは、アーモンドやピーナッツ、焼き菓子等のセンター材を回転釜(レボルビングパン)の中で転動させながら液状の食品原料を添加し、センター材の周囲を食品原料で被覆する方法である。
パンコーティング製法によって製造された食品においては、センター材が食品原料によってムラなく均一に被覆されていることが、見た目、食感、風味等の観点から好ましく、これまでにセンター材を食品原料により均一に被覆する方法が考案されてきた。例えば、特許文献1には、回転釜の底部を水に浸漬して外部より冷却し、回転釜を回転させながら溶融したチョコレートを散布し、可食性中核材(センター材)の表面をチョコレートで被覆することを特徴とするチョコレート被覆菓子の製造方法が開示されている。かかる製造方法によればセンター材を容易にチョコレートにより均一に被覆することができるとの記載がある。
ところで、菓子の表面に凹凸を設けることによって模様を形成したり、動物等の形状を模したりすることが一般に行われている。このような菓子は意匠効果に優れているのみならず、表面の凹凸に由来する食感を楽しむことができるため好まれている。
しかし、このような表面に凹凸のある菓子をパンコーティング製法によってチョコレート等の食品原料によって被覆しようとする試みは、これまでになされたことがあるものの、被覆厚にムラが生じてしまうという問題があった。具体的には、センター材表面の凸部分は回転釜の内壁や他のセンター材と衝突することによって均一に食品原料によって被覆がされる一方、凹部分はそのような接触が起きないために被覆がされず、凹部分と凸部分とで被覆厚のムラが生じてしまうといった問題があった。
なお、パンコーティング製法において簡易スプレーを用いてセンター材に液状のコーティング液を散布する方法が知られていたが(例えば特許文献2)、スプレーノズルから噴霧するコーティング液の粒子径の観点から、表面に凹凸のあるセンター材を均一に被覆することは検討されたことがない。
特開2007−97501号公報 特開2003−18961号公報
上述の通り、パンコーティング製法によって表面に凹凸のあるセンター材を油脂含有原料により被覆する試みはほとんどなされておらず、また、試みたとしても均一に被覆することは困難であるという問題があった。
特許文献1には、センター材を均一に被覆する技術が開示されているが、かかる技術はセンター材の表面に凹凸が無いことを大前提としているため、かかる問題を解決することはできない。
そこで、本発明の解決しようとする課題は、表面に凹凸のあるセンター材を食品原料で被覆してなる被覆食品の製造において、食品原料による被覆の均一性を向上させる技術を提供することにある。
また、本発明の解決しようとする第2の課題は、表面に凹凸のあるセンター材を食品原料によって均一に且つ薄く被覆する技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、常温で固体の油脂含有原料からなるコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、前記センター材表面を前記油脂含有原料で被覆することを含む被覆食品の製造方法であって、前記センター材への到達時の前記コーティング液の液滴の平均粒子径が1000μm以下であることを特徴とする被覆食品の製造方法である。
本発明によれば、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材の表面における油脂含有原料による被覆の均一性を向上させることができる。
また、本発明によれば、使用する油脂原料の量を調節することによって、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材が、食品原料によって均一に且つ薄く被覆された被覆食品を製造することができる。
また、本発明の好ましい形態では、前記コーティング液の噴霧範囲が、前記センター材の堆積面の範囲内である。
かかる形態の本発明の被覆食品の製造方法によれば、効率的に被覆食品を製造することができる。
また、本発明は常温で固体の油脂含有原料からなるコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、前記センター材を前記油脂含有原料で被覆する方法であって、前記センター材への到達時の前記コーティング液の液滴の平均粒子径が1000μm以下であることを特徴とする、センター材を油脂含有原料で被覆する方法にもある。
本発明の方法によれば、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材の表面における油脂含有原料による被覆の均一性を向上させることができる。
また、本発明によれば、使用する油脂原料の量を調節することによって、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材を、食品原料によって均一に且つ薄く被覆することができる。
本発明によれば、表面に凹凸のあるセンター材を食品原料で被覆してなる被覆食品の製造において、食品原料による被覆の均一性を向上させることができる。また、本発明は、センター材の形状をそのまま活かした被覆食品を提供することができる。
また、本発明によれば、表面に凹凸のあるセンター材を食品原料によって均一に被覆し、且つ、その被覆厚を任意の厚さに制御することもできる。
コーティング液の噴霧範囲とセンター材の堆積面の関係を説明するための説明図である。 実施例における平均粒子径の測定方法を示した図。(a)コーティング液を紙に噴霧する工程、(b)コーティング液を噴霧した紙から、短冊状紙片を切り取る工程、(c)短冊状紙片を1cmごとに切り取り紙片を切り取る工程を表す。 試験例1において製造したチョコレート被覆菓子の写真。菓子2については正面図と斜視図を表す。 試験例3において製造したガナッシュ被覆菓子の写真。正面図と斜視図を表す。
<1>被覆食品の製造方法
本発明は、常温で固体の油脂含有原料からなるコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、前記センター材表面を前記油脂含有原料で被覆することを含む被覆食品の製造方法であって、前記センター材への到達時の前記コーティング液の液滴の平均粒子径が1000μm以下であることを特徴とする被覆食品の製造方法である。
本発明によれば、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材の表面における油脂含有原料による被覆の均一性を向上させることができる。
また、本発明によれば、使用する油脂原料の量を調節することによって、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材が、食品原料によって均一に且つ薄く被覆された被覆食品を製造することができる。
本明細書において「均一」とは、被覆食品において最も被覆厚が厚い部分と薄い部分の厚みの差(被覆厚差という)が、1.0mm以下、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下であることをいう。
また、本明細書において「薄く被覆する」とは、被覆食品における被覆厚が最も厚い部分(最大被覆厚という)で、1.5mm以下、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.7mm以下であることをいう。
なお、本明細書において「薄く均一に被覆する」とは、最大被覆厚が1.5mm以下の時に被覆厚差が1.0mm以下、最大被覆厚が1.0mm以下の時に被覆厚差が0.7mm以下、最大被覆厚が0.7mm以下の時に被覆厚差が0.5mm以下であることをいう。
以下、本発明の被覆食品の製造方法の各構成について詳細に説明する。
(コーティング液)
本発明におけるコーティング液は、常温で固体の油脂含有原料をその融点以上に熱することによって得ることができる。常温で固体の油脂含有原料としては、「チョコレート利用食品の表示に関する公正競争規約」で定義されているところのチョコレート類を例示することができ、具体的には同規約で定義されているチョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子などを好ましく例示することができる。
本発明におけるコーティング液としてチョコレートを用いる場合には、チョコレートを、好ましくは15〜60℃、より好ましくは20〜55℃、さらに好ましくは25〜50℃に調整したものをコーティング液とすることが好ましい。
本発明においては、コーティング液として水分含有量が5質量%以上、又は10質量%以上の油脂含有原料、特にガナッシュを用いることもできる。この場合、油脂含有原料における水分含有量の上限は、20質量%を目安とすることができる。
本発明においてガナッシュをコーティング液として用いる場合には、ガナッシュを、好ましくは15〜60℃、より好ましくは20〜55℃、さらに好ましくは25〜50℃に調整したものをコーティング液とすることが好ましい。
(センター材)
本発明におけるセンター材としては、一般的に食品の原料として使用され、本発明における油脂含有原料と組み合わせることの可能なあらゆる食品素材及び加工食品を用いることができ、スナック類、ナッツ類、ドライフルーツ類、焼成菓子類、キャンディー類、錠菓類、豆類及びゼリー類等を例示することができる。
本発明においてセンター材の大きさは特に限定されないが、最大径が好ましくは0.5〜10cm、より好ましくは1〜3cm程度のものを好適に例示できる。
本発明におけるセンター材は、表面に凹部及び/又は凸部を有するものであれば特に限定されない。ここで、凹部及び凸部とは主に肉眼で確認できる程度の凹凸のことをいい、通常の食品等の表面にある肉眼では確認できないような微細な凹凸は含まない。
表面に凹部及び/又は凸部を有するセンター材としては、凹凸によって模様が形成されている食品や、凹凸が設けられることによって動物等の形状を模している食品が好ましく例示できる。
本発明におけるセンター材の密度や重量は特に限定されず、本発明における油脂含有原料と組み合わせることができる範囲であればよい。
(センター材の転動)
本発明においてセンター材を転動させる方法は特に制限されず、回転釜、底部が回転する釜及び内部に回転羽を備える釜を用いる方法など、従来のパンコーティングで用いられている方法を例示することができる。本発明において好ましくは、回転釜を用いてセンター材を転動させる。
(コーティング液の噴霧)
本発明の被覆食品の製造方法においては、転動しているセンター材にコーティング液を噴霧する。コーティング液を噴霧する態様としては特に限定されないが、好ましくはスプレーノズルより噴霧する。
本発明においては、センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径は、1000μm以下、より好ましくは950μm以下とする。
コーティング液の液滴がセンター材に到達する時の粒子径を上の数値範囲とすることによって、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材の表面における油脂含有原料による被覆の均一性を向上させることができる。
また本発明における、センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径の下限値は、経済性の観点から200μm程度を目安にすることが好ましい。
センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径を上記数値範囲とするためには、例えばスプレーノズルから上記数値範囲に含まれる粒子径のコーティング液を噴射しても良い。
また、スプレーノズルから上記数値範囲よりも大きい粒子径のコーティング液を噴射して、センター材に到達するまでの間に乾燥等の工程を踏むことによって液滴の粒子径を小さくし、センター材到達時に該液滴が上記数値範囲内の平均粒子径になるようにしても良い。
なお、本発明において「センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径」とは、センター材に到達(付着)した時点でのコーティング液の液滴の粒子径の平均値のことをいう。なお、該液滴が球形でない場合には、最大径を粒子径とする。
「センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径」はコーティング液が到着(付着)した直後のセンター材の表面の液滴の粒子径を顕微鏡等で計測し、1つの液滴の粒子径の平均値を算出することにより測定することもできるが、スプレーノズルを用いてコーティング液を噴霧する場合には、以下の手順により測定した値を「センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径」とみなすことができる。
コーティング液をスプレーノズルから噴霧している状態で、該スプレーノズルの直下に紙をかざす。紙をかざす位置は、スプレーノズルの直下10cmの位置とする。そして、紙に付着した液滴を顕微鏡によって観察することによって粒子径を求める。なお、円形状でない液滴については、最大の径を粒子径とする。顕微鏡による粒子径の計測を統計学的に信頼できる数の液滴について行い、その平均値を平均粒子径とする。なお、粒子径を計測する液滴は2以上の液滴が重なったものではないことを必要とする。
本発明においては、スプレーの技術分野で通常行われている方法によって、コーティング液の液滴の平均粒子径を調整することができる。すなわち、スプレーノズルを用いてコーティング液を噴霧する場合にあっては、スプレーノズルの種類、コーティング液の特性(液温、粘度)、スプレー圧力などを調整することによって任意の平均粒子径を有するコーティング液の液滴を噴霧することができる。
本発明におけるコーティング液の噴霧範囲とセンター材の堆積面との関係について図1を参照しながら説明する。図1は、回動する回転釜1でセンター材4を転動させながら、スプレーノズル2よりコーティング液3を噴霧する様子を表す図である。センター材の堆積面5とは、転動しているセンター材4が集合してなるセンター材群の表面のうち、スプレーノズル2と対面する面のことを言う。また、コーティング液3の噴霧範囲とは、噴霧されたコーティング液3が直接付着する範囲のことを言う。
本発明の好ましい実施の形態では、図1に示すように、コーティング液3の噴霧範囲を、センター材4の堆積面5の範囲内とする。
かかる実施の形態の本発明によれば、センター材を効率的に油脂含有原料によって被覆することができる。
本発明の実施の形態では、1kgのセンター材に対して1分間に好ましくは0.0001〜1kg、より好ましくは0.001〜0.5kg、さらに好ましくは0.05〜0.25kgの量のコーティング液をセンター材に噴霧する。
また本発明の実施の形態では、センター材の質量を1とした時のコーティング液の質量は、好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.3〜2.5、さらに好ましくは0.5〜2である。
本発明の製造方法は、センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径を上述の範囲とすること以外は、従来のパンコーティング製法と同様の構成で実施することができる。
本発明の製造方法は、以下に記載する製造装置によって実施することができる。
<2>被覆食品の製造装置
本発明は、常温で固体の油脂含有原料からなるコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、センター材表面を油脂含有原料で被覆するための被覆食品の製造装置であって、前記センター材を転動するための釜と、平均粒子径が1000μm以下の液滴の噴霧が可能なスプレーノズルと、を備える被覆食品の製造装置にもある。
以下、本発明の各構成について詳述する。
(釜)
本発明の被覆食品の製造装置は、センター材を転動するための釜を備える。
本発明においてセンター材を転動させるための釜は特に制限されず、通常のパンコーティングで使用する回転釜、底部が回転する釜及び内部に回転羽を備える釜などを例示することができる。本発明において好ましくは、回転釜を用いる。
回転釜を用いる場合には、該回転釜の回転軸は、内部でセンター材を転動することができるのならば特に制限されず、水平面に対して垂直でも良いし、斜めになっていても良いし、水平でも良い。
本発明の被覆食品の製造装置において、回転釜の回転軸は水平面に対して斜めとすることが好ましい。
(スプレーノズル)
本発明の被覆食品の製造装置は、平均粒子径が1000μm以下、より好ましくは950μm以下の液滴の噴霧が可能なスプレーノズルを備える。
本発明においては、噴霧する液滴の平均粒子径を上述の数値範囲に制御することが可能であれば、一般的に使用されているスプレーを用いることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、スプレー圧力は、コーティング液の粘度などにも依存するが、好ましくは0.01〜1MPa、より好ましくは0.05〜0.5MPa、さらに好ましくは0.1〜0.4MPaとする。
本発明の実施の形態では、スプレー圧力を調整する圧力調整機構を備えていても良い。かかる実施の形態によれば、スプレーノズルより噴霧されるコーティング液の液滴の平均粒子径を、スプレー圧力を調整することによって容易に調整することができる。
本発明の実施の形態では、スプレーノズルは、ノズル口がセンター材の堆積面から好ましくは5〜100cm、より好ましくは10〜80cm、さらに好ましくは15〜60cmの位置となる位置に備える。
本発明の実施の形態では、スプレーノズルのスプレーパターンは特に限定されないが、好ましくは分散性の高いスプレーパターンとすることが好ましい。
本発明においてスプレーノズルとしては、以下のような基本的形態をとるものを例示できる。すなわち、中心にコーティング液の経路を備え、その周囲にエアーが通過する複数の経路を備え、これらの経路が粒子化されたコーティング液が噴霧されるノズル先端を有する密閉された空間(キャップ)に導かれる形態のスプレーノズルを例示することができる。
このような基本的形態を有するスプレーノズルには、コーティング液の経路とエアーの複数経路が、お互いに平行の関係にある「ラウンド型」、一方、コーティング液の経路の周囲において、エアーの複数経路が螺旋状である「360°円環型」などがある。
本発明では、双方が適用できるが、「360°円環型」が好適である。
また、大量生産する場合には、例えば、スプレーノズルを等間隔に複数配置することで対応できる。
本発明の実施の形態においては、噴霧されたコーティング液のほぼ全量が直接センター材に付着するのであれば、スプレー角度は問わない。
なお、本発明の被覆食品の製造装置におけるコーティング液、センター材、センター材の転動、コーティング液の噴霧に関する実施の形態は、上の<1>被覆食品の製造方法の項目の記載を適用することができる。
<3>センター材を食品原料により被覆する方法
本発明は、常温で固体の油脂含有原料からなるコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、前記センター材を前記油脂含有原料で被覆する方法であって、前記センター材への到達時の前記コーティング液の液滴の平均粒子径が1000μm以下であることを特徴とする、センター材を油脂含有原料で被覆する方法にもある。
本発明におけるコーティング液、センター材、センター材の転動、コーティング液の噴霧に関する実施の形態は、上の<1>被覆食品の製造方法の項目で述べた通りである。
本発明の方法は、油脂含有原料によってセンター材が被覆されてなる被覆食品の製造方法に応用することもできるし、該被覆食品をさらに加工してなる食品の製造方法にも応用することができる。
<4>被覆食品
本発明の被覆食品の製造方法によれば、表面に凹部及び/又は凸部のあるセンター材をチョコレートやガナッシュで被覆してなる被覆食品を提供することができる。かかる被覆食品は、センター材にチョコレート等が均一に被覆されているため、センター材の表面に設けられた凹凸に由来する意匠効果や食感・風味を楽しむことができるものであり、新しい嗜好を提供することができる。
次に実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、本実施例における平均粒子径とは、以下の手順により測定したものである。
(1)スプレーノズル2からコーティング液3を毎分10gの流量で噴霧している状態において、スプレーノズルの直下10cmの位置に、紙61を0.5秒かざし、スプレーノズルの直下の位置を中心に、同心円状にコーティング液を紙61に付着させる(図2(a))。
(2)付着したコーティング液3によって形成された円の中心から外周に向けて、コーティング液3が付着した紙61を、短冊状に切り取り、短冊状紙片62を得る(図2(b))。
(3)短冊状紙片62を長さ方向に1cmずつ切り取り、それぞれの紙片63に付着したコーティング液3の重量を計測する(図2(c))。
(4)付着したコーティング液3によって形成された円の中心部を起点として、紙片63に付着したコーティング液3の累積度を求める。
(5)累積度が90%になる紙片63を、40倍の顕微鏡で観察し、付着しているコーティング液3の液滴の粒子径を求める。なお、円形状でない状態の液滴については、最大径を粒子径とする。
なお、「累積度が90%になる紙片」を選んで観察する理由は、付着しているコーティング液3の液滴が重なることがないため、粒子径の測定が容易であるからである。
(6)少なくとも、100点以上の粒子径を求め、これらの平均値を平均粒子径とする。
本実施例において使用するスプレーノズルは1本であり、スプレーノズルから噴出された複数のコーティング液の液滴が、センター材に到達するまでに互いに会合することはほとんど無い。そのため、上記手順によって計測した平均粒子径は、実質的にセンター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径とみなすことができる。
(試験例1)
本試験例においては、以下のセンター材、コーティング液、スプレーノズルを用いて被覆菓子を製造し、センター材が油脂含有原料によって均一に被覆されているか否かを評価した。
[センター材]
菓子1:ワッフルの形状を模した1辺25mmの略正方形の焼成菓子、厚み3mm、重さ0.3g
菓子2:エビの形状を模した焼成菓子、平均最大径29mm、重さ0.4g
[コーティング液]
40℃に調整した液状チョコレート
[スプレーノズル]
スプレーイング システムス ジャパン株式会社
ノズル:PF100150DF−SS(ラウンド型)
キャップ:PA180−SS
200gの菓子1又は菓子2を回転釜に投入し、回転釜を回動させながら、300gのコーティング液をスプレーノズルからセンター材に向けて、毎分10gの流量にて噴霧した。なお、センター材の堆積面から18cmの位置よりスプレーノズルからコーティング液を噴霧し、コーティング液の噴霧範囲をセンター材の堆積面の範囲内とした。
噴霧時のスプレー圧力を0.1MPa、0.15MPaとした場合において製造されたチョコレート被覆菓子を観察し、センター材がチョコレートによって均一に被覆されているか否かを評価した。
また、噴霧時のスプレー圧力を0.1MPa、0.15MPaとした時のコーティング液の液滴の平均粒子径を別途測定した。
結果を表1、図3に示す。
表1及び図3に示すように、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が1839μmの時は、センター材を菓子1及び菓子2とした何れの場合であっても、凹部分にはチョコレートによって被覆されていない個所が見受けられ、センター材表面の全体を均一に被覆できなかった。
一方、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が928μmの時は、センター材を菓子1及び菓子2とした何れの場合であっても、凸部分だけではなく凹部分もチョコレートによって被覆することができ、センター材表面の全てをチョコレートによって被覆することができた。
この結果より、センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径を1000μm以下とすることによって、表面に凹凸のあるセンター材を均一に被覆することができることがわかった。
(試験例2)
試験例1で作製した被覆食品について、最も被覆厚が厚い個所と、最も被覆厚が薄い個所を目視で選定し、ノギスを用いて当該個所の被覆厚を測定した。最も厚く被覆されている個所の被覆厚(最大被覆厚)、最も薄く被覆されている個所の被覆厚(最少被覆厚)、最大被覆厚と最少被覆厚の平均値、及び最大被覆厚と最小被覆厚の差(被覆厚差)を表2に示す。
表2に示すように、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が1839μmの時は、最大被覆厚が菓子1は1.1mm、菓子2は0.8mmであり、また、被覆厚差が菓子1は1.1mm、菓子2は0.8mmであった。
一方、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が928μmの時は、最大被覆厚が菓子1は0.8mm、菓子2は0.6mmであり、また、被覆厚差が菓子1は0.5mm、菓子2は0.4mmであった。
これらの結果より、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が928μmの時は、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が1839μmの時に比べ、最大被覆厚も被覆厚差も小さくなることがわかった。
以上より、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径を1000μm以下とすることによって、表面に凹凸のあるセンター材を薄く且つ均一に被覆することができることがわかった。
(試験例3)
40℃に融解した油性チョコレートにシロップ(糖、アルコール、水)を加えて調製したガナッシュ(水分含有量:9.1質量%)をコーティング液として使用して、試験例1と同様の条件でセンター材(菓子2)に噴霧しガナッシュ被覆菓子を製造した。
噴霧時のスプレー圧力を0.1MPa、0.15MPaとした場合において製造されたガナッシュ被覆菓子を観察し、センター材がガナッシュによって均一に被覆されているか否かを評価した。
また、噴霧時のスプレー圧力を0.1MPa、0.15MPaとした時のコーティング液の液滴の平均粒子径を別途測定した。
結果を表3、図4に示す。
表3及び図4に示すように、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が1214μmの時は、凹部分にはガナッシュによって被覆されていない個所が見受けられ、センター材表面の全体を均一に被覆できなかった。
一方、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が605μmの時は、凸部分だけではなく凹部分もガナッシュによって被覆することができ、センター材表面の全てをガナッシュによって被覆することができた。
この結果より、ガナッシュをコーティング液とした場合であっても、センター材への到達時のコーティング液の液滴の平均粒子径を1000μm以下とすることによって、表面に凹凸のあるセンター材を均一に被覆することができることがわかった。
(試験例4)
試験例3で作製した被覆食品について、試験例2と同様に最大被覆厚及び最少被覆厚を測定し、平均値及び被覆厚差を算出した。結果を表4に示す。
表4に示すように、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が1214μmの時、最大被覆厚は1.1mmであり、また、被覆厚差は1.1mmであった。
一方、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が605μmの時、最大被覆厚は0.9mmであり、また、被覆厚差は0.7mmであった。
この結果は、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が605μmの時は、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径が1214μmの時に比べ、最大被覆厚も被覆厚差も小さくなることを示している。
以上より、コーティング液をガナッシュとした場合であっても、噴霧するコーティング液の液滴の平均粒子径を1000μm以下とすることによって、表面に凹凸のあるセンター材を薄く且つ均一に被覆することができることがわかった。
本発明はチョコレート被覆菓子の製造に応用することができる。
1 回転釜
2 スプレーノズル
3 コーティング液
4 センター材
5 堆積面
61 紙
62 短冊状紙片
63 紙片

Claims (3)

  1. 油脂含有原料からなる、常温で固体のコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、前記センター材表面を前記油脂含有原料で被覆することを含む被覆食品の製造方法であって、
    前記センター材への到達時の前記コーティング液の液滴の平均粒子径が1000μm以下であって、前記平均粒子径は、以下の平均粒子径測定手順に沿って測定したときのものであることを特徴とする被覆食品の製造方法。
    [平均粒子径測定手順]
    コーティング液をスプレーノズルから噴霧している状態で、該スプレーノズルの直下10cmの位置に紙をかざす。紙に付着した液滴を顕微鏡によって観察することによって粒子径を求め、その平均値を平均粒子径とする。
    ただし、円形状でない液滴については、最大の径を粒子径とし、粒子径を測定する液滴は、2以上の液滴が重なったものではない。
  2. 前記コーティング液の噴霧範囲が、前記センター材の堆積面の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の被覆食品の製造方法。
  3. 油脂含有原料からなる、常温で固体のコーティング液を、表面に凹部及び/又は凸部のある、転動しているセンター材に噴霧することにより、前記センター材を前記油脂含有原料で被覆する方法であって、
    前記センター材への到達時の前記コーティング液の液滴の平均粒子径が1000μm以下であって、前記平均粒子径は、以下の平均粒子径測定手順に沿って測定したときのものであることを特徴とする、センター材を油脂含有原料で被覆する方法。
    [平均粒子径測定手順]
    コーティング液をスプレーノズルから噴霧している状態で、該スプレーノズルの直下10cmの位置に紙をかざす。紙に付着した液滴を顕微鏡によって観察することによって粒子径を求め、その平均値を平均粒子径とする。
    ただし、円形状でない液滴については、最大の径を粒子径とし、粒子径を測定する液滴は、2以上の液滴が重なったものではない。
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