JP6721817B2 - チップソー - Google Patents

チップソー Download PDF

Info

Publication number
JP6721817B2
JP6721817B2 JP2015156454A JP2015156454A JP6721817B2 JP 6721817 B2 JP6721817 B2 JP 6721817B2 JP 2015156454 A JP2015156454 A JP 2015156454A JP 2015156454 A JP2015156454 A JP 2015156454A JP 6721817 B2 JP6721817 B2 JP 6721817B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
cemented carbide
chip
fixing portion
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015156454A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017023119A (ja
Inventor
浅田 仁彦
仁彦 浅田
Original Assignee
株式会社トリガー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社トリガー filed Critical 株式会社トリガー
Priority to JP2015156454A priority Critical patent/JP6721817B2/ja
Publication of JP2017023119A publication Critical patent/JP2017023119A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6721817B2 publication Critical patent/JP6721817B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)

Description

本発明は、円板状の台金の外周縁に多数のチップ固着部が形成され、このチップ固着部に超硬チップがそれぞれロー付け固着されたチップソーに関する。
従来、刈払い用に使用されるチップソーは、例えば特許文献1に開示されている。このチップソーは、台金の外周縁に所定間隔で中心位置の取付孔方向に向けて窪んだ多数の刃室が形成され、この刃室部分に凹部形状のチップ固着部が形成され、このチップ固着部に超硬チップがそれぞれロー付け固着されている。このとき、超硬チップは、チップソーの回転方向前方側となる掬い面と、この掬い面の先端に回転方向後方側に向けて所定角度傾斜した先端面と、この先端面の後端と前記掬い面の下端との間に形成された台金を表面側から見た正面視で略J字形状の背面及び底面からなる固着面を有している。
そして、この超硬チップの固着面には、その厚さ方向(チップソーの板厚方向)の両側面に一定幅の鍔がそれぞれ設けられることで超硬チップの固着面に溝が形成され、この溝が台金のチップ固着部に嵌め込み状態とされて、超硬チップの固着面が台金のチップ固着部にロー付け固着されるようになっている。
特開2011−217712号公報
しかしながら、このようなチップソーにあっては、超硬チップの固着面の鍔(溝)により、台金のチップ固着部との接触面積が大きくなり、ロー付け強度を所定に確保することができるものの、超硬チップの掬い面と背面とが略平行に形成されて、この固着面がチップ固着部に単に挿入された状態でロー付け固着されている。そのため、超硬チップのチップ固着部に対する抜け(脱落)方向の強度がロー付け強度のみとなり、例えば刈払い作業中に刃先である超硬チップが地面に当たったり小石等と接触して、超硬チップ自体が強い衝撃を受けた場合に、ロー付け状態によっては超硬チップがチップ固着部から脱落する虞がある等、超硬チップに長期に亘り十分な固着力を確保することが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、超硬チップと台金のチップ固着部との間に超硬チップの脱落防止機構を設けつつ、超硬チップの固着面の所定位置に溝を設けてロー付け面積を増大させることで、構造上の強度とロー付け自体の強度で超硬チップのチップ固着部に対する固着力を十分に高めて、長期に亘り超硬チップの脱落を確実に防止し得るチップソーを提供することにある。
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、円板状の台金の外周縁の刃室部分に設けられた凹部からなるチップ固着部と、該チップ固着部にロー付け固着される超硬チップを備えるチップソーにおいて、前記超硬チップは、前記台金の回転方向前方側で下端部に脱落防止部を有する掬い面と、該掬い面の先端後方側に所定角度傾斜して設けられた先端面と、該先端面の後端部に連接されて前記掬い面と平行な背面と、該背面の下端に連接された傾斜面と、該傾斜面の下端と前記掬い面の下端との間に設けられた底面とを有し、前記超硬チップの背面部分のみに鍔が板厚方向の両側面にそれぞれ一体形成され、該鍔で形成される溝の深さが前記背面の長手方向において同一に設定されると共に、前記溝の下端部と前記傾斜面との連結部分が曲面形状に形成され、当該超硬チップの前記脱落防止部を前記チップ固着部の刃室側開口端部に形成した脱落防止部に回転しつつ係合させ、当該超硬チップの前記鍔で形成される溝を前記チップ固着部に嵌め込み装着した状態で、当該超硬チップの前記背面と傾斜面及び底面が前記チップ固着部にロー付け固着されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記超硬チップの脱落防止部及び前記チップ固着部の脱落防止部が、前記超硬チップ及び台金の板厚方向の全域に亘って設けられてその周面が半円弧形状の突条もしくは溝であることを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、前記超硬チップの溝が、当該溝を台金の前記チップ固着部に嵌め込んで装着する際に、当該超硬チップの前記脱落防止部を中心とした回転装着動作に支障のない深さに設定されると共に、前記鍔で前記チップ固着部の両側面が閉塞される深さであることを特徴とする。
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、超硬チップの掬い面の下端部に設けた脱落防止部が、台金のチップ固着部の脱落防止部に係合回転しつつ、超硬チップの鍔で形成される溝をチップ固着部に嵌め込み装着した状態で、超硬チップがチップ固着部にロー付け固着されるため、脱落防止部で超硬チップのチップ固着部からの抜け(脱落)が凹凸構造で阻止されると共に、超硬チップの背面の溝により超硬チップの固着面とチップ固着部のロー付け面積を増大でき、構造上の強度とロー付け自体の強度で超硬チップのチップ固着部に対する固着力を十分に高めて、長期に亘り超硬チップの脱落を防止することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、超硬チップとチップ固着部の脱落防止部が超硬チップと台金の板厚方向の全域に亘って設けられてその周面が半円弧形状の突条もしくは溝であるため、超硬チップをチップ固着部に装着した際に、超硬チップの台金の板厚方向に対する捻れ等の位置変化を防止でき、チップ固着部に超硬チップを安定装着して一層強固な固着状態を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、超硬チップの溝を台金のチップ固着部に嵌め込んで装着する際に、溝の深さが超硬チップの装着動作に支障のない深さに設定されると共に、溝両側の鍔でチップ固着部の両側面を閉塞できるため、超硬チップをその回転操作をスムーズに行いつつチップ固着部に簡単かつ正確に装着できると共に、超硬チップの固着面とチップ固着部間の隙間を鍔で確実に閉塞できて、超硬チップの固着状態をより一層安定化することができる。
本発明に係わるチップソーの一実施形態を示す一部破断した正面図 同図1の要部の拡大図 同超硬チップの(a)が正面図、(b)が左側面図、(c)が右側面図、(d)が平面図、(e)が底面図 同超硬チップの装着方法の説明図 同超硬チップの変形例を示す断面図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係わるチップソーの一実施形態を示している。図1に示すように、チップソー1は、円板状で複数の軽量孔3が形成された台金2を有し、この台金2の中心位置には、図示しない例えば刈払い機への取付孔4が形成されている。また、台金2の外周縁2aには、台金2の中心位置方向に窪んだ刃室(ガレット)5が一定間隔で多数形成され、この刃室5に連続する状態でチップ固着部6がそれぞれ形成されている。そして、各チップ固着部6には、超硬合金からなるチップ7(超硬チップ7という)がそれぞれロー付け固着されている。
前記台金2のチップ固着部6は、図2に示すように、前面6a、底面6b、傾斜面6c及び背面6dを有して窪み(凹部)形状に形成されると共に、前面6aの刃室5側の開口端には台金2の表裏面から見た正面視(断面)で半円弧形状の凸部8(脱落防止部)が一体形成されている。このとき、凸部8は台金2の板厚方向の全域に亘って形成された突条とされ、その外周面は所定アール寸法の円弧面とされると共に、凸部8の刃室5側は、刃室5の回転方向イの後端部に曲面で連接されている。
また、前記前面6aの下端には、前記底面6bが直角状態で連設され、この底面6bは前記刃室5の最深部5aより台金2の外周縁2a側に位置し、底面6bの後端部には前記傾斜面6cを介して前面6aと平行な前記背面6dが連設されている。これにより、チップ固着部6は、正面視で略J字形状を呈し、このチップ固着部6の回転方向イ前方側の開口端となるJ字の先端部分に前記凸部8が設けられている。なお、台金2の前記刃室5の回転方向イ先端部には、回転方向イの後方側の刃室5内及び台金2の外周縁2a側に所定寸法張り出した張り出し部9がそれぞれ一体形成されている。この張り出し部9により回転方向イ後方側の超硬チップ7が保護されるようになっている。
一方、前記超硬チップ7は、図3(a)〜(e)に示すように構成されている。すなわち、超硬チップ7は、台金2の回転方向イ前方側で上端部に傾斜部7a1を有する掬い面7aと、この掬い面7aの傾斜部7a1先端に前記回転方向イ後方側に向けて所定角度傾斜して設けられた先端面7bと、この先端面7bの後端部に連設された背面7cと、この背面7cの下端に連設された傾斜面7dと、この傾斜面7dと前記掬い面7aの下端との間に設けられ掬い面7aの下端に直角状態て連設された底面7eを有している。
このとき、前記掬い面7aと背面7cは、前記チップ固着部6の前面6a下端と背面6dと同様に平行に形成されている。これらの背面7cと傾斜面7d、底面7e及び掬い面7aの下端部とで超硬チップ7の固着面が形成されている。また、背面7cには、その板厚方向の両側面に鍔10をそれぞれ一体形成することで、背面7cの長手方向に沿って所定深さの溝11が形成され、この溝11の幅寸法wは、前記台金2(チップ固着部6)の板厚寸法と略同一に設定されている。また、前記先端面7bは、掬い面7a側の面と背面7c側の面とで正面視で山形形状に形成されている。
また、前記超硬チップ7の掬い面7aの下部には、正面視で半円形状の凹部12(脱落防止部)が一体形成されている。この凹部12は、前記チップ固着部6の凸部8と同様に、超硬チップ7の板厚方向の全域に溝として設けられると共に、その内周面も凸部8の外周面と合致する円弧面で形成されている。これにより、後述する如く超硬チップ7をチップ固着部6にセットする際に、係合している凸部8と凹部12が超硬チップ7の略回転中心となって、超硬チップ7が回転しつつ、図2に示すように、チップ固着部6に嵌合装着されるようになっている。
なお、超硬チップ7の背面7cに形成される溝11の深さは、長手方向において同一に設定されるが、溝11の上下端部が先端面7b及び傾斜面7dに位置することから、当該部分の溝11の深さは、各面7b、7dに対応して順次浅くなるように設定され、特に、溝11の下端部の傾斜面7dに対応する部分は曲面形状となっている。また、超硬チップ7の凹部12は、超硬チップ7の掬い面7aと背面7c間の寸法w1に対して例えば1/5程度の深さに設定されると共に、凹部12の開口幅w2は、超硬チップ7の高さhに対して例えば1/6程度に設定されている。
次に、このように構成された超硬チップ7の台金2のチップ固着部6に対する固着方法の一例を、図4に基づいて説明する。先ず、前述した形状に形成された超硬チップ7と、この超硬チップ7の形状に対応した形状のチップ固着部6が形成された台金2を準備する。そして、図4(a)に示すように、超硬チップ7を台金2の刃室5内に位置させた状態で、該超硬チップ7の凹部12をチップ固着部6の凸部8に係合させる。
この状態で図4(b)の矢印ロの如く超硬チップ7を回転(回動)させる。この超硬チップ7の回転時の回転中心は、互いに係合している半円形の凸部8と凹部12となり、超硬チップ7の回転により、超硬チップ7の底面7eと傾斜面7dがチップ固着部6内に徐々に挿入される。この超硬チップ7のチップ固着部6への挿入時に、超硬チップ7の背面7cに設けた溝11が、チップ固着部6に徐々に嵌め込まれ、つまり背面7cの一対の鍔10でチップ固着部6が挟まれた状態となる。
このとき、超硬チップ7の背面7cの下部に傾斜面7dが設けられると共に、チップ固着部6にも対応した傾斜面6cが設けられたり、超硬チップ7の背面7cと傾斜面7dとの連結部分が曲面で形成されていること、及び前述した溝11の深さや幅寸法、鍔10の幅等の各種設定により、超硬チップ7の凸部8を中心とした回動動作がスムーズに開始されることになる。
そして、超硬チップ7を図4(c)に示すように、矢印ロ方向にさらに回転させると、超硬チップ7の底面7eがチップ固着部6の底面6b部分に嵌め込まれた状態となり、この状態から、さらに超硬チップ7を矢印ロ方向に回転させることにより、図4(d)に示すように、超硬チップ7の底面7eがチップ固着部6の底面6bに完全に接触するか僅かな隙間を有すると共に、超硬チップ7の前面7a、背面7c及び傾斜面7dが、チップ固着部6の前面6a、背面6d及び傾斜面6cに略接触した状態となり、超硬チップ7がチップ固着部6に完全に嵌め込まれる。
この嵌め込み装着時に、超硬チップ7とチップ固着部6の前述した各種設定により、超硬チップ7が回転する際に、超硬チップ7の前記固着面(特に背面7cや傾斜面7d)がチップ固着部6の背面6d、傾斜面6c等に当接して、超硬チップ7の回転動作ができなくなること等が防止され、超硬チップ7のスムーズな回転動作、すなわち超硬チップ7のスムーズな装着動作が得られることになる。
これにより、凸部8と凹部12が嵌合(係合)しつつ超硬チップ7の背面7cの溝11がチップ固着部6の背面6dに嵌合した状態で、超硬チップ7がチップ固着部6に装着される。この装着状態において、超硬チップ7は、凹部12と凸部8の係合によりチップ固着部5からの図4(d)の矢印ハ方向に移動、すなわち超硬チップ7のチップ固着部6からの抜け(脱落)が凹凸構造で規制されると共に、鍔10により超硬チップ7のチップ固着部6の板厚方向の移動(ズレ)も規制された状態となる。
この超硬チップ7の装着を全てのチップ固着部6に対して行い、各チップ7が装着された台金2をロー付け装置にセットし、高周波の誘導加熱でチップ固着部6を加熱すると共に、該加熱部分にフラックスを介して銀ローを当接させる。これにより銀ローが溶融して、超硬チップ7の前面7a(凹部12)、底面7e、傾斜面7d、背面7c及び鍔10内面と、チップ固着部6の前面6a(凸部8)、底面6b、傾斜面6c、背面6d及びチップ固着部6の表裏面との間に銀ローが浸透して、超硬チップ7がチップ固着部6にロー付け固着される。
この超硬チップ7のロー付け作業時に、超硬チップ7がチップ固着部6に抜けと板厚方向のズレが規制された状態となっていることから、例えば全ての超硬チップ7が装着された台金2をロー付け装置にセットしても、超硬チップ7の装着状態を安定化させることができて、例えばロー付け作業の自動化が可能になる等、ロー付け作業を容易かつ効率的に行うことができる。そして、このロー付け状態においても、超硬チップ7は、前面7a、底面7e、傾斜面7d、背面7cの各面と鍔10の両内面によりチップ固着部6にロー付け固着されると共に、凹部12と凸部8間もロー付け固着されることになり、ロー付けの固着面積を従来に比較して最大限増大できると共に凹凸構造により、超硬チップ7とチップ固着部6(台金2)との間に従来にない異次元の固着力が得られることになる。
このように、前記チップソー1によれば、超硬チップ7の前面7a下部に設けた凹部12が、チップ固着部6の掬い面6a下部に設けた凸部8に回転しつつ係合すると共に、超硬チップ7の背面7cに設けた溝11がチップ固着部6に嵌め込まれた状態とされて、超硬チップ7とチップ固着部6の各固着面がそれぞれロー付け固着されるため、超硬チップ7の鍔10や凹部12とチップ固着部6の凸部8等により、超硬チップ7とチップ固着部6の接触面積(ロー付け面積)を増大させることができ、ロー材による固着強度を高めることができると共に、超硬チップ7の凹部12とチップ固着部6の凸部8との係合で、超硬チップ7のチップ固着部6から外周縁方向への抜けを凹凸構造で確実に防止することができる。
また、超硬チップ7の凹部12とチップ固着部6の凸部8が、超硬チップ7や台金2の板厚方向の全域に一体形成されて凹凸係合されると共に、超硬チップ7の背面7cに設けた溝11がチップ固着部6に嵌め込まれた状態となるため、チップ固着部6に対する超硬チップ7の板厚方向に対する位置(角度)の変化や抜け方向への移動を規制して、その装着状態を安定化させることができる。また、超硬チップ7の掬い面7a下部に設けられる凹部12の深さが、超硬チップ7の掬い面7aと背面7cの寸法w1に対して1/5程度と比較的小さく設定されているため、凹部12による超硬チップ7自体の弱体化を防止することもできる。
これらのことから、超硬チップ7の台金2に対する固着力を十分に高めることができて、超硬チップ7のチップ固着部6からの脱落を防止(抑制)しチップソー1自体の寿命を大幅に延ばすことが可能になり、従来にない長期に亘り使用可能なチップソー1を容易かつ安価に提供することが可能になる。
なお、前記チップソー1の場合、基本的に台金2の材質の剪断応力が超硬チップ7の固着力となり、JISB9212に規定されている台金2と超硬チップ7の接合強度(超硬チップ部分に1000Nの加重を1分間かけても剥離がないこと)の基準を十分に満足できることが確認されている。この基準は、外形が230〜255mmのチップソーが、4000〜5000r/mの回転で使用される場合でも、刃飛びの事故が絶えないことから厳しく規定されているものであり、前記チップソー1の場合、この基準を、背面に溝11を有する超硬チップ7と台金2のチップ固着部6とを凹凸係合させつつ、超硬チップ7を回転させながらセットしてロー付け固着するという、従来では全く考えられなかった構造(固着方式)を採用することで解決している。
また、チップ固着部6の凸部8及び超硬チップ7の凹部12が所定径の半円形状で形成され、この凹凸部分が略回転中心となるように形成されると共に、超硬チップ7の背面7cの下端に傾斜面7d等が設けられているため、凹部12と凸部8を係合させつつ超硬チップ7のチップ固着部6に対する回転動作をスムーズに行うことができる。また、前述したように超硬チップ7のチップ固着部6への装着位置の安定化により、例えばチップソー1の全てのチップ固着部6に超硬チップ7を装着した状態で各超硬チップ7を連続的にロー付けすることができる。
さらに、チップ固着部6の凸部8が、チップ固着部6の回転方向イ前方側で台金2の中心位置方向にチップ固着部6の底面6bより深く窪んだ刃室5側の開口端に設けられているため、凸部8の形成をプレス加工等により容易に加工できると共に、超硬チップ7のロー付け時に深さの深い刃室5を利用して、チップ固着部6に超硬チップ7を回転させつつ簡単に装着することができる。
また、超硬チップ7の溝11(鍔10)がチップ固着部6の略背面6dに対応する背面7c部分にのみ一体形成されているため、例えば鍔10を背面7cから底面7eの全域に設けた場合に比較して、超硬チップ7の装着作業をよりスムーズに行いつつ、超硬チップ7の底面7eとチップ固着部6の底面6bとの接触状態を外部から確認できて、例えば超硬チップ7の寸法不良等による装着不良を的確に排除でき、全ての超硬チップ7により一層安定した装着状態が得られると共に、超硬チップ7自体の形状を簡略化することができる。
これらのことから、超硬チップ7のチップ固着部6へのロー付け作業を自動化により効率化したり、超硬チップ7自体を安価に形成できると共に、チップソー1の製造時の固着力に関する検査業務も含めた製造コストの大幅な低減化を図ることができる等、今までにない超硬チップ7の台金2に対する究極の固着力を備えたチップソー1を容易に製造することが可能になる。
ところで、前記実施形態においては、超硬チップ7の前面7aに脱落防止部としての凹部12を設け、チップ固着部6の前面6aに脱落防止部としての凸部8を設けたが、図5(a)に示すように、超硬チップ7の前面7aに凸部8を設けチップ固着部6に凹部12(図示せず)を設ける構成としても良い。また、超硬チップ7の背面7cに形成される溝11(鍔10)の形態も、参考例としての図5(b)に示すように、その下端を底面7eまで延長しても良く、この場合、溝11の深さを背面7cと傾斜面7dとで異ならせる(例えば図示するように背面7c側の深さを深くする)こともできる。
なお、前記実施形態においては、超硬チップ7の固着面となる背面7c、傾斜面7d及び底面7eの形状を略J字形状としたが、本発明はこれに限定されず、溝11の深さ等によっては略L字形状に形成しても良いし、底面7eや傾斜面7dを曲面で形成したり、あるいは先端面7bや掬い面7aを平坦な一つの面で形成する等、超硬チップ7自体の形状は、チップ固着部6の凹部形状に対応し、回動しつつ嵌め込み装着が可能な適宜の形状を採用することができる。また、前記実施形態における、超硬チップ7の個数、刃室5の形状等のチップソー1自体の形態は、一例であって、本発明の各発明に係わる要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
本発明は、円板状の台金の外周縁に紹硬チップが固着されて、刈払い用、木材・金属・石材等の各材料の切断(加工)用の全てのチップソーに利用できる。
1・・・チップソー、2・・・台金、2a・・・外周縁、3・・・軽量孔、4・・・取付孔、5・・・刃室、5a・・・最深部、6・・・チップ固着部、6a・・・前面、6b・・・底面、6c・・・傾斜面、6d・・・背面、7・・・超硬チップ、7a・・・掬い面、7b・・・先端面、7c・・・背面、7d・・・傾斜面、7e・・・底面、8・・・凸部(脱落防止部)、10・・・鍔、11・・・溝、12・・・凹部(脱落防止部)。

Claims (3)

  1. 円板状の台金の外周縁の刃室部分に設けられた凹部からなるチップ固着部と、該チップ固着部にロー付け固着される超硬チップを備えるチップソーにおいて、
    前記超硬チップは、前記台金の回転方向前方側で下端部に脱落防止部を有する掬い面と、該掬い面の先端後方側に所定角度傾斜して設けられた先端面と、該先端面の後端部に連接されて前記掬い面と平行な背面と、該背面の下端に連接された傾斜面と、該傾斜面の下端と前記掬い面の下端との間に設けられた底面とを有し、
    前記超硬チップの背面部分のみに鍔が板厚方向の両側面にそれぞれ一体形成され、該鍔で形成される溝の深さが前記背面の長手方向において同一に設定されると共に、前記溝の下端部と前記傾斜面との連結部分が曲面形状に形成され、
    当該超硬チップの前記脱落防止部を前記チップ固着部の刃室側開口端部に形成した脱落防止部に回転しつつ係合させ、当該超硬チップの前記鍔で形成される溝を前記チップ固着部に嵌め込み装着した状態で、当該超硬チップの前記背面と傾斜面及び底面が前記チップ固着部にロー付け固着されていることを特徴とするチップソー。
  2. 前記超硬チップの脱落防止部及び前記チップ固着部の脱落防止部は、前記超硬チップ及び台金の板厚方向の全域に亘って設けられてその周面が半円弧形状の突条もしくは溝であることを特徴とする請求項1に記載のチップソー。
  3. 前記超硬チップの溝は、当該溝を台金の前記チップ固着部に嵌め込んで装着する際に、当該超硬チップの前記脱落防止部を中心とした回転装着動作に支障のない深さに設定されると共に、前記鍔で前記チップ固着部の両側面が閉塞される深さであることを特徴とする請求項1または2に記載のチップソー。
JP2015156454A 2015-07-21 2015-07-21 チップソー Active JP6721817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015156454A JP6721817B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 チップソー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015156454A JP6721817B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 チップソー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017023119A JP2017023119A (ja) 2017-02-02
JP6721817B2 true JP6721817B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=57948851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015156454A Active JP6721817B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 チップソー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6721817B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017023119A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4754260B2 (ja) 丸鋸
US10926343B2 (en) Ground set saw blade
EP2359971B1 (en) Circular saw blade with cutting tips mechanically lockes against multiple force vectors
TWI753006B (zh) 具有刀尖片之圓鋸刀
US20170297124A1 (en) Ground set saw blade
JP6339764B2 (ja) 丸鋸
JP2006239826A (ja) ドリルヘッド
JP6721817B2 (ja) チップソー
JP2007245289A (ja) カッター
JP6605793B2 (ja) ジグソー等用ブレード
JP2011254794A (ja) 刈払い用チップソー
JP2011178138A (ja) チップソー
JPH11207633A (ja) ダイヤモンドブレード
JPH1128670A (ja) カッティングソー
JP6773265B2 (ja) チップソー
JP2008142795A (ja) ソーブレード
JP4702804B2 (ja) 金属切断用丸鋸
JP2000254822A (ja) チップソー
JPH11277331A (ja) ダイヤモンドチップソー
JP6609925B2 (ja) ホブ
JP5043227B2 (ja) 丸のこ刃
JP2013244009A (ja) チップソー及び超硬チップ
JP4087838B2 (ja) 替刃式帯鋸用替刃の研磨方法
JP6777280B2 (ja) 回転切断刃
JPH08141836A (ja) 回転鋸

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6721817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250