JP6721780B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクセルの操作量を検出する操作量検出手段と、操作量の変動に応じてスロットル弁の開度を変更する信号を出力する弁開度設定手段とを備える内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1は空燃比制御システムを開示する。空燃比制御システムはアクセルペダルの踏み込み量(操作量)および内燃機関の回転数に基づき燃料噴射量を決定する。その一方で、内燃機関の吸気管に導入される空気量(吸入空気量)はアクセルペダルの操作量やその変化割合、回転数、水温に基づき補正される。
特に、加速時などの過渡状態では、燃料の噴射後にスロットル弁の開度が変化し、吸入空気量が変化することから、特許文献1の空燃比制御システムは、燃料の噴射時期までの遅れ時間を考慮して空気量を決定し、アクチュエーターでスロットル弁を制御する。
日本特開昭64−87845号公報
特許文献1の空燃比制御システムは、ドライバーの意図を検出し燃料噴射量を補正し、その後、スロットル弁を制御し、空燃比を最適化する。しかしながら、ドライバーは必ずしも燃料噴射後に制御通りにアクセルを操作するとは限らない。特に、ドライバーのアクセル開度を上げる意図を検出し、燃料噴射量を増やした後に、アクセル開度が上がらない場合には、吸入空気量が想定よりも少なくなることで、燃料がリッチ状態になり、エミッションの悪化を招く。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、さらなるエミッションの向上に寄与する内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、アクセルの操作量を検出する操作量検出手段と、前記操作量の変動に応じてスロットル弁の開度を変更し、目標燃料噴射量の算出が開始されてから、吸気弁が閉じるまで、前記スロットル弁の開度を固定する信号を出力する弁開度設定手段とを備え、前記弁開度設定手段は、前記目標燃料噴射量の算出が開始された時点で、前記スロットル弁の実開度と目標開度との乖離が予め決められた値以上である場合には前記開度の固定を中止することができる内燃機関の制御装置が提供される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、前記弁開度設定手段は内燃機関の低回転域で前記開度の固定を中止することができる。
第3側面によれば、第1または第2側面の構成に加えて、前記弁開度設定手段は低速域で前記開度の固定を中止することができる。
第4側面によれば、第1〜第3側面の構成に加えて、多気筒の内燃機関に接続され、前記弁開度設定手段は、全気筒の吸気弁が閉じるまで、前記スロットル弁の前記開度を固定する信号を出力することができる
第5側面によれば、第1〜第4側面のいずれかの構成に加えて、前記弁開度設定手段は、前記吸気弁が閉じた後、前記操作量の変動に応じて目標開度を指定する信号を出力することができる。
側面によれば、第1〜第側面のいずれかの構成に加えて、内燃機関の制御装置は、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、目標開度および前記回転数に基づき前記目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量設定手段とをさらに備えることができる。
側面によれば、第1〜第3側面のいずれかの構成に加えて、内燃機関の制御装置は単気筒の内燃機関に接続されることができる。
第1側面によれば、燃料噴射量の算出条件が検出されてから、燃焼室に対して混合気の導入が完了するまで、吸入空気量が変動しないことから、最適な空燃比が得られ、エミッションは最大限に向上する。また、スロットル弁の実開度が目標開度に設定された状態でスロットル弁の開度が固定されるので、ライダーの要求値に見合った出力は得られることができる。その一方で、スロットル弁の実開度が目標開度から乖離した状態で、スロットル弁の開度が固定されてしまうと、アクセルの操作量に見合った出力が確保されずに、ライダーの操作感が悪化してしまう。
第2側面によれば、内燃機関の低回転域で、アクセルの操作で得られるトルク要求値と実トルクとの開きが抑制されて、ライダーの違和感はできる限り回避されることができる。その一方で、内燃機関の低回転域でトルク要求値と実トルクとの開きが大きいと、ライダーは高回転域よりも違和感を持ってしまう。
第3側面によれば、低速域で開度の固定が中止されることで、ドライバビリティの悪化はできる限り回避されることができる。低速域で開度が固定されると、アクセルの操作で得られるトルク要求値から実トルクが乖離してしまうことがあって、そういった場合にはライダーはドライバビリティの悪化を感じてしまうことがある。
第4側面によれば、多気筒の内燃機関においても、全気筒の吸気弁が閉じるまでスロットル弁の開度が固定されることから、燃料噴射量の算出条件が検出されてから吸入空気量が変動せず、最適な空燃比が得られ、エミッションは最大限に向上する。
側面によれば、燃料噴射量の算出が開始されるまで、スロットル弁の開度はアクセルの操作量に応じて変化することから、燃料噴射量の算出時にはスロットル弁は確実に目標開度を確立することができる。こうして確実に最適な空燃比は確保されることができる。
側面によれば、目標開度の演算後に目標燃料噴射量が決定されるので、スロットル弁の実開度が目標開度から乖離しても、目標燃料噴射量の演算のやり直しが不要となり、演算効率が高い。
側面によれば、単気筒の内燃機関ではスロットル弁と吸気弁とが1対1の関係を有することから、スロットル弁の開度が固定されても、複数気筒のように他の気筒への吸入空気量の影響が生じない。狙い通りの吸入空気量は実現される。
図1は本発明の一実施形態に係る自動二輪車の全体構成を概略的に示す側面図である。(第1の実施の形態) 図2は図1の主要部の拡大縦断側面図である。(第1の実施の形態) 図3は本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置を概略的に示すブロック図である。(第1の実施の形態) 図4は単気筒の内燃機関の場合にスロットル弁の制御方法を概略的に示すタイミングチャートである。(第1の実施の形態) 図5は単気筒の内燃機関の場合に制御装置の処理動作を概略的に示すフローチャートである。(第1の実施の形態) 図6は多気筒の内燃機関の場合にスロットル弁の制御方法を概略的に示すタイミングチャートである。(第1の実施の形態) 図7は2気筒の内燃機関の場合に制御装置の処理動作を概略的に示すフローチャートである。(第1の実施の形態)
25・・・内燃機関
42・・・クランクシャフト(回転数検出手段)
55・・・吸気弁
71・・・スロットル弁
78・・・右ハンドルグリップ(アクセル)
84・・・弁開度設定手段
85・・・燃料噴射量設定手段
86・・・操作量検出手段
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。ここで、車体の上下前後左右は自動二輪車に乗車した乗員の目線に基づき規定されるものとする。なお、以下に説明される実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を不当に限定するものではなく、実施形態で説明される構成の全てが発明の解決手段として必須であるとは限らない。
第1の実施の形態
図1は本発明の一実施形態に係る車両(例えば鞍乗り型車両)としての自動二輪車11の全体像を概略的に示す。自動二輪車11は、車体フレーム12と、車体フレーム12に装着されるカウルカバー13とを備える。車体フレーム12は、フロントフォーク14を操向可能に支持するヘッドパイプ15と、該ヘッドパイプ15から後下がりに延びる左右1対のメインフレーム16、16と、メインフレーム16、16の後端から下方に延びる左右1対のピボットフレーム17、17と、メインフレーム16、16の後端から後上がりに延びる左右1対のシートレール18、18とを備える。フロントフォーク14には車軸19回りで回転自在に前輪WFが支持される。ピボットフレーム17、17には上下揺動可能にスイングアーム21の前端が連結される。スイングアーム21の後端には車軸22回りで回転自在に後輪WRが支持される。メインフレーム16には上方から燃料タンク23が搭載される。燃料タンク23の後方でシートレール18には乗車用前シート24aおよび乗車用後シート24bが順番に支持される。
車体フレーム12には燃料タンク23の下方で内燃機関25の機関本体25aが支持される。内燃機関25はメインフレーム16およびピボットフレーム17に連結される。内燃機関25は後輪WRの回転力を生み出す動力を発揮する。内燃機関25には燃料タンク23から燃料が供給される。
カウルカバー13は、前輪WFの上方で車体フレーム12に支持されて、前方からヘッドパイプ15を覆うフロントカウル27と、前輪WFおよび後輪WRの間で車体フレーム12に支持されて、下方から機関本体25aを覆うロワーカウル28と、フロントカウル27およびロワーカウル28から連続してフロントカウル27およびロワーカウル28を相互に接続し、部分的に機関本体25aの側方を覆うセンターカウル29とを備える。燃料タンク23はタンクカバー31で覆われる。タンクカバー31には、燃料タンク23および乗車用前シート24aの間で燃料タンク23の後側下部を左右両側から覆う左右1対のサイドカバー32が連続する。乗車用後シート24bの下方でシートフレーム18はリアカウル33で覆われる。
フロントフォーク14には操向ハンドル34が結合される。操向ハンドル34は車軸18に並列な方向にヘッドパイプ15から左右に延びるバーハンドル35を備える。バーハンドル35の左端には左ハンドルグリップ36およびクラッチレバー37が設けられる。バーハンドル35の右端には、後述されるように、右ハンドルグリップを含むグリップユニットおよびブレーキレバーが設けられる(ここでは図示されず)。
内燃機関25はいわゆる単気筒内燃機関に構成される。すなわち、機関本体25aは、図2に示されるように、車軸22に平行な回転軸線41回りに回転自在にクランクシャフト42を支持するクランクケース43と、クランクケース43に結合されて、1つのシリンダー44を有するシリンダーブロック45と、シリンダーブロック45に結合されて、燃焼室46に通じる吸気ポート47および排気ポート48を区画するシリンダーヘッド49と、シリンダーヘッド49に覆い被さるヘッドカバー51とを備える。シリンダー44のシリンダー軸線Cはクランクシャフト42の回転軸線41に直交し前傾する。シリンダー44にはシリンダー軸線Cの軸方向にスライド自在にピストン52が収容される。ピストン52とシリンダーヘッド49との間に燃焼室46は区画される。ピストン52にはコネクティングロッド53を介してクランクシャフト42が連結される。シリンダーヘッド49およびヘッドカバー51には、燃焼室46に対して吸気ポート47および排気ポート48の開閉を司る弁機構54が支持される。
弁機構54は、指定のタイミングで吸気ポート47を開閉する吸気弁55と、指定のタイミングで排気ポート48を開閉する排気弁56とを備える。吸気弁55および排気弁56にはそれぞれカムシャフト57a、57bのカム58a、58bが連結される。カム58a、58bのカムプロファイルに基づき吸気弁55および排気弁56の開閉のタイミングは規定される。カムシャフト57a、57bにはクランクシャフト42の回転とカム58a、58bの回転とを連動させる連動機構59が接続される。連動機構59の働きでカムシャフト57a、57bの回転はクランクシャフト42の回転に同期する。連動機構59はカムチェーンや、カムチェーンとギアとの組み合わせ、ギア機構などで構成されることができる。
シリンダーヘッド49には吸気系61が接続される。吸気系61は、燃料タンク23で覆われてヘッドカバー51の上方に配置されるエアクリーナー62と、エアクリーナー62に接続される上流端を有する電子制御式スロットル装置63と、ヘッドカバー51に電子制御式スロットル装置63の下流端を結合するインシュレーター64とを備える。エアクリーナー62は、クリーナーエレメント65を収容し、クリーナーエレメント65で隔てられる未浄化室66aおよび浄化室66bを区画するクリーナーケース67を有する。
電子制御式スロットル装置63はスロットルボディ68を備える。スロットルボディ68は吸気通路68aを区画する。吸気通路68aの上流端は、浄化室66bに突入するエアファンネル69を通じてクリーナーケース67に接続される。吸気通路68aの下流端はシリンダーヘッド49の吸気ポート47に接続される。
電子制御式スロットル装置63は、吸気通路68a内に配置されるスロットル弁71を備える。スロットル弁71は、吸気通路68aを横切ってスロットルボディ68に回転自在に支持される弁軸72に固着される。スロットル弁71は弁軸72の軸心回りで回転して吸気通路68aを開閉する。スロットル弁71の開度に応じて内燃機関25の機関出力は調整される。
スロットルボディ68にはスロットル弁71の下流で燃料噴射弁73が取り付けられる。燃料噴射弁73の噴射ノズル73aはスロットル弁71の下流で吸気通路68aに臨む。吸気通路68a内の気流には噴射ノズル73aから燃料が噴霧される。燃料タンク23の燃料は燃料ポンプ(図示されず)の作用で燃料噴射弁73に供給される。
図3に示されるように、電子制御式スロットル装置63は、スロットル弁71の弁軸72に連結されるアクチュエーター74と、スロットル弁71の開度を検出する開度センサー75とをさらに備える。アクチュエーター74は、弁軸72を回転駆動する動力を発揮する電動モーター76を含む。アクチュエーター74は、供給される制御信号に基づき弁軸72の軸心回りでスロットル弁71を駆動してスロットル弁71の開閉動作を実現する。ここでは、制御信号は、指定されるスロットル弁71の動作量すなわち回転量(角度)を実現する電動モーター76の制御量(回転量または回転角)を特定する。
グリップユニット77は、バーハンドル35に固定されて右ハンドルグリップ(アクセル)78に連結されるスイッチケース79を備える。スイッチケース79にはエンジンストップスイッチ81が組み込まれる。エンジンストップスイッチ81は内側からスイッチケース79に固定される。エンジンストップスイッチ81は操作片81aの押圧操作に応じてスイッチ信号を出力する。スイッチ信号の出力に応じて内燃機関25は始動する。右ハンドルグリップ78はバーハンドル35の軸心Xis回りに決められた角度範囲内で回転自在にバーハンドル35に支持される。右ハンドルグリップ78のグリップ操作は運転手の手操作で実現される。
図3に示されるように、電子制御式スロットル装置63には内燃機関25の制御装置(ECU=電子制御ユニット)83が接続される。制御装置83は、アクチュエーター74に接続されて、右ハンドルグリップ78の操作量に応じて予め決められた目標開度を指定する制御信号を出力する弁開度設定手段84と、燃料噴射弁73に接続されて、スロットル弁71の目標開度および内燃機関25の回転数に基づき目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量設定手段85とを有する。弁開度設定手段84から出力される制御信号は電動モーター76の制御量を特定する。電動モーター76の制御量はスロットル弁71の動作量を決定する。弁開度設定手段84および燃料噴射量設定手段85は、ECUで実行されるプログラムに基づき実現される機能ブロックとして実装されればよい。
弁開度設定手段84には、右ハンドルグリップ78に接続されて、右ハンドルグリップ78の操作量を検出する操作量検出手段86が接続される。弁開度設定手段84は操作量検出手段86から右ハンドルグリップ(アクセル)78の操作量を特定する検知信号を取得する。操作量検出手段86は、例えば、バーハンドル35の軸心Xis回りで右ハンドルグリップ78の回転角を検出する角センサーで構成されることができる。弁開度設定手段84は、操作量の変動に応じてスロットル弁71の開度を変更する制御信号を出力する。
弁開度設定手段84には電子制御式スロットル装置63の開度センサー75が接続される。弁開度設定手段84は、開度センサー75からの検知信号に基づきスロットル弁71の実開度を特定する。
弁開度設定手段84および燃料噴射量設定手段85には、クランクシャフト42に接続されて、回転軸線41回りでクランクシャフト42の角位置を検出する角位置検出手段87が接続される。角位置検出手段87は例えばロータリーエンコーダーで構成されることができる。弁開度設定手段84および燃料噴射量設定手段85は角位置を特定する角位置信号に基づき内燃機関25の回転数を特定する。加えて、弁開度設定手段84は、クランクシャフト42の角位置に基づき、4サイクル(吸入行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程)の動作中に吸気弁55の開閉動作のタイミング、燃料噴射量の算出のタイミング、および燃料噴射のタイミングを特定する。吸気弁55の開閉動作のタイミング、燃料噴射量の算出のタイミング、および燃料噴射のタイミングはクランクシャフト42の角位置に従って予め決められる。燃料噴射量設定手段85には、弁開度設定手段84から、スロットル弁71の目標開度を特定する情報が供給される。なお、内燃機関25の回転数は、クランクシャフト42の回転数に限らず、カムシャフトやバランサーギアの回転数に基づき検出されてもよい。
図4に示されるように、弁開度設定手段84は、燃料噴射量設定手段85で目標燃料噴射量の算出が開始されてから、吸気弁55が閉じるまで、スロットル弁71の開度を固定する信号を出力する。そして、弁開度設定手段84は、吸気弁55が閉じた後、操作量の変動に応じて目標開度を指定する信号を再び出力する。ただし、弁開度設定手段84は、目標燃料噴射量の算出が開始された時点で、スロットル弁71の実開度と目標開度との乖離が予め決められた値以上である場合にはスロットル弁71の開度の固定を見送る。このとき、弁開度設定手段84は、右ハンドルグリップ78の操作量の変動に応じて目標開度を指定する信号を出力し続ける。スロットル弁71の実開度は開度センサー75の検知信号に基づき取得される。
加えて、弁開度設定手段84は、内燃機関25の低回転域でスロットル弁71の開度の固定を見送る。このとき、弁開度設定手段84は、右ハンドルグリップ78の操作量の変動に応じて目標開度を指定する信号を出力し続ける。内燃機関25の低回転域は例えば2000rpm以下に設定されることができる。その他、内燃機関25の低回転域は、最高回転の2分の1や3分の1に設定されてもよく、アイドリング時の回転数以下に設定されてもよい。内燃機関25の回転数は角位置検出手段87の角位置信号に基づき算出される。
同様に、弁開度設定手段84は、自動二輪車11の低速域でスロットル弁71の開度の固定を見送る。このとき、弁開度設定手段84は、右ハンドルグリップ78の操作量の変動に応じて目標開度を指定する信号を出力し続ける。低速域は例えば5km/hに設定されればよい。車両の速度は車軸の回転数から算出されればよい。
制御装置83は、角位置検出手段87に接続されて、クランクシャフト42の角位置に基づき内燃機関25の回転数を算出する回転数算出手段88を備えてもよい。回転数算出手段88にはタコメーター89が接続される。タコメーター89はライダーに例えば視覚的に内燃機関25の回転数を提示することができる。弁開度設定手段84や燃料噴射量設定手段85は回転数算出手段88から内燃機関25の回転数を取得してもよい。
次に図5のフローチャートに基づき制御装置83の動作を説明する。スロットル弁71の制御にあたって弁開度設定手段84はステップS1でスロットル弁71の実開度と目標開度との差分を算出する。目標開度には前回の算出で得られた目標開度が用いられる。実開度と目標開度との乖離が予め決められた閾値以上であれば、弁開度設定手段84はステップS2で操作量検出手段86から右ハンドルグリップ78の操作量を取得する。弁開度設定手段84はステップS3で操作量に比例してスロットル弁71の開度(目標開度)を設定する。決定された目標開度に基づき制御信号は生成される。弁開度設定手段84はステップS4でアクチュエーター74に向けて制御信号を出力する。
ステップS1でスロットル弁71の実開度と目標開度との乖離が閾値未満であれば、ステップS5で弁開度設定手段84は自動二輪車11の速度を特定する速度信号を取得する。速度は閾値と比較される。速度が閾値に達していなければ、制御装置83の処理動作は前述と同様にステップS2に進む。ステップS2〜S4で右ハンドルグリップ78の操作量に応じて目標開度は設定される。こうして弁開度設定手段84は内燃機関25の低回転域でスロットル弁71の開度の固定を見送る。
ステップS5で速度が閾値に達していれば、弁開度設定手段84はステップS6で内燃機関25の回転数[rpm]を取得する。回転数は閾値と比較される。回転数が閾値に達していなければ、制御装置83の処理動作は前述と同様にステップS2に進む。ステップ2〜S4で右ハンドルグリップ78の操作量に応じて目標開度は設定される。こうして内燃機関25の低回転域でスロットル弁71の開度の固定を見送る。
ステップS6で内燃機関25の回転数が閾値に達していれば、弁開度設定手段84はステップS7でバッファフラグを確認する。バッファフラグは、目標開度の保持中に「1」を示し、それ以外で「0」を示す。バッファフラグに「0」が設定されていると、弁開度設定手段84はステップS8で目標燃料噴射量の算出の開始を検出する。検出にあたって弁開度設定手段84は角位置検出手段87の角位置信号を参照する。算出の開始のタイミングでなければ、制御装置83の処理動作は前述と同様にステップS2に進む。ステップS2〜S4で右ハンドルグリップ78の操作量に応じて目標開度は設定される。
目標燃料噴射量の算出のタイミングであれば、弁開度設定手段84はステップ9でバッファフラグに「1」を設定する。弁開度設定手段84は続くステップS10でバッファに目標開度を保持する。弁開度設定手段84はステップS3で保持された目標開度に基づき目標開度を設定する。決定された目標開度に基づき制御信号は生成される。弁開度設定手段84はステップS4でアクチュエーター74に向けて制御信号を出力する。
ステップS7でバッファフラグに「1」が確認されると、弁開度設定手段84はステップS11で吸気弁55の閉じタイミングを確認する。閉じタイミングでなければ、制御装置83の処理動作はステップS10に移行する。したがって、バッファに目標開度は保持され続ける。こうして保持された目標開度に基づき弁開度設定手段84では制御信号は生成される。
閉じタイミングであると、弁開度設定手段84はステップS12でバッファフラグを「1」から「0」に書き換える。したがって、バッファでの目標開度の保持は終了する。続くステップS13で弁開度設定手段84は操作量検出手段86から右ハンドルグリップ78の操作量を取得する。ステップS3で操作量に応じた目標開度が設定される。こうして弁開度設定手段84は、燃料噴射量設定手段85で目標燃料噴射量の算出が開始されてから、吸気弁55が閉じるまで、スロットル弁71の開度を固定する。
本実施形態では、弁開度設定手段84は、右ハンドルグリップ(アクセル)78の操作量の変動に応じてスロットル弁71の開度を変更し、少なくとも燃料の噴射中にスロットル弁71の開度を固定する。右ハンドルグリップ78の操作量の変動に拘わらず、燃料の噴射中にスロットル弁71の開度を維持することから、燃料の噴射中に吸入空気量が変動せずに比較的に良好な空燃比が確立されることができる。こうしてエミッションは向上する。特に、弁開度設定手段84は、目標燃料噴射量の算出が開始されてから、吸気弁55が閉じるまで、スロットル弁71の開度を固定する。したがって、燃料噴射量の算出条件が検出されてから、燃焼室46に対して混合気の導入が完了するまで、吸入空気量が変動しないことから、最適な空燃比が得られ、エミッションは最大限に向上する。
弁開度設定手段84は、吸気弁55が閉じた後、右ハンドルグリップ78の操作量の変動に応じて目標開度を指定する。燃料噴射量の算出が開始されるまで、スロットル弁71の目標開度は右ハンドルグリップ78の操作量に応じて変化することから、燃料噴射量の算出時にはスロットル弁71は確実に目標開度を確立することができる。こうして確実に最適な空燃比は確保されることができる。
弁開度設定手段84は、目標燃料噴射量の算出が開始された時点で、スロットル弁71の実開度と目標開度との乖離が予め決められた値以上である場合には開度の固定を中止する。スロットル弁71の実開度が目標開度に設定された状態でスロットル弁71の開度が固定されるので、できるだけライダーの要求値に見合った出力は得られることができる。その一方で、スロットル弁71の実開度が目標開度から乖離した状態で、スロットル弁71の開度が固定されてしまうと、右ハンドルグリップ78の操作量に見合った出力が確保されずに、ライダーの操作感が悪化してしまう。
本実施形態では、燃料噴射量設定手段85はスロットル弁71の目標開度および内燃機関25の回転数に基づき目標燃料噴射量を算出する。目標開度の演算後に目標燃料噴射量が決定されるので、スロットル弁71の実開度が目標開度から乖離しても、目標燃料噴射量の演算のやり直しが不要となり、演算効率が高い。
前述のように、弁開度設定手段84は内燃機関25の低回転域で目標開度の固定を中止する。内燃機関25の低回転域で、右ハンドルグリップ78の操作で得られるトルク要求値と実トルクとの開きが抑制されて、ライダーの違和感はできる限り回避されることができる。その一方で、内燃機関25の低回転域でトルク要求値と実トルクとの開きが大きいと、ライダーは高回転域よりも違和感を持ってしまう。
加えて、弁開度設定手段84は低速域で目標開度の固定を中止する。低速域で開度の固定が回避されることで、ドライバビリティの悪化はできる限り回避されることができる。低速域で開度が固定されると、右ハンドルグリップ78の操作で得られるトルク要求値から実トルクが乖離してしまうことがあって、そういった場合にはライダーはドライバビリティの悪化を感じてしまうことがある。
以上のようなスロットル弁71の制御は単気筒の内燃機関25で実施される。単気筒の内燃機関25ではスロットル弁71と吸気弁55とが1対1の関係を有することから、スロットル弁71の開度が固定されても、複数気筒のように他の気筒への吸入空気量の影響が生じない。狙い通りの吸入空気量は実現される。
制御装置83は多気筒の内燃機関に利用されてもよい。例えば2気筒の内燃機関の場合には、2つの気筒に共通に一方の気筒の燃料噴射量設定手段85で目標燃料噴射量が算出され、それぞれの気筒の燃料噴射量が決定される。このときの目標燃料噴射量は、気筒ごとにほぼ同量となるように設定される。そして、図6および図7に示されるように、弁開度設定手段84は、燃料噴射量設定手段85で目標燃料噴射量の算出が開始されてから、2つの気筒の吸気弁が閉じるまで、スロットル弁71の開度を固定する信号を出力する。こうして多気筒の内燃機関では、すべての気筒の吸気弁が閉じるタイミングまでスロットル弁71の目標開度は固定される。

Claims (7)

  1. アクセル(78)の操作量を検出する操作量検出手段(86)と、
    前記操作量の変動に応じてスロットル弁(71)の開度を変更し、目標燃料噴射量の算出が開始されてから、吸気弁(55)が閉じるまで、前記スロットル弁(71)の開度を固定する信号を出力する弁開度設定手段(84)とを備え、
    前記弁開度設定手段(84)は、前記目標燃料噴射量の算出が開始された時点で、前記スロットル弁(71)の実開度と目標開度との乖離が予め決められた値以上である場合には前記開度の固定を中止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記弁開度設定手段(84)は内燃機関(25)の低回転域で前記開度の固定を中止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1またはに記載の内燃機関の制御装置において、前記弁開度設定手段(84)は低速域で前記開度の固定を中止することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御において、多気筒の内燃機関(25)に接続され、前記弁開度設定手段(84)は、全気筒の吸気弁(55)が閉じるまで、前記スロットル弁(71)の前記開度を固定する信号を出力することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記弁開度設定手段(84)は、前記吸気弁(55)が閉じた後、前記操作量の変動に応じて目標開度を指定する信号を出力することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、内燃機関(25)の回転数を検出する回転数検出手段(42)と、目標開度および前記回転数に基づき前記目標燃料噴射量を算出する燃料噴射量設定手段(85)とをさらに備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、単気筒の内燃機関(25)に接続されることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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